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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/01/17(木) 22:11:54 ID:Fi7UeqgM
プロバイダー規制や本スレの空気などでSSを投下できない人が、
本スレの代わりにこっちでSSを投下するスレ。
ごあー。

884ごぶんのいち:2010/03/28(日) 22:27:36 ID:cTPqACE2
本スレ>>14より

・自分の前では恥ずかしがってあんな態度だけど本当は…と思っていたら、女友達と話しているツンデレが自分の事をボロクソに言っていました


昼休み。
「痛てて……」
額に貼られた絆創膏を手で撫でつつ、俺は呟く。
『どしたの別府ー?その怪我……またかなみ?』
そう言い近づいてくるのは友子。話題に上がった『かなみ』は、俺の幼馴染だ。
長い付き合いではあるが、俺は最近かなみの事が良く分からないでいた。
「ああ、ちょっと手が触れただけで顔真っ赤にして押されてさ。壁に頭ぶつけちまってな」
俺の話を聞き、友子はため息を一つ。
そして右手の人差し指を俺に突き出す。
いつもだ。俺がかなみの話をするとこの仕草をし、そして言う。
『別府?別にかなみはアナタの事を嫌ってはいないから、勘違いしちゃダメよ?』
……やっぱり。
「……そうか?流石に毎日やられるとなぁ」
『照れてるのよ。幼馴染なんだから、分かってあげてよ〜?』
そんなもんだろうか。
「んー……。まぁ、分かった」
友子は『そ。ありがと』と微笑み、教室を出た。
アイツは、友子の言う通り、照れてるだけなのかも知れない。
……可愛い奴。
下校までは、そう思っていた。

885ごぶんのに:2010/03/28(日) 22:29:07 ID:cTPqACE2
昇降口。
靴に履き替え、校門でかなみを待つ事にする。
……帰りにでも、かなみに聞くか。
かなみは俺の事をどう思っているのか。それが俺は分からなかった。
毎日のように殴られ、顔が真っ赤に腫れ上がったことだってある。でも、友子はかなみが俺を好いていると言う。
俺はかなみが好きだ。そうでもなければアイツの相手なんて出来っこない。
だから……聞く。いや、告白……だな。
そんな事を考えつつ、校門に向かうと、声が聞こえる。
アイツだ。かなみの声がする。
視線の先に、かなみがいた。どうやら先に校門で待っていてくれていたらしい。
かなみは友達と話しているらしかった。
『……がうわよ、あんな奴』
かなみは顔をしかめ、
『あんな変態野郎、嫌いよ!!』
……誰の話をしてるのかは知らないが、悪口だというのがすぐに分かった。
『ホントに〜?』
友達はおどけた様子でかなみに問う。
『ええ、嫌いよ。大っ嫌い。あんな奴……ガサツだし、不潔。エロいし、不細工。好きになる要素がどこに』
『かっ、かなみ!?後ろ後ろ!!』
かなみは振り返り、驚きに目を剥いた。

886ごぶんのさん:2010/03/28(日) 22:30:17 ID:cTPqACE2
……遅ぇよ。
分かった。思い知らされた、と言うべきか。
……かなみは、俺の事が嫌い。
何を俺は期待してたのだろう。本当のバカがここに居た。
分かってた事。十二分に理解していたのに。
『あ、あの、タカシ?えと……その』
「いや……良いんだ。」
『え……?』
「薄々気付いてた。無理させて、御免な?本当、最低だな……じゃあ、俺帰るよ」
そう言い、かなみを置いて帰路につく。後ろでかなみが何か言ってた気もするが、構わない。
卑怯だなと思う。
構わない。
もう、何もかもどうでも良かった。

887ごぶんのよん:2010/03/28(日) 22:31:35 ID:cTPqACE2
独り暮らしは良い。傷付いている自分を、身内に悟られなくてすむから。
帰宅してから、俺は何故かかなみの事を考えていた。
……何かかなみ、辛そうな顔をしてたような……。
「……別に、どうでもいいか……」
呟いた、その時――
『タカシィッ……』
ドアを叩く音が聞こえる。
ドア越しに、アイツの声が聞こえる。
「……チャイムはあるって言ったはずだろう」
ドアを開け、かなみを見る。
かなみは、泣いていた。
顔を涙でくしゃくしゃにして。
目を真っ赤に腫らして。
『うぅっ……ごめっ、あ、アタシィッ……』
嗚咽で何を言ってるのかさっぱり分からない。
でもこれだけは分かる。
「……謝りに、来たのか……」
かなみは頷く。少し落ち着いたようだ。
『……好きなの』
「はぁ?」
『好きなの!!アンタが好き!大好き!!優しいし、カッコ良いし、仕草とか、言葉とか、全部……!!』
俺はコイツの言ってる意味が分からなかった。
「じゃあ何であの時……」
『あっ、あの時は……そ、その……は、恥ずかしくて』
友子の言葉を思い出す。
「それが本音か?」
かなみは首肯。

888ごぶんのご:2010/03/28(日) 22:34:26 ID:cTPqACE2
「お前は言ったよな?俺はガサツだぞ」
『好きだもん』
「不潔かもしれないぞ」
『好きなの』
「不細工だもんな?」
『カッコ良いもん』
「変態野郎でも?」
『大好きよ、そんなところも』
……なんか、毒が抜けてしまった。つーかコイツのキャラが違ってちょっと怖い。
『タカシは?』
「俺は好きだった。けど、お前があんなに言うから……」
『何したら許してくれる?』
「……んー」
迷う。と言うか、毒が抜けてしまったので、何かさせるのも嫌な気分だった。
「……俺の彼女になるっての、どうよ?」
ややあって、
『それで、許してくれるなら……なるわよ、彼女に』
返答するかなみは少し嬉しそうだ。
「良いのか?ガサツ、不潔、不細工でエロしかも変態野郎だぞ?」
とびきりの笑顔で、かなみは答えた。
『だって、大好きだもん』




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