レス数が1スレッドの最大レス数(2000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
投下用SS一時置き場
-
(最も、殺し合いの最中にそのようなアイテムが支給されたとてハズレと思う者が殆どであろう。
これは私の落ち度だな……)
自嘲して立ち上がる。
おそらく数分でアリアハンへと侵入したことはネメシスに露見するであろう、だが
もしネメシスが自分を庇う為にハーゴンへの報告を躊躇えば、
参加者の首輪解除だけではなく脱出させる猶予も生まれるかもしれない。
(ふん、人の情も計算に組み込む私には地獄こそが相応しい、か)
どこで自分は間違ってしまったのだろう。
かつてムーンブルクの若き神官だったクロード。
だがその才気を古参の神官たちに妬まれ、謂れのない罪を被せられて国を追放された。
彼を陥れた神官たちも、彼を信じなかった国王も、全てが憎かった。
そして紆余曲折を経て邪神教団に入信した彼は天才的な才覚を持って短期間で悪魔神官となり、
ムーンブルク侵攻をハーゴンに進言することになる。
(私には世界を呪うことしか残されていないと思った。くだらぬ世界を滅ぼし新たな理想郷を作る。
そのハーゴン様の思想こそ正しいと思っていた。だが……)
あの全てが絶望色で塗りつぶされた一夜。
ロトの末裔たちがどうやってか幻影を打ち破ってハーゴン神殿を急襲したあの夜。
ハーゴンは三邪神と悪魔神官を足止めに急遽シドー復活の儀式に入った。
そして、ネクロスが見たのは……次々に黒い瘴気に取り込まれて消滅する仲間の悪魔神官と
絶望的なほどの威圧感を持つ一体の化け物だった。
その姿に知性は感じられない。ただ、ただ、圧倒的な破壊の塊。
それを見てネクロスは逃げた。側に居たネメシスの手を掴み、一目散に逃げ出した。
恐怖と混乱の中、ネクロスが理解したのは「あれ」は理想郷を作るための神などではない。
ただ破壊をもたらすだけの化け物だということだった。
ハーゴンへの尊敬が薄れることはなかったが、破壊神への信仰はその時失われた。
生き残ったは悪魔神官はネクロスとネメシスの二人のみ。残った信徒も40名に満たなかった。
神殿は崩れ去り、二人は信徒を率い、下界に降りて隠遁するしかなかった。
(ハーゴン様も、我らも、全てが間違っていたのだ)
そして再び同じ間違いを繰り返そうとしている。
(全てを……清算する時がきたということか)
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板