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戦場スレpart1
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【地球某所】
けたたましい轟音が孤島の木々を揺らすや、眠りについていた鳥たちが、夜空に向けて散り散りに飛び立っていく。
「……うっ…!」
つい先刻まで深い静寂に包まれていた森の中から、月明かりを浴びながら、15mサイズの人型がゆっくりとその身を起こした。
きわめて人間的な仕草で立ち上がったそれは、真珠のような光沢を放つ純白の装甲を纏い、
頭部から垂らした繊細なリードの束を夜風に揺らしている。
簡素で機械的なフェイスの意匠を覗けば、その姿は人間の女性と見間違うほどに可憐なものだった。
「…ここは…大気圏内…? そんな、アステロイド帯に転移したはずじゃ…!?」
その腹部――コックピットの中では、一人の女性が、機体と全く同じ仕草で島の景観を見回していた。
栗色の髪をたなびかせる利発そうな美女は、レオタードのようなタイトなコスチュームに身を包み、腰部をアームに支持された状態で、コックピット内に直立している。
彼女の周囲には、医療設備を思わせるような白色の機器を備えた空間が広がっているが、それらに目を配っているわけではない。
網膜に直接投影される、機体のカメラが捉えた映像と、数値化された各種の情報を確認しているのだ。
白い機体は、ものの数秒前に、突如として雲間に穿たれた渦のような力場から、重力に任せて落下してきたのだった。
「やっぱり、どこかの有人惑星の孤島のようだけど…転移座標の指定に誤りはなかったはず。
どういうことなの? まさか、奴らに転移装置を掌握されて…」
そのとき、彼女の視界にアラートの表示が現れた。
幾つかの熱源が、海上から高速で接近してくる。
「海賊…!?
くっ、ここが何処の星かは知らないけれど、追ってくるっていうなら…!」
栗色の髪の女性――マリアは、焦りを押し殺し、いつものように、起死回生の一手のための分析作業を始めた。
この孤島こそが、海賊達によって周到に用意された『狩場』だということを、彼女はまだ知らなかった…。
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