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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』 その2

42円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2021/04/26(月) 00:19:39
>>41

「へーっ、ミモリーのパパとママも話分かるんですね!
 あたしのおうちもさすがに、苗字変えるのは無理かもー」

『字面通り』――――に、受け取った。
いや、受け取るというほど深く受け止めてない。

「うんうん、変えたら普通のあだ名になっちゃいますしー。
 タカミサカリのままでミモリー!
 そっちのがユニークで、かわいいでーす」

本気では、ないだろう――
セララもどこかで、そう思っているのだ。
少なくともセララは何も本気ではない。

「へー、そーなんだ、なるほどなるほどーっ。
 あたし目が大きい方だし、かわいいから、
 多分それも当たってますよ!」

ピースサインを作って、それを左目に添えた。
笑いながらすぐにそれを下ろす。目は、輝いていた。

「魚は分かんないですけどねー。
 お目目大きい方が、栄養はありそーですけど」

         「でもでも」

「ビタミンいらないなら、関係ないですねーっ!
 あたし、テストとか赤点取らないですし、
 そう言われたら、頭いい気がしてきました! あはーっ!」

皮肉という可能性自体を浮かべていない。
こだわらずポジティブに自分に都合のいい方を、選べる。

「あたしも頭いいって褒めてもらってうれしーですよ、ミモリー」

     ニパッ
           「あたしたち、良い友達になれそうですねーっ」

ネコのような目をぱっちりと開いて笑い、改めてその名と、関係を呼んだ。

「とゆーわけでー、あたし、そろそろ行きますねー。
 あ! ねえねえ、友達ですしー、連絡先交換しときましょーよ!」

そして自分の都合を思い出して、スマートフォンを取り出し、提案した。


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