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( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
1
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 14:18:50 ID:HrtL28j.0
('A`) 何もない会場
いるのはオレ一人……。
('A`) 百物語が中々の盛り上がりを見せたのはいいが、
会場が埋まってしまいそうになったからな。
('A`)+ 夜しか登場できない幽霊ブーンに代わって、
このスーパーイケメンドクオが新しい場を開くしかないな!
('A`) と、新しい会場を借りてきたぞ。
幽霊ブーンには……まあ、向こうの会場に案内でも貼っておけばいいだろう
('A`) おっと。こっちにもちゃんと貼らないとな
http://nullpo.vip2ch.com/ga0912.png
('A`) うん。オレの貼り付けテクも中々だ
47
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:34:40 ID:amtZrtY60
またやった…
>>44
ごめんそして支援
48
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:35:28 ID:USnqYIBQ0
(,, Д )「!!?? うああああああっ!!」
( ;・∀・)「!?」
ギコが目を押さえ、床でのたうちまわり始めた。
目薬は放り出され、部屋に転がる。
( ;・∀・)「おい、どうし……」
ちらりと見た目薬の容器。
中に、白い煙が見えた気がした。
.
49
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:35:55 ID:X6QlBi56O
目薬気になる支援
50
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:36:24 ID:USnqYIBQ0
(
)
i フッ
|_|
八十八本目終わり
>>45
どーぞー
51
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:37:14 ID:1gtSSgHQ0
煙ってことはH2SO4とかか?
ヤバすぎる
52
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:37:21 ID:amtZrtY60
先ほどからすみません…
八十九本目いきます
.,、
(i,)
|_|
53
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:38:27 ID:amtZrtY60
好まれる者
これは私川д川の彼氏( ・∀・)の昔の話。
私が実際に体験した訳じゃないので辻褄が合わないところもあるかも知れませんがそれは御愛嬌…
それでは
54
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:38:42 ID:OIGuexd6O
こええええ…
投下乙乙!
55
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:39:29 ID:amtZrtY60
case1.祖母の家
その日、彼は家族で母方の祖母の家に遊びにきていた。
o川*゚ー゚)o「ねぇモララー、暇だから上でテレビでも見てようよー」
幼い彼は姉の誘いにのり、大人たちが談笑する一階のリビングから離れ
二人仲良く二階寝室でテレビを見ることにした。
( ・∀・)「夏だし、やっぱりこういう番組だよねー」
o川*゚ー゚)o「おっ、いいじゃん」
二人が見始めたのは某番組の心霊特集。
勘弁してくれと叫びたくなるほどに胡散臭さが滲み出ているが、子どもの暇つぶしには丁度良い。
( ・∀・)「おー……」
o川*゚ー゚)o「……」
二人はテレビに夢中になっていた。
すると突然、
フッ
( ∀ )
o川* ー )o
56
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:40:22 ID:amtZrtY60
( ; ∀ )「えっ!?」
明かりが消えた。
そして
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
( ; ∀ )「ぅ、ぅわあ!!!」
o川; ー )o「……」
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
窓ガラスが叩かれ、激しく振動している。
( ; ∀ )「ゎ…割れちゃうよ……」
( ;∀;)「たす、」
ヒョコ( ^ω^)「大丈夫かおー?」
明かりが戻り、父が廊下から顔を出した。
( ;∀;)「あ…、あ…」
( ^ω^)「急にブレーカーが落ちたからびっくりしたおね、もう大丈夫だおー」
幼い彼が、泣いておうちに帰りたいとぐずったのは言うまでもないだろう。
57
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:41:05 ID:amtZrtY60
case2.焼肉屋にて
58
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:41:57 ID:amtZrtY60
彼が家族と焼肉屋に行った時の話
(*^ω^)「やっきにく!やっきにく!」
ξ゚⊿゚)ξ「久しぶりに焼肉もいいわね」
o川*>ー<)o「そうだねー、おいしそー!」
o川*゚ー゚)o「モララーもメニュー見なよ!」
( ; ∀ )
( ; ∀ )「……ぅ、」
( ;∀;)「ぅああああ」
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
o川*゚ー゚)o
彼は家族が食事をしている間、個室の隅で一人ブツブツと何かを呟いていたそうです。
川д川「なんでそうなったの?」
( ;・∀・)「何か、急にすっごく悲しくなって…牛とか、肉を食べるなんて酷いっていうか、とにかく気持ち悪くなって…」
川д川(……リアル「御憑かれ様」だ)
59
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:42:42 ID:amtZrtY60
case3.夜のランニング
60
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:43:28 ID:amtZrtY60
( ・∀・)「〜♪〜〜♪」
クルッ(・∀・ )ミ「かあさーん行ってくるよー!」
<気をつけてねー車に轢かれないようにー!
( ・∀・)「分かってるー!」
( ・∀・)中学二年生。
夜のランニングが日課となった
( ・∀・)ピッピッ
ウットリ( *-∀-)(やっぱバンプだよなぁ……俺の心に沁み渡るわぁ…)
厨二真っ盛りの少年だったころの話。
いつものように買ったばかりのウォークマンを相棒にその日も夜の街を走っていた。
( ・∀・)(やっぱ夜に走るのはきもちーなー)
( *・∀・)(帰ったらアイ○ールドで見た腹筋のやつもやらなきゃな)
そんなことを考えながら折り返し地点に到着、心に沁み渡る(笑)音楽のおかげかあっという間に自宅周辺までたどり着いた。
61
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:44:14 ID:amtZrtY60
( ・∀・)「……ん?」
目の前に、電灯がたっていた。
道路なので、近くに数本 同様の電灯があり、田舎にしては比較的明るい方だろう。
問題は自分に最も近い電灯の、すぐ下にいる「何か」である。
電灯の下に立つということは、光を浴びているということ。
光を浴びたものは、その姿形、色、まして人なら顔までしっかり認識出来るはず。
それなのに、
( ;・∀・)「……まっくろ」
それは真っ黒な人型でくねくねと動いていた。
( ;・∀・)(ヤバいヤバいヤバい!!!)
彼は家まで全速力で走った。
走って走って走って、途中何度か後ろを振り返る。
(:;:;;:)
しかしどれだけ走っても、すぐ後ろにはそれが居た。
( ;∀;)(神様!神様!)
もう限界だと感じた彼が意を決して振り返る。
62
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:44:58 ID:amtZrtY60
( ;∀;)「あ、れ…?」
そこには誰も居なかった。
63
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:46:18 ID:amtZrtY60
( ・∀・)「っていうことがあってね!」
川д川「バ○プ厨二(笑)」
( ;・∀・)「そこはどーでもいい!!!」
川д川「はいはい」
( ・∀・)「あれはくねくねだったと思う」
川д川「真黒で人型っていったら、確かになぁ…」
( ・∀・)「で、ここがその電灯」
川д川「…当たり前だけど、ふっつーの電灯だね」
テクテクテクテク( ・∀・)「で、」
テクテクテクテク川д川
( ・∀・)「ここが確か、気づいたら居なくなってたとこ!」
川д川「……モララー見て、そっちじゃなくて、反対側。小さい鳥居があるよ」
( ・∀・)「…うそ」
川д川「ホント」
( ・∀・)
川д川
川д川「狐に化かされたんじゃ」
( ・∀・)「ソレイジョウ、イケナイ」
ちなみに彼の腹筋は今も綺麗に割れている。
64
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:47:12 ID:amtZrtY60
八十九本目おわり
(
)
i フッ
|_|
65
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:47:38 ID:X6QlBi56O
バンプ乙!
66
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:48:07 ID:USnqYIBQ0
これで寝られる
九十本目
.,、
(i,)
|_|
「 夢のようです」
67
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:48:28 ID:OIGuexd6O
投下乙!
面白かったよ
次行ってもいいかなー…
大丈夫ならやる
68
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:49:07 ID:amtZrtY60
>>65
伏せた意味ねぇええええwww
支援
69
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:49:08 ID:USnqYIBQ0
最近、妙な夢を見る。
まず俺は真っ暗な部屋のベッドに、仰向けに寝かされている。
両手両足を広げて。
目は見えるし、口も開けられる。
でも周りの様子を窺おうにも、何も動かせない。
顔も手も足も、何かで縛られてて。
ξ )ξ
しばらくすると人が入ってきて、俺に近付き、目を合わせてくる。
驚いた事に、彼女なんだよこれが。
で、彼女は懐から何かを取り出す。
70
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:49:21 ID:OIGuexd6O
あ、失礼した
支援
71
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:50:19 ID:USnqYIBQ0
包丁。
カーテンから漏れる月の光が反射して、妖しげな雰囲気を醸し出してる。
彼女は顔に満面の笑みを浮かべ。
ξ* ー )ξ
俺の右手首に包丁あてがって、力を込める。
何故だか痛みは感じない。
まあ、夢だからだろうが。
ごりごり、ざりざり。
冷たい何かが体に入り込むような、
吐き気を催すような感覚がゆっくりと伝わってくるだけだ。
右手が切り落とされると、今度は左手を切ってくる。
これも痛みを感じない。
不気味さだけがあるだけでな。
72
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:51:05 ID:X6QlBi56O
みんな凄い勢いで投下してるなー
wktkがとまらん
73
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:51:16 ID:USnqYIBQ0
それで、両手を切り落とした後なんだが。
どうするのかと思ったら、また体のどこかにあててきたんだよ、血塗れの包丁を。
どこかってのは、ちょっと良く見えなかったから。
顔はまだ笑ってる。
満足げというか何というか。物凄い穏やかな表情なんだ。
そして、また彼女が力を込めると――。
* * *
_
( ゚∀゚)「――これで終わりだ」
('A`)「え? 終わり?」
_
( ゚∀゚)「中途半端ですまんけどな、いつもここで終わるんだよ」
('A`)「いつもって……何日見続けてんだ」
74
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:52:18 ID:USnqYIBQ0
_
( ゚∀゚)「あー、三日だな。今晩もあるとしたら……今日は四日目になるか」
('A`)「へー……彼女の様子はどうなんだよ」
_
( ゚∀゚)「あんまり変わんねーな。ただ」
('A`)「?」
_
( ゚∀゚)「しきりとくっついてくるんだよな。俺の手を握ってきたり、
首に巻いた汗拭き用のなタオルを、自分の首にも巻こうとしたり」
('A`)「このリア充め」
_
( ゚∀゚)「はははwwwお前も頑張れよ!」
* * *
_
( -∀-)「zzz……」
_
( -∀-)「……」
_
( -∀-)「!」
75
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:53:19 ID:USnqYIBQ0
真夜中。
いつもの感覚だ。
ベッドに仰向けになって、手足を縛られてて――。
_
( -∀-)「!」
ドアが開く音と、こちらに歩み寄る足音。
いい加減、この夢にも慣れてきた所だった。
見知らぬ人なら悪夢としてみていただろうが、彼女ならば幾分か恐怖は少なくなる。
_
( -∀゚)
片目を開いて確認。
ξ ⊿ )ξ
やっぱり彼女だ。暗くて良く見えないが、輪郭と雰囲気で十分わかる。
手に持っている包丁も、いつもの夢と変わりない。
76
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:54:16 ID:USnqYIBQ0
_
( -∀-)「……」
さあ、あとは時間が経つのを待つだけ。
夢が覚めるのを待つだけだ。
もう一度片目を開ける。
彼女が包丁を、俺の右手に当てる所だった。
また、目を瞑る。
が。
ξ* ー )ξ
突然襲いかかってきた強烈な痛みによって、俺の両目は大きく見開かれる事となった。
.
77
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:54:26 ID:OIGuexd6O
支援
78
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:55:32 ID:X6QlBi56O
どうなるんだ…支援
79
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:55:36 ID:USnqYIBQ0
(
)
i フッ
|_|
九十本目
「正夢のようです」 終わり
おやすみなさい、あと十本か
みんな百まで頼ん
80
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:56:09 ID:HrtL28j.0
タイトルに納得
あと10本か……
81
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:56:32 ID:OIGuexd6O
う、うわぁぁぁ…(((;゜д゜))
82
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:56:45 ID:X6QlBi56O
そうゆうことか!!
してやられたとゆう感じw
おもしかった!
乙
83
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:57:30 ID:amtZrtY60
こえぇww
84
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:58:08 ID:OIGuexd6O
怖かったわ…
九十一本目いただきます!
('A`)不思議なアクアリウム?のようです
.,
(i,)
|_|
85
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:58:20 ID:1gtSSgHQ0
さ ぁ 盛 り 上 が っ て ま い り まs
86
:
名も無きAAのようです
:2012/08/19(日) 23:58:51 ID:amtZrtY60
支援しえん
87
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:00:33 ID:Q7ucvMh6O
小さい頃から俺は不思議なものを見てきた
それはとても綺麗で、俺は一度も怖いと思ったことはなかった
('A`) (あ、まただ)
今日も、家に帰る途中に「それ」を見た
たまたま俺を追い越していった車の中が、キラキラ輝く水と色とりどりの魚で満たされているのを
(*'A`) (綺麗だなぁ)
(*'A`) (こんなに綺麗なのに、みんな見れないなんて損してるよなぁ)
車があっという間に去ってしまったのが惜しい
本当はじっくり見たかったのだが
…とはいえ、この不思議なアクアリウムは夏になるとわりとよく見ることができるから、また近いうちに見れるはずであった
88
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:01:32 ID:.vz/DdAUO
ふむ…支援
89
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:01:53 ID:Q7ucvMh6O
そんなある日のことだった
(;'A`)「ふぃー…疲れた…」
バイトを終えて、ついでに寄ったコンビニで俺は久々に高校の同級生と再会した
( ^ω^)「おっおっ、ドクオ!久しぶりだお!」
(*'∀`)「おお、ブーンじゃん!」
本当に久々だった
しばらく立ち話していたが、あまりにも外が暑いので久々に飯でも食いに行こう、という話になった
('A`)「どこ行こうか?」
(*^ω^)「ふっふっふっ…実は高校卒業してから免許を取得したんだお!」
( ^ω^)「運転は任せるんだお!」
そう言ったブーンが指差した先には、軽自動車があった
90
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:03:25 ID:Q7ucvMh6O
その車内は、透き通った水と鮮やかな色をした、たくさんの魚がいた
(*'A`) (いいなぁ、ブーンの車)
( ^ω^)「ドクオ、どうかしたかお?」
('A`)「あ、いやなんでもない」
('∀`)「それより早く乗ろうぜ、飯はどこでもいいからさ」
( ^ω^)「わかったおー」
中から見たアクアリウムは、素晴らしかった
視界いっぱいに広がる透明みたいな碧
その中を悠然と泳ぐ魚
魚の大きさや色、見た目は様々だ
夕焼け色の尾ひれを持つもの
ピンク色の目を複数持つもの
朝靄のような白いもの(これはしばらくするとすぅ、と溶け消えてしまった)
陶器のようにつるつるした輝きを持つ手足の生えたもの
どれも現実にはない
不思議で、素敵なアクアリウム
俺はすっかりそれに見とれてしまっていた
( ^ω^)「ドクオ、どうかしたんかお?」
('A`)「あ、ああ…なんでもない」
( ^ω^)「ならよかったお!車酔いしてないか心配だったんだお」
('A`)「あー考え事してただけなんだ、悪かったな」
( ^ω^)「大丈夫だおー」
( ^ω^)「そういえばドクオはお盆に田舎帰ったりしないのかお?」
91
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:05:19 ID:Q7ucvMh6O
(;'A`)「……今年はバイト入ってるからなぁ」
嘘だ
本当は同い年の親戚が大学生ばかりで、フリーターの俺は絶対浮くから行きたくないだけだ
ありがたいことにブーンはそれを信じてくれたらしい
( ^ω^)「それは残念だお」
('A`)「ブーンは帰るのか?」
(*^ω^)「久々に帰るおー」
(*^ω^)「免許取り立てだけどがんばって行ってくるお!」
('A`)「おう、事故しないようにな」
( ^ω^)「もちろんだお!」
笑いながらブーンはそう言った
……まさか、死ぬなんて俺は思っていなかったのだ
スピードの出し過ぎで、カーブを曲がり切れなかったそうだ
それで、崖を落ちていって
海の中に
( A )「…………」
あのアクアリウムは……
92
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:06:19 ID:Q7ucvMh6O
(
)
i フッ
|_|
九十一話はこれにてお終い
93
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:07:32 ID:qLLQhYOA0
乙!
九十二本目いっていいかな?
.,、
(i,)
|_|
94
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:08:33 ID:qLLQhYOA0
さっきのミスが痛い…<バ○プ
気をつけます
最初地の文多いですごめんね!
「パパ、おにいちゃん まって」
95
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:08:51 ID:FbC6w4w60
乙。
91話“は”?w
まだあるのかw楽しみだ
96
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:09:08 ID:DFXEkxXoO
乙、そして支援
スレ立てて投下してきます
.,、
(i,)
|_|
('A`)実体験のようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1345388849/
97
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:09:24 ID:.vz/DdAUO
乙!
つまり知らず知らず予知していたってことか…?
98
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:09:59 ID:qLLQhYOA0
これは去年の夏、夏休みを利用して実家に帰省した。
その際バイトとして一ヶ月だけお世話になった、地元ホテル内にある遊泳施設での話。
川;д川「ふぃー」
このホテルのプールは、お盆になると本当に人が多い。
この施設担当のお偉いお兄さん方からは
爪;'ー`)「まじでお盆は忙しいから!みんな気抜かんで頑張ってな!」
と言われていたので覚悟はしていたが、まさかここまでとは予想していなかった。
川д川(お盆くらい田舎に帰れよ…そしてじじばばに顔見せに行け…)
と心の中で毒づきながらも、比較的楽なポジションに居たため、忙しい人たちの手助け(主にお客の誘導、整列)をしながら
キラキラ光る水面を見たり、巨大扇風機の風に当たってみたりしていた。
私の今のポジションはボートスライダーA。
この施設にはプール、流れるプール、子ども用プール、外にジャグジー、そしてスライダーが四本ある。
スライダーは基本的にボートと呼ばれる浮輪に乗って流れる、という形式のもので、一人用と二人用がある。
四本の内、A、B、Cはこれに該当する。
Aは初心者向けの短いコース、BはAより長い、CはBと長さは然程変わらないが、チューブが真黒なので臨場感があってBよりも楽しめる。
といった具合だ。
そしてスライダーD。これはボディースライダーで、まぁ慣れ親しんだ単身乗り込みその身一つで滑っていくという、例のあれである。
Aは最初こそ混雑するが、お客さんは慣れると皆B、Cの方へ行ってしまうので、あとは楽になる。
99
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:10:39 ID:qLLQhYOA0
川д川(Aにはくるな〜Aにはくるな〜)
私は念を送る。
なるべく、今は平穏を送りたい。
お昼ご飯を食べたばかりの身体に休息を!御慈悲を!
表情には出さないが、そうしてB、C、Dへと向かうお客さんににこやかに手を振った。
無邪気な子どもが何度も手を振り返してくるのが可愛い。
もう一つ、説明しておかねばならないことがある。
まずスライダーはある程度の高さから滑りおりるものだ。
そのためには、一旦高いところに上らねばならない、というのは皆さんもお分かり頂けるだろう。
スライダーの構造を説明させていただきたい。
階段あがってまず二階、ここがスライダーA、私の現在地である。
次に三階、ここにスライダーB。
そして三階から枝分かれして更に上にあるのが、スライダーC。そしてボディースライダーである。
そして各窓口から流されたお客様方々は一階着水プールへ……
つまりBCDのお客様を、私はにこやかに見送る義務があるのだ。
なのでサボっている訳ではない。
断じてない。
100
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:11:11 ID:Q7ucvMh6O
>>97
水難事故が起きる車の予知ですかね
ちょっとオチが弱かったので次は気をつけよう…
101
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:11:23 ID:qLLQhYOA0
そうして義務を果たしている時に、ふと私の目に留まったのは
(`・ω・´)(´・ω・`)*(‘‘)*
この親子の姿だった。
(`・ω・´) しっかりしたお父さんと
(´・ω・`) よく似た息子
*(‘‘)* そして赤い水着の、小さな女の子
102
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:12:19 ID:SodIsl22O
スレ立て系は、
投下が終了した時に2桁代の蝋燭が残ってるか心配になるな
103
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:12:23 ID:qLLQhYOA0
川д川「あれぇ〜」
ボートを持っていないからスライダーD(ボディー)のお客さんであることが分かる。
けれど女の子は、…まずスライダーの身長制限さえクリアしてないんじゃないだろうか。
川д川「いちお、無線で連絡するか」
川д川「A、山村です チェック聞こえますか?」
<チェックです、なにー?
川д川「何か、今ボディー行こうとしてる赤い水着の女の子、身長明らかに足りてないんですよー」
<マジで?
川д川「めっちゃ小っちゃいです」
<分かったチェックしとく
川д川「はーい」
川д川「よし、これでいいじゃろ」
連絡し終えた頃には、お客さんがスライダーAに流れ込んできた。
川д川(5、6組くらいかな…)
さて、不安そうな親子をどう楽しませようか……
104
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:13:22 ID:qLLQhYOA0
川д川「うおーーーーい」
先ほどのお客さんたちは一旦滑ってみるとやはり何てことなかったみたいで、BCコースに行きながら
「おねーさんの言う通り、一回いっちゃうと全然怖くなかった!ありがとねー!」
なーんて言いながらにこにこ上に登っていく。
つまりまた暇になった。
川д川「…そろそろおしゃべりの相手が欲しい」
せめてお客さんの列の整頓くらい、と思い三階にあがるが、上もそんなにお客はいなかった。
一人寂しく二階に居るしかない。
そうして拗ねていると、再びあの親子の姿が目に入った。
(`・ω・´)(´・ω・`)*(‘‘)*
上までこっそり追いかけていくとボディースライダーで順番待ちをしていた。
川д川(さっきの子、身長足りてた…のかな?それとも親がそっちのミスだって言って特別に…ってやつ?)
川;д川(やっべ、身長足りてたんなら、あとで怒られるかな…?)
そう思うと落ち込んだので、着水プールを眺めながら、お客さんの様子をうかがう事にした。
105
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:13:56 ID:.vz/DdAUO
>>94
伏せ字すまぬ…
突っ込んでしまった
そして支援!
106
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:14:06 ID:qLLQhYOA0
まず、息子の(´・ω・`)がおりてくる。
間隔を置いてお父さん(`・ω・´)
そして…
バシャーン!( ><)
川д川「……え?」
いやいや、ちゃうねん、次はこの子やろ*(‘‘)*
赤い水着の可愛い女の子やろ。
しかし、次も、その次も女の子は流れてこない。
川;д川「おっかしいな〜」
そう思いつつも、いい加減着水プール側から離れないとサボりになりそうだと思い持ち場に戻る。
そして階段を見るとまたあの親子が立っていた。
107
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:16:12 ID:qLLQhYOA0
>>105
違うんです初っ端でモララーに思いっきり伏せナシで喋らせてたからww つっこんでもらってよかったですありがとう!ww
108
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:17:01 ID:qLLQhYOA0
(*`・ω・´*)(*´・ω・`*)*(*‘‘*)*
親子は楽しそうに会話をしていた。
(*`・ω・´*)「ショボン、どうだ!少しは慣れたか?」
(*´・ω・`*)「楽しいね、父さん。すっかり慣れたよ」
しかし女の子は会話に入らずニコニコしている。
それだけなら、まだあまり会話の出来ない、幼い少女なのだから、で終われたかも知れない。
先ほどは滑らずに、上で父たちを待っていたと思えたかもしれない・
私も見なければいいものを。
109
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:18:32 ID:qLLQhYOA0
川;д川「…………」
その後、何度も上がってくる親子を注意深く見て見たのだが
何度確認しても、女の子にだけ「影」がなかった。
110
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:20:09 ID:TvCVidH60
わーお
111
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:20:11 ID:qLLQhYOA0
その後も、半月の間はバイトを続けたのだが、その女の子を見たのはその日だけだった。
九十二本目終わり
(
)
i フッ
|_|
自分の話は全て実話なので、ちょっと家の中確認してきます
塩は場合によっては撒くそうです
前スレでコメント下さった方々ありがとう
Tさん的家系なので、まぁ大丈夫と思います
スレ汚しすみません
次も期待
112
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:20:59 ID:5Hzcst0A0
蝋燭少なくなってきたな…
113
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:21:46 ID:qLLQhYOA0
>>109
見て見た× 見てみた○
何度もすみません
114
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:22:37 ID:.vz/DdAUO
乙!
実話こぇぇw
寺生まれの
>>111
さんw
115
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:24:44 ID:FbC6w4w60
.,、
(i,)
|_|
93本目いきます。
( ´_ゝ`)アトリエの弟、のようです
116
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:24:51 ID:HGntewWI0
実話なのか…!こええ
117
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:26:03 ID:FbC6w4w60
薄暗い小部屋にカチコチと時計が響く。
時にシャッシャと鉛筆が動く音や机に置いてカラカラと転がったりする音がする。
一人の男がモゾモゾと小部屋のソファーで毛布を被りながら話し出す。
( ´_ゝ`)「おはよう弟者」
おはようと弟者は答える。
次に弟者は具合が悪くないか尋ねる。男は数ヶ月前にバイクの事故で頭を打ち脳出血で手術するまで至ったのだ。
( ´_ゝ`)「平気だよ」
本当かと弟者は聞き返す。不安な顔を浮かべた弟者を心配して兄である男はキャンバスの前に座る弟者に近づき、手で弟者の口角を無理矢理上げさせて答える。
118
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:27:21 ID:FbC6w4w60
( *´_ゝ`)「そんな顔したらせっかくの俺似の男前が廃るぞ。俺は大丈夫だからさ、笑っとけ、笑っとけ」
弟者はそうか、と満足そうに微笑を浮かべた。
( ´_ゝ`)「本当に弟者は絵が上手いなぁ。弟者の絵柄俺は好きだなぁ」
弟者はありがとうと照れ臭く笑いながら言う。
絵筆を水につける時にチャプチャプと音を立てる。
( ´_ゝ`)「趣味なのが惜しいなぁ」
周りにある真っ二つのキャンバスを見ながら男は答えた。
真っ二つのキャンバスはすべて出来が気に食わなかった弟者が左右に力を込め苛立ちを発散するために折られたものだ。
休日は二人で薄暗いアトリエで弟者は絵を描き男はその様子をぼんやり見ている。時々男はその途中で寝てしまい弟者がソファーに寝せる。
119
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:28:20 ID:FbC6w4w60
弟者が完成。と溜息をつきながら筆を置いた。男はソファーから飛び起きてその絵を見に行く。
( ´_ゝ`)「綺麗な人」
流れるような黒髪、豊満な胸、キリッとしたつり目、そして、紅い唇。
( ´_ゝ`)「モデルはいるの?」
彼女。とだけ弟者は言う。
(* ´_ゝ`)「彼女に見せてあげなよ、喜ぶよ、きっと」
明日会うし、見せようかな。弟者は言う。
( ´_ゝ`)「綺麗な人だねぇ」
いつか、本物に会わせてあげるから。弟者は言う。
( ´_ゝ`)「楽しみ」
とだけ男は返す。
120
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:28:44 ID:.vz/DdAUO
支援!
121
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:28:47 ID:Q7ucvMh6O
まさかの実話…
122
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:29:35 ID:FbC6w4w60
日曜日が終わり月曜日。アトリエに居たはずの男は自身のベッドで目覚める。
( ´_ゝ`)「またアトリエで寝ちゃったのか」
起き上がって洗面所に行く。
おはよう。と歯を磨く弟者は言う。
( ´_ゝ`)「おはよう」
と髪を梳かしながら男は答える。
123
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:30:35 ID:FbC6w4w60
( ´_ゝ`)「昨日ベッドまで運んでくれて、ありがとう」
どういたしまして。と弟者は答える。
髪のセットを終えて立ち去る男に弟者は待つよう言った。
不審がる男の髪に櫛を当てながら弟者は寝癖。と言う。
( ´_ゝ`)「あー、ゴメン。寝ぼけてるのかな、俺」
弟者は笑いながら洗顔、落としきれてない。とタオルを男の左頬に当てる。
124
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:30:50 ID:HGntewWI0
不思議なふんいき
支援
125
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:31:24 ID:FbC6w4w60
入院明け最初の出勤、頑張ってと弟者は見送る。
( ´_ゝ`)「お前ももうすぐで出勤時間だろう」
仕事場がより遠い男は弟者より先に出勤した。
126
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:32:20 ID:qLLQhYOA0
しえん
127
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:33:04 ID:FbC6w4w60
( ・∀・)「無理すんなよ」
( ´_ゝ`)「頑張ります」
男は上司に挨拶を終えて席に座る。さて、一仕事…と思ったところで上司に呼ばれる。
( ・∀・)「早速で悪いが新しいプロジェクトに関しての会議だ」
( ;´_ゝ`)「はーい…」
面倒くさそうに歩いた男はゴミ箱に躓く。
(;´_ゝ`)「おっとっと…」
倒れかけた体を自身の右足でなんとか支える。
(; ・∀・)「本当に大丈夫かー?」
(; ´_ゝ`)「あははー…」
乾いた笑いをする他無かった。
128
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:35:31 ID:.vz/DdAUO
気になる…支援
129
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:36:13 ID:FbC6w4w60
会議室左端の席に座る男の隣りには上司が座った。
( ・∀・)「久しぶりで感覚鈍ってる?しっかりね」
( ´_ゝ`)「はい!」
眠気覚ましに男はコーヒーを一口飲んだ。
( ;・∀・)「ちょっ、君のはあっち!」
男は左を向く。
確かにコップ並々のコーヒーがあった。
男はついうっかり右側にいる上司のコーヒーを飲んでしまったようだ。
(; ´_ゝ`)「…お取り替えします」
( ;・∀・)「んー、まあ、気にしないけどさ、どうしたの?上の空な感じ?後遺症とか?」
( ´_ゝ`)「寝ぼけてるだけかと思うんですけどねぇ」
( ・∀・)「恋の病。とか?」
上司はニヤリと笑った時にプロジェクトメンバーが集まり、会議が始まった。
( ´_ゝ`)o0(恋ね…)
ふと弟者の彼女が頭に浮かんだ。
130
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:38:24 ID:FbC6w4w60
ーーー
時計がAM2時を指す。
( ´_ゝ`)「弟者が帰って来ないなぁ」
男はダイニングでボンヤリと待つ。冷めた料理にラップをする。
二人で過ごすには広過ぎる家だが両親は姉夫婦と同居。妹も県外の大学で離れ離れ。
( ´_ゝ`)「今日は俺が料理係なのになぁ」
お腹いっぱいで男はウトウトする。
131
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:40:09 ID:FbC6w4w60
( ´_ゝ`)「あっ…」
男がちょっと目を瞑るはずが3時間。時計はAM5時を指す。
目の前にあるラップが捲られた皿々、男の肩に掛けられた毛布が弟者の帰りを知らせていた。
( ´_ゝ`)「弟者…?」
しかし、弟者はいつもなら男をベッドまで運んでくれる。なのに今日は無い。男は不審になり階段へ向かう。
上への階段は暗いが地下への階段は豆電球が光ってた。
( ´_ゝ`)「アトリエ?」
アトリエは地下にある。そこが光っているなら弟者はそこにいることになる。
132
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:40:58 ID:FbC6w4w60
ギシギシと階段を降りる。
扉を開けると見慣れた薄暗い空間に弟者は、いた。
扉に背を向け、弟者は絵を描く。男は弟者の背中に尋ねた。
( ´_ゝ`)「珍しいね、深夜の平日にここ来るの」
弟者は答えない。筆を乱暴に扱う音だけ響く。
男は筆の乱暴さがキャンバスを割る弟者を思い出させて嫌になる。
男は弟者の背中に近づく。
133
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:43:38 ID:FbC6w4w60
( ´_ゝ`)「なーに描いてるの?」
男が弟者のキャンバスを覗き込む。
それでも弟者は
昨夜の彼女の絵をぐしゃぐしゃに赤い絵の具で塗り潰す。
( ;´_ゝ`)「?!なにやってんだよ!勿体無いじゃん!」
咄嗟に弟者の筆を持つ右腕を男は右手で止める。
男はハネた絵の具が弟者の身体中にまで付いていたことに気付き、その荒々しさに息を飲む。
「なあ、兄者」
134
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:45:07 ID:FbC6w4w60
弟者は男を呼ぶ。
「俺は兄者に似てかっこいいよな?」
(; ´_ゝ`)「は…?」
「そう言ってくれたよな?な?!」
( ´_ゝ`)「うん。言った」
「今も…変わらないよな?俺は兄者に似て男前だよな?」
椅子から弟者は立ち上がる。男の、兄者の肩を掴み揺さぶりながら問う。
( ´_ゝ`)「……ああ、お前は俺に似て男前だ。今も、昔も、これからもだ」
兄は弟の右の頬を右手で優しく包む。
「そっか…」
135
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:46:08 ID:FbC6w4w60
( ´_ゝ`)「うん」
涙をつぅっと流す弟を見てられなくてやっぱり兄は右手の人差し指で弟の右頬の涙をすくう。
「ねぇ、兄者、逃げちゃおうよ」
( ´_ゝ`)「逃げる?」
「彼女、最低なんだ。兄者が褒めてくれた絵を気持ち悪いなんて言うんだ」
( ´_ゝ`)「まあ、感性は一人一人違うけど言い方がキツイかもな」
「だからさ」
「一緒に逃げちゃおうよ」
....
136
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:46:29 ID:5Hzcst0A0
なにこれ不穏
支援
137
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:47:32 ID:Q7ucvMh6O
なんだろう、緩やかにこわい
138
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:48:13 ID:FbC6w4w60
ーーー
(,,゚Д゚) 「こりゃ酷いな」
ベテラン刑事が呟く。
(-@∀@;)「うぷっ」
メガネの刑事は余りの悲惨さに吐き気を催す。
高層マンションの一部屋で女の変死体が見つかった。
(,,゚Д゚) 「ホトケさんの身元洗ったか?」
(-@∀@)「はい!えっと、素直クールさん27歳、
死亡推定時刻は昨夜3時頃、
死因は失血死。
被害は体の左側に大量の刺し傷…右側は全くの無傷…職業は薬品関係のようです」
(,,゚Д゚) 「あー、
だからこの部屋の厳重な鍵付きの棚には厳重な耐震補強。
そして中身は危なそうな薬品…か。
死亡時に手にしてた空の酸のボトルの使い道は?
犯人像の特定は?」
139
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:49:30 ID:FbC6w4w60
(-@∀@)「室内の荒れ方からみるとリビングで攻撃を受け、
必死で薬品室に逃げ…
犯人撃退のために酸を犯人に掛けた。
って感じですね。
状況から見ると犯人の顔にかけたと思われ、
飛散状態から犯人は170cm以上…
おそらく男性でしょうか、
該当する交際相手も見つかりました」
(,,゚Д゚) 「じゃあなんだ、
ホシは酸が顔にかかったあと帰ったのか。
爛れたまぶたで前が見えるのか?」
(-@∀@;)「あ、言い忘れてました!
飛散状況から酸は犯人の顔の左側にかかったと推測されます!」
(,,゚Д゚) 「右目だけは見えてたのか…しかし、そんな顔でこの短時間で追えないほど逃げられるのか?
…共犯か…?」
140
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:50:30 ID:FbC6w4w60
(-@∀@;)「しかし、彼女の交遊関係は狭く、部屋に入れるような間柄は交際相手のみと…」
(,,゚Д゚) 「深夜に友達を紹介するってのもおかしいよな」
(-@∀@;)「近隣もマンションの防音効果と時間が仇となり参考になる情報は…」
ミセ*゚ー゚)リ「ギコさん、こんな情報が…」
141
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:53:01 ID:FbC6w4w60
(,,゚Д゚) 「ミセリ、なんだ」
ミセ*゚ー゚;)リ「共犯かは不明ですが、
容疑者の双子の兄が…
数ヶ月前のバイク事故で半側空間無視…
正確には左側空間無視により左側の視覚を失認しています!」
(,,゚Д゚) 「?」
(-@∀@;)「……!」
(,,゚Д゚) 「何か知っているのか!」
142
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:54:39 ID:FbC6w4w60
(-@∀@)「半側空間無視、英語でならHemispatial neglectとも言われ大脳半球の障害によって、障害された大脳半球の対側からの刺激が認識できなくなってしまう症状です」
(,,゚Д゚;) 「??」
(-@∀@;)「おそらく容疑者の双子の兄は数ヶ月前のバイク事故による右脳の障害で左側の視覚を失認しています!」
(,,゚Д゚;) 「は?普通、左側だけ見えてなかったらおかしいと思わないのか?」
(-@∀@)「この場合、人は見えない部分を記憶や経験で補うのでおかしいとは思わないんです。無意識。だからneglectなんです」
143
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:55:33 ID:FbC6w4w60
(,, д ) 「おい…待て、じゃあその双子の兄貴は…」
(-@∀@;)「何も知らないで殺人犯と共に逃走中の可能性が…?!」
ミセ*゚ー゚;)リ「い、急いで手配を取ります!」
...
144
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:56:30 ID:FbC6w4w60
ーーー
(,,゚Д゚) 「ここが容疑者のアトリエか…」
(-@∀@)「この絵…」
二人の刑事はキャンバスの絵を見る。
キャンバスの絵は赤い絵の具で塗り潰された、綺麗な女性の右半身のみが描かれた胸像だった。
145
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:57:35 ID:Q7ucvMh6O
これは面白くなってきた
146
:
名も無きAAのようです
:2012/08/20(月) 00:57:50 ID:FbC6w4w60
93本目終わり
(
)
i フッ
|_|
実話じゃないですが
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