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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議
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雑談、キャラクターの情報交換、
今後の展開などについての総合検討を主目的とします。
今後、物語の筋に関係のない質問等はこちらでお願いします。
規約はこちら
>>2
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もうすぐ放送かな……
双葉はぼんやりとそう考えながら、耳を済ませた。
二人以上の人間が近づいてくるのが解った。
素敵医師の甲高い声と、何やら叫んでいるアインの声だ。
もうすぐか……と双葉は思った。
双葉はそれぞれの手を首輪と肩の傷に当てた。
じんわりと後悔と未練が彼女の心を満たした。
心の中でさえ、その全てを単語で表し切れそうもなかった。
彼女は厳めしい顔をした男の姿をあえてを思い出す。
それは彼女の父親だ。
「こんな人間のまま終わるんだったら、もう少し言う事、訊けばよかったかな……」
式神の方に意識を移した。
そこには背骨を砕かれた、しおりが横たわっていた。
瞳孔は開き、弱弱しく痙攣しながらも、まだ生きていた。
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間もなくあたしはあの包帯男と組んでアイツと戦うことになる
だけど……
それを自覚したのはしおりに裏切られた時か、本物の星川が殺された時だったのか。
その時期は今となってはどうでもいいと考えたかったし、はっきりと認める決心がついた。
アイツには勝てない
別にアインほどの修羅場を潜っている訳ではない。
未来をはっきり予知できる異能力者でもない。
ただ……理屈抜きで双葉の心が自らの敗北を既に告げていたのだ。
彼女は泣き喚きたかった。
だが、それを我慢し勤めて平静を装った。
双葉はしおりを見て、二人の人間を思い出しつつ、自問した。
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なんであたしはこの子を一思いに殺さなかったんだろう
双子を守ろうとしているように見えた、既に死んだ名も知らない少女のためか。
本物の星川の志を継ぎたかったからか。
ギリギリまであの子の良心に期待してたのか。
双葉にはもう解らなかった。
なら何でこの子を守ろうとしたんだろ
それに続く言葉はすんなりと浮かんだ。
そうだ、あたしは誰かを守ろうとして死にたかったんだ
その上でアインの苦しむ様を見たかったんだ
双葉は深いため息とともに立ち上がる。
彼女の眼はまだしおりを見据えている。
あれほど壊れていたとは思っても見なかった。
手を組めるなら生き残らせてやりたかった。
あの様子だと、周りに死を振りまき、自滅するのが落ちだ。
あんな状態でも時間が経てば動き出すに違いない。
彼女の心に沸き起こるは、更なる自己憎悪だった。
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それも言い訳よね
反主催のために殺すなんて動機は要らない
……理由なんて、こんなのでいい
『アンタはあたしの復讐の邪魔になるのよ』
式神を通じて、しおりに言い放つ。
しおりからは何の反応もない。
双葉はうなだれ、自らの言葉を心に刻む。
……アイツ等と戦って、死のう
もう、この戦いに生き残った後の事など考えたくはなかった。
本物の星川を生き返らせたかったが、あんな神が相手では望み薄だと言い聞かせた。
反主催に助けて貰うというムシのいい未来を思い浮かべたくなかった。
勝利によってまた図に乗るのはもっと嫌だった。
それは心の片隅で今も願っている願望だから、なお更だ。
自らの憎悪と命をもって、アインに復讐するのみだ。
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人型式神が発光し、しおりを踏み砕かんと動き出す。
そして、告げた。
『だから死んで』
誰かが叫んだ。
双葉はハッとし、声の主を探す。
『星川』
そこには式神の星川が居た。
そして、瀕死のしおりを悲しげに見つめていた。
それは定時放送まであと10分の出来事だった。
↓
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【朽木双葉(№16)】
【現在位置:楡の木の洞】
【スタンス:アイン打倒、素敵医師と一応共闘、可能なら主催者に特攻
自己憎悪、まずは星川と会話からしおりを殺すつもり】
【所持品:呪符10枚程度、薬草多数、自家製解毒剤1人分
ベレッタM92F(装填数15+1×3)、メス1本】
【能力:植物の交信と陰陽術と幻術、植物の兵器化
兵器化の乱用は肉体にダメージ、
自家製解毒剤服用により一時的に毒物に耐性】
【備考:双葉は能力制限の原因は首輪だと考えている、首輪装着
楡の木を中心に結界を発動、強化された式神三体に加え、
偵察型の式神10体も攻撃可能
疲労(中)、ダメージ(小)、
(内一体ダメージ(大)、内二体ダメージ(中))】
【式神星川(双葉の式神)】
【現在位置:楡の木付近→しおりのいる場所】
【スタンス:???、双葉と会話】
【所持品:植物兵器化用の呪符10枚】
【能力制限:幻術と植物との交信】
【備考:疲労(小)、幻術をメインに使う】
【しおり(№28)】
【現在位置:楡の木広場付近】
【スタンス:????、マスターに会いたい】
【所持品:なし】
【能力:凶化、発火能力使用 、大幅に低下したが回復能力あり】
【備考:首輪を装着中、全身骨折・各内臓にダメージを受け瀕死の重傷
意識不明、行動可能になるのには数時間単位の休憩が必要
戦闘可能までには更に倍以上の時間が必要】
【現在、PM5:50】
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仮投下終了。
相変わらず連投規制に引っかかりまくります。
どなたか本スレにコピペしていただければ非常に助かります。
伸びに伸びて決着まで後2話。
こんどこそ停滞させたくないので、完成の是非にも関わらず
今週中にメール欄にてネタバレします。
また今晩。
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ぶっちゃけると一つの運営クラスの重要なお仕事をうけたので、夜な夜な執筆の時間が取れないほど忙しい日々が続いていましたorz
一度完成してあらかたできてるのに完成させる時間が全然取れないのが二週間前のソレが終わるまでの半年ほど続き……。
明日、一度書き終えたとはいえ自分的にはまだ未完成である魔窟堂チームのを投下させて頂きます。
スルーしても構いません。
中々出てこれなかったのは申し訳ない気持ちでサイ悩まされていたのもあるとはいえ、結局は自分の都合で長い時間迷惑をかけてすみませんでした。
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昨日、全投下するつもりが時間がありませんでした……
残りは用事が済み次第、投下します。
>>248
了解しました
とりあえずネタバレのひとつはメール欄で
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全投下終了。
今夜12時前後に一本ここに作品を投下するかも知れません。
本筋に絡むかも知れない、ネタバレ話を。
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(二日目 PM5:58 本拠地・管制室)
管制室の中は熱気で蒸しかえりつつあった。
そんな中、白衣の女八人が赤いロボット2機を運ぶ作業が続けられていた。
その先にはかなりの小規模のカタパルトがあった。
暑さを気にもせず、モニターを見ていたケイブリスは言った。
「茶はねえのか?」
間髪要れず、智機が返事を返す。
「あるが……少し待ってくれ」
「あぁ……別にいいぜ」
智機はケイブリスの横に置かれているゴミ箱の中身を見て思った。
「………………(摂取物は人間とそう変わらないのだな……あとで茶を振舞ってやるか)」
加熱しているコンピュータの状態を気にしながら、そろそろオーバーホールが必要かと
考える智機にケイブリスは更なる質問をする。
「生き残ってる参加者の奴らで一番強えのは……ランスか?」
「……基本的にはそうだな。ま、詳しい事は後で話そう……」
「? ……まだ強い奴らがいるのか?」
「……ああ」
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ケイブリスは少し頭をひねり、ちょっとした疑問を口にした。
「おめぇ……さっき病院で戦り合ってたよな?だったらよぉ……あの時、何で首輪を爆破しなかったんだ?」
「…………。 神の許可が必要なんだ」
まひる達との戦闘の事を言われた智機は、やや苦々しげに返答した。
「なんだ…そりゃ?」
「我々、運営者にも苦労して欲しいからだろうな。 透子は首輪の操作権を持ってるだろうがな」
「……あいつが? それ意味あんのか?」ケイブリスはせせら笑いながら言った。
「やはり君も彼女のやる気のなさは気になってたか」
彼は言葉で返すのも面倒だというそぶりで、鼻から息を吐いて返答した。
●
白衣の女達―――智機のレプリカ4機が作業を終えて、充電室に入っていく。
強化型二機を発射する準備は整った。
もし、反主催グループにランスが加入しているのなら、足止めがせいぜいかも知れない。
本当はケイブリスを派遣したかったが、カタパルトで飛ばせるのはロボットだけだ。
「そろそろ定時放送だ。 ケイブリス、悪いが引き続き放送をやってほしい」
「死んだ奴、ゼロかよ。 ま、いいや……」
「カンペはいるかな?」
「いらねぇよ。適当にやっていいか?」
「ああ」
↓
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いじょ。
本スレで採用するかは未定ですが。
出来れば明日は続きの作品の一部でここに投下を。
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「狭霧さんはどんな願い事をするの?」
ふいにまひるがそんな事を言い出した。
彼女には似つかわしくない内容、と思った狭霧は返答に詰まった。
他の誰よりもまひるは欲望からかけ離れた存在に思っていたから。
「……そうですね」
そんな小屋の中、対極に位置する場所では時たま「ぐが」とイビキを出しながらランスが寝ている。
気絶した後とはいえ、あれだけ睡眠をとったのに彼はまた寝ている。
その横には今にも壊れそうといった感じのユリーシャがランスの胸元に頭を寄せて寝ている。
彼女もまた心労と疲労が溜まっていたのだろう。
「俺様はしばらく休む、任せた」
西の小屋につくなり、そういうと彼は寝入ってしまった。
余程、ケイブリスとの戦いで疲れていたのか、それとも生来からそんな感じなのか。
主に狭霧が突っ込もうとする暇すらなく、ランスは横にぐてんとなってしまった。
「仕方ありませんね」
その様子を見た恭也はやれやれと行った感じで扉の前に立つ。
(彼が駄目な以上、順当に行って見張りは俺かな)
「いいの? 恭也さんも……」
申し訳なさそうにまひるが恭也へ尋ねる。
「俺も大分休ませて貰ったから大丈夫」
「でも……」
ランスに比べて薬を使い休んだとはいえ、元あった怪我の度合いは恭也の方が上である。
「大丈夫、見張りって言っても扉の前に突っ立ってる訳じゃない。
ちゃんと死角になってる所で気配を消しつつ周りに注意を払うから」
それに彼を除けば俺が一番見張りに適してる。そう一言付け加えて恭也は外へと出て行った。
「大丈夫ですよ。もう少しすればボケジジ……いえ魔窟堂さんも帰ってきますから」
それでも心配そうにしているまひるを狭霧が諭した。
彼女の言葉でようやくまひるも下がり、ゆっくりとだが腰を卸した。
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それから間を置いた後での出来事である。
(私の願い……)
狭霧は考える。
第一目標はこんな場所から生きて生還する事。
だが、それは運営陣達を倒せれば狭霧以外の誰かが勝手に願ってくれるだろう。
魔窟堂やまひるなら、間違いなくそうするはずである。
では、純粋に願いとなるとどうか?
『彼』への未練があるわけではない。
だが、横にいる『彼女』を不幸にしてまで得たいものか?
それはすなわち心弄くられた『彼』もまた不幸にすることだ。
彼女にとってはその事の方が心を痛く締め付ける。
(しいて叶うなら、平行世界の一つ、『私』が選ばれた世界への転移……でしょうか)
創設とも一瞬思ったが、結局それは心を弄くった『彼』と何ら変わりない予定調和、ただの自己満足の玩具である。
彼女自身が勝ち得たと結果なくしては、彼女は満足しない。
だが……。
(いくら同じ自分とはいえ功労を横取りするのはどうなのでしょうかね)
普段やこの状況下では彼女はそれを厭わないとしても。
それだけは何か侵してはいけないモノとして彼女の心につっかえた。
願いが叶うなら叶うに越した事は無い。
生き延び、そして願いも叶えて貰う。
そう考えてあれから行動してきた。
しかし。今この場においてまひるに問い掛けられると、自分でも意志が曖昧なのに気づく。
それなら、それでこの場ははぐらかして適当に返そう。
そう思って狭霧は言葉を続けた。
「私の願いは……」
「……あたしはね。もし本当に願いが叶うなら、みんなの願いを叶えてあげて欲しい」
狭霧が答えようとした瞬間、まひるが先に口開いた。
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「運営の人達も、願いが叶うって言うので集められたんだと思う。
どんなに悪い人たちでも叶えたい願いが、譲れない思いがあっていいなりになったんじゃないかと思う。
でなきゃ、悪人だってこんなのの運営になろうなんて思うはずないしね……」
(それは、本当に気が狂ってる人の場合は話が別ですけどね……)
その考えは口に出さず、狭霧はまひるの言葉を黙って聞く。
「あたし達と同じように参加させられた人たちも、運営の人たちも、みんな帰れて、みんな願いが叶えれたらきっと素敵だと思う」
「それは……理想論だと思いますね」
まひるの想いに対し、それだけは間違ってる、と狭霧は応える。
「うん、解ってる。でもね、もしそうなれたら……こんな今だけど、みんなそんな事忘れて幸せになれると思うんだ。
あたしもアインさんをまだ許せない……。けどそれだって参加してなかったら、そんな事もなかった。
知り合う事もなかったと思うけどね」
(何処までも甘いのか……それとも……)
狭霧は考える。
目の前の少女?は、言っている事だけを見れば甘い世間知らずのお嬢ちゃん?である。
だが、その実は異形の化け物。
今までのまひるの様子と話を聞く限りでは、彼女は極普通の世界で極普通の学園生活を送ってきた身に違いない。
そんな彼女が異能力と異形の姿を持っていると言う事は、どういう事だろうか?
狭霧にはソレが解らなかった。
気づかず過ごしてきた?
いや、まひるの様子から、少なくとも彼女?がこのような身であるという事は気づいていたようだ。
それでも普通の生活を送ってきたのだろうという異常。
きっと狭霧では経験した事も内容な、想像もできないような事を経験してきたのかもしれない。
平穏の大切さを知り、望む人間と言うのは須くして頭に御花が咲いている人か……決して人には言えぬ物を見た、抱えた、知った者のみかだ。
だとしたら、彼女は自分などより非常に心の強い存在だ。
まるで目の前の自分がチンケな存在にされてしまう程に。
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狭霧は悩む。
今までは気にも止めなかった事がまひるの質問をきっかけに、持ち前の思考能力の高さを活かして考えもしなかった……いや考えようとしなかった事が次々と浮かんでくる。
直接聞くべきか?
だが、さしもの狭霧もその一歩を踏み出せずいた。
聞いた瞬間、今までの自分の行動が、考えが全て否定されてしまいそうな気がして。
(私は何を考えて……しているんでしょうか?
……いいえ、運営者を倒せるメドはあっても確実ではないんです。
何を甘い考えを……願いはあくまでも倒せた時の事……今はそんな事よりも当初の生き残る目的を……)
自分の考えを言い終えたまひるは狭霧の願いを聞くまでもなく満足そうにしている。
「俺様の願いはこんな下らない事考えたヤツラの首だな」
まひるが自分の思いを言って満足していると思った矢先、寝ていたはずのランスが答えた。
「あら、起きたんですか?」
助けの船。とばかりに狭霧は遮られていた口を解放してランスへと向けた。
「深寝入りする前に、そんな会話されちゃな。ユリーシャはまだ寝てるが……」
そういうとランスは未だ自分の胸に寄りかかって寝ているユリーシャ優しくそっとずらすと体をおき上げて喋りつづけた。
「決まってんだろ。こんな糞くだらない事考えて実行したやつらをギャフンと言わせてやらなきゃ後味が悪いだろ?」
「まさか、素直に『お前の首をよこせ』とでも言うつもりでも?」
まるで夢物語のようなランスの願いに狭霧が呆れたように言う。
「そこはほれ。おとぎ話にあるように上手く逆手に取ったり、裏技を使ったりしてだな……」
「で、その考えはあるんですか?」
「むむ……? それはこのハイパー美形な俺様の手にかかればそのうちだな……」
「はいはい、解りました。ですがあなたの事ならハーレムでも注文するかと思いましたけどね」
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「そんなものこの俺様の手にかかれば簡単に築けるものだからな。願う必要なんかない」
本当はそれも欲しい。と言うのは止めてランスは強気を張る。
それに、そこまで言ってイメージを落とし、その願いのせいで信用をされなくなっては……とも思ったのかもしれない。
今更、ランスのイメージが向上するわけではないが、それでも最低限の信頼の部分は回避しようとしたのだろう。
「で、元気になったのなら恭也さんの代わりに……」
狭霧がその言葉を言い終える前に
「ぐがー」
加速装置を使ったのかのごとく、ランスは再び寝入ってしまった。
「現金な人だよねぇ……」
その様子を見たまひるが苦笑いをする。
やがて各々が移動の休息を取るかの如く静かになる。
その間も狭霧は、一人考えつづけた。
(そう、今は生き延びる事を……)
頭の中に浮かぶ己の小ささを必死に振り払うと狭霧は自分を落ち着かせるように言い聞かせる。
それでも、狭霧の心の中に浮かんだモノは片隅に残りつづけた。
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遅れましたが、以上です。
この狭霧とまひるのやり取りと彼女らの位置付け、心情に悩み悩み悩みずっとスランプ状態でした。
もし、これでもいいと言って貰えるのなら、後日本スレに投下させて頂きたいと思います。
同じく以前の書き残し、あの接見話も近日中にここに上げます。
重ね重ねすみませんでした。
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拝見させていただきました。
本スレに投下しても全く問題ないと思います。
私的には紗霧の願いはそっちの方がいいと思いました。
私が考えてたのはメール欄でしたし。
昨日は作品投下できませんでしたが、土曜日あたりには全投下出来そうです。
一作品にまとめます。
金曜日、メール欄にて戦闘結果をネタバレします。
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>>260
ありがとうございます。
それを受けて多少加筆修正しました。
が、私も連投規制を見事に喰らったので続きは明日に張ります(苦笑
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執筆中ですが仮投下は土曜日になりそうです。
ネタバレはメール欄。
時間軸等の問題があるだけにメール欄②は先延ばし、内容変更も視野に入れてます。
長く時間をかけただけにある地点まで結果を引っ張ってます。
地点以降の様々な結果は、ほぼ全て書けそうなのでこれもここに投下します。
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追記、メール欄でした。
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今日は投下できそうにありません……
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投下完了です。
一日空けてしまってすみませんでした。
現在、接見話の作成を続けてます。
こっちは前回のようなスランプになるような大きく悩む部分が今の所ないので早ければ明日の夜に試作をここに投下します。
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本日もちょっと投下できそうにありません。
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今晩と明晩で、一本ずつ投下しようと思います。
数年ぶりのSSなので、文章的にちとアレですが。
今日投下予定の作品については
内容的にルールのちゃぶ台返しに見えるかもしれませんが、
(メール欄①)の視点で透子が
(メール欄②)について疑問を抱いていくという方向性で
(メール欄①)は(メール欄③)ので、
どうにか見逃して頂きたい次第。
ところで今でも連続投稿規制ってありますかね?
もし規制にひっかかったらこちらに残投稿分を上げますので
支援のほうよろしくお願いします。
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新作乙です!
規制にひっかかって支援できませんが応援してます。
感想は後ほど。
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投下、お疲れ様でした。
引き込まれる内容で、透子達の感情の機微や、先の読めない展開で楽しめました。
>智機の目に映るもの/透子の目に見えるもの
そりゃあ、パートナーの事が一番大事だよな……。
唯一つの願望ゆえに何百年何千年もの時を過ごしてきただけに、主催陣で一番情をはさまずに
任務を遂行できそうな冷徹さと空虚さを感じられて良かったです。
異能力者が力を制限された事の焦りも出てて良かった。
>>267のメール欄は、魔窟堂と秋穂の話などで伏線は張られていたので、問題ないと思います。
真人や貴神にはない執念だw
> もう、泣くことしかできない。
さおり人格が消えたために、発火能力が変化する展開は予想できませんでした。
式神星川……。
暴走した双葉は、ただ、ただ、無残で何とも言えない気持ちになりました。
原作からして劣等感にさい悩まされてるもんなあ。
ようやく現実に気づくきっかけができたしおり。
このロワにおけるある種の到達点に辿り着けた気がしました。
双方暴走(かつバリア付き)したために周囲にいる連中の生死の行方もわからないカオスな状況にGJ!
魔窟堂め命拾いしたなw
これからも無理せず頑張ってくださいませ。
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途切れて2年。
それでも諦めずに待ち続けていた甲斐がありましたーっ!!
あまりの歓びに初カキコです。
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待っていてくれた方には済まない思いでいっぱいです。
楽しんでくれる方がいるとわかると俄然やる気が出てきます。
>>268-269さん、
>>270さん、
ありがとうございます。
今晩と明晩で一本ずつ投下予定。
描き始めのハイテンションはここらで沈静化させるので、
以降の投下ペースは落ちると思いますが、
粘り強くゆきたいと思います。無理しないよう気をつけて。
暫くの間、お付き合い頂けたらこれ幸い。
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連日、乙です。
それでは感想を
>我も彼も
なんと!ロワ開始前ではアズと同格だと言われてた、知佳を圧倒した存在を瞬殺とは……!
透子の能力の恐ろしさを改めて認識させる描写見事です。
透子と神々容赦ないなあ……。
そして、さらば……D−01……N−13……世の中甘くなかったね。
台詞と名前を得られただけ幸運かも……てか喋れたのか!
それと管理役は辛いな智機よ……今の君は酒飲んで無理にテンション上げてるように見えるぞw
透子のお茶目さも見れて盛りだくさんな内容で楽しめました。
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やはり貴方は投稿しすぎです。バイバイさるさん。
合言葉=好きな車は?
と、言われてしまいました……
どなたか支援転載願います。
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転倒したアインはすぐさま立ち上がり、
まるで立ちくらみでも起こしたように再び崩れた。
うう、と嗚咽を漏らしながら。
なぜか顔色をバラのように赤くして。
「かーっはっはっ、けひゃひゃひゃひゃ!!」
素敵医師は狂喜した。哄笑した。
倒れ方を見ても顔色を見ても、アインの体調は崩れている。
いかような神の悪戯か。
めぐりめぐって結果としては、素敵医師の計画にどおりに
軌道が修正されていた。
「ごおおおおお!!」
腕に腕に気を込めながら駆け寄るザドゥが、
伏したアインの位置を、遂に越えた。
その顔が瞳が真っ赤に染まっているのは怒りゆえか。
迎え撃つは冷静さを取り戻した素敵医師。
まっすぐにザドゥを見つめ、迎撃の準備を完了。
(気力破壊の射程2mまで、あと……
100cm…… 50cm…… 0cm!!)
素敵医師は勝利の雄たけびの如く、技の名を叫んだ。
「気… 力… 破… 」「おっはよー♪」「壊っっっ!?」
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D−01の号砲で動いたのは3人ではなかった。
4人目がいた。
素敵医師の眼前に突如現れた金髪碧眼の女。
カモミール・芹沢。
30分という時間は気絶からの目覚めには十分だった。
芹沢の腹部には鈍痛。喉には乾き。
肉体的にはかなり弱っているにもかかわらず、
しかし、目覚めはさわやかだった。
なぜだか楽しいから。
なぜだか気持ちいいから。
ザドゥが体を張って治療に当たったものの、
残念ながらまだ、薬の影響が抜けきってはいない。
自由意志で思考はできる。
自由意志で行動もできる。
しかし、過剰な多幸感とまばゆい色彩感覚だけは、
未だ深く彼女を蝕んでいた。
アッパー系と呼ばれるクスリの効果に類似する。
もともとハイテンションな女にそれがキマる。
じっとしていられるはずがない。
だから、彼女は元気に目覚めの挨拶をした。
一番初めに目に入った、お薬をくれたいい人に。
「おっはよー♪」
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にぱっとひまわりのような笑みが突如現れ、
気力破壊の射出に失敗した素敵医師は……
「なんちゃー!? ……ひべっ!!」
当然の如く暴発した。
渦に飲み込まれるかの如く消失する素敵医師の気力。
素敵医師はへにゃりと座り込む。
「せんせ、元気ないなぁ? あははははー。
もっかいいくよー? おっはよー♪」
芹沢が素敵医師を覗き込んでにぱにぱ笑う。
肩をつかんでがくがく揺する。
素敵医師は無抵抗で無反応。
これが気力破壊の効果。
彼は暫くの間、立つことも物を持つこともできないだろう。
しかし、拳に気を込めたはずのザドゥは、
素敵医師のもとに現れなかった。
今が憎き素敵医師を屠る絶好の機であるにも関わらず。
「あれー? ザッちゃんだー。 あははははー。
おっはよー♪
……どーしたのかなー? 元気ないぞー?」
ザドゥは素敵医師の2m手前で膝をついていた。
激しいめまいと頭痛に襲われ、動けないでいた。
それはアインと同じ症状に見えた。
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現場よりやや南に離れた木陰。
式神たちが身を寄せるシェルターの奥で、
一部始終を観察していた朽木双葉が、
歌うような口ぶりでひとりごちた。
「アイン、苦しい? 気持ち悪い?
あんたらは気づいていないけどね、
それ、一酸化炭素中毒ね」
中毒にかかっているのはアインとザドゥだけではない。
素敵医師も、芹沢も。それと気づかず等しく煙を吸っている。
アインとザドゥの症状が重いのは、全力疾走したが故。
「このままでも確実にみんな死ぬ。
……でも、アイン。あんただけは。
そんなに簡単な死は与えない」
暗い笑みを浮かべる双葉のその貌、鬼女か、悪魔か。
↓
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【現在位置:東の森・楡の木広場東部】
【備考:火災に気づかない幻覚作用中】
【主催者:ザドゥ】
【スタンス:素敵医師への懲罰、参加者への不干渉、カモミール救出】
【所持品:ボロボロのマント、通信機】
【能力:我流の格闘術と気を操る、右手に中度の火傷あり、疲労(大)、ダメージ(小)】
【備考:軽度の一酸化炭素中毒】
【素敵医師(長谷川均)】
【スタンス:アイン・ザドゥ・仁村知佳への薬物投与、朽木双葉と一応共闘】
【所持品:メス2本・専用メス2本、注射器数十本・薬品多数
小型自動小銃(予備弾丸なし)、謎の黒い小型機械
カード型爆弾二枚、閃光弾一つ、防弾チョッキ】
【能力:異常再生(限度あり)、擬似死】
【備考:独立勢力、主催者サイドから離脱、疲労(小)、肉体ダメージ(小)
行動不能(気力ゼロ)】
【カモミール・芹沢】
【スタンス;???】
【所持品:虎徹刀身(魔力発動で威力増大、ただし発動中は重量増大、使用者の体力を大きく消耗させる)
鉄扇、トカレフ】
【能力:左腕異形化(武器にもなる)、徐々に異形化進行中(能力上昇はない)、死光掌4HIT】
【備考:アッパートリップ。禁断症状沈静化。中度の脱水症状だが、一応戦闘可能。
疲労(大)、薬物の影響により腹部損傷】
【アイン(元№23)】
【スタンス:素敵医師殺害】
【所持品:スパス12 、魔剣カオス、小型包丁4本、針数本
鉛筆、マッチ、包帯、手袋、ピアノ線】
【能力:カオス抜刀時、身体能力上昇(振るうたびに精神に負担)】
【備考:軽度の一酸化炭素中毒、左眼失明、首輪解除済み、軽い幻覚、
肉体にダメージ(中)、肉体・精神疲労(中)】
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【朽木双葉(№16)】
【現在位置:東の森・楡の木広場東部】
【スタンス:火災による無理心中遂行】
【所持品:呪符7枚程度、薬草多数、自家製解毒剤1人分
ベレッタM92F(装填数15+1×3)、メス1本】
【能力:植物の交信と陰陽術と幻術、植物の兵器化
兵器化の乱用は肉体にダメージ、
自家製解毒剤服用により一時的に毒物に耐性】
【備考:元・星川 幻術に集中。持続時間(耐火)=01分程度
式神たち 双葉を保護。持続時間(耐火)=45分程度】
-
以上です。
よろしくお願いします。
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支援投下します
-
9−11の3つで連投規制に引っかかりました
どなたか続きをお願いします
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(情報1/2) で改行多すぎになったので素敵医師の所持品を2段にしました
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厳しい投稿規制の中、新作乙です。
>>281さんと>>283さんも乙でした。
> おっはよー♪
この展開は予想ができませんでした。
三者を膠着させて時間を進め、D−01の爆発で長い均衡を崩し、上がったテンションをカモミールで落す。
見事な構成でした。 こんな形で素敵医師が戦線離脱するとは……その手があったかw
N−13の持ってた予備首輪と薬品もこれでロストかな?
ザドゥはキレてたけど、カモミールにとっちゃ素敵医師はまだ仲間か……そりゃそうか。
最後の双葉も薄気味悪くて良かったです。GJでした。
この度、バトル・ロワイアルの過去ログとこれまでのSSを可能な限り集め
独自に編集してHTMLで纏めました。纏めサイト風に作りました。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2373.zip.html
PASSはrowaです。
お楽しみいただければ幸いです。
それと……こちらも何か書いてもいいですか?規制厳しいけど。
-
もし要望があれば、その都度UPします。
それと本スレにアドレス張っていただいてもOKです。
現状、規制で投下できないのでそうしていただけると助かります。
-
みなさん乙です。
最新作を読んで疑問なんですが、アインは素敵医師の本名をザドゥの口からじゃなく、まりなの口から知ったはずですよ。
-
明晩、恭也を中心とした「いずれ迎える日の為に」を、
金曜晩に魔窟堂視点の「亡きエーリヒ殿に問う」を、
それぞれ投下しようと思います。
定時放送前については以上2作で打ち止めとし、
その次の投下(来週半ば予定)で放送をかける予定です。
>284さんに放送前の出来事を書かれる予定がありましたら
その旨のレスを下さい。
投下されるまで放送分の投下を待ちます。
-
>>284さん
まとめ、ありがとうございました。
前回/次回登場話に飛べたりアナザーが収録されていたりで
至れり尽くせりですね。
>>286さん
ご指摘感謝です。
本スレに修正稿を上げさせていただきます。
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修正乙です。
まとめお役に立てたようで何よりです。
現在考えてる話は放送後でも問題のない内容と思うのでかまわず先に進んでもOKです。
現在投稿できませんし、完成したらここに投下します。
今のアクセス規制の長さを考えると、代理投下スレのお世話になりそう。
新作楽しみにしてます。
>偽エンディング
力の入った良作ありがとうございます。
おかげでより創作意欲が湧いてきました。
まだ終局は先なので細かい感想は控えさせていただきますが、非常に後味のいい話でした。
>何度も上げるより、まとめサイトを作った方が良いと思う
私生活が不安定なので作れても放置になるかもしれませんが……
とりあえず十月いっぱい様子を見て判断してみます。
サイトの形式はWikiの方がいいかな?
まとめは今度の土曜か日曜にまたアップさせていただきます。
-
放置されてるのを拾う感じで日曜に放送前の話を一話投下します。
被ることは絶対にないと思います。
>まとめサイト
>284氏のをうpだけで良ければ暫定的でしましょうか?
と言っても私がまだ拾えてないので土日以降になりますが。
pukiwikiで良ければ設置はできますが、今はアットwikiがあるのでそっちがいいですかね。
-
>284氏のをうpだけで良ければ暫定的でしましょうか?
どうぞ、何らかの役に立てるなら作業の甲斐があったものです。
ご自由にご利用下さい。
ついでに最新版をUPさせていただきます。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org0782.zip.html
PASSは negi です。
2、3日で消えるのでロードはお早めに。
物語の進行と共に、素材をこれからも上げていくつもりです。
-
>>291
ありがとうございます。
ttp://d1s.skr.jp/ergr/
早速上げさせていただきました。
一部web対応にするためにファイル名とリンク等弄ってある場所があります。
オリジナルのままでなく申し訳ない。
ミスがあれば報告お願いします。
web対応の方の圧縮は、著作元は私ではないので284氏のご要望がありましたら上げておきます。
ここから先、次のレスは日曜投下予定の話の流れです。
かなり本筋を佳境に向かわせる為に動向に変化を加える予定なので、
話の枠組だけ先に上げておこうと思います。
ネタバレを好みたくない方はこの名前をNG指定にして下さい。
そのための被らないような適当な名前ですw
-
登場キャラ:智機、プランナー、ケイブリス。番外で透子
プランナー接見
智機、プランナーに要求を蹴られ、己が駒であることを自覚し、機械であるはずなのに少々情緒不安定になりだす。
代わりに透子の能力の使用禁止(プランナーが協力している部分で)
ゲームの成功のために協力しないのだから、透子にも協力するな。と無謀にも突きつける。
プランナー、受け入れる理由も利益も自分にはないが、智機のもがく姿に何かを見て気まぐれに受け入れる。
以後、透子の『読み替え』の能力でプランナーに許可を求める程大きく変化させるものは行使不可に。
ここまでが前編。
後編ではケイブリスとの会話とスタンスの変化していく有様と説明。
「運営としてゲームを終わらせる」から「運営の立場を利用して願いを叶える」という形にスタンスへと変える予定です。
今までは『駒』として「運営を行なう」だったものからの変化で、今後は運営に課せられた最低限のルールさえ守れば願いかなえるためには何でも有り
(といっても既に何でも有り的なスタンスでしたが、最後の壁を取っ払った感じでしょうか?)
内容は。
「というわけでもう遠慮せずザドゥ殺っちまえ」「殺るにしてもどう殺すか」「内輪で処理では戦力の減少になるし、隙をつかれる可能性が」
「あの手この手で対主催チームを・にぶつければあっちの戦力もダウン、ザドゥが勝ってもそのバンバンザイ」
「透子? 邪魔するならザドゥと同じようにする」「残ったヤツラで無理矢理にでも殺し合いさせればいい」
という会話と彼女の考えで閉める予定です。
前編は日曜予定。
後編は完成しなければ放送後でも可なので来週末、
時間が取れないと再来週とかに伸びるかもしれませんが……頑張りますorz
-
>>292
まとめサイト設立ありがとうございます。
オリジナルのままでもOKです。
形になっただけでも嬉しい限りです。
最新話分も含めて、今度の日曜日の昼頃に新素材をアップさせていただきます。
それと>>293の展開は私は構わないと思います。
>いずれ迎える日の為に
細かい仮想戦闘描写見事でした。恭也の実力を再確認。
神速抜きでも尋常ではない強さが伝わってきました。
恭也と紗霧のやりとりも緊張感があって面白かったです。
紗霧の黒さも再確認でしたw
-
本スレでの支援感謝です。
>>a154siyedさん
内容の件了解です。
これを受けて、次回投下予定の定時(から5分遅れ)放送話は
>>293前編の裏イベントとして(メール欄①)をやろうと思っております。
それと、後編は放送後でお願いしたいのですがよろしいでしょうか?
よろしければ放送話を来週半ばに投下したいと思います。
-
新作乙です。感想はまた後日。
今度の月曜日までを期限に一本SSをここに仮投下したいと思います。
問題が無ければ本スレに投下します。
登場キャラはユリーシャ、まひる、ランス、ほか1名。
今回の話の前の時間の出来事ですが、放送直前に黒幕サイドの誰かのモノローグを入れる予定です。
間に合わなかった場合は没SSとして投下します。
放送話の件、了解しました。
-
大変遅れてすいません。ようやく完成しました。
予定の内容より大幅に削る羽目になり、まひるとユリーシャの会話の繋ぎのみになってしまいました。
このレスの後に仮投下し、明日の夜に少しばかりの加筆をした後に本投下します。
先に感想と更新分の素材をアップします。
> 亡きエーリヒ殿に問う
魔窟堂って、ランス達の会話聞いてたのね。
タイトルからしてしんみりとした回想話を期待してたのに、見事に予想を裏切られました。
そして期待以上に面白く笑える内容でした。 じじい……余計な事に気づきやがってw
用心?のためにユリーシャの所持品を隠匿した紗霧の方にもとばっちりが行きそうで、先が楽しみな展開でした。
智機といい、キャラ独自の描写上手いです。
今回は主に本編SSの目次と最新話関連を更新しました。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4660.zip.html
パスは rowa です
以前上げた、同名のファイルに上書きしていただければ更新できます。
-
本スレ >>280
(二日目 PM5:45 西の小屋内)
仮眠を取っているランスとユリーシャを尻目にまひるは窓に手をかける。
窓を開けると涼やかな風が屋内に流れ込んで来た。
木々の隙間からは夕日の暁光が流れ込む。
紗霧は恭也に呼ばれ小屋の外に出たままだ。
まひるは側に置いている地図を手に取ると、それを再び覗き込みこう小さく呟いた。
「ここって地図に載っている小屋じゃないよね」
今、一行が滞在している小屋は参加者に支給された地図に描かれていない。
現状、地図に描かれている小屋は、生存している参加者中しおりを除いて確認していない。
まひるは地図の載っていない建造物の存在を疑問に思った。
だが主催者の基地の位置が記載されてない事を思い出し、ひとまずその疑問を心の隅に追いやる。
-
「行って見ようかな?」
魔窟堂が戻って来たら、地図に載ってある小屋の探索を提案しようかなと思った。
不意の襲撃等に備え森内の様子を少し把握したかったし、自身の好奇心もあった。
もっとも多かれ少なかれ危険な場所なのはわかっているので、反対されればおとなくしく引き下がるつもりだ。
まひるは思考を一旦打ち切ると、何気に天井を見上げた。
新しくもないがそれほど古くも見えない白い壁。それを照らす夕日。
日照りの色彩を見てまひるの気持ちは少し沈んだ。
もうすぐ放送だろうか?
「…………」
昼の放送時における参加者の生死も心配だが
死んだ参加者の遺族のその後も、まひるにとっては心配だった。
この島が作られた島でなければ、遺族の何人かには行方を伝える事ができたかも知れないのにと思う。
タカさんには姉がいたけど……と思った時、気配を感じ、まひるはゆっくりと振り向いた。
-
「て……まひるさん?」
寝起きのユリーシャだった。
「どうしたの?」
「いえ……何をなさってるのかと」
ユリーシャは遠慮がちに尋ねた。
「んー……この地図の事」
地図を片手でばたつかせながら、間延びして応える。
「気になる事があったのですか?」
「そうそう。 この小屋って地図に載ってないよね」
ユリーシャはその返答に眉を潜めたが、彼女にも思い当たる節があったようでこくりと頷いた。
「
主催もこの小屋の事を知らないのでしょうか?」
「それだったら、ちょっとラッキーかもね」
その言葉を皮切りに2人は地図にある施設についての議論を始めた。
記載されてる小屋の探索も彼女に提案したが、6人が出揃ってからって事で結論が出た。
「姫さんはどこの国に住んでるの? あたしはねー……」
議論がが他愛のない世間話に移行した。
まひるは学校での出来事を主に、ユリーシャは祖国にいる侍女や収穫祭の事を話題に出した。
-
「あの、まひるさん……話題を変えて悪いのですが、お聞きになっても構いませんか?」
「? どうしたの」
互いに少し緊張しつつ彼女は尋ねた。
「ランスさまと恭也さんは何をお話になっていたのでしょうか?」
「……」
返答に困った。
先に思い浮かんだのはあの時、彼女がランスに尋ねた時に「お前には関係のない事だ」とにべも無く返したところ。
ランスと恭也の会話の一部始終は、魔窟堂らと同じくまひるもすべて聞き取れていた。
秋穂と言う人物名を交えたランスと恭也の会話は短くも重く、悲しい空気が流れていたのも感じ取れていた。
「……どう答えていいのかわからない」
「え?」
「あの時、ランスは姫さんと……多分、恭也さんも気遣ってたみたいだから言いにくいや」
「私と……あの人をですか?」
思わぬ返答にユリーシャは戸惑い、それを遮るようにまひるは言葉を続けた。
「それに、これまで2人の間に何があったかわからないから」
「……それは」
ユリーシャは何とか問いただそうとするが、何かに気づいたのか顔少し俯かせた。
「……私は恭也さんの事、訊かされてませんでした」
「何で教えてくれなかったんだろね」
まひるは両目を閉じ、困ったように呟き、ユリーシャも曖昧に笑いながら返す。
-
「知らない方が良いのでしょうか……」
「ランスから先に話してくれるのが良いと思うんだけどね」
「……………………」
ユリーシャはしばし考え込んだ。 そして、まひるに目を向け言った。
「……それでも、少しだけでもお教えいただけませんか?」
「いいの? ランスは……」
「…………」
不安げにユリーシャの手が硬く握られる。
手に汗がにじみ出るのを自覚しながら、ユリーシャは言った。
「ランス様からの口から……いつかお聴きします」
「そっか」
まひるはそう言い微笑んだ。
ユリーシャはそれに会釈で返すと、脱力したように息を吐いた。
そして開いた窓を見る。陽の赤みが濃くなったように思えた。
まひるは歩み寄り、ユリーシャの背をぽんと叩いた。
「?」
「彼氏を起こしに行きなよ」
ユリーシャは戸惑ったが、その言葉の意味に気づき「ええ」と微笑みながら
仮眠を取ってるランスの方に行った。
ほぼ同時に紗霧が戻って来るのを気配で感じた。
まひるは窓から身を乗り出し、風景を眺めながら考える。
ランスとも話をしてみようかな、と。
↓
-
【グループ:紗霧・ランス・まひる・恭也・ユリーシャ・野武彦】
【現在位置:西の小屋】
【スタンス:主催者打倒、アイテム・仲間集め、包囲作戦】
【備考:全員、首輪解除済み】
【ユリ―シャ(元№01)】
【スタンス:ランスを中心にグループに協力】
【所持品:ボウガン、スコップ(小)、メス1本、指輪型爆弾×2、小麦粉、
解除装置、白チョーク1箱…は紗霧に隠されてます】
【能力:勘が鋭い】
【備考:疲労(小)、紗霧に対して苦手意識】
【広場まひる(元№38)】
【スタンス:智機以外の相手との戦闘はなるべく避ける。
グループが危険に晒されるなら、応戦する
島からの脱出方法を探る、機会があれば西の森を更に探索してみる】
【所持品:せんべい袋、服3着、干し肉、斧、救急セット、竹篭、スコップ(大)
携帯用バズーカ(残1)、タイガージョーの支給バッグ(中身は不明)】
【能力:身体能力↑、????、怪力、爪、超嗅覚・感覚、片翼、衝撃波(練習中)使用】
【備考:疲労(小)】
-
仮投下終了です。
時系列的には前話より前なので、次の更新では話数を入れ変えた方が良いかもと考えてます。
問題なければですが。
-
何かNGワードでここに上手く書き込めない……。
>>304
乙です。
小屋は既存のmapにある小屋跡とは別に西の森にあるもので地図に載ってないということでおkでしょうか?
読み返してると小屋いっぱいあってワケワカランになってしまってw
-
はい、OKです。
東の森と西の森にはそれぞれ一件ずつ、地図には載ってない小屋がありました。
-
『頭が痛い』
もし生身の肉体を持つものならば発せられたであろう言葉の示すものに智機は襲われていた。
(違う。所詮、これは行き場のない答えの出ない複雑な演算処理によるもの!!)
椅子を掴む手に力が込められ、ギリギリと機械が軋むような音が聞こえる。
(No.16朽木双葉、No27しおりの確保はこれで不可能!! ザドゥに至ってももはや今からでは此方からは間に合わん!!
素敵医師もカモミール芹沢もどうすればいいというのだ!!)
己の目論見が完全に潰され、智機はやり場のない怒りに襲われていた。
(おのれ、おのれ、おのれ、おのれ、おのれ、おのれ、おのれ!!)
口惜しい。
今、彼女を支配している『感情』は紛れもなく『怒り』であった。
(透子のやつめ!!)
忌々しく、思考の中で智機は先の会話をリピートした。
『主催者の命は、ゲームの進行を妨げてまでして
守るものではないのですね?』
『最初からそういってる』
―――ゲームの進行を妨げてまでして主催者の命を助ける理由がない。
確かに、彼女の言わんとする理は適っていた。
ゲームの進行とは別のところで運営陣同士の派閥争いが起きようが、
その結果殺害が起きようが、ゲームの進行さえ遂行されれば良いというのだ。
ザドゥが素敵医師を制裁しようとしても透子が止めようとしないのはそういうことだ。
参加者が参加者を殺すために広範囲にわたる攻撃を行なった際、近くにいた運営者が死ぬことになっても助けてはいけない。
それは近寄った運営者が悪いのであり、運営者を助けようとし、そのためにゲームの妨害をしてはならない。
つまり、その場にいる運営者の自業自得なのである。
-
(そんなことは解りきってる!! だが!)
尤も、それは先刻までの話だ。
既に運営者も舞台に引き上げられてる以上、降りかかる火の粉を払わねばどうすると言うのだ。
この後に及んで、素敵意思、ザドゥ、カモミール芹沢ら運営陣の巻き込みも狙いに含まれていたとしても。
双葉がアインを殺そうとしている意思がある以上、そちらが優先されるべき。
と言うのである。
双葉の行為は、確実に巻き込みを狙っている。
森の中にいる彼女が彼ら運営陣を気づかぬはずはないのだ。
しかし、その意図が明らかに見えていたとしても、それは智機のサイドからすれば確定の弁が取れているわけではないのだ。
即ち、透子はそれをもってして過剰な介入と警告を発した。
あくまで彼女は、
「仲たがいを起こし、このような結末を引き起こした運営が無能であったのであり、それは『上』の命令規定から外れたものではない。
よって、『上』の意思の元である」
と宣言しているのだ。
チェスの駒は決まった動きしかしてはいけないというのである。
それ以外が許されるはずがない。
しかし、智機はプランナーへの連絡権を与えられている。
プランナーとしても出来る限りゲームは成功させたいという意思があると彼女は思っている。
-
では、
―――主催者がゲームの進行を手助けするのは是非か。
先の智機の真の意図は此方だ。
素敵医師の介入が実力行使で止められなかったのは『ゲーム内を引っ掻き回すこと』ではあっても『ゲームの進行を妨げる』に抵触しなかったからだろう。
彼は、徹底的に参加者同士が争う為の混沌とした場を提供する道化師を演じつづけた。
参加者同士の殺し合いを煽るという結果の方が副産物と言えど、素敵医師の行動はその結果を生み出している。
つまり、ゲームの遂行を妨害しない行為は、先の運営陣同士の仲違いも、進行を加速させる行為も、許されるのだ。
度重なる警告に従わない首輪を外した反乱者を殺すのも、参加者の確保も、許されるのである。
―――はずなのである。
透子が智機の真の意図に気づいていないとは考えにくい。
仮に気づいてないのだとしても、それは言葉の警告で事足りた筈だ。
分機の破壊まで行なうのは、過剰な行為ではないだろうか。
つまり、気づいてないのだとしたら、運営者同士の仲違いだ。
己の力を誇示し、智機の力を削ごうとしているのであり、お互いに牽制しあっていた状態を崩すと明言しているに他ならない。
ならば、智機サイドによるルールに乗っ取っての透子への攻撃も許すと彼女は誘っているのかもしれない。
気づいているのだとしたら……。
反乱者への処遇を行なう間、参加者達を保護するのは一時的とはいえ、参加者同士のゲーム進行を妨げることであり、妨害に抵触するというのか。
だが、それが阻害になるのなら、かつて素敵医師も散々似たようなことをしている。
しかし、今は違う。
反乱者達が運営者を倒してしまい、反乱者達と参加者達が残りどちらが勝とうと『上』が新たに提示した達成条件はクリアされる。
参加者が自滅し、反乱者が残り運営者達と戦おうとも許可されるのだ。
-
つまりそれは……
―――ゲームの終了が運営者による反乱者の始末の場合は、運営陣に課せられた条約は達成されていない。
ギリッ!!
智機の椅子を掴む力が一段と強くなった。
これでは、ザドゥが何と言おうと最初から素敵医師のように積極的に介入すれば良かったのだろうか。
いや、過ぎたことを思考しても仕方がなかった。
では、もはや運営者達は運に身を任せるしかないということを透子は言っているのか。
だとしたら、これでは何のための契約だったか解らない。
透子の願いとは運次第で「適えばいいや」という気軽なものなのか。
彼女は諦めた気持ちでいるというのか。
(もはや猶予はない……)
透子の意図は測れない。
彼女に問い掛けたとしても返ってくることはないだろう。
(やるしかないか……)
ケイブリスとの会話で浮かんだ案、それがあってもギリギリまで粘ってきた。
無能者という烙印を押されたくないが故に。
しかし、問い掛けることが無謀だとしても己の願いに関わる譲れない一線である。
答えが解っていようとも賭けるしかない。
『上』が契約をどう捉えているのかを確かめるためにも。
『上』のゲームを成功させたいという意思は何であるのかを。
このゲームの真の形を確信させるためにも。
―――プランナーへの接見を。
-
【主催者:椎名智機】
【現在位置:本拠地・管制室】
【所持品:レプリカ智機(学校付近に10体待機、本拠地に40体待機 、6体は島中を徘徊)
(本体と同じく内蔵型スタン・ナックルと軽・重火器多数所持)】
【スタンス:ゲームに関わる認識の再構築】
【能力:内蔵型スタンナックル、軽重火器装備、他】
-
久しぶりに本腰入れて筆取るとこれだけの量に一日費やしても足りないとかどんだけ腕落ちてるとorz
前編後編の予定でしたが、予想以上に智機の思考フェイズが長くなったので
これを前編として、接見が中編、ケイブリスとの会話と智機がどう変わりどう動くかを書く話は後編の三部作になってしまいました。
申し訳ない。
問題なければ明日にはスレに正式投下します。
>>295
後編の件、了承しました。
三部作になってしまいましたが、特に支障はないですので、気にせずそのまま予定通り放送行なってくださいな。
-
あ、やば。
ネタバレが含まれてるからNGID対策の名前と余白をつければよかったorz
何やってるんだ自分は……
ネタバレを見てしまった方には重ね重ね申し訳ないorz
-
これから、昨日仮投下したSSをタイトル「あの頃の感覚」に変えて本投下します。
-
投下終了しました。
いつになったら規制は解けるんでしょうか?と思いつつ投下。
本来は島民の行方を示唆する内容でしたが、推理できそうなのが知佳だけなので没にしました。
メール欄で考えちゃいるんですけどね
>>307-311
新作乙です。内容に問題ないと思います。
感想は本投下の時に
次の素材は地図を作る予定です。
参加者配布用と更新中の地図を。
-
>>315
投下乙です。
見ていなかったときで支援できず申し訳ない。
島民の行方があるってことは、この島は海の小さい大陸(ルドラサウム大陸の小さい海だけ版?)だけ作って既存のどっかの島をその上に持ってきたってことになりますね。
メル欄に関しては、メル欄で否定的で申し訳ない。
素材つくりもいつもありがとうございます。
-
いえいえ、どういたしまして。
島民についてはメール欄のつもりだったのでその内、参加者の誰かに質問させれば問題ないかと。
あとあの島は、21話と96話によるとグレンコリンズの世界から持って来たみたいです。
-
次回投下予定の「第七回放送 PM6:05」ですが、
>>284さんの 黒幕サイドの誰かのモノローグ と
>>a154siyedさんの 中編 の投下終了後に上げようと思います。
>>284、a154siyed 両氏
ちとご相談です。
当方、ごく初期にこのロワに参加していただけなので、
最近のここや他ロワの流儀がイマイチ判っていません。
1.前日までに投下宣言
2.宣言日に本スレに投下
の2ステップでOKという当時の感覚でいるのですが、
もし必要なら足並みを揃えて
1.投下宣言
2.仮投下
3.問題なければ本スレ投下
の手順を踏もうかとも思っています。
お手数ですがご意見のレスをお願いします。
-
>>318
私も最近の他ロワはもうここと全く流儀が違うようなのでそっちはチンプンカンなのですが、
総合検討の前スレだかに終盤ということで被らんようにするためと足並み揃えるために
執筆予定の作品に登場するキャラ、またはどんな感じの話かはメル欄なりで先に言っておこうかみたいな流れにはなってたので
それに従ってる感じです。
仮投下は別に義務ではないと思いますが、自分は足並み揃えで行なってるだけなので気にせずに。
-
それでいいと思います。
そうしていただけると、本編に組み込みやすいので助かります
合作形式はごく一部の他ロワでもあったと思いますし問題ないかと。
こちらの想定してる黒幕サイドが登場するSSはメール欄です。
時系列は放送前後で考えてたものですが、アイン達は絡みません。
多分、明日の夜8時までに仮投下できると思いますが、遅れた場合は構わず先に進んでOKです。
結構、内容の修正は利くと思うので大丈夫だと思います。
-
投下終わりました。
>>318
中編は日曜投下予定になりますが、よろしいでしょうか?
此方の都合で予定が遅れてしまうことになるので、まずければ気にせず投下して下さい。
中編に関して、相談したいネタがあるので、ネタバレを恐れる方は例の名前を再びNGワードにして下さい。
-
>>319-320
レス感謝です。
私も仮投下を行うことにします。
-
回避用空白
異界ゲートは特異点へのゲート。特異点=各世界へ繋げる為の中継地の空間=ルドラサウムやプランナーもそこのどこかにいる。
智機の管制室の下に異界ゲートが一つあり、管制室から物理的に行くことが可能。
その異界ゲートはプランナーのところへと繋がってる。
というものです。
一応、192話の
>「鏡」は彼が異世界を観賞し、時には干渉し、時にはその世界の
>生きる者、又は物品をこの世界に召喚する為の「門」。
からきてるものです。
別にルドラサウムが覗けるのが四つしかないではなく、島から向こうへの通行路の「門」は四つしかないという感じです。
まだ先ですが、ルドラサウムのいる空間から自分達の世界を映してる門をくぐれば帰ることは可能というネタも考えてはいます。
まずければ、普通にプランナーらのいる空間に繋がってるゲートが管制室の下にあるだけで済ませるので、不都合があればお気軽にご批判下さい。
いや、異界ゲートをくぐればくぐった人の世界に帰れる便利ドアではツマラナイカナトオモッタノデ(ガッ
-
とりあえず書き終わったので試験投下します。
-
〜カオス〜
(二日目 PM5:58 東の森・楡の木広場)
切っ先を地面に突き立てられた状態の黒い魔剣カオスは、現在の己の境遇を嘆いた。
現所持者であるアインに置いていかれたのが原因ではない。
原因は自らに起こった変化によるものだった。
<ぐっ……心のちんちんが出んのう……>
我が身こそ剣の形になってるものの、いつもなら心のちんちん――オーラーの触手のようなものを
発現させることができ、ある程度の自律行動を行えるはずだった。
だがここに来てからはまったく発現できそうになかった。
これまで森と廃村とこの場で3度自律行動の試みをしたが、ここまで力が出せないとなると一旦諦めた方が良いとカオスは苦渋の判断をし、
意識をこの場の戦闘の分析に切り替える。
背後から流れる黒煙をものともせず、茂みの向こうに聳え立つ巨木に目を向け考える。
巨木からは生命エネルギーによる威圧が、茂みの向こうからは強者達によって放たれる緊張が、背後からは熱が、
地面からはかすかな違和感がそれぞれ感じられる。
アイン達はいつ動く? カオスはそう思いつつも巨木に再度目を向けた。
-
(…………動かないのではなく、動けないのか?)
発火元はあの幼女だろうが、巨木から感じられる威圧感からしておそらく女術者は健在。
だが火と煙をこのまま放置すれば、半ば枯れた木々を中心に燃え広がり、
自分や発火元の人外の幼女はともかく、強くても人間であるアイン達は命の危険に曝される。
この威圧感が何らかの術の発動によるものだったら、足止めが目的か?
<しかし……>
確かに女術者の目的はアイン殺害だった。
だが、時折幼女をかばいながらの戦い方を見る限り、まったく手段を選ばないタイプとは思えなかったし、
それに加え自身は隠れて戦っていた事から、己の命も捨てる気がないのではなかったようにも思えた。
さっきまでと様子が違う。
火災を放置した上で、これだけ広範囲に力を振るえば、維持に何らかの代償を払うはず。
森林火災が広がりきれば、術の媒体元であろう巨木は燃え落ち、離脱は困難。
自他ともに巻き添えを食らわせる事前提で行動してるとするなら、カオスが出す結論は一つだった。
<……壊れたか>
幼女と術者を仲違いさせ、戦闘から離脱した前後の三者の様子を思い出す。
-
術者は泣いてるように叫んでいた、幼女は狂って笑っていた、アインは――あの時はらしくもないと思ったが
何か落ち込んでいた。
もしあの時――2人を死に追いやる行為ではなく、心を壊してしまう行為を行ってしまった事をアインは嘆いていたとしたら。
<……こりゃあ、共倒れになるかも知れんな>
幾人もの狂人、惨劇を長年見続けていて、なお自らも武器としてそれに深く関与してきたカオスには、アインの冷徹な行動を非難する主義や思考はない。
術者――双葉にも同情・共感する部分はあれど、使い手がアインである以上、直に対面するまでは武器として扱われるのみ。
ただし、カオスは実は双葉にも興味があった。
もし対面した際に双方に話しかける余裕があったら、アインと双葉と交渉(9割方決裂覚悟だが)するつもりだった。
だが、アインも双葉も目的達成の為なら、己の命や主義さえも厭わなくなっている。
互いの自棄が無自覚ならともかく、自覚しつつやってるなら、尚更厄介だ。
そしてカオスが魔剣化してから、これまで見てきたこの手の復讐劇の結末は大抵双方破滅。
<もったいない>
カオスはため息をつくかのように目を閉じ、地面からの発せられる違和感を感じつつ向こうを注視し続けた。
-
〜ルドラサウム〜
《キャハッ、キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ……》
ここは無数の『門』が散らばる異空間。
どこか歪な子供のような笑い声が木霊している。
球状のモニターの一つに写っているのは、先ほど透子によって爆破された真紅の機械人形の残骸。
白鯨の姿をした声の主ルドラサウムは紅い双眸をソレに向けて笑い続けていた。
ひぃひぃ……と笑いを噛み殺しながら、ようやく言葉を発する。
《駄目じゃないかぁ、智機くん。ザドゥくんや双葉ちゃんのお邪魔をしちゃ。
途中までいい線突いてたけど、終わってからにしておくべきだったよねっ。 きゃはははははは!》
創造神があの場の智機に対して期待してたのは、乱入した他の参加者との対応や、
ザドゥらの戦闘後における生存者への対応であって、戦闘の介入ではない。
もし透子がフォロー?しなければ、この事についてプランナーと会話するつもりだった。
彼は笑いを止め、楡の木広場の方に更に注目する。 其処から流れていく思念に更に充実感を覚える。
《このままだと凶のしおりちゃん除いて全滅かな? それもいいけど、ちょっともったいないかな?》
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そんな彼の言葉とは裏腹に不満はまったくない。 あくまで面白おかしく成り行きを見るまで。
向こうで苦しみあえぐザドゥとアインを見て口元を歪ませながら、彼は式神星川の事を考えた。
《もうすぐ消えそうだけど、『彼』はここに来るのかな?
それとも、まだ消えないかな?》
双葉によって道具にされる前、苦しみながら身体の中から木の枝を数本出して、地面に埋めていたのを思い出す。
今となっては何がしたかったのか解らないが、どちらにせよその内それも火に焼かれ消えるだろう。
とりあえず、気にしないことにした。
《そういえば、ボクの世界でもここには来ない固体が幾らかあったね。 やっぱり、来ないかな》
彼は次に火災の中心部であるしおりに注目する。
先程と違い、純粋な悲しみの感情しか流れて来ないがこれも悪くない。
それを味わいながら、彼はアズライトら既に死亡した参加者の事を思い、考えた。
そしてある事を再確認し、彼の目線がやや上を向いた。
《……まだ、来てないね》
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彼の白い巨体がわずかに身じろぎした。
必要と思い、次に舞台の生存者の大まかな動向と性格を分析する。
ゲーム終了後の事も想定に入れて楽しむ為に考える。
《そのままでもいいけど、後でしちゃうと締まりがないかな?》
終了後における後始末は何もプランナーだけが行うことではない。
創造神である彼も多かれ少なかれ作業に携わらなければいけない。
彼の『世界』でもそう珍しくない現象がこの舞台にも発生した以上は特に。
それは最初に選択肢として入れていた『終了後に参加者ごと島を破壊する』行動を取るにしてもやらなければならない作業だ。
《ゲームの勝者には、望み通りの褒美をやらなくちゃね》
愉しげな色を滲ませた彼の右目は、ある『門』の一つに向けられたが、また視線を楡の木に戻す。
すべては広場での戦闘が終わってからだ。
《恭也くんは残るかな? 多分駄目だろうけどしおりちゃんも残るかな?》
歌うように楽しげに歪な考えを口に出す。
広場での戦いは膠着してるようだが、いつ動き出すか解らない。
その間に彼は方法を考える。時刻はまもなく午後六時。
六時になったとほぼ同時に案がひらめき、口に出した。
《そうだ》
↓
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ここで必要か不明だけれども支援
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仮投下終了です。
>>331さんありがとうございます。
問題があればその点を削り、明日か明後日に加筆したのを本投下する予定です。
問題点かも知れないカオスの違和感の正体はメール欄①と考えました。
式神星川のはメール欄②のつもりだったのかなと思い描写しました。
採用されても②は今後放置しても問題ないと思います。
ご意見待ってます。
>>323
>歪な盤上の歪な駒
新作乙です。投下に気づかず支援できずに申し訳ない。
智機の殺スリストの一位には透子が入りましたかw
前半の反動からか身内に振り回されぱなしでちょっと不憫に感じさせる描写は中々良かったです。
この分だと鬼作の時も相当焦ってたに違いないと思い、彼女への見方が更に変わりましたw
スタンス変更への理由付けも自然でした。
明日か明後日に地図更新とは別に、素材全部をアップする予定です。
可能ならば放送まで入れる予定です。
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ご存知でしょうが、今回のルドラサウムの目的遂行内容はメール欄のつもりで書きました。
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>>332
消えてたorz
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>>332
お疲れ様です。
ルドラサウムはゲームを気にする方でしたか。
ゲーム気にしてるのはプランナーの方で、一部参加者を誘ったり土台作ったりとかしてるようですが、
基本的にプランナーの用意してくれた箱庭を見て楽しんでるだけで、楽しければ結果オーライ主義だと思っていました。
それを前提にして>>293の内容での行使不可等を考えていたのですが、
このままだとプランナーが行使不可をしたこと等に関して、ルドラサウムがプランナーに「何してるんだ?」と説明を求めると思うので
中編後か後編終了後にルドラサウムとプランナーとの会話で、プランナーとルドラサウムの会話(主に納得させるための)シーンを入れようと思いますが
ルドラサウムのスタンスを変化させてしまっても考えている展開等の都合は大丈夫でしょうか?
必要なのでしたら、今考えてる中編のプロットの方を考え直してみようと思います。
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補足で。
スタンスというより、そのことや智機がこれから起す行動に関して「まぁ、楽しませてくれるならいいよ」と言ったくらいの感じになると思います、多分。
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レスどうもです。
今回のルドラサウムはゲームの運営を気にしてるて言うよりも
>>333のメール欄も含めて「そうした方が面白そうだから」て思考のつもりで描写しました。
よって>>293の行使不可の理由付けにも影響がないと思ってました。
手間をおかけしたようで申し訳ない。
なのでスタンス変更等については、まったく異論はありません。
無論このまま進めてもOKです。
それと、こちらのSSを放送より先に投下してもいいでしょうか?
もしよければ連絡確認後、早くて夜7時くらいには本投下を始めます。
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>284さん
>>337の投下の件了解です。お待たせしてすみませんでした。
放送話は智機接見編の投下の後、仮投下したいと思います。
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推敲と修正が終わりました。
タイトルを一部変更して、これから本投下します。
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本投下終了です。
新素材のUPはは明日の夜か土曜日の夜になりそうです。
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