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人間の証明をするようです
1
:
名も無きAAのようです
:2012/10/27(土) 19:51:46 ID:mmEe6jmg0
なんやかんやでさやえんどうスプラッシュ
126
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:17:56 ID:eu/PwRq.0
(# ・∀・)「うぎぎぎぎぎぎぎぎ」
(*゚ー゚)「頑張れ頑張れー。二人とも頑張れー応援してるよーすっごい応援してるよー」
(,,;Д゚)そ「他人事だ?!」
(# ・∀・)「そいつ押さえとけよおおおおおギコぉおお」
(,,;Д゚)「おっ、おおぉおお?」
(;*゚∀゚)「え?」
嘘だろ、と少女が口に笑みを浮かべたままつぶやく。
小さな手はギコの青い手のひらに握り込まれ、微動さえしない。ぼたぼたと真っ赤な血が滴り落ちる。
ざり、と少女の足が地面を踏みしめ、しかしそれもギコの足に押さえつけられ動きを止めた。
蹴るという動作を増幅させる赤い贋作は、それでもう封じられた。
ひくっと少女の口の端が引きつる。
(;*゚∀゚)「おれってそんな殴られたりするようなキャラじゃな――」
(# ・∀・)「うるせぇ!」
(;*゚∀(#「ィぎゃんっ!!」
ごいん、と鈍い音。
127
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:18:27 ID:HxMP0asE0
全体的に人間離れしてんなwww
128
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:19:24 ID:86h3o1to0
まともな人間がいない!
129
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:23:07 ID:eu/PwRq.0
ごいん、と鈍い音。
巨大な質量をぶつけられた少女の体が叩き飛ばされる。軽い体重は重力を振り切り、おもちゃのようにぽーんととんだ。
遮蔽物の少ない場が手伝っての人間ホームランを見送ったギコとしぃは「おお」と声をそろえる。
モララーはベンチを地面に落として額に浮かんだ脂汗を拭った。
( ・∀・)「フっ……また詰まらぬ物を切ってしまった」
(,,゚Д゚)「切ってない切ってない」
(*゚ー゚)「記録、約14メートル」
( ・∀・)「いやー俺も衰えたなぁ」
(,,゚Д゚)「で、あれどうすんだ」
(*゚ー゚)「放置?」
( ・∀・)「放置は不味くない?」
(,,゚Д゚)「不味いかなぁ……」
芝生にごろんごろんと転がったパンキッシュ人間野球ボールを眺めつつ途方にくれる三人(約一名人もどき)であった。
130
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:24:51 ID:eu/PwRq.0
少女は夢を見ていた。
まだ少女がふつうの、つまらないただの子供だったころ。
兄と呼び慕う青年にまとわりついて、日溜まりの中で目を細める。
(*゚∀゚)「なーアニキー」
( ゚∀゚ )「なんだー?」
(*゚∀゚)「私にも魔法おしえてくれよー」
( ゚∀゚ )「あー? おまえにはまだ早ぇっつってんだろォ?」
(*゚∀゚)「聞いたんだからな。スナオに魔法教えたんだって? なんで私には教えてくんないんだよ!」
( ;゚∀゚ )「あァあ? だ、誰に聞いたんだよ、そんな事……」
(*゚∀゚)「ねーちゃんにだよ! なぁ、何でスナオには教えたのに、ずるいだろー!」
( ;゚∀゚ )「あいつに教えたのは、魔法じゃなくてまほ、」
(#*゚∀゚)「魔法じゃねぇかよー!」
131
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:27:38 ID:eu/PwRq.0
( ;゚∀゚ )「……だからァ、おまえにはまだ早いんだって」
(#*゚∀゚)「なーんーでーだーよー!!」
ばしんばしんと青年の背中を叩きながら少女は眉を釣り上げる。相対して青年の眉は垂れていった。
それは青年と少女お決まりのやり取りのようなもので、少女もそこまで本気で言っている訳ではない。
ちぇ、と唇を尖らせ、青年の背中にもたれ掛かる。
( ゚∀゚ )「おまえがもっと大きくなったら、おれがとびっきりの魔法教えてやっからさァ」
(*゚∀゚)「……アニキずーっと前からそれ言ってんだろー」
(*゚∀゚)「もっともっとって、おれそのうち山にでもなっちまうぞ」
( ゚∀゚ )「はっ、山になる前には教えてやるよォ」
(*゚∀゚)「だーからそれいつだってー」
青年の衣服から舞う埃のようなものが光を反射して、きらりきらりと光る。
魔法の残骸だ、と少女は幸せな気分でそれを見ていた。瞼の裏でそれがきらきらとちかちかと瞬くのだ。
きらきらと、ちかちかと
ちかちかきらきらと、
ちきちきと、からからと
132
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:28:49 ID:eu/PwRq.0
(*-∀゚)「あれ?」
(;,゚Д゚)「手に風穴がぁああ!」
(;*゚ー゚)「グロい! グロい!」
(; ・∀・)「やべ、何コレ、どうなってんの?!」
(;*゚ー゚)「傷口に毛が! 何コレすごい訳わかんない状態!」
(; ・∀・)「消毒とかしてみる?」
(;*゚ー゚)「傷跡残るのかなぁ……」
(,,゚Д゚)「っていうか……毛並み? うん? 訳わかんねぇ!」
(*゚∀゚)「……ん、あ、あ……?」
( ・∀・)「あ、起きた」
133
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:29:33 ID:HxMP0asE0
猫だし舐めよう
134
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:32:06 ID:eu/PwRq.0
瞳をあけると、見たこともない青い青い空が少女の意識を迎えた。張り付くまつ毛を擦り、頭をもたげる。
途端、鈍い痛みが走った。
「うっ」と悲鳴を上げていると、三つの顔がこちらをのぞき込む。
自分がナイフを突き立てようとした顔と、自分をぶん殴った顔。
それから特に何もしなかった顔に、少女はひきつった笑みを浮かべる。
慌てて立ち上がり飛びのこうとするが、体の痛みがそれを許さない。否、どうやら誰かが自分の足を跨ぐように座り込んでいる。
(;*゚∀゚)「ぅあ、」
(*゚ー゚)「うわくすぐったい」
身じろぐと、足の上に座り込んでいる何もしなかった顔がくすぐったそうに笑った。
柔らかいはずの女性の笑みに、しかし何故か背筋が凍った。
(,,゚Д゚)「あ、やっと起きたかー」
( ・∀・)「よしギコちょっと家から、千枚通し持ってこい」
(,,゚Д゚)「えっ、良いけど何すんだ」
( ・∀・)「拷問」
(,,゚Д゚)「なにそれ怖い!!」
135
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:32:34 ID:8NP95IoI0
なんか3人楽しそうだなw
136
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:34:32 ID:eu/PwRq.0
( ・∀・)「ばっかオメェ何言ってんだ、殺傷沙汰だぞ殺傷沙汰。これで犯人捕まえて拷問せずに何をするってんだよ」
(*゚ー゚)「通報とかじゃない?」
(,,゚Д゚)「少なくとも拷問は選択肢にはいらねぇよ」
(# ・∀・)「警察で済んだら謝罪はいらねぇんだよ!!」
(,,゚Д゚)「謝罪で済んだら警察いらねぇだろ……」
(*゚ー゚)「で、」
くる、と改めて女の顔がこちらを見る。
そこに浮かんでいる表情はやはり柔らかい。整った顔立ちは、まるで慈母の如く温かに緩んでいる。
それなのにこの背筋を這う寒気は何だ。少女は息を呑んだ。
(*゚ー゚)「まぁ拷問はしないにせよ、いきなり襲い掛かってきたことの説明くらいはしてくれてもいいんじゃないかな?」
137
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:36:22 ID:.JJC/0o60
いやんモララーさんったら物騒
138
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:36:46 ID:eu/PwRq.0
これにてその2終わり
次の書き溜めは7KBしか出来ていないということだけ伝えておこうと思います。期待はドブにレッツゴー
あと支援有難うやっぱ支援あった方が何か心持穏やかだね
139
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:41:03 ID:zaR6qq7k0
乙乙
このつっこみが間に合わない感じ好きだよ
続き気長に待ってる
140
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:41:20 ID:UEVPYJ0Q0
乙乙
モララー物騒だなWWWWW
141
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:43:00 ID:5OzNAn620
乙
142
:
名も無きAAのようです
:2012/10/29(月) 23:44:50 ID:HxMP0asE0
おつー
143
:
名も無きAAのようです
:2012/10/30(火) 10:52:55 ID:7qRN3.W2C
乙
144
:
名も無きAAのようです
:2012/10/30(火) 12:23:09 ID:WocIjN3Q0
おつ
145
:
名も無きAAのようです
:2012/10/30(火) 12:32:28 ID:Yf9BET8s0
調子乗ったつーがちゃんと制裁受ける話少ないからこの展開すげー爽快だわ
乙乙
146
:
名も無きAAのようです
:2012/10/30(火) 20:38:57 ID:0.OC/mAw0
なんかみんなおかしいぞww
待ってる乙!
147
:
名も無きAAのようです
:2012/10/30(火) 20:53:55 ID:u03y3LBgO
おつおつです
もふりてーネコギコもふもふしてー
148
:
名も無きAAのようです
:2012/11/05(月) 00:20:42 ID:McyM5Bys0
たのしみー
149
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 20:43:08 ID:VlxC339M0
期待とか乙とか楽しみにしてるとかありがとう。積もり積もるほどテンションが上がってあれはキムですかいいえペンですみたいな心境
どうせなら二話分とかかけてから投下しようと思ってたけど面倒くさくなったからその5投下する
そんなわけで
『夕飯の焼き蕎麦食いすぎて胃が若干痛い』
『猫がモフモフ』
『ところで創作板ってdat落ちとかあんのかよく分からん』
他二本の心持でその5を投下していきたいと思います
150
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 20:44:51 ID:VlxC339M0
(-@∀@)「……」
( ФωФ)「朝日さん、お茶飲むであるか」
(-@∀@)「ああ、頼むよ」
ミセ*゚ -゚)リ「……」
朝日はカーペットにうつ伏せになりながら、ゆらゆらと首を揺らした。がきんがきんと関節が鳴り響く。
丸で我が家というようにくつろぐ人を見ながら、あれぇ俺こいつの助手かなんかだったっけ、と真剣に悩む顔をしながら杉浦は腰を上げた。
硝子障子が丁寧に開かれて閉まる音を聞きながら、朝日はふぅとアンニュイなため息を吐く。
ブラウン管テレビは詰まらない教育番組を流している。一心に見つめているミセリも詰まらなそうだ。
差し込む光に照らされ、埃が光っている。
その五
『どかんと一発枯山水』
151
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 20:46:00 ID:VlxC339M0
( ФωФ)「お茶でありますよー」
(-@∀@)「うっへい、ありがとう」
暫くに帰ってきた杉浦からお茶を受け取り、啜る。
もそもそと炬燵から手を出し、持っていた携帯電話をなにやら操作し出す。
( ФωФ)「どうしました?」
(-@∀@)「あ、いや、ちょっと用事が出来たから、これ飲んだら俺ちょっと出てくるね」
( ФωФ)「そうすか」
(-@∀@)「帰りにスーパー寄るけど何か買って欲しいものとかあるかい?」
( ФωФ)「そうであるなぁ……、ああ、そろそろシャンプーが無いので、適当に安い詰め替えのを頼んでいいであるか?」
ミセ*゚ -゚)リ「ハッピーターン!」
( ФωФ)「こらミセリ」
(-@∀@)「はいはい、じゃあシャンプーとハッピーターンね」
( ФωФ)「あ、ハッピーターンも頼んでいいんですか。すみません」
(-@∀@)「いやいやいいよ、気にすんな」
そういって朝日は再度茶を呷る。その斜向いに腰を下ろした杉浦も湯のみを掴んで、ほうと息をついた。
平和な午後だった。
あれ俺この人の後妻かなんかだっけ、という杉浦の脳内の疑問は、暖かい緑茶に溶けて消えた気がする。それでいいのか。
152
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 20:47:20 ID:VlxC339M0
lw´‐ _‐ノv「杉浦くん杉浦くん」
( ФωФ)「うお」
ぬるっと炬燵から生えるシュールの顔に、びくっと杉浦は身を固める。
我が家のこたつは四次元か! とめくって確認するものの、遠赤外線な赤い光と朝日の足と微妙な饐えた香りが出迎えただけだった。
何時からもぐりこんでいたのか、シュールの顔はほこほこと上気している。
成人女性がこたつにもぐりこんで顔を赤くしている図というのはこれまた言いようもない「ああもうだめだ」感が漂っていた。
lw´‐ _‐ノv「で、その後どんな感じなんだい、神様探しは」
( ФωФ)「……今日の午前中は街の外れまで見に行ってみたであるよ。ミセリは?」
ミセ*゚ -゚)リ「庭」
( ФωФ)「庭を探したそうである」
lw´‐ _‐ノv「へー」
lw´‐ _‐ノv「……宝探しか!」
どぅっ、とシュールの人差し指が杉浦の眉間に突き刺さる。痛い。
シュールに突っ込みをされたという事実に杉浦の自尊心がガリリと削られた。
メンタルの弱い現代っこはしかしそれを顔に出さずに、そっとたおやかなシュールの腕を掴んで額から外す。
シュールは黙って外される。
153
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 20:48:21 ID:VlxC339M0
そっとお互いに正座をして向かい合った。かこん、とどこかでししおどしの鳴るのが聞こえた。テレビからだった。
「日本のジャポニズム」国民放送きってのどうでもいいプログラムとして名をはせ、あまりのどうでも良さに打ち切られることも無い長寿番組だ。
本日は日本庭園と枯山水の違いについてを放送している。ナレーションはどうやら身内起用らしくたどたどしい。
lw´‐ _‐ノv「それあれだろ杉浦くん、バイトだろ」
( ФωФ)「はい。今日は運送業をば従事してきました」
(-@∀@)「で、ミセリちゃんは遊んでたんだよね、僕と」
ミセ*゚ -゚)リ「うん」
昼間も暇をもてあましている朝日はミセリの良い遊び相手なのである。
仕事をしてくれと思わないでもないが、家賃を払ってくれるならまぁなんでもいい杉浦は口にはしない。
朝日はこれで中々売れっ子作家だったりするらしいが、杉浦は頭が悪いので読んだことがありません。
lw´‐ _‐ノv「……いいなー、私もミセリちゃんと遊びたいなー」
( ФωФ)「シュールさんは仕事であろー」
lw´‐ _‐ノv「うおおニートになりてぇええええええ」
ごろんごろんと畳の上を転がる駄目人間を虫けらでも見るような目で見るミセリ。
精神衛生に悪そうなのでこたつの上にあったみかんを渡して意識を逸らさせる汚い大人の杉浦だった。
(-@∀@)「前言ってたフサくんの大学の先生はどうなの? その後コンタクトとか取ってるの?」
( ФωФ)「……俺目はいいであるよ?」
(-@∀@)「あ、うんごめんね難しい言葉使ったね。何か連絡取り合ったりしてる? って聞きたかったんだけど」
( ФωФ)「ああ、せんせーさんであるな」
ミセ*゚ -゚)リ「せんせー」
154
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 20:50:58 ID:VlxC339M0
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) ここから回想ですよ、というAAを勤める佐々木カラマロス大佐
`ヽ_っ⌒/⌒c (時給はオフレコ)
('A`)「この世界は神様によって作られた」
陰鬱な顔をしたドクオがぽつりと呟いた。
( ФωФ)「……」
ミセ*゚ -゚)リ「……」
フサギコはちょっと色々あって地面に伏してます。
ゆとり大学略してゆ大、その講義室の一角にて、幼女と阿呆を生徒にしたミニ講義が行われていた。
歴史ある大講堂のどでかい黒板をチョークが叩くかくかくという音が高らかに響く。
杉浦は「何か俺ちょっと頭良い人みたい」とちょっぴりテンションが上がっていた。
彼は世にはばかる馬鹿なのだ。
155
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 20:53:16 ID:VlxC339M0
('A`)「お前らも聖書くらいは読んだことあるだろ?」
('A`)「世界の起源を記したあれだ。……ああ、兄ちゃんは良い。黙っといてくれ」
( ФωФ)えー
('A`)「まぁともかく、この世界は神によって作られた」
('A`)「普通に作っときゃよかったんだ。あの馬鹿、この世界に魔法なんてもんを残しやがった」
('A`)「お陰でこの世界の最初期は剣と魔法のファンタジーだ。ドラゴンをクエストしたりファイナルなファンタジーだったりテイルズがデスティニーだ」
ドラゴンはクエストしてない。
('A`)「それを見た神は、それがどうも気に入らなかったらしい。勝手なことで」
('A`)「世の中にあった魔法を掻き集めてより集めて、とある二人の魔法使いに全部押し付けた」
('A`)「その二人はこの世で最後の、最大の魔法使いに召し上げられた」
('A`)「その一人が、この俺だ」
かつん、と幾多も引かれた線が一つの丸に収束されていく図が出来上がる。
どうやらミセリはそれを一心に見つめているようだったが、杉浦にはなんのこっちゃ分からなかった。
因みにいつの間にか復活したフサギコが杉浦の隣に腰掛けて真面目にプチ講義を受けていたかと思いきや速攻で眠りの国に落ちるという
謎行動を行っていたので、三人はきれいに無視した。
ところでこのレス同じAAばかりが並んでいて非常に構成が悪い。
156
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 20:55:59 ID:VlxC339M0
ゆっくりとドクオの瞳が杉浦とミセリを見つめる。フサギコはスルーされていた。
窓の外ではさらさらと風で木の葉のこすれあう音がしている。射し込む光は緑色だ。
遠く、誰かの笑い声が聞こえた。
言葉を待たれているのだ、と杉浦は唇を舐めた。
ミセリか自分か、何か言わなければドクオはこのまま口を閉ざし、立ち去りさえするだろう。
正直彼にガン見されているのは物凄く嫌だった。彼はあまり直視したくないタイプの顔なのである。
( ФωФ)「そ、」
('A`)「そ?」
( ФωФ)「そんなことはどうでも宜しいです」
どうでも宜しいらしかった。
('A`)「宜しいですか」
杉浦の言葉を、首を傾けたドクオが繰り返す。
よろしいです、とミセリもそれに続く。三つ分の宜しいですがふんわりと空間に漂って消えた。
シュールだった。人名じゃないほうの。
157
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 20:57:35 ID:VlxC339M0
( ФωФ)「我輩たちは神様を探しておるのです」
('A`)「おるのですか」
( ФωФ)「ええと、せんせーさんは、神様、何処にいるか、知ってらっしゃるのですか?」
('A`)「いや、知らん」
さっきも言ったがな、とドクオが教卓に座る。
('A`)「俺らが今こうやってこんな凡百の大学の一講師をしてんのもあいつが俺らをここに落っことしやがったからだ。
('A`)「早急にとっちめて俺らは元の場所に帰りたい」
( ФωФ)「落っことされた?」
('A`)「ちょっと因縁があってな」
ニヒルな表情がむかつく、とミセリが思ったかどうかはともかく、子供には長い話は辛いものがあったらしい。
杉浦の隣でミセリがごそりと服の裾を引いた。
ミセ*゚ -゚)リ「ねむい」
( ФωФ)「寝て良いであるよ」
158
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 20:59:20 ID:.Tc/zqxs0
来てたか、支援
159
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:00:17 ID:VlxC339M0
こてんと小さな頭が杉浦の方に寄りかかる。そういうご趣味の方にはたまらん状態だが、杉浦は生憎年上が好きだった。
ふと見るとドクオがこの世のすべての悪を見るが如く杉浦を睨んでいる。
ぎしっとその手の下の教卓が大きく音を立てた。細身のように見えるが、フサギコを伸したのといいそれなりに力はあるらしい。
ところでそのフサギコは見事な鼻ちょうちんを製作している。
ミ,,-Д-彡ぐーぐー
('A`)「……」
ミセ*゚ -゚)リ「……」
( ФωФ)「……どうぞ、お話しを続けてくださいである」
('A`)「……ともかく、俺たちもあの馬鹿野郎を探してる真っ最中だ。何か進展があったら知らせてやるよ」
( ФωФ)「え、でも、そんなに何人もお願い、叶えてくれるであるか神様」
('A`)「いや、俺らはお願いするわけじゃないからな。まぁそこまで心狭くもないだろ」
('A`)「一応あれでも神様なんだし」
( ФωФ)「はー、そうなんであるか」
しっかしこの人はまるで神様と知り合いかのように話すなぁ変な人だなぁと杉浦は思った。
ひとまず協力はしてくれる気らしいと馬鹿の頭でも理解できた。
座ったままの状態でぺこりと頭を下げる。
160
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:03:26 ID:VlxC339M0
( ФωФ)「ありがとうございます」
('A`)「いや、いいよ。あー、携帯持ってる?」
( ФωФ)「あ、一応」
('A`)「じゃあ赤外線でアドレス送るから、……いいか?」
( ФωФ)「ちょ、ちょっと待って、えーっと」
最後はぎこちない4月の中学生みたいになっていた。
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) ここで回想は終わりですよ、というAAを勤める佐々木カラマロス大佐
`ヽ_っ⌒/⌒c (時給はオフレコだから前のは忘れてね!)
161
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:04:49 ID:P2y54YJ20
追い付いた、創作板はdat落ち無いよ支援
162
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:05:55 ID:VlxC339M0
(-@∀@)「で、アドレス交換しましたよと」
( ФωФ)「である」
携帯電話をポケットから取り出し、かこかこと操作して朝日に指し示すと、隣でミセリが「ててーん」と効果音を口に出した。
慣れてくると割合ノリの良い幼女である。
そこには「鬱田」とそっけなく登録されたアドレス。
登録番号が13なのが涙を誘う。
何度も言うが杉浦は馬鹿と柄の悪いのが手伝って非常に人受けが宜しくないのである。
学生時代から一応の連絡手段として持っている携帯電話であるが、友人のナンバーの登録など、皆無に等しい。
ちなみにシュールは回想の始め七行目くらいで仕事のために部屋を出て行きました。
お土産には辛子明太子を買ってくるそうです。
(-@∀@)「じゃあ進展の連絡はきてるわけだ」
( ФωФ)「そうですねー……」
言いつつ、かちかちと操作する。
携帯に記録されているやりとりを再現すると以下の感じである。
川 ゚ -゚)『今日の晩御飯♪ 上手に出来たぞ!』
( ФωФ)『おいしそうですね。我輩は今日はミセリに手伝ってもらっておでんでした』
163
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:06:35 ID:VlxC339M0
( ФωФ)「……」
( ФωФ)「主に今日食べたご飯のことなどが送られてくるので、俺もそれに返してるかんじですね」
(-@∀@)「彼氏彼女なのかい?」
( ФωФ)「ハートマークは頑なに送られてこないので違うと思いますよ」
(-@∀@)「いや知ってるよ!」
(-@∀@)「っていうか杉浦くんの中ではハートマークを送りあったら彼氏彼女の仲なの? ハードル低いなオイ!」
( ФωФ)「でもハートマークなんて来た事ないであるよ?」
(-@∀@)「うんそれはさっきも聞いたね」
( ФωФ)「主にせんせーさんが女のときにしかやりとりはせんのですが」
( ФωФ)「昨日はミートスパゲッティを食べたようである」
(-@∀@)「そ、そうなの」
( ФωФ)「おとついはカルボナーラであった」
(-@∀@)「スパゲッティ好きだなその人」
( ФωФ)「あとせんせーさんが男の時は絵文字がなくなるので分かり易いであるね」
(-@∀@)「ど、どうでもいい!!」
ぐだぐだの会話を切り裂く朝日の心のシャウト。
それとともに轟音が響き渡る。
164
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:08:33 ID:VlxC339M0
(;-@∀@)「俺のシャウトが天に届いた?!」
そんなわけは無いので一瞬にして我に返る朝日。
( ФωФ)「地震ですかね?」
(-@∀@)「最近多いよね」
地響きを伴い、電気の紐を揺らし、老朽化の進んだ離れをもみしりと揺るがせた。
む、と杉浦がミセリを炬燵の中に押しやり、出口を確保するために立ち上がって硝子戸を開ける。
(-@∀@)「こら杉浦くん、揺れてるときに硝子に近づくんじゃないよ」
と言いつつ朝日も重たい和箪笥が倒れないようにと立ち上がり手を添える。
ミセ*゚ -゚)リ「デコうった……」
( ФωФ)「すまんである」
165
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:09:32 ID:VlxC339M0
事態を把握するより早く炬燵に押し込まれたミセリがもそもそと顔を出した頃には、揺れはすっかり止んでいた。
硝子戸を開けたさき、縁側の窓の向こうの庭先がもうもうと土煙で煙っている。
ついでになにやらわーわーと喧騒も聞こえてきた。
(-@∀@)「地震じゃなかったみたいだね」
( ФωФ)「ですね。しかし騒がしいのが気になりますので、ちょっと外見てきます」
(-@∀@)「気をつけてね」
もしも大きな事故などがあったのならば人手も要るだろうし、それよりも大きな事故ならば避難も念頭に入れなければならない。
付いてこようとするミセリを部屋の中に押し留め、庭に出してあったサンダルを引っ掛ける。
通りの方を伺うと、どうやらいくらか向こうの方に轟音の原因があるらしい。
野次馬根性丸出しのご近所の方々に習い、杉浦もそちらの方へと足を運ぶ。
( ФωФ)「おお、これは」
杉浦が大家を務めるアパートの三軒隣。すこしばかり開けたところにとんと建つ小ぢんまりとした小さな家。
どうやらそこが煙と音の根源だったらしい。
ざわざわと集る人々をゆるりと掻き分けて杉浦はそれを見上げる。
166
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:10:16 ID:VlxC339M0
家屋に真っ青な――これは飛行機、だろうか。それにしては杉浦の知る物よりも小型で、どうやら座席は二つしかない。
しかしいくら小さいと言えどその辺りの家屋など簡単に押しつぶしてしまえる大きさの鉄の塊が、突き刺さっていた。
墜落の衝撃でも尚形を変えない機体はしかして黒い煙を上げ、潰された家屋からも不穏な音が立ち上っている。
何処か焦げつくような臭いも辺りに漂い始めていた。
とりあえず飛行機の出展は
http://vipmain.sakura.ne.jp/end/335-top.html
これです。
その辺大事なので宜しくお願いします。
墜落させちゃってすんません。
( ФωФ)「すっげー。でけー」
始めて間近で見る飛行機に男の子心をくすぐられつつ、杉浦は勝手に他人の家の庭に侵入する。
小学生と同程度につんつるてんのその頭はもう飛行機格好良いでいっぱいである。
ちなみに他の野次馬は上がり出した火の手を取り囲んでマイムマイムを踊るか否かの相談を始めていた。
避難したらしい家主がラジカセの無いことを嘆いている。今年のベストオブお前他に嘆くことがあるだろう賞だ。
( ФωФ)「いやー飛行機ってこんなでかいであるかー」
はみ出した翼を下から見上げ歓声を上げる。
でけぇでけぇと顔をほころばせていると、唐突に何かに蹴躓いた。
( ФωФ)「ってぇ……ん?」
あれなんかちょっと前にもこんなのやったな、と杉浦は思った。
167
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:10:38 ID:HjMKpPss0
何事だ
168
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:12:10 ID:VlxC339M0
(* ∀ )
( ФωФ)
( ФωФ)「あの、えっと、」
(* ∀ )
( ФωФ)「だ、大丈夫であるか?」
169
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:13:04 ID:Q9kFwW3.0
支援しえーん
170
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:13:41 ID:VlxC339M0
( ФωФ)「朝日さーん、ちょっといいであるかー」
( ФωФ)「ドア開けてくーだーさーいー」
(* ∀ )
肩に乗っかった少女が落ちないように身をよじりつつ離れの戸を叩く。
先日背負ったミセリより幾分重たい。幼女の称号を離れた人間の重量であった。
じわりじわりと背中の辺りの布地に生暖かい何かが染み込むのも不快でしょうがない。
( ФωФ)「あーさーひーさー」
( ФωФ)「ん?」
ミセ*゚ -゚)リ「……」
がんがんがんががんと自分の家なのを良いことに連打しまくっていた杉浦を出迎えたのは、見慣れた無表情系幼女ミセリだった。
背負われた少女ごとゆっくりと杉浦を上から下まで眺めて、フライハイ飛行に挑戦しようと試みるピグミーボルジョアを見るような顔をする。
流れる沈黙。
杉浦の後ろの通りを消防車がサイレンとともに通り過ぎていった。
171
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:14:31 ID:lXiDAu/w0
つーちゃんどうした
172
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:14:51 ID:VlxC339M0
( ФωФ)「朝日さんはどうしたであるか?」
ミセ*゚ -゚)リ「たんとうさん? が、つれてった。……かんづめ?」
( ФωФ)「ああ、モナーさんであるか」
そういやあの人用事が出来たって言ってたな、と杉浦は空いた手で頭を掻く。
見ると玄関に朝日の靴は転がったままである。乱闘の痕が見て取れた。
未だに締め切りを悪の秘密結社だと信じ込んでいる杉浦は、言ってくれれば俺も手伝ったのにと朝日の笑顔を今は見えない青空に浮かべた。
とりあえず、と思考を切り替える。馬鹿が故の切り替えの早さだった。
尚もバックで綱渡りをしながら一輪車を漕ぎ砲丸投げをするムジナを見ているような顔をしているミセリに背中の少女を指し示す。
ショックか何なのか意識の無い彼女は、指し示され傾けられるままにぐてんと杉浦の背中から顔を出した。
( ФωФ)「手当てをしたいから、手伝ってくれるか?」
ミセ*゚ -゚)リ「……」
杉浦は沈黙は肯定と取るタイプの人種だった。
一歩退いたミセリの横を通り、適当にサンダルを脱いで部屋に上がる。
絨毯が汚れると嫌なので少女は廊下に横たえることにした。ごろんとまだ幼い肢体が転がる。その服装はパンキッシュだ。
173
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:16:12 ID:VlxC339M0
ミセ*゚ -゚)リ「……どしたの、これ」
( ФωФ)「拾ったである」
ミセ*゚ -゚)リ「……」
拾ったのです。
ぱたぱたと奥へ行ったミセリが速攻で舞い戻って持ってきたビニールシートを廊下に広げる。
( ФωФ)「おお、気が利くであるなミセリ」
ミセ*゚ -゚)リ「とーぜん」
ぴっと薄っぺらい胸を張る幼女。
よしよしと撫でる杉浦だが、その手は少女の血やらで汚れていたので物凄い勢いで拒否された。
ブロークンハートなギリギリ青少年杉浦である。
改めて見ると少女の体のあちらこちらはひしゃげ小さな火傷を幾つも作っていた。
切り傷もあるのか、だくだくとパンキッシュな服が血で汚れていく。廊下も汚れていく。板張りに塩っぽいそれはあまり宜しくない。
すまんが、と杉浦が言うより早くミセリはまたぱたぱたと走って、どうやら裏の洗濯場に雑巾を取りに行ったようだった。
一旦転がした少女を再度持ち上げビニールシート(大きめ)にごろんと転がし、ふうむと杉浦は一息を吐く。
とりあえず何となく拾ってみたはいいが、果たしてこの程度の怪我を我が家で処置できるのだろうか。
むき出しの白い腕は妙な方向へ捻じ曲がっているし、ルーズなボトムスに包まれていたはずであろう足には半ば炭化したような火傷がある。
見る人が見なくても家庭での処置は無理だろうから救急車を呼ぶだろうが、こと杉浦は何かいけんじゃねぇかなと思っていた。馬鹿なのである。
174
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:17:59 ID:VlxC339M0
( ФωФ)「オロナインとか塗ったら治るであろうか……」
治る訳が無い。
ミセ*゚ -゚)リ「ぞうきん」
( ФωФ)「お、ミセリ、ありがとうである」
ミセ*゚ -゚)リ「バケツ」
( ФωФ)「ああ、水拭きした方がいいもんな。重くなかったか?」
ミセ*゚ -゚)リ「へーき」
再度よしよしを敢行しようとする。ばしっと腕をつかまれ拒否の構え。懲りない杉浦はリターンザブロークンハート。
とりあえず雑巾を水につけ、絞る。ミセリもそれに習った。
パンキッシュ血まみれガールを尻目に廊下掃除を開始する二人。
( ФωФ)「むう、乾いてしまったのは中々落ちにくいであるな」
ミセ*゚ -゚)リ「せんざいいる?」
(* ∀ )「……」
( ФωФ)「うーん、余り木に良くないから洗剤は使いたくないであるが……」
ミセ*゚ -゚)リ「じゃ、がんばる」
(* ∀ )「……」
175
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:19:26 ID:Q9kFwW3.0
ピグミーボルジョアってなんだと思って調べたらトビネズミなのか
176
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:20:10 ID:VlxC339M0
(* ∀ )「……」
( ФωФ)「がんばるである」
(* ∀ )「……」
( ФωФ)「……落ちん」
ミセ*゚ -゚)リ「むう」
(* ∀ )「……」
ミセ*゚ -゚)リ「やっぱせんざい?」
( ФωФ)「んー、布とかだと大根でこう、やると結構きれいに落ちるであるが、あれ木っていけんのかな……」
ミセ*゚ -゚)リ「だいこん」
(* ∀ )
(#* ∀ )
( ФωФ)「……うーん」
ミセ*゚ -゚)リ「……うーん」
(#*゚∀゚)「……手当てするなら早くしろよォッ!!!!」
177
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:21:30 ID:CkW3vZeQ0
救急車呼ぶとかしろよww
178
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:21:50 ID:VlxC339M0
( ФωФ)びくーん
ミセ*゚ -゚)リびくーん
がばりと少女が起き上がり叫ぶ。
完全にお正月掃除をしている気分になっていた杉浦とミセリは、びくーんと肩を震わせた。
そこには元気に立ち上がるパンキッシュ少女(グロッキー)の姿が!!
(#*゚∀゚)「どうして怪我人ほっといて廊下掃除始めちゃってんだよお前ら!!」
( ФωФ)「え、いやだって廊下傷んだら大変であるし……」
(#*゚∀゚)「こちとら痛んだらッつーかそろそろ悼まれちゃう感じになってるッつーの!」
ミセ*゚ -゚)リ「だれうま」
( ФωФ)「馬?」
(#*゚∀゚)「頼むよこちとら色々考えて色々頑張って寝たフリしてたんだよ結構辛かったんだよ!! 廊下なんて普通後だろ!!」
実は杉浦に背負われ歩き出した十三秒後にはひっそり目ざめ、どうにか隙を突いて逃げようとしていた少女なのだが、杉浦はそんなこと知りません。
汚れた雑巾を一旦バケツに戻してすすいでから、ぎゅうと絞る。
すっかり濁ってしまった水を替えようとミセリが立ち上がった。
179
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:22:15 ID:9.uJEtVM0
あれつーちゃん起きてた
180
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:23:00 ID:VlxC339M0
( ФωФ)「でも、この離れとあのアパートは、父さんと母さんが遺してくれた唯一のものであるから……」
(*゚∀゚)「あっ、……」
沈痛な空気が流れる。
廊下に膝を着いたまま項垂れる杉浦に、空気を読んだミセリも持ち上げたバケツをそっと下ろした。
柱時計の秒針がしきしきと沈黙を刻む。
( ФωФ)「やはり、大切に使いたいなって、思うであるよ」
(*゚∀゚)「……そ、か……。ごめん、良く知らないのに、オレ……」
これまた空気を読んだ少女が振り上げていた腕(ねじくれなう)をゆっくりと降ろし、端の切れた唇を噛む。
杉浦は随分ときれいになった廊下を優しく撫でる。何よりも大切な家族をいたわるような手付きをミセリの視線が追った。
目を伏せていた少女を、形容しがたい燐光がふわふわと包む。それとともにアニメっぽいSEも無く、少女の満身創痍な体が癒されていった。
( ФωФ)「……まぁ、それはそれでいいとして、」
(*゚∀゚)「…」
( ФωФ)「……」
( ФωФ)「……えっなんで治ってるであるか。そういうのはやりなの? 我輩も出来る?」
出来ません。
やっぱり洗剤を取ってこよう、と一大決心を終えた杉浦は立ち上がり、少女を見やり、目を逸らし、もっかい見て首を傾けた。
その隣に寄ったミセリが少女の血で汚れた杉浦の服を引く。
181
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:23:11 ID:Q9kFwW3.0
どこまでもマイペースだなおいwww
182
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:24:03 ID:VlxC339M0
(*゚∀゚)「えっ」
( ФωФ)「えっ?」
(*゚∀゚)「……」
(*゚∀゚)「……イッツァイリュージョン」
( ФωФ)「すげぇ!」
両手を広げる少女に向かって感動のままに惜しみない拍手を贈る。
隣ではミセリが物凄くとても胡散臭いものを見る目で少女を見つめていた。
少女は「あっこいつばかだ!」という顔をしていた。「やっべばかに関わっちまった!」という顔だった。
常なら杉浦が大層悲しむ表情だが、今の彼は目の前で起きた奇跡のごときイシュージョンに胸一杯でそんなことには気づかない。
少女の表情が「やっべばかに関わっちまった!」から「いや、逆にこりゃ好都合だな」に変わった事にも気づかない。
おおブラボー、おおブラボーとスタンディングオーベーションである。ところでスタンディングオーベーションとマスターベーション、いや止めておこう。
(*゚∀゚)「オレは流れの手品師でね、ちょうど住まいを探してるところだったんだ」
( ФωФ)「へーそうなんであるか! すごいである!」
(*゚∀゚)「ああ、今お前アパートっつったろ?」
( ФωФ)「はい、我輩大家王になると心に決めた男でありますよ」
どうでもいいが大家王って「お」多すぎて非常に意味が取り辛い。
183
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:25:08 ID:.Tc/zqxs0
どうしようツッコミが圧倒的に足りない
184
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:25:32 ID:VlxC339M0
(*゚∀゚)「そりゃあいいや!」
ミセ*゚ -゚)リ「……」
少女に注がれるミセリの視線は絶対零度の如きだったが、少女は目の前のばかを丸め込むことで一杯一杯だった。
(*゚∀゚)「なぁ、これも何かの縁だ、オレをそこに住まわしてもらえねぇかな?」
( ФωФ)「あ、ウチはちょっとそういう手品師とか、収入が安定してない方の入居はお断りしているので」
(*゚∀゚)「……えっ」
( ФωФ)「えっ?」
(*゚∀゚)「えっ?」
185
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:27:23 ID:VlxC339M0
これにてその5終わり
支援とかありがとうございました心穏やか。
風呂に入って出てくる間まで質問とか受け付けたりしますんで一旦ありがとうございました
186
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:27:53 ID:x0z9VzV20
小説家の朝日は……売れっ子だからいいのか…?
187
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:29:36 ID:Q9kFwW3.0
乙乙
この話が横にずれ続けていく感じ大好き
188
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 21:31:42 ID:APrl29N60
おつおー
189
:
名も無きAAのようです
:2012/11/08(木) 22:12:43 ID:VlxC339M0
乙とかありがとうございました。
正直質問とか無いならこのまま放置で行こうかとおもってたんだけどそういえば
>>161
にお礼言ってなかったからありがとうございます
dat落ち無いと聞いて心置きなくゆっくり書けるね!やったねたえちゃん!
そんなわけで次回の投下分の書き溜めは4kbです 期待は投げ捨てるもの
190
:
名も無きAAのようです
:2012/11/11(日) 21:19:13 ID:4IKrel2k0
( )人間の証明をするようです
http://boonbunmaru.web.fc2.com/rensai/evidence/evidence.htm
やっと思い出した
俺が前読んだのこれだよ
191
:
名も無きAAのようです
:2012/11/12(月) 21:25:46 ID:158tExrU0
来とった乙!
何か好きだこれ
192
:
名も無きAAのようです
:2012/11/18(日) 13:57:34 ID:lTi9GWMM0
ロマの馬鹿さが好きだ!
次も楽しみ!
193
:
名も無きAAのようです
:2012/12/13(木) 20:20:19 ID:f/WO2KG.0
期待をキャッチだ とう
194
:
<^ω^;削除>
:<^ω^;削除>
<^ω^;削除>
195
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 22:52:05 ID:.cv7evh60
京極シリーズを全巻大人買いとかしていたらめっきり書くの忘れてました。
そんなわけで何ヶ月ぶりか知りませんがお久しぶりです投下していきたいと思います
196
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 22:52:54 ID:.cv7evh60
清潔感のあるクリーム色の壁。天井にはやわらかい光を放つ電灯。
壁には予防接種や健康管理を呼びかけるポスターが貼られ、受付のお姉さんはにこやかに対応する。
傍から見ても開放感のある造りのそこは、初めてでも気後れしないようにと細心の注意の払われた造りをしていた。
ギコとしぃが居るのは、
(´<_` )「えーじゃあギコくんね。本日はどうされましたかー」
(*゚ー゚)「えっとですねぇ、ちょっと喧嘩したみたいで。手に怪我しちゃってるんですけどー」
動物病院だった。
その四
『流石弟者は流石アニマルクリニックの院長を勤めてるらしいです』
197
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 22:54:19 ID:.cv7evh60
(´<_` )「ほーほーあーこりゃ酷いね。ナイフかなんかでざっくりやられちゃってるぞ」
(*゚ー゚)「わーやっぱり刃物ですか? 怖いなぁ」
(´<_` )「警察に届けた方がいいかもね。うーむ、血は止まってるしとりあえず骨の調子見たほうがいいかな」
(´<_` )「レントゲン撮るけど、補ていしてもらっていいですか?」
(*゚ー゚)「あ、押さえてればいいんですか?」
(´<_` )「うん。ギコくん大人しいみたいだけど知らない人に押さえられると動揺しちゃう子もいるからね」
(´<_` )「じゃあレントゲンあっちだから、連れて行ってもらえる?」
(*゚ー゚)「はーい、分かりました」
(*゚ー゚)「ほらギコ、行くよ」
(,,゚Д゚)「……えええ……」
しぃにジャージの腹のところを掴まれ引っ張られるままに歩く。
看護士さんに誘導されるままにレントゲン室に入り、指定の通りに台に手(もふもふ)を置いた。
色々な思いをどうやって発散したものかと考えつつされるがままに座っているギコを、看護士さんがにっこりと微笑んで見る。
从'ー'从「賢い子ですねー」
(*゚ー゚)「いやー、ちょっと知らない人が一杯で緊張しちゃってるのかなー」
从'ー'从「あらら。大丈夫だよー怖いことしないよー」
从'ー'从「それにしても酷いですねぇこんな傷。最近物騒だし、可愛そうに……」
気が狂ってやがる。
198
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 22:56:14 ID:.cv7evh60
(,,゚Д゚)「……」
そんなことをギコが考えたかどうかについては言及を控えよう。
ぱしゃーと撮られたレントゲンの現像を待つために別室に移される。
筆者はペットを動物病院でレントゲンさせたことがないので描写が曖昧なことに謝罪しよう。
並んでベンチに座ると、「あ」としぃがか細く声を上げた。
(*゚ー゚)「大きい動物連れてくるときは首輪つけないのやっぱり非常識だったかな」
(,,゚Д゚)「つけようとしたら俺もう死ぬわ」
ギコにはそういう趣味は無い。
彼は割に健全なる性的嗜好しか所持していないのである。
死ぬんじゃしょうがないな、としぃは天井の模様を数えることに専念しだした。
(*゚ー゚)「……」
(,,゚Д゚)「……」
(*゚ー゚)「そういやさぁギコ、あの子帰しちゃって良かったの?」
(,,゚Д゚)「あの子?」
(*゚ー゚)「それ忘れられる辺りギコ凄いよね。ほらこの前のあの子」
199
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 22:57:49 ID:.cv7evh60
(,,゚Д゚)?
(,,゚Д゚)「あー……」
ひらひらと風穴の開いている自分の手を電灯に透かしつつギコは首を傾ける。
二人が動物病院に足を向けた原因であるギコの傷。それを作った張本人のパンキッシュガールの顔がぼんやり浮かぶ。
無茶しやがって……と忙しげに通りすがった看護士が何故か呟いた。
(,,゚Д゚)「良かったのっつーか、あんなダイナミックに逃げられたら追いようなくね」
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) ←回想に入るよのAAを勤める佐々木カラマロス大佐
`ヽ_っ⌒/⌒c (時給不明)
細い体に乗り上げたしぃが微笑んだ瞬間、ぎりっと少女の奥歯が噛み締められた。
俯き、小刻みに震えだす。
何処か可笑しいその様子にしぃが首をかしげると、――その宣言は唐突に上がった。
200
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 22:59:37 ID:.cv7evh60
(* ∀ )「覚えてろよ」
(*゚ー゚)「うん?」
(* ∀ )「覚えてろ、覚えてろ、覚えてろ覚えてろ覚えてろよ! お前らなんかに! お前らなんかにっ!」
(#*゚∀゚)「まほうつかいはまけないんだっ!!」
(*゚ー゚)「魔法使い?」
しぃはかくんと首をもうワンランク傾けた。
モララーはやっべぇ厨二病だ、という顔をした後、ブーメランしてきた何かを感じて崩れ落ちた。
ギコは手(貫通ダメージ)が痛かった。
201
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:01:42 ID:.cv7evh60
(#*゚∀゚)「召喚っまほう!!!!」
その声に、轟、と風が巻き上がる。
少女を中心とするように、空気が渦を巻く。前髪が翻り、装飾過多な衣服のひらひらが翻り、思わず飛びのいたしぃのスカートの裾が翻る。
「残念だったな!」とプリントされたスパッツを惜しげもなく晒したしぃは、「うわあ」と間抜けな声を上げた。
モララーとギコは友人の成人女性にあるまじき様相から全力で目を逸らしていた。
(#*゚∀゚)「『青い215キロ』っ!!」
搾り出すように叫ばれたハスキーな声に呼ばれるようにして、空間が撓む。
軋みを上げるように、本来ならばありえない「何か」を拒絶するようにぎちぎちと、ぎりぎりと耳障りな音が辺りに響いた。
それは少女がギコたちに襲い掛かった時のものと同じ音だったが、今のそれは――更に鋭く。
( ・∀・)「しかしどこまで行ってもギリギリアウトだな」
(*゚ー゚)「そうだそうだーアウトだアウトだー」
(,,゚Д゚)「ところで手がすごい痛い」
(#* ∀ )「黙れよぉおおおおおおおおォッ!!!」
202
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:04:27 ID:.cv7evh60
現れたのは、青い青い小型飛行機。
小型とは言え、有り触れた公園ではもてあますほどに大きなそれが空間からずるりと抜け落ちるようにして少女の後ろに降り立つ。
喉をはちきれさせんばかりのシャウトをした少女は、後ろ手に飛行機の翼に繋がるなんかパイプ的なものを引っつかみ、
軽業師もかくやという身のこなしで飛び上がった。がしゃん、とコックピットを覆っていた硝子カバーを厚底ブーツが蹴り砕く音。
プロペラが回る。何処か懐かしさを感じる輪郭の金属ボディが軋みを上げる。
先ほど少女が叫んだときよりもはるかに現実味のある危険に、
何とか心の中で暴れる中学二年生の彼と折り合いをつけたモララーがしぃとギコの二人の襟首を掴むようにして走り出した。
(; ・∀・)「ダッシュダッシュ! 逃げる逃げる! 流石の俺も飛行機は多分投げらんない!」
(,,゚Д゚)「誰が投げろっつったよ」
(*゚ー゚)「首絞まる首絞まる首絞まる」
五十メートルほど四つの踵によるラインを引いたところで、青い機体が物理法則を無視して空へ飛び立った。
助走も加速もつけずに、重力に逆らうように持ち上がる機械の塊。
プロペラ回ってたりしたのはなんやってんと問いたい。
ヘリコプターのように数瞬滞空していたそれは、ほんの少しかたぶくと、猛烈な勢いで飛び去っていった。
呆然とそれを見送った三人は、暫くして顔を見合わせる。
( ・∀・)「……逃げられたな」
(*゚ー゚)「逃げられたねぇ」
(,,゚Д゚)「めっちゃ手が痛い」
203
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:05:42 ID:.cv7evh60
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) ←回想が終わりましたよというAAでさえも務める佐々木カラマロス大佐
`ヽ_っ⌒/⌒c (時給はシークレット)
(,,゚Д゚)「まぁあのあとモララーが石投げてたから、無事では済んでないだろ」
(# ・∀・)『そらっしょぉおおおおおおおおおおいっ!!』
(*゚ー゚)「えー、でも石だよ?」
(,,゚Д゚)「あいつが投げたのが届かないとかんな訳ねぇじゃん」
(*゚ー゚)「……石なのにね」
(,,゚Д゚)「石だけどな……」
(*゚ー゚)「モララーくんそろそろちょっと人じゃないよね」
(,,゚Д゚)「なんなんだろうなあいつ」
(*゚ー゚)「ギコも大概なんなのか私わかんないけどね」
(,,゚Д゚)もふもふ
204
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:06:52 ID:.cv7evh60
从'ー'从「ギコくーん、診察室にお入りくださーい」
再び診察室に入ると、先ほどの医者がトレース台を壁に貼り付けたような機材にレントゲン写真を張り付けるところだった。
ぼんやりとふさふさした手のフォルムに囲まれ人間の骨っぽい形が映り込んでいる。
部屋の中央に置かれた診察台を指し示されるが、ギコは華麗にスルーしてその近くの椅子に座った。しぃも隣に座る。
空の診察台を挟み、医者は二人に向き直った。
(´<_` )「ん、骨に異常はありませんね。傷もキレイなもんですし、安静にしておけば塞がるでしょう」
(´<_` )「元気そうなところみると感染症もしてないようです」
(*゚ー゚)「はい」
(´<_` )「塗り薬と、一応抵抗力上げる薬お出ししときますんで、毎日のご飯の時に食べさせてあげてください」
(´<_` )「無理に口に突っ込んだりすると嫌がっちゃうかもしれないから、そうだな、粉末にするんで、ウェットタイプのご飯に混ぜてあげて」
(´<_` )「ああ、あと汚れたりしたら不味いんで暫くお散歩はお預けかな」
(*゚ー゚)「だってさギコ」
(,,゚Д゚)「……」
ギコは話しかけないで欲しかった。
今更他人のフリをしようというのも無茶な話である。
205
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:07:04 ID:7qh2bnAg0
来てた!支援するぜー!
206
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:09:39 ID:.cv7evh60
(´<_` )「まぁ暫くは大人しくさせておいて、薬と、あと包帯とだけマメに替えてあげてください」
(*゚ー゚)「はーい」
(´<_` )「何か質問とかありますか? 何でもいいですよ?」
(*゚ー゚)「あー、そうですねぇ。とりあえずは無い、かな?」
(´<_` )「はい。じゃあまぁまた何か、容態が急に変わったとかあったら病院の方に電話していただければ」
(´<_` )「初診でしたよね。受付で診察券貰っといてください。電話は一応一日繋がるようにしてあるからね」
(*゚ー゚)「あ、はい分かりました」
(´<_` )「……ふーむ、こんなところかな」
(´<_` )「また来週辺り、経過を見せに来て下さい」
(*゚ー゚)「はーい、有難うございます」
(´<_` )「いえいえ」
では、としぃが立ち上がり、それに続いて立ち上がろうとするギコを「あ、ちょっとごめん」と医者が呼び止める。
完全に帰宅の心持になっていたしぃが慌てて座り直し、ギコはそのまま立って医者を見下ろした。
207
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:10:49 ID:.cv7evh60
(´<_` )「これは個人的な質問なんですが」
(*゚ー゚)「はい?」
(´<_` )「ギコくん、ほんとに猫なんですか?」
(,,゚Д゚)「猫だと思いますかこれ」
(´<_` )「いえあんまり」
(´<_` )「……」
(´<_` )「うわ喋ったねこじゃねぇ」
(,,゚Д゚)(*゚ー゚)「「ですよねー」」
しぃが数年前から飼い出した猫が、家から帰ったら成人男子大になっていた。
とりあえずこの状態で全裸で置いておくのはなんか目の毒だったので服を着せていつものように外に散歩をさせたら、手に怪我をして帰ってきた。
よどみなくしぃが舌先三寸を翻して語ったのは大体そんな感じの嘘八百だった。
この高校からの友人を信用するということを今後一切やめようとギコは心に誓った。
(´<_` )「つまり、ふと気がついたらギコくんはこんな姿になってしまっていたと」
(,,゚Д゚)「……」
208
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:12:10 ID:.cv7evh60
次いでふむふむと興味深そうに頷く白衣を見て、医者というものを信頼するのもやめよう、と更にもう一つ誓いを立てた。
どんどん信頼できるものが減っていく。
世知辛い世の中である。
(*゚ー゚)「そうです、先々月まではあんなにちっちゃくてころころしててもふもふでふわっふわでにゃーにゃー言っていたのに!!」
(,,゚Д゚)「にゃーにゃー」
(´<_` )「でっかくてごりごりしててもふもふでふわっふわでにゃーにゃー言ってますね」
(*゚ー゚)「でっかくてごりごりしててもふもふでふわっふわでにゃーにゃー言うようになったんですよ……」
ヨヨヨ、と昭和のかほりを漂わせて涙を拭うしぃを心底から信頼できない者を見る目で見つめるギコ。
逆に白衣に聴診器を引っ掛けた絵に描いたような(どうぶつの)お医者さんはほうほうと細い目ででっかくてごりごりしてると評判の彼を見る。
しぃはハンケチーフの下からこっそりとその医者を盗み見る。三竦みの様相となっていた。
ええととギコは弁解を挟もうとするが、しぃにぎりりと握られた手(貫通ダメージつき)に言葉を飲み込む。
あくまでこの青い成人男子大のもふもふ生物は猫というスタンスでゴリ押しする気らしい。何でそんなに頑張るのかさっぱり分からない。
大きく取られた窓にかかったブラインドの隙間からさんさんと太陽の日差しが差し込んでいる。
それを額に浴びた医者は、顎に手をやりぽつりと呟く。
(´<_` )「それは、『かみさまの奇跡』なのかもしれないね」
209
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:13:55 ID:.cv7evh60
何言ってんだこいつ、とギコの冷たい視線は今度は医者へと注がれた。
尤もらしい顔をした医者――流石、とプリントされたネームプレートを首から提げている。「りゅうせき」か「さすが」かのどちらだろうか――が、
いつのまにやら診察台に座らされたギコの尻尾をもふもふしつつ言う。
どうでも良いが成人男子大の彼が動物用の診察台に載せられている様は非常に滑稽である。
ローラーの付いた椅子をがらがらと鳴らして流石医師がデスクに向かう。金属の引き出しを開け、神経質そうな手付きで一枚の紙を引っ張り出した。
図書館司書と在宅ワーカーの目には馴染みの無い、英文だか独文だかが連なった幾枚かの上質紙。
クリップで留められた写真は、やたらと鮮烈な元・生物のものだ。浅黄色の布の上にドスい黒い赤い液体が飛び散っている。
(´<_` )「有名だし話くらいは聞いた事があるだろう、『神の君臨』」
きしりとしぃの座る椅子が軋みをあげた。
『神の君臨』のニュースを、しぃとギコはモララーも加えた三人でオールナイトで
いつまで経ってもファイナルが来ないと専ら噂のファイナルなファンタジープレイをしているときに知った。
概ね「この国頭可笑しいな」というモララーの一言で切って捨てられたそれを、二人はそこまで本気にしていなかったのだ。
(*゚ー゚)「ええ、まぁ」
210
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:15:29 ID:.cv7evh60
眉を顰めてフレッシュミートな写真から目を逸らしたしぃがぎこちなく頷く。
その不快そうな顔を見て初めて気づいたか、流石医師はああ、と顎を引いてそっとクリップごと写真を取り去った。
すると、その下からは至って目に優しい狸の写真の印刷が現れる。
男性だろうか、逞しい腕に大人しい様子で抱えられている。
そう日常生活でなじみのある動物ではないが、何処か犬に似た様相と、それよりも表情の読めない黒い瞳は愛らしい。
そのもっふもふでふわっふわな茶色の毛並みが、
先ほどの百グラム九十八円写真の端に映り込んでいたものと同色なのに気づき、ギコはもっふもふわっふわの顔をゆがめた。
(´<_` )「私も話半分なんだけどね、半月ほど前、こんな『奇跡の御技』が報告されたんだ」
ぱらりと紙を捲ると、小さな子供と戯れる猫の画像が現れる。
流石医師はそれを並べて診察台に広げる。
青いもふもふの隣に二つの茶色のもふもふの画像。もっふもふやで。
(´<_` )「この猫」
猫の画像を指差す。ブラウンタビーに華奢な尻尾。
戯れる少女の顔はモザイクで隠されているが、にっかりと笑った口元だけでも満面の笑みが伺える。
どうやら写真の舞台はどこかの家の中らしい。
211
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:15:31 ID:dx5lzWmE0
よし追い付いた
ギコしぃモララーの微妙に噛み合ってない会話が笑える
212
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:17:58 ID:.cv7evh60
その切り取られた瞬間には、子供と猫の心温まる絆が伺えた。
信頼できるものの少ないこの世間で、きっと少女にとって猫は心から身を預けることの出来る存在の一つだったに違いない。
その茶色い毛の塊が鋭い爪を持つことも知らないように、目線に隠されたあどけない笑顔は輝いている。
(´<_` )「死んだんだけど」
(*゚ー゚)「はぁ」
可愛らしい猫の突然の訃報にしぃが思わず軽くつんのめった。無類の猫好きなのである。
ギコは何か喋れない空気でとても暇だなぁと自分の尻尾をもふもふ動かしていた。
それに構わず流石医師は何ということも無い、明日の天気でも言うような様子で今度は狸の写真を指差した。
(´<_` )「生き返って、狸になったんだ」
(*゚ー゚)「……」
(,,゚Д゚)「……」
流石医師の言葉に、かくん、と糸の切れたようにしぃの首が傾く。
それに続いてギコの首もかくんと傾いた。
釣られたのか流石医師も向かって同じ方向に首を傾ける。
213
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:19:27 ID:OeBxNJfk0
作者がもっふもふでふわっふわの生き物が好きらしいのはわかった
214
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:19:46 ID:.cv7evh60
窓の外で鳴く鳥の声に乗って流れる沈黙に、ギコがもふもふの手指を握りこんで一本突き出した。
全世界共通ワンモアチャンスプリーズのジェスチャーは高性能で、見た目異種族でもしっかり通じる。
流石医師がゆっくりと頷き、几帳面な手付きで二枚の紙を二人に差し出した。
今度は分かり易いように、しっかりはっきり、言葉を区切って明瞭に。
(´<_` )「猫が、死んで、狸になって、リボーン」
頭がチョイ悪親父な要素が混ざっていた。
(*゚ー゚)「……」
(,,゚Д゚)「……」
Σ(*゚Д゚)「変態だ!」
Σ(,,゚Д゚)「変態だ!」
同じネコ目だからといって奇跡の大変態だった。
この変態というのは「変態性欲の持ち主」という意味ではない。
決して猫(現職狸)が物凄い特殊な性癖を持っているということを主張したいのではなく、
この場合二人が叫んでいるのは動物が幼体から成体へと至るまでの経緯において大きな変成を経る様の方である。
芋虫が蝶へと変わるあれです。生命の神秘ですね。
215
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:22:46 ID:.cv7evh60
(´<_` )「……」
(,,゚Д゚)「これあれだろ、理科で習った奴だろ!」
(*゚ー゚)「プルテウス幼生の奴だね!」
(,,゚Д゚)「変態だ……!」
(*゚ー゚)「変態だぁ……!」
(´<_` )「……」
社会人の埃を被った乏しい理科知識たちを生暖かく見守っていた流石医師がさすがにこほんと一つ咳をする。
りかとかせいぶつとかと離れて久しい文系たちははっとなって口をつぐんだ。
(´<_` )「確かに飼い主の目の前で車に轢かれて死んだ筈の猫が、その場で狸へと変わった」
(´<_` )「見た目が狸に変わった以外、それは確かにその猫だったんだと」
(´<_` )「いつもそうしていたように飼い主にじゃれつきさえしたらしい」
(´<_` )「しかし、解剖しても、何をしても、学術的にはそれは完璧な狸だった」
(´<_` )「変態、なんていうのじゃもう生易しい」
(´<_` )「それは、変身っていう風に学会じゃ言われた」
216
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:24:43 ID:JXmhXSUk0
この場合蛹にならないから不完全変態なのだろうか
217
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:25:21 ID:.cv7evh60
きしりと流石医師の座る椅子が軋んだ。
すっと長い指が伸ばされ、診察台に腰掛けるギコを指差す。
どうでも良いがレス内に糸目が並んであまり目に宜しくない。
(´<_` )「ギコくんも、それと同じような『御業』を身に受けたんじゃないか?」
切りそろえられた爪の先を見据え、ギコのもふもふの顎がぐっと引かれた。
(*゚ー゚)「……つまり、ギコは一度死んでいる、って」
(*゚ー゚)「そういう意味ですか?」
真剣な顔をしたしぃが言葉を噛み締めるように言う。沈黙が診察室に横たわった。
ギコはプルテウス幼生が先だったか、プリズム形幼生が先だったかと尻尾を揺らしながら考えていた。
ちなみにウニの幼生はプリズム形幼生からプルテウス幼生へと成長します。
(´<_` )「まぁ、言ってしまうと言葉があまり良くないがね」
流石医師は大きく息を吐いて、事務椅子の背もたれにもたれかかった。
218
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:26:46 ID:.cv7evh60
例えばギコくんはいつものように散歩に出かけていたとする。
その先で、車にはねられたでもいい。心無い犯罪者に殺されたでもいい。何ならそれまで保有していた未知のウイルスが発病したというのでもいい。
この際の死因は何だって良いんだ。
とにかく彼は一度死んでしまった。なすすべもなく、道端で、小さな体のまま。
そこに神が現れる。慈悲深い神はそんなギコくんを哀れんだ。
もし彼がそんな小さなひ弱い体躯でなかったなら。
車にきちんと目視されるような大きさなら。心無い犯罪者に対抗できるような強さがあれば。ウイルスなど跳ね除ける抵抗力があれば。
そうして『御業』をなされた。
強く、大きく。人間というのはこれで実は非常に効率のいい体をしているんだ。
その結果が、今のギコくんだと、したら。
訥々と空気に並ぶ流石医師の言葉をなぞるようにしぃの目線が動く。
ちょっと内容が把握しきれていない顔だった。
(´<_` )「可能性としては、無くは無い。むしろ、それくらいしか原因がこじつけられないんじゃないかな」
もふもふと揺れるギコの尻尾を流石医師が掴む。
たとえるならば毛の滑らかなキャッチダストといった具合にもふもふの尻尾をもふもふと掴んでは離しを繰り返す。
しぃが無言でそれを奪い取るようにしてもふもふする。流石医師は大人なのでそれで諦めたらしい。もふもふ争奪戦はそれにて一端の終了を得た。
もふもふされていた尻尾の持ち主は、頭に唐突に思い浮かんだ謎のワード「バソプレシン」の意味を思い出そうと必死だった。
219
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:27:37 ID:dx5lzWmE0
せっかく生き返ったのに解剖されちゃったんだな……
220
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:28:04 ID:.cv7evh60
(*゚ー゚)「……無いのですか」
(´<_` )「はい」
(*゚ー゚)「そうですか……」
話が続かなかった。
流石医師はもふもふを奪われて若干手持ち無沙汰っぽく右手を揺らしている。
そもそもギコが元々猫だったというのはしぃによるエクストリーム嘘八百である。
(*゚ー゚)「えっと」
(´<_` )「はい」
(*゚ー゚)「……それでですね。ええっと、すみません、ちょっと言葉が汚いかもしれないんですが、」
(*゚ー゚)「だから何なんだよはっきり起承転結つけて話せよオチ何処だよ」
(*゚ー゚)「……だなんて、」
(´<_` )「……」
(´<_` )「ああ、まぁまだ神の『御業』については研究が進んでいない、というか。そもそも研究なんてしていいのかって感じでね」
(´<_` )「各方面では絶賛検体募集中なんだけど、」
(,,゚Д゚)「遠慮します」
221
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:29:57 ID:.cv7evh60
ひらひらとフレッシュミートな方の写真と、
更に幾つかの瓶の映った写真――ホルマリンだろう――をを取り出しつつ流石医師が言うのを全力でさえぎる。
流石にギコもフレッシュミートになるのは嫌だったし、勿論ホルマリンのマリネになるのも嫌だった。
(´<_` )「って言ってるけど」
(*゚ー゚)「あ、じゃあギコが言うなら」
(´<_` )「一応報酬……っていうかお礼金とかも出るよ? 暫く遊んで暮らせる位は」
ごにょ、としぃの耳元に寄せて流石医師が呟く。
(;*゚ー゚)「えっ」
(,,゚Д゚)「おいなんで立った」
(;*゚ー゚)「………………………………………………………………………………………………」
(;*゚ー゚)「………………………………………………………………………………………………」
(;*゚ー゚)「………………………………………………いやっ、でも、と、友達は、う、う、売れない、……ですっ」
(,,゚Д゚)「めっちゃ悩んだなおい。おい」
(´<_` )「友達か」
(´<_` )「うん、そうだな。友達は売ったら駄目だよな」
(,,゚Д゚)「なぁ今の長考なんなんだよ。おい、どういうことなんだよ」
222
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:30:46 ID:.cv7evh60
うんうんと頷く流石医師。もにょっとした啖呵を切ったしぃは、しかし微妙に目線が泳いでいる。
きゅうけた……きゅうけた……という幽鬼のような呟きが聞こえてきた。
社会にもまれる人、略して社会人は往々にしてマネーというものを弱点として生きている。世知辛いのだ。
しかし幾ら「まほうのことば:きゅうけた」を発動されたからといって
しぃの懐のためにフレッシュミートからのホルムアルデヒド水溶液のプールへどぽんのコンボフィニッシュをされては堪らない。
ギコはしぃのシャツを掴みゆする。しぃは尚も顎に手をやりぶつぶつと何事か呟いている。
(;*゚ー゚)「モララーにばれたら面倒くさいし、……いや、待てよ、モララーにはばれないように……」
(,,゚Д゚)そ「お前なんてもう友達じゃねぇ!!!!」
もふもふ争奪戦の決着の直後、数年間の友情にもまた一旦の決着が見られた瞬間だった。
(;*゚ー゚)「うううううううううう嘘だってやだなぁギコったら。ジョーダンジョーダンマイケルマイケル」
(,,゚Д゚)「誰だマイケル」
223
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:32:55 ID:.cv7evh60
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/__/ ‘,
// ヽ ', 、
// ‘ ! ヽ ヘイパス!パスパス!
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iヘヘ, l | ’
| nヘヘ _ | | l パッ……ナイッシュー!!
| l_| | | ゝ ̄`ヽ | |〈 ̄ノ
ゝソノノ `ー‐' l ! ¨/
n/7./7 ∧ j/ / iヽiヽn
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(AAはマイケルジョーダンではありません)
マイケル・ジェフリー・ジョーダン(Michael Jeffrey Jordan, 1963年2月17日 - )は、アメリカ合衆国の元バスケットボール選手、実業家。
NBAのシカゴ・ブルズ、ワシントン・ウィザーズでプレーした。その実績からバスケットボールの神様とも評される。
15年間に渡る選手生活で得点王10回、年間最多得点11回、平均得点は30.12点でNBA歴代1位、通算得点は32,292点で歴代3位。
1990年代にシカゴ・ブルズを6度の優勝に導き、5度の年間MVP、6度のNBAファイナルMVP受賞。
また、1984年のロサンゼルス・オリンピックと、1992年のバルセロナ・オリンピックにおいてアメリカ代表の一員として二度にわたり金メダルを獲得した。
現役時代の背番号23はシカゴ・ブルズ、マイアミ・ヒート、ノースカロライナ大学の永久欠番。
1996年、NBA50周年を記念した50人の偉大な選手の一人に選出。2009年にはバスケットボール殿堂入りした。
2010年にシャーロット・ボブキャッツを買収し、現在は同チームの筆頭オーナーである。
以上、wikipediaより引用である。
ところでマイケルジョーダンのAAを探したが見つからずに断念したので見つけた方がいらっしゃいましたら貼っておいていただけましたら幸甚です。
224
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:33:43 ID:.cv7evh60
笑うしぃの視線はふらっふらっとギコと流石医師の間を泳いでいる。ギコは考えるのをやめた。
もしやばそうになったら全力で逃げよう。あとモララーに言いつけよう。
小学生の頃からの友人のアドレスが入ったポケットの携帯端末をそっと握り締めた。
そんなギコとしぃのやり取りを見つめていた流石医師が、にっこりと微笑む。
(´<_` )「いや、良かった。しぃさんがギコくんを売るって言ってたらどうしようかと思った」
(*゚ー゚)「へ?」
(´<_` )「研究機関の強引な検体提供要請にはほとほと呆れててね。こちとら一介の動物医だ」
その細い瞳が、一瞬だけ影を落とした、気がした。
(´<_` )「動物を守るためにこの仕事を始めたのに、むざむざ解剖させるために動物を引き渡すなんて、したくない」
(*゚ー゚)「はぁ」
(´<_` )「全力でサポートさせてもらうよ。ギコくんの身に危険が及ばないように」
(,,゚Д゚)「……はぁ」
本日二度目の指差し確認の瞬間、ギコの脳内にバソプレシンの効果が飛来した。
225
:
名も無きAAのようです
:2013/02/07(木) 23:35:22 ID:7qh2bnAg0
なぜそこまでマイケル・ジョーダンにこだわるんだよwww
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