レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
( ^ω^)千年の夢のようです
-
9/24(水) 夕方より投下します
よろしくお願いします
前スレ
>( ^ω^)千年の夢のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1401648478/
まとめサイト様(以下敬称略)
>ブンツンドー
http://buntsundo.web.fc2.com/long/sennen_yume/top.html
>グレーゾーン
http://boonzone.web.fc2.com/dream_of_1000_years.htm
作品フィールドマップ(簡易)
http://imefix.info/20140922/321215/rare.jpeg
http://imefix.info/20140922/321216/rare.jpeg
-
横付けた小舟にブーンを乗せると、ミルナの嘔吐く声が聴こえた。
後から乗り上げたショボンが見たものは
背骨を挟むように2つの大穴で肉を抉られていた不死者の大きな背中。
ーー 常人であれば十二分に致命傷だ。
(;´・ω・`) 「これは酷い」
( ; ’ ω^)「……お」
(; ゚д゚ ) 「だ、大丈夫か? 動かない方が」
(;’ ω^)
つ◎ 「ぐ……助かったお」
目を覚ました途端に大汗をかきながらも
震える手で【ヒール】を詠唱。
弱々しい光がブーンを包む。
(;‘ ω^)
つ◎ 「ツンは…どこだお?」
(´・ω・`) 「陣形を変わってもらった。
僕が君を助けたのは移動を開始したアサウルスの足止めついでだよ」
-
一瞬だけ ーー 苦虫を噛み潰したような顔で
ブーンは目を伏せた。
それはショボンの言葉に、ではない。
(;^ω^)
つ◎ 「…急いで戻るお。
触覚に刺された時、急激な眠気に襲われた…
あれに不意をつかれたらツンも ーー」
(; ゚д゚ ) 「眠りって、【スリプル】とかいう魔法をあの怪物も使うのか?」
(´・ω・`) 「魔法については僕も分からない…
けど、嫌でも気付かされたよ。
アサウルスは単なる蟻の怪物じゃないって」
(;^ω^)
つ◎ 「ビコーズがこの日のために僕らを呼んだのも頷けるお」
(´・ω・` ) 「……」
当の御神体…そういえば姿が見当たらない。
( ^ω^)「それでも僕たちは出来ることをやるだけだお」
-
両腕を粉砕されたアサウルスが取った行動は
[無防備]。
少し考えれば罠だと分かるはずが、あの時は
なぜ二人とも隙をみせてしまったのか。
まるで思考や感情が "留められず先走った" かのように。
(´・ω・`) 「行こう。 今度こそヘマはしない」
( ^ω^)「だお!」
言うが早いか ーー
頭上に陣取るアサウルス目掛けて
不安定な船を足掛かりに二人の不死者が姿を消す。
彼らの跳んだ反動で船体は大袈裟に沈み、
辺りを波立たせた。
:(( ゚д゚ ): 「……三人とも無事でいてくれよ」
戦いに参加しないミルナも、
顔をあげると自分が今どこに居るのかを思いだして島へと戻る。
小さな舟を真逆に漕ぎだし、急いでアサウルスの元から離れる。
(( ( ゚д゚ ) 「………」
-
ここまで来るのも大きな勇気がいった。
もう充分だと思った。
同時に胸に去来するのは
ショボンに置いていかれた寂しさと、
とてもついていけないであろう不死者とアサウルスの戦闘に腰の引けた自身の不甲斐なさ。
この舟も、恐ろしい形相で蟻と化した人々が
乗っていたものをなんとか心を奮い立たせ、
押して海に漕ぎ出したのだ。
ショボンやブーンの身を案じながらも
同時に船底にも誰か張り付いていやしないかと想像したりもした。
これ以上は心がもちそうにない。
今日だけで一生分の感情を揺さぶられた気がする。
・・・・・・・
ーー 不自然なほどに。
(( ( ゚д゚ ) 「……俺はもう」
充分だ。 何度もそう思ってる。
ショボンやブーンやツンの三人を
信用する、しないの問題ではなかった。
「でぃを連れて…この島から離れよう」
人の言葉は口にして始めて完成する。
決意も、事実も、史実も、
……その心も。
-
(;^ω^)「ツン!」
ξ;;-⊿-)ξ「……」
前線に復帰したブーンの目に飛び込んできたのは、肩を落とし、へたりこむツン。
周囲の触手は根元から焼け枯れたものと
いまだ健在のものがある。
…だが、いずれもその動きは停滞。
代わりに蟻の大群がその尖端から続々と姿を現し始めていた。
(´・ω・` ) 「……」
ξ;;゚⊿-)ξ「二人とも…戻れたのね。 良かった」
三( ^ω^)「どうなってるお?!」
ξ;;゚⊿゚)ξ「こっちに来ちゃダメよ、ブーン!」
(;^ω^)):「おっ」
駆け寄るブーンを制止。
ツンの言葉は続く。
-
ξ;;゚⊿゚)ξ「アサウルスに魔法を返されたわ。
【リフレクト】とでも言うのか…とにかく、
私が使った【フレアラー】もそのままね」
ξ;;゚⊿゚)ξ「いま動きがないのは【スリプル】を放ったから。
でも…きっとそれももうすぐに返される」
瞬間、ショボンの頭に
浮かんだのはミルナの言葉。
ξ;;゚⊿゚)ξ「アサウルスは魔導力を吸っているのよ、蟻から、触手から…。
喰い喰われたものは養分として、アサウルスが使えるようになる」
ーー ミルナが【スリプル】を
知っているタイミング
ξ;;゚⊿゚)ξ「私自身ももう魔導力が吸いきられて動けそうにない。
だから今のうちに……アサウルスを倒して」
( ^ω^)「残るはあの太陽と触角かお」
ーー ブーンが触角から受けた
眠りのダメージ
(#^ω^)「把握したお、今すぐに ーー
ーー それ以外に与えた魔導力が
まだ残ってるのではないか…?
-
(#^ω^ ̄  ̄ あれを叩き壊す!」
ツンを傷付けられて怒ったブーンの姿が消え
 ̄  ̄´・ω・`)
今度は先走る感情に "感染" していない
ショボンの姿が消えたのはまったくの同時。
-
太陽に飛び込む二人を迎え撃つ二本の触角。
以`θ益θ以 《 ーーギギィ》
アサウルスの口角が釣り上がった気がした。
その尖端に込められた魔導力は、
(#^ω^)「!!」 (´・ω・`) 彡
【破壊】と【切断】
-
「だが次は僕の読み勝ちだ、アサウルス」
(´・ω・`)つ←── 「あの日、僕を
彡つ 殺せなかった失態を悔やむんだね」
-
二本の触角は二人の不死者に個々肉薄。
だが一本はショボン自らの抜刀術により
正面から相殺される。
魔導力の波動がショボンの身体を大きく後方に吹き飛ばした。
そしてもう一本…
ショボンの投擲した黒い槍は触角を
ブーンの眼前で貫き、軽く引き千切る。
以`θ益θ以 《ーー !!!?!》
あの日、ショボンと兄者を貫いた黒い槍。
今なら分かる。
兄者が先に貫かれたせいで、
この槍に込められた魔導力がその時点で失われたのだと。
先にショボンを貫きさえすれば
ショボンは一度死に、
そのまま不死蟻の尖兵と化す…
そういう筋書きだったのかもしれない。
現実には兄者が死に、
蟻になれず命を失った。
ショボンは兄者によって
その不死の命を助けられていたのだ。
-
(メメ´;; ω・`)
つ 「…一矢報いるのはその槍って決めてたからね」
空っぽの黒い槍は触角の魔導力を吸い込み
その威力を100%引き出したといえる。
果たしてその役目を達成したことになった。
(# ゚ω゚)「ぜぇえあァァアアッッ!!」
今度こそ完全なる無防備になったアサウルスの太陽の元に、全力で剣を振りかぶる男。
ーー 最も善なる精神を保ち続け
千年間、人を助け続けてきた不死者。
同時に【破壊】を司る、愚直で優しき人間。
その剣が、橙色に脈打つ剥き出しの太陽…
アサウルスの心臓を叩き壊した ーー!
-
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三
三三三三三
三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
-
------------
ー ザ□ッ 、υOΣ £。adiΠg----ー
ィ'ト―-イ、
以`θ益θ以
сメ・%・<i 綛贋
怕・S紮銀!・誌・帥 >∞
諢・4祉∴モ!・
J銀!・¥瘁冷
!溪!・/Se・阪宍隋披ス
l痺cヮ&・怜 > 續医・膩
莟翫R九訣:
売:/羶絎我)・散 ・初≡蕭倅コ
(推奨BGM:Crisis & Warning)
http://www.youtube.com/watch?v=qW7d5otOnjo&sns=em
------------
-
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三
二二三三三三
三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三
二三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
-
三三三三三
(´つω ・`) 「 ん ?」
「
お( ^ω^)
っ
ξ;; -⊿-)ξ 「
?
…
」
…
」
-
ーー 瞬間、彼らは自らの場所を見失った。
(´・ω・` )( ^ω^)ξ;; -⊿-)ξ
そこは雲浮かび髪撫でる空の上ではなく
指先ほどの輝きを点在させ、
漆黒に囲まれた…
まるで見たことのない宙の上に感じられる。
( ´・ω・`) 「……」
ブーンがアサウルスの太陽を破壊した途端、
もう片方の太陽にもヒビが入ったかと思えば
その隙間をこじ開けるように、堪えきれず黒い霧が漂い始めたのをショボンは見た。
あの時、目をまばたき気付けば此処にいる。
…ブーンを見やれば同じような表情。
(^ω^ )「…どういうことだお」
(´・ω・`) 「僕にも分からない」
ξ;; -⊿-)ξ
ここは酸素もあるのか、息苦しさとは無縁。
互いに姿を目視できるのは
辺りに散らばる粒子の灯りによるものかもしれない。
とはいえそれは照らしているのではなく、
浮き上がらせている……というイメージだが。
取り戻した平衡感覚を確かめるように、
彼らは二、三足踏みをする。
感触は無く、だが薄く張られた水が波紋のような揺らめきを生んだ。
-
(;^ω^)「ツン、…ツン?」
∪ ∪"
(("ξ;; -⊿-)ξ))
横たわるツンからの反応はない。
魔導力を吸いきられた…と言っていたのをすぐに思い出すと、ブーンもひとまず立ち直す。
(´・ω・`) 「平気そうかい?」
◎⊂(;^ω^)「魔導力は所謂精神力だから…どうやら昏睡してるみたいだお」
(´・ω・` ) 「…魔導力を元にした魔法っていうのは、僕の思うよりも複雑そうだね」
ブーンがツンに与えているのは【キュア】。
傷や体力を癒す【ヒール】と異なり、
身体に備わる免疫力や異物、異常をそれぞれ活性減退させる効果をもっている。
魔導力の枯渇はそのどれにも当て嵌まらないが、昏睡に至る精神ダメージへの、
抵抗力の手助けにはなる。
二人は筋肉を緊張させたまま
しばらくの間、その場から動かない。
これもアサウルスの攻撃なのかと警戒するが
待てども一向にその予兆は見られなかった。
-
( ^ω^)「ショボン」
掛けられた声に目を向ける。
( ^ω^)σ「あっちの灯りだけ、少し周りと違くないかお?」
彼が指差す方角に目を凝らすがショボンには今一つ伝わらない。
単に視力の問題か、でなければ魔導力の消耗によって見えているものが違うのかもしれない。
( ´・ω・`) 「…行ってみよう。
僕が前に立つ、君は後ろへ」
ξ;; -⊿-)ξ
∪( ^ω^)「頼むお」
ツンを背負い、ブーンは後方に陣取った。
ーー アサウルスは人を騙す。
ショボンは有事の対応のために得物を構えようとして、
( ´・ω・`) (……そういえば剣が)
手元から無くなっていることに気が付く。
残しておいた鉄槍も、鉄剣もない。
黒い槍も先ほど投擲してしまったのだから、
持っているはずもない。
今の彼は徒手空拳…
更に、体術の心得もない。
出来ることはただ一つ。
(´・ω・`) (壁になるしかないな)
-
足音のない空間に、
ただ靴の裏にある感触の存在を証明する波紋だけが広がる。
周囲の光の粒子は一切を停止しており
歩いている感覚とまるで乖離しているようで…時に、自信が無くなっては自身の脚を確認する。
ξ;; -⊿-)
∪( ^ω^)「なんだか……ちゃんと歩けてるかどうか不安になるおね」
( ´・ω・`) 「たしかに」
ξ;; -⊿-)
∪( ^ω^)「ショボンはあの灯りが見えないのかお?」
( ´・ω・`) 「灯り…っていうならね。
粒子なら分かるんだけど、正直見分けはついていない」
消えては浮かぶ光の粒子……
なんともなしに腕を伸ばしてはみるが距離感をつかめず、やはり手のひらは空を切る。
目を閉じても、開けていても、
残像が同じ風景を創り出してしまう。
暗闇は…想像を増長するものだ。
-
( ´・ω・`) 「……神の眼球、か」
ξ;; -⊿-)
∪( ^ω^)「おっ?」
ふと呟き、ブーンがそれに応えた。
ショボンは独り言が多い…
癖のようなものだが、それは寂しさの裏返しでもある。
( ´・ω・`) 「かつて "ふたごじま" にあった
教典の文頭…その一節に出てくる単語さ」
( ´・ω・`) 「《-偉大な神は、真っ暗闇な
その世界を憂いて己の眼球を取りだし、
その虹彩からは光を…瞳孔からは闇を…
硝子体は大地を…水晶体は海を産んだ》」
ξ;; -⊿-)
∪( ^ω^)「《この世界は
神の眼球そのものとして生まれ変わり、
また神の瞼の下に埋め直された。
これにより神の体温を得たことで世界には暖かみが生まれた》
ーー だったかお?」
続いて語られたこと驚きながら、
そういえば彼も昔、島に来ていたのだと思い出す。
ξ;; -⊿-)
∪( ^ω^)「《だが神もまた真っ暗闇の中にいる。
神が目を開ければ夜になり…
目を閉じれば朝になる…-》」(´・ω・` )
-
こんな場所で男二人が読み上げた言葉がおかしくて、見合わせて少し笑った。
それは兄者が繋いだ、彼らの共通の思い出。
不死でなくとも、
人は思い出を数珠繋ぎにして心のなかで
永遠に生き続けることが出来る。
【永遠の命】とは、
必ずしも不死者を指すとは限らない。
(( ( ´・ω・`) 「…それなら、
不死者っていうのは一体なんだろうね?」
ξ;; -⊿-)
(( ∪( ^ω^)「……」
最後のショボンの呟き…
ブーンの口から応えは返ってこなかった。
「……」 ξ;; -⊿゚)
(( ∪(
-
……やがて三人の前に現れたのは
アサウルスの胸部に宿存した橙の輝き ーー
熱源を持ち、鼓動脈を打つあの太陽だった。
アサウルスに埋め込まれていた時と違うのは
今、それが目の前の宙に浮かんでいて
内蔵のような球体を、
半身でなく、堂々と晒している点だ。
(´・ω・`) 「剣を一本借りるよ」
ブーンの腰鞘にある数本から手前の柄を握り
慎重に引き抜く。
血糊や刃こぼれも無い、極上の一振り。
自分が用意して使っていたものよりも、その重量には大きな差があった。
これとまともに斬り結ぶなどすれば、
並みの得物では堪えきれず破壊されるだろう。
そしてそれを難なく扱い、手入れを怠らなかったであろうブーンに対して、
ショボンは尊敬と畏怖を覚えた。
-
ξ;; -⊿-)
∪( ^ω^)「気を付けるお」
剣の扱いに、ではない。
此処に来て依然、沈黙を守るアサウルスは
不意討ちを喰らったあの時とまったく同じシチュエーション。
(´・ω・`) 「ああ」
最大限の警戒を解かないまま、鞘ごと借りて腰を落とした。
(´・ω・`) 「……」
ショボンが身に付けた抜刀術の利点は
"刃を抜くその瞬間まで自由に身を動かせる"
というもの。
間合い取りに焦らなければ、
そして、不意討ちに気を配りさえすれば
ギリギリまで回避に徹することが出来る。
(´・ω・`) 「…」
今のショボンでも
初撃だけならなんとかこの剣は扱えるだろう。
タメを作り上げながら
太陽まであと一歩。
-
太陽はド ク…ン ーー と、
ッ
その衝撃に反発して歪み、反り返る。
反れた衝動は反動となり内部を打ち付けた。
封じられ行き場を失ったエネルギーが、
何度も、何度も何度も何度も何度も ーー。
( 三 (´・ω・`; )
ショボンは定位置に戻ると、鍔を鳴らして刃を納めた。
ーー 彼の居合いは太陽を切り裂かなかった。
ξ;; ゚⊿-)
∪(;^ω^)「なんだお、これは?!」
剣を抜く前にその異変は起きたのだ。
「分からない、どっちだ?!」(´・ω・`;)
ξ;; ゚⊿゚) 「……魔導力が」
∪(^ω^;)「ツン ーー?」
ξ;;゚⊿゚)ξ「魔導力だけが、激しく膨らんでる」
-
ツンのその言葉に呼応するかのように、
太陽内部から確たる何かが突き破らんと
動きは激しさを増していった。
此処にいるぞ! 此処にいるぞ! 此処に!
そう主張する太陽は腕を生やす。
サイズにして、人間と同じ形をした腕。
引っ張られるように段々と、
肩、顔、頭、胸、腰……
やがて足先まで生え揃った頃、太陽は
いつのまにか姿を消してしまう。
ξ;; ゚⊿゚)
∪(;^ω^)( ;´・ω・`) 「 ーー…」
あとには全身橙の人型が佇む。
……誰かが唾を飲み込む音がして、
それと同時に "それ" はひっくり返った。
・・・・・・・・・
天地ではなく、表裏。
蛸を捲るように、服を捲るように。
剥き出しの血管が捲れ仕舞われる。
-
ξ;; ゚⊿゚)
∪( ゚ω゚)「!!!」
そうして現れたのは
从 ∀从
一人の女性らしき、人間。
(;´・ω・`)
ショボンの心中は驚愕に満たされつつも、
視線は釘付けにはならなかった。
なぜならば ーー
ξ;゚⊿゚) 「あな、た……」
∪(;゚ω゚)「な、なんでこんな、ところにいるんだお…?!」
……不死者である、ブーンとツンが
より大きなショックを隠しもせずにいたのを見てしまったから…。
-
从 ∀从
从 ゚∀从
从 ゚∀从 「ーー ……ぁ」
(´・ω・`;) 「…知ってるのかい? あれを」
ξ; ゚⊿゚)
∪(; ゚ω゚)「……」
从 ゚∀从 「……よう、久し振り」
その声は人間だった。
その姿形は紛れもなく人間だった。
此処がどこだか分からなくとも、
アサウルスと無関係であるはずはない。
ξ;゚⊿゚)
∪(;゚ω゚)「ーー ハインリッヒ…」
从 ゚∀从 「ありがとな二人とも。
それと…もう一人のお前も不死者だろ?」
(;´・ω・`) 「!」
从 ゚∀从 「いまは限られた時間しかない。
聞いてくれ、そして、伝えてほしい」
-
涼しげな声だった。 だが微かな焦り。
ハインリッヒと呼ばれた女性から
敵意を感じることは全く無かった。
むしろショボンには…
悲痛のなか掴みとった一握りの機会を
一切合切逃さないために身を潜めていた囚われの神のように思われた。
从 ゚∀从 「アサウルスは死なない。
"生きる概念" と "生きたい願望" が
この世にある限り、遅かれ早かれまた現れる」
从 ゚∀从 「前者は人間に必要なもんだ…
でも、後者はすぐに行く先を誤っちまう」
从 ゚∀从 「何かに祈るな、見えないものにすがるな。
人は自分の足で歩けるように出来ているし、
他人の手をひととき握ることは、すがり祈りとは関係がない」
その言葉は唐突で、
前提が何かも分からなければ
答えが何かも解らないものだ。
ξ;; ゚⊿゚)
∪( ゚ω゚)「……」 (;´・ω・`)
ーー 尚もハインリッヒの独白は続く。
神託のように。
-
从 ゚∀从 「ブーン、俺のことは気にすんな。
済んだことをいちいち引き合いに出しても仕方無いしな」
从 ゚∀从 「これからだ。 未来のこと。
もうこれ以上、不死者なんていらないんだよ」
从 ゚∀从 「でないとアサウルスが利用しちまう……
生きる願望の、塊であるお前らを」
:从; ゚∀从:「ーー ぐっ」
(; ´・ω・`) 「…?」
:从; ゚∀从σ:「…ダメだ時間が全然足りねえ。
この、上にいる奴も…連れてけ、邪魔だ」
ξ;゚⊿゚)ξ「え……あっ!」
ショボンとブーン達が見上げると、
そこにはもう一つの太陽が脈動していた。
さっきは気付かなかったが
同じようにモゴモゴと動いている。
-
:从; ゚∀从:「そいつは、そいつで……
アタシとは別のところから、アサウルスに引き摺り込まれたらしい」
:从; >∀从:「ーー っはあ、はあッ」
ξ;;゚⊿゚)ξ「ハイン!」
:从; ゚∀从:「……いつだか前…アタシにはちと分からないが…
先に降りた、もう一匹のアサウルスがいた。
……東の方角、そいつが処理した、
けど、代わりに……、そのザマだ」
ハインリッヒは苦しんでいる。
だが、一体何に対して ーー
《ビシィッ》
⊆‖(´・ω・`; ) 「?!?! ーー なっ?!」
直後、ショボンの腕には
闇から伸びた黒い何かが巻き付いている。
慌て、隣を見ればブーンやツン、
そしてどうやらハインリッヒにも既に。
⊆ξ; >⊿゚)ξ⊇「くっ ーー!」
( ゚ω゚)⊇「ふぉぉぉっ?!」
-
:从; ゚∀从:「ーー ちくしょう、あんだけ時間かけてもこれしか主導権が握れねえのか?!」
:从; ゚∀从:「ブーン、お前の拘束だけならアタシがなんとかしてやる!
すぐに…アイツの太陽も ーー ぶっ壊し、たら…!」
⊆(´・ω・`;) 「?!」
:从; ↑∀从:「お前らだけでも此処から逃がしてやるからよ!」
-
《パリンッ》
(;^ω^)⊃「?!」
硝子の割れる音と共に、ブーンを捕らえていた闇が解放される。
ブーンは迷わなかった。
バランスを崩しながらも真上に跳ぶと、
もがき足掻く太陽目掛け、
重い剣を突き出すとビチビチ血の雨を降らす。
割れる太陽の中から、血にまみれた男が一人
…もたれていた身をゆっくりと落下させる。
赤く紅く熟れた果実の種が握られ/.,:;;'A)
押し出されるように。
",
,...:,
( A )
片手に銃斧を握りしめて離さない男を抱き止める余裕は無かった。
ブーンも共に落ちながら、叫ぶ。
手を伸ばすように、その声で。
「ハイン! お前も ーー」(^ω^;)
-
从; Γ∀从 「ーー …クーに、よろしく頼むわ」
-
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三
三三三三三
三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
-
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三
二二三三三三
三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三
二三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
-
血涙を流しながら笑ったハインは…
そのまま闇腕に囚われ呑まれた。
それは僕達の視界が呑まれるのと
どちらが早かったのか。
気付けば三人は離れ離れになった。
僕は海にたゆたい、
通りかかりの船に掬い上げられる。
結局そこが何だったのか
分からないまま ーー。
-
(推奨BGM:おわり)
-
------------
〜now roading〜
从 ゚∀从
HP / D
strength / E
vitality / E
agility / C
MP / B
magic power / B
magic speed / B
magic registence / C
------------
-
乙
-
「ーー 以上が僕の話。 (´・ω・`)
長くなってすまなかったね」
ショボンが大きな溜め息をつくと、
山小屋の中は空気の鳴る音に満たされた。
組んでいた腕を離し、代わりに指を絡める。
_
( ゚∀゚) 「……」
ジョルジュは完全に聞き入っていたようだ。
当人の記憶の夢の後すぐに
こんな話を聞かされたからだろうか、
一点を見つめて動かない。
ショボンは何か声をかけようとしたが
考えをまとめる時間も必要だろうと思い、
彼の視線が揺れるのを黙って待っていた。
……だから、その沈黙を破ったのはもう一人。
今回の話が始まる直前にドアをぶち破り
乱入を果たした、遠慮知らずの狼藉者。
その細く長い腕が振られたかと思うと
パァン、と、掌から心地よい叩音を鳴らす。
ジョルジュの肩が跳ねる。
顔を上げてじとりとそちらを見るが、鳴らした本人はたいして気に止める様子もない。
気にするような人格でも無さそうではあるが。
-
川 ゚ -゚)「それでここに私を連れてきたのか」
(´・ω・`) 「途中で勝手に寄り道してたのはそっちでしょ」
川 ゚ -゚) 「…出逢ったばかりの相手に
妙に馴れ馴れしい口を利くんだな、お前は」
水の都に立ち寄った際、同じく出入り門で
追い返されていたのが彼女だった。
清く長い黒髪を隠しもせず、伸ばした背筋は神々しさすら感じさせる。
ーー だが初対面ではない。
クーとショボンは過去、既に出逢っている。
だが…
今の彼女はそれを憶えてはいなかった。
(´・ω・`) 「利害が一致してるんだから言いっこ無しだ。
僕の話もこれで終わったし、これからどうやって水の都を元に戻すか考えようよ」
-
ワカッテマスの遺した策略の一部であろう
都住人以外の締め出しは、他の地域からすれば大問題となりつつある。
すなわち
『証を持つ者だけを受け入れる永久中立国』
…こんなもの、皮肉にも程がある。
川 ゚ -゚) 「…まったく、なぜ私が追い出されなければならないんだ」
彼女をここに連れてきたのは、その問題を解決するに役立つであろう期待。
そして、もう一度……
ハインリッヒから承けた
たった一言を彼女に届けるために。
-
川 ゚ -゚) 「あの門番の顔は覚えた。
後で処罰してやりたいが……職務に忠実なのは誉めてやるべきか」
_
( ゚∀゚) 「……」
なぜ記憶を失っているのかは分からないが
ショボンの知る彼女は、聡明な大魔導士。
道の途中で何かに気をとられると、
すぐ横道に逸れるような行動を取る点を除けば、率直で嘘のない人物だとショボンは評価する。
ただし、
「水の都の女王である」
という彼女の言葉には強い驚きを受けた。
_
( ゚∀゚) 「都の住人すべてに配られたオーブ
…それをなんとかして手に入れるか?」
(´・ω・`) 「都市に入れなければ、都市から出てくる人もいないのに?
中立国ゆえの自給率の高さが、習慣的な商人の出入りも抑えてしまっているのが仇になってるね」
川 ゚ -゚) 「外部からの影響をなるべく受けないために、私がそうやって作り上げたのだから当然だ」
ε_ (´-ω-`;) 「…だから。
今はそれがまずかったんだってば」
-
過去を忘れた彼女は
どうやらまた懲りずに歴史へと介入していたらしい。
ショボンの驚きはそういう意味だ。
川 ゚ -゚) 「何を言うか。
真に責めるべきは、この事態を引き起こしたワカッテマス……あ、今はお前だったな」
_
(;゚∀゚) 「だから俺じゃないっての。 いや、
違わないけどさ…俺だけど俺じゃない」
川 ゚ -゚) 「お前を締め上げればソイツが出てくるんじゃないか?
そうでもなければ信用できないんだが」
_
(;o゚∀゚)o 「おーっとそこまでだ、危害を加えるなら反抗するぜ?
ただでさえ、そのしょぼくれから痛い目見させられてるんだからな」
彼女は……あの時も女王だった。
記憶がなくなれば、
人はまた同じことを繰り返すのかと。
そう、ショボンは思わずにはいられない。
-
(´・ω・`) 「真面目にやってくれるかな?
都を戻す手段を考えないと先に進まないんだけど」
彼女は一度裏切られた。
守ろうとしていた普通の人々に。
_
( ゚∀゚) 「あっ、そうだ! 土塊!
賢者フォックスに成り済ましてた泥人形が、
他にいるかもしれないんだよ」
川 ゚ -゚) 「フォックス…しくじったか?
それほど迂闊な奴では無いと思ったが」
そして今度もまた、
意図せず裏切られようとしている。
ワカッテマスという彼女のイレギュラーは、
歴史のイレギュラーと同義。
何かを作り上げるということは、歴史を作り上げるのと同じことだ。
人が誰かに声をかけて、
その誰かは人に触れて、
積み重なって創られるのが ーー 歴史。
ショボンが、兄者を通して
ブーンやツンと出逢ったように。
ジョルジュが、ツンを通して
ショボンと出逢ったように。
アサウルスを通して、
ハインからクーに、クーからワカッテマス、
ワカッテマスはジョルジュへと ーー。
ミルナやでぃも、
きっとどこかで誰かと繋がっていくのだ。
-
川 ゚ -゚) 「なんとかして王宮の侍女にでも接触できればいいのだがな…」
(´・ω・`) 「まがりなりにも女王なら、
いざという時の抜け道か何か、用意しなかったの? 」
川 ゚ -゚) 「内から外には出られるが逆は無い。
……というか、よくそういうのがあると判ったな?」
_
( ゚∀゚) 「……」
(;´・ω・`) 「…あのねえ」
穏やかだったはずの歴史が
時に酷く歪曲してしまうのは何故だろうか?
人の歩みが道となり、河となる。
人の寄り添いが森となり、空となる。
自然に生きるならば
人が傷付かなければならない理由など
見当たらないのに。
川 ゚ -゚) 「…」
_
( ゚∀゚) 「……」
川 ゚ -゚)「貴様、さっきから何を見ている?」
-
クーに当時の記憶が無かったのは
幸いなのかもしれない。
_
( ゚∀゚) 「…いい乳だ」
川 ゚ -゚) 「は?」
ジョルジュ…そしてワカッテマスの傷は、
少なくともクーに向けられない。
(´・ω・`) 「まさか……ジョルジュ、君は」
川# ゚ -゚)「さっきからそれを見てたのか?」
クーから、彼に向けて傷を抉ることもない。
_
( ゚∀゚)o彡゜ 「キレイなものは癒しだろ?
きっと君の胸は俺の運命の ーー」
川# ゚ -゚)つ 「…【フォース】」
-
ーー 傷痕を留める人数は
少ないほうがいい ーー
-
-
----------
ーー それはパラ…パラリと
少しずつ、確かに空から落ちてきた。
きっかけは一筋の黒き雷。
髪の上から感触を覚えるそれが、
自分のためにそぼ降っているわけではないことくらい、彼は重々知っている。
水面に浮かぶフェノメノンは
波紋として型どり広がりきる前に、
間断なく産まれる新しい波紋と、ぶつかり合って消えていく。
周囲には雨が降り始めていた。
( ゚д゚ ) 「……」
思い起こすのは、今朝の朝雲。
天気が下ることも、
いつもの日常であれば何事もない。
(# - )
-
いつもの日常であれば ーー
洗濯物を自室に干して、
湿気を利用して壁や床の汚れを拭き、
踏み均した絨毯の塵を取り除き、
外に出たがらない人々に頼まれれば
「わかった」と二つ返事で仕事を承ける。
(゚д゚ ) 「……」
そんな日常であれば ーー
作業を黙々とこなしているだけで時間は過ぎ
やがて暮れ往く夕日を眺めては
「また明日に」と身体を休める。
今日は記念すべき
彼にとって、そんな世界の終わりの日。
-
(; ゚д゚ ) 「これは……」
見上げれば。
巨躯を有する怪物 ーーアサウルスの石像が
ミルナとでぃの乗る舟と、三日月島との間に
途方ない大きさのアーチを遺している。
蔦が互いに絡み合うように
捻れた大蛇の幹と、
大輪を咲かせたかのように
捻れた触手の花が。
大木に太陽を乗せた石のオブジェクトとなって三日月島を大陸から隔離していた。
[この海、航るべからず]
そんな声がどこからか聴こえてきそうで、
ミルナは奥歯を強く噛む。
-
彼の傷痕は決して浅くはない。
しかし、自傷した心の爪跡ならば
やがて癒せる日がやってくるだろう。
対して、でぃの心の爪跡は
生々しく残ることとなる。
ーー ミルナは清算しなくてはならない。
( ゚д゚ ) 「ショボン…お前の」
舟の荷物のなかには
長刀と騎兵槍も共に乗せていた。
戒めのためか、感染した何かのせいか。
……そこに走り墜ちた黒い雷が
発光に紛れて騎兵槍の中へと消えたように、
ミルナにはそんな風に見えた。
ーー いや、むしろ紛れもなく。
-
(; ゚д゚ ) 「黒い ーー 槍…」
見間違いではない。
ショボンが握りしめ、持っていったはずの黒い槍がそもそも雨天の始まりを告げたのだ。
目の前と頭上を交互に見やるが、ショボン達は帰ってこない。
だんだんと、
視界を動かす比率も片寄り始める。
サイズとしては元来大きい得物の騎兵槍が
ミルナの目の前でメキメキと蠢きたつ。
金属で出来ていたはずの騎兵槍は、徐々にそのフォルムを増長。
少しずつ…少しずつ、
身長よりも少し大きい程度だった騎兵槍が、
アサウルスの願望により拡大膨張する。
内部に宿る黒い蟻、生まれたての命に似て。
-
…しかし、殻を破らんとするも力尽きたのか
ミルナが意を決してそれを握った瞬間、
騎兵槍はその動きを止めた。
( ゚д゚ ) 「…」
無音に感じられた世界に音が戻る。
ミルナは己の意識が周りの世界から離れていたのだと、そこで自覚した。
ーー それきりだ。
彼の前で
その騎兵槍が二度と蠢くことはない。
-
至り、彼にとってその黒い槍は、
傷痕を留めるアサウルスの欠片などではなく
友として過ごした記憶の中の
ショボンから与えられた激励へ姿を変える。
『ずっと見ているから』
たとえ欲からなる希望的観測だとしても、
彼からそう言われている気がした。
再会叶わぬ夢のために、
彼はその後の生涯を過ごす運命にある。
だからといって彼の魂が今、それを知り、
悲しみ…気力を失うことはない。
銷魂は、
前向きに生きる者を妨げられはしない。
-
今はまだミルナに無い勇気。
だが求めれば、
いつかはそれを得ることができる。
その命が永遠でなくとも、
次の瞬間、尽きる命だとしても。
( ゚д゚ ) 「この槍は…
いつか、いつか返しに行くからな」
無意識に丸くなっていた背中。
意識して筋を伸ばす。
顔を上げる。
島よりも遥かに広大な地平線が
弱い人間の歴史を受け止めるべく、出迎える
いつか胸を胸を張って
借りたものを返せるように。
限られた年月と魂が
弱き者を、強き者に変える為に。
(了)
-
これで今回の投下を終わります
投下中の支援ありがとうございました
途中ミスが目立ち、読みにくくなりました
すみません
誤字訂正もこのあと行います
(´・ω・`)ω・´): 傷痕留蟲アサウルス >>6
-
誤字について
申し訳がたちません、気を付けます
>>64
左上【48】はページカウントです
本来表示する必要はありませんでした
>>111
>続いて語られたこと驚きながら→×
続いて語られたことに驚きながら→○
>>148
>いつか胸を胸を張って→×
いつか胸を、胸を張って→○
-
乙でした
-
※千年の夢 年表※
------------------------------
-900年 ***********
→信仰の概念がうまれる
( ∵)は偶像生命体として同時に生誕。
-400年 ***********
→結婚(結魂)制度のはじまり
-350年 ***********
【ふたごじま】→魔導力の蔓延
-312年 ***********
【銷魂流虫アサウルス】→前半
→ "隕鉄" が世界に初めて存在する
-220年 ***********
【銷魂流虫アサウルス】→後半
【傷痕留蟲アサウルス】☆was added!
→騎兵槍と黒い槍が融合
-210年 ***********
→大陸内戦争勃発。
【帰ってきてね】→前半
-200年 ***********
【帰ってきてね】→後半
【死して屍拾うもの】
→ "赤い森の惨劇"
-195年 ***********
→大陸内戦争終了。
【はじめてのデザート】
-190年 ***********
【その価値を決めるのは貴方】
-180年 ***********
【老女の願い】→復興活動スタート
-
-150年 ***********
【老女の願い】→荒れ地に集落が出来る
→川 ゚ -゚) が二代目( ´∀`)に指輪依頼
-140年 ***********
【老女の願い】→老女は間もなく死亡
→指輪の暴走を美しい湖に封印。
-130年 ***********
【人形達のパレード】
【此処路にある】
→(´・ω・`)( ゚∀゚)川 ゚ -゚) 邂逅☆was added!
→二代目( ´∀`)死亡時期
-120年代 ***********
【命の矛盾】
-100年代 ***********
【繋がれた自由】
【遺されたもの】
→偽りの湖の封印が解かれる
【時の放浪者】
-40年代 ***********
【老女の願い】→集落→町になる
00年代 ***********
【老女の願い】→( ^ω^)が
官僚プギャー、炭鉱夫ギコに再会
-
★作中マップ
大陸戦争前
http://imefix.info/20140924/251211/rare.jpeg
大陸戦争後
http://imefix.info/20140924/251212/rare.jpeg
-
乙です ('A`)神出鬼没だな
-
大量投下おつ!!!!
クー記憶喪失なのかよとかこっからでぃ持ち直すのすげぇとか
なんかいろいろあるけどすげえおつ!ブーンさん強いっすね
ハイン気になるなードクオはもともと歪んでたのかこれから歪むのか
面白かったよ!
-
乙
過去未来が入り乱れて面白い
気になる要素がどんどん出てくるな
次回も楽しみにしてる
-
読む度謎が増えてくおつ
-
>>150に追加
>>132
>ーー だが初対面ではない→×
ーー 初対面ではない→○
推敲がきちんと出来てないのが恥ずかしい…
台風接近による頭の悪さということで御容赦願いたいほどに
-
そしていつも読レスありがとうございます
前スレを励みや支援で埋めてくれた方にも感謝します
今度から投下は晴天時のみにします
雨日は、推敲も投下もガタガタになってしまったので…
投下日時変更の際は当スレに書きますね
次回は幕間、または ('A`) のお話になります
よろしくお願いします
-
乙
ハインも気になるしドクオも気になる
話が投下される度に読み返すのおもしれ
黒い槍を3代目モナーが直そうとしてたけど大丈夫なのかな…
-
面白かった!でも携帯で読むとツンの口が化けてるんだよぅ…
-
皆さんいつも読レスありがとうございます
a ξ゚⊿゚)ξ
b ξ゚⊿゚)ξ
c ξ゚⊿゚)ξ
>>162
上記の三種ツンで文字化けしていないのってありますか?
前スレの途中まではaで書いていたのに
最近文字化け表示するようになって…
同じく困っています
-
自分はないな
2chMate 0.8.6/KYOCERA/KYY24/4.4.2/LR
-
これ読んでロスオデ買ったよ!楽しくプレイさせて貰ってるぜ!
iPhoneでBB2Cを使って見てるんだが、bだけが反映されないだけで文字化けはない
-
>>163
iPhone(BB2Cっていうアプリ)だけど、aとcはちゃんとなってる。bだけ化けてる。
-
なるほど、私は
2chMate 0.8.6/PANASONIC/102P/2.3.5/LR
の環境でいつも投下の際、aが化けはじめる→cに変えるけど次の投下で化ける→今回bでやりました
上のはbしかきちんと見れてませんが、単にしたらばの気紛れなのかな…
>>162さんもcで見れるなら、今後cで通してみます
>>165
おおー嬉しいw
好きな千年の夢が見つかった時は是非教えてください
-
>>162ですがaとcは大丈夫ですのぅ。環境によって見えたり化けたりとややこしいですなぁ…
-
やっと追いついた
不死者たちの戦闘の凄まじさに興奮した
アサウルス戦は映像で見たい熱さがある
-
昔 むかし ちいさな山のなかで
村の者が 誰も近付かないやうな
浅くて深ぁい 森のなかに
ひとりの若い山人が すんでおりました
-
その山人は 樹をきり 獣をかり
川みずをのんでは ねとこにつく
村の者も だぁれも 山人と
ろくに口も ききゃあしません
くるひも くるひも 山人はひとり……
-
なにせ山人を おとなは みていません
はてさて
在るのに居ないとは これ異かに
村のこどもが 胆をためそうと
山にたちいると 顔をみたといいます
ですが おとなが覗きにいくと
どこを歩いても いつ歩いても
切りたおされた樹ぃや
獣をめしたあとが のこるばかり
ときに村をあらす 妖怪のほねばかり
-
おお、きてる!支援
-
はじめこそ これはたたりだ
いやさ 山のかみのいたずらだ と
うわさしていた村のひとびとも
《かみさまが獣をよく喰ふまいよ》
といふ誰かのことばに うなずいて
てっきり村の者たちは
山人がてまえかってに すみついたんだ
……そう思ふことにしたそうな
-
おとなの心配をよそに 子はあつまり
山人のところへ あそびにいくといふ
《山人あめたべた》 《山人にくとった》
《山人うたぅた》
どうやら害はなかろうと おとなも
《あぶないことはするでないよ》
と声かけるに とどまっておりました
-
そんなある日 村のかわ上のほうがくで
おおきな おおきな おぉーきな
太陽をさえぎるほど おおきな太陽が
よるをひき連れて 山にふってきます
空をさいて 山をにじり 海をあらします
おとなは残った子らをひっぱって
《もうだめだぁ このよはおわりだあ》
はばからず 泣いて
ただ ただ うずくまっていました
-
( ^ω^)千年の夢のようです
- 東方不死 -
-
美しいものには棘がある。
華は寒暖から身を防ぐために棘を持ち、
明確な敵意をもったものに対して、その棘を剥き出しにする。
だが、それは人が後世に作りあげた空想だ。
本来の目的は違う。
己の力だけでは成長できないその華は、
寄り添った別の花に棘を巻き付けながら、利己的に生き永らえるためその棘を持つのだ。
巻き付かれた花は傷付き倒れ、
それを糧にして華はより強く、大きくなる。
<ヽ`∀´>
今日も一人、
そんな華の前にのこのこと現れた。
-
<ヽ`∀´> 「…御師が言っていたのはここニダね」
背中に巨大な太極図…陰陽印を背負うのは
大柄だが、見た目より柔らかな物腰の男。
辺りを支配する月と宵闇。
肌寒い秋夜に都合の良い厚手の和装。
口の広がった袖を、胸元に絡ませながら
正面に見据えるのは…古くより現存する湖。
<ヽ`∀´> 「見た目は綺麗な湖ニダが…」
-
約10年 ──。
この湖が大陸の闇と囁かれ始めてから
それだけの月日が流れていた。
数多の白魔導士が原因を調査してきたが
未だ解明と解決には至らない。
底深くにある何か…。
その存在が年々、力を増しては
解呪に挑む者の精神を崩壊させるケースも珍しくない。
観光地として身を休める旅人の憩いの場は
過去に "美しい湖" として名を馳せていた。
今では、その外観から似つかわしくない
曰く付きの場所として、人々から
── "偽りの湖" と呼ばれている。
-
<ヽ`∀´> 「こうも広いと、ウリだけの力でなんとかできるような結界は張り切れないニダ」
呟きながら、男…ニダーは
風のない湖の周りを一周しながらも、ある方角に集中させるように短かな鉄串を立てていく。
歩いてはざくり、歩いてはざくり、と……
男の何気無い動作は、大地の点穴を的確に刺していった。
峨嵋刺と呼ばれるその串は、両端が鋭く研ぎ澄まされた、東方に伝わる隠し武器の一つ。
島国のお伽噺話では頻繁に目にする鬼……
そして女性が心に秘め持つ鬼の角…
その角をモチーフとして製造された、文字通りの "暗鬼" 。
<ヽ`∀´> 「解呪ではなく、まずは惡氣点をずらして端に寄せてみよう。
攻か、防か……御師には攻であれと教わってはいるニダが」
-
ニダーは峨嵋刺で構築した場から離れると、
月を見上げ、影を見下ろした。
師から伝授されし風水術。
星や天地に備わる魔導力を借りることの出来る東方の魔法を、彼は行使する。
計り終えた立ち位置の上、
風も吹かないのに背中の太極図がなびいた。
<ヽ`∀´> 「北東鬼門に穴は開けた。
どれだけ強大な穢れなのか…ウリも確かめてみるニダ」
静かな湖畔に風が舞う……
大きくなるざわめきは歪な水面が起こす波。
波長どころか基の性質のまったく異なる二つの魔導力は、ぶつかり合わず、
湖を型どる蒼を湾曲させながら割った。
<ヽ`∀´> 「…」
だが……それだけだ。
-
鬼門に流れゆく穢れは水と油のように。
彼の魔法と交わらないまま重心を傾けて、いまだ水面を制圧している。
ニダーは湖の底を覗いてみるが、さしたる発見もなく、次の動向を迫られた。
<ヽ`∀´> 「…重いけど、激しくはない。
まさか何もないはずは無いが …」
<ヽ`∀´> 「……ニダ」
そして己が感じ取ったものを優先する。
だがそこには、
誰が、いつ、湖に何をしたのか……
解呪の詳細は引き継がれていない。
それを取りまとめる国という機関はあれど、
現在はその機能を著しく停止している。
<ヽ`∀´> 「【デスペル】!」
それがニダーの仇となった。
せめて流れを寄せず、最初から解呪の魔法を放っていれば……
反動で押し寄せる穢れた津波が、その身に降りかかることもなかった。
-
── 眼前、鼻先。
<ヽ;゚∀゚> 「イ、イゴムォーーっ?!」
迫る手のひらの影。 うねる亡者の腕。
人ひとりを事も無げに握り潰せるほどの巨大さは、その圧力だけでニダーを後退らせた。
瀬戸際で接触を防いだのは両手に添えた双峨嵋刺。
加えて皮肉にも ──
今も継続する、鬼門点穴による引き寄せがなければ間に合わなかっただろう。
<ヽ;゚∀゚> 「ぐっ……ぎぎ!」
【デスペル】は風水魔法ではない。
彼の魔導力に吸い寄せられた湖の穢れは
目の前にぶら下げられた魔導力を【ドレイン】すべく、ニダーもろとも握り潰そうとする。
嵐吹き荒ぶかのように揺れる水面が、湖の体裁を保たなくなりつつある。
<ヽ; >∀゚> 「〜〜っ! こんなの聞いてないニダ!!」
ニダーの魔導力が光の粒となって湖の中に吸い込まれ、溶けていく。
偽っているのは見た目だけではない…
内包する穢れも、
秘める禍々しさも、
湖はもはや一介の人間が手を出せるような代物ではなくなっていた。
命を危機に晒されて始めて気が付く彼の思惑、そして自惚れた我が心。
-
『ニダー、俺達には時間がない。
お前なら間違いないからこそ頼む』
『何でも良い……人や獣を吸い込むという
魔の湖からその秘密を暴いて、収穫があれば持って帰ってきてくれ』
師の言葉が脳裏によぎる。
あの時、浮かんだ疑問を口にしていれば今頃どうなっただろう。
不出来な弟子と罵られながら過ごした修行時代を思い出し、反骨精神を奮い起たせる。
<ヽ;゚∀´> 「……ぐぎぎ」
ニダーも、この湖のことをまったく知らなかったわけではない。
周辺の生態系が緩慢ながら崩されてきたことくらいなら、大陸の行く先々で耳にしていた。
しかし彼の生まれる以前から、
果敢な戦士として…そして風水の使い手として活躍してきた師からの懇願が、
まだ若いニダーの心にどこか驕りを付けた。
<ヽ;゚∀´> 「…?!」
その時、湖の水面に浮かび上がる固形物。
── まだ闇を秘めているのかと、膠着状態ながら警戒を強める。
カチカチと震える双峨嵋刺を持つ腕の中、ぼんやりと考えるニダーではあったが
一方で冷静な思考が、固形物の正体を見極めようと努めていた。
時にそれは生死を分かつ "未練、執着" とも呼ばれるのかもしれない。
<ヽ;゚∀´> 「……あれは」
脳の処理速度だけが加速した世界で、捉えた輪郭が告げる見知った正体。
人の形。 その方角、南西裏鬼門。
-
一度発動した魔導力は継続してその効果を発揮しない。
少しずつデスペルの効力が薄まると共に、
亡者の腕が興味を失い、ニダーへの強襲は力を失っていく。
反して手伝うように、
継続して穢れを吸い寄せる風水魔法が、亡者の芯を向こう側へと引きずり込む。
<ヽ;゚∀´> 「っオ!」
ニダーは好機とみるや一歩下がると同時、素早く腕を振り上げた。
袖口から飛び出す複数本の峨嵋刺が、
その固形物の横をすり抜け ──巻く。
<ヽ;゚∀゚> ( 間に合えっ!)
人がいるとなれば放っておけなかった ──そこに師の言葉など関係ない。
そのまま勢いを殺さず、ニダーは更に大きく飛び退いた。
キリキリと袖先で鳴る音は、嘶く亡者の声にかき消える。
転がり離れる身体が砂を絡めて汚れていく。
受け身をとる余裕もなかった。
ひたすらに…、その場から逃れる。
── ォォン… ── ォォン…
── オ オ ン …
あとに残るは
耳にこびりついた呻き声だけ…。
-
やがて鎮まりかえった偽りの湖…。
<??;゚∀゚> 「ハアーッ、ハアーッ…」
自由を取り戻した身体とは対照的に、心は得たいの知れぬ何かに縛られる。
ニダーは恐ろしかった。
これは単純な死の恐怖とは違う。
道半ばの魂を…自分という個を吸い取る、ただそれだけのために存在する亡者が……
手のひらの影が己を食むかのように
ばっくりと開かれていたのを、目の当りにしたあの瞬間が。
口内に溜まった唾液を呑み込もうとして…
しかし拒絶を表した喉頭によって反流し、無様に咳き込んでしまう。
-
<ヽ;`∀´> 、「けほっ…げほっ……」
何の目的かは知らないが…もし元凶がどこかにいるならば責任を取らせたい。
赤の他人がこんなものに関わるべきではなかった…と、ニダーはそう胸中で毒づいた。
こんなところに送り出した師への憤りも少なからずあるが。
<ヽ`∀´> 「── はぁ」
しばしの間、彼は片膝をつき、荒れた呼吸が整い終わると顔をあげた。
辿る視線は、袖口から繋がる炭素鋼に巻き付く人間。
結わく峨嵋刺が尾となり、回収を為したのだが……
<ヽ;`∀´> 「…何ニダ?」
炭素鋼に食い込む腕がピクピクと、筋肉の収縮を伝え抗う。
── 生きている。
あの穢れた湖に沈んでいたはずなのに?
ニダーは恐る恐る、うつ伏せているその人間の顔を覗き込んだ。
-
「…ふひ、ひ」( ∀`)
砂に埋まるべたべたの横顔から、
邪に尖る奥歯を見せつけて
"ポイズン" は嘲った。
-
------------
〜now roading〜
('A`)
HP / F >> C
strength / D
vitality / A
agility / A
MP / C
magic power / B
magic speed / C
magic registence / A
------------
-
ギュルギュルと響く機械音…。
末端のネジ一本からエンジンに至るまで。
街道を走る小型電動貨車が、土埃を舞わせながら木々をすり抜け駆けて往く。
固い土を踏みつけるたびに沈む車体。
しかし中にある運転座席や、後部荷台を思うほど揺らすことはなかった。
大陸戦争にも利用された運搬車ではあるが、その全てを廃棄されることは少ない。
むしろ堂々と現存しながら、この時代の人々の暮らしに役立てられている。
('A`)「…」
<ヽ`∀´> 「……」
広い荷台にはたった二人。
砂を払い切り、汚れの目立たなくなった服の上から、白く襟の立った上着を羽織ったニダー。
背中の太極図は一回り大きく見えるが表情は俯き、暗い。
そして乾きつつあるもののボロボロの黒い防弾衣に、炭素鋼と峨嵋刺で両腕ごと縛られたポイズン。
空を仰ぐ視線、口許は貼り付けたような薄ら笑い。
一見真逆に見える彼らに共通しているのは、濁った瞳。
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板