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「うん、電車乗ってきた」
『やれやれ、とんだ冒険家だな。……私もVIP駅に行くんだ、一緒に行こうか』
笑顔で尊が手を伸ばしてくる。案外、子供好きの節があるのかもしれない。
この優しさを、もう少し普段の生活に盛り込んでくれれば俺も楽なんだけどな…………。
ところで、さっき思いついた子供権限。早速発動してみようか。
「ねぇ、お姉ちゃんは好きな人いるの?」
『なっ……そういうませた発言は、もう10年くらいしてから言うんだ(////』
「あ、顔赤いーw」
うんうん、これ結構楽しいぞ。
『まったく、最近の小さい子供は…………ああ、居るよ。これで満足か?(////』
「どんな人?」
『そのなりでそこまで訊いてくるか……恐ろしいな』
「どんな人〜〜?」
『ああもう、分かった分かった。話せばいいんだろう……?(///』
「やった」
『近所に住んでいる奴でな、とてつもなく鈍感で、馬鹿な奴だ』
「ふーん……馬鹿なのに好きなの?」
『それを言われると辛いな……。でも、たまに見せる真剣な顔や優しさがたまらなく良いんだ(/////』
「へぇ〜……(誰だろ? 近所って事は、同じ中学……)」
『それにな、馬鹿だから私からそれらしい事を言っても、全く気づかないんだ』
「そうなんだ……(同じ中学……)」
『普通、お弁当を作って貰えば気がありそうだとは考えないか?』
「えっ……(弁当作ってもらったことある……)」
『そうは思わないか? 好きな子にお弁当を作ってもらったら、嬉しいだろう?』
「えっ……えっ……?」
『何だ、君は好きな子がいないのか?』
「いや、そういうのじゃ……」
『途端に歯切れが悪くなるな。ずるいぞ、もう……』
「…………」
どうしよう。聞いてはいけない事を聞いてしまった予感。
……気まずい。……超気まずい。……一方的に俺が滅茶苦茶気まずい。
―――と、考えていると気づけば駅についていた。これから電車に乗って、VIP駅まで行けばいい。
とりあえず定期を出して…………
『ん? お金、ちゃんと持ってるのか?』
「あ、うん、定期が―――」
『定期!? ちょっと貸して』
「あっ……」
なんだろう、定期を見て何が―――あ、そうか、名前!
『別府…………タカシ?』
「そうだよ、それ見せたら話は早かった!! 俺、気がついたらこんな――」
『…………タカシなのか?』
「そうなんだよ!! とりあえず事情を分かってくれそうな人を探してたら―――」
『さっきの話…………(//////』
「え……?」
あ、そういえばお弁当云々。ぶっちゃけ、尊が弁当を作ったのは後にも先にも俺にだけなんで。
いやだって彼女、普段は学食で食べてますから。
『馬鹿者がーっ!!!(////////』 げしっ!
「はぅ!?」
―――この日俺は、はじめて空を飛んだ。
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