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【ミ】『ギャザリング・ガーデン』

1 『誰かさん』:2016/04/03(日) 23:51:15



散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世になにか久しかるべき

703遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/15(水) 18:56:06
>>701(レス遅れすみません)


 ピーィ

再度、口笛を吹く。『舞台除外の指定』は同じく、目の前の男(ランス)だ。

クラウチングスタートを切るような男。直線状ではフラジールと俺が挟んでる。
すぐ近くには、お嬢さん(小石川)……次に攻撃されるとなれば、それが入れば
幾らかのダメージは覚悟するべきだろう。

(ふぅむ……まぁ、位置的には『大体この辺り』だな)

 口笛を吹きながら、俺はモップをゴルフのように構える。柄を持って
先端のモップ部分が振ったら地面に当たるようにな。

 「まぁ、何をする気かは知らんがね。よくよく、思い返して見るもんだ」

 「――最初に『何を殴った』かぐらいな。有備無患(備えあれば憂いなし)」

 ブンッ !

 この地点は……『ランタンをランスが殴った地帯』。
つまり周囲に『ランタンのガラスの破片』は撒かれている。

 (前傾姿勢で受け身をとっても、グローブで手は傷つかないだろうが
モップを思いっきり振れば、ガラスの散乱した破片はお前向かって飛ぶ)

 (拳でガードするなりしても、1アクションは確実に遅れる。
直撃すれば、目にガラスの破片だ。人体急所を受けて平気な生物は殆どいない
その間に、隣のお嬢さんのナイフがお前に命中するだろうよ)

それでも攻撃をしてくるならだ。突っ込む際に、モップの棒を体の軸へと
構えてガードを試みよう。玲実の体に余計な負担や傷害は与えたくない

704『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/16(木) 23:36:09
>>702 (小石川)
>>703 (遊部)

レミの口笛。
役を与える際に指定できる舞台に上がらない人間。
今も『遊部の物真似』は続いており、指定されている相手は変わらずランスのままだ。
切り替えられてはいない。
ゴルフをするようにモップをふればガラス片がランスに向かう。
少し、モップが振りにくいのと距離があるが。

小石川には決意がある。
人と争い、傷つけ斬りつける世界に生きてはいない。
だが、今この瞬間だけ小石川はそちらに足を踏み入れる。
手と足が動く。

ランスのした動きは蹴りであった。
変化した右足。それによって後方のフラジールを蹴り上げようとしたのだ。
しかしそこにフラジールの姿はない。いや、正確にはあるのだがランスは干渉が出来ないのだ。
左足を引っ張られ少しバランスを崩す。
片足を欠いた椅子や机がそうであるようにランスも姿勢を崩したのだ。
小石川の切り付けが命中。
遅れてガラス片の到着。

ランス:「あーマジかよ」

腕で顔を防ぎつつ転がって回避する。
彼の腕にガラス片が命中した。
体を起こそうとするランス。
足が痛むのか少し時間がかかっている。

■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
───────────┘□□防□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□ラ□□□□□レ□□□□□□
□□□□□□□□□フ□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□小□□□□□□□□□□□□
──────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス
モ:モップ

705小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/17(金) 21:56:44
>>704

  ――当たった……!

左手に感じる確かな手応え。
ランスは顔を庇いながら距離をとった。
ダメージが蓄積されているらしく、彼の動きは確実に鈍くなっている。
決定打を与えるなら今が絶好の機会。
すぐに駆け寄ってもう一度切り付ければ、彼の足を封じられるかもしれない。

けれど――ランスのしたたかさは油断できない。
動きが落ちているとはいえ、彼のスタンドも素早い。
こちらが距離を詰める僅かな間に体勢を立て直される可能性もある。
再接近するほんの少しの時間。それを埋める一つの方法。

  「……ごめんなさい」

           ク ル ン ッ

静かに呟きながら、再び『ナイフ』を回転させて握り直す。
しかし、その持ち方は最初のそれとは違っていた。
その構え方は、まるで――。

   シ ュ バ ッ !

『投げナイフ』――その場で踏み込みながら腕を振ると同時に『ナイフ』から手を離す。
投げ放たれた『ナイフ』は、さながらダーツの矢のように一直線に飛んでいく(パス精CBB)
狙うのはランスの右足。
もっと正確に言うなら、たった今ランスの右足に付けた『傷』だ。
そこに『ナイフ』を命中させて、彼が起き上がる前に追い討ちをかける。

  「ごめんなさい――」

            フワッ

さらに、『ナイフ』を投げた直後に『右手』を操作する。
切り離された『右手』はランスの左足を掴んでいた。
『投げナイフ』が狙い通り当たったなら『右手』と『ナイフ』はごく近い位置に存在しているはず。

  「……ごめん……なさい……」
   
                     ガ シ ッ

          グ グ ッ …… !

   ズ バ ッ !

ランスの足首から『右手』を離し、代わりに『ナイフ』の柄を握らせる。
そして、そのまま刃で傷口を切り裂きながら、『ナイフ』を斜めに引き抜く(パス精DCC)
非力な『部位』では大きな傷を作ることはできなくとも、既にある傷を大きくすることはできる。

彼の右足を完全に封じるための手段。
でも――本当はこんな方法は使いたくなかった……。
自分の行為に表情が曇り、暗く濃い憂いの影を帯びる。

706遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/18(土) 10:24:37
>>704

 フゥー ゥー……

長く、細い吐息と共に。胡乱気な目で目の前の男(ランス)の動きを見つつ。
左右に怪しい動きや変化がないかも見ながら次の行動を思考する。

(女性に任せっぱなしと言うのは、情けないがね。
まぁ、適材適所と言う熟語に背を預けるしかないか)

『彼』にとって、彼女(小石川)は行きずりの仲間でしかないが
別に、玲実達の人格の中で際立って冷酷である訳ではない。

(奴が動く場所に、スタンドを動かせるようにしておくか……)

立ち位置はほぼ変わらないが、フラジール・デイズがなるべく
お嬢さん(小石川)のナイフの軌道上に合わさらないように注意をしつつ
ランスに干渉出来る近くの位置に来れるように、立ち位置を変えておく。

(この距離だと、お嬢さんが攻撃される間合いだからね。
まぁ、やって来ようものならフラジールは解除させるが)

 何時でもフラジールを解除出来るようにしておく。相手が近接攻撃を
続ける以上は、フラジールに通じはしない。例え、今になってフラジールを
脅威に感じて、間接的な攻撃を思いついたとしても。小石川のナイフが
直撃するほうが早いだろう。

707『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/18(土) 23:53:01
>>705 (小石川)
>>706 (遊部)

適材適所。
ナイフは投げられた。
射程距離ギリギリ。見事命中。
このナイフを扱う小石川にとって動く相手であってもそこまで困難でもないのかもしれないが。
立ち上がろうとするランスの足にナイフが刺さった。

ランス:「あー……」

右手がナイフを掴む。右足、その太ももに刺さったナイフを大きく足の先の方に動かしていく。
肉がゆっくりと裂かれ、血が流れだす。
右手は血を浴びながらも切り裂く。

ランス:「くそ、掴めんな。グローブじゃあなぁ」

     「だが……見えてきたか……体を分離する能力のナイフ……」

     「お前の能力は……お前の指示でスタンドを消す……だけじゃないと思うがそんな感じか」

     「あいつはヴィジョンが変化するタイプ」

痛みに顔を歪ませながらもランスはいう。
小石川の右手を押えようとしている。
だが、それだけだ。

コハル:「荷物、取ってきました!」

コハルたちも戻ってきたようだ。

708小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/19(日) 21:58:26
>>707

  「……ッ……!!」

深々と皮膚を裂き、肉を切り裂く感覚が、操作している『右手』を通して伝わる。
同時に、思わず顔を背けたくなるような血生臭い光景が視界に入る。
今すぐ『ナイフ』を手放して、顔を背けたい思いに駆られる。

けれども――そんなことをしてはいけない。
唇を噛み締め、左手を強く握り締めて掌に爪を立てる。
その痛みで気力を保ち続ける。

少しでも気を抜けば遠くなりそうな意識を持ち直し、ランスの姿を正面から見据える。
自分の行いの結果をしっかりと目に焼き付けるために
彼を傷付けた私には、その責任があるから――。

   フワリ

『右手』を操作して、ランスに押さえられないように動かす。
そして、彼が怯んでいる間に左足の傷も同じように『ナイフ』で切り裂く。
これが成功すれば、両足はほぼ完全に封じることができるはず……。
一連の行動が終わったら、『ナイフ』を持った『右手』をランスから離れさせる。
自分とランスの中間辺りに浮遊させ、そのまま待機させる。

もし『右手』が押さえ込まれそうなら、本体である自分に向かって『ナイフ』を投げつける。
『ナイフ』が自分に刺さったとしてもダメージはない。
だから、わざわざキャッチする必要はない。
自分の身体に突き刺して受け止める。
突き刺さったら、左手で『ナイフ』を引き抜いて握り直す。

  「――ありがとうございます。
   バッグの中に持病の『薬』が入っているので……。
    持ってきていただいて助かりました」

切り離している『左目』でコハル達の姿を確認する。
右目はランスに向けたまま動かさない。
何はともあれ――二人が無事に戻ってきたことに安堵した。

  「すみません……。今、手が離せないので……。
   それを私の足元に置いていただけますか?」

バッグと帽子(あるなら)を、足元に置くようにコハルに頼む。
今ちょうど必要なものが、バッグの中に入っているはず。
ランスの動きを封じられたことを確認できたら、それを取り出したい……。

  ――でも……。

一つ気にかかることがあった。
ランスは明らかな劣勢に立たされている。
彼は深手を負っているし、人数の面でもこちらが上回っている。

それなのに、彼は相変わらず余裕のある態度を崩さない。
この状況を覆せる程の奥の手があるのだろうか。
それとも、別の狙いがあるのかもしれない。

クリスとシャーリー。
ランスと一緒にいた二人のこともある。
姿を見せないのは立ち去ったからなのか、それとも潜んでいるからなのか――。
念のために『左目』をぐるりと動かして、周囲の様子を改めて観察する。
360度――浮遊している眼球を回転させることで、見える範囲を全て確認する。

709遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/19(日) 22:35:51
>>707

距離は、このままで良い。周囲は、レミの知り合いも集まっており
あちらの娘さんも警戒を怠ってない。俺はひとまず奴(ランス)に意識を向けよう

後の祭りかも知れないが……まぁ、気づいたところで
どうしようもないが。強硬手段に走っても、子供等が知る事になったら良い気分じゃない。

 自分の顎をかるく持ちつつ、ランスの表情を観察しながら話しかける。

 「ふむ……女子供を殴るような愚図だが
仲間に対して、こちらの情報は送る覚悟はあるかい。別に感心しないがね」

「あんた等の仲間の一人の能力は、この白い霧に任意の人間を混じらせる。
その間は相互不干渉って所かね? まぁ、いまのあんた見たいに
直接的でない干渉は届かせられるようだねぇ。」

 あえて、言葉にして目の前の男(ランス)が喋ってるのは
『白い霧』 この能力で隠蔽してる仲間に対して聞かせる為だろう。
恐らくながら、フラジール・デイズとこの白い霧の特性は似通っている。
レミも気づいてたみたいだが。あの娘は甘い所があるからね
 危険だと知ってるなら、直ぐに俺を頼れば良かったが……まぁ今更だ。

 まぁ、既に声にしてしまってるのだ。慌てて攻撃を仕掛けた所で
こちらがスタンドの姿を現して口を封じようとしても、お嬢さん(小石川)に
奴が抵抗したら、手元が狂って当たるかも知れないからな。

 「まぁ、それ位の事なら喋っても構わんよ。
だが、もう口を噤んで大人しくするんだねぇ、あんたも。
余計な怪我をこれ以上負いたくないんならねぇ」

 淡々と男(ランス)へ告げる。
今までの攻撃や能力の披露は……最良とは言えずも、別に知られても
問題は今のところない。『強味』は別のところにあるんでね

 「出来るなら、こちらのスタンドに付けた刻印を解除して欲しいんだがねぇ。
力尽くでも構わんが、そんな事に労力は使いたくないもんでね」

 フラジール・デイズの顔についたマークの解除を、期待はしないが促す。
まぁ、どっちみち気絶なり何なりはさせるがね。そう言う方法が周囲に
反対されるなら、一度スタンドを解除して状態をリセットしてみるが。

710『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/20(月) 23:57:05
>>708 (小石川)
>>709 (遊部)

辺りにただよう血の臭い。
鉄くさい、人から生み出されるものの臭い。
だがそれだけの負傷を負いながらもランスは苦し気な表情を見せない。
痛みは感じているはずだ。
だが、その傷に恐怖は覚えていなかった。
右手が投擲し、小石川の体に刺さったナイフを左手が抜く。

コハル:「は、はい……」

恐る恐る、コハルはカバンと帽子を小石川の足元に置いた。
遊部はランスに話しかける。
彼が戦闘中、話している時間が長かったことは否定できない。

ランス:「俺たちの誰もお前と話は合わんらしい。女子供も平等に扱えんのだから」

     「ドクターの見立ても必要ないな」

     「ははあ、お互いよく喋る。三人じゃああんたが一番戦闘力ないんだろ」

     「まぁ、解除してやるのはいいぜ。負けたようなもんだし」

     「ただし、お宅のスタンド見える様にしてもらえる? これじゃあ解除できねえんだよ」

     「蜂の毒を吸い取るのは蝶でないとなあ」

そう言うランス。
だが、罠の可能性もある。どうするべきか。
小石川は目玉であたりをぐるりと見渡した。
ランスの奥にある教室、そこの扉が少しだけ空いている。

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□防□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□ラ□□□□□レ□□□□□□
□□□□□□□□□□□□フ□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□小コ□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)
防:防人
ラ:ランス
コ:コハル、葛西、カバン、帽子

711小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/21(火) 22:07:24
>>710

  ――あれは……?

扉の隙間に注意を引かれた。
調べてみる必要がありそうに思える。
見つかりにくいように『左目』を床の上に下ろす。
それから扉の隙間の前まで進ませる。
隙間から教室の中の様子を覗いてみたい。

ランスの様子を確認したのち、左手に持っている『ナイフ』を自身の右肩に突き刺す。
そして空いた左手でバッグを開けて、中を探る。
鞘に収まった果物ナイフが指先に触れた。
自分にとって欠かせないもの。
けれど、今必要なのはこれじゃない。

包帯とハンカチ、未開封のミネラルウォーターを取り出す。
その三つを携えてランスに一歩歩み寄る。
そして、それらを彼の前に置く。
ペットボトルの隣に包帯、その上にハンカチを乗せる。
手を伸ばせば届く程度の距離に置いておきたい。

  「――良ければ……このハンカチで血を拭いて下さい。洗い立てなので清潔です」

  「まだ栓は開けていませんから、これで傷口を洗って下さい。
   沁みるでしょうけど、雑菌を洗い流しておいた方が傷の治りが早くなるので……。
   それと止血を……」

    ドクター   ナース
自分は医者でも看護師でもない。
どちらかといえば患者ということになるだろう。
精神的な傷と身体的な傷という二つの意味で。
だから、これは単なる経験論だ。
いつもこの身体でやっていることに過ぎない。

  「……余計なお世話だと思われるのは承知の上です。
   必要なければ無視していただいても構いません。
   でも――これは置かせてもらいます」

偽善だと呼ばれてもいい。
ただの自己満足だと言われても構わない。
でも、そうしないではいられなかった。

そして、二人の会話が耳に入る。
レミのスタンドに刻まれた蜂の紋章。
その効果は未知数のまま。
ランスの顔を見て、次にレミへと視線を移す。
緊張が身体を走る――。

『右手』はまだランスの近くにいるはず。
それはそのまま待機させておく。
もし何かあればレミ――いや、『彼』を守れるように。

このまま何事もなく済むことを期待はしている。
ただ、期待は裏切られることもある。
何かが起こる可能性もゼロとは言えない。
万一のことも考えておかなければならない。
穏やかな解決を望むことは、備えをしないことではないから。

712遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/21(火) 23:01:47
>>710

 >まぁ、解除してやるのはいいぜ。負けたようなもんだし
 >ただし、お宅のスタンド見える様にしてもらえる? これじゃあ解除できねえんだよ

フゥー……

 溜息を一つ。言葉は返さない、代わりに『フラジール・デイズ』に目線と
右手を掲げ指を曲げてこちらに来るようにジェスチャーで示す。左手にモップは持ち替える。

接触して、自分の能力を解除する。そう言う解除方法もあるかも知れない。
 ただ、会話は少ししかしてないが。この手の類は『信用出来ない』
暗にこちらを見下している発言や、躊躇なくフラジール・デイズとレミを交互に見て
息を吸って吐くような気軽な調子で殴りつけた部分含めても、だ。
 遠慮しなくて良いのなら、このまま解除して倒れてる男(ランス)の首にでも
勢いよく蹴りつけたいが、それはお嬢さん(小石川)も気が咎めるだろう。
 何より、そう言う過剰行為はレミ達が嫌うのだ。

「怪我はどうだ? 解除……そして再発現だ」

 『フラジール・デイズ』をこちらまで戻したら、多少怪我の様子を観察して
演技指定の解除とかでなく、実際にスタンドを消して、再発現を行う。
 一旦解除すれば、発現時の記憶などは消去される。確か俺の知る限り不都合はない筈
(※レミが体育館に向かう旨のスタンドへの指示は、共有に重要な事柄でないので
今の人格の情報としては所得してない)
 さて、此処で問題なのが、記憶の解除と共に他スタンドの能力の影響からも外れるか……だ。
これに関しては実際行わないと分からん。まぁ、やってみて駄目なら駄目で奴(ランス)を
実力行使で気絶させるなりすればいい。どのみち、他スタンドの影響から外れるかの検証は
良い参考に今後ともなるだろう。

 「あんた達のどっちか、そっちのお嬢さんか目の前の倒れてる奴に付いてやってくれ」

扉が開いてる教室……誘導されてる感が強いので、入る気は殆どない。まぁ
お嬢さんが偵察するだろうし、そこは置いといて良い。
 
 「で、行ってる道中何が目ぼしい発見とかあったのか?」

 口調の違和感とか、そう言う細やかな事は後回しにして貰いたい。
必要な情報だけ、バッグを取りに行ってた面子に聞く。何もなければ越した事はないがな。

713『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/22(水) 00:05:49
>>711 (小石川)
>>712 (遊部)

ランス:「釣れないねぇ。この足もうイカれてる。ステップも踏めねえよ」

     「攻撃する気なんてさらさらない」

解除と再発現。
再び現れたフラジールに蜂の印はない。
解除は完了している、ということだろう。

ランス:「……ん? おいおい、おいおいおいおいおい」

ナイフを肩に突き刺し、ランスの近くにハンカチとペットボトルを置く小石川。

ランス:「自分で刺しといてこれか。後、掴めねえって」

スタンドを解除したランス。
ペットボトルとハンカチを握ると傷口を洗い拭う。
残った水を飲んで、ランスは言った。

ランス:「あんた、心臓やら腹やら刺さんと人間は死なんし、倒せねえぞ」


小石川と彼女について来たコハルは教室を覗き込む。
敵の姿はない。というかあらゆるものの姿がない。
机や椅子がない。掃除用具入れもない。
ここに来た時の説明では寝泊りする部屋や遊び場として開放されている教室以外は机や椅子がある、とのことだったが。

葛西:「道中は何もなかった。宿泊しているのか布団と寝ている人間は何人もいたがね」

遊部の質問に葛西が答えた。

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□防□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□手ラ□□□□□レ□□□□□□
□□□□□□□□□□□□フ□□□□□□□□□□□□□
□小□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)コハル
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス
コ:コハル、葛西、カバン、帽子

714小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/22(水) 21:30:02
>>712-713

ランスの言葉に答えるように、彼の近くに浮いていた『右手』が動く。
返事の代わりに『右手』が包帯を差し出した。
彼が受け取ればそれでいいし、受け取らなければ元通り置いておく。
それが済んだら、『右手』は自分の傍らに戻す。
もうランスの近くに配置しておく意味もない。

  「……心に留めておきます」

最後にそう一言だけ言って、ランスの傍から離れる。
またバッグの所へ行き、無言のまま帽子を手に取って被る。
普段から愛用している帽子があることが少し気を落ち着けてくれる。
一度深呼吸し、肩に突き刺したナイフを左手で抜き取る。
それからコハルと共に教室を覗き込んだ。

  ――『誰も』いない……。『何も』ない……。

初めて遠島高校に来た時のことを思い出す。
その説明通りなら、現在使われていない教室には机や椅子が残っている。
つまり、この空っぽの部屋は使われているということになる。

けれど、ここが宿泊用の部屋として使用された形跡はない。
かといって、遊び場として開放されているにしては殺風景だ。
では、ここは何のための部屋なのだろう。

そもそも――いつから扉が開いていたのか。
昼間に誰かが閉め忘れて、それがそのままになっていただけなら何も問題ない。
でも、もしそうでなかったとしたら。

  「――私が調べてみます。何もないようですけど、一応……」

   フワリ
        スゥゥゥ……
                グルッ
 
切り離された『左目』をドアの隙間から中に侵入させる。
そのまま進ませ、部屋の真ん中まで行かせる。
そこで静止し、部屋全体を見渡してみたい。

隈なく確かめることで、もしかしたら何かしらの発見があるかもしれない。
本当に妙な点がないことが確認できれば、少なくとも安心することはできる。
『目』が教室内を調査している間、自身は教室に背を向けて、四人に向き直る。

  「すみません……。あの――ちょっと集まっていただけませんか……?」

やや遠慮がちに四人に呼びかける。
これから話す内容をランスに聞こえないようにするためだ。
声を低くし、自分の考えを話し始める。

  「一つ……提案があります。
   『二手に分かれる』……というのはどうでしょうか」

  「効率が良くなりますし……。
   五人で行動していると、どうしても目立ちます」

  「スタンドのことを考えると――
   私と防人さんは別々の組に分かれた方がいいと思うのですが……」

まず考えなければいけないのは戦闘のこと。
防人のスタンドは、それに向いているようだった。
彼ほどではないにしても、『スーサイド・ライフ』も立ち回りはそれなりにこなせる。
今まで考えもしなかったことだが、スタンドを初めて荒事に向けてみてそれが分かった。
話を終えたら、四人の反応を待つ……。

715遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/22(水) 23:05:06
>>713-714

 蜂の刻印は、消えた。肉体の損傷も浅い
『フラジール・デイズ』の解除は、その時に受けた毒やスタンド能力も
リセット出来る。今は、そう考えて問題ないだろう。収穫はあった

そして、お嬢さん(小石川)の呼びかけに近づく。

 「俺は、特にそれについて反対はせんよ。
だが、ペアを考えるなら。あんたと俺のほうが幾らか能力的な相性は良いと思うがね。
 まぁ、誰とでも一緒になろうと文句は言わんよ」

あちらのナイフ、肉体の分離は。こちらのスタンドが、あちらの浮遊する肉体を
持って舞台外の指定など行った場合。小石川のナイフのスタンド、分離した体も一緒に
隠れさせ不意打ちを行う事も出来る。

 まぁ、それは一つの切り札として温存するべきかも知れない。先で何か起きてるか不明だしな。

「あと、この学校の設備は不明だが。美術室や家庭科室とかあるなら向かいたいんだがね。
モップの柄だけじゃ、少々心許ない」

 武器の調達をするなら、包丁があるなら調理できる場所だろうし。図工などの場所なら
工具が置いてる可能性もある。何処を敵が拠点にしてるのか知れないが、向かう先にあるなら
立ち寄りたいのが本音だ。スタンドも戦闘に徹してる訳でなし

 「あと、適当にあいつ(ランス)はどうする? 引き摺って連れてくかい?」

ランスの処分も全員に聞く。まぁ、何処かに縛って拘束しておいたほうが良いと思うがね。
それと、奴(ランス)が携帯持ってるなら。ちょっと借りていく
 敵の居場所を知るとかじゃない、フラジールと遠距離からでも連絡する手段が欲しいんでな。

716『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/22(水) 23:32:25
>>714 (小石川)
>>715 (遊部)

ランス:「Thanks」

包帯を手に取り足に巻き始める。
傷口に当てるというより止血のために巻いているようだ。
ぺたり、と音がする。ランスが寝ころんだらしい。

帽子をかぶり、ナイフを左手に。右手は自らの傍らに。
そして覗き込む教室。そこに進む左目。

ランス:「お、なんだよ。携帯? ははあ、人の計画潰すついでにこの携帯で悪さするつもりだな?」

    「いいぜ、くれてやるよ。料金はお前が払えよ」

ランスのスマホを手に持ち、小石川と対話をする遊部。
小石川は異常を感じ取った。
その目から入る情報。
この教室の様子。それは白く染まっている。
教室をのぞいても自分の左目は見えない。
不可視。全くの無。
この教室にあるべきはずであった机や椅子同様、消えてしまっている。

717小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/23(木) 21:08:54
>>715-716

  「そう――ですね……。
   では、防人さん、コハルさん、葛西さん。
   それから私と『レミ』さんで……。いえ……あの……」

話している途中で、思わず言い淀んでしまう。
これまで通り『レミ』と呼ぶのも何だか気が引ける。
何と呼べばいいのだろう……。

ともかく――組分けに関しては、それで問題ないように思えた。
レミのスタンドは本体と瓜二つで、その性質も人間に近いタイプらしい。
『彼女』を『一人』と数えるなら、人数もちょうど半分になる。

  「……彼のことは、あのままでもいいような気がします。
   確かに甘い考えかもしれません。
   でも、なんとなく、そんな気がします」

ランスの姿を軽く目で追い、そう告げた。
しかし、自分は荒事に関しては素人だ。
もし、何かしておいた方がいいという指摘があれば、素直に従うつもりだ。

  「――分かりました。私達はまず美術室か家庭科室を見つけましょう」

レミのスタンドの性質を考えれば、武器が必要という意見は最もだ。
自分がこの学校に来たのは昼間のこと。
その間に見た校内の様子を思い出して、それらしい部屋がなかったか考えてみたい。

ただ――武器になりそうなものなら、今この場にもある。
持ってきてもらったバッグの中には『果物ナイフ』が入っている。
武器として強力とは言えないが、ないよりはマシだろう。
もしかしたら、それがレミの助けになるかもしれない。
渡そうかどうか悩んだが――どうしても言えなかった。

あれは自分を傷付けるために持ち歩いているものだから。
自分以外の誰かを傷付けるためのものじゃない。
たとえ、それを使うのが自分ではなかったとしても。
今は非常時だということは分かっている。
それでも――この考えだけは変えられなかった。

  「それから――」

さっと表情が変わり、その言葉が急に途切れる。
『目』から得た情報が入ってきたからだ。
そこにあるのは明らかな異常。

  「……異常を見つけました。
   少し前に見た『白い霧』のようなものが、この教室全体に立ち込めています。
   この中に私の『目』があるのですが……外からは見えません」

  「霧の中に入ったものは、やはり見えなくなるようです。
   それに、霧そのものも外部からは見えなくなっているようです。
   ……もう少し、詳しく調べてみます」

『目』を操作して、そのまま直進させる。
白い闇に閉ざされていても、教室の中なら壁にぶつかるはず。
ぶつかったら、壁に沿うようにして動かし続け、教室を一周させる。

終わったら少し壁から離れ、また一周させたい。
                   パーツ
外から見えなくとも、切り離した『部位』の位置は感知できるので、それを利用したい。
この一連の操作を壁以外の何かに当たるまで繰り返す。

本当に空っぽの部屋なら何かにぶつかることはない。
机や椅子か、そこに何か物があるなら当たるはず。
あるいは、誰かが潜んでいるという可能性も否定できない。

718遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/24(金) 21:35:33
>>717

 「……」

 お嬢さん(小石川)の言葉に返さず、暫し一考する。

今までの敵は、自立型と言える階段で現れた人型スタンド。
次はランス……統一性がなく、戦闘力も不明だった。

 「さっきの敵は、どんな能力だったんだ?」

防人に対し、先ほど飛びかかってきた敵について尋ねる。
 瞬殺に近かったようだし、能力の概要も把握せず倒したかも知れないが
考察の一つにはなるだろう。

 パカ

そして、ランスのスマホの履歴を一応ざっと確認する。
 治験のメンバー内で此処を拠点に活動していたのなら。
少し所用などで離れた場合に、連絡をとった可能性もある。
 電話をかけて、その着信音で相手の居場所が探れる。なんて
希望的観測は無いが、メンバーと思しき特有の名前が出れば
此処を根城にした敵の人数を、多少は把握出来るだろう。

 (……こいつ『フラジール・デイズ』にはどういった演技をさせておくかな)

再発現したスタンドを一瞥しつつ考えを重ねる。
 前にレミが行ったメイドのトレは、この場でそれ程役立たない。
幾らか戦闘を行える性格の役柄が良いのだろうが……。

719『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/24(金) 23:52:46
>>717 (小石川)
>>718 (遊部)

ランス:「へぇ……優しいねえあんた」

うつぶせに寝ころんだランスが小石川の言葉に茶々を入れる。
組み分けのこと、戦力の補充のことそれも考えながら目から入る状況を伝え、部位を操作する。

防人:「あ? いや、すまん。知らない。バッサリだったからな。はは」

へらりと笑った防人。
人型のスタンドはアンの時と同じだと付け加えた。

教室内は相変わらず白い霧だ。
こつん、と目が止まった。
なにかある。大きなものだ。よく見てみる。教室の机だ。
視界が悪く上の方は見えにくい。

一方、遊部はランスのスマホを操作する。
セキュリティがかけられている。画面上部にいくつかのマーク。
スワイプをしてみれば詳細が分かる。
グループ通話中だ。グループ名は『Follow the Lights』
光を追え、だ。

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■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□防□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□ラ□□□□□レ□□□□□□
□□□□□□□□□□□□フ□□□□□□□□□□□□□
□小□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)コハル
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス
コ:コハル、葛西、カバン、帽子

720小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/25(土) 21:24:15
>>719

ランスの軽口を聞いて、ちらりと彼を一瞥する。
深手を負った人を相手に、これ以上乱暴なことはしたくない。
彼がそのまま休んでいてくれることを、心から願った。

  ――やっぱり……。

机があるということは、この教室は空っぽじゃない。
『目』と同じように、この教室を満たす白い霧によって見えなくなっているだけ。
霧がなければ、他の使われていない教室と同じく机や椅子が並んでいるのが見えるはず。

ただ気になるのは、なぜこの教室に霧が立ち込めているかということ。
ただの机や椅子を隠すために霧を発生させたというのは考えにくい。
何の目的もなしに、こんなことをするとは思えない。

最初は誰かが隠れているのかと思った。
けれど、そうでもなさそうだ。
ということは、人ではない何かを隠すためかもしれない。

      スィィィィィ……

『目』の高度をできる限り上げて机に近付けてみる。
そこにあるのは普通の机だろうか。
どこか変わった所はないか確認したい。

霧で包まれているこの教室には、何かがあると思える。
けれども、その推測が当たっていたとしても、この霧の中を探すのは一苦労だ。
ただ、それを軽減する方法ならある。

『ナイフ』を振って、新たに『左耳』を切り落とす。
そして、『右手』、『小指二本』と共に、教室内に送り込む。
                             パーツ 
『目』と併せて、切り離しの最大数である五つの『部位』の遠隔操作。

これらを使って、さっき行ったのと同じ探索行動を行う。
          パーツ
ただし、五つの『部位』は、それぞれ異なる高度で浮遊させて動かす。
こうすることで、より立体的な探査が可能になるはず。

いっそ教室の中に直接入ってみようかと考えもした。
けれど、本体である自分が教室に入ったとしても、結局は手探りで探すことになる。
それを考えると、自分が入ったとしても入らなかったとしても、大きな違いはない。
            パーツ
位置を感知できる『部位』なら、少なくとも自分の現在位置は常に把握していられる。
それに、まだ未知の部分が多い白い霧の中に自ら入っていく気にはなれなかった。

   ガララッ――

その代わり、自身は教室の扉をいっぱいに開けてみる。
もし霧に流動性があるなら、これで多少なりとも中の霧が薄くならないだろうか。
もちろん、この霧が普通の自然現象ではないことは分かっている。
この程度でスタンドの霧をどうこうできるとは思えない。
でも、今はこれくらいしか思いつかなかった。

     パーツ
五つの『部位』はしばらく探査を続け、机や椅子以外に変わったものがないか調べたい。
『目』以外の部位は見ることができないが、触れて大体の形やサイズ程度は推測できる。
                         パーツ
しばらく続けても何もなさそうなら全ての『部位』を自身の下へ戻す。

721『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/25(土) 22:38:01
マップに間違いがあったので訂正させていただきます。
既にレスされている小石川PLは希望されるのでしたらレスの訂正をしていただいでも大丈夫です。
本日24時までであれば受け付けさせていただきます。

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□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□フ防□□ラ□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□レ□□□□□□□□□□□□□□□□□
□小□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)コハル
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス
コ:コハル、葛西、カバン、帽子

722遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/26(日) 21:04:16
>>719

 「光を追え……か」

 こいつらにとっての『光』が何なのか不明だ。
だが、今まで起こしてる所業からして、俺の価値観とは相容れないだろうとは思えた。

 『フラジール・デイズ』に自分の持ってるモップは渡す。
 こちらは無手で良い。攻撃手段は後々に増やせる。

お嬢さん(小石川)のほうへ、スタンドと共に近づく。この距離からして
何があった時にこちらが庇うとなれば遅くなりかねない。

723『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/26(日) 23:16:50
>>720 (小石川)

目の高度を上げる。机は普通に教室にある一人用の机だ。
しかし、上に何か乗せてある。机の上に机を置いているらしい。
そして新たに左耳を切り落とす。
まるでかつて実在した画家のように耳を切ったのだ。
最大数である五つの部位を使っての探索。
部位になにか当たる無機物の冷たさではない、人の着る衣服の感触だ。
中に誰かがいる。

小石川が扉を開ける。
その時、小石川に向かって霧が動いた。
それと同時に二本の腕が小石川に向かって伸ばされる。
霧が小石川を包み込み、白い空間が広がる。
腕が迫る。それと同時にその腕の持ち主も。
シャーリーとクリスだ。
二人は片耳にイヤホンをしている。

クリス:「……」

>>722 (遊部)

ランス:「おい、お前さん。獲物のモップ渡しちまって大丈夫なのかい?」

     「お嬢ちゃんなんだからよぉ。気ぃ付けた方がいいぜぇ。はは」

フラジールにモップを手渡す。
小石川の方に歩いていく。
異常ありだ。小石川の姿が徐々に消えていき、完全に消えた。

724『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/26(日) 23:18:29
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
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──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□フ□□□□□□□ラ□□□□□□□□□□□□
□□□□レ防□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□小□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目 左耳)コハル
防:防人
ラ:ランス

725小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/27(月) 20:53:14
>>723

  「!!」

二人の姿が眼前に迫ってくる。
それに対し、咄嗟に飛び退いて後ろに下がる。
ともかく今は距離をとらなければ。

それでも触れられそうなら二人の手を薙ぎ払うような軌道で『ナイフ』を振る(パス精CBB)
牽制が目的なので、『ナイフ』の刃が二人の手にギリギリ当たらないようにしたい。
二人を警戒させることができたら、その間に後ろに下がる。

イヤホンをしているクリスとシャーリー。
それを見た時、先程のレミの言葉が脳裏に蘇る。
ランスは情報を仲間に伝えている、と。

おそらく――その推理は当たっている。
そういえば、彼女はランスから携帯電話を拝借していたようだった。
それを使えば、この霧の中に情報を送ることができる。

そうだとすれば、こちらの能力は知られていることになる。
しかも、こちらは向こうの能力をほとんど知らない。
そして今、自分は二対一という状態にある。
レミ達との距離も少々離れている。
この状況は――『とても良くない』。

                パーツ
もし可能なら、それぞれの『部位』の現在位置を確認しておきたい。
この霧の本体が、霧の中にあるものを把握できるのかは分からない。

                    パーツ
できないとすれば、この霧の中で『部位』を視認することは難しいはず。

                        パーツ
けれど、こちらは霧の有無に関わらず『部位』の位置を常に感知していられる。
今の状況で利があるとすれば、その点だけということになる――。

726遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/27(月) 21:16:27
>>723

 「ん……」

 (お嬢ちゃん『小石川』が消えた……白い霧の能力……か)

 (…………)

 「防人、小石川が消えた。白い霧の能力だな」

 「あと、出来れば立たせて貰っ良いか? そいつ。
そして、此処の教室まで連れて来てくれると有難い。
 あと、フラジール。『レミ』の役だ。それと共に俺の護衛だ」

 防人に命令してランスを立たせる。そして、鞄から自分のスマホを出して
『フラジール・デイズ』に渡す。レミの役と言うのは
大人びて、落ち着いた人物。交渉に適しており戦闘でも誰かを傷つけるよりは
組み伏せたりなどして無力化しようと心掛ける。そう言う奴だ、俺の知ってる『レミ』は

練習してないが、俺の知ってる記憶通りの『レミ』を出来る限りやるだろう。
 そう思いつつ、鞄の中に入ってる筆記用具から一つ鋭いペンを取り出す。

 「……」 フゥー……。

鋭い目で、小石川が消えた白い霧が満ちる教室の中を見つめる。
 分離した肉体があるのなら……それを元に居場所を辿れる筈。

727『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/27(月) 23:49:50
>>725 (小石川)

二人の手から逃れるために飛びのく。
薄く微笑むシャーリー。ため息をつくクリス。

クリス:「……」

シャーリー:「クリスさん、頑張ってくださいね」

シャーリーが下がる。
白いドレスからは霧が出る。
小石川を追って白い霧が伸び、依然として小石川自身の周りは白い霧だ。
外側から見れば透明だがひとたび中に入ればそれが白い霧であることが理解できる。

パーツの現在位置を確認。
それぞれは今停止している。
またこれらすべてを動かせば小石川自身の行動に支障が出るかもしれない。

クリスの傍に孔雀のヴィジョンが現れた。
今小石川が視認しているのは二人だけだ。

室内
┌──△△△△──────────△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□クシ□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□小□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎目□□□□□□耳□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□手□□□小□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

>>725 (遊部)

防人:「ん? 霧……か。あれだな。面倒なやつだ」

命令され防人はランスを立たせた。
そしてフラジールに演技指示。レミだ。

レミ:「えぇ、わかったわ」

スマホとペンを受け取るレミ。
その位置で教室の中を見つめる。教室の中には何もない。
何もない教室の風景が広がる。

レミ:「それと」

レミが耳打ちをする。

レミ:「分かっていると思うし確認のために言っておくわ」

   「舞台に上げない相手の指定、それは役を与える際に指定できるってことをね」

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□フ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□小□□レ□□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)コハル
防:防人 ランス

728小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/28(火) 21:45:29
>>727

  「――クリス・ジャクソンさんでしたね。
   昼間は、お世話になりました。
   山中散策に同行していただいて……。
   その時に見た、梢に巣を作っていた鳥――
   あれは……何という名前だったでしょうか?」

  「……弟さんから、あなた方の目的は『光を追う』ことだと、そうお聞きしました」

  「教えて下さい。『光』とは何なのですか?」

                パーツ
クリスに問いかけながら、『部位』の位置を確認する。
話を聞きたいという気持ちは間違いなく本心からのもの。
ただ、この場においては時間稼ぎという意味もあった。

                         パーツ 
元々探査していたのだから、それぞれの『部位』は教室の中に散らばっている。
本体である自分との距離も、それなりにある。

                  パーツ
『スーサイド・ライフ』は本体と『部位』による連携を行うことができるスタンド。

                         パーツ
それでも、自分が行動しながら五つもの『部位』の同時操作は無理がある。
操作に集中すると本体の動きは鈍くなってしまうし、
本体が通常通り動くなら操作の精度は落ちることになる。

短い思考の末に、『目』と『耳』は今は置いておくことにする。
まず『手』を床の上に下ろし、クリスの背後に回らせる。
やや離れているから時間はかかるかもしれないけれど止むを得ない。
続いて、二本の『指』も同じように床に下ろして、クリスの右側面と左側面に配置したい。
少なくとも一本の『指』は近い位置にいるから早いはず。

  「それが――あなたのスタンドですか」

現れた孔雀に対して『ナイフ』を構える。
クリスのスタンドは全くの未知。
能力はもちろん、パワーやスピードといった基礎的な情報さえ分かっていない。
ランスのスタンドとは違い、ヴィジョンから次の動きも予想しずらい。
警戒しつつ、クリスと彼のスタンドの一挙手一投足に神経を集中する。

729遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/28(火) 22:27:48
>>723

 レミの助言に、淡々と言い返す。

「つってもなぁ……俺としては敵戦力を見極めてから
レミ、お前には適したサポートをして貰いたい。って……」

(こいつは『レミ』じゃない、あくまでも『レミの役のしたスタンド』だ)

 「……まぁ、攻撃されたら。そいつを『演技外の指定』で構わん
危険だと思えたら、俺から再度口笛か口頭で告げる」

調子が狂う。いつも、あの塔の中で会話するのと同じ感じで対応してしまった。
 気を取り直すように首をゴキリと鳴らしてから、防人が教室へと近づけてくれるだろう
ランスへと近づく。あと、ペンは俺が持ってる 玲実のスマホが俺が持っていて
あの男(ランス)のスマホはフラジール・デイズが携行だ。

 ……さて、と。

 ランスに冷ややかな声で告げる。

 「お前 さっき『お嬢さんなんだから気を付けろ』って言ったな?」

 玲実の、レミが選んだバックは手提げ鞄だ。その手提げ部分を
おもむろに、ランスの首へ巻き付けるようにする。
 まぁ、犬か何かをリードするのと同じだ。こうすると、ある程度の重圧を
心理的に掛けられるし、首を制されると大抵の生き物は大人しくなるもんだ。

 んで、軽く首を絞められるようにして。ペンを首筋に突きつける。
首の何処ら辺に頸動脈があり、どう言う風に刺したら死ぬか、俺はよーく把握してる。
――『死刑囚』なんでな。

 「お前、こいつ(玲実)がお嬢ちゃんで弱いって高括ってんなら
玉付いてんだろうが。女の盾ぐらいになってみろ。
 あぁ、抵抗してもいいぞ? 言っておくが……

    ――俺は『やれる』からな。

……理解したなら、教室へと歩け。あぁ、ゆっくりで構わん」

 冗談でも何でもない。玲実に危害を加え、それでいて危険を振りまくような奴を
黙認するほど、俺は善人でも何でもない。躊躇なく、こいつが暴れるようなら
首へと刺す。スタンドを出しても同様だ。
 まぁ、肉盾にするのも一つの目的だが。こいつ等が少しでも仲間意識を持ってるような
めでたい連中なら、俺が人質とる行動でも少しはリアクションして、いま能力下に
囚われてるお嬢さん(小石川)も、少しはやりやすくなるだろうって言う事も考えてだけどな。

 レミ(フラジール・デイズ)には、俺の後を少し離れた距離で付いて貰う。
身体能力は、俺とスタンドは同等だ。長物(モップ)を持たせて動きが制限される
レミより、肉盾(ランス)のある俺が先に教室へ入ったほうが何かといいだろう。

730『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/28(火) 23:26:05
>>728 (小石川)

昼間に見た鳥。
その話にクリスは意外そうに眼を丸くした。

クリス:「……」

シャーリー:「いいですわよ。別に私は」

クリスがイヤホンを外した。
シャーリーは下がる。

クリス:「あれはウソという鳥だ。本来であれば低地で越冬する」

    「名前は日本の古語で『うそ』が口笛を意味し、笛のような鳴き声だから。うそひめとも呼ばれていたらしい」

    「それと、『光』についてだが。より良い世界を作りたい。この世界は病んでいる。すべての人間が平等に強くあるように」

    「そんな世界を作りたい。世界に処方する薬をドクターが作るはずだ」

会話をしながら手を操作する。
そして、指もだ。
まだ完全ではないが確実に移動している。

クリス:「兄貴のスタンドが蝶と蜂ならおれはさしずめ鳥といったところだよ」

    「安心しろ。俺のスタンドは優しい」

羽が開く。青と緑の美しい羽。
それが動いたとき羽の一枚が小石川に向かって飛んでいく(スB)
羽の付け根、針のように細く長いそれが向かってくる。

室内
┌──△△△△──────────△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■ □□□□□小ク□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□シ□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□小□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎目□□手□□□耳□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

>>729 (遊部)

レミ:「……与える際は与える時、与えられている状態とは違うといいたいのだけど」

   「まぁ、問題ないってことだと信じているわ」

ランスの首に手提げを巻き、締める準備とペンを指す準備をする。

ランス:「ははぁ。ずいぶんと面白いなぁあんた。多重人格者か? はじめに見た子はそんなことしなさそうだったがね」

    「女子供を殴った俺を愚図と罵りながらも女の盾になれというその神経は理解できんね」

    「お前はドクターの嫌いなタイプの人間だ。俺はやれるなんてよく言えたもんだ」

    「人殺した経験ある? 俺はないね」

挑発を繰り返すランス。
足を怪我しているせいか動きはゆっくりだ。

ランス:「あーじゃあ俺も言っとくよ。俺たちは皆やれる」

教室に近づく。
小石川の声が聞こえる相手と会話しているようだ。
それと男の声もだ。入口の傍から聞こえる。

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□フ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□小□レ□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西、ランス
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)コハル
防:防人

731小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/01(水) 21:10:32
>>730

  「……ありがとうございます。お詳しいんですね」

そう言って、穏やかに笑う。
できれば、もっと話を聞いてみたかった。
今のような状態でなければ。

  「あなた方の考えは……分かりました。立派な志だと思います」

全ての人間を平等に、という言葉に心が揺らぐ。
悪いことだとは思えない。
むしろ、とても良いことのように感じられる。

平等という言葉には、個人としても惹かれるものを覚える。
頭に浮かぶのは自分と『彼』のこと。
同じ事故に遭ったのに、『彼』だけが死んで、私は生きている。

それは不平等ではないだろうか。
私だけでなく『彼』も助かることが平等というもの。
あるいは『彼』と共に事故死することも平等と言える。

それを考えると、平等とはなんて素敵な響きだろうとさえ思う。
でも――私は不平等の道を選び取った。
『彼』の遺言を守ると誓ったのだから。

ただ、誓いを破ることに対する抗いがたい魅力が、心の中から消え去ることはない。
有り得ないことではあるけど――
もし『彼』がたった一言『こっちに来てくれないか』と呼び掛けてくれたら。
私は、すぐにその声に従うだろうから。

  「――ですが、私はドクターにもお話を聞いてみたいと思っています。
   そのために……この場は切り抜けさせていただきます」

話を聞く限りでは、彼らのことを芯から悪い人達だとは思えない。
けれども、聞いた話をそのまま鵜呑みにすることもできない。
最終的な判断を下すためには、全てを知る必要がある。
そのために、彼らをまとめる人物であろうドクターに会いたい。
だからこそ、今ここで倒れる訳にはいかない。

  ――兄……?

聞き間違えだろうか。
ランスはクリスを兄だと言っていた。
それなのにクリスもランスを兄だと呼んでいる。

矛盾している。
けれど、今は気にしていられなかった。
孔雀のスタンドから放たれた羽が、かなりの速度で飛んできている。

  ――まだ……あと『二つ』……。

『指』の一方の移動は完了。
でも、もう片方の『指』と『手』は、まだ時間がかかる。
配置が整うまでは、こちらから大きな行動は起こせない。

『ナイフ』を振って飛来する羽を切り払う(パス精CBB)
本当なら、未知の能力に触れる危険は、できるだけ避けたい。
ただ、あのスピードでは避けたとしても当たってしまうだろう。

人型に襲われた時のように、『踏み込み』を応用した回避なら避けられるかもしれない。
しかし、大きく動いた直後の隙を突かれることも否定できない。
後のことも考慮して、可能な限り最小限の動きで羽に対応したい。

732遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/02(木) 09:23:27
>>730

 盾として使用してる男(ランス)に対し告げる言葉はない。
盾は盾だ。俺は玲実を守る為に行う事をする、それだけの事。

 盾越しに、小石川の声のする方向に意識を傾ける。
男の声……俺に聞き覚えはない。新たな障害物か

 (フラジール・デイズで襲撃するにしても。姿が見えない分
お嬢さん『小石川』まで巻き込む危険がある。
 このまま、この盾と共に前へ進むか……)

 近くには、葛西 防人もいるが。どちらも白い霧で俺と同じ手出し出来ないだろう。

声のする方に近づく事を決めつつ、その前に二人へ尋ねる。

 「あんた等に、聞くが」

  「明確に、敵の位置が把握出来ると確信したら。攻撃は出来るな?」

733『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/03(金) 00:54:57
>>731 (小石川)

クリス:「立派か……そう言われるだけで俺達の行動が光に向かっているのだろうと思える」

シャーリー:「浮気、許しませんよ」

クリス:「……」

平等を目指す相手。
不平等を歩む小石川。
彼の言葉の如く、羽が小石川に向かってくる。
それをナイフで切り払う。
素早く精密に動けば羽が宙を舞う。

クリス:「ふぅ……」

シャーリー:「クリスさん。1時2時くらいの所を」

静かに呟くと、クリスの孔雀が羽を飛ばす。
小石川の方向ではない、斜め前。
小石川を狙ってはいない。

室内
┌──△△△△──────────△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□□□□□小ク小□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□手□シ□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎目□□□□□□耳□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

>>732 (遊部)

ランス:「ははは! シカトか。いいぜ」

「ところで時計持ってないかいお兄さん。今何時ぐらいかねぇ」

「1時か2時ぐらいかな?」

防人:「あぁ? 時計?」

防人が自分の腕にした時計をランスに見せる。
遊部の質問。見えずとも把握できれば敵を討てるか。

葛西:「私のスタンドは戦闘には向かん。期待はするな」

防人:「おー? まぁ、出来るだろうよ。刃のサイズに気を付けながらな」

その時、男の声がした場所から何かが飛来する。
羽だ。付け根の部分が鋭い針のように狙ってくる(スB)
その数は多い。何枚もの羽が機関銃の弾丸のように向かってきているのだ。

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□フ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□小□レ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□ラ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西、ランス
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)コハル
防:防人

734小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/03(金) 20:21:43
>>733

クリスとシャーリーの会話。
それを聞いて、二人の関係性が垣間見えた。
もしかすると、彼らは単なる仲間以上の間柄なのかもしれない。

そうだとするなら、シャーリーの前でクリスを攻撃することは心が痛む。
愛する者が傷付く姿を見ることは、とても辛いはず。
その気持ちは知っているから。

              スゥゥッ……

一瞬の後、わずかに目を細める。

         パーツ 
動かしていた『部位』の静止を感じ取る。
今――配置が完了した。

  「――ッ!!」

放たれる孔雀の羽に身構える。
しかし、羽はこちらには飛んでこなかった。
では、何を狙ったのか。
考えられる可能性は一つしかない。
あの方向にレミ達がいるのだろう。

        タッ――

それを認識した直後、クリスに向かって駆け出す。
目の前にいる自分が動けば、それを無視することはできないはず。
こちらに注意が向く分だけ、霧の外にいるレミ達への攻撃の手が緩むことに繋がる。

クリスがこちらに注意を向けた時を狙い、彼の背後に配置した『手』を操作。
浮遊させて、彼の後頭部を思い切り押す(パス精DCC)
成功したなら、彼の目線は下に向くことになるはず。

その後に彼が取りそうな行動は二つ。
正面から向かってくる私を見るために顔を上げる。
または、頭を押した『手』を確認するために後ろを向く。

どちらだったとしても、こちらの行動は変わらない。
クリスの両側面に配置した2本の『指』を浮遊させ、彼の両目を突く(パス精DCC)
目線が下に行っている状態なら、すぐに顔を上げたとしても、
左右から飛んでくる『指』には気付きにくいはず……。

もし目潰しが失敗したとしても、隙を作ることさえできれば十分。
その間に更に距離を詰め、踏み込む。
そして、『ナイフ』を振る(パス精CBB)

  『あんた、心臓やら腹やら刺さんと人間は死なんし、倒せねえぞ』

不意にランスの言葉が蘇り、胸に響く。
彼の言うことにも一理ある。
争いとは、戦いというのは、そういうものかもしれない。

  ――でも……。でも、私は……。

『ナイフ』の切っ先が狙うのは心臓でも腹でもなく足。
ランスの時と同じ場所。
性懲りもなく、とも言えるかもしれない。

けれど、クリスを死なせる気などない。
もちろん、自分自身も死ぬ気はない。
それが私の戦い方だから。

735遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/04(土) 18:18:59
>>733

 『一時』 

        『二時』

 『羽根』   『白い霧』
 
  (……死を厭わぬか  それは、こいつらの望む『光』の為か)

この状況下では可笑しなタイミングの発言。
 まず間違いない、『合図』だ。仲間内へのな 
 俺や、他の奴らも纏め。自分も刺される覚悟、か?

 「  愚蠢(おろか)…… 」    

  ズ  ンッ――!

 警告は した。
抵抗をするようならば、や(殺)る と。
 俺の心の中にいる子達は、悲しむだろう。
それでも、俺は護る。  全ては玲実の為に。
 決意と共に 一気に俺は首に突き立てていたペンを首に浮く動脈に……。

 ……

 (……)

 『ペンが』 『刺せない』 『腕が 動かない』

 (……甘過ぎる。それが答えか? ……玲実)
 (ならば、それでも良い。……血で汚れぬのは俺でも、この器はお前なのだから)

  グイッ――ゴンッ!!

 「伏せろッ! てめぇら!!」

 ペンで肉盾(ランス)を刺して、死体を盾にして羽根をやり過ごそうとするのは止める。
代わりに、首に引いてるバックの紐を引くと共に後頭部を自分の頭で頭突きして
身を屈ませ、同時に自分もその背を遮蔽物にして密着し羽根をやり過ごす。
 羽根が、追尾機能があるとしても。玲実の体がランスの背に密着していれば
少なくとも目や急所部分への直撃は免れる。 
 レミ(フラジール・デイズ)も、この攻撃は回避しようがない。指定する相手が
不明だし、何より羽根は舞台上の指定する『相手』にはなれないからな。
 ダメージを最小限にする事だけを今は考える。

736小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/04(土) 19:20:07
>>734

もしクリスに接近する時に孔雀が羽を飛ばしてきたら、
踏み込むために前に出した足を軸にして身体を大きく回転させて身をかわし、
できる限り回避する。
けれど、一度に大量の羽を飛ばされたら避けきれないかもしれない。
それでも構わない。
何本かの羽が当たることは覚悟の上。
回避する動きと共に流れるような動作で『ナイフ』を振るい、狙いの位置を切りつける。

737『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/05(日) 23:48:13
>>734
>>736 (小石川)

クリスが行った攻撃は小石川を狙わない。
その隙に駆け出した小石川。
それに反応したクリスの孔雀がそちら側にも羽を放つ。
たった一枚の羽。回転の動きでそれをかわしながら接近する。
それと同時に小石川の部位も動いていた。
押される頭。白い霧で彼も反応が遅れたらしい。
押された頭が下を向く。そして目つぶしが迫る。
この時、人間は顔面や眼球への攻撃に顔を強張らせた回避を試みる。
クリスは後ろに飛びのいた。
それに伴って白い霧が揺れる。だが小石川はすでにクリスを射程にとらえた。
斬りつけられる足。流れる血とクリスのうめき声。
そして揺れる白い霧。シャーリーは静かにそれを見つめている。

クリス:「サン、ドゥーエ」

白い霧を抜けて何者かが現れる。
そいつは盾を構えていた。人ひとりを隠してしまえるような長方形の盾を構えて小石川に接近する(スC)

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────────△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□□□□□小手小□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□ク□盾□シ□□ │
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎目□□□□□□耳□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘


>>735 (遊部)

ランス:「Easier said than done.(言うは易し、行うは難し)」

    「はっはっはっはっはっはっはっはっはっは!」

ランスへ向けられたペンは止まっている。
それが遊部の中の理性というものなのだろう。
ランスに頭突きをして羽の盾とする。

レミ:「……ッ!」

レミや葛西、防人は防御の手段を持たない。
体に羽が突き刺さる。

防人:「ん……?」

   「痛くもなんともねえな。なんだ、これ」

防人が自分に刺さった羽を抜いてみる。
するとその瞬間、彼のスタンドが消え失せた。

葛西:「おい、何スタンドを解除してる早く出せ」

羽を放ったと思われる場所には孔雀のヴィジョン。
透明に見えていた空間が引き裂かれたように向こう側が見える。
足を押える男が見えた。その次に小石川に向かう盾。

葛西:「防人、お前のスタンドを出せと言ってるんだ」

防人:「その……悪いんだけどよォ……」

   「スタンドってなんだ……?」

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□フ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□小□レ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西、ランス
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)コハル
防:防人

738小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/06(月) 22:00:12
>>737

今夜だけで、自分以外の人の身体を斬るのは何度目だろう。
何度やっても、この嫌な感覚に心が慣れることはない。
それも、いずれは麻痺してしまい、何も感じなくなる時が来るのだろうか。

少なくとも、この身体は慣れてきているのかもしれない。
対峙している相手を迎え撃つために、自然と反応しているのだから。
争いの場に身を置いていると、いつか自分が自分でなくなってしまいそうな気がして怖い。

けれど――心までは染まりたくない。
たとえ刃を血で濡らしたとしても、決して心まで血には染まらない。
強く想いながら顔を上げ、正面の霧を見据える。

  「三人目――ですか」

霧の中から現れた新手を見て、そう呟く。
盾に隠れて姿は見えないが、おそらく人型の一人だろう。
これまでの経験から、そう判断した。
彼らの動きは人並みであることは分かっている。
盾を持っていたとしても、1対1であればこちらの方が有利に動ける。

けれど、今は3対1だ。
数の上では、圧倒的に不利な状況。
慎重に立ち回らなければいけない。

一度霧の中から脱出し、レミ達と合流することも考えた。
でも、こうして自分が注意を引いておけば、その間レミ達はフリーになる。
それを考慮して、自分はこのまま三人と対峙することを選んだ。

この白い霧には直接的な攻撃能力はない。
本体であるシャーリー自身も、あくまでサポートに徹するつもりのようだ。
だから、今はこちらからも手は出さない。

そうなると、問題になるのはクリスと盾持ち。
普通なら、近付いてくる盾持ちを優先するところ。
ただ、クリスのスタンドは遠距離から攻撃することができる。
盾持ちに対応している間に羽が飛んでくる可能性が高い。
二人から同時に攻撃されることは避けなければならない。

クリスが先か盾持ちが先か――。
選んだのはどちらでもない。
『スーサイド・ライフ』――両方を同時に対処する。

まず『手』を操作し、接近してくる盾持ちの足を掴み、引っ張って足止めする(パス精DCC)
盾の下に隙間があるならそこから通し、ないなら側面に回り込ませてから行う。
もし盾持ちが強引に足を前に出そうとするなら、
それに対応して引っ張る動きから押す動きに変える。
急に力の方向を変えることで不意を突きたい。
これで相手のバランスを崩させることを狙う。

そして、自分自身はクリスへ接近する。
こちらから見て、彼の右側面に回り込むようにして近付いていく。
2本の『指』は、自分の後を追従させておく。
接近しようとすれば孔雀が羽を飛ばしてくるだろう。
『ナイフ』を構えて、それに備える。

一つ予想したことがある。
クリスのスタンドは遠距離からの戦いに秀でている。
それは逆に言うなら、接近戦には向いていないのかもしれない。
盾持ちからは離れ、クリスには近付く。
それが、自分が選んだ方針だった。

739遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/06(月) 22:27:12
>>737

(……スタンドを忘れる、羽根……)

防人の変調を見て、瞬時に能力の大まかな概要を知る。

 「葛西、羽根を悪戯に抜くな。レミ、あの足を押さえる男へ向かって。
駆けろ――『指定』 棒を翳して走れ、タイミングは笛で告げる!」

 こちら(遊部)の体にも、スタンドの羽根が刺さってる可能性もあるが
触る事はしない。DFは、フラジール・デイズと俺(本体)にはない。
 だが、それでも羽根を抜いて解除されない理由もない。
なら、この厄介なクジャクの本体を倒すしか手はない。
 相手との距離は幾分あるものの、フラジール・デイズの脚力でも
十分に接近できる間合いだ。指定して見えない間に、助走をつけて
相手の間合いに入ると同時に姿を現し(解除し)
 虚をつくと同時に思いっきり棒(モップ)で殴り昏倒させる。他の敵は
小石川へと任せる。短期決戦に持ち込まなければ、こちらの他の
保有する能力も失う可能性がある。

 尚、こいつ(ランス)は。首を鞄の紐で締め付け、窒息寸前で拘束を
維持する。もう、合図は出させん

740『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/07(火) 00:00:09
>>738 (小石川)

人を斬る感触が小石川に伝わる。
流された血が小石川の心も染めてしまうかは分からない。

霧の中で顔を上げ、脱出ではなく接近を選んだ小石川。
手を操作し、盾を持つ敵の妨害を行う。
そして自身はクリスの右側面に回ろうとする。
その時であった。

シャーリー:「『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』」

      「フローレンスさんのスタンド。その特技は護衛」

シャーリーがつぶやく。
アンという人型のスタンドとの闘いの際、クリスとシャーリーにぴったりとくっついていた人型がいた。
フローが呼び出したスタンドは五体。内二体は倒された。一体はリンゴたちと共に移動した。
今盾を持った一体がいる。残りの一体。それが現れたのだ。
盾を持った人型。小石川が確かに妨害し、動きを止めた人型の後ろから。
黒い棒を持った人型が飛び出した。
転がるように逃げ、立ち上がるクリス。接近する人型。
棒が横薙ぎに小石川を狙う。

クリス:「俺の仕事は終わりだ。戻らせてもらう。サービス残業はない」

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────────△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□□□□刃□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□棒盾□シ□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□ク□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎目□□□□□□耳□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
◎:机

>>738 (遊部)

葛西:「あぁ、わかった。コハル! どこだ!」

コハル:「ここ……」

透明であった場所から歩み寄ってくるコハル。
その手の甲には葛西たちと同じ鳥の羽。
盾のおかげか遊部の肉体には刺さってはない。

レミ:「……」

指示をする遊部。
舞台に上げない指定と接近の指示。
だがそれはなされない。

レミ:「すでに伝えてあることだけれど、もう一度伝えておくわ」

   「舞台に上げない相手の指定は役を与える際にできる」

   「今は与えられた後ですでに完成された状態」

   「私はそう認識しているし、私はそう行動する」

   「あなたが指示したことを一分一秒でも早く実行することはできるわ」

   「だけど、実行できないものは出来ない。それでもそうしろと言うのなら私はそうするわ」

役を与えられた後のフラジールには舞台に上げない者の指定はできない。
それを改めて伝えるレミ。
それでもなお接近の指示を出すのならばレミはその通りに従ってくれるだろう。

ランス:「クックックック……」

首を絞められ浅い呼吸を繰り返すランス。
その口は三日月のように歪んでいた。

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□コ□フ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□レ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西、ランス
フ:フラジール・デイズ
コ:コハル
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)
防:防人

741小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/07(火) 22:06:07
>>740

  ――四人目……!

クリスを追うことをやめて、咄嗟に足を止める。
その眼前に、盾の後ろに隠れていたもう一人の人型が迫る。
『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』の奇襲を前にして、驚きと共に焦りを感じる。
完全に意表を突かれてしまった。
ともかく今はこの状況を切り抜けなければ――。

  「くぅッ――!」

迫ってくる棒の攻撃を『ナイフ』で受け止める。
切り離された2本の『指』は自分の近くにあるはず。
棒を止めた直後、その『指』2本を人型の両目に向けて突っ込ませる(パス精DCC)
同時にではなく、1本目と2本目の間に少し間隔を置き、時間差をつけて飛ばす。
タイミングをずらすことで、1本目に対処されたとしても2本目を命中させたい。

人型は、人間と同じように目で見てこちらを認識している。
そして、痛みも感じていたようだった。
おそらく目潰しも通じるはず……。

たとえ成功しなくても隙を作れたならそれでいい。
僅かでも隙が生じたなら、即座に踏み込む。
人間で言えば心臓の部分。
そこを狙って『ナイフ』を突き刺す(パス精CBB)
できることなら、この一撃で決着をつけたい。

それが無理なら、斬れそうな場所を斬る。
ダメージを受ければ人型も怯むはず。
それを狙って追撃し、畳み掛けたい。

すぐ近くに盾持ちもいる。
片方の人型に時間をかけていると、挟み撃ちにされるかもしれない。
まず一人を倒さなければ。

盾を持った人型に対しては『手』による妨害を続ける。
けれど、パワーは向こうの方が上回っている。
いつまで足止めしていられるか分からない。
もし振り解かれたら、盾持ちを『手』で突き飛ばして動きを妨げたい(パス精DCC)
棒持ちを倒すまでは、こちらに近付かれるわけにはいかない。

立ち去るクリスに対しては攻撃することはできないし、攻撃する気もなかった。
距離をとったということは、接近戦は不向きという予想は当たっているのかもしれない。
でも、戦う気のない相手に刃を向けるつもりは毛頭ない。
それが、私の心が血に染まっていないという証。
争いの中にいる今も、私が私であり続けているという証明なのだから。

742遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/08(水) 09:15:31
>>740GM(能力詳細から、演技の途中で舞台外の指定が可能が不明な点
申し訳ありません。ミッション終了後にでもこちらより確認させて頂きます。
小石川PL含め、足を引っ張ってしまいましたが、今後は可能な限り修正したいと思います)

 「ふむ……」

 レミ(フラジール・デイズ)の言葉に、顎でもしゃくる雰囲気を伴いつつ呟く。
もっとも、しゃくる手は目の前の奴(ランス)の首絞めで塞がってるが。

 (舞台外の指定は、演技中でも可能だと思ってたが……まぁ
その情報を保有しなかったのは俺のミス、だ)

 「すまない、以後は胸に収めて戒める。
お前の事を軽視していたんだ」

 レミ(フラジール・デイズ)に真顔で謝罪する。
スタンドは半ば道具。そう認識を俺はしてるが、だからといって
下の存在に注意されて癪に障るとかの心持ちはない。
 俺だって、謂わば『玲実』を補うパーツの一つだ。そう言う意味合いでは
こいつ(スタンド)と俺は同等の存在なのだろう。

「それと、こいつの面倒代わってくれ。いい加減
不愉快になってきた。締め落として構わん、と言うか口を塞げれば良い」

レミ(フラジール・デイズ)にランスの相手を任せる。小石川への援護は
止めておこう。指定演技が出来ないままでは、恰好の良い動く的が関の山だろうから。

防人・葛西・コハルに首を巡らして聞く。

「あんた等のうち、どれか猿轡になるもん持ってないか?
 こいつの声は耳に煩わしくてかなわん。今先ほどの射撃も
何らかの合図をしたようだしな」

三人もいればハンケチが何か持ってるだろう、煩わしい奴(ランス)から
離れて、お嬢さん(小石川)の様子を見守る。

情けない話だが、レミ(フラジール・デイズ)も俺も彼女より能力や
戦闘力からして低い。加わっても下手すれば邪魔になる。

 (憤懣やるせなし。だが、今はそれも呑もう。
口惜しさも、歯痒い気持ちも。忘れなければいずれ道を開く)

 「レミ、お前とは違う奴の演技に変えれば。その時に
指定は行える。これに関しては間違いないな?」

 ランスの相手をしてるレミ(フラジール・デイズ)へ聞く。
入手してる情報から知識にあるが、念のためだ。

743『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/08(水) 23:53:45
>>741 (小石川)

人型の振るう棒を刃で防ぎにかかる。
刃と棒がぶつかり合ったその時だった。
バチチと音がする。それと共に棒から放たれた電気。
スタンガンのように電撃が棒から放たれたのだ。
もしも棒が直撃していたならあの電撃が小石川を襲ったのだろう。

小石川の指が人型の目を狙う。
それを防ぐためにドゥーエは確かに顔をそむけた。
鈍痛。指からではない、手からだ。
人型の足を掴んだ右手、その右手を上から押しつぶすように盾が押し付けられている。

人型:「ドゥーエさん」

ドゥーエ:「おっけーサン」

視界の外から来る攻撃。
それに対処するために彼らがとった行動は連携であった。
足を上げたドゥーエ。その足は盾にくっついた。
無理やりの姿勢を変えたのだ。
といっても完全な回避が出来たわけではない。
彼の体を刃が抉った。

サン:「せーの」

ドゥーエ:「あらよ」

ぐりっと盾が動く、右手にさらに圧力が加えられる。右手がちぎれそうなほどに痛い。
その勢いと自身の体捌きを使ってドゥーエは回転した。
まるで裏拳でもしようかという動きだ。バチバチと音をたてる棒が小石川に襲い掛かる。

クリス:「お前の体には随分と手を焼かされた」

    「体を分離するのが能力なのだろう。一対一ならそのハンドスピードも含めて厄介」

    「だから、その体とナイフの連携を崩す。それがお前への処方だ」

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────────△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□□□□刃□□□□□□│
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└───────────────────────┘

刃:小石川
◎:机

744『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/09(木) 00:27:13
>>742 (遊部)

レミ:「そう。別に私は構わないわ」

レミが遊部の代わりに手提げ袋の紐を握る。
モップは床に置かれた。
ぐいっと紐を引っ張ればランスが赤い顔をする。
しかし肺からしぼりだすような声でくっくと笑い続けている。

コハル:「あぁ、僕ハンカチ持ってます」

葛西:「コハル、防人に渡せ。ちょっとでも動くと乳歯みたいに羽がぐらぐらしてくる。抜けると大変だ」

防人はコハルのズボンのポケットからハンカチを取り出すとランスの口に丸めたハンカチを入れた。

コハル:「これ大丈夫かなぁ……」

ランスの顔を覗き込むコハル。
教室の中は透明ではなくなっていた。
何かが積み重ねられているものが見える。
白い霧が教室に充満しておりよく見えない。
人型二人と小石川が闘っているようだ。
羽を撃ちだしたスタンド使いの男は見えない。

レミ:「えぇ、その通りよ」

遊部の質問にレミはそうとだけ返した。

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□コ□フ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□レ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西、ランス
フ:フラジール・デイズ
コ:コハル
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)
防:防人

745小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/09(木) 22:46:58
>>743

  ――電……気……?

迸る電流を見た時、心の中に生じたのは『困惑』と『戦慄』だった。
自分にとっては、テレビか映画でしか見たことのないような道具。
そんな非日常的な代物を、ドゥーエは当たり前のように繰り出してきた。
偶然から自分が入り込んだ争いの世界の『異質さ』。
改めて、その底知れない現実を思い知らされた。

  「――ッ!?」

踏み込んだ直後、唐突に感じた痛みに顔を歪める。
その感覚から『手』の現状を把握する。
妨害するつもりが逆に取り押さえられてしまった。

  ――『手』が……動かない……!だめ……。
     この盾を押し退けられる力はない……!

  「あぁぁ――ッ!!」

さらに容赦なく襲ってくる激痛。
自ら切り落としているのに痛いというのはおかしなことかもしれない。
けれど、この痛みは本物。
こらえきれずに甲高い悲鳴を上げ、瞬間的に背筋が仰け反る。
その眼前に、電撃を放つスタンガンが迫ってくる――。

自分が人型を引き付けておくことが、レミ達のためになると思っていた。
だからこそ、自分は脱出ではなく闘うことを選んだ。
けれど、それは間違いだった。
相手のテリトリーに一人で足を踏み入れたこと。
なにより、ここで自分が倒れてしまえば戦力が一人減ることになる。
それは、レミ達にとってのマイナスだ。
本当にレミ達のことを思うなら、ここから脱出して合流するべきだった。

後悔の念に駆られた瞬間、クリスの冷静な言葉が耳に響く。
的確な『診断』に基づく適切な『処方』。
これが――私に与えられた『治療』なのだろうか。

                      クランケ
そう、私は心と身体を病んだ哀れな『患者』。
そして今、それに対する『処方』が下された。

          ドクター
これが運命という医者の与えた『治療』だとするならいっそ受け入れるべきかもしれない。

そんなことを考えた時、ふと――ある一つの意思が心に浮かんだ。
      
          『諦めよう』、と。

                    ス タ ン ガ ン
一切の抵抗をやめて、このまま『電気治療』を受けてしまえばいい。
そうすれば、もしかすると『彼』の下へ行けるかもしれない。
会いたいと願いながらも決して会うことのできない『彼』の下へ。

そう思うと、自分の中で立ち向かおうとする気力が急速に萎えていくのを感じた。
自ら命を絶つのではなく、自分以外の誰かによって命を奪われたとしたら。
それなら、『彼』も許してくれるかもしれない。
今にして思うと、自分はそのために争いの中に入ることを決めたようにさえ思える。
誰かに、この命を奪ってもらうために――。

746小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/09(木) 22:48:01
>>745

  ――治生さん……。きっと、あなたも許してくれますよね……。

このまま『彼』の下へ旅立てたなら、どんなに素敵なことだろう。
穏やかな微笑みを浮かべ、その『希望あふれる未来』へ想いを馳せる。
『彼』に会えたら、また昔のように一緒にいられる。

一瞬の間に、『彼』と過ごした過去の思い出が走馬灯のように次々に現れては消えていく。
出会い、愛し合い、結婚し、そして……。
そして――事故が起きた。
その時の記憶が、まざまざと蘇ってくる。
痛ましい姿でベッドに横たわっている『彼』、涙を流しながら『彼』の手を握る自分。

        『彼』は何と言い残した?

        それに対して――自分は何と答えた?

  「……治生……さん……!」

不滅の愛を捧げた存在である『彼』の名前を呟くと同時に、心に気力が戻ってくる。
諦めることはできない。そんなことは決して許されない。

                       パーツ
その意思と共に――切り離している『部位』を『解除』する。
痛みに耐えかねたからではない。

        パーツ
解除された『部位』は即座に灰のように崩れて消え去る性質を持つ。

今――『手』は盾によって力を込めて押さえつけられている状態にある。
その『手』が突然消え失せれば、『手』の上に乗っている盾は『傾く』はず。
盾が傾けば、盾を押さえているサンも姿勢を崩すだろう。
サンの姿勢が崩れたなら、サンの補助を受けているドゥーエも体勢を崩すことになる。
それは、ほんの僅かなものに過ぎないかもしれない。

けれど、ドゥーエは回避のために強引に姿勢を変えていた。
半ば不安定さをはらんだ体勢であったのなら、ほんの僅かな一押しでも効果はあるはず。
この試みが成功したなら、スタンガンめがけて『ナイフ』を振る(パス精CBB)
クリスが分析した通りの速度と精密性で、スタンガンをドゥーエの手から弾き飛ばしたい。
もし可能ならば、その後で後ろに飛び退いて人型達から距離をとる。

ここは退くべきだ。
この霧に支配された教室から脱出する必要がある。
外にいるレミ達と合流しなければならない。

サンとドゥーエの連携は侮れない。
それに立ち向かうためには一人では困難。
こちらも連携して事に当たらなければ対抗できない。

防人とレミの助けが要る。
全貌は分からないが、防人のスタンドは強力な攻撃力を備えていた。
そして、レミのスタンドは特定の相手に対して見えなくなるような能力を持っている。
彼女のスタンドなら、確実に相手の不意を突ける。
今を切り抜けるためには、彼らの力が必要不可欠。

もっとも、先の行動が失敗していたなら、
これらの考えは全て『泡沫の夢』ということになる――。

747遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/09(木) 23:34:19
>>744

 >えぇ、その通りよ

その言葉に、小さく頷いてモップを拾い上げる。

教室に入れる程度の間合いに距離を縮める。レミ(フラジール・デイズ)と
一緒にだ。奴(ランス)は他の者に任せておけば良い


 「よし、演技内容に関しては……そうだな。
まず、この『二人』を教える。
 これは、『俺』が管理してる存在であり。玲実の中から外に出た事は
実質ない奴らだ……そう言うものを抑え込んでおくのが、役目だからな」

 「だが……誰かを助ける為ならば暴力は必須となる。
一時『解放』させるのも、奇妙ながら『看守』と言う立場の俺の権利なのだろう」

レミに囁くようにして教える。他人に大っぴらに聞かせられるものでもない。

 
【スペードの十】『創傷』の『ネオン』
快楽原則破綻者
自身への『苦痛』『傷害』に快感を覚える異常者。
 マゾヒズムとも異なる独特の精神を宿してる。
自分に怪我を与えてくれる人物が存在するのなら、その為に
幾らでも其の相手を痛めつける事も嬉々として行う。
性別:女性 趣味:拷問

【クラブの5】『反骨』の『ウー』
競技熱狂者(フーリガン)又はルールポリス・ルールブレイカー
 簡潔に言って『負けず嫌い』な性格。
普段は何処にでもいる少し調子に乗りやすい若者と言う感じだが。
それが『競技』として枠組まれるものになると目の色を変える。
例えばボクシングであれば、そのボクシングに勝つ為なら
殺す事だって最終的に厭わない。それが団体戦であれば平気で
非道な手段を敵対するチームに行おうとする。観戦者の立場でも

748『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/10(金) 00:20:14
>>745-746 (小石川)

青白い電流。
バトン型のスタンガン。
護身具としても扱われるようなものだ。
手加減なし。容赦なし。そこに優しさはない。

ミシミシと盾が押し付けられ、バトンも迫る。
小石川は抵抗を諦め、その治療を受けようとする。
彼の元へ進むために。
が、そうはならなかった。
部位の解除。そのすべての部位が解除される。
手の粉砕は防がれ、敵の攻撃がぶれる。
盾のぶれ、それゆえに彼の姿勢も崩れる。

ドゥーエ:「ぬぁい!」

より不完全な姿勢での攻撃。正確さが欠ける。
スピードは小石川が上だ。
後出しであっても間に合う。
がちんと音がする。
尻餅をつくドゥーエ。
バトンを落とし、小石川から目をそらさずにそれを掴みなおした。

サン:「手が消えました……」

クリス:「能力を解除したんだろうよ。サンお前の盾で攻撃に備えてろ」

後ろに飛びのいて距離を広げた小石川。
敵は攻撃を仕掛けてはこなかった。むしろ後ろに下がっている。
というより様子をうかがっている。

クリス:「よーいドンでやりゃあこっちが負ける。隙みて叩き込め」

小石川の傍に窓がある。
すりガラスだ。向こう側がぼんやりと見える。

『部位』の修復時間→120秒

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□刃□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□シ□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□棒盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□ク□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
◎:机
◆◆:窓。閉じられているが鍵は開いている。

>>747 (遊部)

レミはランスの拘束をコハルに任せ、遊部自身はモップを掴む。

レミ:「二人?」

レミに耳打ちをして二人について説明をする。
ネオンとウーの二人だ。

レミ:「……ありがとう」

彼女は確かにこの二人について理解した。
演じる際にも問題はないだろう。

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□遊□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

遊:遊部、レミ
防:防人、コハル、葛西

749小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/10(金) 23:25:24
>>748

  「……はぁっ……はぁっ……」

窓を背にして肩で息をし、呼吸を整える。
ひとまず危機を乗り切ることができた。
これで仕切り直しだ。

  ――治生さん、ありがとうございます。

心の中で『彼』に感謝する。
もう少しで『死の誘惑』に負けてしまうところだった。
『彼』のおかげだ。
この世を去った後でも『彼』は私を支えてくれている。
今、確かにそう思えた。

けれど、未だに危険な状況であることは変わらない。

 パーツ                         パーツ
『部位』を解除してしまった今、さっきまでと同じ『部位』との連携はできなくなっている。

        パーツ
結果として、『部位』と本体の連携を崩すというクリスの狙いは成功した。

 パーツ
『部位』の解除は個別にはできず、一括でしか解除できない。

          パーツ
切り離している『部位』が多ければ多いほど、再生に要する時間が増えることになる。

          パーツ
現在再生中の『部位』は操作可能な最大数である『五つ』。
それらの再生が完了し、身体が元通りの状態になるまで2分かかる。
今の緊迫した状況では、この時間が無限にも思える程に長い。

                    パーツ
もちろん、まだ切り離していない『部位』を新たに切り離すことはできる。
ただ、目の前にはサンとドゥーエがいる。
彼らは、こちらが隙を見せるのをじっと待っている。
そんな相手の前で堂々と『切り離し』を行うのはためらわれた。
今は、迂闊な行動をすることはできない。

教室から出るためには扉から出るのが一番手っ取り早い。
すぐに走り出せば、もしかしたら出られるかもしれない。
でも、それは向こうも分かっているはず。
ここからだと扉まで少し距離もある。
邪魔されずに出られるかどうかは確実じゃない。

  ――窓……。

   チラリ

顔を動かさず、横目で一瞬だけ窓の大きさを確認したい。
人が通り抜けられるサイズだろうか?
窓の位置は自分のすぐ近く。
大きければ、そこから出られるはず。
ただ心配なのは、窓を開ける時に大きな隙が生まれること。

今の自分には『右手』がない。
窓を開けるなら『ナイフ』を持っている『左手』を使うことになる。
そうなると、『ナイフ』による牽制が維持できなくなる。
彼らがそれを見逃すだろうか。
その隙に接近されてスタンガンを打ち込まれるかもしれない。

  「――……」

   スッ……

ほんの少しだけ、片足を扉側の方向へ動かす。
目的は二つ。
一つは扉から脱出しようとしていると思わせること。
もう一つは、左手の動きから注意を逸らすこと。

『ナイフ』を握っている左手。
その『親指』だけを刃の上をスライドさせるように僅かに動かす。
気付かれないようにするため最小限の動きで。

そうすることで、親指の第一関節から上の部分である『末節』を切り落とす。
切り落とせたなら、すぐ自分の身体の後ろに移動させ、正面から見えないように隠す。
そして、自分の背後にある窓へ取り付かせたい。

『指先』だけでも鍵のかかってない窓を開けるくらいはできるはず。
ただ、問題は時間。
『指先』だけだと、場合によっては少し手間取るかもしれない。
どこか『指先』を引っ掛けられる場所があるなら引っ掛ける。
ないなら窓ガラスに直接『指先』を押し当てる。
そして、窓を開ける時の方向に、音を立てないよう軽く力を入れてみる。
抵抗がないか、スムーズに開けられるかどうか確かめたい。

750遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/11(土) 19:02:04
>>748

「演技する人物は俺が数字で点呼する。
で、指定は簡潔に俺が目前の相手を指して教えておく。
 演技変更時も数字で点呼だ。指定は口頭で告げる」

 そう告げて、『フラジール・デイズ』を先頭に教室に徒歩で入る。
いま、俺達の装備はモップと鋭いペンのみ。普通なら心許ないが……
 (――問題ないな)

 教室に入る。霧があっても小石川と対峙してる二体のスタンドは目視出来る筈だ。

 フゥ――
「……さぁて、あんまり気乗りはせんが。けど、またご対面と言う奴だ。
 ――スペード 十  指定は盾持ちの相手」

俺が行使する奴の性格上。『盾』より『棒』持ってる敵のほうが
気分的に昂るだろうと直感故の舞台外にする指定は盾持ちの敵だ。
 どちらにせよ相手する敵が不憫なのは変わりないがね。

 瞬間、『レミ』の演技していたフラジール・デイズは止まる。
温和で知的な雰囲気は消えて、無個性な人形に一瞬ブレ……。

 『  ……ヒヒッ♡ 』

 垂涎を浮かばせる口元の、病的な顔つきに変わっていく。
それに対し、躊躇なく俺は……。

 ――ザシュッ!!

 ・・・・・
 ペンを刺す  二の腕付近で、動く事に支障ない程度。だが、ペン先を
出血で濡らす程度には深く。刺したペンは引き抜きそのまま『ネオン』へ渡す。

「久しぶりだな、おい。 無論、絶対に表で再会するのは被りたかったが……。
もっと『欲しいだろ』?
 なら、敵を滅多刺しにしろ。そのペンでな
ペンが壊れたら、目でも何でもお前の得意な方法で傷つけてやれ。
そうすれば、もっとしてやるよ」

 ペン先は出血により当然朱に染まっている……『スタンドの血で』

(こんな事せんでも、事前にフラジール・デイズの唾液なり何なり
施せば良いとも思うが……。ネオンの性格上、傷つけないと言う事を聞かないし
 何より唾液が乾くと、スタンドがスタンドに対する干渉が薄れるのか? って言う
不安もある。それなら付着しやすい血でペンにコーディングするほうが良い)

 (……ネオンは、異常者だ。傷つけられたいが為に誰かを喜んで傷つける。
それで相手が死んでも。……あんた等に相手が務まれば良いが)

盾と棒の敵のスペックは不明だが。これで実質一対一だ。
指定してる故に、敵は棒持ち以外眼中にない。
 『ネオン』であれば、攻撃されても。それを喜ぶだけだ。
歓喜しながら、棒持ちの敵の急所を俺の命ずるがままにペンを突き刺そうとする。
無ければ、無ければで笑いながら目なり狙って爪で刺そうとするだけだ。
身に覚えがある手前、そうするであろうと言う確信を俺は持ってる。

 他の敵の動きに本体である俺は警戒する。入口のほうにいるが
またクジャクの羽根らしきものを攻撃する奴がいれば、教室外の壁に張り付いて
回避出来るように心構えはしときたい。

751『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/12(日) 00:08:29
>>749 (小石川)
>>750 (遊部)

クリス:「はぁ����」

サン:「すいませェん」

ため息をつくクリスと謝罪をするサン。
シャーリーは教室の外を見ている。
そのまま全員が下がる。
距離を取りつつ様子を見ている。
外に射出した羽のために霧が払われポッカリと向こうが見える穴が空いていた。

横目で窓を確認する。
しっかり人ひとり通れるサイズだ。
目線による視線誘導により親指末節の切断は成功。
扉を開けに行く。
その時だった

誰かが入ってきている。
遊部達だ。
敵の視線が遊部に向けられる。

クリス:「増えたぞ」

ドゥーエ:「確かに」

そして自らのスタンドの腕にペンを刺す遊部。
そして指示を出す様子を静かに見ている。

サン:「どうしますか?」

クリス:「どうするかねぇ」

豹変するスタンド。
ネオン。その人格を演じる。

ネオン:「痛いなぁ痛い痛い痛い痛い」

「でも、もっともっともっとぉ、欲しい」

「あんたが相手になってくれるの? それとも別の誰か?」

渡されたペンを手でくるくると回す。
そして視線はバトンを持った人型へ。

ネオン:「あれを刺せばいいの? お前があたしに痛みを与えてくれるの? ねぇねぇねぇねぇ」

シャーリー:「ドクターに見せます?」

クリス:「����はぁ」

ドゥーエ:「おい、見えんくなったぞ」

サン:「さっきのランスさんと同じ状況では?」

クリス:「����だろうなぁ」

クリスが窓を開け、指笛を吹くと上から降りてくる縄。
窓の外から垂れ下がる縄が見えた。

クリス:「シャーリー」

シャーリー:「ええ、もちろん。『ホワイト・クイーン』」

霧が教室に満ちる。
敵の姿が消えた。誰もここにはいない。
自分以外はこの部屋にはいないのではないかとすら思わせる。

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□刃□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
遊:遊部
◎:机
◆◆:窓。閉じられているが鍵は開いている。

752小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/12(日) 07:52:41
>>751

  「――『レミ』さん……!」

教室に入ってくる遊部に気付き、視線を向ける。
彼女の傍らに立つ『ネオン』となった『フラジール・デイズ』。
傷付けられることを至上の悦びとする歪んだ人格の一端を垣間見る。

  ――もしかしたら、私も狂っているのかもしれない。

その狂気に彩られた姿に少しだけ自分との相似点を感じ、複雑な思いが胸を掠めた。
もっとも、自分にとっての自傷行為は、あくまで自殺衝動を抑えるための手段。
彼女のように傷付くこと自体を目的とはしていないし、快楽を感じてもいない。

一瞬の後、心に生じた思いは、すぐに打ち消された。
今は目の前の闘いに集中しなければならない。
垂れ下がる縄が見え、霧が教室内に満ちてくる。

  ――消えてしまった……?

立ち込める白い霧の中で目を凝らす。
彼らの姿が消える前、窓の外には縄があった。
あれを使って逃げたのかもしれない。
窓のある場所へ行って、窓の外を覗いてみれば答えが分かる。
けれど、本当にそうだろうか?

縄で逃げたと思わせて、まだ霧の中に留まっている可能性もある。
窓に近付いた時を狙って背後から攻撃されるということも十分に有り得る。
それを考えると下手に動けない。

できるなら、『目』を切り離して窓の外を確認してみたい。
でも、片目しかない今の状態で『目』を切り離すのは危険すぎる。
本体である自身が襲われた時に対応できなくなる。

  「……『レミ』さん、どうしますか?一旦、外に出ますか?」

迷いを含んだ口調で問い掛ける。
少なくとも、外に出れば不意打ちされることは避けられる。
その代わり、彼らの行方を見失ってしまうことになるだろう。

彼らは、ドクターの居場所を知っているはず。
彼らが立ち去ったとするなら、ドクターの所へ行ったのかもしれない。
その後を追えば、ドクターまで辿り着けるかもしれないという思いもあった。

窓の所にいる『指先』は、そのまま待機させておく。
窓は開けない。
身体の再生が完了するまで、あとどれくらいかかりそうだろうか?
文字通り身を削るのが『スーサイド・ライフ』の能力。

        パーツ
使用可能な『部位』を欠いた今の状態は、とても不安だった。

753遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/12(日) 22:19:32
>>751-752

 「ちっ、またか……」

思わず舌も打ちたくなる。物理的な干渉は相互は出来なくなるだろうが
 不利だと感じた瞬間に、あの態勢を立て直せるようになる能力は厄介だ。

 (やはり、霧を払う手段が必須だな……恐らく、開放的な空間では
あの能力も効果が薄い気はするが)

 学舎と言う、霧が充満しやすい中だからこと適用される。
外でも能力は使用出来るかも知れないが。それに関しては少し試して見よう。

 ゴッ……

『ネオン(フラジール・デイズ)』の後頭部を殴りつけつつ、命令する。
一々痛みを与えないと、従順にならないのは。そう言う人格である事を
踏まえても正直気分は良くない。とは言って演技を甘くするのも、元々
そう言う生き方だった、こいつを否定する気がする。ジレンマと言うのを感じた。

「ネオン、とりあえず窓を全部開いてみろ。そうすりゃ、痛めつけてくれる
相手が見えるかも知れんぞ? まぁ、居なくなってたとしても、安心しろ。
ちゃんと俺が代わりにしてやる」

この教室の窓を全部開放して、霧の能力が無効化するか試して見る。
 敵が現れるようでも。盾持ちなら通用しないし、奇襲してもネオンなら
嬉々として受けつつ、迎撃するだろう。

 「一先ず、そちらは三人の元に戻って構わんよ。
俺はあいつ(ネオン)を見てなくちゃならん。あと、悪い知らせが一つ
防人は、あの羽根を受けて引き抜いてスタンドって概念を忘れちまった。
 他の治験を受けた奴らの原因も、あのクジャクが関わってるかもな」

小石川へ、防人の状態を告げておく。
 肉体の分離がまだ再生しないのは、能力のデメリットか?
まぁ、時間がたてば戻るのなら三人のほうに戻っても良いだろう。

754『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/15(水) 01:31:58
>>752 (小石川)

変化したフラジール・デイズ。
姿かたちは変わらずともその内面は確かに変化している。

しかしその思いを打ち消した。
まだこの空間に敵がいるのかもしれないのだから。
白い霧は濃く、遠くの位置が見えにくい。
教室自体が暗いのもあるだろうが、視界良好とはいかない。

目を切り離し、縄の見えた窓の方へと移動させる。
これで小石川は両目を失うこととなった。
くぼみとなった部分からでは何も見えないが、進む部位が周囲の状況を教えてくれる。
白い霧を押しのけつつ進む。視界の端に何かが見えた。
黒い影だ。それは確かに動いている。
視界が開ける。霧が払われてぽっかりと穴が開いているのだ。
窓の外には縄に掴まるクリスの姿。他には誰もいない。
目と目が合う。クリスは小石川の目を攻撃せずに、指を一本立てて口に当てて見せた。
彼が上に移動する。誰かが縄を引っ張り上げているのだろう。

そして遊部たちに声をかけた。
開けないことを決めた窓であったがそれは開かれた。
それは小石川の意志によるものではない。
フラジールだ。
彼女が進んできてであろう道に霧はない。
白い霧をきりとったように向こう側が見える。

ネオン:「あんた。いいもん持ってんなあぁ……あんたがそれで、よくしてくれんのか?」

にやにや笑いながら教室の中を移動するフラジール。
そして遊部からの返事も帰ってくる。

>>753 (遊部)

ネオン:「あぁ? いってえなぁ……まぁ、あたしはそっちのがいいんだけど」

病的な瞳が遊部を見つめる。
鏡に映ったような顔なのに違っている目つき、口元。
少なくとも今は従順でいてくれている。
痛みを与えられることでその凶暴性が静かになる。
霧をかき分けて進んでいく。
霧の中にのまれて見えなくなるということがない。
そして勢いよく窓を開いていく。霧は動かない。
今度は教室の奥の窓を開けに行く。
小石川が見える。
その顔に目はない。もう片方の目も切り離しているようだ。

>>ALL

それは突然のことだった。
白い霧を突き破るようにバトンが現れた。
それは遊部に向けられている。
バトン全体が霧から現れれば今度は腕が見え、確実に近づいてきている。

(あいつら、ランスを挟み撃ちしようとした。近距離型じゃあない)

(遠距離型の弱点は俺やフローでも知っている。近距離戦が苦手ということだ)

(そしてもう一つ。本体から離れれば本体は自分で自分の身を守る羽目になる)

(ランスが干渉できなくなったのは脅威だが、それが使えない状況にしてやればいい

(まぁ、お前からそうなったんだがね。これがお前への処方だよ)

(まずはお前からだ。一つ一つこの場から摘出してやる)

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■フ□刃□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□棒□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
遊:遊部
フ:フラジール
◎:机
◆◆:窓。閉じられているが鍵は開いている。

755『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/15(水) 01:57:35
>>754

窓は開いている

756小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/15(水) 23:14:58
>>753-754

  「『レミ』さん……孔雀は、この場から離れたようです――」

『自殺衝動』を持つ自分の精神の象徴である『スーサイド・ライフ』――
そのヴィジョンである『ナイフ』を見て、歪な悦びを露にするネオンに対し、
複雑な感情を抱きながらも、遊部に呼び掛けてクリスが消えたことを伝える。
その時、バトンが見えた。
続いて腕が伸びてくるのが見える。

  「!!」

霧の中から現れて、遊部に襲い掛かろうとしているドゥーエ。
その光景を見て、すぐに彼女を助けに行きたい衝動に駆られる。
でも――『行かない』。

お互いに力を奮い合う争いの中で、学んだことが一つある。
それは、その場しのぎの対応ではいけないということ。
後手に回ると、結局は追い込まれてしまうことになるから。

常に一歩先を考えて行動しなければならない。
そうすることが遊部を助けることに繋がるはずだ。
だからこそ、自分はそう行動する――。

     タタッ

急いで『目』を自分の下へ戻す(『指先』は自分のコートのポケット内に移動させる)
同時に、自分自身も『目』に向かって駆け寄る。
こうすることで少しでも早く双方の距離を縮める。
『目』と接触でき次第、『目』を自身と接合し、本体の視力を回復する。
これが第一の目的。

第二の目的は、『ドゥーエの死角の位置に陣取る』こと。
ここから更に移動をする必要はない。
なぜなら、直線状に存在していたであろう自分と『目』が同時に直進したならば、
両者の接触する位置――つまり、今自分の立っている位置は、
ドゥーエの側面か斜め後方辺りになるはず。
だから、『ドゥーエの死角になる位置に移動する』という目的は、
この時点で自然に達成されることになる。
しかし、ドゥーエを攻撃することが狙いではない。

本当の目的は、『隠れていると思われるサンを誘き出す』こと。
ドゥーエは姿を見せたものの、サンはまだ姿を見せていない。
けれど、ドゥーエが残っているのなら、サンも残っているのはまず間違いない。

こうして自分が移動してみせることで、
『もしかするとドゥーエが攻撃されるかもしれない』とサンに思わせたい。
成功したなら、サンはドゥーエを援護するために姿を見せるはず。
そして、サンが姿を見せたのなら、『ナイフ』を構えて牽制することで、
その行動を妨害してドゥーエと合流できなくしたい。

この局面を乗り切るために何よりも必要なのは、彼らの連携を崩すこと。
身を持って彼らの連携を受けたからこそ、それがよく分かる。
だからこそ、ドゥーエの対処は遊部と『ネオン』に任せ、
自分はサンを抑えることに専念したい。



(※お手数ですが、部位の残り再生時間を逐次表記していただけるとありがたいです)

757遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/16(木) 17:15:34
>>754-756(レス遅れ失礼しました)

 「……」

 霧から突き破るように、生みだされたバトン。

さっきの棒持ち(ドゥーエ)である事は分かる。

 (こちらの武器は、モップの柄。そして、ネオンの距離……)

今から『フラジール・デイズ(ネオン)』に助けを呼び掛けても
距離からして、こちらは間に合わない。立ち位置からしても
教室の出入り口に……間に合うと思うが。そうなると、またお嬢さん(小石川)
が一人っきりになる。文字通り身を削って動いてるらしいし、形成は不利だ。

 (……バトン、この形状は)

 棒持ち(ドゥーエ)の武器を注視する。それと共に、思い描く。
俺に 

――『ライ』に出来る事を。

カランッ

 ・・・ガシッ

 「……既然把我痛快淋漓地骂了一番(啖呵をきったからには)
    就请做好心理准备吧(覚悟をしろよ)」

  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!

  ……モップの柄を落とす。と、同時に。
『バトン』、それとソレを握る奴(ドゥーエ)の腕を両手で掴む。

 (この棒の形状は……『スタンロッド』に似てる。
ならば、俺のとるべき最適手は。……奴の武器を握りしめ、そして
同時に奴の手首も握る事。これによって、奴の武器の真価が電撃でも
発動する事は困難になる……スタンドの特性。
何かに捕まった際、解除は出来ない。それは生身の肉体でも有効な筈だ。
 そして、奴が電撃を放つのであれば。握られてる箇所は当然俺の体を通して感電する。
リスク・リターンを考えれば。俺のリスクは重くも……けれども)

 「ネオン、掴んだぞ……やれ!」

 (フラジール・デイズは、必ず倒す事をやり遂げる。
それが、可能なスタンドだ)

758『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 18:50:36
>>756 (小石川)
>>757 (遊部)

小石川は指先をポケットに戻し、目を自分のもとに戻しに行く。
小石川自身は両目がない。
自分に接近する目に向かっての接近。
目の位置は正確にわかる。ゆえに少しおぼつかない足取りであったがなんとかその行動は成功する。

一方の遊部はそのバトンを掴む。
同時に敵自身の腕も。
ネオンは主人のもとに近づいてくる。
感電のリスクを負いながらも遊部は行動した。
誤算がそこにあったのかは遊部の心次第だ。

電撃が遊部の体を流れる。
小石川はドゥーエのいるらしい位置の死角に入った。
その時、白い霧が揺らぐ。
黒い影が見える。黒く大きな影。サンの盾だろう。
そしてネオンがドゥーエを迎撃すればすべてが滞りなく終わる、はずであった。

スタンドのスタンバトン。その威力は通常のスタンバトンとそん色がないものだっただろう。
もしかすればそれよりももっと強いものだったかもしれない。
ただ一つ間違いないのは、それを素手で触ってしまったことだ。

電撃が遊部の体を流れる。血が沸騰するような感覚。痛み、苦しみ、電気椅子の受刑者はこれの何倍もの痛みを味わっていたのだろうか。
痛みから逃げず、覚悟を決めた行動はとても尊いものだ。
だが、現実は非常である。
ヒーローの姿が薄れる。普通ならばヒーローとしてあることが難しかったであろうネオンの姿が揺らぐ。
視界も揺らぐ。
護身具たるスタンガンなどに言えることだが相手が厚着をしていてもその電気を体に流してしまう威力を持つ。
それを生身で食らうことは危険なのだ。一瞬なら痛みで済んだかもしれない。しかし、掴んだのならば話は別だ。
肉体が反射的にそれを拒んでも、ドゥーエは追ってくるのだから。

ごとりと音がする。
白い霧が揺らぎ、消える。
それと同時に遊部の意識もまた、消えた。

シャーリー:「いまのは何と言ったのでしょう」

サン:「スゥの方が詳しいでしょう。私の得意な言語ではなかったのですから……」

シャーリー:「ドゥーエは?」

サン:「消えました。彼も彼の電撃には耐えられなかったということでしょう」

シャーリー:「なるほど」

759『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 19:10:54
シャーリー:「取引をしませんか?」

白い霧の中、シャーリーの声が聞こえる。
彼女はあまり大きく移動していなかったらしい。
姿こそ見えないが先ほどいた位置からあまり変わっていないようだ。

シャーリー:「あなたには今二つ、道があります。『諦めるか』『このまま進むか』」

       「現実、いまこうしてあなたのお友達が倒れられ、恐らく戦闘力の高かったであろう男性もスタンドを忘れ使用不能」

       「残りの二人は戦いに参加していなかったことを考えると、補助系の能力の方でしょう」

       「まともに闘えそうなのはあなただけです」

静かな声であった。
特に取り乱した様子もなく、落ち着いた言葉だ。

シャーリー:「どちらも道を選んでいただいても構いません。私たちはどちらも道も推奨せず、禁止もしません」

        「選ぶのはあなたです」

霧が晴れる。
何も視界を遮るものはない。
盾を背中に回し、遊部の傍に座り込むサン。
そして、ただ立っているシャーリー。

シャーリー:「対価は必要ですが、どちらの道も悪いものではないでしょう」

       「お好きなように」 

『部位』の修復時間→90秒
(書き洩らし、申し訳ございませんでした。今後は逐次報告させていただきます)

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□盾シ□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
遊:遊部
盾:サン
シ:シャーリー
◎:机
◆◆:窓。開いている

760『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 19:29:31
>>759

以後、意識が飛んだものとし回復するまで小石川のレスのみを反映する。

761遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/16(木) 20:13:48
>>758-760
ペナルティ享受。
 そして、『許可』をGMに望みます。
小石川PLには、ご負担おかけする事を。このレス内で謝罪いたします。

ミッション以前に他人格に対して所持品の『スマホ』または
筆記用具に含まれてるであろうメモ帳類に『メッセージ』を
事前に緊急時に記している。と言う設定がある事を許して頂ければと思います。
 
ミッション進行時に阻害になる程にはならないと思いますが。
この先の途中で覚醒する際に、いま現在行動していた人格が再起する可能性が
PCの設定上、フレーバーな要素ですが困難になると思うからです。
 PL的な目線や意見からすれば面倒な行動を起こさず
今の人格、いわゆるミッションを遂行する上で簡潔に出来るレスが望ましいと思います。
ですが私情ながら、出来る限りPCの要素を引き出せる行動をしたい願望があります故
勝手ながら、このような許可を申請します。

勿論、却下であるなら。その旨で覚醒可能時に今の出来る限りの
行動をしたいと思います。長文失礼しました

762遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/16(木) 20:15:27
>>761
一部訂正。
 緊急時におけるメッセージ、でした。

763小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/16(木) 21:45:16
>>759

白い霧の中から現れた黒い影。
その白と黒のコントラストを視界に捉える。
ドゥーエを援護するために現れたサン。

けれど、それは予想していた行動。
彼らの連携を考えると、ドゥーエを攻撃する素振りを見せれば、
サンが出てくる可能性が高いことは分かっていた。
その時――何かが倒れる音が聞こえ、そちらに視線を向ける。

  「――『レミ』さんッ!」

意識を失った遊部の姿を目撃して、思わず叫ぶ。
ドゥーエも姿が消えている。
どうやら、彼女が自らを犠牲にした結果らしい。
自分が傷付くこと、痛みを受けることを恐れない覚悟の行動。
それを無駄にはしたくない。
けれども、状況は良くない――とても。

  「取引――ですか……」

この場において、シャーリーの言葉は的確だった。
確かに、彼女の言う通りだ。
事実、自分も同じようなことを考えていたのだから。

それに、唯一闘える自分のコンディションも万全ではない。
身体の再生には、まだ時間がかかる。
今の状態では『スーサイド・ライフ』の力を十分に発揮することはできない。

  「……『今は』退きます」

考えた結果、選んだのは教室からの撤退だった。
シャーリーに自らの意思を告げ、『ナイフ』を持っている腕を下ろし、
倒れている遊部に近付いていく。
命に別状はないと信じたいけれど、具合が心配だ。

シャーリーは、推奨も禁止もしないと言った。
それは、少なくとも今は干渉しないという意味だろう。
彼女がそう言ったのなら、残っているサンも手出しはしてこないと思いたい。

764『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 23:44:11
>>761 (遊部)
メモ帳によるメッセージを許可します。

>>793 (小石川)

シャーリー:「少々きついことを言いますが、はっきりしろよ日本人」

「〇か��か、そう聞いたら答えは〇か��かだけ、△はありません」

遊部の元へと進む小石川。
眠るように意識を失っている遊部がそこにはいた。
サンが遊部を転がし、持ち上げ肩に担ぐ。

シャーリー:「彼女は人質にして差し上げましょう。安心してください、殺しはしません」

にっこりと微笑みシャーリーは言う。

「『諦める』なら少しの償いに帰りの足を『進む』なら少しの償いと闘いをプレゼント」

「あなたの先ほどのお答えに変わりはありませんね?」

「今は、というのならまた闘いに来るのでしょう?」

「私はそう受け取りました」

『部位』の修復時間→80秒

765小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/17(金) 00:40:58
>>764

眠るように倒れている遊部を見て、少しだけ安心する。
無事で良かった、と心から思った。
しかし、彼女がサンに担がれたのを見て、すぐに表情を引き締める。

  「一つだけ――教えて下さい」

  「もし『諦める』と答えれば……彼女を解放していただけるのですか……?」

自分は偶然から紛れ込んだ部外者に過ぎない。
けれど、真実を――彼らの真意を知りたいという思いはある。
彼らの行っていること、彼らの目的を知り、その善悪を見極めたい。
しかし、今は遊部の身が危ない。
シャーリーは殺さないと言ったが、人質にすると明言している以上、
何をされるか分からない。

  「彼女を解放すると約束していただけるなら――」

  「『諦めます』」

それと同時に――『ナイフ』を解除する。
『スーサイド・ライフ』の完全解除。
それが意味するのは、争いを放棄するという意思表示。

真実を知ることよりも、遊部の――『レミ』の身の安全の方が遥かに重要。
彼女とは知り合ったばかりで、決して親しい間柄ではない。
けれど、捕らわれた彼女を無視することなどできない。

そのためなら、真実を知るという意思を曲げることも、少しも惜しくはない。
けれど、シャーリーが『諦める』と答えても『レミ』を返さないと言うかもしれない。
万が一そうなったら、また答えは違ってくることになる。

その場合は、『ナイフ』は解除せず、『進む』と答える。
闘って奪い返す。
それが『レミ』を助けることになると思うから。

766『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/17(金) 01:48:17
>>765 (小石川)

遊部の開放。
それを問う。シャーリーは耳を押えた。
それから数度頷くと耳からイヤホンを外した。

シャーリー:「えぇ、勿論。ただし、先ほども言ったように償いはいただきますわ」

       「クリスさんは足を負傷、ランスさんも足を負傷ついでに首も絞められて危険な状態」

       「我々はそういう損害を出している。それに加えてあなた方の帰る足の分も出す」

       「私たちばかりが損をしていますわ。少しばかり損をしてもらわないとね」

       「償いは十秒もしないうちに終わること。今後の人生に影響があるほどの重傷は与えません」

シャーリーの白いドレスが消える。
サンはいったん遊部を床に寝かせて両手を後ろで組む。
こちらも武装解除。
お互いに戦闘の意志がないことを証明した。

シャーリー:「あなたの望み通り解放しましょう。そしたら私たちの望みを聞いてください」

        「そうすればあなた方のおいたを水に流し、許します」

        「私たちを許す必要はありません。ただ決着はまたいつか、ということになりますけれどね」

767『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/17(金) 01:48:49
>>766

『部位』の修復時間→70秒

768小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/17(金) 22:24:36
>>766

  ――ごめんなさい……。

解放された『レミ』を見つめ、心の中で彼女に謝罪する。
彼女はどう思うだろうか。
自分のことは気にせず先へ進み、真実を突き止めて欲しいと思うかもしれない。

けれど――自分には出来ない。
目の前で仲間が捕らわれながらも、なお先へ行くという選択は『心』が拒否する。
それでも、『レミ』が解放されたことに軽く安堵した。

  「――……」

イヤホンをしていた所を見ると、今も誰かと会話をしていたようだ。
おそらくどうするか相談していたのだろう。
その向こう側にいるのはクリスか、それともフローか。
あるいは、自分が話を聞きたかったドクターだろうか。
気にはなるが――今となっては関係のないことかもしれない。

  「……寛大な対応に感謝します」

そう言って、軽く頭を下げる。
皮肉ではない。
本気で刃を交えた人間に対する対応としては相当に良心的だ。

やはり彼らのことを心から悪い人間とは思えない。
けれど、善い人間かどうかも同じように分からない。
今は、それを判断することができない。

玉子なしでスクランブルエッグを作れないのと同じこと。
判断するための材料が不足している状態で、真偽や善悪の区別は出来ない。
そして、その材料を得る機会も失われようとしている。

  「分かりました――」

取引というのなら、お互いに平等であるべきだろう。
日常的に行っている自傷行為で、身体が傷付くことに躊躇いはない。
けれど、今考えているのは別のことだった。

  「償いを受ける覚悟は出来ています」

今夜、私は人を傷付けた。
これは、その罪に対する罰なのかもしれない。
ふと――そんなことを思っていた。

769『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/18(土) 00:16:46
>>768 (小石川)

進行と退避の天秤。
小石川は進行を選び取らなかった。
天秤は傾く。

シャーリー:「いえ、寛大というのはこの場合我々が言うべきこと」

      「正直、これで抵抗されたら困ってしまったことですしね」

そういうシャーリーの言葉にどこまで真実があるのかは分からない。
ただ、シャーリーは大きく息を吐き出して天上を見つめていた。

こつこつと足音が聞こえる。
窓の外には一本の縄。
入ってきたのはリンゴとクリス、そしてフロー。

リンゴ:「おしまい、ですね」

クリス:「ドクター。本気でやるのか」

リンゴ:「えぇ、私だって心が痛みます。ですがそうすると決めました」

クリス:「……」

クリスは小石川に一礼すると教室を出る。
廊下から話し声が聞こえる。クリスの開放を訴える。

リンゴ:「選んでください。右腕、左腕、右足、左足。それで手打ち、です」

『部位』の修復時間→50秒

770<削除>:<削除>
<削除>

771小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/18(土) 08:33:33
>>769

続々と集まってくるシャーリーの仲間達。
少し前なら、大きな危機感を感じていただろう。
それも、今は感じない。

諦めたから、ではない。
問題の解決には、確かに力が必要なこともある。
けれど、そうではないこともある。

彼らとも分かり合えるのではないかという淡い可能性。
そんな儚い期待を抱いたからだ。
気持ちは分からないでもないが甘い考えだ――
『レミ』……いや、『彼』なら、そう返したかもしれない。

  「……左腕を……お願いします……」

ランスとクリスを傷付けたのは自分の『ナイフ』。
そして、その『ナイフ』は自身の利き腕である左腕と連動している。
だからこそ――左腕を選ぶのが自分なりの誠意。

  「ドクター……。確か『カウンセラーもできる』と、そう仰っていましたね」

      「――私には……愛する人がいました。
       彼も私を愛してくれました。
       けれど、事故が起きて……彼は……私を置いて行ってしまいました……」

顔を上げ、おもむろにドクターに語り始める。
その姿は、まるでカウンセラーと向かい合う患者のようだった。
しかし、その話し方は落ち着いていて、そこに焦りや動揺は見えない。

      「彼がこの世を去った時、すぐに私も後を追うつもりでいました」

      「ですが、彼は『自分の分も生きて欲しい』と言い残しました」

      「だから――私は今、彼のために生きているのです」

      「けれど、彼の後を追いたいという想いは私の中から消えず、
       今も発作的な衝動に駆られることがあります」

      「それでも、私は生きるつもりです――これからも」

そこまで言ってから、言葉を切る。
そして、再び口を開く。

  「……お話したのは、治療をしていただきたいから……ではありません……。
  人の身の上を尋ねる時は、まず自分のことを話すのが礼儀だからです。
   だから――私の身の上をお話しました」

また言葉が途切れる。
躊躇いを含んだ口調で、また話し始める。

  「これは……身勝手な我侭かもしれません」

  「ですが――もし許しが得られるなら、あなた達のことを聞かせて下さい。
   勿論、教えていただける範囲で結構です」

  「……お願いします、ドクター……いえ――リンゴ・ナイチンゲールさん」

最後に、そうドクターに問い掛ける。
そして、彼の顔を見つめる。
彼が話してくれなくても構わない。
自分にそれを強制する権利はないのだから。
だけど――せめて彼の思いだけは、しっかりと汲み取りたい。

772『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/18(土) 23:46:30
>>771 (小石川)

「左腕、ですね。失礼」

小石川の左手を取るリンゴ。
誠意をもって選ばれた左腕。その腕を見つめるリンゴの目は暗いものであった。

「お話、感謝します。治療を望まれない。だから、一人の人間として一言いいます」

「あなたはいいパートナーに恵まれました。素晴らしいことです。そして、急ぎ過ぎないでください」

「発作はこれから多くの時間、付きまとうかもですが。ゆっくりと付き合ってください」

左手を握る手に力がこもる。
ほんの少し湿った感触。リンゴの手に汗がにじむ。

「では、お話ししましょう。私の話を」

かつてリンゴ・ナイチンゲールは若さあふれる医者であった。
人の心を癒し、人生をより良いものにする手伝いこそが自分の使命だと感じていた。
しかし現実はそうではなかった。
彼は理想論者ではないが、人間というものは複雑で案外単純であった。
彼のもとに来る患者の悩みは重く悲しい。
リンゴ・ナイチンゲールは真面目であったがゆえに、真面目すぎたがゆえに患者に入れ込み過ぎ、その心が圧迫されていった。
縁あって友人に日本で勤務しないかと問われた時に彼が飛びついたのは無意識の逃避であったのかもしれない。
ただ、日本で待っていたのは明るい生活ではない。
変わらない景色がそこにはあったのだから。
イギリスで目にした人種差別は生まれや育ちの差別に変わったくらいで、集団生活で人が人を苦しめる構図は一切変わっていなかった。

彼が深く絶望した転機は一人の日本人女性の存在だ。
一ノ瀬仁美。彼女は彼が日本で出会った患者の一人であった。
人間関係に悩み、嫌がらせに悩み、上司のハラスメントに悩み、両親の今後に悩み、彼女は心を病んでいた。
患者と医者という関係であったが、彼らはお互いの良き理解者となった。
苦しみ続けた二人はお互いに依存する様に道を歩いた。
しかし、限界が来たのだ。
彼が親族の葬儀でイギリスに戻っているときのことだ。
仁美が飛び降りたと電話が入った。

773『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/18(土) 23:58:41
悲しみに包まれたリンゴ。
すぐさま日本に戻ればベッドの上で静かに眠る彼女がいた。
たまたま木がクッションになり、全身打撲やそれに伴う体のいたるところで骨折。
一命をとりとめていた。
主治医でありながらなぜ気づかなかったと仁美の家族に糾弾され彼女の意識が戻るまでイギリスに戻った。

どこで間違ったのかと彼は自分を責めた。
しかし生活には金が要る。
彼はそんな状態になってもまだ人を救うという可能性を信じていた。
寒村に赴き患者と出会う。赤い髪の大きな男だった。
彼は家族を不幸な事故で亡くしたらしい。
それまでは孤児で養親との折り合いが悪く、妹と彼の友人だけを信じる札付きのワルだった。
実際に会ってみれば患者は浮浪者のような姿で座っていた。
患者はリンゴの言葉に答えずランタンを見せた。
ランタンの中で燃える光。その中に彼は笑い合う人々の姿を見た。
そして、自分と自分の傍に立つ謎のヴィジョン。
男はただ一言だけ言った。
『光を追え』と。

「世界は病んでいる。それが私の結論。だから、世界を癒す薬、作りたかった」

「クリスさんやフローさんに出会ったとはまた別の時。でも赤毛の彼と出会い、自分の人生の道を見つけたのは同じ」

リンゴは語り終えると笑った。物悲しそうに笑って見せた。

「『チェンジ・ザ・ワールド』それが製薬する私のスタンド」

「薬で人の心と体をドーピングし、弱い人を強くする。私の薬が皆が平等に意見しあえる世界を作ると思っていました」

「ただ、それだけです」

774小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/19(日) 01:44:04
>>773

リンゴが語ってくれた彼の過去。
その話を黙って聴き続けた。
興味を引かれる要素は幾つもあった。

一ノ瀬仁美という名前には覚えがある。
彼女は、この施設の職員の一人だったはずだ。
しかし、彼女からはリンゴが語ってくれたような印象は全く感じられなかった。

そして、彼が診察に訪れたという赤毛の男性。
その何者かがリンゴのスタンドを目覚めさせたのだろうか。
現在のリンゴにとっての転機となったのが、その経験だったのかもしれない。

しかし――今はそれらのことを気にはしていなかった。
気にすることはできなかった。
彼の過去から伝わってきた深い悲しみが、心を覆い尽くしていたから。
悲しい話だった。
あまりにも悲し過ぎる話だった。

自分の境遇との共通点が、より一層その思いを強くしていた。
一ノ瀬仁美――リンゴという唯一の支えがいなくなったことで、
彼女は身投げをしてしまったのだろう。
それは、どこか自分とも似ていると感じられた。

私も、『彼』の遺言という支えがなければ、すぐさま自ら命を絶ってしまうだろうから。
私と彼女に違いがあるとすれば、死を求める動機だろう。
彼女は『愛する人がいなくなった絶望』から逃れるために死を選び、
私は『愛する人に会える希望』を得たいという思いから死に惹かれている。

  「……ありがとう……ございます……」

話をしてくれたことに対して感謝の言葉を告げる。
その時だった。
リンゴに握られた左手。
結婚指輪がはめられているその手の甲に一滴の雫が落ちる。
それは涙の雫だった。

自分でも気付かない内に、涙の雫が頬を伝っていた。
潤んだ瞳でリンゴを見つめる。
彼の姿がぼやけていた。

  「――謝って許してもらえるとは思いません……。
   謝罪の言葉なんて、あなたも聴きたくないかもしれません」

  「でも――私の気持ちとして言わせて下さい」

  「ごめんなさい……。そんなあなたを傷付けてしまって……ごめんなさい……」

泣く声もなく、ただ涙だけが流れていく。
慰めの言葉だけで本当に心が救われることはない。
自分も、そうなのだから。
それでも、言わずにはいられなかった。
たとえ意味がないことだったとしても、そうしたかったから。

  「あの……一ノ瀬さんは――彼女は……」

やや落ち着きを取り戻し、そう呟く。
『あなたのスタンドで治られたのですか?』と言うつもりだった。
けれど、心に生じた躊躇いがそれを遮り、言葉を途切れさせた。

  「――『世界を癒す薬』……その薬は完成できそうなのですか……?」

今後の見通しをリンゴに問う。
この施設で彼が行っている行為。
それは、コハル達にとっては阻止すべきもの。

自分も、そう思っていたから、彼らに手を貸していた。
確かに、ある側面から見れば、リンゴの行いは許されないことだろう。
しかし一方で、別の側面から見れば、それは必要なこととも言えるのかもしれない。

自分は、リンゴの行動に積極的に賛同しようという意思はない。
けれど、彼の真意を知った今となっては、
積極的に止めたいという意思も湧いてこなかった。
ただ、ここで見た事実、ここで知ったことから目を背けないようにしようと、そう思った。

775『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/19(日) 22:53:35
>>774 (小石川)

リンゴの言葉に涙を流す。
絶望し死を選び取った女性と希望を求めて死に惹かれる自身。
口から出たのは感謝の言葉。そして続けて出る謝罪の言葉。
リンゴは慌てたようにポケットからハンカチを取り出し、その涙をぬぐった。
涙で歪む景色が少しだけマシになる。
思えば能力によって欠けていた目も元通りだ。
他の部位も問題なく回復している。

リンゴ:「大丈夫です。仁美も元気に生きています。私は私の思うようにしています」

     「世界を癒す薬。世界への処方箋。まだ道は遠いです」

     「スタンドの理解をするのがもう少し早ければよかったのかも……彼はスタンドを知りませんでしたから」

困ったように笑ったリンゴ。
心のドーピングのバランスや肉体への影響など彼は自身で問題だと思っていることを口にする。
その行いは人の体を使うものだ。
非人道的人体実験。しかしそれも彼の信念に基づく行動であった。

クリス:「ドクター。いつまで昔話してる。こっちは終わった。情が生まれる前に終わらせるぞ」

     「やろうと思えばなんでもやるけど、人を傷つけることに慣れてるのは兄貴くらいのもんだ」

リンゴ:「すいません。では、いいですね。これで今夜のことは全て水に流し、日が昇ればいつもと同じ」

     「始めましょう」

リンゴの傍らに現れる看護師の人型ヴィジョン。
スタンドがリンゴの手に何か手渡す。
錠剤だ。その錠剤をリンゴが飲み込む。
彼の指から伝わる力が変わる。とても力強い。

サン:「ドクターこの人は?」

リンゴ:「お好きなように。右腕とかでいいでしょう」

サン:「わかりました……」

小石川の左腕にリンゴの指の力が加わる。
償いが始まる。
それは一瞬のうちに終わるだろう。

776小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/20(月) 00:20:26
>>775

仁美が元気に生きていること。
それは何よりも素晴らしいことだ。
一度は死を選んだ彼女が、今は希望と共に生きている。
それを聴いて、私も生きなければならないと改めて思う。
同時に、愛する者と共にいられる彼女が少し羨ましくも思えた。

世界を癒す薬の完成も、道は遠くとも、リンゴの意思がある限り可能性は有り続ける。
それが世界にとって、どういうものになるかは分からない。
本当に救いとなるのか、それとも――。
けれど、リンゴの心から生まれたものが世界に害を為すとは自分には思えなかった。
いずれにしても――彼が諦めない限り、いつかはその薬も出来るのだろうと思う……。

  「――分かりました」

会話を終えて、リンゴに向き直る。
彼を見つめる表情に迷いはない。
表情と同じように、心の中も穏やかだった。

自分の目的を果たすことが出来たからだ。
リンゴ達の真意を知り、それに対する自身の判断を定めること。
それが、この事件における自分自身の、個人としての目的だった。

私は彼らの真意を知った。
そして、心から納得した。

その結果、彼らに対して『もう何もしない』という結論に達した。

だからといって、人体実験を肯定し、賛同した訳ではない。
けれど、彼らの切実な思いを妨げようという意思も、また無い。

もしかすると――いつか彼らを止める者が現れるのかもしれない。
けれど、それは私じゃない。
私には、それは出来ないことだから。

  「こんなことを言うのは、おかしなことかもしれません」

きっと、彼らはこれまで通りなのだろう。
そして、私達もこれまで通りに時を過ごす。
今まで通り、何も変わらない――。

  「でも……あなたに会えて良かった。こうして、お話できて良かった」

それでいい。
心残りはない。悔いはない。
今この瞬間、不思議と満たされた思いを感じていた。

  「どうか――どうか、お元気で……」

そう言って、静かに目を閉じる。
リンゴの手で施される償いの処方。
ただ、それにこの身を預けるために――。

777『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/20(月) 00:52:35
>>776 (小石川)

穏やかにリンゴを見つめれば、それを返すようにリンゴもまた見つめる。
賛同こそしないものの小石川の心には納得がある。
彼らと共に歩くことはなく、そして立ちはだかることもない。
リンゴ達と小石川達の道はこの一夜のみ交わる。

リンゴ:「……あなたは不思議な人ですね。お元気で、は言えないのでこの言葉を差し上げます」

     「あなたの人生に幸あれ」

鈍い音がした。
鼓膜から聞いた音ではない。
体の内部に響く音。
骨が折れた音だ。リンゴの手によって小石川の肘は本来とは違う方向に曲げられた。
しばらくの無痛の後、鈍い痛みが押し寄せる。

リンゴ:「車の準備はどうですか? できていないなら早く。痛みは短い方がいい」

しばらくすれば帰りの車を用意できるだろう。

>>遊部

体中に流れる電流を味わい、意識を飛ばした遊部。
深い眠りについていたがその眠りは荒々しく破られることとなる。
鈍い音がして目が覚める。
なにかが変だ。右腕の感覚が少しおかしい。
ないわけではない。だが、普通ではない。
痛み。ずきずきと内側から痛む。
それが徐々に増していき眠気も吹き飛ぶ痛みが走り続ける。
右腕が折れている。

サン:「はじめてにしてはうまくいきましたね」

感覚の薄い右手首を掴んでいる人型のヴィジョン。
肘であった部分には彼の膝。
うつぶせに寝かされている体。
それが現在視覚から得られる情報だ。

778小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/20(月) 22:54:15
>>777

  ――……?

そっと目蓋を閉じた直後、身体の内側から響いた奇妙な音。
最初は何が起きたか分からなかった。
ごく普通の日常生活を送る中では聞く機会のない音だったから。

  「……ッ!」

そして――痛みがじわじわと押し寄せてくる。
先程までの争いの中で受けた鈍痛と似た痛み。
しかし、それとは比較にならない程に大きな苦痛。

  「……うッ……あッ……くぅッ……!!」

そこで、ようやく左腕の骨が折れていることに気が付いた。
両脚から力が抜け、がっくりと膝をつき、うなだれるように頭を垂れる。
ぐっと目を閉じたまま、唇を強く噛み締めて、苦悶の声を押し殺す。

  ――ランスさん、クリスさん……。
     今夜、あなた達を傷付けてしまったことを、どうか許して下さい……。

心の中で懺悔しながら、この身を責め苛む苦痛に身を震わせ、ただ耐える。
きっと彼らも、同じような痛みを味わっていたはず。
だからこそ、その報いとして、私も同じ苦しみを受けなければならない――。

やがて――目を開くと同時に、ゆっくりと頭を持ち上げる。
そして、視線の先にあるリンゴの顔を見上げる。
その表情には、弱々しい微笑みがあった。

未だ苦痛に歪んではいるが、それでもその口元は確かに笑っていた。
無理に強がっている訳ではなく、本当に心からの微笑みだった。
その微笑からは、腕を折ったリンゴに対する『感謝の念』が見て取れた。

  「……ありがとう……ござい……ます……」

注意していなければ聞き取れないような小さな声で、静かに呟くように言う。
なぜなら、これで『心』が救われるから。
自分が人に与えてしまった痛みと同じような苦痛をこの身に受けることで、
私の心は罪悪感から解放される。

このまま無傷のままで帰る方が、腕が折られた痛みなどよりも、
よほど大きな『心の痛み』を感じていたはずだ。
そちらの方が、自分にとっては遥かに耐え難いことだった。
だからこそ、たった今リンゴの施してくれた『償いの処方』は、
罪悪感の苦しみから自分を救ってくれるものだった。

身体が苦痛を受けることによって、逆に心は落ち着き、安らぎを得る。
その点では、自分自身が自殺衝動を抑えるために行っている自傷行為と似ている。
今、私は間違いなく彼の『治療』を受け、心を癒してもらったのだと思えた。

  「――シャーリーさん……。お手数ですが……あなたに、お願いがあります」

  「『着替え』を……手伝っていただけないでしょうか……?
   ……左腕が……使えないもので……」

少しだけ痛みに慣れてきた時、シャーリーの方に顔を向け、彼女に話しかける。
今の自分は、寝巻きの上にコートという格好のまま。
最後の別れは、このような服装ではなく、きちんとした格好で迎えなければならない。

そんな風に、幼い頃から両親に教えられ、躾けられてきた。
そういった習慣は今も抜けていない。
普段の日常生活の中だけでなく、今のような状況でも、それは変わりなかった。

シャーリーが承諾してくれるなら、宿泊していた部屋に戻って、
ここに来た時に着ていた『喪服』に着替えたい。
それから荷物をまとめて帰り支度をする。
着替えを入れたバッグと、手荷物を入れたバッグの二つを持って、
車が用意されるのを待つ。

779遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/21(火) 07:39:07
覚醒してのロールを行っていいと解釈しつつ、行動前に質問行います

・いま現在、霧は晴れてる? 継続して覆われている?

・小石川PCと、こちらのPCの位置関係。また
遊部PCの傍にいるのは『サン』のみ?

・この質問は、PLとしての質問ともなり 内容として
答えて頂かなくても結構ですが。
状況的にエピローグに向かいそうな状況なんですが
ミッション遂行をする上では、失敗として終わるだろうなぁと
考えており。出来る限り、PLとしては、やれる事をやって
終わろうと考えてるので。ミッション成功を目指して目覚めてから
行動しても大丈夫でしょうか?

780『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/21(火) 12:54:53
>>779 (遊部)

・霧は晴れている

・位置関係。傍にいるのはサンのみ

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□ク□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□刃□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部
盾:サン
ク:クリス
刃:小石川
リ:リンゴ

・まもなく数レスでプロローグに移行する予定です。
なにをもって成功、失敗とするかは人それぞれなのでそのように考えてレスして行動していただいても構いません。
が、現在の進行状況は変わりません。
行動によっては高い確率で失敗になったり、さらなる負傷を得ることがあります。

781遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/21(火) 16:06:03
>>780(回答感謝)



 ――いつも、『わたし』は眠りにつく前に、お祈りをするように、こう思っている。

次に目覚めた時も、変わりない、普段の場所で何もなく目覚めますように と……。

 ……わたしは病気のようだ。病院でも、先生にそう告げる。
先生は、わたしの話を真摯に聞いて。精神的なものだろうと言う事。
 根気よく、投薬治療などせず自然のままに過ごすほうが良い事。難しい事も
沢山あるけど、自然のままのほうがわたしには良いらしい。

 最近は、目が覚めて二日か三日気づけば休みの日が飛んでた事にも気づいた。
けど、それ以外では何もなかった。長い日数記憶が飛ぶのは、とても不安な事だけど
 特に怪我も何もない。きっと、一日中家で過ごしていただけだ。
そう、思えた。思い込めた だから……。



  ―――――――――――――――――――――――――――


 ボ    キッ゛・・・


 
 (……ぅ …?……っ)

 わたしは、何か体に違和感を覚えた。特に、腕の片方に。
寝違えたんだろうか……? それにしては 痛い。

 痛い

 痛い痛い


 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


 「いっ……ぁ」


 ぇ     何?????


 何か、が居た。半透明に見える何か。わたしは横たわっていた。
景色も  周囲の音も  普段過ごしている場所と何一つ合致しない。


 瞬間、本能的な不快感と  奥底からにじみ出るような僅かな諦観と共に

 わたし は

 「ぃ」


 ―――きゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!


   腹の底から    そう声を迸っていた。



 「ひぃ   っ゛   ひぃ ひぃ  ひぃいいいぃぃぃぃ!!??!!!?!!」


 「あ  あな   あなっ た
だ  誰 ですかっっ???!!?  こ 此処  ど、どどどどどこ??!!!!?」



 可能なら、体を反らさせ出来る限り目の前の存在から後ずろうと『ベソ』はする。

782『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/21(火) 18:02:51
>>778 (小石川)
>>781 (遊部)

痛みを伴う償い。
それを受け、痛みを感じながらも微笑む。
罪悪感からの解放。
荒々しいまでの荒治療。

リンゴ:「����いえ、私は何も」

無傷のはずのリンゴの方がかえって辛そうな顔をしている。

シャーリー:「えぇ、もちろん」

シャーリーは着替えを承諾する。
共に部屋に行こうとした時だ。
サンが自分の仕事を終えた。

切り裂くような悲鳴。
痛みで遊部が目を覚ます。

クリス:「ドクター」

リンゴ:「ええ、彼女がどういう人間なのか、私は理解しています。いつも通りに」

遊部は体をそらす。
右手首を掴まれているのであまり離れることは出来ない。

サン:「どうしましょう����」

シャーリー:「こちらのセリフですよ。行きましょう。サンさん達が何とかしますわ」


室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□ク□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□刃□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部
盾:サン
ク:クリス
刃:小石川
リ:リンゴ、シャーリー

783<削除>:<削除>
<削除>

784小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/21(火) 22:38:55
>>781-782

  「『レミ』さ――」

意識を取り戻した遊部を見て、彼女に呼び掛けようとした。
自分の選択した道は、彼女の意に反するものだったかもしれない。
許してもらえるかどうかは別としても、せめてそのことについて謝りたかったから。

彼女達とは違い、私は偶然紛れ込んだだけの人間に過ぎない。
それでも、一度でも手を貸した以上は彼女達に対する責任がある。
けれど、それは遮られることになった。

  ――……

自らの置かれた状況に混乱し、絶叫する遊部――『ベソ』を見て、
思わず言葉を失ってしまう。
覚醒した彼女は『レミ』ではなく、先程まで行動を共にしていた『ライ』でもなかった。
今の彼女の姿は、平均的な人間よりも脆くか弱い一人の少女に見える。

彼女が多重人格であるということは、これまでの経緯で察していた。
おそらく、今の彼女もその人格の一人なのだろう。
どう接するべきか迷いながらも、『ベソ』に歩み寄ろうとした。

けれど、シャーリーに声を掛けられて、その足が止まる。
心配そうな表情で『ベソ』とシャーリーを交互に見比べ、しばし逡巡する。
そして、躊躇いながらも、シャーリーに共に行くことにした。

  「ドクター……。どうか……『レミ』さんを――
   いえ……。『彼女』を落ち着かせてあげて下さい……」

恐怖と困惑に襲われ、怯える『ベソ』を落ち着かせることを、リンゴに頼む。
『レミ』や『ライ』のような強さを持たず、
恐慌状態に陥っている彼女のことは心配だった。
けれど、リンゴには何か考えがあるようだ。

彼は医者であり、カウンセリングの心得もある。
医学的な知識や経験など何もない自分が何かしようとしても、
かえって逆効果になってしまうかもしれない。
だから、この場は彼の判断に任せることにした。

少し前まで本気で争っていた相手に任せるというのは奇妙なことだった。
けれど、これ以上彼らが『ベソ』に危害を加えることはないと信じたい。
なぜなら、闘いは終わったと思えたから。
今は眠りについているであろう『レミ』や『ライ』がどう思うかは分からない。
少なくとも――私自身の闘いは終わった。

       コクリ……

シャーリーに小さく頷き、共に教室を出るために入口の扉へ向かう。
部屋を出て行く間際、最後にもう一度、慰めるような表情で『ベソ』の方を見る。
そして、そのまま部屋を出て、着替えをするために宿泊していた部屋に向かう。

785遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/22(水) 19:55:55
>>782(レス遅れ大変失礼)

 「なななな あ、ああああ 貴方なに 何なになにナに何なにっっ!?!!」


 混乱 恐怖 不安 危機感 生理的な不快感、鈍痛 激痛 熱に更に恐怖。

 普段なら『ベソ』は泣き出すことも選択の内にあった。だが、何が
わからずも本能的に、いつものように泣いてもどうしようもない。


       ・・・・・・・・・
このままでは『取り返しのつかない事になる』。それだけは感じられた。

 「ふ、『フラジール・デイズ』っ!!」

 ブゥンッッ!

 傍らに発現する『フラジール・デイズ』。無表情で、その一部分は
今の玲実の怪我も再現している。それでも、『ベソ』は本能のまま小さく
叫ぶようにして懇願する。

 「たっ 助けてっ。助けてフラジールっっ!!!」

右手は掴まれてる。華奢なベソ子では振り払う事も至難であり
それに異様な状態なのは感じ取れる。
 
 フラジールが掴んでる相手(サン)が手を離したなら、直ぐに
脇目も振らず後ろへと我武者羅に彼女は走ろうとするだろう。

786『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/23(木) 00:02:02
>>784 (小石川)

今の遊部の姿は小石川がまだ会っていない姿だ。
リンゴは小石川の言葉に静かにうなずいた。
そしてシャーリーと共に歩いていく。
廊下に出ると拘束から解放されたランス。
首にはくっきりと痕が残る。
そして座り込むコハルたち。
彼らもまた償いを受けたらしく足や手の甲を骨折しているらしい。

コハル:「あたた……」

葛西:「あぁ、無事だったか。よかったな。いやこの場合腕一本折れているから無事ではないか」

そう皮肉っぽくいってみせる。

宿の部屋に戻れば同室の面々が眠っている。
シャーリーはその都度聞きながら着替えを手伝う。

シャーリー:「喪服、でしょうか。私の白いドレスとは対照的なまでの黒……」

>>785 (遊部)

クリス:「ドクター」

リンゴ:「全て、終わりました。だから、優先すべきことも変わっている」

「一に彼女が戻るまでに彼女を落ち着かせるか、寝かしつける。二に宿泊客を誰も起こさない」

「一応、あなたのスタンドの準備を」

クリスが動く。静かにドアを閉めた。そして傍に孔雀のヴィジョン。
『フラジール・デイズ』は遊部に忠実に従う。
右腕は使い物にならない。
だが従う、助けるために主を縛る男に攻撃を仕掛ける。

サン:「おっと」

リンゴ:「手を離して」

フラジールは蹴りを放った。
それはサンの顔面を捉えることはなかった。
もう片方の手によって防がれる。
リンゴの指示でサンが手を離す。
後ろに走りこもうとするがドアは既に閉じられている。

リンゴ:「紹介が遅れました。私はリンゴ・ナイチンゲール。二人も自己紹介を」

クリス:「?」

リンゴ:「紹介を」

クリス:「クリスだ」

サン:「サン。太陽ではなく、三番目のサン」

クリス:「ドクター。会話が通じそうにないぞ」

リンゴ:「ないならないでいいです。話す気がない人と無理に話すことは無い」

「この世はアルカトラズのようですが、我々が看守になる必要は無いのです」

「あなたの名前を聞かせてもらえませんか? あなたの質問には出来得る限り答えましょう」

室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□ク遊□□□│
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└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

787小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/23(木) 23:23:36
>>786

『ベソ』のことをリンゴに任せ、教室の外に出る。
すると、そこにはコハル達がいた。
彼らの姿を見て、その状態を察した。

  「いえ。無事ですよ。腕一本で済んだのですから」

葛西の皮肉に、そう言って笑い返す。
命があることが何よりも大事なこと。
無傷ではないとはいえ、コハル達も無事で良かったと思う。

  「……償いを受け入れることを選んだのは私です。
   ですから、皆さんが怪我をしたのは、私の責任でもあります」

  「私の選んだ道は皆さんの意に反するものだったかもしれません。
   私の一存で決めることになってしまったことと重ねて、お詫びします。
   
  「本当に……申し訳ありませんでした……」

そう言って、深々と頭を下げる。
命があったとはいえ、骨を折られた彼らの姿は痛ましいものがあった。
彼らがそうなったのは、自分の選択が原因なのだから。

  「あの――防人さんのスタンドはどうなったのでしょう?」

『ライ』が、防人が羽を抜いてスタンドを忘れたと言っていた。
おそらくクリスのスタンド能力なのだろうが……。
それは元に戻してもらえたのだろうか。

  ――元通りの部屋……。まるで、さっきまでの光景が夢のようね……。

自分が出て行った時のままの部屋を見て、ふと思う。
けれど、それは夢ではない。
左腕に感じる痛みが、それを証明している。
ここで眠っている他の宿泊客は、この施設で何が起きていたのか知ることはない。
それを知っているのは自分達だけ。

  「ええ……。愚かな女と思われるかもしれませんが――私の、ささやかな執着です」

  「あなたの白と私の黒――
   二つがここに揃ったのは何かの運命だったのかもしれませんね……」

  「あの――もし間違っていたらごめんなさい。あなたとクリスさんは……?」

シャーリーと会話を交わしながら、喪服に着替える。
先程までの争いが嘘のようだった。
実際、もし今誰かが起きてこの光景を見たとしても、闘いの後だとは思わないだろう。

788遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/24(金) 09:09:29
>>786

 周囲には馴染みのものが存在しない。
清月学園に、少しだけ周囲は似ているように見える。だが、取り巻く
匂いや感覚は、何時もの学園と合致しない。直感で此処は全く別の何処かの
校舎であり、そして わたしはきっと場違いなのだろうとぼんやりと少しだけ
感覚が麻痺して、冷静に近い意識が薄っすらと考えていた。

 「ひ ひぃ ひぃ……ぃ ひぃ」

嗚咽お漏らしながら、フラジール・デイズの背後に隠れるようにして
肩を上下に小刻みに揺らしつつ精一杯息を整えようとする。

 見知らぬ人、見知らぬスタンド、見知らぬ場所、そして 痛み。

分からない事ばかりだ。

 「こ 此処 此処で、何が 起きてるんですか。
あ、貴方 だ、だだだ誰なん、です?
 い、一体全体何が、何が……ぅ えぐっ ひぐっ……」

 痛みが脳をかき乱す。それだけ告げて、フラジール・デイズに
精一杯藁をも掴む思いと言う感じでしがみつく。

789『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/24(金) 12:43:56
>>787 (小石川)

葛西:「ふっ……骨折り損にならずに済んだのなら私は満足だ」

   「謝罪はいい。私たちも覚悟の上だ」

   「遊部にもすまないことをした。戦闘向きの癖にスタンドを忘れる阿呆。鉄火場に飛び込む非戦闘員ではお荷物だったろう」

防人:「ん? スタンドねぇ。帰る時に返してくれるってよ」

スタンド自体はまだ返してもらってはいないが返してもらう約束はしているらしい。
返して暴れられても困るということだろう。

シャーリー:「そうですね。黒だけならフローさんですけど、白と黒のコントラストもきれいです」

皆が寝静まった部屋に布が擦れる音だけが聞こえる。
小石川の質問にシャーリーはこともなげに答えた。

シャーリー:「婚約者ですわ。元々は使用人でしたけどね」

      「フローさんはランスさんと婚約を。姉妹で兄弟と婚約してるというのも変な感じですけど」

二人の会話に刃のような鋭さはなく。
霧のようなはぐらかしもない。
穏やかな時間。穏やかな会話だ。
着替えが終わる。荷物は大きなものであればシャーリーが持ってくれるだろう。

>>788 (遊部)

自分のよく知る学園とは違う空間。
似てはいても合致はしない。
ある種、学園の偽物の空間である。
フラジールの背後に隠れる。それによって彼らが何かをするということはなかった。

リンゴ:「一つずつ、落ち着いて聞いてください。そして忘れていただいても聞かなくても結構です」

    「私はリンゴ・ナイチンゲール。そこの彼がクリス。そしてもう一人がサン」

    「ここで起きたことは全て終わりました。ここには戦いがありましたがもう終わったことです」

    「我々はあなたに危害を加えるつもりはない。じきに帰りの車を出しましょう」

    「それに乗って帰ればまた明日からいつもの生活が始まります」

リンゴは落ち着いた口調で一つ一つ確かめる様に発していく。

室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□ク遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

790小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/24(金) 19:23:28
>>789

  「そう――ですか……」

シャーリーの口から語られた人間関係を聞いて、感慨深げに答える。
頭に浮かぶのは、自分が愛した人のこと。
意識せずとも、つい自分自身の過去と重ね合わせてしまう。
表情が僅かに複雑な色を帯びる。
それは痛みのせいではない。

  「……お幸せに。ランスさんとフローさんも……」

自分も幸せになるはずだった。
けれど、その幸せは失われてしまった。
だからこそ、彼らには幸せになって欲しいと、心から思った。

  「――手伝って下さってありがとうございます。
   すみませんが、こちらの大きいバッグを持っていただけませんか?
   『彼女』の様子が気になるので、少し戻ってみたいのですが……」

小さいバッグの方は自分で持ち、教室に戻って中の様子を覗いてみたい。
先程の『彼女』の状態は、傍目から見ても相当ひどい取り乱し方だった。
少しは落ち着いていてくれるといいのだけど――。
おそらく彼女にとっては、全く知らない場所に突然放り出されたようなものなのだろう。
それを考えると、落ち着けと言われても無理な話かもしれないけれど……。

791遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/24(金) 23:20:20
>>789

>私はリンゴ・ナイチンゲール。そこの彼がクリス。そしてもう一人がサン
ここで起きたことは全て終わりました。ここには戦いがありましたがもう終わったことです

 「った たた、かいっ!!?!!??
お、お終わり??? な、 何がっ  どっ  う 言うっ!!?!」

 理解不能 理解不能 理解不能。

『ベソ』には分からない。当然だ 目覚めたばかりの彼女には
何も察する事が出来る筈がない。『レミ』であるならば、状況を見極めて
会話もなせるだろうし、『ライ』なら戦闘可能が判断をして無理と知れば
潔く降伏を呑む事もする。けど、『ベソ』には出来ない
 まだ、単純に誘拐して貴方は身代金の人質だと言われれば
恐怖は身を縛っても納得は出来たかも知れない。然し、リンゴの言葉は
彼女には複雑であり、望むような回答でなかった。
 
ガタガタガタガタ

蒼褪め、歯はカチカチと鳴る。
 
(わ、わかんないわかんない 何が起きたの? 何でわたし怪我してるの??
 な、何もわかんない。わ、わたしが悪いの?? 此処が何処かも
何で居るのかも、何が正しいのかも、何が
 何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何


           ――塔   が…                    )


  
「――   …」   フッ…

 狼狽えていた遊部は、唐突に沈黙して頭を下げてフラジールの
肩の死角へ俯くようになる。

 そして、数秒後 顔を上げた。



   「……」


                   ――ニコッ

カツカツ        スッ…

 「――こんばんわ    初めまして、ドクター」

 「お会い出来て、光栄です」

 流暢に、この空間には不釣り合いな穏やかな音声。
芝居かかった片腕を緩やかに上から下に振るようにして足を軽く組み
頭を下げると共に、上げられた顔には微笑が遊部から放たれる。

 フラジール・デイズの前に歩き、リンゴに距離が近づく。
攻撃する素振りはない、右腕の激痛は未だ続いてる筈だが。
 今の彼女? には、その素振りは欠片ほど感じられない。

「彼女が醜態をなした事、わたくしが代わって詫びを申します。
 えぇ、そして……僭越ながら、わたくしの名を告げるとすれば――」

「――絶対なる牢獄から抜けた囚人の三名の一人。(※アルカトラズからは三名が脱走した事件がある)
貴方のアンリ……と」
    (↑※赤十字の創始者でありフローレンス・ナイチンゲールの相談相手)

 「えぇ、ドクター。では、もう少しだけ、真に勝手ながら、この身から貴方に対して……えぇ、そうですね。
我々は、お互いの事を全く何一つとして 存じ上げていない 
 ただ、何一つとして。貴方がお医者様であり、わくたくしは、見ての通り頭の中と腕に怪我をしている哀れな道化。
それしか知り得ていません。それはいけない、まことにいけない……無知は罪、互いを知らぬからこそ人は平気で
他者を傷つけ、戦場では兵士が兵士を冷酷で惨殺する。無知は罪ですよ、先生。
まずは、そうですね……そちらの過去について、そしてこの学び舎で
どのような事が起きたのかを、お聞かせ願いたい。わたくしは、少し特殊な身でして
普段は殆ど、このように外に出ないのですよ。ははははは、先生 これは、わたくしと先生だけの秘密
そう、先生とわたくしだけの秘密、ですよ? ふふっ。
 あぁ、そうだ先生。立ったまま話すのも酷でしょう。宜しければ、フラジールが椅子を運びます。
それとも、先生はフラジールが椅子の代わりになるほうが良いですかね? ねぇ ――先生」

>>772-773の話を、良ければもう一度聞く。

 彼女? は、きっと先生の話を穏やかに受け入れて耳を傾ける。
話が終わったあと、そして、 彼女? はこう告げるだろう。

 「有難う御座います先生。まことに、お辛い胸の内を曝け出した痛み。
無礼と存知つつ述べれば、まことに感じ入る思いです。
 そして、あえて。もう一つわたくしから言わせて頂ければ。
許されるならば……こう言わせて頂きます。


     ――何故    何時まで嘘をつくのですか?   ――先生」

792『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/25(土) 00:19:25
>>790 (小石川)

無意識のうちに浮かぶのはかつてのパートナーのことだ。
その表情と言葉にシャーリーは静かに微笑む。

シャーリー:「いえ、あなたはあなたの幸せを願いなさいませ」

シャーリーが大きなバッグを持ち、小石川自身は小さいバッグを持つ。
元の教室に戻ろう。
かつかつと響く自分の足音を聞きながら廊下を進む。
部屋のドアは閉まっていた。聞こえる会話。
遊部の姿は先ほどとはまた様子が違う。

シャーリー:「これは?」

ランス:「さあね。フュンフは?」

フロー:「解除しちゃってねえ」

シャーリー:「あらドクター丸腰?」

ランス:「サンも兄貴もいるよ」

>>791 (遊部)

理解が追い付かない。
知らないこと、分からないことだけが耳に入る。
混乱と沈黙ののち、入れ替わる。

クリス:「ドクター」

リンゴ:「いちいち私に伺いたてなくても大丈夫ですよ」

クリス:「了解」

>>ALL

リンゴはふぅと息を吐いた。
そしてもう一度彼の過去について話した。
それに対しての遊部の返答を聞き、もう一度今度は先ほどのような浅い息ではなく、深いため息だ。
手を上げればその手の上に『チェンジ・ザ・ワールド』が錠剤を置き、それをリンゴは口の中に放る。

リンゴ:「嘘? 嘘とおっしゃいましたか? そうですか。ならばいうことはドクターではなく個人としての言葉」

    「ふざけろ。お前は自分の頭の中でお前の思うように世界が回っていると思っているのかもしれないが現実はそうではない」

    「お前がしたことは冒涜だ。何か格好をつけて芝居がけてなんとする」

    「さて、その言葉の理由を問おう。返答をしたくないなら必要なし」

遊部の発言は彼の逆鱗に触れたらしい。
声を荒げはしなかったが確かに怒りの感情が込められている。

793『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/25(土) 00:20:04
>>792

室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□ク□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□遊□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

794小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/25(土) 10:28:01
>>792

  ――……?

教室に戻ると、そこに待っていたのは意外な光景だった。
予想とは違い、遊部は随分と落ち着いている。
いや――あまりにも落ち着き過ぎている。
先程までの取り乱し方と比べると、不自然な程の落ち着きようだ。
そこから、自分が席を外している間に再び別人と入れ替わったのだろうと察した。

今の彼女が誰なのかは、もちろん知らない。
ただ、まるで道化を思わせるような捕らえ所のない性格の持ち主らしい。
彼女が何を考えているのかは、自分には分からなかった。
考えてみれば、とても奇妙なことかもしれない。
この場で最も真意が読めないのが、今まで対立していたリンゴ達の方ではなく、
ここまで共に行動していたはずの遊部の方なのだから。

  ――ドクター……。

リンゴに視線を移すと、彼の姿からは強い憤りが感じられた。
これまで冷静だっただけに、彼の中にある感情の激しさが目に見えて分かった。
このままでは、遊部との間に何かしら良くないことが起こるのは明らかだ。

二人の間に割って入りたい衝動に駆られるが、その思いを抑えて事態を静観する。
自分は中立であることを望んだのだし、遊部自身がリンゴ達とどう関わるかは、
彼女自身が決めるべきことだと思うからだ。
とはいえ――もし本当に危ない状況になれば、それを止めるつもりでいる……。

795遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/25(土) 17:42:37
>>792
 (『布石』内容は『暗号スレッド エニグマ』にて
passは『塔は影に呑まれ暁に消える』)

 >ふざけろ。お前は自分の頭の中でお前の思うように世界が回っていると
>思っているのかもしれないが現実はそうではない
 >お前がしたことは冒涜だ。何か格好をつけて芝居がけてなんとする
 >さて、その言葉の理由を問おう

冷静な言葉遣いながらも、膨れ上がるような節々から感じる憤りを匂わす音色は
遊部の体にも伝わる。
 だが、尚も彼女? は微笑んでいた。柔らかく 尚も穏やかに場違いに

「……お怒りはごもっともです、ドクター。ですが、わたくしは何も
単なる推察、悪戯な挑発で妄言を下したのではありません。
 順を追って、お話致します。どうか、今しばらくそのままで。
拳を振り上げるのは、もう少し後にしましょう……」

まぁ   『そうでなくても』『そうであっても』 どちらであっても、『都合が良い』のですが……。

「……では、話を戻すようですが。貴方の過去を今一度わたくしは反復いたします。
若きカウンセラーであったリンゴ・ナイチンゲール。夢と希望、光る正義を宿す貴方は
日々心に疾患を負う患者を助けるべく奮闘していた。ここまでは良いですね?
 家族間での不和、虐待、愛の亀裂。尽きぬ差別や虐め、精神的な暴虐
先生はご立派です、本当に……ご立派だと思います。
 ……ですが、貴方は『見捨てた』」

……

「……次に、リンゴ・ナイチンゲール。貴方は故郷を離れ、この国で最愛の人物と出会った。
とても、感動的な話です。一ノ瀬さんとの邂逅、そしてアクシデント
わたくしはね、先生。貴方に責は無い、貴方を許しますよ
 どうしようもなく、暗い闇の中を互いに行きかう男女。人は不完全な生き物です
心を専門とするお医者様だからと言って、愛する人の自殺未遂を救えなかった咎人と
糾弾するなんて事、それこそ告げるほうが無責任ですよ。
 話を戻しますが、先生。貴方はそして心を鉄のようにして使命を遂行し
神の啓示を受けるに等しく、スタンドに目覚める切っ掛けを得た。
 非常に……えぇ、とても非常に感動的な話です。
 ……ですが、貴方は『見捨て』ている」

    「――何が言いたいんだ? そうですね……『貴方自身』の事ですよ 先生」

「リンゴ・ナイチンゲール。貴方は故郷に未だ自分が診察するべく人間は沢山いる事を知りながらも
此処へ来た。逃げなければ貴方自身が『押し潰される』から
 この国に訪れ、最愛の人と出会いスタンドに目覚め。世界を癒す為、と言う大義の為に幾つかの治験で
罪のなき一般市民が悶え苦しむ事も、これは 必要なのだからと必死に自分に言い聞かせ処方箋を
作ろうと躍起になっている。そうでなければ『圧し潰される』から
 ……ねぇ 先生。 本当はご自分でもお気づきなのでしょう?
   ――世界を癒す前に、本当に癒さなければならないのは『ご自分』である事を。
   ――世界が病んでる、と告げるのは。本当に病んでるのが『ご自分』である事を。」

 ただ 遊部の顔には微笑みだけが保たれていた。 屈託のない、静かな微笑が

 「リンゴ・ナイチンゲール。貴方は今も傷つき倒れそうな自分の精神をないがしろにしている。
他者と向かい合う事が出来ても、己と向き合えば崩れてしまいそうな自分自身を、あえて無視している。
 それでもね、先生……わたくしは  貴方のその罪を  赦します」

796『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/26(日) 00:13:43
>>794 (小石川)
>>795 (遊部)

小石川の側からは声こそ閉じられた扉で聞こえにくいがつけられている窓から中の様子が分かる。

静かながらも確かに怒りの火を燃やしていたリンゴ。
だが時間が経つにつれ段々と張り詰めた雰囲気は収まっていく。
リラックス。落ち着いたリンゴは先ほどまでと同じような表情でいる。
呼吸に乱れなく、穏やかに欠伸をする。

リンゴ:「そうですか。そうですね。そうかもしれません」

「教えてくれてありがとう。それに許してまでくれるだなんて光栄です」

二三度頭をかいている最中にピアノのメロディが響いた。
リンゴがポケットに突っ込んでいたスマホの着信音らしい。
彼は失礼と一言いってから通話を始めた。
体を横に向ける。
警戒しているようすも特に見えない。

リンゴ:「えぇ、えぇそうですか。頭を低く、参じましょう」

「車が来たようです。どうです? お乗りになられますか?」

リンゴが通話を終了する。
その時、リンゴの片足が浮き上がった。
ランスの拳、小石川のナイフさばき、それらに劣らないスピードでリンゴの足裏が遊部に向かう(スB)
それに反応するようにサンが姿勢を低くしてタックルを仕掛けた(スC)


室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□ク□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□遊□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

797小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/26(日) 23:40:48
>>796

遊部とリンゴ。
声は聞き取りにくいが、二人の間に流れる空気が変わったことは分かった。
きっと彼女も自分の決着を着けようとしているのだろう。
私は手を引くことを望んだ。
けれど、彼女は別の道を進もうとしているようだった。

私が選び取らなかった道。
彼女は意思と力を持って、その道に臨んでいる。
リンゴとクリスとサンを前にしても、決して怯んではいない。
今、彼女の身体から力強い輝きが放たれているように見えた。
その姿に眩しいものを感じ、目を細める。

サンとリンゴが動くのが見えた。
止めるべきかもしれない。
けれど、止めた。

今、割り込むことは失礼なように思えたから。
彼女に対しても、リンゴに対しても。
私の闘いはもう終わっている。

その代わり、彼女と『フラジール・デイズ』の闘いを見届けよう。
ふと、コートのポケットに手を差し入れる。
指先で触れて、その中にあるものの感触を確かめるために。

798遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/27(月) 09:42:11
>>796

  ――ありがとう ドクター。

遊部は、リンゴ・ナイチンゲールが自身の発言によって激怒するでもなく
穏やかな表情に移り変わる異常さに対し反応しなかった。

ピアノの着信音、自分に対する声かけ。それに対しても反応はしなかった。

ただ『待っていた』 彼が 自分に対して絶対に起こすであろう『攻撃(リアクション)』

 それこそが、『わたくし』が待ち望んでいた事であり、悲願だから。

 自分に向かって接近してくるリンゴ。それに対し長く話す事はない。
ただ、少し残念だと思える事はある。だが、それは想像する事で楽しもう。

   ……自分が『誰を攻撃』したかと言う事で、彼が後で苛む事なんて……。

でも、こう一言だけ投げかけておこう。 それが、誰に対してかなんて告げないけれど

 「   ――貴方に   幸あれ」


    ズ   ンッ゛

  蹴りが、遊部の体に吸い込まれる直前。


 『…………えっ??』

 遊部は    『ベソ』に戻った。何が起きてるのか分からない
無垢で一時呆然とした顔つきに。


 

 >>795『布石』内容

わたくしは攻撃を察知すると同時に『ベソ』の人格を表に出す。
『ベソ』は人格達を表に出す為の『門』である。
彼女が精神を完全に破壊される一撃を受ける事により
人格達の基点は崩壊し一時的に保たれていた秩序は消失する。
抑制されている他人格達は復活し、再び『遊部 玲実』の主導権を
握る権利はすべての人格達に舞い戻る。



――――――――――――――――――――――――――――――――

 酷い 悪夢を見た。

現実のような 腕の痛み。少しばかり褪せた自分が通う場所とは異なる校舎
 謎のスタンド、そして少し怖くて悲しそうなお医者さんと名乗る男の人。
何もよく分からない場所。あぁ、これはきっと悪い夢。

 少しノイズが入る。景色が暗くなり、そして場面は同じようになる。
でも、きっとこれは現実ではないから。

 だって……。


   「な゛    ん゛   ぇ゛  」


 カエルの体が一気に潰れるような音が、凄く場違いに聞こえた。
能面のような男の人   玲実の名を叫ぶ男の人
天井が見える    キレイなソラが見える
わたしは落ちている   ワタシは落ちている
 ひどく馴染みのある塔が見える  
わたしは手を伸ばそうとするけど、どんどん離れていく。
 いや、塔が遠ざかってるんじゃない。わたしが  塔から落ちているんだ。

 
 そう、これはきっと とても悪いゆめ。

きっと、次に目が覚めたとき    何もかもおわって 普通の 日常  が――……

799『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/27(月) 23:38:28
>>797 (小石川)

遊部は小石川と違う道を進む。
戦い、そしてその先にあるものを掴みに行く。
小石川はその姿を見届ける。
闘争の舞台に上がっているのはこの教室にいる者たち。
扉一枚が演者と観客を切り取る線である。

コートのポケットに手を入れれば触れる指輪。
右手薬指についていたものだ。
肌から離れてはいたがそれは確かに小石川の傍にあったものだ。

>>798 (遊部)

遊部が待っていたのはリアクションだ。
そしてそれは予定通り実行された。
ベソの人格が戻る。周囲におびえるその人格が攻撃を受ける。
するとどうなる? 秩序が崩壊する。
ただ待っていればいい。攻撃が自身に到達するのは一瞬だ。

鈍い音がする。先ほど聞いた音に近いが当たった場所は顎、幾分耳に近い。
その膂力はスピード同様人間のものではない。
ハンマーで武装した人間の一撃であり大型動物の一撃に匹敵するレベルのものだ。
それを受けて人体が無事なはずもなく、顎が砕ける。
脳が揺れる。塔が倒れる。
サンはドリフトでもするかのように床を進み、たどり着いたのは遊部の背後。腰に両腕を巻き付いた。
蹴られた勢いそのままに体が浮き上がりそうなその体を捕らえた。
サンが倒れる。遊部に押しつぶされるのではない。自発的に後ろに倒れ込みブリッジの体勢になったのだ。
遊部の視界はジェットコースターのようであった。
前方に見えていたものが足元に移動し、視界は天井へ
そのまま背後にあったはずの壁が見えてきて、最後には視界が逆さまになった。
顎への衝撃、そして後頭部への衝撃。人格の入れ替わりを確認しないうちに遊部の視界が歪み、溶ける。
腰の拘束がなくなり、ゆっくりと体が横に倒れた。
微睡むようにぼんやりとした意識。定まらない視界。

リンゴ:「……はぁ」

クリス:「記憶は」

リンゴ:「奪わなくていいです。必要ありません。覚えていてもいなくても変わらなかったらショックです」

ベソにとって今夜は悪夢だっただろう。
もしも目覚めることがあったのならば、きっといつも通りの日常が待っているだろう。

800『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/28(火) 00:07:17
>>ALL

リンゴが咳をするとその口から赤い塊が飛び出す。
手に着いたその赤をリンゴはポケットから出したハンカチで拭う。

リンゴ:「終わりましたよ」

クリスは扉を開けた。
ランスはフローに肩を貸され立ち上がる。

リンゴ:「サンはそこの女性を運んでください」

    「あの足が折れている二人は私が運びます」

サンは遊部の傍に近寄る。
目の前で手を振っている。
ぼんやりと視界ではそれは影にしか見えなかった。
目を閉じれば深い眠りに落ちてしまいそうだ。
意識を保とうと努力をすればそれはなされる。
しかし何か大きなことが出来るかといえばそれも微妙だ。
声を発することはできるだろう。

リンゴ:「……車までご案内しましょう。私が運転します」

801小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/28(火) 09:49:34
>>800

目の前で繰り広げられる闘争の舞台。
それを客席である室外から見届ける。
そう、自分の闘いは既に終わっている――。

そして彼女の闘いも今、終わったのだろう。
これで、今夜の闘いの全てに幕が下ろされたことになる。
心の中で舞台の終幕を感じ取っていた。

   スゥゥゥッ……

闘争の中で紛失してしまわないように、闘いの前に外しておいた指輪。
それを慈しむように左手で取り、元通り右手の薬指にはめ直す。
なぜなら、もう外しておく必要がないから。

折れている左腕を動かすことは大きな痛みを伴った。
もし、自分でやらずに誰かにはめてもらったなら、その痛みを味わうこともない。
けれど――それはできなかった。

たとえ腕が折れていようとも、この指輪だけは他人の手に委ねることはできない。
これは愛する者の形見であり、決して消えることのない絆の証。
自分にとって、命の次に大切なものなのだから。

  「分かりました……」

リンゴの案内に従い、用意された車の下へ向かう。
サンの横に並ぶようにして歩き、彼に抱えられている遊部を見つめる。
その怪我が自分以上に重いことは、医学の心得がない自分でも分かる。

彼女の意思を汲み取った結果、止めることはしなかった。
それでも、こうして傷付いてしまった姿を目の当たりにすると胸が痛む。
自分を含めた怪我人達の中で最も負傷が重い彼女には、
特に一刻も早い治療を受けさせてあげたい……。

  「――ドクター……。あなたの身体は……?」

歩きながらリンゴの方に顔を向け、先程の吐血について問い掛ける。
瞬間的とはいえ、あれほどの膂力と速度を、彼は生身で発揮していた。
リンゴ自身の身体にも相応の負担がかかっていたと考えるのは、
それほど突飛な考えではない。

もしかすると、それは薬によるドーピングの副作用なのかもしれない。
それを考えると、遊部と同様にリンゴの具合も気にかかった。
遊部自身が半ば受け入れていたとはいえ、
リンゴの手で重症を負った彼女に申し訳ないという思いもありながらも、
同時にリンゴを心配する気持ちも胸の内に存在していた。

802遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/28(火) 19:06:16
>>799-800

我々はあなたに危害を加えるつもりは

 こちら  クリス  サン  リンゴ・ナイチンゲール

        光を追っているのさ  

ネオン 掴んだ……やれ!

                    私は自分と他者の天秤に、他者を傾けるでしょう
               
                         はじめまして。私は小石川という者です

  

 幾つもの記憶の濁流。
わたし は   落ちている。

  わたしの 知っている   知らない  映像が  声が  映っていく。

どんどんと  わたしは   落ちていく。

 そして  ワタシは


                      ――何処へ   行きつくのだろう


      「      ひ   か  り……。    」


――――――――――――――――――――――――――
(※以下、ミッションには ほぼ干渉しえない一人劇)

   ……何処とも違う、深い 奈落の意識の底で。


   パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!

数十人から盛大なる拍手を、大統領のように受ける人物がいる。
 ゆったりと、片手を鷹揚にあげて、その人物は周囲で賛辞の拍子を鳴らす人達に
微笑みを浮かべて会釈を何度か行う。男女の性は不明だ。

?「やってくれますねぇ! 見事、やってくれました!
 これで、おいら達も自由に動けるってもんですよっ。よっ、大統領っ!」

調子のついた、よいしょを行う若者らしき者に。ゆったりと、告げる。

「大した事はしてません。正直、あぁ言う遊戯(ゲーム)は、わたくしの
得意とする所ですから。それに、彼は凡夫である事は話を聞き反応から直ぐ
察せられたものでして……人となりが分かれば、簡単な事ですよ」

?「凡夫? 世界を癒すと言う使命感に燃える医者が、ですか……?」

平凡な、普通の人物。そうリンゴ・ナイチンゲールを称する事に疑問を
覚える幾つかの周りの人間に。優しく、その人物は述べる。




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