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投下用SS一時置き場

889闇の誘い −Inter mission− 14/15:2006/10/17(火) 03:10:55 ID:lOarr2Mc


 ―― 鍵は ―― 揃って ― いる ―― は ― ずだ ――

その思考を断末魔にネクロスの頭部はトマトのように握りつぶされた。



ネメシスが離宮へと駆けつけた時、そこには全てを終えたハーゴンが立っているだけだった。
「ハーゴン様! 一体なにごとです?」
「何、復活を間近に向かえて破壊神が寝返りをうったのよ。その程度の魔力の暴走だ」
完全に破壊された回廊を見て、ネメシスは戦慄を覚える。
(未だ復活ならない現状で、ここまでの破壊を引き起こしたというのですか!)
「心配はいらぬ。ネクロスがちゃんと己の仕事を果たしたのでな。こういったことはもう起こるまいよ」
「ネクロスが?」
それを聞いてネメシスは安堵する。
自分の説得が効いたのか、かなり張り切っているようだ。ネクロスに任せておけば心配は無いだろう。
今は少し情緒不安定なようだったが元々実力は飛び抜けているのだから。
そして遅れてハーゴンがネクロスの名を呼んだことに気付いた。
(フフフ……なんだ、結局ネクロスの杞憂でしたね。後でこのことを話して安心させてあげましょう。
 ハーゴン様はきちんと我らを見てくれているのだと)
ハーゴンの鮮血に染まったローブについてはネメシスは気にしなかった。
邪教の儀式には血を使ったものも多く、今回のそれも破壊神復活の儀式に際してのことと勝手に解釈したからである。
だからこれから儀式を執り行うハーゴンが血染めのローブを纏っていてもなんら不思議に思わなかった。
「だが、このことでネクロスは放送を任せることができなくなったのでな。次の放送はお前がやれ」
「は、はい!」
ハーゴンの声でネメシスは我に返り、慌てて敬礼をした。
(放送も出来ないほど余裕の無い任務なのね。休む間もなく大丈夫でしょうか?)
だが本当に余裕が無くなるようなら自分を頼ってくるだろう。
(ネクロスが私を頼る……ウフフ)
その場面を想像してネメシスは浮かれた。
そんな楽観的な思考を終えて身を起こすと、ハーゴンは既に回廊の奥へと姿を消すところだった。




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