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【個】『烏兎ヶ池神社』【場】

128鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』:2019/07/09(火) 01:46:19
>>127

「その調子、その調子。いい『お賽銭』だったよ。
 そしたらね、次はその鈴を鳴らしてみて。
 これは、まあ、意味は色々あるんだけど……
 鳴らすと『神さま』が嬉しくなるって思うと良いよ」

それで、神さまが何かを叶えてくれるのか? 本当に?
……巫女として口に出す言葉には乗せない感情。

参拝の意味は信じている。
然し『神』への畏敬を口に出す時、
どうしてもそれが心の中でざわめく。

「ここをしっかり両手で持って……こう。
 大きく動かすんだよ、ガラン、ガラン、っとね。
 ……これ、お賽銭の前にやるんだって話しもあるけど、
 まあね、そこまで細かく気にしなくて良いと思うよ」

「『祈る』気持ちがほんとなら、どっちでもね」

本坪鈴に添えていた手を離して、一歩引いた。
ヨシエにやってみるように促しながら、
なんとなく視線は『ディーン』に向けている。

この犬は何を考えているのだろう――そう思った。
犬が何かを考えるのかは知らないが、ディーンは考えていそうだ。
ヨシエを、あるいは自分を、常にヒトを観察しているような、その所作。

       (…………『鳴き声』一つにも、意味がありそうな感じがする。
        ああ、鳴いてるな。では終わらないような……不思議な感じだ)


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