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第2回東方最萌トーナメント 16本目
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◇インフォメーション(ルール詳細、トーナメント表、アップローダ等)
http://f39.aaa.livedoor.jp/~nullpopo/toho2/
◇コード発行所(投票は【コード必須】です。詳しくは>>3をご覧ください)
http://giants.s34.xrea.com/code06/code.cgi
○お絵描き板 http://az.ralt.jp/thbbs2/
○アップローダ http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/upload.html
○お絵描き板 http://th-alt.mine.nu/ (エログロ禁止)
○アップローダ http://www110.sakura.ne.jp/~saimoe/upload/ (年齢制限あり)
基本ルール
・投票受付時間は0:00:00〜23:00:59。
・有効票は>>950まで。それ以降の投票は次スレにて。
・1人1票。2重投票すると、白玉楼階段で浦田行進曲。
・[[コード]]+<<キャラクター名>>の形式で有効票。ただし、1レス内に規定より多い票があると無効に。
・中間票発表、結果速報は禁止。
・○○が劣勢なので…のような票数を題材にした支援、投票は荒れの元なので控えましょう。
・CATVやLAN等IDが重複する可能性がある場合は 同一レス内で 宣言を。
・不意の二重書き込みはなるべく運営スレッドに報告を。
他スレッドへのリンク、追加ルールは>>2
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[[TH3-fSPS.2eS-ZZ]]
同士諸君。
<<八意永琳>>からどんなに腕を振っても疲れない薬貰うから待っててくれ。
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[[TH3-PzccCy6F-ZZ]]
_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!<<えーりん>>!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
てゐのラストワードを見た事が無いので嫌が応でも
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[[TH3-OKMTTvdn-ZZ]]
<<八意永琳>>普通に萌えるぞ。
東方ADSL
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[[TH3-7xdfw83u-ZZ]]
非公式設定が本当だとすると、義理の母さんになるので<<八意永琳>>に一票。
-
お前らー、もうちょっと腕振り以外の萌えも語れー
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[[TH3-PM8Q9PYt-ZE]]
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!!えーりん!!
⊂彡
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[[TH3-SMiX22kX-ZC]]
<<八意永琳>>に一票!
-
[[TH3-sVFfyCmx-ZZ]]
<<因幡てゐ>>に一つ。うさうさ対決を見てみたい。何。
-
[[TH3-.JAxe9dY-ZA]]
<<てゐ>>に一票。
吉野家テンプレでネタ作ろうかと思ったけど長くてやめ。
これが言いたかっただけ。悪意はない。こーりんが勝てばそこで使えたのに残念。
↓これ
で、やっとコード取れたらと思ったら、隣の奴が、
_,、_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!えーりん!!
⊂彡
とか言ってるんです。
〜〜中略〜〜
お前は本当にえーりん好きなのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、えーりんって言いたいだけちゃうんかと。
東方通の俺から言わせてもらえば今、東方通の間での最新流行はやっぱり、
ふんどし、これだね。
香霖大盛りふんどしギョク。これが通の萌え方。
ふんどしってのは うほっ が多めに入ってる。そん代わり周りには変態にしか見えない。これ。
で、それに や ら な い か。これ最強。
しかしこれで萌えると全方向から弾幕が飛んでくるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前、東方ファンは、うどんでも鶏肉でもかき氷でも食ってなさいってこった。
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[[TH3-MSwSwQei-ZZ]]
遙かなる月の頭脳<<八意永琳>>に一票。
その頭脳が考える事は過去の過ちの償いか、新しい暮らしの安息か・・・
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[[TH3-SzvAWyOZ-ZC]]
エンシェントデューパーのリズムが忘れられないので
<<てゐ>>にイピョーウ!
正しくは某所の…ゲフンゲフン
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[[TH3-LDnnXHYU-ZE]]
<<八意永琳>>に一票
てゐも激しく捨てがたかったが矢張りここはえーりんにグゥレイトォ!な
気持ちをぶつけてみたいと思う。
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!!えーりん!!ファイトだえーりん!!
⊂彡
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「えーりん!」
「えーりん!」
さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。
てるよ様のお庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、白いワンピース。
使い魔の隊列は乱さないように、X軸中央から動かないように、ゆっくりと弾幕るのがここでのたしなみ。極太レーザーで画面ごと揺らすなどといったはしたない兎など存在していようはずもない。
私立永遠亭学園。
太古の昔より創立のこの学園は、もとは輝夜の隠れ家の為につくられたという、伝統あるウサ耳系妖怪の学校である。
幻想郷内。御伽噺の面影を未だに残している弾の多いこの地区で、満月に見守られ、野兎から人間形態までの一貫教育が受けられる乙女の園。
時代は移り変わり、タイトルが靈異伝から七回も改まった永夜抄の今日でさえ、数百年通い続ければ温室育ちの純粋培養妖怪兎が箱入りで出荷される、という仕組みが未だに残っている貴重な学園である。
彼女――、因幡てゐもそんな平凡な妖怪兎の一匹だった。
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[[TH3-vAcLGEFd-ZE]]
さあ皆!腕が千切れ飛ぶまで!いや、千切れても!
幻想郷に鳴り響くあのメロディ。
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!えーりん!
⊂彡
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[[TH3-gBygIxhw-ZE]]
_,、_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!えーりん!!<<八意永琳>>!
⊂彡
に一票
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_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!えーりん!
⊂彡
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん! えーりん!
⊂彡
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[[TH3-2gn.7MSE-ZZ]]
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!!えーりん!!
⊂彡
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てゐ支援です。
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1155.jpg
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[[TH3-ewU3b08c-ZA]]
<<えーりん>>に一票!GANBARE,ERINNNNNN!!
ついでに支援絵をば・・・
http://coolier.sytes.net/oekaki_02/data/eiya_003133.png
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[[TH3-LaeBoEB1-ZZ]]
影が薄い、だがそれがいい
<<因幡てゐ>>
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[[TH3-YDIBZRnb-ZZ]]
策士とか大好きなんで<<えーりん>>に一票。
どちらかと言うとてゐよりも詐欺師っぽい気もするけど、分かっていても騙されそうだ…
永琳…怖い子!!
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!!えーりん!!
⊂彡
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[[TH3-Kj.fTZ1C-ZC]]
<<八意 永琳>>に一票
千年幻想郷が最高です、何度聞いてもサビの瞬間は震えますよ
てなわけでがんばってくれ
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[[TH3-0H3t4orI-ZZ]]
助けてえーりん!もいい。
確かにいいんだが。
やはり俺は↓だな。
( ´_ゝ`)ヌヌネネヌヌネノヌヌネネヌヌネノヌヌネネヌヌネノヌヌネネヌヌネノ
( ´_ゝ`)ヌヌネネヌヌネノヌヌネネヌヌネノヌヌネネヌヌネノヌヌネネヌヌネノ
('A`)ウ〜ンウ〜ンンンンンウ〜ンウ〜ンン・ン・ン
テ〜ケテ〜ケテケテケテン〜テ〜ケテ〜ケテッテッテ
(・∀・)<<テウィ!!>>
腹黒さが大好きだ。東方FTTH。
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それは、薬と言うにはあまりにも大きすぎた。
大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。
それは正に……
「え、永琳さま……それ、なに?」
「座薬」
ビクゥッ!
怯えるてゐ。
ほほえむ永琳。
背後にそびえる太陽の塔(仮名)。
「……冗談よ、てゐ。あんなものが入るわけないじゃない」
「そ、そうだよね。ははは……」
表情を和らげる永琳に追従して笑うてゐ。
というかそもそも縮尺がおかしい。
薬というからには手のひらサイズが普通だろうに、
それは逆に手がついてる方というかアームストロング砲というかサイコガンというか。
そんなものが誰に入るというのか。
「…………ねじ込むけどね」
ビビクゥッ!!
目に涙を浮かべるてゐ。
その様子にさすがに苦笑する永琳。
「そんなに怯えなくても冗談だってば」
言いつつ安心させるように肩に手を置く。
一瞬緊張するも、てゐはその手のひらの感触に脱力する。
「……まあやるとしたらこう、グリっていうかゴリって感じ?」
実演付き(握りこぶし)。
ビクビクゥッ!!
マジ泣きで逃げようとするてゐ。
肩に乗せた手でがっちりホールドする永琳。
「あらあら、なにを怯えてるの、てゐ?
あくまでやるとしたらで、間違っても本当にアレを
『指で奥まで』とか
『さらに腕ごと』とか
『いっそ肩まで』なんてことは……」
ビビクビクゥッ!!
震えるというか、のたうっているてゐ。
永琳めっちゃ笑顔。
そんないつもの地獄絵図。
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[[TH3-dpbx7LqJ-ZF]]
<<因幡てゐ>>に一票。
そして支援だッ!!
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1156.jpg
あとCATV東方。
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[[TH3-iv53Fefn-ZG]]
知恵の神様、思兼神の氏を継ぐ<<八意永琳>>に一票。
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[[TH3-Jh6zlYNv-ZZ]]
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!えーりん!
⊂彡
-
[[TH3-iI7tIx3e-ZJ]]
_,、_ ∩ えーりん!
( ゚∀゚)彡
⊂彡 <<えーりん>>!!
-
ほら、みんな恥ずかしがらずにサ。
叫んじゃおうぜ、叫んじゃおうぜ。
さあ、顔を上げて。
レッツ
(#゚Д゚) Help me!<<ERINNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN!!!!>>
-
,.-ー .、 ,.-- 、
,' ,ィノ-ィ ; i
i / `'! i
'r.'´ノリλノリ〉-'
〉从!゚ ヮ ゚ノi( 改名しましたハ意永琳です投票ヨロシクね
'〈.(つー'〈iつi
o/_/,,__,__,〉
`.!_ンイ,ノ´
-
[[TH3-Oev8Fbvm-ZZ]]
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!えーりん!
⊂彡
永夜抄のあの見下すような視線が素敵ですよ。
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>>414
現実を見るんだ・゚・(つД`)・゚・
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[[TH3-RjzdJ6rT-ZC]]
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!!えーりん!!
⊂彡
もう大 好 き だ ! !
てるよの分まで負けるなえーりん!
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[[TH3-62clmd50-ZA]]
あー、<<えーりん>>に されてぇ…。
あと と もしてぇ…。
おやくそく
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!!えーりん!!
⊂彡
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[[TH3-BGT4nr1M-ZB]]
<<因幡てゐ>>に入れますッ
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以下のSSを読む前に「永遠亭の詐欺師」をお読みください。
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1157.txt
# 永遠亭の詐欺師は、プレイヤーすら騙した。
# 五面ボスと思わせておいて、本当に五面ボスだったのだ。
<因幡 てゐ>支援SS「続・永遠亭の詐欺師」
展望は当たり、敗色濃厚。
なんて強さだろう。
ここの兎たちが束になっても敵わないわけだ。
「――まだまだっ!」
焦りと、諦めは完全に内に秘める。
てゐは――私自身は、逃げろ、これ以上の怪我は嫌だ、とさっきから叫んでいる。
それすら騙す。自分を騙す。
まだ負けない。負けられない。
だって“鈴仙”が、負けるわけにはいかない!
眼を輝かせる。見た目だけ。
しかしその合図を見て、何処かから狂気が叩きつけられる。
――散符「真実の月(インビジブルフルムーン)」
これが最後のスペルだ。
これを破られれば、負けを認めることになっている。
(くぅぅ……!)
幻視に惑わされているのは、相手をしている二人だけではない。
私だって同じだ。慣れている、慣らしているだけ。
既に足の感覚など無い。
どっちが上でどっちが下かなんてわからない。
姿勢制御なんて誤魔化しだらけだ。
それでもふらふらしそうになる身体を制御する。
痛い、痛い!
――五月蝿い!
今の私は鈴仙なんだ!
弱音を吐く“てゐ”を叩き伏せる。
限界が近い。もう“鈴仙”が消えかけている。
自分すら騙せないんじゃ、詐欺師失格だ。
世界がずれ、戻り、またずれる。
目が回る。
もう、避ける動きすらできない。
なんとか姿勢を保つだけ。
棒立ちになった私を、敵が見逃すはずがなかった。
-
(駄目だ。畜生……っ!)
悔しくて、情けなくて、泣きそうになる。
(鈴仙が負けるなんて――)
違う。
負けたのは私、因幡てゐだ。
だけど、その私が、鈴仙になって、それで負けて――
痛みと幻視で思考がまとまらない。
ただはっきりしてるのは、負けたことと、それに納得できない自分がいること。
(ごめん、鈴仙……――ごめん!)
変化が、解けかけていた。
ばれる前に、落ちなくては。
でももう、どっちが下なのかわからない。
落ち始めてるはずなのに、どこに落ちるのかわからない。
――怖い、とは思わなかった。
そんなことよりも、悔しくて堪らなかった。
ただ、ただ、鈴仙に謝っていた。
「――――てゐ!!」
だから、鈴仙の声が聞こえたときは、幻聴だと思った。
あまつさえ、彼女が私を抱きとめるなんて。
馬鹿鈴仙。出てくるなって言ったでしょ。
ぼんやりと思った。
感覚が遠い。夢を見ているみたい。
――ああ、きっと夢だ。
私がやられて、それで鈴仙が辛そうな顔をしているなんて。
背中に硬い感触。廊下の床に寝かされたのか。
「…………」
何か言わなくては。
「……馬鹿鈴仙」
違う。そんなことを言いたいんじゃない。
「私の仕事、台無しにしたら許さないんだから」
違うのに、馬鹿な鈴仙は私の言葉を真に受ける。
「このまま変化が解けたらそれこそ台無しじゃない」
苦笑している調子。顔は良く見えない。
鈴仙の綺麗な紅い眼だけ、はっきり見える。
「あ……」
急に睡魔が来る。催眠幻術だ。直視したから抵抗なんてできない。
すぐ戻ってくるから、と言い置いて、鈴仙は飛んだ。
――行くな!
叫びたかった。
亜光速で世界が落ちていく最中、
――月眼「月兎遠隔催眠術(テレメスメリズム)」
鈴仙がスペルを発動させたことだけわかった。
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彼女と出会ったのは、私が散歩を兼ねた見回りの最中だった。
散歩は日課。適度な運動と森林浴は身体にいいのだ。
見回りと言っても、屋敷――永遠亭の周りの竹林は深く、迷い込んでくる人間も妖怪も稀。
私は悠々と散歩をするこの竹林、他の兎たちはそうもいかないらしい。
育ちの早い竹は、森の姿を変えるからだという。
毎日少しずつ見て回れば、把握できると言うのに。
そう私が言うと、変わり者扱いされた。
「…………」
どうも、他の兎たちとは合わない。
別に嫌いというわけではないのだけれど。
彼らの、のんびりとしたテンポについていけない時がある。
――長く生き過ぎたのか。それとも異端なのか。
他の兎はごく普通に妖怪兎だ。私みたいに元普通の兎ではない。
兎としての性質は、私のほうが強いはずなのに。
「…………」
考えても詮無い事だ。
違うからこそ、知恵を買われて、兎たちのリーダーをやっているのだし。
「それでも、永琳様たちにはついていけない」
あの方たちは、違いすぎる。
他の兎たちは気づいていない。興味すらない。
別に悩む必要はない。だからといってどうということも無いのだから。
精々健康に気遣って生きていけばいい。これまでそうしてきたように、これからも。
「…………」
平和は時として退屈に変ずる。
退屈だから、仕様が無いことを考えてしまう。
「つまんないなー」
口に出しても変わらない。
変わらないゆえに、永遠亭。
――がさり。
「――――」
物音を、兎の耳が拾った。
遠い、が、竹林の中だ。
(迷い込んだ?)
静かに、音のほうへ向かう。
妖怪であれば適当に追い返そう。
人間であれば道案内をしてやろう。
親切に教えてやれば、騙されてくれる。馬鹿だから。
「…………」
もうすぐだ。
どうやらもう移動していないらしい。
呼吸が小さい。寝ているのか、弱っているのか。
休憩中だろうか、それとも死にかけか。
(死体に遭うのは嫌だな、気分が悪くなる)
やがて、その姿を捉える。
「――――!」
少女だ。倒れている。
長い銀髪と、珍しい服。
いやそんなことより――
「兎?」
彼女は兎の耳を持っていた。
-
詳しいことはわからないが、簡単に診ると、過労のようだった。
伊達に健康に気遣っていない。多少の心得はある。
大きい怪我はしていないようなので、安心してあとを永琳様に任せることにする。
念のために他に侵入者や異常がないか、耳を澄ませてから、推定兎の少女を永遠亭へと運んだ。
永琳様に推定兎の少女を見せた。
「――――!」
一瞬、永琳様が驚いたのを私は見逃さなかった。
「……私が診るから、後は任せていいわ」
そう言って、戸を閉じた。閉じられた。封印だ。
部屋の中には姫も居たが、姫は別らしい。
つまり、あの二人と所縁のある人物ということか。
「…………」
いつまでも閉じられた戸の前に居ても仕様が無いので、散歩の続きにでも向かう。
記憶を反芻する。長い銀髪、変わった服、変わったカタチの耳。
「――ヘンな耳」
人のことは言えない。
妖怪変化してしまえば、元の兎の耳から変わってしまうことは多い。
永遠亭の兎たちでも、千差万別なのだ。
というか、そんなことを言いたいわけではないのだが。
「わくわくするというのは」
人生に張りを与えるという面で、良いことだ。
翌日、姫が新しい仲間だと紹介した。
「イナバよ」
姫は兎なら何でもイナバと呼ぶ。
「優曇華院ですわ」
永琳様、凄いセンスだ。
「……レイ、……鈴仙です」
つまり、鈴仙・優曇華院・イナバというわけらしい。
「というわけで、うどんげ」
早速、略した。相変わらずよくわからない。
永琳様が私を示す。私は一歩前に出た。
このとき初めて、鈴仙と目を合わせた。
「――――」
銀髪もそうだけど、紅い眼が、もっと綺麗。吸い込まれそうな眼だ。
「てゐがここのリーダーだから、色々教えてもらいなさい」
「わかりました。師匠」
――師匠? 弟子入りしたのか?
背中を押されるように、鈴仙が私の前に来る。
「えーっと、よろしくお願いします。てゐさん」
緊張しているようだ。右も左もわからないのだろう。
「てゐでいいわ」
「じゃあ私も鈴仙で」
「わかった」
さて、楽しいことになってきた。
-
――数週間後。
「たーすーけーてー」
間の抜けた声で、畳に仕掛けられた落とし穴に落ちた鈴仙が、助けを求めていた。
それを聞いた兎たちが、私が仕掛けた罠に嵌った鈴仙を救出する。
私はこっそりと覗う。ああ、面白い。
鈴仙は馬鹿だ。頭は悪くないけど、素直すぎる。
「ありがとう」
「てゐは悪戯とか好きだからねー」
救出が完了し、鈴仙は兎たちに礼を言う。兎たちは慣れたものである。
最初に引っ掛けたとき、鈴仙は本気で困惑していた。
二度三度と罠に嵌るうちに慣れてきて、そろそろ耐性もついたのだろう。
助けを呼ぶ声に緊張感が無くなっていた。
「…………」
その後の鈴仙は不機嫌になる。
そりゃそうだろう。訳もわからず、一方的に罠に嵌められているのだから。
堪忍袋の緒もそろそろ限界だろう。
なので今回、私はもう一つ、罠を仕掛けた。
「――――なっ!」
歩き、踏みいれた畳の片側が沈み、反対側が浮かび上がる。
軸を与え、両端の支えを取り外した、“回転畳”が遠心力で以って鈴仙に襲い掛かった。
ばんっ、と景気のいい音がして、畳が鈴仙の顔面にぶち当たった。
「あははははは!」
ここぞとばかりに私は大笑いする。実際に面白いし。
「てゐーーーー!!」
よし、ぶちきれた。
その怒声を確認するや否や、まさしく脱兎のごとく、私は逃げ出した。
-
跳ねて、跳んで、竹林に逃げ込む。
決して撒いてしまわないよう、後ろを確認しながら。
よしよし。予想通り。
「待てーーーー!」
ああもう、素直だなぁ。
待てと言われて待つ奴がどこに居るのだろう。
しかし、私は竹を蹴ってブレーキをかけた。待ってやることにする。
そろそろ頃合だ。
「え」
待てと言われて待ってみて、意表を突かれるのは失礼じゃないのだろうか。
好機であるので、不意打ちに弾幕を吹っ掛けた。
「わっ!?」
驚きながらも鈴仙は躱してみせた。やはり動きが良い。
「――知らない? 弾幕ごっこって」
一応説明しておく。
「……ああ、師匠が言ってたわね。最近流行りの決着手段だって」
「なら話は早いわ」
弾幕を追加する。あっさりと躱し、鈴仙は不敵に笑って、言った。
「初めてだから、手加減できないよ――!」
鈴仙の、綺麗な紅い眼が、輝いた。
―――なんだ、これ。
世界が、把握できない。
ずらされている。
「う――あ――」
戸惑い、混乱し、そして――可笑しくなった。
なんてことだ――
騙されている。
「あはははっ」
この私が、騙されている!
右も左もわからないのは、私のほうだ。
「凄い、これが――」
――鈴仙の力。
やっぱり、私の眼に狂いは無かった。
「いや狂わされてるんだけどね」
ずれて、戻され、またずれる。
真っ直ぐに飛んでいられない。
弾丸が迫り、消えたと思えば目の前に現われる。
凄い――わけが、わからない!
(凄いよ、鈴仙)
喝采を上げながら、私は、久方ぶりの弾幕ごっこを楽しんだ。
もちろん結果は私の惨敗だった。
地面に寝っ転がる私を鈴仙が心配そうに覗き込んできた。
「ごめん」
「……何で謝るの?」
「やりすぎた、かなって」
ったくもう。
「そんなことないよ。鈴仙はあれこれ気にしすぎ」
「そう?」
「そうよ。だから、しなくてもいい悪戯しなきゃいけなかったじゃない」
「――え?」
しなくてもいいというのは半分は嘘だ。
新しい標的で遊びたかったのは本当なのだから。
「あんな悪戯でも、切欠にはなったでしょ。兎たちと仲良くなる、さ」
鈴仙は永遠亭で浮いていた。
兎は寡黙で、そのくせ暢気だから、下手に頭が良いと、逆にずれる。
のんびりとした兎のテンポについていけてなかった。
―――私みたいに。
「じゃあ……」
「知り合いになれたでしょ」
切欠が作れれば、なんでもよかった。
鈴仙は馬鹿じゃない。
ただ、戸惑っていただけなんだから。
「……ありがとう」
「どういたしまして」
一丁あがり。
馬鹿な鈴仙。貴女は素直すぎる。
きっと貴女は普通の兎じゃない。あの二人に近いんだ。
でもあの二人ほどでもない。だからきっと私に近い。
思えば、初めて会ったときから、私は惹かれていたのかもしれない。
その後も、私は無意味にしばしば彼女に悪戯を仕掛けた。
ただ私の楽しみのためだけに。
根っからの詐欺師というのは便利なのか損なのか。
素直になれない私。素直すぎる鈴仙。
でもたまには――素直になってもいいよね。
-
「てゐ、大丈夫?」
いつかの再現のように、鈴仙が私を覗きこんだ。
「…………」
やられたのか。あちこち服が破けている。
段々と、目が覚めてきて、眠りに落とされる前の記憶が浮かび上がってきた。そして――
「――――このっ、馬鹿鈴仙!!」
私は、心の底から怒鳴りつけた。
「何で、よりにもよってあのスペルなの! 月からの援軍なんて、台無しにするつもりなの! 月からの遠隔支援幻術なんて、私はここにいるって、伝えるようなものじゃない!」
何のために、永琳様は地上の密室を作ったのか。
何のために、私が必死になったのか。
「鈴仙は、鈴仙は――っ」
息が切れる。
「――――本当は、月に帰りたいの!?」
答えなんて聞きたくなかった。
ただ、抑えられなかった。
自分でも訳がわからない。
ああもう、詐欺師失格だ。
なんだ、この水――
「――よくわからないんだ」
「――――」
殴ってやろうかと思った。この馬鹿兎。
「最初は月に戻ろうと思ったし、そうするつもりだった。でもなし崩しで地上に隠れることになって。でもそれは私の意思じゃなかったから」
「…………」
率直な言葉はストレートに私を抉る。
もういい、聴きたくない。
「――でもそんなことはあんまり関係ない」
――――。
「単にほら、てゐがさ、がんばってたから。がんばってたのに、やられて、なんか凄く――――頭にきた」
「――――」
だから、つい。ごめんね、と鈴仙は困ったように謝った。
「…………」
そんなこと言われたら、もう何もいえないじゃないか。
途方に暮れる私を気にしないのか、気づかないのか、鈴仙は薬を取り出した。
私の治療ということだろう。よく見なくても、傷だらけだ。
我ながらよくがんばったほうだと思う。
「てゐ、少し起きれる?」
「ん」
鈴仙に支えられて、身を起こす。
「鈴仙」
チャンスは今しかないだろう。
「何?」
私の意図に気づかない、馬鹿な鈴仙は、さらに私の顔を覗き込んだ。
「ありがとう」
「どういたしまして」
あの時の再現。今度は逆だけど。
でも、続きがある。
今なら、素直になってもいいよね。
「――――大好き」
――――キス。
お互い、真っ赤になった。
鈴仙は大慌てだ。予想もしていなかったに違いない。
その様子をみて可笑しくなった私は笑う。真っ赤になりながら。
きっと、きちんと伝わってなかったんだろう。
詐欺師とは不便なものだ。たまに本当を言っても信じてもらえない。
もう一度。
「――――愛してるわ、鈴仙」
Fin.
ゆっくりと読みたい方は、こちらから。てゐ支援SS。
「永遠亭の詐欺師」
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1157.txt
「続・永遠亭の詐欺師」
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1159.txt
-
[[TH3-B2BeUZHG-ZZ]]
<<八意永琳>>
真性のの弾幕狂溺者ならばこの人に入れずに誰に入れようぞ。
も一つ言えばやっぱりコントラストは重要ですがな
-
[[TH3-umrAEFRs-ZE]]
<<八意永琳>>に一票♪ERINNNNNNNNNN!!
-
[[TH3-74AG9sQY-ZB]]
_,、_ ∩
( ゚∀゚)彡 りんえーりんえー
⊂彡 助けてりんえー
<<八意永琳>> 一票
-
[[TH3-1441gyhN-ZA]]
<<八意永琳>>に一票です。
-
[[TH3-xSsXKp.r-ZZ]]
もう少し様子見してようと思ってたけど……
>>420のSS読んで、決めた。
<<てゐ>>一択で。 迷いを消し去る良い作品でした。
-
[[TH3-cr70Pz5M-ZB]]
_ ∩
( ゚∀゚)彡 (略
⊂彡
ってことで<<永琳師匠>>支援。
-
[[TH3-9WxCcHRg-ZD]]
<<八意永琳>>に一票。
_, ,_ ∩えーりん!!えーりん!!
( ゚∀゚)彡
⊂彡
-
[[TH3-RZl6VM8W-ZC]]
友の友は友。理由なんてそのくらいでいいんじゃない? <<てゐ>>ちゃんよ。
-
[[TH3-Wdz0tppp-ZH]]
今も耳の奥でこだまする<<えーりん>>!えーりん!の響き
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>>234
そんなことやってるとこーりんの二の舞になるから!w
明日雪やんだらストライク買ってくる…
-
[[TH3-IuvNO96R-ZZ]]
東方でも貴重なおば・・いやお姉様キャラな<<えーりん>>にいっぴょう
アレ?周りに魔法陣がいっぱ・・(天文密葬
-
[[TH3-1mnQny70-ZC]]
<<因幡てゐ>>に一票
腹黒っぽい所が非常にツボ
かと思いきや、SASUKEの里みたいなてゐも(・∀・)イイ!!
-
[[TH3-VJzj9Exm-ZB
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!!えーりん!!
⊂彡
-
[[TH3-mywFL8SV-ZZ]]
どっちに入れるかって?そんなの決まってるじゃないか!
男は黙って<<えーりん>>えーりんだ!
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!えーりん!
⊂彡 たすけてえーりん!
東方CATV。
-
[[TH3-VJzj9Exm-ZB]]
>>439はカッコはずれてました、あらためて<<えーりん>>でおながいします。
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!えーりん!
⊂彡 たすけてえーりん!
-
[[TH3-u5WPNVZA-ZF]]
>>426
これは良いですね。
正直てゐといえば腹黒いイメージしかなかったんですが、
てゐを見る目が変わりましたよ。
というわけで<<因幡てゐ>>に一票を。
-
[[TH3-5db./S3b-ZG]]
・<<因幡てゐ>>支援SSの如きもの
地上の兎、空への憧憬。
矛盾と皮肉――少なくともそれは悲劇。
地上の兎も、目は赤い。
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1160.txt
祈願!兔対決!!
-
[[TH3-/1cW1XM7-ZA]]
,.-.、
/ ./ _,..-、
i / /,..--,i
i i /_/∩
( ゚∀゚)彡 <<てゐりん>>!!てゐりん!!
⊂彡
でもいいじゃない・・・。
-
[[TH3-13hParFL-ZB]]
さあ皆さんご一緒に
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!!えーりん!!
⊂彡
-
[[TH3-yJJEuc8o-ZD]]
〜 僕は、幼女が大好きだ 〜
<<てゐ>>
-
ずれた・・・
,.-.、
/ ./ _,..-、
i / /,..--,i
i i /_/∩
( ゚∀゚)彡 てゐりん!!てゐりん!!
⊂彡
-
[[TH3-KtMjcILW-ZZ]]
<<因幡てゐ>>
えーりんヤッててるよサイドの影のボスに!!
-
[[TH3-GdcJY3wr-ZI]]
<<因幡てゐ>>
俺はロリでうさ耳が好きでな。
それが俺のジャスティス
-
てゐからのお知らせでございます。
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1164.jpg
賞品は、発送をもってかえさせていただいてるとの事です。
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[[TH3-C.hUaLts-ZA]]
カットインの可愛さに感動した<<てゐ>>に1票!
詐欺師という設定も好きです。
支援になっているかどうか微妙な支援
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1162.gif
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[[TH3-LxRzTtS4-ZF]]
>>284
これいいな。こっちに投票しよう。……<<てゐ>>
もしかして騙されてる、おれ?
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[[TH3-aA.2xD/I-ZZ]]
もうこの流れ最高だよ
今日はHelp me,ERINNNNNN!!と千年幻想郷をエンドレス再生だぜ!
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!!えーりん!!
⊂彡
-
ぬあぁ・・・コードが取れねぇ
しかし、応援だけなら!!
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!!えーりん!!
⊂彡
忙しくて、全シリーズ+いろいろそろえられてなかったけど、
最萌のためなら! 最近は通販できるので楽だなぁ。
これで、フルのえーりんが聞ける!
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!!えーりん!!
⊂彡
-
「なぁ、うどん子ちゃんよー」
「誰がうどん子ちゃんか。何よ」
魔理沙の声に、鈴仙はため息をつきながら顔を上げる。
「公式資料に、『てゐは健康に気を使っている』って書いてあるんだが、これマジなのか?」
「ええ、本当だけど……どうして?」
「いや、ただ単に気になっただけだぜ」
実に魔理沙らしい端的な回答。
「それに関しては、本人に聞いたほうが早いでしょ」
言うなり、鈴仙は頭についた耳をくるくると回転させる。どうやら微弱な音波を発しているらしい。
「……おいうどん子」
「だからうどん子じゃないってば」
「その耳も、前々から私の蒐集魂をくすぐってるんだが」
「もってかないでー」
ぐいぐいと耳を引っ張る魔砲少女を手で払いながら、鈴仙は耳でてゐを呼びつづける。
「んー……鈴仙さま、呼びました?」
廊下の角から、噂の地上のウサギ、因幡てゐその人……もといその兎が姿を見せた。
「お、本当に来たぜ」
「あなたたちの声がうるさすぎて、地上電波傍受器が聞こえなかったのよ……」
「つまり、鈴仙の行為は無駄だったのか。この耳は飾りか」
魔理沙の一言が鈴仙のハートにぐさっと突き刺さる。そのまま、廊下の端のほうでいじいじと地面に『うどんげ』と書き始めた。
「で、何か用なの?そこの黒いの」
「実は、かくかくしかじかだぜ」
要は、健康に気を遣うっていう、その設定の出所が知りたい、と簡潔に述べた。
「そ、そんなのどうだっていいでしょ」
「そりゃそうだが、な。ただの知的好奇心だぜ」
「ふ、ふん! あんたになんか答えてやんない!」
そっぽを向くてゐ。
そんなてゐの脳裏によぎる、あの日の情景。
忘れようとしても、おそらく忘れられないあの日の。
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東方最萌2 因幡てゐ支援SS
『あの日の約束、帰らぬ約束』
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-
てゐは永遠亭に来る前、人間に飼われていた。もはや名前も覚えてはいないが、その人間は、すごく優しかったように思う。
「てゐ、おいで」
笑顔でこちらに手を差し伸べる少年。しかし、てゐは近寄らない。その少年が飼い主であると言うことを知らなかったわけではない。むしろ、
この少年が自分の飼い主であることを、てゐは嬉しくすら思っていた。
「まったく……てゐはいつまでたっても僕に懐いてくれないなぁ」
少し悲しそうな笑顔。てゐが今、飼い主を思い出すとき、真っ先に出てくるのはこの表情だった。
(ふふ、困ってる困ってる)
てゐは、そんな飼い主の顔に、内心ほくそえむ。人を困らせて楽しむというてゐの悪癖は、生まれてついたものかどうかは知らないが、
どうやらこの時にはすでに形成されていたようだった。
「てゐー」
てゐは知っていた。飼い主は、このご機嫌取りにそっぽを向くと困るということを。でも、決して怒らないということを。
「もう……しょうがないなぁ……」
言って、餌だけ置いて飼い主は帰ってしまおうとする。てゐは慌ててその足元に駆け寄る。
違うんだよ? 嫌いになったわけじゃないんだよ? そんなことは言わなかったが、その足元へのダッシュで飼い主にはすべて通じていたようだ。
駆け寄ったてゐを、飼い主はいつもそっと抱き上げた。しかし、そんなに長くは持てない。
「……ごほっ! ごほぉっ!」
てゐを地面に取り落とし、飼い主は口元を抑えてうずくまる。てゐはそんな飼い主を、じっと見詰めた。
「はぁ……は……げほっ……だ、大丈夫だよ……てゐ」
苦しそうに咳き込みながら、それでも笑顔でこちらを向く飼い主。今回は……今回は幸いにも、吐血はしていないようだった。
てゐの視線に、飼い主は苦笑する。そして、その背中をすっすっと優しく撫でた。
(はふ……ぅ……)
てゐは、気持ちよさに思わず目を細める。てゐは、こんな飼い主との時間が、とても好きだった。
そんな飼い主が流行り病に冒されていることをてゐが知ったのは、飼われ始めてから二年が経過しようかというときだった。
きっかけは、もはや覚えていない。ただ、長いこと病魔に蝕まれているという飼い主の体は、てゐにしてみれば巨躯であったが、
他の人間に比べたら、小さいものだった。
しかし、その事実が分かってからも、てゐは飼い主の誘いは断りつづけたし、飼い主はただ苦笑するばかりだった。
見た目には、何も変わっていなかった。てゐも、先のような急な咳き込みでもない限り、そのことは忘れるようにしていた。
笑っている飼い主は、本当に元気そうで。
そんな飼い主の笑顔が見たくて、そんな飼い主の困り顔が見たくて。
だから、てゐは繰り返した。
終わることを知らなかったんじゃなく、終わることを知ろうとしなかった。
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[[TH3-yhS9.TOr-ZB]]
天才薬師<<八意永琳>>師匠に一票!
力が輝夜以上にならないように常にセーブしてるとは、なんて姫想いな師匠!
でも弟子のウドンゲには厳しいぜ師匠!
そしてテーマの千年幻想郷にも惚れた!
あと支援を
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1163.jpg
-
それでも、終わりはやってくるものだ。残酷なほど、あっけなく。
ある日、寝床で血を吐いた飼い主は、そのまま起き上がろうとしなかった。一歩一歩と迫り来る『死』というものを、ただ臥して待っていた。
枕もとで、顔を覗き込むてゐに、飼い主は笑いかけた。
「てゐ……今まで、ありがとう」
(ちょっと、何よそれ……なんで今までなの?)
てゐは問う。しかし、通じるはずもない。兎の言葉は、人間にはわからなかった。
「僕は、てゐに何もしてあげられなかったけれど……」
(いっぱい、いっぱいしてもらったよ! 全然、返せないくらい!)
叫ぶ。心の中で、てゐが叫ぶ。もどかしく、激しく。
「……てゐは、僕のこと、あんまり好きじゃなかったみたいだけど……」
(そんなことない! 勝手に、決め付けないでよ!)
「僕は、てゐと居られて、幸せだったよ。……多分、てゐには『人間を幸せにする力』があるんだろうね」
(私も……私も幸せだった!)
兎の目から、ぽろぽろと涙がこぼれる。涙腺のない兎が、泣いた。心の中で、号泣した。咆哮した。
それでも、届かない。
飼い主には、届かない。
「てゐ……約束、してくれるかな」
てゐの頭を撫でながら、飼い主は弱々しげに言った。
「生きて、くれ。僕の分まで……ずっと、ずっと長生きしてくれ」
(分かった……分かったから、そんなこと言わないでよ!)
「てゐ……君のこと……好きだったよ」
「……わ、私も、大好きだった……っ!」
唐突に、部屋に響き渡る声。その声に驚いて、てゐは思わず肩をすくませる。人間の、肩を。
「え……?」
自分の、肌色の手を眺める。
「……は、はは……」
てゐは、笑った。飼い主の肩を揺すり、おこそうとする。
「ほら、私……ヒトガタになったんだよ……? ねぇ、起きて、見てよ……ねぇ……」
帰るはずもない返事を待ちながら、てゐは飼い主を揺すりつづけた。
-
[[TH3-p.icoSbK-ZC]]
師弟対決実現に向けて、
<<えーりん>>師匠に一票。
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それから、数日後、少年は焼かれ、灰になった。
彼が世話をしていた一羽の兎は何時の間にかどこかに消えていたが、少年の家族たちはそれを訝ることもなかった。
きっと、どこかに逃げたんだろう。そんなことを言っていたのかもしれない。
そのころ、山中を歩いていたてゐには、そのへんの仔細は知る由もない。
「……たしか、このへんだったはず……」
飼い主との約束。ずっと、ずっと長生きをする約束。
(蓬莱の……薬)
少年との、たった一つの約束だけを胸に……てゐは、歩いた。
手がかりもほとんどない、噂ばかりを頼りに、その『薬』を探していた。
……竹やぶの彼方。その奥に、ひとつの建物が見えた。
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あとがき
誰ですか、これは(ぇ
とりあえず、てゐ支援です。こんなんてゐじゃねぇっ!とか、勝手にオリキャラ出すな!
とか言わないでください。私が一番反省してます_| ̄|○|||
まぁ、なんでてゐは健康に気を遣うのか、ってところから、妄想暴走大暴投(ナニ
笑って許してやってください。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
-
[[TH3-RAPbLa0W-ZA]]
自力で出せなくて友達に見せてもらったLW、あのときの衝撃は忘れない!
てゐに一票
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テキスト版はこちらです
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1165.txt
-
[[TH3-XTl4wzwP-ZC]]
_, ,_ ∩
( ゚∀。)彡 <<えーりん>>!!えーりん!!
⊂彡
-
[[TH3-WVcm3bMr-ZK]]
初めて会った瞬間に私の心は射抜かれた・・・
<<八意永琳>>に一票を。
-
[[TH3-IXdaI8vi-ZZ]]
て、てぬよ・・・他の相手だったらたぶん騙されていた。
だけど、今回は相手が悪い!
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん>>!!えーりん!!
⊂彡
-
[[TH3-vHm/havQ-ZD]]
俺は人気投票でも永琳に入れたほどなのになぜだ!?
支援見てたら<<てゐ>>に騙されてみたいという衝動にかられてしまった(;´Д`)ハァハァ
-
[[TH3-Cu/2/C.m-ZC]]
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!!えーりん!!
⊂彡
つーことで俺は<<えーりん>>でえーりんえーりんします。
東方CATV
-
[[TH3-sX0L1Z8D-ZK]]
<<八意 美鈴・・・
オット!
<<八意 永琳>>に一票
彼女に優しく診察されたい!
それどころか新薬の実験台になってもかまわない!!
東方CATV
-
[[TH3-mEDKL0DZ-ZZ]]
<<えーりん>>!!えーーーーーりーーーん!!
あの髪型良いです。
東方ADSL
-
[[TH3-bbT9XdYR-ZB]]
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 <<えーりん!>>えーりん!
⊂彡
東方Yahoo!BB
-
すみません、また忘れてましたorz
東方LANです
-
[[TH3-vn9VGgQh-ZE]]
あのちぐはぐな服を見てから、どうにも囚われっ放しです。
<<八意永琳>> 支援も。
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1167.jpg
-
[[TH3-nau.IgHH-ZF]]
<<えーりん>>のおかげで96点取れました。マジ感謝
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[[TH3-cFNrQQ8b-ZK]]
えーりん!えーりん!
<<永琳>>ししょーに一票るるる〜
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1169.jpg
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[[TH3-uKUWeOhT-ZZ]]
ラストワードのカットインに惚れたっ!
<<因幡てゐ>>に1票!!
えーりんも頑張れ!
_, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡 えーりん!えーりん!
⊂彡
東方ADSL
-
[[TH3-CXtmys/n-ZC]]
此処までネタが膨らむキャラになるとは思わなかった、<<えーりん>>に1票!
-
[[TH3-gLNERmA7-ZZ]]
>>462
良かった。軽く泣いた。えーりんのために東方ストライクまで買う決意をしたが、<<てゐ>>に入れさせてもらう。
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[[TH3-KGsG9JbX-ZB]]
実は輝夜より強いってあたりが好きでござる。
鈴仙とてゐの良き上司ってかんじ?
そんなこんなで、たすけて<<えーりん>>!!
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[[TH3-mur5MeVj-ZZ]]
ナースな<<八意 永琳>>に一票!
姫の無念を晴らしてくれ〜〜
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[[TH3-PUtTBvEU-ZG]]
てゐさん可愛いよ。
詐欺師可愛いよ。
てことで<<因幡てゐ>>に1票です。
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1170.txt
支援SSもじわりと置いておきます。
-
>>420-426
感動した。素晴らしく熱いSSをありがとう。
自分はきっとネタでしかてゐを支援できないけれど――
頑張ろう、という気になった。よし、頑張ろう。
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てゐに泣かされる日が来るなんて…
まずはウゴツールてゐを。
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1172.gif
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[[TH3-icQ16fuz-ZZ]]
うさみみ!うさみみ!
<<てゐ>>に一票
うさみみ!うさみみ!
てゐ支援絵です
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm1171.jpg
-
ほんの少しだけ姿を見せてやる。
あくまでちらりと、全身を露にするような失敗はしない。ここまで何とか着いてきていた人間も見失うまいと必死になっているので、慌ててこちらへ向かって駆け出してきた。
けど、遅い遅い。わたしと人間じゃ身体能力だけ見てもかなりの差がある。何よりここはわたしたちの庭同然。時折音を立てて誘導してやるのを忘れず、わたしはその後数時間ほど人間を連れ回した。
ちらっと様子を伺うと全員ふらふらしており、限界っぽいようなのでそろそろ解放してやることにした。
「で、出られたぞ!」
「やっぱりあれは幸運の白兎だったんだ・・・」
何だかありがたがられてる。といっても珍しいことじゃないんだけど。
ともかく、今日の悪戯も成功。満足したわたしは気分よく永遠亭に戻った。
「おかえりてゐ、どうだった?」
「もちろん、成功。また拝んで帰ってったよ」
「人間って馬鹿よねー、確かにてゐって必ず帰れるように案内はするけど迷い込ませてもいるのに」
「気付くわけないじゃん。人間って馬鹿だから」
本日の英雄譚(?)も好評。仲間たちのリーダーを務めるだけの成果はきっちり挙げて見せている。
それにしても、人間をからかうのは実に楽しい。少しでもわたしの姿が見えているなら妖怪だって気付いてるんだろうに、何故か寸分も疑わずに着いてくる。わたしもここに暮らして長いから、噂は定着してしまってるらしい。曰く、「幸運の兎を見つければ必ず生きて帰れる」だそうな。実際は・・・仲間たちが話してる通り。まあ別に困ることもないからありがたく利用させてもらってるけど。
「みんなー、えーりんが集合だってさ」
「あれ、用事かなあ。お屋敷の掃除はこの前やったのに」
ぶつくさ言いながらも、みんな彼女の言うことには逆らわない。なんせみんなここの居候だから。もちろん、わたしはそんなこと引け目に感じたりしてないけどね。
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