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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』 その2

32高見盛 炸盤『デイヴ・エドモンズ』【高2】:2021/04/22(木) 21:21:53
>>31
 
「お父さんのお誕生日に、サプライズをいっぱい……か。
 いいご両親で、いいご家庭なんだね」
 
「ただ、そうか。なんでも無いようなところに、突然やって来るから『びっくり』なんだろうな。
 いきなり、そう。前触れもなく来ないと、ずっと続いても、仕方が無いのかもしれないね」
 
視線を下ろし、笑う円谷を改めて見る。
びっくりとはまた違うが、しかし見ていて飽きない娘だな、などと思いながら。
 
「ご両親への感謝や愛情が、見ているこちらにも伝わってくるよ……『円谷 世良楽』さん。
 こんなご時世だから、そんな風に素直に『ありがとう』を言えるご家庭も、そう多くないんじゃないかな」
 
「俺の家もそれなりに家族仲は良い方だと思うけれど……フフッ!
 堂々と両親への想いを口にするのは、少し『気恥ずかしい』ものがあるな。
 『祖父』には特に『可愛がってもらっていた』から……そのセンスを褒められると俺まで嬉しい気持ちになるけれど」
 
初対面で家族を自慢し合うというのも、なかなか無いことだ。
妙な新鮮さと、それに伴う喜びを覚えながら投げかける『疑問』へと答える。
 
「そうだね……『冬眠』の間は、学校には来られないッてことになるね。
 その説では『先生方』にはたくさんご迷惑をお掛けして……なんとか『二年生』になれたけれど。
 次の期末までに、『冬』が無くなってくれないと、まあ……少し困ったことになるかもね」
 
「『友人達』とは、『スマートフォン』なんかで連絡を取っているから、思ったほどに寂しくはないよ。
 週刊少年誌の感想を言い合ったり、『最近ハマっている趣味』について語り合ったり、話題は尽きないさ」
 
『制服』の件について追求されずに済んで、心底安心した。
とくに口調や態度には現れていないが、間違いなく、胸を撫で下ろしたのだ。

「ずっとずっと『冬眠』して、やっと『春』が来て外に出られるようになって、
 そんな時だから、ちょっとした出会いに浮かれて、ときめいてしまう……というのも、
 そんなに悪いものじゃないと、俺は思っているよ。
 お腹が空いている時に食べるほうが、食事を美味しく感じるように……ね」
 
高見盛の視線の先へと目を向ける──つまり、『高見盛から視線を外した』円谷に、
何気ない足取りで、しかし大股に一歩を素早く踏み出し、距離を詰める『高見盛』。
 
 
「そう…俺はつまり、少しときめいていたんだね」


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