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【個】『観覧席』【ミ】

1名無しは星を見ていたい:2021/04/30(金) 19:56:44

     ┌───────────────────
     │・『アリーナ』の観戦
     │・『イベント』の見物
     │その他、あらゆる『観客』を歓迎します。
     └───────────────────

★当スレッドの使い方について★
・GMを問わない『共用スレ』になります。
・メインとなるミッションやイベントの『応援』や『観戦』を行うスレッドです。
・メインミッションのGMが許可した時のみ、使用できます。

51鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 20:42:35
>>48

「さすが闘士さんやね。」

尾藤の意見が正しいかどうかは分からない。
しかしここで闘う人間であるのだから、鈴元以上の見極めができるに違いない。

「じゃあ太田垣さんは他の冷蔵庫ん中移動して攻撃するつもりなんかな?尾藤さん。」

先ほどみたスピードと精密性で突然攻撃されれば
敵も面食らうに違いない。

「お坊さんも一気にはいかんのやね。」

ますますもって太田垣に有利な状況なのではないか?
もしも太田垣が『箱』から『箱』に移動する能力ならの話ではあるが。
いや、あの坊主もただ念仏を唱えているわけではないと思うが。

52久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 20:42:48
>>48 (GM)

「………………
 ………………
 ………………マジで出てこない」


念仏だけが反響する不気味な沈黙。
時間の流れがひどく遅く感じる……


「や、やっぱりこういうのは
 アリーナでも珍しい展開なんですね……」

「つ、つぎ動きがなかったら、野次を飛ばそうかな さすがに……」

53穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2021/04/30(金) 20:43:08
>>49

    「いや、
     これスゲーぞ。
     おいバカ、これ」   『承知!』

シュニッケンズに手荷物を持たせ
スーツのポケットに入れておいたスマホを取り出し、
闘技場へとカメラを向け

          パシャッ  パシャッ


「ッぶねー。ぶねー。 
 写真撮るの忘れてたわ。」

54トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2021/04/30(金) 20:49:13
>>48
「(普通なら――)」

先程も言っていたが『棺桶』だ。
自分から退路を断つ。それは気持ちとして理解出来るが、ここでやる意味が無い。
ということは単に入っただけではない筈だが――

「(『開ける』か? ぼくなら開けない。叩いて潰してから中身を確かめる)」
「あるいは『瞬間移動』・・・のような能力とも考えられるが・・・」
「武器を出せるなら、あの坊さんは槍でも出してくるかな」

宝蔵院は寺の名前だ。

55『六道辻』:2021/04/30(金) 20:49:34
>>47,>>53(穂村)
>>52(久染)
観客達も痺れを切らし、ブーイングを浴びせている。
そして、隣の『穂村』はスマートフォンを取り出し、撮影までしようとしている。

               パシャッ!

                        「――――と、ソイツはNGだ」

スマートフォンに撮影されたのはドアップの『トッポギ』だ。
『フー・シュニッケンズ』のスピードに合わせ、『クァンガン』は撮影を妨害したのだ。

     「撮影は禁止でね、漏洩の恐れがあるだろう?
      ――――まっ、僕も『トッポギ』を持ち込んでるしね。
      黙っちゃあいるからさ、その写メはぐるなびにでもアップしてくれよ、ハッハッ!」

>★『観戦』について★
>・会場内への飲食物、危険物の持ち込みは禁止されています。撮影もご遠慮下さい。

>>51(鈴元)

    「ああ、背後からの強襲を狙っているのは明らかだ。
     さっきの観客も『志村ー、後ろ後ろ』と叫んでいたな。
     やはり、侮れんものよ。読みを同じくするファイターが隠れているとはな」

気を良くした『尾藤』はペラペラと喋っている。
どうやら、『尾藤』と同じレベルの観客も混じっているらしい。

>★『観戦』について★
>・また、度の過ぎる能力推理やアドバイスも御遠慮下さい。ライブ感をお楽しみ頂ければ幸いです。

>>54(トミー)
「槍? 最早、個人の『兵力』を問う状況じゃあねェ。
 あそこまで時間を掛けるには、今までの『武器』じゃダメなんだろう」

>ALL
         「多咒即説咒曰」    「掲諦 掲諦 波羅掲諦 波羅僧掲諦」

         「菩提薩婆訶 ――――『般若心経』」


異様な光景に観客達も押されていたが、
『般若心経』が途切れれば不満の声も聞こえてくる。


     「何してんだよ葬式じゃねぇんだぞ!」


                 「出てこいよ太田垣!」


     「坊主テメェーも攻めろや!」


罵声を意に介さず、『慧観』は『般若心経』を詠み終えた。
そのまま翳した手を押し込み、

                              ガァンッ!

あれは、『梵鐘』だ。翳した手から突如現れ、『冷蔵庫』の上から覆い被さる。
そして、そのままコンクリートの床に手を付き、


       「秘技・『安珍殺し』」


                     ボワァァァ〜〜〜〜〜ッッ!!


              ボボボボボボボボ―――――


アリーナの床が燃え広がるッ!
あれは『大文字』、京都の『送り火』だ。

56穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2021/04/30(金) 20:49:50
>>55
「おーッ悪ィ悪ィ。
 俺、ランチの写真をinstagrammにあげるOLみたいな所あるからよ。
 めっちゃ反省だわ。てへぺろ」

         『老師、ルールを守って
          楽シク観戦シマショウ。
          ソシテ、『闘士』達カラ『技術』ヲ学ビ、
          我ラノ夢デアル『スタン道』ノ完成ヲ――』

「いや、目指さねーけどよ。
 ちょっとうるさいんで黙ってて貰えないですかね元太君」

          『救命阿ッ!』

スマホをしまい込んで、闘技場に目線を戻す。

「ッて炎上してるじゃねーか。
 坊さんやべーな」

57スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 20:50:04
>>55

「……ありゃあ、鐘?
 まさか、音で攻め――」

その予想は、一瞬にして覆された。
 
          「――――炎!?」

「鐘はともかく……あの炎! 火力!
 ちょっとついでに炎も出せるんですよ〜って感じじゃねえぞ。」

炎――いや、大文字。
それが何を意味するかは分からないが……

「こうなったら、もう中にはいられねー……
 かといって出るには鐘が邪魔だ。
 マジに、棺桶……火葬そのものじゃねえかッ!」

         (だがっ! 炎はともかく――
          外から仕掛けてくる可能性は良も考えてるはず。)

ここからどうするか――
さっきとは立場が逆だが、『対応』が問われるシーン、か。

58久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 20:50:17
>>53 >>55 (穂村・GM)

「さ、撮影!
 そんなことしていいんですか―――えッ?」


隣席から伸びる静止と注意の声。
み、見えなかったけど……一体いつの間に?


一瞬あっけにとられていたが、
観客の怒声に意識が会場に引き戻される。
…………『年季』を感じるブーイングだ。


 「って! 今度は『鐘ェ』!?
  それに『火』! いったいどこから……
  なんとも典型的だが効果は歴史が保証済み!

  逃げ場ゼロの『城攻め』だ――――――ッ!」

59鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 20:50:31
>>55

「矢ぁ、杖の次は鐘っちゅんはなんや変な感じするわ。」

「お坊さん、ずっとお経唱えてはったんも気になるけど。」

坊主なのだから経くらい唱えるだろう。
それに今から太田垣を倒すつもりなら経を唱えるのも悪い判断ではない。
鐘は冷蔵庫の上に覆いかぶさっている。
まだ中にいるのなら何らかの覚悟をしておいたほうがいいのだろう。

「安珍殺し?」

故郷、京都の五山の送り火。その中でも有名であろう大文字を髣髴とさせる火だ。
風流だ。

……鈴元の記憶が正しければ
安珍は清姫から逃れるために鐘に隠れたが蛇に変わった清姫に焼き殺されている。
僧である安珍の死をこの坊主が再現する気ならなかなかに面白い光景である。

60東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 20:50:51
>>55

「ふむ」
「あの太田垣ってヤツは・・・相当な『博打打ち』か」
「あるいはよほど自分のスタンドの『奇襲』能力に自信があるんかのう」

いきなり冷蔵庫に隠れた太田垣を見て、呟く。
慧観は、太田垣のスタンドのスペックを見てなお接近戦に持ち込もうとした。
つまり、それに更に打ち勝てる自信があることになる。もちろん、そこには『エンプティ・エステート』の能力が絡んでいるはずだ。

あくまで自分の考えだが、堅実な選択なら、可能ならば防御や回避に使える策を講じつつ、応戦する。
そこで慧観は、太田垣のスタンドに打ち勝てる能力を見せるのだろう。
恐らくダメージは食らうだろうが、敵の能力を見られるなら悪くはない、と思う。
後はどれだけそのダメージを下げられるか、だ。

しかし太田垣は、戦闘を避けて持ち込んだ冷蔵庫の中へ隠れた。そこから不意をついて『反撃』するつもりなのだろうか。
自ら突っ込んでくる慧観を警戒しているのかもしれないが、しかし相手の動向が見られないデメリットもある。
あるいは、潜みながらも相手を観察できる能力なのかもしれないが。
うまくいけば、相手の能力をかわしつつこちらが攻撃を加えることができる、最高の流れだ。

だがその『反撃』の策が奇策であればあるほど、失敗した時のリスクも大きかろう。
ましてや相手の能力が分からない状況では、成功するかどうかも不確定要素が強い。『ギャンブラー』だ。

「…気ィ張れよ、太田垣」「『流れ』、持ってかれんようにな」

はたしてあの炎は、太田垣のスタンドに効くのだろうか。

61トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2021/04/30(金) 20:51:04
>>55
「・・・(おいおいおいおい〜ッ。解除すればいいと思っているんだろうが、かなりヤバいんじゃないか?)」
「(火はヤバいだろう・・・火は)」

気になるのはやはり『太田垣』の行方だが、まだ冷蔵庫の中にいるとするならば相当危険だ。
梵鐘を持ち上げることができる・・・なら、望みはあるかもしれないが・・・

「(に、しても)」

「(やはり一貫性に欠けているように見える。共通点はあるかな。『弓』。『錫杖』。『梵鐘』。『大文字焼き』・・・)」

「失礼、『あそこまで時間をかける』とは、どういう?」「あの『般若心経』のことですか? いま終わった・・・」

62『六道辻』:2021/04/30(金) 20:51:19
>ALL

    ≪あれは『梵鐘』、寺院に置かれた大型の鐘です!
      『除夜の鐘』で皆様も御存知でしょう、日本最大は『飛龍の鐘』ッ!≫

    ≪その大きさは『直径2.8m』、高さは『4.5m』、
      そしてェ、その重さは『一万貫』、――――『37.5トン』です!

      『慧観』選手の発現した『梵鐘』はそれより小さいですが、
      それでも冷蔵庫を覆っても尚余りある大きさ、加えて『火攻め』です!
      容赦のない、慈悲を忘れた『最善手』ッ! これには『太田垣』選手はひとたまりもないィィ―――≫


     「あ、あれって『反町』を倒した技だろ……」

               「ああ、あの時は『音』だったが……」

     「銃弾でも死なない『反町』も、『音』は効果的だったからな」

     「『振動障害』、『難聴』、ファイターとしては『再起不能』だろ――――」


『森田』の実況によって、観客達もざわめきはじめる。
文字通りの『必殺技』、『安珍殺し』の名は伊達ではないということだろう。


>>59(鈴元)
>>60(東雲)
「当たり前だ。アイツは『テレポーター』だからな。
 今から背後の『冷蔵庫』をコッソリ開けて、不意を突く。

 いかなるスタンド能力も、背後から殴れば無意味となる。
 少々あっけなかったが、勝負の常でもあるな――――」

                        「おう、ビールを一つ。
                         そこの少年二人に、コーラだ」

すっかり安泰と決め込んだ『尾藤』は売り子に飲み物を要求する。
推論に推論を重ねて結論付ける『尾藤』の浅はかさに反し、『東雲』は冷静だ。
不意打ちのメリットを思索しつつ、能力の推理が及ばない段階での『奇策』を危険視する。

           「……おい、遅すぎやしないか?
            何をしている『太田垣』、観客を焦らしてる場合か?」

痺れを切らした『尾藤』はビール片手に『梵鐘』を睨む。
二人にも『コーラ』が手渡される。周囲の観客も飲み物を頼んでいる。
どうやら『長丁場』を見越しているようだ。緊張による喉の渇きもそれに加わる。

>>57(スミシー)
>>61(トミー)
「あの鐘を持ち上げるのは、スタンドじゃあ不可能だ。
 『クレムリンの鐘』よりも小さいが、それでもざっと『20トン』はあるな。

 レイチェルの『ブロンディー』のような圧倒的パワーを利用し、
 傾けるのに全力を費やしても『タンクローリー』が限界だ。
 ヴィジョンを超えた、『力押し』ではない『応用』が求められる場面になる――――」


灰色の目を鈍く光らせ、『ニコン』は真剣な口調で事態を憂う。
その目には『好奇心』が宿る。今始めて、彼は『太田垣』に注目しているのだ。


    「いや、あれがどうとかじゃあねぇ。
     『籠城』を選択した時点で、時間を掛ければ有利になるのは『太田垣』だ。
     それでも尚、性急な攻めを見せずに『時間』を掛けた。

     つまり、『慧観』もまた、『時間』を掛けるだけのメリットを有している」

>>56(穂村)
>>58(久染)
「実を言うと、僕は同種の『箱』から『箱』へ『瞬間移動』する能力と考えていた。
 冷蔵庫から冷蔵庫へテレポートし、『慧観』住職の背後を突く作戦だと。

 ――――だが、ここは『アリーナ』だ。『実況』が、『観客』の目がある。
 移動を伴う『不意打ち』では衆目の反応でバレてしまう。
 そんな技を使うわけがない、これは僕の予想が浅はかだった……。

 そして、不意打ちが出来るなら今のように時間を掛ける理由は『太田垣』君にはない。
 まさかとは思うが、――――もう『詰んでいる』んじゃあないのかッ!?」

『クァンガン』は『トッポギ』を食べるのも忘れ、試合を見守っている。

63鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 20:56:15
>>62

「あんままやったら
太田垣さん焼け死んでまうわ」

勿論このままやられることはないだろう。
なにか策があるはずだろう。
闘士なのだから。

「長なりそうやねぇ。」

「ああ、おおきに。」

コーラを受け取る。
長いとか短いとかはわからないが
周りの雰囲気から
そういう感じだろうと思う。

「……太田垣さん大丈夫よね?」

64穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2021/04/30(金) 20:56:30
>>62
「いやいや」
「いやいやいやいやッ」

首をぶんぶん振る。

「箱に閉じこもって火あぶりって、
 マジシャンのお得意マジックじゃねーか。
 こっからドーン!ってマジック披露するんだろ。
                  だよな?」

65久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 20:56:54
>>62 (GM)

 「な……
  なんてスケールのスタンド攻撃!

  籠城するならその城ごと包んで焼いてしまおうなどと!
  この灼熱地獄に逃げ場も容赦もまるでなしッ!

  しかしこれが坊さんのやることかッ!」


 思わず身を乗り出して絶叫すると、
 周囲から次々と聴こえてくる不穏な言葉に背筋が凍る。

 『障害』 『再起不能』 『詰んでいる』…………


「そっ そんな…………
 これじゃあ中の様子がわかりませんよッ!
 炎の熱と酸欠!
 すでに『KO』――
 いや、それ以上の事態になっている可能性もあるのでは……!?」


 「な、中はどうなってるんだ!
  挑戦者は生きてるのかァ――――――ッ!」

66スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 20:57:07
>>62

「20トン〜〜ッ……!?
 なんじゃそりゃ、いや、まあ、それくらいのサイズではあるが……!」

「ナルホド、そりゃ力押しじゃあどうにもならねーわな……」

規格外の重さだ。
伊達に長い準備はしてないってことか。
太田垣のスタンドにはパワーはそれほどなさそうだし、先ほどのようなスペックでの対処は不可能。

(レイチェル? 誰だそりゃ……いや、この流れだし、有名ファイターってとこか。)

「……良の野郎、マジで何か仕込んでるんだろうなァ〜〜ッ。
 いや、仕込んでたとして……こっからどう脱出しやがるか……」

なんとなく隠れてみました、ってわけはないんだろうが……

67東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 20:57:26
>>62(GM)

「ありがとうございます」

『ペコリ』

感謝を述べつつ頭を下げ、コーラを受け取る。
果たして尾藤の予測通りになるかどうか。少なくとも、周囲の観客は
この人の予測とは逆の結末を想定しているようだが。

>>63(鈴元)

「少なくとも死にゃあせん。その前にストップがかかるようになっちょる」

不幸中の幸いか、少なくとも武器を発現している『エンプティ・エステート』と違い、
太田垣のスタンドは全く能力を見せていない。ここからどうにかできる可能性もある。
仮にまだあの冷蔵庫の中に太田垣がいるのならば、むしろここは能力を使わざるを得ない場面だろう。

68『六道辻』:2021/04/30(金) 20:57:42
>ALL

        ガゴッ

                ォォォオオオオオ――――ン


何かがぶつかる音が鳴り、か細い鐘の音が響き渡った。
中の冷蔵庫が傾きでもしたのだろうか。


       ≪悪戦苦闘か、『太田垣』選手ッ!
         『慧観』選手、念仏を唱え始めていますッ

         『ファラリスの雄牛』もかくやという『拷問』に、
         何のためらいもありませんッ! 怒りか、憎しみか!?≫


『慧観』は念仏を唱え始めている。
状況に変化はない。

>>63(鈴元)
>>67(東雲)
「何、いざとなれば『ギブアップ』もある。
 拍子抜けだろうが、『再起』もまた――――」

ふと、ビールを飲む『尾藤』の手が止まる。
『鈴元』、『東雲』もまた、ある不安が脳裏を過る。
『ギブアップ』という制度は、当然ながらファイターの『アクション』によるものだ。
だが、今の『太田垣』にギブアップを伝える手段はあるのだろうか……。

>>64(穂村)
>>65(久染)
「彼にはアリーナとの『因縁』がある。
 息子を殺された怨み、過去の『屈辱』は力になる。

 ……いや、違うな。力を振るうだけの『理由』になる。
 あの所業を許容出来るだけの『怒り』が、彼の中には眠っている」

>>66(スミシー)
「物質を変化させ、一部を破壊することは出来るだろう。
 ……だが、今に至るまでその『手』は打っていない」

                     リ バ ー サ ル
      「――――どう出る、『表裏一体』」

69スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 20:58:04
>>68

「……動きがねー。手があるなら打ってる頃だと思うが……
 何か、こう、何か――やってるんだろうな、アイツよォ〜〜ッ。」

太田垣の動向が気になる。
そして、慧観の念仏。またもや何か仕掛ける前触れなのか……?

ガゴッ

                ォォォオオオオオ――――ン


「今の音ッ! こりゃあ、脱出の……
 反撃のための『音』なんだろうなァ〜〜ッ……
 クソッ、見えねーのがもどかしいぜ。」

(このままじゃあ、マジで火葬だ。
 万策尽きて、もがいてる音だとは、思いたくねえが……!)

しかし実際何の動きも見えない。
手は打っているのか?

それとも、この梵鐘作戦は流石に予想外だったのか――?

70穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2021/04/30(金) 20:58:17
>>68
「へェ。よくわかんねぇが、
 彼氏がガンで死んだ後に子供を授かったケータイ小説びっくりな、
 バックボーンがこの坊さんにあるわけな。 

 おッ、なんか中からガンガンやってんぜ。
 出てくんのか?冷蔵庫の中から出てくんのか?
 やるのか?やらねーのか?」

71鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 20:58:31
>>68

「鐘の音はきれぇやけど、ここで聞きたくは無かったわぁ。」

内部から破壊を試みているのだろうか。
鐘を冷蔵庫で破壊するのは難しそうだ。

「当然なんやろうけど、お坊さん容赦せんみたいやね。」

このまま一気に勝ちまで持っていく気だろう。

>>67

「まぁ、でも止められるんやったら……ん?」

鐘の中にいま太田垣は閉じ込められている。
鐘はあの坊主の能力なのだから坊主にその気が無ければ消せないのではないか?
それはつまり太田垣の生死を握っているのはあの坊主であるということだ。

あの坊主が殺そうと思えばいつでも殺せるのではないのか?
太田垣は先ほどのように鐘をガンガン鳴らさなければ
ギブアップの意思を示しようがないのではないか?

「お二人さん。太田垣さん、大丈夫なんよね?」

本当に太田垣の能力が瞬間移動なら大丈夫だろう。
本当にそうなら。

72久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 20:59:06
>>68


 「な……あ、『アリーナに息子を殺された』?
  それは一体―――」


  「…………! あッ!

   か、鐘の中から音がッ!

   挑戦者――太田垣さん、
   意識はあるのか? それとも――」


 思わず身を乗り出す。

 今はただ、
 挑戦者の『奇跡の脱出』、
 その瞬間が見れることをただただ祈るのみだ……

 言葉も忘れ、ステージ上に意識を集中する。

73トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2021/04/30(金) 20:59:23
>>68

「・・・鐘が」

鳴った。
中々、これが『演出』だとしたら、中々に凝ったものだとは思う。

「フム・・・『表裏一体』。今更だけどそういえば、なんとなく親近感を覚えるよなあ」

『壁抜け』なんか、得意そうなあたりが特に。

74東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 20:59:37
>>68(GM)

まさか、だが。

「・・・・・・・・・・」

「尾藤サン、今までにこういう状況はなかったんか?例えば選手と
 意思の疎通が図れる『スタンド使い』なんかはおらんかったんか?」

自分よりも、このアリーナでの試合数が多い尾藤に訊ねる。
選手の姿が確認できない状態で、試合が進む。こういった場面を『アリーナ』は想定していないのか?

>>71(鈴元)

「・・・・・分からん」「一般人ならその気になりゃあ鐘ん中までは見れるじゃろうが」
「・・・確かに冷蔵庫ん中の姿は見えんじゃろう」

「じゃが本来、命のやり取りをせんはずの場所で、あの坊さんだけが太田垣の命を奪おうとしちょるんなら」
「わしゃあ壁をブッ壊してでもアイツをブチのめしちゃるけぇ」

まだ動くべきではない、アリーナの他の様子を伺う。
これも運営側の想定内なのか。それともあからさまに動揺しているか。

75『六道辻』:2021/04/30(金) 20:59:58
>ALL
                    ――――ガタッ

      ォォォオオオオオ〜〜〜〜〜ンン

無情な鐘の音がまたしても響く。
『慧観』は相変わらず『念仏』を唱えている。
その顔にはじわりと汗が滲んでいる。火元から離れず、至近に佇んでいるからだ。


    「んだよこれ、試合じゃねぇだろ!」

         「坊主てめぇーナメんじゃねぇぞ!」

    「出てこいよ蝶ネクタイ!」

         「パチカスのガキになりてぇのか!?」


    ≪え、えぇーー、落ち着いてください!
      モノを投げないで! 『太田垣』選手、中々出てきません!

      詳細こそ語れませんが、『ザ・サードマン』であれば、
      梵鐘から出てくるのは容易いと思いましたが、
      何か策あってのことなのでしょうか!?≫


膠着した試合への不満から、場内の『ブーイング』もヒートアップしている。
実況の『森田』も何とか観客を宥めようとしているが、流石に難しそうだ。
傍から無線機を取り出し、何やら会話をしている。


>>70(穂村)
>>72(久染)
「『白岡知空』、半年前に試合の事故で亡くなった。
 三か月後、無言のままで現れたのが『慧観』住職だ。
 彼は以後の試合を全て観戦し、情報において圧倒的有利を得てからファイターになった。

 生きていれば『太田垣』選手と同い年だった。
 手心を加えると思ったが、……そんなことはなかったな」

もう一度、鐘の音が響く。


>>69(スミシー)
>>73(トミー)
「チッ、万策尽きたみてぇだな」

『ニコン』は残ったビールを煽ると、おかわりを売り子に要求する。
ついでにハンバーガーを受け取ると、無作法に噛み千切った。

     「お前、あのファイターと知り合いなのか?
      ……どうだ? 無理なのか、ソイツは」

>>71(鈴元)
>>74(東雲)
「ああ、大丈夫だろう。
 ……おい、しっかりしろ! 太田垣!

 テメェ、これで終わりなら承知しねぇぞ!」

『尾藤』が怒鳴り声を上げるが、応えるのは鐘の音だけだ。
『東雲』の質問に対し、苦虫を噛み潰した表情を作った。

    「いや、そもそもその必要がなかった。
     知っての通り、『リングアウト』の時点で敗北だ。
     選手の姿が隠れるというのは、本来は想定してはいない。

     俺の『鏡花水月』は『評価』を耳にした者の視界から消える能力だ。
     会場の外で試合を見ていた者なら、俺の姿は見えていたはずだ」

現状を想定していないのは確かなのだろう。

76東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:00:13
>>75

思ったよりも、事態は深刻なようだ。

「太田垣がうまいことやらんと、その命はあの坊さん次第っちゅうことか」

ここで彼がうまく逆転の目を見つけてくれれば良いが、そうでなかった場合
敗北は確実、最悪その命までも絶たれてしまうかもしれない。

「………」

珍しく太田垣に肩入れする尾藤に、やや驚きながらも、
改めて自分もリングの上の鐘を見やる。これすらも策の内というなら、大したエンターテイナーだが。

77久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:00:27
>>75


「『半年前に事故』で……?」


 それをわざわざ『アリーナで殺された』と言うからには、
 なにかしらの『過失』がアリーナ側にあったということなのか?


「『弔い戦』、あるいは『仇討ち』……と、
 そういうことなんでしょうか。
 B級になることで――」



と、観客の怒声が会話を裂く。

言葉遣いは相当ヒドいが、正直な話
彼らの言い分に同情できる部分がないわけじゃない。

これが興行として成立するのかどうか、
ギリギリの戦局が続いている……
僕も焦れったさに焼かれそうだ。

立ち上がり、ステージに向かって叫ぶ。


 「挑戦者ァ―――――――――ッ
  アンタ まだ戦えるのかァァァ―――――――ッ!」


     「頼むから奇跡を見せてくれ――――――ッ!」

78『六道辻』:2021/04/30(金) 21:00:43
   「テメェーの料理教室じゃねぇンだよ住職ッ!」


                   「寺に火ィ付けっぞゴルァ!」


   「引きこもってんじゃねェぞ太田垣ィィ―――!!!」


                   「蝶ネクタイ千切られてェのかァアアン!?」


膠着しきった試合へのブーイングが止まらない。
金網を蹴り付ける客まで現れ始める。一歩間違えれば『暴徒』になるのは明らかだ。
念仏を唱えていた『慧観』だが、やがて『梵鐘』から視線を外し、観客の方を向いた。


              スッ


      「今、この会場にいらっしゃる『B級ランカー』は二人。
       『ニコン・C・カラシニコフ』選手、『キム・クァンガン』選手。
       『太田垣』選手の『ギブアップ』を運営側が認め次第、すぐに試合へ移行させて下さい。

       お二人が『急用』を思い出したのでしたら、『C級ランカー』へ残留致しましょう。
       『尾藤』選手を倒した『東雲』選手、ルーキーキラーの『相模』選手、
       この会場にいらっしゃる十五人の『C級ランカー』の方々に、『対戦希望』を致します」


             「皆様が『腹痛』を訴えるのでしたら、致し方ありません。
              長期入院中の『稲積』選手の治療費を負担し、会場へ送迎致すも良し、
              登録抹消をされた『小久保』選手の復帰試合を組むも良し、
              『セクションX』の方々を招致頂くも良し、運営側のスタンド使いを『選手登録』するも良し」


巨躯から発される歌うような低声が場内に響き渡り、ブーイングが鳴り止む。
『慧観』の表情は変わらない。大海の如く穏やかな笑みを浮かべ、そこにさざなみさえ立たない。


             「――――そして、『白岡知空』を殺害したファイター、
              彼との『遺恨試合』を組むも良し、この試合に代わる『マッチング』は様々」

             「聞け、修羅道に堕ちし蒙昧の迷い人よ。
              己に執着し、決別を忘れ、力に拘泥し、
              刹那の『勝利』にしか自己を見いだせぬ者達よ。

              ――――全員、この『地獄』から解き放ちましょう」


その言葉は己の甥を殺害した『ファイター』への果たし状であり、
会場にいる全ての『ファイター』への挑戦状であり、
闘争にのみ存在意義を持つ『アリーナ』への『斬奸状』であった。

79『六道辻』:2021/04/30(金) 21:00:55
     「挑戦者ァ―――――――――ッ
       アンタ まだ戦えるのかァァァ―――――――ッ!」


         「頼むから奇跡を見せてくれ――――――ッ!」


その最中、祈るような叫びが場内に木霊した。
一人の声援が、静寂に包まれたアリーナを切る。
『慧観』はその声に目を細め、

                l /
               ホ                 「!?」
                ゥ
                      ガクゥ.
               ヴ          \
                                i


突如、『慧観』は片足を引っ張られるようにバランスを崩した。
何が起こったかは解らない。その場から飛び退き、周囲を警戒する。
金縁眼鏡越しにハッキリと見える、その双眸は動揺の色を隠せない。


     ゴ
                     ゴ

      ゴ     ≪い、今ッ!?
              御覧になられたでしょうか!?≫
                                              ゴ     ゴ
             ≪突如、『慧観』選手がバランスを崩しましたッ!≫
                                                 ゴ
             ≪床を這う『炎』が持ち上がり、鎌首をもたげたッ!
              まるで『蛇』、燃え上がる『大蛇』が『慧観』選手に襲い掛かったか!?≫


驚きに上擦った『森田』の言葉通り、突如として『慧観』の傍にて『火柱』が立った。
さながら『雌伏』から『雄飛』へ、翼を羽ばたかせるかのようだ。
――――アリーナは、不気味な沈黙に満たされる。

80鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:02:17
>>78-79

鈴元涼は観客だ。
このアリーナの闘士ではない。
ただの観客で、何も知らぬ部外者のような立場だ。
異邦人のような立場だ。

坊主がこの闘いに色々思うことがあるのだろう。
それに対して鈴元は文句もなにもない。

「あ。」

誰かの叫ぶ声。
祈りのようなその声。どこかで……?

「あら?お坊さん、どないしはたんやろ。立ちくらみやろか?」

「や……太田垣さん。なんかしはったね。」

81スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:02:31
>>75(GM)

「……スタンド使いだ、って知ってる程度には知り合いだぜ。
 つっても、能力も知らねーし、『戦い方』も知らねー……冷蔵庫の用途もな。」

「……だがッ、もう無理とは思いたくねー。
 何か策はあるはずだぜ……きっとよォ……何か……ッ!」

……こうも、こうもあっけなくやられてしまうのか?

慧観の『勝利宣言』が響く。
歯噛みするスミシー。

「め、メチャクチャ言って、いい気になりやがってよォ〜〜ッ! なんつー坊主だッ!」

      「……」

太田垣は動きを見せない。
……終わったとは思いたくない。
だが、この状況。


             「…………ま、マジに……終わりなのか?」



      ・ ・ ・ ・いや!

(…………なんだ? 坊主野郎が、急にガックリしやがった……)

「…………まさかッ!」

反撃開始……か?
沈黙の中、謎の現象の、様子を見守る。

82東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:03:00
>>78-79



>      「今、この会場にいらっしゃる『B級ランカー』は二人。
>       『ニコン・C・カラシニコフ』選手、『キム・クァンガン』選手。
>       『太田垣』選手の『ギブアップ』を運営側が認め次第、すぐに試合へ移行させて下さい。

>       お二人が『急用』を思い出したのでしたら、『C級ランカー』へ残留致しましょう。
>       『尾藤』選手を倒した『東雲』選手、ルーキーキラーの『相模』選手、
>       この会場にいらっしゃる十五人の『C級ランカー』の方々に、『対戦希望』を致します」

「・・・・・・・・・・」

どうやら慧観には、少なくとも太田垣の命を奪うつもりはなさそうだ。
復讐心に駆られ、暴走する可能性も考慮したが、流石は坊主か。
アリーナを潰すとしても、非道な手段は用いない。そういう信念があるようだ。

だが。


>             「皆様が『腹痛』を訴えるのでしたら、致し方ありません。
>              長期入院中の『稲積』選手の治療費を負担し、会場へ送迎致すも良し、
>              登録抹消をされた『小久保』選手の復帰試合を組むも良し、
>              『セクションX』の方々を招致頂くも良し、運営側のスタンド使いを『選手登録』するも良し」


『ブチッ』

ここまで分かりやすい挑発を受けて、落ち着いていられるほど東雲は大人しくはない。
あからさまに表情を険しく変え、組んだその太い腕やこめかみに、血管が浮き出る。
ここが試合中でなかったら、即座にその挑戦を買っていただろう。

そう、試合中でなかったなら。だが試合はまだ終わっていないのだ。

           「じゃかあしいわ、アホんだらぁッ!!」

立ち上がり、大声で叫ぶ。

     「まだ決着はついとらんじゃろうが、他の相手ばっか見とらんで集中せんか!!」

                    「『油断』や『慢心』は、相手に、戦いに対する冒涜じゃァッ!!!」

そして鼻を鳴らし、腰を下ろす。
ヤツの言葉通りにもし太田垣が敗れた場合、即座に名乗りを上げてやろう。

83穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2021/04/30(金) 21:03:32
>>79-80
「なァなァ」  『ハイ?』

「こいつらうるせえよな。
 やっぱ流石の民度っつーかよ。
 銀と金に出てくる分かりやすい汚い金持ちの方が、
 まだお上品だよな」

           「るっせーバーカ!」

振り向いて『太田垣』と『坊主』に罵声を浴びせる観客に、
罵声を浴びせてみよう。

「んだ、こいつら。
 もし試合がオジャンになったら、
 公康君の『ルービックキューブ』捌きでオーッて沸かしてやっけど
 ッて、お。
          お?  お?

 坊主が倒れて炎上してるじゃん。ヤベーわ。
 太田垣、なんかしたんか?これ、マジック炸裂か?」

『素晴ラシイッ!京成逆転デスカ!
 オォォ――――――ッ』

84『六道辻』:2021/04/30(金) 21:04:12
>ALL
           「じゃかあしいわ、アホんだらぁッ!!」

           「まだ決着はついとらんじゃろうが、他の相手ばっか見とらんで集中せんか!!」

           「『油断』や『慢心』は、相手に、戦いに対する冒涜じゃァッ!!!」

           「ナメんじゃねぇぞ坊主!」

           「ツブすぞハゲ!」    「ハゲ!」

頭上にてファイターの一人が怒声を荒げている。
それに続くように、何人かのファイターが怒号を響かせる。


                バシュッ


         ≪解除です! 今、『梵鐘』と『大文字』が解除されました。
           その『全貌』が明らかになるッ! ああっ、酷い有様です!≫


『火炎』と『質量』でダメージを受けた『コンクリート床』に、亀裂が産まれている。
そこには誰もいない。『脱出』に成功した『太田垣』、その所在は――――


    「『地下』に逃れましたか。
     ――――しかし、規定に」

    ≪『太田垣』選手、『地下』へ逃れましたッ!
      ルールによると『地下』はリングアウトとなりますが、

      『ザ・サードマン』は単純な『反転』とは別に、『亜空間』を形成した上で、
      『どんでん返し』を作り出せます! グレーではありますが、合法です!≫

『地下はリングアウト』、『慧観』の指摘よりも早く、『森田』の解説が唸る。

         ギィィ――――

                               バタムッ

        ≪現れましたッ! 満を持して、『ザ・サードマン』の登場です!
          あの『灼熱地獄』から二分弱、長い奮闘でしたが遂に戦場へ復帰しましたッ!≫

戦力に勝るヴィジョンを前に、『慧観』は何事かを呟きながら、


                        ガバァ


一歩下がり、傍に置かれた『冷蔵庫』の扉を開ける。

>>80(鈴元)
>>82(東雲)
「今、見えたぞ。
 ――――『床』だ。『床』が持ち上がった」


『尾藤』は目敏くも変化に気づき、床を注視する。
まさにその言葉通り、持ち上がった床板から『ザ・サードマン』が現れる。

>>81(スミシー)
「来たぞ、『太田垣』ィィ……」


     「ここからか、ここからじゃあねェか。
      『慧観』、ファイターを甘く見るなよ」


     「スタンド能力が明かされた、ここからはあっという間だ。
      『太田垣』は能力を隠す間さえ与えず、攻め続けるぞ――――」


筋骨隆々の大男、灰色の目を光らせて口角を吊り上げる。

85『六道辻』:2021/04/30(金) 21:04:29
>>83(穂村)
「観客が湧いている……」


       「流石は『慧観』住職、
        葬式仏教と蔑まれているとはいえ、
        人の心を揺さぶるのは『宗教家』の本懐か」


『クァンガン』は笑みを浮かべる。
今までの穏やかさではない、『野生』を帯びた鋭ささえ感じられる。

86スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:04:52
>>84(GM)

         ギィィ――――

                               バタムッ

「どんでん返し……
 あいつが『良の能力』……かッ!」

      「文字通りッ!!
       ひっくり返しやがった!
       ――つまり、形勢ってやつを!」

坊主――『慧観』は強い。
だが、太田垣はまだ、なんの強さも見せていない。

「もはや坊主の押せ押せムードじゃあねえ……!
 良、オメーのエンターテイメントでッ……!」

――そう、ここからだ。
ここからは。

       「……戦い方でッ!!
        お前のターンだぜ、ついに……!!」

『ザ・サードマン』が、慧観を翻弄するターン……だ。
もちろん、どうなるかは、分からないが。

87穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2021/04/30(金) 21:06:28
>>85

「おお」

『オオ!素晴ラシイ!

 此処デ”スタンド”ヲ使い、文字通り”ドンデンガエシ”!
 今マデノ冷蔵庫ニル一見悪手ニモ思エル戦法ハ、
 コノ状況ヲ作る為ノモノカ!成程成程…!
 我ラニは決シテ、デキヌ!イヤ、シカシコノ技術・・・
 我ラノ”スタン道”ニ組コメナイモノだロウか。
 ”八極拳”の技術ヲ応用スレバアルイワ・・・!

     穂村老師ッ!クァンガン殿!侍殿(久染)!ドウ思イマスカ――ッ!』

          バッ

「なんつーか、アレよ。
 場の空気が一気に変わったな。
 おー、おー、いけ、いけー」

シュニッケンズを無視し、太田垣に声援を送る。

88東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:06:43
>>84

「・・・・・」


尾藤の発言に、流石と思い、同時に頭が急速に冷えていくのを感じた。
一人で熱くなってしまった自分とは違い、冷静に戦場を見据えている。
同じ『ファイター』であるからには、『アリーナ』に対する斬奸状へ何も思わないはずはないのに、だ。
自分も後は黙して、両者の戦いを観察しよう。

「『どんでん返し』…なるほどのぉ。面白い能力じゃ」

さて、間合いは近付いたようだが、『ザ・サードマン』に対し『慧観』はどう出るのだろうか。

89鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:07:10
>>84 (GM)
>>82 (東雲さん)

「!」

隣の東雲が叫んだため少し驚いた。
表には出さないが、心臓がばくばくと動く。

「おぉ、太田垣さん。」

ついに反撃開始か?

「なるほどぉ『どんでん返し』
 『箱から箱への瞬間移動』ではなかったみたいやけど、凄いねぇ。」

二人の姿を見守る。

90久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:07:31
>>84-85 (GM)


        「!」



    「ついにッ」



           「ついにッ!」



  「『戻ってきたッ!』 
    戦いの舞台にッ!」



 さきほどの『慧観』の穏やかな、
 それだけに背筋が凍る
 『宣戦布告』……


 彼の戦いは『弔い』も『仇討ち』も超えて、
 血と暴力を麻薬のように吐きだして回る
 アリーナが持つ『業』そのもの にまで到達しているようだった。


 彼の生き方について、
 僕の中に答えは見つからない……

 『答え』を見つけられるとすれば、
 それは今この舞台の上で戦うものだけだ。



  「おおおおおおおおおおおッ!
   太田垣――――――――――――ッ!」


 ステージ上には見えない挑戦者に向かって、
 そんな祈りを込めた声援を送りつづける。 



>>87 (穂村)

 「スタンドさんの言う『スタン道』というのは
  僕にはサッパリですが、
  スタンドさんならきっと努力すればできますよ――――――ッ!」


 ステージの興奮のあまり、
 深く考えずに炊きつけるような返事をしてしまう!

91『六道辻』:2021/04/30(金) 21:07:51
>ALL
そのスピードを生かし、『ザ・サードマン』は『慧観』目掛けてタックルを仕掛ける。
距離を取っていたこともあり、『慧観』はすぐさま『錫杖』を発現し、


                   ギュバッ!
                                ダダダッ――-


それに対し、すぐさまタックルの軌道を変化させ、西へと抜ける『ザ・サードマン』。
『ザ・サードマン』の身体制御力によるものだ。
『慧観』は発現した『錫杖』を片手で持ち、その先端を天へと掲げる。


>>88(尾藤)
>>89(鈴元)
「言い出せなかっただけだ。
 ……俺は、あの『住職』に『畏怖』を覚えている。

 負けたからではない。
 『慧観』には、『修羅の相』が浮かんでいる」


          「『どんでん返し』、それは『試合』でも起こり得るか――――」


『東雲』の胸中を察したように、『尾藤』は唸るように呟いた。
『尾藤』は睨むようにアリーナを見続けている。


>>87(穂村)
>>90(久染)

     「解らんッ!」

『シュニッケンズ』の唐突な質問に、にべもなく返す『クァンガン』。
興奮のあまりに雄叫びを上げる『久染』、『穂村』も思わず試合に食い入る。


     「そうだ、これが『アリーナ』だッ!
      『情熱』、『闘争』、美しい『タイマン』があるッ!」


>>86(スミシー)
「ああ、ここで決まる。
 ヴィジョン、能力、いずれも『慧観』を翻弄出来る。

 そして、弱点の『本体』を隠しているのなら……」

『ニコン』は唸る。『太田垣』に勝ちの目は十分あるのだ。
そして、『B級ランカー』である『ニコン』は『太田垣』に注目しつつある。

92久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:08:16
>>91

 「弓矢、錫杖、梵鐘ときて、
  また『錫杖』ッ!」


    「だけど太田垣――――さん、
     冷静な動きだ! 対応を読めているッ」


 「住職のスタンドは
  不思議で多彩な攻撃を見せるが、
  操っているのはしょせん人間!

  あのスピード&機動力があるなら、
  いずれ住職の対応を上回るのは確実だッ!」


 名勝負の予感にますます興奮が高まるぞ。


  「行け―――――――ッ!
   太田垣――――――――ッ!」

93鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:08:33
>>91
               ヤ
「あのお坊さん。なんや嫌な感じするわ。」

「笑ってはっても、嫌な感じ。」

観客の闘士の反応を見ればわかる。
怒りを買う存在。しかし、彼の言葉で静まり返った瞬間があったのも事実。
恐ろしい男だ。

「ただ、嫌な感じがするんとどんでん返しが起きるんとの間に関係はないよね。」

「太田垣さん。気張りぃや。」

94『六道辻』:2021/04/30(金) 21:08:48
>>279


           バビュッ

                   ガギッ!
                             ――――ボグァ!!


『ザ・サードマン』の鉄拳、それが『慧観』の顔面目掛けて放たれる。
それに対し、『慧観』は『ザ・サードマン』の拳をマトモに喰らう。


         ≪入ったァァァ―――――ッッ!!

           『ザ・サードマン』の一撃、『慧観』選手の膝を付かせるゥゥ――――≫


冷蔵庫を背にし、錫杖を支えにした『慧観』には衝撃の逃げ場がない。
『ザ・サードマン』の正確さも功を奏し、『慧観』は表情を揺らがせて崩れ落ちる。


               ブバッ

                           ブシュゥゥゥゥ――――!!!!


         ≪こ、これはァァ――――!?

           『スモークマシン』です! 何故ここで!?
           ああっと、多量だッ! 五里霧中、どうなっているんだァァ―――ッッ!!≫


『慧観』が突き刺したのは床下の『スモークマシン』だ。
突如、白煙が一人と一体を覆い隠し、その様子は確認出来ない。

>>92(久染)
「ああ、その通りさッ
 ……だが、それは『慧観』住職も知ってのことだ」


     「そして、打てない『策』なら『策』じゃあないッ!
      今の一撃は確実に入ってるぞッ! 思いっきり顎を撃ちぬいたッ!」


『クァンガン』も興奮の余り、トッポギをやけ食いしながら応援している。


>>93(鈴元)
「あ、あれはッ!?」


      「『東雲』、お前の仕掛けた『スモーク煙幕』ッ!」


『尾藤』は露骨に驚愕し、両目を丸くして白煙の向こうを見続ける。

95スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:09:05
>>91 >>94(GM)

「ナルホドそりゃあそうだ、単にひっくり返しただけじゃあねえ!
 ひっくり返して、自分側にまで状況をゴッソリ引っ張りこんだッ!」

スタンドと人間では前者が圧倒的に有利。
つまり、この状況は大田垣の圧倒的有利ということだ!

      ・・・・さらに!

「――――入ったッ!
 あの一撃は相当、キいてるだろうぜ……!」

それをモノにした一発。
あの速度の拳は、無視できるダメージではあるまい。

           ……だが。

「……煙!?
 スモークマシンだとォ〜?」

     「何だって今……目くらましか? 
      だが、あいつにも見えねーハズだ。
      まだ何か仕掛ける技があるってのか?」

そうだ、見えないのは慧観も同じのはず。
単なる目つぶしは意味を成すまい。

        となると、奴の狙いとは――?

96東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:09:19
>>91>>94(GM)

「…家族を失った男の胸中、並大抵の覚悟ではないっちゅうことか」


>「あ、あれはッ!?」


>      「『東雲』、お前の仕掛けた『スモーク煙幕』ッ!」

「現状で打ち合うのは、『慧観』にとっちゃあ不利と認めたんじゃろう」
「だがアイツに『探知能力』でもありゃあ話は別じゃが、
 太田垣と同じく常人並みなら単なる時間稼ぎにしかならん」

「…こん中にそういう観戦者はおるんかのぉ」

煙が晴れるまで、チラリと周囲の『ファイター』の動向を見てみよう。
特に何もなければ、再び煙幕の向こうに目を凝らす。

97久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:09:53
>>94

  「まさしくッ!」


     「景気のいい一発が入りましたよ――っ!
      いいぞ――ッ 太田垣――――ッ!」


  キムの言葉に興奮冷めやらぬ顔で同意しつつ、
  座席上でさっきのパンチの手真似をする。
  トッポギの『赤』は情熱の『赤』だ!


   「…………がッ ここで『白煙』! 
    この『目隠し』!」


       「『冷蔵庫』を利用するように見せかけてその実、
        床下の『スモークマシン』の位置を
        冷静に見極めていたのか……!」



 これは『すべての試合を観戦し通した』という
 住職の手練と場数のなせる技か。

 僕自身『ヴィジョンを持たないスタンド使い』だから、
 住職の戦い方から学ぶものは多い………


 とはいえ、観客の口の悪さは一級品。
 再三の『目隠し試合』にさっきみたいな
 強烈な野次が飛ばなきゃいいが……

98鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:10:07
>>94

「入った。」

一撃。一時はどうなるかと思ったが、叩き込まれた。
確実に流れが太田垣に来ている。

「すぐ追撃で……あ。」

白煙。消える姿。
流れを断ち切られるか?

「見えへん。向こうさんの狙いも。」

またあの安珍殺しでもしかけてみるのか?
それとも何か別の大技をしかけるか?

ヴィジョンによって身を守ることの出来ない坊主だ。
攻めねば負けるだろう。

99『六道辻』:2021/04/30(金) 21:10:24
>ALL

               ブシュゥゥ―――― ―― ―


       「クッソ、見えねぇぞこれッ!」


              「いつになったら試合見られンだよォ!」


       ≪そ、それは私にも解りませんッ!≫


互いの姿が朧気になるほどの『煙幕』、
半径3mの煙の塊に覆われた一人と一体、その行方はまだ解らない。

>>95(スミシー)
「『混戦』に持ち込む気だ。
 『慧観』が張り合えるとしたら『パワー』、
 それも『凶器』の分だけ威力とリーチを上乗せ出来る」


        「まだ勝負は判らんぞ、ボーイ。
         ――――『素人』の喧嘩は、ここからが恐ろしい」


>>96(東雲)
>>98(鈴元)
「時間を稼ぐ気か?
 『慧観』は時間を稼いで、何かを仕掛ける気だ」

『鈴元』に対し、『尾藤』はスモークにも勝るとも劣らぬ『不明瞭』な予想を返す。
周囲もどよめき、その中で『東雲』は客席を観察する。
老若男女いずれも驚き声とざわめくばかりの凡骨ばかりだ。
ある意味では、このアリーナを正直に楽しんでいると言い換えても良いのだが……。

>>97(久染)
「まるで何も見えないぞッ!
 ロックライブの『コーンスターチ』よりもヒドイじゃあないかッ!」

『クァンガン』同様、周囲のファイターも文句を垂れながら『煙幕』に食い入る。
先ほどまでの激しい『ブーイング』にまで発展しないのは、
『煙幕』から脱するのは『梵鐘』よりも容易いからだろう。

100久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:10:39
>>99

 「……………………ふうううう」


  伸びゆく白煙を見て
  張り詰めていた緊張がすこし緩み、
  今まで溜め込んでいた息をたっぷり吐き出す。


    この煙幕、観客ウケは悪いだろーが、
    『見世物としての戦い』を求めるギャラリーの消沈なんて、
    住職からしたらむしろ望むところだろーな。


  それに住職がこれから『B級』を戦い抜くつもりなら、
  きっと『秘匿』も重要なファクターの一つになってくる。


  なにせギャラリーには、
  わざわざ観戦にやってきたB級ランカーが
  (住職の言うとおりなら) 2人もいるらしいし……


   「…………」


    そのうち一人は僕の隣で、
    僕以上に無邪気なリアクションを
    している気がするけど……



 「これは…………ギャラリー的には、
  束の間のブレイクタイムって感じですかね――っ。

  今のところ戦況は五分五分……かな?」

101東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:10:52
>>99

(『ファイター』とて同じか。まぁ仮に煙ん中を覗ける能力だったとして、簡単にこの場でそれを晒すアホはおらんか)

再び視線を場内へと戻す。
自分が使った策だから分かるが、煙とていつまでも立ち込めているわけではない。
太田垣と慧観、この状況で両者がどう動いたか、晴れた後にそれを考察するのも良いだろう。

102スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:11:05
>>99(GM)

「……! な、ナルホド。
 お互い見えねえなら……スピードとか正確性よりもッ!」

       「『リーチ』!
        『パワー』!」

「闇雲に振り回して当たりやすく……
 んでもって、大ダメージを与えられる優位性……!
 ヤケクソに見えて、あの坊主、そこまで考えてやがるかッ!」

姿が見えないなら、正確な狙いより攻撃範囲。
手数より、一撃。

           ・・・・慧観の有利か。

「……野郎には大技がある。
 目隠しして、時間稼ぎする――ってのもありえるか?」

          「良、どう突破しやがる……?」

仮に敵が見えなくても、広域を巻き込めれば問題ない。
あの安珍殺しのような技が他にあって、なんらおかしくもあるまい。

103鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:11:18
>>99

「時間稼がれてまた変なモン出されたらかなんわ。」

「ただ、接近してるんやったらさっきの鐘は出されへん思うけど。」

鐘の大きさを考えると、相手と一定の距離を離す必要があるだろう。
でなければ自分も鐘の中だ。
いや、勝負を度外視すれば自分ごと鐘に入れられるかもしれないが。

「ただ、いつまでもこうっちゅんは親切やないね。」

別に他人に闘いを見せるために闘っていないなら
見えないことを闘士が気にする必要は無いだろう。

104『六道辻』:2021/04/30(金) 21:11:32
>ALL
『煙幕』はじょじょに薄まっていく。
人影が二つ、その距離を詰めていく――――

105鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:11:49
>>104

現したその姿。
距離を詰めたいであろう太田垣。
距離を離したいであろう坊主。
いや、詰めているのなら二人とも近づきたいのか?
どちらでもいい。どうあろうと勝負は、決着は一瞬だ。

「太田垣さん。」

太田垣がここまでいくと他の者は思っていたのだろうか。
何も知らない鈴元はともかくとして、このアリーナの事情をあの坊主の事情を知るものは
あの坊主に声援を送っていたのではなかったか?

「太田垣良さん。」

自分と同じ響きの名前を持つあの少年。
そこから親近感は沸かなかった。
しかし、それと彼を応援したいと言う気持ちは変わらない。
一時はどうなるかとも思ったが、彼は今闘っている。
その姿は鈴元の目に勇ましく見えた。

「頑張って。」

106久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:12:06
>>104

 「………………お、早いですね、
  もう晴れてき………」


             「おおッ!?」


 白煙内で繰り広げられていたのは、
 これまでの試合運びから考えれば
 少々意外な光景だった。


 「『接近』!

  だが挑戦者のほうはともかく、
  まさか住職まで―――」


   おいおいおいおい、
   何がブレイクタイムだって?
   とんでもない―――


  ステージ上から濃厚に立ちのぼっているのは
  一刹那後の『激突』の予感!


   何かとんでもないことが起こりそうな
   予感しかないッ!



 椅子に深く預けていた姿勢が
 ガバッっと一瞬で持ちなおり、
 ステージに向かって身を乗り出す。


    「――――――」


  声援を送ることも束の間忘れて息を呑む。
  次の一瞬を見逃さないよう、
  ステージの二つの人影を食い入るように見つめる――

107『六道辻』:2021/04/30(金) 21:12:24
>ALL

                シュゥゥゥ . . .


『煙幕』は次第に散り、一人と一体の姿が露わになっていく。
二つの『錫杖』を双手に掴んだ『慧観』、一つは解除され、
――――その巨躯が、じょじょに持ち上がっていく。

 ≪ああッ!  今ッ!
   会場の様子が見えましたッ!
   ――――ど、どうした『慧観』選手ッ!?≫

                            _/
                           /
                      グゥゥ・
           グッ

          ≪あれが、『ザ・サードマン』の能力ッ!
            『どんでん返し』、床が一瞬にして『ベタ踏み坂』になりましたァッ!≫

『煙幕』は散って消え、――――『顎門』は開かれる。
跳ね橋のように持ち上げられた『床板』はその舌先に『慧観』を載せ、天へと掲げる。
一本の「『錫杖』を支えに立つ『慧観』だが、足元はふらついている。
このまま転がり落ちれば、その先には『ザ・サードマン』が構えている。


          「ぬ、ぉぉ!」


>鈴元
>東雲

     「いいぞッ! 『本体』は自由には動けんのだッ!」


         「無理矢理『接近』させれば、後は関係ねェ!」

握り拳を振り回し、『尾藤』は熱声を送る。


>トミー
>スミシー
「この高さじゃあ、『落下』させても致命傷は敵わねェ。
 動きは止められるが、……出てこねェ『本体』が気がかりだ」

劣勢の中からの逆転、しかし『ニコン』の双眸は鈍く光る。


>穂村
>久染

           「しゃあああああああ!!!!!」


                「キトンジュヤッ!」

                    「チュギョジュダ! ジャンマハルムニダッ!」


思わず母国語で絶叫し、立ち上がる『クァンガン』。
『シュニッケンズ』を透過してその席に座り、両側に腰掛ける『久染』と『穂村』の両肩を抱く。

108スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:13:14
>>104

「…………!」

    (気配か? 音か? 勘ってやつか?
     分からねえが……お互い位置に気づいてやがる!)

単純な差し合いなら『慧観』が勝る。
『ニコン』が言ったように、リーチの差だ。
いくら速くても、リーチの差には勝てない。

「……どう出るッ! 良……!」

接近するならば、策がいる。
単に殴るだけでは……おそらくは。

      「手があんのか!?
        野郎より長い手がッ!」

               「鋭い手が……!」

リーチの差を埋め、突き抜ける手。
『ザ・サードマン』には、太田垣には、それがあるのか?

109スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:13:29
>>107

      ――どうやら、手はあったらしい。

「……どんでん返し!
 ああいう使い方もできるのかッ!」

     「幅広ェ能力だぜ……!
      足止めで隙を作れば、次の手も打てるかもだ!」

体勢を崩した慧観。
振るえなければリーチも無意味!

「……本体?
 そういや、良のやつ……」

「だが、迂闊に出てくるわけにも行かねえんじゃあねえか?」

スミシーの知性は高くはない。
見ているだけでは、二酸化炭素の事実には気づけない。

110久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:13:45
>>107

    「おッ」



        「しゃあああああああ!!!!!」



 飛び出した雄叫びは無意識!
 しかしキムとぴったりハモる。


  言葉の意味はわからんが、
  あらわす感情は同じだろう。
  すなわち『興奮』&『熱狂』!

 そりゃ叫ばずにはいられないし、
 突然ガッシと組まれた肩だって、
 抱き返さずにはいられないッ。


     「やったッ!
      ついにッ!

     『今度は挑戦者が
      住職を捉えた』ッ!」



 『どんでん返し』!
 なんちゅ―― ド派手な能力!
 『舞台映え』しまくりだ、これはッ。



  「住職は『立ってるのもやっと』って感じに見えますッ!
   対して挑戦者の次の一撃は『ほとんど予約確定状態』!
   凌ぐ策がなければ決着もありうるのではッ!」


 横並びになった二人と一体に
 興奮顔で訊ねる墨彦。

 強引に上乗りされたスタンドさんが気になるが――
 (どういう気分なんだろう)
 いや、今はステージに集中だッ。

111鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:13:59
>>107

「あ。」

「太田垣さん……!」

そうだ。ひっくり返せ。
全てを返してやればいいんだ。
不利を有利に、返してやればいいんだ。

「尾藤さん。」

尾藤の熱気に当てられたのだろうか。
鈴元は両手でメガホンを作っていた。

「太田垣さん、お気張りやすぅ!
 はよう勝って座布団舞わしたりぃ!」

「そしたらお客さん皆ひっくり返りはるわ!それがどんでん返しやろ!」

この声が届くことを祈ろう。

112東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:14:14
>>107

「ようやく本領発揮ってぇところかのぉ」

なるほど、『どんでん返し』を動かすパワーも中々のものか。
そして万が一落ちてしまえば、その先には『ザ・サードマン』。
ただ地上で立ち会っているのとはわけが違う、殴り合った拍子に吹き飛ばされることもない。
さながら蟻地獄のように、逃げ場はないということだ。
慧観としては、絶対に落ちてはならないところだろう。
まだ『エンプティ・エステート』に隠し球があれば、変わってくるかもしれないが。

「さぁあんたはどう出るんじゃ、慧観」

今度は坊主の方へと視線を向け、その動向に注目する。

113トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2021/04/30(金) 21:14:27
>>107
「ほう」

じっと見つめるだけだったが、小さく呟く。
自分だったら、あの『どんでん返し』。どう攻略するだろう?
不可能ではないだろう。だが簡単とも思えない。そして、そう、

『本体はどこだ』?

『鐘』と『火』、それに過敏に反応して、隠れてしまっているのだろうか。
そういう人間の戦い方でも、無いようには見える。ならば、出てこない理由は・・・

「案外、『互角』。いや」

選択し、落ちていく先が純然たる肉弾戦であれば、武器の分だけ、『慧観』が勝る。
何せ、その武装は未だ、全容を見せてはいない―――

114『六道辻』:2021/04/30(金) 21:14:46
>ALL

                ド  バンッ!

                    ――――ギャルンッ


『ザ・サードマン』は全速力で駆け、その勢いのまま『冷蔵庫』を蹴り飛ばした。
『どんでん返し』がひっくり返り、玉手箱のように沸いた白煙と共に『太田垣』が現れる。


        ≪『太田垣』選手、『白煙』と共にド派手な登場ですッ!
          『慧観』選手の動きを留めた今、
          彼にとっては『モズのはやにえ』といったところなのでしょうか!?≫


鮮やかな脱出劇のはずが、『太田垣』の顔色は真っ青だ。
先ほどの『梵鐘』の中で体力を消耗したのだろうか。


                ガッ

                          ギュ

                          オ/
                           ・

『どんでん返し』から飛び降りた『慧観』は、
錫杖の石突を這いつくばった『太田垣』目掛けて振り下ろす。

>>109(スミシー)
>>113(トミー)
「――――『白煙』だ。
 『慧観』を持ち上げた『どんでん返し』、そこから『白煙』が昇った。

 ありゃあ『埃』じゃあねェ、『スモーク』の煙だろう。
 見ろよ、あの表情。『高山病』にも似ている、『酸素不足』だぜありゃあ」

>>111(鈴元)
>>112(東雲)
「野郎ッ!
 『どんでん返し』から脱し、
 尚且つ、『攻撃』に転じられるッ!」

         「『ザ・サードマン』と唯一拮抗出来る、
          『破壊力』に凶器と重力を上乗せしているぞッ!」

>>110(久染)
>穂村
「いいねェ、ペースは『太田垣』選手にあるぞッ!
 あの能力は『環境』を支配出来るッ! 『地の利』を得られるぞッ」

     「生身で闘う『慧観』住職にとっちゃあ、
      不意の『落とし穴』や『足払い』も当然だッ!」

>ALL
試合は『太田垣』が優勢の中、あちこちで囁き声が聞こえる。


   「おい、なんかさ」

                 「――――ああ、気付いた?」


      「『慧観』って、実は大したことないんじゃあねェか?」


   「大物ぶってみりゃあ何事かと思ったけどよ、
    倒したのは障害者の『反町』と、『尾藤』だろ?」

         「腑抜けた『太田垣』相手にボロボロじゃあねぇか」

   「思えば『実況』のゴリ押しも酷かったよな。
    『太田垣』をかませに、『慧観』の格を上げる気満々だったろ」

   「そもそも、スタンドパワーが不足してるんだろ。
    今までは小細工でなんとか頑張ってきたんだろうが――――」

115スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:15:12
>>114

「い、言われてみりゃあ……
 そうか! スモークは空気じゃねー……!」

       「『呼吸』しても酸素が補給できねえのか!」

スミシーには知識がない。
だが、状況のヤバさは分かる。

    決して――太田垣の絶対的有利ではない!

「跳び下りながらの一撃!
 ありゃあ、食らっちまうと相当痛ェーぞ……!」

重さは強力な武器だ。
太田垣にはパワーはそれほどない。

受けきれるのか――?

    「……」

囁きはスミシーにも聞こえるが、それこそ野球観戦。
いちいち反応もしてられない。

          (スタンドパワーを補うってのは……
           小細工じゃねえ。『技術』じゃあねえのか?)

     (それに……まだわからねーだろが。
      俺だって、良がこのままぶっ倒してほしくはあるが。)

思うところはあれど、だ。
そして、スミシーとて慧観を侮りたい気持ちはある。

116久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:15:32
>>114

 「挑戦者が選んだのは、
  『追撃』じゃなくて『登場』ォ〜〜〜〜〜っ!?

  この好機に……… 能力の限界時間かァ!?」



      「!  いや、違う―― 挑戦者、立てないッ!
       今ふらついてるのは『太田垣』のほうだッ!
       『逆』だ! また逆転だッ!」



  「『水面下』で何かがあったんだ!
   僕たちには見えない戦いが―――」



 と座席から腰を浮かせたところで、
 耳に入ってくる無粋な文句に眉根を寄せる。


   む……


       「( ムカッ! )」


  この人たち………
  そーいう水を差すようなこと言う?


  足元フラフラになりながらも
  戦いつづける彼らの姿を見て、
  なにも思うところはないんだろーか?



    住職は―――
    動的なヴィジョンのないスタンド使いは、
    自分の『身体ひとつ』で敵の攻撃を避けたり
    防御したりしないといけない。

    だから像あるスタンド相手に真正面から対峙するのは、
    すごく勇気がいることなんだぞ……

    つい最近、僕はそれを身をもって知った。


  治ったばかりの右手にググ…と力が篭もるけど、
  だからって、いちいち野次馬に
  声を上げて言い返したりはしない。

 (それこそ楽しんでいるフツーのお客さんに
  水を差す行為だし)



     「いいぞ――――――――ッ
      慧観―――――――――― ッ!」



  代わりにステージに向かって声を上げるのだ。
  その声が彼らへの反論だ。
  そしてこの試合に対する一つの姿勢、僕なりの『態度』の表明だ。


      「太田垣も!
       このままで終わるなァ―――――――ッ!」

117東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:15:48
>>114

「敵を追い詰めておきながら、わざわざ『スタンド』を自分の方へ動かした…それほど急を要する事態っちゅうことじゃ」
「炎が地下へと回っていたのか、はたまたスモークが流れ込んだのか…」

確かに試合は『太田垣』が優勢だが、この行動で流れは僅かに『慧観』へと向いた。
その流れを断ち切るには、ここで太田垣が上手くヤツの攻撃をいなす必要がある。
真の『どんでん返し』、果たして太田垣は起こせるのか。

「・・・・・あん?」


>      「『慧観』って、実は大したことないんじゃあねェか?」


>   「大物ぶってみりゃあ何事かと思ったけどよ、
>    倒したのは障害者の『反町』と、『尾藤』だろ?」

>         「腑抜けた『太田垣』相手にボロボロじゃあねぇか」


「・・・・・口だけは達者なヤツらがおるのぉ」

『ジロリ』

無責任な囁きを、鋭く睨みつける。今の発言は『慧観』、そしてその対戦者を侮辱している。

「あたかも、自分があのスタンドを使っとったらその『三人』に勝てるかのような物言いじゃ」

もっとも、彼らに実際それだけの気概があるならば構わないが。

118鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:16:04
>>114

「あ、出てきはった。」

「けど、なんや青い顔してはるで。」

流れが太田垣に向いていたように感じたが、再びあの坊主へと流れていこうとしているのか?
太田垣になにがあったのか、鈴元には分からなかった。
しかし今この状況がマズいという危険を感じていた。

「後もうちょっとで王手にいけそうやったのに……」

そう呟くと、周りの観客の言葉に気付いた。
聞くに堪えない言葉だ。
鈴元は太田垣を応援した。しかしそこに、あの坊主をけなす心はなかった。
なかったはずだ。

「……あれもココの特色なんかな。」

119『六道辻』:2021/04/30(金) 21:18:36
>ALL

         「ぬおおおおッッ!!」

                              ゴガッ!!


         ≪決まったァァァ――――ッッ!!
           まさしく『鬼手』、攻防を両取った一撃ィィ――――ッッ!!≫

地べたに伏せたままの『太田垣』目掛け、『慧観』が襲い掛かる。
石突の先端が迫る中、『ザ・サードマン』は瓦割りのように、地面へ拳打を加える。

大質量の『冷蔵庫』が倒れ込み、さながら力士の『ぶちかまし』に等しい。
中空でマトモに喰らった『慧観』は『太田垣』と『ザ・サードマン』の頭上を越え、
コンクリートの地面を転がると南西側の冷蔵庫へとぶつかる。

     「うおおおおお、『太田垣』ィィ―――!!」


            「早くぶっ潰せェェ――――ッッ」


     「ナメてんじゃねェぞ『慧観』!!」

              「いいぞ――――――――ッ
               慧観―――――――――― ッ!」

      「太田垣も!
       このままで終わるなァ―――――――ッ!」

『太田垣』への声援、『慧観』への罵倒。
ここまでの『慧観』の所業が裏返る。泥を塗られた『期待』は『反感』へ変わる。
『慧観』は『冷蔵庫』を背にして立ち上がろうとするも、剃髪した頭部は濃紫に鬱血している。

>>115(スミシー)
「『慧観』はハードルを上げ過ぎた。
 『ヒール』の挑発は、それだけで観客に『期待』を与える。

 無論、この空気が『慧観』を鈍らせるものにはならんだろうが、
 ――――傾いたぞ。形勢は、『太田垣』のものだ」

        「ここからはもう、『慧観』に逆転の手はない。
         背後に壁。『錫杖』のカウンターはもう通用しない」

『ニコン』の冷徹な言葉が、『慧観』の終焉を語る。

>>116(久染)

       「そうだァ―――ッッ!!」

          「まだ試合は終わっちゃあないぞォォ―――!!」


『久染』の懸命な声援を受け、隣に座る『クァンガン』はニッと笑った。
『久染』に続かんと声を張り上げ、両者にエールを送る。

>>117(東雲)
>>118(鈴元)

  「む、ぐゥ……」

                  ――――ヒュゥ♪

『東雲』のひと睨みによって、ガヤは途端に口を噤んだ。
その様子を両目を細め、口笛を吹き付けては面白そうに眺める男がいた。
上質なスーツを纏ったその襟元には、『向日葵』のバッヂが付けられている。


       「ハッ、口では何とでも言えるものよ。
        ――――だが、『慧観』に隙があったのは事実だ。
        俺ならば『コンタクト』にしていた。その点は間違いなく『失策』よ」

           「……だが、あの男がここまで追い詰められたのは、
            きっとこの闘いが初めてのこと。――――油断するなよ、『太田垣』ィ」


『鈴元』の呟きを受けた『尾藤』は真剣な眼差しを崩さず、
……ギリリ、と奥歯を噛む音が微かに聞こえる。
今の『野次』は痛いところを突かれたのだろう。


>ALL

       「見やがれ『慧観』、
        これがアリーナの底力だっつうの!」

         「いいぞォ、『太田垣』ィィ―――!!
          どんどん攻めろォォ!!  踏み潰せェェ――!!」

『太田垣』が優勢の中、会場の様子は不穏さを孕み始める。
送られる『声援』、『喝采』、そこに『攻撃』の意図が篭もるのは明らかだ。

120トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2021/04/30(金) 21:19:10
>>119
果たしてそうか? これで終わり。逆転の手は無いーー本当に?
そもそもここのこの連中は、揃いも揃って全員が、『慧観和尚のスタンド能力』、その全容を理解しているのか・・・?

「(もちろん僕は理解していない)」
「(そして僕も隠す。『LoG』で、ここで戦う、としても。能力は可能な限り隠す)」

和尚がやったことだ。観察し、対策すること。あるのと無いのとでは天地の差が開く思考。
だから阿南トミーは『錫杖のカウンター』とやらしか見せていないらしい『慧観』の、この現状こそが危険だと思う。
彼は窮鼠だ。
その鼠は、鉄と炎で武装している。しかもその武装の全貌は把握出来ていない。今ので意識を奪えていれば、なるほど確かに和尚の負けだが。

「(どうかな。まだ意識があって体が・・・『スタンド』が使えるのなら・・・)」

「既に知られている手を、慧観和尚は使う人ですか?」

純粋な疑問だ。とはいえそれが分かるほど、和尚自身が他人に見せてはいまい。独り言だ。

「んっふふふふふ」

言うのは『自由』。
野次るのも『自由』。たとえそれが唾棄すべき他力本願であったとしても、それは自分の物差しの話でしかない。
飲まず食わず叫ばず語らず、阿南トミーは観戦する。

121鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:19:23
>>119

「うわぁ……」

痛そうとかいう言葉では現しきれない痛々しさである。
それはあの坊主の頭が証明してくれている。

「?」

向日葵バッヂは何者だろうか。
あのひと睨みにひるまなかったのだから、自分の腕や他のことに自信があるのか。
それとも単にそういう態度であるだけなのか。
少なくとも、その服装からは低俗な感じはあまり感じない。

「なにごとも追い詰められてからが恐いわ。」

「さっきの太田垣さんもそうやしね。」

見守ろう、この一戦を。

122『六道辻』:2021/04/30(金) 21:19:55
>ALL
『慧観』は背後の『冷蔵庫』を支えにヨロヨロと立ち上がり、
『太田垣』は攻めの手を止めて、一連の行動を静観する。

          ツゥゥ――――

転がった時に傷口が開いたか、『慧観』の瞼下から血が滲む。
赤黒い液体は傷口に溜まり、やがて一筋の滴道を描いて、垂れ落ちる。

   ≪――――とォ、ここで互いに見合っているゥゥ!!
     呼吸を整え、確実な『トドメ』を刺す気でしょうかァァ!?≫

          ≪やっちまえェェ、『太田垣』ィィ!!≫

   ≪ファイターをナメた『生臭坊主』に『説法パンチ』だっつうの!≫

会場は大盛り上がりだ。熱狂の渦が産まれ、歓喜の声を上げる。
そこに『不純物』が混じっているのは確かだが、誰もこの勢いを『絶つ』ことは敵わないだろう。

>>121(鈴元)

    「ああ、俺も『追い詰めた』時に手痛い反撃を喰らった。
     『勝利』を確信した時、人は最も脆くなる――――」

『尾藤』は自省の意味も込め、低く呟いた。


>>120(トミー)

    「さて、な。
     だが、隠し玉ってのは『撃って』こそ、真価を発揮する」

        「『死蔵』して湿気った『銃弾』に、意味はねぇ」

久々に口を挟んだ『トミー』の言葉を、『ニコン』はにべもなく切り捨てた。

123スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:20:14
>>122

「……大人しく決まりゃいいが……
 どうも、こう、『確信』できねえぜ。」

慧観はこのままやられるのか?
敵に同情(敵でもないが)していられるのか――

      「俺にゃァ慧観の能力が未だに読めねーッ。
       錫杖のカウンターは無くても……」

               「いやしかし、あのダメージ……」

慧観は既にノックアウトか?
あの傷はどれほどのものだ?

「……早いトコ、決めたほうがいいってのは事実だろうな。
 今は手は無くても、ホってたら出てくるかもしれねー……」

        「何やら見合っちまってるが――」

スタンドは、心の力。気力があれば逆転の目はあり得る。
観客の罵倒を全肯定はしない。

       ・・・・だが、トドメをさせ!と言うのは納得だ。

124鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:20:26
>>122

(一呼吸。)

お互い万全ではないだろう。
しかし万全であることが全てではない。
窮鼠猫をかむ。窮さなければ強さは見えない。
土壇場の強さは見えない。

「尾藤さんでもそういうことあるんやねぇ。」

尾藤の言葉にそんな言葉を返す。

(揺らすまでもなく脆くなるんやね。)

いや、心が揺らげば脆くなる。
気は強くまっすぐだ。

「さぁ、ひっくり返されるか、念仏か。どっちにるんやろか。」

125久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:20:42
>>119 >>122

 喝采と同時に吹き上がる、
 想像以上の怒声と悪罵。
 期待と悪意まで『表裏一体』か。


 イヤな気分が心の中に広がりかけるが、
 隣のキムが続けて上げた声援を聴いて我に返る。
 そこにあったのは『裏表』のない笑顔だ。


    「……!」


 キムにうなづき、こちらもニカッと笑みを返す。
 僕も僕なりの態度を貫こう。

 どんなに流れが激しくとも、
 その流れに飲み込まれずにいることが大事なんだ。
 たぶん。


 両手のひらをメガホンがわりにして、
 ふたたび舞台上に声援を送る。
 挑戦者と住職、その両方の健闘を祈る声だ。


 とはいえ、今はなにやら
 見合っているみたいだが……


  「――――?
   一体なにを話しているんでしょうか……?」

126東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:21:00
>>119>>122

「あぁん?」

この向日葵バッジの男、あまり『アリーナ』に似つかわしくない格好だ。
公的権力を持ってそうな雰囲気の、あのバッジは確かテレビで見たような記憶がある。
しかし確かに尾藤の言う通り、この近接戦闘が基本となるアリーナにおいて眼鏡は確実にハンデとなる。

「…しかし『どんでん返し』、見事に決まったのぉ」
「流石じゃな、『太田垣』」

皮肉なものだ。『アリーナ』を恨んでいるはずの住職が、ここまで『アリーナ』を盛り上げることになるとは。

127『六道辻』:2021/04/30(金) 21:21:29
>>294
歩み寄る『太田垣』はその足を止めた。


           ボ

                      ォッ!!


            「――――『無明』が過ぎるぞ、『太田垣』ィ!」


       ゴ

          ゴ
                   ≪『窮地』と見えました、見えたはずでした……!≫
   ゴ                                                ゴ
                   ≪し、しかし、あ、あれは――――≫       
                                                       ゴ
                                               ゴ


      「最早、微塵の『情け』も無用。
       『熱』、『煙』、そんな『枝葉』で止まらぬようなら」


                 「――――『業火』で貴様を滅ぼしてくれるわッ!」

轟音が響き渡り、『慧観』の『足場』が抉るように破壊される。
陥没によって生まれた『大穴』、『慧観』はそこに『浮遊』している。

『慧観』の身体から現れたのは、三面六腕の『阿修羅像』だ。
左右に『歓喜』と『悲哀』、――――その中央に『憤怒』の激情を宿した姿。           ズ
身の丈は『4m』、天井から下がる『実況席』とは頭が付きそうなほどだ。              ラ
                                                          ァ
                                                          ァ
       「この『怒り』が、『火生三昧』となりてお前達を滅ぼす。                /
        一欠片の慈悲もあらずッ!  積んだ屍と骸の山どもがッ」              ̄|_
                                                              /
                    ヴィジョン
                「この『 奇 形 』は、衆目に晒したくはなかった。
                    己の至らなさの顕現、我が『恥』の象徴、それに過ぎぬからよッ!」


『阿修羅像』は三対の『掌』を合わせ、それらも交わりて一対の『腕』だけを残す。
左右の『貌』は砕け散り、中央に位置する『憤怒』の貌だけが『太田垣』を見下ろす。

その表情は『慧観』と瓜二つだ。血の涙を流す『仏面』に『修羅』が宿る。


>ALL

         「な、なんだあれは――――」


                「おい、ありゃあ――――」


         「おい、まさか――――」


野次を飛ばし、声援を送っていたはずの『観客』達は絶句する。
それは闘いを愉しむように観戦する『クァンガン』も、
冷静な視線でファイターを検分していた『ニコン』も、
『太田垣』の勝利を見届けようと身を乗り出した『尾藤』も同じだ。

128久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:21:48
>>127


  「二人ともがん……」


             「ば」



 両手を拡声器にして、
 舞台上の勇士ふたりに声援を送るためと口を開けた――
 その姿のまま、しばらく固まる。



       「あ、……あ」


 『像』を追って、視線が天井までノロノロと伸びていく。
 その憤怒の相貌、そして住職の咆哮に直面した瞬間、
 急激に現実感が戻ってきた。



   「なっ…………
    なんだこれはアアア―――――――ッ!」



             「で……………『デカすぎる』ッ!」



 しかし単純なサイズ以上に恐ろしいのは、
 これほどの巨躯剛体を生み出す住職の精神性!
 その深部にて内燃する炎!


   「ぼ、僕は…………
    見誤っていました……!

    住職の内側で煮えたぎる『激憤』が、
    まさかこれほどのものとは……!」


     「しかしこんなもの、
      一体どうやって相手にすれば―――!?」

129穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2021/04/30(金) 21:22:04
>>127
「あァ?」


陥没によって生まれた大穴、
浮遊する住職から剥離するように現れる阿修羅の像。

「おいおいッ、
 いよいよドラゴンボールじみてきたじゃねえか。
 もしかして『スタンド像』あるのに、
 ずっと隠し持ってたのかよ。やべーよやべーよ。

 こっちの兄ちゃん(久染)も、
 フリーザ見つけた時のクリリンみたいに、
 あわわわ…ってヒいちまってンじゃねえか。なァ?」

          『阿修羅像…
           住職ノ精神ヲ顕在化シタスタンド像…
           凄マジイ熱量ヲ感ジマス…!』

「いや、それは知ったこっちゃねーけど、
 完全にプッツンしてんじゃねーか。
 おー、おー、太田垣頑張れよー」

130鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:22:21
>>127

「え?」

てっきり坊主は像を持たぬスタンド使いだと思っていた。
自分の友人のように人型の像を持たぬスタンド使いだと思っていた。
それは思い違いだった。

「おっきぃ……」

阿修羅象はあまりにも大きく、威圧的だ。
スタンドは精神。しかしこれは……
どうにも規格外に感じる。
鈴元の知識の範疇の外。こんなスタンドが存在するなど思いもしなかった。

「これ、倒せるん?」

スタンドである以上、人間である以上、倒せぬことはないだろう。
しかし、どうやって?

131東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:22:39
>>127



 >    ゴ

>          ゴ
                   ≪『窮地』と見えました、見えたはずでした……!≫
 >  ゴ                                                ゴ
                   ≪し、しかし、あ、あれは――――≫       
                                                       ゴ
                                               ゴ


「ッ!!」

これには流石に驚いた。『慧観』にこのような隠し玉があったとは。
いや、むしろこの形状が基本で、あるいは今までが武器の顕現に抑えていたのかもしれない。
しかし本当に己の意思だけで、この能力を出し惜しみしていたのだとしたら、やはり『ファイター』としては理解できない。
何らかの制限があったのかもしれないが、だがそんな事を考えていても仕方がないか。
今までの技とは違う、『エンプティ・エステート』の、シンプルで圧倒的な、巨大さという暴力。
さて、『太田垣』はどこに弱点を見つけ、どうやって突くのだろうか。

「・・・・・笑みが止まらんのう」

132スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:22:58
>>127

「なッ――」

     「なんだありゃあ……」

            「『阿修羅』……!?
             ど、どうなってやがる……」

スタンドは、一人一つ。
複数めいた能力でも、大本は一つ。

          ・・・・つまり!

「あれが――慧観の、坊主野郎の真の力でッ!」

          「今までのは……ナンだ?
           発現した道具を使ってやがっただけなのか……!?」

無茶苦茶なことだ。
だが、何も矛盾していない。

錫杖や弓矢、鐘。
それ自体は普通の道具だった。炎はともかく――

「と、とんでもねー坊主だぜ……」

このスケール――激憤の化身には、驚くばかりだ。

133トミー『ラム・オブ・ゴッド』:2021/04/30(金) 21:23:18
>>127
「『湿気る』どころか」「『鉄火、いや文字通り『修羅場』」

これを『予想』はできない。そんなことをしていたわけがない。
ただ阿南トミーは『錫杖』だの『弓』、『火』や『鐘』ではないだろう――もっともっと大きな何かだ、とは考えていた。

「こう直球だと言葉に詰まるが」
「しかし『お前達』の中に、ぼく『達』が入っていないことを願いたいですね」

なんだかんだで理性はありそうだし、何が起こるか分からないリスクを背負うようにも見えないが
サイズがサイズだ。軽口を叩きつつ観戦は続けるが・・・

134『六道辻』:2021/04/30(金) 21:23:47
>ALL
「……それッスよ」

 「…そうそれだ、それですよ!」
 「怒れ!悲しめ!そして曝け出してくださいよ!」


  「『垣間見たぞ』、慧観ンンゥ―――――ッ!!!」


   ≪遂に、遂にその姿を現しました――――ッッ!!

     『エンプティ・エステート』、その真骨頂が明らかになりましたッ!!≫


        「RUAAAAAAAAA!!!!!」


    ボ         ステージ中央へ逃げるように、『太田垣』は『東』へと駆ける。
                 それに遅れるように、『エンプティ・エステート』は巨躯を乗り出し、
       ボ      『太田垣』の元居た場所へ、組んだ正拳を振り落とす。

    ボ         元々、亀裂が刻まれていたのも災いした。
               その拳は『太田垣』の影を叩くように『床板』を粉砕し、
      ボ       産まれた衝撃は『冷蔵庫』を横倒しにし、周囲の足場さえ砕く。
       ォ/       まさに『天災』、神仏の怒りとさえ形容出来る一撃だ。
        ・


      「『太田垣』ィィ...

       舞台の裏側は、人の『生き死に』の賭かった『鉄火場』よッ!
       その覆いを捲る『覚悟』と『強さ』を以って、拙僧を倒してみせろッ!」

絞り出すような『怒号』が場を震わせ、その眼力は『太田垣』を真っ直ぐに射抜く。
『憤怒』を擬人化したような『巨人』、大樽ほどもある『側頭部』に深い亀裂が産まれている。
あれは『慧観』の負った傷、『鬱血』のフィードバックだ。

>>128(久染)
>>129(穂村)
「その巨大さ、『雄々しさ』にも驚嘆の一言だ……!

 だ、だがね、君達! これは『太田垣』君には絶体絶命のピンチだ。
 『大きさ』じゃあない。彼は今、『床』を思いっきり破壊されている。

 『力』ならば『技』で対抗し得る。
 ――――だが、その『土俵』が崩されては、最早『勝負』にならないぞッ!」

『クァンガン』も両目を見開き、素っ頓狂な声色で地面を指差す。
クレーターの空いた『会場』、『穂村』は思い出すかも知れない。
これではまるで、かの『月』が落ちてきた時のようだ、と。

>>130(鈴元)
>>131(東雲)
「な、なんだ―――――」

                       . . .
      「――――俺にさえ見える。
       それほどまでに『強大』なスタンドパワーかッ!」

規格外の『エネルギー』に観衆はどよめきを隠せない。
先程までの野次は完全に消し飛んだ。誰も歓声一つ叫ばない。
唯、事態の成り行きを見守っている。


                ニィィ...


ファイターでさえ『恐怖』に表情筋を引き攣らせる中、
――――『東雲』は笑んだ。


>>132(スミシー)
>>133(トミー)
「『錫杖』、『弓矢』、『梵鐘』、『送り火』。
 いずれも『仏教』の儀式で利用される『道具』、か。

 ――――『仏具』。
 いずれも信仰の『顕現』、『具象化』だとするならば、
 その実態が『仏像』だってのも、頷ける話だぜ」


       ドクン
                    ドクン


裸体となった『ニコン』は、肉体の上からでも解るほどに『心臓』を高鳴らせている。
驚愕する『スミシー』、得心する『トミー』、三者三様の反応だ。

135久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:24:27
>>129 (穂村)
>>134 (GM)


  「だ、誰が……うっ!?」


       「うォォォおおお―――――――
        ―――――――――ッ!?」


 穂村の軽口に言い返そうと振り返りかける、
 その瞬間に全身をつらぬく轟音と衝撃!


 前の座席の背もたれをひっつかみ、
 ガバッと懸命に身を乗り出して、
 舞台の状況を必死に見届けんとする。


   「ひ、一振りで……

    ステージの『1/4』ほどを
    抉り抜いていますよッ!
    これじゃあキムさんの言うとおり……!」


   冷や汗がツーっと頬を流れる。


   観客席から罵声が飛んでいた瞬間、
   身ひとつで闘いぬく住職の姿に、
   僕はひととき自分を重ねていたが――


     「――とんでもない思い上がりだった!
      この人の覚悟と怒りの『凄絶さ』、
      僕の身には想像さえ及ぶまいッ!」



   それでもこの状況、希望があるとすれば……
   あの損傷、あの亀裂。

   そして何より、
   挑戦者の闘志が決して『退いてはいない』ということ!

   住職が問いかける『覚悟と強さ』、
   舞台上に立つ彼ならば、ひょっとして……


             「みッ」


       「見せてくれ――――――――ッ!
        太田垣――――――――――――ッ!」

136スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:25:01
>>134

「り、理屈は……通ってるってわけか。
 それにしたってバカでけえスケールだぜ……!」


       ドクン
                    ドクン

(こ、この野郎……
 見るからに高鳴ってやがる!)

         (今さらだが、マジにファイターそのものだぜ……)

明らかにスミシーとは違う価値観。
そして――

「良のヤロー……!
 アレに、勝つ気満々じゃねえかッ!」

       「オイオイ」

             「半端ねェーーぞッ!
              この展開ってやつは!」

――『太田垣』もまた、ファイターだ!

137『六道辻』:2021/04/30(金) 21:25:39
>ALL


        ギュンッ! 

          ギュンギュンギュンギュン―――――


  ≪こ、ここでッ!! 回転しています、『ザ・サードマン』の大回転ですッ!
    し、しかしッ! 『巨漢』を、否ッ! 『巨人』を前に、あまりにも『微力』ッ!≫


        ーz、l/         『回転』を始める『ザ・サードマン』に対し、
          ノ              『エンプティ・エステート』の無情なる『張り手』が襲う。
             ワ         その一撃は『遠心力』を溜めるよりも早く、
              ァ/     .床板ごと『ザ・サードマン』を叩き潰すッ!
              ・

                   ガッ  ボォォォ―――――ンンンッ!!!


     「己の『無謀』を、『無力』を、『無明』を知れッ!

      お前の能力はあまりにも、『薄っぺら』過ぎるッ!」


『ザ・サードマン』は『太田垣』と共に上空へと放り出される。
――――アクリル板にて作られた『実況席』、その床へと『激突』するッッ!!

>>135(久染)
>穂村

    「ま、マジかよあれ……!」

       「信じらんねぇ……本当にスタンドかよッッ!!」

    「勝てるわけねェ、太田垣だってあのザマじゃねぇか――――」


先程まで『慧観』を腐していた観客達だが、
その規格外の『パワー』を間近にして一変、顔面蒼白となって泡を吐く。

>>136(スミシー)
>トミー

     「ああ、あの側頭部に一撃入れれば、勝ち目は有るぜ……!」

        「だがな、ノックアウトまでの一撃、それが困難だッ
         逆を言えば、あそこ以外にはほとんど打撃が通用しねェ」

     「身体が二倍になれば、体積は『八倍』になる。
      つまり、フィードバックも『八分の一』だ!」

138久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:26:10
>>137



   「――――― !!」



           「あああっ!?」



 声援を絶ち切る破壊音。
 次の瞬間、宙を舞う挑戦者とスタンドの姿に目を見開く。
 が……『鎧袖一触』とはこのことか!



  『回転』 対 『不動』!
  『能力』 対 『暴力』!  

  住職の武器は今のトコ単純なパワーでしかない……
  けど、それがこんなにも手を付けられないなんてッ!



 「〜〜〜〜〜〜〜」


 周囲の沈痛な雰囲気が絡みつく……
 今は声援も送り出せない。

 迫る激突の瞬間から目を背けぬよう、
 両手を握りしめ次の一瞬を息を呑んで見守る。

139鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:26:27
>>137

「やっぱりちゅうか、なんちゅうか。」

強い。
大きくその一撃は驚くほどに重たい。
人をまるで紙切れのように扱うその力は圧巻の一言であった。

「一寸法師てあないな気分やったんやろか。」

場にそぐわないような言葉が口から出る。

「腕振り回されるだけでも恐ろしいわ。」

140東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:26:52
>ALL

                 ド
                       グシャッ!!


         ≪い、今、『太田垣』選手が到着しましたッ!
           もう誰もがこの試合を予想出来ないでいますッ!≫

            ≪おっ、『太田垣』選手!?
              ここまで来たから、ついでに応えて下さい!≫

         ≪――――『勝算』はあるのですか!?
           あの『巨人』は、私が見たどのスタンドよりも『強い』ッッッ!!!≫


空席になっていた『パイプ椅子』の上、『太田垣』はそれを押し潰しながら『着地』する。
『森田』はここぞとばかりに『太田垣』にマイクを向け、冷や汗を掻きながらインタビューを行う。


        「『森田』ァァァ―――――ッッッ!!!

         『十秒』、差し上げましょう。さっさとそこから失せなさいッ!
         もうそこは『安全圏』じゃあない、『戦場』に入ったぞ!」


巨木の如き『豪腕』を振りかざし、『エンプティ・エステート』を背にした『慧観』が吠える。

>>138(久染)
>穂村
「も、もうあれは、『試合』じゃあない。
 我々は『暴力』に対し、最も『礼儀』を尽くす生物だ。

 『食欲』を露わにせぬように『テーブルマナー』を、
 『勝利』に得る為の闘いには『スポーツマンシップ』を、
 人によっては『性欲』を満たす為に『恋愛』を愉しむと豪語するのだろう」


        「――――あれは、『慧観』は違う。
         『心』や『技』ではない、純粋な『暴力』だけで闘っている……!」


>>139(東雲)
>>140(鈴元)

    「あれが、『スタンド』――――」

    「あれで良いのか?
     唯、力に任せて暴れるだけの『獣』が勝つ。

     ――――それでは結局、『力』でしか勝敗は決しないではないか。
     生まれ持った『力』だけで、全てが決まるというのか?」

この場にて唯一の『持たざる者』。
『尾藤』の独白は目の前の趨勢を見守るしかない、『切歯扼腕』の現れであった。

141東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:28:05
>>137

「敵とて悠長に待っちゃあくれん」
「むしろ、その巨体の『パワー』。なんの準備もなく、最短で相手の小細工を打ち破れるっちゅうことじゃ」

大型の分、鈍重であればまだ救いはあったろう。しかし、そのヴィジョンの速度は遠心力を貯める時間を作らせない。
勢い良く吹き飛ばされた太田垣。まだ立ち上がれるか?
身体だけではない、心の方もだ。

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143鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:30:55
>>140

「ちゃう。獣は人間に負ける。」

「力を振り回せば人間は負ける。」

「でも、それを乗り越える為に人間は武器を持ったんはずなんや。」

力があるものが勝つ。
それはそうだろう。
獣の爪で人は切り裂かれる。
しかし、それを倒すのが人類だ。

「知恵のある人間が獣に簡単にやられへんはずやねん。」

獣の力、獣の速さ、獣の精密さ、人では勝てない。
それは人並みの『ギャザリング』も同じだ。

「生まれ持った力で優劣決まるんやったら、僕はココにこんかった。」

人は勝つ。強くなる。
そのはずだ。
だから

「太田垣さん!お気張りやす!」

「おおきぃんをひっくり返したりぃ!」

144東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2021/04/30(金) 21:31:13
>>140

「・・・・・・・・・・」

「わしは見ての通り、身体がデカい。『スタンド』を使わんでも、一般人相手ならタイマンで負けたことはねぇ」

尾藤の言葉は、何よりも胸に響く。何故なら、彼はこの『アリーナ』のファイターで、
誰よりも『持たざる』ものであるから。それでいながら、この戦場に立ち続けているから。

「・・・じゃが、『スタンド』での戦闘はそうはいかんはずじゃ。確かに、
 相手よりも膂力や速度が優れとるなら、戦いを有利に運べるのは事実じゃろ」
「じゃけぇそんなモンよりも、上手く使える『能力』ん方がよっぽど怖いのぉ。
 ケンカも同じじゃ。体格で劣るヤツは、そん場で武器を持ったり、策を練ったりする」
「己の『力』だけに胡座かいとるヤツよりも、そういう勝つための努力を怠らんヤツの方が、わしゃあ『強い』と思っちょるけん」

少なくとも自分は、この戦いのどちらかに肩入れをするつもりはなかった。
お互いがベストを尽くして戦えたなら、最高の勝負にできたなら何よりだとだけ思っていた。
だがここに来て、『太田垣』に勝利してほしいと願う気持ちが芽生える。

深く息を吸い込み、腹から大きく声を出す。

「勝てぇ!!太田垣ィッ!!!」
「あんたの『長所』でアイツの『短所』を突くんじゃあッ!!」

145久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:33:02
>>140

 「今の彼の闘いは……間違ってる」


 うわ言のような呟きで隣席の声に応じる。


 「かつての住職の闘いには、
  たぶん『物語』があったはずなんだ」


   「『死別』を背負って孤高に闘うその姿に、
    なにかしらの『想い』を託して、
    彼を応援していた人もいたはずなんだ……(>>15)」



 僕たちが見たかったのはそういう『闘い』だ。
 互いの『信念』をブツけあう『決闘』だ。

 ――相手を屈服させるためだけの、
 『礼儀なき暴力』なんかじゃあ決してないッ!



   「今の住職の姿は、
    彼自身が憎悪していた
    『闘争』の化身そのものだッ!」
 


 首をブンブン振るって、
 周囲の重苦しい空気を跳ね飛ばす。
 そして叫ぶ。
 精一杯の祈りを挑戦者へ伝える。



   「負けるな――――――――ッ!
     太田垣――――――――――――ッ!」



  「アンタの『闘い』を見せてくれ――――――――ッ!」

146スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:33:24
>>137 >>141

「8分の1の……フィードバック!
 ナルホド、巨体の強みはパワーだけじゃあねえ……」

        ゴクリ

吠える慧観。
スミシーは実況席を見上げる。

       「だが……」

            「さっきまでより……
             慧観の攻めが『シンプル』だぜ!」

シンプルさとは強さだ。
だが……ただ力で押すだけなら対応策はあるはず。

「力だけでぶつかってくるなら……
 良の能力ならッ! イケるんじゃあねえか――」

          「さっきまでよりッ!
           武器で戦う慧観より!」

「イケるんじゃねえェーかって気持ちは強ェッ!
 良ォーーッ、見せてくれ……見せてやれ! 

         ・・・・オメーの、『大どんでん返し』ってやつを!!」

147『六道辻』:2021/04/30(金) 21:33:44
>ALL

  「観客のみんなァ〜〜〜〜ッ!
   白岡住職ゥ〜〜〜〜〜っ!
   
   スタンドどうしで『対決』って!  ―――どうッスかねェ!」


  ≪おッ……≫


          「おおおおおおおお―――――ッッ!!!」


差し出されたマイク目掛け、『太田垣』は高らかに宣言する。
何処か『軽薄さ』の抜け切れない声色と態度だが、それでも歓声が木霊する。
それほどまでに、観客の誰もが、この『試合』への正当なる『決着』を求めているのだ。


                         「太田垣さん!お気張りやす!」

   「勝てぇ!!太田垣ィッ!!!」

                         「負けるな――――――――ッ!
                             太田垣――――――――――――ッ!」

      「良ォ――ッ、見せてくれ……見せてやれ! 

         ・・・・オメーの、『大どんでん返し』ってやつを!!」


      「太・田・垣!」
                    「太・田・垣ッ!」

『太田垣』は『パイプ椅子』を掴み、『ザ・サードマン』は前傾姿勢となって『鉄骨』を駆ける。
対する『慧観』と『エンプティ・エステート』は共に両掌を合わせる。
――――『合掌』。指同士を挟み合わせ、自然に両掌を膨らませた『蓮華合掌』。

         ≪さぁ、残り五秒。
           四、三、二、一ィ―――――≫

『森田』はワイヤレスマイクを持ち、腹ばいになって鉄骨を渡る。

>>142(鈴元)
>>143(東雲)
「―――― チッ、年下に説教される筋合いはないわ」

『尾藤』は舌打ちと共にビールを煽る。
気分を害したのか、……それとも『衒い』を見せたのか。


      「―――― チィ、負けんじゃあねェぞ『太田垣』ィィ!!

       もう、この試合は『遺恨試合』でも『復讐劇』でもねェ!
       負けたままだったお前の、『復活祭』だろうがァァ!!!」

>>145(スミシー)
>トミー

     「ヤツは、『力』で挑む気だ。
      一撃で潰すからこそ、あの『切り札』を張ってきた」

     「次の一撃で、互いの『最大級(マキシマム)』が決まるッ!
      だがな、ありゃあもう破れかぶれだぜ……何故ならッ」

     「アリーナの闘いは、『技』のぶつかり合いだからだッ!」


>>144(久染)
>穂村

     「そうだとも、アリーナとは『心』の闘いッ!
      剥き出しの『闘志』こそが、何においても尊ばれるッ!」

『クァンガン』も同調し、澄み切った声で叫ぶ。

     「勝てェェ――――!!!」


             「そうだァ――― 勝ってくれェェ!!」

     「『太田垣』ィィ―――、終わらせてくれェェ――――!!」

祈るような、『切望』の声が観客席から響き渡る。

148スミシー『ザ・ウィズ』:2021/04/30(金) 21:34:09
>>147

「『技』の……ぶつかり合い!」

        「そうだってんなら……
         ナルホド、負ける道理はねェーッ!」

                  「慧観が力のカードを切った時点で!」

自分の感情の理由が分かった。
破壊そのもののような『修羅』の慧観より――

武器で立ち回る慧観が恐ろしい理由!
それが……『技』というものなのだろう。
 
「……良ォォーーッ!」

       「良ォォ――――ッ!!」

カウントがゼロになり――決着がつく瞬間を見守る。

149鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2021/04/30(金) 21:34:27
>>147

「おや、すんません。」

「別にお説教するつもりやなかったんやけどぉ。」

自分の言葉が尾藤の気分を害させたのだと思い、謝ってしまう。
たとえ事実が違っていたとしても。

「うふふ。」

尾藤の声援に少し頬が緩む。

「お気張りやすぅ。」

はてさてどうなるか。
結果を見守ろう。

150久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2021/04/30(金) 21:34:52
>>147

 「お……
  おおおおおおおおお―――――ッ!」


 太田垣の軽妙な『煽り』を受け、
 他の観客と一緒になって歓声!


   多少軽薄だろーがなんだろーが、さっきまで
   うつむき諦めムードだった周囲のシミッタレ観客たちの
   『心』をふたたび舞台上へと取り戻した――

   まず一つ、『ひっくり返した』ッ!



 「あとはシンプルなたった一つの勝負だッ。
  すなわち『彼は持っているかどうか』――」


  『到達の秘策』、『対抗の妙技』!

  住職の一撃を飛び超える『必殺の一手』!



 周囲の声に埋もれじと、
 挑戦者の名前を叫び呼びながら―――
 その寸毫の時を熱狂の中で待ち構える。


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