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【個】『烏兎ヶ池神社』【場】

121嬉野好恵『一般人』&ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2019/07/08(月) 00:18:38
>>120

「――はーい!」

いつものように、ヨシエは元気よく歩き出す。
俺は、それに歩調を合わせてついていく。
自慢の鼻を時折ひくつかせ、辺りの様子を観察する。

「ヨシエもキレイにしてるよー。帰ったら、ちゃんとうがいして手も洗ってるしー」

「神様のおうちも、ヨシエのおうちと一緒だねー」

そう言って、ヨシエは柄杓とか言われてるらしいヤツを取り上げる。
俺は――まぁ特にする事もなさそうだから、ヨシエの足元に座った。
日陰のせいか水場が近くにあるせいかは知らないが、ここも割に涼しい場所だ。
もちろん、『クーラーの効いた部屋』ほどじゃあないが。
こっちは電気に頼らないって利点があるから、一概には比べられないな。

「えっ」   
       「……うん」

ヨシエの顔には、二つの表情が入り混じっていた。
落胆した悲しげな顔と、それを隠そうとする顔だ。
ヨシエは、周りに心配を掛けてはいけないと考えている。
そのために、『物分りの良い子供』でいようとする。
ヨシエは確かにしっかりしている方だが、普通の子供の枠を越える程じゃない。

     クゥーン

その場に座ったまま、俺は小さく鳴き声を上げた。
ヨシエと、『もう一人の相手』に向かってだ。
俺としては、『気にするな』という意思を込めたつもりだった。

『神様』ってのは、口や手を洗わないと願いを聞いてくれないらしい。
しかし、俺には誰かに頼みたい願い事は特になかった。
つまり言い換えれば、今ここで体を洗う必要がない訳だ。

ああ、いや――――『願いはない』というのは間違いだ。
『ヨシエを守る事』が俺の願いだからな。
だが、それは俺が俺自身の力で果たすものであって、誰かに頼むような事じゃない。


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