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( ^ω^)達は今が楽しければなんでもいいようです
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高く、高く、高くーー
彼女は遥かなる高みを目指して、ひたすら真っさらな塔の壁に軌跡を刻み込んで登り続けていた。
その頂きには何があるのかも分からない。
もしかしたら、そんなものはなく、自分はこのようにして死ぬまでの時間を、この行為に注ぐのかもしれない。
そんな風に考えることもあった。
だが不思議と悪い気はしなかった。
先人の軌跡などとうに消え失せ、自分が刻む側になった。
そんな退屈な日常に変化が訪れたのは、モララーという存在を認知してからだ。
彼の軌跡を辿り、塔を登り続ける。
その軌跡を、たまに首を上げて上へと辿ってみるが、雲の上まで続くそれの終着点は、彼女の視界には収まらない。
お前はもう、この塔を登り終えているのか?
彼女は尋ねた。
モララーは、静かにほくそ笑むだけだった。
がむしゃらになって彼の軌跡を追い続けた。
その過程で、彼女の肩には次第に重りが積み重なっていった。
生徒会長。
帝国最強の剣士。
裏世界で約束された王位。
いつしか純粋に力を追い求めていた頃の邁進は影を潜め、塔をよじ登る手の動きは緩慢になっていた。
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