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【場】『自由の場』 その4
1
:
『星見町案内板』
:2025/06/01(日) 18:30:49
特定の舞台を用意していない場スレです。
使いたい場スレが埋まっている時や、
現状スレのない地域での場活動にご利用下さい。
町にありえそうな場所なら、どこでもお好きにどうぞ。
34
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/07/19(土) 18:49:42
>>33
いつの間にか一匹のラッコがついてきた。
同じ絶滅危惧種として何かを感じ取ったのか、
それとも見たことのある人間がいたからか。
ともかく甘城の隣にラッコがいる。
────ポロッ
「ミャッ」
ポケットから落ちた『わさびマスコット』を拾うラッコ。
わさびが名物の『S県I市』で売られているお土産の一種だ。
何故それを持っているかは、甘城なら分かるかもしれない。
35
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/07/20(日) 21:31:23
>>34
やはりこのラッコ、同一個体か
どこにでも湧いてくるラッコだな
うなぎの代用というと、
うな次郎なんかが有名だろう
かまぼこをうなぎに似せる技術は凄いが、やはりかまぼこはかまぼこだ
けど、今食べてるのはうな次郎じゃない
じゃあ何か?
うなぎの代用魚として注目されているのはナマズや秋刀魚なんかが有名だ
でもナマズはナマズだし、秋刀魚は秋刀魚
うなぎのタレかけたところでそれはうなぎのタレ味のナマズと秋刀魚でうなぎとは程遠い
ヤツメウナギなんか最近は希少で下手すりゃうなぎより高いしそもそも魚類ですらない
もったいぶってないで何食ってるんだよっていうと、それは
デ ン キ ウ ナ ギ
バチバチィ!!!
これは凄いぞ!!!
刺身を食べると口の中に電気が流れるような衝撃が走るッ!!!
死して尚放電しているかのようだ!!!
そして意外な事に、蒲焼はちょっとぶよぶよしてるが
脂身が多くて結構旨味が強い
これは代用魚としていけるのではないか!?
問題は、値段が高い事だが
「それで、参院選どこに入れた?」
ラッコとともにデンキウナギを食しながらそう話しかけるあま公
選挙において1票を笑う者は1票に泣く事になる
国民の持つ1票の力は強大だ
わけのわからない政党を当選させないためにも、国民は真剣に投票する政党を考えなければならない
36
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/07/20(日) 23:52:21
>>35
ラッコは他の海獣と比べて小型であり、皮下脂肪が少ない。
そのため、1日の間に体重の25%に匹敵する食料を摂取することで、
生存に必要なエネルギーを確保している。
これも、その一部と言えるだろう。
ハ ム ッ
「 ミ ャ ッ 」
ビリビリビリビリビリィッ
刺激的な味わいの刺し身に反応し、感電したかのように全身の毛を震わせるラッコ。
下敷きでこすったみたいに、ところどころ逆立っている。
本当に放電しているかどうかは定かではないが――。
「ミャー」
ズオォォォォォッ
不意に『ミニボート』が現れたかと思うと、同時に『ラジオ』から、
アナウンサーの声が『スタンド音声』で流れ始める。
《………………投票が行われた参議院選挙、
S県の選挙区では2議席を巡って7人の候補者が立候補しました。
現在の投票率は59.35%、ここからは最新の開票状況をお伝えしていきます》
ラッコには住民票も参政権もなかったが、
ちょうど選挙速報にチャンネルが合っていたようだ。
アナウンサーは淡々と原稿を読み上げていき、やがて一通りの発表が終わった。
どのような結果だったかはラッコが知る由もない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♫
一区切りついたところでチャンネルが変わる。
スピーカーから流れてきたのはアコースティックギターの音色だった。
『take me home, country roads』――『カントリー・ロード』とも訳され、
日本で最も知られているカントリーミュージックの名曲。
37
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/07/21(月) 21:07:05
>>36
「おぉ〜、ガンガゼみたい」
海の生き物で棘があるんだから実質ガンガゼだろう
そっと逆立った毛を触ってみる
本当にガンガゼだったら死ゾ
>ここからは最新の開票状況をお伝えしていきます
「あーあ、お前がちゃんと投票してればこんな事にならなかったのに」
どういう結果になったのかは語られないが、
投票に行かなかったラッコに文句を言うあま公
だからラッコに参政権は無いっつってんじゃねえかよ
> 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♫
カントリー・ロード
故郷へかえりたいという曲だったか
海の日だし、ラッコも海に帰りたいと思ったりするんだろうか?
「潮汁ならあるけど」
潮汁は海を思い出させる味だ
デンキウナギの肝も入ってるぞ
ラッコが飲むかは知らないが…
38
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/07/21(月) 23:02:00
>>37
逆立った毛に触れると、きめ細やかな感触が伝わる。
かつて高級品として乱獲されたラッコの毛皮は、
哺乳類の中で最も密度が高く、とても柔らかい。
幸い、突き刺さったり毒を盛られることはなかった。
テト テト テト
「ミャア」
デンキウナギ入りの潮汁に口をつけるラッコ。
そこはかとなく漂う潮の香りが、ラッコの郷愁を誘ったのかもしれない。
人間に合わせた調理法は、多くの野生動物にとって塩分過多になってしまうだろう。
しかし、海上で生きるラッコは腎臓が発達しており、
海水を飲んで水分補給できる特性を持つ。
現在このラッコは陸上にいるものの、
生来の機能は損なわれておらず、潮汁も飲むことができた。
「 ミ ャ ッ 」
ビビビビビビビビビビビビビビビビィッ
デンキウナギの肝を食べると、あちこちの毛がフワリと跳ねて、
別の生き物のような姿になるラッコ。
コン
コン
コン
いったん落ち着こうとしたのか、
ポケットから取り出した石と貝殻を打ち合わせて『音を立てる』。
39
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/07/23(水) 21:19:31
>>38
ラッコがビリビリになりながら潮汁を飲む姿を
珍獣を撮るかのようにスマホで写す
実際珍獣だし
「デンキウナギがいけるならカツオノエボシもいけるんじゃない?」
デンキウナギの発電器官を喰らいながらラッコに言った
カツオノエボシ、別名デンキクラゲ
デンキクラゲというが電気を発しているわけじゃなく、
刺されると感電するかのような激痛を感じるからだ
デンキウナギがいけたからっていけるわけがない
> コン
「けっこううるさい」
こう、コンコンと音を立てていると火の用心の拍子木みたいだ
40
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/07/23(水) 22:39:49
>>39
猛毒のカツオノエボシも、適切な調理を行えば、一応は食べられないこともない。
調理済みのものなら食べるかもしれないが、
可食部が少ないので、おそらく食いつきは良くないだろう。
もちろん生で食べたら無事では済まないはずだ。
ザ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ
石と貝殻がぶつかる音に反応し、『ボート』の軌道に変化が生じた。
誰が何のために置いたか分からないが、
たまたまあった『水入りのバケツ』に接近していく。
それと同時に、乗船している『人型スタンド』が腕を振り上げる。
ドスゥッ!
次の瞬間、目にも止まらぬ速さで、水面に『銛』が突き込まれた。
ザ バ ァ ッ
すぐに引き上げられた『銛』の先端には、丸いものが突き刺さっていた。
大きさは直径10cm程度。
全体が細い棘に覆われている。
ホンウニ目オオバフンウニ科オオバフンウニ属――『キタムラサキウニ』。
上品な甘みでクセが少なく、食べやすいのが特徴だ。
カツオノエボシと違って生食することが可能で、今の時期は『旬』に当たる。
元々バケツの中に入っていたとは思えないが、
見た目は獲ってきたばかりのように新鮮だった。
────ドヒュゥッ!
『人型スタンド』が剛腕を振るい、『キタムラサキウニ』を投げ飛ばしてきた!
狙われているのは『本体』らしく、
ラッコに直撃するであろうコースで精確に飛んでくる。
ラッコ自身は石と貝殻を持ったまま突っ立っており、完全なる無防備状態だ。
41
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/07/24(木) 20:59:09
>>40
ラッコの皮膚は厚そうに見えてとってもやわらかい
こんなすごい勢いでウニを投げつけられたら、
脳脊髄液を1585439789853563cc撒き散らして絶命しそうだ
助けに入ろうか?
と、動こうにも多分間に合わない
でも、助ける必要無いんじゃないかな
よっぽどキレた奴じゃなきゃ本体をぶっ殺そうとはしないだろう
多分
「丑の日だからね」
丑の日はうの付く物を食べる日だ
だからウニを食べても良いんだ
さっき海の日だったけど、誰が何と言おうと今日は丑の日なんだ…
42
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/07/24(木) 21:23:58
>>41
今日は海の日であり、また丑の日でもある。
長い一生の中で、そんな日があってもいいんじゃないだろうか。
実際どうなのかは別として、解釈の仕方は自由なのだ。
「ミャー」
強烈なパワーとスピードを兼ね備えた剛速球が、凄まじい勢いでラッコに直撃する。
──────ボフッ
ラッコは平然と佇んでおり、かすり傷一つ負っていなかった。
人型が行う一連の行動は、本体には一切ダメージを与えないようだ。
これが『餌やり』なのであれば、それも当然なのかもしれない。
ヒュゥゥゥゥゥゥ………………
そして、ラッコの体に当たってバウンドしたウニが、今度は甘城の方に向かってきた。
だが、かなり勢いが落ちているので、避けるのは簡単だろう。
あるいは、何かを使ってキャッチすることもできそうだ。
43
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/07/25(金) 19:42:51
>>42
勢いの落ちたウニを取るのは簡単だ
でも素手で触ったら血塗れになりそうでいやだ
それに刺さったら棘を取るのが難しくて、折れると皮膚の中に残存し続けるし
「はっ」
だからそこに置いてあったバールのような物を振りかぶって打ち返したんだ
44
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/07/25(金) 21:53:10
>>43
咄嗟に『バールのようなもの』を振り抜き、放物線を描いて飛来するウニを打ち返す!!
ズ オ ォ ッ
それを攻撃と受け取ったのか、さらに『人型スタンド』が『銛』で打ち返してきた!!
────ストン
しかし、当たりどころのせいか、先程のような勢いはなかった。
まず割れた殻がラッコの足元に落ちる。
それから、綺麗に分離した『可食部』が皿の上に着地する。
「ミャッ」
ゴソ ゴソ
ラッコは石と貝殻をポケットに戻し、ウニの殻を弄り始めた。
《――――今日は土用の丑の日です。
うの付く食べ物の代表選手としては、やっぱりウナギのイメージが強いですよね。
ここS県の名物でもありますし。
でも、時には趣向を変えてみるのも良いかもしれません。
例えば、同じ海産物のウニなんていかがでしょうか?》
『ラジオ』からは、最近どこかで聞いたようなパーソナリティーの声が流れる。
《ウニは低カロリーながら、三大栄養素の一つであるタンパク質と、
ビタミンA・ビタミンB群・ビタミンEなどのビタミン類が豊富に含まれ、
夏バテ防止にも効果が期待できるそうですよ。
ところで、ウニの消費量は日本が世界一だとか。
ウナギもウニも日本人の琴線に触れるものがあるみたいですね》
偶然にも放送の内容と重なる状況。
この場で『丑の日にウニを食べる権利』は甘城に譲られたのかもしれない。
デンキウナギ料理を分けてくれたことに対するラッコなりのお礼なのだろうか。
45
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/07/26(土) 20:50:23
>>44
「どうも」
こういう食べ物は怪しいので食べない方が良いのだが、
ラッコに譲られた物を食べないのも何か悪い気がする
ラッコがどういうつもりなのかは分からないが
ウニっていうのはそのまま食べても別に良いんだが、
軽くワサビ醤油をかけるのが美味い
でもかけすぎは駄目だ、かけるのはちょこっとだけで良い
はむっ
一匹分のウニを味わう
一匹じゃ一口で終わりなのが寂しい
丼を埋め尽くす程のウニ丼を食べてみたいものだ
そういえば
「あんたら痛風にならないの?」
ラッコは普段からウニを大量に食いまくって漁業者を困らせてる害獣だ
ウニだけじゃなく牡蠣だとかプリン体が多い海産物をアホみたいに食い散らかしやがる
こいつらは痛風にならないのか?
46
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/07/26(土) 23:55:55
>>45
ククク……そのウニが有毒プランクトンを摂食したことで、
体内に毒素を蓄積させている個体とも知らずに……!
――――――などということは当然ない。
ミョウバン不使用のウニは雑味がなく、
添えられたワサビ醤油が素材の甘みを引き出し、
濃厚な旨味と共に口の中で溶けていく。
《今年は天候が安定したお陰でウニの生育状況が良好で、
お値段も手が届きやすくなってるみたいですよ。
丑の日にウニを味わうには絶好のタイミングかもしれませんね。
こんな話をしてたら、私も新鮮なウニ丼を食べたくなってきちゃいました》
────パッ
甘城がウニを食べ終えると同時に、ラッコの手元からウニの殻が消える。
『ビター・スウィート・シンフォニー』を持つ甘城には、
『スイーツ』と同じ『実体化スタンド物質』だと分かるだろう。
食物を出すという意味では似通った能力と言えるかもしれない。
「ミャー」
甘城の問い掛けに応じてか、直立した状態で短い前足を持ち上げるラッコ。
通風は関節に強い痛みを引き起こす病気だが、このラッコは健康そうに見えた。
ウニや牡蠣はラッコにとって主食の一つであり、
漁師から見れば厄介な存在という側面は否めない。
一方、このラッコは自給自足が可能な能力がある。
少なくとも地元の漁獲量に大損害を与えた記録はないはずだ。
47
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/07/27(日) 21:19:50
>>46
ラッコが痛風にならないなどと言う科学的根拠はないが、
あまりラッコが痛風になったという報告例はない
ラッコはプリン体を多く含有する内臓部分をあまり食べないからか
とはいえ、痛風になる可能性もなくはないので油断は禁物だが
「へー…」
デザートの土用餅を食べながらラッコの話(?)を聞いていた
「食べ…」
食べるか?ラッコが
ラッコは基本的に肉食だし
「骨せんべいならあるけど…」
デンキウナギの
48
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/07/27(日) 22:11:04
>>47
スピーカーからは引き続き、パーソナリティーの音声が流れている。
ラジオのオンオフやチャンネルの選択は本体の意思なので、
見方によってはラッコの話と言えなくもないかもしれない。
おそらくラッコは内容を理解していないのだろうが。
《今、『Electric Canary Garden』では、
リスナーの皆さんから、夏らしい曲のリクエストを募集しています!
番組公式サイトのリクエストフォームに、
ラジオネーム・曲名・アーティスト名・番組へのメッセージを入力してから、
入力内容を確認した上で、送信ボタンを押してくださいね》
ちょうどリクエストを募っている最中らしく、それに関する案内が放送されている。
「ミャア」
餅をあんこで包んだ土用餅。
どちらかというと、ラッコは骨せんべいの方に興味を引かれるようだ。
前足を伸ばして受け取ろうとしている。
ラッコの前足は短いが、器用なことで知られている。
手の平に当たる部分に厚い肉球があり、しっかりと物を掴むことができる。
49
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/07/29(火) 20:02:44
>>48
デンキウナギ丸ごと一匹分の骨せんべい
ウナギよりもでかくてがっしりしている
油でこんがりと揚げられて香ばしい匂いを漂わせるそれをラッコに渡す
揚げたてだから熱いぞ
「夏らしい曲だって
何かリクエストある?」
夏の曲というとやはり井上陽水の少年時代か、
Summer(菊次郎の夏)あたりが定番か
渚のシンドバッドやsecret baseなんかもあるが、
ラッコ的には何が良いのかな?
それにしても土用餅、
呼び方変えただけのただのあんころ餅だなと思いながら食べていた
50
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/07/30(水) 10:39:42
>>49
ラッコは被毛で覆われているが、前足の肉球には毛が生えていない。
ポ ロ ッ
思わぬ熱さのせいで、危うく骨せんべいを落としかけてしまう。
────パシッ
だが、持ち前の器用さでキャッチし、事なきを得た。
ラッコには出し入れ可能な爪が備わっている。
それを使って、骨せんべいをホールドしているようだ。
バリボリ ガリゴリ
ガリバリ ゴリボリ
ボリゴリ バリガリ
ゴリガリ ボリバリ
甘城から貰ったデンキウナギの骨せんべいを齧るラッコ。
なんとなくリズムを奏でているようにも聞こえてくる。
曲名が分からないから、咀嚼音で伝えようとしているのだろうか?
「ミャッ」
さっきは『カントリー・ロード』を聴いていたので、
郷愁を感じさせる曲が好みなのかもしれない。
夏らしさとの親和性は高いと言えるだろう。
何をリクエストするのか、最終的な判断は甘城に委ねられた。
51
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/07/31(木) 20:28:05
>>50
骨を楽器にするとは最近のラッコは器用だなぁ
スマホから番組のサイトにアクセスしてリクエストを送る
本当は川越音頭(ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm8073178)をリクエストするつもりだったが
こんなものを送ったら人格が悪魔に支配されていると決めつけられそうだ
ラジオネームあまあま
『初メッセージです!
初めてなのでちょっと緊張しています(,,> <,,)
友達のラッコがたまたま聴いてたラジオを一緒に聴いてたんですけど
パーソナリティさんの話が面白くて声もかわいいから気に入りました(^-^)
本当は川越音頭をリクエストしようと思ったんですけど、
友達が骨を齧ってるので井上陽水さんの少年時代をリクエストしますっ!』
ノスタルジック
夏のド定番といえる郷愁を感じさせる曲
骨を齧るリズムから多分これだと推測したが、
骨を齧ってるからリクエストするとか意味が不明にも程がある
「どう?」
52
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/08/01(金) 16:05:04
>>51
楽曲に纏わる逸話は別として、『川越音頭』をリクエストした場合も、
純粋に夏らしい曲として受け取られただろう。
しかし、万一の可能性を考えると、変更したのは英断だったかもしれない。
今頃、ラジオの向こう側で、甘城が送信した内容を受け取っているはずだ。
《リスナーの皆さんから、たくさんのリクエストを頂きました!
ここからは一つずつ紹介していきましょう。
まずはラジオネーム『あまあま』さん!》
合間にCMを挟み、やがて番組が再開された。
《『初メッセージです!初めてなのでちょっと緊張しています』》
《はじめまして〜!パーソナリティーの『美作くるみ』です!
やっぱり初めての経験は誰でも緊張しちゃいますよね。
よかったら、どうぞリラックスして聴いていってください》
《『友達のラッコがたまたま聴いてたラジオを一緒に聴いてたんですけど』》
《え!?ラッコとお友達なんですって!
しかも一緒に番組を聴いてくれてるみたいですよ?
これは続きが気になりますねぇ》
《『パーソナリティさんの話が面白くて声もかわいいから気に入りました』》
《ありがとうございます〜!
あまあまさんに楽しんでもらえるように、
これからもトークに一層の磨きを掛けていきますね!》
《『本当は川越音頭をリクエストしようと思ったんですけど、
友達が骨を齧ってるので井上陽水さんの少年時代をリクエストしますっ!』》
《ええと、お友達はお食事中なんでしょうか?
私も食生活には気を遣ってるんですけど、
ここ最近は忙しかったせいか、ちょっと乱れ気味で……。
夏バテに負けない元気を付けるために、
今夜は『土用の丑のウニ』を食べに行きますよ》
《それでは、あまあまさんのリクエストで『少年時代』です。
どこか懐かしく、日本の夏を代表する一曲をお聴きください》
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪
パーソナリティーの声と入れ替わりに、スピーカーから音楽が流れ始める。
あまあまがリクエストした少年時代だ。
そのメロディーは文句なしに郷愁を誘い、
過ぎ去った過去を無意識に思い起こさせる訴求力を持つ。
「 ミャア 」
友達のラッコは表情が分かりにくいが、聴き入っている…………ように見えた。
バリ ボリ ガリ ゴリ
デンキウナギの骨せんべいを齧りながら少年時代を聴くラッコは、
遠い生まれ故郷を思い出しているのだろうか?
または、何も考えていないのかもしれない。
ただ、公園でキャッチボールをして遊んだり、
動物も受け入れてくれる旅館で同じ温泉に入ったりした甘城のことは、
けっこう気に入っていたりしそうな雰囲気ではある。
53
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/08/02(土) 20:19:59
>>52
少年時代に海を思わせる歌詞はないがラッコにも響くものがあるのだろうか?
ラッコも少年だった頃を懐かしむ事があるのだろうか
音楽を聴きながら骨を齧るラッコを見ながらあま公はこんな事を考えていた
ラッコの故郷というと、やっぱり北海道とかなのか?
ひょっとして北方領土か?
もしそうだったら面倒な事になりそうだし、
ロシアから来たとか言われたらどうすればいいのか
「お前、不法入国者か?」
ぼそっとラッコに呟いた
54
:
ラッコ『ハッピー・スタッフ』
:2025/08/03(日) 00:03:49
>>53
ラッコには主に3つの亜種が存在する。
最も大きいのがチシマラッコで、
カリフォルニアラッコは最小、アラスカラッコは両方の中間だ。
目の前にいるラッコは大きくも小さくもないが、個体差の可能性もあるし、
詳しい判別は知識が要りそうだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜♬
少年時代がラッコの心に響くとすれば、
この曲調や歌声が穏やかな波の音を想起させるせいかもしれない。
バサバサバサバサバサァッ
「ミャー」
物音に反応したラッコが空を見上げると、頭上を数羽のツバメが横切っていく。
彼らは春から夏にかけて日本に渡来し、
秋になると東南アジアに移動して越冬する習性を持つ。
彼らが入国の手続きを踏まないように、ラッコもパスポートの発行は受けていない。
ゴソ ゴソ ゴソ
骨せんべいを食べ終わったラッコは、食べかすを取り除くためのグルーミングを始めた。
その場で横になると、前足の爪を櫛のように使い、まず上半身の汚れを落とす。
さらに、体を大きく曲げて下半身の被毛も手入れする。
《 夏まつり 宵かがり 》
《 胸のたかなりに あわせて 》
《 八月は夢花火 私の心は夏模様 》
今この瞬間、きっと他のリスナーも、あまあまがリクエストした曲を聴いているだろう。
55
:
甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』
:2025/08/04(月) 18:18:13
>>54
飛んでいったツバメはどこへ行くのか
ラッコとツバメの決定的に違うところは、
ツバメは渡りをするのが当然の生態を持つ生物で、渡りは当然の権利だ
パスポートの有無ごときじゃ誰にも止められない
対してラッコは一般的に渡りをしない、自分の里に定住する生き物だという事だ
この差はあまりにもでかい
グルーミングをするラッコを見て、
大半の人間はラッコのかわいい姿に癒され骨抜きにされそうだ
そんなラッコを見てあま公は
海の哺乳類ならラッコよりアシカが良いな…
と思っていた
56
:
夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』
:2025/08/21(木) 23:25:26
ある夜、夢見ヶ崎明日美は自室のベッドに寝転んでいた。
夢見ヶ崎の部屋は『パステルカラー』を基調としており、
『ゆめかわいい』と呼ばれるジャンルに分類されるコーディネートだ。
壁紙から家具や小物に至るまで、
全てが『ガーリー』な雰囲気で統一されている。
「ん〜〜〜〜〜〜??」
寝返りを打った時、特に深い理由もなく、たまたま窓の方に視線が向く。
パステルピンクのカーテンは閉まっている。
なんとなく、その中が気になった。
──────シャッ
おもむろに起き上がり、カーテンに手を掛けて開いてみる。
そこには『闇』があるだけだった。
かつての夢見ヶ崎にとっては見慣れた世界だったが、
『光』を得てからは遠ざかっていたのかもしれない。
「『そういうコト』かぁ」
『世界の全部を見る』――それが夢見ヶ崎明日美の『夢』。
一日には『昼』と『夜』という2つの顔があり、
昼間を知るだけでは十分とは言えない。
『全部』を見るためには、
改めて『闇の世界』にも向き合わなければならないのだろう。
57
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
:2025/09/03(水) 09:14:44
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1688976640/94)から
以下、星見町の各所
(駅構内・CD&レコード店・ライブハウス・カフェ・書店など)
で配布されている『星見FM放送フリーペーパー』より、
『美作くるみのインタビュー』を抜粋。
──────────────────────────────────────
Q.パーソナリティーになったきっかけを教えてください。
A.私、子供の頃は熱心なリスナーだったんですよ。
よく聴いていたパーソナリティーの声に励まされた経験が、
人生における大きな転機にも繋がったというか。
だから、同じように元気を届けたいと思って、今の仕事を選びました。
Q.ラジオの仕事をする上で普段から心掛けていることは何ですか?
A.上手く喋ろうとするよりも、楽しい気持ちで喋ることですね。
やっぱり自分自身が楽しまないと、
聴いてくれている方も楽しめないと思いますから。
いつもリスナーの顔を思い浮かべながら、
その人達を笑顔にできるようなトークを目指しています。
Q.今後の目標はありますか?
A.当面はスキルアップとキャリアアップでしょうか。
自分の能力を高めた上で、それを新たな分野で活かしたいと考えています。
もっと私自身の可能性を試してみたいですね。
Q.そのために努力していることは?
A.色々ありますけど、今の自分に何ができるのかを客観的に見つめ直し、
やると決めたら勇気を持って行動に移します。
そして、たとえ思い通りにならなかったとしても、
決して挑戦することを諦めません。
こう見えても打たれ強さには自信があるんですよ。
Q.リスナーに向けてメッセージをお願いします。
A.これからも皆さんの日常を豊かにする番組をお送りしますので、
それぞれの場所で耳を傾けてください。
あなたと私、ラジオを通して繋がりましょう。
美作くるみと直接お喋りしたい方は、お電話によるメッセージも待っています。
58
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【5/7】
:2025/09/10(水) 14:55:03
夕暮れの時間帯――住宅街に面した通りに『喪服の女』が佇んでいる。
「――……」
もし『小野塚遥』が『ノエ』と出会えたなら、
『大まかな時間と場所』は伝わるはずだ。
「――……」
彼が『小林丈』なのかどうか『100%』の確信はなかった。
だが、おそらく『80%』程度の確率で、
両者が『同一人物』であろうと考えている。
彼が『公園』で生活している事実や、
冷え込む時期は『ナイの家』に転がり込むことも把握していた。
そちらに行かない理由は、相手に気を遣っているからだ。
強引に押しかけるのではなく、あくまでも本人の意思を尊重したい。
「――……」
しばらく待ち、誰も来る様子がなければ立ち去るだろう。
59
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』【5/7】
:2025/09/11(木) 11:58:18
>>58
住宅街の中にある公園で待っていたが、それらしき人物は通らなかった。
伝言が届かなかったか、もしくは来る気がないのか。
どちらにせよ、今すぐ会わなければならないような差し迫った事情はない。
ただし、あくまでも現時点の話だ。
今後の展開によっては、この案件に対する見方を変える可能性もある。
「――今は『まだ』……」
ス ッ
おもむろにベンチから立ち上がり、ラベンダーの残り香と共に立ち去っていく。
60
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/10/31(金) 22:30:08
今日はハロウィン。
そのため楽しくお菓子を貰いに行く子供もこの街に入るわけで…
「さあ!この魔王マオロックにお菓子をよこすのだわ!!」
ハロウィン一色になった町中で、マオがジャック・オー・ランタンがたのバスケットケースを抱えながら
偉そうな態度で周りに声をかけている。
ちなみに彼女の見た目は黒いローブと角をつけた魔王っぽいものだ。
「…マオちゃん。それじゃだれもお菓子をくれないんです。」
たしなめるように声を掛ける少女がもう一人。
彼女は白い服とながーい髪の毛で顔が隠れそうになっている。
「由楽!お前も一緒に声をかけるのだわ!
魔王の部下その1らしいかつやくを見せるのよ!」
「してんのう、じゃなかったのです?」
どこか楽しげな様子を見せている。
61
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/01(土) 20:04:39
>>60
「……………………」
マオ達から少し離れた壁際に、二十代半ばほどの女が立っている。
服装はワイシャツにスラックスの地味なもので、ハロウィン感はまったくない。
両手に嵌めた黒手袋が強いて言うならそれらしいか、程度である。
しかし、注目すべきは女が腕に掛けているビニール袋だ。
そこからは、ギフト用らしきお菓子の箱がはみ出ているのが見える。
「……………………」
女は黙々と手帳に何事かを書き連ねており、立ち去る様子はない。
…………『カモ』ではないだろうか?
62
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/01(土) 21:57:30
>>61
「あっ、あの人だわ!狙い目!!」
その女を指さしながらマオは大声で答える。
なかなか失礼な言い方だが、決して悪い子ではないのだ…
由楽「でもあの人は、ハロウィンの人ではなさそうです。
そういう人に貰いに行くのはメイワクなんじゃ…」
「いえ、むしろ!ああいう人が一番お菓子もってるのだわ!」
よくわからない理論を掲げながらマオは大喜びで駆け寄っていく。
なるべく見えるようにたかーくバスケットを掲げながら自分をアピールして見せている。
「さーぁ!お菓子をよこすのだわー!」
めいっぱい自分をアピールして見せている。
遅れて由楽も駆け寄っていく…
63
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/01(土) 23:34:10
>>62
「……………………えっ!?」
アピールとともに駆け寄ると、女は大袈裟に反応してマオ達に視線を向けた。
キツい吊り目だが、八の字眉が弱弱しげな顔付きをしている。
手帳から目を離していながらも、女のペンを走らせる手は止まらない。
「あっ、わ、私ですか…………?」
「あっ…………」
が、バスケットを見てマオ達の意図に気付いたらしく、
慌てて手帳とペンを胸ポケットに仕舞い、ビニール袋から箱を取り出す。
ガサ ゴソ
「これ……ですよね?」
「職場で配ったものの余りですが、よければ……はい……」
女は個包装されたお菓子を4つ取り出すと、マオに向けて差し出した。
マドレーヌらしい焼き菓子の、ご丁寧にもバニラ味とチョコ味が2つずつだ。
こういう人間こそ狙い目、というのは間違いではなかったかもしれない。
「お友達とご一緒に、どうぞ……」
「えっと……ハ……ハッピーハロウィン…………」
64
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/02(日) 00:31:44
>>63
「いぇーい!トリックオアトリート成功なのだわ!
まぁ、この魔王にかかればトリート一択になっても仕方ないのだわね!」
そう言って誇らしげにマオはバスケットの中に、乙街からもらったお菓子を受け取った。
「とても感謝いたすのだわ!
特別に、お前を魔王の部下その12くらいにしてあげてもよいのだわ。」
またしても偉そうに指さしながら答える。
由楽「すみませんです、
マオちゃんは悪い子じゃないのです…」
そう言って頭を下げる由楽。
マオに対してなんだか礼儀正しい感じがする。
由楽「由楽も一緒にもらえるのはとても嬉しいんです。
お菓子、ありがとうございますです。」
そう言って頭を下げた。
65
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/02(日) 10:47:36
>>64
初めからトリートしか選択肢がなかったような気もするが、ともかく。
「ぶ、部下ですか?」
「はァ……あ、ありがとうございます……光栄です……」
あくまでロールプレイに乗ってあげているだけなのか、それとも素の反応なのか、
女はマオに対してペコペコ頭を下げている。後者っぽい様子だ。
「あっ……い、いえ、頭を上げてください……!
ハロウィンなのですし、気にしていませんので……本当に……!」
由良が頭を下げると、女は焦った表情で手をぶんぶんと振った。
「子供のうちは、お祭りは楽しむのが役目……だと、思いますよ。……はい」
そう言いつつ、胸ポケットから手帳とペンを取り出し、
再び何かを書き連ね始めた。さっきよりスピードが上がっている。
カリカリカリカリ
カリカリカリカリ
しかし依然として、女の目線は手帳ではなくマオと由良に向けられている。
会話が終わったからそうし始めたという感じではなく、
まるでメモをし続けながら生活をするのが当たり前であるかのようだ。
つまり、まだ会話を続けたいのであれば、十分に可能だろう。
66
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/02(日) 13:46:13
>>65
「ふふーん、もっと喜んでもいいのだわ。
もっと褒めてあげる!」
よほど乗ってもらえたのが嬉しいのだろうか。
とても馴れ馴れしく声をかけてくる。
由楽「…それは良かったです。
マオちゃんは、こういう魔王ごっこがだいすきなんです。
あんまりついていけるコが少ないみたいですけど」
どうやら感謝しているらしい。
何処となく、マオとの付き合いで苦労してそうな雰囲気は感じられる。
由楽「でも、お付き合いしてくれて嬉しいです」
嬉しそうな顔で答えている。
満更、マオの遊びに付き合うのは悪くはないのかも知れない。
「?」
カリカリと、手帳に何かをメモし続けているのを見て
二人は不思議そうに視線を向けてくる。
「それは一体、何を書いているの?」
しばらく見た後、マオは質問をしてきた。
67
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/02(日) 19:16:43
>>66
「ああ……そうなのですか。ハロウィンだからかと……」
普段からそういうことをやっているという発想はなかったらしい。
『ついていけるコが少ない』という言葉を聞くと、
何かしら思うところがあったのか、女はふと遠くを見つめた。
「…………」
「あ……これ、ですよね?」
だが、マオからの質問を受けて、その意識はすぐに現実に引き戻される。
一瞬だけ手帳に目を遣り、すぐにまたマオ達に視線を向けた。
「これは……日記、みたいなものです。
些細なことも忘れないように……いつも書くようにしているんです」
「業務中などはそうもいきませんが……可能な限り、常に。はい」
これまでの吃り具合からすると、比較的すらすら回答を述べる。
同じ質問を何回もされて答え慣れているかのようだ。
そして当然、そうしている間も、女のペンを走らせる手は止まらない。
68
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/02(日) 22:01:31
>>67
由楽「マオちゃんはだいたい、にたような格好をしているんです。
でも良い子だからみんな仲良しですけど。」
ある程度のフォローも欠かさない。
由楽は心配りがよくできているようだ。
「みんな、魔王をめざすわたしをうやまってくれているのだわ。
これもかりすまというやつなのかもしれないわね。」
ふん、と鼻を鳴らしているマオ。
「日記!もしかして、マオのこともかいているのかしら?
とても気になるのだわ!」
なにか興味深そうにペンを走らせている手を見つめている…
69
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/03(月) 12:34:23
>>68
「…………そうなのですね。
ええ……皆、仲が良いに越したことはありませんから……」
そこで初めて、女はうっすらと笑みを見せた。
控えめで遠慮がちではあるが、確かな善良さを感じさせる笑顔だ。
「あ……その。…………ご覧になりますか?」
が、マオの視線を受けて、その表情は困惑の色に変わった。
手帳にチラチラと視線を落とし、何か迷っているように見える。
「す、少しだけ……ですよ」
躊躇いがちに、手帳を裏返してマオ達に差し出すと──
米粒に写経をするかのような小さな文字が、びっしりとページを埋め尽くしていた。
ぞっとするほど規則正しく並んでおり、遠目には模様にしか見えないだろう。
よく目を凝らせば、マオ達にも読み取れなくもなさそうだったが……
サッ
女はすぐに手帳を戻し、また筆記を再開してしまった。
「あまり人には見せないので……は、恥ずかしい、ですね。えへへ……」
70
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/03(月) 17:25:50
>>69
由楽「そうなのです。マオちゃんにとって部下にしてやるっていうのは
お友達になってくださいということなのですよ。」
「そんなこと…ないないなのだわ!!」
由楽の言葉にどこか恥ずかしそうに首を振るマオ。
嘘というわけではなさそうである…
「そう、ぜひぜひ見てみたいのだわ!」
キラキラとした目をして彼女の手帳に視線を向ける…
「ふふふ、とても気になるのだわ…」
差し出された手帳を興味深そうに覗き込む。
よく見たら由楽もマオの後ろから覗き込んでみる。
「ふーむ…ふむふむ」
びっしりと描かれた文字をみて、なるほどというかのように頷くマオ。
だがその目は丸くなっており、わかってなさそうな雰囲気が出ている。
「…これはひみつのじゅもんなのね!
理解したのだわ!」
またしても鼻を鳴らしながら告げる。
由楽「つまり・・・わからなかったというのです?」
71
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/03(月) 23:03:16
>>70
「そ……そうですよね。すみません、配慮が足りませんでした」
分かってなさそうなマオの様子を見て、軽く頭を下げる女。
しかし、もう一度手帳を見せる気はないようだ。
「これには……私の見聞きしたこと、考えたことがすべて書かれています。
例えば、あなた方の見た目や、どんな会話をしたか……
何味のお菓子をいくつ渡したのかも、もちろん記録しています。
寝る前に日記を付けるのでは、書く前に忘れてしまうかもしれないでしょう?」
ふう──と、女は深い溜め息を吐く。
「でも、まあ……あまり意味はありません。
その日のうちに忘れるようなことは……大抵、忘れても構わないことなので。
私には……それが、耐えられないというだけなんです」
「……すみません、どうでもいいことを長々と。……忘れてください」
そう言って、女は再び頭を下げた。
72
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/04(火) 17:15:19
>>71
「?あやまることはないのだわ!
わたしはこれがすごいものだということがわかるのだわ!」
得意げな表情でマオは答える。
特に気にしている様子はないようだ。
「へぇー!お姉さんはとっても頭がいいのね!
わたしとちょっとおはなししたくらいなのに!
わたしの部下にふさわしいのだわ!」
目をキラキラとさせながらマオは答える。
多分褒めているのだろう。
「…とんでもないのだわ。
そんなすごいことができるひとってことは
忘れるわけにはいかないわ!」
どうやらマオは乙街のことを気に入ったようだ。
由楽「ん、マオちゃんがそういうなら
ゆらもお友達になります」
どうやらふたりとも仲良くなりたいらしい…
73
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/04(火) 18:13:17
>>72
「そ、そんなことは────」
女は、最初こそ困った様子で謙遜していたが……
「ふふふ……い、いけません、そんなにお褒めになっては……
真に受けてしまいますよ……うふふふ…………」
すぐに顔を赤らめ、あからさまにへにゃへにゃ照れ始めた。
子供のピュアな褒め言葉はかなり効いたようだ。
陶然として口元をだらしなく緩めながらも、筆記の手は緩んでいないが。
「と、友達…………」
「……見ず知らずの大人に、不用意にそんなことを言ってはいけませんよ。
世の中、信頼できる人間ばかりではありませんから……」
精神の防御力をゼロにされつつも、社会人としての良識は残っていたらしい。
「で、でも……今回は、お言葉に甘えましょうかね……えへへ…………」
いや、残っていなかったかもしれない。
陰気な含み笑いを漏らしつつ、女は嬉しそうにペンを走らせている。
74
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/04(火) 23:16:20
>>73
「むむっ、その笑い方もすばらしいのだわ!
いかにも、ふさわしい感じがするのだわ!」
マオはなんだかいろんなことを褒めてくれる。
ふさわしいというのは魔王の部下関係だろうか…
由楽「フヒヒー、ゆらはこうみえても人をみる『め』というものはあるのです!
ちゃーんとおかぁさんからもちゅういされてますのです!」
「オッケー!
しっかりと書いておくのが良いのだわ!
このマオロック様のすばらしさを!なのだわ!」
どうやらマオも友だちが増えたことが嬉しいらしい。
走らせるペンを見ながらニコニコしている。
75
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/05(水) 15:34:03
>>74
「ふさわ……?
……いえ、お褒めいただきありがとうございます……うふふ…………」
何が『ふさわしい』のかはよく分からなかったものの、
とりあえず素直に受け取ることにしたらしい。
「ただ、本当に……知らない大人には、気を付けてくださいね。
悪意ある人間は、あなた方には想像も付かないような卑劣な方法で、
あなた方を騙して危害を加えようとするのですから……。
少しでも怪しいと感じたら、すぐに逃げて……周囲の大人に相談するのですよ」
「……あ…………説教臭かったですね。……すみません」
そこでようやく少しは冷静になったのか、女は軽く頭を振って謝罪した。
赤くなった頬が熱かったのだろう。じきに紅潮は引いていった。
「えっと……ところで。魔王というのは、どういう……?」
そして冷静になると、頻出する『魔王』のワードが気になりだしたようだ。
マオの方を見て、そんなことを質問した。
76
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/05(水) 23:53:11
>>75
「知らない大人…ねー…
わるいことしようとしてる人なら
とてもあぶない、ということなのかしら?」
由楽「はい、気をつけます。です。
マオちゃんにも…気をつけてもらいたいのです。」
少し難しく考えるマオと、理解したように頷く由楽。
まるで由楽が保護者のような雰囲気さえ醸し出している。
「魔王の話を聞いてくれるの?!
よくぞ聞いてくださったのだわ!」
マオは嬉しそうに笑い、そしてゆっくりとふんぞり返る。
「魔王はわたしの憧れなのだわ!
とてもかっこいいんだもの!
いろんなえほんもアニメも見てきたのだけど」
そう言ってからまた顔を上げる。
「魔王が一番かっこよくてさいこうなのだわ!
だからわたしは魔王をめざしてるのだわ!」
77
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/06(木) 12:20:49
>>76
「ええ……ご理解いただきありがとうございます」
そう言って、女はマオ達に薄く微笑みかけた。
「なるほど……絵本……アニメ……ですか。
恥ずかしながら、あまり詳しくはないのですが……」
「魔王というのは……どのようなことをするものなのでしょうか?」
つまり、マオは魔王になって具体的に何をするつもりなのか、ということだろう。
女の様子は、本当に気になっているというよりは、
今度こそ子供のごっこ遊びに付き合ってあげているといった感じだ。
78
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/06(木) 23:06:46
>>77
「ふふふ、わたしはりかいがはやい魔王なのだわ!」
と、嬉しそうにふんぞり返る。
「ふむ、魔王というのはどのようなことをするのか…というとね!」
そう言ってビシッと指さした
先程よりも目がキラキラしている。
「いろーんなことをして世界征服をしちゃうさいこうのワルなのよ!
つまり、わたしはこのせかいをせーふくしてやるのよ!」
とても楽しそうに語っている。よっぽど好きなようだ。
「でも、まだわたしはそこまですごくないから…
このまちのせーふくからはじめるよていなのだわ!」
79
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/07(金) 19:44:52
>>78
「世界征服……ですか。それは……ふふ。恐ろしいですね」
十中八九、真面目に受け取ってはいないだろう。
女の表情はいかにも微笑ましげだ。
マオや由良にそれを読み取ることはできるかは分からないにせよ。
「しかし、なんであれ……
夢があるというのは、素晴らしいことだと思いますよ。
……影ながら、応援しております」
だが、少なくともその言葉に嘘はない。
陰気でこそあれ、子供の夢を笑うほど乙街は偏屈ではない。
そういえば以前にも、『世界の全部を見る』ことが夢なのだと語る少女に会った。
彼女にならできるかもしれないと思わされる、パワフルな少女だったが。
「……………………」
彼女と過ごした時間を回想している最中、ふと考えて。
「えっと……この町を征服する当てはおありで…………?」
……まるで「それならできる」かのような言い方が気になったのかもしれない。
80
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/07(金) 22:59:54
>>79
「そーのとおり!
わたしは魔王マオロックなのだわ!
いずれは、わたしのどうぞうがせかいじゅうにできるのだわ!」
そう言ってにっこり微笑んだ。
本気なのかはわからないが…
「ふふふ、応援ありがとうなのだわ。
やはりわたしの部下にしてやるのだわー!」
由楽「ゆらも、応援をします。
これからもおともだちなので」
二人はなんとも仲よさげである。
楽しそうではあるのだ。
「むっ、あて…というのはできるかどうかなのかしら?
ふっなぜならばわたしはすごいちからを持っているのだわ!」
そう言うと同時に
バサッ!
「ごらんなさーい!この魔王にふさわしいきれいな羽を!」
突如背中から黒い翼がバサッと生えてきたのである!
由楽「すいません、マオちゃんはこれで魔王みたいなお羽が出てると思ってるみたいなのです…」
しかし由楽は特に気にすることなく申し訳なさそうに頭を下げる。
…彼女には見えていないようだ。
81
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/08(土) 13:32:06
>>80
「凄い力……というのは、」
「ど」
「────は」
マオが『イントロ・マモン』を発現した瞬間、女の目が見開かれた。
ずっとノンストップだった筆記の手も止まっている。
間違いなく、『見えている』。
「あ……その」
「えっと……マオ、さん」
一瞬の後、女は先ほどよりも増したスピードで筆記を再開した。
マオの『翼』を観察し、記録しているようだ。
しかし、その視線はすぐにふいと別の方向に向いた。
『──その『翼』は、なんですか?』
その声は、『マオには聞こえるが由楽には聞こえない』。
由楽からすれば、女は単に反応に困って黙っているように見えるだろう。
『見える』前提で話すと由楽が置いてけぼりになってしまうし、
『見えない』のを装えば、マオが傷付くかもしれない。
僅かな時間で考えた苦肉の策であった。
82
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/08(土) 20:13:43
>>81
由楽「むー、しょうしょう困っているようなのです」
そう言って由楽も困った顔になっている。
「ふふん、しゅぎょーがたりないのだわ!由楽!」
どこか偉そうにふんぞり返るマオ。
しかし、彼女がすごい勢いで日記に書いているのを見て
「ふふふ、もしかしてわたしの魔王っぷりに
びっくりしてしまったのかしら?」
と、乙街の様子を見て得意げにする。
しかし不意に…
「おー?」
どこからか聞こえた声に反応する。
誰が声をかけたかとやはり目の前にいる乙街と思うのが自然だろう。
「ハッ!…やはりおねえさんにはわかるのだわ!
そう!この翼こそ魔王になるべきというあかしなのだわ!」
そう言うと、嬉しそうに背中のスタンドの翼を
バサバサとはためかせた。反応してもらえたのが嬉しいかのように。
由楽「? なんなんですー?」
急に一人で話し始めたように見えたのだろう。
由楽は不思議そうな顔をしている。
83
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/08(土) 21:34:06
>>82
「…………いえ、由楽さん。私も、修行が足りないようで……
マオさんの言う『翼』は、見えませんね。……残念です」
安心させるように、そう由楽に微笑みかけつつ。
『──マオさん、この声はあなたにしか聞こえていません。
そしてその『翼』も、一部の人間にしか見えないものです』
『あなたは……『スタンド能力』という言葉をご存じですか?
ご存じなら、静かに頷いていただけると……幸いです』
慎重に、一つ一つ言葉を選びながら、その声はマオに話しかけた。
声が目の前の女のものであることは間違いなさそうだ。
84
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/09(日) 00:57:29
>>83
由楽「しゅぎょー、がたりないのですか。
どんなしゅぎょーがひつようなのか
おねぇちゃんに聞いてみます!」
とりあえず納得したらしい…
「むっ、聞こえていな…い?」
マオは驚いた様子で顔を上げた。
(むー、ほかにもみえてるひとがいたのは…
その『すたんど』というのがあるからなのでしょうか?)
不思議そうな顔で首を傾げると
(りょうかーい、なのだわ。)
どうやら理解したようだ。頷いて応じる。
85
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/09(日) 13:06:53
>>84
『……ご存じなのですね。すみません、出過ぎた真似をいたしました』
『スタンド能力』という言葉を知っているなら、
乙街にとっての『音泉』のように、それをマオに教えた人間がいるのだろうし……
その何者かは、『スタンド』の性質や使い方も伝えているはずだ。
知らないのなら乙街が教えようと思っていたが、その必要はないらしい。
『私も、あなたと同じ能力を持つ者ですが……
公言は、していませんので。どうか、ご内密に……お願いいたします』
そう言って、女は右手の人差し指をそっと唇に沿え……
気取った所作が恥ずかしかったのか、やや顔を赤らめてまたメモに戻った。
「あ……そういえば、私の名前をお教えしていませんでしたね」
「乙街 澄(おとまち すむ)……と、申します」
話しつつ、手帳のページをマオ達に見せる。
今度は大きめの読みやすい文字で、『乙街 澄』──と書いてあった。
明朝体と見紛うような、機械的なまでに几帳面な文字である。
「マオさんと、由楽さん……で、よろしいのですよね……?」
86
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/09(日) 17:36:51
>>85
(ふむふむ、こうしてないしょばなしができるのが
『すたんど』っていうのね?
なんだかそういうひとを他に見たことがあるから
なんとなーくだけどしっていたのだわ!)
彼女以外にもスタンド使いがいるらしいことが
マオの言葉から理解できるかも知れない。
(ふふふー、ひみつひみつなのだわ。
なんだかちょっとワルになったきぶんなのだわ!)
そう言って同じように人差し指を口に添えて内緒、のポーズを取った。
由楽「なんだか、おふたりともなかよくなったようにみえるんです!」
二人の様子を見て由楽が不思議そうに答えた。
「おとまちおねーさん、がおなまえなのね!
わたしは「六条マオ(ろくじょう マオ)」なのだわ!
マオでもいいけど、魔王マオロックでもよいのだわよ!」
改めて嬉しそうにアイサツをする。
先程よりも嬉しそうな顔になっている。
由楽「ゆらのことは由楽でかまわないのです。
『朱鷺宮 由楽(ときのみや ゆら)』がふるねーむなのですよ。
おともだちになれたらうれしいんです!日記帳のおねーさん…
じゃなくて、すむおねえさん!」
由楽の方も礼儀正しく頭を下げた。
87
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/09(日) 21:38:24
>>86
『ええ……この町には、多くの『スタンド使い』がいるようです。
しかし、しつこいようですが……
全員が全員、信頼していい人間であるとは限りません』
『あなたに『スタンド』絡みのトラブルがあったとき、
もし、知り合いに『スタンド使い』の大人がいないなら……
よければ、私にご相談ください。可能な限り……ご協力いたしますので』
言いつつ、乙街は何事か書いた手帳のページを破り取った。
「六条 マオさんと、朱鷺宮 由楽さん……ですね。
はい……記録しておきます。ありがとうございます」
「友達…………えへへ。
ええ、こちらこそ……よろしくお願いいたします」
『友達』という言葉を噛み締めるように呟き、頭を下げ返した。
その表情からは隠しきれない嬉しさが滲み出ている。
「私は、そろそろお暇しようと思いますが……
お2人は、まだ残っていかれますか?」
そう言って、乙街は腕時計を確認する。今は何時だろうか。
88
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/10(月) 17:51:21
>>87
(なるほどなのだわ。
それじゃあ、すみのおねえさんのことはしんじて見るのだわ。
…あんまりこーいうのは見せびらかさないほうがいいのかしら?)
背中から見せている翼をバタバタさせながら返事を返す。
(でも、たよりになりそうなおねえさんとおともだちになれるのはとてもうれしいのだわ…
あっ、それはちゃんとお口でおれいをいうのだわ。)
「そのとおり、おねえさんはわたしのともだち!
つまり魔王の部下ということになるのよ!」
にっこり笑いながらマオは答える。
由楽「ありがとうございますです。
マオちゃんのおともだちが出来てとても嬉しいんです。」
由楽もとても嬉しそうだ。
仲が良いであろうことがうかがえる。
「むー、もうおじかんなのかしら?
すぐなのだわ。」
そう言ってあたりを確認する。
「ちょーっと、おそらが赤くなってきたのだわ。
そろそろ帰らないといけないかしら?」
そう言って首を傾げた。
時刻は間もなく4時になろうとしている。
秋は日が暮れるのも早いようだ。
89
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/10(月) 21:34:38
>>88
『確かに、そうかもしれません。
ただ……『スタンド』が結ぶ縁もあることも事実ですが。
……どうかお気をつけて、としか……私からは』
乙街も『スタンド使い』の知人が多い訳ではない。
だが、アリスやマオのような善性の人間ばかりではないことくらいは分かる。
悪人が『スタンド』を得ればどうなるかは、想像に難くない。
……そのアリスと、『スタンド』がなければ知り合えなかったのが悩みどころだが。
『……私の連絡先です。よければ、お持ちください』
そう言って、折り畳んだ手帳のページをマオに差し出した。
さすがに自分がマオの連絡先を得るのはよくないだろう、という配慮である。
「本日はお話していただき、ありがとうございました。
とても、楽しかったです。……お気をつけてお帰りください」
マオが受け取るか否かに関わらず、何度目か分からないお辞儀をする。
そして顔を上げると、ちらりとマオに目配せを送る。
『マオさん。最後に、もう一つだけ……よろしいでしょうか』
90
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/10(月) 23:26:16
>>89
(わかったのだわ!
わたしは人を見る目があるというじしんがあるのだわ!
お気をつけするのだわ。)
マオもそこまで考えては居ないのかも知れない。
それでも、子供なのだ。見た漢字がとても危なっかしい。
しかも魔王と、悪ぶりたい様子も見せているのだ。心配になるだろう。
(あっ、ありがとうなのだわ。)
どこか嬉しそうに手帳のページを受け取る。
その様子を由楽がちらっと見ていた。
由楽「うんー?一体どんなないしょばなしなのです?
ゆらも混ぜてほしいです!」
そう言ってちらりと覗き込む。
「うふふ、ゆらもおともだちなのだから、
おしえてさしあげてもいいのだわ!」
そう言ってニッコリと笑ってみせる。
見せてもいい…のだろう。おそらくは。
由楽「ゆらもたのしかったのです。
おねえさんも気をつけてくださいねー。」
礼儀正しく挨拶を返す。
(おやー?なんなのかしら?
言いたいことがあるならば、言ってもいいのだわ!)
興味津々に乙街の顔を見る。
何かのお願いなのだろうか?と思っているようだ。
91
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/11/11(火) 00:57:06
>>90
マオの予想に反して、乙街は何の言葉も発しない。
が、その目の前の空間に異変が起こる。
カリカリカリカリカリカリ
カリカリカリカリカリカリ
空中に絵を描くかのように、無数の黒い線が現れ……
──集まって、2体の『妖精』めいた人型のヴィジョンを構成した。
どちらも『羽ペン』を持ち、虫のような翅で浮遊している。
『こちら……私の『スタンド』です。
あなたの『翼』を見せてくださった、お礼と言ってはなんですが……』
『お見せさせて、いただきました。……はい』
ほんの数秒ほど羽ばたくと、『スタンド』は掠れて消えていった。
本当に、一目見せる以上の目的はなかったようだ。
「それでは、お2人とも……お元気で」
そして乙街は踵を返し、歩き出す。
手帳にペンを走らせる機械的な手付きは相変わらずだが……
心なしか、ここに来たときよりは軽快な足取りで。
92
:
マオ『イントロ・マモン』+由楽
:2025/11/11(火) 20:56:14
>>91
(うわぁ!とてもかわいいのだわ!
これがおねえさんのスタンド?
あぁ、あっというまにきえてしまったのだわ…)
その妖精のような姿に思わず表情をほころばせるマオ
それだけに消えてしまったのを見ると少々惜しい顔になっている…
「ありがとうねー!
こんどあったときは、もっと色々お話しましょうなのだわー!」
由楽「またねー!なんです!
こんどはいっしょにあそびましょうですー!」
二人は嬉しそうに乙街に向けて手を振り見送っていった。
「それじゃあかえりましょうなのだわ!
おかしもいっぱいもらったのだし!」
由楽「もうすぐゆうがたです。じゃあかえりましょうです。
…ところで、あのおねえさんとちょっとなかよくなったようなきがするんです。
どうしたんですか?」
「んー?ないしょだわ!」
二人はそんな事を話しながら、楽しげに帰路についた。
とても仲良しなようすであった…
93
:
小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』
:2025/12/01(月) 22:22:29
『H市立図書館星見分館』──その正面玄関前にて。
ウィーン
「うー……」 「さむ」
スーツをだらしなく着崩した白髪の女が図書館から出てきた。
かなりの長身だが、猫背なのに加え、寒さで図体を小さく縮こめている。
右手に数冊の書籍を抱え、左手はスーツのポケットをまさぐり……日本酒のパックを取り出した。
歩きながらパックにストローを突き刺そうとするが、右手がうまく使えなかったのか、
バサバサバサ
「あぎゃ」
抱えていた書籍を落としてしまった。
「あちゃあ……」
女は溜め息を吐いてパックを懐にしまい、散らばった書籍を拾おうとする…………。
94
:
小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』
:2025/12/04(木) 21:33:10
>>93
拾い終わると改めてパックにストローを突き刺し、ちゅうちゅうやりながら去って行った。
95
:
宗像征爾『アヴィーチー』
:2025/12/05(金) 04:22:58
>>94
しばらく歩いていると、小野塚の後ろから足音が近付いてくる。
その場で振り向いたなら、一人の男を見つけることができるだろう。
以前、暑い時期に顔を合わせた相手だ。
「もう一冊、そこに落ちていた」
しかし、今は作業服ではなく、小野塚と同様にスーツを着用していた。
限りなく黒色に近い青色である『ミッドナイトブルー』の生地だ。
暗い場所では黒よりも黒く見えると言われ、その色合いは深い海の底を思わせる。
「いつか似たようなことがあったな」
前回の出来事に言及しながら、図書館の前で拾った書籍を小野塚に差し出す。
96
:
小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』
:2025/12/05(金) 19:49:30
>>95
「ン」
ストローを咥えたまま振り向き、驚きに軽く目を見開く。
「ああ」
「アハ……悪いね、何回も」
へにゃりと気の抜けた笑みを浮かべて見せ、書籍を受け取る。
小野塚の服装は以前に出会ったときと同じだった。
宗像のものとは違い、いかにもビジネス用らしい地味で質素なものだ。
形は崩れ、ネクタイは曲がり、悲しいことになっているが。
「ありがとね、えェー……ッと」
「名前、聞いてなかったよね?」
片眉を吊り上げ、宗像に問い掛ける。
抱えている書籍はほとんどが『哲学書』のようだ。
分厚いハードカバーのそれらは、平易そうにはあまり見えない。
97
:
宗像征爾『アヴィーチー』
:2025/12/06(土) 02:31:55
>>96
このスーツは新品らしく、そういった服装に慣れていない印象を受けた。
ただ、両手を覆う『革手袋』だけは、あの時と同じだ。
手や指の油分が馴染んでおり、かなり使い込まれていることが窺える。
「大したことはしていない」
書籍を拾い上げる際、軽く汚れを払っていたので、表紙は確認している。
今しがた手渡したばかりの一冊が、他の数冊と似通っていることも分かった。
しかし、これらが借りられた目的は知る由もない。
「――――『宗像征爾』だ」
言葉と共に吐き出す息は白く、空気に溶けるように消えていく。
「俺には学がないが、勉強に必要なのか?」
それらの『哲学書』を見て思ったのは、これだけ分厚いものなら、
使い方次第で凶器に成り得るということだった。
98
:
小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』
:2025/12/06(土) 22:43:54
>>97
「宗像さんか。あたし、小野塚ね。小野塚遥」
紙パックを持っている方の手で自分を指しつつ自己紹介する。
その手は細く骨ばっており、宗像とは違って、力仕事など知らなさそうだ。
ビジネススーツという服装に似つかわしいといえばそうかもしれない。
「まっさかァ、勉強なんて今更……」
『勉強』という言葉に、小野塚は八の字眉を作って首を振った。
にやけ顔こそ崩れていないが、心底嫌そうなことは分かる。
何か良くない思い出があるのだろう。恐らくは学生時代か、社会人時代に。
「ただの暇潰しさ。お金もかからないし、時間も潰せるし」
「読んでるうちは余計なこと考えなくて済むからね。
酔っ払うのが一番なんだけど、お酒飲めないときは本がいいよ」
そして、小野塚も小野塚で『哲学書』を勉強の道具とは思っていないらしい。
99
:
宗像征爾『アヴィーチー』
:2025/12/07(日) 06:41:37
>>98
小野塚が手にした日本酒の紙パックを眺めた後、
また小野塚自身に目線を移し、一呼吸の間を置いて口を開く。
「俺も『仕事』をしている内は余計なことを考えずに済む。
それ以外の時は何をすべきか分からなくなる」
おもむろに左手を持ち上げ、調子を確かめるように軽く握り締める。
「一時期は『釣り』や『ガンシューティングゲーム』で時間を潰していたが、
今後は『読書』も選択肢に入れておこう」
最初に挙げられた『飲酒』が除外されているのは、
少なくとも下戸という理由ではないように思えた。
「その中に『サンスクリット』関連の本はあるか?」
細い腕に抱えられた書籍を一瞥し、それらしいタイトルを探す。
100
:
小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』
:2025/12/07(日) 18:32:37
>>99
「ああ……仕事か。仕事ね……」
宗像の返答に、小野塚の顔からは不意に表情が抜け落ちた。
様々な感情が綯い交ぜになっているであろう、一目では心象の分からない複雑な表情。
『怒』でも『哀』でもない、他者には推し量れない過去を思わせる『真顔』。
「まァ、それでいい人にはそれが一番だろうね」
……が、すぐにその顔には元通りの弛緩した笑みが張り付けられた。
「『サンスクリット』?」
そして、唐突なその問い掛けに今度は怪訝そうな表情を浮かべる。
ちらりと自身が抱えている書籍群を横目で改めてから、宗像に向き直った。
「一時期『インド哲学』も読んでたけど……ここにはないかな」
「興味あるのかい?」
からかうような笑顔を浮かべながら、一歩、歩み寄る。
101
:
宗像征爾『アヴィーチー』
:2025/12/08(月) 07:12:08
>>100
正面に立つ『小野塚遥の目』を通して、無意識に『自分自身の目』を見ようとしていた。
これまでの経験上、特定の仕事を生業にする者は『冷えた目』を持っている。
だが、まだ彼らと同じ境地には至っていない。
他人という鏡を介して確かめた『空虚な目』が、その事実を如実に物語っている。
そして、自分が『駆け出し』であることを改めて感じた。
「――――――ああ」
いずれにせよ、俺にとっては『仕事が全て』であり、
それを取ってしまえば何も残らないだろう。
「『一つの言葉』を覚えてから、その分野には多少の関心がある」
『泥水を掻き混ぜたような目』を見据え、小野塚の問いかけに肯定を返す。
職業柄、地面に敷設された『下水道』を連想した。
『生活排水』や『工業排水』を引き受けた結果、その場所は汚れていく。
「『地獄』という概念について、理解を深めるのも悪くない」
本当に存在するとしたら、いずれは行くべき世界だ。
102
:
小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』
:2025/12/08(月) 21:59:34
>>101
「……地獄ゥ?」
「よりにもよって仏教のかい?」
細められた目の奥から、興味深そうな視線が宗像に投げかけられる。
「サンスクリット語で地獄は『ナラカ』……
それが転じて『奈落』という日本語になったそうだけれど」
「君は、自分が地獄に落ちると思ってるのかな?」
その目は、軽薄な好奇心を隠そうともしていない。
つまりはこの会話も、小野塚の言う『暇潰し』の一環でしかないのだろう。
相手によっては気分を害する態度であることは間違いない。
「まァ、仏教の価値観に基づくなら、
現代人はほとんど全員地獄行きだろうけれどね。ゲラゲラ」
紙パックをちゃぽちゃぽ揺らして見せながら、小野塚は愉快そうに笑った。
仏教においては、『飲酒』も地獄に落ちる要因の一つである。
103
:
宗像征爾『アヴィーチー』
:2025/12/09(火) 06:54:56
>>102
相手の目に浮かんだ好奇心を察するが、何も言わずに話の先を続ける。
「地獄に落ちた人間は生まれ変わるが、
重い罪を犯した者ほど『下の階層』に送られ、
現世に戻るまでの時間が長くなると聞いた」
その表情には感情らしいものが希薄で、笑いを零す小野塚と対象的だった。
最初に出会った時と同じく、虚無を湛えた瞳の奥には、
どこか『残り火』を思わせる光が宿っている。
それは『冷えた目』ではない。
「『アヴィーチー』という言葉を知っているか?」
小野塚が挙げた『奈落』と異なり、通常あまり耳にする機会のないサンスクリット語だ。
「俺の刑期は『349京2413兆4400億年』だ」
長大な年数を淀みのない口調で発し、一瞬だけ『右腕』に視線を落とす。
正確には自分の腕ではなく、そこに重なる『別の何か』を見ているような印象を与えるだろう。
だが、そこには何も存在していなかった。
104
:
小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』
:2025/12/09(火) 18:02:48
>>103
「アハ」
「……『無間地獄』かい?」
小野塚はその言葉を知っていたようだ。
あるいは『阿鼻地獄』という別名を知っていれば、連想も可能かもしれない。
宗像の視線に釣られて、小野塚も一瞬だけ宗像の右腕をちらりと見た。
「それってさァ」
「君のお仕事と関係あるのかな?」
以前『大通り』で会ったとき、宗像は言った。「『本業』は『配管工』だ」と。
…………では、『副業』は?
弧を描いた目の奥で、小野塚の濁った瞳が僅かに揺れる。
105
:
宗像征爾『アヴィーチー』
:2025/12/09(火) 20:59:01
>>104
泥水のように濁った瞳に、地下を流れる汚水を重ねながら、小野塚を正面から見つめる。
「『ある意味』においては、無関係ではないかもしれない」
何気なく発せられた問いかけに、肯定とも否定ともつかない答えを返した。
そして、『ポケット』の位置に視線を移す。
大抵の場合、そこに入っているだろうと考えたからだ。
「俺は持ち歩いていないが、
さっき教えた『名前』で調べてみれば、
そう時間を掛けずに分かるはずだ」
今あるいは別の機会に、もし小野塚が『宗像征爾』という人名を検索したなら、
20年前に起きた『殺人事件』が候補に上がってくるだろう。
被害者は『中学生』の少年で、凶器として用いられた『パイプレンチ』によって、
頭蓋骨を砕かれたことが死因だ。
加害者は自ら通報し、その場で逮捕された。
当事者の自供に加えて必要な証拠も揃っており、『懲役20年』の実刑判決を下されている。
一方、『動機』については語られず、最後まで不明のままだったらしい。
106
:
小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』
:2025/12/09(火) 22:46:47
>>105
「……いや」
ほんの一瞬、逡巡するかのように視線を泳がせたのち、
小野塚は大袈裟な様子で肩を竦めて見せた。
「まァ」
「その口ぶりでだいたい察するよ」
つまり、何かしらの事件の『犯人』なのだろう、ということをだ。
それも『無間地獄』に落ちるような罪となれば──
候補は1つしか存在しない、と言っても過言ではないだろう。
「それよりも──」
しかし小野塚は、宗像から距離を取るようなことはしなかった。
むしろ、一歩──また一歩と、ゆっくり近付いていく。
「見ず知らずの、それもあたしみたいな人間に、
わざわざそんなことを教えてくれる理由の方が知りたいかな?」
僅かな警戒はあれど、怯えはなく……その瞳は、好奇と享楽に鈍く輝いている。
107
:
宗像征爾『アヴィーチー』
:2025/12/10(水) 11:50:29
>>106
小野塚遥の瞳に宿った感情を読み取ろうとするかのように、わずかに目を細める。
「大きな理由があると期待させたなら悪いが、ただ『義理』に従って返しただけだ」
少しずつ間合いを詰める小野塚の一挙手一投足から視線を外さない。
「強いて言うなら、誰であろうと『そうなるべきではない』と言いたかったのかもしれない」
ザ ッ
まもなく、こちらからも一歩を踏み出し、さらに彼我の距離を縮めていく。
「あんたの『目』を見ている内に、そんな風に感じた」
ザ ッ
そして、そのまま『すれ違った』。
「新しい時間潰しを提案してくれたことに感謝する」
先程の答えは、その『返礼』だ。
「俺も『図書館』に立ち寄ってみることにしよう」
小野塚が呼び止めなければ、おそらく『H市立図書館星見分館』に足を運ぶだろう。
108
:
小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』
:2025/12/10(水) 23:25:45
>>107
「ふゥーン…………?」
『図書館』に向かう宗像の背を、小野塚が見つめる。
濃い隈のこびり付いた、暗く淀んだ目で。
「まァ、君が過去に何をしたのだろうと……
そんで、今どんなことをしているのだろうと」
「別にとやかく言うつもりはないからさ」
しばらくそうしていたが、ふっと笑いを漏らすと前に向き直る。
「あたしからはこう言うしかないな」
「──気を付けてね」
そしてそのまま、振り返ることなく歩き去って行った。
109
:
宗像征爾『アヴィーチー』
:2025/12/11(木) 05:25:32
>>108
小野塚と別れた後で図書館に入り、『インド哲学』に関する書籍を借りた。
冬の時期は日没が早い。
再び外に出た時には、徐々に太陽が沈み始めている。
その様子を眺めながら、最後に言われた一言を思い出す。
『気を付けろ』という言葉は、端的であると共に的を得ていた。
「まだ着慣れないが、いつの間にか慣れる」
この服装は『あの夜』と同じだ。
だからこそ、これを『副業の仕事着』として選んだ。
いずれ『依頼』を請け負った時は、今の姿で臨むことになるだろう。
ザッ ザッ ザッ
『地獄』について記された本を携え、街を赤く染める夕日の中に消えていく。
110
:
コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』
:2025/12/23(火) 15:26:29
ジッ
クリスマスの装飾が施されたアーケード街で、
細まった目で『防犯専門店』の店頭ワゴンを見つめる。
スタンガンや警棒といった実用品から、
警察グッズ、武道用品なども揃った、
『生活圏にあってもいい武器屋』だ。
「うーん…………」
ジャージをベースにした服装は『サブカル感』があるし、
その筋のマニアなのかもしれないが、様子にはある種の切迫があった。
111
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/12/23(火) 23:56:59
>>110
……そんなコヤシキの視界の端に、1人の女が歩み入ってきた。
「……………………」 チラッ チラッ
店の出入口から中を覗き込み、様子を伺っている。
『入ってみたいが踏ん切りが付かない』のは想像に難くない行動だ。
ワイシャツにスラックス、黒いリボンタイと、服装はシックな『OL』風。
唯一、両手を覆う黒手袋がある種の異彩を放っている。
そして何より──
カリカリカリカリ カリカリカリカリ
女は、左手に持った手帳にボールペンで何かを書き続けていた。
視線は店の中を彷徨っているにもかかわらず、である。
その機械めいた手付きは、一定のスピードでページの上を動いている。
112
:
コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』
:2025/12/24(水) 13:07:40
>>111
パッ
と顔を挙げ、その激しい『筆記音』の方向を見た。
「わおわお、すっごい書いてる〜う。
お姉さん、お店の調査員さんとかっ?」
驚かれないように、声は小さめ。
もちろん話しかける『必然性』はなかったのだけど、
なんだか妙な様子が気になったのと、今の気分がそうさせた。
113
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/12/24(水) 14:12:49
>>112
「…………はっ」
声量を抑えたのが功を奏したか、女が過剰に驚くことはなかった。
それでも幾分かギョッとした様子で振り向きはしたが。
「あっ……す、すいません、紛らわしいことを……
私は、ただの客……です。……はい」
カリカリカリカリ カリカリカリカリ
何を書いていたか説明するつもりはないらしい。
そして、筆記の手も止まらない……むしろ勢いを増したようにも見える。
「えっとォ……お店の方……では、ないですよね……?」
コヤシキの服装にチラチラと目を遣りつつ、女は言う。
114
:
コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』
:2025/12/25(木) 08:26:19
>>113
「ぜんぜん!コヤコヤが勝手に見間違えただけ〜。
あ。あたし『コヤシキコヤネ』
気軽に『コヤコヤ』って呼んでくれていーですよっ」
チラ
『書き連ね』に視線を落としたけれど、
中身を注視するのはなにか失礼な気がして、
すぐに女の顔へと視線を向け直した。
「それでね、あたしもただの客なんだあ」
スッ
「お姉さんは何買いに来たの〜?
忘年会にこういうコスプレ服とかっ?」
ワゴンに畳んで積まれていた、
中古品らしいタクティカルベストを手に取ってみせた。
表情はずっと笑顔だけど貼り付けてはいない。ちゃんと、の笑顔だ。
115
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/12/25(木) 17:29:53
>>114
角度の問題で、何を書いているか知ることはできなかった。
覗き込みでもしない限り、中身は謎のままだろう。
「こ、コヤコヤさん……ですか」
「……あ、わ、私は乙街(おとまち)と申します……」
自己紹介を返さないのは失礼だと考えたのか、
慌てた表情でペコリと頭を下げると、女は苗字を名乗った。
「え、ええと……」
女の目が、ベストとコヤシキの笑顔とを忙しなく往復する。
「いえ、私は……『護身用品』を、と……」
最終的に、その視線は店の奥へと向けられた。
店頭には置かれないであろう、実用向きの道具が欲しいようだ。
「……なんでしょう。『スタンガン』、などでしょうか……」
とはいえ、目当てが明確に決まっている訳ではないらしい。
116
:
コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』
:2025/12/25(木) 19:41:52
>>115
「こゃ〜ん、オトマチちゃん!よろしくねっ。
別に『コヤシキさん』でも『コヤネちゃん』でもいーよ。
でも『コヤ一回』はコンコン輪際ぜったいダメ!」
「コヤは二回からが、
マナーなんだこ〜んこんっ」
『あだ名』が得意なタイプじゃなかったかもしれないと、
他の呼び方も提示しながら片手でキツネのサイン。
スッ
ベストは一旦ワゴンに戻して・・・
「最近物騒だもんねえ、動物とか、人間とか?
でも、さすがにそーゆうのはワゴンには置いてないみたいっ」
口ぶりからして分かるかもしれないが、
『コヤシキコヤネ』も、それも探していた。
「でもでも〜、こういうお店っ。
チェーン店じゃないとこって、入るのってちょっと勇気いるよねえ」
「こんっくらいちょっと」
ベストを置いた方の手で小さな丸を作って、
それから、両手をゆっくり下におろした。
「だから、オトマチちゃんがよかったらだけど〜
勇気をシェアしていっしょに入ろーよ。あたしも中に欲しいものあるんだ!」
別に一人でも入れないわけじゃあないけれど、
実際、アーケード街の店はなんとなくドアが重い。
二人で入る方が軽くなるなら、それに越したことはないと思った。
117
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/12/25(木) 21:41:36
>>116
「二回……そ、そうなのですか。
……では、コヤコヤさん……と、呼ばせていただきます」
意外にも、選ばれたのは『コヤコヤ』であった。
真面目くさった表情でキツネのハンドサインを見る様子は、
やはり仇名呼びが得意そうには見えないが……
あるいは、最近『似たような出会い』があったのかもしれない。
「……そうですね。物騒、ですから……」
そう言いつつ、乙街は一瞬だが確実に、目を逸らした。
それに気付くか、気付いても意味を見出すかは、コヤシキ次第ではあるが。
「コヤコヤさんさえ宜しければ……はい。ご一緒させてください。
私もこのような店は初めてで、なかなか入りにくく……」
さすがに年上として後ろを付いていく訳にはいかないと思ったのか、
表情に僅かな喜色を滲ませつつ、乙街は店に入っていった。
「コヤコヤさんは……何をお探しですか?」
振り向きながら、そう尋ねる。
118
:
コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』
:2025/12/27(土) 10:09:13
>>117
「……もしかして、あたしもオトオトって呼んだ方がいいかなっ?」
真意を一目で測れるほど『神さま』は堂に入っていなくて、
なので、そんなことを言いつつ、店内について入った。
「……」
視線の動きには、気付いてはいた。
『防犯専門店』の中は整然と商品が並んでいて、
小さな店ではあるが、必要なものは大抵ありそうだ。
「すごぉ〜い。武器みたいなのいっぱいあるねっ!
こういうのも一つくらい買ってみようかなあ?」
『警棒』などが並ぶ棚に視線を走らせて……
それはあくまで通り過ぎるだけで、『乙街』に視線を止める。
「でもでも〜、探してるのはこーいうのじゃないんだよねえ。
大声で言うのはコンコンプライアンスがNGなんだけどっ」
「こわ〜い人に会ってから倒すんじゃなくて、
会わないようにする用……みたいなっ?」
『後ろめたいもの』はお互いにあるような気はした。
『悪いことをするつもりの有無』は、お互い違うかもしれないけど。
119
:
コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』
:2025/12/27(土) 10:09:17
>>117
「……もしかして、あたしもオトオトって呼んだ方がいいかなっ?」
真意を一目で測れるほど『神さま』は堂に入っていなくて、
なので、そんなことを言いつつ、店内について入った。
「……」
視線の動きには、気付いてはいた。
『防犯専門店』の中は整然と商品が並んでいて、
小さな店ではあるが、必要なものは大抵ありそうだ。
「すごぉ〜い。武器みたいなのいっぱいあるねっ!
こういうのも一つくらい買ってみようかなあ?」
『警棒』などが並ぶ棚に視線を走らせて……
それはあくまで通り過ぎるだけで、『乙街』に視線を止める。
「でもでも〜、探してるのはこーいうのじゃないんだよねえ。
大声で言うのはコンコンプライアンスがNGなんだけどっ」
「こわ〜い人に会ってから倒すんじゃなくて、
会わないようにする用……みたいなっ?」
『後ろめたいもの』はお互いにあるような気はした。
『悪いことをするつもりの有無』は、お互い違うかもしれないけど。
120
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/12/27(土) 21:46:12
>>119
「お……オトオト…………!?」
その提案に、乙街はペンが一瞬止まるほどに狼狽し──
「…………」
「い、いえ、ご無理なさらず……乙街で結構なので……」
──やや考える時間を挟んだのち、ぶんぶんと首を振って否定した。
「…………ゴホン。失礼しました」
咳払いを一つして、躊躇いがちにコヤシキを見つめ返す。
が、彼女の言葉を受けて、その視線はすぐに店内を巡り始めた。
「……会わないようにする、と言いますと……
『懐中電灯』や、『防犯ブザー』……などでしょうか」
店の一角には『タクティカルライト』なども置いてあるようだ。
「何か……ご心配なことがおありですか?」
気になったから、というよりは、単に間を持たせるため……
という風な口調で、乙街は質問してきた。
121
:
コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』
:2025/12/29(月) 00:02:15
>>120
「そお? ごめんごめん、じゃあオトマチちゃんだねっ。
せっかく、お名前もとってもカワイイんだもんね。
こんこんちきにしちゃわずそのままの方がいっか!」
あだ名呼びにこだわるわけでもないので、
否定にも笑顔で返したのだった。
「ブザー!ライト!いいアイディアだよおオトマチちゃん。
音とか光なら、強い人も撃退できちゃうもんねっ。
いいアイディアだけど、でも、んん〜ん。
今回は、なんていうかもっと……『手前』がいいんだこ〜ん」
スタスタ
「コンっ!パクトな『防犯カメラ』とか〜、
コヤコヤそういうのがほしいんだよねっ」
警棒の並ぶ棚に背を向け数歩だけ歩いてから、
ヒソヒソ話をするように、手を口元に当てて振り向く。
「ここだけの話、コンな風でほんとかな?って思うかもだけど、
かわいいコヤコヤ、『インフルエンサー』っていうのがお仕事でさあ」
『嘘』は何も言ってない。
「そしたらお近づきになろうとしすぎちゃうか〜わいい人もいたりして?
だから、人一倍『防犯』とか気になっちゃったりするんだよねっ」
「こゃ〜ん、人気者はつらいよお」
全部調べたら分かるくらい本当の話だ。
「ととっ、あたしってば早口になっちゃったかも!オタクの悪い癖〜。
あっ。オトマチちゃん、こっちはカラーボールとかあるみたいっ!」
笑いで希釈した本当の、本当の濃度はわからないかもしれないけれど。
122
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/12/29(月) 21:30:09
>>121
「え、ええ……乙街……ちゃんで、お願いします……」
安堵したように、何度もコクコクと頷く。
「なるほど、『防犯カメラ』……」
「……『インフルエンサー』、ですか?」
『防犯カメラ』と聞いて乙街は納得した表情を浮かべたが、
続く言葉に、その表情は釈然としていなさげなものに変わった。
ネット文化に親しみがないと聞き慣れない職業であることは確かだろう。
つまりは、乙街もそういう人種であるらしかった。
「インターネット上の投稿から住所などが知られてしまう……
といった話は、時折ニュースでも耳にしますが……」
ただ、無知ながらも事情を飲み込むことはしたようだ。
あるいは無知ゆえに──違和感を持たなかった、とも言えるだろうか。
「本当に……そんなことがあるのですね」
『カラーボール』を眺めつつ、呟くようにそんなことを言う。
「……『武器』を持つとしたら……どのようなものが良いでしょうか」
123
:
コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』
:2025/12/30(火) 20:17:52
>>122
「このカワイイお顔をネットに公開しちゃってるから〜
見てくれてるファンの皆はとってもか〜わいい人ばっかりだけど……
それでも何か起きちゃう前に、ちゃんと対策しておかないとねっ」
『ネットでの顔出し』は一周回ってもはやポピュラーだけれど、
それでも危険には繋がることだから、
普通に聞く分には、何もおかしなことのない話ではある。
一方で…………
「わおわおわお、ブキ。武器! かあ〜。
うぅ〜ん、カラーボールじゃ武器には弱いかもねっ」
『護身』ではなく、『武器』。
その言葉選びには、若干の剣呑さを感じずにはいられない。
「なにかのマンガで『さすまた』がいいって読んだことあるけど、
持ち歩くんだったらもっとコンパクトなのがいいよねえ。
だったらやっぱり、こーいう警棒とかっ?」
スタスタ
警棒の棚に、踵を返して歩み寄る。
「これなんてホラ!刀みたいで強そうだよお、オトマチちゃん。
こんなの急にカバンから出したら〜
かわいくない不審者ちゃんもたちまち逃げ出しちゃうかもっ」
はっきり言ってどれが良いなんてわからないけど、
『鍔』もあって見た目が強そうな警棒を手に取って、見せてみた。
124
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2025/12/30(火) 22:39:47
>>123
「それは……大変なのですね」
コヤシキの話に神妙な面持ちで頷く。
詳しい人間なら、『顔出しくらいで防犯カメラなんて心配性だ』と思っただろうか?
翻って言えば、考え至るとしてもその程度だろうが。
「あっ……ぶ、武器と言いますか……
危害を加えようとしてくる人を鎮圧できるような……はい……」
コヤシキの反応を見て、乙街はそう訂正した。
その慌て方を言葉で表現するなら、『口を滑らせた』、かもしれない。
もっとも、もし『凶器』が必要なら、最も身近なのは『包丁』や『金槌』だ。
少なくとも『凶器携帯罪』に違反する気はないようではある。
「『警棒』……ですか」
『警棒』を眺めて首肯しつつ、その表情は満足げなものではない。
確かに、見るからに非力そうな乙街には活用の難しい代物かもしれない──が。
「しかし、例えば……例えば、ですが」
そう、念を押した上で。
「もし、相手が……『銃』を持っていたら……」
……その声色は、冗談を言っているようには聞こえない。
125
:
コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』
:2026/01/01(木) 01:01:52
>>124
警棒がお気に召さないこと自体は、
それほど不思議な話ではなかったけど。
「『銃』」
「かあ〜」
虚を突かれてしまった。
「わおわお……銃、ピストルだよね。
オトマチちゃんも大変なんだねえ!」
『銃撃対策』を冗談抜きで聞いてくる――――
こんなどう見ても荒事慣れした風でない相手に。
『真顔ボケ』じゃないのか?という気さえする。
「銃なんてゲームや漫画の中でしか見たことないけど、
ゲームや漫画みたいに弾きとばすなんて無理だろうし〜、
手で振り回す武器じゃ、ぜったい先に撃たれちゃうよねえ。
『軍人さん』とかはどーやって対策してるんだろ?」
「あ、やっぱり『防弾チョッキ』とか?」
ただ、それでも捨て置けないと思ってしまった。
「あっち、『ミリタリーグッズ』もあるみたいだよ。
あたしが使うにはちょ〜っとコンコンプライアンス違反な感じだけど、
オトマチちゃんには警棒とかよりぴったりかもっ?」
なので、一旦、真剣に取り合ってみることにした。
『冗談のつもりだったんです』と、それならそれでもいいけど、
『本当に悩んでたんです』と、そう言われたら、それは良くないから。
126
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2026/01/01(木) 21:59:27
>>125
「あ……い、いえ、今のは、物の例えと言いますか……」
「銃のような、強力な武器を持っている人間は……
警棒を見せても怯むことはないだろうな、と。……思っただけなのです」
さすがに、実践的な『銃撃対策』を尋ねた訳ではなかったらしい。
「……誤解を招く表現でしたね。すみません」
そう言って、乙街は軽く頭を下げた。
ただ、やはりその態度からして、冗談を言っているのではないようだ。
「『スタンガン』か、『催涙スプレー』が良いか……と、思っていましたが」
「……『ミリタリーグッズ』ですか。盲点でした」
感心したように頷くと、コヤシキの示したコーナーに歩み寄る。
ファッション目的の商品も多いようだが……実用向きのものはあるだろうか。
127
:
コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』
:2026/01/02(金) 22:05:54
>>126
「あ! ごめんごめん、あたしってば早とちりだねっ」
正直言って安心した。
「でもまあ、『見せても止まらない』人なら、
身を守ったり、逃げやすくしたりするやつしかないよねえ。
うう〜ん、武器が怖くて逃げちゃうか〜わいいひとは、
そもそもあんまり人を襲ったりしないのかもっ」
キョロキョロ
「そんなのってほとんど『クマ』みたいなものだし、
『催涙スプレー』が一番いいのかも?」
コーナーにはほとんどがコスプレ衣装のように見えたが、
『軍用払い下げ品』と銘打たれたものもいくつかある。
「あっ、みてみて、『本物の防弾ベスト』〜!
……の話はもういいんだった。
でも、スプレー持つにしてもこれ着込んでたら安心かな?」
「見た目はあんまりカワイくないけどっ。
でも、カワイくない人相手の対策だもんねえ」
その一つを手に取り、広げてみせた。
ただ、『防具』の類は『普段使い』には向いてないかもしれない。
普段からずっと警戒しておくなら、いいのかもしれないけど。
128
:
乙街 澄『プロリフィック』
:2026/01/03(土) 19:01:50
>>127
「確かに、『防弾』は少し過剰かもしれませんが……」
「『防刃』くらいなら……有事の際には、有用かもしれませんね」
手帳とペンを胸ポケットにしまうと、乙街もベストを広げて見せる。
防弾のものよりは多少、見た目も物々しくない感じだ。
どちらにせよ、普段使いするようなものではないとはいえ。
「あとは、やはり……『催涙スプレー』ですか」
実用向きの防犯グッズということで、スプレーも近くに置かれていた。
その中の一つを手に取り、しげしげと眺めた後、ベストと同じ手に抱える。
「コヤコヤさんのおかげで……必要なものが見定められました。
ありがとうございます」
ペコリと頭を下げると、乙街は踵を返した。
「……次は、『防犯カメラ』のコーナーを見に行きましょうか」
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