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【個】『烏兎ヶ池神社』【場】

134嬉野好恵『一般人』&ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2019/07/10(水) 00:29:47
>>132

 ワンッ

やってみるさ――そんな意を込めて、俺は学文に鳴いてみせた。
もっとも、俺の言い分が伝わってるかどうかは定かじゃないが。
まぁ、それはお互い様だろう。

「はいっ、ディーンの分だよー」

しゃがみ込んだヨシエが、俺の鼻先に百円玉を差し出した。
俺は、それを口に咥えて歩き出す。
向かう先は、正面に置いてある箱だ。

   ヒュッ

俺は頭を振って、口に咥えた百円玉を箱の中に投げ入れる。
そっと入れるのが学文の要望ではあったが、あいにく俺には届かなかった。
なるべく丁寧に入れた筈だから、その辺は大目に見てくれ。

        ――――チャリンッ

コインが落ちる軽い音を聞いてから、次に移る。
綱を口に咥え――ようとした所で、少し迷った。
神様ってのはキレイ好きって話だし、直接口を使って良いものかどうか。

       ガラ ガラ

だから、俺は『後ろ足立ち』を披露する事にした。
上げた前足を使って器用に綱を揺らし、その先にある鈴を鳴らす。
ヨシエに比べて鳴り方が貧相になるのが玉にキズだが、まぁ仕方ない。

     スッ
        スッ

そして、頭を二度下げる。
次が少々難問だが――。

(――さて……)

「よいしょ――」

次に移ろうとした時、ヨシエが俺を抱え上げた。
確かに、この方が楽だろう。
俺は両手の代わりに前足を使って、『打ち合わせのような動作』をした。
さすがにヨシエや学文のように、『打ち合わせる』のは厳しいものがある。
これで勘弁してもらえると助かるな。

(俺には、『あんた』に頼みたい願い事はない)

(だから、これは『俺自身』に言う事だ)

(ヨシエを支えてやれ――『俺が生きてる限り』)

        スッ

最後に『一礼らしきもの』をして、俺の順番は終わった。
ヨシエは俺を下ろし、俺はヨシエを見上げた。
そして、学文の方を見つめた。
これで良かったのか?
そのような意味を込めて――だ。


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