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【場】『 大通り ―星見街道― 』
1
:
『星見町案内板』
:2016/01/25(月) 00:00:31
星見駅を南北に貫く大街道。
北部街道沿いにはデパートやショッピングセンターが立ち並び、
横道に伸びる『商店街』には昔ながらの温かみを感じられる。
---------------------------------------------------------------------------
ミ三ミz、
┌──┐ ミ三ミz、 【鵺鳴川】
│ │ ┌─┐ ミ三ミz、 ││
│ │ ┌──┘┌┘ ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
└┐┌┘┌─┘ ┌┘ 《 ││
┌───┘└┐│ ┌┘ 》 ☆ ││
└──┐ └┘ ┌─┘┌┐ 十 《 ││
│ ┌┘┌─┘│ 》 ┌┘│
┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘ 【H城】 .///《//// │┌┘
└─┐ │┌┘│ △ 【商店街】 |│
━━━━┓└┐ └┘┌┘ ////《///.┏━━┿┿━━┓
┗┓└┐┌──┘ ┏━━━━━━━【星見駅】┛ ││ ┗
┗━┿┿━━━━━┛ .: : : :.》.: : :. ┌┘│
[_ _] 【歓楽街】 │┌┘
───────┘└─────┐ .: : : :.》.: :.: ││
└───┐◇ .《. ││
【遠州灘】 └───┐ .》 ││ ┌
└────┐││┌──┘
└┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------
2
:
スミシー『ザ・ウィズ』
:2016/01/28(木) 17:55:46
――星見街道。
何をするでもなく道を歩く、若い男一人。
正しくはさっきラーメンを食べた帰りなのだが。
(ラーメンで熱入れても、
またすぐ冷えてきやがるなァ〜……)
ともかく、今は何もしていない。
緑髪と赤いカラー眼鏡が特徴的すぎる、その男。
「……」
ポロッ
ハンカチを落とした。
どうやら、気づいていない。
・・・・拾って声をかけてもいいかもしれない。
3
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2016/01/29(金) 00:21:28
>>2
「ん……」
落ちたハンカチに気づく。
長身、鋭い目つき、赤みの強い茶髪のオールバック。
少々『いかつい』青年だったが、スムーズにハンカチを拾い上げ、前を歩く男に声をかけた。
「おい!」
低いが、よく通る大きな声だった。
「……落としたぞ」
ひらひらと、ハンカチを軽く振る。
鋭い目つきがギロリと光る。……生まれつきだ。
4
:
スミシー『ザ・ウィズ』
:2016/01/29(金) 00:30:03
>>3
「……ッ!?」
ビクッ
やや大きく背中を震わせた。
この『スミシー』・・・・『喜屋武 角』は臆病な男だ。
クル
「あぁッ……!?」
やや威圧的に振り返る、と。
ヒラヒラ
「アッ」
ゴソゴソ
ハンカチに気づく。
ポケットに手を突っ込むと、やはりというか、ない。
「拾ってくれたのか……
わ、わりぃな、ありがとよ。」
ボリ
(なんだその目つきはよォ〜〜……
ガン飛ばしてるわけじゃ、なさそうだが。)
頭を掻きながら、歩み寄る。
5
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2016/01/29(金) 00:43:56
>>4
「気を付けるんだな。
なにせ街中だ。下手すると二度と戻ってこないぞ」
「……まぁ、ハンカチ程度なら大した被害でもないかもしれんが」
小言を言いながら、ハンカチを差し出す。
……妙にエラソーというか、歯に衣着せぬ物言いだ。
皮肉を言っている、という風でもないが。
「……しかし、喧嘩でも吹っかけられたと思ったか?」
「期待してたなら悪かったな」
……皮肉を言っているという風でもないが。
鋭い目つきで、真顔で、そんなことを言うのであった。
6
:
スミシー『ザ・ウィズ』
:2016/01/29(金) 00:58:58
>>5
「コイツはヤスモンだが……
気に入ってるからな。次から気をつけるぜ。」
「ありがとな。」
パシ
ハンカチを受け取る。
笑みを浮かべていたが――
「……」
「期待はしてねェけどよ。」
片目を細めて。
「その物言い! お節介を言うとだが……
相手によっちゃあ、キレられてもおかしかァねえぜ?」
「それが望みなら知らねえけどよ……」
星見町は平穏な町だ、が。
その裏には、危険も息づいている――
・・・・スミシーも、それを知っている。
7
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2016/01/29(金) 01:11:50
>>6
「ん……そうか?」
言われて、少しキョトンとした顔を見せて。
「……そうかもしれんな。
感覚がマヒしたか……気をつけよう。助かる」
顎に手を当てて、眉をひそめて少しものを考える顔をしながら返答する。
「喧嘩はもうたくさんだ。一生分はやったからな。
そもそも、怪我でもしたら『ペット』がやれなくなる」
目をやるのは、片手に下げていた黒い楽器ケース。
しっかりとした高級品だ。中身は、本人の言葉通りなら『トランペット』。
8
:
スミシー『ザ・ウィズ』
:2016/01/29(金) 01:23:15
>>7
「まあ、オレも人のことは言えないが……」
フォローするように付け加えて。
それから。
「喧嘩はイテェし、怖ェから、な。
オレも、最近めっきり、足ィ洗っちまったぜ。」
(洗いきれてもねえが、な……)
喧嘩。学生のそれではない。
スミシーには、いつでも『敵』が思い出せる。
「……ペット?
あー、ってえと……」
チラ
楽器ケースに気づき。
「あぁ!ナルホド、トランペット……だよな?
そりゃあ、迂闊に怪我もしてられねェわな。」
得心した、という顔で言う。
もっとも、楽器の種類には自信がないが。
「オレもバンド――
の、真似事みてーなのはしたことあるが……」
「本格的に音楽ヤれる奴は、イカすと思ってるぜ。」
ウンウン
・・・・二度ほど頷くスミシー。
9
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2016/01/29(金) 01:33:46
>>8
「あんなもの、やらないに越したことはないさ」
本当に、痛いし、怖いだけだ。
ロクなもんじゃない。頷きながら、そう返す。
「ああ、『トランペット』だ。吹奏楽部でな」
言いながら楽器ケースを撫でる。
軽くでも叩きはしないのは、それほど大事にしていることの表れか。
冷静な雰囲気だが、音楽への熱意は本物らしく……
「ほう……軽音楽か?」
「『文化祭』辺りでやってみたクチか?」
「パートは? ボーカルか? ドラムか? ギターかベース? それともキーボード?」
「曲は何をやった?
やはりJ-POPか?」
……本物らしく、すごいグイグイ来た!
ニィと笑いながら、矢継ぎ早にまくし立てて来る!
10
:
スミシー『ザ・ウィズ』
:2016/01/29(金) 01:39:10
>>9
「そりゃそうだ。
んで、吹奏楽部かァー。そいつァ――」
何か他愛のないことを言おうとした。
が、そこに。
「オッ」
「オオオッ……!?」
(な、なんだァ〜〜こいつはッ!
音楽の話だからか? グイグイ来すぎだぜッ……!!)
・・・・板踏の熱意。
「お、落ち着けっての……!」
「だいたいそれで合ってるがよォ……
まっ、J-POPじゃなくて、カッコつけて洋楽だったがな。」
あまりウケなかったが、青春の記憶だ。
「しかし……
よっぽど音楽好きか? おめーは。」
・・・・怖いもの見たさ半分、聞いてみる。
11
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2016/01/29(金) 01:48:39
>>10
「ほう……」
「文化祭でやる洋楽と言うと、やはり7〜80年代のロックか?
あの辺りの曲は有名どころも多いしな」
「あれを目標にバンド始めるやつらも未だに多いし、練習用の資料もいくらでも……」
と、止まらないッ!
明らかに『落ち着け』の一言が耳に入っていないッ!
「……ん、『音楽が好きか』だと?」
が、問いは届いたようだ。
一瞬「何を言ってるんだ」ぐらいの調子でキョトンとする。
「当たり前だろう。大好きだよ」
「というか……音楽が嫌いな人間なんているのか?」
「『音楽の好み』はあるだろうが……嫌いなんて奴はそうそういないだろうに」
12
:
スミシー『ザ・ウィズ』
:2016/01/29(金) 01:55:12
>>11
「正確な年代は忘れたが、それで合ってるぜ。
相当、昔の曲だがよォ〜〜、
イカスのは現代でも通じるもんだよな……」
(なんなんだッ、こいつはァ〜〜!)
かろうじてそう返しつつも、
勢いに押し込まれそうになるスミシーだが……
(な、なんとか……止められたぜ。
こいつ、ほっときゃ一日中音楽トークしてんじゃねえか……?)
ホッ
・・・・間一髪、届いた問い。
「……だ、だよな。」
一呼吸おいて。
「オレも音楽は好きだぜ。
にしたって、おめーの音楽への勢いは半端ねえからな……」
「『好き度』が高ェな、って話だぜ。」
13
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2016/01/29(金) 02:08:54
>>12
「良い音楽に時代は無いさ」
本当に、放っておけば壁相手でも一日中話していられそうだ。
まぁ、それも、
「『好き度が高い』、か」
「……かもしれんな」
それだけ音楽が好き、ということなのだろうが。
「……しかし、そんなに勢いがあったか?」
なお、自覚は薄いらしい。
「…………そういうお前は、なにかないのか。
特別好きな何かとか……お前にもあるだろう?」
14
:
スミシー『ザ・ウィズ』
:2016/01/29(金) 02:16:01
>>13
「特別かァ……」
(……釣りか?
音楽聴くのか?
いや、そこまででもねえよな。)
疑問は残るところ。
眼の前の『音楽好き』ほど、胸を張って言えるか?
・・・・それより。
「俺は……この町だな。」
「いくらでも語れるとか――
何でも知ってるとか――
そういうのじゃあ、ねえし……
他の町に負けてるとこも、あるだろうが……」
上を見る。
星が隠れ、お天道様が、見ている今でも。
「オレは、この町を愛してるぜ。」
・・・・それは自信を持って言える。
15
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2016/01/29(金) 02:29:08
>>14
「……『町』、か」
言われて、なんとなしに周囲を見渡す。
するとぽつぽつと人がいて、見上げれば空がある。
なるほど、と得心が行った。
「なるほどな。
そりゃあ、確かに、『いい趣味』だ」
ニィと笑う。
嘲りとか、皮肉の意味は一切込めない笑み。
その時、びゅうと風が吹いた。
思えばこの寒空の下、立ち話というのも妙な話で。
「……さて、俺は行くよ」
「じゃあな、星見好き。
そのハンカチ、もう落とすなよ」
ひらひらと手を振って、別れを告げる。
元より袖触れあった縁だ。惜しむ別れでもない。
白い息を吐きながら、音楽好きは去っていく。
16
:
スミシー『ザ・ウィズ』
:2016/01/29(金) 02:33:59
>>15
『S県H市星見町』――
この小さな町には、スミシーの好むものが、いくらでもある。
「ああ……ここは、良い町だからよ。」
ニヤ
スミシーは笑う。
そして、ハンカチをポケットにしまって。
クル
「おう、じゃあな『音楽好き』ッ。
余計な野郎にケンカ売られんじゃあねえぜ。」
「ありがとな。」
ヒラ ヒラ
・・・・振り返って、手を振りながら歩き去る。
17
:
小角 宝梦『イル・ソン・パティ』
:2016/02/02(火) 00:57:18
「よいしょっ……」
ギュウ
『ニャー』
猫を抱いて歩く少女。
いやそれより特徴的なのは、その服装。
ジャン!
インバネスコートに、鹿撃ち帽。
まるっきりフィクションの名探偵だ。
(ふふ、こういう依頼をしてこそ探偵に近付けるというものだ。)
自信満々の表情で猫を抱えているが、いつ逃げられるか分かった物ではない。
18
:
紫 斜六『アームチェア・トラベラーズ』
:2016/02/02(火) 02:27:37
>>17
ニャー
ニャー
「はいはい、ご主人様が首を長くして待ってますからね」
トレンチコートに、ハンチング帽子。
茶色の長髪を一つ結びにしたスレンダーな女が、猫の入ったケージを持って歩いている。
仕事帰りというか、仕事中というか。
ともあれそんなところで……
「……おや?」
ばったり、見知った顔に遭遇した。
「おやおや」
「まぁまぁ」
「ごきげんよう、宝梦ちゃん」
ウィンクひとつ、ご挨拶。
ニャー
……ケージの中の猫も、小角に対してか猫に対してか、ご挨拶。
19
:
小角 宝梦『イル・ソン・パティ』
:2016/02/02(火) 02:35:41
>>18
「……あっ!」
「め、名探偵どのっ……!」
ニャー
知人に気づき、猫を離しそうになる小角。
しかしそこはかろうじて耐え――
「……お、おほん。」
「ごきげんよう、名探偵どの。
そちらも……猫さがしの依頼かい?」
パチン★
ウィンクを返すが――
ニャー ニャー
「こ、こらっ、暴れるのはよせきみ……!
……ううむ、わたしもケージを買うべきか。」
猫を取り押さえるのに、悪戦苦闘。
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