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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』 その2

35円谷 世良楽『リトル・スウィング』【高1】:2021/04/23(金) 23:03:22
>>34

「セララちゃんはセララちゃんだしー
 サクバン先輩はサクバン先輩ですけどー。
 うんうん、そっかー。そーですよねー」
 
「先輩もあたしのこと…………
 『好き』になっちゃうかもなんですねー、あたし照れちゃうなー」

告白をされるのは、初めてってわけでもない。
惜しみなく好意を振り撒く『円谷世良楽』は、
いくらかの『好き』を、反射として受け取ってきた。

「どうしよどうしよ。うーん…………よし決めました!」

「サクバン先輩は、面白いですけどー。
 あたしはねー、『好き』っていうのじゃないでーす」

後ろに下がりながら、さらっと、拒絶した。

「だって、まだ会ったばっかりだもんネ。
 あたしのパパとママみたいに、
 二人だけでいても幸せな感じなとこ、
 まだぜーーーんぜん想像できないですもーん」

初めてではないのは断るのもだ。

友達は無限にでも欲しいが、恋は違う。
なんでも好きというのは、一番好きなものがないこと。

「だからお友達から始めましょー!
 サクバン先輩のその『ときめき』もー、
 とりあえず友達って名前を付けたらいーんですよ。
 初めての気持ちなのは、だってさー。
 あたしとサクバン先輩が仲良くなるの、初めてじゃん」

「そっちの方が、あたしたちってうまく行くと思うなー」

悪気も、悪びれる様子もない。
『から始めて』ずっとそのままの関係が、幾つかあった。

「そだそだ、サクバン先輩!
 可愛い呼ばれ方されたいならー、
 あたし、サクバン先輩に名前付けてあげますよ!」

「友達なのに毎回せんぱーいって呼ぶのも、
 別にいーけどちょっとまだるっこしいですしー。ね?」

どのような思いで『それ』を伝えられたとしても、変わらない。
セララは自分の都合で、終わらせる。そして勝手に新しく始める。


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