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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その4

54猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』:2020/06/10(水) 20:49:26
>>52

「ふぅん?」「分かったわ、儚さん。ありがとう」

この答えは、どちらかと言えば『人手不足』が近いだろうか。
それとも元から『アリーナ』はそういう風に運営する予定だったのかな。
どっちだとしても、『アリーナ』は警官と違ってある程度は柔軟に動けるということだ。
逆に言うと、同じ秩序を目指していても法律に縛られないということだけど。
ただ、儚さんはウソをついてない気がする。夜の街で時々見かける警官の中にも、たまに似たような人がいる。
少なくとも、こちらを騙してヒドい目に合わせよう、なんて事はなさそう。

「それじゃあ行きましょうか」

立ち上がると同時に、隣の清次さんの視線を感じた。
この人はお客さんの中に時々いる、あまりそういうお店に慣れていないタイプみたい。
『センパイ』とかは、喜んで清次さんみたいなタイプを狙っていくだろう。
あぁ、この人はマトモな大人なんだろうなぁと思いながら、とりあえず首を傾げて笑っておくことにした。

「うふっ」 ニコッ

二人とも、いい人なんだろう。いい大人でよかった。
と、外に出ようとしたところでネコちゃんがお店の中に入ってきた。

「あらあら、ひょっとしてこのお店の『看板猫』なのかしら?」
「ばいばい、また今度お会いしましょうね」

本当なら、触ったり見ていたりしたかったけど。流石にそんな空気じゃないことは分かる。
名残惜しいけど、小さく手を振って入れ違いになったネコちゃんを見送った。
後ろ側の席に座り、儚さんが運転してくれるのを待つ。

「ところで清次さんは、家族はいらっしゃるの?」

移動中ヒマだから、質問しておこう。まぁ隠し事も当然だから、あまり意味はないけれど。
ボクを見る目に、何となくそういうものを感じたから。


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