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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

66猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/06/11(木) 21:03:51
>>64

「…儚さん。あなたも、いい人なのね」
「でも、大丈夫なのよ。気にしなくていいの。あたしは、あたしが選べる中で、最善を選んだと思っているわ」
「あたしよりも大変な子は、『夜の街』にたくさんいるもの」

両手を後ろに回しながら、笑顔で首を傾げる。
予想してたよりも反応が大きくて、『名刺』を渡したのは可哀想だったかな、と思ってしまった。
儚さんが気にしてもどうにもならないし、そもそも気にすべきことでもない。
いや、本当はボクの仕事に興味があったとかなら、大歓迎だけど。

「儚さん、戦うのが好きなのね。あたし、あまりそういうの見たことないけれど、
 儚さんの戦いは見てみたいかも。どんな風に戦うのか、面白そうだもの」

実際、ボクも職場が職場なので、自分の身を守るために格闘技の本は読んだことがある。
よく分からなかったけど。儚さんの戦い方は参考になるかな。
とにかく、儚さんの後についていって、清次さんと一緒に『ラジオ局』に入った。

「あはっ、オシャレな建物ね。あたし好きよ、こういうところ」

辺りを見回して呟く。
綺麗なラジオ局だ。開放感や見通しの良さがいい。住むならこんな雰囲気の家がいいな。
もちろん、そんなの遠い未来の話だろうけど。

「色々とありがとう、儚さん。あなたの面目にかけても、きっと成功させてみせるわ」

スカート部の裾をつまみ、一礼。儚さんを見送ろう。


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