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【他】『妄想スレッド』【妄】

161『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2024/04/17(水) 21:16:49

(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1549878927/282の別視点)

全ては『笑い』から始まった。
警察官の銃撃から逃れた『成田静也』は、芦田と名乗る男と出会い、
この異常事態を把握する為に行動を共にする。
車内に流れる『ラジオ』の音声。
発信元である『星見FM放送』にも『異変』の気配が迫っていた。
崩壊の序曲――その『一節』が奏でられようとしている。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

いつもと同じスタジオで、いつもと同じ椅子に座り、
いつもと同じマイクに向かって、いつもと同じように挨拶する。
それは普段と変わらない日常的な光景だった。
少なくとも、ほんの数分前までは。

(――――『行った』みたいね…………)

遠ざかる足音を確認した美作は、
身を潜めていた物陰から顔を覗かせ、用心深く周囲を警戒した。
付近を徘徊していた『スタッフ』は、既に立ち去っている。
正確には『スタッフの姿をした何か』と言うべきだろう。
放送の途中で、彼らの数名が突如として豹変し、他の人間達を襲い始めた。
特に異様だったのは、変貌した者達が『不気味な笑み』を浮かべていた事だ。

(これの原因は分からないけど、
 何か『とてつもない事』が起きてるのは分かる)

美作の肩には『機械仕掛けの小鳥』が発現している。
『プラン9・チャンネル7』の能力によって、
『スピーカー』を通じて自らの声を流し、相手の注意を逸らしたのだ。
これで何とか逃げるだけの時間が稼げた。
戦う手段のない美作は、ひたすら『逃げ隠れ』に徹する事しか出来ない。
しかも、あの『笑い』は伝染するらしく、
こうしている間にも『彼ら』の数は増え続けている。

(…………今なら入口から外に出られそう。
 駐車場まで全力で走って、そのまま『ベスパ』に乗れば、
 捕まらずに脱出できるかもしれない)

だが、一つ『気掛かりな事』があった。

(もし『放送設備』を乗っ取られたら…………)

『笑いを聞いた者』は正気を失う。
そして、ここは『ラジオ局』だ。
完全に制圧されるのは時間の問題であり、
そうなったら容易く町中に『拡散』されてしまう事になる。

(ダメ…………それだけは止めないと…………!)

大規模なテロ事件でも、放送局は標的になりやすい。
この場所が狙われたのは、おそらく偶然ではないだろう。
明確な意図を感じる動きだった。

(私が逃げられたとしても、この町が堕ちてしまったら、
 何の意味もないじゃない!)

決して『恐れ』を抱いていない訳ではなかった。
今すぐ逃げ出せば助かる可能性はある。
しかし、ここの設備を利用可能な状態で残していくのは、
あらゆる意味でリスクが大き過ぎた。
使えなくしておかなければならない。
たとえ、そのせいで『逃げるチャンス』を失ったとしても。

  (さぁ、深呼吸して。大丈夫よ。あなたなら出来る)

           スゥゥゥゥ…………

    (だって、あなたは『美作くるみ』だもの)

自分自身を鼓舞する事で、『本能』に訴え掛ける強烈な恐怖を押し殺し、
美作は再び局内に歩みを進める。
目指す先は『主調整室』――放送の中枢を担う最も重要な部屋だ。
運良く辿り着けたとしても、戻ってこれる保証はないが、
それでも行かなければならなかった。
『公共の電波が利用されて感染が広まる』という事態は、
絶対に阻止する必要がある。
それが『メディアに携わる者』としての『責任』なのだから。

  ……………… ……………… ……………… ……………… ………………

その後、星見FMの一角で小規模な『爆発』が発生した。
狂気に陥った者達を巻き添えにして、放送機能は完全に停止する。
駐車場に停められた『カナリアイエローのスクーター』は、
いつまでも『主人』を待ち続ける事だろう。


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