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【個】『烏兎ヶ池神社』【場】

131嬉野好恵『一般人』&ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2019/07/09(火) 23:10:08
>>130

「えっと、二回お辞儀して…………」

                    「――――二回叩いて……」

一つ一つ確認しながら、ヨシエは手順をこなしていく。
その辺りは、さすがに学文のようにスムーズにはいかない。
だが、ちゃんと出来てる――――ように、俺には見える。

「『これからも、ディーンとずっと一緒にいられますように』」

「『ヨシエが大人になっても、ディーンには元気でいてほしいです』」

「『いい子にするので――神さま、お願いします』」

           スッ

そのような事を口にして、ヨシエは最後の一礼を終えた。
俺は、ヨシエが何を願うつもりでここに来たのかを知らなかった。
だから、今初めてそれを聞いた事になる訳だ。

《――――…………》

犬と人間では『時間の流れ方』が違う。
ヨシエが大人になる頃には俺の寿命は終わってるか、その一歩手前って所だろう。
どれだけ長生き出来たとしても、ヨシエより俺の方が『早い』のは避けられない。
俺は――ヨシエの願い事を聞かされた神様が、少々気の毒に感じた。
そして、神様とヨシエの間に立つ『学文』の事も。

「ね、ディーンもできるんだよねー?」

自分の番を終えたヨシエは、至って明るい表情で俺と学文を交互に見た。
今のが手順の全てだとしたら、まぁ難しくはないな。
『ワン・フォー・ホープ』を使えば苦もない事だが、今はそうもいかない。
まぁ、それでも出来なくはないだろう。
そう思いながら俺はヨシエを見て、それから学文の顔を一瞥した。


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