したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

( ^ω^)達は今が楽しければなんでもいいようです

2名も無きAAのようです:2015/07/30(木) 21:45:36 ID:cJAE/Alw0
( ^ω^)「これが君の望んでいたものなのかお?」

 眼下に広がる景色は、最早見慣れた日常風景であるように思えた。
本来土色であるはずのグラウンドは赤く、文字通り死屍累々が広がっていた。
ぼくと、彼は、それをフェンス越しに、屋上から見下ろしている。

 うず高く積み上げられた死体の山を間近で見れば、きっと彼等の個性が手に取るように解るのだろう。

 泣き喚きながら頭を撃ち抜かれた者。
気が触れ、笑い声を上げながら首を掻き切られた者。
苦痛に耐えながら撲殺されていった者。
その一つ一つの表情から彼等の死に際について考察することは、或いは有益なことなのかもしれない。
しかし、今はそうする気分にはなれなかった。

 暫く伸ばしっぱなしにしていた鬱陶しい前髪が、生温い風に靡く。
それを煩わしく思い、ぼくは前髪を掻き上げ、隣でセブンスターを喫うドクオの方を見た。

('A`)「まさか。俺には死体の腑を食う趣味なんて無いし、あんな生肉の塊をジロジロ眺めて興奮するニッチな性癖もねぇよ。ただ、俺が欲しいものを手に入れようとしたら、その副産物としてあれが出来上がった。ただ、それだけさ」

 グラウンドに転がる数多の死体。
彼はそれを望んでいたわけでもなく、逆に嫌悪するでもなく、本当にどうにも思っていないようだった。
彼が今喫っているセブンスターが、彼の身体にどのような害を齎すか。
それと同じように、どうでもいいことなのだろう。
少なくともぼくには、そのように見えた。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板