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▼・ェ・▼その男、所詮、『犬』のようです。
604
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:02:45 ID:T9UmXfFg0
―――――――ぐにゅっ。
.
605
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:03:29 ID:T9UmXfFg0
( ><)「ん……」
年期の入った、お世辞にも綺麗とは言えない木製の建物。
その一室のくたびれたベッドの上で少年は目を覚ました。
もともとクルクルと渦を巻くほどに癖の強い金髪は寝癖のせいであちらこちらに跳ね回り、水色のパジャマからはだけた胸元には汗の雫が浮かんでいる。
小動物のような仕草で目をこするビロードの姿は、その趣味の人から見たら堪らないほど官能的だったことだろう。
しかし当の本人の顔色は、快適な目覚めとは程遠い曇ったものだった。
606
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:04:32 ID:T9UmXfFg0
( ><)「……なんか変な夢を見た気がするんです」
どんな夢だったかは覚えていない。
だが妙に気味悪く、それでいて薄ら寒い。
思い出そうとしても欠片も思い出せない癖に、なぜか怒りにも似た不快感を残す。
そんな後味の悪い夢を見た気がした。
(;><)そ「いつっ!?」
起き上がろうとしたビロードの身体にピキンと音が鳴るような衝撃が走り、一瞬小さな身体が強ばった。
607
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:05:21 ID:T9UmXfFg0
この平和の交差点にある小さな教会の神父、『カルーア・ショボーン』は今年で50歳になる。
ビロードから見ている分には特に年をとったとは思えなかったが、やはり身体の事は本人が一番分かっているらしく、ここ最近はいつも年は取りたくないものだ。と憂いをおびたため息を漏らしている。
もちろんビロードからしてみれば、孤児だった自分を育ててくれたショボーンが老いぼれになろうがなるまいが、愛しい大切な父親代わりであることは変わらないのだが。
ビロードはそんなような事を考えながらベッドを整えながらバスルームでパシャパシャと音をたてながら顔を洗う。
水滴越しに鏡に映る自分の姿はいつ見ても幼く、どことなく脆く感じる。
落ち葉が風にさらわれて、あっという間に吹き飛んでしまうような。そんな、弱く、脆いイメージが。
608
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:06:03 ID:T9UmXfFg0
( ><)(あの『ワンちゃんのお兄さん』みたいに、僕も強くなりたいんです……)
軽くため息を吐きながら、寝起き独特のトテトテと覚束無い足取りで礼拝堂へ向かう。
敷地も小さく、言ってしまえばかなりボロい教会ではあるが、礼拝堂だけは神父やビロードが1日も欠かさず掃除をしているので存外、小綺麗なのだ。
(* ><)「おはようございます、神父様!」
礼拝堂にビロードの元気な声が響いた。
しかし、それに答えてくれるものが居ない。
( ><)「あれ?」
609
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:06:48 ID:T9UmXfFg0
不思議な事に、礼拝堂には誰も居なかった。
いつもこの時間には既に起床して、軽い掃除をしている筈のショボーンの姿はどこにも見えない。
どこかに出掛けるにしては早すぎる時間だし、行き場所にも心当たりは無い。
( ><)「神父様……?」
古びた礼拝堂の中、ビロードのどこか寂しげなボーイソプラノがポツリと響く。
何となく嫌な予感を抱えながら、少年は神父の帰りを待つことにした。
よりによって、今日は肩の痛みが治るのに1時間ほどかかり、余計に彼の心をキリキリとしめつける。
610
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:07:51 ID:T9UmXfFg0
そして、2時間待っても、3時間待っても。
ついには神父、カルーア・ショボーンが帰って来ることは無かった。
.
611
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:08:38 ID:T9UmXfFg0
第3話 猿
.
612
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:09:26 ID:T9UmXfFg0
ビロードがショボーンの帰りを涙目になりながら待っていたその日の夜。
人々が酒に酔い、騒ぎだし、辺りが喧騒に包まれるソウサクシティの夜。
爪;A;)「お願い! お願いよ……!」
夜からまるで滲み出るようにして、沈黙が支配していた薄暗い路地裏で、一人の不幸な女が前触れもなく襲い掛かった理不尽な恐怖と対峙し、うわずった声で許しを請うていた。
爪;A;)「助けて……許して……」
顔つきから考えるに、年はまだ10代か20代前半。
ワンピースタイプのシャツドレスから長めのピンヒールまでパステルイエローで綺麗に統一した、やけに派手な格好をした小柄な黒人娼婦だった。
そんな彼女は今、頭から血を流しながら路地裏の壁にほとんど倒れかかる状態で寄りかかり、涙ながらに目の前の『ソレ』に命乞いをしていた。
613
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:10:26 ID:T9UmXfFg0
爪;A;)「お願い。ねぇ……助けてよ!」
( ゚"_ゞ゚)「……」
女は声を震わせながら目の前に立ち塞がる長身の男を見上げながら文字通り懇願する。
しかし、とうの男はまるで女にさほど関心が無いかのように冷めた視線を送り、左手に持った杖の頭を撫でたり擦ったりするだけだった。
( ゚"_ゞ゚)
その男、異様。
頭にはチェス番を斜めにしたようなチェック模様の、目がチカチカするシルクハット。
羽織っているジャケットは黒と白の切り替えが目に残る、ダブルの燕尾服でこれもまたモノトーンながら目に残る色彩だ。
スラックスの色も右が黒、左が白とモノトーンながら派手な出で立ちで、クロコダイル製の革で作られたであろうシューズも、ハットと同じような模様に着色されている。
614
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:11:11 ID:T9UmXfFg0
左手に握る細身の杖も、まるでピンドットのように細かくなった市松模様で彼の異様な出で立ちと妙にマッチングしており、反対の方には革製の固定ベルトでくくりつけた鈍く黒光りする巨大な棺桶を背負っている。
その風貌はどこか時代遅れの異国の葬儀屋や死化粧師をモダンにアレンジしたファッションモデルのようであった。
身の丈は190があるか無いかと言った大柄で、洋服の上からでも、その引き締まった肉体美が透けて見える。
どこか場違いでありながら紳士的な服装と、彼のたくましい肉体とのギャップが絶妙にミスマッチしており、対面に座り込む娼婦にさらなる恐怖を与えていることに関してはもはや説明するまでも無い。
615
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:11:55 ID:T9UmXfFg0
( ゚"_ゞ゚)「Ah……」
やがて男は芝居がかった動作でゆっくりと。
それでいて目の前の少女に見せ付けるような大袈裟な動きで首もとのタイ(言うまでもなく、白と黒の、あのチカチカする模様の)を閉め直し、ハットの鍔を軽く弄る。
そして左腕をゆっくりと挙げながら、さながら舞台役者を気取るかのような大袈裟かつ、堂々とした態度で視線のまま目の前の女に悠々と語りだした。
( ゚"_ゞ゚)「君はきっと今、とても不思議な気持ちだろう。そうだろうさ、何故なら君はこの路地裏をただ。ただただ、一人で歩いていただけなのだから」
616
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:12:41 ID:T9UmXfFg0
( ゚"_ゞ゚)「君には何の罪もない。そうさ、その通りさ。大体にして私は君みたいな潰れたウジ虫のような顔面をした肥溜めに落ちた糞ったれの糞ビッチの糞マンコになんか微塵も興味は無い。いや、むしろ不愉快ですらあるよ、醜いのは罪だ罪だ罪だ。ああ、もう死ねばいいのにこいつ」
男の声はやたらにハスキーで太く、その動作も相まって、やはりどこか役者のように遠くまでしっかりと響く。
それでいて、聴いたもの耳にこびりつくように残る声色だったが、それよりも特徴的なのはその口調だろう。
一目見ただけではおおよそ紳士的で落ち着いた風貌のその男からは想像もできない程に早口で、言葉使いもかなり独特だ。
617
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:13:50 ID:T9UmXfFg0
いわゆるキマってるだとか、ラリってるだとか。
そういう状態の人間の口調となんとなく似通ってはいるが、その蒼い瞳はしっかりと座り込んだ娼婦を見据えており、とてもヤク中には見えなかった。
( ゚"_ゞ゚)「だがだが、だががが待ちたまえ。人間というのはどんなクズにも1つくらい美点と言うものがあるんだよ。美点だよ美点、つまり美しいところだよ分かるかい分かるよねむしろ分かれ」
( ゚"_ゞ゚)「私はね、まず君を見かけた時にこう思ったんだよ。『ああ、なんて、不細工、な、女、なんだろう。しかも不細工な分際であんな露出過多な布切れをヒラヒラさせてまさに公害だよ公害関わりたくないどころか見ているだけで目が腐るじゃないか、あれ、これ頑張れば慰謝料とか取れるレベルの公害じゃね!?』と」
男の言葉に熱がこもり、その速度が上がる。
手足がまるで踊るかのように跳ね回り、たった一人の観客の為に、雄大かつ繊細に動き始める。
618
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:14:45 ID:T9UmXfFg0
次第に冷たいだけだった蒼い瞳は白目の部分が赤くひび割れるかのように充血を始め、彼の身体全身にも、まるで怒るかのように力が込められていく。
その光景に、不幸な娼婦はガタガタと震えながら嗚咽を漏らすしかないのだが、それすらも彼の眼中には入っておらず、長身の紳士は早口言葉のようにさらに熱く語り続けた。
(#゚"_ゞ゚)「だが、しぃかぁしぃ!! 私は、私は私はこの私そんな君の中から!! 潰れたウジ虫の君の中から、半分腐ったロバの死体の中で発酵している肝臓に棲みつく寄生虫がウネウネとダンシングしているような君の中から、美しい輝きを見つけたのだよ!! 」
( ー"_ゞー)「そう! それは……!!」
あちらこちらと動き回り、踊るように手足を派手に動かしていた男の動きがピタリと止まる。
再び沈黙が闇を支配し始めた時、己の不幸に絶望していた娼婦に、ほんの一筋の希望が見えた。
そう、男は停止している。
ちょうど、彼女に背を向ける形で綺麗に直立しているのだ。
619
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:15:27 ID:T9UmXfFg0
爪;A;)(今なら……!)
今しかチャンスは無い。
そう確信した彼女が隙をついて逃げ出そうと、震える右手を地に付けた瞬間……
(#゚"皿ゞ゚)「君の『腰』だあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
爪;A;)「ひぃっ!?」
男は絶叫しながら、まるで奇怪な人形のように勢いよく『上半身だけ』ツイストして女を睨み付けた。
620
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:16:12 ID:T9UmXfFg0
(#゚"皿ゞ゚)「腰だよ腰腰腰腰腰腰腰腰腰ウェスト―――!! 私はねぇ、君が身に付けている低俗で下品なその薄っぺらい布地からヒラリと見えたその美しい腰を見たとき、まるで雷にでも射たれたような衝撃を受けたんだよ!!」
(#゚"_ゞ゚)「君の腰は宝だ!! まさに宝石!! まさに紫水晶の輝き!! まさに天使の羽!! まさに聖母の一滴!! まさにアフロデティの忘れ形見!!」
(#゚"_ゞ゚)「Yes!! 最高だよ、とにかく最高なんだ!! それは、理想。むしろ、至高! まさに……」
(#゚"_ゞ゚)「『Marvelous(マーベラス!!)』」
息を荒げながら絶叫する男の瞳は既に真っ赤に充血し、ブンバブンバと踊るように跳ね回す手足はプルプルと細かく震えている。
激しく興奮した様子を隠すこともなく全身で表す男の狂気的な様子に、女は腰を抜かしてヒィッと間の抜けた悲鳴をあげるしかない。
621
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:16:52 ID:T9UmXfFg0
しかし、その様子を知ってか知らずか棺桶の男は派手に大きく見せびらかすように動かしていたその巨体を、次第にモジモジと擦り合わせるように小さく動かし始める。
まるで内気な少女が愛の告白に挑むかのような、とてもでは無いがその場に似合わぬ動きを見せ付けながら、その表情には愉しくて堪らないといった感情であふれ、やがてそのまま語り続けた。
(*゚"_ゞ゚)「あぁ、もう、堪らないよ。ウフフッ……ダメだ、もう我慢できないよ。だって、実のところ、君の、その、腰を見たその時から。私は……私は……!」
自分で自分を抱き締め、少しでも自分の、
身体を小さくみせる。
そんな奇怪な動きを見せていた男は突如、弾けるように身体を広げ、反らし、見せ付けた。
622
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:18:26 ID:T9UmXfFg0
(*゚"_ゞ゚)「ンホォ――――!! あまりの衝撃に私のおちんちんが勃起っ起しちゃうの――!! 興奮のあまりおちんちんがErectしちゃうの――私のおちんちんがえれくちんちんになっちゃうの――!!」
黒く、勃起した。
その男性器を。
.
623
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:19:13 ID:T9UmXfFg0
(*゚"_ゞ゚)「Marvelous!! 見てるだけでオーガズムを迎えてしまいそうな、その、魅惑の腰は、まさにMarvelous!!」
(*゚"皿ゞ゚)「 Yes! Yes! Yes!! Marvelous!! 」
男の叫びが暗闇に響き荒々しい呼吸の音と、女の小さな泣き声が場を支配した。
沈黙。
束の間の、沈黙。
(*゚"_ゞ゚)「ウフフッ……そう。だからこそ。だからこそ、ですよ、ねえ? 貴女」
一歩。
棺桶の男は娼婦に近付いた。
まるで彼のペニスの猛りを模写したかのような好色的な表情で。
624
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:19:59 ID:T9UmXfFg0
( ゚"_ゞ゚)「そんなMarvelousなパーツは、ねえ」
一歩。一歩。そして、また、一歩。
( ゚"_ゞ゚)「『彼女』が持つに」
( ー"_ゞー)「相応しいとは」
( ー"_ゞ゚)「思いませんか?」
爪;A;)「ひっ……」
徐々に。しかし確実に縮まっていくその距離は1メーター程になったところで停止する。
殆ど倒れこむようにして壁に寄り掛かる黒人女の顔が更なる恐怖に染まる。
625
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:20:43 ID:T9UmXfFg0
見上げれば珍妙な成りをした2メートル近い背丈の狂人。
そんなシチュエーションで恐怖を感じぬ人間など要るのだろうか?
だからきっと。彼女の下半身から生暖かいアンモニア臭が漏れ出る事も、きっと仕方が無いことなのだ。
( ゚"_ゞ゚)「だから、ねえ? ウフッ。つまり、ね。その、腰は、さあ?」
クスクスと小さく笑う男は左手に持つ杖の頭を愛おしそうに撫でた。
やがてスクリューキャップを開けるかのような動作でその頭を捻り、引き抜く。
スラリとした刀身のソレが、鈍く、重く。
月光を反射した。
626
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:21:24 ID:T9UmXfFg0
( "_ゞ゚)「貴女なんかに勿体無い、よ、ねぇ?」
.
627
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:22:21 ID:T9UmXfFg0
(*゚"_ゞ゚)「あぁ……美しい」
モノトーンで統一されていた男の色彩に少量で無い紅が差し込む。
飛び散った返り血が頬にまで付着していたが、棺桶の男はそれを気に止める事なく、蕩けた様な表情で両手に抱えたその部品(パーツ)を眺めていた。
黒い革靴を汚すのは、ポタリポタリと切断面から垂れ流す赤い血液だけでは無い。
赤く、太く、激しく猛る、己の男性器から漏れ出した、粘性のある透明な液体だ。
(*ー"_ゞー)「抱えるだけで止めどなくカウパーが溢れていく……この、色! この手触り! この曲線! なにもかもがMarvelous!!」
堪らないといった表情で、未だ温もりの残る部品ヘソにキスをした。
そしてほぉっと小さな息を吐いた後、ゆっくりと頬擦りをする。
628
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:23:34 ID:T9UmXfFg0
5分程、幸せの余韻に浸っていた男だったが、先程まで彼が背負っていた棺桶の方に視線を向けると、まるで反射したかのようにパッと部品から顔を離し、壁に立て掛けた自らの宝物に歩を進めていく。
棺の扉を金属同士が擦れる、悲鳴のような音を立てながら開くと、男はそこにいる『彼女』に向けてにこやかに語り始める、、
( ゚"_ゞ゚)「あぁでも待って待って待って待って誤解しないで誤解しないで。これは、君へのプレゼント」
(*゚"_ゞ゚)「ウフフッ……この腰は『君』に相応しい。やはり君こそが至高だ。君の存在そのものがMarvelousだよ……」
『彼女』は何も答えない。
しかし、男の頭には彼女の声が確かに響いており、幸せで堪らないといった顔で一方的かつ奇妙な『談笑』を心から楽しんでいた。
629
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:24:20 ID:T9UmXfFg0
(*゚"_ゞ゚)「ンフフッ……もうすぐ君はきっと起き上がるよね。そうともさ、君はもうすぐ完成されるんだ。君こそが私だけの天使なんだ。あぁ堪らないよ。君の事を考えるだけで私のおちんちんは、えれくちおんさ」
(*゚"_ゞ゚)「心配しないでも大丈夫さ。嫉妬なんかしないでおくれよマイ・スイート・エンゼル。僕の純潔は君だけに捧げるんだからね、こんな薄汚い糞の糞の糞のさらに糞なマンコになんか突っ込んだりなんてノット・ジェントルな真似はしないよ」
男は視線をチラと後方にくれてやる。
そこにはかつてパステルイエローの衣装に身を包んだ、人間だった物が間接ごとに切断され、ゴミの山のように粗末に積まれていた。
無論、そこには肋骨から臀部に到っての部品だけ存在していない。
630
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:25:20 ID:T9UmXfFg0
(*ー"_ゞ゚)「私はいつだって夢見てるんだ。完成された君と僕とが柔らかなシーツの上でまるで融けるように、混ざり、愛、ながら。まるでマーブル模様になるように、蕩け、愛、ながら。」
(*ー"_ゞー)「お互いの純潔を捧げ……私と君と。お互いのジュースで、甘い、甘い、初めての『イチゴミルク』作ることを……ウフフッ……ウフッ」
(*ー"_ゞー)「ウフフッ……ウフフフフフフフフ!!」
男は身を震わせ笑みを漏らす。
やがてその震えと声は大きくなり、路地裏に反響していく。
631
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:26:18 ID:T9UmXfFg0
そして限界まで高まった男のテンションは爆発。
身体を海老のように激しく反らせ、ハットが落ちることすら気にも止めず大きく身体を広げ、叫び出した。
(*゚"_ゞ゚)「ンッホォ―――――!! もう我慢できない――!! 堪え性の無いおちんちんにご褒美タイム突入しちゃうの―――!!」
左手は広げしっかりと手にいれた部品を掴み、右手で散々にお預けをされていた自身の太いペニスを掴み、ピストン運動。
パンパンに張りつめ、激しい手淫に震えるその亀頭は月明かりに照らせれ、まるで珊瑚の宝玉のように滑らかに輝く。
やがて夜空を仰ぐように反らした身体を勢い良く持ち上げ、先程までの舞台役者のような大袈裟な一挙一動で『彼女』にアピールをする。
632
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:27:08 ID:T9UmXfFg0
(*゚"_ゞ゚)「見て! 見て!! 僕を見てよマイ・エンゼル!! この高鳴りは、この欲望は、このミルクは!! 君の事を考えながら! 君だけの事を考えながら発射するからあああぁぁ!!」
右手の動きは次第に加速し、絶え間なく漏れ出す先走りのせいか、ヌチョヌチョと水っぽい音を生み出している。
(*゚"_ゞ゚)「Oh……Yes! Yes! Yes!!」
(*゚"_ゞ゚)「Yes!! Yes!! Yes!! Yes!! Yes!!」
(*゚"皿ゞ゚)「YesYesYesYesYesYesYesYesYesYes!!」
(* "_ゞ゚)「Oh……!!」
男は今日日、一番の激しい動きで身体をを大きく弓なりに反らせると、目を見開き、大口を開け、絶叫した。
633
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:27:54 ID:T9UmXfFg0
(*゚"皿ゞ゚)「Marvelous!!」
夜空に放たれた白い精液は天高く延び、満月と重なった。
息を荒げながら恍惚の表情で月に欲望をぶちまけ、快感の余韻に浸る男の胸ポケットから一枚の写真がヒラリと落ちる。
重力に従い落下した白濁液はまるで引き寄せられるかのように、その写真にボタボタと落ちていく。
634
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:28:42 ID:T9UmXfFg0
『蒼い龍』、『偉大なる父の右目』と呼ばれた、気高き戦士。
『川 ゚ -゚)』
写真に写るイエローモンキーがNo2。
ヘネシー・クールの見惚れるような美しい横顔は汚らわしい白濁に陵辱されたのだった。
.
635
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/08(木) 23:29:38 ID:T9UmXfFg0
おしまいける。中編につづく。
636
:
名も無きAAのようです
:2015/10/08(木) 23:38:18 ID:zMlJ2tAE0
これはひどいwww
637
:
名も無きAAのようです
:2015/10/09(金) 00:19:59 ID:5E5KdG2I0
そもそもbadyってなんやねん、と
638
:
名も無きAAのようです
:2015/10/09(金) 00:27:55 ID:CfhjuGWg0
オサム狂ってやがるな……
今回もおもしろかった乙!
639
:
名も無きAAのようです
:2015/10/09(金) 01:00:48 ID:xtIKoQCk0
あれ?
640
:
名も無きAAのようです
:2015/10/09(金) 01:37:08 ID:fsyjJ/OQ0
おちんちんキターーー!!
うーむCrazy
641
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/09(金) 07:39:00 ID:nlQUGgQA0
乙や感想ありがとうございます。
すぺしゃるせんくす
>>189
アマレット・ツー
>>593
犬
3連休中に中編其の1を投下。
バトルの連チャンだあぁー
642
:
名も無きAAのようです
:2015/10/09(金) 11:44:40 ID:gHTjsGGU0
おつ!
643
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/11(日) 13:44:21 ID:ExqxYE.Y0
酔い潰れなかったら夜〜深夜に投下。
カニバリズム微注意。
644
:
名も無きAAのようです
:2015/10/11(日) 14:53:33 ID:BwAf7Rx.0
またドクターストップかからないように気を付けてなw
645
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/25(日) 00:11:41 ID:i2XaXEzg0
おまんこおまんこおまんまん。
1…交差点end
2…西ルートend
>>647
の選択で
※どっちみちいっぱい死にます
646
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 00:13:15 ID:TxwCUfq60
交差点
647
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 00:15:59 ID:qOZ9iAco0
1
648
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/25(日) 00:18:45 ID:i2XaXEzg0
交差点endに決定しました。
今後、番外編以外での投票または安価はいたしませんのでご注意下さい。
以下、別ルート選択時の簡単な説明
649
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 00:23:22 ID:TxwCUfq60
ヤッター
650
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/25(日) 00:23:38 ID:i2XaXEzg0
東ルート
流石兄弟がクリムゾンヘッドの傭兵として雇われる→犬がクリムゾンヘッドに加入→犬がハインを主人として無双→最後の最後にハインが西のクールに殺される→ハインの子宮を食べた犬は新しい主人を探しに行く。
北ルート
犬がペニサスと合流→タカラらゆるものを払いのけるペニサスの力に感服する→少しずつながら北のナインテールがソウサクシティを掌握していく→犬はペニサスに一生遣える。
651
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/25(日) 00:26:19 ID:i2XaXEzg0
西ルート
ニダーが死ぬ→西のイエローモンキーが 東と北に宣戦布告→ヒートとクール以外死ぬ
ルート分岐→ヒート……ヒートと友に犬は生きていく。
ルート分岐→クール……クールを殺して犬は自殺する
652
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 00:26:39 ID:5k0KbRUM0
東ルートがやべぇことになってる
653
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/25(日) 00:33:36 ID:i2XaXEzg0
交差点
ジョニーウォーカー闇を跳ぶ。
全7話。
1月31日。
完結。
所詮、自分は
犬で、あります。
.
654
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/25(日) 00:37:41 ID:i2XaXEzg0
人は神を目指して生きるのだから。
犬が主人を探して生きる事を、どうして非難できようか。
彼は神を探して歩く。
そして殺して、犯して、
吠える。
まるで自分の存在を呪うかのように。
何故なら彼は結局は、
所詮、哀れな
犬なのだから。
.
655
:
◆DDAJclyWXI
:2015/10/25(日) 00:38:33 ID:i2XaXEzg0
ぉちんちん。
656
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 00:44:45 ID:5k0KbRUM0
( ^ω^)……
657
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 06:59:50 ID:ZAyOCmKc0
つまり年内はお預けってことなのかよ!?
658
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 07:03:34 ID:EYXY9FQc0
>>657
違うだろ
659
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 21:35:22 ID:ndCPO9Jg0
正直、このスレは一年後ぐらいに見にくればいいとおもうよ
660
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 21:39:00 ID:DnCxvX9Q0
>>659
はい、お一人でどうぞ
661
:
名も無きAAのようです
:2015/10/26(月) 19:07:12 ID:E7Y/ht6.0
どれだけ暇なんだよwww
こんなもん一年後だって完結するわけないわな
662
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 15:32:18 ID:BhkOODio0
今夜投下ー
663
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 16:22:02 ID:6jtpD6sI0
まじかよヒャッホイ
664
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 18:47:47 ID:mOeDwODg0
マ?
665
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:23:27 ID:BhkOODio0
ごめん。犬しばらく出ないわ
666
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:24:08 ID:BhkOODio0
ミ,,゚Д゚彡「なあ、ギコ。最強の能力って何だか分かるか?」
半ばただの宴会と化したウルボロスの決起集会。
喧騒から少し離れた小さなテラス席で髭面の大男、ズブロッカ・フサが前触れも無く対面の弟分に語りかける。
黙々とエールを飲んでいたギコがその質問の意図を計りかね無言で顔をしかめていると、フサは何故か満足そうな顔を浮かべ、エールをグイっと飲み干す。
そして近くにいた部下に代えの酒を注文すると、少し悪戯めいたような喜色を浮かべながら口を開いた。
667
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:25:02 ID:BhkOODio0
ミ,,゚Д゚彡「訳わかんねぇって顔してんな?」
(,,゚Д゚)「実際、訳わかんねぇよ。兄貴。 何だってんだよ、急に」
ミ,,ーД゚彡「何、そんな難しい話じゃあ無えんだよ」
立派に蓄えた顎鬚を撫でつけるフサの顔色は先程と変わらない。
困り顔のギコの顔にむしろ満足したような様子で諭すように続けた。
ミ,,゚Д゚彡「相性とか、もちろんあるさ。使い手自身の身体能力とか、知恵とかも…よ」
ミ,,゚Д゚彡「そう言うの抜きにしてよ。純粋に能力の価値だけの強さで考えた時の話だよ」
668
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:25:45 ID:BhkOODio0
(,,゚Д゚)「ふぅん、あれか? 『時を止める』とか? かの有名なデトロイトのマフィアグループは時間を操るとか聞いたことあるぜ?」
ミ,,ーД゚彡「デトロイトの『DOM』か? まあ、あそこの『ベネディクティン・ファミリー』の力も確かにすげぇ」
あてずっぽうで適当な答えを出し、ギコはすっかりぬるくなったエールを口に含む。
何となく横に視線を向けてると、喧騒の中に新しくボスとなったスニフィ嬢の白い肌が見える。
豊かなバストに引き締まったウェスト。
流れるような美しいボディライン、そして後ろの方で束ねた黒髪が映える美しい顔立ち。
まさにアジアンビューティーという言葉がピッタリではないだろうか。
669
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:26:31 ID:BhkOODio0
(,,ーД゚)(あんな娼婦のようなナリだっていうのに、化物じみた強さを持っているとは、ねえ)
自分の身体を堅牢な鱗でおおい、大型のハ虫類(本人曰く龍だそうだが、ギコには変にデカいトカゲにしか見えなかった)に変体。
さらには火まで吹くという、ファンタジー小説のキャラクターのような力を持つ人間アブソリュート・スニフィが彼の視線の先にいる。
初めて彼女の力を目の当たりにした時は大層驚いたものだ。
ソウサクシティの裏の人間にはそんな力を持つものが、ごまんと居る。
もちろん、彼が所属する『ウルボロス』の中にも珍しくは無い。
仮に対決することになったとして、真っ正面からスニフィと立ち向かうには無謀だろうが、やり方によってはなかなか良い勝負ができる力を持つもつ者もいるだろう。
そう考えると、最強の能力を持つ猛者と言うのは案外近くにいるのかもしれない。
ギコはそんな事を考えていた。
670
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:27:19 ID:BhkOODio0
ミ,,゚Д゚彡「だが、違う」
半ば無意識にスニフィをぼおっと見つめていたギコの視線が、唐突なフサの否定の声に反応して慌てて対面に向き直る。
兄貴分の大男はギコの様子を咎めるでもなく、視線がこちらに戻るのを待っていたかのような笑みを浮かべながら雄弁に騙りだした。
671
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:28:01 ID:BhkOODio0
ミ,,゚Д゚彡「違うな、違う。確かにデトロイトのやつらも強い。もっと言うならお前が夢中なスニフィ嬢の力もハンパねぇ」
(;,,゚Д゚)「いや、そういう訳じゃ……」
ミ,,゚Д゚彡「まあ、聞けや。それに、西のヒートにクール。それに東のハインの力も強い」
うんうん、と頷きながら語り続けるフサの顔はどことなく赤い。
そう言えば見かけによらずに下戸だったか。
半ば呆れるような考えを浮かべ、ぼんやりとフサの顔を眺めていたが、ふいに彼の瞳がギロリと光った。
ミ,,゚Д゚彡「だが最強じゃあ、無え」
.
672
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:29:23 ID:BhkOODio0
フサは代えのエールを一息で飲み干すと、前のめりの姿勢でむんずとギコの方に顔を寄せた。
その顔からは先程までのどこか悪戯めいた笑みはすっかり消えている。
ミ,,゚Д゚彡「いいか、ギコ? よく聞きやがれ。最強っつうのは『先が見える力』だ」
ミ,,ーДー彡「どんなに絶望的な未来が待ってようがそれが分かってればいくらでも逃げれるし、対策も立てれる」
ミ,,ーД゚彡「つまりは無敵さ」
喧騒から離れた、むさ苦しい男2人の密かな晩餐。
もし彼らの仲間がどこかでこの会話を盗み聴いていたならば、恐らく嫌悪の表情を浮かべていた事だろう。
理由は単純だ。
この髭面の大男であるズブロッカ・フサが持つ能力は『未来予知』。
予知できる範囲や確定性にはムラがあるらしいが、それでも戦いにおいて有利になる力ではある。
673
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:30:25 ID:BhkOODio0
第三者から見たら、彼は子分に酒の席にて自慢話をしている嫌なやつに見えた事だろう。
だが真剣な眼差しで兄貴分の言葉に聞き入っているギコは、その話の真意に気付いていた。
ミ,,゚Д゚彡「いいか、よく聞けよ。ギコ?」
ミ,,゚Д゚彡「先が見えるやつは最強だ、絶対に負けやしねぇ」
ミ,,ーД゚彡「俺は……いや、つまり」
ミ,,ーДー彡「『俺達』は」
ミ,,^Д^彡「無敵だ」
ニカッと音が出そうな満面の笑みを浮かべたフサは話の終わりを告げるかのように、4杯目のエールを大きくグイッと飲み干し、豪快に笑いだした。
674
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:35:05 ID:BhkOODio0
なるほど、どうやら最強の能力を持っている人間というのは想像以上に近くにいたらしい。
しかも自分の目では鏡を介さないと、顔を拝めないくらい近くにだ。
目の前で上機嫌に酒を注文する大男を眺めながらギコは静かに思案する。
自分に迫り来る危機を事前に察知し、未来を視る力。
第7感『セブンス・ヘブン』を持った男『ストリチナヤ・ギコ』。
どうやら、彼は無敵らしい。
.
675
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:35:55 ID:BhkOODio0
――瞬間。ギコの視界に自分の姿が写った。
頭蓋が割れ、出来の悪い前衛アートのようにへしゃげた頭の中から脳髄が弾けるようこぼれ出している。
つまり、これは。
――――――――死
.
676
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:37:59 ID:BhkOODio0
(#,,゚Д゚)「うおおおおおおぉぉぉ!!」
本能的に右側に激しく跳躍。
すると、氷水を浴びたような強烈な寒気と暴風のような荒ぶる殺気を身にまとった血まみれの獣が、先程まで彼の頭があった地点を凪ぎ払うように通りすぎた。
受け身も満足に取れず、ただでさえ先の戦闘で傷だらけとなった身体に追い討ちをかけるかのように重い鈍痛が走るが構うことは無い。
どんなに無様に転げ回る事になろうが、フサは自身が『視た』死という名の未来を変える事が出来たのだから。
(;,,゚Д゚)「畜生……!」
薄暗い廃墟にギコの荒い吐息と、悪態が響く。
辺りを見回せば、彼の仲間達だった物がそこら辺に散らばっており、気を抜いたら今にでも嘔吐してしまいそうだった。
677
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:39:05 ID:BhkOODio0
13の若さから裏の世界に堕ち、それから10年以上も地獄と言われるべき光景を見てきた。
暴力、殺人、理不尽。まさにヘドが出るような悪意をヘドが出るほど経験してきた。
だが、そのどれもがこの圧倒的暴力による虐殺処分と比べるに値しない。
泣きたい、叫びたい。逃げたい。
だが一瞬でも隙を見せれば目の前の化物に身体をバラバラに引き裂かれるであろう。
そんなものはわざわざ『視なくても』分かる。分かってしまう。
最強であり、無敵だった筈の男。
ズブロッカ・ギコは今まさに絶望の淵に追いやられていたのだ。
( ゚∀゚ )「うぅん……?」
ゆらり、ゆらり。
そんな擬音が鳴り出しそうなゆったりとした動作で獣は二度三度と首を捻る?
678
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:39:57 ID:BhkOODio0
眉をしかめ、唸りながら何かを思案するその姿は、幼さの残る顔立ちと相まってこの地獄とのギャップが際立つ。
やがて男は足下に落ちていた女性のものと思われる白い右腕を拾い上げて、フライドチキンでも食べるかのような、ごく自然な動作でかぶり付いた。
小腹が空いたからなんとなく。そんな感じで人肉を頬張る姿は、グロテスクという領域を越え、いっそシュールですらあった。
そしてまたゆらりとした動作で、腰に巻き付けてた、まるでリボルバーのような風変わりなボトルケースから1本酒を抜き取り、そのままゴクゴクと喉を鳴らして流し込む。
(; ー∀゚ )「うぅん……? なぁんでだろうなぁ……?」
いつの間にか、まさに骨の髄までしゃぶりつくした餌だったものを無造作に投げ捨て、酒焼けした声で唸る。
679
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:40:48 ID:BhkOODio0
そして『黒く色付いた吐息』を吐き出しながら、もう一度ウィスキーを味わうと、これまたゆらりとした鈍い動作で目の前で傷だらけの身体を庇いながらこちらを睨み付けるギコの方に視線を向けた。
( ゚∀゚ )
その男、存外に平凡。
顔立ちは幼く、体格も小柄。
服装も腰に巻いたボトルケースを兼ねた風変わりなベルトを除けば、どこにでもいる青年である。
ミディアムロングの前髪から見え隠れする瞳には赤と黄色が混じったような独特な濁りが出ているが、それもスラム育ちの人間ならば特出する程に珍しい事では無い。
680
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:41:28 ID:BhkOODio0
サイズオーバーのパーカーから覗ける手首は少女のようにか細く、パッと見ただけではこの腐った町の薬づけのよくいる若者。と判断されるだろう。
どこにでもいる、ありふれた弱者、負け組、塵、屑。
彼の風貌はそう思わせる。
特徴的なものが何一つ無い、小柄な青年。それで終わりだ。
その身がおびただしい血液と臓物にまみれていなければ。だが。
.
681
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:43:05 ID:BhkOODio0
(# ゚∀゚ )「アッヒャアアアアアアァァァァ!!」
奇声を上げながら男は飛び出した。
人間離れしたその跳躍速度は猫科の肉食獣の如く、20メートル以上あった筈のギコとの間合いを一瞬で詰め、瞬速の手刀を首筋に見舞う。
しかしその動きを『視ていた』必要最低限の動きだけで首を僅かに捻り回避。
(; ゚∀゚ )「アヒャッ!?」
男は攻撃を回避された事に動揺してか、勢い余ってギコを追い抜かすようかのように飛び抜けた。
そんなスキを見逃す筈無く、ギコは無防備な背中に向かって発砲。
発射された三発の弾丸はどれも獣の背中に風穴を開ける。
心臓は外したものの、常人なら痛みにうめき声をあげながら倒れ込む致命傷だ。
682
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:43:51 ID:d9aA43n.0
http://ssks.jp/url/?id=348
683
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:43:52 ID:BhkOODio0
(;,,゚Д゚)「またかよ畜生……!!」
しかし、目の前の獣野郎は倒れ込むどころか声一つあげること無く、またゆらりとした動作でこちらに振り返る。
そしてまた何か考え込むようにして首を捻りながらうんうんと顔をしかめる。
(;,,゚Д゚)(さっきから何発も何発もぶちこんでるっつうのに……!)
戦いは一方的な筈だった。
首領を殺害された事に対する北への報復。
そこには仁義も礼節も糞も無い。
684
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:44:38 ID:BhkOODio0
自軍28対敵は1人、という圧倒的な数の差。
さらに全員が裏ルートから仕入れた防弾チョッキにベレッタ2丁の完全武装という圧倒的な武力の差。
もはや戦いとも呼べないただの『処刑』が始まる筈だったのだ。
その男が、ただの人間だったのならば。
.
685
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:45:36 ID:BhkOODio0
(; ゚∀゚ )「うぅん。やっぱ、わっかんねえんだよなぁ……?」
男はガリガリと頭をかきむしりながら非難の意を込めたジットリとした視線をギコに送る。
その動作の1つ1つは、彼の容姿以上に幼さをが目立ち、彼がいわゆる健常者とは違うことを感じさせた。
( ゚∀゚ )「俺はさ、何回も何回もさ、アンタを殺すためにさ」
(* ゚∀゚ )「こう、ビュバーンてなぁ? 飛び掛かって引きちぎろうとしてんだけどよ」
(; ゚∀゚ )「なぁんでかアンタはヒョイヒョイ避けるんだよなぁ……っかしいなぁ? 俺、結構強いんだけどなぁ?」
.
686
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:46:29 ID:BhkOODio0
その男、平凡。
その男、幼稚。
だがその男……
(;,,゚Д゚)(こいつが……北の『食人鬼(グルメマン)』)
(;,,゚Д゚)(不死身の化物、『ラフロイグ・アヒャ』!!)
――――――只の人間に在らず。
.
687
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:48:51 ID:BhkOODio0
ごめん酒のんでくる
688
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 20:57:09 ID:6jtpD6sI0
いてら
689
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 21:14:20 ID:f/Q8iKQk0
おお
690
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 21:39:37 ID:HtcvkzHI0
スターオブボンベイ飲みながら待ってる
フサとギコは同一人物?
691
:
名も無きAAのようです
:2016/01/30(土) 22:31:54 ID:d9aA43n.0
http://ssks.jp/url/?id=348
692
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 03:52:32 ID:7H8VBN/c0
ギコの能力がフサみたいな感じなのかな?
693
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 14:26:24 ID:B3tiLes60
今日中に完結するのかこれ
694
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 15:49:12 ID:gPtxL/Z60
>>693
え?
695
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 19:14:42 ID:smmq1ixM0
どこにも2016年の1月31日とは書いていない!
696
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 19:43:43 ID:kKKh0RIM0
ちゃんと見返せあほ
697
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 20:14:00 ID:1n6sRPrE0
____________
ヾミ || || || || || || || ,l,,l,,l 川〃彡|
V~~''-山┴''''""~ ヾニニ彡| 書く・・・・・・!
/ 二ー―''二 ヾニニ┤ 書くが・・・
<'-.,  ̄ ̄ _,,,..-‐、 〉ニニ| 今回 まだ その時と場所の
/"''-ニ,‐l l`__ニ-‐'''""` /ニ二| 指定まではしていない
| ===、! `=====、 l =lべ=|
. | `ー゚‐'/ `ー‐゚―' l.=lへ|~| そのことを
|`ー‐/ `ー―― H<,〉|=| どうか諸君らも
| / 、 l|__ノー| 思い出していただきたい
. | /`ー ~ ′ \ .|ヾ.ニ|ヽ
|l 下王l王l王l王lヲ| | ヾ_,| \ つまり・・・・
. | ≡ | `l \__ 作者がその気になれば
!、 _,,..-'′ /l | ~''' 所詮犬の完結は
‐''" ̄| `iー-..,,,_,,,,,....-‐'''" / | | 10年後 20年後ということも
-―| |\ / | | 可能だろう・・・・・・・・・・ということ・・・・!
| | \ / | |
698
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 20:17:03 ID:B3tiLes60
つまり今日来なかったら来年以降ってことですかァーッ!?
699
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 20:18:49 ID:kZL1MkRY0
まあ、そうなるな
700
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 21:22:27 ID:N4Nyq1Is0
11時に投下するからちょいまっちょ
701
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 22:20:17 ID:N4Nyq1Is0
ソウサクシティの北を征する『ナインテール』。
創設から一番年が若い新鋭の組織なのだが、他のマフィアグループ達とは決定的な違いがある。
それは構成メンバーの人数だ。
数は力。とはまさに言葉通りで、組織を大きくするにはまず人員が必要だ。
数を揃えて組織を大きくすることで、そのグループは強大な後ろ楯になり、その力を頼ってまた人が集まる。
数多くの傭兵をうまく使っているため、純粋なグループメンバーが殆ど居なくても成り立つ東の巨大グループ『クリムゾンヘッド』ですら30人以上の構成員を持っている。
702
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 22:21:45 ID:N4Nyq1Is0
にも拘らず、北の『ナインテール』はその首領である『アードベッグ・フォックス』を含め、わずか3人しかメンバーが居ない。
あぶれ者達が集い、小さな悪事を働くような小さなグループならまだしも、北側の広大なシマを牛耳る組織としてはまさに異常。
しかも噂では首領である筈のフォックスに関しては、そこらにいるような一般人と戦闘力が変わらないと言われている。
普通に考えればそんな弱小な男がまとめるような組織など一瞬で潰されてしまう事であろう。
では何故そんな吹けば飛ぶような無力な男が作り上げた組織が、北を代表する巨大な力を得たのか。
703
:
名も無きAAのようです
:2016/01/31(日) 22:25:44 ID:N4Nyq1Is0
それは彼の優秀な2人の部下。
姿形は平凡そのものだが、どんな大軍も無惨に殲滅し、なおかつ自身は全く傷を負わない。
そんな不死身の『魔女』と『食人鬼』の存在だ。
(; ゚∀゚ )「うぅん……困ったなぁ。俺ぇ、早く帰って、ディナーの支度をしなきゃいけねぇんだけどなぁ」
ゆらり、ゆらり。
酩酊するかのように身体を揺らしながらぶつぶつと呟く様はどこか不気味である。
食人鬼の詳しい能力は一切不明だ。
ただ、決して死なず。
そして圧倒的なスピードで敵陣を駆け回り、その怪力で全てを引き裂き、そして手頃な獲物をエサとして食すのだそうだ。
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