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投下用SS一時置き場

1 名無しさん :2006/05/10(水) 23:41:46 ID:OKj1YCQ2
規制にあって代理投下を依頼したい場合や
問題ありそうな作品を試験的に投下する場所です。

2 予約 :2006/05/12(金) 23:13:40 ID:.d39Atd6
ピンポンパンポ〜ン♪ 
 え〜、住人の皆様にお知らせです。
 そろそろ1回目の放送を流したいと思っております。
 放送前に書きたい事などがあれば、
  キャラのご予約をお願いします。
 来る5月15日00:00:00 までに予約されたキャラの出番後、放送したいと思っております。

なお、禁止地域に関しましては、2回目に譲るか、PKの集まっている町と城に追い詰める感じで動きます。
最初は誰もいない01の縦ライン全域と某武器商人あたり一つと思っています。
 
 それでは皆様の、より一層のご活躍をお祈りしております。
    ピンボンパンッボ〜ン♪

3 意見を聞かせてください。 :2006/05/12(金) 23:16:17 ID:.d39Atd6
本すれに投稿しても良いやら、、、悪いやら・・・。

4 名無しさん :2006/05/12(金) 23:17:57 ID:bSSa.D42
朝から殆ど時間が進んでいない人がいるのと
確実に放送前に始末つけなきゃいけない(アリアハン&レーべ)ところがあるので
もう少し時間を頂きたいとおもうのですが、どうでしょうか?

禁止区域に関しては概ねそれでいいと思います

5 名無しさん :2006/05/12(金) 23:18:53 ID:MaN7btcM
放送の知らせは本スレに投稿しておいたほうが良いと思いますよ。
此処よりは本スレ見てる人のほうが多そうだし。
書き手さんも読み手さんも。

6 意見を聞かせてください。 :2006/05/12(金) 23:21:33 ID:.d39Atd6
4さん5さん、了解です。

では、締め切り(嫌な響きだ・・)7日増やして見て、レスしてきます^^;

7 名無しさん :2006/05/12(金) 23:36:55 ID:T55Jti/U
放送を考えるのはまだ早いと思うが
一歩譲って放送には同意しても今月一杯は待ってもらいたいものだ

8 意見を聞かせてください。 :2006/05/12(金) 23:36:56 ID:.d39Atd6
ああ、誰が書いたかバレバレじゃないか;;

9 名無しさん :2006/05/12(金) 23:38:56 ID:MaN7btcM
最近スレ内で動きがないから良い刺激になると思ったんだけどな。放送告知。

10 意見を聞かせてください。 :2006/05/12(金) 23:48:27 ID:.d39Atd6
了解。書き手さん第一ですから。
ついつい放送の内容だけ浮かんでしまったので・・・。

もっと延ばしたい人がいるかもしれませんから、2.3日待って見ます。
6月15日以降が良いという人がいたら、キャンセルします。

11 名無しさん :2006/05/12(金) 23:50:09 ID:.d39Atd6
刺激にはなったと思いますよ。
その結果、もっと長くないと書けないと考えたんじゃないかな?

12 名無しさん :2006/05/13(土) 01:11:07 ID:d7Iae2Nw
一つ禁止エリアで質問だが、真ん中の湖周辺を封鎖すると、
ナジミの塔からレーベ南への地下洞窟も禁止になるのか?
それとも地下は管轄外か?
それだと閉じ込められる可能性が増えるな

13 名無しさん :2006/05/13(土) 09:53:17 ID:DKRwJfJ6
ファンコン版の攻略本を見る限りでは、
ナジミの搭から、レーべの南の洞窟はE−3からE−2にかけて広がっているように思います。
なので、今回は閉じ込められない。

閉じ込めたとしても、キャラが元気なら、遠泳で泳いだり、凍らせて渡る・アイテムを使う(天馬・風のマント)等の方法がありそうですね。
まあ、閉じ込めても、それはそれで面白そうです。

14 名無しさん :2006/05/13(土) 10:05:34 ID:DKRwJfJ6
>13
ファミコン版です

15 ためしがき :2006/05/14(日) 14:54:53 ID:8F.3I09o
 >29
ピンポンパンポ〜ン♪
 この板の住民の皆様方にお知らせです。
   >29にて、ご意見を伺ったところ、書きたい物がある為もう少し時間が欲しいとのご要望が、避難所にてありました。
 「6月11日までに予約されたキャラ」の出番後、「1回目(バトルロワイヤル一日目夕方夜18時)の放送」を予定しております。
 1回目&現時点でキャラがあまり分散していないことを鑑み、01(A〜F)縦ライン全域と、真ん中の【C−3】を禁止予定です。
ご意見、ご要望等ございましたら、お知らせ下さい。
 
 ピンポンパンポ〜ン、ピンポンパンボッ〜ン♪

16 祈り :2006/05/16(火) 01:46:12 ID:riYRUiNQ
 頭が重い。

(「・・・う。」)
目を開けるが何も見えない。伏せて倒れているらしい。頭に重みを感じながら、なんとか立ちあがる。
立ち上がっても、体に、ねっとりと絡みつくような薄暗さ。
(「ここは?」)

「ようこそ、選ばれし者よ。」
 いきなり声がかけられ、顔をあげる。 
彼の数歩先には悪魔神官と呼ばれた化け物、奥の壇上には・・・。
(「ハーゴン!」)
「祝ってやろう。貴様が、かの地で死んだ一人目だ。」
(「なにを!なんだ?・・・声が出せない!」)
思わず首に手をやると、金属の輪がはまっている。

冷たい首輪の感触。それに触発される様に、ここまでの記憶が思いだされた。
 どこかの城内で、子供から、呪われている剣を取り上げようとしたが、抵抗され刺されてしまった。
 侮っていた。油断していた。
だが、今は、言い訳よりも、大事なことがある。
 元凶ハーゴンを見据える。

 「さすが、選ばれし、意思の強き魂よ。我らが破壊神の生贄にふさわしい。」
 ハーゴンは邪悪な笑みを浮かべながら、悪魔神官に目で合図を送る。
悪魔神官は一つうなずくと勇者の正面に立つ。
 「こんにちわ。」ハーゴンとは対照的な高い声が頭に響く。
(「ふざけやがって。」)
 思わず、手で払いのけようとするが、悪魔神官の体を透り抜けてしまう。
ハーゴンが癇に障る低い声で笑った。
(「ちくしょう!」)
 「可哀想に。あなたは無力。」

17 祈り2 :2006/05/16(火) 01:47:40 ID:riYRUiNQ
「ですが、絶大なる力を持つ破壊神をよみがえらせる偉大なる者の一人になれるのです。
  なんて、幸せなことでしょう!」
悪魔神官は恍惚の表情を浮かべ、彼の目を覗きこむ。
 ギッと睨みつけ、拳を爪が食いこむまで握り締める。
 「可哀想なあなたは、助けようとした少年に斬らた。
助けてもらえなかった可哀想な少年は何人もの人間を手にかけた。
そして、今も、可哀想な人罪無き々を殺しつづけている。
 さあ、これほど悲しい、可哀想なことがありましょうか!?
少年を倒しさえしていれば、罪なき人は死なず、少年も更に罪を重ねることは無かったでありましょうに!

 あなたのせいです。

 全て、可哀想な、あなたの・・・。」
(「違う!」)
顔を伏せると部屋の隅に転がっている女性の遺体が目に入った。
思わず、腰が引け、一歩下がる。

 高い声に合わせるように、首輪が赤く点滅しはじめる。
「すべては倒されてしまった、無力な、可哀想なあなたのせいなのです。」
 歌うように神官は言葉を紡ぐ。
 「可哀想なあなたの為に、我らが主が、もうすぐ来られます。
 心配はありません。
  かの神が、あなたに、救いの手を差し伸べましょう。
 悩むことも無く、苦しむことも無く、悲しむことも無い。
 あなたは、だた、なすこともなく受け入れればいい。」
(「なにもできないのか?」)
浮かんだのは、人に教える為に隅々まで余すことなく覚えた呪文。声にならない声で呪文を紡ぐ。

18 祈り3 :2006/05/16(火) 01:49:43 ID:riYRUiNQ

赤く怪しい光の点滅が激しくなり、首輪が上下にうごめき出す。
「絶望も恐怖も悪夢も恐怖も、全ての者の心の故郷。
可哀想なあなたがたは、みな、故郷へ帰っていくだけなのです。
 さあ、帰りましょう。
寂しくはありません、皆もすぐに帰ってきますよ。
 ほら、もう、うしろに。」
視線に釣られて後に目をやると、見覚えのある背格好の女性が倒れている。
((マリ・・・!))
 全身を赤い光が包む。
「そろそろ、お別れです。
さようなら。」

赤い怪しい光と共に陽炎のように姿が消えていく。
 叫んだ。 声無き声で。
(「マジャスティスー!」)

ハーゴンが笑った。

世界が夕闇に包まれはじめるころ、空に高らかに響き渡る鐘の音。
 教会内部に居ると錯覚してしまいそうな、澄んだ鐘の音が響き渡った後、
独特の癇に障る低い声が世界を覆う。
「諸君、無事で何よりだ。
これより、1回目の放送を行う。心して聞け。」

 説明時に聞いた高い声が空に流れ出す。
「皆様こんばんわ。」

19 祈り4 :2006/05/16(火) 01:51:09 ID:riYRUiNQ
「僭越ながら、ハーゴン様の代理として放送を行います。
 ハーゴン様より格別の思し召しとしまして、禁止エリアを多めに、設定いたしました。
 【A−02】【A−04】【A−06】【C−03】
 以上の地域は、これより3時間後の今夜21時から禁止となります。
 また、24時から【A−05】、朝3時から【A−01】、朝6時から【A−03】が禁止エリアになります。
お手数ですが各自、地図と照らし合わせてくださいませ。
行動範囲の狭まった分、きっと探しものが見つかることでしょう。
 さて、お亡くなりになられた可哀想な犠牲者の方々の名を読み上げます」
「アルス」
「」
「」<アイウエオ順に犠牲者を読み上げる。
名前を読みげる度に悲鳴やうめき声などが首輪を通して彼らに、放送を聞いてるものにも伝わっていく。
「すばらしい。
皆様、ご活躍ですね。
次の放送は、12時間後の朝6時に放送させていただくことになっております。
 おききのがしのないよう。
皆様の更なる御健闘をお祈り申し上げております。」

 くっくっくっ。

悪魔神官が喋っている間、低い声がBGMのように絶え間なく笑っているのが聞こえた。

 放送が終ると同時に、再び鐘の音が、響き渡った。

20 祈り5 :2006/05/16(火) 01:51:46 ID:riYRUiNQ
「ハーゴン様、放送終了いたしました。」
「ご苦労。」
「それにしても、死んだものの魂にまで及ぶ術があるとは、感嘆の極みです。」
「我らが破壊神に、より良い状態で生贄を捧げる為の単純な術だ。首輪をつけたまま死んだものにしか、効かぬしなぁ。」
 邪悪なもの同士が笑う。
「是非ともこの調子で活躍していただきたいものです。」
「無論。そのための禁止エリアだ。
今は良いが、人数が減れば、あやつらの事だ。結託するに決まっておる。
結託して良からぬことを考える者は、分断する。
結託したとしても、あやつらは全員が死ぬ事に耐えられぬわ。
みずから殺さずとも、24時間以内に誰かが自己犠牲になって死んでいく。
 果して、その絶望に耐えられるかな?」
ハーゴンは哄笑した。
 薄暗い邪神の像の目が一瞬、怪しく赤く光る。

魂の、声無き声、聞き届けたるものは、魔物か人か、それとも。

21 名無しさん :2006/05/16(火) 01:55:33 ID:CCi7uPt6
スマンが放送は省略せずに全員の名前と残り人数を読み上げてくれ
あと前半部分は蛇足に思える

22 ためしがき :2006/05/16(火) 02:07:13 ID:riYRUiNQ
 某勇者は一言も喋らないで終ったといわれてたのでツイツイ手がでてしまいました。
あちこちに犠牲者を夢で見たり、幻で見たりしてる人がいるようなので。
>死者レスにすれば良かったなぁ^^;

誤字と前半部分、残り人数は、削除して修正して、またコチラに書きに来ます(日にちがあるので)。

 放送する名前は、まだ、予約する人がいるかもしれない(新たに死亡者がでるかも)ので、今回は省略せさせていただきました。

23 ためしがき :2006/05/16(火) 02:34:50 ID:riYRUiNQ
何か他に、ご要望などがあれば、遠慮無く お願いします。

ちなみに、削除する前半部分は1から3の「ハーゴンが笑った。」まで、であってるかのな・・。

24 名無しさん :2006/05/16(火) 02:39:08 ID:Oo0/SVCk
そうだね
首輪の機能や死者の扱いなんかは
実際解除やシドー復活の段階までぼかした方が他の書き手に優しいと思うし

ともあれ乙

25 名無しさん :2006/05/16(火) 14:18:53 ID:WCH75ZnI
『破壊神に捧げる魂には絶望を与えねばならない』っていう
新しい設定に燃えました。けど放送とは別にしたほうが良いと思います。
でも首輪にそんな呪術が施してあるとは目から鱗でした。
ハーゴンたちも裏でこういう儀式してるんだなぁ…。

26 ためしがき :2006/05/16(火) 21:35:51 ID:D/mCUp2c
 了解しました。放送だけにして書きなおしてきます。 

 前半部分は本スレで削除するなので、喋りますが。
 ハーゴン達、ゲームが終る間なにしてるんだろうと思ったのが発端です。
 あと、あの空間は特技・呪文が効かない「はず」なので、私の中ではアルスの呪文は効果発揮しない想定でした。
でも、どんな場面になっても挫けないところを書きたかった。
 夜更けに一気に考えて書いたので、首輪が一匹のモンスターだったら面白いだろうなぁ等、
実はもっと変な事まで考えながら書いてました^^;

27 名無しさん :2006/05/16(火) 21:48:26 ID:0TIRwVjM
生き残った勇者達がハーゴンの神殿へ突入。
そこには不敵な笑みを浮かべるハーゴンと復活直前の破壊神。
そして破壊神の周りには永劫の苦しみを与えられ続ける死者達の魂が…

なんて展開だったら熱血100%でございます。

28 それでも、君を友と呼びたい 4/16 :2006/05/18(木) 00:08:39 ID:tsiLnR9I
「はあああああああっ!」
 まさしく疾風のごとく横合いから飛び込んできたのは赤毛の少女。
たっぷりと助走をつけた飛び蹴りに、たまらず魔物の身体が地に沈む。
「……すっげえ」
 思わず零れた言葉に少女――アリーナは振り返り、片目を瞑った。
「間に合ったみたいね。よかった、大丈夫?」
 小走りに駆け寄り、微笑んで、
「へ?」
 やおらキーファの手首をむんずと掴むと自分の首の前で束ねて、荷物のように背に担ぎ上げる。
「ちょっ、おい!」
「ごめんね、今は自己紹介してる余裕はないのよ」
 一体この小柄な身体の何処にこんな力が秘められているものか。
人一人担いでいるというのにその足取りは一向に乱れない。
「アリーナさん!」
 荷物を抱え速度の緩んだアリーナにようやく追いついたエイトが叫ぶ。

「ひとまず村へ。相手はあの巨体ですから狭い方が有利かと」
「分かったわ。……エイト、あいつのこと知ってるのよね?強い?」
「はい、かなり」
 エイトの知るベリアルはこれほど強大な力を持ってはいなかったが、それでも強力な魔物だった。
 それが更に力をつけ、デーモンスピアにメタルキングの槍まで抱えているのだ。弱いはずがない。

「奴は呪文も使います。彼を連れて何処かに身を隠していて下さい」
「うん。エイトは?」
「僕は」
 とん、と雷神の槍を地面に突き刺す。
それはブレーキの役目を果たし、エイトはベリアルに向き直った。
 気付かず駆け抜けるアリーナとの距離が見る間に広がっていく。

29 それでも、君を友と呼びたい 5/16 :2006/05/18(木) 00:09:12 ID:tsiLnR9I
「――食い止めます」
「エイト!」
「必ず後から行きますから」

 駆け戻りたい衝動を、口から飛び出しそうになる言葉をぐっと堪える。
どのみち怪我人がいては加勢どころか足手まといになることは目に見えているし、
折角助けた彼の身を危険に晒すことにもなりかねない。
「絶対よ!」
 だから、そう一言だけ言い残してアリーナは振り返ることなく走り出した。
少しでも早く、彼の邪魔にならない遠くへ。



 怒りに震える小山のような身体、血走った目がこちらを睨む。
だがその口はただひたすらに呪句を紡いでいた。
旅の途中、何度もゼシカが唱えていた聞き慣れた呪句。
 イオナズン。
エイトやアリーナはともかく、傷付いていた彼が喰らったら一たまりもないだろう。
(呪文は苦手なんだけどな)
 ゼシカやククールがいれば、と何度目になるか分からない溜め息が出るが、ぼやいたところでどうようもない。
此処に二人はいないのだから。
(僕がやらなくちゃ――いや、やるんだ)
 失敗は、即ち全員の死。
ベリアルの紡ぐ呪句に合わせてエイトもまた言葉を紡いだ。

「イオナ「マホトーン!」
 完成はほぼ同時。
異なる二つの魔力の行使にびりびりと空気が震え。
やがて一点に集束し、今にも爆発せんとばかりに膨れ上がっていた光球が萎み、四散した。

30 それでも、君を友と呼びたい 5/16 :2006/05/18(木) 00:09:48 ID:tsiLnR9I
「小僧!邪魔をするな!」
 ベリアルが怒りに任せて槍を振るうが、そこは見るからに巨体の魔物と、小柄な少年。
刃が届くその前に、エイトは構えを終えていた。
 ぐるりと刃を回転させ、一気に下から上へと薙ぎ払う。
生じた風の刃がベリアルに襲い掛かる。が、
「その程度の技が通用するとでも思ったか!」
 あまりに弱く、ベリアルの強靭な皮膚を切り裂くには到底足りない。

「思ってないさ」
 呟く。
そもそもエイトの狙いはベリアルではなく、その下――巨体が暴れ回ったことでえぐれ、露出した地面。
 風の刃が大地を穿ち、巻き上がった砂埃がたちまちエイトの姿を覆い隠す。
吹き付ける砂に思わずベリアルは目を閉じ、再び目を開いた時には無論エイトの姿は無かった。

「……小癪な真似を」
 呪文を封じられ、その上まんまと逃げ切られ。
あまりの屈辱にベリアルはぎりぎりと歯軋りをし、ふんと小さく息をつく。
「まあ、いい」
 少しばかり死期が延びただけのことだ。
あの小僧も、最初に邪魔をした小娘も、必ず喰らってくれよう。
 そしてベリアルもまた歩き出す。レーべの村へと。

31 それでも、君を友と呼びたい 7/16 :2006/05/18(木) 00:10:35 ID:tsiLnR9I
「やっぱり、そう簡単には諦めてはくれないみたいね」
 ずしん、ずしん、と徐々に近付いてくる地響きに、淑女にあるまじき舌打ちを一つして、アリーナは振り返る。
「彼の治療は、まだ?」
「どうにも呪文の効きが悪くて」
 一度回復呪文で無理やり閉じた傷だ。
治りにくいのは仕方の無いことだが、ベリアルが迫っているのだと言われればどうにも気が急き、
ろくろく集中しないまま唱えた呪文は満足な効果をもたらさない。
 悪循環。
一向に塞がらない傷に溜め息をつき、何度目になるか分からないベホマを唱えだすエイトをキーファは慌てて押し留めた。

「もう大丈夫だって!そう血も出てないし、動けるし」
「そういうわけにもいきませんよ。もし傷口から悪い風でも入ったらと思うと」
「とにかく!まだ礼も言って無かったよな?ありがとう、あんたたちのおかげで助かったよ。俺はキーファだ」
 深々と頭を下げる。
傷付き、薄汚れてはいてもその堂々たる様子に、エイトは思わず居住まいを正した。
「僕はエイトと申します。……あの、貴方はもしや高貴な身分の方なのでは?」
「あー、確かに王子だったよ。もう城を出たから元、だけど。
 ……俺、そんな偉そうかな?」
 ぼそりと呟き、困ったように頭を掻く。
その情けない仕草にアリーナは思わず噴き出した。

「エイトはお城の近衛隊長さんだそうだからその辺鼻が利くのよ。
 あたしはアリーナ。一応現役のサントハイム王女よ。よろしくね、キーファ」
「ああ、よろしくな。エイト、アリーナ」
「いえ、こちらこそ。王太子殿下とは知らずとんだご無礼を――」
「そういう口調禁止な、エイト」
「……」
「あたしの時と同じこと言われてるじゃない。駄目ね、エイト」
 くすくすと笑みを漏らすアリーナの笑いがぴたりと止まった。
声のトーンを落とし、笑みの代わりに低く囁く。

32 それでも、君を友と呼びたい 8/16 :2006/05/18(木) 00:11:07 ID:tsiLnR9I
「……来たみたい」
「そろそろ僕のマホトーンも切れる頃です。
 このまま隠れていたら村ごと焼き払われる恐れも」
「どうするんだ?」
「あっちが見逃してくれる気がないなら、戦うしかないでしょ?」

 手袋をはめ直し、その上から手甲を着ける。
拳を打ち合わせればぱしん、と小気味良い音。
「エイトはキーファの手当ての続きをお願い。今度はあたしが行くわ」
「そんな!姫君に――女性に、そんな危険なことをさせるわけには」
「そんなこと言っても、エイトもキーファも怪我人じゃない。
 あたしは大した怪我もしてないし、武道家だから相手の懐に飛び込んじゃえば向こうの呪文も封じられるし、槍だって届かない。
 一番適任だわ」
 正論でしょ?と返されてエイトは押し黙る。
自分と同じ得物を使う、力も体力も上の相手に万全でない状態で打ち合いを挑むことがどれほど馬鹿げたことかは分かりきっている。

「分かりました。……どうかお気を付けて」
「アリーナ!」
 戸口から飛び出しかけて、振り返る。
キーファの狂おしいほど真っ直ぐな目が彼女を見つめていた。
「死ぬなよ、絶対」
 それはとても短い言葉だったのに、ひどく重く響いた。
(もしかしてキーファの大事な人は、もう)
「勿論よ」
 重い空気を振り払い、アリーナは笑う。
「加勢に来るなら早い方がいいわよ?じゃなきゃあたし一人で倒しちゃうから!」
 軽口を叩き、一発頬を張って気合を入れて。
今度こそアリーナは駆け出して行く。

33 それでも、君を友と呼びたい 9/16 :2006/05/18(木) 00:14:04 ID:tsiLnR9I
 ざり、と背後で砂を踏む音一つ。
内心ほくそ笑み、ベリアルは振り返った。

「お前か、小娘。仲間はどうした?怖気づいて逃げたか?」
「おあいにくさま。あんたなんかあたし一人で充分だっていうのよ」

 見え透いた挑発だ、と鼻を鳴らす。
小僧のうち片方は重傷のはず。連れて遠くには行けまい。
魔封じも解けたことだし、じわじわと燻り出してくれようと呪句を唱え始めたその刹那、アリーナが地を蹴った。
 瞬きする間もあらばこそ、ベリアルの鼻面目掛けて拳を放つ。
すかさず構えたメタルキングの槍の柄がそれを防ぎ、じんと痺れが腕を伝う。
そのまま腕を絞め、アリーナを閉じ込めようとするその間をするりと抜け出して、再び跳んで距離を取り、また跳び込む。

 呪文詠唱の隙も、ベリアルの間合いに留まらないことで反撃の隙も与えない連続攻撃。

(だが)
 無数の拳に打たれながらも、ベリアルはにまりと笑みを浮かべた。

34 それでも、君を友と呼びたい 10/16 :2006/05/18(木) 00:14:41 ID:tsiLnR9I
「……まずいな」
 ベッドのシーツを拝借し、裂いて包帯代わりにキーファの身体に巻きつけて当面の治療を終えて、エイトは拳を握り締めた。

「何がまずいんだ?押してるじゃないか」
「一撃が軽いんです」
 スピードも手数もアリーナの方が圧倒的に上回っている。が、いかんせん装備が悪い。
いくら数を当てたところで相手の防御を突き破れなければ意味がない。
いずれ疲れ、動きが鈍ったところで一撃をもらって終わりだろう。
 勿論、むざむざその予想を現実にさせるつもりはないが。

「キーファさんは此処にいて下さい!」
「なんでだよ!?俺も」
「ですが武器がありません。……キーファさんは呪文は?」
 聞かれて、俯き首を振る。
幼い頃から武芸には打ち込んできていたが、呪文の才はまるで無かった。
「……分かった。死ぬなよ」
 一つ頷き、駆け出していくエイトの後姿を見送って、キーファは無力感を噛み締めていた。
 武器が一つしかないなら、さっきまで半死人だった自分よりエイトが加勢に行った方がいいに決まっている。
 理性ではそう分かっていても、感情が追いつかない。
(俺はまた何も出来ず、庇われるだけなのか)
 脳裏にランドの死に顔がちらついて、きつく目を閉じ、
 気付いた。
「そうか……そうだ!」
 再び顔を上げたその時には、キーファの顔から綺麗に憂いが消え去っていた。
代わりに浮かぶのは一つの決意。

 そしてキーファもまた駆け出していく。
戦いの繰り広げられている場所ではなく、友の亡骸のあるところへと。

35 それでも、君を友と呼びたい 11/16 :2006/05/18(木) 00:15:12 ID:tsiLnR9I
 ぶん、と槍の柄が宙を薙ぐ。
返す刃もひらりと跳んで避けきって、アリーナは頬を伝う汗を拭った。
朝から着ている、もうとっくに体温に馴染んだはずのくさりかたびらがやけに冷たい。
 この程度の防具ではベリアルの一撃を受け止めることは出来まい。
先程すぐ顔の横を貫いた槍の鋭さを思い出し、ぞくりと寒気がした。

(このままじゃ)
 いずれ足が鈍ったところを仕留められる。
相手もそれを狙っているのだと分かってはいる。が、攻撃を緩めることは出来ない。
 アリーナ目掛けて繰り出された槍の一撃を上体を反らして避け、振り下ろされた太い腕に跳び乗って、一気に肩まで駆け上がり――手が止まる。
(どうしよう)
 頭蓋を叩き割ってやろうにも、ベリアルの頭部は奇妙な形をした兜に守られている。
決定打が足りない。
 この絶好のチャンスを生かしきれない自分に歯噛みして、

「アリーナさん!これを!」
 背後で声。
 反射的に振り向くその鼻先を掠めたそれを――雷神の槍を咄嗟に掴み、心臓まで届けとばかりに振り下ろした。
全体重をかけ、刃を体内に押し込んでいく。
 回避が遅れたのはそのためだった。

「――っ調子に乗るな、小娘めが!」
 がむしゃらに振り回したベリアルの腕が偶然にもアリーナの脇腹を打つ。
その勢いのままに壁に叩きつけられ、それでも立ち上がろうともがくアリーナの口から赤いものが溢れる。
がくりとのけぞり動かなくなったその身体に止めを刺そうと歩き出し、思い直す。
弱った娘に止めを刺すのは容易いことだ。
それより今は槍を投じて丸腰になった小僧を始末する方がいい。
 悠然と振り返り――その目が見開かれた。

36 名無しさん :2006/05/18(木) 00:28:38 ID:tsiLnR9I
何とか本スレに投下出来ました。
↑のが半端な荒らしみたいになってしまいました、すみませんでした

37 名無しさん :2006/05/18(木) 00:37:38 ID:U4KioYp2
>>36
新作乙でした!

38 名無しさん :2006/05/18(木) 01:23:41 ID:EBc4in/Q
力作、乙!

本スレ、
すげー、感動した。キーファ頑張れ〜。

39 ためしがき :2006/05/18(木) 02:06:47 ID:EBc4in/Q
  世界が夕闇に包まれはじめるころ、空に高らかに響き渡る鐘の音。
 その澄んだ音が響き渡った後、
独特の癇に障る低い声が世界を覆う。
 諸君、無事で何よりだ。
これより、1回目の放送を行う。心して聞け。」

 説明時に聞いた高い声が空に流れ出す。
「皆様こんばんわ。」
「僭越ながら、ハーゴン様の代理として放送を行います。
 ハーゴン様より格別の思し召しとしまして、禁止エリアを多めに設定いたしました。
 【B−01】【D−01】【F−06】【C−03】
 以上の地域は、これより3時間後の今夜21時から禁止となります。
 また、24時から【E−01】、朝3時から【A−01】、朝6時から【C−01】が禁止エリアになります。
お手数ですが各自、地図と照らし合わせてくださいませ。
行動範囲の狭まった分、きっと探しものが見つかることでしょう。
 さて、お亡くなりになられた可哀想な犠牲者の方々の名を読み上げます」
「アルス」
「」
「」<アイウエオ順に犠牲者の名前を入れます。

 名前を読みげる度に、悲鳴やうめき声などが首輪を通して、彼らにも伝わっていく。
「すばらしい。
 皆様、ご活躍ですね。
 次の放送は、12時間後の朝6時に放送させていただくことになっております。
  おききのがしのないよう。
 皆様の更なる御健闘をお祈り申し上げております。」

 くっくっくっ。

 悪魔神官が喋っている間、低い声がBGMのように絶え間なく笑っているのが聞こえた。

 放送が終ると、再び鐘の音が響き渡る。

「ハーゴン様、放送終了いたしました。」
「ご苦労。」
「是非ともこの調子で活躍していただきたいものです。」
「無論。そのための禁止エリアだ。
 今は良いが、人数が減れば、あやつらの事だ。結託するに決まっておる。
 結託して良からぬことを考える者は、分断する。
 結託したとしても、あやつらは全員が死ぬ事に耐えられぬわ。
 みずから殺さずとも、24時間以内に誰かが自己犠牲になって死んでいく。
 果して、その絶望に耐えられるかな?」
  ハーゴンは哄笑した。
 背後の薄暗い邪神像の目が、一瞬、怪しく赤く光る。

 犠牲になりし魂の、声無き声、聞き届けたるものは、魔物か人か、それとも。

【残り人数  名】

40 ためしがき :2006/05/18(木) 02:08:37 ID:EBc4in/Q
前に書いた「祈り」が本編で予告した「地域」と違う事に今更気がついた・・・;;

41 名無しさん :2006/05/18(木) 20:29:06 ID:vDWqLf4g
大分すっきりしましたね。
でも個人的にはいつか「祈り」の前半部分も本編に出して欲しい…
アレここだけのネタにするにはもったいないと思いますよ!

42 名無しさん :2006/05/18(木) 20:45:25 ID:9dYrNCEM
主催者側のエピソードは表に出すには早すぎる
もう少し佳境に入ってから考えるべきことだね

どっちにしろ今は時期尚早

43 名無しさん :2006/05/18(木) 22:33:05 ID:tsiLnR9I
個人的に犠牲者はアイウエオ順じゃなく死んだ順がいいなと思ったり
放送は>>39ので決定なの?

44 名無しさん :2006/05/18(木) 22:43:44 ID:vDWqLf4g
オレも死亡順がいいと思う。

45 ためしがき :2006/05/18(木) 23:25:02 ID:3mR88YqQ
まだまだ日付けがありますから、意見okです。遠慮無くお願いします。

 ただ、死亡順だと同時刻のキャラの順番に悩む&書き手さんが混乱しそうです。
大体ということで、書くことも可能ですが、、、一度、後ほど名前だけ書きに来ます〜。

46 ためしがき :2006/05/19(金) 01:33:10 ID:Gjq4YGuc
とりあえず、自分の頭の中ではこんな感じです。

今までの死の順番

【ロザリー 死亡】【ゲームスタート】

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【アルス】 【E−4 アリアハン城地下 朝】(バーバラが朝に死体発見、レックス1人目)
【マリベル】 【B-5/森/朝】この地に墜ちて幾秒も経たない時、サマンサと戦闘後
【リュカ】【E-2/岬の洞窟付近の森/朝】歩いている内にバーサーカーに遭遇
【バーバラ】 【E−4 アリアハン城地下 朝】(アレックスの死体発見後、レックス2人目)
【メルビン】 【B-3/レーベ東部の草原/朝】ドランゴに遭遇した後、死神の鎧と戦闘後

【アレン】竜王と決闘中【E-3/平原/午前】

【ゲマ】【D-03/場所・森/時間・昼】捕まえたトルネコに逆襲される

【フィオ】【C-5/山岳地帯/昼〜真昼】治療したフローラに刺される

【死神の騎士】【B-2/レーべの村付近/昼】ベリアルの呪文により
【ランド】【B-2/レーべの村付近/昼】ベリアルの呪文発動後のキーファ治療中
【ミレーユ】【E−4 アリアハン城内/昼すぎ】レックス3人目

【ベリアル】【B-2/レーべの村/真昼〜午後 】詳しくは本スレにて。

【死亡13名/残り31名】

47 ためしがき :2006/05/19(金) 01:35:29 ID:Gjq4YGuc
朝の五人が悩みどころ・・・・。

48 名無しさん :2006/05/19(金) 20:21:45 ID:E7WLtZBY
作品順で行けば犠牲者第一号はリュカなんですよね…
うーん。

49 名無しさん :2006/05/19(金) 21:19:45 ID:0H.Bnepc
前後がはっきりしている人以外は投下順でいいと思います>死亡順
今気付いたんですが
>>【バーバラ】 【E−4 アリアハン城地下 朝】(アレックスの死体発見後、レックス2人目)
アレックスてw

50 名無しさん :2006/05/19(金) 22:17:50 ID:E7WLtZBY
投稿作品順だと
・リュカ
・アルス
・バーバラ
・マリベル
・メルビン

ですね。

51 ためしがき :2006/05/20(土) 01:57:59 ID:vnDu2VoY
≫49 がーん。マタ。ケアレスミス;;

≫48 ≫50 私のメモには投下の日付が無いので助かります。朝の五人は投下順(≫50)で書きます。

 時点でのキャラの進行表


夕方 バズズ

午後 ハッサン トロデ マリア テリー レックス フローラ ゼシカ ※アレフ ※ルーシア 
   ※トルネコ バーサーカー ピサロ フォズ マルチェロ アリアス カンダタ 
 
真昼〜午後 エイト アリーナ キーファ

昼〜真昼 ※ククール ※リア ※ビアンカ 

昼 ※ヒミコ クリフト

午前 アレン(竜王)

朝 ※サマンサ ※ドランゴ ※アトラス ローラ ゴン

「予約」まで残り3週間ぐらい

どっかにマタケアレスミスしてそうだ・・。

52 ためしがき :2006/05/20(土) 01:59:24 ID:vnDu2VoY
※印は 現在予約されているキャラです。

53 ためしがき :2006/05/20(土) 02:03:08 ID:vnDu2VoY
うあ、ヤッパリしてた;;
>51 午後 「アリアス→アリス」です。

54 名無しさん :2006/05/20(土) 17:52:22 ID:4jIvagew
禁止エリアについてだがC-3が塞がると海底洞窟の出口がなくなっちゃうから初っ端からは止めたほうがいいと思う

55 名無しさん :2006/05/21(日) 00:55:07 ID:26qMOeKU
まだ、未完成のやつですが、問題がありそうなのでここに投下してみます。

56 壊れた命 壊れいく魂 1/5 :2006/05/21(日) 00:56:20 ID:26qMOeKU
今のテリーは、あのクールで無愛想な剣士ではない。
姉を殺され、狂鬼と化した剣士である。



「うぉぁぁああああああ゛あ゛!!」

城内に、雄叫びがこだまする。

「もう、うるさいなぁ」

前傾姿勢で切り込むテリーに対し、邪悪なる勇者のいかずちが放たれた。
テリーは、手の動きを読みすぐに回避行動に移す。
だが、それを予測したように、雷は無数に弾けてテリーを襲う。

「ふふ〜ん♪」

凄いだろ、と言いたげに少年がこちらを見ている。
それを、眼光だけで相手を突き殺せるような目で睨みつける。

「…これが、どうしたー!!」

当たりそうな雷だけを見極め、それら全て剣で受ける。
それを、城の壁に剣を突き立て雷を放出する。
この時、剣に違和感を感じた。
テリーは多少のダメージを覚悟したが、それがなかったのだ。
普通であれば、剣を伝い電気が体を走るだろう。
この、呪文を弾くような感触……考えるのは後だ。
今は、姉さんの仇を討つのみ!

57 壊れた命 壊れいく魂 2/5 :2006/05/21(日) 00:57:03 ID:26qMOeKU
「やるねぇ。でも、これはどう?
ライディン(×2)、べギラマ(×4)」

詠唱を破棄した魔法の展開は早い。
轟音とともに豪速で駆けるいかずちと、追い討ちをかける炎の閃光。
しかし、走り始めた剣士の足は止まらない。
ライディンは剣で受け流し、べギラマはかわして突っ込んでいく。
目標は、姉さんを殺した仇のみ。
少年の目の前まで踏み込み、剣を振るう。
少年も、負けじと片手で呪われし大剣を振り下ろす。
両者に一筋の汗が流れた。

キィィィン

剣と剣がぶつかり合う。
高い音が響き渡り、激しい鍔迫り合いが始まった。
力の差は歴然。少年……レックスの背に壁が迫る。
純粋な力のぶつかり合いでは、子供の腕力では大人には勝てない。
レックスは、力の差を痛感し、左手をかざす。

「ライ…ディン!」

しかし、何も起こらない。
慌てるレックス。何故?

58 壊れた命 壊れいく魂 3/5 :2006/05/21(日) 00:57:38 ID:26qMOeKU
手を見ると、祈りの指輪が風化していく。
そして、ひびの入った指輪が一つ残った。
呪文を唱える際に使う魔力を、祈りの指輪に依存していた為に限界がきたのだ。
クソっ、と思いながら魔力を練りなおすが、テリーがその隙を見逃すはずがなかった。

「…終わりだ!!」

テリーは、力の限りレックスを吹っ飛ばした。

「うわぁぁぁっ!」

壁に、頭から激突したレックスは額から血を流し、気絶した。
テリーは、ゆっくりとそこに近づいていく。
視界に姉さんが入ってきた。あまりに、無残な姿だ。
呪われていたなんて、理由にはならない。
こいつは、姉さんを殺した。仇は討つ!

足元に、子供が転がっている。止めを刺せるところまで来た。
テリーの目は冷ややかで、とても子供を見る目ではない。
ただ、殺意のみでそれ以外の感情は何もなく、剣を振り下ろす!!!!

切った感触はない。筋肉質でマッチョな男が、俺の腕を掴んでいるせいだ。
誰だ?なんだ、ハッサンか……。なぜ、邪魔をする?

「なぜ、邪魔をする!!ハッサン!!」

激昂すると同時に、ハッサンの手を振り払った。

59 壊れた命 壊れいく魂 4/5 :2006/05/21(日) 00:58:22 ID:26qMOeKU
「相手は子供だ!しかも、呪われているんだぞ!!」
「何が、子供だ!お前も見ただろ?こいつは、姉さんを殺したんだ!!」

悲しげな目で、ミレーユの亡骸へと視線をむける。
俺が、間違っているのか?いや、違う。みんな被害者だ。

「仇が、討ちたいのか?ミレーユは、そんなこと望まねぇよ。
それに、相手が違うぞ。ハーゴンとかいう奴が、全部悪いんだ」
「…………………………そうだな」

テリーの手に力が篭る。そして……
――さよならだ。ハッサン!――

戦いの音を聞いて飛び出したハッサンに着いて来たのだが、物陰に隠れていろ、と言われて柱の陰から見ていたマリアとトロデ王。
彼女らは、ハッサンの背中から何かが突き出る瞬間を見た。
マリアとトロデ、それがツルギであると気付いたのはどちらが先であったろうか?
そんなことは、どうでもいい。
今現在進行している出来事は、両者の目に写っているのだから。

60 壊れた命 壊れいく魂 5/5 :2006/05/21(日) 00:59:01 ID:26qMOeKU
【E−4 アリアハン城内/午後】

【トロデ@DQ8】
 [状態]:疲労 空腹(重)
 [装備]:なし
 [道具]:支給品一式(不明の品が1?)
 [第一行動方針]: えっ?
 [基本行動方針]:仲間を捜してハーゴンを倒す

【マリア(ムーンブルクの王女)@DQ2】
 [状態]:疲労
 [装備]:いかづちの杖
 [道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?)
 [第一行動方針]:えっ?
 [基本行動方針]:打倒ハーゴン

【テリー@DQ6】
 [状態]:冷静 体力消耗大
 [装備]:さざなみの剣
 [所持]:ボウガン(鉄の矢×30)
 [第一行動方針]:参加者を皆殺しにする
 [基本行動方針]:優勝して姉さんを生き返らせる

【レックス@DQ5王子】
 [状態]:呪われている。 気絶、打撲
 [装備]:E:皆殺しの剣 E:王者のマント
 [道具]:小さなメダル トゲの鞭 毒薬瓶 祈りの指輪×1(一回でもつかえば限界) ミレーユの不明品3つ
 [基本行動方針]:剣の意思に負け、ゲームに乗る。



【ハッサン@DQ6 死亡】

61 名無しさん :2006/05/21(日) 01:00:08 ID:26qMOeKU
率直な感想お願いします

62 名無しさん :2006/05/21(日) 01:02:35 ID:b6pPJRTU
乙。
うーん、前の書き手さんが(ハッサンは殺さない)っていうのがあったからなぁ
ミレーユの仇のためとはいえこうもあっさりハッサンを始末、ってのにほんの少し違和感あり。
泥沼化は嫌いではないが。

63 名無しさん :2006/05/21(日) 01:10:04 ID:vdTfB4vM
乙です。確かに今までの行動方針が完全に覆っちゃうのは違和感だけど
本スレ投下したら「意外だった」の一言で通りそうだし、これはこれでアリだと思う
あくまで自分の意見だが
あと細かいこと指摘して悪いけど ライディン→ライデインね

64 名無しさん :2006/05/21(日) 01:14:06 ID:eX02Wfjw
乙。
テリーがレックス亡き後マーダー化しそうw

65 ためしがき :2006/05/21(日) 01:20:32 ID:laIukCSo
おつかれ^^
「感想」・・・さよなら、テリー;;
 矛盾らしいものは無いし、このまま投下しても良いとは思う。
ただ、読み手として、贅沢を言わせて貰えるなら、レックスを殺そうとするのは解るのだけれど、ハッサンに対する殺意(動機?)が、やや弱いような希ガス。

≫54 あれ? レーベー南のしげみって、ナジミの搭や岬の洞窟等に、つながってませんでしたっけ?(うろ覚え)
書かれるなら、撤回するにやぶさかではありませんが。

66 名無しさん :2006/05/21(日) 01:22:09 ID:POnCCryk
乙です。
個人的な意見を言うと、FFDQBRでマーダーテリーは結構読んだから
マーダーじゃないテリーで行って欲しかったなぁ、と。
ミレーユやハッサンの死を乗り越えて共闘の道を行くテリーとか。

あと、呪文の表現でライディン(×2)、べギラマ(×4)というのは単純すぎて
迫力に欠けると思いました。

67 名無しさん :2006/05/21(日) 01:34:06 ID:26qMOeKU
すいません。
実はこの作品、無理やり切ってあるんです。
これの続きでは、ハッサンはここでは死にませんし、テリーは……。
ただ、ここら辺に問題があると話が成り立たないので投下しました。
アドバイス、ありがとうございます。

68 名無しさん :2006/05/21(日) 01:37:30 ID:POnCCryk
>>67
Σd(・∀・)期待してますYO!

69 名無しさん :2006/05/21(日) 01:39:46 ID:vdTfB4vM
結局ハッサン殺るのか殺らないのかは言わないんですね、焦らし上手なw
投下待ってます

70 名無しさん :2006/05/21(日) 01:45:01 ID:POnCCryk
あと、レックスには是非、原作の桐山並に
最後まで殺人道を歩んでいただきたい。

71 名無しさん :2006/05/21(日) 11:30:52 ID:koDyEotI
>>59
この話は好きだけどね。ハッサン甘過ぎるし刺すのはアリかと…。
レックスが目覚めたらまた襲われて被害が増えるし、ハッサンの考えは命取りになると思う。
足手まといは始末。

72 名無しさん :2006/05/21(日) 12:27:13 ID:ST/6N4/E
いいとは思うが6キャラが救われないなあ…。
脱出フラグも6キャラいないと意味がないし。

73 名無しさん :2006/05/22(月) 00:35:19 ID:aG55SWKY
≫54 あれ? レーベー南のしげみって、ナジミの搭や岬の洞窟等に、つながってませんでしたっけ?(うろ覚え)

詳しい人解説プリーズ。

74 名無しさん :2006/05/22(月) 15:32:57 ID:rvao9A7Y
レーベ南のしげみには、岬の洞窟、ナジミの塔、アリアハンを結ぶ地下洞窟の出入り口となっております。
ちなみに小さな建物らしきところもある(拠点?に使える

75 名無しさん :2006/05/22(月) 19:08:24 ID:H27.1mIY
初っ端の禁止エリア配置でいきなり道を一つ塞ぐのはどうかと思う

76 名無しさん :2006/05/22(月) 21:17:52 ID:MwYU6JWY
 放送をする主催者ハーゴン側にとって、
一番厄介なのは、ゲームに乗らずに結託して妨害しようとする人達なので、
乗らない人が沢山いるので、道を狭くして、分断しはじめるんじゃないかな。
 むしろ、01ラインを禁止エリアにするのが、遊んでいる様に見せるフェイクで、
その場に居ない人が24時間以内に死んだかどうか、知らない状態にしたいんじゃないかと。
 
 首輪で、大体どの位置にいるか解るとおもうんで尚更そう考えるんじゃないかなーと。やっぱオカシイかな・・。

77 名無しさん :2006/05/22(月) 22:13:21 ID:H27.1mIY
それをやるにしても初っ端はねーだろ、って話ですよ

78 名無しさん :2006/05/23(火) 01:20:37 ID:EUYlVIMc
あえてかえるならC-4かな。
D−3やると橋が渡れなくなる、他はキャラが居そうだ。

79 ためしがき :2006/05/23(火) 02:13:08 ID:EUYlVIMc
 う〜ん、、、。
 場所番号を書いて本スレに投下してしまっているのがネックですね。
 ただ、レーベやアリアハンに纏まりつつあるから(読み手が見ている限りでは)、
変えても不都合は無さそうです。

夕方 ※バズズ ※トロデ ※マリア ※ハッサン ※レックス アレフ ルーシア ヒミコ サマンサ

午後〜夕方 アトラス

午後 フローラ ゼシカ ※トルネコ ※テリー ピサロ フォズ マルチェロ バーサーカー アリス カンダタ

真昼〜午後 エイト アリーナ キーファ

昼〜真昼 ククール ※リア ※ビアンカ 

昼すぎ クリフト

午前 ※アレン(竜王)

朝 ローラ ゴン

※は予約済。

80 名無しさん :2006/05/23(火) 12:37:06 ID:GlyYE3Dc
どの辺がネック?
訂正告知すればいいだけじゃない?
作品として本投下したわけじゃないんだから

81 ためしがき :2006/05/23(火) 21:27:46 ID:EUYlVIMc
あ。
・・・・それもそうですね〜すっかりその方法忘れてた。
訂正してきます。

82 ためしがき :2006/05/23(火) 21:39:05 ID:EUYlVIMc
放送予約変更

禁止エリアの場所を1箇所、「C−3」を「C−4」に変更します。

また、万が一、6月11日までにキャラ全員が「夕方」の行動を終了した場合、
終了した24時間以降には放送、投下します。

最後の2行は余分ですか?明らかに戦闘中のキャラがいるしなぁ。

83 名無しさん :2006/05/24(水) 19:10:24 ID:GHddXMk.
正直6/11期限って遠すぎない?と思う書き手がここに一人
今戦端開いてるところが収まったらすぐ放送入れてもいいと思うんだが

他の書き手さんでもっと時間欲しいって人います?

84 名無しさん :2006/05/24(水) 19:27:04 ID:RKdJ.aOw
ここに一人
放送後はいつでも書けるけど放送前は今しか書けない
ずるずる引き延ばすのも何だが、短縮する必要性もない以上現状維持が望み

85 ためしがき :2006/05/25(木) 21:45:17 ID:/E0Ms1HQ
 
 個人的には展開早い方が大好きなんですが、
入院中の人も居たようですから、現状維持にします。

86 ためしがき :2006/05/25(木) 21:46:37 ID:/E0Ms1HQ
助言ありがとうございます。

フォズの予約入ってましたが、転職の説明大変そうだなぁ。

87 ためしがき :2006/05/27(土) 17:49:24 ID:Udn52FuI
・・・・そういえば、放送しても、放送前の物語って書けますよね。
「キャラが知らない」という前提(状況)で書けば良いんだし。
 正直、止まってしまっているキャラもいるので、書いちゃったほうがいいのかな・・?

ただ、まとめサイトを作ってくださってるかたが辛くなるでしょうけど。

88 名無しさん :2006/05/27(土) 20:00:08 ID:JNF59lJw
>>87
放送は6月11日まで待ったほうが良いと思う。

89 名無しさん :2006/05/27(土) 20:30:09 ID:XZLSvycM
他人が言い出したならともかく自分で前言翻そうとするなよ

90 ためしがき :2006/05/27(土) 21:06:21 ID:Udn52FuI
助言&お叱りありがとうございます。

ついつい色々余計な事を考えてしまう>考えこむと不安になる>思いあまって書込んでしまう>他のかたに言われて納得する

というサイクルを経ないと落ちつかない性格みたいです。以後、できるだけ気をつけます。

91 ためしがき :2006/05/30(火) 22:52:54 ID:8YA8TBrg
「さて、お亡くなりになられた『お可哀想な』方々の名を読み上げます」

  「リュカ」
  「アルス」
  「バーバラ」
  「マリベル」
  「メルビン」
  「アレン」
  「ゲマ」
  「フィオ」
  「死神の騎士」
  「ランド」
  「ミレーユ」
  「ベリアル」
  「ドランゴ」
  「アリーナ」

 「以上、スタートから1回目の放送までの死亡者14名、残り29名です。 」

92 名無しさん :2006/05/30(火) 23:05:18 ID:bMoaKGQU
実はまだまだ死亡候補はいるんだな、それが

93 ためしがき :2006/05/30(火) 23:13:22 ID:8YA8TBrg
まあ、現時点でという事で。・・・だいぶ減ったなぁ;;

94 名無しさん :2006/05/30(火) 23:49:00 ID:rrWSnBRE
最終的には何人生き残れるんでしょうね?
100人超えてるロワでも生き残るのは多くて十数人だから
一桁にはなっちゃうと思うなぁ…。

95 名無しさん :2006/05/31(水) 00:14:13 ID:UXDGJrOc
 私は逆に、100人だろうが50人だろうが、
意思疎通できる人数が「十数人以下」という風に考えてました。
1話目(序章)の「必要な生贄の倍」発言は、その伏線だと思ってた。

96 名無しさん :2006/05/31(水) 00:25:31 ID:UXDGJrOc
仮に20人が黒幕退治にきても、大丈夫なように。
(選ばれたのが、悪を「倒す」使命を課せられてる勇者とその仲間達だから。)

97 名無しさん :2006/05/31(水) 22:06:21 ID:SR1BkuQ2
普通に数人、多くて10人くらいだと考えてたな、俺は
そもそもの参加人数も少ないしそれくらいまでは減るだろう

98 懲りずにマタ悩み中 :2006/05/31(水) 22:53:35 ID:TCf.nCwk
1回目の放送1/2 

 地図上に灯る無数の星。時折、星の一つが激しく明滅し、消えていく。星たちは何も知らずに瞬き続ける。強く、弱く、時に互いを傷付けあって。
 その世界が夕闇に包まれはじめるころ、空に鐘の音が響き渡った。
鐘の澄んだ音が鳴り止んだ後、独特の癇に障る低い声が世界を覆う。
  「くくく。選ばれし諸君、無事で何よりだ。これより、1回目の放送を行う。心して聞け。」
呼び出された広間で、ゲームの説明をしていた甲高い声が空に響く。
  「 僭越ながら、私がハーゴン様の代理として放送を行う。
 ハーゴン様より格別の思し召しがあり、禁止エリアを多めに設定した。
 
  【B−01】【D−01】【F−06】【C−04】 以上の地域は、これより3時間後の今夜21時から禁止となり、
  また、24時から【E−01】
  朝3時から【A−01】
  朝6時から【C−01】が禁止エリアとなる。 各自、地図と照らし合わせ確認するように。
 行動範囲の狭まった分、さぞかし、素晴らしいことが起きるであろう。期待している。」
 「さて、死んだ『可哀想な』もの達の名を読み上げる。」

  「リュカ」
  「アルス」
  「バーバラ」
  「マリベル」
  「メルビン」
  「アレン」
  「ゲマ」
  「フィオ」
  「死神の騎士」
  「ランド」
  「ミレーユ」
  「ベリアル」
  「ドランゴ」
  「アリーナ」

 


1回目の放送2/2
 「以上、スタートから1回目の放送までの死亡者14名、残り29名。 」

 首輪を通して、参加者の悲鳴やうめき声、それらを押し殺そうとする音などが、主催者にも伝わっていく。
 
 ククク。

「すばらしい。
  フフフ。
 次の放送は、12時間後の朝6時に放送する。
  聞き逃しのないようにな。
 諸君らの更なる御健闘を祈っている。」

 くっくっくっ。

 悪魔神官が喋っている間、低い声がBGMのように絶え間なく笑っていた。
 放送が終ると、再び鐘の音が響き渡る。

「ハーゴン様、放送終了いたしました。」「ご苦労。」
「是非とも、この調子で活躍してもらいたいものです。」
「無論。
 そのための禁止エリアだ。今は良いが、人数が減れば、あやつらの事だ。結託するに決まっておる。
 結託して良からぬことを考える者には分断を。さらなる殺害を求めるものには獲物を。
  万が一にも全ての生贄が結託したとしても、あやつらは『全員が死ぬ』事に耐えられぬわ。
 みずから殺さずとも、24時間以内に誰かが馬鹿馬鹿しい自己犠牲とやらで死んでいく。
 果して、その自ら生み出す闇に耐えられるかな?」
  ハーゴンは哄笑した。
 背後の薄暗い邪神像の目が、一瞬、怪しく赤く光る。

 消え行く星達の、声無き声、聞き届けたるものは、魔物か人か、それとも。

【残り人数  名】

現在の悩み>放送者の口調。祈り削った時点で丁寧語いらない&「黒の導き −The Beginning−」にあわせてみた。

99 名無しさん :2006/05/31(水) 23:21:21 ID:aGOrHm86
悪魔神官の丁寧語こそが参加者の神経を逆撫でする
良いスパイスだとおもいますよ。

100 名無しさん :2006/06/01(木) 10:27:15 ID:8guC6bwM
うん、悪魔神官は丁寧語で。

101 名無しさん :2006/06/01(木) 19:54:56 ID:/gL0z1vc
いや、前の話と合わせるというのは重要。
というか悪魔神官に違和を感じてたのはそれか。これで大分良くなった感じがする。

102 ためしがき :2006/06/01(木) 21:55:30 ID:aFidIxH6

1回目の放送1/2 

 地図上に灯る無数の星。時折、星の一つが激しく明滅し、消えていく。星たちは何も知らずに瞬き続ける。強く、弱く、時に互いを傷付けあって。
 その世界が夕闇に包まれはじめるころ、空に鐘の音が響き渡った。
鐘の澄んだ音が鳴り止んだ後、独特の癇に障る低い声が世界を覆う。
  「くくく。選ばれし生贄諸君、無事で何よりだ。これより、1回目の放送を行う。心して聞け。」
 まるで金属同士が触れ合っている音を、無理やり声にしたような甲高い声が空に響く。

 初めて聞く甲高い耳障りな声が空に流れ出す。
「みなさま、こんばんわ。」
「僭越ながら、ハーゴン様の代理として放送を行います。
 ハーゴン様より格別の思し召しとしまして、禁止エリアを多めに設定いたしました。
 【B−01】【D−01】【F−06】【C−03】以上の地域は、これより3時間後の今夜21時から禁止となります。
 また、24時から【E−01】、
朝3時から【A−01】、
朝6時から【C−01】が禁止エリアになります。お手数ですが各自、地図と照らし合わせてくださいませ。
行動範囲の狭まった分、さぞかし、素晴らしいことがありましょう。期待しておりますよ。」
 「さて、お亡くなりになられた、お可哀想な犠牲者の方々の名を読み上げます」
  「リュカ」
  「アルス」
  「バーバラ」
  「マリベル」
  「メルビン」
  「アレン」
  「ゲマ」
  「フィオ」
  「死神の騎士」
  「ランド」
  「ミレーユ」
  「ベリアル」
  「ドランゴ」
  「アリーナ」

 


1回目の放送2/2
 「以上、スタートから1回目の放送までの死亡者14名、残り29名です。 」

 悲鳴やうめき声、それらを懸命に押し殺そうとする音などが、生贄の首輪を通して主催者にも伝わっていく。
 
 ククク。

 「すばらしい。
 皆様、ご活躍ですね。フフフ。
 次の放送は、12時間後の朝6時に放送させていただくことになっております。
  おききのがしのないよう。
 皆様の更なる御健闘をお祈り申し上げております。」

 くっくっくっ。

  放送が流れている間、低い声がBGMのように絶え間なく笑っていた。
 放送が終ると、再び鐘の音が響き渡る。

「ハーゴン様、放送終了いたしました。」「ご苦労。」
「是非ともこの調子で活躍していただきたいものです。」
「無論。
 そのための禁止エリアだ。今は良いが、人数が減れば、あやつらの事だ。結託するに決まっておる。
 結託して良からぬことを考える者には分断を。さらなる殺害を求めるものには獲物を。
  万が一にも全ての生贄が結託したとしても、あやつらは『全員が死ぬ』事に耐えられぬわ。
 みずから殺さずとも、24時間以内に誰かが馬鹿馬鹿しい自己犠牲とやらで死んでいく。
 果して、その自ら生み出す闇に耐えられるかな?」
  ハーゴンは哄笑した。
 背後の薄暗い邪神像の目が、一瞬、怪しく赤く光る。

 消え行く星達の、声無き声、聞き届けたるものは、魔物か人か、それとも。

【残り人数  名】

 丁寧語をだすなら、
「呼び出された広間で、ゲームの説明をしていた甲高い声が空に響く。」を削除した方が良いかな。

 ただこの場合、広間に居た悪魔神官とは『別人(2重人格)』になるかも。
(祈りでは悪魔神官が複数居るというmy設定だった)
 朝の放送をマタ別人がやるというパターンも面白いかもしれないが、放送されるかなぁ。

103 ためしがき :2006/06/01(木) 22:02:16 ID:aFidIxH6
勿論、懲りずにマタ修正しにきますんで意見お願いします〜。

104 名無しさん :2006/06/01(木) 22:11:32 ID:D6pq6prA
畏怖の対象はあくまでハーゴンであって悪魔神官じゃないので
事務的なほうがらしいと思うな

あと悪魔神官は複数というのは止めた方がいいでしょ

105 名無しさん :2006/06/01(木) 22:16:04 ID:.Y6GdY6Y
個人的には丁寧語の方が嫌味っぽくて好みなんだが
リレーだし、やっぱOPの口調で統一した方がいいと思う>悪魔神官

悪魔神官複数は対主催路線行った時に大変だからやめといた方がいいと思う
色々混乱しそうだし

106 名無しさん :2006/06/01(木) 22:18:09 ID:wCsF0MUQ
悪魔神官以外のモンスターが放送してるとか・・・。

107 名無しさん :2006/06/01(木) 22:24:25 ID:94JchSMs
悪魔神官にも、放送委員とかBR実行委員とか役割分担している
ってことにすれば丁寧語OKなのでは?
個人的には丁寧語のほうが雰囲気もあるし
参加者を逆撫でする挑発効果があって良いと思います。

108 名無しさん :2006/06/03(土) 14:59:46 ID:OqhcbIWY
ククール、ハッサン、テリー、マリア、トロデ、レックス予約したものです。
なんか問題ありそうなので一旦ここに投下してみます。

109 Parting & Encounter 1/11 :2006/06/03(土) 15:01:02 ID:OqhcbIWY
「ハッサンさん、遅いですね」
「全くじゃ!はよう帰って来いと言っておるのに!」
アリアハン城の一室で、マリアとトロデが何やら会話している。
ハッサンがテリーを探してくると言って部屋を出て行ってから暫く経ったが、なかなか帰って来ない。
「どこをほっつき歩いておるのじゃ!」
トロデがぶつぶつと文句を言う。
「まあまあ、おじさま。もしかしたらテリーさんが見つからないのかもしれませんよ」


ハッサンは城内を彷徨いていた。
マリアの予想は当たっていた。テリーが見つからないのだ。
城内を隈無くさがしたが、どこにもいない。もちろん、あんなことがあった地下は探していないのだが。
「あとは外、か…」
そう言ってハッサンは駆け出した。


「ところで、この子の呪いはどうしたら解けるのでしょうね?」
マリアが呟いた。
「使えそうな支給品もないですし…。ああ、僧侶でもいれば…」
「僧侶か…。そう言えばここにはわしの家臣の僧侶もいたのう」
トロデが何気なく言った。
「あら、そうなんですの?じゃあ、その方に会えたらいいですわね」
「まあ、女好きでどうしようもない奴じゃがのう」

110 Parting & Encounter 2/11 :2006/06/03(土) 15:01:47 ID:OqhcbIWY
「はっくしょーい!」
大きなくしゃみが一つ、アリアハン城の地下に木霊した。
ククールはそこで地図を広げて、現在位置を確認していた。
ナジミの塔からの洞窟はこの城の地下に繋がっている。
ククールはたまたまここに辿り着いたらしい。
マホトーンはとっくに解けて、腹部の痛みはとっくに治していたようだった。
「あー、もう誰だ、俺の噂してる奴は。…レディなら別に構わないんだけどな」
そんなことを呟きながら地図をザックに仕舞う。現在位置を把握したようだ。
「ここならあいつがいるかもしれないし、いなくても何かしらの情報は得られそうだな」
そう言うと、ククールは立ち上がり歩き出した。


ハッサンが外に出たとき、テリーは城に背を向けて立ち去ろうとしていた。
「テリー!」
ハッサンが彼の名を呼ぶ。テリーはぴくり、と肩を動かしてそちらを向く。
「どこに行くつもりだテリー!」
ハッサンが尋ねた。テリーが口を開く。
「お前はあのガキの呪いを解くつもりなんだろ?」
「当たり前だろ!」
「じゃあ、お前とはここでお別れだな。俺が姉さんを殺した奴となんて一緒にいれるわけないだろ?」
テリーははっきりと言い放った。ハッサンがそれに反論する。
「でも、それはあの子のせいじゃないだろ…」
「分かってる!」
テリーが大声を出した。ハッサンは一瞬たじろぐ。
「そんなことは分かってる…。だから余計に辛いんだ。
 もしもあのガキの呪いが解けて、姉さんを殺したことを忘れたら、なんて思うと…そんなの耐えられない」
溜まった何かを吐き出すようにそう言った。
「テリー…」
「…だから俺はお前と一緒にはいられない。
…心配すんなよ、ゲームに乗ろうだなんて考えてない。絶対に脱出して主催者のあの男を殺すからな」
テリーの目は決意に満ちていた。その目を見て、ハッサンはテリーを説得することを諦めた。

111 Parting & Encounter 3/11 :2006/06/03(土) 15:02:23 ID:OqhcbIWY
「…分かった。止めねえから…さっさと行っちまえよ」
「ああ、言われなくても行くさ。…せいぜい死ぬなよハッサン」
「お前もな、テリー」
こうして、二人の青年は別れることになった。


「人ー。人やー。返事しろー人ー。…なんて言ってて出て来るわけねえか」
ククールはやる気なさそうに言った。彼は今、城の一階にいた。
「ホントに人いんのかね?ここ。実は誰も」
いないんじゃねーのか、と続けようとしてそこで止めた。人の気配を感じたからだ。
「誰か、いるのか?」
返事はない。隙を伺っているのか。それとも、怯えているのか。
ククールは思い切って、気配がする方へと近づいていった。


ハッサンはテリーを見送った後、再び城に入った。
元来た道を歩き、部屋に戻ろうとした。

ドン

誰かとぶつかった。
「あ、スマン」
「こちらこそ…ってハッサンさん!」
「あんたは…なんでここに?」
ハッサンがぶつかった相手はマリアだった。後ろにはトロデもいる。
「お主がいないうちに大変なことになったんじゃ!」
トロデが言った。マリアも続ける。
「そうなんです!早く探さないと…」
「探すって何を?」
「だから!」
トロデが大声を上げた。
「あの呪われた子じゃよ!どっかに行ってしもうたんじゃ!」

112 Parting & Encounter 4/11 :2006/06/03(土) 15:03:15 ID:OqhcbIWY
ククールが見つけたのは、金髪の髪を持つ少年だった。
「どうしたんだ、ボウズ」
ククールは安心したのか、その少年に話しかけた。
「あのね、僕、仲間とはぐれちゃったんだ」
「そうなのか。じゃあ一緒に探すか?」
「うんっ!」
(あー、また銀髪か。
 あの魔族も、あの剣士も銀髪だったなー。しかも殺せなかったし。
 しかもあの剣士、ご丁寧に僕の剣まで折ってくれちゃって。あー、腹立つなー。
 まあいいや。この男はあいつらより弱そうだしね。)
少年――レックスは、心の中ではそんなことを考えながら、嬉しそうに答えた。
ククールも笑って、歩き始めた。
(それにしてもなー、この剣じゃ刺せないじゃん。
 どうしようかな。ベギラマとライデインで殺しちゃう?
 それじゃあんまり面白くないんだけど、まあしょうがないよね)
「なあ、ボウズ。お前、名前は?」
ククールがいきなり尋ねた。レックスは少し驚き、答えた。
「僕はね、レックスって言うんだ」
「ふーん、レックスか…。俺はな…」
「あー、いいよ。教えてくれなくても」
にっこり笑ってレックスが言った。
「だってお兄さん、ここで死ぬから」

113 Parting & Encounter 5/11 :2006/06/03(土) 15:04:11 ID:OqhcbIWY
「どっかに行ったってどういうことだよ!?」
ハッサンが走りながら尋ねる。
「あの子が突然起きて、部屋を出て行ってしもうたんじゃよ!」
「じゃあ、なんであんたらを襲わずに逃げちまったんだ?」
「それは私にも分かりません。ラリホーを唱えましたが、当たらなくて…」
「そもそもお主がさっさと帰って来んからこんなことに…」
マリアとトロデが言った。
「…まず、早く見つけないと。他にも誰かいたら大変だしな」


「…ベギラマ!」
ククールはそれをぎりぎりで避けた。髪の毛が少しだけ焦げる。
「あれ?」
レックスが首を傾げた。
「当たると思ったのになー」
レックスはまるで悪戯が親に見つかったときの子供のように無邪気に言った。
「…昔っからこういう嫌な予感だけは当たるんだよな、俺って」
ククールは溜息混じりに呟いた。
「その柄だけの剣…呪われてんだろ?」
「…ここで死んじゃうお兄さんには関係ないよ」
それだけ言ってレックスは指を翳す。勇者の雷を発生させるために。
「ライデイン!」
今度はククールは避けられなかった。
発生した電撃がククールの右腕に当たる。その衝撃で尻餅をついた。
「くッ…!」
顔を顰める。これでは弓も使えない。
攻撃魔法を使ってしまえばいいのだろう。でも、この子に罪はない。この子を殺したくない。
「もう終わりなの?」
レックスが意地悪そうに微笑みながら近づいてくる。
くそ…どうする、俺…どうする…?
その時ククールはある呪文を思い出したが、ククールはその呪文を唱えるか迷っていた。
効果を示さないかもしれない。そもそも、俺が死んだら意味がないだろう。
だが、迷っている間にも少年は近づいてくる。

114 Parting & Encounter 6/11 :2006/06/03(土) 15:04:44 ID:OqhcbIWY
ククールは決めた。この、分の悪い賭に出ることにした。
「悪いけど…ただで死ぬわけにはいかないんだよ…な」
レックスがおや、と言うような顔をした。
そしてククールは呪文を詠唱する。
「…ディバインスペル!」


「今の音…もしかしてあの子じゃねーか!?」
ハッサンが叫ぶ。
「こっちの方だ!」
そう言うとハッサンは一層速く走り出した。
マリアとトロデもそれに続く。


レックスは聞いたこともない呪文に少し驚いたが…何も起きなかった。
「これ、どんな呪文なの?お兄さん」
レックスは尋ねる。ククールは答えない。
「まあ、どうでもいいけどね。どうせ術者が死んだら解けるんでしょ?」
レックスが再び右手を翳した。


ハッサンの目に映ったのは…一人の青年と一人の少年。
青年は右手を押さえている。少年は右手を翳している。
気付けばハッサンは飛び出していた。

115 Parting & Encounter 7/11 :2006/06/03(土) 15:05:41 ID:OqhcbIWY
「止めろおおぉぉぉッ!」
ハッサンはレックスに体当たりした。レックスの小さな体が吹っ飛ぶ。
ククールはぽかーんと、突然現れた巨体の男を見つめていた。
レックスはいたた、と言いながらハッサンの方を見た。
「なに?おじさんも僕の邪魔する気なの?」
レックスはハッサンに近づいて行く。その時、
「ククール!ククールではないか!」
懐かしい声にククールは声のする方を見、呟いた。
「トロデ王…」
声の主はトロデ王。傍らには一人の少女がいる。
ククールとハッサンはそちらに気を取られた。
その隙を見て、レックスは呪文を唱えようとする。
だが少女――マリアはそれを見逃さなかった。
「ライデイ…」
「ラリホー!」
眠りの呪文が炸裂する。先ほどは当たらなかったが、今回はやけにあっさりかかってくれた。
「う…」
レックスはその場に倒れ、再びすやすやと眠り始めた。

「間一髪…ってところかな」
ククールはぽつりと呟いた。
ディバインスペル。
呪文、特にラリホーやマヌーサなどへの抵抗力を弱め、効きやすくする呪文だ。
まさかこんな場で使うとも思っていなかった。

116 Parting & Encounter 8/11 :2006/06/03(土) 15:06:25 ID:OqhcbIWY
彼らは先ほどの部屋に戻った。再びレックスをベッドに寝かせる。
簡単な自己紹介を終えた後、三人はククールに今までの出来事を説明した。
「そういえばハッサン、あの男はどうしたんじゃ?」
トロデがふと思い出したように言った。
「ああ、テリーか…。あいつはここにいられないっつってどっかに行っちまったよ」
「そうなんですか…。仲間は多い方がいいのですけれど…」
「まあまあ、マリア王女。俺がいるだろ?」
ククールがマリアの肩に手を回す。トロデの怒声が飛ぶ。
「こりゃ!ククール!マリア王女にちょっかいを出すことはわしが許さんぞ!」
「はいはい、分かりました分かりましたー」
ククールがつまらなさそうに言った。
「そう言や、ククールは何か呪いのこととか分かるのか?」
ハッサンが尋ねる。ククールは首を横に振った。
「いや…悪いけど専門外だな」
「そうか…」
ハッサンはがっくりと肩を落とした。それを見て、ククールが付け足すように言う。
「…今は、な。これから分かるかもしれないぜ?」
「どういう意味だ?ククール」
ハッサンの問いにククールは答える。
「この城にだって、図書館くらいあるだろ?そこに手がかりがあるかもってことだよ」
「なるほどのう!じゃあククール、今すぐ行ってくるんじゃ」
トロデが言った。ククールが、はあ?という顔をしてトロデを見る。
「なんで俺?」
「言い出しっぺが行くのは当たり前じゃろうが!」
「…マリア王女と一緒なら行ってもいいけど…」
「だめじゃ。ハッサンと行って来い」
ハッサンも、え?という顔でトロデを見る。あれだけ早く帰って来いと行っていたくせに。
暫しの沈黙。ククールが半ば自棄気味に言った。
「…はいはい、分かったよ行って来ますよ、ええ、行って来ますとも」
「しょうがねえな。行くかククール」
そう言うとハッサンは立ち上がり、ぶつぶつと文句を言うククールと共に部屋を出て行った。

117 Parting & Encounter 9/11 :2006/06/03(土) 15:07:14 ID:OqhcbIWY
「それにしても、のう…」
トロデが眠るレックスを見つめながら口を開いた。
「この子はなぜわしらを襲わなかったんじゃろう」
「それは何となく分かった気がしますわ」
マリアが言った。
「呪いが薄れていって、一瞬だけ本来のこの子の良心が現れて、逃げたいと思ったんじゃないでしょうか」
なるほど、とトロデが頷いた。

「それにしても…ククールさんって私が今まで見たことのないタイプの僧侶ですわ…」
それを聞いてトロデが言った。
「言ったじゃろ?女好きでどうしようもないって」

どこかでまたくしゃみの音が聞こえた。

118 Parting & Encounter 10/11 :2006/06/03(土) 15:07:48 ID:OqhcbIWY
【E-4/アリアハン城内/夕方】

【トロデ@DQ8】
[状態]:疲労 空腹(重)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(不明の品が1?)
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探す 仲間を捜してハーゴンを倒す

【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:疲労
[装備]:いかづちの杖
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?)
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン

【レックス@DQ5王子】
[状態]:呪われている(呪いの効果弱)  気絶(睡眠) 打撲
[装備]:折れた皆殺しの剣 王者のマント
[道具]:祈りの指輪×1(一回でも使えば限界)
[基本行動方針]:不明

【ハッサン@DQ6】
[状態]:疲労
[装備]:聖なるナイフ
[所持]:まだらくも糸 魔物のエサ
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探すため図書室へ向かう 打倒ハーゴン

【ククール@DQ8】
[状態]:右手に火傷
[装備]:ビッグボウガン(矢 18)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探すため図書室へ向かう マルチェロを止める

119 Parting & Encounter 11/11 :2006/06/03(土) 15:08:52 ID:OqhcbIWY
【E-4/アリアハン城外/夕方】

【テリー@DQ6】
[状態]:疲労大
[装備]:さざなみの剣
[道具]:ボウガン(鉄の矢×30)
[思考]:ゲームを脱出し、ハーゴンを殺す



投下しました。
なんかありましたら遠慮なく。

120 名無しさん :2006/06/03(土) 15:22:06 ID:DZ9Le7Us
乙!

121 名無しさん :2006/06/03(土) 17:59:45 ID:W1HRtC9U
乙。
テリーのイーグルダガー、前修正されてなかったか?

122 名無しさん :2006/06/03(土) 20:05:54 ID:Tpg1I822
テリーは完全に対主催? なんとか思考だけでもマーダーの可能性残してもらえないかな……。
あっさりと苦悩と葛藤から抜け出してもなんか……って思うし。

123 名無しさん :2006/06/03(土) 20:08:14 ID:S6ae/eOo
その後、クリフトとマルチェロに狙われると言う展開を勝手に期待w。

124 名無しさん :2006/06/03(土) 20:37:47 ID:OqhcbIWY
>>121
あ…直しときます。

>>122
了解。
ちょっと変えておきます。

125 名無しさん :2006/06/03(土) 20:37:50 ID:wUoZDLpo
やっぱハッサンは甘かったな。あのままレックスを殺しておけば良かったんだよ。
桐山を生かしておいたら大変なことになるぞ…。

126 名無しさん :2006/06/03(土) 20:59:53 ID:S6ae/eOo
>大変なことになるぞ…。
大変なことって・・・大歓迎!
何だか、わくわく、ドキドキするぅ〜。

127 名無しさん :2006/06/03(土) 21:05:54 ID:IYKE.z22
書き手としては生きてた方が色々使い道があってgood>レックス
でももうビアンカまで死んじゃったし、発狂ルートしか残されてないかもな

128 名無しさん :2006/06/03(土) 21:11:28 ID:wUoZDLpo
大変なこと=皆殺しね。
レックスはハッサン達だけじゃなく、移動して出会う者全てを殺すだろうな。
シャナクされるまで。

129 名無しさん :2006/06/03(土) 21:14:14 ID:S6ae/eOo
シャナク使えるのがいないから、殺されるまででok?

130 名無しさん :2006/06/03(土) 21:17:28 ID:H3F/zqeo
サマンサの改心と生存を祈っておくんだな

131 名無しさん :2006/06/03(土) 21:19:31 ID:IYKE.z22
改心しなくとも、
このまま放って置くとアリスにも危害与えるかも→シャナクして信用得といて寝首をかく
って展開もアリかな、まあサマンサが生きててこそだが

132 名無しさん :2006/06/03(土) 21:43:01 ID:wUoZDLpo
サマンサはオロチとタイマンは流石にキツいだろww
武器になるのはマヒャドだけだし。僧侶と違いフバーハもない。

133 名無しさん :2006/06/04(日) 00:37:51 ID:BHjTNWAo
つ「ドラゴラム」

これで怪獣大決戦

134 名無しさん :2006/06/04(日) 00:46:30 ID:Xbn6elw.
ポロンがやってたねww

135 ためしがき :2006/06/06(火) 00:01:47 ID:0lxfeS2M

1回目の放送1/2
 
  地図上に灯る無数の星。時折、星の一つが激しく明滅し、消えていく。星たちは何も知らずに瞬き続ける。
    強く、弱く、時に互いを傷付けあう星たちの世界。その世界が夕闇に包まれはじめるころ、空に鐘の音が響き渡った。
  鐘の澄んだ音が鳴り止んだ後、独特の癇に障る低い声が世界を覆う。
   「くくく。選ばれし生贄諸君、無事で何よりだ。これより、1回目の放送を行う。心して聞け。」
  次いで流れてきたのは、はじめて聞く声。
   「みなさま、こんばんわ。」まるで金属同士が擦れ合っている音を、無理やり声にしたような。
  耳障りな甲高い声が空に流れる。
   「僭越ながら、みなさまがたに、ハーゴン様のご意志を、お伝えさせていただく役目をおおせつかりました。何卒よろしくお願いいたします。
    偉大なるハーゴン様が、皆様への格別の思し召しとしまして、禁止エリアを多めに設定いたしておられます。
    【B−01】【D−01】【F−06】【C−04】 以上の地域は、3時間後の今夜21時から禁止となります。
    また、24時から【E−01】、朝3時から【A−01】、朝6時から【C−01】が禁止エリアになります。
     お手数ですが各自、地図と照らし合わせてくださいませ。
    行動範囲が狭まり、さぞかし素晴らしいことがあることでしょう! 期待しておりますよ。」
  「さて、お亡くなりになられた、お可哀想な犠牲者の方々の名を読み上げます。」
   「リュカ」
   「アルス」
   「バーバラ」
   「マリベル」
   「メルビン」
   「アレン」
   「ゲマ」
   「フィオ」
   「死神の騎士」
   「ランド」
   「ミレーユ」
   「ベリアル」
   「ゼシカ」 
   「ドランゴ」
   「アリーナ」
   「ビアンカ」
   「バズズ」  クスクス。


1回目の放送2/2
 
  「以上、スタートから1回目の放送までの死亡者  名、残り  名です。 」
  悲鳴や感情を懸命に押し殺そうとする声が、生贄の首輪を通して主催者にも伝わっていく。
  
 ククク。

  「すばらしい。
   皆様、ご活躍ですね。フフフ。
  次の放送は、12時間後の朝6時に放送させていただくことになっております。
   おききのがしのないよう。
  皆様の更なる御健闘をお祈り申し上げております。」

 くっくっくっ。

   甲高い声が流れている間、癪に障る低い音がBGMのように絶え間なく笑っていた。
  慇懃無礼な挨拶が終り、再び、鐘の澄んだ音色が響き渡る。
 
  「ハーゴン様、放送終了いたしました。」「ご苦労。」
  「是非ともこの調子で活躍していただきたいものです。」
  「無論、そのための禁止エリアだ。
   今は良いが、人数が減れば、あやつらの事だ。結託するに決まっておる。
     結託して良からぬことを考える者には分断を。
さらなる殺害を求めるものには獲物を。
    万が一にも全ての生贄が結託したとしても、あやつらは『全員が死ぬ』事に耐えられぬわ。
   みずから殺さずとも、24時間以内に誰かが馬鹿馬鹿しい自己犠牲とやらで死んでいく。
   果して、その自ら生み出す闇に耐えられるかな?」
    ハーゴンは哄笑した。

  背後の薄暗い邪神像の目が、一瞬、怪しく赤く光る。

  消え行く星達の、声無き声、聞き届けたるものは、魔物か人か、それとも。

【残り人数  名】
 
 口調は気に入っていただいたようなので、広間にいるのとは別人(別モンスター)もしくは次の書き手さん次第で。
一文が長すぎるところは後でカットするかも。

136 名無しさん :2006/06/06(火) 23:27:46 ID:2InBqarE
放送下書きキターーー!

しょうもない事かも知れんが、「くくく」が「<<<」に見えてしまった。
「くっくっく」のほうがいいかも。

無視してもらってもかいませんが・・・

137 名無しさん :2006/06/06(火) 23:51:38 ID:78pajIBg
下書き乙。投下する時はageた方がすぐ皆気付いていいと思うよ なのでage
死人も結構増えたから、縦書きじゃなく適当に改行入れて横に並べた方が読み易いかも

本スレの1にも 進行役:悪魔神官 って書いてあるし
別モンスターはまずいと思うんだが、他の方はどうだろう?

138 名無しさん :2006/06/07(水) 00:02:22 ID:Q7BLWMDA
笑い声はいらないと思います。パッと読んだ感じ読み難いと思ったので。

   甲高い声が流れている間、癪に障る低い音がBGMのように絶え間なく笑っていた。
  慇懃無礼な挨拶が終り、再び、鐘の澄んだ音色が響き渡る。

この文書だけでもハーゴンの嘲笑は充分伝わると思いますよ。

139 名無しさん :2006/06/07(水) 01:22:25 ID:R8VfYlS2
>進行役:悪魔神官 って書いてあるし 別モンスターはまずいと思う

確かに。二人って言うのもなんだしな。

140 戦う理由 完全版 :2006/06/07(水) 22:21:46 ID:B3RcdIo6
アリアハンの城から、北西の茂みに彼は潜んでいた。
日は、沈みかけている。

(ふう、休んだおかげである程度回復しましたね。)
クリフトはアリアハンでの戦いの後、休める場所を探して、傷を癒していた。
精神的にも、大分立ち直れたようだ。

彼は、一人思案する。
これから暗くなる。
暗くなれば冷え込むだろう。それに、今は晴れているが、何時天候が変わるとも知れない。
とりあえず、夜になる前に雨風凌げる場所へ行かなくては、とザックから地図を取り出す。
彼は、地図を見ながらため息をついた。
自分の近くで、人家のある場所はアリアハンしかなかったからだ。

「ハァ、あそこには、戻りたくないですねぇ」
昼間の戦闘を思い出す。
女の子のことはどうでもいいが(殺せなかったことは後悔している)大きな筒を持った男が気になる。
あの男は、まだいるのではないか。
それに、城といえば人が集まるかもしれない……。
…人が集まる?

「ハッ!おお神よ。そういうことですか。何故今まで気付けなかったんでしょう。」
天啓が降りたように、クリフトは閃いた。
まぁ、神を裏切っている人間が、「おお神よ」とか「天啓」とか可笑しいが、閃いた内容はこうだ。
これから、夜になる。そうすれば、暖をとるために人は人里に集まるだろう。
そしたら、アリーナ姫も来るかもしれない。会えたら、打ち明けよう。自分の計画のことを。
会えなくとも、集まってきた奴らにザラキでだまし討ちすればいいのだ。
神官ということで、そいつらの輪にはいれば簡単にうまく行くだろう。
これは、いい考えだ、と意気込んだが、一つの懸念が頭をよぎった。
森に居た、鶏冠と青い男。あいつらが居たらどうしよう…。
仕留め損ねた上に、顔も見られているし…う〜ん。
良く考えれば、あそこでは女の子を殺そうとして失敗した上に、それを筒男に見られている。
そいつらが、他の参加者に自分は危険だと言い触らすのではないか?
クリフトは、頭を抱えた。
自分の計画が早速破綻しかけているのだから、無理もない。
その時だった。遠くから、蹄の音がした。

141 戦う理由 完全版 :2006/06/07(水) 22:22:21 ID:B3RcdIo6
「ん!?あれは……。よしっ!」
クリフトが見たのは、馬に乗って駆けてくる、二人の男女。
片方は、遠巻きにみても分かる覆面を被った荒くれ者だ。見るからに怪しい…。
それなのに、何を思ったかクリフトは彼らから見えやすい位置へ出て倒れこんだ。
古典的な、行き倒れ作戦だ。彼の姿は、二度の交戦で所々破けたり焦げていた。
これならまぁ、お人よしには通用するだろうが、相手がマーダーとは考えないのだろうか?
はっきり言って、所詮クリフトだ。


「あれ?ねぇ、聖なる守りはどこ」
カンダタの体を一通り見て、それがないことに気付く。
まさか…。

「姐さんに、もう頭を潰されるのが嫌なのでザックにしまっときやした」
「…そう、ならいいわ」
ほっとした。
ちょっと引っかかったが、まぁいいだろう。
そんな時アリス達は、進行方向に倒れこんだ男を視認した。

「あ、姐さん!あれ!!」

ガスッ!!

勢いあまってアリスに、肘打ちを食らわせてしまった。不味い…。
「カ・ン・ダ・タ!?」
予想通りアリスの握力が、カンダタを襲う。

「ぎゃあぁぁぁっ!ちょっと、落馬してしまいますよ!!あ゛っ!!!!!」

カンダタが、バランスを崩し手綱を放してしまった。
「あらっ!よいしょっと」
自重しながらも、もうほとんど落ちている彼を左手で持ち上げ、右手で手綱を握る。
体勢を立て直したカンダタが、何か言ってきたが倒れている男の所まで来たので、無視しよう。

「どう」
馬から降り、二人で倒れている神官風の男へ駆け寄る。

「大丈夫ですかい?」
「倒れてるんだから、大丈夫なわけないでしょ!」
「ど、どんな様子ですかい?見たところ、服はボロボロですが」
「何もできないなら、黙って見てなさい」
質問の多いカンダタに注意する。
アリスは、男の容態を調べ外傷を確かめ始めた。
その時だった。男が、何か紡ぎだした。
呪文か何か、この文句は…。


『ん、気になるかい?今の呪文。』
『ええ、あなたがそんな呪文を使えたなんてね』
『これは、神に許されざる禁忌の呪文さね。相手の魂を抜き去り、即死させるものさ』
『え?なんで、そんなものを…』
『ん、治すだけじゃ、守りたい人は守れない。それが理由じゃ駄目かね?』

142 戦う理由 完全版 :2006/06/07(水) 22:22:58 ID:B3RcdIo6
今聞いたのは、僧侶であるフィオが禁忌の呪文として扱っていたソレの詠唱。

「危ないっ!カンダタ、離れなさい!!」
アリスは、後ろに跳びながら、カンダタに注意を促がす。
しかし、この判断は、間違っていた。
カンダタに注意をしたのはいい。
しかし、自分の実力なら詠唱を終える前に、この男を気絶させられただろう。
それをせずに、反射的に逃げてしまった。
後悔を自分を襲う。
(しまった!)
そして、死の呪文が放たれた。

「…ザラキ」
アリスの身に、寒気が走る。
だが、それだけ。自分はなんともなかった。そう、自分は…。
カンダタを見ると今まさに、崩れ行く瞬間っだった。
「カン…ダタ…?」
すぐさま駆け寄り、手を掴むアリス。
しかし、手袋越しに伝わる温もりは既になく、その目は何処も見てはいない。
そんな彼が、すこし口を開いた。

「あね…さん。……さ…むい………」
「馬鹿!パンツ一丁で温かい分けないでしょ!!」
返事は、返って来ない…。
(うっ、聖なる守りを持たせておけば……。
ゴメンね。カンダタ)
白馬ファルシオンは、カンダタに鼻を摺り寄せている。
アリスの目から、涙が零れた。
それを特に意味もなく、指でなぞり手の中で揉み消す。
アリスは怒りを込め、立ち上がった。悪魔の神官に背を向けて。

143 戦う理由 完全版 :2006/06/07(水) 22:23:33 ID:B3RcdIo6
それに対するクリフトの反応は、許せないものだった。

「何も悲しむ必要はありません。彼は神の御許へ召されたのです。
あなたもじきに、送って差し上げましょう。
(やった。遂に、殺りましたよ。姫っ、貴女の為に!)」

アリスは黙って聞いていた。背を向けて。
そして、クリフトは再び死の言霊を紡ぎだした。
アリスは、ゆっくりと振り返る。殺気を込めて。

「ひっ!?」
「何が神の御許よ!あんた、絶対許さない!!」
アリスの目と合ったクリフトは、呪文の詠唱もやめ、凍りついた。
辺りからは、生き物の気配はしない。
みんな、逃げたか気配を殺して潜んでいる。
クリフトには、この殺気に覚えがあった。
かつての戦いで、自分を死んだとと思い込み、エスタークに向けた姫の殺気。
それは、死にかけの自分でも、恐ろしいというのが分かるものだった。
それと酷似しているものが今、自分に向けられている。
恐ろしくなった。目の前の姫が。

「怖くない怖くない怖くない怖くないぞ……。
姫を生き残らせるんだ!」
更に小声で何度も、怖くない、と呟く。その様子を見ていたアリスが口を開く。

「後悔しているなら、殺しはしません!
ただし、私の怒りをあなたには受け止めてもらいます!!
カンダタの分もね」

アリスが戦闘態勢に入る。
口では、殺さないと言っているが、殺気は弱くなっていない。
むしろ強くなっている。
そんなアリスに気圧され、クリフトの顔は蒼白になっていた。更に、冷や汗は止まらない。
それでも、後悔などしていない。
彼は、愛すべき主君の為に、人殺しをしたのだから……。

しかし、彼はその愛すべき主君が、直に始まる放送で名前が呼ばれるということは、考えなかったのだろうか。
そして、彼の物語は佳境へ……。

144 戦う理由 完全版 :2006/06/07(水) 22:24:08 ID:B3RcdIo6
【E-04/アリアハン北西/夕方(放送直前)】

【クリフト@DQ4】
[状態]:傷はある程度回復 怯え MP2/3程度
[装備]:祝福サギの杖[7]
[道具]:支給品一式
[思考]:目の前の敵を倒す アリーナを優勝させ、復活させてもらって元の世界へ帰る


【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP3/5 MP2/3  悲しみと怒り
[装備]:炎のブーメラン
[道具]:支給品一式
[思考]:目の前の悪魔神官を倒す アリアハンへ向かう 悪を倒す

【カンダタ@DQ3】
死亡
【残り25人】


※カンダタの所持品(聖なる守り)は、全てザックの中
 ファルシオンはカンダタの傍にいます

145 名無しさん :2006/06/07(水) 22:30:20 ID:iiSAFJ4g
訂正乙です。大分違和感無く読めました。
カンダタがアリスに聖なる守りを渡した事で彼の死にも矛盾が無くなりましたね。
カンダタが死ぬのはちょっと惜しかったけどGJでした!

146 名無しさん :2006/06/07(水) 22:32:34 ID:iiSAFJ4g
あ、アリスに渡したんじゃなくてザックに入ってたのか…。
どっちにしろカンダタの死に矛盾は無いですね。

147 名無しさん :2006/06/07(水) 22:46:37 ID:lMNuQg9Y
乙!
話の筋は、本スレ投下から気に入っていたので修正されて嬉しいっす。

>はっきり言って、所詮クリフトだ。
えっと、どんな風に所詮なんでしょうか?
ぼけっとしているから? 元々お人よしだから?

>温かい分けないでしょ
チットだけ気になりました。

148 名無しさん :2006/06/07(水) 22:53:33 ID:iiSAFJ4g
「あね…さん。……さ…むい………」
「馬鹿!パンツ一丁で温かい分けないでしょ!!」

この流れは、よくドラマであるこういう展開だと解釈しました。
瀕死の弟「お兄ちゃん…僕死んじゃうの?」
兄「馬鹿いうな!お前は若いんだからまだ死ぬわけ無いだろう!」

相手の死を悟りつつも、いつもの調子で死にゆく相手に不安を与えないようにする
そういう振る舞いじゃあないでしょうか?

149 名無しさん :2006/06/07(水) 22:58:24 ID:cK98EJBw
>>148
つっこみどころはそこではなく、
「温かい分けない」→「暖かい訳ない」の誤字だと思われ。寒いの対義語は暖かいだし
あと書き手&読み手視点のつっこみがちょっと気になったかなと。あとはGJ!

150 名無しさん :2006/06/07(水) 23:00:45 ID:iiSAFJ4g
>>はっきり言って、所詮クリフトだ。

>>これならまぁ、お人よしには通用するだろうが、相手がマーダーとは考えないのだろうか?
見るからに怪しいw二人組みを前に、彼らが殺人者の可能性も考えずに
行き倒れ作戦を実行した、クリフトの注意力の無さを皮肉ったのでしょうね。

151 名無しさん :2006/06/07(水) 23:01:29 ID:iiSAFJ4g
>>149
そっか、すみません。

152 名無しさん :2006/06/07(水) 23:04:26 ID:3l5tRN1.
カンダタ、2ndでは必ず活躍させてやるからな。
合掌。

153 名無しさん :2006/06/07(水) 23:11:52 ID:nW251l3Q
>所詮、クリフトだ。
こういうのは文字にしちゃうとつまらなくならない?
読み手が感じるものだよ。

154 名無しさん :2006/06/07(水) 23:17:40 ID:B3RcdIo6
とりあえず、皆さんが気になっているところを修正
>はっきり言って、所詮クリフトだ。
        ↓修正
 はっきり言って、無謀な行動だ。

>「馬鹿!パンツ一丁で温かい分けないでしょ!!」
          ↓修正
 「馬鹿!パンツ一丁で暖かい訳ないでしょ!!」

155 名無しさん :2006/06/07(水) 23:21:01 ID:nW251l3Q
でもさっきより随分良くなったね。
アリスの乱暴過ぎるところも改善されてるし。
あとはさっき言われてた誤字修正で問題ないんじゃない?

156 名無しさん :2006/06/07(水) 23:23:14 ID:nW251l3Q
>>154
うん、それでOKかと思われ。
指摘するところがある人は今の内に。

157 名無しさん :2006/06/07(水) 23:28:46 ID:XgNX.JQM
あら・・、作者さん自ら訂正してたのね…。
出来れば、修正版書かせて欲しかった……。

158 名無しさん :2006/06/07(水) 23:33:54 ID:iiSAFJ4g
>>154
訂正乙です。
個人的にはそこを訂正すればもう本スレに投下しても良いと思うんですけど。
かなり読みやすくなったし、矛盾も無くなったし。

159 名無しさん :2006/06/07(水) 23:36:57 ID:nW251l3Q
>>157
良かったら没ネタ投下スレに投下してみてくれ。

160 名無しさん :2006/06/07(水) 23:38:24 ID:XgNX.JQM
クリフトの思考順序がおかしい。
たった今しがたあった出来事を忘れて、矛盾のある計画を考えるなんて変。
これはクリフトの思考というより作者の思考の仕方。
これからどんな物語にするか→前の話を確認する→矛盾に気付く。

>雨風凌げる場所
指摘されたのに直してないのかよ。


てかね、せっかくある装備品を使わずにわざわざザックにしまってるだけって変でしょ。
話の都合のために不自然な行動をとらせないでよ。

161 名無しさん :2006/06/07(水) 23:44:16 ID:lMNuQg9Y
>>160
>クリフトの思考順序がおかしい。
 「クリフトが混乱してる」状態の思考を書いてるのかと思った。

>雨風凌げる場所
指摘通り、「を」OR「、」を入れたほうが、無難かなぁ。

162 名無しさん :2006/06/07(水) 23:49:43 ID:iiSAFJ4g
>>160
クリフトの行動はともかく、

>>せっかくある装備品を使わずにわざわざザックにしまってるだけ
最初はパンツの中に入れてた→アリスに怒られた→自分が身につけるの恐れ多いのでザックに
って考えれば自然な気もしたけどなぁ。
アリアハンに着いたら洗って返す予定だったみたいだし。

163 名無しさん :2006/06/07(水) 23:50:18 ID:lMNuQg9Y
あらためて考えたら、「、」は止めたほうがいいな・・・。

164 名無しさん :2006/06/07(水) 23:52:14 ID:lMNuQg9Y
>>162
同意。
もしくは、「アリスに返す」。
まあ、結末は変わらないが。

165 名無しさん :2006/06/07(水) 23:54:11 ID:XgNX.JQM
とりあえず、言わせてください。
この作者さんはまだ、とてもお若いように見受けられます。
この歳では、これだけ文章が書ければすごいと言われるだろうと思います。
きっと目の前にこの作者さんがいて、この文章を見せられたら、
『すごい!感動した!』―て、私は言うと思います。

でも、ここでは言えません。
明らかに他の作者さん、これまで投下されてきた文章に比べると劣って見えて仕方がないからです。
別にこれ単体なら、そこまで悪辣に言いませんが、これはリレーです。
それ以前の物から繋がる物です。
これまでの物を壊されたようで、どうにも許しがたく感じてしまうのです。
これまでも色々突っつかれた作品はありましたが、これ程ひどいと思う物はありませんでした。
ザキ関係でかなり突っつかれていましたが、今までだって多少突っつかれる作品や、
ものすごい作品がありました。
それでも、話が続いている、受け入れられているのは、その物語を納得させるだけの描写、文章力があるからです。
あなたが、あれだけ突っつかれるのは、根本的に文章力が足りていない、ということを理解してください。

色々つらいことを書いて、すみません。

最初にも書いたようにあなたは随分お若いと思います。
ネットよりも生身のコミュニケーションの方がずっと有意義で、
あなたにとっても楽しいと思います。
目の前にあなたがいたら、きっと私も褒めちぎるでしょうから。
ここで書くよりは、文章を書くのが好きな友達や(文芸部の子とか)、
ゲームの好きな友達とやる方がずっと楽しいと思います!
…もしくは、友達でないのなら、これを機会に友達になるとか!

166 名無しさん :2006/06/07(水) 23:55:46 ID:lMNuQg9Y
>165さん、とりあえす、本スレの1を読んでください。

167 名無しさん :2006/06/07(水) 23:57:23 ID:lMNuQg9Y
うはwまた誤字w
>165さん、とりあえず、本スレの1を読んでください。

クオリティは特に求めません。話に矛盾、間違いがなければOK。短期完結を目指します。

168 名無しさん :2006/06/08(木) 00:00:07 ID:GBuRunjE
確かにここは退いてもらった方がいいかもしれない
しがらみを残すようではクオリティ云々の問題では無い
文句一つ無い作品はいっぱいあるわけだし

169 名無しさん :2006/06/08(木) 00:02:24 ID:QZRZ6YTw
>>165
クオリティーは求めない、矛盾が無ければそれで(・∀・)イイ!!
それがDQロワクオリティー。
だってプロの作家さんって訳でもないし、そんなふうに技術技術と言っちゃうと
今まで書いていた書き手さんや新規で書こうとしている未来の書き手さんが
息詰まっちゃいますよ。

でも、矛盾があったりする作品はそれを指摘したり、アドバイスするのは良いことだと思いますし
書き手の皆さんもそれを受け入れてくれる心の広い方ばかりですから。

170 名無しさん :2006/06/08(木) 00:05:30 ID:1yH.rVyc
>>166
クオリティは問わない、の一文だろ?
それはわかる。文章が拙くても、話になってりゃいい、そう思う。
この一文があるから、ここまで続いたってのもわかる。

だが、言わせてくれ。
クオリティ低くても許されるのは、作品に愛があるからじゃないか?
拙くても、好意的な文章は読んでいて気持ちいい。
クオリティよりも、そういう気持ちを大事にしよう、みんなで楽しもうってことじゃないか?


俺がこの作者の文章が許せない理由、それはさっきは書かなかったけど、
本当は、キャラクターに対する愛情が全然感じられないからなんだ。

アリスはまともにキャラクターを理解していない。
クリフトは、自分で幼児以下の思考力に落とした描写をしておきながら『所詮』呼ばわり。
カンダタは必要も無いのにただの無駄死に。

これのどこに愛情がある?人に見せようって作品のエンターテイメントがある?
拙さよりも、根本的に作者の良心を感じない。
正直、クオリティ以前の問題だと思うんだ。

171 名無しさん :2006/06/08(木) 00:07:53 ID:gkBQjRsU
しがらみを残しそうなら、残さないよう修正おねがいすれば良い。
矛盾や誤字なら、これまで通り指摘してきたわけだし。

これまで通りって事でw

172 名無しさん :2006/06/08(木) 00:09:16 ID:1yH.rVyc
今まで突っつかれたことがあったのも、愛情が余ってこうなってしまった、
矛盾が生じてしまった―てのだけど、この場合、今までと真逆でしょ?

何か、本当に許せないよ。

173 名無しさん :2006/06/08(木) 00:19:06 ID:M67EuYTY
しかしアリスの性格は掴みにくいな。
個人的には敬語天然猪突猛進タイプ(長い)だと思ってたが…。

174 名無しさん :2006/06/08(木) 00:19:48 ID:UhXJiGRk
雨風凌げるって使わないのか。
地方の言葉なのかな?

175 名無しさん :2006/06/08(木) 00:20:02 ID:QZRZ6YTw
「戦う理由」の作者さんは皆の意見取り入れて訂正してくれたんだし
そこまで叩く必要ないと思われ。

新スレのテンプレに
『もし投下作品に不安があるのなら綜合掲示板の「投下SS一時置き場」でアドバイスを
受けるのも手です』って書いておくと良いかも。

176 名無しさん :2006/06/08(木) 00:21:08 ID:QZRZ6YTw
>>173
両方とも激しく同意。

177 名無しさん :2006/06/08(木) 00:39:36 ID:uZPNZR16
…こんな逸話がある。
記者が、夏目漱石にこんな質問をしたそうだ。
「あなたは、何故こんなにいい作品を作れるのですか?」
それに対し、彼の答えは…
「金の為です」

漱石曰く、発表しない作品には、自分の好きなことが描かれているそうだ。
でも、そんな作品売れはしない。
では、どうするか?彼は、天才だった。
売れる作品を作るらしい。自分がつまらなくてもだ。
これだけ聞くと、愛情もへったくれもない。
ま、実際は愛情を注いでいたかもしれないが。

俺が、何を思ってこの作品を書いたか。
それは、自分が面白いものを見る為。
こういう風に書けば、次の書き手がすばらしい作品を描くと思ったから。
そう、俺には、愛情を注ぐ気はない。

修正版書きたいならどうぞ。
俺は、この作品を放棄する。

178 名無しさん :2006/06/08(木) 00:46:05 ID:amWa7RSc
ここですと、本人かどうかわからないので。お手数ですがよろしくお願いします。

179 名無しさん :2006/06/08(木) 00:54:38 ID:QZRZ6YTw
>>177
もし「戦う理由」の作者さんなら落ち着いて。
貴方はちゃんと自分への批判を受け入れたし、ちゃんと訂正もしてくれた。
それだけでも誠意ある行動だと思うし、作品自体は面白かったよ。
最初に投下した作品に比べればかなりの良作になってて感心した。
それにパロロワってのはプロの作家さんが書いているわけじゃないし、
あなたも夏目漱石ではないし、そんなに思いつめちゃダメだと思う。

それと、作者が修正版を書く意欲を現しているのに
作者でもないのにその作品の修正版を書こうとするのもどうかと思うよ。
自分の気に入らない作品を投下されたからといって、ちゃんと批判を受け入れたのに
必要以上に叩いてヤル気をなくさせるのはどうかと思う。

180 名無しさん :2006/06/08(木) 01:06:46 ID:tiVzGmp6
>>177
お、自分で愛情ないって認めた。
うん、漱石はいいよ。
愛情無くても、ちゃんと人を楽しませてるし、文章のクオリティも高い。

でも、あなたの場合どうなの?
散々、叩かれた感動もさせられなきゃ楽しめもしない作品じゃん。
そんなものを漱石と並べるなんて、傲慢にも程があるよ。

出来がよけりゃ、愛情が無くてもいい。
出来が悪くても、愛情があれば(ファンの娯楽だから)いい。

あなたにはそのどちらも無いのに、許される筈ないじゃん。


>放棄します。
本当にありがとうございますm(_ _)m
お疲れ様でした。
引き下がってくれて、本当に感謝します。
ありがとうございました、ありがとうございました。

181 名無しさん :2006/06/08(木) 01:07:15 ID:UhXJiGRk
今日は寝たほうがいいだろうな。

182 名無しさん :2006/06/08(木) 01:08:47 ID:TnwrIus.
地図上に灯る無数の星。時折、星の一つが激しく明滅し、消えていく。星たちは何も知らずに瞬き続ける。
    強く、弱く、時に互いを傷付けあう星たちの世界。その世界が夕闇に包まれはじめるころ、空に鐘の音が響き渡った。
  鐘の澄んだ音が鳴り止んだ後、独特の癇に障る低い声が世界を覆う。
   「選ばれし生贄諸君、無事で何よりだ。これより、1回目の放送を行う。心して聞け。」
  まるで金属同士が擦れ合っている音を、無理やり声にしたような、耳障りな甲高い声が空に流れる。

183 名無しさん :2006/06/08(木) 01:10:01 ID:TnwrIus.
   「 僭越ながら、私がハーゴン様の代理として放送を行う。
    ハーゴン様より格別の思し召しがあり、禁止エリアを多めに設定した。
   【B−01】【D−01】【F−06】【C−04】 以上の地域は、これより3時間後の今夜21時から禁止となり、
    また、24時から【E−01】
    朝3時から【A−01】
    朝6時から【C−01】が禁止エリアとなる。 各自、地図と照らし合わせ確認するように。
    行動範囲の狭まった分、さぞかし、素晴らしいことが起きると期待している。」
 「さて、死んだ『可哀想な』もの達の名を読み上げる。」

184 名無しさん :2006/06/08(木) 01:10:35 ID:TnwrIus.

   「リュカ」   「アルス」   「バーバラ」   「マリベル」   「メルビン」
   「アレン」   「ゲマ」    「フィオ」    「死神の騎士」  「ランド」
   「ミレーユ」  「ベリアル」  「ゼシカ」    「ドランゴ」   「アリーナ」
   「ビアンカ」
   「バズズ」

185 名無しさん :2006/06/08(木) 01:10:57 ID:QZRZ6YTw
>>180
>放棄します。
本当にありがとうございますm(_ _)m
お疲れ様でした。
引き下がってくれて、本当に感謝します。
ありがとうございました、ありがとうございました。

余計な一言だと思う。必要以上に叩き過ぎだって。
茶でも飲んでモチツケ(´・ω・`)つ旦~

186 名無しさん :2006/06/08(木) 01:11:26 ID:TnwrIus.
  「以上、スタートから1回目の放送までの死亡者  名、残り  名。 」
  首輪を通して、悲鳴や感情を懸命に押し殺そうとする声が主催者に伝わっていく。
  
   「すばらしい。
    次の放送は、12時間後の朝6時に放送する。
    聞き逃しのないようにな。
    諸君らの更なる御健闘を祈っている。」

   甲高い声が流れている間、癪に障る低い音がBGMのように絶え間なく笑っていた。
   慇懃無礼な挨拶が終り、再び、鐘の澄んだ音色が響き渡る。

187 名無しさん :2006/06/08(木) 01:12:11 ID:TnwrIus.
  「ハーゴン様、放送終了いたしました。」
「ご苦労。」
  「是非ともこの調子で活躍して欲しいものです。」
  「無論、そのための禁止エリアだ。
   今は良いが、人数が減れば、あやつらの事だ。結託するに決まっておる。
     結託して良からぬことを考える者には分断を。
さらなる殺害を求めるものには獲物を。
    万が一にも全ての生贄が結託したとしても、あやつらは『全員が死ぬ』事に耐えられぬわ。
   みずから殺さずとも、24時間以内に誰かが、馬鹿馬鹿しい自己犠牲とやらで死んでいく。
   果して、その自ら生み出す闇に耐えられるかな?」
    ハーゴンは哄笑した。

188 名無しさん :2006/06/08(木) 01:12:51 ID:TnwrIus.
  背後の薄暗い邪神像の目が、一瞬、怪しく赤く光る。

  消え行く星達の、声無き声、聞き届けたるものは、魔物か人か、それとも。

【残り人数  名】

189 名無しさん :2006/06/08(木) 01:15:13 ID:QZRZ6YTw
>>182-184
>>186-188
放送乙です。そして割り込みスマソ。
何故こんなに細かく区切ってあるのかが気になりました。

190 名無しさん :2006/06/08(木) 01:16:13 ID:tiVzGmp6
>>185
ごめん、皮肉じゃなくて本当に感謝の気持ちなんだ。
叩きはしたけど、せめて快く退場して欲しくて。

191 名無しさん :2006/06/08(木) 01:16:49 ID:TnwrIus.
ああ、すいません。コピーが上手くいかないので^^;>細切れ

まだ、予約があるけれど、死者の順番はこれで良いのかな?

192 名無しさん :2006/06/08(木) 01:22:03 ID:QZRZ6YTw
>>190
雑談スレに行ってまで叩くなよ、もうちょっと頭冷やそうぜ。

>>191
死者の順番は今のところコレでOKだと思います。

193 名無しさん :2006/06/08(木) 01:23:24 ID:TnwrIus.
>192
了解しました。
色々名残惜しいですが(笑)、放送の口調はコレで行きたいと思います。

194 名無しさん :2006/06/08(木) 02:01:01 ID:uZPNZR16
悲しくなった。
>>140-144の放棄取り下げ
愛情のことはよく分からないが、自分の作品捨てちゃいけないな。
そんなことしたら、本当に愛情がなくなる気がする。
さぁ、叩くなら叩け!
あー虚しい。

195 名無しさん :2006/06/08(木) 02:53:23 ID:tiVzGmp6
>>194
別に作品を捨てなくても投下の撤回はできますよ。

…と、叩くのはさておき、あんたの気持ちはわかったよ。
放棄撤回いいじゃない。
けど、撤回するならそれと一緒に書いた漱石云々も撤回しなさい。
漱石と並べて自分は面白い物を書いたなど、あまりに傲慢すぎ。
それも撤回してくれ。

>自分が面白いものを見る為〜
他人も面白い物を見たいんだってことを忘れなさんな。
他人に見せる物なんだから、他人のことを考えなさいな。
『人に面白いものを見せたい』と。
あなたも物語を書いて投稿するんだから。
自分が楽しみたいだけじゃ無責任でしょ?


この2つ、傲慢なことを書いたのを反省するのと、
『自分が見たい』じゃない、『人に見せる』ってことを理解してくれるなら、
引き続き『戦う理由』の修正がんばんなさいな。


>さぁ、叩くなら叩け
>あー、虚しい
そうやって作品と関係ない自分の感情、弱音を吐くのウザい。
漱石のように自分の嗜好より、他人を楽しませるエンターテイメントを取りたいなら、
もっとドライになれよ。




ドラクエスレの住人がみんな無茶苦茶暖かくてよかったな。
ついでに、俺がヌルい人間で。

196 名無しさん :2006/06/08(木) 03:18:01 ID:UhXJiGRk
また一言多いよ。
書き込む前に見直してくれ。

197 名無しさん :2006/06/08(木) 03:18:11 ID:uZPNZR16
>漱石と並べて自分は面白い物を書いた
ただ、物語を作る理由には、こうゆうものもあると伝えたかっただけ。
ま、漱石と同じ視点に立とうとするだけでも傲慢かな…。

198 名無しさん :2006/06/08(木) 03:22:03 ID:UhXJiGRk
もうレスしないほうがいい。
泥沼に嵌るだけだ。

199 名無しさん :2006/06/08(木) 03:27:46 ID:tiVzGmp6
>>197
そんなことは聞いてない。
おまえは呆れた奴だ。


傲慢を指摘されて、反省より先に言い訳をするとは!

もういい、帰れ。投下は無効にしろ。
少しでもお前を信頼できる奴だと思った俺が馬鹿だった。



愛情について説いたのは、クオリティを問わないことについてだ。
それを『こんな理由もある』と漱石を出す?
漱石の場合にしろ、愛情が無い場合にしろ、作品の質が高いのがまず前提だろうが!
それを、まず真っ先にクオリティの方を指摘されておきながら、
漱石の例を出すなど馬鹿にも程がある!!

200 名無しさん :2006/06/08(木) 03:31:42 ID:tiVzGmp6
>>198
そうですね…。
少しでも彼が信頼できると思った私が馬鹿でした。
197で彼という人間に対してあきらめがつきました。

もう彼に対してレスはしません。


皆さん、お騒がせして申し訳ありませんでした。

201 名無しさん :2006/06/08(木) 07:37:21 ID:vbXkTeYY
>>197は「戦う理由」の作者さんじゃないように感じるのは
私だけでしょうか。
性格変わりすぎだろう。

202 名無しさん :2006/06/08(木) 10:38:32 ID:TnwrIus.
ここでは、本人かどうかの確認は無理だからねぇ。

あとは関わらず、経過を見守っていこう。

203 名無しさん :2006/06/08(木) 18:01:56 ID:qy7SQRwo
アリス、カンダタ、クリフトで話を書いたけど、
投下はまだ見合わせるべきだよね。(´・ω・`)スレじゃなくてこっちでも。

見せたいのに、見せられない。ちょっと歯痒い(´・ω・`)

204 名無しさん :2006/06/08(木) 18:10:53 ID:v5IxkQAs
書いて、それがすごければあの書き手さんも心動くんジャマイカ

205 名無しさん :2006/06/08(木) 18:43:53 ID:LDm6v0hU
どう見ても1yH.rVyc=tiVzGmp6が過剰に粘着していただけな件について

修正版は本スレの疑問を全て解決していた立派なものであったわけだし
これなら俺は投下して構わないと思った。作者氏はあんま気に病まないでいいよ。

206 名無しさん :2006/06/08(木) 18:53:51 ID:PU07nfFg
>>205
禿同。
せっかく修正したのにしつこい。
どうせアリスの性格が気に入らなかっただけだろ。

そして>>177は作者さんじゃなくこいつじゃないかと思ってしまった。

207 名無しさん :2006/06/08(木) 19:16:15 ID:GBuRunjE
>>203
見せてみよう
話はまずそれからだ

208 名無しさん :2006/06/08(木) 19:26:19 ID:/jjvE.w2
ようやく収拾ついたんだね。
>>203
此処は『投下用SS一時置き場』なので、どんどん投下してください。

209 名無しさん :2006/06/08(木) 19:27:40 ID:LDm6v0hU
>>207
いや、見せちゃったら最後、
「戦う理由」を破棄させるための格好の餌にされるだろ…

210 名無しさん :2006/06/08(木) 19:29:05 ID:uZPNZR16
戦う理由の作者です。
>>203
皆さんの反応がよければ、本スレに投下しても構わないですよ。

211 名無しさん :2006/06/08(木) 20:27:36 ID:/jjvE.w2
>>210
あまりにも突然な人格崩壊ぶりに ID:uZPNZR16が本当に「戦う理由」の作者さんか
疑ってる一人ですけど、本物なら予約時のトリップを出してください。

212 名無しさん :2006/06/08(木) 20:39:31 ID:uZPNZR16
>>211
>>177=撒餌 >>194=餌 >>197=針
>>199がHIT

213 名無しさん :2006/06/08(木) 20:43:58 ID:/jjvE.w2
個人的には>>140-144は本スレに投下しても問題はなくなったと思います。
他にもアリスの話を書きたがっている人もいるので、早めに投下したほうが
良いと思います。

本スレでは悪質な釣りは止めてくださいね。

214 名無しさん :2006/06/08(木) 20:54:32 ID:v5IxkQAs
>>203がめちゃめちゃいい作品を引っさげてたら…とも思うんだ

215 213 :2006/06/08(木) 20:54:57 ID:/jjvE.w2
>>210の意味を履き違えてしまった…作者さんがまた投下するのではなくて
>>203が投下するのか。

>>210さんが本当に投下無効にするのなら
本スレの方に改めて無効宣言した方が良いと思いますよ。
こっちと同時進行で作品の行方を見送ってた人と、そうでない人とがいますから。

216 名無しさん :2006/06/08(木) 20:58:24 ID:v5IxkQAs
急がないと迷惑かかるしな

217 名無しさん :2006/06/08(木) 21:06:24 ID:UhXJiGRk
無効宣言が出たようだ。
>>203のが冒険作品でないんなら、向こうに投下してもいいんじゃない?

218 名無しさん :2006/06/08(木) 21:12:06 ID:/jjvE.w2
でも>>203さんに不安があるならこちらの方にドゾー

219 名無しさん :2006/06/09(金) 00:00:54 ID:QK.0G96E
動きがないな
今日中に返事が来ると良いが

220 名無しさん :2006/06/09(金) 00:02:14 ID:55t8PVGg
203です。まさか、あの後こんなに早くGOサインが出るとは思っていなくて、
バイトに行っていました。今、時間が出来たので投下します。

221 名無しさん :2006/06/09(金) 00:03:07 ID:55t8PVGg
…あ、その前に。
大筋は「戦う理由」をベースに書かせて頂きました。
と、いうわけで



222 さらば、カンダタ!悲しみのアリス1/12 :2006/06/09(金) 00:04:02 ID:55t8PVGg
(前話:『主は子羊を見捨て給ふ』より)
果たして、クリフトが駆け出した先は北門であった。
一番手近な門を目指したのだが、どうやらマルチェロから逃げ出した方向は北であったらしい。
そして、一番手近な身を潜めそうな場所へ潜りこんだ。―アリアハン北の森の中だった。
遠目に見えるアリアハン城の方角と、コンパスを確認すると、
どうやらそうらしいことが、クリフトにも確認できた。
(チ……、どうせなら南へ逃げていればよかったが……。)
もし南であれば、そのまま南側の森へ潜り込んでいる。
南の森であれば、東と北を山岳に囲まれ、西にもそう土地はない。
誰かと遭遇する確率は少なかった。
今、クリフトは背中と左足とを焼かれ、その状態は散々である。
(今は誰にも会いたくない。)
のである。

が、今更、後悔しても始まらない。逃げた時は方角や、後のことなど考える余裕は無かった。
あきらめて治癒に専念する。場所に不満はあったが、もう、この場所から移動する気力はなかった。
(半日位かかるかな…?)
傷の深さもさることながら、回復呪文の効きが悪い。
先の―ハッサンとテリーと名乗る男達につけられた―傷の回復も、
本来ならホイミで十分であったが、ベホマまで行使した。
加えて、大分クリフトは魔力を消耗している。
焦って呪文を唱えては、余計に疲労が重なるだろう。
時間をかけて治癒せなばなるまい。
そう考え、クリフトはゆっくりと楽な姿勢をとると、目を閉じ回復に意識を集中させた。

223 さらば、カンダタ!悲しみのアリス2/12 :2006/06/09(金) 00:05:30 ID:55t8PVGg
半日ほどが過ぎただろうか。高かった日が傾き始めている。
幸運なことに治癒を開始してから今まで、誰とも遭遇することが無かった。
その幸運に彼の女神―アリーナ―に感謝しつつ、状態を確認する。
背中に違和感は無い。足も、多少引きつるが痛みは無かった。
傍目にも、衣服が焼けて素足があらわになっていることを覗けば、ほとんど違和感は無い。
(フフッ…)
その状態に自信を得たのか、笑みがこぼれる。
浅いものだが仮眠もとったため、精神もすこぶる爽快だ。むしろ、高揚しているかもしれない。
まだまだ死と回復、その生命を操る二つの呪文を唱えることが出来るだろう。

自信を取り戻したクリフトは、
(さて、どうするべきか)―と、辺りを確認する。
辺りに変化は無かったが、よく耳をすませば音が聞こえた。
 バカラッバカラッ バカラッバカラッ…
(蹄の音…、馬?)
加えて、もう一つの音がついて来ている。
 ガラガラガラガラ ガラガラガラガラ…
(車輪……だな。……馬車か!)
音が近付いてくるのを確認すると、クリフトはおもむろに目に付きそうなところに倒れこんだ。
(フフッ…、馬車ということは何者かが乗る物でしょう。誰かは知りませんが、殺させて頂きます。
 幸い、今の私の姿は襲われてボロボロになった体でしょう。
 倒れておけば、『なんとか逃げ出したが、力尽き行き倒れた』そういったように見えるはず。
 馬上の人物は油断して様子を見に来るでしょう。
 ならばその時!私の様子を見ようと歩み寄った瞬間!即座にザキを叩き込む!
 いや!ザラキだな…。馬車ならば複数人いるだろう。ザラキを唱えれば……。 クック…、皆殺しだな!)
その邪悪な算段に、堪えきれず笑みが零れる。果たして何人が死ぬことやら…。
クリフトは、まさに狙うその瞬間に呪文が発動するよう今の内に呪句を唱え始めた。
(アグロム・バウエイータ メギタ・ロゲログルス ウゲボザムス……)
出来ればスカラを唱えてから、詠唱に移りたかったが、馬の脚は速い。
スカラを唱えてからでは間に合わないだろう。
(アギダ・アンブリダ アギタ・アガ・メガ ヴェロム・ラマスキタ メル・カヴォルム……)
クリフトは倒れ伏したまま死の呪句を紡いだ。

224 名無しさん :2006/06/09(金) 00:07:19 ID:6MDO37Gs
ちょっと待て。なんで馬車だ。
ファルシオンは単体だぞ。

225 さらば、カンダタ!悲しみのアリス3/12 :2006/06/09(金) 00:07:30 ID:55t8PVGg
少しばかり、時間を遡る。
クリフトが潜む森より西の地点、アリアハンへと続く橋の前にアリス達がいた。
じゃぶ じゃぶ じゃぶ
カンダタが川の流れで聖なる守りを洗う。
アリスは思う―(いくら私でも、年頃の乙女です。男性の股間に直に入れられた物は触れません!)
「姐さーん、もういいですかい?」
カンダタが問う。この質問をするのはもう何度目かになる。
ふう、とため息をアリスはついた。
「まぁ、もういいでしょう。」
そう言ってつかつかと歩み寄る。カンダタの手の内の聖なる守りを、無造作にもぎ取るように奪った。
少し乱暴な仕草だが、本当は少し照れもあるのだ。
―中年の男性であるカンダタが、こんなにも自分の言うことを聞いて情けない様である―それが、
恥ずかしいやらむず痒くて。
パチン、と胸に聖なる守りをアリスはつけた。
「ヘヘ…」
やっぱり、馴染む。後年、ロトの印と呼ばれるこの守り、やはりロトたるアリスの胸に輝くのがとても似合っていた。
「ぐぇへへへへ。」
それを見てカンダタも笑う。少し、いやらしい。
ドスッ!
それを見て、容赦ないアリスの肘内がカンダタを襲う。
「姐……さん、強…すぎ……。」
アリスの腕力は桁外れである。カンダタは悶絶した。
「当然です!今、あなたはいやらしいことを考えたでしょう!これは当然の罰です!」
アリスは悪びれず答えた。
「うぐぅ…」
カンダタは言葉で答えられず、呻きで答えた。

226 名無しさん :2006/06/09(金) 00:08:38 ID:55t8PVGg
>>224
え…!ずっと馬車だと勘違いしていました(゚д゚)
とりあえず続けます。

227 さらば、カンダタ!悲しみのアリス4/12 :2006/06/09(金) 00:09:13 ID:55t8PVGg
それから四半刻程、馬を走らせたであろうか。前方を指差しカンダタが叫ぶ。
「姐さん、あれ!」
カンダタの指差す先、進行方向よりやや左手、森寄りの正面に男が倒れている。
「わかってる!」
わき目も振らずアリスは答えた。
男の様子は、遠目にも衣服は焼け爛れぼろぼろの姿であった。
誰よりも正義感に厚いアリスがそれを放っておけるはずが無い。
まして、アリスは何かに夢中になると他のことが目に入らなくなるタイプなのだ、
カンダタには一切目もくれない。少し、カンダタは寂しかった。

どぉぉぉぉぉと土煙をあげて馬車が止まる。軽くドリフトをするような形だ。
アリスが馬車から飛び降りる。
「君、大丈夫かい!?」

―あれ、おかしくねぇ?―
その時だろうか、カンダタが違和感を感じたのは。
アリスに冷たくされたからではない、言いようの無い不安を感じた。
何か薄暗い情念、邪悪な物が潜んでいるような感覚。
(そういや、この男、いつの間にここにいた?
 何か…、何かおかしい。急に降って湧いたように現れなかったか?
 そうだ、こんな目立つところに傷を負ったまま倒れるなんておかしいじゃないか。
 襲われて、こんな所で倒れてたら止めを刺されてるはずだぜ?
 もし、倒れているならもっと目立たないところ…。
 それに、なんだ?衣服は焼け爛れてるけど、体は無傷じゃないか。
 おかしいぞ?おかしい!?おかしい………!!!)
「姐さん!!!」
「ザラキ!!!」
クリフトがザラキを唱え終えるのと、カンダタがアリスを突き飛ばしたのが同時だった。

228 名無しさん :2006/06/09(金) 00:10:22 ID:OXnQhmow
オリジナル呪文ももう勘弁してくれよ……orz

229 さらば、カンダタ!悲しみのアリス5/12 :2006/06/09(金) 00:10:29 ID:55t8PVGg
カンダタは悪人である。―いや、だったと言うべきか。
純朴そうな人間は騙して金品を巻き上げたし、貯えている所からは強奪した。
また、人さらい、その売り渡しにも手を出した。およそ真っ当とは言えない生き方で暮らしていた。
そのため、逆に自らを陥れようとする輩、欺こうとする輩に出会うことも多かった。
化かしあい、騙しあい、欺きあう。悪の道、修羅の道だった。
―それゆえかもしれない。クリフトの不自然に気がついたのは。
どこか、そういう暗い情念に対して敏感な部分がカンダタにはあった。

そして、そんな生き方を改めようとしたのはアリスに出会ったためであった。
アリスはカンダタの行おうとする悪事の、そのことごとくを粉砕した。どんな悪事も見逃さなかった。
だが、とうとう彼の命を奪うことはなかった。
(どんな悪人でも、改心することはできる。)
どこまでも優しく強かった。そんなアリスに心打たれ彼は改心しようと決意したのだ。

(姐さんは光だ、俺の光だ。
 いや、世界を照らす光、勇者なんだ、守らなければならない!!!)
そう思うと、自らの身も省みず飛び出した。
アリスは突き飛ばしたが、頭を振っている所を見ると、どうやら無事らしい。
だが、自分は猛烈な寒気を覚えると共に、意識が昏倒する感覚を覚えた。
(あ……、こりゃ俺、死んだわ。)
カンダタは、いともたやすく自らの死を受け入れた。

230 名無しさん :2006/06/09(金) 00:13:45 ID:55t8PVGg
>>228
あぁ、そうです。
これまでの話を見てると何か詠唱してるけど全文が出たわけじゃないし、
結局、詠唱までの呪句って捏造するしかないじゃないですか。

私は、そこらへんセンスないんでマイナーな漫画から適当にパクったんですが。
詠唱文がまずければさしかえたいな、と思っていました。
話の流れ上、間に詠唱(クリフトの実際の行動)を挟まないとテンポが悪くなりますし…。

231 さらば、カンダタ!悲しみのアリス6/12 :2006/06/09(金) 00:15:19 ID:55t8PVGg
クリフトは困惑していた。目の前の女を殺したはずだった。完璧なタイミングだった。
(何が起こった?)
突然の出来事に頭がついていかない。
(男?男か……?男が飛び出してきた?どうなったんだ?
 何が起こった?俺は女を殺そうとしたんじゃないのか?)
元々、小心なクリフトである。正気を取り戻すにはいささか時間を要した。

「カンダター!」
アリスが駆け寄る。突き飛ばされた瞬間、一瞬何が起こったかアリスはわからなかったが、
すぐに状況を理解した。―倒れていた男が自分を殺そうとして、咄嗟にカンダタがかばってくれた―
アリスは自分の迂闊さに歯噛みする。
(そうだ、こういうこともあり得るのだ。
 弱者のふりをして、人の寝首をかこうとする奴、人を欺こうとする奴。
 倒れている男がその可能性だってあったってのに……!)
それを考えるにはアリスはいささか直情的で正直でありすぎた。
いつもなら、冷静なサマンサや、マイペースなフィオが諌める場面であった。
「カンダタ!カンダタ!」
倒れているカンダタを抱き起こす。その肌は異様に赤黒く、そして冷たい。
(この症状は見たことがある。)
生物を即死させる呪文―ザキ、ザラキ―。その対象は生命たる血液、体液を全て凝固させられ即死させられる。
血流の流れを止められた体は異様に冷たくなり、
また、血管の内壁は本来ありえない圧力を受け体内で裂ける。
毛細血管が粉々になるため、体表は内から血に染まり赤黒くなるのだ。
先程まで倒れていた男が叫んだ言葉も、『ザラキ』であった。

232 さらば、カンダタ!悲しみのアリス7/12 :2006/06/09(金) 00:17:20 ID:55t8PVGg
「姐さん……、良かった、無事だったんですね……。」
カンダタが震える手でアリスを掴む。
本来、即死させる呪文だが、
アリスをかばう形で魔力を完全に浴びなかったため、その効力はやや緩やかであった。
(あぁ……。あぁ………)
アリスは聖なる守りを持っている。邪悪な呪文を受け付けることは無い。
(それなのに!)
自分はかばってもらわずとも無事だった。それなのに、それなのに自分をかばうなんて!!
余りにやるせない事実だった。しかし、
「あぁ……、助かりました。あなたのおかげで………!」
それはアリスは言わない。自分をかばってくれたカンダタを傷つけたくなかった。
「へへ……、良かった……。へへへ………。」
カンダタは笑った。
そう答える間にも、見る見るカンダタの体色は変化していき、血管が破裂する赤から、固まる黒へと変わっていった。

「あぁ………、姐さん……、さ…む……い………」
―カンダタが死んでしまう!
アリスはなんとかそれを食い止めたい。
しかし、いかな勇者と言えど、死の呪文に捕らわれた人間を救い出す術は無かった。
両眸から涙があふれ出す。雫は頬を流れ落ち、カンダタの厚い胸板をぽたぽたと濡らした。

233 さらば、カンダタ!悲しみのアリス8/12 :2006/06/09(金) 00:18:27 ID:55t8PVGg
アリスは、父オルテガの言葉を思い出す。
『アリス、悲しい時こそ気丈になれ。
つらい時、悲しい時こそ人は誰かに頼りたいものだ。
勇者とは、そんな時まっ先に気丈に振る舞い、
皆を勇気づける者なのだ。』
―わかりました、父さん。アリスは泣きません。

アリスは必死に涙をこらえると、精一杯の笑顔で答える。
「馬鹿だな…。あなたは…、今、パンツ一枚で……しょう?寒いの…当たり前じゃない……。」
そう言って、ガバと抱きつく。ぎゅっと抱きしめた。
(これで…、寒くないでしょう…?)
きつく、きつく抱きしめる。
中年の男性特有の体臭が、自らの腕の中で息絶えた父、オルテガの最期を思い出させた。
(父さん……!カンダタ……!)
「へへ……、姐さん……、あった………けぇや………。」

自分のために泣いてくれるアリスが嬉しくて、
それでも涙をこらえて気丈に振る舞う優しさが嬉しくて…、
アリスがこんな自分を抱きしめてくれるのが嬉しくて…、カンダタは笑った。
笑ったまま死んだ。覆面の下から覗く素顔は安らかな微笑みを浮かべ続けていた。

234 さらば、カンダタ!悲しみのアリス9/12 :2006/06/09(金) 00:19:36 ID:55t8PVGg
アリスはゆっくりと立ち上がった。
後ろで錯乱したままのクリフトに振り向く。
「ひっ……!」
ザラキを唱えて後、突然の目まぐるしい出来事に半ば茫然自失としていたクリフトは息を飲んだ。
振り向いたアリスの形相は、まさに怒髪天をつくと言わんばかりであった。
かっと見開かれた両眸は凄まじい剣幕で怒りに燃えている。
「ひぃいぃいぃいぃい〜〜〜〜〜っ!!」
その剣幕に押され悲鳴を上げながらクリフトは背を向け逃げ出した。
恐怖に足がもつれ、喉がカラカラに渇いた。

(逃がしません!)
一足飛びにクリフトとの距離を詰めると、アリスは、手刀を振り下ろした。
背を向けたままの彼の右肩から斜め下に振り下ろす袈裟斬りの形。
ドウと言う音と、骨を砕くビシビシという衝撃がアリスの腕に伝わった。
「ぅ…ぐ……。」
クリフトはアリスに振り向いたが、痛みに悶絶しそのまま仰向けに倒れこみ、気絶した。


アリスから無防備なクリフトの首元が見える。
のけぞるように顎を上げて倒れたため、首輪の下からそこが覗いていた。アリスはそこを見据え拳を構える。
彼女の腕力なら、このか細い男の首元を砕き、絶命させるのは容易いことだろう。
構えた拳が中空でぶるぶると震えた。
(―わかっています。わかってるんですよ…!)
アリスは何事かに逡巡するが、とうとう拳が振り下ろされた。
が、クリフトの首元ではない。そのすぐ脇の地面を打つ。
(―わかっています、本当に悪いのは、この男ではないということは…!!!)

235 さらば、カンダタ!悲しみのアリス10/12 :2006/06/09(金) 00:22:24 ID:55t8PVGg
アリスは、誰よりも優しく正義感に厚い少女である。
勧善懲悪―善を勧め、悪を懲らしめる。
それが彼女の行動原理であり、生き方だった。
<だから、彼を殺してはならない。>
怒りに身を焦がしそうになったが、本当に憎むべき悪は、
このような悪趣味な戦いのお膳立てをしたハーゴン、自らを大神官と名乗る不届きなハーゴンなのだ。

アリスは拳を引き立ち上がる。汗と涙で濡れた頬に髪が張り付きゆらめいた。
(この男も被害者なのだ。)
眺めてみれば、その男の気を失い眠る姿は、いかにも気が弱く真面目な好青年そうだった。
それを確認すると、
(こんな人が、人殺しを…!)
再びやるせなさがアリスを襲った。

「ベキラマーーッ!!!!」
拳を地に打ち付け呪文を放つ。ドウという鈍い爆発音が響く。
打ち付けられた拳は地中まで穿ち、そのため腕から溢れたベギラマの炎は地中から地面をめくれ上がらせたのだ。
アリスの右腕を中心に地に大穴が開く。
そう、これは何もやるせなさからだけで拳を地に打ちつけたのではない。カンダタの弔いのためである。
―アリス流の穴掘り術。おそろく彼女しか出来る者はいまい。
出来上がった穴にアリスはカンダタを横たわらせた。
その身は、自分のマントをくるりとはずして、包ませた。
「ありがとう……。安らかに。
必ず、ハーゴンの企みは阻止して見せます。
あなたの…、本当の意味での仇は必ず取ります…。
だから…、見ていて下さい……。」
アリスはカンダタを追悼し、土を戻し別れを終えた。
別れ際、その手向けになる物が何も無かったのが寂しかったが、
持ち合わせていなかったのはどうしようもなかった。

236 さらば、カンダタ!悲しみのアリス11/12 :2006/06/09(金) 00:23:58 ID:55t8PVGg
アリスは、肩を砕いたクリフトにベホマと応急処置を済ませ、馬車に横たえると、自らも馬車に乗った。
その寝顔を確認する。
(目を覚ましたら、こんな馬鹿な誘いに乗ってはいけないと説得しなくては。)
そして、はたと気付く。
(そうだ、真面目で理屈で物を考える人間程こんな時、言いなりになりやすい。)
そんな人間は一人、心当たりがあった。
――サマンサ!!!――
(あぁ、あの子は無事だろうか?
 思い余って無茶をしてないだろうか?
 いや、ちゃんと生きてるの?
 もし、今、私が襲われた男のような者に襲われていたら――!)

「どーう。」
と、手綱を引く。ファルシオンも悲しげだった。
目的のアリアハンは目前だ。
「行くよ!」
そして、弛める。進め、の合図をする。
アリスの不安を感じたのか、猛然とファルシオンは駆け出した。
(お願い、サマンサ、無事でいて。
フィオは……、あの子はマイペースだから大丈夫よね。
 あぁ、無茶をしていなければいいけど…。
二人はアリアハンにいるだろうか?…いて欲しい!
 もしも、私たちが何かあって離れ離れになっても、いつも待ち合わせてた場所―ルイーダの酒場―!
 そこでいつもの元気な顔を見せて欲しい!)

237 さらば、カンダタ!悲しみのアリス12/12 :2006/06/09(金) 00:24:47 ID:55t8PVGg
【D-4/森林前/夕方】

【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP3/5 MP1/2強
[装備]:炎のブーメラン ロトのしるし
[道具]:支給品一式x2(カンダタ分) ファルシオン
[思考]:仲間(サマンサ、フィオ)が心配。悪を倒す。
[第一行動方針]:アリアハンへ向かう(ルイーダの酒場最優先)
[第二行動方針]:クリフト(名前はまだ知らない)が目覚めたら説得する。
[基本行動方針]:悪を倒す!


【クリフト@DQ4】
[状態]:HP1/4 右肩損傷(重傷) 左足に若干の引きつりあり。 MP3/4程度
[装備]:祝福サギの杖[7](砕いた肩の治癒のため、添え木代わりにアリスが当てた)
[道具]:なし(支給品は?)
[思考]:昏倒中(アリーナを守る )


【カンダタ@DQ3 死亡】
【残り25人】

238 名無しさん :2006/06/09(金) 00:26:58 ID:6MDO37Gs
乙、面白かったよ。
ただ馬車のくだりだけは修正必須かな。

呪文は……まぁ好きにして。無くてもテンポは別に損なわないと思うけどね。

239 名無しさん :2006/06/09(金) 00:28:39 ID:55t8PVGg
―以上です。
まさかファルシオンが馬単体だったとは。
馬車から馬単体に変えて、話に整合性あるよう修正する方法思いつかないし、破棄かな。
どっちにしろ、自分以外にもアリス・カンダタ・クリフトで話を書きたい人はまだいるし、
様子見しかするつもりはなかったけど。

240 名無しさん :2006/06/09(金) 00:32:56 ID:55t8PVGg
>>238
ありがとう。いきなりきつい語り口だからビビったよ。
呪文はほんと、他の人みたいにセンスあれば良かったんだけどね。
個人的には、一応話のテンポの都合上入れてるけど、内容には執着ないよ。

しっかし・・、アリスとカンダタって二人で馬の背にまたがってたのね(*´д`;)
すっげぇ密着…はぁはぁ(w

241 名無しさん :2006/06/09(金) 00:36:45 ID:PeBg6Y.A
投下乙でした。
アリス&カンダタのドラマがクローズアップされていて、死に際のシーンで涙腺緩みました。

で、ちょっと気になった点が何点か。
>>227の「君、大丈夫かい!?」の台詞にちょっと違和感。
・ザラキの魔法詠唱、カタカタを並べられると読みにくいと思いました。
 やっぱ日本語の詠唱の方がしっくり来るかな。シンプル・イズ・ザベスト
・クリフトには「アリーナのために殺人者になる」という信念があるので
 そのへんの根性振り絞ってアリスに立ち向かって欲しかったと思いました。
 怯えて悲鳴上げて気絶って言うのはあまりにもヘタレすぎて、ちょっと可哀想になりました。

242 名無しさん :2006/06/09(金) 00:49:14 ID:PeBg6Y.A
ちょっとザラキの詠唱を考えてみる。
『天にすまいし我らが神よ、我が道に立ち塞がりし邪なる達の命の流れを断ち切り給え』

…どうみてもありきたりです、本当にありがとうございました。

243 名無しさん :2006/06/09(金) 00:50:30 ID:PeBg6Y.A
>>242
邪なる達→×
邪なるもの達→○

244 名無しさん :2006/06/09(金) 00:51:36 ID:0IFN3bUY
>>243
よこしまなる

245 名無しさん :2006/06/09(金) 00:52:16 ID:0IFN3bUY
>>243
ごめん
間違った

246 名無しさん :2006/06/09(金) 00:53:38 ID:s2u9maPA
ライデインとかもそうだけどそうやって詠唱つけると
一気に厨臭さがMAXになるから勘弁して欲しいんだけどな

247 名無しさん :2006/06/09(金) 01:23:28 ID:btBqNdzg
しかし、これまでの話でも呪文の詠唱がある。
この詠唱のために、これまでの話でいつもクリフトはザキに失敗してるんだから、今更それじゃ話に整合性がないだろう。
詠唱文自体はあれだが、ちゃんとこれまでの話を汲んで、絶好のタイミングで呪文を放つべく、前もって詠唱を始めるという描写は正しいと思うよ。


…個人的にはビアンカが何の待機時間をなく即効でベギラゴンを放ったりしてるのが気になったが。
あれ、今まで呪文って即座に発動できないんじゃなかったの?と。


気にはなったけど突っ込まなかったが。
きちんと設定を詰めて始めたリレーじゃないし、おおらかにいこうや。
そこらへん、もし第二回がある時は、その時はきちんとしましょーう、ということで。



あ、あとライデインの
「天よ、照覧あれ」
はいい演出だと思ったよ。燃えた。

248 名無しさん :2006/06/09(金) 02:43:54 ID:I5I4v2Fw
>>227
「わかってる!」
「君、大丈夫かい?」

「わかってます!」
「大丈夫ですか?」

>>231
「倒れている男がその可能性だってあったってのに」
「倒れている男がその可能性だってあったというのに」
の方がらしいと思われ。

あと、クリフトの一人称、「俺」じゃないよね。

後はすごく良かった。馬車だけ直せば問題ないと思う。

249 名無しさん :2006/06/09(金) 02:57:10 ID:aa.5b3TQ
なんか言葉尻をとらえて、訂正を求める人を見ると、
もうだめかな、と思ってしまう。

250 名無しさん :2006/06/09(金) 03:26:21 ID:btBqNdzg
あ、俺、考えた。
基本的に呪文に前もって唱えるべき詠唱文はない。
ただし、ザキ、ザラキなどゲーム中で効果に確率が絡む物は詠唱がある、と。
つまり、ゲームなら発動した呪文の効果が発揮されるか否かは確率でランダムであっていいけど、
小説なら呪文が発動したのに効果が無いのは不自然、
仮に一定確率で成功するにしても、成功するか否かは書き手が自由に決められる。
つまり、ゲームと同じようにランダムというのは有り得ない。

そこで、両者の折衷案としてザキ、ザラキ、(ザラキーマ)には他の呪文と違い詠唱がある、
そのため成功する時もあれば失敗する時もある、と。

こう考えれば辻褄が合わないだろうか?
エイトの場合は呪文が苦手、と本文で触れられているように、
苦手なため若干、発動に手間取る、ライデインの時は設定された詠唱文ではなくエイトの台詞。
必殺技を放つ時にノリでかっこいいことをいうあれ。

以上の点を踏まえてまとめると、
・基本的に呪文に詠唱はない
(ベホマ!ベギラマ!などの一声で呪文が発動した描写あり。)
・ただし、ある程度のためは必要。
(レックスの呪文の速度が異常であるという描写。エイトの溜めなど。
順当に考えれば高度な呪文程、多く集中力を必要とするか…?
即座に極大呪文を放ったビアンカはかなりの術者と解釈)
・また、例外的にザキ、ザラキなど効果に大きく確率の絡む物は、
ここでは、特別な呪文の詠唱が必要なため失敗することもある、と演出する。
(既に2回クリフトは呪文の詠唱に感づかれてザキに失敗している)

…で思い出したけど、テリーにザキをかける話で、
回復の呪文の詠唱も、ザキの詠唱も違いがわからない、て描写があったね…(´д`;)
こればっかりはどうしようもないな…。
はっきり「ある」て記述と、はっきり「ない」描写があるんだもんな…(´д`;)
やっぱり、ある程度の矛盾は看過しろ、ウン。

でも、俺の考えた設定も結構いい線行ってると思うんだ(´・ω・`)
そこさえなけりゃ、話に整合性を持たせられるんじゃないかなぁ……て………

251 名無しさん :2006/06/09(金) 04:59:16 ID:w43iKHIA
「戦う理由」の展開を丸パクリしてる時点でなんだかなぁ〜。
勝手に修正するって言ってたヤツの作品かい?

だったら別に、前の作者さんの作品だってよかったんじゃないの?
無効宣言出しちゃってるけどさ。

なんていうか、これを受け入れちゃうと
「今後その人の作品に文章力がなかったら、展開だけなぞって他人が書き直し」
なんてことがまかり通りそうで嫌だわ。
ていうか、某アルジャと同じ臭いがプンプンする。杞憂で済んでくれ。

252 203 :2006/06/09(金) 13:16:56 ID:3M.Si5ik
>馬車から馬単体に変えて、話に整合性あるよう修正する方法思いつかないし、破棄かな。
て、あっさり書いてんのに、おまいら結構、修正求めるなぁ…。
破棄せず、修正しようかな。


>>251
>「戦う理由」の展開を丸パクリしてる時点でなんだかなぁ〜。
丸パクっていうか、
>勝手に修正するって言ってたヤツの作品かい?
えぇ、そうです。勝手に加筆修正版、て感じのつもりです。

>だったら別に、前の作者さんの作品だってよかったんじゃないの?
>無効宣言出しちゃってるけどさ。
俺もそう思う。
もう少し修正してほしかったけど。
一応、してほしかった部分を書くと、
・前半のクリフトの思考がへん。
 たった今、城から命からがら逃げ出して、それを忘れてさぁ城に戻るぞ、なんていくらなんでもおかしいし、
 まして、そのおかしい思考に対して作者がいちいちツッコんで、
 クリフトを馬鹿にしているのは見るに耐えなかった。
・聖なる守りのくだりがこじつけっぽい
 やっぱり、ザックにしまっときやしたの一言で済ませると、
 どうしてもそのままだと元の話に不都合が生じるから、て強引にこじつけたという印象が強い。
 ここは、アリスとカンダタで一エピソードぐらい使って、話に説得力を持たせた方がいいんじゃないか?
 (場合によっては、例えば俺はこんな話を考えたんだけど・・・と。)

大まかその辺だけど、他の人が本人かと信じられない位、>>177から悪態をつき始めてるじゃん?
出来れば、この作者に修正してもらえればベストだけど、
してもらえないんじゃないかという心配の方が私はずっと大きかったんです。
それで、これを書いたんですが、
元の話もせっかく書いてもらったのを無碍に外野が没だ、無効だって取り下げる流れって嫌だったし、
「戦う理由」のストーリーは汲みたいな、と。余計なお世話だけど、勝手に修正版書いちゃおうかな、と。

>ていうか、某アルジャと同じ臭いがプンプンする。杞憂で済んでくれ。
ググったけど、わからん。
お涙頂戴劇にしたから、そういうタイプの安っぽい漫画があって、それみたいだと言ってるのか、とちょっと考えたが。
どっかのロワスレにアルジャという悪質なコテハンがいるのか?

嫌だなぁ……、自分の知らない物に勝手にたとえられるのなんて。

253 名無しさん :2006/06/09(金) 13:26:27 ID:tC4p52VM
つーか俺も書いてみたいんだけどいいかな。
駄目ならボツネタスレにでも投下するけど。

254 203 :2006/06/09(金) 13:32:31 ID:3M.Si5ik
>>249
この位の修正依頼なら、前に本スレで投稿した時にもあったよ。
まぁ、その時はもう少しやさしかった様に感じたが。
と、いうかあの後本スレに投下されてる作品も随分つつかれるようになったな…。
以前より優しくなくなった、という気はする。

まぁ、でもこの位でそこまで考えちゃうのは、考えすぎだと思うよ。

>>248
㌧㌧。
アリスのキャラは掴みにくいからね。前半はそっちの方がいいと思うよ。助かった。
ただ、後半は自分の迂闊さをしまった!て思ってるところだし、
口調が乱れてた方がらしいかな、と思う。
アリスってアバン先生みたいに、常に敬語ってキャラじゃなくて、
(中々敬語のイメージが捉えられなかったので、勝手にダイ大のアバン先生のイメージで脳内補間して書いてた)
以前の話を確認したら、結構普通の女の子の口調になってる時や乱暴な時もあるし。

クリフトの「俺」は錯乱状態の時だね。
一人称以外の口調も乱してるんで、演出にしたかったんだけど、
>241でクリフトがヘタレすぎでかわいそうってあったし、あそこらへんじゃ全面的に改定するよ。
>後はすごく良かった。馬車だけ直せば問題ないと思う。
ずっと馬車のイメージで作品を捉えてたんで、修正なんか出来るはずない、と思い込んでいたけど、
一晩眠ったら修正できるかな、とも思ったり。してみます。


修正しても、丸っと作品丸ごと撤回することも視野に入れてるんだけどね(;´д`)

255 名無しさん :2006/06/09(金) 13:35:47 ID:3M.Si5ik
>>253
イイヨ、イイヨー。
ずっと自分以外にも書きたい人がいるの知ってたから気がかりだった。
私のことなら、遠慮せず、どうぞこちらに!

個人的には、自分は人の作品をいじっちゃったし自分もいじって欲しいと思っていました。
いっそこのパートだけ希望者全員の合作兼競作になればいいのに、と。

256 名無しさん :2006/06/09(金) 13:36:47 ID:0N85YFE.
実は勝手に修正版俺も書いてたりした。これ以上候補増えたら荒れそうだから出さないが
みんなアリスとカンダタ大好きだな

呪文の詠唱はぶっちゃけ話の都合だ
無いと文章が締まらない時は入れる、無くてもいい時ははしょる
自分のイメージだと、高度な呪文ほど集中が必要→詠唱も必要
但し熟練した使い手なら短い詠唱で発動できる、とかそんな感じだった

>>252
某アルジャっつーのはジャンプロワに沢山フラグ積んでた太公望を殺す話が投下されて
それ自体は書き手&住民の反対によって無効になったが、
後に同じような展開で太公望が死なない版が投下され、それが通った一連の事件のこと

257 名無しさん :2006/06/09(金) 13:56:01 ID:I5I4v2Fw
呪文の詠唱はDQの場合一瞬のイメージ。
2だと素早さも呪文もNo.1の使い手のマリアが真っ先に攻撃してる。
だがテイルズやFF6等のターン制じゃないRPGを見てると、呪文の詠唱は高度になる程時間かかってるね。
スターオーシャンでは熟練して早口を覚えると一瞬で唱えたりしてるから、やはり高度な呪文程集中が必要。
熟練した術者なら瞬時に放つ、て感じでいいんじゃない?
こうすればギガデインなんかの強力な呪文も、余程隙だらけじゃない限り剣を交えてる時に唱え放題、て事にもならないと思うし。

258 203 :2006/06/09(金) 15:01:13 ID:guSMArOU
>>241
ありがとうございます。242のネタ出しもありがとうございます。

>「君、大丈夫かい!?」の台詞にちょっと違和感。
―は、>248を参考にさせてもらいますね。
>ザラキの魔法詠唱、カタカタを並べられると読みにくいと思いました。
まぁ、なんか考えてみます。
一応あの描写は、―今まで詠唱中に感づかれて失敗が続いているため、
今度はあらかじめ詠唱をしておく―という物なんで、
そこらへんの解説も踏まえて再構成してみます。
>クリフトには〜怯えて悲鳴上げて気絶って言うのはあまりにもヘタレすぎて、ちょっと可哀想〜
自分としては、あまりクリフトを悪役にしたくなかったんです。
元々、小心であたまでっかちだから思い余ってあんな無茶をするけど、本当は純朴で素直な奴だ、と。
頭で考えてありえない様な無茶をしちゃうけど、心の方がそれについてかないっていうか。
だから、あぁいう描写になったんですが、
とは言え、惚れた女のために狂気の道を歩もうとする男の執念はすごいですからねぇ……。
たしかに、クリフトの描写は甘かったと反省します。
前半の休んでる部分も含めて加筆して修正しようと思います。




釘を刺しておくけど、修正はしても没になることはちゃんと考えてるんだけどね(;´д`)

259 253 :2006/06/09(金) 20:03:57 ID:491tZIUg
カンダタが死なない終わり方なんだけど良いかな。
しかも短い。

260 名無しさん :2006/06/09(金) 20:54:42 ID:6MDO37Gs
個人的にはそんな感じのほうがいいんだけどな

261 253 :2006/06/09(金) 20:58:03 ID:491tZIUg
じゃ、投下するお。

262 Phony Actor 1/4 :2006/06/09(金) 20:58:50 ID:491tZIUg
私はアリアハンから逃げていたが、あの青服男が追って来ないことに気付き、
地図を出して、現在位置を確認した。
どうやら私はアリアハン北の森の中にいるらしい。
あの青服男に焼かれた足があまりに痛むので、ここで休息をとることにした。
火傷に向かって回復魔法を唱える。
先程から私は失敗続きだ。
南国男と銀髪男もそうだし、青服男もたった一人の少女すらも殺せなかった。
やはり、不意打ちのザラキだけでは限界がある。何れMPも尽きてしまうだろう。
誰かを殺して武器を奪えれば良いのだろうが、正直、剣や弓の腕にはあまり自信がない。
ならば、どうするべきか。
そうだ、味方を作ればいいのだ。お人好しな誰かを騙し、私を守らせればいい。
そして私にとって不都合な、私がゲームに乗っていることを知っている者を倒させる。
利用価値が無くなった頃に殺せばいいだろう。
一人思案していると馬の蹄の音が聞こえた。
最初は気のせいかと思ったが、どうやら本物らしい。
人の話し声も聞こえる。
全く、何とタイミングの良い時に来てくれるものだろう。
私はその場に倒れ伏した。

263 Phony Actor 1/4 :2006/06/09(金) 20:59:30 ID:491tZIUg
「なかなかつきませんね、姐さん」
カンダタが言った。私は何も言わなかった。
「…姐さん、聖なる守りのこと、まだ怒ってんですかい?」
カンダタが尋ねた。私は答えなかった。
「怒ってんですね…」
「アリアハンに着いたら私の家に行って洗ってもらいます」
私は淡々と答えた。
いくら聖なる守りでも、男性の股間に直に入れられていた物を持つなんて真っ平ごめんだ。
「着くまで貴方が持っていなさい」
「…分かりやした。…あれ?」
「どうしたのですか?」
今度は私が尋ねた。
「いや、人?人かな…。それが…倒れて…」
それを聞いて私は叫んだ。
「すぐに馬を止めなさい!」
「は、はいいぃぃぃっ!」
カンダタが手綱を止めた。私は飛び降りた。
カンダタも待って下さいよ姐さーんなどと言いながら馬を降りる。
私は倒れている青年に駆け寄って話しかけた。
「大丈夫ですか!?」

264 Phony Actor 1/4 :2006/06/09(金) 21:00:05 ID:491tZIUg
私は零れそうになる笑みを抑えながら起き上がる。
「…え、ええ。何とか」
「ああ、良かった…」
私の元に駆けつけてきた十代半ばほどの少女が安心したように呟いた。
「みっともない所を見せてしまいましたね。私はクリフト、神の道を志す者です」
あの少女を騙した時と同じ言葉を言った。おそらく大方の人間はこの言葉に騙される。
目の前の少女もそれですっかり私を信用したようだった。
私はこのゲームに乗っていないとは一言も言っていないというのに。
「で、お前は何でこんなとこにいたんだ?」
いかにも怪しい覆面男が私に尋ねてきた。
「カンダタ!そんな聞き方をするものではありません!」
少女がその男に肘打ちを喰らわす。覆面男は痛そうに腹を押さえて呻く。
「私はアリスと言います。こっちはカンダタです。…どうしてこんなところで倒れていたのですか?」
「…アリアハンで青服の男に襲われまして。命辛々逃げてきたのです」
私は嘘は付いていない。
「…そう、ですか」
「…姐さん、そんな奴が居たら危ないですよ。アリアハンに行くの止めませんか?」
覆面男が話しかける。
「馬鹿仰い!」
少女はそれをぴしゃりとはねのける。
「行くに決まっています!その人を止めなければなりません!」
こう、あまりにも都合良く事が運ぶと、返って何かあるのではないかと疑ってしまう。
「クリフトさん!」
少女がいきなり私に話しかけた。一瞬どきっとしたが、平常を装って答える。
「何でしょう?」
「一緒に行動しませんか?仲間は多い方が良いですし」
私の心配は、単なる杞憂だったようだ。
正義感に溢れていて、悪を許さない少女。だからこそ、私に利用されるのだ。
「勿論。こちらから頼もうと思っていたくらいです。ただ…」
「ただ?」
「私には武器もないですし、取り柄と言ったら回復呪文のみです。それでも構いませんか?」
少女は胸をどん、と叩いて私にこう言った。
「任せなさい!私が貴方を守りますから!」
ほら、騙せた。

265 Phony Actor 4/4 :2006/06/09(金) 21:01:34 ID:491tZIUg
【D-4/森の中/夕方】

【クリフト@DQ4】
[状態]:左足に火傷(ある程度治癒) 背中に火傷(ある程度治癒) MP1/2程度
[装備]:なし
[道具]:祝福サギの杖[7]
[思考]:アリスとカンダタを利用し、自分の護衛をさせる
     アリーナを優勝させ、復活させてもらって元の世界へ帰る

【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP3/5 MP2/3
[装備]:炎のブーメラン
[道具]:支給品一式
[思考]:クリフトの護衛をする アリアハンへ向かう 悪を倒す

【カンダタ@DQ3】
[状態]:健康
[装備]:白馬ファルシオン ロトのしるし(聖なる守り)
[道具]:支給品一式
[思考]:アリアハンへ向かう 姐さんについていく

ごめん、タイトル間違えまくったorz
>>263はPhony Actor 2/4
>>264はPhony Actor 3/4
です。

266 名無しさん :2006/06/09(金) 21:40:53 ID:QK.0G96E
乙。
ステルスマーダーじゃないか、理想的な展開だ

267 名無しさん :2006/06/09(金) 22:30:27 ID:kH85et1M
乙。
この先が期待できそうですね。

268 名無しさん :2006/06/09(金) 22:36:18 ID:kH85et1M
でも、クリフトって演技が下手そうな気がする。
クリフト、大丈夫かなぁ。

269 名無しさん :2006/06/09(金) 22:37:54 ID:6MDO37Gs
トルネコでもばれなかったから大丈夫

270 名無しさん :2006/06/09(金) 22:54:16 ID:btBqNdzg
アリスは騙せても、根が悪人のカンダタがいるからすぐにしっぽを出すぞ。
クリフトがアリスを騙し続けるには、カンダタを暗殺する必要がある。


……単純バカに理屈屋が対峙した時点で、サポーターにとばっちりが行くの確定だったんだな…。
サマンサやフィオなら返り討ちにもしそうだが、
カンダタじゃころっといきそうだ…。


と、サマンサやフィオをクリフトが襲う場面を想像したら、
小説版4のクリフトがアリーナを押し倒して犯そうとする場面思い出したwwwww

今、その場面について小説版スレに面白いレスが貼ってあったんで、
興味のある人は必見。
俺は声を上げてワロタwww



クリフトには愛すべきへたれで、最終的には更生の道を歩んで欲しい(´・ω・`)

271 名無しさん :2006/06/09(金) 22:58:27 ID:kH85et1M
>クリフトがアリスを騙し続けるには、カンダタを暗殺する必要がある。

次ぎの書き手さんに期待ですね〜。ワクワク。

272 名無しさん :2006/06/09(金) 23:04:38 ID:dACYMaS6
>>青服の男に襲われまして
この展開は般若のテリーと上手くつなげられるんじゃマイカ!?

273 名無しさん :2006/06/09(金) 23:08:01 ID:6MDO37Gs
服より面のほうが強烈に印象に残る特徴だと思う

274 名無しさん :2006/06/09(金) 23:25:56 ID:nSje4Prg
>273
同意。でも「襲われたときは面をしてなかった」で通じるかも。

275 名無しさん :2006/06/09(金) 23:59:57 ID:cKMi/F2g
いや、クリフトがどうこう言うまでもなく、
般若の面は3由来なんだから、アリスは効果知ってるでしょ。
すぐに呪われてるって理解して助けに行くだろう。
多分、実力でぶちのめして。

276 名無しさん :2006/06/10(土) 00:04:35 ID:xoI40Mis
>>275
ナルホド。それじゃあちょっと詰まらない展開になっちゃうね。

277 名無しさん :2006/06/10(土) 00:11:57 ID:vHTVSVNc
結局、3つの話のうちどれが投下されるの?

278 名無しさん :2006/06/10(土) 00:15:09 ID:xoI40Mis
>>277
それは職人さんに委ねよう。
…それにしても文才がある人が羨ましい(*´Д`)

279 名無しさん :2006/06/10(土) 00:15:25 ID:Z2TvfJSw
他人を押しのけて我こそは!て中々言いづらい物があるよな。

280 名無しさん :2006/06/10(土) 00:18:24 ID:fiCfFUtI
 3つの話しは、
本スレ投下分を修正>修正>修正
したようなものだからなぁ。 

矛盾の少ない方で良いのでは?それとも放送後の次ぎの書き手に委ねますか?

(実は没レスが好きなんだが、没レスだけに押せないw)

281 名無しさん :2006/06/10(土) 00:19:38 ID:fiCfFUtI
次ぎの書き手に委ねる>冒頭に一緒に投下してもらうとか。

282 名無しさん :2006/06/10(土) 00:20:29 ID:xoI40Mis
>>279
あるある。
でも3作品で人気投票って訳にも行かないし、やっぱ先着順になるんじゃないかなぁ。
予約宣言→投下って流れが読み手にも書き手にも一番納得のいく結果だし。

283 深夜なので寝ますw :2006/06/10(土) 00:26:56 ID:fiCfFUtI
先着順・・・。
 ヨーイ、ドンかなぁ。
 微妙だが、他に方法無いから、仕方ないのかな・・・。

284 名無しさん :2006/06/10(土) 00:29:19 ID:RcNPthQs
俺はステルスクリフトが気に入ってるから個人的に応援
まあどれが来ても物語は紡がれる

285 名無しさん :2006/06/10(土) 00:32:00 ID:xoI40Mis
先着順推薦している俺自身、何かしっくり来ないけど、これしかないと思ってる。
おやすみ。

286 名無しさん :2006/06/10(土) 00:59:01 ID:88MlmBq6
先着って最初に投下した戦う理由ってこと?

それとも、誰でも本スレに最初に予約した人ってことか?

うわ!そりゃつれぇ!!
結局、自分が立候補します、て名乗りをあげるんじゃないか!
ここで作品は既に投下されてるから、誰か丸分かりだし……(((;゚Д゚)))
俺にはとてもできねぇ…。


つまり、最初に腹くくった人ってことだな…(((;゚Д゚)))

287 名無しさん :2006/06/10(土) 01:00:52 ID:5SDD9ipU
そこで第四の刺客が本スレにゲリラ投下ですよ

288 名無しさん :2006/06/10(土) 01:04:11 ID:88MlmBq6
もしくは、全く別の誰かが予約するってケースも有り得るな。


(場合によっては予約が入らず、クリフト、アリス・カンダタが接触しないというケースも…。
もしくは、前話で北に逃げたと記述されたわけじゃないし、
クリフト単体、アリス・カンダタのみのSSという可能性も…。)

289 名無しさん :2006/06/10(土) 01:06:31 ID:xoI40Mis
>>286
後者。でもそれだとやっぱり作家さんの譲り合いになっちゃうよねorz
いっそのこと、思い切ってアリス&カンダタ&クリフトの流れをぶった切って
アリス&カンダタのみをアリアハンに行かせるってーのは…

;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン

290 名無しさん :2006/06/10(土) 01:06:50 ID:vHTVSVNc
>>287
拗れに拗れていくなw

作者に委ねるとしてもなかなか決着つかなさそう。
ていうか譲り合いになりそうだ。

291 Phony Actorの作者 :2006/06/10(土) 10:10:27 ID:fiCOcPek
俺はどうでも良いよ。
正直言ってボツネタスレに投下しようと思ってた奴だし。
ステルスクリフトも面白いかなと思って。

('-`).。oO(最初はマルチェロで書こうと思ってたんだけどね)

292 名無しさん :2006/06/10(土) 10:13:02 ID:A5WimL7s
戦う理由=修正経験あり、作者本スレに一度無効宣言
悲しみのアリス=ファルシオンを馬車にする致命的矛盾あり、修正必須。また作者は破棄でも全然OKって言ってる
Phony Actor=修正も矛盾もなく、展開に問題無し

どう見ても3番目じゃね?

293 名無しさん :2006/06/10(土) 10:31:53 ID:GJQL3y7A
俺もそう思うお

294 Phony Actorの作者 :2006/06/10(土) 11:31:53 ID:fiCOcPek
取り敢えず、他の作者さん待ちか。

295 203 :2006/06/10(土) 12:07:52 ID:Z2TvfJSw
とりあえず、俺は自分の修正中(^ω^;)

Phony Actorを見た時は、電撃が走るようだった。
ステルスという選択肢もあったのか!と。
今まで、呪文詠唱中に気付かれて失敗していたから、
今度はあらかじめ詠唱しておくという話を考えたけど、
もう、そもそもザラキを唱えること自体あきらめちゃうとわ!!!
自分なりにこれまでの失敗から考えて、クリフトに賢い選択をさせたつもりだったけど、
そっちの方が遥かに賢かったです(´・ω・`)

個人的には、カンダタの死、クリフトというマーダーの存在から、
父オルテガのこと、仲間のサマンサ、フィオに話を発展できたのは良かったんですが。
今まで、アリスがフィオやサマンサのことを思いやる描写って無かったよね。
二人はどちらともアリスのことを心配してるのに(´・ω・`)
放送が始まる(フィオの死を知る)までに、彼らの絆を再確認させておきたかったんだけど。

296 Phony Actorの作者 :2006/06/10(土) 17:11:59 ID:fiCOcPek
修正を心待ちにしてるよ。
貴方の話、手が込んでて好きだ。

297 名無しさん :2006/06/10(土) 19:15:02 ID:bFKdi3.E
殺戮マーダー多い中でステルスは良いエッセンスになるんじゃないか?

298 名無しさん :2006/06/10(土) 21:13:23 ID:vHTVSVNc
ていうか結局どうなっちゃうんだこれ。

299 ためしがき :2006/06/10(土) 21:20:41 ID:fiCfFUtI
 色々とあるようですが、
6月14日なったら、放送を投下します。

300 名無しさん :2006/06/10(土) 21:22:25 ID:9haaGWgY
いや、今日明日で予約入らなかったら12日の0:00放送でいいんじゃない?
で、アリス達の話はどうしようね?
書き手さん間で譲り合いか、いっそ名無しで投票でもするか

301 ためしがき :2006/06/10(土) 21:23:24 ID:fiCfFUtI
「放送前」にこだわるなら、
11日の23時までに、予約してくださいね>ALL

302 名無しさん :2006/06/10(土) 21:25:01 ID:bFKdi3.E
>>300
名無し投票のほうがいいかもね。

303 名無しさん :2006/06/10(土) 21:29:47 ID:bFKdi3.E
>>299
連絡乙です。本スレの方にも連絡おねがいします。

304 名無しさん :2006/06/10(土) 21:32:54 ID:A5WimL7s
3つのうち、そのまま本投下できるのはアクター。
しかし肝心の作者は本投下に消極的な発言多杉。
んでなんだかんだ通す気マンマンなのが修正が必要な悲しみ作者。
その矛盾の修正に時間取られて先延ばしになってる現状。

音沙汰ない最初のはもう破棄で仕方ないかもしれんが、
残り2人の作者が通すつもりなら投票とかも検討しなきゃいかんし
そもそもこのパート投下すればすぐ放送できるかもしれないわけだし、
ぱぱっと決めたいところ。

305 名無しさん :2006/06/10(土) 21:41:03 ID:bFKdi3.E
もし投票するなら本スレの方にも連絡しておく?

306 名無しさん :2006/06/10(土) 21:42:32 ID:vHTVSVNc
アクターの人は最後に投下した訳だから
消極的になるのも分かる気がする。

307 名無しさん :2006/06/10(土) 21:52:10 ID:RcNPthQs
じゃあアクターに1票
やっぱり最後に物を言うのはウデだよウデ

308 名無しさん :2006/06/10(土) 21:53:42 ID:A5WimL7s
>>305
告知するにも悲しみ作者さんの修正作が来ないことにはどうにも。
通せる段階の作品を見比べないと投票の意味ないしね。

309 名無しさん :2006/06/10(土) 22:03:06 ID:sL8co5k.
修正版みてからだな。放送延期になったようだし。

310 名無しさん :2006/06/10(土) 22:04:24 ID:bFKdi3.E
現状整理、
・「戦う理由」→破棄宣言
・「さらば、カンダタ!悲しみのアリス」→訂正待ち
・「Phony Actor」→問題点無し

311 名無しさん :2006/06/10(土) 22:05:38 ID:9haaGWgY
放送延期決定か…アリス達の件が終わり次第放送、で良かった気もするが
とにかく訂正版来ないと話は始まらないか

312 名無しさん :2006/06/10(土) 22:05:54 ID:vHTVSVNc
悲しみの人は修正中だろうか。
修正版が投下されないと
いつまでたっても終わらないな。

313 名無しさん :2006/06/10(土) 22:07:53 ID:bFKdi3.E
とりあえず「悲しみ〜」訂正版待ちってことで。

314 ためしがき :2006/06/10(土) 22:12:57 ID:sL8co5k.
えっと、じつはぁ。
14日微妙なんすよねw
もし、15日になってたら、代わりに放送投下よろしくおねがします。

ここはアリス達につかうでしょうから、
放送決定稿を「没ネタ」に投下しときます〜。

315 名無しさん :2006/06/10(土) 22:13:42 ID:5SDD9ipU
いや、ややこしいことせずにここに落としてくれ

316 名無しさん :2006/06/10(土) 22:16:00 ID:5SDD9ipU
頼むから没ネタは没ネタ、試験投下は試験投下としてハッキリ住み分けてくれ

317 ためしがき :2006/06/10(土) 22:16:06 ID:sL8co5k.
 1回目の放送
 
  地図上に灯る無数の星。時折、星の一つが激しく明滅し、消えていく。星たちは何も知らずに瞬き続ける。
    強く、弱く、時に互いを傷付けあう星たちの世界。その世界が夕闇に包まれはじめるころ、空に鐘の音が響き渡った。
  鐘の澄んだ音が鳴り止んだ後、独特の癇に障る低い声が世界を覆う。
   「選ばれし生贄諸君、無事で何よりだ。これより、1回目の放送を行う。心して聞け。」
  まるで金属同士が擦れ合っている音を、無理やり声にしたような、耳障りな甲高い声が空に流れる。
   「 僭越ながら、私がハーゴン様の代理として放送を行う。
    ハーゴン様より格別の思し召しがあり、禁止エリアを多めに設定した。
   【B−01】【D−01】【F−06】【C−04】 以上の地域は、これより3時間後の今夜21時から禁止となり、
    また、24時から【E−01】
    朝3時から【A−01】
    朝6時から【C−01】が禁止エリアとなる。 各自、地図と照らし合わせ確認するように。
    行動範囲の狭まった分、さぞかし、素晴らしいことが起きると期待している。」
 「さて、死んだ『可哀想な』もの達の名を読み上げる。」

   「リュカ」   「アルス」   「バーバラ」   「マリベル」   「メルビン」
   「アレン」   「ゲマ」    「フィオ」    「死神の騎士」  「ランド」
   「ミレーユ」  「ベリアル」  「ゼシカ」    「ドランゴ」   「アリーナ」
   「ビアンカ」  「バズズ」               

  「以上、スタートから1回目の放送までの死亡者  名、残り  名。 」
  首輪を通して、悲鳴や感情を懸命に押し殺そうとする声が主催者に伝わっていく。
  
   「すばらしい。
    次の放送は、12時間後の朝6時に放送する。
    聞き逃しのないようにな。
    諸君らの更なる御健闘を祈っている。」

   甲高い声が流れている間、癪に障る低い音がBGMのように絶え間なく笑っていた。
   慇懃無礼な挨拶が終り、再び、鐘の澄んだ音色が響き渡る。
 
  「ハーゴン様、放送終了いたしました。」
「ご苦労。」
  「是非ともこの調子で活躍して欲しいものです。」
  「無論、そのための禁止エリアだ。
   今は良いが、人数が減れば、あやつらの事だ。結託するに決まっておる。
     結託して良からぬことを考える者には分断を。
さらなる殺害を求めるものには獲物を。
    万が一にも全ての生贄が結託したとしても、あやつらは『全員が死ぬ』事に耐えられぬわ。
   みずから殺さずとも、24時間以内に誰かが、馬鹿馬鹿しい自己犠牲とやらで死んでいく。
   果して、その自ら生み出す闇に耐えられるかな?」
    ハーゴンは哄笑した。

  背後の薄暗い邪神像の目が、一瞬、怪しく赤く光る。

  消え行く星達の、声無き声、聞き届けたるものは、魔物か人か、それとも。

【残り人数  名】

318 名無しさん :2006/06/10(土) 22:16:17 ID:bFKdi3.E
>>314
アリス話については訂正版待ちで落ち着いたので
こちらにどうぞ。

319 ためしがき :2006/06/10(土) 22:17:26 ID:sL8co5k.
>>315
すいませんでした。
後、気をつけます。

320 名無しさん :2006/06/10(土) 22:20:42 ID:bFKdi3.E
>>319
乙です。ただ、半角全角が混ざっているのか、文書全体が
ズレててちょっと読みにくいです。
余談ですが、いつか本スレで「祈り」を読める日を心待ちにしています!

321 名無しさん :2006/06/10(土) 22:20:51 ID:9haaGWgY
放送乙
今更気付いたんだけど、「」の終わりの句点はいらないんじゃないか?

322 名無しさん :2006/06/10(土) 22:23:44 ID:bFKdi3.E
あ、死者の名前縦に並べたほうが順番わかりやすくて良いと思います。
行数制限に引っかかりますか?

323 名無しさん :2006/06/10(土) 22:28:59 ID:A5WimL7s
中途半端な文頭の空白は読みにくいだけなので辞めて欲しいなあ、と言ってみる。

前にピサロフォズの話でも似たような空白の仕方があったけど…。

324 名無しさん :2006/06/10(土) 22:45:24 ID:RcNPthQs
かくかくしかじか
 まるまるうまうま

↑こんなヤツか?

325 ためしがき :2006/06/10(土) 23:25:21 ID:sL8co5k.
1回目の放送
 
地図上に灯る無数の星。時折、星の一つが激しく明滅し、消えていく。星たちは何も知らずに瞬き続ける。
強く、弱く、時に互いを傷付けあう星たちの世界。その世界が夕闇に包まれはじめるころ、空に鐘の音が響き渡った。
鐘の澄んだ音が鳴り止んだ後、独特の癇に障る低い声が世界を覆う。
「選ばれし生贄諸君、無事で何よりだ。これより、1回目の放送を行う。心して聞け」
まるで金属同士が擦れ合っている音を、無理やり声にしたような、耳障りな甲高い声が空に流れる。
「僭越ながら、私がハーゴン様の代理として放送を行う。
ハーゴン様より格別の思し召しがあり、禁止エリアを多めに設定した。
【B−01】【D−01】【F−06】【C−04】 以上の地域は、これより3時間後の今夜21時から禁止となり、
また、24時から【E−01】
朝3時から【A−01】
朝6時から【C−01】が禁止エリアとなる。 各自、地図と照らし合わせ確認するように。
 行動範囲の狭まった分、さぞかし、素晴らしいことが起きると期待している」
「さて、死んだ『可哀想な』もの達の名を読み上げる」
「リュカ」
「アルス」
「バーバラ」
「マリベル」
「メルビン」
「アレン」   
「ゲマ」    
「フィオ」    
「死神の騎士」  
「ランド」
「ミレーユ」  
「ベリアル」  
「ゼシカ」    
「ドランゴ」   
「アリーナ」
「ビアンカ」  
「バズズ」               

「以上、スタートから1回目の放送までの死亡者  名、残り  名 」
 首輪を通して、悲鳴や感情を懸命に押し殺そうとする声が主催者に伝わっていく。
 
「すばらしい。
 次の放送は、12時間後の朝6時に放送する。
 聞き逃しのないようにな。
 諸君らの更なる御健闘を祈っている」
 甲高い声が流れている間、癪に障る低い音がBGMのように絶え間なく笑っていた。
 慇懃無礼な挨拶が終り、再び、鐘の澄んだ音色が響き渡る。
 
「ハーゴン様、放送終了いたしました」
「ご苦労」
「是非ともこの調子で活躍して欲しいものです」
「無論、そのための禁止エリアだ。
 今は良いが、人数が減れば、あやつらの事だ。結託するに決まっておる。
結託して良からぬことを考える者には分断を。
さらなる殺害を求めるものには獲物を。
 万が一にも全ての生贄が結託したとしても、あやつらは『全員が死ぬ』事に耐えられぬわ。
 みずから殺さずとも、24時間以内に誰かが、馬鹿馬鹿しい自己犠牲とやらで死んでいく。
 果して、その自ら生み出す闇に耐えられるかな?」
  ハーゴンは哄笑した。

 背後の薄暗い邪神像の目が、一瞬、怪しく赤く光る。
消え行く星達の、声無き声、聞き届けたるものは、魔物か人か、それとも。

【残り人数  名】

326 名無しさん :2006/06/10(土) 23:35:21 ID:bFKdi3.E
>>325
おぉ!だいぶ読みやすくなってます。GJです。

327 名無しさん :2006/06/11(日) 00:12:39 ID:zFUfjCpU
こんばんわ。悲しみ作者ですよ。
指摘された点に留意して(主にクリフト)修正をしていましたが、
ちょっと内容が痛々しくなってきたんで、辞退させて下さい^^;

私にはクリフト=へたれのイメージが強いのか、
頑張らせようとすればする程痛々しくなってしまい、
アリスまでつられてすっかり鬱展開になってしまいました(あらすじは全く変わってないのにw)。
これはちょっと見苦しいと思いまして。

>アクターさん
頑張ってください。応援してます。、

328 名無しさん :2006/06/11(日) 00:14:08 ID:zFUfjCpU
修正版の方は出来たら没スレに投下するので、よろしけば感想下さい。

329 名無しさん :2006/06/11(日) 00:19:43 ID:Z6hB3wTE
>>327-328
了解ー、これからもめげずに、どんどん作品に挑戦してくださいね!
影ながら応援しています。

330 名無しさん :2006/06/11(日) 07:15:55 ID:6JSI8shQ
了。
それじゃ最後に書かれた作品で決定ぽいな

331 Phony Actorの作者 :2006/06/11(日) 09:43:12 ID:QBJdSnak
俺のになったようですね。

>>327-358
応援ありがとう。
ボツネタスレを楽しみにしてるよ。

それじゃ、予約してないけど投下してくる。

332 名無しさん :2006/06/11(日) 10:50:17 ID:RapCDJWk
>>331
投下乙です!

333 名無しさん :2006/06/11(日) 11:20:59 ID:tqtlw.3w
otu

334 名無しさん :2006/06/11(日) 16:58:10 ID:PVhwpYtM
>>325
段落の頭と、「」の二行目以降の頭の全角スペースまで削る必要はないと思うよ。
死人の名前列挙の上にも一行空けた方が見やすいと思う。あと、
>諸君らの更なる御健闘を祈っている
「御健闘」だとちょっと丁寧過ぎる気がする。御は抜いた方がいいんじゃない?
細かいところつっこんでごめんよ、乙!

335 名無しさん :2006/06/11(日) 20:44:32 ID:RapCDJWk
フローラ作品投下しますので訂正&アドバイスお願いします。

336 彼女の悪夢1/6 :2006/06/11(日) 20:45:57 ID:RapCDJWk
 自分の前に立ち塞がる障害―赤毛の女魔法使いゼシカ―を始末し、その姿を借りたフローラは思った。
(早く他の二人も始末しなければなりませんわ。)
早速立ち上がり、アレフたちが向かった方向に走り出そうと力を込めるが、力が入らない。
代わりに猛烈な睡魔が襲ってきた。一瞬どこかに身を潜めた何者かに眠りの魔法をかけられたのかと
思ったが、睡魔は彼女自身から来るものであった。
厳しい修行に励んでいたとはいえ、彼女は大商人ルドマン家の令嬢。
訓練を受けた兵士でも、ましてや打倒魔王のために厳しい旅を越えてきた勇者達でもない。
命を賭けた激しい闘いに彼女の体は疲れ果て、休息を求めていた。

337 彼女の悪夢2/6 :2006/06/11(日) 20:46:42 ID:RapCDJWk
「ここは一体…?」
 フローラは不思議な空間にいた。辺り一面、白、白、白。冬の清らかな雪の様な、夏の青い空を彩る雲の様な
一点の混じりも無いも無い純白。―そう、それはまるで花嫁が纏うウェディングドレスの様に―
天井も壁も無い、唯々白い空間に自分が消えてしまいそうな感覚に襲われた。
ふと、懐かしい気配を感じ、顔を上げた。
紫と白に彩られた人影。夜空を思わせる黒く輝く髪、そして底なしの優しさと、どこか物悲しさを秘めた不思議な眼差し。
(リュカ様…!?)
そう、見間違えるはずもない。サラボナの街で一目見たとき以来、フローラの心を惹きつけて病まない愛しい男性。
リュカは、にっこりと微笑んで両腕を広げた。
フローラの胸は少女のように高鳴った。その名を叫び、そのの胸に飛び込もうとする。
「リュカさ「リュカ!」」
誰かの声が重なった。それと同時に太陽のように輝く金の髪が横顔をなでる。
純白の結婚衣裳に身を包みリュカに向かっていくその後姿…見覚えがある!
(あの女だ!私からリュカ様を奪ったあの忌々しい女…!)

338 彼女の悪夢3/6 :2006/06/11(日) 20:47:21 ID:RapCDJWk
 リュカは幸せそうな微笑を湛えビアンカを迎え入れ、そして抱きしめる。
身を焦がすような激しい屈辱感と嫉妬に駆られ、フローラも走り出す…が足が動かない。
冷たい何かが足元に纏わり付いて動きを封じている。
(一体何が…?)
足元に目をやる。そこには見覚えのある赤いもの。それが顔を上げる。
「ひっ…!」
フローラは小さく悲鳴を上げた。
そこにいたのは喉から血を流し、顔が醜く崩れた赤毛の少女。先ほど彼女が始末したはずの少女だった。
喉に開いた穴から血と、ひゅうひゅうと空しい音を出しながらも少女は言う。
「あなたは醜いわ。あなたの愛とやらは成就しない。」
足首から伝わる冷たさと、そのおぞましさに全身が凍りつく 。
「た…助けて…リュカ様!」
精一杯の力を込めて愛しいリュカに助けを求める。
しかし、彼の目は冷たく、悲しみに暮れている。
(リュカ様…そんな哀れむような目で私を見ないでくださいませ…!)
気が付けば、リュカの腕の中で同じ瞳でビアンカも見つめている。
「…そんな目で…私を見るなあああぁぁああぁぁ!!!!」
フローラは絶叫した。

339 彼女の悪夢4/6 :2006/06/11(日) 20:47:59 ID:RapCDJWk
 ―私がこんな事になったのは一体誰のせい?貴女のせいじゃない!
あの時はいなかったはずなのに水のリングを持ってきた彼の隣に貴女が現われた。
そして図々しくも自分も花嫁に立候補し始めた。
貴女さえいなければ私はリュカ様と幸せになれた!幸せな家庭を築く事が出来た!
貴女さえ…貴女さえいなければ!!―

そう思った瞬間、顔が焼けるような熱さに襲われた―否、炎も無いのに彼女の顔は焼けていた。
「うああああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁあぁぁぁっ!!!!」
その苦しみに淑女らしからぬ叫び声を上げ、フローラはのた打ち回った。
ようやく激しい熱さと痛みから解放された時には、リュカもビアンカも、あの赤毛の少女の姿も消えていた。
フローラは床が鏡のように透き通っている事に気が付いた。
そして、見てしまった。自分の顔を。
醜く焼け爛れた顔であったならどれだけ良かったであろうか?
そこに映し出された彼女のそれは、この殺戮ゲームが始まる時に祭壇に祭られていた
邪神の像のそれであった。

340 彼女の悪夢6/6 :2006/06/11(日) 20:49:03 ID:RapCDJWk
【C-5/山岳地帯/放送直前】

【フローラ@DQ5】
[状態]:HP、MP:睡眠をとり回復。ゼシカに変化 顔から右半身にかけて火傷の跡
[装備]:山彦の帽子  毒針 ベレッタM92(残弾15)
[道具]:変化の杖 マガジン(装弾数15)×1 神鳥の杖 エッチな下着 未確認(一つ)
[思考]:アレフとルーシアを追い、殺す ゲームに乗る 永遠の若さとリュカの蘇生を願う

※フローラの火傷には定期的な回復治療が必要です。 治療しないと半日後くらいからじわじわと痛みだし、悪化します。
完治にはメガザル、超万能薬、世界樹の雫級の方法が必要です

341 名無しさん :2006/06/11(日) 20:50:04 ID:RapCDJWk
以上です

342 彼女の悪夢5/6 :2006/06/11(日) 21:03:30 ID:RapCDJWk
ごめんなさい。一つ投下し忘れありました。

【5】
 フローラは目を覚ました。冷や汗で体は冷え、服は纏わりつき、心臓の鼓動も呼吸も吐き気を催すほどに乱れていた。
(しっかりなさい、フローラ。)
そう自分に言い聞かせ、何度も深呼吸をしてようやく彼女は平静を取り戻した。
(そうよ、フローラ。このゲームを生き残るにはもっと強くならなくてはいけないのよ。)
このゲームには様々な参加者がいる。戦士、魔法使い、王族、魔族、冒険者、魔物…誰も彼も一筋縄ではいかない
猛者ばかりであろう。
そう、世界を闇から救った天空の勇者でさえも。
天空の勇者レックス―リュカ様とあの女との子供―
そう思うと沸々と嫉妬と憎しみが湧き上がって来る。
(ほら、私もまだまだ修行が足りませんわね。ねぇ?リュカ様…。)
フローラは愛する男性を思い、空を見上げた。夕日が燃えるように美しく空を赤く染め上げていた。
大分後れを取ってしまった…。
さぁ急がなければ。自分以外の参加者を血の海へ沈めていかなければ。
私の人生をやり直す為に、私と…私だけのリュカ様との幸せを手にする為に…!

343 名無しさん :2006/06/11(日) 21:15:33 ID:rVo/Ahck
乙!

なるほど。展開どうするのかと思いましたが、フローラの内面の話ですね。
 
矛盾はしてないし、良いと思います。

344 名無しさん :2006/06/11(日) 21:17:43 ID:JgXbEbDE
勘違いだったら、ごめん。
赤毛の少女って誰?

345 名無しさん :2006/06/11(日) 21:18:44 ID:PVhwpYtM
ゼシカじゃね?
内面描写だし、別に問題無いと思うよ。乙!

346 名無しさん :2006/06/11(日) 21:20:32 ID:rVo/Ahck
ぱっと見だけど、誤用っぽいかな〜と。多分ね。

>フローラの心を惹きつけて「病まない」愛しい男性。(2/6)

>そして図々しくも自分も花嫁に立候補「し始めた。」(4/6)

347 彼女の悪夢 作者 :2006/06/11(日) 21:21:41 ID:RapCDJWk
赤毛の少女=ゼシカです。
いや、何かフローラ単体の話で、今までの話と絡ませつつ、放送とリンクさせる方法が
夢って形しか思いつかなかったもので。
「夕方まで寝てました」っつーのも不自然かと思ったんですけど
本スレでは問題なしと言われたのでホッとしました。

誤字脱字はありませんかね?

348 名無しさん :2006/06/11(日) 21:22:57 ID:RapCDJWk
>>346
すみません。訂正しておきます。

349 名無しさん :2006/06/11(日) 21:23:58 ID:PVhwpYtM
あ、更に細かいことだけど、()や「」の文末に。は要らないかと。
あとは346で指摘された以外に無いと思うよ。

350 名無しさん :2006/06/11(日) 21:24:09 ID:JgXbEbDE
>>345>>347
ああ、そっか。
マリベルも喉を貫かれていたので、勘違いしました。
すいません。

351 名無しさん :2006/06/11(日) 21:24:32 ID:rVo/Ahck
心臓の鼓動も呼吸も吐き気を(催す)ほどに乱れていた.(5/6)

細かくてごめんよ^^;

352 名無しさん :2006/06/11(日) 21:26:29 ID:rVo/Ahck
あ。ごめん、>>351無し。
 
それであってるみたいだ。ごめんなさい。

353 名無しさん :2006/06/11(日) 21:29:45 ID:RapCDJWk
皆さん訂正ありがとうございます
・()内の。消去
・愛して「病まない」→止まない
・立候補「し始めた」→立候補した
・吐き気を催す→吐き気を覚えるほど

に訂正しておきました。

354 名無しさん :2006/06/11(日) 21:32:16 ID:ymv6nYUo
>>353
吐き気に関しては用法はあってる
直す必要はないよ

355 名無しさん :2006/06/11(日) 21:33:19 ID:rVo/Ahck
ごめんなさいー・・・。

356 名無しさん :2006/06/11(日) 21:36:01 ID:RapCDJWk
>>354
また訂正しなおすのもアレだし、どっちの表現でも問題ないので、
「吐き気を覚える〜」で行きます。
あと、彼女の悪夢3のシーンを
「そこにいたのは喉から血を流し、顔が醜く崩れた赤毛の少女。先ほど彼女が始末したはずの少女だった。」
 ↓
「そこにいたのは喉から血を流し、顔が醜く崩れた赤毛の少女。先ほど彼女が始末したはずの、
ゼシカ=アルバートであった。」

に加筆しました。

357 名無しさん :2006/06/11(日) 21:36:45 ID:PVhwpYtM
「」の文末の。消すも忘れずにお願いします
しつこくてごめんよ

358 名無しさん :2006/06/11(日) 21:38:43 ID:RapCDJWk
>>357
サー!イエス サー!

359 名無しさん :2006/06/11(日) 21:40:08 ID:RapCDJWk
一旦、訂正版を投下させていただきます。
まだミスがあったらその時はよろしくお願いします。

360 彼女の悪夢1/6 :2006/06/11(日) 21:41:54 ID:RapCDJWk
 自分の前に立ち塞がる障害―赤毛の女魔法使いゼシカ―を始末し、その姿を借りたフローラは思った。
(早く他の二人も始末しなければなりませんわ)
早速立ち上がり、アレフたちが向かった方向に走り出そうと力を込めるが、力が入らない。
代わりに猛烈な睡魔が襲ってきた。一瞬どこかに身を潜めた何者かに眠りの魔法をかけられたのかと
思ったが、睡魔は彼女自身から来るものであった。
厳しい修行に励んでいたとはいえ、彼女は大商人ルドマン家の令嬢。
訓練を受けた兵士でも、ましてや打倒魔王のために厳しい旅を越えてきた勇者達でもない。
命を賭けた激しい闘いに彼女の体は疲れ果て、休息を求めていた。

361 名無しさん :2006/06/11(日) 21:42:48 ID:RapCDJWk
 リュカは幸せそうな微笑を湛えビアンカを迎え入れ、そして抱きしめる。
身を焦がすような激しい屈辱感と嫉妬に駆られ、フローラも走り出す…が足が動かない。
冷たい何かが足元に纏わり付いて動きを封じている。
(一体何が…?)
足元に目をやる。そこには見覚えのある赤いもの。それが顔を上げる。
「ひっ…!」
フローラは小さく悲鳴を上げた。
そこにいたのは喉から血を流し、顔が醜く崩れた赤毛の少女。先ほど彼女が始末したはずの
ゼシカ=アルバートであった。
喉に開いた穴から血と、ひゅうひゅうと空しい音を出しながらも少女は言う。
「あなたは醜いわ。あなたの愛とやらは成就しない」
足首から伝わる冷たさと、そのおぞましさに全身が凍りつく 。
「た…助けて…リュカ様!」
精一杯の力を込めて愛しいリュカに助けを求める。
しかし、彼の目は冷たく、悲しみに暮れている。
(リュカ様…そんな哀れむような目で私を見ないでくださいませ…!)
気が付けば、リュカの腕の中で同じ瞳でビアンカも見つめている。
「…そんな目で…私を見るなあああぁぁああぁぁ!!!!」
フローラは絶叫した。

362 彼女の悪夢2/6 :2006/06/11(日) 21:45:36 ID:RapCDJWk
ゴメン…順番ミスったorz
>>361=彼女の悪夢3/6

「ここは一体…?」
 フローラは不思議な空間にいた。辺り一面、白、白、白。冬の清らかな雪の様な、夏の青い空を彩る雲の様な
一点の混じりも無いも無い純白。―そう、それはまるで花嫁が纏うウェディングドレスの様に―
天井も壁も無い、唯々白い空間に自分が消えてしまいそうな感覚に襲われた。
ふと、懐かしい気配を感じ、顔を上げた。
紫と白に彩られた人影。夜空を思わせる黒く輝く髪、そして底なしの優しさと、どこか物悲しさを秘めた不思議な眼差し。
(リュカ様…!?)
そう、見間違えるはずもない。サラボナの街で一目見たとき以来、フローラの心を惹きつけて止まない愛しい男性。
リュカは、にっこりと微笑んで両腕を広げた。
フローラの胸は少女のように高鳴った。その名を叫び、そのの胸に飛び込もうとする。
「リュカさ「リュカ!」」
誰かの声が重なった。それと同時に太陽のように輝く金の髪が横顔をなでる。
純白の結婚衣裳に身を包みリュカに向かっていくその後姿…見覚えがある!
(あの女だ!私からリュカ様を奪ったあの忌々しい女…!)

363 彼女の悪夢4/6 :2006/06/11(日) 21:46:11 ID:RapCDJWk
 ―私がこんな事になったのは一体誰のせい?貴女のせいじゃない!
あの時はいなかったはずなのに水のリングを持ってきた彼の隣に貴女が現われた。
そして図々しくも自分も花嫁に立候補した。そして…彼はあの女を選んだ…!
貴女さえいなければ私はリュカ様と幸せになれた!幸せな家庭を築く事が出来た!
貴女さえ…貴女さえいなければ!!―

そう思った瞬間、顔が焼けるような熱さに襲われた―否、炎も無いのに彼女の顔は焼けていた。
「うああああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁあぁぁぁっ!!!!」
その苦しみに淑女らしからぬ叫び声を上げ、フローラはのた打ち回った。
ようやく激しい熱さと痛みから解放された時には、リュカもビアンカも、あの赤毛の少女の姿も消えていた。
フローラは床が鏡のように透き通っている事に気が付いた。
そして、見てしまった。自分の顔を。
醜く焼け爛れた顔であったならどれだけ良かったであろうか?
そこに映し出された彼女のそれは、この殺戮ゲームが始まる時に祭壇に祭られていた
邪神の像のそれであった。

364 彼女の悪夢5/6 :2006/06/11(日) 21:46:53 ID:RapCDJWk
 フローラは目を覚ました。冷や汗で体は冷え、服は纏わりつき、
心臓の鼓動も呼吸も吐き気を覚えるほどに乱れていた。
(しっかりなさい、フローラ。あんなの唯の夢じゃないの)
そう自分に言い聞かせ、何度も深呼吸をしてようやく彼女は平静を取り戻した。
(そうよ、フローラ。このゲームを生き残るにはもっと冷静にならなくてはいけないのよ)
このゲームには様々な参加者がいる。戦士、魔法使い、王族、魔族、冒険者、魔物…誰も彼も一筋縄ではいかない
猛者ばかりであろう。
そう、世界を闇から救った天空の勇者でさえも。
天空の勇者レックス―リュカ様とあの女との子供―
そう思うと沸々と嫉妬と憎しみが湧き上がって来る。
(ほら、私もまだまだ修行が足りませんわね。ねぇ?リュカ様…)
フローラは愛する男性を思い、空を見上げた。夕日が燃えるように美しく空を赤く染め上げていた。
大分後れを取ってしまった…。
さぁ急がなければ。自分以外の参加者を血の海へ沈めていかなければ。
私の人生をやり直す為に、私と…私だけのリュカ様との幸せを手にする為に…!

365 彼女の悪夢6/6 :2006/06/11(日) 21:47:43 ID:RapCDJWk
【C-5/山岳地帯/放送直前】

【フローラ@DQ5】
[状態]:HP、MP:睡眠をとり回復。ゼシカに変化 顔から右半身にかけて火傷の跡
[装備]:山彦の帽子  毒針 ベレッタM92(残弾15)
[道具]:変化の杖 マガジン(装弾数15)×1 神鳥の杖 エッチな下着 未確認(一つ)
[思考]:アレフとルーシアを追い、殺す ゲームに乗る 永遠の若さとリュカの蘇生を願う

※フローラの火傷には定期的な回復治療が必要です。 治療しないと半日後くらいからじわじわと痛みだし、悪化します。
完治にはメガザル、超万能薬、世界樹の雫級の方法が必要です

余談:そういえばそろそろフローラの火傷が痛み出す頃ですか?

366 名無しさん :2006/06/11(日) 21:53:13 ID:PVhwpYtM
うん、ざっと見た感じ大丈夫だと思う。修正乙!

火傷負ったのが朝だからそろそろ痛み出す頃だと思うけど、
そういやフローラってべホイミ使えるよね?
その程度じゃ僅かな時間痛みを和らげるだけとか、そういうことなんだろうか?

367 名無しさん :2006/06/11(日) 21:55:45 ID:rVo/Ahck
定期的な回復治療が必要だから、痛みなら、ベホイミとかで良いと思う

完治にはメガザル、超万能薬、世界樹の雫級の方法。
でも、超万能薬もってるやつってアトラスぐらいだっけ?

368 名無しさん :2006/06/11(日) 21:55:50 ID:ymv6nYUo
フィオがフローラの回復治療を終えたのが昼〜真昼間
だから次に痛み出すのは真夜中〜深夜あたり

369 名無しさん :2006/06/11(日) 21:58:38 ID:RapCDJWk
>>367
持ってそうなのはベリアル&アトラスでしょうね。
バズズはアリス襲撃の時に使っていたから。

370 名無しさん :2006/06/11(日) 21:58:42 ID:PVhwpYtM
ベリアルの手持ちの超万能薬は燃え尽きたかどうだか不明だったっけ?
一般参加者の誰かが持ってたらそれを巡っての攻防も面白そうだが

371 名無しさん :2006/06/11(日) 22:00:35 ID:RapCDJWk
「彼女の悪夢」ですが、何も問題が無さそうならば、22:30に本スレに投下します。
それまでに訂正点があったらよろしくお願いします。

372 名無しさん :2006/06/11(日) 22:01:27 ID:RapCDJWk
>>370
錬金釜をめぐる攻防とも繋がりそうでwktk!

373 名無しさん :2006/06/11(日) 22:17:00 ID:rVo/Ahck
面白そう・・・<錬金材料あるかなw

374 名無しさん :2006/06/11(日) 22:18:47 ID:tueXqP9c
結局ゼシカはエッチな下着は装備しなかったんだな。
フローラが着るのだろうか?

375 名無しさん :2006/06/11(日) 22:22:49 ID:rVo/Ahck
・・・絵師で描かれている感じになるのかな?>フローラでしたぎ。

376 名無しさん :2006/06/11(日) 22:27:06 ID:RapCDJWk
トルネコの色んな草詰め合わせで超万能薬つくれないかな?
ちょっと無理があるか。

377 名無しさん :2006/06/11(日) 22:28:07 ID:JsdbbuoQ
しかしフローラは所詮三十路だ。

378 名無しさん :2006/06/11(日) 22:29:29 ID:RapCDJWk
>>377
あれ?後ろにゼシカがいるよ?

379 名無しさん :2006/06/11(日) 22:31:57 ID:o0cUHd7.
違う、ラーの鏡は真実を映し出しているッ!

380 彼女の悪夢 作者 :2006/06/11(日) 22:36:40 ID:RapCDJWk
【懺悔】
ぐはぁ!本スレageてしまったぁ!
ゼシカの毒針に当たって逝って来ますノシ

381 名無しさん :2006/06/11(日) 22:40:50 ID:rVo/Ahck
気にしな〜い。

じきに下がるし、ここにいる皆さんがsageてくれますよw

382 名無しさん :2006/06/11(日) 22:42:16 ID:tueXqP9c
>>377
三十路からが食べ頃なのよ坊や。

383 名無しさん :2006/06/11(日) 22:46:32 ID:JsdbbuoQ
>>382
20前後のピチピチギャル以外に興味などないッ!

384 名無しさん :2006/06/11(日) 23:07:12 ID:RapCDJWk
>>383
おっさんいつのまに!?

385 名無しさん :2006/06/11(日) 23:13:36 ID:PVhwpYtM
PS2版DQ5から試算してみる。
幼年期:主人公6才 奴隷生活10年
青年期前半:主人公16歳 石像生活8年
フローラは主人公と同じか、年下だろうから青年期前半・後半にそれぞれ2年かかったとして現在28歳。
……意外と若いじゃないか。

386 名無しさん :2006/06/11(日) 23:27:06 ID:JsdbbuoQ
ビアンカだと三十路になるんだよな。
それが可哀想でビアンカ選んだ俺。

387 名無しさん :2006/06/13(火) 01:43:31 ID:05IQgZOI
アレフ&ルーシアの書き手さん、時間がかかりそうでしたら、本スレで言って下さいね〜待ちますから〜。
お休みなさい ノノ

388 名無しさん :2006/06/13(火) 02:29:24 ID:7YQJPQ/o
投稿来たね。じゃあ、もう放送か?
さらに一人死んで残り25名。ものすごいハイペースだ…。

389 名無しさん :2006/06/13(火) 23:53:51 ID:2kDXKgj6
◆inu/rT8YOUです。本スレで言ってた没と通しの境目のもの、
書き上がったので置いていきます。例によって長いです。意見等お願いします。

390 悪夢の種子 1/12 :2006/06/13(火) 23:54:47 ID:2kDXKgj6
 ごーん、ごーんと遠くで鐘の音。
旅の途中泊めてもらった修道院で聞いたそれとよく似ていた。
妹と二人、一度でいいから自分たちも鐘を鳴らしてみたいと駄々をこねて
力一杯撞いた釣鐘を凹ませてしまって、お父さんにひどく叱られたっけ。

……いもうとは、おとうさんは、なんてなまえだったっけ?
  なんだか全てが靄に掛かったように曖昧で。

――『Ryuka』――
 知らない声が読み上げる。
りゅか。そう、確かお父さんはそんな名前だった。
……でも、なんでお父さんの名前が呼ばれたんだろう?

「覚えてないの?」
 横合いから声。振り向けば緑の頭巾の少年が立っていた。
その首から下には無数の傷が刻まれていて、元は頭巾と同じ色をしていただろう上着も何もかもが真っ赤に染まっていて、
とても痛そうなのに彼はその苦痛も感じていないかのように平然としていた。
 何処かで見た覚えのある顔。でも何処でだろう?

「此処ではね、死んだ人は名前を呼ばれるんだよ」
(うそだよ)
 即座に首を横に振る。
(お父さんはとっても強いんだ。死んだりなんてするもんか)

「嘘じゃないよ」
 聞き慣れた声に顔を上げる。
いつの間にやら、すぐ目の前に子供が一人立っていた。
 癖の強い金色の髪に、天空をそのまま切り抜いたような色の瞳。
その身に纏った胴着や群青色のマントまで、その子は髪の先からつま先まで、何処をとってもレックスに瓜二つだった。
――その手が血に塗れていることを除けば、だが。

391 悪夢の種子 2/12 :2006/06/13(火) 23:55:28 ID:2kDXKgj6
「なんでそんな必死に否定するの?死んで良かったじゃないか、あんな奴」
 鏡映しの子供が笑う。
にいと開いた口元から覗く赤い舌、その禍々しさにレックスは思わず後退る。

「国も産まれたばかりの僕らも放り出して、お母さんを助けに行って、
 挙句石化して8年間も行方不明になったりしてさ!
 結局お父さんはお母さんが一番なんだ。死んで清々するよ、あんなやつ!」
(そんなの嫌だよ!やっと見つけて――これからはずっと一緒にいられると思ってたのに!)

 同じ顔、同じ声がこれ以上父に対する呪詛を吐くのを見たくはない。
己の影に背を向け走り出し、どんど何かにぶつかって慌てて顔を上げる。

「そんなのって、ないよ」
 呟いたのは、炎のような赤毛を高い位置で結い上げた小柄な少女。
胸にぽっかりと穴を空け、まだあどけなさを残すなめらかな頬は溢れる涙に濡れていて、
可哀想に思って手を伸ばすと、少女は引き攣った悲鳴を上げてレックスの手を振り払った。
 駆け出そうとして足が縺れて尻餅をつき、それでも少しでもレックスから距離を置こうとでもいうようにじりじりと後退る。

「あたしのこと騙して、殺して、これ以上何をするっていうの?
 あたしだってもっと皆と一緒にいたかった。もっと生きていたかった。
 死にたくなんてなかったのに。……ねえ」
 涙に濡れた瞳が、狂おしくこちらを見上げる。
「なんであたしを殺したの?」

(……知らない。知らないよ!僕じゃない)
「君が僕を殺した」
 少年の虚ろな瞳がこちらを見つめる。――この顔をレックスは知っている。
「あんたがあたしを殺した」
 少女の潤んだ瞳がこちらを見上げる。――見覚えが、ある。
 でも思い出せない。思い出したくない。

392 悪夢の種子 3/12 :2006/06/13(火) 23:56:01 ID:2kDXKgj6
 けらけらともう一人のレックスが嘲笑を上げた。
「そう、僕が殺した。君が殺した。僕らが殺した!
 ほーら、君の両手を見てごらん?」

 言われてのろのろと視線を落とす。視界の両手は真っ赤に染まっていた。
ぬるぬるとした生暖かい感触。鉄錆の臭い。
脳天に雷が落ちたような感覚が身体中を駆け巡り。

 己の胸に吸い込まれた刃を信じられないといった様子で見つめる頭巾の少年。
二度、三度、刃を振り下ろすたびぱっと赤い華が咲き、少年の身体はまるでダンスを踊るように揺れ、赤い海に倒れ込む。

 恐怖に震える手を武器へと伸ばす赤毛の少女。その胸を雷光が射抜く。
ぴくぴくと痙攣するその胸に刃を突き立てると、少女の身体が一際大きく跳ねて、
恐怖か、痛みか、はたまたただの生理的な現象なのか、どんよりと曇った瞳から零れた涙が頬を伝う。

 僕はこの人たちを知っている。この人たちの死に顔を知っている。
だって、僕が殺したんだから。

僕が殺したボクガコロシタぼくがころしたぼくがコロしたぼくガころしタボクがころした
僕がぼくがボくがぼくがボクがボクガぼくがぼくガ僕ガぼくガぼくガボくがぼくガぼくが

393 悪夢の種子 4/12 :2006/06/13(火) 23:56:33 ID:2kDXKgj6
「やっと思い出した?馬鹿な僕!
 たとえ忘れたところで君の罪は消えないんだよ!」

(誰か、助けて。助けて、誰か)
 思い浮かぶのは家族のことだ。もうこの世にはいない父、いつもレックスを慕って後ろをついてきた妹、それに。
(たすけて、おかあさん――お母さん!)
「無駄だよ、お母さんは来やしないさ」
(なんで?)
「だって、君にはあれが見えないの?」

 芝居がかった仕草で指差すその先に、血溜まりの中倒れ伏すのは一人の女。
その着衣はところどころが焦げついて、だが背を覆う長い髪はいささかもその美しさを損なってはいなかった。
 眩く、清廉な輝きを放つ黄金の滝。

『――ほら、こっちよ、レックス!』
霞みのかかった記憶の中で、母が笑う。
彼と妹の色彩は母譲りだった。天空を切り取った青の瞳に、長い長い金髪の――

「そう、僕らが殺したんだよ」
 同じ顔をした子供が醜悪な笑みを浮かべ、

――『Bianca』
 追い討ちを掛けるように、無情にも声が告げた。

(――ああああああああああああああああああああああ――)

394 悪夢の種子 5/12 :2006/06/13(火) 23:57:05 ID:2kDXKgj6
 時は夕刻。闇の中なら空飛ぶベッドも昼間ほどには目立たないかもしれないが、
見通しの効かぬ闇の中を飛び回るのは危険に過ぎる。
どうやってこれをザックに仕舞ったものかと首を捻る男二人と、難しい顔で地図とにらめっこを続けるトロデを尻目に、
マリアは眠る子供を膝に乗せ、手持ち無沙汰にその髪を梳いていた。

 緑の彼方に陽が沈み、残滓が世界を茜色に染め上げる。
その瞬間を素直に美しいと思い、柳眉を顰めた。
見事な夕焼けも、響き渡る鐘の音も、殺し合いにはまるで似つかわしくない。

 美しくも不吉な調べは、幼い頃の母の葬儀を思い出させる。
もともと沈んだ気分が更に落ち込んで、マリアは目を伏せた。
と、その視線の先、子供の睫毛がぴくと震える。
 まさかまた目を覚ましたのだろうか。思わず身体を硬くするが、鐘の音は子供を覚醒させるには至らなかった。
 唇が何やら音にならない言葉を刻み、子供らしい丸みを帯びた頬を一筋、透明な雫が伝う。
 途端、憐憫が溢れてマリアは胸を押さえた。

 一度となくマリア自身や、トロデを襲い、命を脅かした子供。
しかしそれも呪いに侵され、強制されてのことと知ればその事実さえもまた憐れだった。
 膝の上の軽い身体。
自分たちに襲い掛かって来たとは――もしかしたら、もう人を殺めているとは思えない、稚い無垢な寝顔。
 呪いが解け、己を取り戻した時、この子はその罪の重さに耐えられるだろうか。

(もっとも、その呪いを解く方法さえ見当がつかないのですけど)
 嘆息する。これでは取らぬ狸の何とやら、だ。
マリアは呪い破りの呪文を知らない。
かつて彼女自身に掛けられていた呪いを打ち破った、邪を払い真実を映し出す鏡があれば。
トロデの錬金釜か、あるいはハッサンとククールが見つけてきた書物にでも何か手がかりがあればいいが、彼女に今出来ることは何も無い。
 せめて涙を拭ってやろうと子供の頬へと手を伸ばし、

395 悪夢の種子 6/12 :2006/06/13(火) 23:57:38 ID:2kDXKgj6
(――え?)

 紡がれた名に思考が止まる。
放送は二度とは繰り返されない。震える手をザックに伸ばし、奥底から名簿を引っ張り出す。
どうか聞き間違いであってくれと祈るように頁をめくり、ようやく辿り着いた目当ての頁。
こちらを見つめる見慣れた二人の姿絵と、

その身体を切り裂くように斜めに引かれた、血のように赤い線。

『――マリア!』
『ほら、早く来いって!』

 こちらを振り返り、笑う二人の声。
 家族も民も故国も失くし、復讐に凍りついた心を溶かしてくれた遠縁の少年達。
全てを失ったマリアがようやく見つけた、大切なもの。それを。
(私はまた、失くしてしまった)

 いつだってそうだ。
大切なものは指の間を擦り抜けていく。

396 悪夢の種子 7/12 :2006/06/13(火) 23:58:12 ID:2kDXKgj6
(……冗談きついぜ、おい)
 淡々と、事務的に続けられる死者の列。
その一端に知った名を聞いて、ククールは瞠目する。
瞼の裏に浮かぶのは勝気に微笑む、赤毛の少女の姿だった。

(ゼシカ)
 口説く小道具に渡した指輪は突っ返され、真面目に口説けばそっぽを向かれ、茶化せばするりとかわされ。
 共に旅するうちに自分と彼女の関係はすっかり兄妹のような関係に落ち着いてしまったけれど、行きずりの恋人なんかよりずっと大切な仲間だった。
 真っ直ぐで、はっきりと物を言う、だけれど心根の優しい少女。
言葉で「死んだ」と言われただけではとても信じられない。例え遺体を突きつけられたとて信じたくもない。
 それはただの気持ちの問題だけではない。
ゼシカは七賢者の血をひく賢者の卵だった。
呪文の腕は言うまでもなく、魔法剣士であった兄の手ほどきもあってか武術の才もある。
その彼女が殺されたということは、それ以上の使い手がこのゲームに乗っているという証明でもある。

「――畜生っ!」
 突然の大声、次いでどん、という音に目を開く。
ハッサンがこちらに背を向け、地面に拳を打ちつけていた。その肩は小さく震えている。
ああ、では彼の仲間も死んだのだ。
何か慰めの言葉でも掛けようかと口を開き、やめる。
自分がそう感じているように、今はどんな言葉も届かない気がした。
(ま、男を慰めるなんて俺の流儀じゃないしな)

『もう、またそんな馬鹿なこと言って!』

 もうどんな軽口を叩いても、いつものように唇を尖らせた彼女が怒るのを見ることはないのだ。
それが無性に寂しかった。

397 悪夢の種子 8/12 :2006/06/13(火) 23:59:32 ID:2kDXKgj6
 ククールの知るもう二つの名前が呼ばれることはついに無かった。
一つは間違いなく喜ぶべきことであったが、もう一つの名が呼ばれなかったことが良かったのか、悪かったのかは彼自身にも分からなかった。
 聖地ゴルドで一応の決着を見たとはいえ、彼が異母兄に抱く感情は未だ複雑に過ぎる。

 嘆き悲しむ大男の背中を見遣り、ふいに今朝の少年のことが思い出された。
 直接少年の命を奪ったのは魔物の刃だったろうが、責任の一端は間違いなくククールにある。
 彼の仲間も、彼の死をこうして悲しんでいるのだろうか。
――俺を、憎んでいるのだろうか。
 胸に刺さった棘がちくりと痛んで、空を仰ぐ。と、

「どうしたんじゃ!?マリア王女!」
 ふらりと揺らめくマリアの上体をトロデが支える。
頭痛を堪えるようにこめかみに当てた手は絶え間なく震え、雪白の肌はますます色をなくして死人のように白い。
 貧血だろうか。慌てて駆け寄り、何気なく目を遣ったマリアの手元の開かれた名簿。
見知った姿に、今度色をなくしたのはククールの方だった。

「おじさま、私、また大切なものを失くしてしまいました」
 泣きそうに歪んだ顔でマリアは笑い、震える指が愛しげに名簿をなぞる。

 言わなければいい。
今朝のことを知っているのは自分と、あの魔物だけなのだから、このまま何食わぬ顔をして、トロデと一緒に彼女を慰めればいい。
けれど。
 許してくれと、ククールは少年の遺体に言った。
死者に赦しを求めるのは容易い。死者は弾劾することはないのだから。
でも、彼がゼシカの死に痛みを覚えるように、マリアがあの少年の死に痛みを覚えるなら、
謝るべきは死者にではなく。

398 悪夢の種子 9/12 :2006/06/14(水) 00:00:12 ID:j9n5rc1A
「……の、せいなんだ」
「ん、どうしたんじゃ?ククール」
「俺のせいなんだ」

 ぴくとマリアの肩が動く。
ゆっくりと持ち上げられた視線がククールを捉え――次の瞬間、彼女の手に納まった杖の先端がククールの喉に突きつけられる。
 立ち上がった拍子、膝から転がり落ちた子供を慌ててトロデが抱え起こした。

「どういう、ことですか?」
 問う言葉は凍てつき、赤葡萄酒色をした瞳は今や怒りに爛爛と輝き、炎のようで。
美人は怒っても綺麗ってのは本当なんだ、とどうでもいい考えばかりが脳裏にちらつく。
勿論、彼女に言うべきはそんなことではない。

「アレン、っていうんだな、あいつ」
 名簿を見れば簡単に分かったはずの名前。
今の今までそれを調べなかったのは、自分の罪と向き合うのが怖かったからだ。
どうしても異母兄と真正面から向き合うことが出来なくて、逃げるように修道院を出た時と何も変わらない。
 いつも楽な方へ、傷付かない方へと逃げてばかりだった彼の横っ面を引っ叩き、激を飛ばしてくれたのは今は亡き赤毛の少女で、
彼女はもういない。だから自分で向き合わなければいけない。

「魔物と戦ってたんだ。援護してやろうと思って矢を射って、丁度そいつが踏み込んだところに当たって、そのせいで魔物に斬られた。
 ――俺が殺したも同然だ」
「……嘘をついていないと、誓えますか?」
「女神と、騎士の名誉と、育ての親に誓って」

 海青石の瞳と赤葡萄酒の瞳が見つめあう。先に視線を外したのはマリアの方だった。

399 悪夢の種子 10/12 :2006/06/14(水) 00:00:43 ID:j9n5rc1A
「出会ったのはつい先程ですけれど、あなたがたの話はおじさまから聞いていましたから。
 おじさまの知り合いですもの、きっと良い方たちなのだと、そう思っていました」
 喉元に突きつけられた杖がすいと下ろされる。
目を瞑り、次に開いたマリアの目は相変わらず爛爛と輝いてはいたが、瞳に宿るのは怒りではなく強い決意。

「だから、貴方が嘘をついていないと言うのなら、私は貴方を信じましょう」
「……済まない」
「謝らないで下さい。悪いのはハーゴンと、アレンを襲ったその魔物なのですから。
 一つだけ、教えて下さい。その魔物の名は」
問いと同時に手渡された名簿。頁をめくり、見つけた絵姿をマリアに示す。

「――竜王」
 その名を見とめて、マリアは我知らず皮肉な笑みを浮かべた。
かつて彼女の祖先が討伐したはずの魔物。それがアレンを殺し、今自分はまた彼を殺そうとしている。
それはロトの血族に刻まれた宿命か。

「マリア王女……憎しみからは何も、生まれぬよ」
「……分かっています。それでも」
 心配そうに自分を覗き込むトロデの顔。
大丈夫だと笑みを返して、ますますトロデの顔が曇り上手く笑えなかったのだと知る。
「大丈夫ですから」

 父を失い、民を失い、故国を失い、それでも彼女を歩ませたのは憎悪だった。
だから、今度もこの憎しみを抱えている限り前を向いていける。
いつかきっと普通に笑えるようになるから、それまではこの憎しみに囚われさせて欲しい。

(アレン、ランド。きっと私がハーゴンを討ってみせます。必ず)
 それは、いつか父に交わしたのと同じ誓い。

400 悪夢の種子 11/12 :2006/06/14(水) 00:01:13 ID:j9n5rc1A
「大丈夫だって!タバサは此処にいないんだから。何をしたってバレっこないよ」
 場違いなくらいに明るい声。
同じ顔に狂った笑みを浮かべて、子供は笑う。

「みんな殺して帰ろうよ、グランバニアへ!
 それで、お父さんやお母さんが見つかる前みたいに妹と二人で暮らそう。
 だって――」
 差し伸べる手は、べったりと朱に染まって。

「――もう引き返せないんだから」

 たすけて、と。
眠る子供の声なき言葉は、届かず潰えた。

401 悪夢の種子 12/12 :2006/06/14(水) 00:01:47 ID:j9n5rc1A
【E-4/アリアハン城北の平原/夜】

【トロデ@DQ8】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(不明の品が1?) 大錬金釜 聖者の灰 空飛ぶベッド ミレーユの通常支給品
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン

【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:健康
[装備]:いかづちの杖
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル トゲの鞭 毒薬瓶
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン 竜王(アレン)を倒す

【レックス@DQ5王子】
[状態]:呪われている(呪いの効果弱)  気絶(睡眠) 打撲
[装備]:折れた皆殺しの剣 王者のマント
[道具]:祈りの指輪×1(一回でも使えば限界)
[基本行動方針]:不明

【ハッサン@DQ6】
[状態]:健康
[装備]:聖なるナイフ
[所持]:まだらくも糸 魔物のエサ
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン

【ククール@DQ8】
[状態]:右腕に火傷(半分回復
[装備]:ビッグボウガン(矢 18)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:レックスの呪いを解く方法を探す マルチェロを止める

402 名無しさん :2006/06/14(水) 00:04:49 ID:j9n5rc1A
投下完了です。ご意見よろしくお願いします。
ところで没スレにレックスネタ投下した貴方。
貴方は私の生き別れの双子か何かですか?

403 名無しさん :2006/06/14(水) 00:14:33 ID:KiDkxUWs
乙!
かなり泣けた(つД`).:∵

見事な精神描写で、読みふけってしまった。
バーサーカーも迫ってるってことで、投下していいと俺は思う

404 名無しさん :2006/06/14(水) 00:32:15 ID:yrV3kAgA
放送後の流れとしては十分だと思う
バーサーカーも仮に追いつけるとしてもこの短時間では無理だろうし
投下してもいいんじゃないかな

405 没スレ122 :2006/06/14(水) 00:36:00 ID:RdPfFgwc
>>402
驚いた。
自分の考えてたネタと大体一緒。
レックスの夢のところまで書いて(ネタを詰めただけ)、貴方に先を越されたわけですけど。
没ネタにしろ、タイミングをはかるべきでしたね。
スイマセン。

406 名無しさん :2006/06/14(水) 00:36:26 ID:O9Wqdo66
それ友の作者さんだけあって、相変わらず上手いっすね。
今回も引き込まれました。

内容のほうは心理描写中心で時間はあんまり進んでないと思うんで
バーサーカー降臨前のひと時ということで投下は全然問題ないと自分は考えます。

どうしても気になるようでしたら、最後にバーサーカー接近を軽くでも触れればよいのでは。
もっとも最後のレックスの悲痛の余韻がなくなってしまうので、お勧めはしませんが。

407 名無しさん :2006/06/14(水) 00:37:03 ID:YV7MyF16
>>402
投下乙です。何だか読んでいるこっちも色んな話を思い出して
雨も降っていないのに頬が濡れました。
特にアレンと竜王の下りで目頭が熱くなりました。
うーん…何とか竜アレンと出会って誤解を解いて欲しいものです。

レックステラセツナス(つдT)
今までレックスはこのままま無邪気なブッちぎりで突っ走って欲しい派だったのですが
この話を読んで気が変わりました。
レックスの呪いを解く手っ取り早い方法が、聖者の灰をうまく使うか
天然シャナクなエイトに剣を引っぺがしてもらう事くらいしか思いつかない。

レックスの没ネタ書いたの貴方じゃなかったんですか!?
読んでる時に「あ〜この人レックス書いた人だな」と信じて疑いませんでした。
いやぁ、不思議な事もあるものですねw

408 名無しさん :2006/06/14(水) 00:38:50 ID:j9n5rc1A
やっぱり平日深夜は人いませんね……感想&意見有難うございます。
とりあえずもう少し意見出揃うまで待ちますね。
もう深夜なので寝なければならないので投下は明日(今日だけど)の夜になってしまいますが。

>>405
いえいえ、純粋に驚いた&ちょっと嬉しかっただけですので。
他にもネタ被ってたりしたら面白いですね。

409 名無しさん :2006/06/14(水) 00:41:06 ID:j9n5rc1A
うわ、人いないって言った瞬間沢山意見が。有難うございます。
あまり待たせてもいけないと思うので頑張って投下行ってきますノシ

410 名無しさん :2006/06/14(水) 00:49:15 ID:aAj8W7zE
乙彼様です。
それぞれの悲しみが伝わってきて・・・いいですね。
ちょい気になったのはトロデがゼシカの死をスルーしてることだけかな。
でも投下しても何も問題ないと思いますよ。GJです!

411 名無しさん :2006/06/14(水) 00:53:54 ID:j9n5rc1A
すみません、何故か5/12が何度書き込んでも反映されないので
どなたか助けてはいただけませんかorz

>>410
ゼシカの名前が呼ばれたのはマリアが必死に名簿めくってる&視点ククールに切り替わった辺りなので
立ち位置の関係上トロデの描写が出来ませんでした。二人とも自分で手一杯なので。

412 名無しさん :2006/06/14(水) 00:56:02 ID:YV7MyF16
一応支援カキコしておきました。原因はわかりませんががんばって下さい!
トロデに関してはまた次の時に書けば(・∀・)イイ!!

413 名無しさん :2006/06/14(水) 00:58:47 ID:j9n5rc1A
規制されましたorzだからCATVは嫌なんだとあれほど(ry
どなたか続きを代わりに投下していただけないでしょうか?
7と11に改行気に入らないところがあるので、そこの修正版投下しておきます

414 悪夢の種子 6/12 :2006/06/14(水) 01:00:23 ID:j9n5rc1A
7と11と言いましたが、6と11の間違いでしたorzマジすいません

(――え?)

 紡がれた名に思考が止まる。
放送は二度とは繰り返されない。震える手をザックに伸ばし、奥底から名簿を引っ張り出す。
どうか聞き間違いであってくれと祈るように頁をめくり、ようやく辿り着いた目当ての頁。
こちらを見つめる見慣れた二人の姿絵と、

その身体を切り裂くように斜めに引かれた、血のように赤い線。

『――マリア!』
『ほら、早く来いって!』

 こちらを振り返り、笑う二人の声。
 家族も民も故国も失くし、復讐に凍りついた心を溶かしてくれた遠縁の少年達。
全てを失ったマリアがようやく見つけた、大切なもの。それを。
(私はまた、失くしてしまった)

 いつだってそうだ。
大切なものは指の間を擦り抜けていく。

415 悪夢の種子 11/12 :2006/06/14(水) 01:01:03 ID:j9n5rc1A



「大丈夫だって!タバサは此処にいないんだから。何をしたってバレっこないよ」
 場違いなくらいに明るい声。
同じ顔に狂った笑みを浮かべて、子供は笑う。

「みんな殺して帰ろうよ、グランバニアへ!
 それで、お父さんやお母さんが見つかる前みたいに妹と二人で暮らそう。
 だって――」
 差し伸べる手は、べったりと朱に染まって。

「――もう引き返せないんだから」



 たすけて、と。
眠る子供の声なき言葉は、届かず潰えた。

416 名無しさん :2006/06/14(水) 01:01:26 ID:YV7MyF16
>>413
代行やってみます

417 名無しさん :2006/06/14(水) 01:06:18 ID:j9n5rc1A
書きたかったことは
・レックス再マーダーフラグ
・マリア(&ククール)VSアレンの対主催同士討ちフラグ
そして迫り来るバーサーカー、全部ひっくるめて悪夢の種子、と。
説明しなきゃいけないタイトルって駄目ですねorz

>>407
でも実は私レックスマーダー推進派だったりする不思議。

>>416
お願い致します。ホント重ね重ねすみませんorz

418 名無しさん :2006/06/14(水) 01:15:38 ID:YV7MyF16
今代行投下終わりました。
ちゃんと投下されているか確認をお願いいたします。

419 名無しさん :2006/06/14(水) 01:18:07 ID:YV7MyF16
余談ですけど、大分初期の頃没ネタスレに
レックス改心→しかし罪に耐え切れず自害ってネタ書きますたw

俺も本音はレックスマーダー爆走推進派ですYO!

420 名無しさん :2006/06/14(水) 01:25:14 ID:j9n5rc1A
>>418
ちゃんと投下されてます、有難うございました!
あのエイト&ビアンカのやつですか?読んでます。
私は救われてもいいかな→両親死んで救いないし狂ってもいいかな派ですw

421 名無しさん :2006/06/14(水) 01:27:39 ID:YV7MyF16
そう、それw
エイトがレックスの剣ひっぺがしネタが真っ先に思い浮かんだので。
皆殺しの剣蛾物壊れたのにまだ影響力があるとは考えていなかったので
ヤケっぱちで書きましたw

でもどっちみちビアンカ死んだのでお蔵入りです。

422 名無しさん :2006/06/14(水) 01:30:34 ID:j9n5rc1A
私もビアンカにレックス救済させる話考えてましたが死んだのでお蔵入りです。
ではそろそろ寝ますね。代行本当に有難うございました。

423 名無しさん :2006/06/14(水) 01:32:21 ID:O9Wqdo66
よく考えたらハッサンって身内はミレーユ、バーバラ、ドランゴ死んでて
うちミレーユ、バーバラがすぐ側のレックスに殺されてるんだな。

ハッサンはウオオーンだけで心理描写カットされてしまったが
実はククールとマリアで確執起こしてる場合じゃなかったんじゃないか?w

424 名無しさん :2006/06/14(水) 02:32:05 ID:GQ9YlyWI
視界が暗く、体が重い。
 どうも自分は寝ているようだ。
『なんだい。まだ、ねてるのかい?アンタらしくないね』
『・・・つかれているんですよ。もう少し・・・眠らせてください』
目を閉じたままサマンサは言った。
『ほら。教会で、朝の鐘がなってる』『睡眠不足は美容の敵・・・』
寝ぼけながら寝返りを打つ。
『バカな事やってないで、さっさと起きな!』
顔に数滴の水をかけられる。飽れてならがら非難を込めて名を呼ぶ。
『・・・フィオ』
いつもの、旅の光景。

面倒になって目を開けてみると、頬が濡れている感触。
「良かった!!」
視界に飛び込んできたのは、泣きはらした美しい可憐な少女。
「ゴンさん、気づきましたよ。」
「まったく面倒な。おい、おまえ立てるか?」
「ええ。 ・・・!」
声をかけたほうを見て、構えをとろうした途端、足元の地面が揺れる。
「きゃ、危ない!!」「よっ、と」
よろけたところを、ドラゴンが支えてくれた。
魔物だが、どうやら害意は無いらしい。
「よかった。私達では回復方法が無くて。
失礼かと思いましたが、ゴンさんと一緒に貴女のザックも見させて頂いたのですけど・・・、
あ、品物は、ちゃんと元に戻しておきましたから」
「いえ、助かりました。ありがとうございます」
言いながら、ドラゴンから離れる。

会話をかわしている間にも、鐘の音が響いている。
「この鐘は、なんでしょう?」「さあ?」「知るか」

425 名無しさん :2006/06/14(水) 02:33:48 ID:GQ9YlyWI
 疑問はすぐに解消された。
ハーゴンの独特の癇に障る低い声が聞こえ、次いで甲高い音が。
ゲームに参加している人間には声色がどのようなものであっても、2つとも最悪な声に違いない。
「禁止エリアですか、気をつけないといけませんね」
「ええ。」
 会話を普通にできたのもここまでだった。

『さて、死んだ『可哀想な』もの達の名を読み上げる』
 三人とも口を閉じる。
 ・・・・・「フィオ」
 (ああ!・・・アリス!どうか無事でいて!!!)

 仲間の名前が読み上げられた瞬間、真っ先に祈った。
ただ、ひとりの少女の無事を祈る。
この時ばかりは、理性よりも感情が心を占領した。

だが、それも束の間のこと、彼女の冷静すぎる理性が感情を押さえ込む。
(それは希望の名。彼女さえいれば、全ては無駄ではなく、未来は開かれるのだ・・・)

「大丈夫ですか?」
少女が頬を手でぬぐってくれている。
「だいじょうぶですよ。」
少女の細い手をどかした。
「ひょっとして、誰か知合いが・・?」
「・・・ええ」
「そうですか・・・」
 黙り込む少女。声をかけるのを遠慮しているのだろう。

426 名無しさん :2006/06/14(水) 02:36:20 ID:GQ9YlyWI
だが、私は泣くことはできない。
泣く前に、考えろ、考えろ。
このゲームに勝つ為にはどうすればいいのかを。
まず、目の前の一人と一匹を殺す方法を。

手に握り締めた石があたたかくなり、効果を発揮して、サマンサの体を癒す。

「まあ、だいぶ顔色も良くなりましたわ。」「ええ。おかげさまで。」
ひとりは簡単だろう。
この少女に人を殺す能力があるとは思えない。
もう一方に、目をやると、ドラゴンがこちらを注意深く睨んでいる。
 駄目だ。この体では、多少回復しただけでは勝てない。
ゲームに乗っているのを、一人と一匹に知られてしまっている。これ以上、増えるのは流石にまずい。
 ここは引くか。
「ありがとうございます。ここで休んでいれば大丈夫ですから。」にっこり笑う。
「でも・・・」
「俺らは俺らで、やることがあるだろう?先を急ぐぜ。」
可憐な少女は考えた後、思いついたらしく、手を叩く。
「そうですわ!一緒に参りません?」
「はぁ?」「えっ」
「ゴンさんーああ、自己紹介が未だでしたわね。わたくしローラです。こちらはゴンさん。あなたのお名前は?」
「は、はぁ。ご丁寧にどうもアリガトウゴザイマス。サマンサです。」
「あ、それでですね、ゴンさんも私も人をそれぞれ探しているんです。
 サマンサさんも、治療できる人か傷が回復するまで、ご一緒しませんか?」
「あの、」「ね?」「ええっと」「ね?」
首をかしげている少女、大変風情のあるかわいらしい姿なのだが。
隣にいたドラゴンが溜息を1つ。
「諦めろ。
馬鹿女は言い出したら、止まらねぇ」
ドラゴンの背中にどこか哀愁があるような・・・魔物だろう、お前。
「はぁ」
「他に何かご一緒できない、わけでもありますの?」

427 名無しさん :2006/06/14(水) 02:37:24 ID:GQ9YlyWI
これには咄嗟に返答できないサマンサ。
(まさか、殺せないからとは・・・)

「では、ご一緒させていただきます」
「まあ。良かった。よろしくお願いしますわね」「ふん」

(確かに、この体を回復させるのが最優先です。
それに先ほどの戦いで1人の限界を知ったばかり。
一緒にいれば二人を殺せるチャンスが来るかも知れません。その時が来るまで利用されてくれればいいのですが

「そうと決まれば。ほらっよ」
ゴンが背中にサマンサを、背中あわせで抱える。
「うわっ」
「この方が歩きが速いだろう」「良かったですわね、サマンサさん」
「は、ははははは。ありがとうございます」
「礼を言われることじゃねぇよ。遅いと、いらつくだけだ。
おい、馬鹿女、地図を見て先導してくれ」
「分かりましたわ〜」
サマンサは小声で言った。
「何か違う・・・」


ゴンは歩きながら注意深く様子をうかがう。
(先ほどの石、ザックの説明書では戦闘中しか使えない筈。
効果を発揮したのは、戦闘中だとコノ女が思ったからだろう。

つまり、この女には敵意がある。
背中あわせにして、ローラを視界に、できるだけ入れないのもその為だ。

 用心しなければ、ならねぇな。チッ・・・面倒な)

ドラゴンは無意識に、閉じた口の舌で、腕輪を触っていた。

428 名無しさん :2006/06/14(水) 02:38:04 ID:GQ9YlyWI
【B-4/森林地帯/夜(放送直後)】
【サマンサ@DQ3女魔法使い】
[状態]:HP3/8 MP1/5 全身に裂傷 貧血
[装備]:バシルーラの杖(5) 奇跡の石
[道具]:支給品一式 鉄兜
[思考]:勇者の血を守る

【ローラ@DQ1】
[状態]:健康
[装備]:光のドレス
[道具]:ロトの剣 支給品一式
[思考]:アレフを探す/ゲームを脱出する

【ゴン@DQ1ドラゴン】
[状態]:左肩に銃創(浅い)
[装備]:メガンテの腕輪
[道具]:支給品一式(不明アイテム一つ所持)
[思考]:ローラを竜王の所に連れて行く/それまでは護る

429 名無しさん :2006/06/14(水) 02:38:36 ID:GQ9YlyWI
訂正ありましたら、よろしくです。

430 名無しさん :2006/06/14(水) 02:40:28 ID:GQ9YlyWI
本スレは明日書きこみます。流石に眠い・・。

431 名無しさん :2006/06/14(水) 03:05:58 ID:2Q28Ssuo
う〜ん、ゴンさんになんか違和感。

432 名無しさん :2006/06/14(水) 06:13:41 ID:O9Wqdo66
展開は大筋問題はないとおもいます。
疑心暗鬼してるのにどこか全体的に軽いのは、きっとローラの持つ雰囲気が原因でしょうw

ただ会話部分にところどころある改行の出鱈目さは解決して欲しいかも。
あとフィオの口調にもちょっと違和感あったかなあ。

433 名無しさん :2006/06/14(水) 11:33:48 ID:CleJ3WnI
フィオの口調に違和感感じました。
フィオだときっと

『ん、まだ寝てんの?珍しい。あんたらしくないさね』
『ん、ほら、教会の鐘も元気になってるさね』ってとこかなぁ?
水ぶっ掛けて起こしそうなのは熱血突貫なアリスっぽい。
『ほらぁ〜サマンサ!寝ぼけてないで起きましょう!爽やかな朝日!
 正義が私達をまっています!』って感じにw

434 名無しさん :2006/06/14(水) 12:51:36 ID:KiDkxUWs
今更気づいたが、ローラ無限ループなのなw

435 名無しさん :2006/06/14(水) 20:54:32 ID:j9n5rc1A
新作乙です。同じくフィオの口調がひっかかるかな、と。
「ん、〜かね」「ん、〜さね」とすればそれっぽくなるのでは。
あと「」を横に並べるのはちょっと読みにくいと思います。

436 名無しさん :2006/06/14(水) 21:01:04 ID:gHVie..k
戦闘中うんぬんはいらないのではないでしょうか?
道具の効果がややこしくなりすぎないですかね。

なんか前話とも矛盾がでそうだし。

437 名無しさん :2006/06/14(水) 21:05:04 ID:QKC.wsCE
奇跡の石は何時でも使えるという事で。

438 アリーナ姫1/6 :2006/06/14(水) 22:37:37 ID:hgnHwaT.
エイト(&キーファ)&ベリアル話投下します。
訂正、誤字、脱字あったらお願いします。



「――この女、名前、アリーナ、言うのか?」
 重傷を負い倒れていた紅の一つ目巨人から発せられた意外な言葉だった。
「そうです。この方は――アリーナ姫と言います」
大切な仲間を、守るべき姫を失い悲しみに沈む近衛兵から発せられた、これもまた
意外な言葉だった。
「…おまえ、この女の仲間か?」
「はい」
その返事はお互いが敵同士、仇同士であると確信させる言葉であった。
―こいつがベリアルを殺した―
―こいつがアリーナさんを殺した―
 今ここで倒さなければならない相手…。しかし槍を握り締める手に、握り締める拳に、力が入らない。
それよりも…ただ、今は真実を知りたい…!

「おしえてくれ。この女…どんなやつだった?」
構えかけた拳を下ろし、赤鬼は尋ねた。最も慕っていた兄の仇に。
「…わかりました。僕の知る限りでよければ。そのかわり、僕にも教えてください。
 この方が、どんな風に闘って……逝ったのかを…」

439 アリーナ姫2/6 :2006/06/14(水) 22:38:38 ID:hgnHwaT.
 エイトは語った。
この大陸での事を。アリーナとの出会い、共闘、そして最期の別れを。
 どうしてあの時、自分はアリーナの変化を、悲しい決意を見抜けなかったのだろうか。
もしかしたら、彼女が時折見せた無邪気な笑顔に、愛しい姫君―流星の姫君ミーティア姫―を
重ねていたのかもしれない。

「そうか。この女、お姫さまだったのか。おまえを守るために闘ってたのか」
 エイトは民家で眠っているキーファの事は話さなかった。
今はお互いに語り合っているが、この語り合いが終われば恐らく、再び死闘の幕が上がるであろう。
今の自分が守るべき最後の仲間、最後の王族であるキーファを何としてでも守りたかった。
だから、黄金のアークデーモン、ベリアルは自分とアリーナで倒した、と話した。
「世の中には、すごいお姫さまが、まだいたんだな」
アトラスは独り言のように言った。
 
アトラスもまた、思い出していた。自分が出会ったもう一人の勇ましき姫君を。
あの日、ロンダルキアに攻めてきた勇者の血を引く三人の王族達。
その中の一人。偉大なる大神官ハーゴンによって滅ぼされた王国の生き残り。
―ムーンブルクの王女、マリア―
 強大な魔力に満ち溢れ、数々の呪文を操り、仲間たちを次々と倒していったマリア。
戦い方は違えど、その瞳に宿る意志の輝きはどの姫君も同じ強さだった。

「…ベリアルが死んだって聞いたとき、アトラスすごく悲しかった。
 この村でベリアルが死んでいるのを見たとき、すごく悲しくって、悔しくって、憎たらしくなって…
 何が何だかわからなくなった。
 でも、この女…アリーナが現われて、いっしょうけんめい闘っているのを見ているうちに
 悲しいとか、悔しいとか、憎たらしいこととかが、いつの間にか消えて…
 …アトラス…確かに楽しかった…」

440 アリーナ姫3/6 :2006/06/14(水) 22:39:30 ID:hgnHwaT.
 アリーナの遺体に向き合い、アトラスは言った。
「ごめんな。アトラス、おまえを殺してしまった。お前に止めをさしきれなかった」
 エイトはこの言葉に矛盾を感じつつも戦慄した。
―そうだ。この赤い巨人はキーファさんが言っていたハーゴンの刺客だ。
 草原であったバトルレックスの様な、わかり合える魔物ではないんだ!―
悲しみをこらえ、全身の力を振り絞り、エイトはメタルキングの槍を構える。
「あなたは…人を殺すんですね?」
「あぁ。それが、もう一度よみがえったアトラスの仕事」
「…そんなことはさせない!もうこれ以上誰も死なせない!」
こいつを止めなければならない。今ここで。

 この殺し合いの地には、かつて自分と共に暗黒新と戦った掛け替えの無い仲間たちがいる。
記憶喪失だった幼い自分を拾い、養い、近衛隊長という輝かしい地位まで与えてくださった
トロデ陛下までいる。
 それだけではない。きっとここにはアリーナさんやキーファさんの仲間もいるはずだ。
他にも、理不尽な戦いを強制されている人々…。
 今度こそ…今度こそ必ず守ってみせる!
 
 エイトは長い旅の中で極めた槍技の一つ『さみだれ突き』を繰り出さんと構えた。
それを見たアトラスは悲しそうに笑った。
 ―本当に…本当にわかり合う事は出来ないのだろうか?―
一瞬でもそんな事を考えてしまった。油断だった。
 次の瞬間には巨大な赤い拳がエイトの胴を直撃していた。その衝撃にエイトの体は民家の壁まで吹き飛ばされた。
「…がはっ!」
 口中に生暖かい鉄の味が広がり、吐血した。それと同時に激しい眩暈が襲う。それでも懸命に顔を上げる。
目の前には、今まさにもう一撃を繰り出さんとする巨人の姿があった。
(こいつ…速い!)
 あの巨体から一体何故これほどのスピードが出せるのか?―一瞬、巨人の胸に淡く輝く何かを見たような気がした―
早く避けるなり防ぐなりしなければ。しかし、全身に激痛が走り体が動かない。
(殺られる!)
そう思い、エイトはぎゅっと目を閉じた。

441 アリーナ姫4/6 :2006/06/14(水) 22:40:11 ID:hgnHwaT.
 しかし、その一撃はいつまでたっても繰り出される事は無い。
「…やめた。やっぱりアトラス、今はお前を殺せない。ごめんよベリアル。
 ごめんなさい、ハーゴン様、シドー様…。」
 そう呟いてアトラスは改めてアリーナを見る。
 
 自分が倒れた時に生じたであろう、激しい衝撃にも耐え、二本の足で大地を踏みしめ
迷いの無い真っ直ぐな拳を突き出したままのその姿。
 血で汚れ、瞳はかつての輝きを失ってはいるが、一人の格闘かとしての誇りに満ち溢れた死に顔。
その誇り高き戦士が守ろうとした仲間の命を奪わないでいる事を、アトラスはこの戦士に対する餞に、
そして自分への戒めにした。
「でも、次にあったら、その時はアトラス、全力でお前を殺す。ベリアルの仇討つ!」
 そうエイトに言い放ち、超万能薬で傷を癒し、アトラスはレーベの村を後にした。
 新たなる生贄を破壊神に捧げるために…。

442 アリーナ姫5/6 :2006/06/14(水) 22:40:47 ID:hgnHwaT.
 体が動かない。動けない。
 白銀の中で、赤々と燃える炎と無数の狼達。それを束ねる黒き犬レオパルド。
それが咥える杖に串刺しにされる、命の恩人であるメディおばあさん…。
 突然、何も言わず無表情で自分の首に手を回してきたアリーナ姫。
たった一人で戦いに挑み…そして…
 あの時と一緒じゃないか!動きたくても動けない。アリーナさんも守れなかったじゃないか…。
 あいつを止めないと…誰かがまた殺されるというのに…
 あいつを…止め…ない…と…―

(ゼシカ…。ククール…。国王陛下…。)
 薄れゆく意識の中でエイトが見たものは、獲物を求めで歩き出す、血のように紅い死の執行者の背中だった。

443 アリーナ姫6/6 :2006/06/14(水) 22:41:24 ID:hgnHwaT.
【B-2/レーべの村/夜18時(放送後)】

【エイト@DQ8主人公】
[状態]:左肩にダメージ、腹部、背中に打撃 MP2/3(気絶中に若干回復)
[装備]:メタルキングの槍
[道具]:支給品一式 首輪 メルビンの支給品一式(不明二つ)
[思考]:アリーナの喪失に大きな悲しみ
     アトラスを止める。
     仲間(トロデ優先)を捜し、護る。ゲームには乗らない
     危機を参加者に伝える 。

【キーファ@DQ7】
[状態]:気絶 HP3/5程度 (回復中)
[装備]:メタルキングの剣 星降る腕輪
[道具]:ランドの物を含め、不明2
[思考]:ランドの妹(リア)を守る 仲間の死を悟る

【アトラス@DQ2】
[状態]:超万能薬により全快
[装備]:風のアミュレット
[道具]:支給品一式
[思考]:ジョーカーとしての仕事を真っ当とする。
    次にエイトとあったら必ず殺す。

444 名無しさん :2006/06/14(水) 22:42:05 ID:hgnHwaT.
以上、投下終わります。

445 名無しさん :2006/06/14(水) 22:56:40 ID:hgnHwaT.
4/6
暗黒新→暗黒神
掛け替え→かけがえ

5/6
格闘か→格闘家
餞→餞(はなむけ)

自己訂正。

446 名無しさん :2006/06/14(水) 23:03:55 ID:P56guqR2
投下乙ッ!
アトラスの支給品メガトンハンマー>拾わなかったのか?
2/6 どの姫君も同じ強さだった→どちらの姫君も〜 のが良い?
3/6 自分と共に暗黒新と戦った〜→自分と共に暗黒神と戦った
4/6 一人の格闘かとしての誇りに→一人の格闘家としての誇りに
5/6 獲物を求めで歩き出す→獲物を求めて歩き出す
6/6 真っ当とする→全うする
誤字、修正点を挙げておく。乙!

447 名無しさん :2006/06/14(水) 23:06:41 ID:0Eb93lko
影が刺す 1/5
視界が暗く、体が重い。
『ん、なんだい。まだ、ねてるのかい?アンタらしくないね』
『・・・つかれているんですよ。もう少し・・・眠らせてください』
目を閉じたままサマンサは言った。
『ん、ほら、ほら。教会で、朝の鐘がなってさね』
『睡眠不足は美容の敵・・・』
言い訳しながら寝返りを打つ。
『ん、バカな事やってないで、さっさと起きな。』
誰かに顔に数滴の水をかけられる。子供じみた行為に、あきれながら、仲間の名を呼ぶ。
『・・・フィオ』
いつもの、旅の光景。

目を開けると、頬が濡れている感触。
「良かった!!」
視界に飛び込んできたのは、泣きはらした美しい可憐な少女。
「ゴンさん、気づきましたよ。」
「まったく。おい、おまえ立てるか?」
「ええ。 ・・・!」
声をかけたほうを見て、構えをとろうした途端、足元の地面が揺れる。
「きゃ、危ない!!」
「よっ、と」
よろけたところを、ドラゴンが支えてくれた。
魔物だが、どうやら害意は無いらしい。
「よかった。私達では回復方法が無くて。
失礼かと思いましたが、ゴンさんと一緒に貴女のザックも見させて頂いたのですけど・・・、あ、品物は、ちゃんと元に戻しておきましたから」
「いえ、助かりました。ありがとうございます」
言いながら、ドラゴンから離れる。
 会話をかわしている間にも、鐘の音が響いている。
「この鐘は、なんでしょう?」
「さあ?」
「知るか」

2/5
疑問はすぐに解消された。
ハーゴンの独特の癇に障る低い声が聞こえ、次いで甲高い音が。
ゲームに参加している人間には声色がどのようなものであっても、2つとも最悪な声に違いない。
「禁止エリアですか、気をつけないといけませんね」
「ええ。」
 メモをとりながら、会話を普通にできたのもここまでだった。

 『さて、死んだ『可哀想な』もの達の名を読み上げる』
三つの口が閉じられる。
 ・・・・・『フィオ』・・・
(ああ!・・・アリス!どうか無事でいて!!!)
 仲間の名前が読み上げられた瞬間、彼女の無事を真っ先に祈った。
ただ、ひとりの少女の無事を祈る。
この時ばかりは、理性よりも感情が心を占領する。
 それも束の間のこと、彼女の冷静すぎる理性が感情を押さえ込む。
(それは希望の名。彼女さえいれば、全ては無駄ではなく、未来は開かれるのだ・・・)

「大丈夫ですか?」
少女が頬を手でぬぐってくれている。
「だいじょうぶですよ。」
少女の細い手をどかした。
「ひょっとして、誰か知合いが・・?」
「ええ」
「そうですか・・・」
 黙り込む少女。
声をかけるのを遠慮しているのだろう。
 だが、私には、仲間をしのんで泣いている暇などない。のは全てが終ってからでいい。
少なくとも、今は悲嘆にくれている場合ではない。
泣く前に、考えろ、考えろ。
このゲームに勝つ為にはどうすればいいのかを。
 まず、目の前の一人と一匹を殺す方法を。
3/5
手に握り締めたままの石があたたかくなり、効果を発揮して、サマンサの体を癒す。
「まあ、だいぶ顔色も良くなりましたわ。」
「ええ。おかげさまで。」
ひとりは簡単だろう。
この少女に人を殺す能力があるとは思えない。
もう一方に、目をやると、ドラゴンがこちらを注意深く睨んでいる。
しばし、睨み合う。
・・・駄目だ。この体では、多少回復しただけでは勝てない。
ゲームに乗っているのを、一人と一匹に知られてしまっている。これ以上、増えるのは流石にまずい。
(ここは引くか)
「ありがとうございます。ここで休んでいれば大丈夫ですから。」にっこり笑う。
「でも・・・」
「俺らは、やることがあるだろうが。先を急ぐぞ」
可憐な少女は考えた後、思いついたらしく、手を叩く。
「そうですわ!一緒に参りません?」
「はぁ?」
「えっ」
「ゴンさんーああ、自己紹介が未だでしたわね。わたくしローラです。こちらはゴンさん。あなたのお名前は?」
「は、はぁ。ご丁寧にどうもアリガトウゴザイマス。サマンサです。」
「あ、それでですね、ゴンさんも私も人をそれぞれ探しているんです。
サマンサさんも、治療できる人か傷が回復するまで、ご一緒しませんか?」
「あの、」
「ね?」
「ええっと」
「ね?」
首をかしげている少女、大変風情のある可愛らしい姿なのだが。
隣にいたドラゴンが溜息を1つ。
「諦めろ。馬鹿女は言い出したら、止まらねぇ」
ドラゴンの背中にどこか哀愁があるような・・・魔物だろう、お前。
「他に何かご一緒できない、わけでもありますの?」
 なんの害意もありませんとばかりに、無邪気な笑顔で問われてしまう。

448 名無しさん :2006/06/14(水) 23:07:19 ID:0Eb93lko
4/5
咄嗟に返答できない。
(まさか、殺せないからとは・・・)
返答を渋っているのも怪しまれるだろう。
「では、ご一緒させていただきます」
「まあ。良かった。よろしくお願いしますわね」
「ふん」
(確かに、この体を回復させるのが最優先です。
それに先ほどの戦いで1人の限界を知ったばかり。
一緒にいれば二人を殺せるチャンスが来るかも知れません。
大人しく利用されてくれればいいのですが)
「ほらよ」
ゴンが背中にサマンサを、背中あわせで抱える。
「うわっ」
「こっちのほうが、進みが速いだろう」
「良かったですわね、サマンサさん」
「は、ははははは。ありがとうございます」
「礼を言われることじゃねぇよ。遅いと、いらつくだけだ。おい、馬鹿女、地図を見て先導してくれ」
「分かりましたわ〜」
サマンサは小声で言った。
「何か違う・・・」

 ゴンは歩きながら注意深く様子をうかがう。
(視線があった時、明らかに俺の力を測っていた。この女には注意しなければ。
背中あわせにして、ローラを視界に、できるだけ入れないのもその為だ。
 用心しなければ、ならねぇな。チッ・・・面倒な)
無意識に、ゴンは、閉じた口の舌で、腕輪を触っていた。

5/5

【B-4/森林地帯/夜(放送直後)】
【サマンサ@DQ3女魔法使い】
[状態]:HP3/8 MP1/5 全身に裂傷 
[装備]:バシルーラの杖(5) 奇跡の石
[道具]:支給品一式 鉄兜
[思考]:勇者の血を守る

【ローラ@DQ1】
[状態]:健康
[装備]:光のドレス
[道具]:ロトの剣 支給品一式
[思考]:アレフを探す/ゲームを脱出する

【ゴン@DQ1ドラゴン】
[状態]:左肩に銃創(浅い)
[装備]:メガンテの腕輪
[道具]:支給品一式(不明アイテム一つ所持)
[思考]:ローラを竜王の所に連れて行く/それまでは護る

449 名無しさん :2006/06/14(水) 23:12:20 ID:hgnHwaT.
>>445の訂正が一ずつズレてた罠w
3、暗黒新→暗黒神
4、格闘か→格闘家
  餞→餞(はなむけ) 

メガトンハンマー忘れてた!!ありがとうございます!
5、獲物を求めで→獲物を求めて
6、真っ当とする→全うする

訂正しました。

450 名無しさん :2006/06/14(水) 23:15:11 ID:hgnHwaT.
>>443のエイトの状態に「気絶」加筆しました。

>>448
投下乙です、フィオ大分自然になりました。

451 名無しさん :2006/06/14(水) 23:16:37 ID:gHVie..k
> 『ん、ほら、ほら。教会で、朝の鐘がなってさね』
なってるさね、の間違いでいいのかな?

452 名無しさん :2006/06/14(水) 23:17:08 ID:P56guqR2
>>447-448
修正乙。
だが、>>447『朝の鐘がなってさね』→『朝の鐘が鳴ってるさね』
細かいところだが。あと、漢字を使うべきところで所々ひらがななのが残念だ。
ストーリーの運びは問題ないと思う。

453 名無しさん :2006/06/14(水) 23:19:20 ID:2Q28Ssuo
エイト…、戦う道を選んだか…。
分かりあえたかもしれないのに…。

こっぴどくやられて、それでも止どめを刺さないでくれたのに、
まだ説得よりもかたくなに戦おうと思うのか…。

454 名無しさん :2006/06/14(水) 23:21:02 ID:hgnHwaT.
アリーナ姫
アトラスがメガトンハンマー持ち出す一文&持ち物欄にメガトンハンマー追加しました。

話の流れ的には矛盾はありませんか?

455 名無しさん :2006/06/14(水) 23:26:42 ID:KiDkxUWs
投下乙。
後は…
タイトルもうちょっとカッコつけてもいいんじゃないか、良作だしw

456 名無しさん :2006/06/14(水) 23:28:05 ID:0Eb93lko
明星の残像、とか?

457 名無しさん :2006/06/14(水) 23:29:33 ID:0Eb93lko
誇り高き命の果てに。

だめだ・・ネーミングセンスないなw

458 名無しさん :2006/06/14(水) 23:31:26 ID:hgnHwaT.
>>453
主催者側の最後のジョーカーが仲間の仇の説得で改心しちゃったら
ちょwwwwwおまwwwwって感じになりませんか?
仮にエイトが必死に説得してもアトラスは戦士として、ジョーカーとして
戦う道を選んだとおもいます。

>>455
タイトル…何かカッコいいタイトル案募集します。

459 名無しさん :2006/06/14(水) 23:35:53 ID:0Eb93lko
募集って・・・。

ss要約
1.アリーナの死後の影響
2・アトラスとエイトの語り合い
3・アトラスの決意
4・エイトの決意
5・これから起るであろう、更なる犠牲。

460 名無しさん :2006/06/14(水) 23:36:12 ID:P56guqR2
誇り高き戦士だもんな〜、アトラスカッチョいい。

タイトル案:誇りと仇と消えた星
ゴメンよ、ナンセンスでw

461 名無しさん :2006/06/14(水) 23:37:48 ID:j9n5rc1A
元のタイトルもあるしここはシンプルに。
「アリーナという女性(ひと)」…微妙w

462 名無しさん :2006/06/14(水) 23:38:45 ID:0Eb93lko
「作者」さんが、どれがメインなのかで違うと思ふ。

「ロザリ―」は、「愛」という言葉をタイトルにするのが恥ずかしかったので、名前で代用した。

463 名無しさん :2006/06/14(水) 23:38:49 ID:RdPfFgwc
タイトル案
背負われた使命

書いといてなんだけど、自分で名づけたほうがいいと思う。
そのほうが、愛着わくし。

464 名無しさん :2006/06/14(水) 23:40:38 ID:hgnHwaT.
タイトル案 戦士アリーナ
orz
皆さんカッコ(・∀・)イイ!!タイトル案をありがとうございます

直感でビビビっと来たのは>>456『明星の残像』です。
もらっちゃって良いですか?

465 名無しさん :2006/06/14(水) 23:42:22 ID:0Eb93lko
どうぞ、遠慮なく。

466 名無しさん :2006/06/14(水) 23:45:27 ID:hgnHwaT.
>>465
どうもありがとうございます。
『明星の残像』何も無ければ0:00に投下します。

467 名無しさん :2006/06/14(水) 23:46:18 ID:j9n5rc1A
あ、時間の表記なんですがそこまで詳しく書かずとも、
「夜」だけで大丈夫だと思いますよ。

468 明星の残像1/6 :2006/06/14(水) 23:48:24 ID:hgnHwaT.
改めて訂正版を投下します。

【明星の残像】

「――この女、名前、アリーナ、言うのか?」
 重傷を負い倒れていた紅の一つ目巨人から発せられた意外な言葉だった。
「そうです。この方は――アリーナ姫と言います」
大切な仲間を、守るべき姫を失い悲しみに沈む近衛兵から発せられた、これもまた
意外な言葉だった。
「…おまえ、この女の仲間か?」
「はい」
その返事はお互いが敵同士、仇同士であると確信させる言葉であった。
―こいつがベリアルを殺した―
―こいつがアリーナさんを殺した―
 今ここで倒さなければならない相手…。しかし槍を握り締める手に、握り締める拳に、力が入らない。
それよりも…ただ、今は真実を知りたい…!

「おしえてくれ。この女…どんなやつだった?」
構えかけた拳を下ろし、赤鬼は尋ねた。最も慕っていた兄の仇に。
「…わかりました。僕の知る限りでよければ。そのかわり、僕にも教えてください。
 この方が、どんな風に闘って……逝ったのかを…」

469 明星の残像2/6 :2006/06/14(水) 23:49:00 ID:hgnHwaT.
 エイトは語った。
この大陸での事を。アリーナとの出会い、共闘、そして最期の別れを。
 どうしてあの時、自分はアリーナの変化を、悲しい決意を見抜けなかったのだろうか。
もしかしたら、彼女が時折見せた無邪気な笑顔に、愛しい姫君―流星の姫君ミーティア姫―を
重ねていたのかもしれない。

「そうか。この女、お姫さまだったのか。おまえを守るために闘ってたのか」
 エイトは民家で眠っているキーファの事は話さなかった。
今はお互いに語り合っているが、この語り合いが終われば恐らく、再び死闘の幕が上がるであろう。
今の自分が守るべき最後の仲間、最後の王族であるキーファを何としてでも守りたかった。
だから、黄金のアークデーモン、ベリアルは自分とアリーナで倒した、と話した。
「世の中には、すごいお姫さまが、まだいたんだな」
アトラスは独り言のように言った。
 
アトラスもまた、思い出していた。自分が出会ったもう一人の勇ましき姫君を。
あの日、ロンダルキアに攻めてきた勇者の血を引く三人の王族達。
その中の一人。偉大なる大神官ハーゴンによって滅ぼされた王国の生き残り。
―ムーンブルクの王女、マリア―
 強大な魔力に満ち溢れ、数々の呪文を操り、仲間たちを次々と倒していったマリア。
戦い方は違えど、その瞳に宿る意志の輝きはどちらの姫君も同じ強さだった。

「…ベリアルが死んだって聞いたとき、アトラスすごく悲しかった。
 この村でベリアルが死んでいるのを見たとき、すごく悲しくって、悔しくって、憎たらしくなって…
 何が何だかわからなくなった。
 でも、この女…アリーナが現われて、いっしょうけんめい闘っているのを見ているうちに
 悲しいとか、悔しいとか、憎たらしいこととかが、いつの間にか消えて…
 …アトラス…確かに楽しかった…」

470 明星の残像3/6 :2006/06/14(水) 23:49:44 ID:hgnHwaT.
 アリーナの遺体に向き合い、アトラスは言った。
「ごめんな。アトラス、おまえを殺してしまった。お前に止めをさしきれなかった」
 エイトは、この言葉に矛盾を感じつつも戦慄を覚えた。
―そうだ。この赤い巨人はキーファさんが言っていたハーゴンの刺客だ。
 草原であったバトルレックスの様な、わかり合える魔物ではないんだ!―
悲しみをこらえ、全身の力を振り絞り、エイトはメタルキングの槍を構える。
「あなたは…人を殺すんですね?」
「あぁ。それが、もう一度よみがえったアトラスの仕事」
「…そんなことはさせない!もうこれ以上誰も死なせない!」
こいつを止めなければならない。今ここで。

 この殺し合いの地には、かつて自分と共に暗黒神と戦った、かけがえの無い仲間たちがいる。
記憶喪失だった幼い自分を拾い、養い、近衛隊長という輝かしい地位まで与えてくださった
トロデ陛下までいる。
 それだけではない。きっとここにはアリーナさんやキーファさんの仲間もいるはずだ。
他にも、理不尽な戦いを強制されている人々…。
 今度こそ…今度こそ必ず守ってみせる!
 
 エイトは長い旅の中で極めた槍技の一つ『さみだれ突き』を繰り出さんと構えた。
それを見たアトラスは悲しそうに笑った。
 ―本当に…本当にわかり合う事は出来ないのだろうか?―
一瞬でもそんな事を考えてしまった。油断だった。
 次の瞬間には巨大な赤い拳がエイトの胴を直撃していた。その衝撃にエイトの体は民家の壁まで吹き飛ばされた。
「…がはっ!」
 口中に生暖かい鉄の味が広がり、吐血した。それと同時に激しい眩暈が襲う。それでも懸命に顔を上げる。
目の前には、今まさにもう一撃を繰り出さんとする巨人の姿があった。
(こいつ…速い!)
 あの巨体から一体何故これほどのスピードが出せるのか?―一瞬、巨人の胸に淡く輝く何かを見たような気がした―
早く避けるなり防ぐなりしなければ。しかし、全身に激痛が走り体が動かない。
(殺られる!)
そう思い、エイトはぎゅっと目を閉じた。

471 明星の残像4/6 :2006/06/14(水) 23:50:48 ID:hgnHwaT.
 しかし、その一撃はいつまでたっても繰り出される事は無い。
「…やめた。やっぱりアトラス、今はお前を殺せない。ごめんよベリアル。
 ごめんなさい、ハーゴン様、シドー様…。」
 そう呟いてアトラスは改めてアリーナを見る。
 
 自分が倒れた時に生じたであろう、激しい衝撃にも耐え、二本の足で大地を踏みしめ
迷いの無い真っ直ぐな拳を突き出したままのその姿。
 血で汚れ、瞳はかつての輝きを失ってはいるが、一人の格闘家としての誇りに満ち溢れた死に顔。
その誇り高き戦士が守ろうとした仲間の命を奪わないでいる事を、アトラスはこの戦士に対する餞(はなむけ)に、
そして自分への戒めにした。
「でも、次にあったら、その時はアトラス、全力でお前を殺す。ベリアルの仇討つ!」
 アトラスはそうエイトに言い放った。一人の戦士として…そしてジョーカーとして。
 超万能薬で傷を癒し、メガトンハンマーを拾い上げ、アトラスはレーベの村を後にした。
 新たなる生贄を破壊神に捧げるために…。

472 明星の残像5/6 :2006/06/14(水) 23:51:41 ID:hgnHwaT.
 体が動かない。動けない。
 白銀の中で、赤々と燃える炎と無数の狼達。それを束ねる黒き犬レオパルド。
それが咥える杖に串刺しにされる、命の恩人であるメディおばあさん…。
 突然、何も言わず無表情で自分の首に手を回してきたアリーナ姫。
たった一人で戦いに挑み…そして…
 あの時と一緒じゃないか!動きたくても動けない。アリーナさんも守れなかったじゃないか…。
 あいつを止めないと…誰かがまた殺されるというのに…
 あいつを…止め…ない…と…―

(ゼシカ…。ククール…。国王陛下…。)
 薄れゆく意識の中でエイトが見たものは、獲物を求めて歩き出す、血のように紅い死の執行者の背中だった。

473 明星の残像6/6 :2006/06/14(水) 23:53:11 ID:hgnHwaT.
【B-2/レーべの村/夜(放送直後)】

【エイト@DQ8主人公】
[状態]:気絶 左肩にダメージ、腹部、背中に打撃 MP2/3(気絶中に若干回復)
[装備]:メタルキングの槍
[道具]:支給品一式 首輪 メルビンの支給品一式(不明二つ)
[思考]:アリーナの喪失に大きな悲しみ
     アトラスを止める。
     仲間(トロデ優先)を捜し、護る。ゲームには乗らない
     危機を参加者に伝える

【キーファ@DQ7】
[状態]:気絶 HP3/5程度 (回復中)
[装備]:メタルキングの剣 星降る腕輪
[道具]:ランドの物を含め、不明2
[思考]:ランドの妹(リア)を守る 仲間の死を悟る

【アトラス@DQ2】
[状態]:超万能薬により全快
[装備]:メガトンハンマー 風のアミュレット
[道具]:支給品一式
[思考]:レーベの村を出て南下
    ジョーカーとしての仕事を全うする
    次にエイトとあったら必ず殺す

474 名無しさん :2006/06/14(水) 23:56:51 ID:hgnHwaT.
そういえば、今気が付いたんですけど、この文書
               ↓
『 ―本当に…本当にわかり合う事は出来ないのだろうか?―
一瞬でもそんな事を考えてしまった。油断だった。』

読んでてどっちの心情がよくわかりませんね。

 ―本当に…本当にわかり合う事は出来ないのだろうか?―
一瞬でもそんな事を考えてしまった。それがエイトの油断だった。
                       ^^^^^^^^^^^
に。加筆しました

475 名無しさん :2006/06/15(木) 00:00:06 ID:.ite9Qbc
乙!

476 名無しさん :2006/06/15(木) 00:00:38 ID:IfsqOxLI
乙です。

477 名無しさん :2006/06/15(木) 00:17:46 ID:.ite9Qbc
他の人のssに夢中になって自分の投下するの忘れてたw

今すぐ投下もアレなんで、1時間ぐらい経ってから投下します。
風呂と夜食にレッツゴ〜。

478 名無しさん :2006/06/15(木) 01:13:05 ID:uybaOnoM
これ読むと、アトラスがゲームに疑問を持つ事も有り得るような。
「ハーゴン様…なんでこんなゲーム開いた…?
せっかく生き返っても、アトラス達、またゲームで死ぬかもしれない。ゲームなければベリアル、バズズ、死なずにすんだ。」

479 名無しさん :2006/06/15(木) 01:20:21 ID:.ite9Qbc
支援、ありがとうございます。

480 名無しさん :2006/06/15(木) 01:24:00 ID:.ite9Qbc
アトラスがマーダ―続ける理由は、サマンサと同じかもな。
 他のもの達の未来の為、生き返らせる。邪神と勇者。

481 名無しさん :2006/06/15(木) 06:17:41 ID:DpQpHliw
>>478
最初はそこまでもって行こうとも考えたんですが、
やっぱりまだ「信念ある迷い無きマーダー」として続行を望むほうが多く
マーダー解除の可能性を撒くのは時期尚早なのかなって。
自分では判断しきれなかったのでその前でバトン渡したわけですが、
やはり今回アトラスの信念のほうが重視されましたね。

ただ、今後いつか疑問に思うことがあることにも期待してみたいですね。
エイトを殺さなかったのが後々フラグになりそうです。

482 魔王に抱かれて、安らぐ悲しみ1/7 :2006/06/16(金) 23:27:53 ID:S5u7bps6
少女の涙の跡を、蜥蜴は舌で舐め取る。
闇に包まれつつある世界に、荘厳な鐘が鳴り響いた。
それは、死を告げる声。
 
 選ばれし生贄諸君、無事で何よりだ…

耳にと心に障る声が、どこかから流れていた。
ピサロは特に意に介していないのか、そのまま歩みを止めない。
そして、告げられる名。
聞こえるわけは無いのに、一つ一つの死に対する嘆きが耳に飛び込んでくるようだった。
そんな中、フォズは刻一刻と迫る、聞こえるであろう名に対して心を鎮めていた。
フォズは、いつしか心の底で悟っていた。
大切な人達の、死を。

「アルス」
「マリベル」
「メルビン」

 ああ、神よ!
立て続けに告げられた知己の友の名にフォズはぶる、と震える。
フォズは既に泣いた。
止め処ない感情の激流は地へと落としきったつもりだった。
死と生の狭間で、これが彼らとの永久の別れになるであろう事は、理解したはずだ。
でも。
心は叫ばずにはいられない。
唇をぎゅっと噛み締め、フォズは必死に動揺を隠した。

ふと、自分を抱く魔王を見上げる。
人の死に悼む様子も、嘆き悲しむ様子もない。
やはり人の死などは気にも留めない、冷徹なる魔王だったのか─

だが、フォズの絶望に拍車をかけるような想像は一つの名によって掻き消される。

483 魔王に抱かれて、安らぐ悲しみ2/7 :2006/06/16(金) 23:28:45 ID:S5u7bps6
「アリーナ」

その名を聞いたとき。
ほんの僅か、今まで能面のようにピクリともしなかった魔王の表情が曇った。
瞬きでもしていたら見逃してしまいそうな、微かな曇り。
だが、それはその名が呼ばれた事実が、彼の心に楔として突き刺さったことを示していた。

「…誰か、お亡くなりになったのですね」
「…私はいい。それより話を聞かせろ」

─ねえ、ピサロ?─

可笑しな娘だった。
自国の民の仇、とも取れる相手にも気軽に話しかけてきた。
おまけにそれは、その国の姫君と来ている。
どこぞの喜劇でも、有り得ないような話だった。

─何であなた武術大会の時逃げちゃったのよ?あたし楽しみにしてたのにさ…─
─…喧しい。どうでも良いだろう─

勇者一行に故あるとはいえ、組することになった当初。
声なぞ到底掛けられることは無いだろう。
恨まれ、憎まれ、侮蔑の視線でも送られる。
そう思っていた。

─良くないっ!めでたく勝って、ぱんぱかぱーん!って優勝したかったんだもん。決着つけたかったな〜─
─………─

だが、違った。
確かに最初は皆が皆、恐れたり、憤ったりで相手になどしていなかった。
しかし、アリーナが声を掛けてきてからというもの、他の皆も徐々に距離を埋めていったのだ。

─!ははーん、さては、怖気づいたのね?魔族の王とやらが、お姫様にビビるなんてね〜─
─…貴様…私を愚弄する気か?…─
─ね。決着、つける?─
─…よかろう─

人の中で生きるとは、こういうことか。
そうか。
ロザリーの言っていたことが、少し解った。
そんな日を、思い出した。

484 魔王に抱かれて、安らぐ悲しみ3/7 :2006/06/16(金) 23:30:03 ID:S5u7bps6
「…それでは、これより転職の説明をさせていただきます…」
「…」

フォズの声で現実に引き戻される。
儀式めいた、淡々とした声。
彼女はいつもの仕事のように、透き通った声で説明を始めた。

「転職とは、自らの生き方を見つめ直し、新たな生き方を指し示す力…」
「…おい」

ピサロは気づいた。
少女の変化に。
「その能力も、姿さえも変えてしまうほどの力を…」
「…泣くな」
「…泣いてません」
抑えた筈の涙がぽろぽろ溢れ出ている。
彼女の頬を、そして流れ落ち魔王の腕を濡らす。
「…泣くんじゃない」
「…泣いて…ませ…ん」
嗚咽交じりに、必死に説明を続けている。
顔は歪めず、ただただ涙が溢れるのみだ。
「…もういい。何故泣くんだ」
「…私が…いるから……泣けない…あなたの…代わりに…私は、泣いて…います」
泣く?
私は魔王だ、死の一つや二つでは泣くわけが無いだろう?
今までで泣いたことは一度きり。
愛する者の死によって、だ。
だが。
泣きたい、と言うより…『悲しい』というべきか、この感情は。
僅かながら芽生えていたことは、紛れも無い事実。
「……莫迦か…お前は…」
ピサロは、少しだけこの少女を護ってみたくなった。
愛するエルフのように、優しさに触れさせてくれたから。

485 魔王に抱かれて、安らぐ悲しみ4/7 :2006/06/16(金) 23:31:09 ID:S5u7bps6
「…完全に夜になったか」
放送が終了してから小一時間ほどが経過した。
幼子を抱いての夜の山越えは、いかに魔王の身体能力をもっても辛い。
闇の衣が目立たなくしているとはいえども、突然の襲撃に対応するには条件が悪かった。
急いで山を越えるべきである。

「峠は越えています、もう少しできっと山は越えられるはずです…」
大分、落ち着いたようだ。
少女は仮死から蘇って疲労しているだろうに、自らの足で歩くことを要求した。
彼女の言う、『転職』『転身』の二つの技法は聞いたことも無かった。
だが、今の状況を打開するにはやはり難しい。
どちらも時間を要する。
やはり、今は魔法使いの手が借りたい。
「山を下ったら…呪文の使い手が必要だ。とびきり上等のな」
「何故…ですか?あなたも相当な使い手とお見受けしますが」
「これを見てみろ」

486 魔王に抱かれて、安らぐ悲しみ5/7 :2006/06/16(金) 23:31:47 ID:S5u7bps6
ピサロは、跪くと傍らの小石を拾い、地になにやら複雑な図を描いた。
古代魔術語のような見たことも無い文字もあり、フォズには少々難しいがある程度は読める。
「これは…?」
「『禁止エリア』と呼ばれる区域に入れば、擬似的に凝縮された魔法爆発を起こすらしい。…この首輪はな」
「え…」
ピサロが懐から取り出した首輪。
なんとも危ないことに、一人で調べていたらしい。
「加えてどんな呪文にも誘爆はしない…が、対象が死んだ場合首輪は効力を失うらしいな」
ピサロは、その込められた『何か』が死んだ魂を冥府へ連れて行った。
だから爆発しないのだと予想している。
だがこれは話さない。『核心を突いた発言』は迂闊には出来ないからだ。
ピサロは、ザックから紙と鉛筆を取り出した。

「だが、今の段階で解ったのはこれまで…」
『これからは筆談で会話する。我々の会話は盗聴されている危険が高い為だ』
紙に綴られた文字は、欺きの言葉とは裏腹に真実に歩み寄る。
ピサロは魔法にかけてはかなりの知識を持つ。
伊達に長く生きてはいないからだ。
─この子供、見た目に反し頭は良い。
首輪の真実に近い私が、万が一殺されても大丈夫なように伝えておくとしよう─
言わば、保険である。
「首輪には迂闊に触れないほうが良かろう…命を縮めるようになるからな」
『いいか。城の図書室で、興味深い呪文の存在を知った。その使い手が揃えば、首輪が外せるかもしれない』
フォズは驚きの声をぐっと堪えた。
ここで主催者に知られては水の泡。
ピサロは筆を滑らす音を掻き消すように逆の内容を話す。

「いずれにしろ、この首輪…外すのは不可能に近いかもしれんな…」
『【シャナク】【アバカム】…この二つと、私の力が有ればあるいは…』

夜は更け、一番星が煌いた。
彼らの進む道はその光に照らされているのか。

487 魔王に抱かれて、安らぐ悲しみ6/7 :2006/06/16(金) 23:34:26 ID:S5u7bps6
【C-5/北側の山/夜)】

【ピサロ@DQ4】
[状態]:健康 MP6/7程度
[装備]:鎖鎌 闇の衣 アサシンダガー
[道具]:エルフの飲み薬(満タン) 支給品一式
[思考]: ロザリーの仇討ち ハーゴンの抹殺 襲撃者には、それなりの対応をする
      北にいる強大な魔力の持ち主と接触する

【フォズ@DQ7】
[状態]:疲労(時間経過で回復)
[装備]:天罰の杖
[道具]:炎の盾  アルスのトカゲ(レオン) 支給品一式
[思考]:ゲームには乗らない アルス達を探す ピサロを導く

488 7/7 :2006/06/16(金) 23:35:13 ID:S5u7bps6
首輪解除フラグになっちまうので、真剣に書いたつもりです。
問題あればどんどん言ってください。

489 名無しさん :2006/06/16(金) 23:37:15 ID:xFhMV/OU
シャナク/アバカム
 現時点ではサマンサが有力か、もしくは転職した魔法使いとか、かな?

490 名無しさん :2006/06/16(金) 23:38:38 ID:xFhMV/OU
解除フラグとは言っても、二人とも孤立してるから、他者に情報伝わるのが遅いと見る。

491 名無しさん :2006/06/16(金) 23:39:07 ID:0P70zjKM
乙!
シャナク、アバカムって…レックスとマリアジャマイカ、期待。

492 名無しさん :2006/06/16(金) 23:41:30 ID:wEk0UXL.
乙です。
解除呪文について、追加で7の「マジャスティス」系ってどうなんでしょう?
例に出すのはアレかもですが、1stでは思い切り首輪解除魔法でしたし。
何より7出身のフォズが相手なので、「アルスが使えた呪文じゃん」と膨らませることもできるかも。

493 名無しさん :2006/06/16(金) 23:43:02 ID:S5u7bps6
おお、なるほど〜。
でも、転職じゃ覚えられないアルス専用呪文ですからね…
おおアルス、しんでしまうとはなさけない…

494 名無しさん :2006/06/16(金) 23:43:24 ID:xFhMV/OU
マリア以外は協力難しそうなので、私は投下に賛成したいな。
簡単に外されてもツマランw

495 名無しさん :2006/06/16(金) 23:44:24 ID:wEk0UXL.
>1st
失礼、「FFDQ1st」です。言葉足らずですいません。

496 名無しさん :2006/06/16(金) 23:45:01 ID:xFhMV/OU
アバカムは兎も角、シャナクがねぇ・・。

497 ちょい修正 :2006/06/16(金) 23:49:30 ID:S5u7bps6
ピサロは、跪くと傍らの小石を拾い、地になにやら複雑な図を描いた。
古代魔術語のような見たことも無い文字もあり、フォズには少々難しいがある程度は読める。
「これは…?」
「『禁止エリア』と呼ばれる区域に入れば、擬似的に凝縮された魔法爆発を起こすらしい。…この首輪はな」
「え…」
ピサロが懐から取り出した首輪。
なんとも危ないことに、一人で調べていたらしい。
しかし恐れる様子は彼に無い。
魔王の貫禄を、見せ付けていた。
「加えてどんな呪文にも誘爆はしない…どうやら、完全魔法防御呪文【マホステ】が込められているようだ」

ピサロは呪文を打ち消す波動を放つことが可能だ。
危険ながらも、首輪に対して試みてみたのだ。
だが、マホステが消えることは無い。
常時内部から、『呪文がかけ続けられている』というのが正しいかもしれない。
「だが、対象が死んだ場合首輪は…どうも効力を失うらしいな」
─ピサロは、その込められた『何か』が死んだ魂を冥府へ連れて行った。
だから爆発しないのだと予想している。怨霊の類かとも、考えた─
だがこれは話さない。『核心を突いた発言』は迂闊には出来ないからだ。
ピサロは、ザックから紙と鉛筆を取り出した。

「だが、今の段階で解ったのはこれまで…」
『これからは筆談で会話する。我々の会話は盗聴されている危険が高い為だ』
紙に綴られた文字は、欺きの言葉とは裏腹に真実に歩み寄る。
ピサロは魔法にかけてはかなりの知識を持つ。
伊達に長く生きてはいないからだ。
─この子供、見た目に反し頭は良い。
首輪の真実に近い私が、万が一殺されても大丈夫なように伝えておくとしよう─
言わば、保険である。
「首輪には迂闊に触れないほうが良かろう…命を縮めるようになるからな」
『いいか。城の図書室で、興味深い呪文の存在を知った。その使い手が揃えば、首輪が外せるかもしれない』
フォズは驚きの声をぐっと堪えた。
ここで主催者に知られては水の泡。
ピサロは筆を滑らす音を掻き消すように逆の内容を話す。

「いずれにしろ、この首輪…外すのは不可能に近いかもしれんな…」
『【シャナク】【アバカム】…この二つと、私の力が有ればあるいは…』

夜は更け、一番星が煌いた。
彼らの進む道はその光に照らされているのか。

498 名無しさん :2006/06/16(金) 23:50:18 ID:S5u7bps6
とりあえず少し待って大丈夫だと思う方が多ければ投下します。

499 名無しさん :2006/06/16(金) 23:52:01 ID:EKSBkG.A
脱出フラグktkr!!
ピサロが原作の三村になった!!

500 名無しさん :2006/06/16(金) 23:53:48 ID:EKSBkG.A
>>492
1stでは、どういう経由かは忘れたけど、ラストあたりで
ピサロがクーパー(DQ5息子)に伝授してたよね。

501 名無しさん :2006/06/16(金) 23:56:21 ID:Y2IzZuDw
ピサロは、何をきっかけで盗聴されてると気づいたんだろう?
トルネコならともかく。

502 名無しさん :2006/06/16(金) 23:56:22 ID:zyuO0oSY
アバカムか。
単刀直入に聞くが、サマンサ、死亡させても良いよな?

503 名無しさん :2006/06/16(金) 23:58:09 ID:wEk0UXL.
マジャスティスはまあ、アルスしか使えなかったってことで
話を膨らませるくらいの要素しかなさそうなのでどうでもよかったですねw

肝心のSSのほうに言及してなかったんですが
「アバカム、シャナクが解除呪文と確定」したわけではなく、「まだピサロの推論」に過ぎないので
投下について問題はないと自分は考えます。

追加の「マホステがかかってる」って解釈は
DQの、それもマホステの存在する4の世界の魔王ならではですね。

504 名無しさん :2006/06/17(土) 00:00:56 ID:iICX5lSk
サマンサ死亡は惜しいといえば惜しいですが、全ては次の書き手さんの好きでいいと思います。
イロイロ考えが交錯する瞬間が楽しいですねぇ。

505 名無しさん :2006/06/17(土) 00:04:25 ID:9TsFhwRg
個人の能力に依存する解除方法はなんかヤだな
そいつ殺せなくなるし

506 名無しさん :2006/06/17(土) 00:05:42 ID:/JoiYXOc
第24話黄金の勇者VS白銀の魔王

まずは、自分の首のこれを外さなければハーゴンには勝てない。
ピサロにはこの首輪に抗うことが難しいことが解っていた。
(…爆破は、任意によって行われる。ということはこちらの動きがわかるということはまず間違いあるまい)

1回目の放送
首輪を通して、悲鳴や感情を懸命に押し殺そうとする声が主催者に伝わっていく。

書いてあるのはコレくらいだな。
だた、ピサロには、ひとりの書かれてない時間あるから、その時に考察したのか。
ここら辺の思考を書いてくれると解り易い。

507 名無しさん :2006/06/17(土) 00:08:02 ID:VGGGYSJ2
>>502
このままピサロがサマンサ探し当ててアバカムシャナクで首輪解除成功です!
とか言われたらさすがに萎えるので、波乱は大歓迎だと思う。
ただ、フラグ潰しの為だけに嬉々としてサマンサ殺すのはやめてほしいなー。

>>505
そういうときこそ「シャナクの巻物」ですよ。まだ所持品不明の人も多いし。
もっとも、アバカムシャナクが解除フラグ確定でいいかっていうと何ともいえませんが。

508 名無しさん :2006/06/17(土) 00:08:04 ID:/JoiYXOc
>個人の能力に依存する解除方法はなんかヤだな

誰でも使えるのも、どうかと思う。
転職という手もあるけど、フォズ殺せなくなるよね。
今回,コレを投下すれば、ピサロ殺せそうだが。

509 名無しさん :2006/06/17(土) 00:09:50 ID:9TsFhwRg
それはそれでなんでハーゴンそんなの入れてんの?
という疑問が……。

まぁ文句ばかり言ってても仕方ない。
ハーゴン側に内通者でも作るか。

510 名無しさん :2006/06/17(土) 00:11:26 ID:urm53nPI
首輪に盗聴機能はパロロワの伝統じゃあないかな?

511 名無しさん :2006/06/17(土) 00:11:39 ID:9TsFhwRg
>>509>>507

512 修正の修正 :2006/06/17(土) 00:13:01 ID:iICX5lSk
「だが、今の段階で解ったのはこれまで…」
『これからは筆談で会話する。我々の会話は筒抜けの可能性がある為だ』
紙に綴られた文字は、欺きの言葉とは裏腹に真実に歩み寄る。

ピサロが『こちらの動きが把握されている』と考えた理由は3つ。
1:『生贄』と呼ぶからには死亡させなくてはならない。常時生死を確認する必要がある
2:死亡確認の方法は、主催者と参加者を唯一繋ぐこの首輪を通して知っている、というのがもっとも自然
3:だが生命の感知だけでは対象が首輪を外し脱出したのか死亡したのかの確認が取れない

以上の3点から、こちらの動きを何らかの方法でつかんでいると考えることができた。
といっても、予想に『確実』が無いのはピサロも承知。
命は一つ、念には念を、ということだ。
ピサロは、知将であると断言できよう。
伊達に長生きはしていない、かなりの知識量がある。
─この子供、見た目に反し頭は良い。
首輪の真実に近い私が、万が一殺されても大丈夫なように伝えておくとしよう─
言わば、保険である。
「首輪には迂闊に触れないほうが良かろう…命を縮めるようになるからな」
『いいか。城の図書室で、興味深い呪文の存在を知った。その使い手が揃えば、首輪が外せるかもしれない』
フォズは驚きの声をぐっと堪えた。
ここで主催者に知られては水の泡。
ピサロは筆を滑らす音を掻き消すように逆の内容を話す。

「いずれにしろ、この首輪…外すのは不可能に近いかもしれんな…」
『【シャナク】【アバカム】…この二つと、私の力が有ればあるいは…』

夜は更け、一番星が煌いた。
彼らの進む道はその光に照らされているのか。



盗聴、というかこちらの動きの把握について加筆。
どうでしょうね…

513 名無しさん :2006/06/17(土) 00:13:50 ID:iICX5lSk
あ、考えたんですが、白紙の巻物にシャナクって書けるのですかね

514 名無しさん :2006/06/17(土) 00:14:22 ID:/JoiYXOc
>>509 
そうだな。話の運び方としては、おかしくない。
盗聴機を気づくと言うのが少し微妙なところだが、後の書き手に委ねられたと思えば。

内通者〜いいねぇ^〜^。素晴らしい響き。
そこであの、没ネタになった丁寧口調の神官さん登場ですよw

515 名無しさん :2006/06/17(土) 00:15:53 ID:9TsFhwRg
>>508
解除方法が個人の能力に依存している、というのが嫌なんだよね。
解除方法の発見には個人の能力に依存して構わないと思う。
それなら発見してからそいつ死んでも、何らかの方法で誰かに伝えれば展開は進められるし。

516 名無しさん :2006/06/17(土) 00:16:02 ID:/JoiYXOc
>>513
書く巻物によりそうだ。
祝福を受けたとか、その技術があるとか、何とか理由をこねれば・・・。

517 名無しさん :2006/06/17(土) 00:19:12 ID:VGGGYSJ2
>>509
アイテムだから一人だけしか使えないだろうし
「気づいた人が正しい使用法で使えば、解除もできますよー」程度で考えていれば。
他の呪いのアイテムに使ってしまうかもしれないし、そもそも成功するかも分からないし。

まあ出てきてもないアイテムについて議論しても仕方ないかな。
登場させる余地は十分ありそうだけど。

518 名無しさん :2006/06/17(土) 00:20:05 ID:iICX5lSk
>>515
うーん、>>515さんの言うことももっともです。
破棄にすべきか…どうしよう

519 名無しさん :2006/06/17(土) 00:20:14 ID:/JoiYXOc
シャナクやアバカムの変わりになるものを発見・・・ちっと苦しいかw

520 名無しさん :2006/06/17(土) 00:22:05 ID:/JoiYXOc
いや、先ほども議論に出たけれど、
あくまで、ピサロの「予想」なら良いんじゃないか?

フラグが複数合っても問題ない。淘汰されるから。

521 名無しさん :2006/06/17(土) 00:22:19 ID:9TsFhwRg
>>518
いや、このSSの段階ではピサロの想像で解除方法確定したわけじゃないから
これはこれでいいんじゃないかな。

SS自体に文句つけてた自覚はなかったけど結果そうなってるね。
ごめん。

522 名無しさん :2006/06/17(土) 00:22:40 ID:VGGGYSJ2
>>518
最初に言ったけど「確定」するわけじゃなくて「仮定のひとつ」に過ぎないでしょ?
これで確定させるつもりで書いたんなら破棄を検討するのも仕方ないかもだけど
ただのフラグ撒きの段階なんだし構わないんじゃない?

523 名無しさん :2006/06/17(土) 00:23:29 ID:/JoiYXOc
その前提覚悟があれば、投下しても良いんじゃないかなと。

<すいません、ついつい、短文レスしてしまいます。

524 名無しさん :2006/06/17(土) 00:24:19 ID:iICX5lSk
そういっていただけるとありがたいです。
フラグ撒きとして投稿に踏み切ろうかと思います。
異存がある方は今のうちどうぞ。あと10分くらいで投下始めようかと。

525 名無しさん :2006/06/17(土) 00:27:10 ID:/JoiYXOc
 ついつい、今後の展開に関わると熱くなる。
SSの結論が、三者ともダブったのは少しびっくりしたが。

526 名無しさん :2006/06/17(土) 00:49:12 ID:/JoiYXOc
おつ!

527 名無しさん :2006/06/17(土) 00:55:17 ID:9TsFhwRg
今気付いたけどフォズ知ってる奴みんな死んだのに思考がアルスたちを探すのままだね

528 名無しさん :2006/06/17(土) 00:59:09 ID:VGGGYSJ2
乙です。これで寝れそうです。

529 名無しさん :2006/06/17(土) 00:59:25 ID:/JoiYXOc
しまった。フラグの方ばかり、気を取られた。
頼りない読み手ですまん>書き手さん・・・。

530 名無しさん :2006/06/17(土) 00:59:57 ID:/JoiYXOc
おつかれ〜

531 名無しさん :2006/06/17(土) 01:05:53 ID:iICX5lSk
完了しましたありがとうございましたー

532 魔王の闇、彼女の闇1/6 :2006/06/19(月) 17:38:07 ID:DwWxTmj6
「さて、フォズ…といったか」
「は、はい」
突然に(その名を呼んだのは初めてのことだ)その名を呼ばれたフォズは驚いたようだった。
「当面の方針だが、近くで感じていた大きな魔力が一つ消失した。…恐らく殺されたのだろう。
 その代わりといっては何だが、ここから北西に二つ程、先のものほどではないにせよ、そこそこの魔力を感じる」
「魔力というと、呪文の使い手…ですか?」
「そうだ。ちょうどC−4があと数時間で禁止エリアになるから、迂回する必要もある。
 よってまずは北上し、北の森へ。その後西へと向かうことで、その両者との接触を試みる。
 山に続き森と辛いだろうが、しっかりついて来い。…また抱きかかえられたいのなら、それでも構わんがな」
「大丈夫です。ついて、いけます」
「そうか。では、行くぞ」

新たな目標を定め、アンバランスな二人は夜の山を往く。


――とは言ったものの、だ。

フォズに対し自らの首輪解除についての仮説を示し、さらにその為に行動を起こそうとしていたピサロであったが、
それとは別にもうひとつ、今回の「死者の数」を受けて思うところがあった。

僅か半日という期間であったにも関わらず、既に18もの命が失われていたこと。
ピサロが気になったのは、「あまりにも死者の数が多すぎるのではないか」、ということ。
もちろん、このゲームの参加者の中には自分のような魔族や魔物が何名か含まれていることも知っている。
中には、魔物に襲われてその命を散らした人間、人間に倒され命を散らした魔物も少なからず居たことだろう。
しかし、たかが数匹の魔物の活動のみで、ここまでの被害が出ているとは考え難い。
それはつまり、ゲームに乗り、人間を殺している人間が確実に存在していることを示しているに他ならない。

533 魔王の闇、彼女の闇1/6 :2006/06/19(月) 17:38:47 ID:DwWxTmj6
――「殺し合え」と言われて、簡単に同族を殺せる。人間とは、やはり愚かなものではないのか――?

フォズに問えば、確実に「違う、人間はそんなものではない」と反論されるだろう。
だがよくよく考えれば、ピサロがここで見かけた人間は、彼女を除けば悉くこのゲームに乗ったものでは無かったか。
例えば、既に二人を手にかけた金髪の天空の勇者。
例えば、魔王のかつての仲間、神官クリフト。

――果たして本当に「愚かでない人間」がこの地に存在し、なお生き残っているのか――?


残る生存者は25名。また翌朝までに、新たな死者が出るであろう。
死者が増えれば増えるほど、【シャナク】【アバカム】の使い手が死亡している可能性が増大する。
必然的に、彼が示した首輪解除方法の成功率は減少する。
死者が増えれば増えるほど、自らが手を下さねばならぬ数が減少し、優勝に当てる労力は少なくなる。
必然的に、彼が優勝出来る確率は上昇するし、そもそも首輪解除を目論む必要などなくなる。

534 魔王の闇、彼女の闇3/6 :2006/06/19(月) 17:39:22 ID:DwWxTmj6
ピサロにとって最優先は「ハーゴンを殺し、ロザリーの仇を討つ」ことである。
そのために彼は「ハーゴンに一泡吹かせるべく、首輪解除」という選択肢を選んでいるだけであり
「参加している人間たち全ての首輪を解除し、結束して脱出しよう」と試みているわけではない。
つまり「優勝者としてハーゴンのもとへ向かう」こともまた、彼にとって選択肢のひとつである。
まして勝手に人間どもが殺し合い、その数を減らしていくというのなら…。

――目処は、私たちを含め10名といったところか。
  もしこのままのペースで死者が増え行くのであれば、私はお前たちを滅ぼすことも考えねばならん。
  証明してみよ、人間よ。お前たちが愚かな種族でないことを。
  証明してみよ、人間よ。少女の言うことが真実であるということを――

フォズと出会い、抑えられたかに見えた魔王の中の大きな闇。それが再び静かに蠢きはじめていた。

〜〜〜〜〜

535 魔王の闇、彼女の闇4/6 :2006/06/19(月) 17:39:55 ID:DwWxTmj6
ふふ…ふふふふ…

ピサロが目指す北の森では、一人の女――フローラが笑いながら西へと歩みを進めていた。
やや右半身を気にした格好ではあったが、ゆっくりと確実に歩みを進めていた。

――先刻の放送にて。

リュカ様が死んだと告げられた。それは別に構わなかった。
愛する男を失った悲しみはあったが、優勝し、蘇生を願えばよかったから。
自ら彼を手にかける必要がなくなって、安堵しているくらいだった。

ビアンカが死んだと告げられた。
是非とも自らの手で仕留めてやろうとも思っていたからやや遺憾ではあったが、死は死だ。
もう二度とあの女の姿を見ることが無いと思うと、せいせいしたのだが…
許せないことが一つあった。それはリュカとビアンカが「同時」に放送で呼ばれたこと。
それはフローラに「二人は邂逅し、心中したのではないか」という疑惑を持たせるには十分であった。
(実際には別々のタイミングでその命を散らしているが、そんなことは分からない)

――現世で私から奪い取ったのに飽き足らず、死後の世界でまでリュカ様を奪おうというの?ビアンカ!
  そんなこと許さない許さない許さないッ…!!

536 魔王の闇、彼女の闇5/6 :2006/06/19(月) 17:40:30 ID:DwWxTmj6
ちりちりと痛み出した火傷が、リュカ様を奪ったビアンカが私を嘲笑っているかのようで鬱陶しい。
このままじゃ終わらせない。何かあの女を唸らせる事柄はないかと思案を巡らせ…ふと、閃く。
レックスだ。リュカ様とビアンカの息子、レックスだ。
放送でその名は呼ばれていない、ということは、未だ生存してこの場にいるではないか。
リュカ様を引き連れて死んだビアンカは許せなかったが、あの女が現世に戻ることはもうない。
ならば、あの女が手出しできないこの現世の中でレックスを痛めつけてやろうと。
レックスだけは、徹底的に痛めつけて殺してやろうと。
ビアンカ本人に復讐することがかなわないのなら、ならばその息子にその憎しみをぶつけてやろうと。

ふふ…ふふふふ…

ビアンカ。どうか、指をくわえて見ていて下さいな。
痛めつけられるレックスを見ながら、先に逝ったことを大いに悔やむがいいわ。
そして感謝して頂戴ね。
あなたの大好きな息子さんを、私が貴方の元に連れて行ってあげるのだから。

リュカ様。どうか、ほんの少しだけお待ちくださいね。
すぐに私が優勝して、貴方のことを蘇生して差し上げますから。
そうしたら必ず、たっぷりと愛してくださいましね?


――そして、今。
元々追いかけていた逃避行二人の片割れ、ルーシアの名前が放送で呼ばれたことなど既に覚えていない。
レックス以外の誰が死のうと、もう彼女にはどうでもよかった。
他人の死など、最早何の感慨ももたらさない。全ては彼女の優勝の為、輝かしい未来の為の贄に過ぎないのだから。

537 魔王の闇、彼女の闇6/6 :2006/06/19(月) 17:41:12 ID:DwWxTmj6
フローラは狂ってはいない。
彼女の中にあるのは、ただただ大きな闇。それだけ。


【C-5/北側の山/夜】

【ピサロ@DQ4】
[状態]:健康 MP6/7程度
[装備]:鎖鎌 闇の衣 アサシンダガー
[道具]:エルフの飲み薬(満タン) 支給品一式  首輪二個
[思考]:ロザリーの仇討ち ハーゴンの抹殺 襲撃者には、それなりの対応をする
     【シャナク】【アバカム】の使い手を捜す 更なる首輪解除方法調査
     北西に居る魔力の持ち主と接触する
     首輪解除の目処が立たずに生存者が10名を切ったら、ゲームに乗ることも視野に――?

【フォズ@DQ7】
[状態]:疲労(時間経過で回復)
[装備]:天罰の杖
[道具]:炎の盾  アルスのトカゲ(レオン) 支給品一式
[思考]:ゲームには乗らない ピサロを導く


【B-5/西側の森林地帯/夜】

【フローラ@DQ5】
[状態]:HP MP:睡眠をとり回復 ゼシカに変化 顔から右半身にかけて火傷の跡 徐々に火傷から痛み
[装備]:山彦の帽子  毒針 ベレッタM92(残弾15)
[道具]:変化の杖 マガジン(装弾数15)×1 神鳥の杖 エッチな下着 未確認(一つ)
[思考]:西に向かう ゲームに乗る(ただしレックスのみ痛めつけて殺す)
     永遠の若さとリュカの蘇生を願う

※フローラの火傷には定期的な回復治療が必要です。 治療しないと半日後くらいからじわじわと痛みだし、悪化します。
 完治にはメガザル、超万能薬、世界樹の雫級の方法が必要です

538 名無しさん :2006/06/19(月) 17:43:07 ID:DwWxTmj6
以上です。
ピサロの思考を右往左往させすぎなので、大丈夫かどうか気になります。

あと所持品の「首輪二個」が入手した話以降道具欄に記載されていなかったので追記しました。

539 名無しさん :2006/06/19(月) 18:01:25 ID:Dn.42LAA
乙!

ピサロは、ロザリーを殺されたんで不安定でいいと思います。

540 名無しさん :2006/06/19(月) 18:10:41 ID:0NZf2ctY
うーん…、
〉ルーシアの名前が放送で呼ばれたことなど既に覚えていない。
〉レックス以外の誰が死のうと、もう彼女にはどうでもよかった。
てのは、まずくないかなぁ。
レックスを殺そうにも、彼の情報は一切無いし、
それだけに執着すると今後、行動するのに指針が無くなっちゃうわけだし。

ビアンカとリュカが心中したかも、というのも強引な気がする。
放送が、死んだ時刻順に読み上げで(その情報はないけど)、
リュカが最初で、ビアンカは最後の方なのに、同時というのは強引かと。

少々、書き手の望む展開に急かしすぎな気がする。


ピサロはイイ!(・∀・)

541 名無しさん :2006/06/19(月) 18:40:59 ID:DwWxTmj6
>>540
納得です。ちょっとフローラのほうを書き直してみますね。

542 名無しさん :2006/06/19(月) 19:30:34 ID:bhHipfUg
乙!
ピサロが良いです〜。
ゲームに乗ったら、一番最初に殺そうとするのは、隣にいるフォズだろうなw
足手まといにしか、ならないからなぁ

543 名無しさん :2006/06/19(月) 19:33:12 ID:Xp74xaNA
投下乙です。
放送でゼシカの名前が呼ばれたことで、この姿ではアレフの騙まし討ちは無理だと悟るシーンを
追加してはどうでしょうか?

544 名無しさん :2006/06/19(月) 19:40:37 ID:bhHipfUg
いま、感情が逝ってる状態だし。急に理性がでてきてもねぇ。

フローラが現実に帰ってきてから(笑)、
次の書き手さんが書いたほうが良いんじゃないかな。

545 名無しさん :2006/06/19(月) 20:16:03 ID:Xp74xaNA
>>544
ナルホド。確かに今のフローラ感情的になってますね。
逆に、ピサロ&フォズがゼシカに変化したままのフローラに会って
「貴様は死んでいるはずだぞ」ってバトルに突入展開も面白くなるかも。

546 名無しさん :2006/06/19(月) 20:44:23 ID:Fu8fQfIQ
ピサロの魔力感知能力ですが、精度が高すぎないですか?

遠くに高い魔力の反応がある、くらいならまだしも
そう高くない、しかも複数の魔力を感知できるのはちょとやりすぎでは。
あんまり詳細に魔力を追跡できるようだと今後の足枷となると思うのですが。

前回までの話とも整合性あやしくなりませんかね。

547 名無しさん :2006/06/19(月) 20:56:20 ID:DwWxTmj6
>>543
一応作中に盛り込んで検討していますが、
ちょっと蛇足感が否めないかもわかりません。

>>546
一番気になってたのはそこなんです。
やはり精度を落として「おぼろげながら魔力を感じる」程度に留めるほうがよさそうですね。
(というか、既にそういう風に修正中)

修正後は本スレに落としてみようかと思ってます。
納得できる出来になるまでもう少し時間がかかりそうです。

548 名無しさん :2006/06/19(月) 22:25:32 ID:DwWxTmj6
本投下終わりましたー。
意見ありがとうございました。

549 名無しさん :2006/06/19(月) 22:26:16 ID:bhHipfUg
10人か微妙な数字だなぁ。
マーダ―8名(アトラス・フローラ・バーサ―カー・マルチェロ・サマンサ・テリー・レックス・クリフト)
微妙3名(竜王と対峙の可能性ありアレフ・マリア)ヒミコ
それ以外13名

550 名無しさん :2006/06/19(月) 22:26:48 ID:bhHipfUg
乙!!

551 名無しさん :2006/06/19(月) 22:56:23 ID:Xp74xaNA
>>549
エイトを上手く動かせば、『悪夢の種子』の同士討ちフラグをぶち壊せそうな気がする…

552 LUNATIC MOON 1/15 :2006/06/26(月) 00:28:32 ID:yUjxiwE6
突如として天空に鐘の音が響き渡った。
何事かとアリスたちは足を止めて空を見上げる。
聞こえてくるは悪魔の声。

(く、そのように余裕の声を出していられるのも今のうちです!
 必ずこの世界から抜け出して滅ぼして見せます!!)

アリスは強い決意とともに憎き敵の言葉を聞き漏らすまいと唇を噛み締める。
禁止エリアはカンダタが地図を取り出して書き留めていた。
次に流れるは死者の列。そして、アリスの身体が揺れた。

『フィオ』

「そ……ん、な」
アリスの脳裏にあの飄々とした僧侶の顔が浮かぶ。
常にマイペースだった彼女。どんな強敵を前にしてさえ慌てるといったことが無かった。
効率的な行動を旨とするサマンサとはそりが合わなかったようだが
彼女の僧侶呪文は幾度も旅の危地を救ってくれた。そんな彼女が……死んだ。

『ん、私を仲間にしたいって? そうだね、契約金3万G、月々1万Gで仲間になってあげるよ。
 ん、まあ出世払いでいいさね。世界を救ったら払ってくれるかい?』

ルイーダの酒場で最初に会った時、そうそうに気さくな冗談を言ってきた。
(実は冗談ではなかったのだがアリスは最後までそれに気付かなかった)
その後の旅でも他人に無関心な要でいて細かいところによく気がつき、補助してくれていた。
彼女がいなかったらアリスたちは世界を救うどころか途中で倒れていただろうことは想像に難くない。
とても頼りになる姉のような存在。それがフィオだった。
その彼女は……もういない。

「フィオ……ッ」

アリスは涙を堪え、空を見上げる。既に日は完全に落ち、白い月が浩々と大地を照らしていた。

553 LUNATIC MOON 2/15 :2006/06/26(月) 00:29:22 ID:yUjxiwE6
不安そうにカンダタが声を掛ける。
「姐さん……」
「大丈夫です、カンダタ……私は、勇者です。立ち止まりはしません。
 止まってはいけません」
そう、勇者は哀しみに立ち止まってはいけない。
どんな時も正義に邁進しなければならない。
目の前で父、オルテガが戦死した時も彼女は立ち止まらなかった。
だから今も彼女は全てを背負い、耐える。
今ここで立ち止まれば全ての犠牲を無にすることになるからだ。
「フィオ、仇は取ります」
ハーゴン打倒の決意をより高め、アリスの心の揺れは止まる。
気持ちを入れ替え、いざアリアハンへと進もうと仲間を振り返る。

そこには、魂の抜けた表情で膝を突いているクリフトの姿があった。



先程の放送から流れた一つの言霊。
それはクリフトを絶望の淵に追いやるには充分だった。
「私は……何の為に……」
ブツブツと力なく呟く。
全ては彼の女神、アリーナを生き残らせるためだった。
その為に幾人も襲い、少女を殺し、今またこのアリスという少女を利用しようとしていたのだ。
それは――全て無駄な行為だったのか。
どれだけの罪を犯そうとも、神に背こうとも、アリーナさえ幸せでいてくれるなら他には何もいらなかった。
無様な死を迎えようとも地獄に落ちようとも構わなかった。
他人にどう罵られようとそれは彼にとって殉教と言える行為だったのだ。
それなのに、それなのに!
自分はただ罪を重ねただけの愚か者に成り下がった。
側にいた誰かが何事かを話しかけてくる。
だがもうクリフトは関心を持たなかった。

554 LUNATIC MOON 3/15 :2006/06/26(月) 00:30:18 ID:yUjxiwE6

――――死のう

彼は答えを出す。
アリーナの居ない世界には何の未練もなかったから。
その時、肩を掴まれ揺さぶられた。
アリスはまだ何かを叫んでいる。
(もういいんですよ、何もかも。放っておいてください)
そう言おうとしたが何もかも億劫だった。
そして……ある言葉が耳に入ってきた。

「ハーゴンたちの言葉になんて惑わされないでください!」

なんでその言葉だけ耳に残ったのだろう。
ハーゴンの言葉? ハーゴンは何と言っていただろう。
ぼんやりとした頭でクリフトは最初の広間でのことを思い出していた。

―― このゲームに勝ち残り最後の一人となったものには私直々に褒美を取らせよう。
 元の世界に戻すのは当然、富も名誉も思いのままだ。そして……死者を甦らせることもな ――

―― 死者を甦らせることもな ――

急速に、脳が、覚醒していく。
自分の行動方針はなんだった?
アリーナを優勝させ、復活させてもらって元の世界へ帰る。
そう、復活させてもらって、だ。
なら逆でもいいではないか。アリーナを復活させてもらうのだ。

―― 自分が優勝して。

なんでこんな簡単なことに気付かなかったのだ。
心の奥から力が湧いてくる。どす黒く、濁った力が。

555 LUNATIC MOON 4/15 :2006/06/26(月) 00:31:00 ID:yUjxiwE6

「しっかりしてください! 私たちがここで負けてはいけません!!」

アリスの声もクリアになり、クリフトはようやく外界をハッキリと認識する。
彼は虚ろな瞳のまま、アリスに向かって微笑んだ。
「ええ、その通りですね。心配をかけたようで申し訳ありません」
「良かった、正気に戻ったんですね?」
安堵した表情のアリスを内心侮蔑しながらクリフトは頷いた。
「はい。かけがえのない人の死を知り、私はくじけそうになってしまいました。
 でもあなたの言うとおり、ここで負けてしまってはアリーナ様に申し訳が立ちません。
 私はもう大丈夫です。行きましょう」

そう、自分はもう大丈夫。生きる目的を見つけたのだから。
アリスと、カンダタと頷きあうと、彼はアリアハンへと向かって歩き始めた。
一つの狂気と共に。


「なあ、マリア王女。その竜王のことなんだが……」
「はい?」
空飛ぶベッドの上でのククールの言葉にマリアは訝しげな視線を向ける。
彼はなんだかとても言いづらそうに口をもごもごと動かしていたが、やがて意を決したように
マリアの瞳を見つめた。
「その竜王って奴と出会ったら、まず俺に話をさせてくれないか?」
「何故です?」
「先程はああ言ったが……どうも俺にはその竜王が、ゲームに乗ってアレンと戦っていたとは思えないんだ。
 王女から竜王のことを聞いた今でもそう思う。そう考えると不可解な部分がでてきてしまうんだ」
ククールはその時のことを思い返す。
あの時、アレンが強く踏み込んだと思ったその動き。明らかに不自然なものだった。
あれはククールに気付き、竜王を庇おうとしたのではないか。
だとしたら彼らが戦っていたのは、ゲームとはまた別の意図があったのではないか。
それにその後ククールは竜王の一撃によって気絶した。そう、自分が生きていること自体がおかしい。
ゲームに乗っていたなら自分に止めを刺さない筈がない。

556 LUNATIC MOON 5/15 :2006/06/26(月) 00:31:59 ID:yUjxiwE6
そして何故、アレンの遺体にマントが被せられていたのか。
「そんなことが……」
「俺にはわからない。竜王が真の悪なのか、それとも……」

「なんと、バーサーカーじゃ!!」

その時ククールの言葉を遮り、トロデが叫んだ。
寝入っているレックスを除いた全員がベッドからトロデの指差す方向を覗く。
バーサーカーは明らかにこちらを捕捉して近付いてきていた。
月明かりの中、左手に持つモーニングスターをぶんぶんと振り回していたかと思うと、大きく振りかぶる。

「不味い、ありゃ破壊の鉄球だ! ハッサン、もっと高度を上げろ!」
「無理だ、これ以上あがらねぇ!!」
「だったら速度を上げて振り切れ!!」
「無理だ、これ以上あがらねぇ!!」
「じゃあ転進だ!! 急――」

唸りを上げて鉄球が豪速で迫る。
鉄球は正確にベッドを捉え、粉々に打ち砕いた。

「うおおおおおおおおおおおおおおっっ!!?」

ベッドが盾になったおかげで直撃は避けられたものの、ハッサンたちは夜空に放り出されてしまう。
「くっ、レックス!」
ハッサンは咄嗟にレックスの腕を掴むと胸に抱え込み、地面へと墜落した。
受身を取りながらゴロゴロと転がり、何とかダメージを最小限に抑えたものの、身体のあちこちを擦り剥いてしまった。
「ふう、なんとか……ぶべっ!」
「ブギャアァ!?」
ホッと息をつこうとした所で、ゴィン、とハッサンの頭蓋を衝撃が襲った。
一足遅れて落ちてきたトロデ王がハッサンの頭に直撃したのだった。
トロデは目を回して気絶し、ハッサンの頭には大きなこぶができる。
「痛〜〜」

557 LUNATIC MOON 6/15 :2006/06/26(月) 00:32:41 ID:yUjxiwE6
レックスを降ろし、痛めた頭を抑えているとビュン、と風きり音が鳴った。
嫌な予感に咄嗟に頭を下げると、一瞬後にそこを鉄球が通過する。
鉄球はハッサンの背後の地面を大きく爆散させると、再びバーサーカーの下へと舞い戻っていく。
「てめぇ!」
ハッサンはトロデとレックスを戦闘に巻き込まないように廻り込みながら、バーサーカーへと駆けた。

「きゃあ!」
「マリア王女!!」
マリアはククールが抱きとめ、空宙で体勢を整えて華麗に着地した。
「お怪我はありませんか、お嬢さん?」
「はい、ありがとうございます」
マリアを地に立たせ、バーサーカーの方を見やる。
「奴のあの武装じゃハッサン一人じゃ荷が重い、加勢に行くから王女はトロデ王とボウズを頼む!」
「はい、バーサーカーはミラーシールドを持っている筈です! うかつに呪文を使わないよう気をつけてください!」
マリアの忠告を背に、ククールはハッサンの援護に向かう。

「ちぃ、破壊の鉄球も厄介だがあの隼の剣モドキも厄介だぜ!」
ハッサンは身かわし脚で攻撃の回避に専念していた。
それというのも遠距離では破壊の鉄球が、近距離では隼の剣とも思えぬ凄まじい威力を持つ剣によって
接近を阻まれているからだ。
鉄球を掻い潜り、拳の距離まで接近しても地面を抉り取るほどの斬撃が二連続で襲い来る。
「喰らえ!」
ハッサンは魔物使いの特技、火炎の息を吐いてバーサーカーの周囲を焼く。
大した痛手にはならずとも、火によって相手の激しい運動性を制限するのが目的だ。
だがバーサーカーは炎にも怯まず再び鉄球を放つ。
「何!?」
炎の壁を貫いて鉄球が迫る。意表を突かれたハッサンは回避することができない。
ハッサンは一瞬でその選択を捨てると、どっしりと地に腰を落としてかまえた。
「大地よ、俺に力を貸してくれ!」
自然を知り、一体となってその力を借りるレンジャー。その高位特技「大防御」。
ハッサンの筋肉が瞬時に膨張、硬化してその守備力を跳ね上げた。
ドォン、という衝撃とともにハッサンは両の腕で鉄球を掴み取る。

558 LUNATIC MOON 7/15 :2006/06/26(月) 00:33:46 ID:yUjxiwE6
その威力によって十数メートルもの距離を両足が擦り、土煙を巻き上げながら押し飛ばされるが、
見事にハッサンは破壊の鉄球を受け止めた。
しかし両の足は地面との摩擦によってボロボロになってしまい、両の腕も威力を殺しきれずに痺れて動かなくなっていた。
「ぐ……うっ」
ドスン、とハッサンはその場に鉄球を取り落とす。
すると鉄球は高速でバーサーカーの下へと帰還していった。
「しまった!」
破壊の鉄球を回収したバーサーカーは動けないハッサンに接近し、はかぶさの剣を振りかぶる。
死を覚悟した一瞬、バーサーカーは横合いから矢の一撃を右腕に受け、吹っ飛んだ。
「無事か、ハッサン!」
「お、おお」
駆けつけたククールに力なく受け応えたる。
今の一撃でのダメージはそれほどでもないが衝撃で四肢が動かなくなっていた。
「ち、ボロボロだな……ベホマ!」
ククールの回復呪文によって何とか腕の痺れは収まり、感覚がマヒしていた足にも痛みが戻ってくる。
「ありがとよ、ぐぅっ!」
「無茶するな、奴は俺がなんとかするからお前は下がってろ」
「心配いらねぇよ、伊達に鍛えちゃいねぇんだ。これくらいで動けなくなるハッサン様じゃねぇぜ!」
「言っても無駄か……! 見ろよ、奴さんも同じらしいぜ」
ククールの視線の先ではバーサーカーが起き上がり、腕に刺さった矢を抜いているところだった。
止血もせずに剣を握り締め、左手には再び鉄球を携え、二人を見つけるや否や飛び出してくる。
「来るぞハッサン! ここが正念場だ!」
「おおよ!!」
ハッサンは拳を打ち鳴らし、ククールは矢を番え狙いを定めた。



「おじさま! おじさま!」
「う〜ん、ムニャ……ハ!?」
気絶していたトロデはマリアに揺り起こされて目覚める。
ガバッと起き上がり、キョロキョロとあたりを見回した。
「バ、バーサーカーは!? あれからどうなったのじゃ!」

559 LUNATIC MOON 8/15 :2006/06/26(月) 00:34:36 ID:yUjxiwE6
「今ハッサンさんとククールさんが戦ってくれています。私も援護をしたいのですけれど……」
三者の動きが……正確にはハッサンとククールの間を駆け巡るバーサーカーの動きが激しすぎて
下手に攻撃呪文を使えば味方を巻き込んでしまうため、おいそれと手出しが出来なくなっていたのだ。
加えてミラーシールドで呪文を跳ね返されてしまうかもしれないという懸念もある。
その戦いぶりを観てトロデは唸る。
「むう、まさに狂戦士。説得は通じぬであろうな……ここで討つしかあるまい。
 頑張れ〜〜ハッサン、ククール!!」
大きく手を振ってトロデは二人を応援する。
その時、マリアは闇の気配を色濃く感じ取った。
ハッとしてレックスを見るが、少年はまだ眠りについたままだ。
(ならこの気配は一体……)
用心深く周囲を見渡す。そしてマリアは見た。
月下、黒い霧を身に纏いて一直線にこちらを目指して疾走る般若の姿を。
「おじさま!!」
「むう?」
マリアの悲鳴に振り向いたトロデもまたその姿を見る。
「その格好、もしやテリーか!?」
「なんですって?」
トロデはその背格好から一目で般若がテリーだと見抜く。
マリアもその言葉に改めてその姿を見る。
なるほど、黒いオーラに覆われて判断しにくいが確かに先程別れたテリーだった。
「テリーよ、その奇妙な面はなんじゃ!? 何故そのような……」
トロデはテリーに問いかけるが、答えは返ってこない。
だた真っすぐにテリーは駆けてくるのみだ。
だがマリアはその面から感じる闇の気配を感じ取っていた。
(今の彼は……邪悪な呪いに心を奪われている!!)
そう、あの可哀相な子供と同じように。

「おじさま下がって! バギ!!」
「マリア王女!?」

このままでは殺されると直感したマリアは牽制の為に威力を抑えたバギを放った。

560 LUNATIC MOON 9/15 :2006/06/26(月) 00:35:29 ID:yUjxiwE6
マリアの杖から生み出された無数の真空波がテリーを襲う。
しかしテリーはさざなみの剣を振るうと光の壁を生み出し、バギを弾き返した。
「しまった! きゃぁあああああああああ」
「うぎょえええええええええええええええ」
二人は弾き返された真空波を受け、吹き飛ばされる。
しかし威力を抑えていたのが幸いし、服はズタズタになったものの傷は浅く済んだ。
痛みを堪えてマリアは身を起こすが、そこにテリーが迫る。

「殺す……殺す……殺す……」

殺意の塊となったテリーは無情に剣を振りかぶった。



「な、トロデ王、マリア王女!?」
「ありゃテリーかよ!?」
マリアたちに起こった異変に気付き、ハッサンたちも焦る。だが――
目の前にいるバーサーカーが簡単に救援に行かせてくれそうもなかった。
破壊の鉄球とはかぶさの剣による遠近両方の即死結界が二人の攻撃を鈍らせ、
いまだにバーサーカーはピンピンしている。腕の矢傷の痛みも感じていないようだ。
だがこのままではマリアたちが危ない。
いつまでもバーサーカーに関わっているわけにはいかなかった。
「ハッサン、お前行け。ここは俺が食い止める」
「馬鹿言え! 二人掛りでようやく膠着状態に持ち込んでるってのに俺が抜けたら……」
そこに破壊の鉄球が来る。
タイミングを合わせて二人ともその攻撃を回避し、ククールはニードルラッシュを放った。
瞬時に放たれた四本の矢ははかぶさの剣によって全て中空で叩き落される。
「だったらどうする! ぐずぐずしてるとマリア王女たちが危ない、迷ってる暇はないんだ!」
「なら俺が……」
「お前の方があのテリーって奴のことをよく知ってるだろう! 逆にあのバーサーカーのことは
 俺のほうがよく知ってる、適材適所だ、行け!」
「ぐ……」

561 LUNATIC MOON 10/15 :2006/06/26(月) 00:36:17 ID:yUjxiwE6
ハッサンはそれでも迷いを見せる……だが。

「しまった! きゃぁあああああああああ」
「うぎょえええええええええええええええ」

そこにトロデとマリアの悲鳴が響き渡る。

(迷ってる、暇はねぇ!!)

ハッサンはククールを見る。
ククールはハッサンを見た。

「後は任せた!」
「後は任せろ!」

すれ違い様にパン、と手を打ち合い、二人はそれぞれの戦場に向かう。
駆け去るハッサンを見てバーサーカーはその背に破壊の鉄球を投げようとするが、
ククールはその足元に矢を撃ちこんでその動きを止めた。
「アイツは忙しいんだ。ダンスの相手なら俺がする。
 お前みたいな奴を相手にするのは趣味じゃあないが、この際は仕方がない。
 付き合ってもらうぜ!!」
「ギィャアアアアアアアア!!」
バーサーカーはククールに向き直ると再び鉄球を振りかぶった。
「ワンパターンなんだよ!!」
ククールは冷や汗をかきながら強がりを口にする。
(やれやれ、この俺がこんな雑魚を相手に死を覚悟しなきゃならんとはね……。
 だが、もう俺の仲間は死なせはしない! なぁエイトよ!)



ギン、と金属音が鳴り響きマリアの手から杖が弾き飛ばされる。
最初の斬撃はかろうじて防いだが、次の攻撃を防ぐ手段はない。

562 . :2006/06/26(月) 00:36:33 ID:4vSVsys6
.

563 LUNATIC MOON 11/15 :2006/06/26(月) 00:37:01 ID:yUjxiwE6
「く……」
「テリー止めるんじゃ!!」
トロデの制止を気にも留めず、テリーは再び剣を……
「うるぁッ、疾風突きぃ!!」
突如として巨体がテリーの前に躍り出て、目にも留まらぬ拳打で斬撃よりも速く喉元をを打ち貫く。
テリーはそのまま地面に叩きつけられ、ゴロゴロと転がった。
「ハッサンさん!」
「ようやった、ハッサン!」
マリアの絶体絶命の窮地を救ったのは後をククールに任せて救援に来たハッサンだった。
「起きやがれテリー! それがお前の出した答えだってのかよオイ!?」
その怒号に応えるようにテリーはむっくりと起き上がる。
足取りはしっかりしていてまるでダメージを受けていないかのようだ。
「ハッサンさん、おそらくテリーさんはあの面の呪いによって正気を失っています!
 なんとかあの面を壊してください!」
「レックスの時と同じかよ……テリー、なら俺の拳骨でお前の目を覚ましてやるぜ!!」
「……殺す」
ハッサンは聖なるナイフを構えるとテリーの斬撃を受け止めた。
そしてまわしげりでテリーを再び吹っ飛ばす。
(これ以上、俺は仲間を失うわけにはいかないんだ! バーバラ、ミレーユ、ドランゴ!
 力を貸してくれ!!)


7つの命が交差する戦いの野を、高台から一人見つめる影がある。
「くくく、これはこれは……中々盛大にやりおうておるのう」
テリーの後を追っていたヒミコである。
「しばし高みの見物と行くか……」
(1人2人喰えれば上等と思っていたが案外と多く食せそうであるな)
ズルリ、と舌なめずりをするとヒミコはその場に腰を下ろした。

彼女は知らない。運命が、近付いてきているのを。

564 LUNATIC MOON 12/15 :2006/06/26(月) 00:37:40 ID:yUjxiwE6
「姐さん、ありゃ戦闘の音ですぜ!」
「解っています! クリフトさん、あなたはこの辺りに隠れていてください!
 私たちは戦闘を止めに行きます!」
「はい、解りました。私は戦闘の役には立ちませんからね……ご武運を祈ります」
「ああ、こうなったら姐さんは止めらんねぇ……」
「カ・ン・ダ・タ・?」
「へい、行きやす!」
そういってカンダタとアリスはファルシオンに飛び乗ると、森を駆け抜けていく。
駆け去っていくアリス達を見送り、クリフトは思う。
(やれやれ、戦闘に巻き込まれるのはゴメンです。私は生き延びなくてはなりませんからね。
 しかし好機でもある。全てが終わった後に現れて、残った者を殺すのが理想ですが……さて)
どちらにしろ、戦闘の様子は見守らなくてはならない。
クリフトは先を行くアリス達に気付かれぬよう、そっと後を追い始めた。


少年はずっと身を伏せている。
柄のみしか残っていない呪いの剣を握り締め、彼はずっと機を窺っていた。
レックスはベッドが粉砕された直後に目覚めていたが、何度も眠らされた経験から今は動くべきではないと判断したのだ。
常に周囲の状況を気付かれぬよう観察し、いつでも逃げられる体勢はとっている。
しかし、この状況を利用すれば一気に自分以外の者を全滅させることも不可能ではない。
(とりあえず、あの魔物も、仮面の人も僕には関心持ってないみたいだから今は大丈夫だね。
 とにかくチャンスが来るまでは大人しくしていよう)
冷静にそう判断する。
全てを――壊す為に。

(殺すしかない……僕はもう、戻れないんだから)

誰も気付かなかった。レックスの右手が剣の柄を強く握り締めたことに。

戦いは尚も続く。狂気を呼ぶ月に照らされて。
夜はまだ、始まったばかりだった。

565 . :2006/06/26(月) 00:37:57 ID:4vSVsys6
.

566 LUNATIC MOON 13/15 :2006/06/26(月) 00:38:29 ID:yUjxiwE6
【D-4/アリアハン北の平原/夜】

【トロデ@DQ8】
[状態]:HP4/5 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(不明の品が1?) 大錬金釜 聖者の灰 空飛ぶベッド ミレーユの通常支給品
[思考]:この状況を打破する方法を考える レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン
【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:HP4/5 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル トゲの鞭 毒薬瓶
[思考]:この状況を打破する方法を考える レックスの呪いを解く方法を探す
    打倒ハーゴン 竜王(アレン)を倒す
【レックス@DQ5王子】
[状態]:呪われている(呪いの効果弱)  気絶した振り 打撲
[装備]:折れた皆殺しの剣 王者のマント
[道具]:祈りの指輪×1(一回でも使えば限界)
[基本行動方針]:気絶した振りをしながら機を窺う ゲームに乗る

【ハッサン@DQ6】
[状態]:HP3/5 両足に擦過傷と軽度の火傷 疲労
[装備]:聖なるナイフ
[所持]:まだらくも糸 魔物のエサ
[思考]:テリーを止める レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン
【テリー@DQ6】
[状態]:呪いの効果により防御力が大幅に上昇
[装備]:さざなみの剣 般若の面
[道具]:ボウガン(鉄の矢×30)  イーグルダガー
[思考]:殺戮

567 LUNATIC MOON 14/15 :2006/06/26(月) 00:39:13 ID:yUjxiwE6
【ククール@DQ8】
[状態]:HP2/3 右腕に火傷(半分回復)  疲労
[装備]:ビッグボウガン(矢 4)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:バーサーカーを倒す レックスの呪いを解く方法を探す マルチェロを止める
     竜王(アレン)と話す
【バーサーカー@DQ2】
[状態]:HP4/5 右腕に矢傷
[装備]:破壊の鉄球 はかぶさの剣
[道具]:ミラーシールド
[思考]:目の前の男を殺す 闘争本能のままに獲物を求める

◆はかぶさの剣…破壊の剣の威力とはやぶさの剣の二回攻撃を併せ持つ。
  一度手放してしまうと効力を失ってしまう。

【D-4/アリアハン北の平原 高台/夜】

【ヒミコ@DQ3】
[状態]:HP3/5
[装備]:なし
[道具]:きえさりそう ホットストーン
[思考]:戦闘を見物 幾人か喰らい傷を癒す サマンサ、アリス、フィオを喰らう

568 LUNATIC MOON 15/15 :2006/06/26(月) 00:39:50 ID:yUjxiwE6
【D-4/森の中/夜】

【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP4/5 MP2/3
[装備]:白馬ファルシオン 炎のブーメラン
[道具]:支給品一式
[思考]:戦闘を止めに向かう アリアハンへ向かう
【カンダタ@DQ3】
[状態]:健康
[装備]:ロトのしるし(聖なる守り)
[道具]:支給品一式
[思考]:戦闘を止めに向かう アリアハンへ向かう 姐さんについていく

【クリフト@DQ4】
[状態]:左足に火傷(ある程度治癒) 背中に火傷(ある程度治癒) MP1/2程度
[装備]:なし
[道具]:祝福サギの杖[7]
[思考]:戦闘の様子を見る アリスとカンダタを利用し、自分の護衛をさせる
     自分が優勝し、アリーナを復活させてもらって元の世界へ帰る

※いかづちの杖はマリアの近くに転がっています

569 . :2006/06/26(月) 00:40:19 ID:4vSVsys6
566 名前:LUNATIC MOON 13/15 投稿日: 2006/06/26(月) 00:38:29 [ yUjxiwE6 ]

570 ◆hFGszBJYFE :2006/06/26(月) 00:40:29 ID:yUjxiwE6
前編の投下終了です。
15分ほど休憩して後編を投下します。

571 . :2006/06/26(月) 00:41:31 ID:4vSVsys6
おつ。
最後の支援ミスった・・。

572 名無しさん :2006/06/26(月) 00:42:36 ID:akqpHjls
とりあえずここに投下したらageたほうがいいとは思う。
試験投下、だしね。
ということで、age。

ってか、これ前編かよ!
この状況、続きがものすごく気になるな。

573 THE BATTLE ROYALE 1/20 :2006/06/26(月) 00:56:45 ID:yUjxiwE6
テリーの鋭い斬撃をナイフで受け止め、拳で、蹴りで、ぶっ飛ばす。
幾度かそれを繰り返すがテリーは一向にダメージを受けた様子を見せない。
その顔を覆う般若の面にも何度か攻撃を加えたが、それはまるで鋼鉄で出来ているかのように
ビクともしなかった。
焦れたようにハッサンは叫ぶ。
「畜生、テリー! いつまでこんなこと続ける気だよ!?」
「お前たちが死ぬまでだ」
「? 意識があるのか!?」
今まで殺意以外の意志をぶつけて来なかったテリーから意味のある言葉が飛びでたことに驚愕する。
「俺はこの面に乗っ取られたわけじゃない。この面から湧き出る殺意、怨念、憎悪に身を任せているだけだ」
「それを乗っ取られてるって言うんだよ!!」
「違う。この面の意志と俺の意志は相反しない。俺は俺の目的の為にこの面を被った。
 いいぞ、ハッサン。あれほど強い忌避を感じていたお前への攻撃も全く躊躇いがない。
 俺はお前を、そこにいる全員を一片の迷いなく殺すことが出来る。憎むことが出来る。
 フフフ……これだ。これこそが俺の求めていた力だ!」
「お前は、ミレーユがそれを望んでいないって解ってて!!」
「俺はそれを望んでいる!! 姉さんがどう思おうと、どんな形であれ俺は姉さんに生きていて欲しいんだ!!」
「この、馬鹿野郎がぁ!!」
再び、剣とナイフが火花を散らす。二合、三合と打ち合い、再び両者は間合いを取った。
その時、トロデが叫ぶ。
「ハッサン、受け取れぃ!」
トロデが投げた小袋をテリーに隙が見えないように受け取る。
「なんだよ、コレ?」
「聖者の灰じゃ! 本来、錬金釜と共に使用して呪いの武具を聖なる武具に変える効果を持つ!
 灰単体の効果は未知数じゃがそれでも幾らかの効果は期待できる! 賭けになるが使ってみい!」
「無駄だ!」
テリーは再び斬り込んでくる。
ハッサンは袋から灰を掴み取ると、テリーに向かって振り撒いた!
その瞬間、テリーの剣から炎が迸って降り注ぐ灰を薙ぎ払う。
「火炎斬り!」
炎に包まれた灰は燃え尽きてテリーにまで届かない。
「無駄だと言った……何!?」

574 THE BATTLE ROYALE 2/20 :2006/06/26(月) 00:58:43 ID:yUjxiwE6
その時、ハッサンの身体が発光し、テリーの目を灼いた。
「オメー相手に簡単にいくとは思ってねぇよ! おら、まぶしい光ぃ!!」
眼が眩み、テリーの動きが一瞬止まる。
そして再び撒かれた聖者の灰は今度こそテリーの身体に降りかかった。
灰はテリーの身体を覆う黒いオーラに触れるや否や、まるでその力を吸収するように発光して
彼の黒いオーラを減衰させていく。そして同時にマホカンタも効果がきれ、光の壁は消滅した。
「な、なんだこれは!? ハッサン、何をした!」
「へ、トロデのおっさんの言うとおり効果はあったようだな!」
「クソォおおお!!」
苦し紛れに放ったテリーの袈裟斬りをハッサンはその首の僧房筋で受け止める。
「……大防御。どうした、テリー。剣筋が鈍ってるぜ!」
ハッサンは腰を深く落とし、真っすぐに相手を突いた!
渾身の力を込めた正拳突きが正確に般若の面を捉える。
面は鋭い音を立てて亀裂が入った。


「ギィア!」
「ちぃ!」
幾度目かのバーサーカーの猛襲をやり過ごし、ククールは肩で息をする。
ハッサンが前線を抜けたことで明らかに負担が大きい。
(くそ、アイツは疲れってものを知らないのか、全く攻撃が衰えない!
 このままじゃあ次の攻撃は凌ぎきれないな)
だが自分が抜かれれば、目の前の魔物は後ろにいる仲間に襲い掛かるだろう。
テリーを相手にしたまま、後ろから襲われたのでは一たまりもない。
(勝負に出るしか……ない!)
ボウガンの矢は残り4本。一発も無駄に出来ない。
(遠距離から射掛けたのでは奴の反射速度とあの剣に叩き落される。
 鉄球を回避し、接近した上で剣を振るわせてその隙を突くしかない!)
ククールは矢を番えて駆ける。
そこに思惑通り鉄球の攻撃がきた。
(まずこれを避ける!)
大きく避けるわけにはいかない。その分だけ相手に余裕を生むからだ。

575 名無しさん :2006/06/26(月) 00:59:13 ID:srkefzw2


576 THE BATTLE ROYALE 3/20 :2006/06/26(月) 00:59:50 ID:yUjxiwE6
ギリギリで回避する。その際に左耳が削ぎ落とされ、血が舞うが気にしている暇はない。
(鉄球が奴の下に舞い戻る前に決着をつける!)
一発目。
そして瞬時に矢を番えて二発目を放つ。
時間差で放たれた二本の矢をバーサーカーははかぶさの剣で迎撃する。
ククールの背後で鉄球が着弾する音がした。
猶予はもう半秒もない。ククールは再び瞬速で矢を番える。
バーサーカーは最初の斬撃で一発目の矢を、続く斬り返しで二発目を叩き落した。
(こいつで終わりだ!)
そしてククールが止めの矢を放つ。
鉄球の帰還は間に合わない。手に持つ剣も二連撃を放ち硬直している。
バーサーカーにこの三発目の矢を防ぐ手段はない……筈だった。
バチィン、と弾ける様な音がして矢はバーサーカーの顔面に命中し、跳ねさせる。
「ぃよし!」
勝利を確信したククールの顔は一瞬後に青褪めた。
ぐるん、とバーサーカーの顔が仰け反った状態から元に戻る。
その口には……矢がしっかりと歯で受け止められていた。
「んな馬鹿な!?」
普通のボウガンならいざ知らず、このビッグボウガンの矢を歯で受け止めるなど常識で考えられない。
受け止めた瞬間に歯と顎を砕いて口腔を貫くはずだ。
しかしバーサーカーの強靭な顎はその衝撃に耐えたのだ。
代償として何本かの歯が砕け、顎にヒビが入ったがバーサーカーは気にも留めなかった。
そして硬直から抜け出した右手を振り上げられ、はかぶさの剣がククールを襲う。
最初の斬撃はかろうじて胸部に赤い筋を一つ残すだけで済んだ。
しかし瞬時に続く二回目の残撃は……ククールの左腕を斬り飛ばした。
「ぐっぅああああああああああああああああああああああああああ」
痛みにのたうち、バーサーカーから逃れようと無様に地面を転がる。
しかしバーサーカーは容赦なく鉄球を持つ左腕を振りかぶった。鉄球は既に帰還している。

そして――振り下ろされた。

「ククールさん!」

577 THE BATTLE ROYALE 4/20 :2006/06/26(月) 01:00:59 ID:yUjxiwE6
しかし鉄球は飛ばなかった。破壊の鉄球を繋ぐ鎖になにかが絡み付いている。
加勢に来たマリアが振るう棘の鞭だった。
「ぎぅあ!」
「きゃああ!」
しかしバーサーカーの膂力の前にマリアは振り回され、地面に倒される。
そこに致命の刃が振り下ろされる……が、横合いから矢の一撃を受け、剣は地に落ちた。
「ぎゃお?」
「俺の、目の前で……レディを傷つけようとは……いい度胸だぜ」
「ぎぃあああ!!」
バーサーカーは地に落ちた剣を拾おうともせず、鞭が絡みついたままの破壊の鉄球を放り捨てて、
ただ狩りを邪魔された怒りだけを持ってククールに襲い掛かった。
「待、……ってたぜ!」
ククールは未だ血を噴出している左腕の痛みを無視し、飛び掛ってくるバーサーカーに蹴りを放った。
バーサーカーは爪でその蹴りを受け止めようとするが、ククールの足は逆にその腕を絡め取るように
変化し、大腿部とふくらはぎに腕を挟みこむと突進の勢いを利用して地面へ引き倒した。
その瞬間ククールは体重をかけてバーサーカーの右腕を折る。
「ぎぃおおお!」
これには流石のバーサーカーも苦悶の声を上げ、残った左腕でククールを払おうとする。
しかしククールも右膝で左腕を押さえつけ、バーサーカーの動きを完全に拘束した。
「悪いな。例えお前が絶世の美女だったとしてもこの場は情けをかけるわけにはいかないんだ。
 だが……せめて俺のとっておきをくれてやる!」
バーサーカーに馬乗りになった状態でククールは祈りを込めて十字を切った。
聖なるオーラがククールの右手に生まれ輝き叫ぶ。
攻撃の隙が大きく、今の今まで使えなかったククールの最大戦闘技。

「グランドクロス!!」

「ギャォ ――― 」
超至近距離から放たれた聖なる十字は、バーサーカーに断末魔を上げさせる間もなく
その身体を完全に分解し、消滅させた。

578 名無しさん :2006/06/26(月) 01:01:12 ID:srkefzw2


579 THE BATTLE ROYALE 5/20 :2006/06/26(月) 01:02:50 ID:yUjxiwE6
(むう、ククールめ。大分重傷を受けたようじゃがなんとか勝ったようじゃな)
気絶したククールに駆け寄るマリアを見てトロデは彼の勝利を確信する。
マリアは回復呪文の光を当て、介抱している。後は任せるしかない。
「ハッサン、向こうはケリがついたぞ! 心配するな!」
「おう!」
ハッサンはその報に力強く頷くと、再びテリーと向き合う。
「あとはお前だけだ、テリー。いい加減に目を覚ましやがれ」
「黙れ。俺はお前たちを皆殺しにするまで止まるわけにはいかないんだ」
テリーの被る般若の面は左目の部分が欠け、素顔の一部が覗いている。
しかし一時的に減退していた黒の気は再び力を盛り返しており、呪いは未だ強くテリーを覆っていた。
「ううむ、やはり聖者の灰といえどそれだけでは一時的に呪詛を緩和するのみか。
 完全に呪いを消し去るにはやはり破壊するか、錬金釜を使わなければ……」
「その必要はないよ」
「な……グボォッ」
突然聞こえた声に振り向くと、トロデの腹部には柄のみの剣を握った拳がめり込んでいた。
「な、おぬし……」
柄の突起が腹部の皮膚を裂き、紫の鮮血と肉を露出させる。
トロデはその場に倒れ、うずくまる。気絶はしなかったがまともに動くことはできない。
「後で殺してあげる、今は……」
トロデを倒した少年、レックスはハッサンとテリーの方を向くと掌を翳す。
その時、戦っていたハッサンとテリーもその存在に気付いた。
「ああ、レックス? ! トロデのおっさん!!」
「あいつは姉さんを殺した……!」
テリーはハッサンの脇を抜けると剣を振りかざして突進する。
ハッサンもまた一呼吸遅れて走り出す。

しかし……全ては遅かった。

「ギガ、デイ〜〜ン!!」

甲高い声と共に青銀の稲妻が迸る。
それと同時に少年の指に嵌っていた指輪が澄んだ音を立てて砕け散った。

580 THE BATTLE ROYALE 6/20 :2006/06/26(月) 01:04:32 ID:yUjxiwE6
「くぅああああああっ」
「ぐぅおおおおおおっ」
至近に迫っていたテリーも、その背後にいたハッサンもまともに電撃を浴びて倒れる。
衝撃でテリーの面はさらに亀裂が走り、砕け散って左半面が露出する。
ビクン、ビクンと痙攣し、全身を焦がしたその二人の姿は明らかに致命傷だった。
その二人の姿を見て、トロデはうずくまりながらも嘆く。
「おおお、ハッサンよ……テリーよぉ……なんということじゃ」
「あれあれ、まだ生きてるね。しぶといなぁ」
レックスは酷薄な笑みを浮かべると二人に止めを刺そうと近付いてく。
動くことも出来ないトロデは黙ってそれを見続けるしかなかった。
(幼子と思い、手足を縛るまではしなかったワシのミスじゃ……。
 許せ、ハッサン……テリーよ……)
そしてレックスがテリーの握っていたさざなみの剣を取り上げた時、彼は、立ち上がった。
ハッサン。彼はもはや長くはない命の最期の力を振り絞って立ち上がっていた。
「へぇ、ギガデインを喰らって立ち上がるなんて凄い体力だね。驚いちゃった」
「レ……ックス。呪いの力は……半減してるはずだ……目ぇ覚ませ!
 お前は……本当は……こんなことが出来る奴じゃねぇはずだろう……」
「うん、でもこうなっちゃったからには仕方ないんだ。もう後戻り出来ないなら前に進むしかない。
 そして全てをなかったことにしてタバサと暮らすんだ。それしかないんだよ」
「違う! お前は、まだ……ミレーユだって……」
「違わないよ」
ずぶり、と鈍い音と共にさざなみの剣がハッサンの心臓を貫く。
ごぶり、と喉から血を溢れさせて、ハッサンはその場に崩れ落ちた。
「畜生……俺は、何も……できないで……畜、生……」
それが、ハッサンの最期の言葉だった。
レックスはハッサンの死体を一瞥すると今度はテリーに向き直った。
剣を振り上げる。
「お姉さんと同じ場所に送ってあげるよ。やっぱり姉弟は仲良くしなきゃね」
そして振り下ろす瞬間、レックスは振り向いて呪文を唱えた。
「フバーハ!」
レックスの前面に生まれ出る光の幕が炎の波を追い返す。
しかしそれでもいくらかの火炎は幕を突き破り、レックスの肌を炙った。

581 THE BATTLE ROYALE 7/20 :2006/06/26(月) 01:05:41 ID:yUjxiwE6
「く、くそ、一体誰?」
目の前にいたのはいつの間にかいかずちの杖を拾い上げていたマリアだった。
「おじさま、逃げてください!」
「む……う、そうしたいのじゃが身体が動かん……マリア王女。
 どうせワシは助からん……この上はおぬしだけでも逃げるのじゃ。ククールも同じ気持ちじゃろう」
「弱気になってはいけませんわ、おじさま。ならばこの場でレックス君を無力化します!」
マリアはトロデを庇うようにレックスの前に立ちはだかる。
トロデは魔物になったことで人間の身体よりも多少頑丈になっていたが、それでも腹部の傷は深く
今しばらくは動くことは出来ない。
ククールはマリアの呪文と応急処置によって止血だけは終わっているが、未だ予断を許さない重傷だ。
ハッサンは既に息絶え、テリーも最早長くはない。
そんな絶望的な状況で脂汗を垂らしながらもマリアは敢然と立っていた。
「へぇ、そうだね。そういえばお姉さんには何度も眠らされちゃったっけ……」
ニヤリと笑うとレックスは剣を翳し、光の壁を生み出す。
それを見てマリアの顔はいっそう蒼醒めた。
「これで呪文は僕には効かない。さぁ、どうやって僕を無力化するつもりなのかな?」
「そ、それは……」
「もちろん悪い子には折檻です!!」
「「!?」」
近くの丘の向こうから突如として聞こえてきた声に驚き、みな一斉にその場所を見た。
馬の嘶きが聞こえ、蹄の音が鳴り響き、そして……それは現れた。
小さな丘を軽々と飛び越える白馬。その背に乗っているのは覆面を被った変態と、旅装の少女だった。
近くまで来ると二人は馬から飛び降りて、レックスと対峙する。
「な、なんなの?」

「なんだかんだと聞かれたら!」
「答えてあげるが世の情け!」

少女が、覆面が、交互に口上をあげ始める。

582 名無しさん :2006/06/26(月) 01:05:53 ID:srkefzw2


583 THE BATTLE ROYALE 8/20 :2006/06/26(月) 01:07:26 ID:yUjxiwE6

「世界の破壊を防ぐため」
「世界の平和を守るため」
「愛と真実の正義を貫く」
「ラブリィー、チャーミィーな主人公!」

「アリス!」 「カンダタ!」

「世界を駆けるロトの勇者の行く手には!」
「光溢れる、白い明日が待ってるぜ!」

「ヒヒ〜〜〜ン」

最期に白馬がいななき、彼女達の口上は終わったらしい。
アリスと名乗った少女は周囲の惨状を確認し、眉を顰めた。
「な、なんですの?」
急に現れて場違いな名乗りを上げる少女達にマリアは狼狽する。
(しかもロトですって? あんな少女が?)
まさか大男の方ではないと思いたい。
アリスは悲しそうな顔でレックスに尋ねる。
「この惨状は君がやったんですか?」
レックスは少しビックリしていたようだったが、その質問に薄く笑みを浮かべると楽しそうに答えた。
「うん、半分くらいはそうだよ。そっちに倒れてる二人のお兄さんは僕がやっちゃった。
 向こうにいるお兄さんは別の魔物と戦ってやられたみたいだね。ま、すぐに殺すつもりだったけど」
アリスはレックスが指差した方向をチラリ、と見る。
そして今度はマリアに尋ねた。
「あなたはこのゲームに乗っているんですか? 魔物を庇うようにしていますが」
「な、おじさまは魔物ではありません! 呪いによって姿を変えられているだけです!」
マリアは慌てて抗弁する。その必死さを見て――
「なるほど」
アリスは素直に頷く。
嘘を言っているようには見えないし、何よりも何故か彼女に親近感が持てた。

584 THE BATTLE ROYALE 9/20 :2006/06/26(月) 01:09:13 ID:yUjxiwE6
「カルロスやサブリナと同様の呪いですか。カンダタ!」
「へい!」
「向こうに倒れている人と魔物をファルシオンに乗せなさい! そしてあなた……」
「マリアです」
「マリアさんはファルシオン、あの白馬を引いてアリアハンまで……」
テキパキと指示を出すアリスを慌てたように遮る声がある。
「ちょっと、何を勝手に話を進めているのさ。僕を無視しないでよ!
 ここにいる全員、僕が殺すんだ!」
斬りかかってきたレックスを手に持つブーメランで受け止める。
「何故です!? そんなことをしてもあのハーゴンが喜ぶだけでしょう!
 倒すべきはハーゴンであり、私たちが殺しあうべきではありません!!」
アリスは力任せにレックスをはじき飛ばす。
体重差で劣るレックスは軽々と飛ばされるが、空中で体勢を整え、危なげなく着地した。
「アリスさん、と仰いましたわね。あの少年は皆殺しの剣の呪いに囚われているんです!」
その言葉にアリスはレックスの右手に握られている剣の柄を見る。
確かに禍々しい邪気がそこから漏れ出ているのが解った。
「そうさ、僕は呪いに苦しめられている可哀相な子供なんだ。そんな子供と戦える? お姉さん」
からかうように笑うレックスを無視してアリスはマリアに質問する。
「呪いを解く方法は?」
「解りません。あの剣の柄を完全に破壊するか……神父さまと同じ解呪の力を持つアイテムか
 呪文くらいしか……」
「サマンサならシャナクが使えますけど、都合よくここに現れてくれるはずはないでしょうね……」
その時、ククールとトロデをファルシオンに乗せ終えたカンダタがやってきた。
「姐さん、準備できました。それとこれを……」
カンダタは拾った隼の剣をアリスに渡す。自身は破壊の鉄球を携えていた。
「ええ、ありがとう。マリアさん、あなたは彼らを連れてここを離れてください。
 後は私たちが何とかします」
その言葉にマリアはいくらか逡巡していたようだが、意を決すると深々と頭を下げた。
「申し訳ありません。宜しくお願いします」
手綱を取るとアリアハンの方に向けて駆け出す。
(あの青い服の武器を持った男がいる可能性がありますけど、おじさまとククールさんの治療するには
 町の方がよりよいのは事実。ここは仕方ありません)

585 THE BATTLE ROYALE 10/20 :2006/06/26(月) 01:11:11 ID:yUjxiwE6
マリアは倒れたハッサン、テリーの方を見て少し目を閉じると、手綱を引いて走り出した。
(ハッサンさん、テリーさん、このような企ては必ず止めて見せます。だから……安らかに……)


馬を引いてこの場を離れるマリアを見て、レックスは呪文を唱える。
「逃がさないよ! ベギラマ!!」
レックスの掌から焦熱波が迸り、マリアへと疾走る。
しかしその間にアリスが立ちはだかり、また呪文を唱えた。
「竜の吐息よ、この掌に宿れ! ベギラマ!」
全く同じ呪文が全く同じ威力でぶつかり合い、互いの威力を相殺する。
「邪魔しないでよ!」
「いいえ、邪魔させてもらいます。カンダタ、援護を!」
「了解っす!」
破壊の鉄球が唸りをあげ、レックスを強襲する。
レックスはそれを横飛びに回避するが、そこにアリスが走りこんでいた。
「二人がかりなんてズルイよ!」
「競技ならいざ知らず、仲間と共に悪を討つのはズルではありません!」
二人の勇者が振るう刃が撃ち鳴り、周囲の空気を震わす。
(この子、強い! でも、このままなら!)
(うわぁああ、このお姉さん強いよ! このままじゃ……)
レックスは状況の劣勢に、逃走を考え始める。
しかし即席の連携といえど、アリスとカンダタはレックスにその余裕を与えなかった。
結果、レックスはよく戦ったといえる。
しかし呪文を詠唱する暇も与えられず、アリスとカンダタの前についに力尽きた。
キン、と金属音が鳴ってさざなみの剣が跳ね飛ばされる。
武器を失ったレックスは力なくその場にぺたん、と尻餅をついた。

「僕を、どうするの?」
「安心してください、どうもしません。戦意が無くなればそれで充分、一緒に行きましょう」

その言葉にレックスとカンダタは驚愕する。
「本気なの! 僕をそのままにしておいたらまた誰か殺すよ!?」

586 名無しさん :2006/06/26(月) 01:11:20 ID:srkefzw2
しえん

587 THE BATTLE ROYALE 11/20 :2006/06/26(月) 01:12:58 ID:yUjxiwE6
「姐さん、どういうつもりですかい? せめて手足縛って猿轡くらいは……」
一気にまくし立てる二人にフルフルと首を横に振るとアリスは優しい声でレックスに告げる。

「君は、もう呪われていないでしょう?」

心臓を、貫かれた、気がした。

ブルブルと震えながら、レックスはその言葉を否定する。
「ち、違うよ……僕は呪われてるんだ。だから今までたくさんの人を殺して……、
 もう、戻れないんだよ」
それを聞いてアリスは諭すように語り掛ける。
「確かにその剣を手にした時はそうだったかも知れません。
 でもその剣が折れたとき、君はその呪縛から抜け出せていたのではないですか?」
「違う! だったら僕は勇者としてハーゴンと戦おうとしていた筈だよ!
 でも僕はそれからも人を……もう僕は戻れないんだよ!!」
「いいえ、そんなことはありません」
アリスには確信があった。
レックスと剣を撃ちあい、生死を賭けた戦闘の中で悟った真実。
彼の剣は、それに込められた意思は邪悪なものではなかった。
アリスが感じ取ったレックスの思念。それは、後悔と懺悔、そして恐怖。
彼の精神は呪いが弱まった時に既にそれを無効化していた。
そして彼は自分の行いを全て呪いに責任転嫁をして、罪の意識から逃れようとしていたのだ。
レックスは強い。しかし、その心は年相応な弱さを持っていた。
だから本当の自分を心の奥底に閉じ込め、呪われた自分というもう一人の自分を生み出した。
その根幹にある思いは一つ。

死にたくない。

その思いが、彼に自分自身さえも欺かせた。
もう戻れない、そう暗示をかけて彼は真実の心を覆い隠した。

彼は、もう呪われてなどいなかった。既に解放されていたのだ。

588 THE BATTLE ROYALE 12/20 :2006/06/26(月) 01:14:12 ID:yUjxiwE6

「嘘だ! 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ! そんなの嘘だ!
 僕は呪われてなきゃいけないんだ! じゃないと、じゃないと……」

レックスは涙をボロボロと流して必死に否定する。
そんな彼をアリスはゆっくりと抱きしめた。
「レックスくん。人は間違いをするものです。私だって何度間違ったか知れません。
 ここにいるカンダタもかつては大悪党だったのです。でも、今ここにいます。
 君は、もう戻れないといった。でもそんなことはありません。手遅れなんてありません」
レックスはもう応えない。ただ嗚咽を繰り返すのみだ。
カンダタは何も言わずにじっと立っていた。
「人は生きている限り償えます。君が犯してしまった罪はとても重いものかもしれない。
 一生かかっても許してもらえないかもしれない。ずっと責められ続けるかもしれない。
 でも、戻れないなんて事は無い。償う心がある限り、私たちは正しい道に戻れるのです」
アリスはレックスを胸から離すとその瞳を見つめる。
「君は、間違ってしまいました。でも、やり直せます。
 私も、このカンダタも手伝います。…… 一緒に、行きましょう?」
レックスはしゃくりあげながらも、アリスを見る。
「ヒック、……いいのかなぁ? ヒック、ヒック、僕は、本当に……戻れる、のかな?」
「ええ、きっと」
アリスは力強く頷く。
カラン、とレックスの手から皆殺しの剣の柄が零れ落ちる。

このとき、本当の意味でレックスは呪いから解き放たれた。

どれだけの時間が経ったか。
レックスはしばらくアリスの胸で泣き続けた後、両手でグシャグシャになった顔を拭う。
そしてしっかりとアリスを見た。
「ありがとうお姉さん……僕、何ができるか解らないけど、まずあの人たちに謝ります。
 そしてハーゴンと戦います。そして……そして、僕は……」
アリスは嬉しそうにその言葉にうん、うん、と頷く。
カンダタも微笑ましくその光景を眺めていた。

589 THE BATTLE ROYALE 13/20 :2006/06/26(月) 01:15:55 ID:yUjxiwE6
そして、レックスは、何かを、言おうとして――――


暗い……暗い……暗い……ここはどこだ。
俺は一体何をしている。
そうだ、俺はハッサンと戦っていて……姉さんの仇が……。

薄っすらと目を開ける。まず目に入ったのは月だった。
視界が白く染まり、眩しい。
仰向けの状態からごろん、と転がりうつぶせになる。その際に全身を激痛が走った。
ぼんやりとした視界が痛みでハッキリとする。
側にはハッサンが倒れていた。

……死んでいた。

誰に、とは思わなかった。自分が犯人でない以上、殺した相手は決まっている。
ゆっくりと辺りを見回した。
見分けられないほど遠くではなく、手の届くほど近くでもない。
そんな場所に三人の男女がいた。二人は知らない奴だった。
しかし、最後の一人。忘れられるはずも無い。
姉さんの、ハッサンの……そして自分の仇。
彼の右半面に張り付いている般若の面の残骸が殺意を伝えてくる。
自分はもう死ぬ。ならば、せめて仇を討たなければ。

奴を、殺さなければ。

彼……テリーはザックからボウガンを取り出すと矢を番えた。
ボロボロの腕が震えて、上手く狙いを定めることが出来ない。
そうしている間にも彼の命はポロポロと零れ落ちていく。
ただでさえ、ぼんやりとしていた視界が更にぼやけていく。
意識が朦朧として、今にも死の淵から足を踏み外しそうだ。
彼の力はどんどんと削ぎ落とされ、すでに狙いをつけられるような状態ではなかった。

590 THE BATTLE ROYALE 14/20 :2006/06/26(月) 01:17:19 ID:yUjxiwE6
そして……彼の命の灯が消えるその瞬間。
テリーの視界に色が戻った。腕に力が戻った。それは燃え尽きるろうそくの最期の燃焼。
そして、彼は……矢を――はなった。


その矢は一直線に疾走し、レックスの胸を背後から刺し貫いた。
何かを口にしようとしていたレックスは言葉の代わりに血を零し、倒れた。
一瞬、何事が起こったのか理解できなかったアリスは事態を悟ると慌てて回復呪文を唱え始めた。
「レックスくん、レックスくん、しっかりしなさい! 君は生きなければいけません!!」
必死に呼びかけ、傷口に治癒の光を当て続ける。

致命傷、だった。

カンダタは一つ吼えると、矢の飛んできた方向に駆け出していった。
ボウガンを構えていたテリーを見つけ、引き摺り起こし、拳を振りかぶって……そして止まった。
既に、死んでいたから。
カンダタはテリーを地に下ろすと、力なくアリスの元へと戻っていった。

「い、やだよ……お姉さん、死にたく、ない……僕は……まだ、償って……ない……」
「大丈夫、助けます! 死なせるものですか!」
アリスはそういって呪文を唱え続ける。頭では無駄だとわかっていても。
彼女はその行動を止めようとはしなかった。
「死にたくないよ……お、父さん……母……さ、タバサ……僕は……」
「大丈夫、大丈夫、絶対に大丈夫です」

何度繰り返しただろう。

どれだけの時間が経っただろう。

気付いた時には ――ー 

            ――― もう、声は……聞こえなくなっていた。

591 名無しさん :2006/06/26(月) 01:19:40 ID:srkefzw2
しえん

592 THE BATTLE ROYALE 15/20 :2006/06/26(月) 01:19:46 ID:yUjxiwE6
風が吹き、マリアは振り返った。
あのロトと名乗った少女は大丈夫だろうか。
その時、馬上から声が降ってきた。
「ぐ、なんだ、ここは? 俺は……ぐあ!」
「ククールさん、目が覚めましたか? 今はある人に助けられて馬でアリアハンに向かっているところです」
ククールは自分の身体を見て、状況を大体把握したようだ。
呪文を唱え、自分の傷を癒し始める。
「く、トロデ王も結構な重傷のようだな」
「はい、なんとか止血までは終わりましたけど早く安全な場所で治療しないと」
といってもククールもマリアも魔力に余裕がなくなってきている。
このままでは……危ないかもしれない。
「ハッサンは?」
「………」
マリアは静かに首を振り、それで全てを悟ったようにククールは天を仰いだ。
「馬鹿、野郎……」
その時、進行方向に一人の神官服の男が現れた。
「誰?」
「あやしいものではありません。私はアリスさんの仲間です!」
「彼女の?」
その実直そうな青年はマリアたちに駆け寄ると回復呪文を唱え始めた。
「私も治癒呪文はいくらかの心得があります。手伝わせてください」
「助かります! これでアリアハンまで持つでしょう、ありがとうございます」
深々と頭を下げるマリアに神官、クリフトは手を振って見せる。
「いえ、困った時はお互いさま。さぁ急ぎましょう、早く安全な場所へ行かなくては」
クリフトはマリアの代わりに手綱を引くと、歩き始めた。
(くく、この満身創痍の集団。すぐに殺そうかと思いましたが、やはり念を入れておかなくては。
 信用させて、元気なものから順に消していくべきですね)
心の中で彼は哂う。
その後姿をククールは目を細めて見つめていた。
(なんだ、胡散臭い野郎だ……だが回復呪文をかけてくれたのは事実。しばらくは様子を見るか……)
それぞれの思惑の中、彼らは進む。
そして、城門が見えてきた。

593 THE BATTLE ROYALE 16/20 :2006/06/26(月) 01:21:12 ID:yUjxiwE6

低く嗚咽する声が風に乗る。
カンダタはレックスを抱きしめたままのアリスに何も言えず、側に立ち尽くしていた。
ここを離れなければいけない。
しかし今のアリスに声を掛けることは躊躇われた。
死んでいった者たちの埋葬でもしよう。
そう考え、カンダタはゆっくりと周囲を見渡した。

それに気付いたのは偶然だった。

平原の、草を掻き分けて何かが移動している。
しかしそこには何も見えない。
草はひとりでに左右に分かれていっているのか。
しかしその方向はゆっくりと、しかし確実にアリスの方に近付いていた。
カンダタの背筋に悪寒が走る。
その時思い出した。きえさりそうという不思議な草の存在を。
何も、考えなかった。
ただ、飛び出して「それ」とアリスの間に躍り出た。

「姐さん!!」

アリスが振り向く。
その時には既にカンダタの右肩は食い千切られていた。
「ぐぎゃぁあああああああああああ」
「カンダタァ!!」

カンダタが絶叫をあげる。
アリスは呪文を唱えるとカンダタを銜えている見えない何かに向かって呪文を唱えた。

「姿を現しなさい、妖怪! メラ!」

小さな火の玉はその何か、に命中してその姿を浮かび上がらせる。

594 THE BATTLE ROYALE 17/20 :2006/06/26(月) 01:22:40 ID:yUjxiwE6
それは5つの首を持つ巨大な竜。

「あなたは……ヒミコ。いやさ、やまたのおろち!!」
「くくくくく、高みの見物を決め込んでみれば思わぬところで思わぬ獲物と出会えたものよ……。
 うれしや、うれしや」
「カンダタを離しなさい!」
アリスは隼の剣を構えるとおろちの首の一つに斬りかかった。
しかしおろちは銜えたカンダタをアリスの目の前に動かす。さながら盾にするように。
アリスが攻撃を躊躇ったその瞬間に別の首がアリスに体当たりをかまし、撥ね飛ばされた。
「あぁああ!」
「ぐ、あ、姐さん!!」
カンダタは見た。
アリスが血を流して宙を舞っているのを。
それは、カンダタが人質に取られたせいで起こった事態。

彼女の力になるのが望みだった。
理不尽な命令をされても嬉しかった。
姐さんの力になれていることが嬉しかった。

それが、今は、枷に、なっている。

「ふ、ざ、け、ん、なぁああああ!!!」

カンダタは全身に力を漲らせ、右肩に食い込んでいる顎を外そうとする。
しかし右腕に力が入らず、ビクとも動かない。
ならば、とカンダタは逆に左腕で竜の首を絞め始めた。
ビキ、っと骨にヒビが入る音がする。

「な、何をしておるか! 虫けら風情が、調子に……」
「調子に乗ってんなぁ……テメェだぁっ!!」

バキィっと言う音が響き、カンダタの肉と、骨と、竜の顎は砕け散った。

595 THE BATTLE ROYALE 18/20 :2006/06/26(月) 01:24:48 ID:yUjxiwE6
激痛におろちの残りの頭が咆哮をあげる。
そして支えを失ったカンダタは地面に落下した。
「へ、へへ……ざまぁみやがれ……」
そう呟いた後、カンダタの喉から血が溢れた。
ゴボゴボ、と嫌な音を立てて覆面が赤く染まっていく。
薄れいく意識の中、カンダタはアリスの幻影を見た。
カンダタを見て泣き叫んでいる。そんなのは有り得るはずないのに……。

――へへ、姐さん。何泣いてるんですかい……
――どうです? みてくれましか今の
――あんなでかい竜の頭をぶっ潰したんですぜ……
――格好よかったでしょ? あっしぁ、姐さんのためなら……


「馬鹿、格好よすぎなんですよ……子分が……私より目立つんじゃありません……」
アリスはカンダタに向かって苦言を吐く。泣きながら、もう答えないカンダタに。

ゆらり、と月明かりが遮られ、アリスに影が落ちた。
アリスはゆっくりと立ち上がりその影を生み出した存在へと振り向く。

「ゆ、油断したわ……だが……この好機、退きはせぬ、退きはせぬぞぉ!
 アリスよ、我が憎き仇よ。ゲームなどはどうでもよい。我が命もどうでもよい。
 ただ、おぬしを喰らう為にわらわはここに在るのじゃ!! わらわの糧となれぃ!!」

一つ欠けた四匹の竜が一斉にアリスへと向かって襲い掛かる。

「やまたのおろち。私からカンダタを奪ったこと、許せません!!
 再び冥府へと送り返してあげます!!」
アリスは襲い来る竜に臆することなく、悪意の真っ只中へと飛び込んでいった。


長かった戦いは最終局面を迎えようとしていた。

596 名無しさん :2006/06/26(月) 01:25:36 ID:srkefzw2
しえん

597 THE BATTLE ROYALE 19/20 :2006/06/26(月) 01:26:00 ID:yUjxiwE6
【D-4/アリアハン北の平原→アリアハンへ/夜】

【トロデ@DQ8】
[状態]:HP1/5 意識朦朧 腹部に深い裂傷(止血) 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷 馬上
[装備]:白馬ファルシオン
[道具]:支給品一式(不明の品が1?) 大錬金釜 ミレーユの通常支給品
[思考]:??? レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン

【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:HP3/5 MP1/3 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷 徒歩
[装備]:いかずちの杖
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル 毒薬瓶
[思考]:トロデの治療 アリアハンに向かう 打倒ハーゴン 竜王(アレン)を倒す

【ククール@DQ8】
[状態]:HP1/6 MP1/2 右腕に火傷(半分回復)  疲労 左腕切断 馬上
[装備]:ビッグボウガン(矢 0)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:自分の治療 クリフトを怪しんでいる マルチェロを止める 竜王(アレン)と話す

【クリフト@DQ4】
[状態]:左足に火傷(ある程度治癒) 背中に火傷(ある程度治癒) MP1/2程度  手綱を引いている
[装備]:なし
[道具]:祝福サギの杖[7]
[思考]:マリアたちと同行し、油断させて殺す アリスとカンダタを利用し、自分の護衛をさせる
     自分が優勝し、アリーナを復活させてもらって元の世界へ帰る

598 THE BATTLE ROYALE 20/20 :2006/06/26(月) 01:27:19 ID:yUjxiwE6
【D-4/アリアハン北の平原/夜】

【ヒミコ@DQ3】
[状態]:HP3/5 頭が一つ潰れている
[装備]:なし
[道具]:ホットストーン
[思考]:アリスを喰らう 幾人か喰らい傷を癒す サマンサ、フィオを喰らう

【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP3/5 MP2/3
[装備]:炎のブーメラン  隼の剣
[道具]:支給品一式
[思考]:ヒミコを倒す

【バーサーカー@DQ2 死亡】
【レックス@DQ5王子 死亡】
【ハッサン@DQ6 死亡】
【テリー@DQ6 死亡】
【カンダタ@DQ3 死亡】
【残り20名】

※棘の鞭、ミラーシールド、破壊の鉄球、さざなみの剣、ボウガン、鉄の矢、聖なるナイフ
 その他、支給品はその場に放置されています。

599 . :2006/06/26(月) 01:29:16 ID:4vSVsys6
おつ。
ヒミコとアリスのタイマン・・・。
ヤバい想像しかできねぇwアリス〜;;

600 ◆hFGszBJYFE :2006/06/26(月) 01:31:34 ID:yUjxiwE6
以上です。
後編は書き上げたばかりなので構成と推敲が甘いです。
長々と書いてしまいましたが、一応ここまで書いたのは理由があります。
十一人が入り乱れる話となったわけですが、次の人にバトンを渡すまでに
なんとか一度にかける人数を減らそうとした上でこうなってしまいました。
さすがに十一人が戦闘に突入して、はい次の人、では責任感がなさすぎるだろうと思ったからです。

一応、これでヒミコとアリス、そしてクリフト、マリア、トロデ、ククールの2人と4人に別れたわけで、
次の書き手さんに掛かる負担は軽減されたのではと思っています。

それでは本投下までに一日ほど待ちますので意見を宜しくお願いします。

601 名無しさん :2006/06/26(月) 01:32:45 ID:akqpHjls
放送は聞いてるはずだから、フィオを喰らうの方針は消したほうがいいやも。
まあ、死体を喰うということかもしれないがw

602 名無しさん :2006/06/26(月) 01:37:03 ID:ESMJpW1w

佳境だな…
道具欄はもう一度確認したほうがよい。
聖なる守りとか抜けてるから

603 名無しさん :2006/06/26(月) 01:48:13 ID:srkefzw2

ヒミコがカンダタの右肩を食い千切ったのに
右肩を銜えたままなのが気になった
どうでもいい上に俺が間違ってるかもしれないが

604 名無しさん :2006/06/26(月) 12:59:37 ID:1WCrAP0k
投下乙です。すげー力作だ!
それにしてもまさにバトルロワイヤル、随分死んだなぁ…。
個人的にはレックスが死ぬのが惜しいなぁ。フローラとの悪夢のマーダー対決を
読みたかった!
あとカンダタも惜しい!

605 名無しさん :2006/06/26(月) 13:17:12 ID:ja986vSc
乙。
娘ってフォズのことだよな?
だったら、クリフトはフォズが瀕死になってたこと知らないんじゃなかったか?
違ったらごめん。

606 名無しさん :2006/06/26(月) 19:29:01 ID:.kwVPLxE
5人殺し(うちマーダーが3人)かつベッドと聖者の灰を破棄か、随分冒険したねー。

ちょと気になったの何点か。
・ギガデイン強すぎない?
仮にも肉体派であるハッサンと設定上は名剣士な上に般若の面で防御性能上がりまくってるテリーを
一撃で共に致命傷を負わせるって、ちょと威力高すぎるような気がしたよ。
ハッサンはその後トドメ刺されたから仕方ないけど、テリーは完全に死因これだけでしょ?

・グランドクロスで持ち主が消滅したのに武器だけ残ってる
バーサーカーのものだったのをカンダタが拾うシーンなんだけど、
グランドクロスで「バーサーカーが分解し消滅した」んなら、普通は持ってた武器も消えそうな気がするな。


後は落ちてる支給品は「その他」扱いじゃなくて全部きっちり書いて欲しいことと
各キャラの行動方針についての推敲があれば良いと思います。力作乙です。

607 名無しさん :2006/06/26(月) 19:34:29 ID:.kwVPLxE
って両方武器捨ててたか。
後者は忘れてください、ごめん

608 ◆hFGszBJYFE :2006/06/26(月) 19:40:45 ID:yUjxiwE6
般若は防御力は上がっても魔法抵抗力は上がらなかったと思います。

609 名無しさん :2006/06/26(月) 19:45:01 ID:5V8b9Bwk
ギガデインはまともに喰らえば必死の威力だろ

610 名無しさん :2006/06/26(月) 20:47:48 ID:akqpHjls
ギガデインどころか、メラミでもまともにくらえば死ぬだろうな。

611 名無しさん :2006/06/26(月) 20:48:48 ID:akqpHjls
ああ、またageた…。

612 ◆hFGszBJYFE :2006/06/26(月) 21:22:42 ID:yUjxiwE6
一つ欠けた四匹の竜が一斉にアリスへと向かって襲い掛かる。

「やまたのおろち。私からカンダタを奪ったこと、許せません!!
 再び冥府へと送り返してあげます!!」
アリスは襲い来る竜に臆することなく、悪意の真っ只中へと飛び込んでいった。


長かった戦いは最終局面を迎えようとしていた。

【D-4/アリアハン北の平原→アリアハンへ/夜】

【トロデ@DQ8】
[状態]:HP1/5 意識朦朧 腹部に深い裂傷(止血) 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷 馬上
[装備]:白馬ファルシオン
[道具]:支給品一式(不明の品が1?) 大錬金釜 ミレーユの通常支給品
[思考]:??? レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン
【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:HP3/5 MP1/3 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷 徒歩
[装備]:いかずちの杖
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル 毒薬瓶
[思考]:トロデの治療 アリアハンに向かう 打倒ハーゴン 竜王(アレン)を倒す
【ククール@DQ8】
[状態]:HP1/6 MP1/2 右腕に火傷(半分回復) 疲労 左腕切断(止血) 左耳喪失 馬上
[装備]:ビッグボウガン(矢 0)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:自分の治療 クリフトを怪しんでいる マルチェロを止める 竜王(アレン)と話す
【クリフト@DQ4】
[状態]:左足に火傷(ある程度治癒) 背中に火傷(ある程度治癒) MP1/2程度  手綱を引いている
[装備]:なし
[道具]:祝福サギの杖[7]
[思考]:マリアたちと同行し、油断させて殺す アリスとカンダタを利用し、自分の護衛をさせる
     自分が優勝し、アリーナを復活させてもらって元の世界へ帰る

613 ◆hFGszBJYFE :2006/06/26(月) 21:23:27 ID:yUjxiwE6
【D-4/アリアハン北の平原/夜】

【ヒミコ@DQ3】
[状態]:HP3/5 頭が一つ潰れている
[装備]:なし
[道具]:ホットストーン
[思考]:アリスを喰らう 幾人か喰らい傷を癒す サマンサを喰らう

【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP3/5 MP2/3
[装備]:炎のブーメラン  隼の剣
[道具]:支給品一式
[思考]:ヒミコを倒す

【バーサーカー@DQ2 死亡】
【レックス@DQ5王子 死亡】
【ハッサン@DQ6 死亡】
【テリー@DQ6 死亡】
【カンダタ@DQ3 死亡】
【残り20名】

※棘の鞭、ミラーシールドはバーサーカーの居た場所に放置されています。
※レックスの道具(折れた皆殺しの剣 王者のマント)ハッサンの道具(聖なるナイフ まだらくも糸 魔物のエサ)
 テリーの道具(ボウガン 鉄の矢(29) イーグルダガー)カンダタの道具(破壊の鉄球 ロトのしるし(聖なる守り))
 以上はそれぞれの場所に放置されています。

614 ◆hFGszBJYFE :2006/06/26(月) 21:24:07 ID:yUjxiwE6
すいません。
何故か本スレに書き込めなくなってしまったので
最後の2レスをどなたか代理投下お願いします。

615 名無しさん :2006/06/26(月) 21:26:06 ID:1WCrAP0k
ノシ
よっしゃ!代行やってみるぉ!

616 名無しさん :2006/06/26(月) 21:26:22 ID:yUjxiwE6
一応、age
誰か気付いてください……

617 名無しさん :2006/06/26(月) 21:27:08 ID:yUjxiwE6
>>615
お願いします

618 . :2006/06/28(水) 00:21:04 ID:9vDvO7HU
おつ〜。

619 ◇axTZF499Ow :2006/06/29(木) 00:03:17 ID:NVvSrLKg
フローラの「夜中まで」「B−4」の話を2レス程書きたいんだが、
企んでるwのに都合が悪い書き手さんがいたら、言ってくれ。
明日30日0時に予約をいれる。それまでに本スレで予約を入れるか、ココに書きこみよろ。

620 ◇axTZF499Ow :2006/06/29(木) 00:05:40 ID:NVvSrLKg
例によって烏がでてくる。
鳥好きなんだ・・・。

621 名無しさん :2006/06/29(木) 00:11:43 ID:jiFjgx6.
>>619
フローラ単体?

622 ◇axTZF499Ow :2006/06/29(木) 00:14:14 ID:NVvSrLKg
>>621
単体です。

623 名無しさん :2006/06/29(木) 00:16:26 ID:jiFjgx6.
>>622
実は今、レーベにフローラが突入する話を書き始めてるんだけど
単体なら無問題。

昨日今日と雷鳴りまくりでSS書きに集中できないw

624 ◇axTZF499Ow :2006/06/29(木) 00:21:20 ID:NVvSrLKg
>>623
他の書き手さん&今後のエイト&サマンサ達の展開によっては没スレ行きの話のような気が。
頑張って下さい〜。

625 ◆w9.p2zZjpA :2006/06/29(木) 00:28:29 ID:jiFjgx6.
ちなみに出演者はゴン、ローラ、サマンサ、エイト、フローラ様

マジでわが家の周辺ではアリスやレックスが大暴れしているのではないかと
不安になるくらい雷うぜぇw
はいはいチラシの裏チラシの裏w

626 名無しさん :2006/06/29(木) 00:39:57 ID:C5EY3Irg
つうか、見る前から言うのも難だけど、フローラがレーベ着くの早すぎになりそうな予感。
エイト達が東へ行くのか?
それともバシルーラみたいに一気に移動するのか…。

627 ◆w9.p2zZjpA :2006/06/29(木) 00:50:04 ID:jiFjgx6.
>>626
そっか、まだフローラ【B-5地点】だったのか。そりゃ遠いわ。
じゃあフローラ抜きで練り直そう。駄目でも没スレがある!

628 名無しさん :2006/06/29(木) 08:08:32 ID:zL1u1iBw
今B−2のレーベ組の時間が現在夜中(8〜10時)
放送直後(6〜8時)にB−4にいたゴンたちが同時刻にB−2移動済。
そうなると放送後少し(7時くらい?)の段階でB−5にいたフローラなら、
既にB−3くらいになら、いてもおかしくはないと思うけど。
女の足だから遅くなるだろっていっても、ゴンたちにも女の足は含まれてたわけだし。

さすがに立て続けにエイトの元にゴン組→フローラと来るのは早いけど、
彼らに多少何かがあったなら、十分乱入の余地はあるんじゃないかなあ。

629 ◆w9.p2zZjpA :2006/06/29(木) 19:48:36 ID:QwZsOY9k
>>625の話なんだけど、上手くまとまらなくて、混乱してきたからお蔵入りにします。
どうしてもシリアス度が薄れてしまうorz

630 名無しさん :2006/06/29(木) 23:50:54 ID:N2Qrwr8c
なにか違和感あると思ったら移動スピードかw

>>628
>そうなると放送後少し(7時くらい?)の段階でB−5にいたフローラなら、
>既にB−3くらいになら、いてもおかしくはないと思うけど。

じゃ、「B−3」ということで。

>>629
勿体無い〜。

631 ◇axTZF499Ow :2006/06/29(木) 23:52:23 ID:N2Qrwr8c
>>630
名前入れるの忘れてました。

632 名無しさん :2006/06/30(金) 00:14:54 ID:ncvplmTs
アレフ、リア、アレン竜王、ゴン、ローラ、トルネコ、キーファ、エイト、サマンサで乱戦を描きたいけど、
トルネコ組とアトラスを出会わせられね〜〜w
たしか雑スレだったと思うけど、アトラスは森へ入らんだろうし、トルネコらは隠れてるだろうしで(´・ω・`)

アトラスがあそこで誰かに会わないとアリアハンまで走らないといけないしなぁ…。
アトラスは全力疾走してるから、どこかで足止めくらわないとアレフと会うはずないし。


レーベ近辺は人がいても中々出会えないな。

633 名無しさん :2006/06/30(金) 00:22:20 ID:AiWw77Kc
>>16-18を読んで思ったこと。
もし、万が一サマンサ(シャナク要員)が死んだら首輪の解除は
アルスのマジャスティスに頼る事になるんだろうか?

生贄が揃って破壊神に魂を捧げる儀式の時の、勇者の最期の抵抗とかで。

634 名無しさん :2006/06/30(金) 00:22:35 ID:zx8wBQ7E
俺はアレン達ををアトラスに出会わせる構想を練ってるとこだけど……
そこにアレフ、キーファが乱入してそこで一段落ついちゃうから援護にはならないな

635 名無しさん :2006/06/30(金) 00:23:13 ID:zx8wBQ7E
>>633
ここでやる話題じゃないと思うけど全くならないと思うよ

636 名無しさん :2006/06/30(金) 00:28:10 ID:DSg1il8U
>>633
万が一の保険として、過去話が出て来るのか?
それは、余程ネタに詰まってない限りは無理そうだな。
ぶっちゃけ、流れに矛盾がなければ、誰かが優勝して邪神が復活でも良いとは思ってる。
バットエンドだけども。

637 名無しさん :2006/06/30(金) 00:28:47 ID:DSg1il8U
>>635
ごめん。

638 名無しさん :2006/06/30(金) 00:29:49 ID:AiWw77Kc
>>634-637
余計な心配だったね。ごめん。

639 名無しさん :2006/06/30(金) 00:40:58 ID:ncvplmTs
>>634
回復魔法を使える者を探しに…、とか?
トルネコらのダメージは休むだけでどうにかなる程度じゃないしなぁ…。

俺はそんなの考えたんだけど、しかし、出会った相手がマーダーという可能性もあるし、
ダメージを負って満足に戦闘力のある状態じゃないのに動き回るってあまりに迂闊すぎる気がして没。

アレフと竜王で共闘させたいのにな〜。

640 名無しさん :2006/06/30(金) 08:33:22 ID:136y9WhY
>>632>>639
まあ夜だからね。
昼間ならちょっとの距離でも見えるんだろうけど、そうもいかないし。
むしろほいほいキャラが出会いまくる方が不自然といえば不自然よね。

641 名無しさん :2006/06/30(金) 12:49:04 ID:ro0pCUqY
竜王、ベホイミ使えなかったっけ?
モンスターズでの特技も使えたら夢が広がりんぐ

642 ◇axTZF499Ow :2006/07/01(土) 01:00:32 ID:bTeEb2YU
闇夜の住人

疲れて休もうかと森の中へと入り、休めそうな岩があったので足を下ろす。
 ふぅ、あちこち見るのも疲れるなぁ。
 草を踏み分ける音がする。そちらを向けた視線の先に、草を揺らしながら人がやってくる。
前後左右を気にしながら、こちらに、歩いていく少女が1人。
妙な帽子を頭に乗せている。
左手にはこれまた奇形の木の杖。
右手には鉄の・・・杖だろうか、それにしてはデコボコで変だ。
おまけに、歩き方がおかしい。
怪我でもしているんだろうか?
はっきりいって、あ・や・し・い。
とはいうものの、さっき会った者達よりは、弱そう。
 なんか、じっと見られテルヨウナ・・・。
警戒したほうがいいのだろうか?
わたし、ただの鴉だからなぁ。
どう見ても、普通の少女で怪我をしているかもしれない人だ。
 大丈夫だろう・・・多分。

デコボコした体の赤毛の少女がこちらを見ながら、杖を振る。
体を光の粒子が包みこむ。
 ボタ、ゴト、ボト。物が落ちる。
鏡が突然現れた!
じゃなくって、
おいおい、変身しやがったよこいつ!
「ガ、ガガー!」
鴉は混乱した!
まて、まてまて、ザックやら鉄の変な杖やらが、地面におちてますよ〜。
ああ、手がないから使えないんだな。
何故か、サイズが変わって頭に帽子だけは乗ってるけど。
そうだ、落し物ですよ〜。拾ったらお礼を・・・。
・・・いかん、冷静にならないと。

「カァ、カァ、カカァ」
こいつ何やら言っているらしいが、意味を為してない。
鴉には、明らかに人間の発音無理だって。
「アホー」
と、叫ぶのが精々だ。
 私の動揺を無視して、そいつはクチバシで咥え、杖を振った。
再び光の粒子が現れ、鴉を包む。
今度は青みがかった髪の女性が現れた。
「つ、使えませんわ」
不機嫌そうに言い捨て、落ちた荷物を拾っている。
その体には右半身に火傷。
誰かに傷つけられたのだろうか。酷いな。痛いだろうな・・・。
 
杖を振う。
光の粒子が舞う。
再び現れた赤毛の少女。
「せっかく、参加者を探すのに都合が良いと思いましたのに・・・フフフ」
突然の笑い声。
邪悪さに背中がザワリとした。
危険、危険。危険。
本能が叫ぶ。
だが、下手に動くと更にまずいかもしれない・・・!
くるりとこちらを向く。
怖い。その笑顔がぁ。ヒィイィィ。
「それにしも、大人しい鴉ですわね。空腹なのかしら?心配しなくても、私が沢山、食事を作っておいてあげますからね。」
作る?
「新鮮なうちに食べに来てくださいね。後、25人だったかしら?」
にん、人・・・。
あんな、食中り起こしそうな呪いかかってる奴らなんか食えるかーーー!!!
と、叫べたら良いのですが、ここは触らぬ神に祟りなし。
私、鴉ですから!うう・・・・情けない。
「鴉さん、ま・た・ね。」
にっこりと笑って、去っていく。

私は、彼女が闇夜に吸い込まれて姿が見えなくなるまで、ただ立ちすくんでいた。

【B-3/レーベ東の森/夜中】
【フローラ@DQ5】
[状態]:健康 ゼシカに変化 顔から右半身にかけて火傷の跡 徐々に火傷から痛み(最後に治療を受けたのは12時頃)
[装備]:山彦の帽子  毒針 ベレッタM92(残弾15)
[道具]:変化の杖(観察済のアレフ・ルーシア・ゼシカ・鴉の変身可能) マガジン(装弾数15)×1 神鳥の杖 エッチな下着 未確認(一つ)
[思考]:逃げたアレフを追い、殺す ゲームに乗る(ただしレックスのみ痛めつけて殺す)
     永遠の若さとリュカの蘇生を願う

※フローラの火傷には定期的な回復治療が必要です。
治療しないと半日後くらいからじわじわと痛みだし悪化します。
完治にはメガザル、超万能薬、世界樹の雫級の方法が必要です。

643 名無しさん :2006/07/01(土) 01:09:18 ID:bTeEb2YU
あげ

644 名無しさん :2006/07/01(土) 01:12:23 ID:N0IygakQ
ちょwwwwwwwwwww食事って参加者かよ!!
フローラテラコワス((;゚Д゚)ガクガクブルブル

645 名無しさん :2006/07/01(土) 01:16:31 ID:N0IygakQ
今思ったけど、カラスに変身するのはちょっと強引だと思われ。
各世界のモシャスの定義にもよるけど。

646 名無しさん :2006/07/01(土) 01:40:04 ID:gWfMrlug
爆弾岩に変身できてからすに変身できないわけがない。

647 名無しさん :2006/07/01(土) 02:50:01 ID:f0S1cLXc
すぐ目の前にいる相手だし、結局使い物にならないから別にいいかなぁと思う。


ところで半日ってどれ位の時間?
24時間の半分の12時間なのか、それとも日のある時間の半分で約6時間程か。
日常で半日って言ったら、朝から昼過ぎまでとか、昼から晩までとか後者を指すよね?

話の都合で6〜12時間以内ならいつでもいいかな?



ところで、夜って普通に眠気や疲労が出ていいんだよね?

648 名無しさん :2006/07/01(土) 07:43:01 ID:t9T7.w2w
> 変化の杖(観察済のアレフ・ルーシア・ゼシカ・鴉の変身可能)
フィオ、ローラ、ゴンを付け忘れてる

649 NIGHT AND KNIGHT 1/9 :2006/07/01(土) 16:00:18 ID:/QATV.ME
町の中は暗く、静かだった。夜空の星達は、この世界と『ゲーム』をただ見守っていた。

「この建物の中なら、安全そうです」
若き神官は、宿屋を指し、そう言った。
「そのようですね。早くおじさまの治療を……」
少女は、ぐったりとした魔物のような男を抱え、宿に入っていった。
「立てますか?」
「……ああ、何とかな」
左腕と左耳を失った男は、力なくそう答え、神官と共に宿に入る。

「おじさま……どうか死なないで…」
マリアは僅かに残された魔力で懸命にトロデに治癒呪文を唱える。クリフトもそれを手伝う。
クリフトに不審を抱きながら、ククールも自らに治癒呪文を唱える。

650 NIGHT AND KNIGHT 2/9 :2006/07/01(土) 16:00:54 ID:/QATV.ME
「う〜ん…はっ!わ、わしは…」
皆の魔力が尽きかけた頃だった。ただ一人を除いて。
「トロデおじさま!」
「トロデ王!」
「トロデさん……!」
先程までの重い空気を吹き飛ばすかのような歓喜の声が部屋に響き渡る。
しかしクリフトのそれは別のもののようだった。
(仲間の命が助かった事で彼等は安心しきっている。隙だらけ…ですね今が…好機か…)
クリフトは死の呪文の詠唱を始めようとした、が、止めた。止めざるをえなかった。
彼に向けられていた蒼く冷たい視線―
(まだ……信じてもらえないようですね)
「お前…まだ少し魔力に余裕があるようだが?」
冷たい視線の先から、声がした。
「……いざという時のために、多少は残しておいた方が良いと思いまして。いつ誰が襲ってくるか解りませんし…」
ふうん、とククールは納得がいかないといったような声を出した。
その隣に、先程意識を取り戻したばかりのトロデを心配そうに見つめるマリアの姿があった。
トロデは不完全とはいえ体力が戻った自分の体と、目の前の疲れた顔の王女を見て、彼女がどれだけ自分に尽くしてくれたかを悟った。
「マリア王女…」
「おじさま、喋らないで下さい!体力は回復しましたが、まだ完全ではありません。無理はなさらないで下さい。」
彼女にはもう魔力は残されていない。これ以上の回復はできないと思うと、悔しさで胸がいっぱいになった。

651 NIGHT AND KNIGHT 3/9 :2006/07/01(土) 16:01:40 ID:/QATV.ME
そんな彼女を見つめるククールに気づくのにそう時間はかからなかった。
「ククールさん……私の方をじっと見て…何ですか?」
「その杖…ちょっと貸してくれないか?」
ククールがじっと見ていたのは彼女ではなく彼女の手に握られたいかずちの杖だった。
「いいですけど、何に使うんです?」
「いいから見てろって」
彼は彼女の手から杖をひょいと取り上げる。そしてトロデ王を向く。
「ククールさん、一体何を!?」
「今、楽にしてやるぜ、トロデ王」
ククールは杖を握った右手を振りかざす。杖先に封じられた魔力が集まってゆく―
「もしや、貴方もこのゲームに…」
誰にも聞こえないような小さな声でクリフトはそう呟いた。

652 NIGHT AND KNIGHT 4/9 :2006/07/01(土) 16:02:32 ID:/QATV.ME
その杖から放たれたのは閃光ではなく優しい癒しの光。
「今のは一体…」
マリアは驚いた顔でククールを見る。本来あの杖には癒しの力などはない。他者を傷つけることしかできないはずの物がなぜ―
彼女の持つ疑問に彼はすぐ答えてくれた。
「杖の持つ魔力を引き出し、癒しの力に変える。『祝福の杖』って呼ばれてる技だそうだ。
……ま、中級治癒呪文程度の力しかないけどな」
トロデに杖を向けながら彼は言った。
「流石はわしの家臣じゃわい」
大分楽になったのか、いつもの調子でトロデが笑いながら言う。
「トロデ王の家臣になった覚えはないんだがな。ま、ここにいる間だけなら家臣になってやってもいいぜ?」
ククールも笑いながらそれに答える。
それにつられてマリアも笑う。

笑わない男が一人。彼等を殺そうとしている神官、クリフトだった。
体力も魔力もあまり残っていない集団を殺すのは簡単だと思っていた。
自身の魔力を使わずに癒しの力を使う事のできる『祝福の杖』の存在は想定外だった。
彼を驚かせたのはそれだけではなかった。

653 NIGHT AND KNIGHT 5/9 :2006/07/01(土) 16:03:42 ID:/QATV.ME
「トロデ王の家臣より、マリア王女を護る騎士になりたいけどな」
「それならわしがマリア王女を命をかけてでも護るよう命じてやるわい」
「ふふふ…お二人とも、仲がよろしいのですね」

何故、彼等は笑っていられるのだろうか―
さっきまでは話すことすらままならない状態だったはず
それなのに彼等は楽しそうに笑っている―

驚きは憎しみへと変わっていった。笑っているのはアリーナ姫でなければいけないのだ。
彼女の笑顔をもう一度見るためには目の前の笑顔を消さなければならないのだ。
彼は躊躇わなかった。彼女のためなら―
「神の御手よ、永久の眠りへと誘いたまえ」
マリアがクリフトの方を向く。
「貴方、その呪文は―」
遅れてトロデとククールもそれに気づく。
もう 遅い―
クリフトは勝利を確信した。今更魔封じの呪文を唱えても間に合いはしないだろう。
「死の腕に抱かれ眠れ―」

654 NIGHT AND KNIGHT 6/9 :2006/07/01(土) 16:04:39 ID:/QATV.ME
呪文を唱えようとしたその時、突然身体に激痛が走り、動けなくなってしまった。
(どうやら…麻痺してしまったようですね…しかし一体誰がどうやって…)
トロデとマリアも何が起こったのかわからずにいる。死の呪文の詠唱はほぼ終わっていたはず。それなのに何も起こらなかった。
ただ一人その答を知る人物が口を開く。
「警戒しておいて正解だったぜ。魔力を残しておいたのは、その呪文を唱えるためだったと言う訳か」
そう言った後、彼は呪文の詠唱を始めた。
「彼の者に宿りし魔力の源よ、我に集え――マホトラ!」
クリフトの魔力は全て奪われてしまった。彼にはもう人を殺す手段は残されていないのだろうか―

「ククールさん、一体どのようにして彼を止めたのですか?」
マリアはククールに訊いた。
「オレの魅力、かな」
「真面目に答えて下さい」
そんなやりとりを交わす二人の間にトロデが入る。
「何が魅力じゃ、何が!正直に『目から怪光線を放って奴を麻痺させました』と言えい!」
「人を化け物みたいに言うな!あれはオレの『魅惑の眼差し』だって何度言わせるつもりだ!?」
このやりとりは暫く続いた。
二人の会話の内容から、ククールが『魅惑の眼差し』と呼ばれる、相手を痺れさせる技を使ったのだとマリアは納得した。

クリフトの身体はまだ痺れていた。痺れが消えても、何もできないのだが―
そんな彼を見て、ククールはぽつりと呟いた。
「聖職者には…ロクなのがいないんだな」
その言葉は目の前の神官に向けられたものなのか、自身に対してのものか、それとも――

655 NIGHT AND KNIGHT 7/9 :2006/07/01(土) 16:05:33 ID:/QATV.ME
それは放送があって間もない頃のアリアハン城内。
誰もいない静かな城内、ここでは放送を聞き逃す方が難しいだろう。
「残り25名か……フン、殺す手間が大分省けたな」
彼は死者の名前には興味がないようだった。地図に禁止エリアを書き込み終えると、城内の探索を始めた。
先程までは人の気配があった。しかし今はその気配は全く感じない。
逃げられた、か。
「……まあいい。暫くすれば誰か来るだろう。人の集まりそうな場所はここと北西にある村位しかないからな」
それまで無駄な体力を使わない方が良い、と判断したのか城内の探索を止めた。

どれだけの時間が流れたのだろうか。突然、馬のいななく声が聞こえてきた。そう遠くはないようだった。
「ようやく、誰か来たようだな」
彼は立ち上がり、音を立てないように城を出る。
真っ暗な闇に包まれた城下町。声の主を見つけるのにそう時間はかからなかった。
暗い闇の中、星に照らされ輝いているかのような白馬が宿の前に立っていた。
白馬は怪しい人影に気づき、危機を主人に知らせるかのような声でいななく。
「くっ……気づかれたか…!」

656 NIGHT AND KNIGHT 8/9 :2006/07/01(土) 16:06:36 ID:/QATV.ME
「誰か、来たのでしょうか」
宿の一室に、声が響く。
「……嫌な予感がするぜ。…トロデ王はここでこいつを見張っててくれ」
トロデ王は不安げな表情で頷いた。
「ククールさん、その状態で戦えるのですか?」
マリアはククールの失われた左腕を見てそう言った。
「レディ一人に戦わせるわけにはいかないしな。ま、なんとかなんだろ」
ククールはマリアにいかづちの杖を返しながら答えた。
外で何が待っているのか、彼等は知らない。知っているのは、夜空に輝く星達――
その星達にも、彼等の運命はわからない――

【E-4/アリアハン城下町宿屋/夜中】

【トロデ@DQ8】
[状態]:HP3/5 腹部に深い裂傷(止血) 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷(ほぼ回復)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(不明の品が1?) 大錬金釜 ミレーユの通常支給品
[思考]:??? レックスの呪いを解く方法を探す 打倒ハーゴン クリフトを見張る
【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:HP4/5 MP0 服はボロボロ 全身に軽度の切り傷(ほぼ回復)
[装備]:いかずちの杖
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル 毒薬瓶
[思考]:不審者の正体を確かめる 打倒ハーゴン 竜王(アレン)を倒す

657 NIGHT AND KNIGHT 9/9 :2006/07/01(土) 16:07:37 ID:/QATV.ME
【ククール@DQ8】
[状態]:HP1/3 MP1/3 右腕に火傷(半分回復) 疲労 左腕切断(止血) 左耳喪失
[装備]:ビッグボウガン(矢 0)
[道具]:天馬の手綱 インテリめがね アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:不審者の正体を確かめる クリフトを怪しんでいる マルチェロを止める 竜王(アレン)と話す
【クリフト@DQ4】
[状態]:左足に火傷(ある程度治癒) 背中に火傷(ある程度治癒) 麻痺している MP0
[装備]:なし
[道具]:祝福サギの杖[7]
[思考]:マリアたちと同行し、油断させて殺す アリスとカンダタを利用し、自分の護衛をさせる
     自分が優勝し、アリーナを復活させてもらって元の世界へ帰る

【E-4/アリアハン城下町宿屋前/夜中】

【マルチェロ@DQ8】
[状態]:健康
[装備]:折れた皆殺しの剣(呪い克服)
[道具]:84mm無反動砲カール・グスタフ
[思考]:ゲームに乗る(ただし積極的に殺しに行かない)

658 名無しさん :2006/07/01(土) 16:12:29 ID:/QATV.ME
おかしい所があったら容赦なく突っ込んでください。
本当は兄弟対決まで書きたかったけど収拾がつかなくなったので止めた。

659 名無しさん :2006/07/01(土) 18:27:49 ID:Hm/4qLcE
>658
乙!!

>>647
>ところで、夜って普通に眠気や疲労が出ていいんだよね?
朝から動いて睡眠とってないキャラなら、良いとおもう。
ただ、フローラは「彼女の悪夢で睡眠とっている。

火傷は、多分悪化するようなキッカケがあれば、早まっても問題ないと思うが。

660 名無しさん :2006/07/01(土) 18:30:41 ID:v0/PVc6k
彼女ペホイミ使えるから痛んできたら自分で回復治療するだろうけど

661 名無しさん :2006/07/01(土) 18:41:52 ID:Hm/4qLcE
mpが減ったと言う描写が今までないから。

662 名無しさん :2006/07/01(土) 19:20:01 ID:Nstm/j06
いや、それまではやはり痛まなかったからほっといただけだろう
時間が経って痛んできたら自分で回復すると思うよ

663 名無しさん :2006/07/01(土) 20:17:01 ID:7rQco8.A
魅惑のまなざしktkr
冷たい笑みもか?

664 名無しさん :2006/07/01(土) 23:06:43 ID:J5015Qu.

ククールが活躍してるのは喜ばしい反面、あの重傷でこれだけ元気でいいのかって気もするw
ただマホトラ一発でクリフトMP0はやりすぎだと思う。
程ほどの威力に制限しとかないと、魔法使いキャラがMP尽きた時のお手軽な回復手段にされかねないし。


フローラの火傷についてはつか完治にメガザル、雫クラスとすると、
痛みを和らげるのもベホマクラスじゃないと難しいんじゃないかな?
フィオが治療してやっと和らいだ過去を考えると、
フローラ自身では治療はできない(ていうか焼け石に水)と思ってたけど。

665 名無しさん :2006/07/02(日) 00:29:03 ID:oEqnPVD2
そういやククールって利き腕もっていかれてるんだよね。
今後の戦闘大変そうだ。

666 名無しさん :2006/07/02(日) 08:24:52 ID:RSkFN3tk
>>664
>あの重傷でこれだけ元気でいいのかって気もするw
魔力尽きるまで回復してたんだから、これくらいまで回復してるかな、と思ったんだがやっぱ元気すぎたかな?
>ただマホトラ一発でクリフトMP0はやりすぎだと思う。
それもそうですね。マホトラの後の一行を

クリフトの魔力がどんどん奪われてゆく。ククールは彼の魔力を吸い尽くすまで何度も呪文を唱えた。
ついにクリフトの魔力はなくなってしまった。彼にはもう人を殺す手段は残されていないのだろうか―

に訂正します。

自分でも読み直してみたらマルチェロの時間軸がどうも合わないような気がしたんで
7/9の10行目以降を
どれだけの時間が流れたのだろうか。突然、馬のいななく声が聞こえてきた。そう遠くはないようだった。
「ようやく、誰か来たようだな」
彼は立ち上がり、音を立てないように城を出る。
真っ暗な闇に包まれた城下町。声の主を見つけるのにそう時間はかからなかった。
暗い闇の中、星に照らされ輝いているかのような白馬が宿の前に立っていた。
「あの白馬…私の邪魔をするつもりかっ…まあいい。暫く様子を見ることにしよう」
マルチェロは夜の闇に身を潜め、様子を見ることにした。
一時間以上たった頃だろうか。白馬は怪しい人影に気づき、危機を主人に知らせるかのような声でいななく。
「くっ……気づかれたか…!」

に訂正。他に何もないようなら今日の7時頃か明日の午前中に本スレに投下します。

667 名無しさん :2006/07/02(日) 09:02:14 ID:oE3ba3zU
そういえば、DQ8のトラマナってクックル使用できたっけ?

668 名無しさん :2006/07/02(日) 09:05:39 ID:oE3ba3zU
あぁ、使えた使えた。しかもトラマナじゃなくてマホトラだよ。余計な心配ゴメン。
そういやゲームで一回も使ったこと無かったなぁ。精霊の矢ばっかり使ってたから。
今度試しに使ってみよw

669 名無しさん :2006/07/02(日) 15:35:32 ID:9rIt2Jck
>>666
うーん、何度も唱えたてる間、まったくの無抵抗で吸われっぱなしというのはちょっと…と思う。

670 名無しさん :2006/07/02(日) 20:18:27 ID:QmSyunoY
>>669
痺れてるから問題ないと思う。
麻痺ってすぐ治らないしね。

671 離れていく者 1/4 :2006/07/04(火) 19:48:42 ID:PUgIP6MY
――ああ、温かい。私の血かしら。
血だらけで地に臥しているアリス。
目が覚めたとき、その命はもはや風前の灯火であった。
ふと、仲間の顔が浮かぶ。
――サマンサ、生き残りなさい。
デイジー、アレフガルドのこと頼んだわよ。
フィオ、天国の入場料取らないわよね。
カンダタ、叶うならもう一度姐さんって呼んで欲しい……。
そして、父オルテガ。
ごめんなさい、父さん。

信頼できる仲間、父。
自分は幸せだと思った。
気付くと、もう一人の顔が見える。
誰だろうと思い霞む目を細める。
それは、古風な雰囲気漂う、黒髪の女。今しがた死闘の末に討った者。
「ヒ…ミコ!?」
驚いて名前を声に出すが、上手く発音できない。
音が擦れてしまう。

「ほほほほほ、わしを倒しておきながら死ぬのかえ。情けないのぉ」
「くっうう!」
無理に体を起こそうとしたが、体が言う事をきかない。

「ほっほっほ、そう慌てるでない。わしは、戦えぬよ。もう、死んでおるし。
それどころか、おぬしを助けようというのだからのぉ」
「なん…です…って!」
――私を助ける?どうゆうことなの。

672 離れていく者 1/4 :2006/07/04(火) 19:49:13 ID:PUgIP6MY
「不思議かえ?わしも、不思議な気分でのぉ。
かつては、四対一で負けた。口惜しい気持ちでいっぱいじゃった。卑怯じゃしな。
しかし、今度は一騎打ちで負けてしもうた。それが、どこか清清しくての」
ヒミコの顔は、明るかった。戦いに全てを出しきった者の顔だ。
嘘を付いている感じはしない。
だが、ヒミコは敵であった者。
カンダタの命を奪ったばかりか、それを無残にも踏み潰した。
許せる存在ではない。

「なに…が、助け…るよ!ふざけるのも……大概にして、さっさと……成仏なさい!!
カン…ダタは、あなた…のせいで……」
ツーっと涙が頬を伝う。
それを見て、ヒミコが目を細める。
「いいのかえ?おぬしには、まだやることがあるはずじゃが…。勇者としての、役目がのぉ」
「勇者……と…しての役目?」
「おぬしは、ここで死ぬつもりかえ?おぬしの存在意義とはなんじゃ?」
「………………存在……意義」

勇者の役目、それはその世界に蔓延る悪を倒すこと。
勇者の存在意義、それは世界に平和をもたらすため。
――そうだ、こんなところでは死ねない。この世界の邪悪、ハーゴンを倒すために。
まさか、ヒミコに教えられるなんて。この人は、本当に私を助けたい?

「答えはでんのか?もう、成仏してしまうぞ」
ヒミコの姿が薄れていく、もう時間がないようだ。
それを見据えてヒミコの目を直視する。
そして、アリスが意を決して出した答えは……
「……助かる方法を……教えてください!」
ヒミコが微笑む。そんな余裕はなかったが、普通ならアリスでもドキッとしてしまうくらいに。
そして、少し溜めながらヒミコが口を開いた。

673 離れていく者 3/4 :2006/07/04(火) 19:49:51 ID:PUgIP6MY
「それはのう……」
ヒミコの視線が彼女(?)の亡骸へと向けられる。
「わしの血肉を喰らうのじゃ」
――へっ!?今、なんて……。
「不服そうじゃのぉ。ほれ、聞いたことがあるじゃろ。竜の血肉には、不老不死の力があるとかのぉ。
むっ、なんじゃ、その目は!…………。う〜む、わしは竜というより蛇に近いが、生命力は竜にも負けておらん。
どうせ死ぬのなら、試す価値はある筈じゃ」
――そんな、曖昧なものを信じろというの。
でも、もう魔力も体力もない。それに賭けるしかないわね。
ぼろぼろの体で何とか立ち上がり、ヒミコの亡骸へ向かう。
すると、いつの間にかヒミコの亡霊は消えていた。
――成仏したのかしら……。
そんなことを気にするほど、もう体力は残っていなかったが、消えてしまう前にただお礼が言いたかった。
――カンダタを殺した憎き相手だったのに。今は憎くない。
信じるというものは不思議なものね。

そして、アリスはヒミコの亡骸の前まで来た。
ヒミコの顔、それは死にながらも、月明かりに照らされ美しい。
だが、既に腹を括っていたアリスは躊躇わなかった。
血が滴ったている肩の部分を、一口、二口…………。

その様子を邪悪な笑みを浮かべ見ていたヒミコ。
「どんな副作用がでるか楽しみじゃわい。ほほほほほ」
――それにしても、ハーゴンのやつめ。わしの魂を如何しようというのじゃ!
何処かへ引っ張られるヒミコの魂、それは破壊神の下へ。

674 離れていく者 4/4 :2006/07/04(火) 19:50:23 ID:PUgIP6MY
いつの間にか昏倒していたアリス。
目が覚めると、体は軽かった。だが、傷はそのまま残っており、血が止まっているだけであった。
しかし、命に別状があるような感じはしない。
助かったのかしら、もしくは夢と思いながら暗闇を良く見ると、目の前には食い散らかされたヒミコだった者の死体。
内臓は掻き回され、頬の骨が見えている。
だが、不思議と気持ち悪いとは思わない。
「私が……やったの?うっっっ、何この感じ……」

―― 人 間 を 食 べ た い ?


【D-4/アリアハン北の平原/真夜中】

【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP1/5 MP 0 胸骨損傷 全身に火傷 
    左腕骨折、重度の裂傷(要メガザル、世界樹の雫級の回復薬
    オロチ並の生命力
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考]:人食い衝動

※アリスには、ヒミコを取り込んだことによる副作用がでています

675 名無しさん :2006/07/04(火) 19:52:03 ID:PUgIP6MY
読めば分かると思いますが、かなりの冒険作なうえに、自分は未熟です。
率直な意見お願いします。
没なら没でいいですしね。

676 名無しさん :2006/07/04(火) 20:00:30 ID:IvwR9B3k
率直な意見。アリスを助ける方法は他にもあるだろうし、
あの、正義の塊みたいなアリスが悪に魂を売るとは思えないですね。
それに、ただでさえ強いアリスにオロチ並みの生命力が付いたら
強さのバランスも結構崩れてしまうと思います。

677 名無しさん :2006/07/04(火) 20:03:21 ID:fOje67QA
冒険作の名の通りですな……つーか、これはヤバすぎ
これやるくらいなら素直に殺した方がいいと思います

678 名無しさん :2006/07/04(火) 20:09:39 ID:wcUMw7ak
単発としてなら良しだがリレーだからな
少々過激だし、後味が悪いから自分は反対とする
でも小説としては上手いからまた頑張って欲しいな

679 名無しさん :2006/07/04(火) 20:19:04 ID:wKiROKrs
実は俺も竜の血ネタ考えてた。
竜王が爪を立てたまま拳を作って、血を数滴水に垂らして、
HP1/10って死にそうなトルネコに飲ませるって程度だけど。

個人的にはどうせヒミコxアリスで策無しガチンコ勝負したら、
アリスが勝つに決まってる思ってたし、ヒミコ不完全燃焼感あったから出てきたのは嬉しい。

人体のまま食い散らかすってのが後味悪いかな。
獣の肉食ってるならいいんだけど。

680 名無しさん :2006/07/04(火) 20:24:14 ID:IvwR9B3k
俺はアリス救済ネタとして、レーベでゴン&ローラ&エイトを葬ろうとしたサマンサが
エイトにバシルーラの杖使って、その先にアリスがいてって話を思いついてたけど、
上手くまとまらなくて没にした。

681 名無しさん :2006/07/04(火) 20:26:19 ID:wKiROKrs
あとは人間を食べたいって、簡単にキャラが壊れすぎな気も。
オロチ並みの生命力ってのもやりすぎな気が。
傷が回復しました程度でも十分驚異的な話だし、肉の効果大きすぎ?

…と思ったら、肝心の回復効果自体はほとんどないのね。
[状態]:HP1/5 MP 0 胸骨損傷 全身に火傷 
    左腕骨折、重度の裂傷(要メガザル、世界樹の雫級の回復薬
なんだかな。

682 名無しさん :2006/07/04(火) 20:32:36 ID:PUgIP6MY
意見、感想ありがとうございます。
自分でも、やり過ぎかなって思ってたので没にします。
もう一つパターンがありますけど、機会があれば没スレに投下しておきますね。
お手数かけました。

683 名無しさん :2006/07/04(火) 21:45:19 ID:zVmmMSnU
アリスをゲームに乗らせるという発想や展開自体は悪くはないんだけど
いささか強引さが目立っちゃった感じだね。次に期待しますね。

684 名無しさん :2006/07/05(水) 11:23:59 ID:YzRKxiS2
ヒミコの一人称はわらわじゃなかった?

685 名無しさん :2006/07/05(水) 20:03:41 ID:U2kS/6U2
もう、没にしたんで御勘弁を…

686 夜に飛ぶ 1/8 :2006/07/09(日) 04:55:35 ID:J2L0SAU2
「ほう、これが風のマントですか。なるほど、大人三人で使用しても充分耐えうるようですなぁ」
「うん、お兄ちゃんたちも三人で使って、ドラゴンの角っていう塔から大河を渡ったんだって」
アレンが戻ってきた時、トルネコはリアからこれまでの話を聞いていた。
そして話に出てきた風のマントに興味を持ち、見せてもらっていたのだ。
身体の調子は悪くない。アレンが魔力を尽くして治癒呪文を掛け続けてくれたおかげだ。
それでも完全に癒えたわけではなく、無理に身体を動かせば途端に激痛に襲われる。
しかし殆ど動くことができなかった時より遥かにマシな状態だった。
リアの首に残されていた爪痕も綺麗に消えている。
アレンは何も言わずに呪文を唱えていただけだがその誠意は感じたのだろう。
リアのアレンに対する信頼は増したようだ。トルネコはそれを微笑ましく思う。
「ふぅむ、これなら……おや、何処にいらっしゃっていたのですかなアレンさん?」
いつの間にか場を離れていたアレンが戻ってきたのを見て声を掛ける。
「うむ、こいつを回収してきた」
そういってアレンは懐から二つの首輪を取り出し、地に置いた。
ヒッと息を呑むリア。トルネコもそれをまじまじと見つめゴクリ、と唾を飲み込む。
「奴らの言っていたどんな魔法や爆発にも誘爆はしないというのはどうやら本当のようだ。
 あれほどの爆発の中で傷一つついておらん」
言う通り、その首輪は表面は多少煤焦げているものの歪みもせずに全く常態を保っていた。
彼が回収した二つの首輪。数時間前に光の中へと消え去ったビアンカとバズズの物である。
嫌でもそれが思い起こされるのであろう、リアの顔は蒼白となって小刻みに身体が震えていた。
「リアよ……ぬしには辛かろう。少し離れた場所で休んでいるがいい。
 これからの話は少々長くなるかも知れんのでな……」
アレンはリアを気遣い、この場を離れるように諭す。
しかし彼女は気丈にも首を横に振ると、自らの身体を抱きしめて震えを抑え込む。
「ううん。私も……ここを抜け出すならいつかは向き合わなきゃならないことだって解るから……。
 弱いのはどうしようもないけれど……せめて、もう足手纏いにはなりたくないから……。
 だから、お願いです。話を聞かせてください」

687 夜に飛ぶ 2/8 :2006/07/09(日) 04:57:19 ID:J2L0SAU2
強い決意を込めてアレンを見つめる。
アレンはしばらくじっとその視線を受け止めていたが、そうか、と頷くともう離そうとはしなかった。
トルネコはその様子を見て、もう一度唾を飲み込むとわざとらしく陽気な声を出した。
「いやーでもまだ我々も疲れておりますし、それについてはまた後にして休むことに専念しましょう、
 ね、アレンさん?」
「悠長な……ぬしは――む」
その言葉に抗しようとしたアレンはトルネコが真剣な表情をして地面を指差していることに気付き、押し黙る。
地には小枝によってトルネコの真意が綴られていた。

曰く――『私たちの声はハーゴンたちに盗み聞きされています』

「ふん、ならば勝手にするがいい」
アレンはそう口に出すと意気を収め、杖を手に取りて同じように文字を綴る。

『その根拠は?』

トルネコは自らの頭に嵌められているインカムを指で示したあと、再び地に文字を綴り始めた。
インカムには未知の技術が使われていて、遠くの人物と会話をすることができる。
これはハーゴンによって送り込まれた魔物が持っていたアイテムであり、通常の参加者には配られていない。
そしてそれだけの技術力があるならこの首輪にその技術が使われていることは想像に難くない。
何故ならその方が管理するものにとって都合がいいからだ。
こちら側の音声を主催側に送ることで脱出の企てをする者の動向を把握し、場合によっては爆破する。
そうすることができるならこの儀式の成功は磐石となり、そしてハーゴンたちにはそれが可能なのだ。
トルネコの答えにアレンはむう、と唸る。
(と、なると脱出、首輪の解除に類する事柄は筆談によって行う必要があるか……。
 緊急を要する時にはいささか不便な制約がついたものだ……)
入れ替わり杖を地に走らせ、アレンは自分の考えを述べる。

『承知。そして首輪の解除に関することだがこれには強大な呪詛が込められている。
 その呪詛があらゆる呪文、特技などを弾くようにしてあるのだろう。
 おそらく最初の会場に張られていた結界と同種のものだ』

688 夜に飛ぶ 3/8 :2006/07/09(日) 04:58:25 ID:J2L0SAU2
アレンはザックから一つの鏡を取り出した。
「そ、それはラーの鏡? あ――ムグ」
それを見て思わず口に出してしまったトルネコは慌てて口を押さえる。
しかしアレンは慌てずに掌をかざし、抑える動作をする。

『騒ぐな その程度なら問題はなかろう。それよりもこの鏡で呪詛を具現化する』

そして鏡を正面に構え、地に置かれた首輪を映し出した。

「「ッ!?」」

真実を曝け出すという鏡に映し出されたのは首輪から溢れる黒い瘴気。禍々しいまでの邪悪なオーラ。
周囲の気温が一気に下がり、もはや冷気と呼べる空気が漂う。
トルネコはその場にへたり込み、リアは怯えアレンの影になるように隠れた。
キュッと強くアレンのローブの裾を握り締める。
闇は炎のようにゆらめき、時折髑髏にも見える模様が形作られているようにも見えた。
リアの顔から色が失われているのを見てアレンは鏡を仕舞う。
それと同時に首輪から溢れていた瘴気は徐々に薄れていき、再び元の首輪へと戻った。
ふぅ、と大きく息をついてトルネコは安堵する。
リアも震えは止まり、アレンのローブを掴んでいた手をおずおずと離した。

『こんな凶悪な呪いは見たことがありません。今まで数々の呪いの武具をこの目にしてきましたが
 ここまでどうしようもないと思った物は初めてですよ』

トルネコが地に綴る感想にアレンも頷き、同じく杖を動かす。
平静な表情を保っていたが、その額には汗の粒が無数に浮かんでいた。

『見ての通り強大な呪詛だ。ワシが解呪しようと思えば大掛かりな儀式の準備をし、
 幾日も呪文を唱えることになるだろう。しかもこの首輪一つにな。いや、それでも無理かもしれん。
 我々に時間はない。別の方法を考える必要がある』

アレンは腕を組み考え込む。トルネコも側で唸っていた。

689 夜に飛ぶ 4/8 :2006/07/09(日) 05:00:34 ID:J2L0SAU2
(ハーゴンめ……どうやってこの力を得た? この呪詛に込められている力は生半可なものではない。
 奴を見た限り強い魔力を持ってはいるものの唯の人間に見えた。ここまでの力を操れるものか?)
これは神に匹敵する力。
神――邪神。アレンはハーゴンの座る玉座を思い出す。
玉座に装飾されていた邪神像。
(シドー、か……奴がハーゴンに力を貸しているとでも言うのか? 復活前にそんなことが……)
考えが煮詰まり、ふと目を上げると地面に文字を綴っているトルネコに気が付く。

『これがハーゴンの意図したことかは解りませんがとにかくラーの鏡によって呪いを具現化させることはできるのです。
 それをニフラムのような破邪の力、いえ、それ以上のあらゆる闇を振り払う太陽の如き破邪力を
 秘めた技で消し飛ばしてしまえばいい。何かそのような力に心当たりはございませんか?』

下手な力では通用しないであろうし、何よりも無理に取り外そうとしていると判断され爆発する危険がある。
物理的な力ではなく、ただ闇を浄化する光の力が必要だった。
(太陽の力、か……)
アレンの脳裏に浮かんだのは光の玉だった。
400年以上もの昔、アレフガルドとは別の世界から現れた勇者ロトが携えていたという伝説の玉。
かつてラダトームから自分が奪った。世界を支配する為、人間に絶望を与える為。
そして……それ以上に何故か懐かしさを感じた為だった。
玉の光を眺めると母親に包まれているかのような安らぎを感じるのだ。
この玉こそは自分が所有すべきもの。何故かそう確信できた。
だからこそ奪った。
だがその玉はこの手にはない。その存在も感じない。
ゆっくりと首を横に振るアレンにトルネコは落胆したようだった。
だがそれも一時のこと、再び顔を上げると彼は提案した。
「アリアハンへ行きましょう」
「何?」
「リアちゃんもアレンさんも行く宛てはないのでしょう。なら人の集まる場所にいきましょう。
 そこでなら今よりも情報が集まるかもしれません。それにアリスさん、という方がその辺りに居るはずなのです。
 私はその方に危険を知らせたい。バズズは死にましたがハーゴンの部下はまだ残っていますからね」
それがトルネコの当初の目的だった。
放送で呼ばれなかった以上アリスはまだ生存しているはずである。

690 夜に飛ぶ 5/8 :2006/07/09(日) 05:03:30 ID:J2L0SAU2
アレンはその提案を吟味する。
正直まだ動きたくはない。人が集まるということはゲームに乗った者もまた集まるということ。
このダメージの残る身体ではいざという時にリアを護りきれるとは言い切れなかった。
(だが……儀式の進行は予想以上に早い。僅かな逡巡が命取りともなりかねん……か)
「私も、行きたいです。マリアお姉ちゃんがいるかもしれないし……」
決意を込めて声を絞り出すリアをアレンはゆっくりと見やる。
「覚悟は、あるのだな」
コクン、と頷く。
それでアレンの腹も決まった。決然と立ち上がり――よろめいた。
かろうじて踏み止まり、側に木に手を突く。
「アレンさん!」
「よい。少しダメージが残っているだけだ。大事はない」
駆け寄るリアを制し、アレンは姿勢を正す。
「アレンさん、あなた私たちには回復呪文をかけてくれましたが……その、ご自分には?」
「竜族は人間のように脆弱ではない。いらぬ心配だ」
アレンは自身の魔力は全てリアとトルネコの治癒に注ぎ込んでいた。
よって彼自身はこの数時間の休息による自然回復しかしていない。
人間などより遥かに強靭な肉体を持つ竜王といえど、それだけで万全の状態となれる筈もなかった。
だが表面上は平静を装い、アレンは立つ。
「行くぞ、時間が惜しい」
先に立って歩き出そうとした時、リアはザックから小さな小瓶を取り出すとアレンに差し出した。
中には黄金に輝く液体とそれに苗木のようなものが浮いていた。
「……これは?」
「そ、それは世界樹の雫!」
初めて見る薬品に怪訝な顔を浮かべると、横からトルネコが声を上げた。
「知っておるのかトルネコ?」
「はい、死者をも蘇生させるという世界樹の葉。その元たる世界樹から抽出したエキスです。
 これを振りまけば、その場にいる者全員の傷をどんなに深くともたちどころに癒すことができます。
 我々の世界ではとても貴重な薬ですよ!」
「ほう」
アレンは小瓶を受け取るとその液体をまじまじと見る。
なるほど、中の木片や液体からはとても強い生命の波動を感じる。

691 夜に飛ぶ 6/8 :2006/07/09(日) 05:04:51 ID:J2L0SAU2
「これをワシに使えというのか」
「ビ、ビアンカさんにも……最初に見た男の人にも使えなかったけど……。
 お兄ちゃんにも、アレンお兄ちゃんにも使えなかったけど……!
 今なら、アレンさんなら使えますよね? 助けられますよね? だから……お願い」
アレンとリアはしばし見詰め合い……アレンはフッと微笑した。
「感謝しよう、小さき娘よ。だがこれは今使うべき時ではない」
そういってリアの小さな手に小瓶を戻す。
「それほどの効能を持つ薬ならば本当に必要とする者に使ってやるがいい。
 ここで軽々に使い、後に死に行く者を見ても何もできぬでは悔いが残ろう」
アレンの脳裏にはつい半日前の、塔の下での出来事が思い返されていた。
何も出来ず、ただ言葉を聞くだけしかできなかったあの時が。
「何度も言うがワシのことなら心配はいらぬ。何、その薬を使う時があればその時は相伴に与ろう」
「そう……ですか」
リアはまだ不安そうであったがアレンの言葉からマリアのことを考え、
もし重傷を負っていたらと思うと反論することはできずに渋々と小瓶をザックに戻した。
「では行くとしよう。この場からなら洞窟を通った方が早くに着くだろう」
「あ、待ってください。それよりも早く着く方法があるんです!」
「ぬ?」
今度はトルネコがザックをゴソゴソと探り、何かを取り出した。
「これです、キメラの翼。これがあればアリアハンに着くのは容易ですよ」
「トルネコ、おぬしはアリアハンに行ったことがあるのか?」
「いえ、これはリアちゃんに使ってもらうのです」
その言葉にリアはきょとん、とする。
「私、ですか? でも私もアリアハンには……」
トルネコは指を立てるとチッチッと舌を鳴らす。
「承知しています。あなたの最初に立った場所は塔の頂上。
 そこであなたはどうやって移動しましたか?」
「あ!?」
トルネコの考えを悟り、リアは声を上げる。
アレンはまだピンとこない。
「どういうことだ?」
「まぁまぁ、まずはナジミの塔頂へと移動しましょう。さ、リアちゃん」

692 夜に飛ぶ 7/8 :2006/07/09(日) 05:07:13 ID:J2L0SAU2
「はい」
リアはキメラの翼を受け取ると空高く放り投げた。
翼は無数の羽となって散ると、風を巻き起こしアレンたちを包み込む。

そして光となって天空へと舞い上がった。

強風に閉じていた目を開くとそこはもう塔の頂きだった。
広い石畳の中央には一つの住居が存在している。
「それで、どうするのだ? あの家に何かあるとでもいうのか?」
「いえいえ、そうではありません。リアちゃん、あれを出してください」
急かすアレンにトルネコは首を横に振ると、リアを促す。
そしてリアが取り出したのは―― 一つの大きな青いマントだった。
トルネコはアレンに風のマントの説明をする。
「なるほどな、邪魔の入らぬ空を行こうというのか。確かにそれなら程なくしてアリアハンへと入れよう」
「ええ、そしてマントはアレンさんに使ってもらったほうがいいでしょう。
 空を飛ぶということに関しては我々より遥かに通じているでしょうから」
「うむ」
アレンはリアからマントを受け取るとその身に纏った。
「人身で空を飛ぶというのも新鮮な体験だな」
そして塔頂の淵まで歩き、アリアハンを見る。
「僅かだが城と町に灯火がある。何者かがいるな」
アレンの言葉にトルネコも頷いた。
「直接アリアハンに降りるのは止めた方がいいですな。狙い撃ちされては一溜まりもありません。
 この月夜では我々を視認するのもそう苦労することもないでしょうし…… 一度、そうですな。
 アリアハンの北側の平原に降り、そこから徒歩にて入ることにしましょう」
「解った。リアよ……」
アレンは手を差し出す。その手をリアはギュッと握り締めた。
「離すでないぞ」
リアが頷くのも確認せずにアレンは床を蹴った。
慌ててトルネコもアレンの身体にしがみつく。

693 夜に飛ぶ 8/8 :2006/07/09(日) 05:08:03 ID:J2L0SAU2
マントは風を孕むと大きく膨らみ――そして流れに乗った。

そして夜に飛ぶ。

【E-3/アリアハン内海 上空/夜〜夜中】

【トルネコ@DQ4】
[状態]:HP3/5 軽い火傷 打撲
[装備]:氷の刃 無線インカム
[道具]:まほうのカガミ 引き寄せの杖(4) 飛びつきの杖(4) 
    支給品一式×3ワイヤー(焦げて強度は弱くなっている)
[思考]:アリアハンへ向かう アリスや他の参加者に危機を伝える

【アレン(竜王)@DQ1】
[状態]:HP2/5 MP0
[装備]:竜神王の剣 まふうじの杖 風のマント
[道具]:プラチナソード ロトの盾 ラーの鏡
[思考]:アリアハンへ向かう この儀式を阻止する アレンの遺志を継ぐ

【リア@DQ2サマルトリア王女】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:世界樹の雫 支給品一式
[思考]:アリアハンへ向かう マリアに会って風のマントを返す

694 名無しさん :2006/07/09(日) 09:19:54 ID:F3sRQ/Ck
新たなる脱出フラグは光の玉かー。
そういやゾーマの闇の衣剥ぎ取るのに使ったね。
光の玉で呪力弱めた後にシャナク&アバカム、3つそろって初めて指輪解除
にしたら面白そう。

695 名無しさん :2006/07/09(日) 09:20:58 ID:F3sRQ/Ck
指輪じゃなくて首輪だった。

696 名無しさん :2006/07/09(日) 11:46:40 ID:7VnGpJ0E
乙です。
盗聴に気づいたのがインカム経験者のトルネコであることとか
本スレで出た「知っているのかトルネコ!」のネタがさりげなく使われてたのが面白かったです。

もし光の玉が脱出を促進させる可能性があるとしたらなおさらそれが支給されてる可能性は低そうですが、
光の玉が浮かぶのは竜王らしい考察ですし、これについて問題はないと思いました。

ただひとつ気になったのはキメラの翼です。
これ自身は消費アイテムとして消えたので今後悪用されることはないとは思うんですが
今後「ルーラ」を使って同様の手口で移動できるようになるとまずいのではないかと。
特にサマンサやアリスなんかはアリアハン大陸なんてホームそのものですから、
好きな場所にいつでも移動できるようになってしまうということにもなりかねません。

まあキメラの翼=OK、ルーラ=使用不可という設定とすれば問題ないと思いますが
ちょっと後付けっぽくなってしまうのが気になる、かなあ…。

697 名無しさん :2006/07/09(日) 11:53:45 ID:gXRBrmYk
北より西の方が良くない?

698 名無しさん :2006/07/09(日) 12:03:06 ID:WHrI5rfA
乙です。696さんと同じことを言いますが、
ルールの ----制限について---- に、
>その他、時空間移動能力なども使用不可となっています。
とあることからキメラの翼はまずいんじゃないかと思います

699 名無しさん :2006/07/09(日) 12:11:28 ID:7VnGpJ0E
あー、見落としてた。ルーラは元々使用できなかったのか。
ルーラ使えた場合のこととか長々と書いててなんか赤っ恥orz

700 名無しさん :2006/07/09(日) 13:05:23 ID:2BzvsGQ6
これが風の帽子とかならまずいだろうけどキメラの翼なら問題ないよ
大体そのルールを厳密に適用するならバシルーラの杖もまずいことになる

701 名無しさん :2006/07/09(日) 14:09:18 ID:WHrI5rfA
バシルーラ:他人にかける&何処に飛ぶかは術者にも分からない
ルーラ:自分にかける&飛ぶ場所は術者の自由
だから、バシルーラは移動呪文というよりは攻撃呪文の部類だと思うんだ
確かにこの一回だけなら問題ないのかもしれないが、
道具のルーラはOKで呪文のルーラだけは駄目ってのはどうかと

702 名無しさん :2006/07/09(日) 14:26:35 ID:aBnnVozg
なあ、2のキメラの翼(自在移動不可)なら、問題なくね?

703 名無しさん :2006/07/09(日) 14:26:38 ID:c0X4SxCM
じゃあ何故万能薬が良くてベホマが制限されるの?
何度も使われるとまずいからでしょ
ルーラだって同じ
何度も使われるのはいけないけど一度のみのアイテムでなら問題なし

ぶっちゃけて言えば残りの不明品が全てキメラの翼でも問題は感じない

704 名無しさん :2006/07/09(日) 18:15:53 ID:356eItv2
そうだな、バシルーラの杖だっていいんだし、
キメラの翼だっていいでしょ。

移動呪文とか攻撃呪文という“部類”の問題じゃなく、
実際、移動してるんだから。

705 名無しさん :2006/07/09(日) 18:22:54 ID:c0X4SxCM
うん、ルールも能力を制限しているんであってアイテムに制限はないからね
もちろんバランス崩壊級が出てきたら考える必要はあるけど今回は当て嵌まらない

706 ◆p5VnSFDJyk :2006/07/09(日) 18:42:07 ID:J2L0SAU2
少し修正して11時くらいに投下しようと思います

707 名無しさん :2006/07/09(日) 19:59:57 ID:WHrI5rfA
そだな、ただ残りの支給品全てキメラの翼はいくらなんでも止めてほしいがw
(いや例えなのは分かってるけどさ)
作者さん修正頑張れー!

708 名無しさん :2006/07/09(日) 20:41:34 ID:7VnGpJ0E
>>703
ジョーカー特権のオリジナルアイテムである万能薬(超万能くすり)と
(DQシリーズには「万能薬」ってアイテムはないし)
普通の参加者の支給品や呪文を同列に捕らえるのは違和感あるぞw
まあ世界中の雫に置き換えれば通じるだろうから別に構わんが。


とりあえず単発だからOKがほぼ総意ということで、
自分もそれでもいいと思ってたのでキメラの翼を出すことに異論はないです。
「今後風の帽子を出すのは自重しましょう」という教訓にもなったし、大団円ということで。

709 名無しさん :2006/07/09(日) 21:00:52 ID:4WY3BYE2
万能薬あるけどね、DQ8の錬金で

710 名無しさん :2006/07/09(日) 21:17:03 ID:EVvO0t8I
まあ作るのが面倒だから知らなくてもそんなにおかしくはないな。

711 名無しさん :2006/07/09(日) 23:39:45 ID:Lxqr23Gc
あれをオリジナルアイテムだと思ってたのか……

712 名無しさん :2006/07/10(月) 06:48:55 ID:L88U8XnA
大変失礼しました。しばらく書き込み自重します

713 姫の決意 竜の怒り 商人の思い 1/7 :2006/07/16(日) 01:23:32 ID:hsz5z07I
爪先が何かに触れたかと思った瞬間、今まで感じていた浮遊感はかき消すようになくなった。
気が付けば、先ほどまで空を舞っていた体は、今はもう根を下ろしたかのようにしっかりと大地に立っている。
飛行中に狙撃されなかった幸運を思いながら、アレンは腕に抱いていたリアをそっと地面へ下ろしてやった。
空を飛ぶのはこれが最初ではないだろうに、彼女の頬は興奮したかのように赤く上気している。
地を這うばかりの人の子にとって、空を飛ぶという行為はある種の憧れなのだろう。
大地に足を付けた後も興奮冷めやらぬ様子のリアに微かに苦笑を漏らしながら、
アレンは纏っていた風のマントを脱ぎさった。
地面に降り立つと同時に尻餅をつくという愁嘆場を見せたトルネコも、今はもう気を取り直したようだ。
月明かりを頼りに手持ちの地図と周辺の地形を見比べ、現在地の把握を行なっている。

「…ふぅむ…どうやら、当初の目的地から少々ズレてしまったようですな…」
「思っていたより風の勢いが弱かったか………風任せというのも難しいものだ…」

思案顔のトルネコが、地図から顔を上げて首を捻った。
脱いだ風のマントをリアに渡しながら、アレンが緩く首を振りながら嘆息する。
竜の姿であれば自在に空を飛べるのであろう彼も、
人の姿を取っている以上は風に頼って飛ぶしかなかったようだ。

「あの…………どうかしたんですか?もしかして、何か大変な事が起きたんでしょうか?」
「ああ、リアちゃん。心配しなくても大丈夫ですよ」
「思っていた場所より、少し離れた場所に来てしまっただけだ。案ずることはない…」

渡された風のマントをたたんでいたリアが、地図を見ながら眉を顰めている男達に恐る恐る話しかけた。
今にも泣きそうな瞳で見上げてくるリアと視線を合わせるために、柔和な笑みを浮かべたトルネコが膝を折る。
そして、彼の言葉を裏付けるように…アレンもまた、彼女を宥めるかのように微かな笑みを浮かべた。
それでもなお、不安そうな表情が消えぬリアを輪の中に招きいれながら…。
トルネコは、手にした地図を輪の真ん中で大きく広げてみせた。

714 姫の決意 竜の怒り 商人の思い 2/7 :2006/07/16(日) 01:24:27 ID:hsz5z07I
「えー、当初の予定ではですね、アリアハンの北にある平原に到着する予定だったのですが…」
「風の流れが悪かったらしい。少し南西に流されたようだ」

トルネコのむくむくとした指が、地図でいう所のD-04を指し示す。
だが、彼の言葉を引き取ったアレンの無骨な指は、
D-03、D-04、E-03、E-04の境界線が交わる場所を指し示していた。
どうやら、北の平原に降り立つはずが、西の平原寄りの所に流されてしまったらしい。
男二人から告げられた計画の綻びに、リアの顔が益々不安げに歪んでいく。
そんなリアの気持ちを和らげるためか、トルネコはことさら陽気な声で口を開いた。

「大丈夫ですよ、リアちゃん。『迂回してアリアハンへ入る』という目的は達成されたんですから。
 少しくらい着地場所がズレたとしても、何ら問題はありません」
「トルネコの言うとおりだ、リア。大局的に見れば、計画には少しの破綻もない」

代わる代わる、自分の気持ちを解そうとしてくれている男達の気持ちに気が付いたのだろう。
リアは震える拳を握り締め、強張った顔に微かな笑みを浮かべて見せた。
僅かながらも笑顔の戻ったリアの様子を見、ようやく男達も安心したのだろう。
トルネコとアレンは、地図を睨みながらコレから辿るべきルートの検討に取り掛かった。
静かに話し合う男達の背中を眺めながら、リアはきゅっと唇を引き結ぶ。
いつもいつも……守られてばかりの自分が不甲斐ないのだ。
だが、かつては魔族の頂点に立っていたアレンや、伝説の勇者と共に世界を救ったトルネコに比べれば、
リアは冒険に出たこともない普通の少女でありすぎた。
まして、彼女はサマルトリア王国の姫として、いつも兵士や護衛に守られていた身分である。
誰かと戦うことはおろか、こうして生き残っていること事体がある意味の奇跡ともいえるだろう。

「……………………私にできることって何だろう…?」

今も尚、話し合いを続ける男達に気付かれぬよう……。
小さな姫は、腕に抱えた青いマントをぎゅっと抱きしめる。
青く澄んだ空をそのまま切り取ったようなマントからは、
かつてこのマントで空を飛んだ兄達の、弾けるような笑い声が聞こえた気がした。

715 姫の決意 竜の怒り 商人の思い 3/7 :2006/07/16(日) 01:25:17 ID:hsz5z07I
「………………アリアハンが見えるか、トルネコ」
「ここから、ですか?…………そうですねぇ…ここからでは、少し遠すぎるようですな…」

おぼろげな月の光を頼りに、男達は一枚の紙切れを睨んだ。
この薄い一枚の紙切れが、自分たちの命綱と言ってもいいような事体に、
アレンは自嘲するかのような笑みを浮かべる。

「…ロト生誕の地と言われたアリアハンが、いまや地獄と同義だとはな…」
「……………………アレンさん………」
「……勇者の出身地が、邪悪なる神の復活に使われるとは誰も思いもしなかっただろうに…」

皮肉げな笑みを浮かべながら、迂回ルートを探るアレンを前にして、トルネコは困ったような笑みを浮かべた。
彼の目の前で地図を眺めるこの男は、魔族として人と対峙する関係にあった事は想像に難くない。
だがトルネコは、青白い肌と老獪な瞳の色を持つこの男を嫌うことは出来なかった。
それは彼自身、あの銀の髪を持つ魔族の皇子と共に旅をしたことがあったからかもしれない。
人間と魔族……。
種族が違っても、お互いにわかりあうことができると言う事を経験として実感できたのだから…。

「私は、魔族だ………だがな…同じ魔族とはいえ、あやつのやり方は気に入らん……!」
「…………………………………………」
「真の破壊神とやらの手先となり、自身の手を汚さずに魂を集めようというような男が、
 この世界を…我等を支配している…………それが私には我慢できぬ」

一言一言噛み締めるように紡がれる言葉は、表面上はとてもとても静かなものだ。
だがその根底には、熾火のように燃え続ける怒りがあることに、トルネコは気が付いた。
邪神の姿を意匠とする玉座に腰掛け、自らは動くことなく、安全なる高みで事体を傍観する……。
自らの手で、愛する王女と希望の象徴である光の玉を奪い去り、
あくまでも自分の手で望みを叶えようとしたかつての自分とは正反対の行動を取る者――ハーゴン。
まるで、手の中にある『何か』を捻り潰すかのように……。
骨ばった手を握り締めた孤高なる竜(ドラゴン)は、何もない虚空を睨みつけた。
それは、かつては『竜王』として全魔族の頂点に立っていた彼の矜持の現れであり、
『竜王』である彼すらをも手駒と考えている者に対する反抗の証でもあった。

716 姫の決意 竜の怒り 商人の思い 4/7 :2006/07/16(日) 01:26:27 ID:hsz5z07I
「……それはそうとして、アリアハンにはどう入りますか?やはり、北の平原に入って…?」
「いや。このまますぐに南東へ下り、アリアハンへ入る。ぐずぐずしていると夜が明けかねん」

無言で虚空を睨み続けるアレンに、トルネコは声をかけた。
思考を邪魔されたというのに、トルネコに対する不快感を不思議と感じない。
どうやら、この男には人の心を宥めてしまうような雰囲気があるせいかもしれない。
アリアハンの北……D-04を指し示すトルネコに、アレンはゆったりと首を振った。
当初の予定からは多少外れたものの、『アリアハンへ迂回して入る』という目的は果されている。
それならば、まだ闇が深いうちに夜陰に紛れてアリアハンへ潜入した方が得だ、と。
老獪な竜はそう判断したのだろう。
地図をしまうトルネコを見ながら、アレンは所在無げに草地に座り込んでいるリアに手を差し伸べた。

「行くぞ、リア。今ここで無駄な時を食うわけにはいかん」
「………………は、はい。わかりました…」
「ここから少し歩くようですが、リアちゃんは大丈夫ですか?」
「大丈夫です、トルネコさん………『疲れた』なんて言ってる場合じゃないことはわかってます」

アレンの手を借り、ドレスについた土ぼこりを払いながら立ち上がるリアを、トルネコは心配そうに眺めた。
その白い顔に笑みを浮かべてはいるものの、彼の卓越した鑑識眼をごまかすことは出来ないようだ。
まだまだ幼いリアの身体や精神は、相当無理を重ねているように彼の目には見える。
だがそれでも……。
巨体を屈めて視線を合わせてくれるトルネコに、リアは微かに微笑みかけた。

「お兄ちゃん達のように闘うことは出来なくても……私はサマルトリア王女……ロトの子孫にして、
 破壊神シドーを倒した勇者達の血に連なるものです。そんな私が、弱音なんか吐けません」
「……………………リアちゃん……」
「……その心意気や良し。その強い意志こそが戦う武器となろう…」

泣き疲れた声は微かに震え、ともすれば膝から崩れ落ちそうになりながらも……。
リアは頭を上げて男達の瞳を見上げながら、莞爾と微笑んでみせる。
その翡翠色の瞳に宿った意思の強さに、男達はかつて自分と関わりを持った『勇者』の瞳を思いだした。
何者にも負けぬ強い思いと正義の光りを宿して、キラキラと輝いていたあの瞳を……。

717 姫の決意 竜の怒り 商人の思い 5/7 :2006/07/16(日) 01:27:11 ID:hsz5z07I
幸いな事に、夜の闇に乗じて草原を渡る彼らを見咎める者はいなかった。
通常であれば、アリアハン周辺に生息しているスライムやおおがらすの姿さえ見えない。。
おそらくこれも、このゲームを開催したハーゴンの仕様なのであろう。

「…ここがアリアハン、なんですね…」
「……あの白馬………………やはり先客がいるらしいな…」
「立ち話も危険ですから、ひとまずこの家に入りましょう……どうやら、誰もいないみたいですし…」

街の入り口に立ち、物珍しげに周囲を眺めるリアと、宿の前に繋がれた白馬を見据えるアレン。
そして、街の入り口近くにあった一見の民家を指し示すトルネコ。
皆、自然と忍び足で気配を消しながら、トルネコの示した家のドアを潜り抜ける。
家の中に入った途端、三人の体から不意に力が抜けた。
今まで外気に晒されていた無防備な身体が、屋根と壁という堅い守りを手に入れたのだ。
張り詰めていた緊張の糸が僅かに緩んだとしても無理からぬ話である。
極力音を立てぬよう細心の注意を払いながら、三人は二階へ上がっていく。
階段のすぐ近くには、寝台や箪笥などがある、こじんまりとした部屋があった。
ざっと室内を見た限りでは、外を監視するのにおあつらえ向きな窓もあるようだ。
大人二人と子供一人が入るには少々狭い部屋ではあるが、隠れて作戦を練る分には何ら問題はなさそうである。
アレンは窓際に、トルネコはドアの傍らに、そして、リアは寝台の上に……。
それぞれが、思い思いの場所に腰を下ろした。

「それで……これからどう動く?」
「とにかく、今は休みましょう…今の私達には一番必要なものは休息です。
 夜明けまでにはまだ時間がありますすし、交代で見張りをすれば、お互いに休めるでしょう」
「………………そうだな…それではトルネコ、お主から…」
「いえ、まずはアレンさんからです。私よりもあなたの方がお疲れでしょう。
 それに、私はこれでも世界を旅した商人ですからな。夜の見張りも慣れていますよ」

窓の外を警戒しながら視線だけを彼に向けてくるアレンの言葉を、トルネコは静かに遮った。
自分自身の事など顧みていないようなアレンの様子は、トルネコにとってもは大きな心配事だったのだ。
休める場所が見つかったのなら、休ませておくに越したことはない。

718 姫の決意 竜の怒り 商人の思い 6/7 :2006/07/16(日) 01:28:10 ID:hsz5z07I
「いや、私は良い。竜の身体は人間などより遥かに…」
「いいえ、いけません。いかに丈夫な竜と言えど、少しはご自分の身体を大事になさってください。
 あなたに倒れられでもしたら、私とリアちゃんはどうすればいいのですか…」
「………………む……」
「それに、ほら……………リアちゃんも、もう眠ってしまったようですから。
 どうか、彼女の眠りを守ってあげて下さい……」

正論を述べるトルネコに、アレンは思わず言い淀んだ。
その隙を逃さず、トルネコは商売で鍛えた弁舌でどんどん切り込んでいく。
呻き声を上げるアレンを見ながら、トルネコは寝台の上のリアを指差した。
金の髪を敷布の上に散らしたリアは、静かな寝息をたてている。
恐らく、緊張の糸が途切れてしまったのであろう。
彼女を起こさぬように小声で囁きながら、トルネコはアレンに取って代わるように窓際へと足を運んだ。
こうまでされてしまえば、アレンにはもう逆らうことなど出来ない。
眠ったりアを起こさぬように、アレンは不承不承ながらも寝台の足に凭れかかった。

「………………一剋が過ぎたら起こせ。それで交代だ……」
「わかりました。必ず起こします…………それでは、お休みなさい…」

ゆっくりとその瞳を閉じるアレンの姿を確認すると、トルネコは窓の外に視線を向けた。
ややもしないうちに、彼の背後からは二つの寝息が聞こえ始める。
強がっては見せたものの、やはりアレン体力は限界に近いところまで酷使されていたのだろう。

その家が、ロトの勇者を生み出した家だと言う事を知らずに…。
数百年後に彼女の子孫と対峙する事になる竜王と、彼女の血脈に連なる姫は深く深く眠っている。

窓の外では、月にかかった暗雲を、吹き荒ぶ風がバラバラに散らしていった。

719 姫の決意 竜の怒り 商人の思い 7/7 :2006/07/16(日) 01:29:17 ID:hsz5z07I
【E-04/アリアハン城下町 勇者の家/真夜中】

【トルネコ@DQ4】
[状態]:HP3/5 軽い火傷 打撲
[装備]:氷の刃 無線インカム
[道具]:まほうのカガミ 引き寄せの杖(4) 飛びつきの杖(4) 
    支給品一式×3ワイヤー(焦げて強度は弱くなっている)
[思考]:二人を休ませながら見張りをする アリスや他の参加者に危機を伝える

【アレン(竜王)@DQ1】
[状態]:HP4/5 MP2/3
[装備]:竜神王の剣 まふうじの杖 風のマント
[道具]:プラチナソード ロトの盾 ラーの鏡 首輪×2
[思考]:今は休む この儀式を阻止する アレンの遺志を継ぐ

【リア@DQ2サマルトリア王女】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:世界樹の雫 支給品一式
[思考]:マリアに会って風のマントを返す ゲームには乗らず、精一杯抵抗する

720 ただ一匹の名無しだ :2006/07/16(日) 02:18:11 ID:rrEmHjwY
いくらなんでもアレンが回復しすぎ、HPもMPも
あと飛ぶことに通じている、という理由でアレンに風のマントを使わせたのに
流されちゃいました、というのはどうなんだろう
グズグズしてるわけには行かないとか無駄な時を過ごすわけには行かないとか言いながら
最後に取る行動が休息というのも釈然としない
それやるくらいなら前回でやってるだろうし、宿に他者がいるのを確認してする行動かな?

基本的に前回までのSSの流れ無視してるような印象

721 ただ一匹の名無しだ :2006/07/16(日) 02:53:11 ID:FS8Nmfus
リアは昼間眠りまくっててバズズ戦の後もずっと寝てたり休憩したりして
前半であれだけの決意並べ立てた上でバタンキューというのは少しおかしいと思います。
竜王も休息を取らずに無理を押して移動した先で取る行動が睡眠って……。
文章自体に問題はないけど全体的に展開の流れが変に感じます。
それにトルネコは危機を他の参加者に伝えに来たのではなかったの?

予約された時に嫌な予感はしてたけど、ああやっぱりアリスと会わせたくないだけか、
という感想。

722 ただ一匹の名無しだ :2006/07/16(日) 03:06:57 ID:e1eyam9E
ん、まぁお膳立ての整った大きいイベントがあからさまにスルーされたのはかなりがっかり
この部分は別に矛盾ってわけじゃないけど、アレンが回復しすぎな点は俺も気になった
この時点じゃMPは0のままか微量くらいでしょ

723 ただ一匹の名無しだ :2006/07/16(日) 08:48:47 ID:qVB3txqE
HPは2/5がしっくりくるかな

724 713-719 :2006/07/16(日) 10:24:38 ID:YJcBn7iU
意見ありがとうございます。
>>713-719は無効ということにしてください。
色々とすみませんでした。

725 ただ一匹の名無しだ :2006/07/16(日) 19:51:49 ID:WGIKrmvA
念のために、本スレの方にも破棄宣言宜しくお願いします。

726 ただ一匹の名無しだ :2006/07/16(日) 21:12:02 ID:RGRvkfOY
文章は良いだけに勿体無い。
次回に期待〜^

727 竜の願い :2006/07/21(金) 22:12:48 ID:jdLxY6CI
竜に乗る姫と魔法使いは一人の兵士が休んでいるレーベの村に入っていった。
そして荒れ果てた村の様子を見た。
「ひどい、何があったのでしょう?」
「戦闘があったのであろう、それしか考えられない」
崩壊した村を見まわしてゴンはローラに言った。
「さすがにここには人はいないのではないですか?
 私は早く休みたいのですが・・・」
殺害計画を立てたサマンサは早く宿屋を見つけ彼らを休ませてその隙を狙いたかった。
「そうですね、私も疲れました。ゴンさん早く探しましょう。」
(やはり寝込みを襲うつもりなのか?しかし強く警戒していれば、奴も襲えないはず。
 だが、先の長旅のことを考えたら・・・奴は次第に体力を回復させ、恐ろしい存在に
 なるであろう。そう考えると奴を倒せるのは今しかない。)
 宿で休んで今夜は様子を見ようとしていたゴンは、180度考えを変え、
 今、ここでサマンサを討つことを決意した。

728 竜の願い :2006/07/21(金) 22:13:45 ID:jdLxY6CI
「ゴンさん、さっきから黙っててどうしたんですか?早くしないとサマンサさん
 みえなくなっちゃいますよ。」
サマンサはいち早く宿屋を見つけるべく先を行っていた。
「おい、お前はあっちを探せ。オレはあの女の方を探すから。」
 サマンサに勝って、竜王のところにローラをつれていくため、ゴンはローラを
なるべく危害がないように。しかしゴンは今はただ、純粋にローラを生かしたかった。
「わかりました。じゃ、見つけたら呼びに行きますね。」
ローラが自分のところに付いて来たがるのではないかと思っていたゴンだが、
予想外に一人で探すと言ってくれて幸いだった。
「いや、呼ばなくていい、もし見つけたらお前はそこで休んでろ。それから
 オレとあの女を探すな。何があってもだ。大きい音を聞いたりまぶしい光を見たりしてもだ」
「えっ? 、は、はい。でも何でですか?」
「早く!理由は後だ。早く宿を探しに行け!」
ゴンはたぶんローラと会ってからこれほど怖い顔などしたことはないだろう。
ローラはそんなゴンの意志をうすうす感じ取ったのであろうか
コクンと頷きサマンサが探しに行った逆方向へ宿を探しに行った。
(どうか無事でいてくれ)そう思いながら、ゴンは去っていくローラを見守っていた。

729 竜の願い :2006/07/21(金) 22:14:29 ID:jdLxY6CI
ローラが見えなくなるとゴンはすぐにサマンサの方へ駆けていった。
そしてサマンサの後ろ姿を捕らえた。
ゴンの気配に気づいたらしくサマンサが振り向く。
ゴンとの距離は30Mぐらいだった。
「ちょうどよかった、ここ、宿屋みたいなんですよ。さぁ、休みまんか?・・・」
サマンサはどうもゴンの様子がおかしいことに気づいた。
まず、ローラがいないこと
次に口を大きく開け、口の中に赤い光があること、
これでサマンサは全てを悟った。
「ひのいき!」
間一髪サマンサはいきをかわした。
「何をするんですか?」
「とぼけるな。俺たちの寝込みを襲うつもりだろ。」
「ばれてましたか・・・見てのとおりこの身体では貴方を倒すには分が悪い。
 なので先にあのお連れの女の方を殺さして頂きます。そして私はいったんこの村から身を引きます」
「ほう、やってみろ。あの女を殺すにはまずオレを殺さなければならないはずだ。
 オレはここから先を通さない。」

730 竜の願い :2006/07/21(金) 22:15:28 ID:jdLxY6CI
「では、あなたこの村のどこかに消えてください。」
そういうとサマンサは杖を天にかかげた。
バシルーラの杖 敵を違う場所へ転送させる杖
        だが、転送させられる距離はあまり広くはない。
しかし、今のサマンサにとって、一時的にゴンがどいてくれればそれでいいのだ。
「な、なんだ、この光?」
ゴンはまばゆい光とともにこの町のどこかに転送させられてしまった。  
サマンサは消えたゴンのいた場所を見て高笑いした。
「ははは、愉快ですね。では、あの女を探して殺すとしましょうか。」

731 竜の願い :2006/07/21(金) 22:15:59 ID:jdLxY6CI
〜〜〜〜〜
(ぐっここはどこだ?わけのわからぬ場所に飛ばされてしまった。一刻も早くあの女を止めなければ
 ならん。)
ゴンはバシルーラの杖で先ほどの場からすぐの宿屋のベッドの上に飛ばされていた。ゴンは宿屋の窓を見
た。さっき自分のいた場所が見えた。ゴンは自分の立場が理解できた。まだ、あの女に追いつけると
そう思い、すぐさま宿屋から出ようとすると、一人の兵士がゴンへ近づいてくる。
「誰だ?」「誰ですか?」
一匹と一人の声は全く同時に木霊した。
しばらく沈黙が流れた。
(この男がゲームにのっていたらどうする?いや、今はそんなことを考えているばわいではない)

732 竜の願い :2006/07/21(金) 22:16:48 ID:jdLxY6CI
思い切ってゴンは言葉を切り出してみた。
「お前はゲームにのってないのか?のっていなかったら、頼む。オレと一緒に来てくれ。
 倒したい奴と守りたい奴がいるんだ。」
再び沈黙
(やはり、そんな都合よくはいくないか、今思えばドラゴンの頼みなど聞いてくれる人などいないだろう)
とゴンが思っていたときに
「暗くてよくわからなかったんですが、あなたはドラゴンなんですね。僕は竜の血をひいています。
 だから、分かるんです。あなたの気持ちが・・・この身体でどこまで戦えるか分かりませんが
 一緒に行きましょう。」

733 竜の願い :2006/07/21(金) 22:17:38 ID:jdLxY6CI
〜〜〜〜〜
丁度そのときサマンサは宿を探しているローラ姫を見つけた。
気配に気づいたらしくローラもサマンサに気づいた。
「あ、サマンサさん宿は見つかりましたか?」
「ええ、あなたのすぐ後ろにある建物がそうですよ。」
「えっ?これ宿屋なんですか?」
ローラが振り向いた。サマンサに背を向けてしまった。
(さて、こんな小娘下級呪文で十分ですね)
「メラ!」

734 竜の願い :2006/07/21(金) 22:18:33 ID:jdLxY6CI
「あれ〜、サマンサさん、宿屋らしきものなんて無いですよ?」
とローラがサマンサの方を向いた。ローラは向かってくる火の玉の存在に気づき何とかよけようとした。
しかし、火の玉はローラの左腕に直撃した。
「く、サマンサさん、あなた何をするんですか?」
ローラは左腕をおさえ苦痛の表情でサマンサに語りかけていた。
「このゲーム、何をしてもいいんですよ、だまされる方が悪いんです。それにあなたが
 言ったんですよ。“一緒に参りません?”て。」
(だからゴンさんは少し様子が変だったんだわ。サマンサさんの邪気に気が付いていたんですね。)
「ゴンさんはどこですか?」
「あのドラゴンならこの町のどこかにいるはずです。もっとも、あなたを殺したら私はすぐに
 この村からでて、あのドラゴンとは体力が全回するまで会わないつもりですけどね。
 私は急いでいます。だからもうあなたを殺します。『メラ』」

735 竜の願い :2006/07/21(金) 22:19:20 ID:jdLxY6CI
火の玉はまっすぐにローラのもとへ飛んでいく。ローラは覚悟を決めた。
(これは私の判断が間違っていた。だから、自分の責任だ。)と
そのときどこからともなく大きな物がローラの前に現れた。そして本来ローラに当たるはずであった
火の玉はその、大きな物に当たった。
「なに?、何者です。」
「中途半端な杖のおかげで助かったよ。移動範囲があんなにせまいとわな。隣の宿屋だったぞ。」
ローラの前に現れた物はゴンであった。
「ゴンさん!」
(く、宿屋とは・・・近すぎるぞ、この、馬鹿杖、しかしそれはたまたま、まぐれは
 二度はないはず。)
「せっかく助けに来てもまた飛ばされる運命なんですよ。」

736 竜の願い :2006/07/21(金) 22:19:54 ID:jdLxY6CI
そう言い。サマンサは杖を手に取った。
「今だ、エイト!」
「しっぷう突き !」
槍を構えたエイトは誰よりも早く一撃を繰り出した。
槍はバシルーラの杖を大きくはじいた。
「もう、無駄な抵抗はよしてください。」
槍を構えてエイトが言う。ゴンは口で杖を拾おうとするが、なかなか拾えないのでローラが杖を拾った。
そして、ローラはエイトに近づいていく。
「危ないところをありがとうございます。あなたは一体?」
「まぁ、まてよ、それよりこいつをどうするかだ。」
ゴンがのっし、のっしとサマンサに近づいていった。
(どうやら、後がないようですね。仕方がありません。
 勇者様、私には道連れしか残っていません。後は、頼みます。)
最後の力を振り絞り呪文を唱えた。
「イオナズン!」

737 竜の願い :2006/07/21(金) 22:20:49 ID:jdLxY6CI
「お前ら〜あぶない〜。」
ドゴォン、ドゴォン、ドゴォン
また、大きな物が今度はエイトとローラの前に現れた。しかし、
今度は、メラのような、下級呪文ではなく、イオナズンという魔法使いが使える最高ランクの呪文だ。
「ゴンさん!」
エイトとローラがゴンの所へいそいで駆け寄った。
「ぐ、早く離れろ。お、オレには、め、メガンテの腕輪が、は、はやく。
回復呪文は、もう、間に合わねぇ。」
「わ、分かりました。」
エイトはローラを抱え、村の出口へかけていった。エイトとローラの目には涙が走っていた。
「ゴンさんが、ゴンさんが死んでしまいます。助けてください!」
「僕だってつらいんです。ゴンさんは助けたい、だけどゴンさんは僕たちを生かすために、
身代わりになったんです。ゴンさんの行為を無駄にしたくないんです。
そして、僕はあなたを助けなければならない。
ゴンさんから聞きました。あなたはローラさんですね。ある人から伝言を預かってます。」

738 竜の願い :2006/07/21(金) 22:21:29 ID:jdLxY6CI
〜〜〜〜〜
「なぜ、あなたはあの二人を助けたのですか?一発のみ受けていれば、助かったんですよ。」
力を使い果たし、生きる気力もなくなって、ぐったり倒れているサマンサは今にも
事切れそうなゴンに向かっていった。
「に、人間でよぉ、初めて、おれ、の、ことを、好きになって、くれたやつ、と、
 おれのこと、を、理解して、くれた、やつを、な、なんとなく、たすけたかっ・・・た。
 だけ・・・さ。」
それが最後の言葉だった。村全体が爆発した。

739 竜の願い :2006/07/21(金) 22:23:27 ID:jdLxY6CI
レーベの村から大分離れた、場所に二人はいた。そして、爆音を聞き、レーベの村を見ていた。
「ゴンさん・・・」
ローラが膝をつき手で顔を覆った。
「すいません、ローラさん。こうするしかなかったんです。」
「いえ、気にしないでください。
 エイトさんがさっき言った言葉で私、思いました。
 ゴンさんは私たちに生きてくれるよう願っていることを。」
「そうですか。
 あ、さっき話したことなのですが、
 アレフさんという男の人から南に行くという伝言を
 預かっているんです。」
「え、まぁ、アレフが・・・すぐ行かなければ!」
「まずはその左腕を回復させましょう。それから、僕がアレンさんを探すのにお供します。」
 (そして、彼らと約束を果たすんだ。)

740 竜の願い :2006/07/21(金) 22:26:31 ID:jdLxY6CI
【B-2/レーベの村のはずれ夜中〜真夜中】
【エイト@DQ8主人公】
[状態]:HP2/3 左肩にダメージ 腹部と背中に打撃 MP2/3
[装備]:メタルキングの槍
[道具]:支給品一式 首輪 メルビンの支給品一式(不明二つ)
[思考]:アトラスを止める 仲間(トロデ優先)を捜し、護る
     危機を参加者に伝える ローラと一緒にアレフを探す

【ローラ@DQ1】
[状態]:左腕に火傷(軽傷)
[装備]:光のドレス
[道具]:ロトの剣 支給品一式
[思考]:エイトと一緒にアレフを探す ゲームを脱出する

【ゴン@DQ1 死亡】
【サマンサ@DQ3 死亡】  
【残り16名】

※レーベの村にあるアイテム等は爆発で吹っ飛びました。

741 ただ一匹の名無しだ :2006/07/21(金) 22:29:39 ID:jdLxY6CI
以上新作です。バシルーラの杖についてですが、
トルネコの時の効果を考え
フィールド全体では
範囲が広すぎると思うので
街、村ぐらいの範囲を移動させれる
ということにしてしまったのですが。

742 ただ一匹の名無しだ :2006/07/21(金) 22:45:45 ID:TXhT8GC.
広さを限定しなくても良いと思う。
ヒミコが城付近に飛ばされた時を考えると狭くても広くてもOKかと。

743 ただ一匹の名無しだ :2006/07/21(金) 23:43:49 ID:n8MtzPMM
乙。
誤字脱字が多くて気になった。
あと「」の最後の。は消した方がいい。

744 ただ一匹の名無しだ :2006/07/22(土) 08:19:31 ID:ySicXNMI
本当にこのまま投下するのか?

745 ただ一匹の名無しだ :2006/07/22(土) 09:43:36 ID:59Wl69so
確かに、クオリティは求めないと言ってもあまりにひどい気がする。
誤字脱字もだけど他にもいろいろとさ。
もうちょい勉強した方がいいとオモ。

746 ただ一匹の名無しだ :2006/07/22(土) 13:02:19 ID:m316G5bY
なんかキャラクターの行動が明らかに急いてるしおかしくなってないか?
文章モロ稚拙だし…
頑張ったとは思うが無効では?

747 ただ一匹の名無しだ :2006/07/22(土) 13:09:41 ID:0aSrr8pQ
んー気持ちは解らないでもないが……そういうことすると
クオリティを求めないという謳い文句が完全に有名無実化するんじゃ……

748 ただ一匹の名無しだ :2006/07/22(土) 13:48:36 ID:59Wl69so
ゴンがサマンサを殺そうとする理由が薄い。
ゴンはサマンサのことを完全に疑ってた訳でもないし、
サマンサがゲームに乗ってるという確たる証拠もない。
疑ってるならサマンサを宿屋で見張ってるだけでもいいし。
流石にこれはちょっとなあ…。
クオリティ云々の問題じゃないと思う。

749 ただ一匹の名無しだ :2006/07/22(土) 13:57:37 ID:0aSrr8pQ
うん、そういう指摘なら問題ないと思うの
でも文章力を理由にするのはよっぽどのものでない限り不味いかな、と

750 ただ一匹の名無しだ :2006/07/22(土) 19:17:28 ID:X2rL/2H.
意見ありがとうございます。
初書きで、いろいろ、問題があったことをわびます。
文は無効という形を取ります。まだまだ、勉強すべき点が多いようです。

751 ◆rXdSppatTo :2006/07/23(日) 20:41:51 ID:6TRh3YUo
⇒いちじとうかさせろ

752 死者の願い、生者の想い 1/7 :2006/07/23(日) 20:42:35 ID:6TRh3YUo
「どうやら無事に着いたようだな」
アレンがリアに脱いだ風のマントを渡しながら言い、それにトルネコがええ、リアがはい、と答える。
アリアハン北の草原。風に進路を狂わされることもなく、彼らは当初の予定の場所に降り立った。
「…どうやら、ここには誰もいないようですな」
トルネコが言ったその時、微かに何かが聞こえた。
「アレンさん、今…」
「…分かっておる」
「お馬さんの声……?」
それは酷く弱々しい、馬の鳴き声。
――ヒヒーン、ヒヒーン…
もう一度、聞こえた。
「あちらの方からだな」
アレンが言い、三人は鳴き声のする方へと歩みを進めた。


暗くて寒い。私は一人で佇んでいた。
此処は何処?感覚がぼんやりと、靄がかかったようにはっきりしない。
一体、私はどうしてしまったのだろう。
「……アリス?」
ふと、懐かしい声が聞こえた。もう会える筈のない、仲間の声が。
「ん、やっぱりアリスだったさね」
後ろを振り返ると一人の女性がいる。長く青い髪を持ち、特徴的な喋り方をする彼女。
……間違いない。
「フィオ……」
死んだ筈のフィオがいる。この世に存在しない死者がいる。
ならばここはこの世ではなくあの世、死後の世界というものだろうか。
……私も死んでしまったのだろうか。
「ん、心配しなくてもいいさね。あんたはまだ死んでない」
そんな私の心を見透かすかのようにフィオが言い、更にこう続けた。
「…だから早く帰んなさい」

753 死者の願い、生者の想い 2/7 :2006/07/23(日) 20:43:10 ID:6TRh3YUo
そこには数人の屍が無造作に転がっていた。
「ひっ……」
リアが小さな悲鳴を上げる。
「……む、あの馬…」
アレンが呟く。
俯せになっている一人の少女の傍らに、恐らく先程から鳴いていたであろう馬がいた。
アレンはその血塗れの少女に近付く。
「……一、二、三、四…四人……酷い有様ですな…」
トルネコがやり切れない、といったように口を開き、
「……待て、トルネコよ。四人ではない」
アレンが少女の顔を覗き込みながら言った。
「三人だ」


「言われなくたって帰りますよ。私にはやらなきゃいけないことがあるんですから!」
「ん、それでこそアリスさね」
一旦間を置いて、
「…生きとし生ける者は必ず死ぬ。要するに皆、最後は必ずここに来るさね」
フィオがそう言って、
「姐さん」
「お姉さん」
声のする方を見やると、カンダタとレックスくんが立っていた。
……私が守れなかった人達だ。
泣きそうになるのを抑え、私は自分に言い聞かせる。
(アリス、貴方はロトの勇者ですよ?うろたえない……ロトの勇者はうろたえない……)
そんな私を見てびっくりしたように二人が言った。
「あ、姐さん……どうしました?」
「お姉さん……?」
「……嬉しいんですよ」
「へ?」「え?」
「貴方達にまた会えて嬉しいんですよ!」
流れる涙が頬を伝う。
カンダタとレックスくんはきょとんとこちらを見ている。
そしてレックスくんが口を開いた。
「お姉さん、僕達もすごく嬉しいよ。…でもね……お別れしないと、いけないんだ」

754 死者の願い、生者の想い 3/7 :2006/07/23(日) 20:43:52 ID:6TRh3YUo
「へ?」
間抜けな声を出すトルネコを余所にアレンが続ける。
「この娘はまだ死んではおらぬ。…相当危険ではあるがな」
「だったら、早く助けないと…。……もう、誰かが死ぬのは嫌…」
今にも泣きそうな声で必死に話すリアにアレンが問い掛ける。
「…リアよ、もしこの娘がゲームに乗っていたらどうする気なのだ?」
そう言われると、確かに数人の屍の中でただ一人生き残っている彼女は怪しい。
彼女がゲームに乗っていないという証拠はない。
暫しの沈黙。そしてリアが口を開く。
「それでも……それでも私は助けたいです。……助けない方がきっとずっと後悔するから」
アレンを真っ直ぐに見つめるその目に、秘められているのは決意。
「そうか」
少し間を置いてアレンが言う。
「……ならば好きにするがいい。もともとそれはぬしのものだ。ワシがどうこう言うものでもあるまい」
アレンが了承した理由はもう二つあった。
一つは、例え彼女がゲームに乗っていたとしても、そのときは倒すだけだと考えたから。
もう一つは、彼女が自分を滅ぼした者と自分が殺してしまった者にとてもよく似ていたから。
「アレンさん…」
リアはアレンに有り難うございます、とだけ言って、満身創痍の少女の口にゆっくりと世界樹の滴を飲ませた。


「……そういうことさね」
フィオが私の向こう側を指差しながら、
「ほら、あっちに光が見えるだろ?あそこに行けば帰れる。…けど」
今度は私の目を見つめて言う。
「…行くとき、絶対に振り返らないように。……二度と帰れなくなるさね」
フィオの言葉に私は頷き、
「…フィオ、カンダタ、レックスくん。……さようなら」
それだけ言って後ろを向いて歩き出した。
「姐さん」
不意に、カンダタが私の名前を呼んだので思わず振り返りそうになる。
カンダタもそれに気付いて、
「あ、すいません…」
こう続けた。
「……またいつか会いましょうや」
私は何も言えないまま、光の方へと歩んで行った。

755 死者の願い、生者の想い 4/7 :2006/07/23(日) 20:44:22 ID:6TRh3YUo
「あ…?」
世界樹の滴を飲ませて少ししてから少女が目を覚ました。
少女は辺りをきょろきょろと見回し、自分が助けてもらったことを理解した。
「貴方方が…私を……?」
少女の問いにアレンはふん、と鼻を鳴らして、
「ワシは何もしておらぬ。礼ならそこの小さき娘に言うが良い」
そう言われて、少女は自分を見つめている幼い少女を見て、
「有り難うございます」
心の底からお礼を言った。
リアは恥ずかしそうに顔を俯かせて、とても小さな声で「どういたしまして」と言った。
そして、四人の簡単な自己紹介が終わり、アレンがこう問うた。
「さて、アリスよ。説明してもらおうか。此処で何があったのかを」

アリスの説明を、アレンは頷きながら、トルネコとリアは悲痛な面持ちで聞いていた。
トルネコが盗聴のこととアリスがハーゴンの部下に目をつけられていることを、
アレンが首輪のことをアリスに伝える。勿論、地面に書いて、だ。
『成る程。よく分かりました』
アリスが続ける。
『私の考えなのですが、恐らくこの世界は作り物です。
私はアリアハンに住んでいましたが、此処は本物のアリアハンとは少し違います。
ハーゴンが作った世界なのでしょう。作られた世界ならば脱出する方法もきっとあるはずです』
アレンとトルネコが首肯した。
「あ、そうです」
いきなりアリスが声を出したので三人は少したじろぐ。
「お願いがあるのですが」

756 死者の願い、生者の想い 4/7 :2006/07/23(日) 20:45:03 ID:6TRh3YUo
闇によって漆黒に染められた草原。そこには墓が五つ。
「ここなら安心して眠れるでしょう」
アリスは呟いた。ハッサンの、テリーの、レックスの、何も残っていないけどカンダタの、そしてヒミコの墓。
「…解せんな」
アレンの声。
「何故その女の墓まで作った?」
「……彼女もまた、このゲームの犠牲者です。
今は物言わぬただの屍。死してなお責め続ける必要はありません」
アレンもトルネコもリアも、黙って彼女の言葉を聞いていた。

(皆さん、…道具、お借りします)
散らばっている、元々は死者たちのものであった道具を拾いながら、
「…あ、そうでした」
思い出したように言って、アリスはアレン達に向き直ると、頭をぺこりと下げた。
「私の命を助けてもらったばかりでなく、我が儘まで聞いて下さったこと、本当に感謝しています。
…有り難うございました」

回収した道具をそれぞれを仕分けする四人。
「リアちゃんはこれをどうぞ」
ロトのしるしを差し出す。
「いいんですか?」
「いいに決まっています」
アリスが笑って答える。
「このマントはぬしが装備するがいい」
そう言うアレンが差し出したのは王者のマント。
「え?でも…」
「い い か ら 装 備 し ろ」
「はい…」
本来、竜王であるアレンにこそふさわしい装備。
だがアレンは竜であり、普通の人間よりは丈夫だ。
生身の人間であるアリスに装備させるべきだと判断したのだ。
結果、隼の剣と王者のマントはアリスに、ロトのしるしはリアに、
それ以外のものはアレンとトルネコが分担して持つことになった。

757 死者の願い、生者の想い 6/7 :2006/07/23(日) 20:46:04 ID:6TRh3YUo
「アリスお姉さん、もう大丈夫?」
リアが心配そうに聞く。
「大丈夫ですよ、リアちゃん。ほら、こんなに元気です」
腕を曲げて力瘤を作ってみせる。
「わー!アリスお姉さんすごーい!」
思わず拍手するリア。
「ではそろそろ行くか。時間が惜しい」
「ええ。そうしましょうか」
アレンが言い、アリスが答える。
「ぬしらはその馬に乗っていくがいい」
「女子供を歩かせる訳にはいきませんからね」
アレンとトルネコが言った。気を使ってくれているのだろう。
アリスは好意に甘えることにした。

「…リアちゃん、しっかり掴まっていて下さいね」
「は、はい…」
馬に乗り、そう言うアリスにリアが少し怯えながら答える。
……カンダタが引いてくれた手綱を、今度はアリスが引く。
(私は頑張りますよ)
アリスは真っ暗な空を見つめる。
(今度こそ守って見せます。だから見ていて下さい)
星が一つ流れた。

758 死者の願い、生者の想い 7/7 :2006/07/23(日) 20:47:17 ID:6TRh3YUo
【D-4/アリアハン北の平原/夜中】

【トルネコ@DQ4】
[状態]:HP3/5 軽い火傷 打撲
[装備]:氷の刃 無線インカム
[道具]:まほうのカガミ 引き寄せの杖(4) 飛びつきの杖(4) 
    支給品一式×3 ワイヤー(焦げて強度は弱くなっている)  まだらくも糸 魔物のエサ イーグルダガー
[思考]:アリアハンへ向かう 他の参加者に危機を伝える

【アレン(竜王)@DQ1】
[状態]:HP2/5 MP0
[装備]:竜神王の剣 まふうじの杖
[道具]:プラチナソード ロトの盾 ラーの鏡 首輪×2
     折れた皆殺しの剣 聖なるナイフ 隼の剣 破壊の鉄球
[思考]:アリアハンへ向かう この儀式を阻止する アレンの遺志を継ぐ

【リア@DQ2サマルトリア王女】
[状態]:健康 馬上
[装備]:ロトのしるし(聖なる守り)
[道具]:支給品一式 風のマント
[思考]:アリアハンへ向かう マリアに会って風のマントを返す

【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:健康 馬上 手綱を引いている
[装備]:隼の剣 王者のマント
[道具]:支給品一式
[思考]:アリアハンへ向かう このゲームを止める 悪を倒す

投下完了しました。
問題がありましたらどうぞ。
ちなみに>>756は4/7ではなく5/7です。間違えました。

759 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 20:49:37 ID:cwzVEz06
基本はいいと思う。
でも世界樹の雫は振りまいて仲間全員に使うものだから飲ませるは違う。
前話でもアレンは使うときは相伴に与ると言ってるし。

それと竜王とアリスが二人とも隼の剣を持ってる。多分どっちかがさざなみの剣の間違い?
あとなんかアリスは北の森に隠してきたクリフトのこと忘れてない?

760 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 20:50:29 ID:IAvVz05U
投下乙です。早速ですが一つだけ。
「伸ばした腕は空を切り」の時間区分が夜中〜真夜中なので
これだとファルシオンが時を遡ってしまいます。

761 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 20:51:56 ID:cwzVEz06
あ、あとファルシオンはマリアがアリアハンに連れて行ってるからアリスの側に居るのはおかしい。

762 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:00:18 ID:SEsYhd8s
乙です!
修正点はいろいろあるみたいですが基本的な流れは問題ないと思います
あとアリスは眠ったと言っても1、2時間くらいなのでMPまで全回復はないんじゃないですかね
1/2くらいが妥当かと

763 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:16:56 ID:b6RENsRY
>>761
ファルシオンが、アリスの所へ行くのは前の話の展開上、問題なしですよ。
時間は、微妙な気がしますけど。

それと、フィオ、カンダタの登場に感動しました。
乙です。

764 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:19:34 ID:cwzVEz06
>>763
いや、夜中の時間帯だとまだ宿に繋がれてるはず

765 ◆rXdSppatTo :2006/07/23(日) 21:28:44 ID:NfSYk4ds
おう。問題ありまくりでしたね。
してて良かった、一時投下!
時間を真夜中に変更します。
世界樹の滴を飲ませるを振りまくに。
全員回復は流石に強力すぎるからこのままでいいでしょうかね。
アレンの隼の剣をさざなみの剣に。
あとはクリフトのことを思い出させておきます。
明日には投下したい…。

766 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:28:55 ID:TN3sa1LQ
時間帯、アイテム効果と所持を修正したらOKかな、GJっす。
死者が話しに食い込むとどうも泣ける…

767 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:33:17 ID:cwzVEz06
> 全員回復は流石に強力すぎるからこのままでいいでしょうかね。
消費アイテムに制限はないはずだからそれは不味くね?

768 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:34:23 ID:TN3sa1LQ
あ、『夜に飛ぶ』が夜中の話なので、真夜中まで飛行していたのかが疑問。
アリスを見つけるまでの時間とズレがあるのでは?
タイムラグ描写をいれればいいだろうか。

769 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:34:35 ID:icp3zy7M
乙です。
雫で軽く全快ということで、正直ヒミコが浮かばれないな〜と思いましたw
一応アリスも人間ですし、後遺症とかを残す方向を取っても悪くない気も。

あとMPまで全快してることについては前の方も指摘されてますが、さすがに雫の効果の範囲外でしょうね。
その回復量ですが、あの重傷だと気絶してる間は生命維持が手一杯っぽくて、MPまで回復してる余裕があったか疑問。
なのでMPのほうは回復ナシで0のままでもいいんじゃないかと思いますが。

770 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:37:36 ID:cwzVEz06
ファルシオンも街からの移動時間があるしね
アリアハンに向かって歩いてたらファルシオンが走ってったのでそれを追いかけたら見つけた、
というのはどうだろう

771 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:41:36 ID:DBWEkipc
投下乙。
どうでもいいが洗ってないロトの印渡すなんてヒドスww
そういえば竜王もリアもロトに縁ある奴だよな…
気付いているのか?
そして何気に最も装備が充実中だ

772 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:57:32 ID:74ew8EWg
あー確かにリアと竜王には何かリアクションとって欲しいなぁ。
「ロト………もしかして私やお兄ちゃんたちのご先祖様の勇者ロト!?」
(…まさか、あの伝説の勇者ロトが、この様な小娘だったとは…にわかに信じられんな)

的に

773 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 21:59:22 ID:cwzVEz06
その辺は後でもできるから無理にこのSSに加える必要はないと思う

774 ◆rXdSppatTo :2006/07/23(日) 22:08:47 ID:NfSYk4ds
>洗ってないロトのしるし
やべ、忘れてたw

ロト云々は長くなりそうだったのでカットしちゃった。
「ロトの勇者」とは名乗っていないはずだし。
書き手さんにお任せで(無責任)
MPは0ですね。ミスが多いよう…。
改めて見ると穴だらけだ。
あとファルシオンは夜中に出たもんだと思ってました。
逃げたのが話の割と最初の方だったんで。

775 ◆rXdSppatTo :2006/07/23(日) 22:11:26 ID:NfSYk4ds
あとアリスにちょっと後遺症を残しときます。
ヒミコが無駄死にですからね。

776 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 22:12:25 ID:74ew8EWg
>>774
成る程、了解です。

777 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 22:19:32 ID:COgaSo/A
世界樹の雫は全員回復で頼むよ
単体回復なら万能ぐすりでいいんだしアイテムが違う意味がない
このまんまだと前回のトルネコとアレンの台詞が道化のようだ

778 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 22:22:22 ID:74ew8EWg
超万能薬か…あとはベリアルのザックの中のやつ
(焦げて使いようの無いものになっているかも知れないが)と
錬金釜で作るかしか無いな。

779 ◆rXdSppatTo :2006/07/23(日) 22:24:53 ID:NfSYk4ds
そうですね。確かに意味ないですね。
全員回復にします。
…最初、四分の一だけ使わせようと思ったのは内緒だ。

780 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 22:27:49 ID:cwzVEz06
いろいろいったが頑張ってくれ
本投下を期待しているよ

781 ただ一匹の名無しだ :2006/07/23(日) 22:28:16 ID:74ew8EWg
>>779
訂正版の本スレ投下をwktkして待ってます(・∀・*)

782 ただ一匹の名無しだ :2006/07/24(月) 05:26:27 ID:oZflT6E.
>>771
世界樹のしずくで洗ったんだ、きっと。

783 ただ一匹の名無しだ :2006/07/24(月) 08:29:35 ID:flAKNh5g
指摘されてるが、そこを直せば名作。みんな期待大だな。
勇者ロトの正体にはいい加減誰か気付いて欲しいが。
HP全員回復はいいと思う。mpはそのままなんだから。

784 ◆rXdSppatTo :2006/07/24(月) 14:18:21 ID:IZIrBMcY
投下して参りましたー。
皆さん本当に有り難うございました。
ここの人たちは優しいなあ…(ノ∀`)

785 ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 00:53:59 ID:bHS3r0ls
今から一時投下。

786 ◆9YHhPOm8w6 :2006/07/27(木) 00:54:52 ID:bHS3r0ls
荒れた村に、奇妙な来訪者が二人と一匹。
姫と、竜と、魔法使いと。
だが、それぞれの思惑は重なることはなく。
一人は皆の為、一匹は姫の為、一人は勇者の為。
それぞれが、それぞれの思いを秘めて村へとたどり着いた。
その村は、きな臭いような、血のような、異臭が漂っていて。
草木は焦げ、大地は焼けていた。
木々はなぎ倒され、大地は砕けていた。

「そんな…ひどい…」
「なんて有様だ…ひどく臭ェな…」
(…アリスは…良かった。ここには居ない様ですね)

サマンサが恐れているのは、勇者ロトの血がここで潰えること。
彼女を生かすためならば、自分は鬼にでもなろう。
その意思が、目の前の一人と一匹を始末する方法を練り上げる。
焦ってはいけないとはいえ、もう結構な数の死人が出ている。
アリスが死なない保障など、どこにも無い。
守らなければならない。これは、使命なのだ。
そのためにも、行動を起こすならば、迅速に行わなければ。
決断に、彼女は迫られていた。

…とはいえ。

(この体をある程度休めたほうが、いいですね)

ヒミコとの戦いの傷はある程度癒えたとは言っても、酷使した体は疲労し、魔力も減少している。
魔力搾取呪文『マホトラ』で奪い取る策も考慮していたのだが、出会った彼らには魔法の心得が無いときている。
彼女にはやはり、休息が必要であった。

787 お姫様と兵士一名リターンズ  ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 00:56:00 ID:bHS3r0ls
(策は、考えてあります。後は、準備が必要…隙を、狙わなければ)
「…ンサさん、サマンサさん」
「…あ…はい、何でしょう」
その殺害対象に思考を濁されて振り向く。
ゴンから降りて、どうやら休む場所を探したようだ。

「あそこに、崩れてない建物があります。そこで休みましょう?」
(あれは…)
指差す先には、いつかの冒険の最初に尋ねた、老人の家。
魔法の玉を開発していた偏屈な学者の家がそこにあった。
二階建ての家はなるほど、周りが荒れている中しっかりと建っている。
村を散策して宿を目指しても良いのだが、争いのあった村で迂闊に歩き回るのはまだ危険だと、ゴンは言った。
そういうわけで、ローラ一行はその家に隠れて様子を見つつ休息することにする。
しかし、残念なことに。

「…」
「あら、ゴンさん…お入りにならないの?」
「…小くて入れねぇんだよ、馬鹿」
「…あなたが大きいのでしょう」

もともと二階建てとは言っても小さな家屋、ドラゴンの巨躯はドアを潜れない。
その上、そのままでは一階の天井を突き破らんばかりだ。
仕方なく、彼は外での見張りを余儀なくされた。
(…まぁ、馬鹿女のあの服は、呪文を弾く。もしもあの魔法使いに襲われても、一撃で始末されたりする事ァないだろうが…気をつけるか)
疑わしい人間と二人きりにさせるのも気が引けたが、サマンサはナイフ等の武器の類は一切持っていなかった。
そのことから、人質に取られたりすることも無いだろうと考える。
だが、やはり何をされるか分かった物ではない。

788 お姫様と兵士一名リターンズ(仮)  ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 00:56:39 ID:bHS3r0ls
「…おい、ちょっと来い」
「あら?なんですの、ゴンさん」

ローラを呼び止める。
サマンサが意味ありげな視線でこっちを見ている。
向こうが何を考えているか分からないが、どちらとも取れた。
ヤツは、黒か…白か?
今はサッパリ分からない。
ともかく、自分は主に会うまでこのお姫様を無事に届けなければならないのだ。
溜息をつきつつ、ローラに囁いた。

(耳貸せ)
「え?」

近づくと、戦場には似つかわしくない、花のようないい香りが彼女の髪から漂う。
鼻腔をくすぐるその匂いにゴンは戸惑いながらも、あの魔法使いに対する『疑念』をはっきりとは出さないようメッセージを伝えた。

(…はっきりとは、言わないほうがいいよな)

あいつを疑っている、とでも言おうものなら、きっと「人を疑うなんて、そんなのよくありませんわ!サマンサさんがそんなことするはずありませんよね?」
と、本人であるあの魔法使いに問い詰めて、朝までループするか、魔法使いがいい加減ウンザリして戦いをおっ始めるかの選択肢しかなくなる…と踏んでいた。
ゴンは、やれやれだ、と面倒くさく思った。

(部屋の中で、何かあったら…すぐに俺の所まで来るんだ)
(はぁ…)
(わかったな?)
「ええ。わかりました、ゴンさん」

ぺこり、と一礼して彼女は階段を上っていった。

「…」

確かに、今の自分は疑心暗鬼になっているかもしれない。
ローラ姫のように、気楽に構えて(と言っていいのだろうか)行くのも必要ではないか、と思う。
だが、あの魔法使いの眼を見て言い知れぬ脅威を感じたのは事実だ。

(ただの女がするような眼じゃねぇ。あれは…腹括ってる眼だ。
人よりむしろ、俺ら魔物がするような眼…)

ゴンは見張りをすると言ったが、見張るのは彼女たちの動向であった。
彼は家の裏、木陰に座り込みながら、じっと二階を見据えていた。

789 お姫様と兵士一名リターンズ(仮)  ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 00:57:14 ID:bHS3r0ls
小さな家の二階にはそれなりの寝具が備わっており、休息するには丁度良い空間が広がっていた。
二人はそこで軽く食事を取った後に睡眠を取ることにした。
窓の外を見ると、木々の谷間から鋭い視線。
鱗の輝きからあのドラゴンとわかり、やはりかと思った。

(あのドラゴンは、うすうす感づいているのでしょうね。警戒されています)

はぁ、と溜息をひとつついて、寝台に潜り込んだ。
とにかく、傷ついた体と魔力の回復に努めよう。
魔力が足りなくなった時点で、私はもはや戦えない。
あの子を、守るためにも今は…休みましょう。

使命感と、慈愛とでも言うべきだろうか。
そんな気持ちが混ざり合いつつ、彼女は眠りに誘われていった。


どれくらいの時間が、経ったであろうか。
夜は更けに更け、真夜中となった戦場。
月は見えている、青白く光っている。
ゴンの鱗が薄く輝いて見える夜だ。
その鱗の持ち主は、眠ることなく警戒していた。

(…血の匂い、火の匂いはしないし、争う音も声もしない…何もなさそうだな)

ゴンは慣れない素振りで静かに立ち上がり、二階の窓から様子を伺う。
そこには寝台にすやすやと寝息を立てているローラ姫。
それと、空っぽの寝台が一つ。

(なッ!?)

790 お姫様と兵士一名リターンズ(仮)  ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 00:58:06 ID:bHS3r0ls
一瞬驚きによろめいた足元で、ガチャリと戸の開く音。
魔法使いは、そこにいた。
微笑を口元に添えて、夜の中に。

「…女性の寝ている寝室を覗くなんて、あまり感心できない行為ですよ?」
(…何、企んでやがる?)

その手にはザックが握られていた。
月光に照らされたその白い肌が妖しさを醸し出す。

「こんな真夜中に…どうした」
「いえ……一つ、お伝えしたいことがありまして」
「…奇遇だな。俺も、だ」
(この際、ハッキリさせておくか)

ゴンは本来の姿勢である四速歩行体勢を取って、サマンサの方へ向き直った。
あちらは、相変わらずの冷めた目線でこちらを射抜くように見つめている。
「ハッキリ言うぞ?テメェ何を企んでやがる」
「…心外ですね。私が何をしたというのですか?」
相手のペースに、はまってたまるか。
ゴンは語調を強め、さらに思惑を突き付ける。

「お前の眼は、覚悟を決めた奴の眼だ。例えば、俺達魔物が命がけで戦う瞬間のような」
「…」
サマンサは、僅かに眉根を顰めただけで聞き流す。
そしてゴンは、核心を突く一言を、一呼吸を置き尋ねた。

「─あの、馬鹿女も殺す気か?」

命を助けてもらった相手を。
とても親切にしてもらった、その人をも。
何かの考えがあってのことだろうか?
いずれにせy、ゴンは彼女との戦いの覚悟を決めて、尋ねたのだった。

「…ふふ。安心してください、私は彼女を手にかける気なんて、ありません」
サマンサは、微笑で返答を返した。
だが、ゴンはその月明かりに照らされた微笑から、我が身に迫る過去最大級の危険を感じた。
直接的な危険ではない、何かの陰謀を。

「彼女を手にかけるのは…あなたですよ」

791 お姫様と兵士一名リターンズ(仮)  ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 00:59:09 ID:bHS3r0ls
サマンサがすっ、と一歩踏み出した。
舌でで唇を湿らせて、詠唱を破棄する。
その瞳は、どこか優しく、悲しげで。
これから、目の前のドラゴンを自らの計略のため、弄ぼうと言うのだから。
だが、罪悪感に囚われてはいけない。
それが彼女の、使命だから。
(子鬼よ、囁け、掻き乱せ)
サマンサほどの呪文の使い手ならば、言霊に出さずとも意識するだけで呪文を放つことは可能。
この状況下における一匹のドラゴンには、荷の重い相手であった。
そして、呪文は発動する。

「『メダパニ』……」
「ぐ、が……っ!?」
ゴンの視界が朱に染まったり、蒼く染まったりして脳裏には歪んだ風景が浮かぶ。
何が起きたのか、理解する前に正常な意識は失われた。

「ガオオオオオオォォォォ!!!」

ゴンは、ドラゴンの本能を全開にして、咆哮を挙げた。
サマンサは踵を返してボソリと呟く。
「レムオル」
夜に溶けていくように、彼女の姿は消え去る。
これで、時間は稼げた。

792 お姫様と兵士一名リターンズ(仮)  ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 00:59:47 ID:bHS3r0ls
(後は…この叫びを聞いてやって来た彼女を、あのドラゴンが始末したのを見計らい…)
ドラゴンに、止めを刺す。
呪文を不用意にローラに放つのは危険と考えた彼女の計略であった。

「ゴンさんっ!?」
計略通り、彼女は現れてしまった。
周囲の物を薙ぎ倒しながら暴れまわるドラゴンに、計略の標的である彼女は駆け寄る。
だが、彼女の知る『ゴン』はそこにはいなく。
ただ一匹のドラゴンがいるだけであった。
その尾が唸り、華奢な体は弾かれる。

「きゃあぁっ!」
石畳に叩き付けられて彼女は呻く。
サマンサは物陰に息を潜めて、じっと観察していた。
光のドレスが泥に塗れ、おぼつかない足取りで、彼女は涙を堪えつつ逃げている。

ずき、と心が痛んだような気がした。
サマンサは、誰にも見えない体で首を一人横に振りその痛みを振り払う。

(一時の感傷には、惑わされない…私には、やらなければならない事がある)
意思は、固く、強かった。


「あっ!」

ローラが、小石に足を取られて地面に突っ伏した。
足音を響かせながら近づくドラゴン。
鋭い爪を閃かせ、右手が掲げられる。

「ゴンさん、やめてッ!!」
悲痛な叫びは届かず、その手は振り下ろされた。

793 お姫様と兵士一名リターンズ(仮)  ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 01:00:27 ID:bHS3r0ls
「ギラ!!」

響いた声と共に飛来する火炎。
顔面に命中して、狂わされた狙い。
爪は、空を薙ぐだけに留まった。

「大丈夫ですかっ!?」
「あ、あなたは…?」

突然の、乱入者。
槍を構えた青年が、姫を守るように立ちふさがったのだ。
サマンサは思わず身を乗り出し、眉を顰めた。
彼女には無いと思われていた、手痛いミス。
それは、この村に誰かが潜んでいて助けに入るという、少し考えれば分かる可能性。
もちろん、ゴンの戦闘能力の高さから誰かの邪魔が入る前に短時間で済むという考えがあるにはあった。
だが、甘かった。
計画に思わぬ邪魔が入り、サマンサは焦りの色を見せた。
青年は、勇敢かつ、手練のようである。
「今は、それどころではありません!!ドラゴンを、どうにかします!」
「ま、待ってください!!」

輝きを放つ槍を構え、ドラゴンと対峙するその青年。
しかし、守られるべき姫は、必死にその青年を止めようとした。
「どうしたのです!?このままでは…」
「ゴンさんの様子が、おかしいんです!突然、こんな…きゃあっ」
「危ないっ!」

会話は、吐き出された炎に遮られる。
青年は姫を抱きかかえるように転がり、その炎から逃れる。
ドラゴンは焦点の定まらない瞳で、二人を睨み付けた。
サマンサは、炎燃え盛る村の広場に一瞥をくれた後、見つからないようにそっと家まで駆ける。
振り返って確認すると、ローラの肩には自分のザックが掛けられている。
流石に、彼女の分まで奪うのは虫が良すぎる話だったか。
落ちていたゴンのザックをそっと拾い上げて、再び隠れる。
中身を、素早く確認。
入っていたのは、首飾りだろうか?装飾がちらりと見える。
暗器などが入っているのが理想だったのだが、まあ仕方が無いとザックを置いて息を潜める。

(…予定とは、多少の差異がありましたが…始末できるかもしれませんね)

竜と、姫と、立ちふさがる兵士。
そんな光景を、魔法使いは淡々と眺めていた。
優しい心を、闇で包み隠して。

794 お姫様と兵士一名リターンズ(仮)  ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 01:01:59 ID:bHS3r0ls
【B-2/レーベの村/真夜中】

【サマンサ@DQ3女魔法使い】
[状態]:HP3/4 MP3/5 全身に裂傷 
[装備]:バシルーラの杖(5) 奇跡の石
[道具]:支給品一式 鉄兜  ゴンの支給品一式 ルビスの守り
[思考]:タイミングを見計らい、とどめを刺すために待機
    勇者の血を守る

【ローラ@DQ1】
[状態]:健康
[装備]:光のドレス
[道具]:ロトの剣 支給品一式
[思考]:ゴンを止める アレフを探す ゲームを脱出する

【ゴン@DQ1ドラゴン】
[状態]:左肩に銃創(浅い) メダパニ(混乱中)
[装備]:メガンテの腕輪
[道具]:なし
[思考]:混乱


【エイト@DQ8主人公】
[状態]:HP2/3 左肩にダメージ 腹部と背中に打撃 MP3/4
[装備]:メタルキングの槍
[道具]:支給品一式 首輪 メルビンの支給品一式(不明二つ)
[思考]:目の前のドラゴンから、女性(ローラ)を助ける
     アトラスを止める 仲間(トロデ優先)を捜し、護る
     危機を参加者に伝える ローラに会ったらアレフの伝言を伝える

795 ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 01:03:02 ID:bHS3r0ls
タイトルは明日考えて、投下するつもりです。
明日まで疑問点、異議ありがあればどうぞ。

796 ただ一匹の名無しだ :2006/07/27(木) 01:09:22 ID:zJT7D6Fg
投下乙!!まさか同士打ちを狙うとは…考えたなサマンサ!

797 ただ一匹の名無しだ :2006/07/27(木) 01:13:11 ID:vQRJps5c
乙です。手に汗握る展開な上、じっくりとした慎重な進め方でGJなんですが…
「明らかにサマンサを警戒してピリピリして張り詰めてるであろうゴンに対し、メダパニが一発で効くのか」
っていうところだけ、気になったかな。

ただこれはメダパニの概念を「心の隙を突いて混乱させる」ものだと思ってる個人の主観によるものに過ぎないので、
いや普通に効くだろ?て意見が多いならそれに合わせます。

798 ただ一匹の名無しだ :2006/07/27(木) 01:30:07 ID:nVHxfCJo
投下乙です。私の意見も上に同じく
不意打ちや、油断している隙を狙ってならともかく
目の前で敵対宣言した直後のメダパニが効くのかは、ちょっと疑問かと

799 ただ一匹の名無しだ :2006/07/27(木) 02:37:37 ID:tIRazgAw
>サマンサほどの呪文の使い手ならば、言霊に出さずとも意識するだけで呪文を放つことは可能。
この状況下における一匹のドラゴンには、荷の重い相手であった

力量の差の描写あるし許容範囲じゃない?
それか「攻撃呪文を警戒していたらメダパニで意表をつかれた」的な感じかな。

800 ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 07:32:18 ID:LH7LnVvk
その辺りの描写をごっそり削ったら、ちょっと説明不足でしたね。
精神的に動揺した隙を突いた描写を追加しておきます。

801 >>791修正 ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 17:51:08 ID:bHS3r0ls
「なっ!?」
サマンサの言葉の意図が飲み込めない。
自分が彼女を殺すと、突拍子も無い発言に多少なりとも狼狽えたようだ。
好機。
逃すまい、とサマンサがすっ、と一歩踏み出した。
舌でで唇を湿らせて、詠唱を破棄する。

「!?」
ゴンは驚愕した。
サマンサの姿が闇に霞むように消えてしまったのだから。
いや、消えたのではない…
『見えなく』なっただけだった。
足元の草が、小さな音を立て踏み倒されている。
足跡となり、近づいてくる。
「姿を消す魔法か…子供騙しがっ!」
腕でいるはずの場所を薙ぎ払う。
容赦無しに放たれたその手は…空を切った。
「なっ…?」
「『ピオリム』です…初歩呪文ですよ?」
そう言われても、呪文が広く精通していない彼の世界では聞けない呪文であり、仕方が無い。
もちろんゴンにそんな事を考える余裕は無く、経験したことの無い相手に翻弄されていることによる焦りと、先ほどの発言での動揺が彼の心を隙間無く埋め尽くしていた。
(耳と鼻だけでこの速度を追うのは、さしもの竜族でも苦しいでしょう)
サマンサは、弾む息を堪えつつじわりじわりとゴンに接近する。
これから、目の前のドラゴンを自らの計略のため、弄ぼうと言うのだから罪の意識の一つや二つは感じる。
彼女はそれほど冷血な人間では、ない。
だが、罪悪感に囚われてはいけないのだ。
それが彼女の、使命だから。

(…子鬼よ、囁け、掻き乱せ)
サマンサほどの呪文の使い手ならば、言霊に出さずとも意識するだけで呪文を放つことは可能。
この状況下における一匹のドラゴンには、荷の重い相手であった。
(…!?いるっ!?)
(…ええ。いますよ?)
声は発していない。
だが、互いの思念は掴めた。
絶対的な『しまった』と絶対的な『決まった』とでも言おうか。
近い。ゴンは、密着しそうなほどに接近されていた。
それこそ、接吻でもされそうなくらいの零距離で、サマンサは一つ呟いた。

「『メダパニ』……」
「ぐ、が……っ!?」
ゴンの視界が朱に染まったり、蒼く染まったりして脳裏には歪んだ風景が浮かぶ。
何が起きたのか、理解する前に正常な意識は失われた。

「ガオオオオオオォォォォ!!!」

ゴンは、ドラゴンの本能を全開にして、咆哮を挙げた。
サマンサは踵を返してボソリと呟く。
「レムオル」
夜に溶けていくように、彼女の姿は消え去る。
これで、時間は稼げた。

802 >>791修正 ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 17:51:49 ID:bHS3r0ls
修正しました、今夜これで問題なければ本投下とします

803 ただ一匹の名無しだ :2006/07/27(木) 19:47:13 ID:vQRJps5c
残念だけどピオリムは僧侶が覚える呪文です。
魔法使いはボミオスですね。

804 ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 20:10:34 ID:bHS3r0ls
ぎゃああ
余計なことしましたね、修正します

805 ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 20:17:09 ID:bHS3r0ls
「なっ!?」
サマンサの言葉の意図が飲み込めない。
自分が彼女を殺すと、突拍子も無い発言に多少なりとも狼狽えたようだ。
好機。
逃すまい、とサマンサがすっ、と一歩踏み出した。
舌でで唇を湿らせて、詠唱を破棄する。

「!?」
ゴンは驚愕した。
サマンサの姿が闇に霞むように消えてしまったのだから。
いや、消えたのではない…
『見えなく』なっただけだった。
足元の草が、小さな音を立て踏み倒されている。
足跡となり、近づいてくる。
「姿を消す魔法か…子供騙しがっ!」
腕でいるはずの場所を薙ぎ払う。
「…ボミオス」
容赦無しに放たれたその手が、鈍る。
「くっ!?」
避けられた。
どうしたのか、体の動きが鈍い。
体が鉛でできているかのようで、重たい。
(…『ボミオス』が効いたようですね。これで…次は避けられませんよ)

ゴンは攻撃呪文を警戒して辺りを見回すが、攻撃は来ない。
経験したことの無い相手に翻弄されていることによる焦りと、先ほどの発言での言い知れぬ不安が彼の心を隙間無く埋め尽くしていた。

(…耳と鼻だけで見えない相手を追うのは、さしもの竜族でも苦しいでしょう)
サマンサは、弾む息を堪えつつじわりじわりとゴンに接近する。
これから、目の前のドラゴンを自らの計略のため、弄ぼうと言うのだから罪の意識の一つや二つは感じる。
彼女はそれほど冷血な人間では、ない。
だが、罪悪感に囚われてはいけないのだ。
それが彼女の、使命だから。

(…子鬼よ、囁け、掻き乱せ)
サマンサほどの呪文の使い手ならば、言霊に出さずとも意識するだけで呪文を放つことは可能。
この状況下における一匹のドラゴンには、荷の重い相手であった。
(…!いる!!)
(…ええ。いますよ?)
声は発していない。
だが、互いの思念は掴めた。
決定的な『しまった』と絶対的な『決まった』とでも言おうか。
近い。ゴンは、密着しそうなほどに接近されていた。
それこそ、接吻でもされそうなくらいの零距離で、サマンサは一つ呟いた。

「『メダパニ』……」
「ぐ、が……っ!?」
ゴンの視界が朱に染まったり、蒼く染まったりして脳裏には歪んだ風景が浮かぶ。
何が起きたのか、理解する前に正常な意識は失われた。

「ガオオオオオオォォォォ!!!」

ゴンは、ドラゴンの本能を全開にして、咆哮を挙げた。
サマンサは踵を返してボソリと呟く。
「レムオル」
夜に溶けていくように、彼女の姿は消え去る。
これで、時間は稼げた。

806 修正  ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 20:19:35 ID:bHS3r0ls
【B-2/レーベの村/真夜中】

【サマンサ@DQ3女魔法使い】
[状態]:HP3/4 MP3/5 レムオル(透明状態) 
[装備]:バシルーラの杖(5) 奇跡の石
[道具]:支給品一式 鉄兜  ゴンの支給品一式 ルビスの守り
[思考]:タイミングを見計らい、とどめを刺すために待機
    勇者の血を守る

【ローラ@DQ1】
[状態]:全身に軽い打撲 HP3/5
[装備]:光のドレス
[道具]:ロトの剣 支給品一式
[思考]:ゴンを止める アレフを探す ゲームを脱出する

【ゴン@DQ1ドラゴン】
[状態]:左肩に銃創(浅い) メダパニ(混乱中)ボミオス(速度低下)
[装備]:メガンテの腕輪
[道具]:なし
[思考]:混乱


【エイト@DQ8主人公】
[状態]:HP2/3 左肩にダメージ 腹部と背中に打撃 MP3/4
[装備]:メタルキングの槍
[道具]:支給品一式 首輪 メルビンの支給品一式(不明二つ)
[思考]:目の前のドラゴンから、女性(ローラ)を助ける
     アトラスを止める 仲間(トロデ優先)を捜し、護る
     危機を参加者に伝える ローラに会ったらアレフの伝言を伝える

807 修正  ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 20:20:16 ID:bHS3r0ls
度々修正すいません!今度こそ…

808 ただ一匹の名無しだ :2006/07/27(木) 22:07:45 ID:zJT7D6Fg
訂正乙です!
まだまだ色んな感想を書きたいけれど、それはまた本スレで!

809 ◆I/xY3somzM :2006/07/27(木) 23:31:37 ID:bHS3r0ls
投下完了しました、皆様有難う。
ここの人たちは本当に優しいなあ…(ノ∀`)

810 ただ一匹の名無しだ :2006/07/27(木) 23:38:31 ID:zJT7D6Fg
お疲れさまでしたー。
オチャドゾー(´・ω・`)つ旦~

811 ただ一匹の名無しだ :2006/07/29(土) 11:26:57 ID:wz2QFKYI
紳士淑女の皆様ごきげんよう。わたくしフローラでございますわ。
このバトルロワイアルの舞台に不本意ながら放り込まれ、はや一日にならんとしているわけですけれど。
大好きな恋人様、大事なお友達様にはお会いすることは出来ましたでしょうか?
それとも、無念にも死別なさってしまいましたでしょうか?
もしかしたら私が殺してしまったあの小娘たちにも仲間がいたのかもしれませんわね。
彼女たちの死が誰かを悲しませていたら申し訳ないのですけど…まあ、関係ないですわよね。
――どうせみんな、私に殺される運命にあるのですし。うふふ。

さて太陽が沈もうが月が輝こうがちっとも関わらず、私はずっと森の中を潜行しておりましたのですが。
さすがに暗くて視界が利かないということで、『千里眼の巻物』を使ってみましたの。
これは赤毛のザックに入っていたのですけど、お名前からして視力の強化が期待できるようでしたから。
数時間で切れる〜だとか、少々胡散臭いですけど、まあ物は試しといったところですわね。

……すらすらすらっと読んでみて、改めてあたりを見回してみたところ、その効力は確かのようでしたわ。
暗くて見えなかったはずの森の木々が、まるでお昼の時のように見えるようになったんですの。
あの赤毛も少しは役に立つじゃない。少しだけ、感謝してあげますわね。

そうそう、その千里眼のお陰で、まわりに道具が落ちているかも簡単ながらわかるようになりましたのよ。
おかげで闇と木だけで代わり映えのない景色から一転、退屈しませんでしたわ。
せっかくですし、歩きがてらそのときのお話でもさせていただきましょうか。

812 お嬢様は見た! :2006/07/29(土) 11:27:36 ID:wz2QFKYI
あれはちょうど、私が休憩の為を終えて、少ししたところだったかしら。
足元のほうに、何か機械のようなものが落ちていたのですわ。
はじめは新しい武器かしら?とわくわくしたものですけど、見ていくうちにすぐにそれは違うと分かりましたわ。
私の知るところによりますと、それはどうやら「通信機」と呼ばれる遠距離間で会話を行えるものでしたわ。
こう見えても私、修道院でしっかりと知識は身につけておりましてよ。
このような機械につきましても、あちらで読んだ文献の中にあったことはしっかりと記憶しておりましたわ。

ただどうにも、サイズが大きすぎまして。
こんな大きさではか弱きお嬢様の私はもとより、人間そのものがとても装着できそうもありませんでしたの。
それにこんな場所にポツンと通信機が落ちているというのは、あまりにも不審すぎましてよ。
もしかしたら通信を試みようとした瞬間に私の首輪がドカン、ということもあるかもしれません。
そう考えたら私恐くなってしまいまして。ついつい、ぽいっと投げ捨ててしまいましたわ。
まあどなたもあんなものに興味を持つことはないでしょうから、別に問題なかったですわよね?

――ただあれが本当に「通信機」であるとしたら。一体どのようなお相手と通信が可能だったのでしょう? 
あのしっかりした作りからしても、主催者さまとの連絡手段として使えたものなのかもしれませんわ。
それなら今すぐ命乞いをするとか、首輪を解除してくださいとかお願いしたほうがよろしかったかしら?
……ちっとも面白くございませんわ。
そんな他力本願なことをせずとも、全ての参加者を一人残らず殺してしまえばだけですもの。
どちらにしろ、あんなものは私には必要ないのですわ。

813 お嬢様は見た! :2006/07/29(土) 11:28:06 ID:wz2QFKYI
もうひとつは、ちょうど森を抜けんとしたところでのことですわ。
ようやく景色が変わった開放感に浸ったのも束の間、今度はツンとした嫌な臭いが鼻をつきましたの。
あまり気持ちの良い臭いではございませんで、すぐに血の臭いと分かったのですけれども。
でもそばに道具も落ちているようでしたので、しぶしぶその場所に向かってみたのですわ。

そこには上半身のはじけとんだドラゴンの死体と、そのそばに打ち捨てられたザックがございましたの。
ドラゴンといっても私に火傷を負わせたコンビのそれとは別人――この場合は竜かしら?のようでしたが…。

元々私は良家のお嬢様。血ですとか、死体ですとか、そんなものは無縁の世界を生きていた女ですわ。
いくらこの地でいくつかの死体を作らせていただいたとはいえ、あまりそういうものに慣れてはございませんの。
やはりというか、すぐに胃袋からこみ上げる不快感を確かに感じたので、すぐにその地を離れましたわ。

もちろんザックは頂かせていただきましたわ。泥棒?失礼ですわね、死人に口はございませんわ。
それに隣にあった斧はちゃんとそのままにしておきましたよ。
もっとも重そうでしたし、弾けとんだドラゴンの肉片が付着していたので気持ち悪かったからですけど。

それにしてもあれほど巨体なドラゴンを、あそこまで痛めつけるだなんて。
一体どんな方なんでしょう?手ごわい方なのは間違いなさそうですわ。
出来ればとっととくたばって欲しいところですけど……あら、はしたない。失礼いたしました。

814 お嬢様は見た! :2006/07/29(土) 11:28:41 ID:wz2QFKYI
血の臭いを振り切ったときには、再び森の中でしたわ。どうやら元来た道を戻っていたみたいですの。
でも拾ったザックにはずっしりとした重みがございまして、何かいいものが入っていると確信していましたわ。
……どうしてこれを、あのドラゴンを殺した相手が置いていったかということは気になりましたけど。

ザックをあけてみたところ、中から出てきたのは一丁の黒い箱でした。
どうやら既に自分が持っているものと同じような武器のようで、まさに大当たり。
形状は私のこれとは似ても似つかぬ大型で「ライフル」と呼ばれるものらしいですわ。
しかも通常の銃口の下にもわざわざ大きな弾丸「グレネード」と、それ用の銃口までつけてくださってますの。
とってもうれしかったですわ。こんな良い武器を私とめぐり合わせてくださるなんて!、って。

――ただ困ったことに肝心のライフルの弾が一つも出てきませんでしたの。
わざわざ弾だけ抜き取るだなんてことは誰もなさないでしょうから……この状態で支給されたのでしょうね。
ザックをひっくり返しても、マガジンのようなものも勿論出て来ずじまい。
どうやらこれはこの大きな弾一発だけしか打てず、あとはただの鈍器としてしか役に立たない代物でしたの。

これに気付いた時、ひどくがっかりしましたわ。
殿方からすれば鈍器としてでも使えれば十分でしょうが、何度も言いますが私は良家のお嬢様。
非力でか弱き乙女がこれを振り回したところで、その威力はたかが知れていますでしょう?
あ、でも先端に毒針をくくりつけて銃剣のようにしてみれば使えるかもしれませんわね。
役に立たない、というのは一応撤回しておこうかしら。

ところでこのライフルがあれば、私が修道院に居た頃に読んでいた本のワンシーンを再現できそうでしたわ。
『その綺麗な顔をふっとばしてやる!』でしたっけ。うふふ、懐かしいですわ。
と言っても、この大きな弾では原型を留められるかも疑わしいですけれど。

815 お嬢様は見た! :2006/07/29(土) 11:29:12 ID:wz2QFKYI
さてさて、お話している間に無事にレーベの村に辿りつけたようですわ。
お休みしたり、寄り道をしたりで、ずいぶんと時間を使ってしまいましたけど。

村の中から見えてきたのは、暴れるドラゴンとそれから逃げ回る女。そして殿方が一人と計三名。
ドラゴンの炎が燃え広がる広場からしても……まさしく。戦闘の真っ最中といえるようですわ。
良いタイミングで訪れることができましたわ。
他にもいくつか死体も転がっておりますし、やはりここではずいぶん面白いことが起きていたようで。
逃げたあの男こそいらっしゃらないものの、代わりによく見覚えのある方々がいましたので、よしとしましょう。
そのドラゴンと女――名はローラ、でしたっけ。
私のこの火傷を負う原因を作った憎き二人組……うふふ。
先ほどからさらに増してきた火傷の痛み。もしやあの方々との再会を予感していたからなのかしら?

でも、どうしてあのドラゴン自身がローラを襲っているのでしょう?
はじめからそのつもりだったのかしら?
それにしては、私を撃退した時のあの態度は演技には見えませんでしたのに……。

――ああ、なるほど。
少し離れたところにもう一人、この戦闘を傍観している者が居ますわね。
恐らくその者が、この戦いを演出している張本人なのでしょう。
となればあのドラゴンは呪いをかけられたか、それとも混乱させられているか、といったところかしら?
他者の力を利用して、自らの力は温存する……なかなかよろしい趣味をお持ちのお方ですこと。

816 お嬢様は見た! :2006/07/29(土) 11:30:02 ID:wz2QFKYI
 
さて、いかがいたしましょう。
今がローラたちにこの火傷の借りを返せる絶好の機会なのは間違いないですわ。
ここからイオナズンでもグレネードでも差し上げつれば、勝負は簡単に決まるはずですものね。
でもドラゴンと勝手に殺しあってくれるというなら――わざわざ私がでしゃばらなくてもかまわないのかしら?
あの者のように隠れて隙を伺い、漁夫の利を得るというのも悪くありませんわね。
まあ、どちらを選ぼうが、彼らがお亡くなりになる時間が速いか遅いかの違いでしかないのですけど。うふふ。


それでは、私のお話はここまでとさせていただきますわね。
申し訳ありませんが、ご覧の通り私もうそれどころではございませんの。ごめんあそばせ。

【B-2/レーベの村入り口/真夜中】

【フローラ@DQ5】
[状態]:千里眼 ゼシカに変化 顔から右半身にかけて火傷の跡 徐々に火傷から痛み(最後に治療を受けたのは12時頃)
[装備]:山彦の帽子  毒針 ベレッタM92(残弾15)
[道具]:変化の杖(観察済で変身可能*フィオ・ローラ・ゴン・アレフ・ルーシア・ゼシカ・エイト) 
     マガジン(装弾数15)×1 神鳥の杖 エッチな下着 M16ライフル(残弾0) M203グレネードランチャー(残弾1)
[思考]:レーベの戦闘にどう関わるか思案中 ゲームに乗る(ただしレックスのみ痛めつけて殺す)
     永遠の若さとリュカの蘇生を願う

※千里眼…適用中、周囲の参加者と落ちている道具が見通せます。日付が変わる頃には切れます。
※B−2の草原にドランゴの遺体と鋼鉄の斧が、B−3の森に無線インカムが放置されています。

817 ◆YO3pXcw7Kc :2006/07/29(土) 11:32:23 ID:wz2QFKYI
以上です。問題なければ夜にでも投下予定。
というか、アイテム情報の整理してて思い立った話だってのがばればれっすね…。

千里眼についてはトルネコではフロアー全体だったのでロワではエリアー全体と解釈しました。

818 ◆YO3pXcw7Kc :2006/07/29(土) 11:33:48 ID:wz2QFKYI
連レス。
エリアー全体ってほどでもないっすね。自分の周囲という解釈に訂正。

819 ただ一匹の名無しだ :2006/07/29(土) 12:19:27 ID:5yWVL4dw
乙。
一つ気になったのは、死体が転がっている〜という件。
レーベの死体はエイト達が安置したのでないはず。
他はあらかた問題無いと思う、GJ。

820 ◆YO3pXcw7Kc :2006/07/29(土) 19:11:05 ID:wz2QFKYI
ありがとうございます。

>レーベの死体はエイト達が安置したのでないはず。
うへ、そうでしたか…。サクっと改訂しておきます。

さて投下踏み切っていいのか判断に困る…いっちゃって大丈夫かな。

821 ただ一匹の名無しだ :2006/07/29(土) 19:16:50 ID:.M1fX1J2
投下乙です。一つ気になる部分があるのですが、
>でも拾ったザックにはずっしりとした重みがございまして、
ザックは「こんなに小さくて軽いのに、開いてみたらアラ不思議!空飛ぶベッドが」
みたいな一種四次元ポケットみたいなものなので、
重さに関する表記は無い方がいいと思います。

822 ◆YO3pXcw7Kc :2006/07/29(土) 19:40:30 ID:wz2QFKYI
ありがとうございます。

よくよく考えたら、ファルシオンとか重いどこの騒ぎじゃないっすね。
まあカンダタならヒイヒイいいながら運んでても絵になりそうですけど。

ではそこもサクっと改訂して、最終確認して投下してきますね。

823 ◆YO3pXcw7Kc :2006/07/29(土) 20:11:56 ID:wz2QFKYI
本投下終わりました。
ご協力ありがとうございました

824 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 04:34:02 ID:HnuW31As
マズイ…サマンサは内心焦りで一杯だった。
レーベでの戦闘で体力的にも精神的にも大きく消耗し、いつものような慎重とも言える冷静さが欠けていたのは事実だ。
また、こんな深夜に他の人間と遭遇するわけがないとタカをくくっていたのも事実だ。
だからといって、レムオルを唱えていないのは迂闊だった。
今の自分の体力、精神力を考えれば他の参加者と戦闘することは難しい。いや、事実不可能といえるほどだった。
相手は少女と男の2人。少女の方にはさしたる戦闘力は無さそうだが、男の風貌や落ち着き払った物腰からはかなりの使い手ということがうかがい知れる。
もし、ここで戦闘になったらサマンサの勝機は万に一つもないだろう。
考えろ…何とかしてこの場を乗り切るんだ…

825 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 04:34:39 ID:HnuW31As
このままこの2人がレーベに行くのはマズイ。あの姫は私がマーダーだと知ってしまった。そうなれば、私は殺されてしまう…
一瞬のうちに思いを巡らせていると、少女が口を開いた。
「あの…あそこの村で何があったかご存じですか?私たちはあの村の異変に気づいて一人でも多くの命を救うために向かっていたのです。」
サマンサはチャンスだ、と内心で小躍りした。
この少女は見た目通り世間知らずで青臭い理想を追い求めている。これなら、付け入るスキはある、と。
ただ、横にいる男の存在は不気味だ。この女だけで今まで生き延びてこれるはずがない。やはり、この男はかなりの使い手に違いない。
一瞬たりともスキや怪しい素振りを見せるわけには行かない。サマンサはゆるみかけた己のココロを戒める。
そして、呼吸を整えるフリをした一瞬で先ほどの出来事を整理、再構築して自分の都合のいいように作り替える。
どんな時でも冷静に、それが魔法使いの唯一の武器なのだから。

826 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 04:35:11 ID:HnuW31As
心配そうな視線の少女と今ひとつ表情が読めない男に対し、サマンサはゆっくりと語り出す。
自分は姫とドラゴンと一緒にあの村で夜明けをまとうとしていたこと。そこに青髪のマーダーが襲いかかってきたこと。大きな爆発はドラゴンのメガンテの腕輪が発動したためのモノ。自分は、命からがら逃げ出してきたこと。
「そ、それでそのお姫様は…」
神妙な面もちでサマンサに訪ねるフォズ。やっぱりか、とサマンサは自分の思惑通りに話が進んでいくのを感じていた。
「お姫様は私を魔法の杖でとばしてくれた後に何か草みたいなモノを飲んでたわ。それで、どこか遠くに脱出したんだと思う…」
そこで、今まで沈黙を貫いていたピサロが口を開いた。
「つまり、あの村はもはや無人、もしくはマーダーが生き延びているか、ということで良いんだな、女。」
よしっ。サマンサは内心ほくそ笑んだ。このままだとレーベに戻らないですむ。今は無駄な戦闘を避けて体力と精神力を回復させるのが先だ。
「ええ、そうね。危険性を考えるなら、あそこには近づかない方が良いと思う。流石に、あの爆発だったし青髪の女も無傷では無いでしょうけど…」
「そうだな、いらぬ危険を冒す必要はあるまい。」
ピサロはそう結論づけると、かねてからの懸案だった事を訪ねてみた。
「女、お前は魔法を使う者のようだが、シャナクやアバカムといった魔法を知っていたりはしないか?」
突拍子もない質問だったためサマンサは一瞬頭が真っ白になった。
急な質問で質問の意図を把握していないようなサマンサを見てピサロは付け加える。
「解呪や解錠の魔法でならひょっとしたらこの首輪を外すことが出来るかもしれない、と思ってな。」
サマンサは一瞬でその意図を読みとり、上手く行けば自由になれる、というメリットと共にデメリットについて思いを巡らせた。
もし、失敗して首輪が爆発したら…そうしたらこの男であっても生きてはいられない。そうなれば、もう一人の少女を殺して何食わぬ顔で生きていける。
それに、この首輪で爆殺は…行ける。レーベでは策を弄しすぎて失敗したけど、これなら取って置きの切り札に…
一瞬でココまで計算した後、ゆっくりとサマンサは口を開く。
「ええ、私はアバカムを使うことが出来るわ。今まで首輪を外すなんて考えたこともなかったけど」と。
そういえば、さっきから少女の姿が見えないな。そう思っていると、どうやら祈りを捧げているようだった。
そして、ゆっくりと顔を上げると少女は沈痛な面持ちでこういった。
「あの…その解錠の魔法を私にタメしていただけませんか?」
何でだ?ピサロとサマンサの思いは一致した。ピサロとしては爆発の危険性がある以上、自分で試すつもりだったから。
サマンサにしてみると、首輪爆発ハメで殺すのは男のつもりだったから。

827 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 04:35:45 ID:HnuW31As
すると、ゆっくりとフォズが語り出した。
「私…もうイヤなんです。みんなが争い合って傷ついていくのが。その解錠の魔法で首輪が外れるならみんなが殺し合う必要も無くなるでしょう。」
その言葉をピサロはあわてて遮った。
「待て。解錠の魔法で解け無いどころかひょっとしたら爆発するかもしれないんだぞ。お前はそれでもいいのか?」
フォズは強いまなざしでピサロを見据えながらこういった。
「争いが終わる可能性を試すためなら、私の命なんか惜しくありません。それよりも…もし、私が死んだとしても誰も恨まないでください…恨みからは何も生み出しませんから…」
次に、サマンサの方を向き、ゆっくりと言った。
「もし、失敗したとしても気に病まないでください。私が死んだとしてもあなたは何も責任を感じることはないのですから。では、お願いします。」
そう言うと、ゆっくりと瞳を閉じた。
よせ…ピサロがそう言いかけると同時に、サマンサの魔法は完成した。
「アバカムッ!!!」
一条の魔力の光がフォズの首輪にある鍵穴を捕らえ、次の瞬間
真っ白な閃光が走ったと同時に、ドォォォンと低い音が木霊した。
フォズの立っていた場所には、カノジョの者と思われる白く華奢な腕と小さな脚、それに地面に付着した大量の血液のみだった。
何故…何故お前が死ななければ…ピサロは自問した。
オレが首輪の解呪なんか考えなければ…死ぬことはなかったはずだ。
オレが終わらせようとしなかったから…このふざけた余興に幕を下ろさなかったから…
オレガカノジョヲコロシタ…
カノジョの最後の言葉が胸にしみわたる。
「もし、私が死んだとしても誰も恨まないでください…恨みからは何も生み出しませんから…」
だが、ピサロはその言葉を守ることが出来そうもなかった。
誰も恨まない?ムリだ。こんなふざけた茶番にこれ以上付き合って等いられない。
もう、終わらせるしか無いようだな。ロザリー、フォズ、許せ。
そして、地面に横たわっているフォズの腕から天罰の杖を取ると、サマンサに向かってこういった。

828 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 04:36:55 ID:HnuW31As
「俺はこれから人間としての感情を捨てる。出会ったヤツラは片っ端から消していく。人間だったピサロはもういない。これからの俺は魔族の王、デスピサロなのだ。女よ、この先であったヤツにせいぜいそう伝えるんだな。特に、お前は次にあったら絶対に容赦はしない。必ず殺してやるからな。」
そう言うと、ピサロはサマンサに背を向け南の森の方へと去っていった。
サマンサは極度の緊張から動けなかったが、内心は充実感で一杯だった。
「これで、私は最強の暗殺術を手に入れた。勇者の血を守るためなら私も修羅になるっ!」
高らかにそう宣言し、ゆっくりとその場に跪き体力の回復をはかりだした。
一方、レーベの村の跡地では…
「今、南の方から微かに爆発音がしましたわ。ひょっとして、あの魔法使いが…」
ローラが不安そうにエイトに向かう。
だが、エイトからは返事が無かった。
「エイトさん、どうしたんです?」
ローラはエイトの方に向き直る。すると、そこには息も絶え絶えのエイトの姿があった。
「エイトさんっ。」
思わず、ローラは叫ぶ。その声に反応したのか、エイトはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「流石に、イオナズン2発は大防御といえどもしんどかったか…女、おまえに頼みがある。」
「何ですか?」今にも泣き出しそうな表情でローラが訪ねる。
「俺はもう動けそうにない。それどころか、このままだと死んでしまうだろう。だから、俺の変わりに伝えて欲しいことがある。ローラという女に会ったら、アレフは南に向かった、と伝えて欲しい。それだけだ。」
そう言い残すと、エイトの意識はすーっと遠のき、微かな呼吸音が聞こえるだけになった。
「エイトさあぁぁぁん!」ローラは叫んだ。が、もう反応がない。
「私はいままでずっと誰かに守ってもらってばっかり…だけど、今度は私が守る番ですわ。エイトさん、少しの間待っててくださいね」
そう言い残すと、ローラは強い足取りで南へと歩き出した。アレフとの再開の他に、エイトを救うという新たな目標を胸に抱え…

829 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 04:38:03 ID:HnuW31As
【B-2/南の平原/夜中】 (時間経過はほぼ無し。)
【ローラ@DQ1】
[状態]:HP 2/3 火傷
[装備]:光のドレス
[道具]:ロトの剣 支給品一式 +エイトの所持品ということで支給品一式 首輪 メルビンの支給品一式(不明二つ)
[思考]:アレフを探す エイトの傷を治す。脱出は後回しに。

【エイト@DQ8主人公】
[状態]:戦闘不能で昏睡状態。死の目安は12時間程度(翌日の夕方前には死亡)、移動も不能。
[装備]:メタルキングの槍
[道具]:なし
[思考]:なし

【サマンサ@DQ3女魔法使い】
[状態]:HP1/6 MP3/5 全身に裂傷・火傷 左足に負傷(軽) 左腕骨折(重)
[装備]:奇跡の石
[道具]:支給品一式 鉄兜  ゴンの支給品一式 ルビスの守り
[思考]:勇者の血を守る

【ピサロ@DQ4】
[状態]:疲労(休めば回復) MP6/7程度
[装備]:鎖鎌 闇の衣 アサシンダガー
[道具]:エルフの飲み薬(満タン) 支給品一式  首輪二個 鋼の斧
[思考]:ロザリーの仇討ち ハーゴンの抹殺 ゲーム終了のために無差別に襲いかかる。

【フォズ@DQ7 死亡】

830 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 04:46:50 ID:HnuW31As
と、即興で考えただけで全然書き込み足りないですが、アイディアだけ投下してみました。
自分の作ったモノのポイントとして
・マーダー不足
・非戦闘員が死ななすぎ
の2点の打破が第一目標でした。これまでの流れ的に解錠失敗でフォズ爆死→デスピサロ化が一番自然だと思った(1と2の両立。)
さらに、レーベ戦闘がローラ、エイトに優位すぎたと思うので(個人的に、ですが)その救済としてサマンサ強化&ローラ弱体化。
アバカムで爆死はサマンサ&ピサロしか知らないと言うことで。
タイトル候補は『THE WHEEL OF FORTUNE』かなぁ、やっぱり。
ピサロ、サマンサ、ローラの運命の歯車、ということでw
新参者なので空気読めてないかも&SS書き慣れてないので自分のアイディアを投下。
矛盾指摘、世界観指摘、あと書き手様も募集しますw
こんな中途半端ですみません。

831 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 04:56:47 ID:HnuW31As
↑ピサロの持ち物に天罰の杖追加、ですね。
フォズの他の持ち物は首輪の爆発で使い物にならなくなった、ということで。

832 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 07:28:25 ID:mP/3SwnQ
※フォズが蜥蜴を道連れにするとは思えない
※呪文が無効だとはわかっているはずなのでそのまま首輪にアバカムを単体で使用するのがやや軽率
※エイトは回復呪文が使えたけどいままで自分に使わなかったのか?

とりあえず気づいた点を。
投下サンクス

833 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 08:26:40 ID:5.VyNV92
エイトの口調がびっくりするほど別人ですお

834 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 08:40:51 ID:hxKxVVAg
まずキャラの口調や話の流れを理解してないと思われ。
サマンサやエイトのキャラが全然違う。ピサロの一人称も違う。
盗聴されてる可能性があるのに軽々しく首輪解除の事を口にするし。今までの筆談が台無し。
あっさり呪文を試して爆死も軽率過ぎ。
エイトが大防御しておきながら虫の息なのも違和感を感じた。
もう一度最初から読み直して欲しい。

835 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 12:01:24 ID:f2KpqPEs
ていうかそんなにマーダー不足か?
生存者の四分の一がマーダーだぞ?

836 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 14:08:26 ID:qrPwUxEs
他の方々も言ってますが、気付いた点を。
・サマンサ、エイトの話し方が違う(二人とも基本は丁寧な口調)
・ピサロ、エイトの一人称が違う(ピサロ:私、エイト:僕)
・今まで盗聴警戒していたのに、初対面の相手にペラペラ首輪の解除方法を話すのが違和感
・↑なのに主催者側が首輪爆破しないのも違和感
・確証もないのに首輪解除を試すのは軽率
・エイトはMP十分残ってるので、自分で怪我の治療が出来るはず

これくらいでしょうか。
あと、マーダー不足と感じたとのことですが、現在マーダーは4/16。
重傷&無力化されてるマーダーもいますが、
対主催キャラは非戦闘員多めで実際に戦えるキャラは少ない上、
無傷のマーダーもいるのでこんなもんで丁度いいと思うのですが。

837 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 18:31:25 ID:JCeZlGlc
皆様ご指摘ありがとうございます。
一つづつ自分の意見としての返答をば。(明かな矛盾点は練り直しますが。)
キャラに関しては読み込みが足りないので、再度考慮して練り直します。
大防御で瀕死はおかしい&エイトが回復しないもはおかしい、の指摘に対して。
レーベの描写に魔法の玉のジジイの家以外はあの辺りは廃墟、そのジジイの家を背に戦っているのはローラ達。
さらに、ゴンもエイトも傷ついていることからフローラの方に反射されたイオナズンのエネルギーはローラに命中する分のみ、と考えるのが普通。
なのに、瓦礫に埋もれる→モトモトの1/3以下の爆発エネルギーを次のイオナズンで相殺したにもかかわらず、周囲の瓦礫が数メートル(想像)浮かび上がってフローラにのしかかってくるほどの爆発…
というか、爆発が同心円上に広がると仮定すると、フローラは瓦礫の下敷きになる事象が起こりえないぐらいの大爆発ですよね。
ローラ達とフローラの間に瓦礫があるとは思えない(オリジナルDQⅢのレーベを思い出してください。)
というほどの規模の爆発なのに生身の人間が大防御だけで耐えるのはおかしい→回復呪文で追いつかないほどのダメージ、と設定しました。
フローラは瓦礫の下敷きで呪文詠唱不可→近接攻撃→メガンテで死亡の流れすらおかしいのですが、死者は復活できないルールに則り、エイトを瀕死にすることでの整合性を目指そうかなぁ、と。(大防御でも瀕死なほどの爆発→フローラが瓦礫に埋もれるのも起こりうる、で矛盾点の甲斐性。)
アバカムボムのアイディアは個人的にお気に入りなので何とか生かしたいなぁ、と思ってたり。
主催者側にバレないようにピサロの余剰首輪で実験→爆発でサマンサがその方法に気づくとかで出来ないかなぁ。
後、完全非戦闘員が一人も死んでないって言うのも何だかなぁ、って思ったのでその辺りも何とかしたい、だのピサロはやっぱり敵じゃなきゃなぁ、とかっていう自分の欲望ばかりを組み合わせるとこういう整合性のないモノができあがる、と実感しました。
もう一度はじめからの流れを吟味しながら自分のやりたいことを少しでも生かせる内容で書けたらなぁ、と思ってます。

838 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 19:38:03 ID:AQPSrp62
内容はともかく、本文に取り込めてない説明なら納得はさせられないわな。
それに前の人が書いた箇所に対して、
ここはおかしいからこうしましたっていう言い方もちょっとどうかと…。

個人的には非戦闘員だけになっても面白いと思ってる。24時間の縛りがあるし。
BRはいろんな展開がアリだと思う。
そういう意味で、もう少し自由に考えてみたらいいと思う。
もちろん基本を理解した上での話だけど。

839 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 20:29:03 ID:DmTQY0.2
>フローラは瓦礫の下敷きで呪文詠唱不可→近接攻撃→メガンテで死亡の流れすらおかしい
何がおかしいのか分からないんだが。教えてくれ。

840 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 20:48:21 ID:Ui2PCh1s
つーか何もかもが全体的におかしいな
ピサロのマーダー化も支離滅裂な果てのただの逆ギレっぽいし
口調やキャラを正しく直しても粗が多すぎ
正直、見送ったほうが……

841 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 21:17:51 ID:f2KpqPEs
なあ、ちょっと待ってくれ。
フローラが瓦礫に埋もれたのは
ゴンに尻尾で吹っ飛ばされたからじゃなかったか?
記憶違いかもしれんが。

842 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 21:58:31 ID:qrPwUxEs
そもそも、エイト(とゴン)は一発目のイオナズンの直撃を受けていないと思うのですが。
>響く、山彦。
>二つのイオナズンが、時間差と共に放たれる。
>咄嗟に竜の前に躍り出た、ローラのドレスが輝く─

>跳ね返された爆発と、山彦で放たれたもう一つの爆発が、ぶつかった。
ローラは二人を庇ってまるまる一発分のイオナズンを受け、弾き返したことが読み取れると思います。
つまり、エイトが受けたダメージは「二発のイオナズンの衝突により起こった爆風」のみと考えられます。
しかもNO.88の時点でエイトにはローラを姫だっこして村の外まで退避する余力があったわけで、
次の話で突然瀕死というのは、前話の状態欄を無視するようなものだと思うのですが。

あと、フローラが瓦礫に埋もれたのは>>841さんの言う通り、ゴンの攻撃が原因でした。
>見るとあの蒼髪の婦人は尻餅をついた姿勢で無事のままだった。
>どうやら、二発目のイオナズンが盾の役割となり、正面にいた彼女は大した被害を被らなかった。
>軽症ですんでいるようで、すぐに立ち上がる。
(中略)
>手を翳して、極大火球呪文を放とうとした婦人の頬を、唸りを上げた竜の尾は捉える。
>「げぶッ」
>はしたない呻きと共に、淑女であった女は激しく吹き飛ばされた。
(以上、共にNO.88 果てた命は煌いてより抜粋)
爆発の真正面にいて、二発目のイオナズンを盾にしたフローラが軽症で済むのならば、
丁度反対側にいて、一発目のイオナズンを盾にする形となったローラ達の負傷が軽いのは当然ではないでしょうか。

次に、ピサロの首輪解除フラグに関してですが、「NO.71 闇へと零れ落ちる涙」に
>『これはあくまで予想…だが、【シャナク】【アバカム】…この二つと、私の力が有ればあるいは…』
とあります。つまり、ピサロの推論では、首輪解除に必要なのは、
シャナク・アバカムの両方+ピサロの力(呪文を無効化する力=おそらく凍てつく波動)
しかも、「あくまで予想」「あるいは」と極めて慎重な姿勢を取っています。
そのうち一つしか揃っていないのに人体実験に及ぶのは、やはり軽率に過ぎる思うのですが。

引用多用&長文申し訳ございませんでした。

843 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 22:27:40 ID:mP/3SwnQ
確かに通しは厳しいかも…
だけど、あきらめないでもっと書いて欲しいな

844 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 23:02:48 ID:GZt0wAsw
色々考え違いなどをしていたので、内容を大幅に?変更しながらプロット作成中です。
一気に上げて皆様の感想をお聞きしたい気持ちが強いですが、自分の時間の関係上、とりあえず1/3ぐらい?だけ置きますので、ご意見お待ちしてますです。

845 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 23:03:31 ID:GZt0wAsw
「ぜーっぜーっ」
妙齢の女の子らしからぬ呼吸音が夜の静寂に響き渡る。
だが、それも無理はない。身体は青髪の女のイオナズンに巻き込まれて満身創痍、精神的にも完全に消耗しきっている。
彼女にとって死線をくぐり抜けたのは今回が初めてではない。だが、以前との大きな違いはある。
信頼できる仲間が、そして守るべき者が隣にいるかどうか。違いはそれだけ。だが、彼女にとっては何よりも大きな違いであった。
(アリス…あなたは今何処にいるのかしら…)
守るべき者を思い浮かべてみる。だが、答えは返ってくる由もなく、頭上には先ほどまでの戦いが嘘のような澄み切った星の光が降り注ぐだけだった。
(あの男性もかなりの傷を負っているはずです…私を捜し回る余裕もないでしょうし、暫くはこのまま体力の回復を図った方が良さそうですわね…)
サマンサはそう考え、とりあえず自分の体の状態を確かめてみる。
全身の火傷や裂傷は痛みを感じるものの、致命傷にはほど遠く、呪文の詠唱に阻害は無さそうだ。
左足は爆風に巻き込まれた影響で軽くひねったようだ。だが、こちらもそこまで重くはなく、移動速度が多少落ちるぐらいの怪我のようだった。
右手は…問題ない。左手は…感触がない。
(これは折れていますわね…非常にマズイですわ…)
サマンサは簡単にだが、自分の置かれた状況を把握した。
極大攻撃呪文の多くは詠唱に当たって補助動作を必要とする。
さらに、その補助動作の大半は両手を使うものばかり…つまり、今の彼女には極大魔法を扱えない、ということだ。
(どうしたものでしょう…私は回復呪文は使えませんし…)

846 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 23:04:17 ID:GZt0wAsw
そう思いを巡らせていると、「ひっ」と微かな、少女の叫び声が聞こえたような気がした。
(そういえば、他の参加者のことをすっかり忘れてました…非常にまずいです…)
サマンサが蹲っていた場所はレーベの村からほど近い草原だ。いくら深夜とはいえ、あれほどの爆発音が轟けば側にいた参加者は村の方へと集まってくるだろう。
また、満天の星空のおかげで細かい表情などは見えなくとも、人影があることはハッキリと分かってしまう。
それなのに、姿を消す呪文を使っていなかったのは疎かだった。というよりも、極度の消耗でそこまで思いが巡らなかっただけではあるが。
「ピサロさん、このお方大変な怪我を負っています。お願いですから、このお方に回復呪文をかけてあげてください。お願いします。」
あどけない少女の声が聞こえる。どうやら同行人は回復の魔法が使えるようだ。
(これは非常に幸運ですが…少しばかり厄介なことになりましたわ…)
サマンサがそう考える。と、暖かい光が彼女の全身を包み込む。
乱れていた呼吸は落ち着き、痛みを発していた全身の裂傷や火傷、左足の捻挫の痛みが和らいでいく。
だが、左腕の感触は戻らない。どうやら、魔法で再生するのは難しいようだ。
人心地ついて、サマンサはゆっくり顔を上げる。目の前に立っていたのは少女とミステリアスな男だ。
少女の方は戦闘はからっきしだろう。だが、ミステリアスな男からは言い表せない圧力を感じる。
自ら魔導の道を歩むサマンサだからこそ感じられる圧倒的な魔力。仮に自分が万全だとしたら…
そう仮定したところで勝ち目がない、そう思わせるぐらいその男は強大だった。
「あの…私たち、爆発音を聞いてあの村へ向かっているんですけど、何かご存じないですか?」
少女がおずおずと口を開く。躊躇ったのは人見知りだから、ではなく私の身体を気遣っているから…
サマンサは少女の慈愛に感動すると共に、内心焦りを感じていた。
(レーベの村の側にはローラ姫と兵士がいるでしょう。万が一この2人が彼らと遭遇したら…ここは上手く辻褄を合わせて引き返していただくのが一番ですわ)
そう決心すると、一瞬で理論を構成する。魔法使いの最大の武器は冷静さ、なのだから。

847 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 23:04:55 ID:GZt0wAsw
「実は…私達があの村に滞在していたら、青髪の女性に襲われまして…」
「!!!」
少女は言葉にならない叫び声をあげかけ、咄嗟に口を塞いだ。
まだ村に残っているかもしれない襲撃者のことを考えてのことだろう。どうやら見た目の大人しそうな少女、とは違ってなかなか頭は切れるようだった。
「仲間が私を助けるために命を犠牲にして…あなた方が聞いた爆発音は彼の命の瞬きです…」
そう言い、神妙な面持ちで少女に向かって付け加えた。
「私は、私の大切な人と一緒に元の世界に戻りたいだけなんです。それなのに…こんな…」
男が(どうだ?)といった面持ちで少女の方に向き直る。
少女の持つ、他人の魂の強さを感じ取れる能力でこの女の言っていることを図ろう、との意図があった。
そして、少女は少し困惑していた。
この女性の魂は強い光を放っている。これは選ばれし者特有の光だ。
さらに、大事な人を守るという強い意志が感じられる。どこまでも、透き通った純白。
これが、彼女の一途さを象徴していた。
少女は男に目で合図をする。(この方は大丈夫ですよ)、と。
ただ、少女は知らなかった。純粋すぎる想いが時に人を悪魔たらしめる、と。

848 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/12(火) 23:19:20 ID:GZt0wAsw
この先の超大ざっぱな流れとしては
・サマンサがピサロ&フォズと同行、行動目的にアリスとの合流を追加、南下。
・真夜中で筆談不可のため、ピサロの目的は少しも伝えない予定。
・ローラ&エイトはレーベ側で休息→南下。行動目標にサマンサがゲームに乗っていることを伝える、追加。
結局アバカムボムは先送り…orz良いアイディアだと思ったんですけど、強引すぎだったと反省。
ステ変化としてはサマンサのHP微増、ピサロのMP微減、エイトのHP微増、サマンサは極大魔法(メラゾーマ、イオナズン、ベギラゴン、マヒャド)使用不可ぐらいでしょうか。
両手で印を結ぶ、はゲームに全く記述がないんですが、傷ついた魔法使いの戦力減を現すにはいいかなぁ、と思って導入してみました。(意見お願いします。)
自分の読み込みが足りないせいでご迷惑かけてばっかりですみませんです。

849 ただ一匹の名無しだ :2006/09/12(火) 23:33:24 ID:f2KpqPEs
あのさ、実はフォズってベホイミとヒャダルコが使えるんだ。
だからピーに回復を頼まんでもいいんでないかな。

850 ただ一匹の名無しだ :2006/09/13(水) 01:00:43 ID:LCghACig
まあべ穂意味が未熟だから一緒に回復をやる、くらいの修正でいいんじゃないかな?
アバカムボムは悲惨すぎるし、ちょっとなw
サマンサは一流だから手の一つや二つなくても平気な気はする。
ククールも片手無しで呪文やらグランドクロスOKだったしな。
まあ喉に火傷でも負ってれば別だが。
あ、あと
>妙齢の女の子〜
これは妙齢の女性、でいいんジャマイカw
アリスとそう変わらないんだろうけどなんだか老け込んでるイメージが…
スマンサマンサw

851 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/13(水) 19:50:28 ID:yde3Nil.
とりあえず、中盤部分のプロット完成につき投下します。
矛盾点、変更した方が良い点をご指摘ください。
フォズがベホイミを使えるおかげで、メンドイと思ってた問題を1個パス出来てラッキー、とw

852 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/13(水) 19:50:58 ID:yde3Nil.
(どうやら上手く行ったようですわね…)サマンサは内心胸をなで下ろす。
少女がサマンサのことを信じた理由は彼女の野望とも言える強い思いなのだが、当の本人には知るよしもなかった。
「辛いことを思い出させるようで悪いが、もう少し詳しい情報が欲しい。話してくれるか、女。」
ミステリアスな男性がゆっくりと口を開く。
「ピ…ピサロさんっ」
あわてて少女が止めにはいる。さっきも朧気に聞こえていたが、この男の名前はピサロというらしい。
「フォズ、お前が案じている内容は分かる。だが、生き延びるためには情報が必要なだけだ。」
「で…でも…つい先ほど起こったばかりなのに…大切な人が亡くなったというのに…」
フォズと呼ばれた少女は今にも泣き出しそうな、消え入りそうなか細い声で言った。
星たちの光量では窺い知ることは出来なかったが、恐らくその大粒の瞳にはきらきらと輝くものが溜まっているだろう。
「あ…私なら大丈夫ですから…」
この場を納めるために、サマンサが口を開く。
「ピサロさん…でよろしいかしら?私は何をお話しすればよろしいでしょうか?」
「女…とそう呼び続けるのも無粋だな。良かったら名を教えてはくれないか?」
「私はサマンサ、と申します。」
サマンサは素直に自分の名を告げた。
知人がほとんどいないこの世界では、偽名を名乗るメリットなど皆無に近い。
現実のアリアハン大陸でなら自分の名前は知れ渡ってはいるが、レーベの村では生活感が感じられなかった。
恐らく、アリアハン大陸を模した作り物の世界…自らも幻術の魔法を操るサマンサだからこそ感じ取れる空虚さ。それに付け加えて、良く知っている土地だから感じ取れる違和感。
その二つから導き出した彼女なりの結論だった。だから、レーベから脱出する際にルーラを使わなかったわけだが…
そして、偽名を名乗るデメリットはこの2人に与えるであろう不信感。
名前を呼ばれたときに気づかないと言う初歩的なミスは無いだろうが、反応が遅れたり、動揺を引き起こす可能性は否定できない。
それならいっそ、本名で通す方が気が楽、というものだ。

853 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/13(水) 19:51:59 ID:yde3Nil.
「サマンサ、私が聞きたいのは次の3つだ。一つ目はお前の仲間と青髪との生死。二つ目はその2人の持ち物と特技。三つ目はお前自身の持ち物だ。」
(ふぅむ、このピサロという男は何か特殊なアイテムか能力を差がしているみたいですわ。)
サマンサは故郷では切れ者と評されていた。冷静に考えればこのぐらいの思考は赤子の手をひねるほどたやすい。
ピサロほどの魔力を持ってすれば、この戦いを勝ち抜くことも決して不可能ではないだろう。
その彼が他人の持ち物や能力を当てにする…それはすなわち彼には出来ない特殊なことを行う必要があるから。
じゃぁ、何のためにわざとぼかして言う必要が…
思案が次の思案を呼ぶ。刹那の間にココまで考えると、怪しまれないために、ゆっくりと口を開いた。
「私の仲間はドラゴンでした。特技は怪力と口からはく火炎。アイテムは最後に私を守るために発動させた自己犠牲呪文の力が込められている腕輪ぐらいですわ。」
「ふむ…では、もう一人の青髪の女とやらの方はどうなんだ?」
ピサロはそう答える。その答えがサマンサの思考が正しいことの証明となった。
(普通だったら、一番最初に訪ねた2人の生死を気にするはず。でも、彼はアイテムと特技にしか興味を示していない。やっぱり私の考え通り…)
「青髪の女の方は…恐らく攻撃呪文使いでしょうね…イオナズンを使ってらっしゃいましたから。アイテムは変化の杖という他の者に姿を変える杖、毒針、あとは見たこともないような武器でしたわ。」
そう言ってサマンサはしまった!と思った。仮にこの中にピサロに必要な物があったとしたら…村に行くことになったら…まずい…まずすぎです…
どうやら彼の意図に意識を裂きすぎてしまったようですわ…どうしましょう…そう再び思慮しはじめた、そのとき。意外な方から助け船はやってきた。
「あのぉ…それで、そのお二方はどうなったのでしょう?」
フォズと呼ばれていた少女がおずおずと訪ねる。自分が聞きたくない答えだったら…とおびえているように見える。
フォズの質問にこれ幸い、とばかりサマンサは答える。
「彼の自己犠牲呪文の規模を考えると…二人とも、もう…恐らく、姿すら残ってはいないでしょう…」
「そうですか…罪のないみなさんが争って倒れていく…こんなおぞましいことはありません…」
消え入りそうな、でも一本心の通った少女の声から、少女が今感じている悲しみ、無力さは本物だろう。
印象通り、筋金入りのお人好しだ。そして、強い意志を持っている。自分よりもさらに二周りは小さいであろう彼女が非常に大きく感じられた。
「うむ…それは残念だな。」あまり感情がこもっていなさそうにピサロが呟く。
恐らく、彼の所望する物はこの中には無かったのであろう。と、ここでサマンサは気づいた。自分だけ特技を聞かれていないことに。
何故、私の特技は聞かないのかしら…まぁ、この通り魔法使い姿ですから…それに彼ぐらい強い魔力を持っているなら、私の魔力も推し量れるでしょうし…
魔力を推し量る…すなわち、魔力を感知するって事ですわね。彼は強い魔力を感知してここに来た…
強い魔力、彼には出来ないこと…まだだ、まだこのパズルをとくにはピースが足りない。

854 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/13(水) 19:52:35 ID:yde3Nil.
何故、彼は遠回しに聞いたのでしょう?私に自分の探している物を知られたくなかったから?
それじゃぁ辻褄が合わない。彼は『女と呼び続けるのは無粋だ』と言った。
その時には、会話の間ぐらいのつもりだったけど、そうじゃないとしたら…
私の使える呪文の中に彼が欲しい能力があるのかもしれない。だから、それを見極めるために同行する期間、『女と呼び続けるのは無粋』だと彼は思ったのだろう。
だったら何故正直に話さないのか?聞かされると私が彼の思惑通りに動いてくれなくなる…あるいは…
つい、深く考えすぎてサマンサは「うぅ…」と呟きながらしゃがみ込む。行き詰まったときの彼女の癖だった。
そういえば、冒険中に初めてこうなっちゃったときにあの子は心配してホイミかけてくれたっけ…
この世界には、いや最早この世にはいない彼女のことを思いだしてしまう。
あけすけで守銭奴で…だけど、他人思い、仲間思いのグッドなおねーさんの顔が浮かぶ…
そうそう、こういう風に回復してくれたっけ。私が頼んでもいないのに…
と、回復の光は幻想じゃない。はた、と思考を現実に戻すと…
少女が必死に回復魔法を唱えている。
「あはは…私、こんな未熟な魔法しか使えないんですけど…少しは気分が良くなりますか?」
しゃがみ込んだことから、脚の傷が悪化したと思ったのだろう、捻挫した左足に魔法を当て続けている。
「えぇ、とっても気持ちいいですわ…」そう答えながら、サマンサは再び思考の世界へと足を踏み入れていく。
私に話さない理由は…ひょっとしたら誰かに聞かれるのを恐れているから。だけど、こんな真夜中に人はいないでしょう。少なくとも、小声で話すのが聞こえる範囲には生命力は感じられない。
フォズの回復呪文は続いている。サマンサは否応なくかつての仲間、フィオのことが思い出されていた。
(あの子が先に逝っちゃうなんてね…私と同じようにずーっとアリスを支えていくと思ってたのに…いきなり発表された死者リストに彼女の名前があって…正直驚いたわ。いきなりこの首輪から声が聞こえてきて…)
そこまで思い出すと、サマンサは一つの可能性に思い至った。声が出る、ということは逆に声を吸収、すなわち聞くことも出来るんじゃぁ…、と。
そうだわ、そうに違いない。このピサロが恐れているのはそれなんだわ。そして、この会話を聞いているのは主催者…主催者に聞かれるとまずいことは…
どんどん、足りなかったピースが埋まっていく。
やっぱりゲームに対する反乱、よね。だけど、首輪があるから反乱は出来ない…だけど、首輪を外すことが出来たなら…
可能性は薄い。0といってもいいぐらいの可能性しかない。だが、彼女は可能性を完全には否定できない魔法を拾得していた。
ありとあらゆる鍵を開けることが出来る呪文、そう『アバカム』だ。
ピサロが探していたのがそれだとするなら…辻褄が合う。
彼女の中でがっちりとピースが組み合うのが分かった。幸いにも、アリスは現時点では死亡報告されてはいない。
アリスと合流し、首輪を外して脱出できれば…サマンサの望みは達成される。
そう考えると、俄然力が沸いてきた。フォズのベホイミで体力もかなり回復した。
印の組めない私が戦闘で生き延びるよりは…可能性がありそうですわね。

855 ◆yoTy/7wG2. :2006/09/13(水) 19:53:06 ID:yde3Nil.
そう判断し、サマンサはゆっくりと立ち上がり、そうして、ピサロの方をじっと見据えてゆっくりと口を開く。
「朝になれば死者が発表されるから、2人のことに関してはそれからゆっくり考えましょう。私にはどうしても守りたい人がいるのです。彼女がこのゲームに参加している…一刻も早く合流して彼女を守ってあげたいのです。」と。
ピサロはサマンサの言葉の裏に隠されたメッセージを読みとった。
(ふむ、頭は切れるようだな。私の目的を大ざっぱには理解している。日が昇れば筆談も可能になるから、そこからゆっくりと脱出について作戦を練りましょう、か。)
二人がアイコンタクトと当たり障りのない会話で意志疎通している間からは「くーくー」とカワイイ寝息が聞こえている。
その発信者はフォズだ。どうやら、ベホイミをずっと当てていたために精神的に消耗しきって眠ってしまったようだ。
ピサロは彼女をひょいっと担ぎ上げると、サマンサに訪ねる。
「お前が守りたい相手とやらの居場所は分かっているのか?」
サマンサは直感でこう答えた。
「あの子の生まれ故郷、アリアハンに彼女はいる。そんな気がするんです。」と。
「歩けるか?足手まといは困るんだが…」心配してる素振りを見せず、ピサロが訪ねると
「えぇ、この子に感謝しなくてはいけませんね。ひねった脚はもう大丈夫ですわよ。」とサマンサから力強い答えが返ってきた。
「それじゃぁ、向かうぞ、アリアハンに。」
「えぇ。」
「くーくー」
こうしてわずかな可能性を信じて…3人の新たな旅路が始まるのであった。

856 ただ一匹の名無しだ :2006/09/13(水) 22:29:16 ID:q3GvZibE
投下乙
なんだか一気に平和ムードだなwww
気になった点は特にないがサマンサの口調に違和感。
独り言すら敬語な人だから、少々くだけて思える

857 ただ一匹の名無しだ :2006/09/14(木) 21:24:39 ID:GBKEBW/A
投下乙。まだ微妙にサマンサの口調に違和感が
彼女の口調は丁寧だが、いわゆるお嬢様喋りではないので。これだとフローラっぽい
ピサロの口調も微妙にくだけすぎな気がする
あと偽名どうこうのところは、そもそも名簿が写真付きなので意味ない

それともう一つ。サマンサがアリスと合流を図るのはおかしくないか?
アリスはまず間違いなくゲームに乗っていないだろうことはサマンサも承知だし、
合流すれば他の参加者を殺すのが難しくなるってのは分かってるはず
その上、サマンサがこの二人を殺し損ねた場合、
アリスまでサマンサの仲間だということでマーダーであると勘違いされる可能性がある
だからこそローラ達と行動していた時もアリスの名前を出さなかったんじゃないだろうか
ただこれは俺の主観なんで、他の人の意見も聞かないと分からないけど

858 ただ一匹の名無しだ :2006/09/14(木) 21:40:31 ID:JQOC2dh2
確かに、サマンサはアリスとの関係をむしろ隠そうとするだろうな。
殺人者の自分と関わりがあると知られたら狙われる可能性もあるわけだし。

859 2回目の放送 の素案 :2006/09/18(月) 20:05:12 ID:EMLoUv1w
夜が明け、大地に光が降り注ぐ。
朝独特の透き通るような空気に鐘が鳴る。
続いて耳障りな甲高い声が、第一声を発した。
 「 諸君、この地獄で、よく、おめおめと、生き残っているな」
まるで無知な子供に言い聞かせるような口調。
 「まあ、いいだろう。
禁止地域の追加を伝えるぞ。
 朝9時から【B−02】、昼12時から【C−02】、昼3時から【C−06】夕方6時から【D−05】 以上の地域が立ち入り禁止となる。もし、入ろうものなら…言わずともわかっているな?」
歌うがごとき嘲笑。
嘲笑の後、放送は続く。
 「貴様ら殺人者に殺された、被害者達の名前を言おう」
 「バーサーカー」
 「ハッサン」
 「テリー」
 「レックス」
 「カンダタ」
 「ヒミコ」   
 「ククール」    
 「ゴン」    
 「フローラ」  
 
 「以上。1回目の放送から、これまでの死亡9名、残り16名 」
音を立てた溜息が、参加者の耳を汚す。
 「もっと頑張り給え。諸君の食糧や道具も限りがあるだろう?他には、他人が持っているものしかないぞ?」
わざとらしく間をおいて、声は紡がれる。
 「次の放送は、12時間後の夕方6時に放送する。フフフ 」
含み笑いが次第に消え、鐘が鳴る。

悪魔神官が放送を終えた途端、背後から、押し殺した不気味な笑い声が…。
思わず 悪魔神官がうしろを振り向くと、邪神の石像があるだけ。
何の音もしない。静寂。
 「幻聴か」
気を取り直した悪魔神官が部屋を立ち去る。
暗闇に戻った部屋には、目を、赤く爛々と輝やかせている邪神像が一体。
再び、不気味な笑い声が部屋を覆っていった。
【残り16人】

860 ただ一匹の名無しだ :2006/10/02(月) 00:34:29 ID:rOZ.4I.w
>>859
「、」が多すぎてテンポ悪くないか?

861 仄暗い井戸の底から :2006/10/02(月) 01:03:25 ID:ZkVxzoOM
 ここは少し普通の井戸とは違って、地面が広いどころか、何故かお家がありました。
 周りは、真っ暗なのに。月の光も、ほとんど届かないのに。体によくなさそう。
 そもそも、井戸って普通はお水を汲むところだよね?

 私をここまで連れてきた恐い神官さんは、喜びながら家の中に入りました。もちろん、私も。
 神官さんは、その後はずっと「姫様、姫様」と呟き続ながら、トルネコさんの支給品を物色しています。
 お姫様。この人は、お城で働いている神官さんなのかな?
 私も一応、サマルトリアでは王女様。だからこの人のような神官さんがお城に居るのは知っている。
 お姫様。きっと、この人にとって大事な人だったのかな。
 その人と会いたいから、こうしてみんなを殺そうとしているのかな?
 それとも、このゲームに呼ばれていた人で――もう、死んじゃった人なのかな。

 私には、ランドお兄ちゃんが居なくなっちゃっても、アレンお兄ちゃんが居なくなっちゃっても。
 まだ、マリアお姉ちゃんがいるって「希望」があったから、みんながいたから、ここまで頑張ってこれた。
 この神官さんには、そういう「希望」がなかったのかな。だから、こうなっちゃったのかな。
 ……少し、かわいそう。恐い人だけど、かわいそう。

「フ、フフフ……外が騒がしいですね。出来ればこのまま、みんな共倒れしてくれればうれしいですねぇ」
 神官さんの言うとおり、何かが起きているようです。
 なんどもなんども、ふとい叫び声が聞こえてきます。
 ここまで届いてくるなんて、一体何が起きているのでしょう。
 それに雰囲気が、あの時と似ています。――アレンさんたちと、はじめて会ったときと。
 もしかしたら、みんなが危ない目にあっているかもしれません。
 ここからでは何も分からないけれど、心配です。


(どうして、姿が見えないの……?)

 アリスは焦っていた。
 リアを連れ去ったクリフトが、忽然と姿を消していたから。
 そもそも元を辿れば、今回のクリフトの凶行は自分の責任だ。
 夕方に彼をカンダタと共に拾い上げた時、彼の本性を見抜けていたら。
 定時放送の時、彼の内に隠された狂気を見抜けていたら。
 今こうしてリアに身の危険が迫る事など無かったのだから。

 地の利は自分にある。
 アリアハン城下町など、幼少の頃から駆け回った庭のようなものだった筈だ。
 この城下町の中に、自分が分からないところなどない。
 ルイーダの酒場の裏にタルがあって、そこに時折ルイーダのヘソクリが隠されている事も知っているし、
 アリアハン城は正門だけでなく裏門があり、そこに綺麗なお姉さんがいる事も知っているし、
 井戸の中に小さなメダルを集める偏狭なおじさんがいる事も知っている。

 ――なのにどうして見つからないのか。
 高まる焦りは注意力の散漫を誘い、さらにクリフトの気配が遠ざかっていく。

 そして。
 それに追い討ちをかけるように。
 アリアハン城が大きく崩落する音と、爆音のような叫び声がアリアハン城下全体に轟いた。

『バズズ―――――――――ッ!!!』

862 仄暗い井戸の底から :2006/10/02(月) 01:03:56 ID:ZkVxzoOM
「あれは、アトラス!」
 闇に突如轟いた爆音、これはアリスの後方を追走していた竜王アレンとマリアの元にも届いていた。
「知っているのか?」
「アトラスはハーゴン直属の三匹の僕の一匹です。
 残る二匹は放送で死亡したのは聞いていたけれど、残る一匹がまさかこんなタイミングで……」
「主催の犬、か」
 アレンは覚えていた。トルネコ、リア、そして今は亡きビアンカを襲撃していた魔物の事を。
 名は『バズズ』。今あの魔物が叫んだ名と同様だ。
 そしてバズズはトルネコ曰く、ハーゴンと内通していた魔物。
 となればあの魔物も同様に主催と内通し、参加者の殺害を命じられている可能性が高い。
 少なくとも、話し合いが通じるような相手ではないだろう。

「アレンの剣技とランドと私の呪文を持って、やっとの思いで倒したのに……」
 今は二人とも居らず、自分の魔力もあとわずか。
 こんな状況であの魔物を倒せるのかと憔悴するマリアをアレンが諭す。
「落ち着け。今はまずアリスと合流するのが優先だ」
「……はい、わかっています」
「ワシへのわだかまりは未だあるだろう、だが今はそれどころではないことも分かっているな?」
 力を貸せ。全ての敵の打破。ここは全員で結束せねば、乗り切れんぞ」

 マリアはこくりと頷く。
 敵対している場合ではない。竜王の力はこの状況を打開する上で必要なものだから。

「アレンさん、マリアさん!大丈夫ですか!」
「戻ったか」
 さすがに今の轟音で様子がおかしいと感じたか、アリスは一人突っ走らず、アレンたちとの合流を選んだ。
 すぐにマリアがアトラスたちハーゴンの僕の情報を流すと、アリスはそれを知っていると述べる。
「あの魔物たちとは朝方に一度戦闘しました。カンダタのお陰でなんとか難を逃れましたが、強敵です」
「やはり主催の犬は確実か……よし、あの魔物の討伐にはワシが出向こう。そなたらは捜索を続行しろ」
「私も行きます、アレンさん一人に任せるわけには行きません」
「この町を知り尽くしているそなた抜きに、誰がリアを探し当てられるというのだ。
 それにワシの目は節穴ではないぞ。気付いておる――そなたの左腕」

 はっとした顔でアリスが沈黙する。
 ヒミコに食いちぎられた左腕。世界樹の雫を持ってしても癒しきれず、時折痛むその左腕。
 リアを馬上にあげようとしたときアレンに不審な顔をされていたが、やはり見抜かれていたのか。
「ただでさえ魔力も無いのだ。それであの赤鬼とやりあえるとでもいうのか?ここはワシに任せておけ」
「……わかりました」
 アレンの主張はグウの音も出ぬほどに正論だった。しぶしぶ、アリスは承諾する。
「ですが必ず応援に行きます!だから、それまで……」
「死んではなりませんよ、竜王。あなたとは、まだ話がまだ終わってませんから」
 少しひねくれた言葉ではあるが、マリアも激励する。
「――案ずるな。アレンの遺志、こんなところで断たせてなるものか」

 アレンが走り去ったのを、静かに見送った二人はリアの捜索を再開する。
「アリスさん、アテはないのですか?」
「それが、足取りを掴む事すら難しくて……そんなに遠くには行っていないはずなんですが」
「よければこれ、使ってください。頭の回転が速くなるみたいです」
「それは……インテリ眼鏡!」
 インテリ眼鏡はつけた者の賢さを高め、場合によっては性格までも変えてしまう魔法の眼鏡。
 アリスたちもかつての冒険中これを入手し、主にサマンサが重宝して使用していた。
 なんでもこれをつけるのとつけないとでは、呪文のキレがまるで違うのだとかなんとか。
 レンズの吊り上ったそのデザインは人を選ぶが、シャープな目をしたサマンサには良く似合っていて――
(と、思い出に浸っている場合ではありませんね)
 マリアから眼鏡を快く受け取り、かける。少しだけ、サマンサに近づいた気分だ。
 もっともアリスの燃え上がるような熱血漢の性格までは、修正できなかったようだが。

 インテリ眼鏡によって回転の速くなった頭が、クリフトの居場所を的確に分析していく。
(考えるのよアリス。ここは私の故郷、いわば庭!どこかに、何処かに隠れる場所があるはずです!)
 頭の中で、アルバムをめくるように次々と城下町の光景が広がる。
 城門、教会、武器屋、道具屋、昼夜の変化を楽しむお兄さんの家、井戸のメダルおじさん――井戸?

「マリアさん!もしかしたら、二人は井戸の中に隠れたのかもしれません!」

863 仄暗い井戸の底から :2006/10/02(月) 01:04:34 ID:ZkVxzoOM
「……井戸?そんなところに隠れたら、溺れてしまうのでは?」
「実はアリアハンの井戸には、ちょっと変わったおじさんが住んでいまして」
 井戸に住む?何を言っているんだろう、と怪訝な顔をするマリアにアリスが付け加える。
「本当に『家が立ってる』んですよ、井戸なのに。
 そこで小さなメダルって言うアイテムを集めて、品物を交換してくれるんですが」
「メダルって、これですか?」
 マリアのザックから取り出されたメダル、アリスはそれだと肯定する。
「ここにあのおじさんが居るとは考えられませんけど……施設が残っている可能性は十分あります。
 そしてもし彼らがそこに逃げ込んだのだとすれば、突然二人が消えた事にも説明がつくんです。
 ただ降りるのに時間がかかりますから、居なかった場合のタイムロスは大きいです」
 失敗したら、遠くに逃げられてしまうかもしれない。いわば一か八かの大勝負だ。
「賭けてみる価値はありそうですね、行きましょう」
 しかしマリアはそれを即決する。土地勘のあるアリスがそう言うのなら、間違いないと思ったから。
「ありがとう。井戸はこっちです、ついてきてください!」


 宿屋の裏側に位置していた井戸は、多くの瓦礫に包まれ、入口が無いと勘違いさせるほどだった。
 アリスがいなければ、そもそもそこに井戸があるということにすら気付けなかっただろう。
 なるほど、上手い隠れ場所だとマリアは感嘆する。
「では、降りますよ」
 アリスが地下へと繋がるロープを掴み、からからと地下へと降りる。マリアもそれに従う。
 結構な深さがあるようで、すぐには底が見えてこない。二人は慎重にロープを下っていく。

「ところで」
 そんな中、ふと思い立ったようにアリスはマリアに尋ねる。
「似合ってます?コレ」
「ええ、とっても」

〜〜〜〜〜

 轟いた爆音。恐らくは魔物の襲来。現在の地上の混乱具合を想像し、有頂天になっていたクリフト。
 その優越感に冷水を浴びせかけるかのように、井戸への進入を知らせるからからという音に狼狽する。
(バカな!こんな早々にこの場所が見つかるなんて!?)
 見つかる筈はないとタカをくくっていたが、町の構造を理解する者がいたというのか。
 向かってくるのは、あのアレンとかいう魔物だろうか?
 それとも、アリスとかいう熱血女戦士だろうか?
 トルネコは動きを封じ、マリアには魔力がないと聞いていたが、残る二名はどちらも強敵だ。
 少なくとも、腕力の差には雲泥の差がある。

 だが、それでもクリフトはすぐに冷静さを取り戻した。
(今の私にはトルネコさんから奪ったさまざまな支給品がある。
 この武装と戦略なら、ザラキ抜きでも奴らを退ける事もできるはず)
 唯一気になるとすれば、実際に人を殺めた経験がないこと。
 魔力を奪われた大失態を筆頭に、クリフトはこのゲームで幾度となく戦いを挑んでは、仕損じていた。
 だが、それも装備が整っていなかったからに違いないと自分を納得させる。
(ならば今度は、きちんとした備えを以って戦いに望むまで)

 クリフトはトルネコから奪ったザックの中身をぶちまけ、改めて内容を確認する。
 ずっと持っていたこの杖に加え、二本の新たな杖が加わった。
 飛びつきの杖。解説によればそれを振った先に自らの体を飛ばすというもの。
 引き寄せの杖。同じく逆に振り当てたものを自らの体に引き寄せるもの。
 そして改めてずっと共に歩んできた杖を見る。
 これは青い神官との戦いの時の効力からして、恐らく本当は相手を疲れさせる効果があるのだろう。
 もっとも一撃で仕留めるほどの効果はなく、ただの時間稼ぎにしかならないようではあったが。
(そして、これからはこれもあります)
 氷の刃を眺める。これもトルネコから奪取してきた、振りかざせば冷気まで起こせる優秀な刃物だ。
 相手をこれらの杖で翻弄させた後、この氷の刃で仕留める。我ながら実に理にかなった戦術といえる。

864 仄暗い井戸の底から :2006/10/02(月) 01:05:14 ID:ZkVxzoOM
(そして万一危なくなっても、井戸の出口に向けて飛びつきの杖を振るえばいい。
 呆気に取られている間に、私はのうのうと脱出できます。まさに万全)
 戦闘手段、逃走手段……全てを見直し、クリフトは心を落ち着かせる。
 リアを人質に取った時の震えは、もうなかった。
 数多の武器を手にした自信はクリフトの恐怖心を鈍らせ、戦意を高揚させていく。

「では……リアさんといいましたか。
 あなたの大事な仲間達が死んでいく様を今からとくとお見せ致しましょう」
 使える武器を懐に収めた後、ぐい、とリアを引きずり出す。
 猿轡ごしにんー、んーと抵抗をされるが、構わず隠れた家から連れ出した。

 家を出てみれば、そこで井戸をちょうど降りたところの二人の女性の姿が認められた。
 あちらもすぐにこちらの存在に気付いたようで、途端に表情を険しくしている。
(あの凶悪そうな魔物は姿が無い――となれば、あの声の方に向かいましたかな。
 ならばやりやすい。片割れのマリアには既に魔力はないし、熱血女さえ何とかすれば……)

「ようこそいらっしゃいました、お二人とも。
 アリスさん。そのお召し物はイメージチェンジですか?よく似合っておられますよ」
 言ってから気付いたが、あれはなんだろう。宿屋に見たときまではつけていなかったはずだが。
 まさかあの眼鏡の効力が私の居場所を嗅ぎつけた?だとすれば奪っておいても損はないかもしれない。
「……こんな状況でよくそんな軽口が叩けますね、クリフトさん!
 ともかくリアちゃんを放しなさい!そして大人しくお縄につきなさいっ!」
「それは無理な相談です。貴方達には、ここで死んでもらうのですから!」


 先に動いたのはクリフト。さっそく氷の刃を掲げ、高らかに攻撃宣言。
「凍えなさい!氷の刃っ!」
 刃から勢いよく冷気の風が噴出し、彼女たちに襲い掛かる。
 しかしその冷気はアリスの王者のマントにより勢いを削がれ、その冷気は二人の周囲を凍らせるに留まった。
(なんと、あんな防具があるのですか!これでは冷気の効き目は薄い――ならば)

 一方のアリスは王者のマントの性能に感心していた。
 咄嗟にマリアを庇おうと前に出たが、マントのおかげでダメージは殆どない。
 なるほど、アレンから受け取っておいて正解だったようだ。

「あれはトルネコさんの武器!さっそく使いこなしていますね」
「しかしどうしましょう?このまま冷気で間合いを取られるとまずいのでは」
 マリアの手元にはいかずちの杖がある。だが、こんな閉鎖空間で炎を起こしたらどうなるか。
 炎上した密室では余計な煙を吸い込みやすい。
 ましてここは地下。たちまち酸素は減り、呼吸は難しくなるだろう。
 また、炎が燃え広がれば逃げ道もなくなる。
 特に井戸と地上を繋ぐロープが燃えてしまえば、まさに一貫の終わりなのだ。

「ええ、そうですね。でも――」
 攻めるしかないでしょう!と言うが早いか、アリスは隼の剣を構えてクリフトに飛び掛る。
 しかしクリフトはそれを待っていたかのように不敵な笑みを浮かべ、懐から一本の杖を取り出した。
 アリスはそれを見て、先ほどリアを誘拐された際に使われた体力を奪う杖のことを思い出す。
 また力を抜かれたら敵わない、思わず足を止め、その杖の光を避わそうとし――それが仇となる。

「――えっ?」
 魔力の光が放たれたのは、アリスではなく、後方に居たマリア。
 そして振ったのはサギの杖ではなく、『飛びつきの杖』。
 マリアにいかずちの杖を構える間も与えず、クリフトは彼女の身体に氷の刃を突き立てる。
 散った血液は冷気に当てられ赤い氷となって、マリアは氷と共に倒れる。
 悲鳴を挙げる間もない、一瞬の出来事。

「マリアさんっ!」
「んんーんーっ!」
 振り返ったアリスが、瞳に涙を浮かべたリアが叫ぶ。

865 仄暗い井戸の底から :2006/10/02(月) 01:05:45 ID:ZkVxzoOM
「ふむ、いけませんな……慣れない移動に、踏み込みが足りませんでしたか」

 一人ごちながらアリスと距離を取るクリフトを他所に、アリスはマリアに駆け寄る。
 しかし彼女の傷はさして深くなく、わずかに脇腹を掠るに留まっていた。
 突然倒されたために頭を打ち、気絶こそしてはいるものの、命に別状はなさそうだ。
 無事を確認し、アリスはほっと胸をなでおろす。
 切りつける体勢が不安定だったことと、彼が元々非力だったことが重なった幸運と言えるだろう。
 しかし回復が必要なのは間違いないし、何より
「……なんてことをっ!」
 傷が軽いからと言って、クリフトの行為が許されるわけではない。
 隼の剣を握りなおし、もう一度アリスが駆ける。

「おや、良いのですかな?そんなことをして」
 クリフトが再び杖を取り出す。しかし今度はアリスはその脅しに屈しない。
 体力を奪われる光を打たれようと、飛びつかれ間合いを詰められようと、この一撃で相手を無力化する!
 しかしそんな決意を嘲笑うかのように、クリフトから振るわれたのは今度は『引き寄せの杖』。
 その魔力の光はワイヤーで拘束され、身動きの取れぬリアの方向へ飛び、直撃する。

「――まさか彼女ごと、私を斬り捨てるとは仰りませんよね?アリスさん」
 リアを盾とするクリフトの前に、アリスは振り上げた隼の剣をピタリと止める。
「くっ、またしても卑怯なッ……!」
「なんとでも仰りなさい、さあ離れなさい!」
 そして今度こそ振るわれたのは『サギの杖』。
 魔力の光はアリスの体を押し飛ばし、再び死なない程度に体力を奪う。

「こんのぉ……っ、正々堂々と戦いなさい!」
「私はただ、生き残るために万策を駆使するだけですよ」
 アリスはすぐに立ち上がるが、その間にクリフトはさらにアリスとの距離をとっていた。
 そして氷の刃をリアに向けながら牽制する。
「さて。これ以上近づいたらどうなるかはお分かりですな?」


(お姉ちゃんが、やられちゃう)
 自分が人質に取られているから、アリスお姉ちゃんが動けない。
(なんとか、しなくちゃ)
 チャンスは今。神官さんが私の側を離れ、アリスお姉ちゃんを狙っている今。

 リアは考える。自分の体を拘束しているワイヤー。これがなければ、私は自分の足でこの場を逃げられる。
 そうすれば、アリスは不自由なく神官さんを追い払ってくれるだろう。
 ならばともぞもぞとワイヤーを引っ張るも、とても少女の力じゃ千切れそうなものではない。
(……あ、これなら――!)
 しかし動いたおかげか、リアはある道具の存在に気付く。
 いそいで縛ったせいか、手首の周りの自由はそれなりにあった。
 慎重にポケットから聖なる守りを取り出し、ワイヤーを少しずつ押し削る。
(お願い、切れて――!)
 もしこんな事をしているのが見つかったら、殺されてしまうかもしれない。とっても恐い。
 だけどどうしてだろう。握り締めたロトのしるしが、全身に勇気を分けてくれた気がした。


「ハッハッハ!気分はどうです?」
 リアがワイヤーと奮闘している間、クリフトはアリスを痛めつけていた。
 避ける事しか出来ないアリスに向けての、『サギの杖』の連射。
「いいわけ、ないでしょうッ……!」
 減らず口を叩いてはいるが、アリスの体は既にぼろぼろだ。
 もう何回魔力の光を浴びただろう。
 だんだんと重くなる体が追撃の回避を困難にし、雪だるま式に魔力の光を浴びていく。
「しぶといですな。心なしか、杖の効き目も悪くなってきたような……」
 しかし『絶対に死ぬことはない』ために、その魔力はいたずらに倒れない程度の体力を奪い続ける。
 それを知らないクリフトは、ただひたすらにサギの杖だけを振り続けていたのだ。

「――いいでしょう、ならば直接私の手で止めを刺してあげましょう」
 やがて痺れを切らしたクリフトは、いよいよとどめをと懐から別の杖を取り出した。

866 仄暗い井戸の底から :2006/10/02(月) 01:06:24 ID:ZkVxzoOM
(マリアさんのときと、同じ?それとも別の?)
 頭で色々考えをめぐらすも、どの道体力を失った今のアリスに、その魔力の光をかわす余裕はなく。
 アリスが諦めかけたその時、突然クリフトが杖を取り落とし、前のめりにバランスを崩した。
「ぬうっ!」
 そしてアリスの耳に、聞きなれた少女の声が飛び込んでくる。
「アリスお姉ちゃんっ!」

「な、何故!私の拘束を……」
 すぐに体勢を立て直し、クリフトは背後からの衝撃――拘束を解いたリアが突き飛ばしたのだ――を睨む。
(まさかあんな子供に、あの強靭そうなワイヤーが解かれるとは!)
 リアを拘束していたワイヤーは、トルネコとゲマの戦いにおいて炎に炙られ焦げ目がつき、強度が落ちていたものだ。
 ゆえに少女の力でも、ロトのしるしの様な装飾でも、幸運にも切り解くことができたのだ。
 しかしそんな背景を知らぬクリフトは、文字通り足元を掬われた格好になったことに苛立つ。

「――ええい、こざかしいッ!」
 その感情に任せ、氷の刃を横凪ぎに振るう。
 それは今まさに逃げようと背を向けたリアを深々と切り裂いた。
「リアちゃん!」
 赤い氷を撒き散らし倒れたリアは、そのままぴくりとも動かない。
 それを見たとき、いよいよ溜まりに溜まったアリスの怒りが爆発した。

「あなたは――ッ!!」
 アリスは疲れなどまるでなかったかのように、全速力で駆ける。
 おかげでクリフトが気づいた時には、既にアリスは眼前へと迫っていた。
「ひっ!」
 アリスの怒りに満ち溢れた剣幕に思わず脅えるクリフト。
 もはやこれまでと残された『飛びつきの杖』を出口へ構える。

「逃がしませんッ!」
 アリスはすかさず自分のザックをクリフトに投げる。
 かつてバーサーカーにひのきの棒をぶち当てたように、彼女はコントロールは抜群だった。
 果たして投げられたザックはクリフトの顔面にしたたかに直撃。それは、杖の照準を狂わせるには十分だった。

「はっ……?」
 不安定なまま放たれた魔力の光は井戸の出口から大きく反れ、壁へ着弾。
 結果そのままクリフトは壁に激突し、さらに井戸水の上へ落っこちた。
 めげずに再度逃走を図ろうと出口を探そうと振り返れば、そこにはアリスがどんと立ちふさがっていた。
「許しません!」

「うああああああっ」
 殺される――クリフトは我武者羅に氷の刃を振り回す。
 しかし震えの混じったその刃はアリスに簡単に弾き飛ばされ、更に隼の風が右腕を切り裂いた。
 氷の刃はそのままクリフトの手を大きく離れ、はるか後方の水の中に音を立てて沈んでしまった。
「痛っ!」
 右腕を抑え、苦悶するクリフトをアリスはようやく捕まえた。

「小さな女の子を連れ去るだけに留まらず、あまつさえ刃を向けるなんて!あなたという人は!」
「フ、フフ……何とでも言いなさい!私は姫様を生き返らせるために、優勝しなければならないのですよ!」
 腕の痛みのせいか、追い詰められた狼狽か、クリフトの目の焦点は合っていなかった。
「ハーゴンに従っても、何もいいことなんかないはずです!
 それにトルネコさんが――貴方の事をどれだけ心配していたか、分からないんですか!?」
「知りませんよッ!私の全ては姫様の為、そのためにならなんにでも魂を売りましょう!
 仲間など要らない!他の人間の命など要らない!
 姫様のいない世界など、私にとって何の価値もないんですから!」

 全てを吐露し絶叫するクリフトに、アリスは絶句した。そして同時に理解する。
 両親の死を、呪いへ依存することで逃げようとしたレックスのように。
 仲間の死を、殺した相手を憎むことで忘れようとしたマリアのように。
 彼はただ、大切な人を失った悲しみのやり場に困っているだけなのだと。
 だとすれば彼は、純粋な「悪」ではなかったのかも知れない。……だけど。

867 仄暗い井戸の底から :2006/10/02(月) 01:06:54 ID:ZkVxzoOM
「――大切な人を失ったからって、それが他の人を傷つけていい理由にはなりませんっ!!」
 マリアを、リアを、そして友を思うトルネコを傷つけたクリフトを、もはやアリスは許せなかった。

「……ええい、五月蝿いッ!離しなさい!」
 アリスの言葉を耳に入れたくないとばかり、逆にアリスを突き飛ばしたクリフトは
「姫様見ていてください!私が今、彼女に天誅を下します!」
 裂かれた右腕の痛みに顔をしかめながらも、クリフトは瞬く間に早口で言葉を紡ぐ。
「死の腕に抱かれ眠れ――悪よ滅びよ!『ザラキ』ィィッ!」
 そしてついにクリフトの口から、扱い慣れたその呪文が唱えられる。

 ――――しかし、MPが足りない。

「……あなたの魔力もまだ、回復していないでしょう?」
 アリスは静かに、そして憐れむように告げる。彼の魔力がないことは、マリアから聞いていた事だ。
「あ、あ、あ……ああああああああああっ!!」
 クリフトは今度はザックからイーグルダガーを取り出し、いよいよ半狂乱にアリスへと突撃する。
 しかしアリスは真っ直ぐ単調に突き出されたイーグルダガーを右にステップし回避。
 そのまま隼の剣を横に流し、剣道の胴打ちの要領でクリフトを一閃した。

「ぐ、あ、あっ……」
 左半身をほぼ分断され、傷口から大量に出血したまま倒れ転がるクリフト。
 悶絶していたのも束の間、ほっとしたようにどこかへと呟き始める。

「おや姫様、また壁を蹴破られたのですか?ブライさまに怒られたばかりではありませんか」
 彼の目に、この辛い現実はもう写っていなかった。
 写っているのは、かつての日常。サントハイムで愛する姫と過ごす、何気ない、でも幸せな日常。
「まったくしようがありませんなあ、今私も、貴女の所へ――」
 直後口から大量の血を吐いたクリフトは、それを最期に動かなくなった。

「……ごめんなさい」
 アリスはクリフトにただ一言だけ、そう呟いた。


「リアちゃん、遅くなってごめんなさい!今すぐ回復します!」
 戦いが終わり、静まりかえった井戸の中。倒れたリアへとアリスが駆け寄る。
 背中に開いた大きな一文字の傷。
 その傷はマリアよりもはるかに深く、流れ出た血液は既に限界を超えていた。
「私、もうだめ、みたいだから……おねえちゃんに、おねがい」
 搾り出すように言葉を出すリアは回復を断る。

「バカなこと言わないで下さい!必ず助けます!」
 しかしそれが、気休めであることは分かっていた。アリスにもまた、回復できるだけの魔力がないのだ。
 どう足掻いてもこれだけ深い傷の治療ができるわけがない。
 リアもそれを分かっているから、回復は全て傷の浅いマリアに使ってと進言しているのだ。
(それでも……助けるんですッ!)

 ルビスから加護を受けた時、私はある状況で判断を試された。
 砂漠にて遭難した兄弟。倒れて動けぬ兄。残された僅かな水は、兄を背負っては持たないかもしれず。
 ならば倒れた兄を捨て、俺は一人で行くべきなのかと問われた時、私は即答した。
 ――見捨てるな、二人で町へ向かえと。

 諦めない。
 アリスの手から、『ベホイミ』の光が放たれる。リアは驚くも、すぐにありがとうと答えた。
 例えそれが無駄なことだとしても、アリスはそうしなければ気が済まなかったから。

 結局、唱えられたのはその一度きり。やはりそれはリアの最期をほんの少し遅らせたに過ぎなかった。
 回復の光が出なくなったアリスの手は、代わりにリアの手をしっかりと握りしめて。

868 仄暗い井戸の底から :2006/10/02(月) 01:07:38 ID:ZkVxzoOM
「これでまた……おにいちゃんたちに、あえるかな……」
 これが、リアの遺言となった。
 全身から力が抜けていくのを、アリスはじっと感じていた。

(きっと、会えますよ……私が、保障します)
 リアの両目を優しく閉じさせ、もう見られていないことを確認してから。
 ついにアリスの瞳から、もう堪える必要の無くなった、大粒の涙が零れ落ちた。

〜〜〜〜〜

 戦いの末に散乱した道具を拾い集めた後、アリスは意識のないマリアを抱えて井戸の中の家に入った。
 死別による精神的疲労、サギの杖の連打による肉体的疲労。アリスは既に満身創痍。
 左腕の傷もあり、さすがにマリアを背負って井戸を脱出するまでには、彼女の体力は残されていなかった。
(これじゃしばらくは、上には戻れませんね……アレンさん、ごめんなさい)
 赤鬼の討伐に向かったであろう、アレンに援護にいけないことを詫び、そして無事を願う。
 アレンだけでなく、宿に残したトルネコたちの安否も心配になる。
 しかしまずは、自分達の問題を解決するのが先。一刻も早く体力を取り戻し、地上へ戻ろう。

 マリアの呼吸は安定していて、まるで眠っているようだった。
 彼女に王者のマントを被せ、即席の毛布にする。
 アリスもそのすぐ側で、少しの休息を取ろうと座り込み、一息。


 ――頭を巡るのは、先ほど殺めてしまったクリフトのこと。
 "ゲームに乗った悪は討つ"と決め、そして彼は"ゲームに乗った悪"だった。
 仲間を何人も傷つけた悪。自分はその悪を討っただけだ。
 ……なのに、このやりきれない気持ちは。
 最期に垣間見た、彼の大切な人への想い。それがアリスの心に深く突き刺さる。

 彼だって大切な人を失わなければ、こんなゲームに呼ばれさえしなければ。
 こんなことにはならなかったはずなのに。平穏な日々を送れていたはずだったのに。
 いや、これは彼だけじゃない。
 この地に呼ばれた誰一人として殺しあう事を、人を傷つける事を、望んでなんかいなかったはずだ。
 誰もこんなところで死ぬ事を、望んでなんかいなかったはずだ。

「……こんな理不尽は、絶対に終わらせなければいけません」


 そしてアリスは一つの誓いを立てた。
 このゲームを仕組んだ元凶を――『真の悪』を、必ず倒すと。


【E-4/アリアハン城下町井戸/黎明】

【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP1/8 MP0 左腕に痛み(後遺症) 疲労大
[装備]:隼の剣 インテリめがね
[道具]:支給品一式×4 風のマント ロトのしるし(聖なる守り)
    まほうのカガミ 魔物のエサ 氷の刃、イーグルダガー
    祝福サギの杖[7] 引き寄せの杖(3) 飛びつきの杖(2)
[思考]:自身とマリアの回復 『真の悪』(主催者)を倒す

【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:HP1/5 MP僅か 服はとてもボロボロ 脇腹に切り傷(要治療) 気絶
[装備]:いかずちの杖 王者のマント
[道具]:支給品一式×2(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル 毒薬瓶 ビッグボウガン(矢 0)
    天馬の手綱 アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:竜王(アレン)はまだ警戒

【E-4/アリアハン城下町周辺→北へ/黎明】

【アレン(竜王)@DQ1】
[状態]:HP4/5 MP僅か
[装備]:竜神王の剣 魔封じの杖
[道具]:プラチナソード ロトの盾 折れた皆殺しの剣 ラーの鏡 首輪×2
[思考]:アトラスを倒す この儀式を阻止する アレンの遺志を継ぐ

※切れたワイヤー(焦げて強度は弱くなっている)はそのまま井戸に放置されています。

【クリフト@DQ4 死亡】
【リア@DQ2サマルトリア王女 死亡】
【残り14人】

869 ただ一匹の名無しだ :2006/10/02(月) 17:18:13 ID:dQLCXTb2
乙。
杖の使用回数が誤ってないか?

870 ただ一匹の名無しだ :2006/10/02(月) 20:48:10 ID:N28pHoOc
乙!ストーリーの全体的な矛盾は無いからいいんじゃないか?
詳しい感想は本スレで書くよ。

871 ただ一匹の名無しだ :2006/10/02(月) 20:58:29 ID:ZkVxzoOM
作者です。
>>869
「祝福された杖は回数が減らない」とのことなので、サギの杖の回数は減らしていません。
(「グレイスカイ」で5に減っていたので、勝手ながら7に戻させて頂きました)
その他の杖の回数につきましてはミスは無いと思いますが、あるようでしたら指摘お願いします。


ではその他には問題ないという声がいくつかいただけましたので、自分で気付いた誤字や表現ミスの修正の後
もう一度推敲し、本日中に本投下しようと思います。ありがとうございました。

872 ただ一匹の名無しだ :2006/10/07(土) 02:52:40 ID:X9YI/ins
呪われているのは、誰だ?

「フォルシオンを頼みます!」
へんてこな兜をいじり終ったかと思うと、トルネコは袋から幾つかの武器をとりだし、こちらに見せた。
「トロデさんも、何か使えそうな武器があれば、持っていてください。」
「わしに、のぅ」
取り出された武器は3つ。破壊の鉄球、さざなみの剣、聖なるナイフ。
さて、どれを選ぶか。時間はない。
破壊の鉄球は文句為しに強いが、鉄球の重さはトロデの手に余る。
一番手軽で扱い易い、だが威力は疑問が残る、聖なるナイフ。
魔法を弾くさざなみの剣、切れ味も悪くは無い。
 迷ったが、あるひとつのことに思い至り、ひとつ武器を取る。
「では、これをもらおうかの」
「後をお願いします」
「わかった。ワシに後は全て任せよ」
 自信たっぷりに、ひとつ頷いて見せた。
 トルネコが頷き返す。
「行って来ます。」 
 ククールのように、お互い再び会えないかしれなかったが、笑って送り出す。

 トルネコが去った後、武器を握りしめ、袋を部屋の奥へと置き、宿屋の外へ。
まだ、夜は明けない。
白馬が落ち着くように、開いている片手でその腹をなでてやる。
外では、巻き添えを食う恐れが多すぎる。
「無理やりでも、部屋に入れてやるべきかのう・・・。」
フォルシオンの手綱を取って、宿屋の近くまで導く。
 一瞬、目に光が横切る。
とっさに手綱を放し、地面に転がる。
頭上で、何かが破裂した音。
 『煙?』
あたり一面、煙が立ちこめる。
そのまま転がりながら、煙から脱出しようとする。遠くに行く、蹄の音。
「これは、これは。
おひさしぶりですな。
真に残念ながら、すぐにお別れですがね」

男が自分に向かって左手の鋭い刃物を突き出した。
咄嗟に持っている武器で受け、弾く。
どうやら、間合いが同じくらいの長さであるらしい。
金属同士の高い響き。

伏せた状態では次は避けれない。
死を感じた。例えようも無い恐怖が背中伝う。
武器を握り締める。
この武器を持っていた男の叫びが聞こえたような気がした。
『畜生・・・・・・俺は、何も・・・・・・できないで・・・・・・畜、生・・・・・・』
まだ、まだまだ死ねぬわ。
せめて、わずかばかりとも!!

顔を俯かせ、じりじりと上体を起こしながら、男のほうへ移動する。
「おやおや、降参ですかな。しかし、残念ながら、それは聞けぬのですよ!」
再び繰り出される刃。
捨て身で、至近距離から、握り締めた武器を右手で思いっきり突き出した。

負傷してないマルチェロであったなら、簡単に避けていたであろう刃は、左足を貫通した。
負傷した左目の死角には入りこんでの一撃。
「悪い子には拳骨じゃ。若干、痛いかもしれぬがな」
にやりと笑ってみせた。
「よくも!」
男は距離を取り呪文を唱え始めた。
やれやれ、短気なことだのぅ。
強力な武器を持ってこなくて正解じゃったわい。
ナイフぐらいなら、エイトよ、問題あるまい?後は任せたぞ。
「メラゾーマ!!」
それにしても、いつになったらあやつはわしを父と呼んでくれる のか の ぅ・・ ・。



「くっ。思ったよりも、目のハンデが大きい。迂闊に接近戦は、できんな」
なまじ視界が効き、右目に頼ってしまったのも原因だろう。 
回復魔法で足の負傷を癒す。
切断されなかっただけ、運が良いと思うべきだろう。
 残った目で焼けた死体を見る。
「隠しておくほうが、探しに来たヤツらを分散できるか?
まあ、念の為だ」
マルチェロは、緑の物体を引きずって、近くの家に放り込んだ。

煙から脱出して、戻ってきた白馬は、その一部始終を見ていた。

【E-4/アリアハン城下町宿屋の外/黎明】

【トルネコ@DQ4】
[状態]:健康
[装備]:無線インカム
[道具]:ホットストーン 
     聖なるナイフ さざなみの剣 破壊の鉄球
[思考]:皆の援護に行く クリフトをもう一度説得 
     他の参加者に危機を伝える ピサロといずれ合流

【マルチェロ@DQ8】
[状態]:左目欠損(傷は治療) HPほぼ全快 MP1/3
[装備]:折れた皆殺しの剣(呪い克服)
[道具]:84mm無反動砲カール・グスタフ  
    グスタフの弾(対戦車榴弾×1 発煙弾×1 照明弾×1)
    聖なるナイフ
[思考]:何だあれは?
    城内で休息 隙を見て宿屋を襲撃 ゲームに乗る(ただし積極的に殺しに行かない)

【トロデ@DQ8 死亡】
【残り13名】

873 ただ一匹の名無しだ :2006/10/07(土) 11:14:22 ID:TRiNmRr6
崩落したアリアハン城についてノータッチなのは何故なんだぜ?
マルチェロの状態も全く変わってないし。

874 ただ一匹の名無しだ :2006/10/07(土) 11:50:29 ID:ksp7RhUM
>>873さんとほぼ同文になりますが…
前話でのマルチェロの態度が全く反映されてないと思います。
アレンを警戒して宿屋襲撃を尚早と見ていたり、アトラス襲来に気付き思考欄「なんだあれは?」と困惑していたのに
それらをガン無視していきなり宿屋襲撃決行、しかもその経緯について全く描写なしというのはいくらなんでも唐突過ぎると思います。

また状態欄の更新も忘れずにお願いします。
マルチェロの状態以外にも聖なるナイフが二本に増えてたり、トロデの支給品が消えてたりとメチャクチャなので。

それらの補完がされれば大筋は問題なくなると思います。
欲を言えば、キャラが死ぬSSなのでもう少し練りこんで欲しいとは思いましたが。

875 ◇7SO6ndqhUM :2006/10/07(土) 13:00:53 ID:X9YI/ins
コメントありがとうございます。
トルネコ、トロデ、マルチェロの投下、撤回します。
もし投下するときは、修正&構想を練って、あらためて予約することにします。

876 闇の誘い −Inter mission− 1/15 :2006/10/17(火) 02:45:22 ID:lOarr2Mc
薄暗い闇の中、重厚な金属音が響き渡る。
豪奢な装飾が施された巨大な鋼鉄の扉が両側に開いていき、一人の神官を招きいれた。
扉の内は燭台に灯された僅かな明かりが、申し訳程度に空間を照らしている。
しかし外よりも微かに明度が上がったに過ぎず、部屋の様子がうっすらと視認できる程度であった。
薄明かりの中、真紅のマントをなびかせて神官はゆっくりと部屋の中央へと歩いていく。
灯火がその空間の主、玉座に着く存在をほんのりと浮かび上がらせた。
ここは謁見の間。この神殿の王というべき大神官との謁見を行う場所である。
玉座にあるは当然、悪霊の神々を司る大神官ハーゴン。
その姿を認め、悪魔神官はビロードの赤い絨毯の中央で傅いた。
「ハーゴン様、悪魔神官ネクロス、参上致しました」
その言葉に微動だにしなかったハーゴンの瞼が持ち上がった。
「来たか」
ハーゴンは身体を起こすと右手をスッと頭上に上げた。
すると周囲の燭台に次々と明かりが灯っていき、室内を橙の光で満たしていく。
「お休みのところ申し訳ありません」
「よい、報告せよ」
「はっ」
ネクロスは深く敬礼をし、報告を始める。
「刻は20時間を経過し、日の出まで4時間程となりました。
 脱出を試みる者も未だ存在するようですがそれは叶わず、現在死者は27名を数えております」
「ほう、超えたか」
報告を聞き、ニタリと口を裂く。
「聖杯を管理している悪魔神官はどうした。ここへ呼べ」
「ネメシスです、ハーゴン様」
神官の名を伝えられるが、ハーゴンは面白くなさそうに鼻を鳴らす。
「名などどうでもよい。早々に呼べ」
「……は。差し出がましい真似を致しました」
頭を下げ、ネクロスは思う。
(この方は……変わられた)
かつて共に竜邪神シドーを崇め、世界征服の軍を起こしたときはこうではなかった。
圧倒的な魔力とカリスマを持って12人いた邪神の使徒たる悪魔神官を従え、全世界を相手に一歩も退くことなく戦い抜いた。
そんなネクロスが尊敬してやまなかったハーゴンは今は変わってしまったと強く感じる。

877 闇の誘い −Inter mission− 2/15 :2006/10/17(火) 02:47:10 ID:lOarr2Mc
教団の崩壊から一年の後、下界にて隠遁していたネクロスたちの前に現れたのが蘇ったハーゴンだった。
ネクロスはその事実に歓喜し、生き残った他の信徒たちと共に再び変わらぬ忠誠を誓った。
だが……その時から微妙な違和感がついて離れない。以前のハーゴンとは何かが違う。
その正体は判らなかったがネクロスは以前のようにハーゴンを信じることが出来なくなっていた。
「では……」
「いえ、その必要はございません」
ネクロスがネメシスを呼びに行くために立ち上がろうとした時、扉の方向から艶やかな声が聞こえた。
振り向くとそこにはネクロスよりも華奢な体格の仮面の神官が立っている。
ネクロスの真紅のマントとは対照的に深蒼のマントを羽織っていた。
「ふふふ……ハーゴン様、ご機嫌麗しゅうございます。
 このネメシス、ハーゴン様に吉報を届けに参りました」
一声で女性と解る透き通った音色とともに、彼女は優雅にネクロスに並び膝を折る。
「ほう、ならば」
「はい。聖杯は満ちまして御座います」
その言葉にハーゴンの顔は歓喜に歪んだ。
「満ちたか!」
「はい、死の際に強い負の想念を生む者が当初の思惑より少なかった為、遅くなりましたが……
 贄も30名に迫り、ついに聖杯を闇の力にて満たしました」
聖杯とはいわばハーゴンが邪神復活の為に用意したエネルギータンクである。
命が消える際に生まれる恐怖、憎悪、悔恨、などの負の精神エネルギーを貯蓄する装置。
命とはもちろん生贄の儀式に参加している者たちであり、その断末魔は首輪を通して聖杯に送られるシステムとなっている。
そして貯蓄されたエネルギーは邪神復活の儀式の原動力、そして復活した邪神の活力となるのだ。
ネメシスのもたらした報に喜色満面の笑みを浮かべるハーゴンとは対照的に、
ネクロスは僅かに身を震わせ、俯いたまま地につけた右手をギュッと握り締めた。
まるで、その報告が危急の報であるかのように。
そんなネクロスの様子に気付くこともなく勢いよくハーゴンは立ち上がる。
「ハーゴン様?」
「儀式を開始する。破壊神降臨の為の扉を開くぞ」
ハーゴンはローブを翻し、ネクロスの脇を通り過ぎる。
「生贄の儀式はどうしますか?」
「当然続けろ。扉を開く寸前で術式は一旦待機状態にする。
 そして破壊神に相応しい依り代を選び出したら、そ奴に破壊神を降臨させるのだ」

878 闇の誘い −Inter mission− 3/15 :2006/10/17(火) 02:49:12 ID:lOarr2Mc
ククク、とハーゴンは唇の片側を吊り上げる。
「強さなどは仮初めの基準でしかない。真に必要なのは殺し合いの中、生き延びて磨かれた魂の格。
 その為に世界に強い影響力を持った者達を集めたのだからな。
 あるレベル以上の格を持った者たちの中から無作為に選出したために、取るに足りない者も
 混じってしまったようだが……まぁ今となっては関係ない」
扉を通過するところでハーゴンは足を止め、ネクロスへと振り返った。
「祈祷師どもは祭壇にて待機しているであろうな? 悪魔神官よ」
「ネクロスです、ハーゴン様」
その答えに苛つき、ハーゴンは声を荒げる。
「貴様の名前などはどうでも良い!」
「はい、祈祷師総勢7名。祭壇の間にて儀式の準備を進めましてございます」
端にいたネメシスが恭しく敬礼し報告する。
「ふん、それで良い。では後は任せたぞ、悪魔神官」
そういい残し、ハーゴンは回廊の闇の中へと姿を消した。


謁見の間からハーゴンの姿が消え、ネクロスはゆっくりと立ち上がった。
そこにネメシスが声を掛ける。
「どうしたのです、ネクロス? あなたらしくないではありませんか。
 呼び名などに拘るとは……」
「ハーゴン様は……我々を道具としか見ていない。私は役目を果たすだけの悪魔神官であり、
 決してネクロスという一個人としては見てもらえない……」
拳を握り、仮面の奥から声を絞り出す。
「それは公私の区別をつけられているのですよ。今は破壊神復活の為の重要な時。
 僅かな気の緩みが如何な破綻に繋がるとも限りません。不満には思うかも知れませんが……」
「だが以前はこうではなかった! 我々はハーゴン様を師として仰ぎ、ハーゴン様もまた
 我らを邪神の使徒として扱われた! だが今は違う、おかしいとは思わないのかネメシス!?」
腕を振り強弁するが、その様子にネメシスはゆっくりと首を振り肩を竦める。
「それでロトの末裔に敗れたことを教訓となさっているのでしょう。あなたは少し疲れているのです。
 少し落ち着いて休息を取るといいでしょう、ハーゴン様に間違いはないのですから」
そしてネメシスは仮面を外す。プラチナブロンドの髪が零れ、腰までハラリと流れ落ちた。
白い肌に透き通った碧眼を持つその美貌はまさに悪魔的な妖艶さを放っていた。

879 闇の誘い −Inter mission− 4/15 :2006/10/17(火) 02:51:15 ID:lOarr2Mc
「破壊神の力を持ってすれば世界の征服など児戯に等しいこと。
 我々を否定した世界が我々の手によって理想郷に変わる時も遠くはありません。
 いいえこの世界だけではない、アレフガルドも、あらゆる異世界も、全てハーゴン様のものとなる!
 そうなればハーゴン様は統一された新世界の皇帝。あなたは宰相……いえ大神官でしょうか?」
ゆっくりと歩を進め、ネクロスに近付くとその首に腕を回した。
「そしてその時はネクロス……私はあなたと共に……」
潤んだ瞳でしばし見つめた後、首元にしなだれかかる。
「本当に、そう思うかネメシス……?」
「ネクロス?」
しかしそんな彼女に返ってきたのは冷たい言葉だった。
怪訝な表情でネクロスの顔を覗き込む。
「我らは破壊神の恐ろしさを目の当たりにしたはずだ。ハーゴン神殿を崩壊させたあの恐怖を。
 同じ使徒であった仲間たちもシドーの瘴気によって喰われ、取り込まれた」
「それは……あの時はハーゴン様が既にお亡くなりになってしまったから」
「そうか? ハーゴン様なら破壊神を制御できたのか? 本当に?
 あれは、あれは我ら如きが手を出してよいものではなかったのではないか?」
「ネクロス……待ちなさいネクロス……ッッ」
次第に語気を増すネクロスに危険なものを感じ始め、彼女から血の気が引く。
「あれほどの恐怖を撒き散らかしたものでさえ、不完全な状態だというのだぞ?
 あれはその名の通り破壊の神だ。神に人間の手は届かない……。
 我らは、取り返しのつかないことをしようとしているのではないのか!? ネメシス、我らは……」
「クロード!!」

パァンッ!

空を切る音と共にネクロスの仮面が鳴る。
ネメシスの平手の衝撃で留め金がはずれ、悪魔神官を示す仮面の仮面は乾いた音を立てて地に落ちた。
驚いた顔でネメシスを見る。そこには短く刈り込まれた銀髪の実直そうな青年の姿があった。
ネメシスはブルブルと震え、泣きそうな顔で彼を見つめている。
「何を言おうとしたのです? やめなさい、それ以上はハーゴン様に報告せざるを得なくなります」
「……メリッサ」
呆然と、ただ相手の名を呟く。

880 闇の誘い −Inter mission− 5/15 :2006/10/17(火) 02:53:32 ID:lOarr2Mc
「本心ではないでしょう?
 あなたは不安だったのですよね? 一度ロトの末裔たちに敗れているという事実が
 この全て上手くいっている現状に不安をもたらし焦燥を駆り立てたのでしょう?
 本心で……本心で言ったわけではありませんね?」
しばらくの沈黙。そして静かにネクロスは口を開いた。
「ああ、そうだな……すまない。確かに以前、我らはアレンたちの急襲に対応できずに敗れた。
 12人いた悪魔神官も10人までもが命を落とし、ベリアルら三邪神までもが敗れた。
 生き残ったのは我ら2人と40に満たぬ僅かな信徒のみ。私は……そのことで悲観的になりすぎたのかもしれん……」
それを聞いてネメシスはホッと安堵の表情を浮かべる。
「もうわかりました。ネクロス、不安なのは解りますが今はハーゴン様に全てお任せすればいいのです。
 焦燥は人を窮地へと追い込みます……休息を取りなさい。人数も減り、盗聴の重要性は減ったでしょうし」
「すまない、ネメシス。そうさせてもらうこととしよう」
地に落ちた仮面を拾うと再び装着し、頷く。
「ええ、何なら次の放送は私が担当いたしましょうか?」
「いや、それはいい。私に与えられた任務だからな……お前も聖杯の制御で手一杯だろう」
「そうでもありませんよ、器が満ちたことで聖杯も安定したようです。
 部下の妖術師3名で充分に制御可能です。まぁ不測の事態が起こる可能性がないとは言えませんが」
「ならばそういったことが起きない為に監督するのがお前の役目だ。こちらのことは心配いらない」
そういうネクロスに思わず小さく微笑む。
「ふふ、相変わらずお堅い人……でもそれがあなたらしいところですね。少し落ち着いたようで安心しました。
 それでは私は持ち場に戻ります。あなたもゆっくりと休んで鋭気を養ってください。
 破壊神の復活の儀式に備えて……ひいては我らが理想郷の実現のためにね」
そういってネメシスは身を翻し、謁見の間を去っていった。
その後姿を見送り、ネクロスはポツリと呟く。
「我らが理想郷の為に……か。
 ネメシス……破壊神を実際に目の当たりにするまではそれも信じられたのだがな……」
そうして彼もその場を後にする。
誰もいなくなるとその空間の灯火はひとりでに消え、謁見の間は再び暗闇で閉ざされた。

881 闇の誘い −Inter mission− 6/15 :2006/10/17(火) 02:56:41 ID:lOarr2Mc



神殿の一角にある盗聴管理室。
そこには27名の魔術師が慣れない通信機器を使い、首輪を通して送られてくる参加者の音声情報を分析していた。
既に参加者も残り少なくなり手が空いているものもいるが、
その者たちも室外へ出ることは許されずに時折命じられる雑用などをこなしていた。
そしてその情報を取りまとめる室長を任ぜられたのは悪魔神官よりも一階級下の地獄の使い、オリシス。
信徒の中で最年少ながらも天才的な魔術の才能で地獄の使いとなった彼は、部下たちの信頼も厚かった。
「オリシス様、アリアハンのトルネコとレーベのピサロがインカムで繋がったようです。
 これで参加者の全てはアリアハンへと集結することになります」
「そうか、ようやく……ご苦労。分析を続けなさい」
「ハッ」
一人の魔術師の報告に、軽く労をねぎらいオリシスは思案に沈む。
人数は残り十数名となり、その全てが一つの場所に集結を始めた。
それはこの儀式の終わりが近いことを示している。だがその結末は――
「くそっ」
小さく舌を打ち、毒づく。状況が示す儀式の結末は彼の思惑には沿っていなかった。
オリシスは……、いや彼だけでなくこの部屋にいる全ての者はこの儀式の成功を求めていなかった。
彼らもまたネクロスと同じく、破壊神とハーゴンを以前のように信じられずにいたのだ。
だがハーゴンの闇の力に表立って逆らうことは出来ずに今はただ機会を待っている。
そのとき部屋の扉が開いた。入ってきたのは――
「ネクロス様!」
「オリシスか。どうだ、奴らは」
ネクロスの姿を認め、オリシスは敬礼し報告する。
「は、未だ首輪解除までは至らず散発的な戦闘が続いております。
 死者も増え、先ほど残存名が14となったところです」
その報を聞いてネクロスは歯噛みする。
「まだか……まだなのか、世界の英傑たちよ……」
「ネクロス様、聖杯は……」
その様子にオリシスは不安そうに尋ねる。
返ってきたのは、重い首肯だった。

882 闇の誘い −Inter mission− 7/15 :2006/10/17(火) 02:59:05 ID:lOarr2Mc
「満ちた。もはやシドーの復活まで猶予は幾ばくもない」
「……そうですか……時がないのであればもう、我々が決起するしか……」
意気込んで提案するオリシスにゆっくりと首を振り、ネクロスは諭すようにその肩に手を置いた。
「いや、オリシス……離れの宮にロンダルキアの麓に繋がる旅の扉を用意した。
 お前は魔術師たちを率いてそれでここを去れ」
「そんな、ネクロス様!?」
思いもしなかった言葉にオリシスは悲痛な声を上げる。
ネクロスの決意がその言葉からありありと感じ取れたからだ。
その言葉を聞きつけ、他の魔術師たちも盗聴を放ってネクロスの周囲に集まりだす。
彼らを見渡しながらネクロスは朗々と指示を出す。
「ロンダルキアを下りペルポイへと行くがいい。あそこは我ら邪神軍の脅威が消えたことで
 地上に新たな街を作り移民している最中だ。人手の必要なその時期、素性さえ知られなければ
 魔法使いの一団は好意的に受け入れられるだろう」
肩に置かれた手に自分の手を添え、オリシスは首を振る。
何かを言おうとするが、言葉にならなかった。
「我々はかつて己を認めぬ世界を呪い、邪神の下へ集った。しかしそれは間違いだったのだろう。
 世界に見切りをつけるには早すぎた。だからオリシス、お前たち、……もう一度やり直すのだ。
 もう一度……みんなと一緒に世界を受け入れられるように努力してみよう」
「ネクロス様や他の信徒はどうするのです?」
声を出せないオリシスの代わりに側にいた魔術師が問う。
「祈祷師や妖術師たちは……残念だがもう説得する間も退避させる間もあるまい。
 彼らの担当であるネメシスにその目がない以上、な。ならば私も……責任を取らねばならぬ」
「そんな……一緒に逃げましょうネクロス様! 後は時の英雄たちが何とかします!
 その布石だって打っていたじゃないですか……ここでお別れなんで嫌です!」
オリシスは仮面を外し、ネクロスに縋り付く。そこにはまだあどけない幼さを残した少年の顔があった。
長い黒髪を三つ編にして下げている様がより少年を童顔に見せている。。
「オリシス……安心しろ。残ると言っても私は死ぬつもりはない……私はただ死ぬには罪を重ねすぎた。
 償う為にも私は必ず生き残る。お前たちの住む世界を滅ぼさせぬ為にも破壊神の復活を食い止める」

883 闇の誘い −Inter mission− 8/15 :2006/10/17(火) 03:00:27 ID:lOarr2Mc
「私たちでは、力になれないのですか!?」
必死に食い止めようとする少年にネクロスは仮面の下で哀しそうに微笑む。
未来あるオリシスたちをこれからの惨劇に巻き込むことは絶対にできなかった。
「お前たちの力では最早どうこうできるレベルではない。私とて怪しいものだ。
 だが私一人ならどうとでも立ち回れようが、お前たちが居てはそれもままならぬ。聞き分けてくれ」
バッサリと切り捨てられ、オリシスは無念に肩を震わせる。
そして……しばしの沈黙の後、涙で濡れた頬を拭と顔を上げ、精一杯の微笑を浮かべた。
「私、待っています。ペルポイで……ネクロス様がいらっしゃるのをずっと待っていますから!」
「ああ、後で必ず行こう。さあ、行けオリシス……ハーゴン様が祭礼の間に入られた今が好機だ」
「はいっ」
ネクロスはオリシスを、魔術師たちを見渡した。
「我々はやり直せる。もう一度新たな人生を歩もう……日の当たる道を行くのだ!」

歓声が、上がった。



誰も居なくなった盗聴管理室。その椅子に座りながらネクロスはゆっくりとため息を吐いた。
「すまんな、オリシス。この地位につくまでに私は限りなく嘘をついて来た。
 そのおかげで……嘘は、上手いのだ」
自分はここで命を落とす。そんなどうしようもない確信がある。
「だが、ただでは死なぬさ」
アリアハンという名の箱庭に自ら身を落とし、勇者たちを手引きする。
おそらく露見するのに時はいらず、すぐさま自分はハーゴンによって殺されるだろう。
だが構わない。刹那でも擬似アリアハンへと入ることが出来ればネクロスに与えられた権限によって
参加者全員の首輪を無効化することができる。そうなれば自分が死すとも希望は残るのだ。
(本当ならば……彼らが自力で脱出するのを待ちたかったが、もうそれだけの時がない)
ネクロスは彼らが自力で脱出できるように、ハーゴンの目を盗んでいくつかのアイテムを支給品に
紛れ込ませていた。ハーゴンが異常な能力を発揮して他の世界から召喚した特別な武器、道具たち。
ネクロスはそれを選別して支給品にする任務を与えられたのだ。
だがさすがにハーゴンの目を何度も謀るのは容易ではなく、ネクロスが紛れ込ませることが出来たのは
ほんの僅かしかなかった。

884 闇の誘い −Inter mission− 9/15 :2006/10/17(火) 03:02:44 ID:lOarr2Mc
(最も、殺し合いの最中にそのようなアイテムが支給されたとてハズレと思う者が殆どであろう。
 これは私の落ち度だな……)
自嘲して立ち上がる。
おそらく数分でアリアハンへと侵入したことはネメシスに露見するであろう、だが
もしネメシスが自分を庇う為にハーゴンへの報告を躊躇えば、
参加者の首輪解除だけではなく脱出させる猶予も生まれるかもしれない。
(ふん、人の情も計算に組み込む私には地獄こそが相応しい、か)
どこで自分は間違ってしまったのだろう。
かつてムーンブルクの若き神官だったクロード。
だがその才気を古参の神官たちに妬まれ、謂れのない罪を被せられて国を追放された。
彼を陥れた神官たちも、彼を信じなかった国王も、全てが憎かった。
そして紆余曲折を経て邪神教団に入信した彼は天才的な才覚を持って短期間で悪魔神官となり、
ムーンブルク侵攻をハーゴンに進言することになる。
(私には世界を呪うことしか残されていないと思った。くだらぬ世界を滅ぼし新たな理想郷を作る。
 そのハーゴン様の思想こそ正しいと思っていた。だが……)
あの全てが絶望色で塗りつぶされた一夜。
ロトの末裔たちがどうやってか幻影を打ち破ってハーゴン神殿を急襲したあの夜。
ハーゴンは三邪神と悪魔神官を足止めに急遽シドー復活の儀式に入った。
そして、ネクロスが見たのは……次々に黒い瘴気に取り込まれて消滅する仲間の悪魔神官と
絶望的なほどの威圧感を持つ一体の化け物だった。
その姿に知性は感じられない。ただ、ただ、圧倒的な破壊の塊。
それを見てネクロスは逃げた。側に居たネメシスの手を掴み、一目散に逃げ出した。
恐怖と混乱の中、ネクロスが理解したのは「あれ」は理想郷を作るための神などではない。
ただ破壊をもたらすだけの化け物だということだった。
ハーゴンへの尊敬が薄れることはなかったが、破壊神への信仰はその時失われた。
生き残ったは悪魔神官はネクロスとネメシスの二人のみ。残った信徒も40名に満たなかった。
神殿は崩れ去り、二人は信徒を率い、下界に降りて隠遁するしかなかった。
(ハーゴン様も、我らも、全てが間違っていたのだ)
そして再び同じ間違いを繰り返そうとしている。

(全てを……清算する時がきたということか)

885 闇の誘い −Inter mission− 10/15 :2006/10/17(火) 03:04:50 ID:lOarr2Mc
ただ、破壊神の復活を阻止する。その為に……ネクロスが魔方陣を描こうとしたその時。

 ゾ ク

彼の全身が氷の縄で締め付けられたような錯覚に落ち入った。
ここから離れた場所で凄まじい規模の魔力が弾けたのを感じ取ったのだ。
元来、人間は魔力を感じる力に乏しい。
訓練によってその力をある程度伸ばすことは出来るが魔族と比べれば小さなものだ。
だが、それにも関わらずネクロスの神経はその魔力が発生した位置も、規模も感じることが出来た。
それほどまでに巨大な悪意。それが発生したと思われる場所は……。
「!?」
ネクロスは駆け出す。
彼が感じ取った場所は、オリシスたちが向かったはずの離宮だった。
(まさか、まさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさか!!?)
回廊を駆け抜け離宮に迫ったその時、彼の目前に現れたのは――

「ハ、ハーゴン様!?」

見慣れたローブを纏う大神官の姿にに思わず、足を止め……見慣れた?
いや、常に白地に黒の縁取りだった筈のローブは真っ赤に染め上げられている。
動揺激しいネクロスを見てハーゴンはニヤリと哂った。
「ククク、どうした悪魔神官? 何をそんなに驚いておる?」
震える体をどうにか意志の力で押さえつけネクロスは何とか問いを口にする。
「な、何故このような所に? 祭礼の間に向かわれた筈では?」
「何、この空間に穴が開いているのを感じたのでな。大事の前の小事だ、塞ぎに来たというわけよ。
 まぁお主等に命じても良かったのだが儀式の前に少し運動しておこうと思ってな、ククク」
絶望がネクロスの身体の中を這い回る。
嘔吐感を必死に堪えながら、ネクロスは声を絞り出した。
「な、中には……だ、誰も? 私が何人か人をやっていたので、す……が……」
「ああ……先ほどまでは居たな――だが」
ハーゴンは軽く顎を上げた。
唇を歪めて心底愉快そうに、宣告する。

886 闇の誘い −Inter mission− 11/15 :2006/10/17(火) 03:06:33 ID:lOarr2Mc

 ... . .
「もういない」

その時、揺れるローブに隠されて目立たなかったが、ハーゴンの手に何かが握られているのが見えた。
黒い荒縄の先にぶら下っているのは ―― 血に塗れたオリシスの生首だった。

「―――――ッッ!!」

全てを理解し、ネクロスは声にならない絶叫を上げた。
(オリシス! オリシス! 私の、私のせいか!? 私が……)
「おやおや、どうした悪魔神官? 気分が悪いなら休んだ方がいいぞ……今、私は気分がいいのでな。
 そのくらいは大目に見よう。それ、見舞いだ」
無造作に手に持つ荒縄……オリシスの三つ編を手放し、ネクロスの眼前へと生首を転がす。
ネクロスを見るそのオリシスの顔は恐怖の表情が凍てついたように張り付いていた。
「あ、あ……あああ……あああああああああああぁ!!!!」
懐から取り出した魔導師の杖を振るい、生み出された火球がハーゴンに襲い掛かる。
しかしハーゴンはそれを片手で受け止めると簡単に握りつぶしてしまった。
「どういう、ことかな? これは」
「黙れぇ!! 我らは、我らはずっと……ずっとあなたに忠誠を誓い従ってきた!!
 それなのに、何故、何故あなたは変わってしまった!? 忠誠の報いがこれかぁ!」
「おかしなことを言う奴だ、私は何も変わってなどおらん。だが、謀反を起こすというなら……」
ハーゴンの魔力が膨れ上がり、暗灰色のオーラとなって燃え上がる。
「死ぬしかないな?」
軽く腕を振ると、パグン、と果実を砕いたような音を立ててオリシスの首が破裂する。
飛散した鮮血がネクロスの仮面に飛び、涙のように零れた。

――咆哮。

己全ての魔力を解放し、全神経をハーゴンへと向けて収束させる。
「私はあなたを二度も死なせたくはなかった。だが、ここに至ってはもはや他に手段なし!
 あなたを討って破壊神復活を未然に防がせてもらう!」

887 闇の誘い −Inter mission− 12/15 :2006/10/17(火) 03:08:33 ID:lOarr2Mc
ネクロスは高速詠唱に入る。

――天の精霊、歌え断罪の聖歌
  ――大地の精霊、奏でよ破壊の旋律
    ――掲げられし王錫の下、王に成り代わり我は命ず

「落ちよ、万物を砕く精霊の槌!! イオナズン!!」

蒼い光がハーゴンを中心に収束し、そして次の瞬間、閃光となって回廊を破壊の力で満たした。
壁が、床が、天井が、砕け散って粉塵を撒き散らす。
爆風が収まった頃、ネクロスの目の前には中途で途切れた回廊とその先の紫や紺や白などがまだらに輝く
異様な空間が広がっていた。少し離れた場所に千切れた回廊と、それに繋がった離宮が浮遊している。
その斑の空間こそ神の目の届かぬ異空間……その異様である。
「ハァ、ハァ、ハァ、」
渾身の魔力を込めた最上級爆烈呪文。悪魔神官であればその威力も伝説級、上位の魔族とも遜色はない。
倒せずともかなりのダメージは与えた筈であった。
追撃の為に必死に呼吸を整えながらネクロスは未だ粉煙収まらぬ回廊の途切れた爆心地を睨む。
濛々と煙る粉塵の中――腕が飛び出してきた。
「!?」
まるで鞭のようにしなりながら伸びた腕は意表を突かれたネクロスの顔面を鷲掴む。
「ぐぉおおお?」
そして瞬時に手繰り寄せられた先は、粉煙のなか無傷で立っているハーゴンの目前だった。
「中々の威力だ……少し惜しいな」
余裕の表情でハーゴンはネクロスを吊り上げる。
顔面を掴む腕を必死に取り外そうとするが、ハーゴンの腕はビクとも動かなかった。
(ば、馬鹿な……いかにハーゴン様であろうと今の攻撃を受けて無事でいられる筈が無い!!)
実際、如何な魔王といえどダメージを与える自信はあった。
なのに衣服に汚れの一つもつけることができないとは……。
「ククク……不思議か、自慢の呪文で傷一つつけられないのが? 闇の衣に纏う私に呪文は通じぬ」
「!!」
(や、闇の衣とは……まさか、あの……?)
その時、ハーゴンの握力に耐えかね、鋭い音を立てて仮面に亀裂が入る。

888 闇の誘い −Inter mission− 13/15 :2006/10/17(火) 03:09:44 ID:lOarr2Mc
「ぎゃぁあああっ!!」
仮面と共に頭蓋骨を締め付けられ、ネクロスは苦悶の叫びを上げた。
それを愉悦の表情を浮かべながら見据え、ハーゴンは哂う。
「さて、ネクロス……と言ったか?」
「な、何だと……?」
まるで初めてその名を口にしたとでもいうようなハーゴン。
そして……ネクロスは全てを悟った。

「き、キィ……貴様はいったい何者だぁああああああああっ!!?」

絶望の叫び。
彼の信奉していた大神官は変わったのではない。
最初から目の前にそんな者は居なかった。
初めから別人だったのだ。

「『ワシ』は……貴様らが崇める存在よ……」

ネクロスを締め付ける握力が更に強まり、仮面は砕け散る。
皮膚が裂け、頭蓋にヒビが入り、それでもさらに脳髄を押し潰そうと圧力は強くなる。
薄れ行く意識の中、ネクロスは祈った。
神に、ではない。

(おおお、未だ篭に囚われし勇者よ、魔王たちよ! 頼むっ!
 仇を取ってくれとは言わぬ! 言えぬ! だが、我が存在の全てを賭けて願う!)

頬骨が砕け、眼球が白濁し、鼓膜が破裂した。

(ただ討ってくれ! 世界が滅びる前にこの、この悪魔をぉおおおおおおおおおおおおおおお)

「さぁ、離宮にいた者たちは取るに足らぬ器だったが……お前ほどの魂の格ならば、
 少しは腹の足しとなろう……クク」

889 闇の誘い −Inter mission− 14/15 :2006/10/17(火) 03:10:55 ID:lOarr2Mc


 ―― 鍵は ―― 揃って ― いる ―― は ― ずだ ――

その思考を断末魔にネクロスの頭部はトマトのように握りつぶされた。



ネメシスが離宮へと駆けつけた時、そこには全てを終えたハーゴンが立っているだけだった。
「ハーゴン様! 一体なにごとです?」
「何、復活を間近に向かえて破壊神が寝返りをうったのよ。その程度の魔力の暴走だ」
完全に破壊された回廊を見て、ネメシスは戦慄を覚える。
(未だ復活ならない現状で、ここまでの破壊を引き起こしたというのですか!)
「心配はいらぬ。ネクロスがちゃんと己の仕事を果たしたのでな。こういったことはもう起こるまいよ」
「ネクロスが?」
それを聞いてネメシスは安堵する。
自分の説得が効いたのか、かなり張り切っているようだ。ネクロスに任せておけば心配は無いだろう。
今は少し情緒不安定なようだったが元々実力は飛び抜けているのだから。
そして遅れてハーゴンがネクロスの名を呼んだことに気付いた。
(フフフ……なんだ、結局ネクロスの杞憂でしたね。後でこのことを話して安心させてあげましょう。
 ハーゴン様はきちんと我らを見てくれているのだと)
ハーゴンの鮮血に染まったローブについてはネメシスは気にしなかった。
邪教の儀式には血を使ったものも多く、今回のそれも破壊神復活の儀式に際してのことと勝手に解釈したからである。
だからこれから儀式を執り行うハーゴンが血染めのローブを纏っていてもなんら不思議に思わなかった。
「だが、このことでネクロスは放送を任せることができなくなったのでな。次の放送はお前がやれ」
「は、はい!」
ハーゴンの声でネメシスは我に返り、慌てて敬礼をした。
(放送も出来ないほど余裕の無い任務なのね。休む間もなく大丈夫でしょうか?)
だが本当に余裕が無くなるようなら自分を頼ってくるだろう。
(ネクロスが私を頼る……ウフフ)
その場面を想像してネメシスは浮かれた。
そんな楽観的な思考を終えて身を起こすと、ハーゴンは既に回廊の奥へと姿を消すところだった。

890 闇の誘い −Inter mission− 15/15 :2006/10/17(火) 03:13:42 ID:lOarr2Mc
今回の魔力の暴走は肝を冷やしたが、終わってみれば何の問題もない。
ネクロスは破壊神の力を危険だと思っていたようだが、見ようによってはこれほど頼もしい力もないだろう。
(全ては上手くいっている。世界は私たちのものに……そして)
輝かしい未来を夢見て、ネメシスは足取りも軽やかに歩き出す。
まるで自らの歩く道に薔薇の花が敷き詰められているような錯覚まで覚えた。
真っ赤な道を自分は歩いている。そう、真っ赤な、真っ赤な道を……。


ハーゴンは祭礼の間に向かいながら、軽く拳を握り締めてみた。
(ふむ、この身体の中に長く居過ぎたせいか些か馴染みすぎたようだな。神の魂に影響されて身体が異形へと変質し始めておるわ)
先ほどの戦闘でネクロスを捕らえた伸腕。この身体を使い始めた時はあそこまでの能力は使えなかった。
闇の衣もそうだ。今はまだ数秒間しか維持できないが、今後その時を延ばす自信が実感としてある。
「あるいは……生贄の中から依り代を選ぶよりもこの身体の方が相応しいのかも、知れぬ」
一人ごちて軽く思案に落ちる。が、すぐに切り替えた。
「まぁよいわ。奴らが脱出してしまう事態もなくはない……その時の保険としよう」
(あのネクロスとやらが何やら仕込んでいるようだったからな)
自らの思惑とは違うがそういった事態も面白いといえば面白い。
「甦った『ワシ』の身体はさぞ腹を空かせているだろうからな……」
他の世界を喰らいに行く前に勇者や魔王どもを先に喰らうというのもいいだろう。
そう考え、ハーゴンは――
          ――ハーゴンの姿をした者は哂った。

破壊の神シドーはロトの末裔に敗れ元の世界に戻る時に、最期の力を振り絞り
ハーゴンの身体を再生させて、その中に自分の魂の一部を移した。
そうすることで彼の作り上げたこの空間においては万能に近い能力を持つことができるのだ。
そうした全ては自分の肉体を完全に復活させるため。

薄暗い回廊の中、ハーゴンの笑声と共に闇に彩られた邪神の幻影が薄く哂った様な気がした。

※盗聴をする者が居なくなりました。
※放送は次回からネメシスが担当します。
※任意爆破の可能性は消えましたが禁止エリア侵入による爆破は依然ありえます。

891 ◆jOgmbj5Stk :2006/10/17(火) 03:18:20 ID:lOarr2Mc
ロワも佳境を迎えたことで主催者側のSSを考えてみました。
コンセプトは主催勢力の全貌とその間引き。
そして支給品に脱出アイテムが混じっていることの理由付けです。

いろいろな要素を盛り込んだため、一読しただけでは解り辛い所が多々あると思います。
自分も修正の余地はありまくりだと思いますので、皆さんの意見をお聞かせください。

892 ただ一匹の名無しだ :2006/10/17(火) 10:26:25 ID:U4H9xfQI
びみょ

893 ただ一匹の名無しだ :2006/10/17(火) 10:51:11 ID:clqMX1Qc
修正というより単純に質問なのですが、悪魔神官が女性である必要があったでしょうか。
口調のせいか、悪魔神官(ネメシス)とサマンサやフローラがダブって見える。

894 ただ一匹の名無しだ :2006/10/17(火) 11:05:16 ID:u8FLRLog
サマンサとかとダブるって……
だったらハーゴンも竜王とかとダブるよね
そもそも女である必要があるかって……男である必要もないだろ

自分の好き嫌いで物言うんじゃなくて、もっと展開とか描写にツッコミ入れなよ

895 ただ一匹の名無しだ :2006/10/17(火) 11:52:04 ID:NfsjhkAs
普通に面白いと思って読んだけどなぁ。
書き手さんGJです。

896 ただ一匹の名無しだ :2006/10/17(火) 21:45:28 ID:G50j6Uv2
畜生…主催者側には感情移入したくは無かったが…
ネクロスに燃えちまったじゃねぇか!!

897 ただ一匹の名無しだ :2006/10/17(火) 21:58:33 ID:pqC2EnzE
投下乙。
自分はこれといって致命的な問題はないように思いました。
意思が統一されているわけではなかった主催側の描写はとてもよく描かれていたと思いますし
またロワ及び破壊神復活を快く思わないいわゆる内通者のような者がいた、ということで
やや後付けではあるものの脱出フラグに関するアイテムが支給されていたことにも説得力が出てきたと思います。
力作乙でした、本投下を楽しみにしてます。

898 ただ一匹の名無しだ :2006/10/25(水) 00:54:56 ID:jFpn9NKQ
age

899 ◆I/xY3somzM :2006/11/09(木) 01:40:53 ID:.nWAlbdk
暁の空に怒号が響く。
有明の月は冷たい笑みを微かに湛えていた。

─いやに、静かだ。
生と死を賭けた戦いが、これから始まるというのに、嫌に心地良い。
まるで自分以外の生き物は全て死に絶えたかのようだ。
微かな風の音と、衣擦れの音。
そして、自分の胸の鼓動を除き何も聞こえない。
そう。
あのときと似ている。
今己と肩を並べ戦う竜の眼前に立ったあの瞬間に。
勇者─アレフは、自らの掌の中で昂るような剣をしっかりと握り締め、ぶるりと身震いした。

「…怖気ヅイタカ?勇者」
「まさか。…武者震い、さ。こんな奴を前にして、そうしない男がいるものか」

違いない、と喉を鳴らして小さく笑う、竜王。
彼自身もまた、嘗て無い強大な敵を前に目を輝かせる一人の男であった。

「トルネコさん、気をつけてくれ。…見かけによらず、奴は疾い」
「重々承知してますとも。二度も死に掛けましたからなぁ」

おお怖かった、とおどけて見せる。
死地の中でも挫けない彼の心は、紛れも無く戦士の心。
守る者がいる、という強さ。
彼は、世界を救った大商人であり、一家の主たる父であり。
そして彼は、隣に並ぶ勇者や竜と同じく、勇敢な一人の男であった。
皆が皆、視線を交わすこともなく、心を一つに束ねる。
そんな彼らを見据える巨人の一つ目が、紅くギラついた。

「ガアアアアアアアアアアァァァァ!!!!」
「グォォォォォォォォォォォン!!!」

竜は、鬼へと突進した。
二つの、巨像と見紛う程の体が轟音を立ててぶつかり合う。
一瞬の間を置いて、自分とトルネコも飛び出した。
目配せをして、自分は右、彼には左を任せる。
巨人とガッチリ組み合った竜は、圧されまいと踏ん張った。
竜の足元が沈む、なんという力だろう。
鈍く光る、やや紅く染まった金槌を、アトラスは腕の中の竜へ振り下ろさんと持ち上げる。

「どぉおおおおおっ!」
「グガァッ!?」

しかし、唸りを上げて飛来した鉄球が強かにアトラスの即頭部を打ち据える。
見当違いの方向に振り下ろされたハンマーの先端は大地を穿ち、大きな穴を生んだ。
鎖に引っ張られ、地響きにおっとっとをしながらも、トルネコは踏みとどまる。
ギロリと紅い一つ目が彼を見据えると、即座に大きな足裏が振り下ろされた。

「うひょっ!」

だが、ギリギリのところで腹の脂肪を揺らしながらも転がり避ける。
一瞬遅れて、ドスンと大地を揺るがし二つ目の大穴が空いた。

900 ◆I/xY3somzM :2006/11/09(木) 01:41:27 ID:.nWAlbdk
─当たらない。何故、当たらない。

巨人は焦燥の念に駆られて、追撃を加えようと空いた左腕を握り締める。
と、その左拳を竜の爪がガッキと捉えた。
ニヤリ、と竜の唇が持ち上がったような気がしたと思う間も無く、首に牙が突き立てられる。
灼熱のような痛みが首を締め付ける。
食い込んだ牙はどす黒い血液を湧かせた。

「ガアアアアァァァァ!!!!」

言葉にならない言葉を叫びつつ、竜の顎から逃れようと手足を無茶苦茶に振り回す。
そうして、竜の首を強く掴んだかと思うと、自分の首から肉片が千切れ飛び、血が吹き出るのも厭わず強引に引き剥がした。
顔を紅に染めた竜は驚きに眼を見開く。
その視線の先には、振り上げられた巨大な鈍器。
全てを打ち砕かんと、淡い暁の光を受けていた
今目の前の竜の頭蓋を砕かんと、無慈悲に唸りを上げて迫る。
だが、そのとき既に『彼』の準備は整っていた。
竜の背から、巨人の眼前へと跳躍する。

「…─はあっ!」

それは一瞬。
無骨な金属の塊と勇者が、交錯と共に火花と短い金属音を散らせた。
彼の腕に残る確かな痺れは、成功の証。
巨人は、消失した手ごたえに戸惑いを覚える。
竜はその隙を突いて、巨人を蹴飛ばし、距離を取った。
勇者も地へと降り立ち、巨人を見据える。

「…危ない真似をさせる、下手をすれば共倒れじゃないか」
「フン、貴様ノ剣ノ鋭サハ我ガ一番知ッテイル」

全て計算ずくか、と勇者は笑った。
アトラスが自らの手に視線を落とすと、そこには凶器の柄のみが残されている。
相手の凄まじい力を利用した剣技は、鮮やかに決まった。
メガトンハンマーの先端は、暫くの間宙を舞っていたかとおもうと、轟音を立て大地へと埋もれる。

「…あ、あの一瞬で打ち合わせも無しに?何という方達だ」

トルネコは、彼らが宿敵同士と先程聞いた。
だが、どうだろう。
今共に戦う彼らは、そうは見えなかった。
なんと、息の合った『仲間』なのだろう。
そういった感想しか抱けなかった。


アトラスは、役立たずとなった柄を放り投げると両拳を打ち合わせる。
ガツンと、鋼鉄を打ち合わせるかのような重厚な音が耳に届いた。
その動きには淀みが無い。
アトラスの精神テンションは、あの女戦士─アリーナとの戦いの時のように昂っていた。
真っ赤な血、鉄の匂い、荒い呼吸音。
心地よい。
実に、実に心地良い。
自分は、戦いに身を窶す鬼。
戦場が、自分の故郷だ。
ベリアル、バズズと肩を並べての戦いも愉快だったが─

「アトラス…たのしい。とっても……たのしい!!!」

胸が躍る。
戦鬼アトラスは、笑んでいた。
武器は、無くなった。
あるのは、己が両拳。
だが。
─この上ない、業物だ。

901 ◆I/xY3somzM :2006/11/09(木) 01:41:58 ID:.nWAlbdk
「グガアァァ!!」

拳が風を切る、爪が空を凪ぐ。
巨体と巨体のぶつかり合いが徐々に激しさを増す。
アレフの剣が、トルネコの鉄球がアトラスに迫る。
だが、文字通り鬼気迫るアトラスはそれらを蝿の子を散らすようにぶちのめす。
何度も何度も、地に伏す3人。
だが、諦めない、彼らもまた負けられない。
何故なら、男だから。
彼らは、男だから。


「グォォオ…!!!」

アトラスの拳が唸りを上げて竜王の鼻面に迫った。
だがそれは、一瞬の差で頬を掠めるに留まる。
ただ、それだけだというのに頬の肉は削がれ、血が溢れる。
竜は微かに狼狽した。
息吐く暇も無く、左腕が胴を凪ぐ。
両腕の防御で直撃は避けたが、その勢いは凄まじく竜の巨体がふわりと宙を舞った。
吹っ飛ばされた竜王アレンは、王城の瓦礫の山へと強かに叩きつけられる。

「アレンさんっ!!!」

トルネコが突進して、足元へと潜り込む。
巨人を支える足。
そこをまず崩すべく破壊の鉄球を振り回し、叩きつける。
だが、アトラスの一つ目がギラリと閃いたかと思うと鉄球をそのまま蹴り返した。
自分の武器に圧倒される結果となったトルネコは、危うく頭蓋を粉々に砕かれる所であった。
頭の上数cmを掠めた鉄球に、股を濡らしそうになる恐怖を感じる。

「だぁっ!!!」
「グ、グアアァ!!!」

先程から単独での一時離脱攻撃を敢行していたアレフであったが、その攻撃は右肩周辺を浅く切り裂くだけに留まった。
この体、全力で切り込まなければ少々の傷にしかならない。
むろん、アレフの剣が鈍ったわけではない。
この鋼をも超越した鍛えられた肉体はまさに鎧、とにかく堅いのだ。
アレフの冴え渡った剣技が尽く弾かれている。
跳躍したアレフを、何度目かの唸る拳が捉えた。

「ガァァァーッ!」
「ぐぁっ…!」

ギシギシと鎧と肉体が軋んで、呼吸が吸えなくなる。
咄嗟に勇者の盾で受け止めるものの、盾を構えた腕が千切れ飛びそうになった。
一瞬が永遠に感じられるように長く感じる。
拳がメリメリと食い込み、アレフは叩き落されて瓦礫に突っ込んだ。
轟音を立てて、ひび割れだらけの壁が崩れ落ちる。

「あ、アレフさん…!アレンさんも」
「グワオオオオオォォ!!!」

トルネコが言った途端に、城壁の破片を撒き散らしながらも竜が立ち上がる。
閉じた口の隙間から、赤い光が漏れていた。
口腔いっぱいに含んだ激しい炎がアトラスめがけ放たれる!
アトラスの巨大な目が見開かれた。
避けようにも炎はもう目の前、防ぐしかない。
アトラスが豪腕をガッキと十文字を描くように組み、防御の構えをとった。
と、そのとき胸に輝くアミュレットが、チャリ、と音を鳴らして輝く。
炎の前に立ち塞がるように、真空が唸った。
渦を描く風、バギマはアトラスを護る盾となり炎を爆散させる。

「グムッ!?」
「な、無傷ですと!?」
「……ベリアル…」

頼れる兄弟、ベリアルのことを思い出す。
─小さな火でも風を送り込めば大きく燃え上がるのだ……
アトラスは火。
ベリアルの言ったとおり!アトラスは…

902 ◆I/xY3somzM :2006/11/09(木) 01:42:30 ID:.nWAlbdk
「アトラスは…む、むてき!!!!」
「来ルゾ!!」
「ですがアレフさんが…」
「…大丈夫だ、俺はまだ生きてるよ」

城の瓦礫を掻き分けて、泥まみれとなったアレフが現れる。
お気に入りのマントがもうボロボロだ、とぼやく余裕すら見せた。
体中の痛みは、ベホイミで何とか治療したらしい。

「よくぞご無事で」
「ご先祖の盾のおかげかな。驚きの防御力だ」

光を尚も失わない、伝説の盾をコンコンと叩く。
この盾が無ければ、即死だっただろう。
腕の痺れを振り払い、アレフは再び剣を構える。

「…とはいえ、あいつの防御をどう打ち破るか…」
「炎デ焼クニモ、アノ風ガヤッカイダナ。ト、ナルト…」
「手は、一つしかありません、ね…アレンさん、アレフさん。作戦があります。」
「?」
「奴も同じ手をそう何度も食らうとは思いませんし…一撃に賭けます」

大通りから、アトラスがずんずんと城跡へ迫る。
考えている時間は、もうほとんど無さそうだ。

「…竜王。長い戦いだ、消耗しているだろうが何秒稼げる?」
「見クビルナ。タトエ何日デモ堪エヨウ」
「ではお願いしますよ!…来ました!」
「ブオオオォォォォォ!!!」

まさに、猪突猛進。
前傾姿勢で突っ込むその姿は、突風のようだ。
傷だらけの竜、アレンは荒れ果てた城跡の中心、勢い良くぶつかりあった。

「トルネコさん、頼んだ!」
「任せてください!」

ここでアレフが走り、トルネコは退く。
でっぷりとした体で大汗をかきながらも、大通りに面した城の入り口の跳ね橋付近に陣取った。
アレフの方はというと、竜王の背を駆け上がり、肩に乗る。
時間が無い。
手馴れた様子で呪文を手早く紡ぎ、巨人へと閃光を放つ。

「─ベギラマ!!!」
「グアッ!?」

顔面が不意打ち気味に放たれた炎の帯に包まれ、視界を塞ぐ。
風のご加護か、直撃を避けたものの炎が乱れた為にかえって周りが見えなくなった。
と、腕に伝わる竜の鱗の感触が消失する。
炎の晴れたアトラスの見たものは、竜の背中であった。

「まて!にげるな!!!」
「サア勇者ヨ、覚悟ハイイカ!?」
「いつぞやも聞いた気がするよ、その台詞…ああ、思い切りやってくれ」

トルネコの居る町側へと辿り着き振り向くや否や、アレンはアレフを上へと放り投げた!
アトラスは相手の予期せぬ行動に驚き、上を向く。
足元には気が行っていない。トルネコの読みが当たった。

「とおおおおおおっ!!!」
「グアッ!」

走るアトラスの足元を狙って破壊の鉄球が薙がれた。
見事脛を強打、アトラスはズズンと前のめりに跳ね橋へ倒れこんだ。
それに合わせるかのように、アレフは絶妙のタイミングで跳ね橋の支える鎖を断ち切った。
水音と共に鎖が堀へと引きずりこまれる。
そして、トルネコがとどめとばかりに橋の支え目掛け鉄球を直撃させた。
ぴしり。
破壊の兆が、ぴしり、ぴしりと徐々に広がる。
橋は、轟音を上げてアトラスもろとも崩落した。

903 ◆I/xY3somzM :2006/11/09(木) 01:43:03 ID:.nWAlbdk
「グガアアアアァァァァァッ!!?」

豪快な水飛沫と共に、アトラスが堀へと消える。
トルネコが思わず歓声を挙げ、アレンが空の勇者へと叫んだ。

「振ルエ!!!勇者!!!」

その声は確かに彼に届く。
脈動する剣からは、稲光が漏れ出す。
押さえ付けることが困難なほど、この剣は力の捌け口を求めていた。
今、限界まで凝縮された雷が剣から溢れ出した。
勇者はありったけの力をその両手に込めて、水底の巨人へと振り下ろした。

「う、おおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!!!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

耳を劈く轟雷が、神の裁きと見紛う程に閃く。
ギガデインは勝利への思いを乗せて、全てを貫かんと打ち下ろされた。
水を伝わり、アトラスの全身をくまなく雷撃が駆け巡る。
熱い。
身を焦がされ、体の内までも焼かれ。
痺れ震えるその腕は空を掴み、そして動きを止めた。
水底の巨人は、それっきり沈黙する。

随分長いこと宙を舞っていたアレフは、堀へと落下することなく竜の掌に受け止められた。
荒い息を抑えることなく、大の字になる。
決死の作戦はどうやら成功したと認識するのに、しばし時間がかかった。
トルネコの方はというと、腰を抜かしてへたり込んだ。

「…ドウヤラ。ウマクイッタヨウダ」
「え、ええ…そのようですね。皆さん無事で何よりです」
「勇者。休ム暇は与エンゾ、マダヤルコトハアルダロウ」

少々乱暴にアレフを地に下ろすと、アレンはようやく姿を元に戻す。
どっと疲労が襲ったか、膝を突いて息を大きく吐いた。
アレフのほうも痛む体を奮い立たせ、とにかく立ち上がる。

「さあ、かなりの時間を食ってしまったな…キーファや、トルネコさんの仲間達が心配だ」
「ええ、今頃待ちくたびれているのでは」
「疲れているだろうが、休息は後だ。直ちに…ッ!」
「!?」

アレンが、見たことも無いような驚きの表情と共にアレフを突き飛ばす。
一体何だ?
そんな疑問を投げかける間もなく紅い風が巻き起こる。
アレンはその風に吹き飛ばされたのか、遥か宿屋の方まで吹っ飛ばされて叩きつけられた。

904 ◆I/xY3somzM :2006/11/09(木) 01:43:39 ID:.nWAlbdk
「…!!!ッ、りゅうおぉーーーーーーーーーー!!!!」
「そんな…まさか……!!!」


風の正体は、堀から伸びた鬼の腕。
アトラスが重い体を震える諸手で持ち上げていた。
血走った眼、焦げた巨体。
だが尚も立ち続けるその鬼は、確かに『無敵』に見えた。

「貴様ぁーーーーーッ!!!」
「アレフさん、危ない!」

ゴフー、ゴフーと荒い呼吸の赤鬼が向かう勇者に拳を振るった。
だが、それをかわす勇者の跳躍は凄まじく高く、グングン伸びて巨人の眼前へと迫った。
太陽が見える。
日の出だ。
眩い光が剣を閃かせる。
そして次の瞬間にアトラスの眼から、全ての光が失われた。

「グアアアアァッ!!!!!」
「─竜の吐息よ…この掌に宿れッ!!!」

勇者の手を焦がさんばかりに燃え盛った炎が渦を巻き、凝縮され、光り輝き、バチバチと爆ぜる。
炎は雷と呼べそうなまでの輝きを見せていた。

『ベ ギ ラ マ !!』

いかなる術者のベギラマでも聞けぬような轟音が、響いた。
その凄みは巨人の巨体を宙に舞わせ、城跡へと埋める。
後ろに倒れるように、アトラスは堀を飛び越え叩きつけられた。
その途端、もう崩れる所も無いような城跡に大穴が開いた。

「!?」
「なっ…」
「グ、グオオオオォォォォォォ・・・」

ズズン、ズズンと地を揺るがし、アトラスの巨体は地の底へと消えていく。
この城には地下があったのだろう、だがすっかり瓦礫で埋まってしまい巨人の姿を視認することはできなかった。
申し訳程度に残った一角を見渡せば、そこには鉄格子。
そして地下への階段が、見えていた。
─あそこか。

「アレンさん!しっかり!アレンさん!…あ、アレフさん!」
「トルネコさん!!!!」
「のわっ!!?」

突然の大声に驚きトルネコが飛び上がる。
アレフは竜王と彼に駆け寄って、息と声を荒げた。

「奴はまだ…生きてる。俺は奴をこれから追う、竜王を頼んだ」
「アレフさん、無茶だ!止めてください、その体で…」
「止めてくれるな。…キーファとの約束もある」

動かぬ竜王にベホイミを数回かけ、彼から借り受けたザックをその場に残してアレフは踵を返した。
トルネコは何と声をかけるべきか迷っていた。
まだ間に合う、今からでも無理に止めるべきか。
だが、できなかった。
彼の背には、『男』としての決意が示されていた。
だから、同じ男として彼には止められなかった。
止めることを、許されなかった。

「剣はまだ、借りて置く。…必ず、後で返しに戻る」

返事は無い。
だがアレフは黙って走り出した。




「…ガアァ……ガァァァア…」

眼が、眼が熱い。
灼けるようで、拭っても拭っても涙が止まらない。
実際に流れるそれは血液なのだが、見えない彼には気づく手立ても無かった。
傷だらけで、突然暗黒へ突き落とされて。
無敵のアトラスはどこへやら、今は不安でいっぱいだった。
だが、たった一つの事実がアトラスを正気に戻す。
─自分は、またも敗北したのだ。
アリーナにとどめを刺せなかったあの時と同じ悲しみが再び彼を襲う。
自分は負けた…負けたのだ。

へこたれて、蹲っていたアトラスは、狭いながらも立ち上がり再び歩んだ。

今、自分がどこにいるのかもわからない。
どこへ向かうのかもわからない。
だが。
自分はまだ、生きている。
そして、こうも自分を追い詰めた奴らもまた、生きている。
『勝利』を求めて、アトラスは再び歩き始めた。

傷だらけの鬼は、戦いから逃れることはない。

905 ◆I/xY3somzM :2006/11/09(木) 01:44:45 ID:.nWAlbdk


【E-4/アリアハン城下町宿屋周辺/早朝】
アレン(竜王)@DQ1】
[状態]:HP1/6 MP1/5 気絶
[装備]:なし
[道具]:プラチナソード 折れた皆殺しの剣 ラーの鏡 マジックシールド 魔封じの杖 首輪×2
[思考]:この儀式を阻止する アレンの遺志を継ぐ

【トルネコ@DQ4】
[状態]:HP3/4
[装備]:無線インカム 破壊の鉄球
[道具]:ホットストーン 聖なるナイフ さざなみの剣
[思考]:アレンの介抱 他の参加者に危機を伝える ピサロといずれ合流

【E-4/アリアハン城下町/早朝】
【アレフ@DQ1勇者】
[状態]:HP1/2 MP1/2 背中に火傷(軽) 疲労 全身打撲
[装備]:竜神王の剣 ロトの盾 はやてのリング
[道具]:鉄の杖 消え去り草 ルーシアのザック(神秘のビキニ)
[思考]:アトラスを倒す ローラ姫を探し、守る このゲームを止める

【E-4/アリアハン城地下/早朝】
【アトラス@DQ2】
[状態]:HP1/4 首からの出血(中) 全身火傷 片膝負傷 眼球に傷 失明
[装備]:風のアミュレット
[道具]:支給品一式
[思考]:バズズの敵討ち アレフたちとの再戦

※アリアハン城の跳ね橋が落ちました。城跡へアリアハン側から行くには、回り込まなければなりません。
※メガトンハンマーは両断されました。
※アリアハン城地下入り口近くが崩れかかっています。まだ完全な通行止めではありません。

906 ◆I/xY3somzM :2006/11/09(木) 01:45:32 ID:.nWAlbdk
タイトル「暁に燃える瞳」

907 ただ一匹の名無しだ :2006/11/09(木) 03:59:02 ID:HrUfJmZw
黎明から移行して間もないから、Aが恐慌して走ったら早めにP組と絡ませられると思うよ。

908 ◆I/xY3somzM :2006/11/09(木) 17:37:03 ID:.nWAlbdk
なるほど、その旨推敲してみますね

909 影になる 10/12 :2006/11/23(木) 22:16:41 ID:CAtTrEtI

それだけを言って彼は何事もなかったかのように回廊の奥へと向き直る。
圧迫から解放されサマンサは膝を突き、多量の脂汗を流し呼吸を荒げた。

「サ…サマンサさん? どうしたんですか!?」
「いえ……なんでもありません。少し腕が痛んだだけです」

突然うずくまった彼女を心配するフォズ。
それに小さく首を振って無理に笑みを形作る。

(甘く見ていた……彼は私を侮っていると思っていた。
 しかし、侮っていたのは私の方だということですか……)

ピサロはいつでもサマンサを縊り殺すことができる。
それだけの力があるのだ。
相手の力を再認識し、サマンサは一度息を呑んだ。

(でも、だからといって怯めない。私の決意は揺らがない。
 全ては……世界の意志。私の使命!)

アリスの為に命を捨てる覚悟はとうに出来ている。
殺せるならば殺すがいい、だがその時は――。

(アリス以外の全てが死した時です)

彼女は懐に隠していた奇跡の石を握り締めた。
迫る危機を感じてか、少しだけ力が石から流れ込んでくる。

そうだ、私は――アリスの影となる。

910 影になる 11/12 :2006/11/23(木) 22:17:16 ID:CAtTrEtI



アレフは駆けていた。
アトラスは吼えていた。
ピサロは構えていた。
フォズは震えていた。

そしてサマンサは――待っていた。

全てが集束する時を。


悪夢を告げる鐘が鳴る時まで、後わずか―――

【E-4/アリアハン城地下→ナジミ塔の方向へ/早朝(放送前)】

【アレフ@DQ1勇者】
[状態]:HP3/5 MP1/4 背中に火傷(軽) 疲労 全身打撲
[装備]:竜神王の剣 ロトの盾 はやてのリング
[道具]:鉄の杖 消え去り草 ルーシアのザック(神秘のビキニ)
[思考]:アトラスに止めを刺す ローラ姫を探し、守る このゲームを止める

【E-4/アリアハン城地下→ナジミ塔の中間位置/早朝(放送前)】

【アトラス@DQ2】
[状態]:HP1/5 首からの出血(小) 全身火傷 片膝負傷 眼球に傷 失明 恐慌
[装備]:風のアミュレット
[道具]:支給品一式
[思考]:恐怖に駆られている 出会う全ての者を倒す

911 影になる 12/12 :2006/11/23(木) 22:17:51 ID:CAtTrEtI

【C-3/岬の洞窟・地下回廊ナジミの塔の近く/早朝(放送前)】

【ピサロ@DQ4】
[状態]:若干の疲労 MP2/3程度
[装備]:鋼の斧 鎖鎌 闇の衣 アサシンダガー  炎の盾 無線インカム
[道具]:エルフの飲み薬(満タン) 支給品一式  首輪二個
[思考]:襲撃への応戦 ロザリーの仇討ち ハーゴンの抹殺 襲撃者には、それなりの対応をする
     サマンサに対して警戒する アリアハンへ向かうサマンサへついていく
     【シャナク】【アバカム】を利用した首輪解除方法を話し合う
     首輪解除の目処は立ったが、状況の度合いによっては参加者を減らし優勝

【フォズ@DQ7】
[状態]:健康 MP2/3
[装備]:天罰の杖
[道具]:アルスのトカゲ(レオン) 支給品一式
[思考]:これから起こる戦闘に若干の怯え ゲームには乗らない ピサロを導く

【サマンサ@DQ3女魔法使い】
[状態]:HP2/3 MP4/5 全身に裂傷・火傷(治療)左足に負傷(少し回復)左腕骨折(添え木で固定)
[装備]:奇跡の石 神鳥の杖(煤塗れ)
[道具]:支給品一式 鉄兜  ゴンの支給品一式 ルビスの守り
[思考]:フォズを利用し、ピサロを討つ 勇者の血を守る
    アリアハンに行き、とにかくアリスを守る

912 ◆w9.p2zZjpA :2006/11/23(木) 22:20:13 ID:LG.eJBlI
代理投下しましょうか?

913 ただ一匹の名無しだ :2006/11/23(木) 22:25:35 ID:CAtTrEtI
ありがとうございます。
お願いします。

914 ただ一匹の名無しだ :2006/11/23(木) 22:28:20 ID:LG.eJBlI
>>909-911
代理投下完了いたしました。
何か訂正点があればご指摘お願いします。

915 ◆inu/rT8YOU :2006/11/24(金) 23:41:15 ID://f634J.
アクセス規制されました。
続きを貼っていきますので、どなたか代理投下お願いします。

916 ◆w9.p2zZjpA :2006/11/24(金) 23:41:53 ID:kQ0tsSqE
サー!イエスサー!

917 望むのは剣ではなく 10/17 :2006/11/24(金) 23:42:13 ID://f634J.


 窓の外、丸く切り抜かれた空が徐々にその色を変えていく。
差し込んだ一筋の光がちらちらと瞼を刺激して、アリスはのろのろと顔を上げた。
だが、決して眠っていたのではない証拠に、その顔色は冴えない。
 体力や精神力を回復させるには眠るのが一番いいと分かってはいても、
上にいる仲間たちのことを思えば、おちおち眠ることも出来ない。
 耳を澄ませる。長らく続いていた地響きが聞こえないところからすると、アレンは勝ったのだろう。
相打ちになった可能性は考えないことにして、アリスは一先ず胸を撫で下ろした。
 途端、それまで忘れていた寒さが急に気になって、自分で自分を抱きしめるようにきゅっと身体を縮こまらせた。
本来の用途で使われなくなって久しいとはいえ、じめじめした空気の抜けない光の届かぬ井戸の底は、決して快適な環境とは言い難い。
あのおじさんが風邪をひかなかったのが不思議なくらいだ。
 アリスの肩にもたれ掛かるようにして眠るマリアは、まだ目を覚まさない。
足を引き寄せ、なるべく小さく身体を丸めて隣で眠る少女を抱き寄せ、王者のマントの端に包まり、
ふと思いついてザックの中からもう一枚のマントを取り出す。
薄い布地の、まるで羽根のように軽いそれは風のマント。
もう二度と覚めない眠りについた少女が、つい先ごろまで大事そうに抱えていたものだ。
アリスは迷わずそれをマリアに纏わせた。
 もし今敵が現れれば、戦わねばならないアリスの方に王者のマントは必要になるから、
このままマリアにマントを貸し与えることは出来ない。
だが同じ年頃の娘としては、もともとあちこち破れていた上、
クリフトに脇を大きく裂かれたローブ一枚のままのマリアを放っておくことなど出来なかった。
もっとも、防寒用ではないから、暖かさという点では大して変わらないのかもしれないが。

「……でも、マリアさんにマント返せて良かったですよね、リアちゃん」
 かちりと留め具を嵌めて、小さく呟く。
――出来ることなら、生きているうちに果たさせてやりたかった。

918 望むのは剣ではなく 11/17 :2006/11/24(金) 23:42:53 ID://f634J.
 マリアが目を覚ましたら、リアの死を伝えなければならない。
それを思うと鉛を飲み込んだように気持ちが沈み、
何も知らずに眠るマリアが痛ましく思えて、回す腕に力をこめ、そこでぴたりと動きを止めた。
 生来色素の薄いマリアの肌は、今や血の気を失って蝋のように白く、
抱き寄せた拍子に触れた頬の冷たさに、アリスは寒さとは別の理由で肌が粟立つのを感じた。
慌てて胸に耳を押し当て、弱々しいながらも途切れなく続く鼓動に僅かながら安堵を覚える。
だが、この身体の冷え方は尋常ではない。
アリス自身の手も冷え切っているにもかかわらず、握り締めた指先もまた、氷のように冷たい。
そう、氷のように。

(氷――まさか)
 マントの裾をまくり、一瞬の躊躇の後、
「ごめんなさいっ」
 ローブの破れ目に刃を当て、傷口を検めやすいように裂く。
そうして露出した裂傷に、アリスは眉を顰めた。
傷自体はそこまで深いものではない。が、その傷口には薄い氷が張り付いていた。
 この傷はクリフトの振るう氷の刃によって負わされたものだった。
吹雪を巻き起こすだけでなく、傷口を凍りつかせる力まで持っていたとは。

 幸い、というべきか、傷口が凍り付いているおかげで出血は最小限に抑えられている。
だが、このまま放置しておけば冷気はマリアの身体を蝕んでいく。

919 望むのは剣ではなく 12/17 :2006/11/24(金) 23:43:44 ID://f634J.
「……此処から出ないと」
 治療を施したくとも、今のアリスにはその為の魔力が残されていない。
片手で眠るマリアを抱え、家の外へ出て顔を上げる。
ロープは無事に繋がってはいるものの、
疲労の積み重なったアリスには、丸く切り抜かれた空までの距離は絶望的なまでに遠かった。
正攻法ではとても脱出出来ない、何か策を講じなければ。

 ずれた眼鏡をくいと掛け直し、ゆっくりと目を瞑る。
急激に頭の中が冷えていく感覚。次にその目を開けた時にはアリスは冷静さを取り戻していた。
辺りを見回し、転がるクリフトの遺体に目を向け、ふと思いつく。
 先程マリアを襲撃するのに彼が用いた杖。あれを使えば一瞬で上まで身体を運ぶことも可能なはず。
だが、回転数の上がった頭はすぐさまその策の穴を見つけ、却下の判を押した。
回復し切らぬ己の体力では二人分の体重を支えきれるか分からない。
その上片手に杖を、片手にマリアを抱えた状態では、上まで飛んだところで縁に捕まることも出来ない。
せめてマリアが目を覚まし、自力でアリスにしがみつけるくらいにまで回復しない限り、
この案を試すことは不可能そうだった。
 かと言って、風など絶対に起こらない井戸の中では風のマントで舞い上がることも出来ない。
自力で脱出するというプランは諦めるほかなさそうだった。

 差し込む光に手をかざす。か細い光は、だが先程よりその明るさを増している。
正確な時間は分からないが、夜明けはそう遠くない。
放送を聞けば、アリスたちの生存は外の仲間たちにも伝わり、いずれ助けが来るはずだが、
向こうにこちらの居場所が伝わっていない以上、誰も此処を見つけることが出来ない、なという悲劇も起こりうる。
 何らかの方法で、こちらの居場所を伝えなければ。

920 望むのは剣ではなく 13/17 :2006/11/24(金) 23:44:45 ID://f634J.
 一瞬の再思考の後、マリアが腰に吊るしたいかずちの杖が目に入る。
例えば、これを花火のように空に向けて放てば――
だが、とまたしても冷静な脳が待ったを掛ける。
 仮にアレンが首尾よくアトラスを倒していたとしても、
アリアハンには最低でももう一人、マリアとトロデの連れを殺したマーダーがいたはずだ。

――下手に自分たちの居場所を知らしめるようなことをしては、
マリアばかりか自分までが斃れることにもなりかねない――

(――そんなの)
 震える手が眼鏡の蔓へと伸びる。金属製のそれは触れるとひやりと冷たい。
妙に冷たく感じられるのは、そればかりではないのかもしれないが。

――効率を第一に考えるのならば、このまま井戸の底に潜んでいるのが一番いい――

「……っそんなの、知りません!!!」
 叩きつけた眼鏡がかつんと音を立て、床に跳ねた。
眼鏡を外した瞬間、装われた冷静さに押さえつけられていた感情が溢れ出す。

「私は……私は、勇者なんですから」
 何度も何度も母に聞かされた言葉が蘇る。
勇者は常に強くあれ。
剣をもって誰かを倒すための強さではなく、その強さで大切な人たちを守れるように、
ただ強くあれ、と。
自分の安全のために誰かを見捨てるのなんて、絶対に嫌だ。

 マリアの腰からいかずちの杖を抜き取り、空に向ける。
居場所を示すことの危険性は理解しているつもりだが、
アレンだけでなく、宿屋に残るトルネコやトロデも外に注意を払っているはず。
三人もいるのだ、そのうちの誰かが気付いてくれる公算は高い。
もしマーダーに気付かれたら、その時は自分がマリアを守ればいい。
――そのための、強さだ。

921 望むのは剣ではなく 14/17 :2006/11/24(金) 23:46:02 ID://f634J.
「アレンさん、トルネコさん、トロデさん……サマンサ」
 すぐ傍にいるだろう仲間と、
消息の知れない――だがきっと生きていると信じている姉のような存在の幼馴染の名を呼んで、
アリスは杖を握る手に力をこめた。

「どうか、気付いて――!」
 杖の先端から炎の帯が迸る。
それが空に吸い込まれ、消えるのを見届けて、アリスはその場に崩れ落ちた。
足下に転がる眼鏡を拾い上げ、一瞬考え込んだ末にやはりザックに放り込む。
いかづちの杖をマリアに返すとその身体を抱えなおし、王者のマントを被りぴたりと寄り添う。
 あとは、祈るほかない。

 少しでも奪われた熱を取り戻そうと、冷たいマリアの手に指を絡ませ、
アリスはただひたすらに夜明けを待った。





 炎がまるで花火のように打ち上がり、消えていくのをキーファは呆然と見つめていた。
「今のは……一体」
 無論、こんなところで花火を打ち上げる酔狂な人間などいるはずもない。
あれも呪文なのだろうが、戦闘中に打った呪文が外れたにしても、
真上に向かって打つというのはいくらなんでもおかしい。
 とすれば、あれは何かの合図かもしれない。
だが、それの打ち上がった方向はアレフたちのいる方とは明らかに異なっていた。
その他に、合図を打ち上げるような仲間がいる人物がいるとすれば。

922 望むのは剣ではなく 15/17 :2006/11/24(金) 23:46:44 ID://f634J.
(もしかして、リアちゃんを助けに行ったっていう)
 もっとも、アレンからその情報を聞いてから大分時間が経っている。
戦闘があったのならもう終わっている頃だろう。その後に、何か予期せぬ事態でも起こったのか。
確か、助けに向かったのは魔力が尽きかけた少女が二人。
魔力が尽きかけた、といちいち説明した以上は、二人とも何らかの呪文の使い手なのだろう。
――もしかしたら、回復呪文も。
 迷っている時間は、ない。

「……トロデさん、ちょっとだけ辛抱してくれよ!」
 ともすれば滑り落ちそうになる身体を背負い、走り出す。
小柄とはいえ、トロデも成人男子であることには変わりない。
二人分の重さをかけられた左足がずきりと痛むが、
助けられる可能性がある以上、今はそんなことを気にしているような場合ではない。

 誰かに助けられるだけではなく、助けることが出来る人になりたい。
「なりたい」のではなく、「なる」のだ。
――俺は、“守り手”なんだから。
(助けるんだ。トロデさんも、リアちゃんも、その子たちも!)

 痛む足を叱咤し、キーファはまさしく夜の終わりを駆け抜ける流星の如く、更に速度を上げた。

923 望むのは剣ではなく 16/17 :2006/11/24(金) 23:47:20 ID://f634J.
【E-4/アリアハン城下町教会前/早朝】

【キーファ@DQ7】
[状態]:HP1/2 両掌に火傷 両頬、左膝下に裂傷 疲労
[装備]:メタルキングの剣 星降る腕輪
[道具]:ドラゴンの悟り 祈りの指輪
[思考]:花火の打ちあがった方(井戸方面)へ向かう
    トロデを助ける ランドの妹(リア)を助け出す 危機を参加者に伝える

【トロデ@DQ8】
[状態]:HP1/5 腹部に深い裂傷(再出血中) 頭部打撲(出血中)
    全身に軽度の切り傷(ほぼ回復) 服はボロボロ 脳震盪・気絶
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2(不明の品が1?)
[思考]:仲間たちの無事を祈る 打倒ハーゴン



【E-4/アリアハン城下町教会前〜宿屋周辺/早朝】

【マルチェロ@DQ8】
[状態]:左目欠損(傷は治療) HPほぼ全快 MP1/3
[装備]:折れた皆殺しの剣(呪い克服)
[道具]:84mm無反動砲カール・グスタフ(グスタフの弾 発煙弾×2 照明弾×1)
[思考]:アトラス戦現場へ ゲームに乗る(ただし積極的に殺しに行かない)

924 望むのは剣ではなく 17/17 :2006/11/24(金) 23:49:08 ID://f634J.
【E-4/アリアハン城下町井戸/早朝】

【アリス@DQ3女勇者】
[状態]:HP1/7 MP0 左腕に痛み(後遺症) 疲労大
[装備]:隼の剣
[道具]:支給品一式×4 ロトのしるし(聖なる守り) まほうのカガミ 魔物のエサ 氷の刃、
    イーグルダガー 祝福サギの杖[7] 引き寄せの杖(3) 飛びつきの杖(2) インテリ眼鏡
[思考]:自身とマリアの回復 『真の悪』(主催者)を倒す

【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:HP1/5 MP僅か 服はとてもボロボロ 脇腹に切り傷(凍傷進行中) 気絶
[装備]:いかづちの杖 風のマント
[道具]:支給品一式×2(不明の品が1〜2?) ※小さなメダル 毒薬瓶 ビッグボウガン(矢 0)
    天馬の手綱 アリアハン城の呪文書×6(何か書いてある)
[思考]:竜王(アレン)はまだ警戒

*王者のマントは二人で被っています

投下完了です、問題点などありましたら指摘お願いします。

代理投下お願いします、ご迷惑かけて申し訳ございません。

925 ◆I/xY3somzM :2006/11/28(火) 22:44:30 ID:rt.K.ISU
ttp://kasamatu.o0o0.jp/pochi/src/hajime6169.txt.html

事情でうpろだ投下。
ある書き手さんと話し合って、どっちがいいかを決めるそうです。
私は諸事情でしばらくここにこれないので、コレを見て2作品どちらを通すか決めるそうです。
おねがいしまーす。
パスはdqbr

926 ただ一匹の名無しだ :2006/11/28(火) 23:40:13 ID:1ou.k8lI
乙!
サマンサ視点が続くなぁ。
致命的な欠陥はないようです。
とりあえず、別作品待ちですね。

状況欄を読み返した時、全員ずぶぬれと書いてあるのに何故か笑ってしまった^^;

927 ◆jOgmbj5Stk :2006/12/03(日) 17:11:32 ID:M2I.cAfg
ttp://kasamatu.o0o0.jp/pochi/src/hajime6424.txt.html

投下しました。評価をお願いします。
passはdqbr

928 ◆jOgmbj5Stk :2006/12/03(日) 17:37:29 ID:M2I.cAfg
状態表を修正し忘れていますね。
放置アイテムと共に投下時には修正します。

929 :2006/12/03(日) 21:04:14 ID:iG2r5.ys
力作、乙です。
長文なだけに、ss1作に起伏が富んでいて面白いです。

どちらかを評価と言われても、正直、甲乙を決めかねます。
こういうコンペみたいな選び方も好きではないので余計迷ってしまいます。
強いて言えば、ss1作で可能性の制限を設けていない前作が好みなのですが、
好き嫌いで評価というのもどうかと思うので、他の人達の評価に委ねます。

930 ただ一匹の名無しだ :2006/12/03(日) 21:16:40 ID:9J9L78kQ
2作品ともこれといって矛盾も無く、クオリティも高い!!
同じキャラ、同じ舞台での戦いでも、ここまで違ったスパイスの作品を楽しめるのかと
感心いたしました。

しかし、凄い個人的な好き嫌いで言ったら>>925の方がツボにハマりました。
今まで能力を持て余し気味だったピサロが『黄金の勇者〜』以来の
躍動感のある大奮闘していたので好きです。

931 1 :2006/12/03(日) 21:24:31 ID:iG2r5.ys
私も一読み手としてなら、>>925が読み応えがあって良いと思う。
う〜、なやみまくりw

932 ただ一匹の名無しだ :2006/12/04(月) 03:03:41 ID:DlpGHc0Q
うーん、全体のデキとしては、やはりみなさんも仰ってますが甲乙つけがたい。
矛盾もなく、かち合わなければどちらもすぐに本投下できたのだろうなと思うと心が痛む。
一体どういった方法で評価だの本投下の権利だのを決めればいいのか正直困ってます。
さすがに読者の好みで決めるのは…と思いつつ自分も一言。

展開の「好み」としては、自分は>>927さんのほうが好きです。
放送後の(恐らく参加者同士としては最後となるであろう)ビッグな山場が作られたのが魅力的に思えました。
また収束に向け、重要なフラグを思い切ってばっさり切った事も思い切りがよくて好感が持てました。

それにしても、どちらでも運命の一緒なあの子はまさにお疲れ様ということで……。

933 ただ一匹の名無しだ :2006/12/04(月) 03:32:01 ID:tMwdlEn.
ttp://kasamatu.o0o0.jp/pochi/src/hajime6464.htm.html

pass dqbr

二人の作品を見て、思わずインスパイしてしまいました。

どちらもgj&乙です!!

934 ただ一匹の名無しだ :2006/12/04(月) 17:02:55 ID:ILdbxuMA
ストーリーで>>925、クオリティで>>927が良いですね。

個人的には本採用は>>927さんのほうがよいと思われます。
脱出の際のピサロルートの方法として上げられていたフラグを切ってしまったことには
いろいろ反発意見があるかもしれませんが
展開会議室が稼動していない現状、巻いていくのもある程度仕方ないかと。
ピサロ半マーダー化により、この先の話のフラグも増えますし
もともとピサロは残り参加者が10人程度になった場合マーダー化する方針もありましたし。

935 ただ一匹の名無しだ :2006/12/04(月) 17:13:43 ID:ILdbxuMA
ついでに、多少気になったので。
>>933
参加者の首輪は100話「闇の誘い −Inter mission−」により
参加者は知りませんが、首輪解除や造反に対しての任意爆破についてはすでにその機能が停止しています。
なので、サマンサの首輪が爆破されることは無いかと
>>927
鎖鎌はもともと鎌のほうは投げずに手で持ち、分銅のほうを投げて相手を殴るか、絡ませて引き寄せ切り裂く武器ですが・・
まあ、致命的な修正点ではないと思います。

936 ただ一匹の名無しだ :2006/12/04(月) 18:36:22 ID:bcCfnrq2
現実の鎖鎌はそうかも知れないがドラクエの鎖鎌は鎌を投げて攻撃することができる。
公式ガイドブックにもきちんとそう説明がなされている。多彩な攻撃が売りの武器だそうで。

937 ただ一匹の名無しだ :2006/12/04(月) 23:43:37 ID:ILdbxuMA
>>936
ドラゴンクエスト4の小説では、しっかりと鎌を投げて攻撃できないって記載があるぞ。

まあ、書き手は違うし、特に気にしないのがFAだろうな

938 ただ一匹の名無しだ :2006/12/05(火) 05:34:30 ID:TpURfYv2
物理的に、刃物を投げれば刺さるのは普通なんじゃないかな…

939 ただ一匹の名無しだ :2006/12/05(火) 10:00:36 ID:dEkxYnzg
鎌はどうでもいいとして、どちらを本採用にするんだ?

940 ただ一匹の名無しだ :2006/12/05(火) 12:25:17 ID:DQ0R.6Yg
どちらもクオリティ高いだけに難しい問題だね
自分の好みは927の方なんだけど

941 ただ一匹の名無しだ :2006/12/05(火) 13:13:06 ID:kw/eo18Y
私としては>>925を推しますね。

942 ただ一匹の名無しだ :2006/12/05(火) 15:53:52 ID:NHBU5Ho.
私は>>927ですね。

後半のアトラスが、かつてのアリーナとの対比になっていい感じですし
アレフとの対話もいい感じです。

また、ピサロマーダー化によって、ジゴスパークやマダンテでの偶発太陽の鏡覚醒もやりやすくなりますし

943 ただ一匹の名無しだ :2006/12/05(火) 17:39:02 ID:0f/w7Xc6
ストーリーを考えると>>925かなぁ。個人的な意見だけど。

944 ただ一匹の名無しだ :2006/12/05(火) 18:15:40 ID:bswZVLEo
両者ともレベル高いから好みでしか語れないのが辛いところね

>>925はピサロがサマンサを庇うという行動の説得力が弱いのが気になった
庇う理由はあるんだけど他の選択肢を視野に入れている以上、命まで賭ける理由がないといか
前回まで思いっきりサマンサを警戒して威圧いたのに何で突然庇うの? と違和感がある

もちろんこんなことはほとんど粗探しで普通なら気にしてもわざわざ言うことではないんだけど
二つの話を比較すると両者とも矛盾もないしクオリティも高いからそんな小さな違和感でも目立ってしまう

その点素直に入り込めた>>927を推したい
グッドなおねーさんが本当にグッドなのもよい

945 ただ一匹の名無しだ :2006/12/05(火) 19:56:52 ID:QZNQaRsk
私は>>925が好きですね。
アレフさんがかっこよいです。

946 ただ一匹の名無しだ :2006/12/06(水) 00:26:52 ID:PQuuqaWA
埒が明きませんね
既に日をまたいで票の意味なくなってますし、これでは永遠に決まらない
議論で決着つけようにもどちらも矛盾なくレベルも高いときている

これが書き手さん達がチャットで決めた方法だというのなら
もう一度チャットで話し合いの場を持ってより良い方法を模索して欲しいと思います

947 ただ一匹の名無しだ :2006/12/06(水) 00:35:02 ID:zi8LZje2
このまま、感想続けても決まらないのでは。

948 ただ一匹の名無しだ :2006/12/06(水) 00:39:25 ID:zi8LZje2
チャットで談合したというのなら、責任持って話し合って決着してもらう。
どちらかが破棄を名乗りでるか。
いっそ、2つ(3つ?)とも破棄して、
他の状況(第2回目の放送)を動かしてから、改めて予約して書いてもらうか。

949 ただ一匹の名無しだ :2006/12/06(水) 00:43:20 ID:zi8LZje2
何の為に予約や一時投下や先着順があるのか

950 ただ一匹の名無しだ :2006/12/06(水) 01:55:23 ID:f1wrFOko
とりあえず展開会議室に議題ひとつ置いてきた。
大いに話し合って本採用決定の参考にして欲しい。

951 ただ一匹の名無しだ :2006/12/06(水) 07:05:41 ID:NhSG3wuw
>>925がイイって人
>>930 >>931 >>941 >>943 >>945

>>927がイイって人
>>932 >>934 >>940 >>942 >>944

ここまで交互に票が入るってのも、凄い。
いかに2作が良作だったかを思い知らされる…。
どっちかは本筋にできないんだよなあ、もったいないなあ。

まあいい加減私情が入ってきたので、会議室で今後の展開を考えつつ決めるというのは賛成。
とりあえず、自分も移動します。

952 ただ一匹の名無しだ :2006/12/06(水) 07:17:43 ID:edGOmQhY
トリップみたら925氏は前前回を書いてるんだね
ならここは譲るわけにはいかないだろうか
A→B→AよりA→B→Cの方がリレーとして良いし

953 ただ一匹の名無しだ :2006/12/06(水) 19:00:22 ID:jP4GMf7I
管理人さんの負担になるけど、アンケートページ作成してもらって無記名投票とかどうだろう?

954 ただ一匹の名無しだ :2006/12/07(木) 00:59:14 ID:qw5u5TkY
別に管理人でなくても、誰かが作成できると思うが・・・<アンケートページ

955 ただ一匹の名無しだ :2006/12/08(金) 01:49:41 ID:XIV1ZRl2
>>925    >>927    
この2作話題に関しては、会議室ヘ移動の事。

956 ◆9Hui0gMWVQ :2006/12/11(月) 20:23:50 ID:nCh3u9QY
すみません。向こうで2回目放送後の話が書きたいと言った者です。
まだ放送後でないと出しようもないのですが、一応できました。
今回がバトロワ参加初めてですので、当分間があるし、
一度こちらで見てもらった方がいいと言われましたので、僭越ながらそうさせてもらいます。

一応それまでの作品に目を通しながら考えたつもりです。
でも新参者ゆえ、勘違い、設定の食い違い、抜け落ちも少なからずあるでしょうから
改善点を言っていただければありがたいです。

957 私は、誰にもなれないのなら1/21 :2006/12/11(月) 20:25:20 ID:nCh3u9QY

「デス…ピサロだと?」

アレフは呻いた。その名はピサロと同じ時代、同じ世界を生きた者が聞けば
畏怖すべき魔王の名前であることがすぐにわかるが、そこまでアレフには知る由も無い。

しかし、勇者の血筋がそうさせるのか、その名前から強烈な禍々しさを彼は感じ取った。
言霊とでもいうのだろうか?
何か、敵も、味方も全てを巻き込んで根絶やしにしてしまうかのような
…その名を名乗った本人も含めてどす黒い絶望の渦へ叩き込んでしまうような
そんな不吉きわまる予感が、彼の頭をかけめぐった。
戦士としての経験が彼に告げた…こういう予感は、たいてい当たってしまうものなのだと。

(駄目だ…それは、絶対に許されないことだ!)
やめろ!アレフは叫ぼうとした。
しかし、それはすんでのところで生じた、けたたましい死神の福音によって妨げられる。
主催者の放送だ。もうそんな時間なのか?アレフははっとなった。
そうだ、この主催者の放送で、絶対に聞き落としてはならないことがある。
「追加される禁止エリアの場所」そして、「死者のリスト」だ。
この12時間のうちに命を落とした者の名前が呼ばれるのだ。

(死者の…リスト…)
自然、アレフは今自分の近くにある二つの遺体に目がいく。
聴く方がおろそかになるわけにもいかなかったから、注視したわけでもなかったが
アレフの視界にぼんやりと映る、アトラスとサマンサ。
手強い敵だった。あるいは憎むべき仇だった。
しかし今はもはや冷たい躯と化し、おそらくはこれからの放送で両者の名も呼ばれるだろう。
…もう、死者の頭数でしかないのだ。この二人も…この二人ですらも…

958 私は、誰にもなれないのなら2/21 :2006/12/11(月) 20:26:32 ID:nCh3u9QY

そんな短いが、深刻な思いが胸中によぎるうちに、鐘は鳴り止み、放送が始まる。
アレフは息を呑んで耳を傾けた。
彼は願った。彼の愛する人の名が決して呼ばれないことを。
彼はまた願った。それがおそらくはありえないとわかっていながらも、
この下劣なゲームの犠牲者が、自分が知っている以上にはいないことを。

…放送は終わった。きっとあっという間だっただろう。
しかし、アレフにはそれが永い時のように、終わりなき悪夢のように感じられた。
ローラの名前は、無かった。それだけが救いだった。
しかしそれ以外は彼の希望をことごとく打ち砕くものに等しかった。

「じ…13人…?」

アレフは愕然とした。まさか、それほどの命が奪われていようとは。
昨日が確か…そうだ、18人だった。
5人減った、などという考えはもちろん愚かしすぎる。
昨日は、43人いたうちの18人だ。今は25人のうちの13人だと?
過半数が命を落としたのか?勢いはむしろ増しているではないか!
大体、そこまで多数の命が奪われたということは…!

「残るは、あと私も含めて12人ということだな」

アレフは我に返って、顔を上げた。
忘れてはならないはずの、この場の最大の危険要素を、思い出して。

959 私は、誰にもなれないのなら3/21 :2006/12/11(月) 20:27:42 ID:nCh3u9QY

アレフとは対称的に、ピサロは死者の名前を、子どもが眠る前に数える羊のように、
あとに覚えておく必要を感じず、特に何の感慨もなく聞き流した。
知っている名前もあった。だが未練はなかった。
昨日はそうではなかった。アリーナの名を聞いて、彼の顔を影が覆ったのだ。
わずかばかりだったかもしれない、しかしその微妙な反応を、
フォズは感じ取って、涙を流した。あなたの代わりだと言って。
そんな少女を、彼は莫迦だと言ったが、同時に興味深くも思ったのだ…

昨日はそうだった。今は違う。ただただ侮蔑しか沸いてこない。
明らかにピサロの心は変節を遂げていた…!

今の放送を聞いて、ピサロは決意をさらに固くする。
頃合いかと考えた。元々生存者が10人になれば見切りをつけるつもりだったのだ。
もうあとは12人。遠からず2桁を割り込むだろう。
所詮、人間は自らが愚かな生き物でないということを証明できなかったのだ…!

(やはり、私は考えが浅かったようだな。
 そもそもが信ずるに足るような輩ではなかったのだ)

ピサロは嘲笑した。そして視線をアレフの方に移した。
あと2人で、当初の己の忍耐のボーダーとしていた10人となる。
あと2人…この男と、そしてあの娘を消せば、ちょうど10だ。
いっそ、ケリは私自らでつけるのも一興か。そんなことまで考えた。

960 私は、誰にもなれないのなら4/21 :2006/12/11(月) 20:28:51 ID:nCh3u9QY

「どうする…つもりだ。ここで一戦交えるのか?」

視線の先にいた男、アレフがまず先に口を開いた。

「デスピサロと言ったな?その名前にどんな意味が込められているのか知らないが、
 およそ俺たちにとってありがたいものだとは思えない。
 ならば…どうする気だ、デスピサロ。お前も、このゲームに乗るのか?
 だとすれば、邪魔であるはずの俺たちを、今、ここで消すか?」
「フ…」

いましがた発したばかりの殺気を感じ取ったというのか
アトラスを倒したことから既にわかってはいたが、戦士としてはかなり腕の利く男らしい。

「そうだ、と言えばどうする?やはりやめろとお前は言うか?」
「…それも考えたが、やめた。やってみろよ。やれるものならな…!」
「何だと?」

泰然としていたピサロの眉が釣りあがり、アレフを睨んだが、勇者はそれに動じない

「お前がかなりの腕前だということは、俺にもわかる。
 だが、今のお前はまだ傷が深い。そんな状態で俺に勝てるのか?
 勝てると思うのなら、やってみろ。相手になってやる。
 お前が、いずれは俺の大切な人まで手をかける存在に成り果ててしまうというのなら
 お前を野放しにはしておけない。今、この場で、ケリをつけてやる!」

アレフは鋭い光を瞳に宿らせて、叫んだ。拳に精一杯の力を込めて。

961 私は、誰にもなれないのなら5/21 :2006/12/11(月) 20:30:24 ID:nCh3u9QY

…だが、実際のところ、これはほとんど虚勢だった。
ピサロが乗ってこないことを願いつつ、
アレフはその思いを体の外へは1ミリも出さなかった。

まるきり嘘を言ったわけではない。
デスピサロという名の危険性を、アレフは少なからず感じ取っていたから
奴をこのまま見過ごしておくわけにはいかないと考えているのは事実だ。
そして、もし、ピサロがローラに危害を加えるというのなら
その時彼は是が非でも彼女を守るために戦うつもりだった。その思いも揺るがない。

だが、今は、その肝心の守るべきローラの行方が未だ掴めていない。
そしてピサロの消耗ほどではないが、あのアトラスを討ったばかりのアレフもまた
この場でまともに戦えるほどの体力が無い。
おまけに、彼の足元には、彼自身が呪文で眠らせてしまったフォズが横たわっている。
ピサロの狙いが皆殺しなら、もはやこの子を殺すことにも躊躇いをもたないだろう。
あるいはこの子を人質にして、という卑劣な手段も、今のピサロは取りかねない。
これからここで相手になってやると意気込むには、不安材料が多すぎる。

今、自分が力尽きるわけにはいかないのだ。残り生存者が少ないのなら尚更。
ここでピサロを逃がして、もし本当にローラと出くわしてしまったら、
というのが大きすぎる心配の種だが
ここまで惨劇が広がった中で、ほとんど戦闘力を持たないはずのローラが
まだ生きのびているということは、誰か心強い味方を得たからに違いないと思える。
そのローラにとっての希望が、自分でないことが甚だ残念だが、
そのままで終わらないためにも、ここで命を落とす結果になることは
断じて避けなければならなかった。

962 私は、誰にもなれないのなら6/21 :2006/12/11(月) 20:31:47 ID:nCh3u9QY

…と言う様な思案を、彼は少なくとも表情には微塵も見せなかった。
お互いにらみ合ったまま、しばし沈黙の対峙が続く。

「フン…」
やがて、ピサロが薄く笑った。

「確かに分が悪いな。認めたくもないが、認めよう
 私にもやらねばならないことがあるのでな。ここで共倒れは御免だ」

ピサロは先ほどサマンサの命を奪った鎖鎌を持つ手を緩めた。
そして踵を返し、アレフに背を向け、歩き出す。
その様を見て、アレフは内心胸をなでおろした。
いずれは止めなければならないが…仕方がない。今はこれでいいと、彼は思った。


それが、そもそもの間違いだった。

963 私は、誰にもなれないのなら7/21 :2006/12/11(月) 20:33:00 ID:nCh3u9QY

「!!」

アレフが目をむいた。一瞬、気を抜いた、そのわずかな間に、ピサロの姿を見失った。
どこに逃げた?…違う、どこから迫ってくるんだ!?
刹那ですらない、短い間隙を、アレフが表面に出してしまったわずかな油断をついて
ピサロが恐ろしい速さで肉薄してくる。その気配はする…だが、見えない!
この狭い回廊の中だというのに!?

アレフはピサロの意図を理解した。自分が試したように、奴もまた試したのだ。
だから、あえて背を向けた…!
もし本気で戦うつもりがあるのなら、あの瞬間を逃すはずがないと!
それをせず、千載一遇のチャンスをわざわざ見過ごすと言うことは
戦う意思も、力も、ないということ。それを知らしめてしまったのだ!

(しまった…!)
「終わりだ。小僧…」

ようやく敵の姿を視認した時、ピサロは彼の真上にいた。
アレフはまた遅れて思い出した。遅すぎた…奴は、闇の衣で身を覆っていたのだ。
闇の衣、といっても魔王が身につけるそれではなく、れっきとした人間用の防具。
この衣は優れた防御力に加えて、身につけることで体を闇に溶け込ませ、
敵の目を惑わすことができるという力を持つ。ましてやこんな日の光のない地下では。
だから、熟練の戦士であるアレフをもってしてもすぐに場所を特定できなかった。
完全に計算を狂わされたことを、アレフは後悔したがもう遅い。
迫るピサロの右手には、彼のもう一つの武器、アサシンダガーが握られている。
完全に暗殺者の様相を呈した魔族が、容赦なく勇者の命を狙い、
そして、ダガーを振り下ろした。

964 私は、誰にもなれないのなら8/21 :2006/12/11(月) 20:34:34 ID:nCh3u9QY

…やられた。アレフは敗北を、そしてその後に必然的に訪れる死を悟った。
彼にも素早さを高めるアイテムがいくつか手元にあったが、
完全に意表をつかれ、この時は動けなかった。
走馬灯とでも言うのだろうか、アレフは今までに出会った色々な顔を想起した。
まず初めに浮かんだのは、やはりローラ。幻の彼女に向かって彼は謝罪した。
(ごめん、ローラ。俺は、君を守るどころか、君にまた逢うことすらできなかった)

他にも幾つかの顔が脳裏をよぎる。共に戦った仲間もいれば、剣を交えたライバルもいた。
生きている者、既に逝った者…最後に浮かんだのは…よりにもよって、彼女だった。
(…サマンサ。俺は、君が憎い。だけど、勇者の血を重んじていた気持ちだけはわかる。)
その勇者の血を、俺は…こんなところで…!
でも、もう駄目だ。暗殺者の刃が目前に迫る、その軌道は確実にアレフを捉え、引き裂き
そして死の淵へと彼を飲み込もうとしていた。

しかし、そこで正確無比だったはずの軌道が急激にぶれた
「!?」
ピサロとアレフの間に緩やかな気流が沸き起こる。
暗殺者にとって、これは思いがけぬアクシデントだった。
故にその正確さがために、それた刃はアレフの急所を、心臓を外してしまった。
しかし、ピサロもさるもの。ただでは終わらせず、せめてもの代わりとばかりに
アサシンダガーをアレフの左足に深々と突き刺した。

「うわぁっ!!」
アレフは呻き、バランスを崩して倒れる。死んではいない。気を失ってもいない。
だが、すぐには如何ともしがたい損傷を負ったことは間違いなかった。
ピサロとしては、次は鎖鎌で、今度こそ確実に仕留める行動に出てもよかった。
しかし、彼はそれをせず、一旦大きく退いて間合いを取る。
予期せぬ要素が現れて、あの男を殺すのを妨害したとあっては
下手に暗殺に固執していては、かえってこちらが危険だと感じたのだ。

965 私は、誰にもなれないのなら9/21 :2006/12/11(月) 20:36:25 ID:nCh3u9QY

まずは全体を見渡せる位置に立ち、邪魔者はどこかを見極めることが先決だと思った。
それさえわかれば、いくらでも対処のしようがあるというものだから。
ピサロは視野を広げ、気配を探る。
新たに人の気配が増えた感じは…ない。と、すれば…一体、さきほどの気流は…?
すぐに答えが導き出せないピサロの前で、その答えがゆっくりと起き上がった。
正直、意外だった。確かにずっとそこにはいたが、はなから考慮になど入っていなかった。

「そうか…貴様か、フォズ」
「ダメです…ピサロさん。いけません、そんなことをしては…」
「お前だったのか。そう言えば長い間、顔を突き合せてはいたが
 お前の戦う姿を見たことはなかったな…そうか、その杖の力か」

まだ睡魔が抜けきらないフォズが杖を支えにして立ち上がる。その杖をピサロは見た。
天罰の杖だ。確か道具として使うことで、バギ系の風の力を巻き起こせるアイテムだったか
それで私とあいつとの間に気流の壁を作った…と。
本気で使えば、小規模の竜巻を起こす力にもなるはずで、致命傷とはいかないまでも
二人を吹き飛ばしてしまうくらいの勢いを生むことも可能だったはずだ。
が、睡魔から立ち直ったばかりの精神力では、この程度が精々で
この際はそれが効を奏した…と。

(それにしても、改めて思えば天罰の、とは笑わせる)

誰が誰に下す天罰だ?誰に?私にか?誰が?神がか?
こんな狂った状況をのうのうと見過ごしておいて、何が天罰か。
神とやらも今さら立場もなく、恥ずかしくて顔も出せまいに。
そんな、いつもならどうでもいいと捨て置いたようなことまで、
今のピサロには不愉快で、苛立ちを感じさせるものでしかなかった。

966 私は、誰にもなれないのなら10/21 :2006/12/11(月) 20:39:37 ID:nCh3u9QY

「ダメです…ピサロさん…お願いです。もうやめてください、こんなこと」
全てが忌々しく思えるピサロの耳に、再び少女の小さな哀願の声が響く。

「やめろ…か、何故そう言う?自らの命惜しさか?」
「…素直に言えば、それもあります。誰だって、あえて死にたいなんて思いません。
 でも…いえ、だからこそ、死にたくもない人を無理やり死なせてしまうような
 そんな恐ろしい人に、あなたをさせたくないのです」
「ほう…それは、私のためを思ってか?」
「はい………いいえ、半分は、多分、私のためです。
 あなたが殺戮者となるのを見たくないという、私の願いのゆえにです」
「そうか。まあ、私のためだろうと、自分自身のためだろうと、どちらでもいい
 はっきり言わせてもらう。余計なお世話だ」

鋭い瞳で、ピサロはフォズを睨んだ。そして静かに、だが重い口調で告げた。
睨まれただけでも恐ろしかったが、さらにその言葉が、フォズの脳裏を強く揺さぶった。

「余計な…お世話…?」
「お前を傍に置いたのが間違いだったのだ。私の目的を果たすため、と思ったが
 とんだ勘違いだった。もうお前に用はない」
「でも…でも…ピサロさん!あなたは先ほど、私を身を挺して助けてくださいました。
 絶対逃げられなかった、あなたがいなければ、私は確実に死んでいました!
 先ほど、咎めるような口をきいたことがいけないのなら謝ります。
 あなたは、私の命の恩人なのです。それなのに…それなのに…どうして」
「何度も同じことを言わせるな!だから、それが間違いだったというのだ!」
「!そんな…そんな…」

静から一転、と言うよりその薄い仮面の下に隠されていたピサロの激情が露になる。
ピサロが灼熱した。かたや、フォズは全身を寒波に襲われたような心地にさらされた。

967 私は、誰にもなれないのなら11/21 :2006/12/11(月) 20:40:45 ID:nCh3u9QY

「私の目的は…まずはこの戦いに生き残ることだ。全てはそこから始まるのだ。
 お前を傍に置いたのは、私の目的を達成するために、
 その力が役に立つやもしれぬと思ったからだ。
 …お前自身の身など、どうでもよい。どうでもよかったのだ…
 だというのに…私は、私としたことがくだらぬ情にほだされ、一時の感情に流され、
 あげく、このザマだ!」

激発する精神とは裏腹に、体は改めて見れば見るも無残な姿になっていた。
アレフは、先程あれでよくあのスピードで動けたものだと今さらながらに驚いた。
精神が肉体を凌駕していたとでもいうのか?それほどの怒りを内に秘めていたのか?
この男の異常なまでの執念の片鱗を感じて、アレフは戦慄を覚えた。
そして、フォズは打ちのめされた。あれほどまでに冷静で堂々としていたこの人が
今はこんな姿になって、そしてこれほどまでに憤怒に身を焦がして…
私を守ったために…私の、せいで…!

「私は…自らの力で生きる。誰にも邪魔はさせん。誰の運命にも左右されもせん。
 生きるならば、自らの意思で生き、滅びるならば、それもまた己の意志によってだ。
 もはや誰の助けも借りぬ。邪魔も要らぬ。お前など、もういらぬ」
「でも…でも…ピサロさん!」
「うるさい!その名で呼ぶな!
 あまりわめき散らすのならば、今すぐ永久に黙らせてやってもよいのだぞ!」

そこまで声を張り上げて、一度ピサロは姿勢を変えた。
アトラスから受けた一撃と、アレフを殺害しようとした時のオーバーワークによる反動。
さすがに無視できなくなってきた痛みで、同じ調子を続けるのが苦しくなってきたのだ。

968 私は、誰にもなれないのなら12/21 :2006/12/11(月) 20:42:47 ID:nCh3u9QY

「フン…わめこうがわめかまいが、どのみちこの場で2人とも始末するはずだったのだがな。
 さすがに私も深手を負い、無理をしすぎた。いったん退くとしよう。
 まずは体力を回復させるほうが先だ。ある程度それが成った暁には、行動を起こす。
 これまで共にいたよしみだ。この場だけは見逃してやる。
 しかし、再びお前が私の視野に入る時があれば…有無を言わさず、今度こそ殺す」
「ピ…ピ、サロさ、ん…わ、わ、たし、は…あ、あな、たに…お、お、れ」

フォズは完全に涙目になっていた。おそらく「助けてもらったお礼が言いたくて」と
言いたかったのだろうが、声が詰まって、まともな発音になっていなかった。
もっとも言えたとして、もはやピサロは聞く耳を持ってなどいなかっただろう。
その様を無視して、闇の衣を翻し、ピサロは再び2人の前で背を向ける。

「ま、まって…い、いかない、で…いや…!おいて、いかないで…!」
「そう言えばお前はよくこんなことを言っていたな。
 『ひとは、誰かになれる』…だったか?娘よ」
涙交じりに懇願するフォズに、ピサロは振り返って言った。そして最後にこう付け加えた。

「ならば、私は全てを滅ぼす魔王となろう。それが、お前の導きに対する私の答えだ」

少女にとって、ある意味とどめとなる一言を残して、今度こそ本当にピサロは去った。

969 私は、誰にもなれないのなら13/21 :2006/12/11(月) 20:44:54 ID:nCh3u9QY

「大丈夫かい…君は…」

ピサロが消えた後、アレフはフォズを気遣って声をかけた。
対して、フォズは彼の呼びかけに何も答えず、虚ろな瞳のまま立ち尽くしていた。

『ひとは、誰かになれる…だったか?娘よ』
頭の中をピサロの言葉が幾度となくリフレインする。

『ならば、私は全てを滅ぼす魔王となろう。それが、お前の導きに対する私の答えだ』
もう涙も出なかった。
自分がどれだけちっぽけな存在だったかを徹底的に、思い知らされて。

(結局…私は、何だったの…私は…誰なの…?)

誰かを導くことができたのか?…できなかった。
ここへ連れてこられて最初にしたこと、アルスを探すことは果たせなかった。
彼女がダーマの教えを説いた二人、サマンサは既に息絶え、ピサロもまた修羅の道へ堕ちた。
それが全て…自分の言う導きだった…とでもいうの…?

一体、今日、ここに至るまで、自分は何をしてきたのだろう。
誰かのために、少しでも何かの役に立つようなことがあっただろうか。
そんな記憶は見当たらなかった。
どこまでも独りよがりで、どこまでも無力で、どこまでも役立たずで。

(私は…人を導く神官なんかじゃ、ない)

そう思えてならなかった。いもしない観客が見てくれていると信じて、
ひたすら暗闇の中を踊りのたうちまわる哀れな道化以外の何者でもなかった。

970 私は、誰にもなれないのなら14/21 :2006/12/11(月) 20:46:34 ID:nCh3u9QY

私は…神官などではない
私は…あの人の心を溶かす、優しい心を持った女性でもない
私は…あのアルスさんのような、勇気を持って邪悪に立ち向かえるような戦士でもない
私は…誰でもない
私は…誰にも…なれない

(私は、誰にもなれない)
ならば、せめて私が、私としてできることは…?何か、ないの?何も…ないの…?

「おい!気づいているか!しっかりするんだ!大丈夫か!うっ!」
そこでフォズは我に返った。何度も自分を呼ぶ声よりも、最後の苦悶に反応した。
はっとなって見れば、アレフがすぐ真横にいる。そして今はうずくまっている。
その足には、まだ先ほど受けたピサロのアサシンダガーが突き刺さっていた。
ろくに処置する余裕がないのなら、下手に抜かないほうがマシと言うこともあるとはいえ、
自分の方がよほど重傷であるというのに、ずっと彼女を気遣っていたのだ。

「あ!ああっ!ごめんなさい!安静にしてください!手当てをしますから!」
フォズはアレフの体をできるだけ刺激しないよう注意を払いながらダガーを抜く。
当然、酷い出血が後に続いたが、いまさら怯む彼女でもなかった。
止血し包帯を…と思ったが所持品の中に包帯はないので、自分の法服の一部を引きちぎる。
程よい長さに調節すると、アレフの患部に丹念に巻いて、回復と念のため解毒の魔法を施す。
処置が適切だったのか、だんだんと彼の顔色の悪化が収まっていくのがわかったが
それでもまだ十分とはいえなかった。
ここでは回復魔法の効果が薄いのは既に知れていたことだし、
肝心要のフォズの魔力もまた、尽きかけているのだ。

(何か…気休めでもいい。魔力が不要で、もっと長時間にわたって回復を施せるものは…)
フォズはもう一度自分のザックを漁ってみたが、そんな都合のよいものが
今になっていきなり出てくるはずもない。

971 私は、誰にもなれないのなら15/21 :2006/12/11(月) 20:49:00 ID:nCh3u9QY

(・・・あら?)
何かないかと辺りを見回して、ふとある物に気がついた。
今は亡きサマンサ、その傍らに一つの固体が零れ落ちている。
あの時か。あのアトラスの攻撃を受けた時に落ちたのだろうか?
フォズは歩み寄ってその固体を拾い上げた。見覚えがあったのだ。

奇跡の石だ。元々、彼女の住んでいたダーマの近辺でたまに用いられるもので、
ことこの道具に関しては、支給品の説明よりよほど彼女のほうが詳しかった。
この石に念じ、それによって発する力を受ければ、怪我の治癒を行うことが出来る。
もっとも効果はホイミと同程度。回復魔法の制限が大きいここでは
即効性という点においてはあまりあてになるようなものではない。
だけど、これだとフォズは思った。この石の特性は、使用する誰かの祈りさえあれば、
石自体が持つ癒しの力は無尽蔵であること。この場合この点が重要なのだ。
効き目は微々たるものでも、それをゆっくりと当て続けることが出来れば
いずれ全快とは言わなくても、それほど不自由なく歩き回れるくらいにはなれるはずだ。

フォズはアレフを回廊の壁を背もたれにするようにして座らせる。
そして奇跡の石に出来る限りの強い念を込め、酷い傷跡の残る左足の真横に置いた。
やはり、回復能力はスズメの涙ほどでしかない。だけど

「悪く…ないね」
「本当ですか?」
フォズの顔に安堵の笑みが漏れた。アレフも憔悴しきった顔ながらそれに返す。
「ああ、何だかこう、ぬるま湯に浸ってるみたいだ。ほっとするよ…」
「そうですか…」
気遣いもあっただろう。でも、そんな彼の反応が、今のフォズには素直に嬉しかった。
(あったんだ…私にも、できること…)
よかった。少女は大きく息を吐いた。

972 私は、誰にもなれないのなら16/21 :2006/12/11(月) 20:50:22 ID:nCh3u9QY

…そして表情を変えた。ひとたび目の前のことが落ち着くと、意識は再び元の処へ飛ぶ。
(何もできないなんて…そんなこと、ないよね…?)
私にできること、私にしかできないこと…きっと、あるはずだ。
今、これから私がなすべきこと、自分が心からしたいと思うことは…何?

フォズは、自分を振り返る中で、ここに至るまでの道程を思い起こした。
見知らぬ場所、険しい道、孤独、遭遇したいくつものアクシデント。
死にかけたことがあった、見捨てられたこともあった、大切な人を失い嘆いたこともあった。
辛いことばかりだった。悲しいことばかりだった。
でも、それならば何故?何故、私は今まで生きのびてこられたの?
辛いことばかりだった。悲しいことばかりだった。
それでも絶望せずに、私が今ここにいられた理由は…

(そう、だ…やっぱり、そうです)

一人の男の顔がよぎった。その姿を思い浮かべた瞬間、フォズの手が今は恐怖で震えた。
しかしそれを押し殺してしまいたくて、彼女は固く拳を握った。

(やっぱり…嫌だ…このままじゃ、終われません…)
あの人は言った。私の言っていることは綺麗事だって。
多分、いや、きっとそうなんだろう。自分でも思う…綺麗事なんだって。
あの人は何度も私の言うことを耳障りに思っていたようだった。無理のないことだった。
でも、綺麗で何がいけないというのですか?綺麗事の、どこが悪いのですか?
あの人が、これから殺戮の道を歩むことの、何が正しいとでも言うのですか?

(違う…違う違う!誰が、あの人自身が何と言おうと、やっぱり違う!
 私を命がけで助けてくれたあの人が、平気で罪もない人の命に手をかけるだなんて!
 嫌…そんなの違う…絶対に違う!)

973 私は、誰にもなれないのなら17/21 :2006/12/11(月) 20:51:32 ID:nCh3u9QY

『納得できぬか』

(!?)
何か、声が…聞こえてきた気がした。
これは…そうだ、あの時だ。アトラスとの戦いの時、あの人が言ったことだ。
そして、続けて彼はこう言ったのだ。

『ならばそれを貫いてみせろ……泣くばかりでは何も出来ん』

(……)
そうだ。私は、貫かなくてはならない。
嫌だと言っているだけでは始まらない。泣くばかりでは、何もできない。
誰でもない私の、私だけの気持ちを証明するために、私は、動かなければいけない…!

(………そう、ですね。わかりました。私、決めましたからね。もう、迷いません)

フォズの頭の中で、一つの道が光明となって見えた気がした。
それを境に、彼女の顔から不安が消えた。
…見えた唯一のそれが、この上もない茨の道だと、わかっていても。

974 私は、誰にもなれないのなら18/21 :2006/12/11(月) 20:53:19 ID:nCh3u9QY

そして、フォズは静かに声をかけた。

「アレフさん…様子はいかがですか」
「ん?ああ…ちゃんと動くにはまだ時間がかかりそうだけど、痛みはほとんどないよ。
 単に麻痺してるだけかもしれないけどね」
「心配ないですよ。さっきより血色が随分良くなられていますから。
 ちょっと待ってくださいね。改めて石に念を入れなおしますから…ン…これでよし。
 これでまたしばらくはもちます。あとは私がいなくても、時が解決してくれるはずです」
「ああ……と、何だって?何て言った?私がいなくても…?どこかへ行くつもりなのか?」

アレフが問うた。フォズは決然とした面持ちで立ち上がった。
その視線の先は、彼が、去った先。
「あの人の…ピサロさんの後を追います。そして、あの人を止めます」
「な!?なんだと?」
アレフが大きく目を見開いた。驚きを隠しようもなかった。

「…すみません。こんなところに一人ぼっちにさせてしまうことを許してください。
 でも、今しかないんです。まだ、ここにはあの人が通った痕跡が残っている」
それはピサロの足跡や血痕、そして魔力の痕跡。
魔力を元に探し人を見つける…ピサロが、かつてフォズの前で実演してみせたことだ。
精度はおよそ比べ物にはならないけれど、ダーマで魔の道に通じる職の伝授をも
担った経験のある彼女だったから、全く不可能なことでもなかった。

「怪我の深いあの人なら、そう遠くへは行けないから、今なら私の足でも追いつけます」
「待て!追いついて、どうするっていうんだ!君にあいつを止めることができるのか?」
「わかりません…いえ、おそらくはできません。
 でも、できるか、ではないのです。したいのです…だから、行くしかありません」

975 私は、誰にもなれないのなら19/21 :2006/12/11(月) 20:55:20 ID:nCh3u9QY

フォズが歩き始めた。アレフは慌てて止めた。

「やめろ!本当にそのつもりだとしても、君だけで行くな!
 もう少し待つんだ!俺も、すぐに歩けるようになるから!」
「ありがとうございます。嬉しいです…でも、ダメなんです。
 急がないと、あの人の気配を見失ってしまいます。
 それに、あなたとピサロさんとの話、私もおぼろげながら聞こえていました。
 あなたも、守りたい大切な方がおられるのでしょう?
 いずれ治るその足と、その強く優しい心は、どうかその方のためにお使いください」
「あいつの話を聞いていなかったのか?行けば、確実に…殺されるぞ!」
「かもしれません。ですが、それならば尚更行かないわけにはいきません。
 どのみち私のこの命は、一度あの人にいただいたものです。返さなければなりません。
 あの人が、本当に手遅れになってしまう前に」
「何を莫迦な…あっ…行くな!待つんだ!待て!」
「ありがとうございました。最後まで、わがままでごめんなさい…
 足、治してくださいね。お気遣い本当に、本当に、感謝しています。
 死ぬまで、いえ、死んでも忘れませんから、絶対に」

フォズは目を潤ませ、何度も頭を下げた。
そして、アレフの元を離れると、ピサロが去った後を追って、駆け出した。
背後から聞こえたアレフの、あんなに自分を心配してくれた人の、最後の叫びに、
心を痛ませながら。


「待て!だから、待てと…!ちくしょおおおおおおおお!!!!」

976 私は、誰にもなれないのなら20/21 :2006/12/11(月) 20:57:49 ID:nCh3u9QY

フォズは懸命に走っていた。ピサロの後を追って。
そして、その過程の中で考えた…たぶん、私はそう遠くないうちに死ぬだろう、と。
もちろん殺されたいとも、望んで死にたいとも思わないけれど。
この魔力の匂いの先…あの向こうに、あの人がいる。
あの人はもう私に気づいているのだろうか。
再び顔を会わせたら、どんな反応をするのだろうか。
怒るだろうか、嘲笑うだろうか、あるいは有無を言わさずその場ですぐに…

いずれにせよ、もはや言葉だけであの人の心を動かすことはできないだろう。
危害を加えてもいけない。私にできるのはただ、この身を挺して受け止めることだけ。
そう、あの人が、私にしてくれたように…
しかし、たとえそこまでできたとしても、
あの人を思いとどまらせることができる保証は、どこにもない。

…仕方がない。私は、あの人を包んであげられるような優しさを持った人ではない。
あの人の行く手を阻める強さを持った人でもない。
私は、誰にもなれなかった。だけど、それでもやるしかない。私自身が、そうしたいから。
死ぬのは恐い。でも、それでも、私は、あの人に…逢いたい…

(もし、死ぬ前に、あの人を正気に戻すことができたなら…)
フォズは懐かしい、今は戻らぬ顔を思い微笑んだ。
アルスさん、私を誉めてくださいますか?とひとりごちて。

(そして、もし何もできないまま、このまま消えていったのなら…)
今度は自嘲するように口元を緩めた。そして彼女は一しずくの涙をこぼす。
口からはいつも悪態ばかりだったけれど、心根はとても優しかった、あの姿を思い浮かべて。

(誰にもなれなかった私を…思い切り、莫迦にしてくださいね…マリベルさん)

977 私は、誰にもなれないのなら21/21 :2006/12/11(月) 21:01:11 ID:nCh3u9QY
【E-3/岬の洞窟・地下回廊・ナジミの塔下部/早朝(放送直後)】

【アレフ@DQ1勇者】
[状態]:HP1/4 MP1/3 背中に火傷(軽) 左足に刺傷(重) 疲労 全身打撲 一時歩行不能
[装備]:竜神王の剣 ロトの盾 はやてのリング 風のアミュレット
[道具]:鉄の杖 消え去り草 ルーシアのザック(神秘のビキニ) 奇跡の石
[思考]:ローラ姫を探し、守る このゲームを止めたいが止められない苦悩

【ピサロ@DQ4】
[状態]:HP1/8 MP1/2 右腕粉砕骨折 重度の全身打撲 中量の出血(既に止血)
[装備]:鎖鎌 闇の衣 炎の盾 無線インカム
[道具]:エルフの飲み薬(満タン) 支給品一式  首輪二個
[思考]:参加者を皆殺し優勝(現時点では体力回復を優先)
     ロザリーの仇討ち ハーゴンの抹殺 

【フォズ@DQ7】
[状態]:MPほとんど0 精神の衰弱からは立ち直る(最後の意地)
[装備]:天罰の杖
[道具]:アルスのトカゲ(レオン) 支給品一式
[思考]:ゲームには乗らない ピサロを命がけで止める(ただしピサロに危害は加えない)

978 ◆9Hui0gMWVQ :2006/12/11(月) 21:03:26 ID:nCh3u9QY
以上です。乱文乱筆失礼いたしました。

冒頭の放送に関する記述は、
実際の2回目放送に至るまでのエピソードの関係で変わる可能性がありますので
それ以外で、記述の間違いや不整合な点があれば、教えてください

979 ただ一匹の名無しだ :2006/12/11(月) 21:08:37 ID:KmtosfI6
よい、いや素晴らしいと思う。
正直侮ってました。本スレではしゃぐ様子にとても不安を感じていました。

ごめんなさい。

素直に謝罪します。そして新たな書き手の参戦に心からの歓迎を。
読んだ限りでは特に問題らしい問題は感じませんでした。
後は機を待つだけですね。
井戸組やマルチェロ、宿組、エイト・ローラとまだ書ける余地のあるパートはあるので
もしかすると数週間待つ事になると思いますが。

てゆーか、マジごめん。こんな反省したのは久しぶりだ。

980 ◆9Hui0gMWVQ :2006/12/11(月) 21:24:57 ID:nCh3u9QY
>>979
こちらこそすみません。
深夜の変な寝不足状態と、やってやるぞー!てな感じで
我ながら妙なハイテンションでした。

快く受け入れていただけてありがとうございます。
でも何か気がついたら、よろしくお願いしますね

981 ただ一匹の名無しだ :2006/12/11(月) 21:37:17 ID:/o4uWo8g
…おまいら!昨日から俺を涙で脱水症状にする気ですか!!
またフィオお姉さまから紅茶を貰わねばならないじゃないか!!
――俺が奢ってやるから、皆で飲もうぜ!!

982 ただ一匹の名無しだ :2006/12/11(月) 21:54:30 ID:.7ZFIgpg
「。」が抜けてるとか、サマンサの支給品に関する但し書きとか
推敲すればすぐ解決できるレベルの問題以外は本投下時に解決できる問題として。
ってーかクオリティ高え。びっくりした。

ちょっと気になるのがアサシンダガーの解釈。
8にて毒針を練成して作れるアイテムであることから考慮すると、ゲーム中の即死効果=猛毒によるものという可能性が高い。
となると、たとえ足に刺さってても毒による二次災害は避けられないと思われます。
で、アレフは勿論フォズもキアリー使えず、奇跡の石はホイミ効果だけ。となると……。

せっかく時間あるし、今後の為にも少し武器の効果について共通認識を持ちたいところ。

983 ただ一匹の名無しだ :2006/12/11(月) 21:55:58 ID:.7ZFIgpg
ちょっと日本語が変だった。
一部の「。」抜けとかは推敲時にしっかり直しといてくださいねって話です。

984 ◆9Hui0gMWVQ :2006/12/11(月) 22:22:24 ID:nCh3u9QY
>>982
ご指摘ありがとうございました。
書き込みしてる時なんかもそうですが「。」は確かについ忘れる癖があるので
気をつけたいと思います。

アサシンダガーについては、私もどう説明つけようかと悩みました。
一撃で倒すことがある、という短剣ですから、やっぱり毒が含まれている可能性がありますよね。
だから、毒については何とかクリアする要素がないと、このままではアレフを殺してしまいかねません。

・・・で、思ったのですが、フォズの特殊能力は転職でして
7本編で転職させる時、死亡以外の状態異常、たとえば毒とか麻痺とかそんなのがあっても
死んでさえいなければ転職できます。そして転職の儀式終了後はHP・MP共々
その新しい職についた段階で、フルの状態になるのです。

と、いうことから、今回の話の中で転職の技術をうんぬん言うことはしませんでしたが
その技術の一部を使えば、毒を治癒させることも、フォズには決して不可能ではないだろうと
そういう判断をさせていただきました。
なので「念のために解毒の魔法を施す」という一文があるのです。あえてキアリーとは言わずに。

985 ただ一匹の名無しだ :2006/12/12(火) 01:23:27 ID:eVkP7TI2
>>984
チャットで出てきた一つ案なのですが、いかがでしょう?

ダガー投げる→アレフ避ける→なんと避けた先に鎖鎌の攻撃!→バギマで方向狂う→足グサー
これなら怪我ありで毒なし 。フォズの転職能力を無理に出す必要も無くなる

986 ただ一匹の名無しだ :2006/12/12(火) 03:14:58 ID:fgSYF.B.
>>985の補足。
毒状態をクリアするためには、ピサロの攻撃がアサシンダガーじゃなくて鎖鎌による
ものであったとするのが妥当だと考えます。しかしアサシンダガーという武器そのものが
ピサロのマーダー化をより深く印象付けていると感じたので、これも外せないと思いました。
そこで、アサシンダガー→鎖鎌 の二段攻撃 を思いつきました。
ピサロは本気でアレフを殺しにかかってるのでそういう攻撃法もアリかなあ、と。
(でも投げて避ける、てのが今の流れからすると少ししんどいかも?)
良かったら一つの案として考慮してみてください。

987 ただ一匹の名無しだ :2006/12/12(火) 06:33:16 ID:3Bf4x4to
もちろん、実際アサシンダガーで切りつけて毒状態に、ひいてはアレフ死亡に追い込んでも構いません。
殺しちゃいけないわけじゃないので、殺してしまいかねない……とそこら辺を禁忌に思う必要はないです。
(初投下で今まで積んできたキャラを殺すのは勇気が要ることとは思いますが)
「アレフを看取り、決意を固めピサロを追うフォズ」というのも構図としては十分見所になると思います。

まあ何にせよ時間はまだたっぷりありますので、作者さんの書きたいように仕上げていただければ。
大筋は文句なくよい物ですので、是非本投下してくださいね。

988 ただ一匹の名無しだ :2006/12/12(火) 06:45:55 ID:9XtJfIfg
うーん、俺はフォズが毒の治癒できても別におかしくないと思うけどなぁ。
確かに考えようによっちゃ、毒を無効にしてくれる場面があるといえばあるんだし
(中ボスと戦う前に死者も含めて全快にしてくれる場面もある)

それに、ゲームではフォズは一時期とは立派に戦闘要員だったし、
その頃に限ってのことだけど、主人公を上回るくらい強かったくらいだった。
もっともここまで話が進んだ今、今更戦闘に長けてるとか言われても
違和感たっぷりになっちゃうから、それはいいとして
回復・治療の分野くらい、ある程度のスキルを持たせてやってほしい気がするね。

989 ただ一匹の名無しだ :2006/12/13(水) 00:16:33 ID:y4KnaacY
一応、本スレより>ピサロメモが支給品から消えてる

990 ただ一匹の名無しだ :2006/12/14(木) 18:58:37 ID:btcITQZc
>>989
ピサロメモは無効化したから消したんじゃね?

991 ◆9Hui0gMWVQ :2006/12/14(木) 21:57:19 ID:PUAsIPog
フォズの毒の対処の如何について、ご意見どうもありがとうございました。
私としてましては、>>988で言われた考え方に近く
仮にも大神官という職にいる者なのだから、毒の治療くらいはできるだろうという考えです。
そう言えば、転職の技術がうんぬん言うまでもなく、
プレイヤーを一斉に回復させてるような場面もありましたっけ。確か
でも、アサシンダガーには毒が含まれている可能性が極めて高いので
本投下の際には、「念のため」程度ではなく、もう少し解毒について言及しておきたいと思います。

>>989-990
ピサロメモは、素材自体はただの紙のはずですから、
破いたのでなければまだ持ってるはずですね。書き足しておきます。

992 ★管理者 :2006/12/15(金) 00:54:45 ID:hRW/iZHA
レス数を2000まで増やしました。
とりあえず完結まではこのスレを使っていきましょう。

993 ただ一匹の名無しだ :2006/12/15(金) 01:15:12 ID:naU1E0Wk
「〜だし、使えるだろう」という「意訳」を適用するのは、ちょっと賛同しかねます。
じゃあ同じく神官なんだしマルチェロもベホマ使えるようにしていい?とか、バランスが崩れてしまう可能性があります。

そういうのを防ぐために、設定を共有しあう「情報確認スレ」っていうのが存在してる。…と自分は思っています。

※イベントでプレイヤーたちを全快してたから、全快能力もOKだろとかは、メタ要素が強すぎて特にイヤです。
 百歩譲って使えたとしても、制限の対象として使用不可能でしかるべきだと思います。

ちなみにピサロメモは通っている最新の話からも消えてたりする。
実は破られたんじゃないかともちょっと考えてしまうw

994 ◆9Hui0gMWVQ :2006/12/15(金) 05:17:26 ID:aKWr528c
>>993
ふーむ、なるほど。それも一理ありますね。
「フォズはキアリーが使えない」が皆さんの総意だとしたら、もちろんそれに従います。
初めからアサシンダガー使わせずに、元々の鎖鎌に変えればいいわけですしね。
毒を受けず、かつ歩けない深手を負ってしまった方向にしますが、どうしましょう。

どちらにせよ、フォズに全体回復能力まで持たせる考えは毛頭ありません

995 ただ一匹の名無しだ :2006/12/15(金) 05:55:09 ID:uJCSyiFU
>>993
使えるだろうだけならともかく実際全快させてるからなぁ。イベントでも転職の場面でも
そんな今後を左右してしまいかねない大きな魔法ってわけでもなし、
キアリーを使う程度でそこまで目くじら立てなくても、って気もする。

ま、これも俺個人の意見に過ぎないから、全体の総意に従ってくれ>>994

996 ただ一匹の名無しだ :2006/12/15(金) 06:32:23 ID:uJCSyiFU
>>993
それから一つ付け加えておくと
マルチェロがベホマ使えてもいいのか、という話だけど
使用できると匂わせる場面が原作中にあったのはなら、それは構わないと俺だったら思う
あったかどうか記憶にないけど。

997 ただ一匹の名無しだ :2006/12/15(金) 06:33:34 ID:uJCSyiFU
あったのはなら→あったのなら、だね

998 ただ一匹の名無しだ :2006/12/15(金) 17:15:10 ID:8G2TIl22
アサシンダガーは原作では即死か通常ダメージ
毒状態はロワオリ解釈なんだから毒状態をなしにすれば済むことでは?

999 ただ一匹の名無しだ :2006/12/15(金) 20:17:39 ID:f9posWCk
>>993
M字禿は神官ではなく聖堂騎士であり、信仰よりも野心を選んだ男だから
魔法より剣、癒しより破壊を取ったのではないのだろうか?
まぁ、それを言ってしまえば飲む打つ口説くの破戒層ククールがなぜ
ベホマ、ザオリク、ベホマラーという回復呪文をとく意図するのか問題だけどなw

1000 ただ一匹の名無しだ :2006/12/15(金) 23:24:16 ID:5EMrHp4c
1000ならこのロワは来年内に感動の完結

1001 ただ一匹の名無しだ :2006/12/15(金) 23:33:18 ID:f9posWCk
>>1000
よくやった!十字勲章ものだ!後で処女の血をおごってやる!

1002 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 01:21:08 ID:w9Kru9gI
>>998
ヒント:ルーシア

1003 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 01:29:54 ID:oBUKh0g6
>>1002
ありゃどくばりだろ。
何故毒と名のつくアイテムと同仕様でなくてはいけんのだ。

1004 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 02:03:01 ID:w9Kru9gI
>>1003
毒針は原作では即死か1ダメージ
毒状態はロワオリ解釈なんだから、アサシンダガーも毒状態にできていいのでは?

鸚鵡返しで悪いが、同じ事が言える。
>>982で「8では毒針と錬金する」って指摘した通り、毒が入ってる可能性は非常に高いんだし。
即死のギミックを説明する上で猛毒があるという解釈は実に分かりやすい。

まあ総意には従うよ。
毒がないならそれでもいいです。(アサシンダガーが著しく弱体化するだけだし)
マルチェロがどうのってのは冗談だし、ゲーム中で使えないものを展開の為に使わせるつもりは私にはないしね。

1005 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 04:16:23 ID:8e.Qz3Gs
>>1003
まあ、そもそも「ヒント:○○」とか言い出すやつはろくなやつがいないしな。

気にしたら負けだ

1006 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 07:32:10 ID:jyY6BqpI
>>1004
錬金術ってのは、ドラクエ的には複数の物を用いて全く別の新たな物に変える術のことを指すので
元の素材がそうだからといって、できた品まで同じ効果を持っているとは限らないよ
まあ、持ってるのもあるけど

言いたいことはわかるとして、
なんで即死状態がある→毒があるに違いないという解釈はよくて
仲間を全快・蘇生してくれる→それなりの治癒魔法の使い手のはずという解釈はダメなんよ

1007 ◆9Hui0gMWVQ :2006/12/16(土) 08:59:11 ID:Y4/Yg4pA
まさか「ちょうどそれっぽいの持ってるから使わせよう」
ぐらいにしか考えてなかったアサシンダガーで、こんなに意見が分かれるとは思いませんで。
書いた本人はそこまで色々考えてませんでした。浅はかだったかな。

どう判断するのが適切なのか、私ではまだちょっと決めかねますが
どのような解釈が採用されるにせよ、それに対応できるようにしておきたいと思います。
それにしても、ホント、一つのアイテムの使い方でこんなに意見が出るなんて。
これもまた様々な人の手によるリレー小説ならではの醍醐味でしょうか。

1008 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 13:21:12 ID:QyvBWW/U
>>1006
>仲間を全快・蘇生してくれる→それなりの治癒魔法の使い手のはずという解釈はダメなんよ
一言で言えば、「強力すぎるから」だと思う
転職時のことをそのままロワ内に適用すると、フォズは
「コスト0で蘇生・HPMP全回復」なんてとんでもない特殊能力持ちになってしまう
で、そんな力があるなら今まで投下された作品でちまちまベホイミ使ってるのは不自然
フォズは7ゲーム中のアントリア戦で戦闘参加するキャラなんだし、
そこで確認出来る戦闘能力(ヒャダルコ、ベホイミ)以外は使えないとするのが妥当だと思う
アントリア戦で主人公たちが死んでもフォズは蘇生してくれないしね

1009 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 20:59:44 ID:VYM0yOXk
そういえばアサシンダガーは、どのDQでも攻撃1だった??

1010 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 21:52:22 ID:pilTUCHc
>>1009
よっしゃ、明日ゼシカに装備させて調べてみる。短剣スキル0だけど

1011 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 22:31:47 ID:jyY6BqpI
>>1008
いや、ちょいまち。話が飛躍しすぎ
ここで言われてるのはあくまでキアリーレベルであって
別にザオリクだのベホマズンだのを使わせろって言ってるわけじゃないだろ。

1012 ◆9Hui0gMWVQ :2006/12/16(土) 23:14:43 ID:rxnks7cg
どうしたらよいかわかりかねたのでちょいと調べてみました。公式ガイドブックで。

アサシンダガーが登場する作品はリメイク版3・7・8の3つ
初登場の3では盗賊用の暗殺武器として紹介され、
一撃で敵を昇天させることもあると解説されていました。
おおっと思ったのは7版。
この解説では、はっきりと「刃先に猛毒が塗りこまれている」と明記されています。
なるほど、それならアサシンダガーに毒があるというのはオリ解釈じゃなかったんだなぁ
最後、一番新しい8版
これは別の意味であれっと思いました。錬金に毒針を使うのは事実ですが
このアサシンダガーには従来にはあった即死効果がないのです。
あくまで暗殺者が隠し持ちやすい武器という位置づけのようで。

・・・とまあ、こんな感じでした。7のアサシンダガー設定を採用するならば
毒に侵されてしまうという展開も、十分にアリでしょうね。
但し最新設定である8のを用いるとすると、毒が仕込まれている可能性はほとんどなさそうですが・・・
まあ、アレフが毒に侵されたままの状態になるのを回避したければ
素直にアサシンダガーを使わせないほうが無難でしょうか?

1013 ◆9Hui0gMWVQ :2006/12/16(土) 23:20:51 ID:rxnks7cg
ついでに言っておくと、どの作品にも
敵を即死させることはあっても、猛毒に侵された状態にする効果はないようです。

1014 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 23:38:55 ID:jyY6BqpI
>>1012
なるほど、よくわかった。考えようによってはアリな設定なんだな。
よく調べもしないで、いい加減なことを言ってしまったかも。失礼した>>1006

どっちにしても、キアリーくらい使わせてやれよって気はしないでもないけど。

ま、どの作品の設定を採用するかによるけど、
結局「毒があるなら解毒させる」か「解毒する方法がないのなら使わせない」で、
「毒を受けたままの状態にする」という選択肢は、君にはないのね?

1015 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 23:39:05 ID:oBUKh0g6
じゃあ今まで使われてないんだから8仕様で毒なしにすれば解決

1016 ◆9Hui0gMWVQ :2006/12/16(土) 23:48:53 ID:rxnks7cg
>>1014
はい。すっぱり言ってしまえば、ないです。
あくまで私のイメージによるものにすぎませんが
今後の展開において、アレフがそれなりに重要な意味を持っているので・・・
今、ここで倒れさせるわけにはいかないのです。

1017 ただ一匹の名無しだ :2006/12/16(土) 23:54:55 ID:jyY6BqpI
ごめん、>>1006じゃなくて>>1004だった。
自分に対してレス返してどうするよorz

>>1016
了解。やっぱりそうなのな

1018 ただ一匹の名無しだ :2006/12/17(日) 03:06:40 ID:LqrieNEw
>>1007
「あれがいい、これがダメ」という考え方ではなく、アサシンダガーの刃に何の特徴もないのに
即死効果だけは発揮できるというのはありえないのではないか、と考えていての提起でした。
その上で提案したのが猛毒による即死…という仮説だったわけで、別に毒以外でも「即死を説明できる能力」なら何でもよかったんです。

しかし>>1012の調査で「そもそも即死効果のないverがある」と証明されたようですので
今までアサシンダガーが人に突き立った描写が本編でなかった以上、
アサシンダガーを毒なしのverにするかは作者さんの一存で決まるようになったといえると思います。

#おぼろげに覚えていた猛毒設定は7のものでしたか…。
 こちらこそ、もう少し自身のほうで調べてから提起するべきでしたね。
 お手数をおかけしたことをお詫びします。

1019 ただ一匹の名無しだ :2006/12/22(金) 20:36:39 ID:GLOJWS/w
今、人大杉。

1020 ただ一匹の名無しだ :2006/12/23(土) 03:39:41 ID:Q0CT6Rp2
エイトが上にいるから別に毒状態でもいいんじゃね?

1021 ◆UUnHCwOa2s :2006/12/24(日) 18:53:45 ID:tsa5TG9Y
アリスは暫く、窓越しに井戸の入口から見える空を眺めていた。
少しづつ光を帯びて来たそれは、幼い頃から優しかった故郷の空と微塵も変らない。

そしてまた、瞳を閉じる。
――今は待つ事しか出来ない。
寒さがこたえ、睫毛ひとつ動かすのも億劫になってしまう。
だが、触れた肌部分からの更なる冷たさが付きまとう度に、恐怖が襲いかかるので眠る事が出来ない。

そう、怖いのだ。
隣で揺れる命の炎が正に今かき消えんとして居るのが。
またその悲しみを味わうのが。

(昔から私は何も出来ません。――酷く無力です。)
先程から瞼の奥にちらつくのは、父の姿だった。
いつも死人の事を考える度に思うのは、自身への酷い自己嫌悪だ。

アリスは学んでいた。
死を悲しむ人がいる者が、時に、死に追いやられることを。
だからこそアリスは仲間や母、通じ合える人達との今生の別れを覚悟で地下の世界に身を置くことにした筈だった。
未だ闇を湛えた土地を周り、一人でも多くの人を救うことが、「ロト」の名を冠した自身の責務だと感じたから。
それと同時に仲間には頼らないことも決めていた。
この役目は魔王討伐のように仲間を巻き込んではいけない、と。
各々が別個の人生を歩めるように、と。
思ってのことだった。

――フィオ、サマンサ、デイジー、スピル―・・・
一人は既にこの地に居ない者、一人は未だこの地に居る者、二人はかの地に残してきた者、いずれも仲間の名前が零れる。
アリス自身、自分が無鉄砲なことは自覚していたので散々迷惑をかけたのは容易に想像出来た。
そして、彼女達無しでは自分は魔王どころか孤独にも、打ち勝て無かったであろう自信がある。
今更ながら仲間の存在が骨身に沁みて来た。

――そう、この少女も仲間なのだ。
失ってはいけない、失いたくない大切な人。
そこまで考えると、再び恐怖がアリスの全身を駆け巡った。
自然、マリアと繋いだ手に力が入る。
握り返して来る意思が見られない手はやはり冷たい、その感覚がちくりちくりとアリスの心を蝕んだ。

そして、心に反応するようにカンダダやレックス、リアといった目の前で死んでいった者の死顔のその瞬間、刹那が写真をひとつひとつ現像していく様に甦る。
もちろん、最後に思い出すのは、殺人さえ厭わなくなったあの僧侶。
あの時の狂気を多分に含んだ瞳と、歪まされた感情が忘れられない。
せめてルビスの加護の元、彼とその大切な人が再び巡り逢うことを祈ることぐらいしか出来ない。

クリフトがアリスに二つ残したものがある。
――ひとつは誓い。
真の元凶である主催者を討つ事。
そしてもうひとつは――罪の意識。

もしかしたら殺さずにすんだかも知れない。そんな考えが頭をもたげる。
過去にifはないと分かってはいるが、そんな考えばかりが浮かんでしまう。
無駄だと分かっていても。
分かっている。
だが、その拭い去れない意識は孤独感と共に膨らみ、今にも弾けそうだった。

その時、

――カツーン。

外の方から音がした。
床冷えする身体に緊張が走る。
再び窓越しから井戸の入り口を見ると、人影があるのが分かる。
どうやら先程の音は上から小石が投げ込まれた音らしい。
しかし、此処からではいくら朝に向かって少しずつ光がともって来たといっても、十分ではなく、誰かまでは判別出来ない。
敵か、味方か。
判断がつかずに迷っている時だった。

「・・・誰か居るのかっ?!」

聞き慣れない声。
警戒心が普段の何倍も強い今、判断材料はそれだけだけで十分だった。

1022 守るべき仲間を ◆UUnHCwOa2s :2006/12/24(日) 18:56:00 ID:G5ybBZY2
「・・・トロデさん、乱暴な運び方ですいません。」
そういってキーファは、井戸らしきものの近くに、トロデを降ろす。
たしか、この辺りからだった筈だ。
そう思いぐるりと辺りを見回してみる。
しかし見えるのは戦闘があった形跡のみで、ひとっ子一人見当たらない。

可能性があるとすれば、この井戸の中。それ以外はあるまい。
井戸の中に入るとなると、流石に運べないのでトロデを再び担ぎ上げ、安全な所まで移動した。
それから、警戒の為、試しに井戸の中にそこらの小石を放り込んでみた。
――反応はない。
今度は井戸の中を覗いてみる。
すると、薄明かりに人が倒れているのが分かった。

「・・・――誰か居るのかっ!?」
くわんっと、声が反響した。が返事は、無い。

「生きてる・・・よなっ!」
そういうが早いかロープを伝って降りて行く。
途中火傷した手の痛みが気になったが、そうも言ってられなかった。


下に降りた時、最初に眼に飛び込んで来たのは緑の緑色の僧侶の服を来た男の死体だった。
それは無残にも斬られ、飛び散った血が、服を赤と緑という不気味なコントラストにしている。
そして、次に見たのは幼い少女――これもまた、既に生き絶えた骸だが――だった。
やはり、可憐なドレスだったであろう服はあちこちが擦り切れ汚れていて、に深い傷があった。
いずれも死を惜しむ施しがなされており、二人が死した後に人がいた形跡を残している。

キーファをゾクリとさせたのは後者の遺体だった。
キーファは嫌な予感を抱きながら少女の骸へと近付き、そっと、今は熱を持たない組まれた手にそっと自身のそれを重ねる。

まさか間に合わなかったとは思いたくない。
だが、目の前の現実は事前の情報と余りにも符合していた。

「そんなっ・・・嘘だろ・・・?」
友を裏切ったと言う現実の前に、一人の少女さえ守れなかった己の腑甲斐無さが突き付けられた。

気が付けばいつもこうだ。
全てが砂の様にさらりと手から零れ墜ちて行く。
胸を締め付けられる思いから自然手に力が入った。

と、その瞬間、風が凪ぐ。
キーファは、途端に研ぎ澄まされたその空気に殺気が含まれているのを悟り、より強い方――キーファにとっての後ろ――を見る。

そこには細身の剣を構えた少女が立っていた。

1023 守るべき仲間を ◆UUnHCwOa2s :2006/12/24(日) 18:58:15 ID:G5ybBZY2
アリスが家の外に出ると、そこには金髪に赤い服を着た少年が、リアの遺体の側にいた。
何をしているのかはこちらからだと伺い知れないが、ひょっとしたら支給品を探しているのかもしれない、アリスはそう思った。
そして、もしそうなら。と、手にした隼の剣を深く握り込む。
まだ足元がふらつくが関係ない。
私がマリアを守らなければ、誰が――その思いが今のアリスを支えていた。

アリスとキーファの間にピンと張り詰めた空気が差し込まれる。
相手は少し前から気付いていたようだが、行動は起こさなかった。

「その子から離れなさいっ!!!」

じりっと、アリスの足元から音がする。
重心を取るために足を少しずらしたのだ。
――体力も少しだけだけど、回復している。
その音を頭の端で聞きながら、確認を取る。現に、先程は立つのもやっとだったが、今は虚勢を張れるぐらいには動けるようになっていた。

「ま、待てよっ。俺は――」
「問答無用っ!!」

そのままパッと攻撃に転じる。いつもと違い力が入らない斬撃だが、はなからアリスの狙いは相手の予想を裏切れる第二次の攻撃だから関係ない。

二手目。
しかし、当たると確信していた攻撃に今の精一杯の力を込めるが、それは空しく空を斬るだけになってしまった。
そのまま体勢を崩してしまう。

――殺られる。
刹那、そう思い無理に体勢を立て直そうとするが、今のこの身体では事態を悪化させる一方だった。
余計にバランスを崩し、地面に倒れ込みそうになる。しかし、その瞬間に来るべき筈の斬撃・衝撃はどちらも来ない。
アリスの誤算、それは相手が素早さを上げていた事だったが、もう一つは幸いにも彼女を救う事になる。

それは、キーファに彼女を傷付ける気が毛頭ないことだった。

キーファもまた、アリスを支えるところまでは良かったのだが、とっさのことでバランスを崩しそうになる。が、こちらは何とか止めることが出来た。
しかし、ちょうどアリスを抱き込むような状態になってしまう。

「――取り敢えず落ち着いて下さい、俺はトルネコさんに頼まれて貴女達を助けに来たんです。」
アリスは少し上の方から降って来た言葉の中の一つの単語に反応した。
本来の救助を待つ相手の名前が出て来たからだ。

「・・・それは本当ですか。」
「勿論です。」

高ぶった感情が、戦闘を中断したことで平常心を取り戻して行く。
アリスはこの時、まずい、と思った。
この少年は信用出来る。何故なら自身が隙をみせた時も、今でさえ殺すチャンスがあるのにそれをしないからだ。
それと、何の根拠もないが彼の言葉には自分と同じ、人を守ろうとする強い意思が見られる。

そうなると、いくら警戒していたからといって、味方を攻撃していいわけが無い。
避けてくれたから良いものの、傷付けなどしてしまったら――と思うと、非常に申し訳ない。

「すいませんでした。敵と勘違いして・・・」
「あ、いえ、気にして無――」

――そこで、キーファが続きをいうのを止める。

そう、悪夢のような放送が、井戸の空気を震わせたのだ。

1024 ◆UUnHCwOa2s :2006/12/24(日) 19:05:17 ID:EApQu/zA
一次投下。

若干アリスが回復しているだけで、状態に変化はありません。

・・・ただ、自分が勘違いしてるところが在りそうで怖いのと、キーファが敬語でいいのかが不安です。

1025 ただ一匹の名無しだ :2006/12/24(日) 20:05:12 ID:yAo2Bw6g
エイトに敬語禁止令を出し、アレフにもタメ口だったキーファが、
トロちゃんやアリスに敬語使ってるのは違和感あるなぁ。
キーファが敬語を使っても年上のお姉さま限定だと思われw
それ以外は特に問題はないと思います。

1026 ただ一匹の名無しだ :2006/12/24(日) 20:21:37 ID:Ld9hxA7k
ちょいと前の話を読み返したら
トロデにはさんづけはしているものの、普通の話し方してるね。
そこらへんだけ調整するのと、話が終わった後の状態告知を考えておくのとで
いいんじゃないかな。

ていうか、十分うまいよあなた。新規参入乙でした。

1027 ただ一匹の名無しだ :2006/12/24(日) 20:35:30 ID:Ld9hxA7k
ああ、ちょっと待って。
間違いと言ってよいのかわからないけど二点ほど記述で気になったことが

>死を悲しむ人がいる者が、時に、死に追いやられることを。
「死を悲しむ人がいる者」って表現が少しピンときません。

あと、>彼女達無しでは自分は魔王どころか孤独にも、打ち勝て無かったであろう自信がある。
そういう書き方をすることもあるけど、負ける時に自信があるっていう表現の仕方もどうかな。
素直に「打ち勝てなかっただろう」でいいような気もしますね。

気づいたのはそんなところですが、全体の流れとしては申し分ないかと思います。
キーファがリアの遺体を確認して、
ランドとの約束を果たせなかったことを悔やむ描写は秀逸でした。

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