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戦場スレpart1
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「では、これから部隊を向かわせる座標を言います。そこh」
誰かが割り込んだ。空気を読まずに。
なにをするんだ?と、ライトはその声の主をキッと睨み付ける。
「目指すは屋久島の近くの無人島でしょ?……ふふ、当たりみたいね。
引っ込んでなさいな天使。……その程度の事はこの“魔眼リーディング・シュタイナー”には既に見えているのだから」
ライトの事務的で早口な声に途中から割り込んで来たのは皆様ご存知レイナ・カーマイン嬢であった。空気など読むものか。
右目を手で指すいつもの決めポーズでドヤァと満足げな表情でライトを挑発する。
予知能力がレイナに未来のヴィジョンを見せたのだろう。“屋久島”と答えたレイナは自信満々である。
そしてどうやらそれは正解の様であり、ライトは唇を噛み締める程に不愉快だったが否定せずに黙っていた。
「はいはい、怠惰を貪るのは終わりよ我が眷属達。さっさとウワサの戦艦、甲斐とやらに乗り込むわよ。速やかにね?
イサム、後の面倒臭い雑務とかはあなた達オトナに任せるわ。
その代わり極東支部のメンバーはこのレイナ・カーマインが責任を持って預かった。私に着いてきなさい♪」
押し黙るライトを置いてきぼりにして、今度はレイナが勝手に皆の先導者となる。
先程まで小娘ごとき(本当はライトの方が1つ歳上なのだが)に偉そうに振る舞われていたのが相当気に入らなかった様だ。
あちこち命令するその姿は凄くイキイキとしている。
率先して全員をスタンドアップさせ、フォローミー我に続け。と場を自分の好むペースに掌握してしまう。
「……それからイクリプス。今回は私も前に出る事になるわ。そろそろ彼女も生きた血を吸いたがって蠢いてるだろうしね?
甲斐の出発までにあれを搬送しておいて頂戴。
それに……私には見えている。
……破滅の聖母を宇宙海賊に…いや、あれは誰にも渡してはいけないのよ」
一番の従者イクリプスは、レイナの命令が下るとまるで忍者の様に一瞬でその場から消えていった。
また何か無茶な命令なのだろう。
ちなみにレイナの言っている破滅の聖母とは、その場で宇宙海賊と交戦しているアンノウンの事を指す。
なんとも大層な呼び名であるが、予知を信じるのならば急いだ方が良さそうだ。
手遅れになってしまう前に
「……あなたは。たかが民間の令嬢の分際で勝手に軍の事に割り込まないで下さい。
あなたの様な道楽だけで戦場に出る状況の見えていない人物はこの場に相応しく無い。
私の作戦には邪魔ですので即座にお引き取り願います」
「なんだと?」
ライトも民間人に主導権を握られるのを黙って見ている訳では無い。
相手がカーマイン家の令嬢だと理解しながらも、率直な言葉で言い返している。
「くっくっく。お前の様な小娘風情にこの“狂った連中”の指揮がとれると本気で思っているのかな?
……駄目ね駄目だわ絶対に駄目。……やめておきなさい。白くて忌々しいその天使の翼を黒く染める事になる。彼らには悪魔の指揮こそ相応しい」
「あなたの言ってる事は全く理解不能ですね。これは欧州支部の決定です。反論は許しませんし認めません」
この二人はあらゆる点においても逆。絶対に相容れない存在。
言い争いを続ける両者の間には見えない火花がバチバチとスパークしているはずだ。ただならぬ気配を漂わせている。
……ただ、お互いに相手に対して思う事だけは仲良く共通しており“目の前のこいつ大嫌い”とシンクロしているが。
これが悪魔と天使の馴れ初めである。
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