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戦場スレpart1
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使用人がレイナの病室に二人の人間を招き入れる。通されたのはバルクレイスの少年と宇宙海賊エミリー。見舞いに出向いてくれている様だ。
二人にはテーブルを挟んでレイナの向かい側のソファーを案内し、並んで座らせる。
内心ではわざわざ出向いて来てくれた二人と優秀な使用人に甘甘のボイスにて大感謝を述べたいところなのだが、自分の性には合わないなと言葉にはしなかった。
そして、やはりいつもの様に不敵な笑みと痛々しい言葉での出迎えとなった。
「くっ……くっくっく。あなた達に掛けた魅了(チャーム)の魔法が順調に力を発揮している様ね。あなた達は私の瞳の虜。私の存在無しでは生きられない。もはやこのレイナ・カーマインと血の契約を結び闇の使徒として夜を生きるしか無いわ」
と、相変わらず邪気眼厨二病に感染した絶好調のセリフ回しに来客二人は恐らく付いていけないだろう。どうやら最高の名医にもその病は治せなかった様だ。
「・・・・?」となっているその場の空気を読み切ったのか、使用人はここでも主のフォローは欠かさない。
「共通言語に訳します。『うふふふ。心配して来て下さったんですね?ありがとう、私とっても嬉しいです。病室のベッドは孤独で寂しくて。だから今日はいっぱいお話をしましょう』と、お嬢様は仰っておられます」
「共通言語よ!」
すかさず使用人へキレ芸でツッコミを入れるが、ツッコミするポイントはそこで良いのだろうか?
もちろんチャームの魔法などにかかっている訳では無いので、無理に言う事を聞く必要などは決して無い。と野暮な事までもその使用人から説明が入った。
>>253
【「元気?レイナ・・・ごめんね、しばらく居られなくて・・・」】
やはりレイナの怪我の責任を感じているのだろうか、巧妙に隠してはいたがエミリーの声はいつもより暗い。
「そう心配しないでよ?単に我が懐かしきの風景。地獄を見に行っていただけ。真祖の吸血鬼にとってはあんな傷何とでも無いし。あなたに落ち度は無かったのよ」
それでもレイナなりにエミリーを気遣ったのだろうか、しきりに『あなたのせいでは無い』と言い続けた。
【「ねぇ・・・差入れ持ってきたんだ。使用人さんに無理行ってスーパー寄ってもらってたの。」】
見舞いに缶ビールとはいかにも海賊らしい破天荒な差し入れである。
その冷たいアルミの缶をレイナは興味深げに物色している。どうやら缶ビールは初見だった様だ。
「ふーん。私、ワインはたまに飲むけれどビールというのは飲んだ事が無いわ。美味しいんでしょ?」
入院患者の上、まだ成人では無いが缶一本ぐらい……?と、横目で使用人を見たが『ダメです』の一言できっぱり止められた。
「その代わり、私が飲んでお嬢様に感想だけをお聞かせしましょう」
「……な、なんて卑劣なのよ」
どうやらレイナの分はこの使用人の活力となってしまう様だ。
―――と、わいわい楽しいのも良いのだがレイナはエミリーに聞かなければならない事があった。
「……ところであなたと伊豆の施設を襲撃したあの例の3機、両方が宇宙海賊。そのお互いの関係は私にも言えないこと?」
レイナもエミリーが敵宇宙海賊と密接した関わりが有るかも知れないと連邦軍の監視下に置かれているという話を聞いていた。
ただ、どの様なものがあっても彼女を信じてやろうと言う気持ちが有った。連邦軍が何と言おうが知った事か。
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