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【他】『心音サイフォン・質疑・成長スレッド』
391
:
『音仙』
:2021/05/30(日) 21:15:38
>>390
(りん『フューネラル・リース』)
「……『包帯』を……こっちで、取り換えてあげましょう。
それで、ここで少し、休んで行ってくれても構いません。
なにせ……少なくともここには、キミを傷つけるものはない。
奇異の目で見るものもいないし、理解に辿り着いていないものもいない」
シュルル
「…………あるとすれば」
音仙――――『音のおねえさん』の背後には、
音響機器で組み上げられた『樹』のヴィジョンが浮かぶ。
そこから伸びる『蔓』が、『りん』に向く。
「…………私はキミについて、キミより少しだけ深く『知っています』。
…………それを、隠しても、いつか自分で気付く日は来るのでしょう」
「キミは…………ああ。キミは、どこかで『一度死んだ』。
なぜ? いつ? ……それは『分からない』。
聴く事は出来ない。出来なかった。キミの『特別な才能』を。
……いずれにせよ、その死は、キミの『たましい』の消滅を意味しなかった。
だから……『りん』、という人間は、どんな形でも、間違いなく今ここにいる」
音仙も、『りん』の能力――――『フューネラル・リース』を『知らない』。
『どのようなメカニズムで生き返るのか』或いは『死を否定するのか』。
一度死んでよみがえった、その事だけだ。『それは人間なのか?』
「考えて」「話し」「食べて」「歌い」「奏で」「遊ぶ」
「……そして。生きたいと思っている。……『生きた人間』としか思えません。
でも、キミの存在の『全て』は、今の私には分からない。それでも…………」
『それは何か恐ろしい物なのかもしれない』――――そう思っていた。
だが、これまでに聴いて来た彼女の『声』は。
間違いなく……生を謳歌する『人間の魂に満ちている』。
それこそが、『フューネラル・リース』の本質なのだろう。
「……ああ」
「キミがこの答えで心の底から安心できるのか、私には分からない。
私には突き詰めれば、キミの心を傷つける能力しか、ないのかもしれませんが……」
せめて今、このひと時だけでも、安らかでいてくれれば……そう思わずにはいられない。
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