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TWのシナリオについて考えてみる

48その6@28:2004/03/07(日) 12:22
 「あの、そこの剣士さん。」
 背後から声をかけられ、ボリスは振り向いた。
 そこには深く黒いフードをかぶった男がいた。
 「何か用か?」
 ボリスは警戒しながら質問をした。
 「<シャドウ&アッシュ>にいるシベリンさんを知ってま
すよね?」
 「ああ、知り合いだが。」
 「実は、シベリンさんの命が狙われているんです。」
 「!」
 ボリスは突然の言葉に驚いてフードの男に詰め寄った。
 「どういうことだ?」
 「シベリンさんと一緒に仕事をしていたナヤトレイという
人が、黒い衣の剣士とシベリンさんを暗殺するって会話して
いるのを私は聞いてしまったんですよ。」
 「何だって!」
 フードの男は何かを思い出したように手を打った。
 「ああ、そう言えば前からの計画とかそんな事も言って
ました。」
 「なんて奴だ!命の恩人を暗殺だなんて……。その為にシ
ベリンに近づいたのか。」
 拳を怒りでブルブルと振るわせながら、ボリスは吐き捨て
るように叫んだ。
 「でも、どうしてそんな事を俺に言うんだ?」
 「前に、シベリンさんに助けてもらった事があるんでその
恩返しですよ。ただ、シベリンさんは私から言うよりも、最
近一緒にいるあなたからの方が信用されるんじゃないかと思
いましてね。」
 「そうか……。知らせてくれてありがとう。」
 ボリスはフードの男に礼を言うと、シベリンに教えても
らっていた家に向かって駆け出した。ボリスの姿が見えなく
なると、黒フードの男は身体を揺らして静かに笑った。
 「ふふふ……。さて、誰が残るかね。」
 黒フードの男はそう呟くと、ボリスの後をゆっくりと追い
かけた。


 シベリンが家に帰ると、ナヤトレイは椅子に座っていた。
 「……おかえり。」
 「ただいま……、レイ。」
 重苦しい沈黙が部屋の中に流れた。
 「……レイ。お前、黒衣の剣士に会ったんだって?」
 「……シベリンには関係ない。」
 いつもなら顔を見て話すはずのナヤトレイが横を向いたま
ま話しているのを見て、シベリンは何かを感じた。
 「レイ。俺の顔を見て話せないか?」
 「シベリンは、私を捨てた。だから……私はもう誰も頼ら
ない!」
 短剣を抜いたナヤトレイは、その刃をシベリンに向けた。
その表情は憎悪に満ちていた。
 「レイ、誤解だ。俺は……。」
 「もう何も聞きたくない!」
 短剣の刃が横に薙ぎ払われた。シベリンは、間一髪の所で
身を躱した。
 「シベリン、大丈夫か?!」
 そこに駆け込んで来たボリスは、その情景を見て剣を構えた。
 「命の恩人でもあり、仕事のパートナーを暗殺なんて許さ
れると思うな。」
 「何を言う。お前こそ私から家族を奪ったくせに。」
 ナヤトレイの言葉に、ボリスは頭に血がのぼった。
 「お前達苗族こそ、俺の兄を奪ったくせに言うか!」
 「私の一族を悪く言うな!」
 それが戦いの合図になった。ナヤトレイは短剣でボリスの
剣を上手にそらしてはいるが、両手で受けないと力負けする
為に攻撃に出る事ができなかった。
 一方、ボリスもナヤトレイの素早い短剣さばきに一撃を加
える事ができなかった。
 「や、やめろ二人共!」
 シベリンはなんとか止めようと声をかけるが、全てをかけ
た真剣勝負の二人には聞こえてないようだった。


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