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【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』

1『幸せ兎』:2019/03/08(金) 22:34:41

覚えていて悲しんでいるよりも、忘れて微笑んでいるほうがいい。

                     クリスティナ・ロセッティ


   ≪  ザザ――――z__________________ .....  ≫

   
     「…………」
                       
                    「キミも、そう思う?」

        「いいや」

    「おれは――――悲しくっても、覚えてたいよ」

                       「……この景色を。
                         いくつになっても。」

  「はは。理由なんて。だって、生まれ故郷だぜ。この――――」

                           ≪ザザ  ――――― ≫
 
                                       ≪    プツン≫

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1455891211/

【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/

【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1511075107/

★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1427557344/

【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439137290/

2『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/03/08(金) 23:00:46

――――――――――――注意事項――――――――――――――――
★このミッションでは『詳細なMAP』を提示する事はまずありません。
☆それに伴い、『位置関係をGMから細かく指摘する』事もまずありません。
――――――――――――――――――――――――――――――――

         . ::゜.゜。・゜゜゜゜ .
        :::.゜。 ゜・。゜゜. .  . .
            : ::.゜ ゜ ゜゜。・。゜.゜..
                  .: ::.゜゜゜゜・
              ..: :.゜゜。・。゜.゜. ...
                :::.゜。 ゜・。゜゜. .  . .
                    : ::.゜ ゜ ゜゜。・。゜.゜..
                    :::.゜。 ゜・。゜゜. .  . .
                        : ::.゜ ゜ ゜゜。・。゜.゜..
                        :::.゜。 ゜・。゜゜. .  . .
                             : ::.゜ ゜ ゜゜。・。゜.゜..
                  

      ガラガラガラガラァーーーーッ
 
                    ポン!!


「『3等』大当たりィィ〜〜〜〜〜ッッ!
 はいっ、『ミステリーツアーご招待チケット』です!」

                 「次の方どうぞォォォォッ」

あの日、『スカイモール』の抽選会で、
勢いのいい店員が勢いよく回したガラガラから、
勢いよく飛び出した赤色のボールが・・・わたしたちの知る『はじまり』だ。
 
                        『サヨナラ_エレジィ・タウン』→開始

3宗海『エトセトラ』:2019/03/09(土) 00:34:53
>>2

『22体』のネズミ型スタンド。
『牙』で齧った物体を体内に『貯蔵』し、『解除』と共に『霧散』させる。
尚、『視線』を浴びた『エトセトラ』は『強制解除』される。

『エトセトラ』
破壊力:D スピード:B 射程距離:B(44m)
持続力:D 精密動作性:C 成長性:A

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/14

--------------------------------------------------------------

『外見』
身長163cm。肉も骨も目立たない痩身。
外はねの目立つ漆黒のショートヘア。物静かな雰囲気を湛える。
十指の爪先には『巻貝』を象った宝石を誂えた『ネイルアート』。

黒セーラー、臙脂色のスカーフ。黒ストッキング。
これは自身の通う『光檀女学院』の制服。
(学外でも着用するよう、校則に定められている。)

ミッキーマウスの斑柄が入った、白のスニーカー。

『持ち物』
◆空色のソフトキャリーバッグに、以下の物品を入れる。

・『着替え』(二泊三日分)、五本指の靴下。
・脱衣を仕舞う圧縮袋。ヘアアイロン。ゴルフボール。

※久遠宗海は『旅行用品』を『最小限』に留めるタイプであり、
  その理由は『後述』する。

◆ハンドバッグに以下の持ち物を入れる。
・コスメグッズを収めたポーチ。
・ミニボトルの水。レモンキャンディ。
・双眼鏡。スマートフォン。トランプ。
・文庫本。持病用の飲み薬。目薬。バンドエイド。
・『一円玉』を『百枚』。二十枚ごとにフィルムで包装。

『簡略プロフ』
◆白い肌に誇張される風貌の通り、『病弱』な体質。
 自身を『弱者』と看做し、力と責任のある人物を『強者』とし、
 『弱者』への奉仕を『強者』の責務とする、『自虐私観』をモットーとする。

 無論、この歪んだ『思想』の世間体が悪い事を十分理解しており、
 普段は穏やかな物腰を示し、時折は聡明さを覗かせる、ごく普通の少女である。

 が、何が起こるか解らない『ミステリーツアー』と銘打っている以上、
 様々な状況を想定して過剰な荷造りに参加者が追われることがなきよう、
 アメニティの充実した『旅館』を『主催』が用意しているのでは……、といった、
 『立場』の強い者が理由なき『奉仕』をするという確信は、常なる思考を如実に示している。

『同行者』
◆かつて『病院』で知り合い、『田舎町』での一事件を経て、
 知り合った少女が同行すれば愉しい旅になるかも知れない。
 ……と思ったが、別段『連絡先』を交換したわけでもないので、
 この謎めいた『旅行』を一人きりで楽しむことにした。

4小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/03/09(土) 01:25:30
>>2

「――『ミステリーツアー』……」

受け取った景品を見つめながら、小さく呟いた。
不思議な響きのある言葉だと感じる。
考えてみれば、旅行に出るのは久しぶりだった。

(あの時は……)

ふと、『以前の旅行』のことを思い出す。
その時、自分はスタンドの関わる争いの渦中に立っていた。
時間が経った今でも、よく覚えている。

(……いいえ)

一瞬、考えてしまった。
だけど、あのことと関係しているとは思えない。
そう、これは『ただの旅行』なのだから――。



◆◇◆能力詳細◇◆◇
己の部位を『切り離す』事で、それを遠隔操作できるナイフ。
解除時に切り離されたままの部位は崩れ、切断面から元通り『生え代わる』。

『スーサイド・ライフ』Suicide Life
破壊力:C スピード:B 射程距離:D(2m)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:C

『部位』
破壊力:D スピード:C 射程距離:B(10m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:―

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/62

◆◇◆外見◇◆◇
洋装の喪服、ツバの広い黒色の帽子、
ミドルヒールのパンプス、両手の薬指に結婚指輪
黒い髪、黒い瞳、アップヘア、憂いを帯びた陰のある顔立ち
年齢28歳、身長170cm、細身の体型

◆◇◆持ち物◇◆◇
財布、携帯電話、ハンカチ、ティッシュ、化粧品ポーチ、
乾燥させたラベンダーとアロマオイルを小さな布袋に入れた手製の香り袋、
500mlミネラルウォーター、包帯、自傷用の果物ナイフ、
以上を入れたハンドバッグ

◆◇◆簡略プロフ◇◆◇
愛する夫と死別した際に、自分も後を追うつもりだった。
しかし、『自分の分まで生きて欲しい』と彼が言い残したために思い止まる。
自分の身体を傷付ける『自傷行為』により、不意に襲ってくる『自殺衝動』を抑えている。

5黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/03/09(土) 21:01:14
>>2
「…………自然豊かなところで……寝てみたい……」


『能力詳細』
ベッド型の四足獣のスタンド。
実体化しており、本体含む人間が上に乗って寝る事も出来る。
ヴィジョンの上に『寝具』等を発現する『ベッドメイク』が能力。

本体がこのスタンドの上で寝ると『自動操縦』になり、暴力的なスペックに変化。
目を覚ますまで本体の眠りを妨げる存在を排除するべく、攻撃的に行動する。

『オールナイト・トレイン』
破壊力:C(A) スピード:B   射程距離:E(1m)
持続力:A   精密動作性:B(D) 成長性:E

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/254n


『外見』
26歳の170cm。
茶のショートカット。ややタレ目気味。
プルオーバーシャツにロングスカート。

『持ち物』
財布、スマホ、タブレット、モバイルバッテリー、目覚まし時計×2、肩掛けバッグ

『簡略プロフ』
いつも眠そうにしているし、なんならそのまま外で眠ることもある。
1日の睡眠時間は10時間が最低ラインだと考えている。

6ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/03/09(土) 22:18:46
>>2

【簡略プロフ】
『芽足 萬』:自身を『ロボット』と称するモノ。16歳。普段は女子高生をしている。

【能力詳細】
指先から伸びるコードが刺さった機械などを操作できる。
操作後、対象の内部にスタンドエネルギーが残留し、
それを介して対象にその後行われた操作や入力を傍受できる。

『ボーダー・リーヴァー』
破壊力:C スピード:B  射程距離:C(9m)
持続力:C 精密動作性:B 成長性:C
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/101




「……」

「……」
               フリーズ
『芽足萬』はその場で立ち尽くした。


もちろん『ボーダー・リーヴァー』で福引き機を操作したわけでもない。
そもそも、『ボーダー・リーヴァー』で行えるのは、接続した機器の『通常の操作』だ。
狙った球を出すなんて芸当が、ただの福引き機で出来るはずもない。

つまりは──

……%△
「ゴ」
「ゴホン」

「幸運ですね。ありがとうございます」

──再起動。
口から漏れ出した、小音量の歯切れの悪いノイズを無かった事にして、
ヨロズは『賞品』を受け取ったのだった。



【持ち物】
ショルダーバッグ
中身『化粧品含む洗面用具一式』『ハンドバッグ』
ハンドバッグ中身『人感センサーライト』『スマートフォン』『財布』
【外見】
黒髪おかっぱ。
白のデニムパンツと黒のニットに茶色のコートを羽織っている。
右耳に白色のワイヤレスイヤホンを着用。
【同行者】
無し

7城井 達己『サクリファイス・セオリー』:2019/03/09(土) 23:59:09
>>2

「本当だって」
 
「俺はちゃんと言ったんだよ、母さん。
 7等の『トイレットペーパー』と替えてくれって」
 
「だけどダメだって言うから。
 だったら、本当に行きたかった人の分まで」
 
「俺が楽しまないと、嘘ってもんだろ?」


・能力詳細
触れた無生物の傍に分身を作り出すことが出来るが、
その無生物が受けるダメージを本体が肩代わりしてしまう。

『サクリファイス・セオリー』
破壊力:B スピード:B  射程距離:E(1m)
持続力:B 精密動作性:B 成長性:B

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/102

・外見
男。17歳。高校生。身長174cm。
上下白のジャージ。運動靴。全体的に薄めの体つき。
黒髪。伸びかけの短髪。前髪は目にかかる程度まで伸びている。

・持ち物
財布、スマートフォン、ハンカチ。

新版プレミアムアトラス日本地図帳、
100%ムックシリーズ 完全ガイドシリーズ2019 SPA & サウナ & 日帰り温泉 完全ガイド、
絶景駅100選 、ロードマップ『道の駅 旅案内 全国地図 平成30年度版』、
ミシュランガイド2019、改訂第3版 センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本、
県民バズごはん、脳活道場 vol.25 2019年 4月号、朝日脳活マガジン ハレやか 2019年 4月号、
特上クロスワード 2019年3月号、このミステリーがすごい! 2019年版、
探偵小説の論理学、シャーロック・ホームズの思考術 、東西ミステリーベスト100、
ミステリーの人間学―英国古典探偵小説を読む、

等の『書籍』の詰まった『スポーツバッグ』。


・簡略プロフ
母子家庭。
母親の『意志と責任のバランスを取るように』という育成方針をその一身に受けた結果、
『責任感』についての感覚がズレており、ズレたまま、尚も全うしようとしている。
 
 
 
「大丈夫だって、母さん。
 もう『岩手県』のページまで読んだからさ。あとは移動中に読み切るよ」

8『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/03/10(日) 01:08:44
>>3(宗海)

謎――――少なくとも今は、その気配はない。
宙も雲一つない、素晴らしく晴れ晴れとしたいい天気。

バスはすでに、駅前のターミナルに到着していた。
詳しいとしてもあまり聞き覚えの無いバス会社のようだが、
車体は真新しく、運転手らしいスタッフも至ってマジメそうだ。

        ガヤ
 
            ガヤ

件の『知人』である少女に仮に連絡がついたとしても、
どこか気難しそうな彼女が『団体旅行』に来たかは怪しいし、
一人旅というのも、それはそれでけっこうオツなものなのだ。
証拠になるかは知らないが、一人で来たらしい若者も複数いる。
特に、あの『黒髪おかっぱ』の少女(>>6)や、親に電話している少年(>>7)は、
年の頃も近いように感じられた。仲良くする必要があるかどうかは知らないが。

>>4(小石川)

旅行――――旅行には、やや苦い思い出がある小石川。
あの時は『町内会』か何かのくじが当たったのだったか。
今回は『スカイモール』のくじだし、『悪い因果』はそう続くまい。

              ・・・たぶん。

「なにっ!? 『ミステリーツアー』というのは、
 『謎を解きながら旅行をしていく』のではないのか!?
 ほら、今はやっている『リアル脱出ゲーム』のような……」

  「違うよぉホーちゃん。『行き先が謎』のツアーなんだよぉ。
   俳優さんとかが来てほんとにミステリーするのもあるらしいけど」

            「ラインで言ってなかったか?
             わざと言ってなかった気がしてきたな」

小石川の半分くらいしか生きてなさそうな『女子』たちも、
くだんの不思議な響きを持つ言葉についての話題で持ちきりなようだった。

>>5(黒峰)

安眠――――行き先が自然豊かかどうかは怪しい所だったが、
とりあえずツアーバスは『3列独立シート』のようだし、、
道中はそれなりに『寝心地』がいいのではないだろうか。

「なにっ!? 『ミステリーツアー』というのは、
 『謎を解きながら旅行をしていく』のではないのか!?
 ほら、今はやっている『リアル脱出ゲーム』のような……」

  「違うよぉホーちゃん。『行き先が謎』のツアーなんだよぉ。
   俳優さんとかが来てほんとにミステリーするのもあるらしいけど」

            「ラインで言ってなかったか?
             わざと言ってなかった気がしてきたな」

ただ――――『ミステリーツアー』という響きの耳慣れなさのせいか、
同時期に町内の商店などで開催されている別の抽選に年長者が流れたのか、
どちらかと言えば活発そうな少年少女・若者が多く、静かな旅になりそうにはなかった。

>>6(ヨロズ)

幸運――――『機械』にも『運命』というものは等しく存在するし、
いきなりスタンド世界に巻き込まれる事故に遭うこともあれば、
今回のように『いいこと』もある。『禍福は糾える縄の如し』だ。

駅にはバスが到着しており――――恐らくこの旅を共にするのであろう面々が集う。
総勢で『20名』ほどだろうか。老若男女というには、老が足りない。ロボは1人だけだ。
幸いかどうかは分からないが、年の近そうな少女(>>3)見当たるし、話し相手には困らないだろう。

>>7(城井)

責任――――『くじ引き』は各日『先着数百人』に権利があり、それが数日続いた。
その中で『3等』のミステリーツアーは『50名』にしか当選していないはずだ。
城井には、当たらなかった数千名(一人で三十回は回した主婦とかもいるけど)の、
責任というやつがのしかかってきているといっても、過言ではないのかもしれない。

とはいえ来ている他の乗客たちはノンキなもので、談笑しているとか、
一人で手持ち無沙汰にしているとか、そんなものだ……城井が、一番本気かもしれない。

                 パラララララッ

「観光名所は『阿蘇山』…………名産品は『馬刺し』に『辛子蓮根』…………」

            ブツ   ブツ…

               「いや…………『いきなり団子』………………か?」

と、どうやら似たようなヤツもいるようだ。七三分けの『サラリーマン』風で、旅行本を熱心に読んでいる。

9『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/03/10(日) 01:09:08
>全体

20名ほどの――――特にキマリのない恰好で集まった面々が待っていたバスは、
ようやく『乗り込み手続き』を開始したようで、少しずつ人が乗り込んでいく。

                   「…………ハァ」

「ヤスゥ、おれ窓側でいいよなァ?」

         「なんでもいぃーよ、どうせオレ着くまで寝てっからさ」

        ワイ
               ワイ
「うわっ広〜〜〜〜い」

       「遠足のバスとはぜんぜん違うなあ・・・」

               「見てみこれ、充電するとこある」

そういうわけで、5人の席はそれぞれ――――――――――――――

             運転席

     ①   ②   ③

     ④   ⑤   ⑥

     ⑦   ⑧   ⑨

     ⑩   ⑪   ⑫

     ⑬   ⑭   ⑮
 
     ⑯   ⑰   ⑱

     ⑲   ⑳    WC


(★番号で指定してください。早い者勝ちです。なお、フレーバーであり、大きな意味は無いです)

10小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/03/10(日) 08:13:27
>>8
>>9

バスに乗り込み、席(③)に着く。
旅行について思うことは、もう一つあった。
今はいないけれど、本当なら自分の隣に座っていたであろう人のこと。

  「――……」

どうして私は、あなたの隣にいることができないのでしょう。
私のいるべき場所は、本当にここなのでしょうか。
できることなら、あなたに会いに行きたい。
それが許されるのなら、今すぐに。
でも、私は――。

           スッ

半ば無意識の状態でバッグを開ける。
そして、『鎮静剤』――自傷用のナイフに手を伸ばす。
しかし幸いにも、今それを使う必要はなかった。
バッグを開いたことで、その中に満たされていた香り袋の芳香が外に漏れ出す。
ラベンダーの豊かな香りが鼻腔に入り込み、高ぶりかけた神経が鎮まるのを感じた。

  「……ふぅ」

緩やかに深呼吸して、乱れた気持ちを落ち着かせる。
呼吸を整えてから、窓の外に視線を向けた。
これから向かう目的地のことを考えて、少しでも気分を紛らわせたかった。

11宗海『エトセトラ』:2019/03/10(日) 22:07:03
>>8-9(GM)
>>6(ヨロズ)
『黒髪おかっぱ』の少女へと静かに歩み寄り、
『イヤホン』を付けていない、左側へとそっと回り込む。

「――――こんにちは。
 どんな旅になるのか、ワクワクしますね」

微かな笑みを浮かべながら、穏やかに話しかける。
『ミステリーツアー』という性質上、一人旅でも楽しめそうだが、
やはり『旅は道連れ』なんとやら。話し相手の一人はほしい。

「『主催者』の方も、色々とご準備をされてるみたい。
  ……ほら、バスに乗った女性の方、いらっしゃるでしょう。

  『サスペンスドラマ』にはピッタリの『喪服』、
  きっと、『ミステリー』仕立てなシナリオのために、
  主催の方が手配を掛けた『女優』さん、……かしらね」

『運転席』の傍、乗客達の目に付く位置に陣取った、喪服の女性。
そっと『ヨロズ』へ目配せをし、彼女へ注目するように促す。

「フフッ、なんて。

 折角、『ミステリーツアー』なんて謳われてるのに、
 『先』を読むなんて、……『無粋』かも知れないわね」

「『前情報』を知らずに出掛ける、『未知』への期待こそ、
 『ミステリーツアー』の醍醐味だというのに、

  わざわざ『先』のことを考えて『アクセク』したら、
  本当に『旅』を堪能している、なんて言えないかしら」

『宗海』もよもや、『予習』を済ませるタイプの人間が、
このバスに『二人』もいるとは、微塵も考えていない。

「それじゃあ、良い旅にしましょう」

『ヨロズ』へと柔らかく掌を振れば、
『キャリーバック』をスタッフに預け、『9』の座席へ移動する。

12黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/03/10(日) 22:07:58
>>8-9
「……友達同士でしょうかね……楽しそうで結構です……。
 多少……眠りの妨げになっても……先日、お賽銭を入れてきた私は……無敵……」

⑤に座る。
早速眠りに……つく前に、一応隣の座席ぐらいはちらりと確認しておこう。

13<削除>:<削除>
<削除>

14ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/03/10(日) 23:43:18
>>8-9(GM)
>>3>>11(宗海さん)

バスの前で参加者を見渡すヨロズ。
参加者達の年齢層と雰囲気を大まかに把握する。

(……なるほど)
(これはあくまで『人間』の娯楽ですし、あまり私が出しゃばらない方が──)

そのように思案していると、先程視認したセーラー服の少女がヨロズの左側に来た。

「──ええ、そうですね」 キュイン(小音)
「『ミステリーツアー』というのですから、『ギミック』はあるのでしょう」
「『 我 々 』をワクワクドキドキさせて、楽しませるようなモノが」
「確かに『喪服』がその『ギミック』という可能性も無きにしも非ず、ですね」

『宗海』の方へ顔を向け、にこやかに応答する。

「楽しみ方に粋と無粋の差はあるかもしれませんが」
     ヒト
「まあ、『人間』それぞれという事で」
「お互い、楽しみましょう」

『宗海』に手を振り返せば、ハンドバックを取り出し
ショルダーバッグを預けてバスへ乗り込む。

       ロボット
(とはいえ、『機 械』として『事件』と『事故』には注意を巡らせるべきでしょう)

おそらくあるであろうドライブレコーダーを見ながら車中を進み⑪の席に座った。
着席後は顔をあげて。防犯カメラと非常口やその他の非常装置を探している。

15城井 達己『サクリファイス・セオリー』:2019/03/11(月) 21:25:00
>>8-9

「よし」

母親との電話を切り、己に喝を入れ直す。
寝不足ゆえに目の下に張り付いた隈を気にする暇もない。

「あと一息かな」

『北』から順に読み始めた『地図帳』も、既に『岩手県』まで到着している。
このまま読み進めていけば、いずれ『地図帳』を読破し、
いまだ手付かずのその他の書籍を切り崩すことも、そう遠い話では無い――。

と、そんな風に考えていた所で。
 
>「観光名所は『阿蘇山』…………名産品は『馬刺し』に『辛子蓮根』…………」

>            ブツ   ブツ…

>               「いや…………『いきなり団子』………………か?」
 
 
「もう、そんなに進んでるのかな」「それとも」
「『西』から読み始めたのかな」

『同類』の気配を察し、思わず反応を見せる。
そもそもこの『城井』、行き先が西か東かも理解していないのだ。
 
だからこの『③番』の――窓の無い席から、
 
「あの」「すみません」
  
「俺たちが向かってるのって、その」
 
「『西の方』で、いいんでしたっけ」
 
『サラリーマン風の男』に、声を掛ける。

16『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/03/11(月) 23:06:43
>>15(城井)

③に座ろうとしたが・・・『喪服』の女性(>>10)が先に座っていた。
つまり、他の席が城井の席だったのではないだろうか――――――?

(★特に指定なければこちらで『サラリーマン風』の近くの席をみつくろいます)

17城井 達己『サクリファイス・セオリー』:2019/03/11(月) 23:16:23
>>16
すみません。いい具合の所でお願いします。

18『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/03/12(火) 00:10:39
>>10(小石川)

前の方の席に着いて、忘我の中でバッグを開ける。
それは小石川には必要な『常備薬』だったが、
ここで取り出せば不味い事になった可能性はある。
座席に広がる『ラベンダー』の香りが、幸いした。

「あら、良い香りですわね――――『ラベンダー』でして?」

そのまま窓の外に顔を向けようとしたところ――――
②の席に座る『ロリータ調』の服装の女(少女か?)が声を掛けて来た。
緑を中心にした派手な格好だが、所作には落ち着きがあり『コスプレ』感は無い。

>>11(宗海)

喪服の女――――ふつう、旅行に『喪服』を着てくる人間がいるだろうか?
いわゆる『歴女』とかが『偉人の墓』に行くときには着たりするのだろうか?

彼女が『仕込み』かそれとも『本物』か、どんな事情があるのかは分からないが、
そうこうしていると、あの喪服の女の隣②には緑中心の『ロリータ』服を着た女が座った。
安っぽい貸し衣装ではなく、本格的なオートクチュールに見える。やはり、何かあるのかもしれない。
同じく最前列の①に座った白ジャージ姿の男子高校生も『役目』があるのか? 何かを背負った顔だ。

       「どーも」

                 ペコ

ともかく⑨に着くと、隣(⑧)には美形な顔立ちで、女物らしきブランケットを膝に掛けた男性が座っていた。
会釈を一つ寄越されたが、それ以上声を掛けられたりはしない。彼は手元の『タブレット』を見ているようだ。

>>12(黒峰)

烏兎ヶ池神社の最大の『ご利益』は――――そう、『旅行安全』だ!
これはもう何のトラブルのない、安眠ばっちりの『ミステリーツアー』になる事請け合いだ。

      「…………」

                 「…………」

隣に座っているのは、④は旅行本に視線を落とす、七三分けの『サラリーマン』風な男性。
⑥については神経質そうにスマートフォンと睨めっこし、何かのゲーム?をしているシニヨンの女。

どちらも黒峰に話しかけてくる様子は・・・少なくとも今のところないというか、
あからさまに眠そうにしているので話しかけづらい、と思われているのかもしれない。

と、そうこうしていると④は①に座った『ジャージ姿の男子高校生』と話し始めた。人間関係の始まりを感じる。

>>14(ヨロズ)

宗海ともども荷物を預け(丁重に受け取られた)バスに乗り込み、座席へ。
ドライブレコーダーや非常口は見つかったが監視カメラは見当たらない。
これについては乗客から丸わかりな場所に設置はしない、ということか。

それにしても⑪の席は――――両隣⑩と⑫に座っている男女があからさまに『熱い仲』だ!
席の手違いか、単なる偶然か、『ヨロズ』を挟んで時折、意味ありげな熱視線を交錯させている。
こんなことがあっていいのだろうか……これも『ミステリー』の一環だというのか?

   「ロッちゃんホーちゃん『チョコ』と『アメ』どっちがいい?」

          「アメのが長持ちするからアメ」

                   「わたしもアメがいいぞ」

なお後ろは横一列に3人、ヨロズよりさらに少し年下に見える女子たちが会話に花を咲かせる。
ヨロズが振り返れば話には参加できるだろうが、わざわざ混ざるべきかは判断が分かれるだろう。

>>15(城井)

③もとい、その逆側の①番の席に座り、後ろに座る『リーマン風』に話しかける。
(なお、③には喪服の女性、②にはロリータ服の女性が座った。濃い並びだ)
旅行本を読んでいた彼は、きまじめそうな顔を上げて窓の外を一度見てから。

「え、どうなんでしょう…………?」

いまいち、頼りない返事を返してきた。

「この本、『沖縄』から読み始めたんですよ。私、『沖縄』が好きなんで。
 …………すっかり西に行くつもりでしたが、実際のところはどうなんでしょうね」

              ブツ

「『北海道』に行くには頼りないバスですけど、
 東北地方くらいの寒さは覚悟した方がいいか……」

         ブツ

誰も、このバスの行く末を知らないのかもしれない。『ミステリー』だから。

「……それにしても春休みだからですかね、
 圧倒的に学生さんが多い。君も学生でしょう?」

      「ちょっと肩身が狭い気が、しないでもないですね」

とりとめのない事を聴いてきた。確かに若い客が多い。というより『年寄りがいない』のだ。

19『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/03/12(火) 00:22:57
>全体

「ほんっと〜〜〜にすみません!!! 私が財布を忘れてしまいまして!!!!!」
 
   「……………………大事な事だけど、
     何回も謝らなくていいよ、別にィ」

       「うん、バスもまだ出てないしね――――
         さ、荷物を早く預けて乗ってしまおう。
          ――――楽しみだね、どんな『ミステリー』があるか」

                             ネミ
                          「クソ眠ぃ…………」

バスの入口では、恐らく『最後』であろう『女子3人組』が受付をしていた。
彼女らが横一列空いた席⑯〜⑱に乗り込めば、ほどなくして『謎の目的地』に向かうだろう。

       「 本日は〜〜 『ミステリーツアー』にご参加いただき 

             まぁ〜〜ことに ありがとぉぉ〜〜〜〜ございまァす 」

                              ブゥン

                                    ブゥン…

バスにエンジンがかかり始め、『ガイド』を務めるのであろう若い女性の声が車内に響く・・・

                             ――――――長い『旅』が、幕を開ける。

20宗海『エトセトラ』:2019/03/12(火) 00:44:18
>>18-19(GM)
『ヨロズ』に手を振り、荷物を預け、座席に腰掛ける。
三列シートの間を乗客がすり抜け、空席が次々に埋まっていく。
その様子を『宗海』は何の気なしに眺めている中、ふと、脳裏を過ぎった。

 「(――――キュイン?)」

何か、聞こえたような……?
それはともかくとして、その少女へ告げた『憶測』を裏付けるように、
視線の届く範囲で、乗客達を一瞥しては、その背格好を記憶する。

 「(『喪服』に『ロリータ』、
   渋谷のハロウィンさながらね……)」

何か計画があるわけではなく、ほぼ無意識。
……意図せずに人目を引く服装ばかりだ。

 「(ひょっとしたら、彼女達は『リピーター』で、
   実は『コスプレツアー』って感じの、俗なイベントなのかしら?

   ……『ジャージ』の彼は、……そういうのも、流行りらしいわね。
   『自転車』とか、『バレーボール』とか、『テニス』とか、――――)」

>       「どーも」

>                 ペコ

         「あら、こんにちは」

何処かよそよそしい挨拶に対し、にこやかに笑みを返す。
男性は視線を『タブレット』に戻し、『宗海』も窓越しの景色を眺め、

 「(まさか、『同族』と思われてないかしら……?)」

手持ちの『タブレット』で『黒セーラー 外ハネ』でググられたら、始末が悪い。
無論、それを止める術はないのだが。

鮮やかに縁取られた両眸を細め、そっと眉根を寄せる。
両腕をそれぞれ持ち上げ、自分の着ている制服をチェックする。

そうこうしている間に、『旅』の始まりを告げる、第一声が響くのだろう。

21小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/03/12(火) 16:30:41
>>18
>>19

       ハッ

話しかけられたことで我に返り、隣に座る女性と向き合う。
相手の年齢については分からなかった。
だけど、それは今の会話をするのに必要なものにはならない。

  「……ええ、おっしゃる通りです」

言葉を続けながら、静かに微笑する。
自分は、きちんと普段通りに笑えているだろうか。
先程のことで表情が硬くなっていないかどうか――それが心配だった。

  「自宅の庭で栽培したものですが……」

この旅行は、楽しい時間を過ごすためにあるはず。
それに少しでも水を差してしまうようなことはしたくない。
だから、いつもと同じような顔で笑えているかが気にかかった。

  「――花のことは、お詳しいのですか?」

女性に尋ねながら、バスの発車を感じ取る。
これから私達は、どこへ向かって進んでいくのだろう……。
何も知らない目的地に対して、ぼんやりと考えを巡らせていた。

22黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/03/12(火) 20:37:35
>>18-19
左は普通のサラリーマン、右は普通の女性。
うん。
眠って起きれば無事目的地に到着していることでしょう。

「……スヤァ……」

……。

「……パチリ」

よく考えると、みな初対面とはいえこれは団体旅行。
後々のトラブル(による安眠妨害)を回避するためには最初が肝心……と言える。
他人だらけの中に一人くらい知り合いを作っておくのもいいかも。

「……こんにちは……」

眠気を抑えて⑥の女性に声を掛ける。

23ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/03/12(火) 23:35:45
>>18-19(GM)

「……」

カメラを見つけることは出来なかったが特に気にする様子も無く
周囲を見渡しながら耳に入った、
自分の後ろに座る乗客たちの声に耳を傾けるヨロズ。

(友達同士で三人、楽しそうでなによりです)

中の良さそうな会話を聞いて、口元に笑みを浮かべていたが

「……!」

両隣の熱い視線に感づけば、少し『気まずそう』にしながら目を泳がせる。

こういう事態の対処方法を検索。

①寝たふり
②動じない
③他の乗客(後ろの三人組)と話して気を紛らわせる



(──いいえ、その前にすべきことがあるでしょう)


「ええ、すいません」

左右の男女に自然な笑顔を作りながら話しかける。


(仕組まれた物かもしれませんし、勘違いかもしれませんが)
(本当に親しい仲である可能性があるのであれば、訊ねるべきです)

「席、変わりましょうか?」

小声で二人に問いかける。

24城井 達己『サクリファイス・セオリー』:2019/03/13(水) 01:01:18
>>18
 
「ああ、やっぱり」
 
やっぱり、この人は『西』から読む派の人で、
そしてやっぱり、この旅の行き先は、誰も知らないということで良いのだろう。
 
行き先を知らないのが自分だけだったら、いくらなんでも間抜けがすぎるというものだ。

「『春休み』なのも、そうなんでしょうけど」
 
言いながら、車内にぐるりと視線を巡らせる。
確かに自身と世代の近そうな、見たところ学生らしき乗客の姿が多く見られる。

「『行き先の分からない旅』ってのが、どうなんでしょうね」
 
「そういう、『ちょっとした無茶』みたいな遊び方、
 学生の内は気軽にできちゃったりして」
 
そういう意味で、このバスの『乗客』は皆ある程度、
その手の『無茶』を少なからず、できるメンバーなのかも知れない。
 
「あとは、ほら、『懸賞』頼みで参加するっっていうのが、
 俺たちみたいな『学生』に合ってるのかも知れないですね。
 
 俺なんてすっかりそういう『金の無い』クチで、
 こういう機会でもないと、こんな旅行しなかったんじゃないかな」
 
などと、言葉を返しているところに、
 
 
>>19
 
「ああほら、始まるみたいですね。
 せめて『行き先』が分かれば、読むページを絞れて助かるんですけど」
 
『ガイド』の声が響く。
いよいよここからが、つまり『始まり』ということなのだろう。
 
「そうだ、それと」
 
「『謎解き』とか、そういう催しなんだから、
 やっぱり、大人の人がいると助かるんじゃないかな。
 
 俺は嬉しいなって、思うんですけどね」
 
何を憚ることもない、と、それは伝えてみたいと思う。
きっと、貴重な休みなんだろうから。

25『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/03/14(木) 00:09:26
>>20(宗海)

新しく入って来た女子三人組については完全に『私服』だし、
他の乗客も大半が『ごくありふれた』類の服装だった。
⑲と⑳の『ドレッドヘア』と『色黒金髪』のコンビも、
ド派手でこそあるが『町中』で見かけられるだろう。
⑮も、『探偵』が被るような帽子こそ被っているものの、
コートなどの他の服は『常識の範囲』で収まっている。
コスプレが『正装』ってワケでもないのは間違いあるまいし・・・

      「 ・・・・・・ 」

⑦と⑧の間を通り席に向かう三人のうち一人、メガネ・マスク・帽子で固めた少女が、
宗海に一瞬向けた目線は……『コス』に見えなくもない服装への疑問ではないと信じたい。

ともかく。

「――――今日は、良く晴れて。旅行日和で何よりですね」

        ニコ…

宗海の朗らかげな挨拶に、男性も笑みを浮かべ、そう一言付け加えた。
よそよそしげな挨拶は一回りは年下であろう女学生への、
一種の『遠慮』とか、『警戒』などがあったのかもしれない。
それももしかすると『服装への警戒』だったりするかもしれないが・・・それはまあ、ともかく。

                 ス  スス

彼の興味はその指先を躍らせるタブレットにあるようで、会話を引き延ばす気はなさそうだが、
宗海のほうから話を続けるのであれば、恐らくしばらくは問題なく付き合えるのではないだろうか。

>>21(小石川)

「まあ、まあ、まあ!栽培! とてもご趣味がよろしいんですのね。
 気が合いそうな方と同席出来て何よりですわ――――
 ええ、詳しくってよ。お花と……それから、フルーツと」

「先に自己紹介をしておきますわ。私は――――『天雨 智理』。どうぞよろしく」

                  ニコ…

女はきらびやかに、希望に満ちた笑みを浮かべて会釈した。
手元のテーブルには意外にもシンプルな緑の手帳や、タブレット、文庫本が置かれていた。

「それ、『サシェ』か何かに加工しておりますの? それとも、花そのままで?」

>>22(黒峰)

「――――あん? 何よ。なんか用なの?」

         クルッ

「用って言うなら聞くけど」

⑥の女性は、顔だけこちらを向いてきた。
スマートフォンは指で操作しながらだ……器用というかなんというか。

「とゆーか随分眠そうだけど……あなた、『旅行』が楽しみで寝不足になったタイプ?」

ちら、と見えた熱心に弄っているスマホの画面は……『懸賞サイト』のようだった。

>>23(ヨロズ)

「「え」」

「あ」  「ああ」  「良いんですか?」

    「……それじゃあ」  「お願いしましょうか」

         「ありがとう、親切なお嬢さん」
                「…………ありがとう」

男女はヨロズの対応に気分を良くしたようで、
特に男性の方は感謝の念を隠すことなくヨロズに向けている。
運転手などがそれを見咎める事もなく――――⑪と⑩が入れ替わった。

後ろの席の3人組は、相変わらずお菓子を配っているようだ。
特に背後の⑬は、スマホの充電器をコンセントプラグに刺すのに四苦八苦している。

>>24(城井)

「なるほど――――良い意味での『向こう見ず』は学生の特権、か。
 この旅行の間だけでも、私もその『勢い』にあやかりたい所ですね。
 あやかりすぎて、土産を買い忘れたりはしない範囲で…………」

少なくとも、事前にあった知らせに行き先は書いていなかった。
なのに思い思いの旅姿で、妙に自信に満ちた顔をしている人間が多いのは、
やはり『ちょっとした無茶』が許される――――若さと冒険心ゆえだろうか?

「はは……そう言ってもらえると嬉しいですね。ま、頼れる大人かは分かりませんけどね、
 長く生きてる分の『大人げ』ってやつはあるつもりなんで……何かあれば頼ってくれて良いですよ」

城井の言葉に背を押されたのか、やや険しかった男の表情に余裕のようなものが見えた気がした。

26『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/03/14(木) 00:09:50
>全体

周辺の客と、話に花を咲かせながら――――バスは『ターミナル』を出て、町を走り始める。
いつも見ている『星見町』の景色が、逆回りに過ぎ去って行き……知らない場所へ走り出す。

  「 これより 当ツアーバスはぁ〜〜〜 
    誰も知らない目的地に 向かっていきます・・・ 」

           「 平成最後の春、みなさまの『思い出』に残るゥ、
             素晴らしい旅に・・・ご招待させていただきまぁ〜す 」

どこか演劇のような口調ではあるが、添乗員(運転席の隣だ)はいたって普通の制服姿。
少なくとも何かしらの『シチュエーション』に基づく、設定ありきの旅ではない、のだろうか?

                        ヤタ ニジコ
  「 申し遅れましたァ〜〜〜 私、添乗員の『矢田 虹子』でェ〜〜す 」

マイクを手に席から立ち上がり、客席に向けてお辞儀。
どことなく『女芸人』を思わせる雰囲気で、見た目の『愛嬌』はばっちりだ。

  「 みなさまの、旅のサポート役としてガイドを務めさせてもらいまぁす。
    趣味は『カフェ巡り』・・・ それと『生け花』なども少々・・・ 」

           「 ふつつかものですが、よろしくゥ〜お願いしまぁす 」

お見合いみたいなことを言い出したが……それから急に、マイクを座性側に向けた。

    「 さぁて! 」
 
       「 私以外で自己紹介とか したい方いらっしゃいますかぁ〜? 」

  「 せっかくの『団体旅行』 」

        「 ぜひとも『親睦』を深めて、いただきたいなぁ〜〜〜と 」

                    「 思っておりますのでェェ〜〜〜ハイッ 」

                                             ・・・どうする?

27黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/03/14(木) 00:40:42
>>25-26
「…………いえ……用というほどのもことではないですが……。
 袖振り合うも多生の縁と言いますし……隣り合った仲、親睦でも……深めようかと……。
 そちらも……お一人ですか?
 ……眠気に関しては……ご心配なく……頑張れば起きていられます……。
 旅行は確かに……(非日常で眠ることが)楽しみですが……」

若干ツンケンした感じだが、会話してくれるならきっと大丈夫……たぶん……。
ところで女性は見た目何歳ぐらいだろう?

28小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/03/14(木) 13:38:36
>>25
>>26

    コク……

  「――小石川文子と申します」

  「こちらこそ、旅行中どうぞよろしくお願い致します……」

会釈と共に、隣の女性に挨拶を返す。
同時に、添乗員の説明に耳を傾け、首を縦に振って相槌を打つ。
どうやら、主催者側からも自己紹介の誘いがあるらしい。

   ――私は……。

そういったことが求められている催しなら、マイクを取ることも吝かではなかった。
しかし、他に名乗り出る人がいるなら、そちらを優先したい気持ちがある。
だから、今は様子を見ていることにした。

  「ええ……これは手製のサシェです」

  「中身はドライポプリとアロマオイルで……」

  「イングリッシュラベンダーをハンギングで乾燥させています」

普段よりも、やや滑らかに舌が回る。
やはり、共通する話題を持つせいだろうか。
自分にとっても、それが嬉しいことなのは確かだった。

  「……フルーツのことも、ご存知なのですね」

  「ご自分で育てていらっしゃるのでしょうか?」

  「私の実家ではトマトを作っていますが……少しだけ似ていますね」

       クス


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