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【場】『 歓楽街 ―星見横丁― 』 その3

628美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2025/06/20(金) 17:14:12
>>627

林檎の『戦わずに楽しませる』という言葉に、力強い頷きを返す。
それは美作自身の考え方にも重なる。
『アリーナ』の主流は『闘技場』だが、
『プラン9・チャンネル7』は『戦うことのできない能力』だ。
あまりにも尖り過ぎた力を活かすための場など、そうそうあるものではない。
誰も用意してくれないなら、自分の手で作るしかないではないか――そう思い至った。

「『1001-111』のプロジェクト自体は、かなり前から用意してあってね。
 門倉さんからも『許可』はもらってるの。
 でも、いざ実行に移そうとした直前に、
 キリシマくん関連の仕事が来たから、ひとまず保留してたのよ。
 そっちが中止になったから、最初の想定と順序は逆になったけど、
 こっちの方を動かそうと思って」

この計画は美作が独断で始めたものではない。
『魔法使い試験』の開始前には、既に存在していた。
当時、門倉に耳打ちしたのが『それ』だった。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1655987686/281)

「でも、さっき言った通り、
 今は『本業』が忙しい状況だから、とりあえず一時中断してるわ。
 しばらくは『フォトコンテスト』の実現に注力することになると思う」

スマホをポケットに戻し、林檎の申し出に耳を傾ける。

     「――――ありがとう」

「林檎さんが話し相手になってくれると、本当に心強いの。
 支え合うからには、もし私に相談したいことができた時は、
 いつでも連絡してきてちょうだい。
 それ以外の話でも大歓迎よ」

        「これ、しばらく前に作ったから渡しておくわね」

                   スッ

別れ際、シンプルなデザインの名刺をカウンターに残す。
そこには『門倉派:広報担当・美作くるみ』と綴られている。
『星見FM放送』のパーソナリティーではなく、
『アリーナ構成員』としての名刺だった。

「それじゃ、また寄らせてもらうから」

美作くるみは、年の離れた林檎を『妹』のように感じている部分がある。
並々ならぬ苦労を背負っているであろう彼女が、
それを表に出すことなく、自らの仕事に向き合う姿には、胸を打つものがあった。
そこに『大きな秘密』が隠されていることを知る由もない。
しかし、美作にとって林檎は『良い友達』だ。
おそらく、これからも変わらないだろう。

「おやすみなさい、林檎さん。あなたも良い夢を」

ひらひらと片手を振り、明るい笑顔で『黒猫堂』を後にする――――――。

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