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TWのシナリオについて考えてみる

1名無しさん:2004/03/05(金) 02:26
シナリオについてのスレです。

21:2004/03/05(金) 02:28
今のところ出てる話。ネタ説もあり。

667 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2004/03/04(木) 22:24 ID:2N7cdq+n
原作のストーリーをネタバレ。

ルシアン・イスピン・ティチエル・マキシミン・クロエ・イザークは
最後まで主役キャラクターとして活躍。
ただしマキシミンのみ最後に生命力使い過ぎで死亡します。
でも何故かハッピーエンド調で萎えます。

ボリスはストーリー中盤でシベリンを殺します。
正確にはナヤトレイを殺そうとするのだけれど、そこをシベリンが庇いまつ。
その前後のストーリーでナヤトレイがシベリンを裏切ろうとしてるのが判明しており
その事を知っていたシベリンは庇うけれど最後まで汚く罵声を吐くので、感動もなく
結局最後まで殆ど人気がないキャラです。
その後ボリスは失踪、ナヤトレイは途中で知り合っていたベンヤと墓守としてメインストーリーからは退場します。

ミラは復讐の目的である船を上記のハッピーエンド部隊の一部と共に見つけますが
トドメを刺した後、嵐に襲われ彼らを逃がすために消息不明という形で最後まで触れられなくなります。

ヨシュア・ランジー・アナイスの三人は
メインとしてはあまり絡んできませんが、サブで何度も出てきて
個人としてのストーリーを徐々に解決していき、終盤手前でそれぞれの役目を果たす為に
各自メインの舞台からは降りていきます。


ちなみにゲームと原作の話は大分違い
ゲームでは早めにキャラが遭遇するようになっているため
多少ストーリーが省かれています。




850 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2004/03/05(金) 01:21 ID:K3qBcuoZ
ここで問題です
Chapter2でイスピンがある人物とくっつきます
さて、それは誰でしょう?




865 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2004/03/05(金) 01:45 ID:K3qBcuoZ
>>863
そうか、お前のような奴にイスピンはやらん

んで答えだがシベリン
もう散々ネタバレ出てるから書かせてもらうが
理由は兄と似ているかららしい

3名無しさん:2004/03/05(金) 02:33
667(ID:2N7cdq+n)のほかの発言を見ると、まじでネタ臭い。
ただ、ネタにしてはそれなりに作りこんでるしねぇ…

4名無しさん:2004/03/05(金) 02:39
ボリスがナヤを殺そうとする理由って何?

5名無しさん:2004/03/05(金) 02:41
>>4
バレンタインデーでヌキアをプレゼントされたから。

6名無しさん:2004/03/05(金) 02:46
ボリス兄が殺されたのは7年前で、その時ナヤ8歳。
兄貴の死とは関係なさそうに見えるけどなぁ・・・。

7名無しさん:2004/03/05(金) 02:53
むしろ逆で
ナヤがボリスの命を狙ってた
んで返り討ちのとこシベりん乱入

     とか

8名無しさん:2004/03/05(金) 02:56
ボリスはナヤの裏切りを知って
それが許せなかったってところじゃないか。
ボリスの個人的な恨みを買ったとかもありそうだが。
(ボリスがシベリンに協力してもらった恩があった等)

9名無しさん:2004/03/05(金) 02:59
ナヤは黒衣の剣士と対峙してるイベントSSをどこかで見た事があるが、あれはナヤシナリオのか?
ナヤのイベントを見た事がないから推測だが、黒衣と笛族が関係を持っているかもしれない。
黒衣の剣士を狙うシベ・ボリとナヤは対立する可能性もある。

黒衣の剣士とその他のキャライベントで出てくる白い謎の男も体格が似ていて気になるな。

10名無しさん:2004/03/05(金) 03:17
そういえば公式のナヤのプロフィール見ると、
"神の武具の守護者として<審判者>を探せ"って苗族の使命があるんだよな。
黒衣の剣士がその審判者の可能性があると、
ボリスやシベリンと対峙しなきゃならなくなるな。
もしかしてそれが原因か?

11名無しさん:2004/03/05(金) 03:34
んでいざ対峙してはみたものの
ボリほど非情に徹しきれないシベが
土壇場でナヤを庇って逝っちまった・・・と

12名無しさん:2004/03/05(金) 03:38
>>2のはネタの可能性があるからまだ敵対かどうかすら分からないよ

13名無しさん:2004/03/05(金) 03:53
なんか罵声吐きながらっていうのももしかしたら
ほほえましいものだったんかもしれんな・・・。

シベリンが可哀相だ。踏んだり蹴ったりだ。

14名無しさん:2004/03/05(金) 04:26
>>13の予想しているシベの最期

シベ「やっぱ・・痛ぇな・・」
ナヤ「なぜ・・・私を・・・?」
シベ「へっ・・カワイ子ちゃんは、世界共通の財産だからな」
ナヤ「・・・・」
シベ「馬鹿ヤロウ・・泣いたら美人が台無しだろ・・・」
ナヤ「だって・・」
シベ「こんな痛い思いしたんだぜ・・・最期くらい・・・笑顔、見せやが・・れ・・・」







俺の予想するシベの最期

シベ「うおーーーーいってーーーー超いってーーーーー!!」
シベ「ちょっとちょっと!怖くてみれねー! どーなってんの!?」
ナヤ「剣が刺さっている」
シベ「マジかよ!? 死ぬ?オレ死ぬん?」
ボリ「助からん」
シベ「 ぅオイ!! ざけんなロン毛!助けろ!」
シベ「オィー二刀流!!テメーのせいだかんな!」
ナヤ「・・・・・」
シベ「ナントカ言えよーーー!!!!」
シベ「っざっけんな白髪女! マジコロス! 呪い殺すっ!!」
ボリ「少々予定が狂ったが、覚悟しろ 苗族の娘」
シベ「呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪・・・」
ナヤ「覚悟するのはオマエの方だ」
シベ「呪呪呪呪呪呪・・・呪呪呪呪呪呪・・・・呪呪呪呪・・・呪・・・・・・・」

15名無しさん:2004/03/05(金) 04:43
そういえば、ナヤイベントでカウルのエルピダの依頼の時、
クエスト欄見ると「シベリンの態度が気に入らない」と微妙な事書かれてたな。
最初はシベリンが他の女性をナンパしようとしてたのが
気に入らないのかと思ってたが、
クエスト進むたびに嫉妬というよりも
シベリンの態度が本当に気に入らないんじゃないかと思うんだよ。
OPで頭撫でられてる時なんかはいい感じだったんだがな、
イベントで余計な口出すの見てるとな…。

>>14
ワロタ

16名無しさん:2004/03/05(金) 05:58
>>14
腹イタイ

でもシベ使いとしては微妙な心境が(;´Д`)

17名無しさん:2004/03/05(金) 23:37
チャプター2では別にピン子とシベは
くっつかないっていう説もありますよ。
3になったら知らないけど。

18コトの真相:2004/03/06(土) 18:15
マキシ「なぁルシアン お前今日のボリス見てどう思った?」
ルシ「え? 別に普通のボリスだとおもうけど…?」
マキシ「アイツ今日ネコミミ付けてたろ。」
ルシ「え…あ、うん。かなり似合ってたね。」
マキシ「だしょ!? 俺も俺もそう思ったんだよ! やべぇよ…超俺好みだ。」
ルシ「ぇえ!? 僕はそういう意味で言ったわけじゃ…」
マキシ「隠しても無駄だ小僧。お前のボリスを見る目は異性を見つめる思春期の少年の熱いまなざしそのものだ。」
ルシ「ぇぅ…」
マキシ「そこでだ、俺はある仮説を立てた」
ルシ「仮説?」
マキシ「そう…奴は実は女ではないだろうか と!」
ルシ「ぇえーー!?」
マキシ「良く考えてみろ 無口無表情はそれを隠すためかもしれんし
華奢な体 わざと低く押さえつけたよーな声 体型の出ない服 艶やかな長髪
そしてあの色気…これは間違いない」
ルシ「だって胸膨らんでないよ?」
マキシ「余程の爆乳でなければサラシで押さえつけられる。もっともイスピンくらいなら巻く必要も無いがな」
ルシ「うーん…」
マキシ「何よりシベリンの奴が今にも襲い掛かりそうだ。間違いないだろう?」
ルシ「でも、どうやって聞きだすの?絶対自分からは喋らないよ。」
マキシ「風呂を覗くのさ」
ルシ「そういえばボリスってみんなが寝た後にお風呂入るんだっけ…」
マキシ「そういうこと それまでこの話は誰にもしゃべるなよ」
ルシ「うん。」


〜深夜風呂場(女湯)〜
ボリ「(ふぅ…サラシっていうのはいつになっても慣れないものだな…)」
ナヤ「誰かいるの〜?私も入るよ?」
ボリ「(!!!何故こんな時間にっ!)」
ナヤ「ボリス!?こっちは女湯で…って あ、あ、アンタ女!?」
ボリ「チッ!待て! 逃がすか!!」

マキシ「(*´Д`)ハァハァ ヤッパリネ」
シベ「===(*´Д`)ハァハァ オイカケテモットハァハァシナキャ」


〜町外れ〜
ボリ「私の秘密を知った者は誰であろうと生かしてはおかない。」
ナヤ「(くっ…避けられないっ…!!)」
シベ「ボリタソ======(*´Д`)ハァハァ…(グサッ)ぅっ!!!」
ボリ「…シベリン?何故貴様がここに…」
シベ「お前でハァハァしたくてな…追いかけて来たんだが…出るタイミングマズッた…」
ナヤ「シベリン…私を庇って…!?」
シベ「何勘違いしてんだこのアマ!お前があそこで風呂に来なければ もっとハァハァできたし 
俺も死なずに済んだものを…一生恨んでやる…コンチクショウ!死ね おまいが死ね!」

ボリ「(コイツが知っているようでは 既に他の皆にも気付かれているかもしれないな)」
ボリ「私はもうお前達に会う事は二度とない 犠牲に感謝しろ」

>>その後ボリスは失踪、ナヤトレイは途中で知り合っていたベンヤと墓守としてメインストーリーからは退場します。
>>シベは最後まで汚く罵声を吐くので、感動もなく、結局最後まで殆ど人気がないキャラです。


〜最後の戦いを終えて〜
ルシ「終わったね…みんな無事かい?」
イスピン「マキシミン以外はね…」
ルシ「昨日『ハァハァ』って言ったきり部屋から出てこないから…
勝手に入ってみたら、もう冷たくなってた…」
ティチ「死因は腎虚のようです」
ルシ「腎虚?」
イスピン「精力使い果たして死ぬコト」
ルシ「それであんな幸せそうな死に顔だったのかぁ」

ルシ「…ハッピーエンド、だね!」


>>でも何故かハッピーエンド調で萎えます。

19名無しさん:2004/03/06(土) 18:28
ワロタ

20名無しさん:2004/03/06(土) 18:54
激ワラ

21名無しさん:2004/03/06(土) 20:16
ワロタ
シベ最高w

22名無しさん:2004/03/06(土) 22:01
ワロタ
マキシヤバイ。超ヤバイ。

23名無しさん:2004/03/06(土) 23:49
事の真相がボリス萌えだったとは…

24名無しさん:2004/03/07(日) 00:04
このスレワラタ

25名無しさん:2004/03/07(日) 00:17
禿ワラ

26コトの真相:2004/03/07(日) 00:26
ショートストーリースレ もしくはキャラ萌えスレ
た て な い か ?

てか それぞれのキャラ設定もストーリー設定も出来上がってるから
話作りづらそうだわさ(´・ω・`)ショボンヌ

27名無しさん:2004/03/07(日) 00:31
>>18
おまい今すぐ韓国へ向けて発て。そしてSOFTMAXへいけ

28名無しさん:2004/03/07(日) 02:18
>>2のネタで真面目なのを書こうとすると、かなりむずいな。

やっぱり>>18みたいにボリスを女性と勝手に思い込んで
ハァハァしてるシベリンみたいにギャグに走るしかないのか……。

29名無しさん:2004/03/07(日) 04:04
ボリ「…遅いぞ!たかが買い物くらい速やかに済ませられないのか?」
マキシ「へへ 悪ぃな、ちょいと予定外のもの探してたんだよ」
ボリ「予定外…何を買った?」
ルシ「じゃーん みんなの頭装備だよ〜 防御力も上がるしオシャレもできるでしょ?」
マキシ「まず俺はコレ サングラス どうだい 似合うだろう?」
ボリ「ああ メガネを外せばもっと似合うかも知れんがな」
ルシ「ボクは絆創膏とヘルム」
ボリ「青リボンは…ティチェルか で、イスピンは帽子があるから無しというわけか」
マキシ「何言ってんだ ちゃーんと買ってあるぜ ホラこれ」
ボリ「タコ帽子… これは頭装備なのか?」
マキシ「そ。なんだかんだ言って子供はこーゆーのが好きだろ? 折角買ったんだ ベレー帽の上からでもかぶらせるさ」
ボリ「どうなっても知らんぞ」
ルシ「でねでね ボリスのはコレ!」
ボリ「…耳?」
マキシ「そそ。正確にはネコミミだ」
ボリ「これを俺につけろと…?」
ルシ「うん、一番似合いそうなの選んだんだよ 早くつけてみてよ!」
ボリ「断る。こんなもの男がつけて出歩くなどできるか。」
ルシ「えぇ〜男のヒトだってつけてるよ ねえ チョットでいいから ね?」
ボリ「くどい! つけないと言ったらつけない!」
マキシ「ノリ悪いヤツだな… ま、そんな風に言うと思ってたけどよ」
ルシ「しょんぼり…」
ボリ「で、シベリンの奴はどうした? 帰ってこないが…」
マキシ「アイツなら『どーしても欲しい頭装備がある!』って言って 勝手に露店巡りしてたぜ」
ボリ「この分だと帰って来なさそうだな… 一足先に帰るか」
マキシ「あぁ 早くしねぇと待ちくたびれたお嬢様たちに何言われるか分かんないしな」
ルシ「今日のゴハンって何かな?」
マキシ「シチューだってよ イスピンが作るって張り切ってたな」
ルシ「へぇ〜何のシチューかな?」
マキシ「…ゼリークリームが大量にキッチンに積まれているのを見た…」
ボリ「イスピン×ゼリークリームだ おかわりだけはするな ルシアン」
マキシ「…胃薬買ってくる 先帰っててくれ」
ボリ「一応、全員分買っておいてくれ」


〜深夜 ボリス部屋〜
ボリ「ネコミミか…誰も見ていないし 少しだけ…」
ボリ「…と、鏡は…」

ボリ「ふむ…悪くないな、意外と」

ボリ「…」

ボリ(同年代の女は皆綺麗に着飾っている…しかし、私は…)

ボリ「…」



〜翌朝〜
イスピン「おっはよ〜」
ティチェル「おはようございます」
マキシ「はよぉす」
ルシ「おはよ〜」
ボリ「…お、おはよう」

一同「!」
ボリ「あ、いやコレはだな、折角買ってくれたのだし、装備しなければ勿体無いからな…」
イスピン「ボリス可愛い〜」
ティチェル「私より似合いそうですね」
ボリ「余り茶化さないでくれ…」
ルシ「ううん、そんな事ない。ホントに似合ってるよ〜ねぇマキシミン?」
マキシ「・・・」
ルシ「どしたの?」
マキシ「…あ、いや、何でもない…」

「たっだいまぁ〜っ!!」

ボリ「暴れん坊が帰ってきたな… あの馬鹿 一晩中どこほっつき歩いてたんだか…」

シベ「見てくれよ似合うだろカッコイイだろこのアフロ!! 
   どっこも売ってなくて一晩中探し回って――っハウァァ━━━━━Σ(゚Д゚*)━━━━━━!!」

ボリ「…どうした?変な声だして」
シベ「(*´Д`)あ…あ…」
ボリ「早く朝食をとってしまえ 今日はアドセルまで行くからな」
シベ「(*´Д`)あ…あ…ボ…ボリタ…」
マキシ「シーベーリン!落ち着けっ…! お前の言いたい事は分かる!良〜く分かる!!
    だから落ち着けっ…!」
シベ「(*´Д`)…ホント?」
マキシ「あぁ本当だとも。その事で今晩話がある 男と男の大事な話だ いや、男と男と男の か
    分かったらそれまで決して早まったマネするなよ 分かったな?」
シベ「(*´Д`)…ウン」



マキシ(シベリンの美女センサーが発動した。やはり俺の仮説は正しかったようだな
    さすが、探偵は伊達じゃないね)

ボリ「何を話し込んでいる 遅れるぞ」




マキシ「(*´Д`)…ハイ」

>>18へ続く




どうしても書きたかった>>18の前日です
当方ルシ使いのため、>>18共々ルシボリ以外のキャラの喋り方とか完全に見た目から想像してます
喋り方違ってたらスミマセン
ウザかったらモウヤメマスル ゴメンネ(´・ω・`)

30名無しさん:2004/03/07(日) 04:25
超ワラタ GJ

31名無しさん:2004/03/07(日) 04:27
ミラは・・・?(´・ω・`)

32名無しさん:2004/03/07(日) 04:32
キャラ増やし過ぎるとカラミがキツイんで省いちゃいました ミラナヤ…(´・ω・)

33名無しさん:2004/03/07(日) 04:54
>>29
GJ!
笑いすぎで腹イテー

34名無しさん:2004/03/07(日) 05:18
orz

腹筋攀じれたじゃねぇか、GJ!

35名無しさん:2004/03/07(日) 05:38
TW初心者に思いっきり誤解を与えるスレタイになったなw

36名無しさん:2004/03/07(日) 05:54
特にシベとボリは誤解されそうだw

37名無しさん:2004/03/07(日) 07:40
:.,' . : : ; .::i'メ、,_  i.::l ';:.: l '、:.:::! l::! : :'、:i'、: : !, : : : : : :l:.'、: :
'! ,' . : i .;'l;' _,,ニ';、,iソ  '; :l ,';.::! i:.!  : '、!:';:. :!:. : : : :.; i : :'、:
i:.i、: :。:!.i.:',r'゙,rf"`'iミ,`'' ゙ ';.i `N,_i;i___,,_,'、-';‐l'i'':':':':‐!: i : : '、
i:.!:'、: :.:!l :'゙ i゙:;i{igil};:;l'   ヾ!  'i : l',r',テr'‐ミ;‐ミ';i:'i::. : i i i : : :i
:!!゚:i.'、o:'、 ゙、::゙''".::ノ        i゙:;:li,__,ノ;:'.、'、 :'i:::. i. !! : : !:
.' :,'. :゙>;::'、⊂‐ニ;;'´          '、';{|llll!: :;ノ ! : !::i. : : : : i :
: :,' /. :iヾ、   `        、._. ミ;;--‐'´.  /.:i;!o: : : :i :
: ; : ,' : : i.:      <_       ` ' ' ``'‐⊃./. :,: : : O: i. :ネコミミ…?
: i ,'. . : :',      、,,_            ,.:': ,r'. : , : : !: : そんなモノ男がつけて出歩くなどできるか!!
:,'/. : : . :;::'、     ゙|llllllllllllF':-.、       ,r';、r': . : :,i. : ;i : :
i,': : : :.::;.'.:::;`、    |llllH". : : : :`、    ,rシイ...: : ; : :/:i : i:!::i: くどい!つけないと言ったらつけないっ!!
;'. : :..:::;':::::;':::::`.、  |ソ/. : : : : : : ;,! ,/'゙. /.:::: :,:': :./',:!: j:;:i;!;
i. : .:::;:'i::::;':::::::::i::`:.、;゙、';‐ 、,;__;,/ノ  . :,/.:::: :/. : :/.:::i. j:;;;;;;;;
l .:::;:'::;':::;':::::::::::i::::i::`:,`'-二'‐-‐''゙_,、-.':゙/.:::: ;ィ': : :/.:::::i: j、;;;;;;;
.:::;:':::;':::;'::::::::::::::i:::i:::::..`'‐、、、-<゙.::::::::/.::: ://. : /.:::::::i :j::.'、:;;;

38名無しさん:2004/03/07(日) 09:05
…1から全部読んだが…
笑いすぎて腹痛いよ…_| ̄|●<シベリンが…

39名無しさん:2004/03/07(日) 10:17
中身が♀のシベ使いですが、アホなここのシベリンがかわいくみえてきますた。

4028:2004/03/07(日) 11:07
一応真面目なのを書いてみたんだが、
>>14とか>>18のようなアホなシベリンが活躍するような
ショートストーリーの方がいいのかなぁ…。
自分もボリ子萌えシベリン好きだし。

41名無しさん:2004/03/07(日) 11:12
それも読みたい。ガンガン投下をー

4228:2004/03/07(日) 11:22
ちょっと長いから分割になるけどいいでつか?
一応、
>ボリスはストーリー中盤でシベリンを殺します。
>正確にはナヤトレイを殺そうとするのだけれど、そこをシベリンが庇いまつ。
>その前後のストーリーでナヤトレイがシベリンを裏切ろうとしてるのが判明しており
>その事を知っていたシベリンは庇うけれど最後まで汚く罵声を吐くので、感動もなく
>結局最後まで殆ど人気がないキャラです。
のとこなので、ナヤ、ボリ、シベしか出てません。
(他のキャラはいつか……書けるといいなぁ。)
しかも、自分はナヤしか(しかも途中まで)してないので、言葉使いは勘弁してくれ。

43その1@28:2004/03/07(日) 11:51
 「はぁ……。」
 ナヤトレイは大きな樹の下で今日何度目かの溜息をついた。
 「お腹……空いた……。」
 腰につけた鞄を覗くが、そこにあるお金は何かを買うには
足りない。
 「シベリン……帰ってこないかな。」
 シベリンが用事と言って一人で出かけたのが一週間前、そ
れから一度も帰ってきていなかった。
 この一ヶ月、シベリンはナヤトレイをおいて一人で出かけ
る事が多くなった。しかも、何をしていたのかさえ教えては
くれなかった。
 (そういえば、一ヶ月前にボリスとかいう奴に会ったな。
あれ以来、シベリンはおかしくなった。)
 今までも金がなくならないと仕事をしなかったくせに、最
近は金がなくても仕事をすることがなかった。
 (仕方ない、ギルドに行って聞いてみよう。ついでに狩り
でもすれば食事はなんとかなる。)
 脇に置いてあった短剣を握ると、ナヤトレイは町の外に向
かって歩き出した。


 一時間後。ナヤトレイはナルビク旅館のレストランで一日
ぶりの食事をしようと、狩りをして得た物を売りに雑貨屋に
向かっていた。
 雑貨屋まであと20mというところで、ふと入り口に目を
向けた時だった。見なれた赤毛の男が、長い黒髪の男と共に
出てきた。
 「!」
 その二人組がシベリンとボリスだと気付いたナヤトレイは、
慌てて人込みの中に紛れ込んで細い路地から二人を観察した。
 親しそうに話しかけるシベリンと、適当に相づちをうつボ
リスは、そのまま酒場に消えた。
 (ど……どういう事?私を残して、シベリンはボリスと仕
事をしていたっていうの?)
 信じられない物を見てしまったショックで、ナヤトレイは
地面に座り込んだ。
 (何か……何か訳があるのかもしれない。ギルドに行って
聞いてみよう。)
 お腹の空いているのも忘れ、ナヤトレイはギルドに走って
いった。

44その2@28:2004/03/07(日) 11:56
 <シャドウ&アッシュ>に着いたナヤトレイは、受付に座っ
ている係員の前に立った。
 「おや。レイ様じゃないですか。」
 「最近、シベリンはここに来た?」
 いつもなら返事もしないナヤトレイが喋ったので、係員は
驚いた表情になった。
 「答えて。シベリンは来たの?」
 「ええ。一週間前に来ましたよ。」
 「仕事をもらいに来た?」
 係員は目の前にあった本を捲って記録を探しはじめた。ナ
ヤトレイはその間も不安を隠しきれず、ずっと腰に差した短
剣の柄を人さし指で軽く叩いていた。
 「ああ、はい。仕事を紹介してますね……って、一緒にし
たんじゃなかったんですか?」
 係員の答えにナヤトレイは目の前が真っ暗になった。
 「どうかしたんですか?」
 係員の不思議そうな声に、ナヤトレイはハッとして首を
振った。
 「何でも無い。少し……思い違いをしていただけ。」
 「ああ。仕事だと思わないでやってたんですね。」
 「……じゃあ。」
 打ちのめされたナヤトレイは、それ以上話をしたくなくて
背中を向けるとそれだけ言って立ち去った。


 町を出てあてどもなく彷徨い歩いたナヤトレイは、疲れ
きって近くの樹の下に座りこんだ。
 (どうして……何も言ってくれなかったの?正当な理由が
あるなら、私だって反対なんかしないのに……。)
 ナヤトレイは今までシベリンが何をしようとも、命の恩人
であり主人だと思うから拒否したりする事はなかった。しか
し、自分を見捨てて他の人と仕事をしていたとなると話は別
だった。
 (私……必要とされてない?)
 ふとそう考えた瞬間、ナヤトレイは背中が凍りついた。
 両親を亡くしても、族長が家族となって孤独と寂しさを癒
してくれた。その族長や一族が殺された時は、シベリンが家
族になってくれた。その大切な家族が、今たった一人の人間
によって奪われようとしている。それは、ナヤトレイにとっ
て恐怖であった。
 「嫌だ……。一人は……もう嫌……。」
 膝を抱えたナヤトレイは、顔を伏せて泣き出した。それに
合わせるかのように雨が降り出し、ナヤトレイの身体を濡ら
していった。

45その3@28:2004/03/07(日) 12:01
 「どうした?娘。」
 しばらくして声をかけられたナヤトレイは、涙と雨に濡れ
た顔をあげた。
 目の前には、黒い衣を纏った剣士が立っていた。
 「お前は……!?」
 ナヤトレイは腰に差した鞘から短剣を抜くと構えた。しか
し、剣士はそんなナヤトレイの前に座ると手を広げた。
 「俺に何か恨みでもあるのか?お前に会ったのはこれが初
めてだぞ。」
 (シベリンの探していた黒衣の剣士はこいつじゃないのか?)
 ナヤトレイは警戒しながらも短剣を鞘に納めた。
 (シベリン……。)
 シベリンの事を考えると、ナヤトレイはまた悲しくなって
きた。
 「こんな雨の中で何をしていたんだ?」
 「…………。」
 「喋りたくはないというわけか。まあいい。」
 その言葉を最後に剣士も黙ってしまい、雨が降る音だけが
辺りを支配していた。


 雨が降り続く中、二人は黙ったまましばらく動かなかった。
 「……質問してもいい?」
 ポツリとナヤトレイはそう言うと俯いた。
 「家族はいる?」
 「家族……か。俺に家族はいない。」
 「家族みたいな人はいる?」
 「いや。今は誰もいない。」
 「そう……。」
 またしばらく無言の時間が流れた。
 「お前には家族はいるのか?」
 「……私の家族は殺された。今は……見捨てられたのかもし
れない。」
 「そうか……。」
 ナヤトレイは顔に張り付いた前髪を邪魔くさそうにかきあ
げると、雨の降る灰色の空を見上げた。
 「私は……どうしたらいいのだろう。」
 「見捨てられる前に、相手を見捨てたらどうだ?」
 剣士の意外な言葉に、ナヤトレイは相手の顔を覗き込んだ。
 「見捨てられる前に……見捨てる?」
 「そうだ。お前はその者の奴隷ではないのだろう?なら
ば、見捨てればいい。」
 剣士の妙に優しげな声が、疲労と絶望で疲れきっているナ
ヤトレイの心に染み込んできた。
 「見捨てる……。」
 「お前を捨ててしまった者に何の遠慮もいらない。お前は
裏切りを許せないだろう?さあ、娘よ……。裏切り者に復讐
するのだ。」
 剣士の目が怪しく輝いた。
 「私は……。」
 ナヤトレイの瞳に、憎悪の光が輝いた。
 「私は……シベリンを許さない。」

46その4@28:2004/03/07(日) 12:08
 その同時刻、酒場で飲んでいたシベリンは、ボリスの話を
聞いていた。
 「へぇー。じゃあ、ボリスは兄さんの事故死が仕組まれた
ものって思ってんのか。」
 「ああ。それでルシアンの警護と引き換えに情報を提供し
てもらっているんだ。」
 「そうか。それを聞いて安心したぜ。」
 シベリンはそう言うと、コップに注がれた酒を咽に流し込
んだ。
 「俺はてっきりボリスが俺の過去に関わってると思ったん
だが、勘違いで良かったぜ。」
 「そうだな。俺も誤解がとけてよかった。」
 一ヶ月前にボリスと会ったシベリンは、黒い服で剣を持っ
ていた為にボリスを自分の過去を知っている黒衣の剣士と
疑っていたのだった。
 「しかし、これを聞くだけで一ヶ月もかかるなんて思いも
しなかった。」
 いつもの調子で近づいたシベリンだったが、相手が悪く信
してもらうまでに二週間もかかり、この話を聞けるまで仲良
くなるまでが二週間もかかってしまった。
 (これが美人のおねーちゃんならもっと違うんだがな。)
 シベリンは心の中でそう付け加えた。
 「そうか?普通だとは思うが。」
 「まあ、俺の方は振り出しに戻っちまったが、ボリスと仲
良くなれたのは収穫だったかもな。」
 シベリンの言葉に、ボリスも同意とばかりに頷いた。
 「シベリンも何か聞いたら教えて欲しい。俺も手がかりは
多い方がいいし。」
 「OK!ボリスも黒衣の剣士の話を聞いたら教えてくれよ。」
 がっちりと握手した二人は互いの肩を叩いた。


 「そういえば、シベリン。ナヤトレイには何か言ったのか?」
 酒場を出た時、ボリスがそう言った。
 「いや……。心配かけたくないから何も言っていない。」
 「だが、一ヶ月もほっておいていたのだろう。いいのか?」
 「そうだな。今日全部話す事にする。」
 ボリスはシベリンの答えを聞くと、安心したように帰って
いった。
 シベリンもボリスを見送った後、寝床にしている貸家に
走って帰った。
 「ただいま、レイ。寂しかっただろ?」
 ドアを開けてそう言ったが、家の中はシンと静まり返って
いた。
 「レイ?いないのか?」
 シベリンは全部の部屋を覗き込んだが、ナヤトレイの姿は
どこにも無かった。
 (どうしたんだ?)
 そう思ったシベリンは、最近稼いだお金を家に置いてない
事に気付いた。
 (やべっ。ボリスの事に気を取られ過ぎて、レイに金を渡
すの忘れてた。)
 シベリンは家を飛び出すと、往来にナヤトレイがいないか
見回した。しかし、あの見なれた銀髪はどこにもなかった。
 (くそっ!俺は何をしていたんだ。相棒を忘れるなんて、
何て馬鹿な事したんだ。)
 心の中で自分を責めながら、シベリンはギルドに向かって
走り出した。

47その5@28:2004/03/07(日) 12:15
 「やあ、シベリン。」
 ギルドに向かう途中で名を呼ばれ、シベリンは立ち止まった。
 「ん?マキシミンか。何か用か?」
 「いや。最近ナヤトレイと一緒じゃないから、どうしたの
かと思ってね。」
 「ああ。ちょっと野暮用でね。じゃあ、俺は急いでるから。」
 そう言ってシベリンが走り出そうとした時だった。
 「そういえば、ナヤトレイが西の町外れの木の下にいたぞ。」
 マキシミンの言葉に、シベリンは慌てて立ち止まった。
 「レイが町外れにいたって本当か?」
 「ああ。黒い服を着た剣士と話をしてたみたいだが。」
 「何?!」
 シベリンはマキシミンに詰め寄った。
 「そいつは本当に黒衣だったんだな?」
 「ああ。」
 シベリンの剣幕に圧倒されながらマキシミンは頷いた。
 「何時だ?」
 「そうだな……。三十分前ってとこだな。」
 (俺がボリスと酒場にいたのが三十分前だから、レイと話
していたのはボリスじゃない。じゃあそいつは……。)
 シベリンは強く握り拳を自分の掌にぶつけると、教えられ
た場所に行こうとした。
 「あ、ちょっと待て。」
 その時、マキシミンがシベリンの腕を掴んで引き止めた。
 「……ナヤトレイはお前を裏切るかもしれないぞ。かなり
ヤバい話を剣士としていたからな。」
 静かにそう言うと、マキシミンは歩いていってしまった。
 (レイが……俺を裏切る?)
 信じられない言葉に、シベリンはしばらく動けなかった。


 「あ、ボリスさん。手紙が来ていますよ。」
 アクシピターに顔を出したボリスは、受付係に手紙を渡された。
 「ありがとう。」
 ボリスは礼を言って受け取ると、近くにあった椅子に座っ
て手紙を見た。
 差出人は書いてなく、裏に小さく[イェーフネンの真実]
とだけ書かれていた。
 「!」
 文字を見て青ざめたボリスは、封を切って中身を取り出した。
 『拝啓 ボリス殿
 貴兄の事件の詳細が解りました。もう一枚の方に詳細が書
いてあります。
 どうか、貴方の旅に安息の終幕がありますように。
                      カルツの影』
 カルツの影とは、ルシアンの警護と引き換えに兄の事故を
調査してくれている者の名称であった。
 ボリスはもう一枚の紙を貪るように読んだ。
 「そ……そんな事が……。」
 衝撃的な内容にボリスは首を振った。しかし、それを嘘だ
と言えるだけの根拠も無く、犯人以外の事は今までに聞いて
きた内容ともかなり一致していた。
 (苗族の者が事故に見せかけて兄を暗殺したなんて……。
しかも、それがジンマネン家の没落を狙ったものだった
なんて……。)
 報告書ごと手を机に叩き付けたボリスは、悔しそうに唇を
噛み締めた。
 (そして、その証拠があのナヤトレイの持っていたペンダ
ントだったとは……。)
 一度だけ見たペンダントは、報告書では事件で奪われた物
となっていた。
 (……許さない。たとえそれが仕事だったとしても、兄と
家族を陥れた苗族を!)
 ボリスは手紙と報告書を懐にしまうと外にでた。

48その6@28:2004/03/07(日) 12:22
 「あの、そこの剣士さん。」
 背後から声をかけられ、ボリスは振り向いた。
 そこには深く黒いフードをかぶった男がいた。
 「何か用か?」
 ボリスは警戒しながら質問をした。
 「<シャドウ&アッシュ>にいるシベリンさんを知ってま
すよね?」
 「ああ、知り合いだが。」
 「実は、シベリンさんの命が狙われているんです。」
 「!」
 ボリスは突然の言葉に驚いてフードの男に詰め寄った。
 「どういうことだ?」
 「シベリンさんと一緒に仕事をしていたナヤトレイという
人が、黒い衣の剣士とシベリンさんを暗殺するって会話して
いるのを私は聞いてしまったんですよ。」
 「何だって!」
 フードの男は何かを思い出したように手を打った。
 「ああ、そう言えば前からの計画とかそんな事も言って
ました。」
 「なんて奴だ!命の恩人を暗殺だなんて……。その為にシ
ベリンに近づいたのか。」
 拳を怒りでブルブルと振るわせながら、ボリスは吐き捨て
るように叫んだ。
 「でも、どうしてそんな事を俺に言うんだ?」
 「前に、シベリンさんに助けてもらった事があるんでその
恩返しですよ。ただ、シベリンさんは私から言うよりも、最
近一緒にいるあなたからの方が信用されるんじゃないかと思
いましてね。」
 「そうか……。知らせてくれてありがとう。」
 ボリスはフードの男に礼を言うと、シベリンに教えても
らっていた家に向かって駆け出した。ボリスの姿が見えなく
なると、黒フードの男は身体を揺らして静かに笑った。
 「ふふふ……。さて、誰が残るかね。」
 黒フードの男はそう呟くと、ボリスの後をゆっくりと追い
かけた。


 シベリンが家に帰ると、ナヤトレイは椅子に座っていた。
 「……おかえり。」
 「ただいま……、レイ。」
 重苦しい沈黙が部屋の中に流れた。
 「……レイ。お前、黒衣の剣士に会ったんだって?」
 「……シベリンには関係ない。」
 いつもなら顔を見て話すはずのナヤトレイが横を向いたま
ま話しているのを見て、シベリンは何かを感じた。
 「レイ。俺の顔を見て話せないか?」
 「シベリンは、私を捨てた。だから……私はもう誰も頼ら
ない!」
 短剣を抜いたナヤトレイは、その刃をシベリンに向けた。
その表情は憎悪に満ちていた。
 「レイ、誤解だ。俺は……。」
 「もう何も聞きたくない!」
 短剣の刃が横に薙ぎ払われた。シベリンは、間一髪の所で
身を躱した。
 「シベリン、大丈夫か?!」
 そこに駆け込んで来たボリスは、その情景を見て剣を構えた。
 「命の恩人でもあり、仕事のパートナーを暗殺なんて許さ
れると思うな。」
 「何を言う。お前こそ私から家族を奪ったくせに。」
 ナヤトレイの言葉に、ボリスは頭に血がのぼった。
 「お前達苗族こそ、俺の兄を奪ったくせに言うか!」
 「私の一族を悪く言うな!」
 それが戦いの合図になった。ナヤトレイは短剣でボリスの
剣を上手にそらしてはいるが、両手で受けないと力負けする
為に攻撃に出る事ができなかった。
 一方、ボリスもナヤトレイの素早い短剣さばきに一撃を加
える事ができなかった。
 「や、やめろ二人共!」
 シベリンはなんとか止めようと声をかけるが、全てをかけ
た真剣勝負の二人には聞こえてないようだった。

49その7@28:2004/03/07(日) 12:28
 しばらくそんな膠着状態が続いた。しかし、体格と力の差
は埋められなかった。
 「はあっ!」
 力強く振り下ろされたボリスの剣が、疲れの見えたナヤト
レイの短剣を弾き飛ばした。
 「しまった!」
 「これで最後だ!」
 憎悪に飲み込まれたボリスが剣を振りかぶったの見て、ナ
ヤトレイは目を閉じた。
 「皆……ごめんね。」
 それを見たシベリンは、頭の中にナヤトレイと出会った日
が浮かんだ。あの時も、追いつめられたナヤトレイはそう呟
いて目を閉じていた。
 「やめろぉぉぉ!!」
 飛び出したシベリンは、ナヤトレイを抱きしめるようにし
てかばった。
 「何っ?!」
 あまりにも急な事で、ボリスは力を込めて振り下ろした剣
を止められなかった。
 ボリスの剣は、鎧も何もつけていないシベリンの身体を切
り裂いた。
 「な……何で?」
 ナヤトレイもボリスも、シベリンの行動が解らなかった。
 「てめーら、俺の話を聞けよ……。」
 そう言うと、シベリンはナヤトレイの肩を掴んだ。
 「レイが何を勘違いしてんだか知らねーけど、俺はレイを
捨てちゃいねーよ。」
 「だって……何週間も帰ってこなかったじゃない。」
 「ボリスが……黒衣の剣士かと思ってたんだよ。それを……
確かめる為にお前を連れて行ったら……話がまとまらないじゃ
ないか。」
 シベリンの話に、ナヤトレイはショックを受けて床に座り
込んだ。
 「ボリスも……何勘違い……してんだ。」
 「カルツの影の報告で、苗族が俺の兄を事故に見せかけて
暗殺したと……。」
 「私の一族はそんな事しない!そんなのはデタラメだ!」
 放心状態だったナヤトレイも、さすがにその話は反応して
叫んだ。
 「それに、ナヤトレイが君を暗殺する計画をたてていたと
教えられて……。」
 「……暗殺なんかしない。見捨てられたから……先に見捨て
ろって言われて、私は……。」
 「じゃあ、誰がそんな事を……?」
 そうシベリンが疑問を口にした時だった。


 「そうか。終焉を迎えるのは君だけか。」
 家のドアの所に立つ人物を見てボリスは驚いた。
 「あ、あなたは……。」
 それは、黒フードをかぶった男だった。
 「とても面白い友情ごっこを見せてもらえて楽しかったよ。」
 拍手をしながら言う男の声に、ナヤトレイは目を細めた。
 「まさか……あなた……。」
 「そうだよ。嫉妬に狂った愚かな娘。」
 フードを取ると、そこにはシベリンが探していた黒衣の剣
士がいた。
 「!!」
 「シベリン、まさかこの人が……?」
 「そうだ……。俺の……記憶を奪った奴だ。」
 黒衣の剣士はシベリンの睨みも気にせずボリスを見た。
 「手紙は受け取ってくれたようだな。どうだ、適当な身代
わりに復讐した気分は。」
 「なぜ手紙の事を……?……!」
 ボリスは懐にしまった手紙を取り出した。
 「まさか……貴様がこれを……?」
 「そうだ。その苗族の生き残りを始末してもらおうかと
思ったのだが、最後の最後で邪魔がはいったわけだ。」
 ボリスは黒衣の剣士の独白を聞いて愕然となった。
 「てめーのせいで……。み……皆を傷つけやがって……許せね
え……。」
 「これも私の復讐だ。私の復讐さえ遂げられれば、誰が死
のうとかまわん。」
 「ふ……っざけんな!」
 シベリンは側に落ちていたナヤトレイの短剣を力一杯投げ
た。しかし、手元が狂ったのか、短剣は側の柱に当たって
落ちた。
 「もう君は会う事はないだろう。さらばだ。」
 高笑いをしながら、黒衣の剣士は去って行った。
 「くそっ……。ふざけ……んな……、ふざけんなぁぁぁ!!」
 シベリンは力一杯叫んだ。その叫びは途中で旅を終わらせ
なくてはいけない悔しさもまじっていた。
 「ふ……ざけん……な……。」
 どんどんと薄れ行く意識の中で、自分と黒衣の剣士の事を
呪いながらシベリンは目を閉じた。
 「ふ……ざけ……ん……な……。」
 それがシベリンの最後であった。

5028:2004/03/07(日) 12:34
お…終わった。
こんなに長くなってるとは気付かなかった。
うpもしたし寝まつ。皆様お休み〜ノシ。

最後に、誤字脱字等は勘弁してください。

51名無しさん:2004/03/07(日) 12:37
|Д゚)もう書いてもいいよね?リアルタイムで拝見させてもらいますた
シベリン(゚∀゚)カコイイ!

52名無しさん:2004/03/07(日) 12:40
シベは2人きりの時は「ナヤ」って呼ぶんじゃなかったっけとかまあ
そんな細かい事はさておき、お疲れ様ー
他のキャラつかったことないけどボリスと黒衣の剣士は別人なんだな。
オープニングだけでも全員作って観ようかな…

53名無しさん:2004/03/07(日) 12:43
同じくリアルタイムで読ませてもらいました。おつかれさまです。
前のやつ読んでた後だからよけいシベリンへの評価が急上昇しました。

5428:2004/03/07(日) 17:04
読んで感想くださった方、ありがとうございました。

このネタで黒衣の剣士をボリスにはしませんですた。
マサカ…ホントウニボリタソジャナイヨネ?(´・ω・`)

>シベは2人きりの時は「ナヤ」って呼ぶんじゃなかったっけとか〜
う…、そうだったのか。on_
書く前に一回は全員のOP見るべきでつな。
今回は脳内変換して読んでくだはい。

55名無しさん:2004/03/07(日) 17:12
>>28
当方シベリン使い、一応イベントでボリスの事が出てきたが
シベがどうも若すぎて違うって言ってたぜい、だから安心せい

5628:2004/03/07(日) 18:15
>>55
そうでつか。安心したでつ。
コレデネコミミボリタソニ ハァハァスル シベタソガエンリョナク デキルw

実は黒衣の剣士はボリス兄案もあったりして…。

57名無しさん:2004/03/07(日) 18:18
そうそう、今日他キャラのプロローグを一通りみてまわった。
まだ見てないのいくつかあるけど、ナヤとマキシは顔イラスト
よく出てくるね。
特にマキシは表情が一体何種類あるんだと言うほど多かった。
意外とオフィシャルでは最も優遇されてるのかもなマキシ。

58名無しさん:2004/03/07(日) 18:38
                 ,. -‐    ‐ 、
                  /         \
                 / _,,.  ..,,__      ヽ
               / _,..,-‐ァr-、、._``丶、   ',     ________
                 ヶ'/,:'// /,ハトヽヽ `丶.O`ヽ、',   /悪いが、ネコミミ売った金で
                //l //j/1! !lヽヽ\ヾ| | \ ヽ! <  炭鉱用安全メットを買わせてもらったぞ
             {/レ!/イ´'_`!  ヾ ヾ__、ヽ| ト, l ヽj   \
            ノ'^レW,〈.|{:.゙!   /|{:::i}゙}| |_ソ //     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            / ‘ナヒチ', ゞ″     ゙'ー'.ィTノ`! {
           ノ_、、 ヾ´} ',   '     “7′ l  ヽ
         ,. '´  ヾ} ノ:ノ/ ヽ、 ` ′  //i   !'、  \
      , '´    ,.-リ'7´/;イ ,イ``ーr ''//ヽく⌒゙ヽヽ、\ーゝ
    ,. '´    / ̄  レ'i!ノ '-ァ、レ_l|  {/ィ , `、.  ヽゝ`ーゝ
... /    , ' -‐ ''' "¨´V / /`ヽフ,-両{./〃~ヽ  \
 /    ./        , ' /      ノ l.   ',    ヽ
. {.  _,. ‐'´     __,,.. , '′ ヽ._,.:  _, -'´ | ,   ',     ヽ
 `ー… '' "¨~´   /         ̄     |'ヽ、 ヽ   il
           /              l. /`丶、._  _リ
           !               |,/i}
              ヽ、            ハ.リ
             `!`` '丶 、._   _, '  l´
             |        ̄   /
              ト、、          /
               | ヾミ:;_ニー_==_彡'〈
               /=ニ、.,_` ヽ、、   `{
                /     ー``''ー-- -一ヘ. r、、
          _」コ/、__           __,,.. 介!lN|
        ○_,イ` ー`r===:f=ニ´-‐ r<..」!lN|
             ボリス・ジンネマン

59名無しさん:2004/03/07(日) 18:46
公式のナヤOPムビDLして見たんだが…何か違う。
しかも、文字潰れて読めねーよ。
本編で確認しろって事でつか…(´・ω・`)

601:2004/03/07(日) 20:45
>>35
漏れもはじめはこんなスレになるとは思ってもみなかったよ。

>>28
乙。ぐっじょぶ。

61その8(後日談)@28:2004/03/07(日) 23:04
 シベリンが死んでから数日後。ナヤトレイとボリスが一つ
の墓の前に立っていた。
 「それで……ボリスはこれからどうするの?」
 ナヤトレイの質問に、ボリスは遠くの景色を見つめた。
 「俺は……もう誰にも頼らずに兄さんの事件を追う。そし
て、シベリンの代わりにあの黒衣の剣士を倒す。」
 ボリスは誰にも言わずに出てきたのだった。それほど、黒
衣の剣士につけられた心の傷は深かった。前にも増して鋭く
なった表情は、何者も信じないという雰囲気が感じられた。
 「そう……。」
 そんな厳しい表情のボリスを見ながら、ナヤトレイは胸に
かけたシベリンの形見のペンダントに触れた。
 「ナヤトレイはどうするんだ?」
 「……私はシベリンの側にいるわ。もう……家族は誰もい
ないから。」
 反対に質問されたナヤトレイは俯きながら答えた。ナヤト
レイも心に負った傷は深かった。綺麗な銀色の髪には白髪が
混じり、その疲れた表情で一気に十年も老けたように見えた。
 「……そうか。」
 さすがにボリスもナヤトレイの落ち込みを励ます事ができ
なかった。家族を失う悲しみは、ボリスも体験していたから
だった。
 「シベリンは……自分が誰だか解らないで死んでしまった
のね。本当の名前も、年齢も、故郷さえ……。私達と一緒に
いたのは誰だったのかな……。」
 ポツリと呟いたナヤトレイの言葉に、ボリスは大きく首を
振った。
 「違う。シベリンはシベリンなんだ。」
 不思議そうな顔でボリスを見つめたナヤトレイは、その意
味が解らないのか首を傾げた。
 「シベリンの過去がどうだろうと、俺達の知っているのは
シベリンなんだ。」
 「私達の知っているシベリン……。」
 「それでいいじゃないか。」
 「……うん、そうだね。シベリンは……シベリンだね。」
 ナヤトレイはゆっくり頷くと、シベリンの墓に手を置いた。
 空を鳥の影が横切り、ボリスは空を見上げた。太陽はかな
り高い位置にいて、もうここで三時間もたたずんでいた事に
気付いた。
 「そろそろ俺は行く。」
 ボリスはそう言うと横に置いてあった荷物を背負った。
 「そう……。ボリス……元気でね。」
 「……ああ。ナヤトレイも元気で。」
 ボリスはそう返事してから、小さくシベリンの墓に頭を下
げた。そして、そのまま森の中に消えていった。
 ボリスの姿が見えなくなると、ナヤトレイは墓の前に座っ
て俯いた。
 「ごめんね、シベリン……。」
 墓に額をつけてナヤトレイはそう呟いた。
 「シベリン……。もう一度……ナヤはいい子だって……頭
撫でてほしいよ。」
 顔を覆って泣き出したナヤトレイの飾り紐に結ばれたシベ
リンの遺髪が、風に吹かれてナヤトレイの髪と一緒になびい
ていた。
 それ以来、ボリスは失踪したという事になり、その行き先
も生活も何もかもが知られる事はなかった。一方、ナヤトレ
イはシベリンの墓守りとして一生をすごした。

 時々、シベリンの墓の前に綺麗な花が飾られていたが、ナヤトレ
イはそれが誰の贈り物かは絶対に喋る事がなかった。

das Ende


なんかその7の終わりをぶっつり切ってしまったのが
どうしても納得できなくなって後日談書きますた。
ボリスの台詞見ようとしてOP見ていたら、
途中で止まったのは仕様でつかね。(´・ω・`)マア,トバシタカライイケドサ…

6218:2004/03/07(日) 23:16
>>28タソGJ! ホロっときました…(ノД`)
もっと盛り上げていきましょい こういうの大好きなんです

本スレで出てたカプリング話でも書こうかな…
Sidestoryみたいな感じで

63名無しさん:2004/03/07(日) 23:20
ボリスのOPは止まっちゃう人多いみたいですね。
そういう自分も止まりました;もう一度見たら動いたけど。

>>ALL
お話全部読ませてもらいましたけどすごく良かったです。
自分の中の空想(妄想?)をここまで立派に構築して
面白く素敵なシナリオにする。
あなた達こそTales Weaverだっ!

6428:2004/03/07(日) 23:58
皆様、ありがとうごさいます。
>>2のネタで何か思い付いたらまた何か書きまつ。
……ミラとマキシミンあたりで書けるといいなぁ〜。
ハッピーエンドは苦手なので、それしか書けないって罠……。

>>18さんの話も好きでつよ。もう爆笑しながら読んでますた。
カップリング話期待してまつ。

さっきライトブラウンのボリ子タソを見て、
シベタンがハァハァする訳が解ってしまいますた。
あれならナヤにシベリンの態度が気に入らないと言われても納得w

65ボリ&ティチ(1)@18:2004/03/08(月) 07:33

(全く、厄介な荷物を拾ったものだな…)

「ライディアって樹の上にあるんですよね〜見てみたいなぁ」

(はぁ…)

男は心の内で深い溜息をつき、己の長い髪を鬱陶しそうにかき上げた。






――数時間前――

「おっ ボリスじゃねぇか。相棒はどうしたんだよ? ホラ、金髪の」

ボリスと呼ばれた男は、馴れ馴れしく話しかけてきた草色の髪の男に一瞥を与え、踵を返す。

「相変わらず愛想ないねぇ…」

(愛想だと…そんなものにどれ程の価値があるというのだ)
遠ざかる草色の男の声を背に受け、声には出さず吐き捨てる。

ここは海の谷と呼ばれる、街道に設けられた休息の地である。
ライディアの依頼をこなし、ナルビクへ向かう途中でボリスはこの場所に立ち寄っていた。
本来なら目障りな程に五月蠅いパートナーがボリスの傍らに在るのだが、今、その姿は無い。

(…全く、ルシアンの方向感覚の無さときたら普通じゃないな…
  幸い地図は奴が持っているんだ、いつかはナルビクに辿り着くだろうが…)

渓流の上に作られた石畳の上で疲れを癒しながら 無きパートナーに心の内で毒づく。
そのまま流れる水音に耳を澄まし、細めた瞳で水の流れを追う。


幾許かの時が過ぎた後、ボリスの瞳がカッと見開かれた。
その目に水とは明らかに異なるモノが流れ込んできたためである。

(まさか あれは…人間、か…?
  …そうだ、間違いない!)

ボリスは思うが速く、片手で服の襟元を掴み、思い切り引き上げた。
面倒事に巻き込まれるのは御免だが、生きているかもしれない人間を見殺しにできるほど
心は非情に徹しきる事ができない。
その人間を石畳の上に横たえ、生死を確認する。

(…まだ息はあるし、外傷もないようだな。気絶しているだけか。)

安否の確認が済んでから、ボリスはその人間を改めて観察する。

それは少女だった。
歳の頃は15〜17、着ている服からも、冒険者のような稼業では無いことが読み取れる。
艶やかな金髪の、美しい娘。
ボリスは周囲に目を配らせた。
周囲では、お世辞にもガラの良いとは言い難い冒険者達が好奇の眼差しを向けている。


(さて…気絶している若い娘を、山賊紛いの男共の中に放っておいては…)
ボリスは考えた。面倒事に巻き込まれるのは、彼が最も苦手とする所である。

(この女、明朝には人生観が変わってしまうだろうな…)
面倒事に巻き込まれた事を嘆きつつ、己の長い髪を鬱陶しそうにかき上げた。

66ボリ&ティチ(2)@18:2004/03/08(月) 07:34

辺りは闇が覆い去り、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っていた
聞こえるのは鈴虫の鳴き声と、焚き木の爆ぜる音くらいである
ボリスは座り樹に身を預け、火を挟み反対側で横になっている少女が目覚めるのをじっと待っていた。

「ん…」

何度目かの焚き木の爆ぜる音と共に、少女はまだ虚ろな眼差しでボリスの方を向いた。

「気が付いたか」
「…おはようございますぅ」

その言葉を聴く限り、いつしか気絶はただの睡眠へと変わっていたようである。
ボリスは安堵と共に、虚脱感に似た疲れを覚える。
刹那、少女から唐突に話しかけてきた。

「ここがナルビクなんですか?」
「…海の谷だ」
「あれぇ…ナルビク行きの船に乗ったのに…なんでだろぅ」

この時点で、ボリスの頭では大方の状況は予想できていた。
数日前にナルビク沖で船が嵐で難破したという情報も耳にしている。
この少女は何かしらの理由でナルビク行きの船に乗っており、その船が嵐で難破してしまい
恐らく、入り組んだ内陸の潮の流れでこんな場所まで流されてきたのだろう、と。

「さて…お前の今置かれている状況を掻い摘んで説明する。」




「――と、いうわけで、お前は遭難したんだ」
「そうなんですかぁ〜」

「…で、これからナルビクまでの経路をどうするかだが。」
「今おもしろいこと言ったのにぃ…」

「お前、モンスターと戦う事はできるか?」
「私モンスターって見たことないんですぅ。楽しみだなぁ」


噛み合ってない。さっきからこんな会話が幾度と無く繰り返されている。
ボリスは頭を抱えたくなった。ルシアン以上の強敵である。

(何故アノマラドの金髪には、こうも天然が多いのだ…)
血色濃き彼等の祖先は、こんなものではなかったのだろうな と、場違いな感想を抱く。

「…仕方無い、幸い俺の目的地もナルビクだ。面倒ついでに連れて行ってやる。」
「わぁ〜、ありがとうございますぅ」

(っ……)

少女が不意に放った言葉が、ボリスの表情を翳らせる。
そのまま伏せかけた瞳を遮るように少女が尋ねた。

「あのぅ…お名前なんていうんですか? 私はティチエル・ジュスピアンです」

いつまでも慣れる事の無いこの質問に 戸惑いを隠しながらボリスは答える。


「ボリス… 
 そう、ただのボリス だ」

67ボリ&ティチ(3)@18:2004/03/08(月) 07:34

灼熱の砂漠の廻路を、黒衣の男と白いドレスの少女が並んで歩いている。
身に着けるそれの色と同じくして、それぞれの表情も対照的である。
男は困り果てたような、そして少女は満面の笑みを浮かべていた。

(全く、厄介な荷物を拾ったものだな…)

「ライディアって樹の上にあるんですよね〜見てみたいなぁ」

(はぁ…)

男は心の内で深い溜息をつき、己の長い髪を鬱陶しそうにかき上げた。




「わぁ〜ボリスさんボリスさん!このお花綺麗〜」

ボリスと呼ばれた男は、振り向きざまにその花を剣で一閃する。
その花は醜悪な呻き声を上げ、地面に崩れ落ちた。

「…ティチェル、俺の傍を離れるな と、一体何度言わせる気だ。
  花に擬態したモンスターがこの辺りには多い。不用意な行動は慎め。」

ティチェルと呼ばれた少女はそれでも笑顔を崩さないで答える。

「だってぇ、モンスター見るの初めてなんだもん。」

ボリスは最早何度目か、数えるのも億劫になるほどの溜息をこぼしつつ踵を返し、
ティチェルもそれにやや早足でついて行く。
先程からこのようなやりとりの繰り返しが続いている上に、
酷暑に加えてのお守で、ボリスは己の精神が疲弊していくのを感じていた。

(いつもなら鬱陶しい雨も、こうも続かないと有難みがよく分かる…)

そんな事を考えている内に、斜め後ろからいかにも女の子らしい小さな悲鳴が聞こえ、
ふと見やると、砂切り石で足を切ったらしいティチェルが屈み込んでいた。

「少し深いな…止血しなければ…」
「大丈夫ですぅ」

清潔な布を探していたボリスを遮るようにティチェルが言い、
その傷口に当てがっていた手から、青白い光が零れ始める。

「…回復魔法が、使えるのか?」
「はい。言ってませんでした?」

脱力しながらも、少し肩の荷が下りたようにボリスは感じた。
傷は徐々に塞がり、数分後ティチェルはその場でピョンピョンと飛び跳ねて見せる。
どうやら完全に元通りになったと言いたいらしい。

「もう大丈夫だな…先を急ぐぞ」

ぶっきらぼうなボリスの言葉を受け、ティチェルは嬉しそうにやや早足で後を付いて行く。

68ボリ&ティチ(4)@18:2004/03/08(月) 07:35

砂漠の夜は静かである モンスターも殆ど寄り付かないこの地の夜は
人はおろか、虫の鳴き声ひとつない。
聞こえるのは焚き木の爆ぜる音、そして ご機嫌そうな少女の鼻歌だけである。


「見て見てボリスさん、押し花作ったの、綺麗でしょ〜?」
「…ああ」

「この果物、美味しぃ〜ですね〜」
「…ああ」

「聞いてます〜?ボリスさぁん」
「…ああ」

「ボリスさん実は女の人ですよね?」
「…いや」
「ぶぅ〜…引っかからなかったぁ」


ボリスと呼ばれた男は座り木に上身を預け、
火を挟んだ向こうにいる少女を、半分伏せた瞳のまま見つめ、考えに耽っていた。

(この少女は…何もかもが俺とは反対だな…
  何故そんなに明るい…何故笑顔でいられる…?
   笑顔でいたって…愛想が良くたって… 誰も、助けてはくれない…)

負の感情が席巻してゆく心の内で、そうつぶやく。




7年前、兄の死と共にジンネマン家は没落した。
一家はボリスを残し、皆死に絶えてしまった。
十にも満たない良家の少年は、その歳にあって、己の力だけで生きる道を選ばざるを得なかった。

誰もがその日暮らしの生に追われ、助けても何の見返りも無い没落貴族の少年に、
救いの手を差し伸べる者などは現れなかった。
どれだけ泣いても、どれだけ助けを請うても、どれだけ愛想良くしていても、どれだけ笑顔でいても。

死の淵に立たされる度に、あの優しかった兄の顔が思い浮かぶ。
両親の寵愛は兄のみに注がれ、見向きもされなかった少年に唯一人向き合ってくれた家族、
イェーフネン・ジンネマン。
事故死と聞かされていたが、風の噂では"殺された"という話も聞く。
その死の疑問を解き明かし、仇を見つけるまではと、形見の大剣ウィンタラーを傍らに
少年は、許されざる死と立ち向かってきた。

誰の力を借りる事もなく、生きて行けるようになる頃には
少年は自分以外心を許す事ができなくなっていた。
その生い立ちは、少年から笑顔を奪い去り、心に暗い翳を落としていた。

(何故、笑う必要がある…
  笑顔などに、どれほどの価値があるというのだ)



「ボリスさん」
「…何だ?」

「昨日いいそびれちゃったんですけどぉ、助けてくれてありがとうございました」


(…ありがとう、か…)

没落貴族の少年は、誰からか必要とされる事はあっても
誰かを必要とする事は無かった。
少女が不意に言うその言葉が
そんな当たり前の言葉さえ言う事ができなかった、家名を名乗る事さえ許されなかった、
己の過酷な生い立ちを、いとも容易く反芻させる。

(俺にはまるで縁の無い言葉 だな…)




「…もう休め。砂漠の夜は冷えるから毛布を渡しておく。生憎、一人分しか無いがな。」
「えへへ…」

ボリスが毛布を投げてよこそうとすると、
少女は嬉しそうに笑い、火を挟んで反対側の座り樹、つまりボリスの元までクルリと歩いてゆく。

「おい、ティチェル…?」

ティチェルと呼ばれたその少女は、ボリスの傍らに腰を下ろし、
上身を座り樹――ではなく、そっとボリスの上身に委ねた。

「こうやってくっついた方が あったかいですよ…」
「…俺は外蓑があるから、平気だ」
「だ〜めっ! 風邪ひいたらどうするんですかぁ?」

そう言ってティチェルは頭をボリスの肩に乗せ、
毛布を二人の体に巻きつける。

「えへへ…あったかぁい…」
「おい…」

突然の事にボリスの表情には、先程までの翳りが全く残っていなかった。
代わりに困惑したような、何とも言えない表情になる。



「…明日だが…」

ボリスが声を掛けようとした時には、既に規則正しい寝息をたてる少女がそこにいた。
気丈に振舞っていたものの、慣れない強行軍に相当疲れていたのだろう。

(やれやれ…)

己の肩にもたれ掛かる少女を見つめ、何度目かの軽い溜息をつく。
が、今までの溜息とはどこかが違う。
それのどこが違うのかを思い当てる間もなく、ボリスもまた深い微睡みの底へ堕ちていった。




To Be Continued

6918:2004/03/08(月) 07:38
というわけで 妄想全開のカプリング話その1 ボリティチです
この2人が一番書きやすかったので…ボリティチ好きな人達ごめん

SSてことで書き始めたものの、話の風呂敷広げすぎて収集つかなくなってしまい、
予想外の長編になりそうです ゴメンナサイゴメンナサイ
続きはまた今晩に投下します(´・ω・`)この2人がナルビク着くまでは書きたいなぁ…

皆さんの妄想も爆発させて欲しいです

70名無しさん:2004/03/08(月) 08:00
18氏乙です
楽しませてもらいました(*´Д`)

皆創話うまいなぁ( ´∀`)

このままこのスレ伸びるようなら
保管庫でも作ってみるかな

71名無しさん:2004/03/08(月) 10:19
>>70
つーか作ってくれ。
こういう話好きだ。
こりゃのこしとかなあかんやろ?と思う奴挙手汁!!
( ・ω・)∩

72名無しさん:2004/03/08(月) 10:35
(´▽`)ノ

73名無しさん:2004/03/08(月) 11:08
∩( ・ω・)∩

SS見て、ボリスとシルベンの株が急上昇しました。
使ってたキャラと全く関係がなかったものでね…
今度キャラ作るときその二人を使いたくなりました。(*´Д`)ハァハァ

74名無しさん:2004/03/08(月) 11:10
ボリスって本当に女だったのか…

75名無しさん:2004/03/08(月) 12:37
シルベン…汁弁…?なんかヒワイだな


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