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( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
1
:
◆Rsp62tAaew
:2013/06/28(金) 14:17:25 ID:PjQGMrTo0
( ^ω^)おいすー。ここは夏の祭り、百物語専用スレだお!
祭り開催まではルールの確認等自由に使ってほしいお!
( ^ω^)とりあえず今決まっているルールは
以下の通りだお!
・開催日は八月九日(金)から十八日(日)まで
※ただし投下できるのは金土日のみ。投下期間以外の本スレは作品の感想などご自由に使用してください
・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可
・レス制限は一作品30レスまで。それ以上は個別スレ建てをお願いします。
・ながらはNG。個別スレを建ててそこでやるのは可。
※個別スレ参加の場合
レス制限無し。
スレ立て
↓
百物語スレにて投下開始報告、URLを貼る
↓
投下終了後、百物語スレにて投下終了報告(その際、前の人の数字を引き継いで話数宣言)
・1人何話でも投下可!
※連続投下→次に投下する人がいないか確認を取り、無ければOK
※作品の投下間隔についてはルールはありませんが少し間を開けることを推奨します
・イラストでの参加も可!一話としてカウントします。
※ただし作品への支援絵は作品としてカウントしない
・開催時間は18時から翌朝7時まで
・話が終わったら本スレ(自分でスレを立てた人はそのスレでも可)で蝋燭のAAを貼る
前回百物語のスレ
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1344607128/
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1345353530/
( ^ω^)他に変更点、疑問点ある方はなんでもいってほしいお!
415
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 02:43:05 ID:NE1qcFrg0
だから内藤は子供を攫い、食した。
年単位の消費のためまずは末端から切り離していった。
指を一本ずつ、止血しながら叩き切った。悲鳴が内藤の頭の中で呼応して、頬が吊り上った。
爪と骨は固かったから煮て出汁とした。薄赤に染まったスープはそれだけで内藤の心を満たした。
骨から削いだ肉は量が少なかったからスープに投げ込んだ。やはり、美味しかった。
指がすべてなくなった。次はどうするかを内藤は考えねばならなかった。
重要なのは血液であることから殺すのは限界まで待ちたかった。
まずは、右腕を塩漬けにした。これで長期的な保存食ができた。
左腕の肉は思いのほか柔らかかった。甘辛く炒めたそれはとても美味しくて子にも分け与えた。
自身の肉をそれとは知らずに食べる姿にまた酷く興奮した。内藤の陰茎は強く勃起していた。
内藤は自分の肉は美味しいだろう、と言った。
子は固まって、言葉を反芻した。理解した瞬間生理的嫌悪から吐き出した。
涙を流し嘔吐く姿を見ながら内藤は射精した。今までで一番気持ちのいい自慰行為だった。
次は両の二の腕だった。今度は左腕を塩漬けにし、右腕は素直にステーキにした。
柔らかい弾力と隠しきれない血生臭さがとても美味しくて、それが自分を作っていくと思うと涙が止まらなかった。
この時点で一か月が経過していた。子はあからさまに弱っていた。
食事を与えても胃が受け付けずに戻してしまっていた。
無理に食べさせていたが、それでも正常の四分の一も片づけることができなかった。
足に刺された点滴が命を永らえさせていた。
足に動脈が息づいていることは知っていた。
しかし頭への刺激はショック死を招きかねなかった。
内藤は麻酔を使い、耳と目を子から切り離した。
耳のほとんどが軟骨だった。唐揚げにして食感を楽しんだ。
目の美しい白色に根を張るような赤、真ん丸な黒の姿を損ないたくなかった。
透明なゼリーに浮べて一口で食した。弾けた瞬間、どろりとした臭みがたまらなかった。
子は視界を失ったことに安堵したようだった。
これ以上迫りくる恐怖を見ずに済むと思ったのかもしれない。現実は真逆であることをすぐに知ることになったけれども。
目からの情報がなくなったことにより少年の感度は強く上昇した。
ほんの少し肌に触れただけで驚くほど身体は跳ね上がった。
恐怖に震える姿が愛しくて、傷跡が消えることのない首元へ内藤は歯をたてた。
肉を食せない日は血を貪ることにしていた。
栄養の足りない子の身体は色白く細く変わっていたが、それでも血液は甘美なままだった。
416
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 02:43:51 ID:NE1qcFrg0
内藤はそろそろ限界を感じ取っていた。
子の命の灯が消えようとしていると、肌で感じていた。
永らえさせる行為もそろそろ無駄になるだろう。しかしまだ半年も経過していない。
腐らせるなど言語道断である。子のすべてを食すことで内藤は救われるのだ。
内藤は食しすぎたのだと察していた。初めてで加減がわからなかったというのもあるが、切り離しすぎたのだ。
最終的に食すことに意味があるのだ。内藤は初めは血液だけで我慢するべきであった。
後悔は先に立たない。選択肢は子の命を長らえさせるか、保存方法を探すかの二択であった。
選んだのは後者であった。
内藤は業務用の冷凍庫を購入した。
そして子の解体に取り掛かった。子は痛みに顔を歪めながら既に枯れた声を上げて命を落とした。
解放されると思ったのか死に顔には薄く笑みが浮かんでいた。内藤は慟哭しながらその首を切り落とした。
内臓も綺麗に分け、−30度で保存した。風味が落ちてしまうだろうが仕方なかった。
内藤はすべて食さなければならないのだから。
もも肉を使ったシチューを作った。
臓物は薄切りにして塩コショウで焼いた。
ふくらはぎの肉は鍋の具材にした。削いだ頬肉は蒸し焼きにした。
程よい弾力のある腹から胸にかけての部分は豪快に丸焼きにした。
脳は卵を混ぜ合わせて焼いた。
骨もしつこく茹で、叩き割った。完全に粉々になったものを茹でた鍋に戻し、飲み干した。
こうして内藤は最初の一人を食し終わった。
七月の終わりころ、子と出会って丁度十一か月と二十日の過ぎた日だった。
内藤は自身の保身を忘れることはなかった。
世間に知られたらマズイことであると理解していた。攫う際は必ず周囲を確認していた。
大体は最初と同じように迷子を保護するという大義名分を掲げていたが、どうしてもいない時は攫っていた。
車が使えない原因もこの少年を攫った際、あまりに久々の感触につい車内で血液を貪ってしまったことにあった。
少年が暴れて血液が飛び散ってしまったのだ。僅かとはいえ内藤の嗅覚を刺激する程度には残っている。
そんな車内で内藤はまともに運転できる自信はなかった。
417
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 02:44:42 ID:NE1qcFrg0
:(。><):
少年が震えて泣き出した。抑えきれない嗚咽が猿轡にくぐもって消えた。
その様に内藤は確かに興奮していた。生唾を飲み込み、乾いた唇を舌でなめる。
明らかな捕食者の目に少年は更に怯え、顔を歪ませる。
( ^ω^)「後でだお、今はダメなんだお」
内藤は自身に言い聞かせるようにして腰を上げる。
少年に背を向けて、浴室を後にした。
( ^ω^)「棚に置いてた洗剤が落ちた音だったお」
( <●><●>)「そうですか」
兄である少年は大人しく部屋で待っていた。
この子も食してしまえという声が聞こえる。それをゆるく遠ざけた。
自身に課した制約は守らねばならない。魅力的な誘いを断ち切った。
418
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 02:45:26 ID:NE1qcFrg0
( <●><●>)「左手」
( ^ω^)「お?」
( <●><●>)「かゆいんですか」
少年に言われて初めて、ずっと左手の甲を掻いていたと認識する。
掻きむしったそこは赤くなっていて、少し血が滲んでいた。
自覚した瞬間心臓が跳ねる。もったいない、血液がこぼれてしまう。
それでも右手がとまらない。痒くないのに、掻いてしまう。
(;^ω^)「あ、あれ?」
内藤はおかしいと感じ始めた。
冷や汗が止まらない。左手からは血が流れ出した。右手の爪に皮がこびりついている。
少年は首を傾げたまま内藤を見つめている。大きな黒目から目を離せない。
( <●><●>)「どうしたのですか?」
(;^ω^)「お、おかしいんだお、とまらない、」
419
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 02:46:37 ID:NE1qcFrg0
ぐちゅ、ぐち、
左手から聞こえた耳慣れない音に内藤は目を見開いた。
何故こんな音がするのだ。この音はまるで、
( <●><●>)「眼球を潰したような音じゃあないか」
(;゚ω゚)「な、あ」
何故少年がそれを知っているんだ。
何故少年は愉快そうに笑っているんだ。
何故、何故、疑問符が内藤の脳を侵食する。
少年は意に介さない。その黒目で内藤を見守っている。
( <●><●>)「美味しかったのでしょう?」
( <●><●>)「食したのですから、部位が残っていてもおかしくないのでは?」
( <●><●>)「良かったですね、貴方は幸せ者ですよ」
内藤の首に細い手が回る。色白の、子供の腕だ。
少年は目の前にいるのに何故後ろから手が伸びてきたんだ。
内藤の足に細い手が回る。まだ健康だったころの、子供の手だ。
何故それは床から生えているんだ。
内藤を虚ろな一重の目が覗き込む。
何故お前がいるんだ、お前は、最初の、
( <●><●>)「それほどまで憑かれて、幸せですね」
(; ω )「あ"、あ"あ"あ」
「あ"ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
420
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 02:47:24 ID:NE1qcFrg0
('A`)「で、ガイシャが、これか」
鬱田が顔をしかめる。ここまでの死体に会ったのは初めてだった。
殺人捜査に関わるようになって30年近くになるがこれほどまで無残な死体は見たことがない。
限界まで解体された死体を見る時が来るとも思っていなかった。
今はシートに隠されているが、血の臭いは消えてくれない。新米なら一発でトイレ行きの臭いだ。
(´・ω・`)「……臭いの割に、血がないんだよな」
('A`)「ショボ、」
(´・ω・`)「ないどころかさらっさらだ。一滴も落ちてない。
おかしいと思わないかドク」
長年の相棒である諸本が首を傾げながら聞いてくる。
おかしいと思うに決まっている。頷いて返すと諸本は顎に手を当てて呟きだす。
(´・ω・`)「そもそも始まりからおかしいんだ、通報者の声は明らかに子供だったと聞いている」
('A`)「悪戯だと思ったが巡査が一応様子を見に来たんだったか」
(´・ω・`)「そして開きっぱなしの玄関から覗き込んで、血の臭いに気付いた。で、応援要請。
俺達も確かに玄関先でこの臭いに気付いたんだ。なら何故ここに血痕一つないんだ?」
('A`)「五人以上はいないとここまでの臭いはしないな」
(´・ω・`)「ここまで臭うならこの部屋全面が真っ赤でもおかしくないはずなんだ。
何故、ないんだ? でも確かに臭いはこの部屋から漂ってくる」
('A`)「……そうだ、あの保護した少年はどうした?」
堂々巡りになりそうな諸本の意識を呼び戻す。
横目で鬱田を見て諸本は垂れ下がった眉をさらに下げた。
421
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 02:48:06 ID:NE1qcFrg0
(´・ω・`)「今のところわかってるのはこのガイシャが誘拐犯だってことだけだな。
親御さんも呼んだし、なによりまだ小さい。証言に期待はできないな」
('A`)「そうか」
(´・ω・`)「あとは何回も言ってたが、お兄ちゃんが助けてくれたんだそうだ。
実際その兄は存在してたらしい」
('A`)「らしいってどういうことだ」
(´・ω・`)「……妊娠中に流れちまった子がいたんだそうだ。丁度あの少年を授かる二年前に。
性別はわからないがあの子が言う通りなら男だったんだろう」
('A`)「……攫われた弟を助けるために、盆に帰ってきたってか?」
それならこのおかしい状況も納得できるのではないか、
考えて鬱田は頭を振った。いくらなんでも非科学的だ。超常現象を信じていちゃ警察はやっていられない。
(´・ω・`)「……案外、本当だったりしてな」
('A`)「おいショボ」
(´・ω・`)「わかってるさ、ちょっと思っただけだ」
薄く笑いながら諸本は手帳に目を落とす。
ガイシャである内藤の日記であった。十年前から事細かにつけられている。
特に、人体の調理法について。
(´・ω・`)「……こんな無残な殺され方したってんなら、恨むのもわかるってことだ」
('A`)「……そうだな、」
恨みが具現化した、のだとか。
弟を案じた思いだとか、非科学的だ。それでも連続誘拐事件はここで幕を閉じた。
それで被害者の恨みが少しでも晴れたのなら、と考えてしまうなんて。
( <●><●>)
見覚えのない少年が、どこかで笑った気がした。
422
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 02:48:59 ID:NE1qcFrg0
(
)
i フッ
|_|
423
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 02:59:26 ID:R3T8goLg0
最初に殺された子がワカッテマスなんじゃないかと思ったけどそうでもなかったかー
つおつ!
424
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 02:59:34 ID:Vw2MxNqY0
おつおつ
最初の母の墓のとこでちょっとしんみりしてたら、急にきた
描写が丁寧なことに、やめてくれ……と思ったのは始めてだわw
425
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:08:39 ID:Vw2MxNqY0
よし、次もらうよー!
426
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:09:50 ID:Vw2MxNqY0
.,、
(i,)
|_|
14本目、でぃのお鍋の代わりのようです
427
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:10:52 ID:Vw2MxNqY0
ピンポーン
(#゚;;-゚)「……」
(#゚;;-゚)「はい」
「おーい、私は誰でしょー?」
「普通に分かるだろ……、外は暑くて敵わん、入れてくれ」
(#゚;;-゚)「分かった」
ガチャリ
川 ゚ -゚)ノシ
ヾζ(゚ー゚*ζ
(#゚;;-゚)ノ
ζ(゚ー゚;ζ「おおー! 涼しー、……くない!?」
川;゚ -゚)「人の家で失礼だな……って確かになんだ、この熱気は」
(#゚;;-゚)「お鍋の用意が出来てます」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ」
428
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:12:12 ID:Vw2MxNqY0
川;゚ -゚)「……」
(#゚;;-゚)「美味しく出来たと思う」
ζ(゚ー゚;ζ「いやいや、出来てなくていいから! 素材に戻せ!」
川 ゚ -゚)「それはそれで無理だろ……」
(#゚;;-゚)「暑いのはちょっとした冗談。デレ、そこのリモコンで冷房つけて」
ζ(゚ー゚*ζ「はーい。って、どこに行くの?」
(#゚;;-゚)「お箸とお皿取ってくる」
川;゚ -゚)(鍋も冗談であってほしかった……)
ζ(゚ー゚*ζ「ふふふ……」
川 ゚ -゚)「どうしたんだ、急に」
ζ(゚ー゚*ζ「エアコンのボタンを押した人が、一番涼しい位置に座れるのです」
川 ゚ -゚)「いや、私は構わんが、普通は家主じゃないのか……」
ζ(゚ー゚*ζ「えー、エアコンつけたし私が家主みたいなものだよー」
川 ゚ -゚)「エアコンに対する理解が根本的に違うようだな……」
ζ(゚ー゚*ζ「あー、涼しくなってきたー、とーけーるー」
川 ゚ -゚)「一体何が溶けるんだ……」
429
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:13:31 ID:Vw2MxNqY0
ζ(゚ー゚*ζ「……」
川 ゚ -゚)「……」
ζ(゚ー゚*ζ「いやーそれよりぐつぐつ煮立ってるねー、鍋」
川 ゚ -゚)「うむ。フタがくもってて中は見えないが、どこか洋風な香りがするな」
「あ、煮立ってる? カセットコンロの火止めていいよ」
ζ(゚ー゚*ζ「いいよいいよ、もっとぐつぐつ煮立たせようぜ」
川 ゚ -゚)「なぜエアコンの前だとそんな強気なんだ……」
(#゚;;-゚)「ううん、止めたほうがいい」
ζ(゚ー゚*ζ「おっ、おかえりー」
ζ(゚ー゚;ζ「って、そのお皿にのってるのは、……パスタ?」
(#゚;;-゚)「うん、冷製パスタ」
川;゚ -゚)「パスタと鍋って、凄い組み合わせだな」
(#゚;;-゚)「ううん」
川 ゚ -゚)「ん?」
430
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:15:08 ID:Vw2MxNqY0
(#゚;;-゚)「……そこのお鍋のなか、実はスープ」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ、本当に!? フタ開けるよー」
(#゚;;-゚)「どうぞ」
ζ(゚ー゚*ζ「あっ、具がない! これじゃ、鍋じゃなくてただのスープだよ!」
(#゚;;-゚)「スープだよ」
川 ゚ -゚)「……」
川;゚ -゚)(鍋じゃなくて、心底良かった……)
(#゚;;-゚)「来るって連絡があったとき、今日はトマト鍋にしようと思ったんだけど」
(#゚;;-゚)「肝心のトマト缶を買い忘れた……」
川;゚ -゚)(……あっ)
(#゚;;-゚)「お鍋楽しみにしてたのにごめん」
ζ(゚ー゚*ζ「気にするなよー、そもそもお鍋なんて知らなかったもん」
(#゚;;-゚)「代わりに、怖い話しでもする」
ζ(゚ー゚*ζ「いよっ! 待ってました!」
川;゚ -゚)「待ってねーよ、重度のホラーマニアかよ……」
431
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:16:06 ID:Vw2MxNqY0
ζ(゚ー゚*ζ「そうだ、私も最近ゾクッとしたことが!」
(#゚;;-゚)「そうなの?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん! 忘れちゃいそうだから先に話していいかな?」
(#゚;;-゚)「どうぞ」
川;゚ -゚)「いや、どうして食前にそんな会を開くんだよ……、先に食べないか?」
ζ(゚ー゚*ζ「冷たいパスタだし、スープは温めればいいし大丈夫」
川 ゚ -゚)「シチュエーションの問題だよ、消化に悪そうじゃないか」
(#゚;;-゚)「言われてみれば」
ζ(゚ー゚*ζ「あっ、まさか……」
川 ゚ -゚)「ん?」
ζ(゚ー゚*ζ「普段は冷静なクーちゃんともあろうものが、怪談話は苦手なのかな?」
川 ゚ -゚)「……」
(#゚;;-゚)「先に食べる?」
432
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:17:10 ID:Vw2MxNqY0
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「何を言ってるんだ。ぜひ、聞こうじゃないか」
ζ(゚ー゚*ζ「へへっ、ちょろいちょろい」
(#゚;;-゚)「……」
川 ゚ -゚)「……ほう」
川 ゚ -゚)「デレ君は直接あの世でも見たいのかな」
ζ(゚ー゚;ζ「ちょ、ストップ、ストップ! ほおつねってもあの世には行けないから!」
川 ゚ -゚)「分かったよ、ほら、すまんな」
ζ(゚ー゚*ζ「よし、じゃあ話すねー」
(#゚;;-゚)「楽しみ」
川 ゚ -゚)「うむ」
ζ(゚ー゚*ζ「私のクローゼットの中ではね」
ζ(゚ー゚*ζ「地球は滅んでるんだよ」
(#゚;;-゚)「そうなんだ……」
ζ(゚ー゚*ζ「うん……」
川;゚ -゚)「いや、よく分からないから説明してくれ」
433
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:18:40 ID:Vw2MxNqY0
ζ(゚ー゚*ζ「ああっー、それもそうだね」
ζ(゚ー゚*ζ「えっと、時々街中で、無料で本を配っている人がいるでしょ?」
川 ゚ -゚)「ん? 小説とか配ってるのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「ううん、主に神様がどうとかって本」
川;゚ -゚)「ああ、宗教系の……」
ζ(゚ー゚*ζ「もちろんデレは立派な無宗教なんだけど」
(#゚;;-゚)(立派な無宗教……)
ζ(゚ー゚*ζ「ティッシュか何かだと思って、この間ついもらっちゃったんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「それで、読まずに捨てるのも勿体無いかなと思って、ぱらっとめくったんだけど」
(#゚;;-゚)「うん」
ζ(゚ー゚;ζ「思わずゾッとすることが書いてあって」
川 ゚ -゚)「ほう、いったいなんと?」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
ζ(゚ー゚;ζ「2012年に地球は滅亡するんだって……」
川;゚ -゚)「古い話題だな、その本いつ発行してるんだよ……」
434
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:19:56 ID:Vw2MxNqY0
ζ(゚ー゚*ζ「それで怖くなって、その先は読まずにクローゼットに入れたまま」
(#゚;;-゚)「うん」
川 ゚ -゚)「……それで、でぃの怖い話しとは何なんだ?」
ζ(゚ー゚;ζ「いや、もっと余韻に浸ろうよ!」
川 ゚ -゚)「私はお腹が減ったんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「ふむふむ。つまりクーちゃんは、お腹が、ク……」
川 ゚ -゚)「ん、何だって?」
ζ(゚ー゚;ζ「な、何でもないです、さあ、どうぞでぃちゃん!」
(#゚;;-゚)「うん」
川 ゚ -゚)「……」
(#゚;;-゚)「……ある日、帰り道で男の人が前を歩いてた」
(#゚;;-゚)「どこか変なかんじがして、よく見ると」
(#゚;;-゚)「頭から血を流してた」
ζ(゚ー゚;ζ「それは大変! 熱中症?」
川;゚ -゚)「血を流すほどの日差しって何度あるんだよ、どう考えても違うだろ……」
435
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:20:51 ID:Vw2MxNqY0
(#゚;;-゚)「……それでその人、曲がり角の方に行った」
(#゚;;-゚)「大丈夫なのか心配になって、私も道を曲がったら」
(#゚;;-゚)「道の先には誰もいなかった」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
川 ゚ -゚)「……」
(#゚;;-゚)「おかしいなと思ったけど、気を取り直して戻ろうとしたら」
(#゚;;-゚)「電柱の横にカラスの死体が」
ζ(゚ー゚;ζ「……」
川;゚ -゚)「カラスの霊か……」
(#゚;;-゚)「たまたまかもしれない」
ζ(゚ー゚*ζ「そう! カラスのそれは偶然で、怪我の人は家が近かったんだよ、きっと!」
川 ゚ -゚)「……偶然、か」
(#゚;;-゚)(血の跡が)
(#゚;;-゚)(カラスのとこまであったのは言わなくていいか)
436
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:22:11 ID:Vw2MxNqY0
ζ(゚ー゚*ζ「ところでクーちゃん、座る位置交換しない?」
川 ゚ -゚)「寒くなったんだな……」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあ、ね、この場所の方が涼しいでしょ」
川;゚ -゚)「私は別にどこでもいいんだが……」
ζ(゚ー゚*ζ「さあて、残すところはクーちゃんのお話ですねー」
(#゚;;-゚)「うん」
川 ゚ -゚)「やるなんて一言も言ってないぞ」
川;゚ -゚)「けど、この流れになることは分かってたよ……」
ζ(゚ー゚*ζ「さすがクーちゃん、話が分かる!」
川;゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「予知というか、偶然なのか何なのか」
川 ゚ -゚)「最近不思議な出来事が続いているんだ……」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ、まさか……」
川 ゚ -゚)「どうした」
437
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:23:23 ID:Vw2MxNqY0
ζ(゚ー゚;ζ「……怪談話、用意してきた? なにこの本格的な出だし!」
川;゚ -゚)「してないしてない」
(#゚;;-゚)「不思議な出来事?」
川 ゚ -゚)「うむ。この間、スーパーで買い物してたんだが」
川 ゚ -゚)「生活用品のコーナーを通ったとき、何となく絆創膏が目に入ったんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「ふむふむ」
川 ゚ -゚)「特に必要もなかったんだが、カゴに入れた」
川 ゚ -゚)「そしたらその晩、包丁で指を切ってしまってな」
川 ゚ -゚)「私は調度いいタイミングで絆創膏を買ったなあ、と思ってたんだ」
川 ゚ -゚)「そしたら、最近そんなことが何度かあってな……」
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「……やっぱり続きは、夕食を食べてからにしないか?」
ζ(゚ー゚*ζ「ええー、どうして! こんないいところで待てないよ!」
(#゚;;-゚)「うん、気になる」
川;゚ -゚)「分かったよ」
438
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:24:46 ID:Vw2MxNqY0
川 ゚ -゚)「それで、ついさっきデレと待ち合わせる前なんだが」
川 ゚ -゚)「時間があったから、ふらっとコンビニに立ち寄ったんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「あー、駅前のところの」
川 ゚ -゚)「その時、やたら続く偶然のことを思い出してな」
川 ゚ -゚)「特に使いもしない、普段は絶対に買わないものを買おうと決めたんだ……」
(#゚;;-゚)「クリップ」
ζ(゚ー゚*ζ「枝豆!」
(#゚;;-゚)「木工ボンド」
ζ(゚ー゚*ζ「ええと、お弁当のおかず入れの容器!」
439
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:27:05 ID:Vw2MxNqY0
川 ゚ -゚)「私がコンビニで買ったのは」
川 ゚ -゚)「……」
川;゚ -゚)「……トマト缶だ」
(#゚;;-゚)「……」
ζ(゚ー゚*ζ「へっ?」
川;゚ -゚)「……」
(#゚;;-゚)「……あっ、お鍋できる」
ζ(゚ー゚;ζ「そっか……、これまた、すごい偶然だ」
川;゚ -゚)「自分でもびっくりだよ……」
(#゚;;-゚)「よし」
(#゚;;-゚)「スープはお鍋にしよう」
川;゚ -゚)「しなくていいよ!」
終わり
440
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 03:27:49 ID:Vw2MxNqY0
(
)
i フッ
|_|
441
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 05:08:43 ID:/n1CwJTo0
すまぬ報告忘れてた
15本目
『ジェイソン・クールのようです』
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1376057071/l30
442
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 09:06:20 ID:ilBPGeOs0
オチに凄いほっこりしたわw
こんなんばっかなら深夜にも読めるのにwww
乙!
443
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 10:47:07 ID:4R6WVUdc0
乙
良い癒しだ
444
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 14:42:54 ID:GVmCX9Lk0
支援絵です
>>264-273
「ξ ⊿ )ξ枕元に佇むようです」よりξ ⊿ )ξ
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_1096.jpg
445
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 15:15:23 ID:4R6WVUdc0
こわっ
446
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 17:13:20 ID:mj/IUaHAO
>>444
ひぎぃいいいいいいいいいいいいい
乙。怖すぎ泣いた
447
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 17:17:40 ID:WPUz/BRQ0
>>444
ワカッテマスも納得の眼力やでぇ 乙乙
448
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 20:53:58 ID:1yXu23aU0
ソウルイーターでもいたなこういうのビチョビチョ…
449
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:01:02 ID:68AY/e1M0
.,、
(i,)
|_|
16本目、ばんぶぅーぱにっくのようです
450
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:02:09 ID:68AY/e1M0
(,,゚Д゚) 「なあ」
ミ,,゚Д゚彡「なんだよ」
(,,゚Д゚) 「今日習ったさ…竹取物語さ…」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、かぐや姫か」
(,,゚Д゚) 「萌えね?」
ミ,,゚Д゚彡「萌えるな」
451
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:03:11 ID:68AY/e1M0
(,,゚Д゚) 「竹を割ったら」
ミ,,゚Д゚彡「幼女」
(,,゚Д゚) 「幼女inBANBOO」
ミ,,゚Д゚彡「俺は幼女にinしたいけどな」
(,,゚Д゚) 「たまらんな」
ミ,,゚Д゚彡「たまらんスマッシュだな」
(,,゚Д゚) 「なんだそれ」
ミ,,゚Д゚彡「ほら、好みにストライクの進化系」
(,,゚Д゚) 「知らんかった」
ミ,,゚Д゚彡「今思いついた」
(,,゚Д゚)
(,,゚Д゚) 「しね」
ミ,,゚Д゚彡「ごめん」
(,,゚Д゚) 「ところでさ、この辺さ、竹林だよな」
ミ,,゚Д゚彡「田舎住んでて初めて良かったと思ったよ」
(,,゚Д゚) 「探すか、光る竹」
ミ,,゚Д゚彡「探そうぜ」
452
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:04:08 ID:68AY/e1M0
(,,゚Д゚) 「無かったな、光る竹」
ミ,,゚Д゚彡「いや、もう真夜中のミッドナイトだから気づかなかっただけだろ」
(,,゚Д゚) 「真夜中のミッドナイトおかしくね。てか真夜中こそ光る竹はわかりやすいと思うが」
ミ,,゚Д゚彡「ケータイ親から鳴りまくったせいで電池切れた」
(,,゚Д゚) 「俺も」
ミ,,゚Д゚彡「帰りたくないや」
(,,゚Д゚) 「Yes カミナリ!No かぐや姫!」
ミ,,゚Д゚彡「マイナスしか無かったな」
(,,゚Д゚) 「でも腹減ったし帰るか」
ミ,,゚Д゚彡「…待て」
(,,゚Д゚) 「男には帰りたく無くても帰らねばならない時がある」
ミ,,゚Д゚彡「行かねば」
(,,゚Д゚) 「竹光らぬ」
ミ,,゚Д゚彡「あの助動詞『ぬ』は完了だぞ」
(,,゚Д゚) 「知ってる。今のは打消『ず』の連体形だと言うことも」
ミ,,゚Д゚彡「なんだ、知ってたのか」
(,,゚Д゚) 「まあな」
453
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:05:09 ID:h.GZwhnY0
インテリジェントな二人
454
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:05:17 ID:68AY/e1M0
(,,゚Д゚) 「よし、帰るか」
ミ,,゚Д゚彡「やっぱ待て」
(,,゚Д゚) 「どうした」
ミ,,゚Д゚彡「この竹、節目から髪の毛が生えてる」
(,,゚Д゚)
(,,゚Д゚*) 「かぐや姫の髪!」
ミ,,゚Д゚*彡「かぐや姫の髪!!」
(,,゚Д゚*) 「待て!カッター出すからそれで切って助けよう!!」
ミ,,゚Д゚*彡「じゃあ俺は明かりを!!」
(,,゚Д゚) 「あれ、お前ケータイ電池切れたって…」
ミ,,゚Д゚彡「This is iPod touch」
(,,゚Д゚) 「IC」
455
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:06:15 ID:68AY/e1M0
ミ,,゚Д゚彡「ほら、切れ」
(,,゚Д゚) 「イエッサー」
ぎこぎこぎこ
ミ,,゚Д゚彡「ぎこぎこぎこ」
ぴたっ
(,,゚Д゚) 「呼んだか?」
ミ,,゚Д゚彡「いいえ」
ぎこぎこぎこ
ミ,,゚Д゚彡「ぎこぎこぎこ」
ぴたっ
(,,゚Д゚) 「呼んだか?」
ミ,,゚Д゚彡「いいえ」
456
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:08:03 ID:68AY/e1M0
ぎこぎこぎこ
(,,゚Д゚) 「な、あ」
ミ,,゚Д゚彡「なんだ?あ、iPod touchの充電もヤバイ」
ぎこぎこぎこ
(,,゚Д゚) 「かぐや姫、どっちが養う?」
ミ,,゚Д゚彡
(,,゚Д゚) 「俺だろ」ミ,,゚Д゚彡
(,,゚Д゚#) 「竹切ったの俺だろ?!」
ぎこぎこぎこ
ミ,,゚Д゚#彡「明かりやったの俺だろ?!」
ぎこぎこぎこ
(,,゚Д゚#) 「俺が切らなかったらお前かぐや姫見ることすらできなかったんだぜ?」
ぎこぎこぎこ
ミ,,゚Д゚#彡「俺が明かりをやらなければお前は切ることもできなかったわけだがな!!」
ぎこぎこぎこ
(,,゚Д゚#) 「第一かぐや姫のお爺さんは切ることでかぐや姫をゲットしたんだろ?!じゃあ切った俺が言わばお爺さんだ!!」
ぎこぎこぎこ
ミ,,゚Д゚彡「いいや!かぐや姫のお爺さんはかぐや姫入りの竹を見つけることでかぐや姫ゲットしたんだろ?!
じゃあ竹を見つけた俺が言わばお爺さんだ!!」
ぎこぎこぎ
ぱかっ
(,,゚Д゚) 「あ」ミ,,゚Д゚彡
457
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:08:17 ID:WPUz/BRQ0
桃ごと唐竹割りにされる桃太郎的な何かを感じる
458
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:09:15 ID:68AY/e1M0
(,,゚Д゚) 「…開いたな」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、開いたな」
(,,゚Д゚) 「…竹を割っても…長い髪の毛だけだったな」
ミ,,゚Д゚彡「…多分…下にいるんだろ?髪引っ張って引きずり出してやろうぜ…」
(,,゚Д゚) 「…おう」
ミ,,゚Д゚彡「なあギコ」
(,,゚Д゚) 「なんだ」
ミ,,゚Д゚彡「…やっぱり交代で家泊めるって…どうかな」
(,,゚Д゚) 「あ、いいな、それ」
ミ,,゚Д゚彡「じゃ、最初はギコでいいよ」
(,,゚Д゚) 「いや、最初はフサに譲るぞ?」
(,,゚Д゚) 「……」ミ,,゚Д゚彡
(,,゚Д゚) 「ま、それは後で決めるか」
ミ,,゚Д゚彡「だな、先ずは引っ張るか」
459
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:11:49 ID:h.GZwhnY0
やな予感しかしない
460
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:11:58 ID:68AY/e1M0
ずるずるずる
(,,゚Д゚;)
ずるずるずる
ミ,,゚Д゚;彡
ずるずるずる
(,,゚Д゚;) 「かぐやちゃんは…髪長いんだな…」
ずるずるずる
ミ,,゚Д゚;彡「お、おれ…黒髪ロング好きだから全然おっけーだし?」
ずるずるずる
(,,゚Д゚;) 「お、俺もだし?」
ずるずるず
かっこん
(,,゚Д゚;) 「?!」ミ,,゚Д゚;彡
かっこん
かっこん
かっこんかっこんかっこんかっこん
バチンッ
ミ,,゚Д゚;彡「あ、あ…」
かっこんかっこんかっこんかっこん
(,,゚Д゚;) 「ど、どうしたんだ?!フサ!!!iPod touchの電気を付けろ!!」
かっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこん
ミ,,゚Д゚;彡「と、と、と突然消えたんだよ…」
かっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこんかっこん
(,,;д;) 「!!!???」ミ,,;д;彡
(,,;д;) 「に…」
(,,;д;) 「にげるぞおおおおおお!フサああああ!!」
ミ,,;д;彡「うううううううん?!?!」
461
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:14:13 ID:68AY/e1M0
ーーー
ーー
ー
( ゚д゚* )「お前らもバカだねぇい!!はっはっはっ!!」
( ゚д゚* )「かぐや姫だと思って髪の生えた竹を割って」
( ゚д゚* )「挙句にあいぽっどの充電切れをお化けの仕業にしよって!!」
ミ,,;д;彡「笑うなよおお…ミルナばあちゃん!!」
(,,゚Д゚) 「……で、なんで竹から髪の毛なんて生えてたんだ?」
( ゚д゚ )「ああ、あれはね。昔は修行の為に坊さんが生きたままお墓に入ってたら
髪の毛が石の棺の蓋から飛び出すほどえらく伸びてることがあったんだよ」
( ゚д゚ )「多分…あの竹の下で誰かが修行してたんだろうねぇ…」
(,,;д;) ミ,,;д;彡「ひぃぃぃぃぃ」
ミ,,;д;彡「じゃ、あのかっこんかっこん言ってたのは俺たちを呪う為か?!」
( ゚д゚ )「違う違う、多分あんたらか髪の毛引っ張る時に髪の毛が頭蓋骨に引っかかってて持ち上がって竹にぶつかった音だよ」
(,,;д;) 「本当か?!本当に俺ら呪われないんだよな?!」
( ゚д゚ )「ああ、勿論」
( ゚д゚ )「お前らは修行するほど真面目な坊さんが子どもを呪うと思うか?」
(,,゚Д゚) 「……」ミ,,゚Д゚彡
( ゚д゚ )「ほら、わかったら今日はうちで寝んしゃい、お家の人には電話しとくから」
(,,゚Д゚)「はーい」 ミ,,゚Д゚彡
462
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:15:57 ID:68AY/e1M0
(,,゚Д゚) 「なあ、フサ」
ミ,,゚Д゚彡「なんだよ」
(,,゚Д゚) 「俺さ…」
(,,゚Д゚) 「熟女もいける口でさ」
ミ,,゚Д゚彡「いける」
(,,゚Д゚*) 「駄菓子屋のミルナばーちゃん!」
ミ,,゚Д゚*彡「大人の魅力!!」
(,,゚Д゚*) 「やっぱ女は白髪になってからだよな!!」
ミ,,゚Д゚*彡「激しく同意する!!」
(,,゚Д゚*) ミ,,゚Д゚*彡キャツキャッ
かっこん
(,,゚Д゚) ミ,,゚Д゚彡
463
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:16:47 ID:68AY/e1M0
(
)
i フッ
|_|
464
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:17:52 ID:h.GZwhnY0
二人のダメっぷりとラストのかっこんのコントラスト……
乙乙
465
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:19:19 ID:WPUz/BRQ0
なんとも言えねえ 乙
466
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:21:15 ID:pkrurHRs0
乙
なんだこいつら反省しねえ
467
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:35:46 ID:h.GZwhnY0
熟女属性はあるが男色属性はなかったことに坊さんが嫉妬したのかも……
さて、冗談はさておいて十七本目行きますか
.,、
(i,)
|_|
桜の樹の下には、のようです
.
468
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:37:37 ID:h.GZwhnY0
ーーー桜の樹の下には屍体が埋まっている!
梶井基次郎「桜の樹の下には」より
.
469
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:38:50 ID:h.GZwhnY0
ζ(-、-*ζ「……」スゥ、スゥ
( A )「……」
470
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:39:56 ID:h.GZwhnY0
ζ(-、°*ζ「……ん」パチ
( A )「……」
471
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:41:04 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ 「あぁ、もうこんな時間……」
ζ(゚ー゚*ζ「私ったら、日差しがあんまり気持ち良いから寝過ごしちゃった」
ζ(゚ー゚*ζ「おはようございます。小鳥さん、毛虫さん、蝶々さん」
( A )「……」
472
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:42:05 ID:h.GZwhnY0
ζ(^ー^*ζ「……そして、おはようございます。ドクオさん」
( A )「……」
.
473
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:43:03 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「すっかり春めいてきましたねぇ」
ζ(゚ー゚*ζ「暖かくて、過ごしやすい時期になってきました」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたにとっては、どうですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「そちらは寒く、ありませんか?」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「暖かいのなら、いいんですけどね」
.
474
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:44:05 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「春眠暁を覚えずって言いますけど」
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさんは、いつ見ても眠ってばかりですね」
ζ(゚ー゚*ζ「そんなに眠り続けていたら、いつか眠ることに飽きちゃいそう」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「いつかはあなたが目を覚ます日が、来るんですかね?」
.
475
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:44:55 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「春風が、吹きましたね」
ζ(゚ー゚*ζ「あの風はどこへ行って、誰と出会うんでしょうか」
ζ(゚ー゚*ζ「そちらは、いかがですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「風を感じることは、出来ていますか?」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「寂しくは、ありませんか?」
.
476
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:46:07 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさん、見てください。蝶々が飛んでますよ」
ζ(゚ー゚*ζ「私、蝶々って大好きです」
ζ(゚ー゚*ζ「あんな風にひらひらって、どこまでも飛んで行けたら、素敵ですよね」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたにもあの蝶々が、見えてますか?」
.
477
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:47:25 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「あの蝶々は、なんていう名前だったんでしょうか」
ζ(゚ー゚*ζ「見た覚えはあっても、名前さえ知らない物者が、私たちの周りには溢れかえってる」
ζ(゚ー゚*ζ「でも、他の何を知らなくても、あなたの名前だけは知っています」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……あなたの名前は、ドクオさん。そうでしょう?」
.
478
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:49:03 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「風も蝶々も、私なんかとは大違い」
ζ(゚ー゚*ζ「大地に根を張らずに動けるのが、羨ましく思える日が来るなんて考えもしなかった」
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさんも、そう思いませんか?」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……応えてくれないのも、分かってはいるんですけどね」
.
479
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:49:56 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「あなたと私は、きっと似た者同士なんですよね」
ζ(゚ー゚*ζ「お互いに独りぼっちで、ここから動くことすらままならない」
ζ(゚ー゚*ζ「私はあなたに、少なからずシンパシーを抱いてます」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたもそうだったら、私は嬉しいです」
.
480
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:51:03 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「……どうも私は、小難しい話ばかりしてしまいがちですね」
ζ(゚ー゚*ζ「寡黙なあなたと、話すことしかできない私では、そうなってしまうのも仕方ないことではありますけど」
ζ(゚ー゚*ζ「私とあなたは、もしかしたら意外にいいコンビなのかもしれません」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……あなたが笑ったように思えるのは、私の気のせいでしょうか」
.
481
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:51:49 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「ここからは、木の梢が邪魔して、空があんまり見えませんね」
ζ(゚ー゚*ζ「それだけが、ここにいて少し不満なことかもしれないです」
ζ(゚ー゚*ζ「でも、その分たまに覗く空が余計に高く見えるのは、不思議な感じですね」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたは空を見て、何を思いますか?」
.
482
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:53:18 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「ここは夜になると、本当に静かですよね」
ζ(゚ー゚*ζ「不満ばかり言ってはいけないけれど、夜の静寂はちょっと苦手です」
ζ(゚ー゚*ζ「宵闇の向こうに何かいる気がして、怖くって……」
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさんも、そんな気持ちになることはありませんか?」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……本当に、ここは静かです」
.
483
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:54:44 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「……」
( A )「……」
.
484
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:55:46 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「……どれだけ話しかけても、あなたが返すのは沈黙だけ」
ζ(゚ー゚*ζ「私、なんだか虚しくなっちゃいます」
ζ(゚ー゚*ζ「せっかく、孤独じゃなくなったと思ったのに」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「それでも結局は、話しかけてしまうんですけどね」
.
485
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:56:43 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「……悲しいです」
ζ(゚ー゚*ζ「独り言のようにあなたに話しかけるのは、とても悲しい」
ζ(゚ー゚*ζ「……ねぇ、何か言ってくださいよ、ドクオさん」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
.
486
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:57:54 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「私、語りかけていたらあなたが話してくれるような気がして、こうして喋っていたんです」
ζ(゚ー゚*ζ「でも、それが無理だっていうのも分かってます。だって、あなたは……」
ζ(゚ー゚*ζ「……私のしていることって、無意味なことだったんでしょうか」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……今だけは、あなたの沈黙に感謝します」
.
487
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:58:58 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「……花をね、咲かせたかったんです」
ζ(゚ー゚*ζ「それはきっと、あなた色の花びら」
ζ(゚ー゚*ζ「怖いくらい綺麗な花が、人目もはばからずに咲き誇る。そんなところを毎日夢想していました」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「それは結局、夢に終わってしまいましたけれどね」
.
488
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 21:59:46 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「あなたの幸せって、なんですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「私の幸せは、いずれ時が訪れるまで、あなたと共に過ごすことだった」
ζ(゚ー゚*ζ「けれど、その時がもうそこまで迫ってるみたいです」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……今まで話を聞いてくれて、ありがとうございました」
.
489
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:01:11 ID:h.GZwhnY0
『おぉい、あったぞ!!こっちだぁ!!』
ζ(゚ー゚*ζ「!!」
ζ(゚、゚*ζ「……あーあ、もう来ちゃったのか。もう少し時間がかかると思ったんだけどなぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「私、あの人たちが来るの、本当はさっきから分かってたんです」
ζ(゚ー゚*ζ「虫さんも小鳥さんも静かで、気配を殺すようにしてたから」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
.
490
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:02:18 ID:h.GZwhnY0
ζ(゚ー゚*ζ「……神様との、約束だったんです」
ζ(゚ー゚*ζ「他人に死体を暴かれたら、それでおしまいだよ、って」
ζ(゚ー゚*ζ「それまでは好きにしていい、でもそうなったら、ちゃんと成仏しなさいって」
ζ(゚ー゚*ζ「可笑しいですよね。そうまでして、ここに残る意味なんてないかもしれなかったのに」
ζ(゚ー゚*ζ「……さよならは言いませんよ?もしかしたらまた、戻って来れるかもしれないし」
( A )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「だから、約束して下さい」
.
491
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:03:35 ID:h.GZwhnY0
ーーーー『次に会う時は、きっと大輪の花をつけて……』
.
492
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:05:21 ID:h.GZwhnY0
ーーーー
ーーー
ーー
○月×日、午前10時21分。容疑者、宝満義子(ほうまん・よしこ)の供述通り、被害者、井出怜衣(いで・れい)の遺体が、日案市日津府山(にちあんし・びつふやま)山中の桜の木の根元より発見された。
(中略)
該当の桜は、その樹齢の長さと独居して佇むような出で立ちから、近隣住民により独桜樹(どくおうじゅ)あるいは独桜(どくおう)と呼ばれ
畏敬と信仰の対象となっており、そのことが遺体の発見を遅らせた一つの原因であると考えられている。
(中略)
なお、捜査には直接に関係のない蛇足的な事例ではあるが、遺体の掘り出し作業中、複数の作業員が女性の泣くような声を聞いたと発言している。
過労によるノイローゼの兆候の可能性もあるため、作業人員の増加を検討頂きたい。
ーーー担当捜査官の日報より、一部を抜粋。
493
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:06:40 ID:h.GZwhnY0
……翌年の春、もはや盛りを過ぎて花をつけることは叶わないとされていた桜の老木が、奇跡のように花を咲かせた。
その花の色は、人の血液を彷彿とさせるかのように毒々しい薄紅赤であり、他のどの桜と比べても類を見ない、妖しい美しさを湛えていた。
人々は、死体が埋められていた事実をその美しさと絡め、十数年ぶりに花が咲いたこととの因果関係に
畏れおののくばかりであったが、その花に込められた意味と約束を知る者は、当然のようにそこにはいない。
黙して語らぬ桜の老樹だけが、ただそこに佇んでいるのみである。
.
494
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:07:55 ID:h.GZwhnY0
ーーー桜の樹の下には屍体が埋まっている!
ーーーこれは信じていいことなんだよ。
終
495
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:08:49 ID:h.GZwhnY0
終わりです。長々と失礼しました。
(
)
i フッ
|_|
496
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:14:10 ID:98rvfEN.0
幻想的で好きだわ
497
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:14:12 ID:WPUz/BRQ0
乙 これは良い、とても良い。
498
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:34:51 ID:ld6kgv1U0
.,、
(i,)
|_|
18本目行きます
ξ ⊿ )ξ夢で終わらせてくれないようです
499
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:35:55 ID:ld6kgv1U0
川 ゚ -゚)「シャワーを浴びてるときとかって、後ろに気配を感じることってよくあるよね。ああいうときって上にいるんだとか」
ξ ゚⊿゚)ξ「………。」
ξ; ゚⊿゚)ξ「は?」
ツンは昔馴染みのクールと一緒にカフェでお茶をしていた。
クールは昔から幽霊とか好きで、霊感があるとかそういう噂が流れていた。
ツンは幽霊なんか信じてない。だからそんなことはずっと無視していた。
それも最近までの話だが。
500
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:37:51 ID:ld6kgv1U0
最近ツンはとても怖い目にあった。それが幽霊に関係するものだったから、そんな噂がたっているクールに相談してみたのだった。
「最近、シャワーを浴びてると後ろに気配を感じるのよ。」
ツンがそう話を切り出した途端、さっきの言葉を突きつけられたのだった。
ξ; ゚⊿゚)ξ「やめてよ……これからシャワー浴びるとき上見れないじゃない…」
川 ゚ -゚)「まぁ、有名な話なんだけどね。それで?まさかそれだけじゃないよね?」
501
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:38:50 ID:ld6kgv1U0
ξ; ゚⊿゚)ξ「う、うん……、本題はここからなんだけどね」
そうしてツンは先週起きた事をクールに話し始めた。
1人暮らしの狭い部屋にはシャワーの音が響きやすい。一人である事を認識させるかのようだ。
502
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:39:37 ID:ld6kgv1U0
しかしツンは後ろに何者かの気配を感じていた。
ξ; ゚⊿゚)ξ「………だれ?」
振り向いても勿論誰もいない。
よくある話だ。
ξ ゚⊿゚)ξ「…早く寝よ」
シャワーから上がって、着替えていたらまた気配を感じた。
ξ; ゚⊿゚)ξ「………」
今度は無言で振り返る。
誰もいない。
ξ; ゚⊿゚)ξ「……疲れてるのよね」
そう自分に言い聞かせる事にした。
503
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:41:24 ID:ld6kgv1U0
TVを見ながら、ドライヤーで髪を乾かしていると
バヅンッ
ξ; ゚⊿゚)ξ「うあ〝っ!?何々?ブレーカー!!?」
ツンは真っ暗な部屋の中を、テレビの明かりを頼りにブレーカーを上げに行った。
ξ; ゚⊿゚)ξ「ドライヤー使ってるときは、他の電気を使わないようにしなきゃね…」
ブレーカーの下に椅子を立て、そこに上がり、ブレーカーに手を伸ばした。
ξ; ゚⊿゚)ξ「………なに…これ…」
髪の毛だ。
ブレーカーには大量の髪の毛が絡みついている。
504
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:42:34 ID:ld6kgv1U0
ゴリュッ、ガリガリ…ゴリュッ…
ξ; ゚⊿゚)ξ「ひっ!?」
シャワールームの方から骨と骨がこすれ合っているような音が聞こえる。
シャワールームを見ても誰もいない。
しかし音は止まない。
ぼどっ
なにかおちてきた
「ひぁ…あ……いやぁあああああああああああああああっっ」
ツンはその場で腰が抜けてしまった。
505
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:43:50 ID:ld6kgv1U0
首だ。
手もある。
まるで体はあるのに、首と手だけが姿を現しているかのような動きで、タイルを這って近づいてくる。
『ぎ…ぁが………』
ξ; ⊿ )ξ「ひぃ〝っ…!」
両手が前に出たら、今度は首がごきゃり、という音を発しながら前進してくる。
逃げなきゃ。
でも足が震えて…
腰も…
506
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:44:38 ID:ld6kgv1U0
水に濡れた手がツンの顔を乱暴に掴む。
大きく裂けた口が目の前でぱっくり開いたとき。
目の前が真っ暗になった。
507
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:45:56 ID:ld6kgv1U0
川 ゚ -゚)「んで…そこで気絶しちゃって、気が付いたらベットの上で、夢だったってオチ?」
ξ; ゚⊿゚)ξ「うん、まぁ、ただの夢なんだけどね…怖くて……。」
ただの夢だと今でも本気で思っている。
自分に言い聞かしているだけかもしれないが、自分が気を失ったのは脱衣所だ。ベットの上じゃない。夢でしかありえないのだ。
508
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:46:38 ID:ld6kgv1U0
ξ ゚⊿゚)ξ「クーはどう思う?」
川 ゚ -゚)「うーん…本当に起きたことなんじゃないかな?」
ξ ゚⊿゚)ξ「え」
川 ゚ -゚)「首と手だけの幽霊なら、ツンの後ろにずっといるじゃないか。」
509
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:48:56 ID:ld6kgv1U0
おわり
(
)
i フッ
|_|
一応補足、テレビがついてるのはわざとです。
最初のろうそくのAAずれてすまなんだ・・・
510
:
名も無きAAのようです
:2013/08/11(日) 22:52:07 ID:h.GZwhnY0
単純だけど怖い……乙
511
:
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/11(日) 23:13:53 ID:d3t9MV8U0
19本目をいただきます。
.,、
(i,)
|_|
512
:
( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )1/16
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/11(日) 23:15:35 ID:d3t9MV8U0
自室の布団の上で目を覚ました。
暑そうな夏の日差しが部屋に入り込んでいたが、特に何も感じなかった。
私は身体を起こして部屋を見回した。
物が散乱しているのが見受けられる。長いこと放置していたのだろうか。
久しぶりに来たのだっけなと思い、記憶を辿ろうとしても何も思いだせなかった。
身体の動きは頗る鈍い。自分の身体が老体なので仕方ない面もあるが、それにしても辛い。
まるで外から糸か何かで操っているようだ。
ふと思い立って、自分の左腕を右手でつねってみた。やはり痛みは感じない。
暑さも痛みも感じない。なんということだ、これでは生きている心地がしない。
ひょっとしたら私の身体は既に死んでいるのではないか。
何かの拍子で霊魂だけが残り、腐った身体を操っているだけなのではないか。
だとしたら、さしずめ私はゾンビのようだ。
しかしいったいどうしてこのような状態で、私の霊魂はここに残ってしまったのだろう。
突然、手に何か触れた。
しかし見てみても何も無かった。
513
:
( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )2/16
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/11(日) 23:17:06 ID:d3t9MV8U0
幸い部屋の中で杖を見つけたので、それを支えにドアまで向い、階下へと向かった。
家の間取りはなんとなく憶えていた。ずっと昔に来たかのような遠い記憶として残っている。
そして私には妻と双子の息子がいたことも、徐々に思いだしてきていた。
階下には双子がいた。二人ともいる。
(;´_ゝ`)「……!」
兄者の方が私をみて目を見開いていた。なんだ、何をそんなに驚いているのだ。
私が死んでいることに気付いているのか。
もし何か知っているなら詳しく話を聞こうと思い、私は兄者の反応を待った。
(;´_ゝ`)「あ、あんた歩けたのか」
私は眉を顰めた。何を言っているのだろう。歩けなくなった覚えなどない。
だいたい歩けないならなんで二階で寝ていたんだ。降りれないだろう。
それに目の前でそんなことを言うなんて失礼じゃないか。
私は兄者がこれから何を言うのかを待った。
しかし結局兄者はそれっきり、台所の方へと帰って行ってしまった。
拍子抜けした私は次に弟者の方に顔を向けた。
彼はこちらを見ずに雑誌を読んでいる。
私は声を掛けてみようと思った。
514
:
( ´_ゝ`)ゾンビがいるようです(´<_` )3/16
◆MgfCBKfMmo
:2013/08/11(日) 23:18:28 ID:d3t9MV8U0
しかし、うまくいかない。
言葉にもならない音を出したところで、私は話すことの難しさに気付いた。
いったいどうしたというのだろう。身体の構造的に問題があるのか。
そういえば死体は内部から腐っていくと聞いたことがある。声帯がもう使い物にならないのかもしれない。
(´<_` )「……兄者、どうやらだめだったみたいだな」
弟者は雑誌を読みながらそう言っていた。台所の方から大きなため息が聞こえてくる。
私には意味のわからない会話であった。
食事の席へは弟者が案内してくれた。介護慣れした人の手つきだ。どこかで実践しているのかも知れない。
私もこう動きが悪いと要介護者と変わらないのだろう。とにかく援助があるのは助かる。
(´<_` )スンスン
弟者がしきりに鼻をひくつかせているのに気付いた。
私は顔をしかめた。匂いでも気になるのだろうか。嗅がれる側は決していい気持ではない。
しかし身体が腐っていれば当然か。
今は夏場だし、私がゾンビであることに双子が気付くのもそう遠い話ではないだろう。
椅子に座っていたら兄者の作った食事が運ばれてきた。
弟者と自分には質素な朝食が、そして私の前にはおかゆが運ばれてきた。
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