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( ^ω^)百物語のようです2013( ω  )

416名も無きAAのようです:2013/08/11(日) 02:43:51 ID:NE1qcFrg0

内藤はそろそろ限界を感じ取っていた。
子の命の灯が消えようとしていると、肌で感じていた。
永らえさせる行為もそろそろ無駄になるだろう。しかしまだ半年も経過していない。
腐らせるなど言語道断である。子のすべてを食すことで内藤は救われるのだ。

内藤は食しすぎたのだと察していた。初めてで加減がわからなかったというのもあるが、切り離しすぎたのだ。
最終的に食すことに意味があるのだ。内藤は初めは血液だけで我慢するべきであった。
後悔は先に立たない。選択肢は子の命を長らえさせるか、保存方法を探すかの二択であった。

選んだのは後者であった。
内藤は業務用の冷凍庫を購入した。
そして子の解体に取り掛かった。子は痛みに顔を歪めながら既に枯れた声を上げて命を落とした。
解放されると思ったのか死に顔には薄く笑みが浮かんでいた。内藤は慟哭しながらその首を切り落とした。
内臓も綺麗に分け、−30度で保存した。風味が落ちてしまうだろうが仕方なかった。
内藤はすべて食さなければならないのだから。

もも肉を使ったシチューを作った。
臓物は薄切りにして塩コショウで焼いた。
ふくらはぎの肉は鍋の具材にした。削いだ頬肉は蒸し焼きにした。
程よい弾力のある腹から胸にかけての部分は豪快に丸焼きにした。
脳は卵を混ぜ合わせて焼いた。
骨もしつこく茹で、叩き割った。完全に粉々になったものを茹でた鍋に戻し、飲み干した。

こうして内藤は最初の一人を食し終わった。
七月の終わりころ、子と出会って丁度十一か月と二十日の過ぎた日だった。

内藤は自身の保身を忘れることはなかった。
世間に知られたらマズイことであると理解していた。攫う際は必ず周囲を確認していた。
大体は最初と同じように迷子を保護するという大義名分を掲げていたが、どうしてもいない時は攫っていた。
車が使えない原因もこの少年を攫った際、あまりに久々の感触につい車内で血液を貪ってしまったことにあった。
少年が暴れて血液が飛び散ってしまったのだ。僅かとはいえ内藤の嗅覚を刺激する程度には残っている。
そんな車内で内藤はまともに運転できる自信はなかった。


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