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イラスト・SSスレ
5
:
空憂 愛
:2011/07/17(日) 00:43:03
>>4
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(夢じゃないッ! 夢じゃないんだッ! 俺たちは見放されてなんかいないッ……!)
亜貴は全力で家へと走っていた。
その手には、あのとき拾った宝くじの券が、固く握られている。
亜貴は思った。これで、有為と愛を幸せにしてやれる。
早く、有為にこのことを伝えたい!
興奮のあまり、亜貴は早まる気持ちを抑えられなかった。
そこには一千万があった。
有為も亜貴も、その大金を前にしたとき、この先、自分たちの将来に疑いを抱かなかった。きっと、このお金さえあれば、自分たちは幸せになれる。
だが、彼らの信じた幸せなときは、わずか三年のうちに泡のように消えた。
何が悪かったのかを数え上げればきりがない。、
彼らはその大金で、夢のような贅沢を堪能した。
もちろん、初めのうちはその使い方も可愛らしいものであったが、日が経つにつれてしだいにエスカレートして行く。有為と亜貴は、まるで湯水のようにその大金を使い始めるようになった。
泡銭の一千万など、ちっぽけな額であった。
彼らは豪遊の果てに、その一千万を、わずか二年のうちに使い切る。
有為と亜貴の勤勉さは、所詮、極貧の環境の中でそうせざるを得なかったというだけに過ぎなかった。
「今日は、何しようか」
二人は、もう元の勤勉な生活に戻ることができなかった。
二人は愛の親であると同時に、まだ遊びたい盛りの子どもでもある。今まで我慢していた分、遊ぶ楽しさをようやく知った二人が、以前のような生活に戻るのは容易ではなかった。
「私、お腹空いちゃった」
「なら、いつもの店でご飯にしよっか」
亜貴はサイフの中身を見た。
「あ、またお金借りなきゃ……」
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