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ミニラノベ祭りのようです
165
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 02:49:38 ID:MtcAKDNU0
――翌日 放課後
ζ(゚ー゚*ζ 内藤君、鬱田君、ちょっといいかなぁ?
( ^ω^) おっ? 何か用かお? 僕は構わんお
('A`) 俺もだ
ζ(^ー^*ζ 本当!?ありがとー
(´・( ^ω^) いやいや、全然良いお
(´・ω( ^ω^)
(´・ω・`)( ^ω^)
(;'A`) 危ない! ブーン、後ろ!
( ^ω)) え?
166
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 02:50:23 ID:MtcAKDNU0
――三階 落語研究会部室
(;^ω^) ……。
(;'A`) ……。
('A`) なぁ、ブーン
( ^ω^) 何だお?
('A`) 何で俺達、床に転がされてんの?
( ^ω^) わからんお。
(´・ω・`) ふっふっふ。お目覚めのようだねぇ
('A`) 帰って漫画読みてぇ
( ^ω^)ロープが肉に食い込んで痛いお
(´・ω・`) これは出連さんの二人への復讐だよ……
('A`) 晩飯何かな?
( ^ω^) うちは今晩、コロッケだお
('A`) ブーン家のカーチャン、料理上手いよな。食いてー
( ^ω^) だお?
(´゚ω゚`) ちょおおっと待てや!
( ^ω^) ん?
('A`) 何だ?
(´゚ω゚`) てめぇ等今、のっぴきならない状態だろうが!
( ^ω^) そうなの?
('A`)シラネ
(´゚ω゚`) ショボン様を無視してんじゃねえぞおお
167
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 02:51:14 ID:MtcAKDNU0
ζ(゚ー゚*ζガラッ そこまでよ、ショボン
(´・ω・`) これは、これは出連様
(;'A`) (おい、何か始まったぞ……)
(;^ω^) (しっ! とりあえず、二人を見守るお! )
ζ(゚ー゚*ζ これ以上卑怯な真似は、落語研究会の沽券に関わります
(´・ω・`) はっ! 出連様
( ^ω^) (ショボン、お前野球部だろ)
(;'A`) (茶番すぎる……)
ζ(゚ー゚*ζクルリ 今日、集まってもらったのは、ほかでもありません
(;'A`) (こっちに矛先が向いたぞ! )
(;^ω^) (ああいう手合いは、目を合わせちゃいけないんだお! )
ζ(゚、゚*ζ デレレレレ……
( ^ω^) (口でドラムロール奏でとる……)
('A`) (ブーン、もう何も言うな)
ζ(゚ー゚*ζ ジャーン!! 題して【爆発メランコリック】を開催します!
ζ(゚ー゚*ζ さあ、咎人よ。掛けなさい。
168
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 02:51:56 ID:MtcAKDNU0
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_420.png
( ^ω^)('A`) ……。
(´・ω・`) ちなみにコレ、あと10分で爆発するから
(;゚ω゚)(;'A`) はぁ!!?
(´・ω・`) 君達には今から10分以内に、そろいのカードを当てて貰おうと思う
(´・ω・`) カードは二人同時にオープン。
同じ組を作れなくても、爆弾は爆発するよ
(´・ω・`)フフン 仲良しの君達のことだ、ガードを揃えるくらいわけないだろう?
( ^ω^)('A`) (ドヤ顔が死ぬほど腹立つ……)
(;゚ω゚)そ いやいやいや、何なのコレ!?
何でこんな恐ろしげなもんがあるのん!?
てか、何でわてら拉致られたん!?
(;'A`) 落ち着け、ブーン!!
テンパって関西弁になったって、自体は何一つ解決しない!
169
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 02:52:41 ID:MtcAKDNU0
ζ(゚ー゚*ζ ふふふっ、さすがは鬱田君。冷静ね。
ζ(-、-*ζ ……。いいわ、あなた達に復讐するわけ、教えてあげる。
ζ(゚ー゚*ζ お姉ちゃーん!
ξ゚⊿゚)ξガラッ ……。
(;^ω^) ツン?
(;'A`) 何でこんな所に……
ξ#゚⊿゚)ξ ちくわ大明神
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_427.png
(;゚ω゚)そ こここ、これはぁ!??
(;'A`)そ すっげー怒ってんぞ!?
説明しよう!出連デレの双子の姉、出連ツンは怒りが頂点まで達すると、
ちくわ大明神としか喋らなくなるのだ!!!
170
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 02:54:04 ID:U/S4YvTM0
どういうことだwww
171
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 02:55:43 ID:MtcAKDNU0
ζ( ー *ζ ふふふっ……
ζ(^ー^*ζ 今頃気づいても遅いよ?
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_422.png
(;'A`) (何か思い当たる節はあるか、ブーン?)
(;^ω^) (出連さんが決め科白言ってるとこ悪いけど、何も思いつかんお)
ξ#゚⊿゚)ξ ちくわ大明神
(;^ω^)そ つつつ、ツンちゃーん!?
何かわからんけれども、ほんとごめんだお!
(;'A`) 俺の安っい土下座なら、何遍だってしてやる!
だから、許してくれ!
ξ゚⊿゚)ξ ちくわ……
ξ;⊿;)ξ だいみょ……
Σζ(゚Д゚;ζ お姉ちゃんが泣いたー!!
(´゚ω゚`) 出連さん落ち着いてえええ!!
(;゚ω゚)そ 様付け、かなぐり捨てやがったお!
設定作ったなら、最後まで突き通せやああ!!
(;'Д`) 爆発まであと、1分切ってるうう!!!
(;゚ω゚)(;'A`) 爆発するうう!!
白<ピッピッ……
172
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 02:56:40 ID:MtcAKDNU0
白<シーン
( >ω^) ……あれ?
(;'A`) 爆発しない……
ζ(゚ー゚*ζ 当たり前だよ。それ、ただの目覚まし時計だもん
(´・ω・`)バーン 【ドッキリ大成功】
(;^ω^) ドッ……
(;'A`) キリ……?
173
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 03:01:00 ID:Ax3lKThw0
('A`) なるほど。そういうことか
ζ(゚ー゚*ζ 1ヶ月前、お姉ちゃんが内藤君に勇気を出して映画に誘ったのに、
内藤君、忘れて鬱田君と遊んでたんだもん
(;^ω^) 1ヶ月も前じゃ誰だって忘れちまうお!
(;^ω^) 大体あの時は、『行きたいねー』くらいのノリだったお!
ζ(゚、゚*ζ それをきちんと覚えておくのが、男の子でしょ?
女の子の心を踏みにじった罪は重いの!
('A`) オレ、カンケイナクネ?
ζ(゚ー゚*ζ あっ、お姉ちゃんが内藤君を誘った時、鬱田君も隣にいて聞いてたから、同罪ね
(;'A`)そ ええー!!?
(´・ω・`) ツンさんが一人待ちぼうけを食らっていたときの、再現VTRがこれだ
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_426.jpg
(※画像はイメージです)
( ^ω^) お前一番関係ないだろ
('A`) 帰れ
(´・ω・`) 困っている出連さんとツンさんを放っておけなくてね!
(´・ω・`) 僕の粋な計らいってやつぅ?ちょっとした茶目っ気を出したのさっ!
http://blog-imgs-55.fc2.com/m/z/k/mzkzboon/boonpic2_422.png
( ^ω^)('A`) (果てしなくウゼぇ……)
こうして僕達はツンに誤って、何とか許してもらった。
174
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 03:02:25 ID:Ax3lKThw0
――帰り道
ξ゚⊿゚)ξ ……。
( ^ω^) ツン、もう怒ってないかお?
ξ゚⊿゚)ξ 別にそこまで起こってたってわけじゃないの。
デレが騒いじゃったから、あんな大事になっちゃったけど……
( ^ω^) おっ……
( ^ω^) ツン、明日一緒にどっか行こうお!
ξ゚ー゚)ξ ……。
ξ^ー^)ξ うん!
HAPPYEND?
( ^ω^)('A`)しっちゃかめっちゃかのようですζ(゚ー゚*ζ(´・ω・`)
175
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 03:03:16 ID:Ax3lKThw0
以上です!
ありがとうございましたー
176
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 03:04:48 ID:Hc9W7z8MO
おつ リア充爆発しろ
絵も大分消化されたな
177
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 03:52:27 ID:Ax3lKThw0
誤字脱字がああ
誤って→謝って
やっぱり慌てて書くもんじゃないな…
178
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 15:13:16 ID:arcjc3/s0
VIPの方、落ちた?
179
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 15:16:58 ID:tXgWdVOQ0
落ちたみたいだな
180
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:31:34 ID:arWQCkK60
誰もいない予感・・・
('A`)
( )
. ||
いざ、さっくり作品投下へ!!
ヘ( 'A`)ノ
≡≡ (┐ノ
:。; /
181
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:33:17 ID:JsFETB3E0
見てるよ支援
182
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:33:23 ID:arWQCkK60
('A`)俺の姉ちゃんは練り物が好きだ
('A`)彼氏の脂肪を練るように揉むのも好きらしい
('A`)夕飯も姉ちゃんが作るとおかずは必ず
笹かまぼこのバター焼きとちくわの味噌汁だ
('A`)そんなある日、姉ちゃんはとち狂った事を言い出した
ξ゚⊿゚)ξちくわ大明神
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_427.png
('A`)え?
ξ゚⊿゚)ξちくわ大明神にお参りに行くわよ!ドクオ!
ξ゚⊿゚)ξ練り物ガール此処に在りのようです('A`)
183
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:33:35 ID:Hc9W7z8MO
ところが居るんだな! 支援!
184
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:34:17 ID:arWQCkK60
新幹線にて
( ^ω^)ドクオ君、ツンがトイレに行っている間に君には話しておきたいことがあるお
('A`)なんでしょうか?
( ^ω^)僕の脂肪の8割はツンに無理矢理食わされた練り物によるものなんだお
('A`)・・・すみません
( ^ω^)まあ、別に良いんだお。たまに食べる肉や野菜の美味さが格別になったから
( ;ω;)でもね・・・たまに普通だったあの頃のツンに戻って欲しくなるんだお
('A`)分かります、五年前の俺達の不要な発言でこのような事態を招いてしまった
( ^ω^)なんか太ったんじゃない?('A`)
('A`)姉はその後、練り物ダイエットを始め成功・・・今に至りました
( ;ω;)早く、早く練り物に飽きて欲しいお
('A`)内藤さん・・・それは無理そうです
185
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:35:30 ID:arWQCkK60
後方から鮮麗されたメロディが流れてきた
ξ゚◎゚)ξプップップー♪プルル♪プルルルルルー♪
姉がちくわを吹きながら戻ってきたのだ
ξ゚⊿゚)ξくはーやっぱりちくわ笛は良い音色ねー
ξ゚⊿゚)ξ二人とも!後方車両でちくわのわさび味買ってきたわよ!
ξ゚⊿゚)ξモグモグパクパク
吹き終わったちくわを食べ始めた・・・周りの視線が痛い
( ;ω;)ドクオ君、わさびが沁みるおね
(;A;)ええ、何かパッケージに3倍わさびって書いてありますよ
186
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:36:46 ID:arWQCkK60
島根県某所ちくわ大明神
('A`)出雲の国は何でもありだな
ξ゚⊿゚)ξさっ早く行きましょう!毎年限定2000万本の大明神ちくわが売り切れちゃうわ!
(;^ω^)(それは限定と言って良いのかお?)
ξ゚⊿゚)ξすみませーん!大明神ちくわ下さーい!
( ´∀`)残念!無念!また来年!つい先ほど今年の分は売り切れたモナ
(;'A`)嘘だろ!?
( ´∀`)可憐なお嬢さんが大型トレーラーを何台も引き連れて製品から
倉庫の材料、機材まで買い占められたモナー
テクテクテクテク川 ゚ -゚)
( ´∀`)ほら、其処をテクテク歩いているお嬢さんだモナ!
ξ゚⊿゚)ξつ川;゚ -゚)ガシッ
(;^ω^)(これは不味いお、相手はちくわ大好きな大金持ち)
(;'A`)(一方此方は練り物狂の変人)
(;^ω^)(何かしらのケミストリーが起きる!!)('A`;)
187
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:38:23 ID:arWQCkK60
ξ゚⊿゚)ξちょっと貴女、ちくわでおでんの汁を飲んだ経験は?
川 ゚ -゚)無論、ある
ξ゚⊿゚)ξちくわでYMOを演奏した経験は?
川*゚ -゚)勿論!ある
ξ゚⊿゚)ξ最後に!
(;^ω^)ゴクリッ('A`;)
ξ*゚⊿゚)ξオススメの笹かまぼこの食べ方は?
川*゚ -゚)素材そのままの味を楽しんでから後はお好みで!ξ(゚⊿゚*ξ
川*゚ -゚)ああ、これが運命か!練り物占いでちくわ大明神の大明神ちくわを
買い占めれば友に出会うと出たので早速買い占めてみればこれだ!
ξ*゚⊿゚)ξなんて事!私もよ!練り物占いはやっぱり奇跡の占いね!
(#^ω^)#'A`)占い師の野郎!!!
188
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:40:03 ID:arWQCkK60
川 ゚ -゚)それからどうした(´∀` )
ξ*゚⊿゚)ξいやー!一本一万円の大明神ちくわを四本も譲って貰えるなんて!
メルアドも交換出来たし、流石お金持ち、流石練り物占いね!
(;^ω^)そんなにするのかお
ξ゚⊿゚)ξ当たり前よ、最高級オキギス100%だもの
('A`)なあ、姉ちゃんそろそろ止めにしないか?
ξ゚⊿゚)ξ何をよ?
('A`)練り物好きという体の良い俺らへの復讐
ξ゚◎゚)ξフガッフ?(私は本当に練り物が好きなだけよ?愛してさえいるわ)
(#'A`)だったら!内藤さんに練り物を強制するのは止めろよ!!
( ^◎^)フガッフガッ!(ドクオ君、いいんだお!僕も好き好んで食べているだけなんだお)
(#'A`)畜生!こんなもの!
(#'A`)つ 三 (三◎
ポチャン!
189
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:41:16 ID:arWQCkK60
ξ;゚◎゚)ξフガッフー!!(大明神ちくわが池に落ちゃったああ!!!)
(;^◎^)フッフガー!!(一本一万円がああああ!!)
('A`)これで良いんだ、これで
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
(;'A`)な、なんだ池が・・・
ぴょこん!
(´・ω・`)やあ、ちくわの神様だよ!誰だい?こんなオナホールみたいなちくわをお供えしたのは?
理由も述べないと今以上に時間を止めてぶち殺すぞ
(;'A`)すみません、僕です。実はカクカクしかじかで
(´・ω・`)なるほど、ちくわが原因とあっちゃ僕も黙っちゃいられないな
(´・ω・`)ほい!
(‘_L’)ちくわ大明神
ξ;゚⊿゚)ξ誰よ、今の?
( ^ω^)お?なんだお、このオナホールみたいなちくわの食いかけは・・・
ξ゚⊿゚)ξ流石に無いわね〜
190
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:42:49 ID:arWQCkK60
('A`)姉・・・ちゃん?内藤さん?
(二人とも普通のちくわ好きに戻してあげたから安心しな)
('∀`)ありがとう!神様!
ξ;゚⊿゚)ξあんた、何大声で神様とか言ってんの!恥ずかしいから止めなさい!
( ^ω^)おっ?帰りの新幹線の時間が近づいてきたお!
ξ゚⊿゚)ξさっ帰るわよ、お土産の練り物もたくさん買った事だし
('A`)え?
(僕、ちくわの専門で練り物全般は専門外なんだよね〜すまんこ)
('A`)え?
その日の夕飯はかまぼこと秋刀魚のつみれ汁だった
完
191
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:45:35 ID:arWQCkK60
以上になります
明日までにもう一本書けるかな〜
192
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:49:17 ID:xTrj54dE0
おつ
これからもドクオの受難は続くのか……
193
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:49:59 ID:arcjc3/s0
乙乙
腹いてえwwwwww
194
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 19:59:22 ID:U/S4YvTM0
乙www
ちくわ大明神がここまで広がるとは
195
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:14:37 ID:HQCmBs2IO
投下しマウス
196
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:15:55 ID:JzuOaAKk0
支援
197
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:17:00 ID:HQCmBs2IO
街の至るところに工場が偏在する。
ロボットが街を闊歩する。
人造人間も数知れず。
それが、機械に支配された街、ニューソクだ。
( ´_ゝ`)ガラクタの街のようです
http://vippic.mine.nu/up/img/vp102080.jpg
198
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:18:32 ID:HQCmBs2IO
ここ数年、機械化が急速に進んだニューソクでは、
大抵のものは機械で賄われるようになったせいか、
次第に人間の居場所が無くなっていった。
ふいに、轟音が鳴り響き、建物の一角が爆発した。
爆風ともに、一人の男が転がってきた。
( ´_ゝ`)「いちち……ったくもー」
おどけた風に、男は呟く。
この男、ぱっと見普通の人間だが、
右手右足が改造され、ところどころ配線がはみ出ている。
この街で改造された人間だ。
( ´_ゝ`)「なーんで俺なのかねぇ」
男は、自分が飛ばされてきた方向を見据えながら、肩を竦めた。
199
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:19:18 ID:HQCmBs2IO
瓦礫の中から、ロボットが現れる。
人型で、男よりも少し大きい。
( ´_ゝ`)「どうして俺を狙うんだ」
男はロボットに問い掛ける。
「……」
ロボットは答えない。
( ´_ゝ`)「だんまりか。ま、当たり前だわな」
男はロボットに届くくらいの声で呟き、更にまた、口を開くが、
それが声にならないうちに、ロボットが男に飛び掛かった。
( ;´_ゝ`)「うおっ」
突き出された右手を間一髪でかわす。
ロボットは、男の後ろの壁に右手ごと突っ込んでいった。
( ;´_ゝ`)「あっぶね」
後ろ姿のロボットを見ながら、男は考える。
今の力任せのパンチを見るに、恐らく細かい動きは出来ないだろう。
それならば。
200
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:20:26 ID:HQCmBs2IO
ロボットが再び男に向き直り、パンチの構えをとり、駆け出した。
( ´_ゝ`)「人の話は、」
向かってくる右腕を受け流し、強く踏み込む。
( #´_ゝ`)「最後まで聞くもんだ!!」
機械の右手で、鳩尾部分を穿つ。
が、思ったより装甲が固い。
ダメージは通ってないようだ。
( ;´_ゝ`)「うおぉ!?」
引っ込めることを忘れた右腕を掴まれ、振り回される。
( ;´_ゝ`)「おわあああああああああ!?」
そしてそのまま、すぐそばの工場に投げつけられ、
男は壁にたたき付けられた。
外壁は崩れ、男に瓦礫が降り注ぐ。
201
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:21:54 ID:HQCmBs2IO
( ;´_ゝ`)「いってぇ……今のは効いたわ……」
数十秒後、瓦礫を押しのけ、男が姿を現した。
右足の部品はところどころ外れており、
右手は配線が切れている部分がある。
男は、右手、右足の順に少し動かした。
ちゃんと動作するか、チェックをする。
( ´_ゝ`)「……ん、まだ大丈夫だな」
男が再び身構える。
( ´_ゝ`)「……お。いいもんあるじゃん」
しかし、すぐに意識が他のものに向けられた。
男は、地面を見る。
そこには、工具と部品が一つずつあり、男は両方拾いあげた。
( ´_ゝ`)「さて、ラウンド2といきますか」
機械の右手には顔くらいの大きさの歯車。
生身の左手にはチェーンソー。
両手に持って、再度構えた。
202
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:23:28 ID:HQCmBs2IO
先に動いたのは男だ。
チェーンソーを振りかざし、駆ける。
あまりにあからさまな特効過ぎた故、ロボットは攻撃を避けようと、体を動かした。
ロボットが足を浮かせた瞬間、
( #´_ゝ`)「せやああああああ!」
右手の歯車をフリスビーのように投擲し、同時にロボットに突撃した。
歯車が直撃したロボットは、バランスを崩す。
追い打ちをかけるように男がタックルをかまし、男がロボットに覆いかぶさるように倒れ込んだ。
チェーンソーを右手に持ち替え、電源を入れた。
そして、刃が回転し始めたチェーンソーを、ロボットの首元に押し付ける。
金属が擦れあう、不快な音が響いた。
( ;´_ゝ`)「うぐ……」
ロボットの抵抗も激しいが、男は耐える。
203
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:24:18 ID:arWQCkK60
支援といこう
204
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:24:46 ID:HQCmBs2IO
しばらく当てつづけると、首元の金属が赤く光り始めた。
摩擦熱により、高熱を持ったのだ。
( ;´_ゝ`)「!!」
今が好機。
そう思った男は、チェーンソーの電源を切り、左手に持ち替える。
そして、赤熱した部分を右手でえぐる。
思ったよりも金属は薄く、すぐに内部の配線が隙間から姿を現した。
( #´_ゝ`)「くたばれっ!!」
作った隙間にチェーンソーを深く突き刺す。
そして再び、電源を入れた。
刃が回りだす。
さっきよりも甲高い音。
ロボットの抵抗も更に激しくなった。
が、男は既にロボットの上にはいなかった。
数メートルほど離れたところで、跳ね回るロボットを見ていた。
205
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:25:53 ID:HQCmBs2IO
しばらくロボットはのたうち回っていたが、
やがて、その動きを止めた。
完全に止まったことを確認して、男は近寄り、チェーンソーの電源を切った。
男は、ふと右手を見た。
( ´_ゝ`)「うげ」
指先が溶けてしまっている。
赤熱した金属を長時間触ってしまったせいだろう。
( ´_ゝ`)「修理してもらわないとな。まーたハカセに怒られるな」
そう呟きながら、ロボットに向き直る。
( ´_ゝ`)「言っておくが」
そして、口を開いた。
( ´_ゝ`)「この街では、俺は最弱なんで。本当に。だから――」
206
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:26:52 ID:HQCmBs2IO
――俺達が簡単にやられると思うな。
動かなくなったガラクタの塊に向けて、そう啖呵を切った。
男はそのガラクタから背を向け、空気の淀んだ街の中心に歩きだした。
( ´_ゝ`)ガラクタの街のようです
Fin.
207
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:28:24 ID:HQCmBs2IO
おわりー
支援ありがとでした
もひとつ書き溜めてくるぜぃ
208
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 20:33:42 ID:arWQCkK60
乙!
209
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 21:07:15 ID:JzuOaAKk0
落ちる兄者の絵を描いたものです
>>56
さん
>>75
さん、ほんとありがとうございました!
>>56
スカートから覗く神秘、のようです
http://i.imgur.com/lhTP4.jpg
>>75
ζ(゚ー゚*ζ傍にいるようです( ´_ゝ`)
一応グロ注意
http://i.imgur.com/fOaqM.jpg
210
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 21:08:36 ID:iyblDBwI0
乙乙 バトルかっこいいぜ
211
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 21:15:04 ID:iyblDBwI0
よし、こっちも投下行きます
212
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:16:52 ID:iyblDBwI0
むかしむかしというほど、むかしではない時。
あるところに女の子と、猫がいました。
ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの? いじめられたの?」
(;д;,,)ニヤー
二人が出会ったのは、まだほんの小さな時。
女の子は泣いていた猫に、名前と、赤い首輪と、暖かいお家をくれました。
ξ゚⊿゚)ξ「ほら、きょうからあんたはうちのこよ」
(・д・*,) …
女の子の名前はツン。猫の名前はギコ。
二人はいつも一緒で、一番の仲良しでした。
.
213
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:18:08 ID:iyblDBwI0
ξ*゚⊿゚)ξ「ひっさーつ、猫じゃらし!」
(,,゚Д゚)+
それはツンが学校にあがっても。
ギコが人間の言葉を覚えるくらい大きくなっても、ずっと変わりませんでした。
ξ*゚⊿゚)ξ「ほらギコ見て、これ家庭科の授業でつくったの!」
(,,*゚Д゚)「ふくろ! 入っていい? ペシペシしていい?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あー! ダメにしちゃった。いいわ、それギコにあげる」
ギコの言葉はツンには通じません。
それでも、ツンとギコはたくさんのおしゃべりをして遊びました。
ξ゚⊿゚)ξ「ギコ、今日はねブーンといっしょに遊んだのよ」
(,,゚Д゚)「よかったな!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ギコ、今日はねぇ……」
.
214
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 21:18:12 ID:arWQCkK60
しえ・・・ん?
215
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:19:31 ID:iyblDBwI0
...(,,゚Д゚)
ξ゚⊿゚)ξ「……パパ、本当に行っちゃうの?」
( ´∀`)「そうモナ」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
(;´∀`)「ほらほら、そんな顔しちゃだめモナ。
そう、春になれば! 春になれば、ちゃんとパパは帰ってくるモナ」
ξ゚⊿゚)ξ「まだ、秋だよ」
( ´∀`)「だから、それまで頑張れるモナ?」
ξ ⊿ )ξ「……うん」
ξ;⊿;)ξ「ばいばい、パパ」
....(,,゚Д゚) ?
.
216
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:20:35 ID:iyblDBwI0
だけどもある日から、ツンの元気がなくなってしまいました。
いつものようにギコと遊んだり、お話をしてくれることもなくなりました。
(,,*゚Д゚)「ツン、遊べ!」
ξ ⊿ )ξ「……」
(,,;゚Д゚)「ツン、ツンー」
ギコがいくら話しても、ツンはしょんぼりとしたまま。ずっと悲しそうな顔をしています。
お家のなかもなんだか、いつもよりもしんとしているようです。
ξ゚⊿゚)ξ「……春、か」
(,,゚Д゚) !
ξ゚⊿゚)ξ「春になれば、……か」
(,,*゚Д゚)「ツン! 遊ぶか! 遊ぶのか?!」
毎日のようにツンは「春になれば」と、言います。
それから、窓の外を見るとため息を一つつくのです。
ギコはツンの悲しそうな顔を見るたびに、しょんぼりとしてしまいました。
.
217
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:21:28 ID:iyblDBwI0
(,,-Д-)
そんな日々が続いたある日、ギコはあることに気づきました。
ツンがしょんぼりしているのはきっと春じゃないからだ、そう思ったのです。
(,,゚Д゚)「――よしっ、春になればいいんだな!」
ギコは、ツンが昔つくってくれた袋を口にくわえました。
そして、お家の扉をカリカリとひっかきました。
ξ゚⊿゚)ξ「ギコ、どうしたの?」
(,,#゚Д゚)「春ー! どこだぁぁぁ!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「え、何? どうしたの?」
(,,゚Д゚)「外、出るぞ!」
ギコは扉をひっかくのをやめません。
ずっと扉をひっかくギコに、ツンは小さくため息をつきました。
ξ゚⊿゚)ξ「ちゃんと、帰ってくるのよ?」
.
218
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:22:36 ID:iyblDBwI0
(,,*゚Д゚)「行くぞ、ゴルァ」
青色の毛並みをフサフサと揺らして、ギコはツンのあけた扉から外に出ました。
トンっと塀の上に上り、屋根をひょいっと上り、テクテクと歩いていきます。
(,,*゚Д゚)「どこだー、春!」
(゚、゚;トソン「誰っ!?」
ギコがひらひらとした白いカーテンに興奮して飛びつくと、そこには毛皮を脱いだ女の人がいました。
人間には毛皮がありません。だから、本当は服を脱いでいるだけなのですが、ギコにはそんなことはわかりません。
(゚、゚トソン「何だ、猫さんですか」
(,,゚Д゚)「春、知らないか!」
(゚、゚*トソン「おいでー、猫さんー。こんなところで、どうしたのー?」
女の人はいきなり現れたギコにビックリしましたが、にっこりと笑いました。
着替え中の服はそのままで、窓際にあらわれたギコの元へやってきました。
.
219
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:23:26 ID:iyblDBwI0
(,,゚Д゚)「春にしたいんだ! どうすればいい?」
ギコは女の人にたずねました。
でも、ギコの声は女の人にはニャオニャオとしか聞こえません。
クシュン (>、<トソン
(゚、゚;トソン「……風邪?」
(,,*゚Д゚)「風だな! ありがと!」
窓の向こうからやってくる冷たい風に、女の人はくしゃみを一つ。
風邪かなと思い顔を上げた時には、ギコはひらりと窓の外へと跳んでいました。
(゚、゚;トソン「あーあ、行っちゃいましたか」
白いカーテン、小さな鉢植え、お気に入りの置物。
女の人がどれだけ見渡してもそこにはもう、ギコの姿は見えませんでした。
.
220
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:24:10 ID:iyblDBwI0
(,,゚Д゚)「風! 風! 風があればいいんだな!」
塀をぴょんぴょんと跳び下りながら、ギコは走ります。
人ではなかなか入れない道を通り、猫にしか見えない道を通り、ギコは春のあるほうへと進みます。
(,,゚Д゚)「どーこーだー」
今にも人が落ちそうな、高いビルを通り。
なんだかよくわからない生き物と、機械の人のそばを通り。
難しい顔をした二人の男がいるテーブルの下を通り。
変なポーズを決めたおじさんの横を通ります。
(,,-Д-) ぐぅ
疲れたら休んで、水を飲みます。
目が覚めたらすぐに出発。ぐうぐうとお腹がすけば、ご飯を探します。
川*゚ 々゚)「ぬこー、ぬこー」
ご飯が落ちていないかなぁと思いながら、道を歩いていたギコは箱に入った女の子を見つけました。
でも、春でもご飯でもツンでもないので、ギコはがっかりしました。
.
221
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:25:21 ID:iyblDBwI0
o川*゚ 々゚)o「くるうのおうちはいるですか?」
(,,゚Д゚)「やだ」
がっかりしているギコに、箱のなかの女の子は言いました。
そして、ギコの返事を聞くと、女の子は首をかしげて、また言いました。
川 ゚ 々゚)「くるうぬこすきです」
(,,゚Д゚)「オレはメシのほうが好きだ!
でも、ツンのほうがもっと好きだ!」
ギコの返事に女の子はんーとうなると、箱のなかをごそごそと動きました。
それから顔を上げると、女の子の手にはほかほかとしたご飯がありました。
ご飯の上にはニボシさんがのっていて、ギコの大好きなカツブシさんもいっしょにのっています。
川*゚ 々゚)「くるうのごはんなりますか?」
(,,*゚Д゚)「メシ!」
.
222
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:26:30 ID:iyblDBwI0
ご飯を食べたギコは、箱のなかの女の子と別れました。
お腹がいっぱいで、元気もいっぱい。
ギコはどんどんと先に進んでいきます。
(,,゚Д゚)「春ー、風ー」
泣いている女の子と、男の子のそばを通り。
ギコみたいな耳の生えた男が、小さな男の子を慰めている横を通り。
羽の生えた生き物と、変な二人組の間を通り。
(,,゚Д゚)「春風はどこだー」
ツンそっくりな女の子からは、ちくわをご飯にもらいました。
ちょっと悲しそうな笑顔の女の子は、ギコの袋に枝をつけて尻尾に持たせてくれました。
朝になれば休み。
昼になればご飯を食べ。
夜になれば歩く。
ギコはずっと歩き続けて、小さな魔女のもとにたどり着きました。
ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_424.jpg
.
223
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:27:39 ID:iyblDBwI0
川 ゚ -゚)「おや、これは随分と変わった世界からのお客様だな。
……ふむ。猫の道を使って、ここまでたどり着いたのか」
とんがりボウシに、ひらひらと伸びたマント。体の大きさはギコより小さいくらい。
だけど、魔女の小さな体にはすごい力があることが、ギコにはわかりました。
すぐそばにいるだけで髭がピクピク動き、毛並みがブワッと逆立つのです。
こいつはすごいやつだと思い、ギコは小さな魔女に言いました。
(,,゚Д゚)「春風が欲しいんだ」
川 ゚ -゚)「どうして、春風がほしいんだ?」
どうしてだっけ、とギコは首をひねって。
ギコは自分の頭のなかに、ぴったりな答えを見つけました。
(,,゚Д゚)「春風をつかまえて、それを持っていけばきっと春になるはずだ」
だから、オレは春風をつかまえてこのふくろに入れるんだとギコは言いました。
ギコは自分の思いつきのすごさにシッポをブンブンとふりました。
しかし、小さな魔女はギコの言葉に首を横に振りました。
川 ゚ -゚)「帰れ。春を探して持って帰っても無駄だ。
お前の願い事はそんなものじゃない」
.
224
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 21:27:49 ID:xTrj54dE0
しえん
225
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:29:24 ID:iyblDBwI0
――――‐―‐‐‐‐‐‐‐
ギコはとぼとぼと、歩いていました。
どこをどう歩いてきたのか、はっきりと思い出せません。
それくらい、ギコはしょんぼりとしていました。
そんな落ち込んだギコを抱き上げたのは、ひろってくだちぃ。と書かれた箱に入った女の子でした。
ttp://imepic.jp/20121217/033540
o川*゚ 々゚)o「ぬこーくるうといっしょですー」
女の子はぎゅっとギコを抱きしめます。
ギコは逃げようとして、しっぽをふくらませ抵抗しますが、逃げられませんでした。
川 ゚ 々゚)「どうしたですか?」
(,, Д )「春を探して持って帰っても無駄だって。帰れって、言われた」
川*゚ 々゚)「じゃあくるうといっしょしますか?」
(,, Д )「やだ」
ギコの首ががくりとたれ、首輪についた鈴がチリンと音を立てました。
それは、とても大切にされていることがわかる古い首輪でした。
.
226
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:31:08 ID:iyblDBwI0
川 - 々-)「ぬこ。くるうといっしょちがうです」
女の子は、ギコの首輪をじぃぃっと見つめ、言いました。
ギコの首輪と自分の入っている箱を見比べて、ケタケタと笑います。
川 ゚ 々゚)「ぬこにはおうちあるです。いくです」
(,,;Д;)「でも、オレは春を――」
川 ゚ 々゚)つ=|二フ
川#゚ 々゚)「うそつきしゃみせんさんずのかわ!
うそうそうそ嘘嘘嘘ウソウソわかってないわかってないぃ!!!」
(,,;゚Д゚)「――っ!!!」
箱のなかの女の子が取り出した、ギラギラと光るものにギコは驚いて飛び上がりました。
何が何だかわからないままに、まっすぐに続く道を飛び、駆け上がり、ギコはひたすら逃げます。
箱のなかの女の子が見えなくなっても、ただまっすぐにギコは走り続けました。
.
227
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:32:03 ID:iyblDBwI0
おじさんはちょとした茶目っ気だと笑い。
難しい顔をしていた二人は笑い合い。
機械の体の人のそばには、そっくりな顔の男の人が。
落ちたかと思った人は、痛くなかったよと笑う。
そんなよくわからない世界をひたすら走り回るうちにギコは――、白いカーテンを見つけました。
(゚、゚#トソン「誰っ!?」
窓と小さな鉢植えと、白いカーテン。
ギコのよく知るツンのお家とよく似た、普通の部屋。
そこにいた女の人は服を着ようとしていた腕を止め、その顔に笑顔を浮かべました。
(゚、゚トソン「あら、久しぶり。この前の猫さんですね。
ちゃんと覚えてますよー、青い毛並みの猫さんは珍しいですからね」
(,,゚Д゚)「……」
(゚、゚;トソン「……、いくら話しかけても反応はなし」
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_418.jpg
.
228
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:33:04 ID:iyblDBwI0
ギコはびっくりしていました。
あわてて走ってついた先は、ツンの家のすぐそばにあるお家。
空は暗く曇り、今にも雪がふりそうです。
(゚、゚トソン「猫さん、猫さん。どうしたんですか?」
(,,゚Д゚)「ここは?」
(゚、゚*トソン「あ、鳴いてくれましたね」
女の人はカラカラと窓を開け、ギコに話しかけます。
ギコは女の人が毛皮を着ていないことに驚き、それからお部屋のなかにあるものにもう一度びっくりしました。
窓のそばにある小さな鉢植え。そこには春のように、白い花が咲いています。
(,,*゚Д゚)「春だ」
(゚、゚トソン「あら、もしかして。このお花がほしいんですか?」
ギコの視線に気づいた女の人は、小さく笑うと白い花を一つ摘みました。
ギコのそばに落ちていた袋に花をそっと入れると、首輪に結びつけました
(゚ー゚トソン「……はい、どうぞ」
.
229
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:34:20 ID:iyblDBwI0
――――‐―‐‐‐‐‐‐‐
(,,゚Д゚)「春だ。ツンが遊んでくれる!」
ギコはウキウキした気持ちで、歩いていました。
屋根を進み塀を飛び降り、ツンとギコのお家へと向かいます。
空からふわふわと冷たい雪が降って来ましたが、ギコの心はぽかぽかと暖かくなっていました。
(,,*゚Д゚)「ツン! ツン!」
見慣れたお家を見つけ駆け寄りますが、扉はあいていません。
窓はどこも閉まっていますし、お家のなかも暗いままです。
カリカリと扉をひっかいても、誰も開けてくれません。
(,,;゚Д゚)「ツンー! ツンー!!」
誰もない。そのことに暖かかったはずのギコの体が、ぶるりと震えました。
ツンはどこだろう? 春を持ってきたのに、ツンは笑ってくれるはずなのに。
そのツンが、どこにもいない。
(,,;Д;)「……ツン」
.
230
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:35:14 ID:iyblDBwI0
ギコはカリカリと扉をひっかきました。
爪が痛くなっても、カリカリ、カリカリとひっかき続けます。
(,,;Д;)「ツンーツンー!!! ツン!!」
ご飯にカツブシさんがかかってなくても、ちゃんと食べるから。
遊んでくれなくてもいいから。お話してくれなくてもいいから。
お布団に入れてくれなくても、髪の毛ひっかかないから。
(,,;Д;)「ツンに、あいたい」
ξ# ⊿ )ξ「この馬鹿猫っ!! 一体、いままで何処に行ってたのよ!!」
その時、大きな大きな怒鳴り声が響きました。
ギコが毛を逆立てながら振り返ると、そこにはギコが大好きな女の子がいました。
くるくるに巻いた金の髪。ひっぱると楽しい黒いリボン。
体の上には暖かそうな毛皮に、ついつい毛づくろいしたくなる赤いマフラー。
ξ゚⊿゚)ξ 「…ほんと、馬鹿なんだから…」
ttp://blog-imgs-55-origin.fc2.com/m/z/k/mzkzboon/boonpic2_426.jpg
.
231
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:36:43 ID:iyblDBwI0
ツンの目からぽろりと涙がこぼれました。
涙は次から次へとあふれて、ツンのかわいらしい表情をぬらしていきます。
(,,;゚Д゚)「ツン! 花だぞ、春だぞ! 何で泣くんだ?!」
ξ ⊿ )ξ「……いままで、どこに行ってたのよ」
ツンはギコの首輪に、昔つくった袋が結び付けられていることに気づきました。
そして、その袋に飾るように入れられた白い花を見つけました。
ξ ⊿ )ξ「……私が、春になればなんて、言っていたから?
だから、ギコはいなくなったの?」
(,,*゚Д゚)「そうだぞ。だから、笑って!」
ギコの言葉はツンにはわかりません。
だけど、ツンにはギコがいなくなった理由がわかりました。
ξ ⊿ )ξ「……私は」
ツンの言葉が途切れました。
ギコの体を抱えると、ぎゅっと抱きしめます。
ξ;⊿;)ξ「ギコがいれば……それでよかったのに」
,
232
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:37:26 ID:iyblDBwI0
――――‐―‐‐‐‐‐‐‐
(,,-Д-)ゴルァ
ξ゚⊿゚)ξ「ママやめて! それはパパのよ!」
ノハ ⊿ )「でも、もういらない」
ξ;゚⊿゚)ξ「でも、パパは」
ノハ ⊿ )「パパはもういない。
こんなもの置いといても意味ないし、もう見たくない」
ξ#゚⊿゚)ξ「ちがう。パパは帰ってくる!
だって、パパは。パパは言ったもの!!」
ノハ ⊿ )「……ツン。母さんの気持ち、わかって」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
‐‐
‐
ξ;⊿;)ξ「春になれば……、春になればきっとパパが……」
(,,-Д-).。oO
233
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:39:42 ID:iyblDBwI0
――――‐―‐‐‐‐‐‐‐
ギコは何もわからなかったけれど、ツンは本当は知っていました。
ツンはまだ大人じゃないけど、ずっと気づいていました。
春が来たらっていうのは、パパがついた嘘で、
本当はパパとママは「りこん」というものをして、とっくの昔におしまいとなってしまったということに……。
(,,;゚Д゚)「ツン。痛いのか?」
ギコを抱きしめるツンの体は、とても冷たくなっていました。
いなくなったギコを、ツンが探していたからです。
ξ;⊿;)ξ「……ギコ、もういなくならないで」
(,,゚Д゚)「……ツン」
ツンはギコがいなくなってからはじめて、自分がしばらくギコとお話をしていなかったことに気がつきました。
そして、ギコがどれだけ大切な友達だったのか、気づいたのです。
パパはもう家にはもどってこないけど、ギコは帰ってくる。
だから、ツンは毎日一生懸命ギコを探したのです。
ξ;⊿;)ξ「ギコ」
.
234
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:40:27 ID:iyblDBwI0
(,,;Д;)「ツン。ツン泣かないで」
そして、ギコも気づきました。
ギコが欲しかったのは、探していたのは、春でも春風でもなかったことに。
川 ゚ -゚)「帰れ。春を探して持って帰っても無駄だ。
お前の願い事はそんなものじゃない」
小さな魔女がギコに入った言葉。
あの時はわからなかったその言葉の意味が、今のギコにはわかります。
ξ ⊿ )ξ「……なんで、ギコが泣くのよ」
(,,;Д;)「だって」
ξ ― )ξ「……」
そして、そんなギコにツンはじっと目を向け。
涙を拭うと、口元を上へと上げました。
.
235
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:41:33 ID:iyblDBwI0
ξ*゚ー゚)ξ「……ありがとう、ギコ。
帰ってきてくれて。それから、私とずっと一緒にいてくれて」
(,,゚Д゚)「!」
ギコはニャァと声をあげて、ツンの腕に体を擦り付けました。
ツンの腕の中はとてもあったかくて、ギコはすごく幸せな気持ちになりました。
ξ*^ー^)ξ「ギコはずっと私のお友達よ」
(,,*゚Д゚)「うん!! ツンは俺のいちばんのトモダチだ!」
春風よりも、春よりもずっとずっと大切な――ギコの願い事。
ずっとずっと探していたツンの笑顔に、ギコはようやくたどりつたのでした。
∧∧
ξ*^ー^)ξ(゚Д゚*,,)
.
236
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:43:19 ID:iyblDBwI0
――――‐―‐‐‐‐‐‐‐
―――‐―‐‐‐‐‐‐‐
―‐―‐‐‐‐‐‐‐
それから、時は流れました。
むかしむかしというほどむかしではない時から時間は流れ、そして今。
ζ(゚ー゚*ζ「ただいまー、もう疲れちゃったよぉー。
あれ、お母さん何してるの?」
動物にひっかかれた跡のある古い扉を、若い娘が開けました。
その娘は雪の日に猫を抱えて泣いていた女の子に、とても良く似ていました。
ξ )ξ「ちょっと、アルバムの整理をね」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、お母さんかわいい! すごく若い!
えーと、これはお父さんで。あ、私とお兄ちゃんもいる!!」
母親がテーブルに広げた写真を見て、娘ははしゃいだ声を上げました。
そこに写っているのはどれも、娘にとっては懐かしい写真たちです。
http://blog-imgs-55-origin.fc2.com/m/z/k/mzkzboon/GwB5xhcmso.jpg
娘は大喜びでテーブルに近づくと、乗っていた花瓶をどかして写真を机いっぱいに広げました。
今年の写真。娘が1歳の時の写真。母親と父親の結婚式の写真。母親が学生の時の写真。
そこには家族の幸せな思い出たちが、たくさん並べられています。
.
237
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:44:14 ID:iyblDBwI0
ζ(゚ー゚*ζ「あれ、この写真は……」
テーブルの上に広げられた、たくさんの思い出の写真。
その写真の一番下。そこに娘は見慣れない写真を見つけました。
ζ(゚、゚*ζ「お母さんと。えっと、青い猫?」
ξ )ξ「ああ、これは……」
青い猫と、それを抱え微笑む小さな女の子。
女の子の名前はツン。猫の名前はギコ。
二人はいつも一緒で、一番の仲良し。
それは、ギコの命が終わってしまっても何も変わりません。
ξ*^ー^)ξ「私の大切なお友達よ」
季節は春。
暖かい家のテーブルに飾られているのは、いつかギコが持ってきた白い花にとても似ていました。
.
238
:
(,,゚Д゚)春をさがすようです
:2012/12/18(火) 21:45:19 ID:iyblDBwI0
ξ゚⊿゚)ξ春をさがすようです 了 (,,゚Д゚)
.
239
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 21:48:00 ID:iyblDBwI0
以上。
使用イラストは、No.8、No.4、No.3、No.11、No.13
それから、URLをつけていないけど他にもたくさんのイラストを使わせていただきました!
支援ありがとう
240
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 21:50:43 ID:xTrj54dE0
おつ!
あの絵だなこの絵だな、って分かってにやにやしたよ
すっごい和んだ話だった
241
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 21:51:01 ID:JzuOaAKk0
乙!
童話調で楽しみました
242
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 21:56:26 ID:OnBiVeio0
乙!!
とってもかわいかった!
243
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:12:14 ID:AHOTzCyw0
>>239
乙です!くるぅいい味出してる!
みんな可愛かったー
続いて投下します
244
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:12:55 ID:AHOTzCyw0
小学生のころ、幼なじみと遊んでいる時に同級生に冷やかされたことがある。
少しぐらい年が離れているだけで、性別が違うだけで。
悲しくて悔しくて、帰り道の公園で幼なじみを見つけたとき、思わず胸に飛び込んだ。
( ФωФ)「どうしたのであるか」
(*ぅー;)「みんなが、みんなが、休みの日にロマといるのはおかしいって
私とロマじゃ年が違うのに、遊んでるなんておかしいっていうの」
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_425.jpg
しぃはロマネスクのコートに顔をうずめて泣いている。しゃくりあげるその頭を大事そうになでて、ロマネスクは笑う。
( ФωФ)「おかしくなんてないのであるよ。しぃと吾輩は、友達なのだから」
(*ぅー゚)「撿撿うん、」
ともだち、と呟いてロマネスクを見上げる。
ロマネスクのピンと立った耳にふわりと、雪が乗っている。街灯に照らされたそれがとても綺麗で、しぃは微笑んだ。
245
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:13:49 ID:AHOTzCyw0
( ФωФ)「うんうん、それがいいである」
(*゚ー゚)「?」
( ФωФ)「笑ってる顔が、一番似合うのである」
そう言ってくれたから、しぃはずっとロマネスクが好きだ。友達なのだ。
しぃのピンク色の毛並みを手で梳いて、ロマネスクが行こうかと声をかける。当然のように手をつないで二人は歩き出す。
隣の家に住むロマネスク。生まれてからずっと一緒だ。
しぃはロマネスクが読んでいる本を読み、ロマネスクが行くところには興味を持った。
ロマネスクと遊んでいることはしぃにとっては自然なことで、冷やかされたときにはとても悲しかった。
そんな風にみえるのかと。
ロリコン?ロマネスクはそんなんじゃない。そう言ってやりたかった。
友達なんだ、幼なじみなんだ。その仲を疑うなんて下世話だ。
そう思ったのに。
事実、しぃはロマネスクに惹かれていた。あの時の同級生が言った言葉を否定していたくせに、現に。
しぃは高校生になった。ロマネスクはとうに社会人だ。
246
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:16:16 ID:AHOTzCyw0
(*゚ー゚)「8歳かぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「どうしたのー、そんな遠く見つめちゃってー」
(*゚ー゚)「デレ...年上ってどう思う?」
ζ(゚ー゚*ζ「デレよくわかんない」
うふ、と笑って同級生のデレが首をかしげる。金髪の巻髪が揺れる。
デレは高校に入ってから出会った友達で、ロマネスクのことは知らない。
ζ(^ー^*ζ「でもぉ、そのくらいで諦めちゃう恋ならやめちゃえば?」
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_422.png
ふわりと微笑み、グサリと刺す。
デレの鋭さに、言い返すことも出来ずしぃは胸を抑えて笑った。
ζ(゚ー゚*ζ「あ、移動教室だよー」
(;*゚ー゚)「そ、そうだね」
デレは何もなかったかのように立ち上がって教科書を抱えた。しぃもそのあとに続く。
ざわつく廊下で、唐突にデレがしぃの耳元に口を寄せた。
ζ(゚ー゚*ζ「でも、うまく行ったならデレにも教えてよね」
応援するんだから、と微笑みながら言われて、しぃは思わず吹き出してしまった。
ζ(゚ー゚*ζ「???」
(*゚ー゚)「デレって、そーゆーとこ面白い」
グサリと刺したその口で、応援するという。どちらも本心なんだろう、その友人の言葉にいつも励まされてしまうのだ。
(*゚ー゚)「そうだよねぇ、諦める理由にはならないものね」
しぃは小さくガッツポーズをして、気合を入れる。思い立ったが吉日だ、そう思った。
247
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:17:07 ID:AHOTzCyw0
('A`)「先輩、なんなんでしょうね、恋って 」
ドクオが情けない声でつぶやく。ロマネスクは失恋を重ねる後輩に同情してしまう。
( ФωФ)「耐えることである」
パソコンのモニターから目をはなさずにロマネスクが答える。
('A`)「耐える、ねぇ...大人ですよね」
( ФωФ)「まだまだてある。身悶えることも多いのである」
口元だけで笑って、仕事するのである、とドクオを叱る。ふかふかとした毛並みを乱暴にかき混ぜて、ため息をついた。
( ФωФ)「若造なのであるよ」
隣の家の可愛い女の子。幼なじみで、ひよこのようにロマネスクになついている。
ロマネスクも年上とはいえ男。しぃが年を重ねるにつれて、女の子らしく成長する様にいつの間にか心を奪われていた。
しぃに嫌われていない自信はあるが、幼なじみ以上の気持ちがあるか聞かれれば頷ききれない。
( ФωФ)「でも諦めるには、理由が足りないのであるよ」
248
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:19:21 ID:AHOTzCyw0
恋に落ちる理由なら、いくつもあるのに。そんなことを思って、苦笑いをした。
その日の夜、しぃを初めて抱きしめた夜のように雪が舞った。
仕事を終えたロマネスクが頭の上に雪を積もらせながら公園を通り抜けようとすると、街灯の下に小さな影があった。
(*゚ー゚)
制服にコートを着て、マフラーを巻いたしぃの姿だった。ロマネスクは小走りにそこへ向かった。
( ФωФ)「こんな、寒い中何してるであるか!こんな遅くに危ないであるよ!」
つい大きな声を出したロマネスクに、少し首をすくめてしぃが笑う。
(*゚ー゚)「ごめんなさい。でも私、どうしても伝えたいことができたの」
私ね、としぃの言葉を最後まで聞いたロマネスクは目を見開く。
そして、すっかり冷えたしぃの体を抱きしめた。
( ФωФ)片思い相互通行のようです(*゚ー゚)
249
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:21:07 ID:iyblDBwI0
乙
すごくかわいい。二人とも幸せになれ!
デレもいいキャラしてるなぁ
250
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:21:21 ID:AHOTzCyw0
以上です。二枚の絵を使わせていただきました。ありがとうございました!
少女漫画風ラノベ?を目指したんだけど、楽しんでもらえたら嬉しいです
251
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:37:32 ID:U/S4YvTM0
うはああああ!ニヤけてしまうわ。乙!
252
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:38:10 ID:oktzSy/E0
ジャンルは何でも可とありますがマジキチも可なんでしょうか
253
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:40:59 ID:GnsIvqeo0
良いんじゃない
254
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:41:37 ID:arWQCkK60
良いかも(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
255
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:45:06 ID:iyblDBwI0
いいと思うけど、あんまりアレそうなら閲覧注意とかつけてくれるとありがたいんだぜ
256
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 22:58:17 ID:oktzSy/E0
>>253-255
了解です
ありがとうございます
257
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 23:43:09 ID:2qH0v3V20
vipのほうで投下があったお話のお礼ってここでしてもいいんでしょうか?
258
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 23:51:01 ID:iyblDBwI0
どんとこい!
259
:
名も無きAAのようです
:2012/12/18(火) 23:54:09 ID:U/S4YvTM0
またお礼絵とか描くのか……すごいなぁ
260
:
名も無きAAのようです
:2012/12/19(水) 00:05:59 ID:IeoPuTWo0
ブーン系ミニラノベ祭りのようです の
>>278-281
「( ΦωΦ)は出会ったようです」
絵を使っていただきありがとうございました
まさか使っていただけるとは思っていなかったのですごく嬉しいです
切ない終わり方がとても素敵でした 乙です!
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_432.jpg
261
:
名も無きAAのようです
:2012/12/19(水) 00:16:49 ID:px2jPo6w0
かなり被っちゃったけど、投下します
262
:
名も無きAAのようです
:2012/12/19(水) 00:18:33 ID:px2jPo6w0
それはまだ神々が地上にいて多くの種族がいた頃のおはなし。
"春風"を探すようです
263
:
名も無きAAのようです
:2012/12/19(水) 00:19:34 ID:px2jPo6w0
一匹の猫が森の中を歩いていました。
その猫は青い毛とすらりとした尻尾を持っており、その尻尾は荷物を結びつけた木の棒を器用に掴み、ゆらゆらと揺らしています。
(,,゚Д゚)「ここいらに小人はいないか」
木々の間を抜けると開けた場所にでました。
猫は誰もいない、その場所で声を張り上げます。
「おや、これは珍しい。こんなところに誰かがやってくるとは」
誰もいなかったはずの場所に、猫以外の声が降ってきました。
川 ゚ -゚)「なにか用か?」
猫から一番近い木の根元に、猫よりも小さな小人がいました。
その小人は頭に被ったとんがり帽子を直しながら猫に近づきます。
(,,゚Д゚)「この世界で一番の物知りな小人族に、聞きたいことがあって来た」
(,,゚Д゚)「"春風"が欲しいんだ。どこに行けば手に入れられる?」
http://blog-imgs-55.fc2.com/m/z/k/mzkzboon/boonpic2_424.jpg
川 ゚ -゚)「まさにわたしは、この世界でもっとも知識を持った小人族だ。
そんなわたしが答えよう。
"春風"はどこにでもあるし、どこにもないことを」
(,,゚Д゚)「矛盾しているじゃないか。はっきりと言ってくれ」
川 ゚ -゚)「はっきりもなにも、今のが答えさ」
(,,゚Д゚)「ふざけたことを抜かすな。貴様の頭を噛み千切るぞ」
川 ゚ -゚)「ふむ、痛いのは好みではないな。
しかたない、"春風"に辿りつく方法を教えてやろう」
川 ゚ -゚)「ここからずっと南へ進むと良い。
そうすれば、お前の求めているものが見つかるだろう」
猫は小人に礼を告げることもなく南へ向かいました。
264
:
名も無きAAのようです
:2012/12/19(水) 00:20:44 ID:px2jPo6w0
猫は小さな町にやってきました。
その町は小さいなりにも、賑わいを見せています。
そんな中、段ボールに入った少女を見つけました。
川 ゚ 々゚)
http://blog-imgs-55.fc2.com/m/z/k/mzkzboon/033540.jpg
少女は道行く人を眺めては、声をかけようとしています。
しかし話すことが出来ないのか、全く声は出ていません。
猫は、少女を嘲笑う目つきで眺めます。
(,,゚Д゚)(馬鹿な子供だ。誰があんな薄汚い子供を拾うものか)
少女はいつからそこにいるのか、髪はボサボサで服は所々擦り切れています。
ろくに食べ物も食べていないのでしょう、頬はこけていました。
それから何時間経ったのでしょうか。
少女はなおも、人に声をかけようとしています。
猫も内心馬鹿にしながら、その様子を飽きもせずに見ていました。
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