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【個】『学生寮 清月館』

1『星見町案内板』:2016/01/24(日) 23:51:17
月面を連想させる『灰色』のレンガで出来た『洋館』。
親元を離れた子供達だけでなく、一般学生もしばしば遊びに来る。
『自立心』、『向上心』を培う為、多くの『家事』は学生自身で行っている。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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496飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/09(水) 23:26:14
共同キッチンにはもう一人、茶髪をツインテにまとめた少女――飯田が缶詰を見つめていた。

>>495

「缶詰にはちょっと飽きたかも…」

正直私は料理ができない。
お母さんが料理下手だったから、ぶっちゃけた話、私も下手。
なにか他に食べるものないかなぁと周囲を見回すと最近クラスに転入してきた女の子が鍋と向かい合ってるのが見えた。

……カレーの匂いがする…?

「カレーですか?赤月さん」

そういえばクラスで赤月さんと話したことあったっけ、どうだろう。

497赤月『サクソン』:2021/06/09(水) 23:35:31
>>496

「君は確か・・・」

目の前の少女の顔を見て、記憶を思い出す
確か、学校で同じクラスの・・・・

「そう、『飯田咲良』・・・だったかな?」

鍋から目を話し、話しかけて来た彼女に応答する
『転校初日に行ったおかしな自己紹介に怯む事無く話しかけてきてくれた子』・・・だったような気がする
・・・・・もしかしたら完全に勘違いかもしれないけど

「うん、カレーを作ろうとしていたのだけれど・・・」

鍋の中身を飯田に見せる
鍋の中には茶色いお湯、バラバラの生煮え野菜、赤みが残る豚肉、ルーの溶け残り
そんな感じだ

「何がいけないのか、こんな感じになってしまってね
 咲良には何がいけないのかわかるかな?」

498飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/09(水) 23:51:09
>>497

そうだ、確か…初日に挨拶でこんなこと言ってて…。

>「この街に潜む『影の組織』について知っている者は私のもとに来てくれ
>私が言いたい事はそれだけだ」

変な組織なら『アリーナ』っていうのを『フラジール』さんに教えてもらったからそれで気になって話しかけたんだった。
『血気盛んな人に』って言われたし、盛んかわかんないからまだ話してないけど…。


そんなことを思い出しながら鍋の中を見てみる。
うーん、なにがいけないんだろ…。

「こういうときは、まず火が通ってるかみるって聞いた気がするから…」

鍋から『にんじん』を一つ取り出して箸をぶっさしてみる。固い…。

「もっと煮込めばいいのかも!」

味付けはわからないけど、そもそも固かったら食べれないし…。
とりあえず煮込んでみるのを提案する。

499赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 00:04:48
>>498

「なるほど! 煮込み方が足らなかったのだな!」

うんうん、と笑みを浮かべながら頷く
鍋に蓋をして、火を強火に調整・・・・!

   ゴォォォォオオオオ・・・・

「やはり頼りになるのは心強い友だという事か
 うん、正しい料理の仕方を教えてくれてありがとう」

「ところで、先程から缶詰を見つめていたようだけど、
 開けなくていいのかな?」

ふと、飯田の眺めていた缶詰に目を移す

500飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 00:10:58
>>499

ゴオオオオと音を立てるコンロに、グツグツと勢いよく鳴る鍋。これぞ料理!って気がする。
あれ?そういえば…お母さんもこんな感じだったような…?

「お役に立てたならよかったー」

「缶詰、缶詰ね…。
 実は私、料理そんなできなくて、缶詰とレトルトで繋いできてたんだけど飽きちゃって…。
 もしよかったらなんだけど、一緒にカレー食べたらダメかな…?」
「この缶詰あげるから、おねがいっ!」

今日の缶詰は『鯖の煮付け』だ。
暖めてご飯の上に乗せるつりだったけど…流石に飽きた!

501赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 00:21:06
>>500

    ゴオオオォォォォ・・・・

「なるほど、君の缶詰と私のカレーとの物々交換と言うわけだな
 私は一向にかまわない! むしろ・・・・」

同年代の子と食べ物を交換する・・・
その発想に思い至った時、赤月の心が知らず知らずのうちに昂った
今までに感じた事がなかったその感情に戸惑いながら、答える

「むしろ・・・・うん、なんだろうか、とても喜ばしく感じる
 是非とも交換をして欲しい・・・・・む?」

     ゴオオオォォォォ・・・・

そんな事を言っている間にも火は燃え続けており・・・・
あれ? 何か鍋から白い煙が上がっているような?

502飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 00:31:04
>>501

「やった!今日の御飯はカレーだ!
 赤月さんありがとうー!」

小さく万歳をして、缶詰から逃げれた喜びを表現…したところで目がコンロに釘付けになった。

「け、けけけけむりー!!」

えっと、えっと、どうしたらいいんだろう。
とりあえず火を消さないと!
慌てながらコンロに近付いて火を消そうとする。

き、きえた…?

503赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 00:48:45
>>502

「ふふふ・・・・」

飯田程ではないが、目を細め、小さく笑みを浮かべる
友達と食べ物を交換するという行いを面白く感じているのだ

  ゴォォォオオオオ・・・・・

>「け、けけけけむりー!!」

「しまった!」

        ガバッ!

飯田がコンロの火を消したのに気づかずに、思わず鍋の蓋を開けてしまう!
その瞬間! ぼんっという小さな破裂音とともに、熱々の内容物が周囲に飛び散る!

504飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 01:03:06
>>503

「ぴゃっ!!?」

鍋からすごい音がしてびっくりして音の元を見たら…飛んでくるアツアツ野菜!
もちろん、飛んでくる過程で多少冷めてる、はず。でも熱そう!!

『シスター・ゴールデンヘアー』を出して赤月さんの持ってる鍋のふたを奪取!
飛んでくる野菜を蓋で叩き落とす…!

子供の私よりも『シスター』の方が力があるし、早いから多少は対応…できるはず…!
赤月さんからしたら…鍋の蓋が宙に浮いたように見えるのかな…?

「こ、こわかったね…」

505赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 01:13:08
>>504

   パァンッ!

「・・・・・! 『サクソン』!」

熱々の野菜が弾ける瞬間に、赤月は己を守るために行動を起こす
自身のスタンドの内、『トレンチコート』のみを発現し、
その布地で火傷から身を守ろうとしたのだが・・・・

「あ・・・」

その瞬間に『シスター・ゴールデンヘアー』が鍋の蓋を奪い、
飛んでくる野菜を叩き落とした!

「咲良・・・・君のそれは・・・・」

『トレンチコート』のヴィジョンを着こむ赤月と
『人型のスタンド』を発現した飯田・・・・両者が鍋の前で向かい合う

506飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 01:28:58
>>505

……?
赤月さん、早着替えした…?

「もしかして…見えてたり…?」

赤月さん、『シスター』のこと『それ』って言ってるし…見えてるよね…?
転校生が『お仲間』ってなんだか小説とかマンガみたい!
赤月さん、主人公なのかな?それともヒロイン?

私はこの間、憂さんに言われた『世の中には悪い人もいる』『そういう人がスタンドを持ったら』って言葉を忘れて、ちょっと浮かれちゃった。
だって主人公みたいだし…。

「えと、この子は私のスタンドで…『シスター・ゴールデンヘアー』っていって、
 危ないと思ったからつい出しちゃった、ごめんね…?」

どうしよう、消した方がいいかな?
悩みながら『シスター』に手を挙げさせて敵意はないよーとアピールしてみる。

507赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 18:23:21
>>506

「・・・・謝る必要はない」

赤月は自分を守ってくれた『シスター』の正面に立ち、
値踏みするかのような目つきで見つめていた
数秒間程度、その姿勢を続けた後、苦笑するように表情を和らげる

「むしろ、私はお礼を言わなければならないな
 私が危ないと思って助けてくれたのだろう? ・・・・ありがとう」

飯田に向き直り、ぺこりと頭を下げる
だが、顔を上げた時、その目つきは厳しさの色を帯びていた

「しかし・・・・ 君がスタンド使いだというのであれば、聞かなければならない事がある
 君は『アリーナ』という言葉を聞いたことはないか?
 この町に住まうスタンド使いが作り上げた・・・・『影の組織』の名前なのだが」

508飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 18:44:40
>>507

謝る必要はない、その言葉にちょっとほっとした。
マーブル模様の『シスター』を眺める赤月さんの表情は少し柔らかい。よかった。

「びっくりしたよね、怪我もなくてよかった…!」

続く赤月さんの言葉にちょっと首を傾げる。
『アリーナ』。知ってはいるけど詳しくはないそれを赤月さんに教えていいのかちょっとわからないし…。

「……答える前に二つだけ聞いてもいい?」
「ひとつ、赤月さんはどうして『アリーナ』について知りたいの?
 ふたつ、赤月さんは『血気盛ん』な人?」

憂さんは『アリーナ』のことを『乱暴』って言ってたし、『フラジール』さんも『血気盛んな若人なら喜ぶ』って話してた。
きっと、危なくて大変な場所なんだと思う。
そんな場所をクラスメイトに紹介していいのか、私にはわからないから。

509赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 21:03:44
>>508

(どうしよう・・・・)

先日、歓楽街で出会った男性と同じように、質問を返される
正直に答える事は一向に構わないと思っているが、それで飯田が巻き込まれてしまう事は・・・・

(咲良は良い人だ この町に来て何もわからなかった私に、こんなにも親切にしてくれた
 彼女が私の味方になってくれると嬉しいけど・・・ 危険な事に巻き込むわけにもいかない)

「兄に・・・・ 私の兄を酷い目に合わせたスタンド使いが『アリーナ』にいる」

『殺意』は覆い隠す
だが、飯田と秘密を共有したいという衝動を抑える事が出来なかった
詳しい事情は離さないように、少しだけ自分の事を伝える

「だから、そいつを探し出して『文句』を言ってやりたいんだ
 それが、私が『アリーナ』を探す理由で・・・まあ、今の言葉でそれなりに私が血気盛んだって事がわかるだろう?」

正直に真実を話さない事、卑怯にも自分にとって都合の良い部分だけ話す事
それらが赤月に罪悪感を抱かせ、お腹の奥が重くなるような痛みを感じさせる

510飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 21:32:27
>>509

私は赤月さんの言葉を聞いて、自分に置き換えて考えてみる。

……お姉ちゃんが、『乱暴』な『アリーナ』の人に酷い目に遭わされたら。

お姉ちゃんは私が知る限り、スタンドを持っていなかった。
少なくとも、見たことはない。
そんなお姉ちゃんがなにかされたら、本当に『酷い』ことになると思う。

そしたら、私はお姉ちゃんを越えることはできなくなる。
この町に来た理由がなくなる。それは…許せない。

「…私にもお姉ちゃんがいるから、怒る気持ちも『文句』言いたい気持ちもわかる…かも。
 ……『文句』だけ、だよね?
 それなら…教えてもいい…かな…?」

「えっと、まず私は『アリーナ』って言葉は知ってる。
 これは『フラジール』さんって『スタンド使い』に教えられたこと」
「次に、私は『フラジール』さんからもらった『アリーナへの紹介状』を持ってる。
 赤月さんが『文句』を言いに行くのに使えるかはわからないけど……」
「……必要…だよね…?」

『アリーナへの紹介状』は部屋の机の中。
もし必要なら渡そうと、そう考えた。

511赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 21:55:43
>>510

「『アリーナへの紹介状』・・・・! 『フラジール』・・・・!」

予想以上に重要な情報の存在に目を丸くして驚く
このまま『紹介状』を飯田から受け取れば、『目的』に向けて大きく前進できるはずだ

「ああ、必よ・・・・・」

だが・・・・『必要』という一言を言う寸前に躊躇する
自分は今、目の前の少女を言いくるめる様にして情報を手にしようとしている
親切で・・・・友達になれるかもしれない相手に対して、だ

(もしも・・・・このまま『紹介状』を受け取ってしまったら、
 私は咲良に対して今後、どんな顔で接すればいいのだろう
 私はこの子と友達になりたい・・・・ でも!)

(こんな騙すような事をしてしまって・・・・本当に友達になれるのか・・・・?)

「か・・・ぁ・・・・    ・・・・・すまない」

声を絞り出すようにして、謝罪の言葉を口にする
覆い隠そうと思っていた本音が、アスファルトを捲る様に顔を出す

「私は君に・・・・ 本当の事を伝えてなかった・・・・
『文句』だけではない、本当はそいつを・・・・そいつを・・・・」

「殺したい・・・・と、思っているんだ
 兄の・・・・仇なんだ、そいつは・・・・・」

512飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 22:17:00
>>511

「お兄さんの…『仇』…」

私は思わず赤月さんの言葉を繰り返した。
『酷い』以上の、つらいことだった。

転校してきた日に赤月さんが言っていた『訳あって越してきた』という言葉が頭をよぎった。
お兄さんを殺した相手を殺すために、この町にやってきたんだろうって、理解しちゃった。

軽く深呼吸をして目を伏せる。

「もし…もしも、私が赤月さんみたいにお姉ちゃんを殺されたら、
 私は私の目標を失っちゃう」
「私はお姉ちゃんを探しに、お姉ちゃんを越えるためにこの町に来たから、
 そんなことをされたら…許せないと思う…」

一呼吸置いて、赤月さんの目を見る。

「だから、赤月さんがそう考えて行動するのを止められない。
 人を傷つけるのはよくないことだと思うけど、だけど『仇討ち』は止められない」
「本当のことを教えてくれてありがとう。
 改めて、こう言うね。もし、必要なら『アリーナへの紹介状』を渡すよ」

513赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 22:33:22
>>512

「・・・・・・・・。」

言ってしまった・・・・
罪を告白した解放感とともに、友を巻き込んでしまう事への恐れが心中に巻き起こる
自身の『殺意』を曝け出した事が、今後の活動の妨げになるかもしれない
あるいは・・・・・

(咲良が裏切って・・・・ 『アリーナ』に告げ口をする事も・・・・?)

ぞっとするような恐怖心が湧いてくる
もしも、目の前の少女に裏切られてしまったら、と思うと今更ながら自身の行いが怖くなる

「あ・・・・」

>「もし…もしも、私が赤月さんみたいにお姉ちゃんを殺されたら、
> 私は私の目標を失っちゃう」
>「私はお姉ちゃんを探しに、お姉ちゃんを越えるためにこの町に来たから、
> そんなことをされたら…許せないと思う…」


>「だから、赤月さんがそう考えて行動するのを止められない。
> 人を傷つけるのはよくないことだと思うけど、だけど『仇討ち』は止められない」
>「本当のことを教えてくれてありがとう。
> 改めて、こう言うね。もし、必要なら『アリーナへの紹介状』を渡すよ」

「・・・・・・・。」

飯田の言葉からは赤月に対して真摯に向かい合う気持ちが感じられた
ありがたい、という感情と同時に、そんな相手を一瞬でも疑ってしまった事を恥じ、
羞恥心から無言で目を伏せてしまう

「そうか、君にも『姉』がいるのか
 ふふ・・・きっと君に似て優しい人なのだろうな」

「・・・・『必要』なんだ、君の持つ『紹介状』が」

514飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 22:43:42
>>513

赤月さんの言葉に軽く笑って返した。

「私が優しいかはわかんないかな。
 だって、私、赤月さんが『仇討ち』するのを止めないんだよ?」

「ちょっとここで待っててもらってもいい?
 『紹介状』、私の部屋の机にしまってあるから」

そう言って振り返ったところで、周囲の惨状が目に入る。
そういえば、ご飯を作ろうとしてたんだった。

「……そうだ、なんなら部屋まで一緒に来てついでにご飯食べちゃわない?
 カレーは爆発しちゃって食べれないかもだけど、
 私が飽きちゃった缶詰でも二人ならきっと美味しいよ」

ここを軽く片付けてからだけど。
そんな風に小声で口に出して様子を伺ってみる。

515赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 23:12:19
>>514

「それでもだ
 私の『目的』を知っても離れていこうとしなかっただろう?
 それは咲良が優しいからだ、と思う」

周囲の惨状、飛び散ったカレーや焦げた鍋を見る
なかなか酷い有様だ・・・・片付けにはそれなりに苦労するだろう

「うん、わかった
 ただ、この惨状を起したのは私の責任だ だから私に任せてくれ」

そういうと、赤月は鍋やキッチン周りの掃除に取り掛かる
ゴシゴシと力を込めて洗うが、なかなかの重労働のため額に汗がにじむ

516飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/10(木) 23:36:24
>>515

「ありがとう。
 だって、私にも赤月さんの気持ちわかっちゃったから…」

「片付け、やるなら一緒にやろう?」

先に片付けを始めた赤月さんを手伝いながら、重いものの片付けやこびりつきには『シスター』を動かす。
『シスター』は大人の人くらいの力があるんだから私よりもこういうときは便利だ。

そうしてしばらくして、片付けが終わった。
キッチンは惨劇が起きる前の状態に戻ったし、ついでに缶詰とごはんは準備ができて『シスター』に持たせてる。

「赤月さん、私の部屋こっちだから」

そう言って部屋まで手を引いていく。

私の部屋にはベッドが一つに、勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫。
勉強机には教科書や勉強用の本、アルバム。 ベッドにはくまのぬいぐるみが置いてあるくらいの普通の部屋だ。

517赤月『サクソン』:2021/06/10(木) 23:52:34
>>516

「すまない、それではそちらの掃除を頼む」

一人では相当の時間がかかるであろう掃除も二人でやれば比較的短時間で終わった
今までの人生でほとんどなかった、二人での作業に内心少し楽しい気分を味わいながら、
作業は瞬く間に終了し、夕ご飯の準備も済ませてしまった

「ここが咲良の部屋か・・・ 私の部屋とは大違いだ」

飯田の部屋も比較的物は少ない方かもしれないが、
赤月は越したばかりのせいもあってそれに輪をかけて物が少ない
そのため、部屋に入って早々にそんな感想を口にする

「・・・・・・・。」

  チョイチョイ
        チョイチョイ

ついつい、くまのぬいぐるみが気になって、指でつついている

518飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/11(金) 00:07:11
>>517

ちゃぶ台を出して、ごはんと缶詰と箸を並べながらくまのぬいぐるみをつつく赤月さんを見る。

「えー、そうなの?
 今度赤月さんの部屋にも行ってもいい?楽しそう!」

「その子、家から連れてきたの。
 小さい頃からずっと一緒で、お母さんが買ってくれたんだ」

お母さんの買ってくれた大事な私の友達。
たぶんお金の出所はクソ親父だろうけど、このくまさんの可愛さに罪はない。

ご飯の準備ができたので、机から『アリーナへの紹介状』を取り出す。

「はい、これ。
 『フラジール』さんからもらった、『アリーナへの紹介状』」

519赤月『サクソン』:2021/06/11(金) 00:24:41
>>518

「私の部屋は何もないぞ
 正直に言って、咲良のお気に召すものなんて何も・・・・
 うん、私も咲良のようにこういう『可愛いぬいぐるみ』を買った方がいいのかな」

赤月の部屋には生活に必要な物以外はほとんど置いてない
冷蔵庫ですら、普段コンビニで食べ物を買っているために置いてないくらいだ
『くまのぬいぐるみ』をじっと見つめ、今度咲良が遊びに来るまでに何かを買おう、と決意する

「では、ありがたく拝領しよう」

両手を恭しく掲げて、ありがたく書を授かる
この『紹介状』が果たして仇につながるかはわからない
そもそも『アリーナ』という組織の全体像やその目的も知らないくらいだ
だが、これこそが自身の『目的』を果たすための出発点なのだと、赤月はそう感じた

机の上に並べられた食事を前にして、手を合わせる
と、食事を始める前にふと思い出した事があった

「そうだ、今更という気もするけど、咲良に言いたい事があったんだ
 ・・・・・面と向かって言おうとすると少し恥ずかしいけれども」

「私と・・・・友達になってくれないか」

言おうとはしていたが、学校では言えなかった言葉だ
そして、これはこの町に来て初めて言った言葉でもあった

520飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/11(金) 00:37:13
>>519

「それなら、今度一緒に買い物行く?
 『ぬいぐるみ』とか、お揃いで買ったら楽しそうだよ」

きっとこの町には知らないだけでいろんなお店があるだろうし、友達と行けたら楽しそうだから。

「ハイリョウ…拝領?
 赤月さんってすごく大人っぽい言葉使うよね。
 これが、赤月さんのお役に立ちますように」

赤月さんの手を合わせる動作に合わせて、私も手を合わせる。
いつもと同じ缶詰とごはん。だけど誰かと一緒で、特別なごはん。

「いただきます」

そう言ったところで赤月さんが止まったことに気付く。
話をふむふむと聞いて、大きく頷いてみる。

「私、赤月さんとはもう友達なつもりだったみたい。
 改めて、よろしくね。赤月さん!」

二人での食事は和やかに過ぎていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『フラジール』さんからの『アリーナへの紹介状』をもらったやりとりはこちら。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1591247432/641-657

521赤月『サクソン』:2021/06/11(金) 00:56:03
>>520

「お揃いの『ぬいぐるみ』か、ふふ、それはとても素敵な話だ」

口元を綻ばせながら、楽し気に買い物の話をする
これもまた、今までにない初めての経験であった

「・・・・ありがとう、改めてよろしく頼む・・・・咲良」

友達と一緒に食べるご飯
それは赤月にとって、とても楽しい最初の経験であった
この先に待ち受けているかもしれない『闘い』は一旦心の隅に仕舞い込み
今はただ楽しい時間を過ごしていった・・・

赤月ナカレ『サクソン』⇒『アリーナへの紹介状』を獲得
            『友達』が出来た

522甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 08:05:45
厨房
「いつになったらなくした未来を私ここでまた見る事出来るの?」

白い布地に返り血を浴びたようなエプロン(そういう絵柄)を着用し料理をしている

こいつはここの住人ではないが、風邪を引いた>>523のお見舞いに来てお粥を作っているのだ

523大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 11:51:12
>>522(甘城さん)

「ゴホゴホ……いつもすまないねえ……」(↓風邪引き&余裕がないので演技してないぞ↓)

緑髪・右黒目(いつものカラコン入れる余裕がない)・左黒目(いつものカラコン入れる余裕がない)の男装少年(16歳 女子)がベッドで寝込んでいる。

  ポッポくん(ハト) 「ポッポー」

     はーちゃん(ハムスター) 「ハムハムハムハム」

ハトとハムスターは傍らのケージの中でおとなしくしている。

524甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 12:31:47
>>523
「風邪引きは大変ね…」

完成したお粥を大神の前に置く

「食べられそう…?」

このお粥、普通のお粥ではない
何か『肉』が入っている…

あま公からは『血』のにおいがする…
元々返り血模様のエプロンだが、本物の『血』が付着しているようだ…

525大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 13:47:49
>>524
「やや、すまないねぇ……『甘城さん』」

「『甘城さん』で良かったよね?
この前のお墓にそう書いてあったような……?
ちなみにボクは『大神さん』なわけだけども」

エプロンの血を見つつ……
ありがたくいただこう。

  ズズズッ……モシャモシャ……

「この味……この肉はアレかい? ウミガメの肉かい?」

526甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 14:09:28
>>525
「正解、『甘城さん』さんで合ってるわよ、『大神さん』」

大神が食べたお粥は、普通に美味かった
塩味を効かせていて若干濃い目の味付けだ

そして、大神が口にした件の『肉』

>ズズズッ……モシャモシャ……

『鶏肉』よりもジューシーで、『魚肉』に似た感じもする
『鶏と魚の中間』のような味わいだ

>「この味……この肉はアレかい? ウミガメの肉かい?」

「不正解、『ウミガメ』の肉なんて簡単には手に入らないわ
 一回『料理』してみたいけどね…」

「けど、それに近い『肉』よ
 何だと思う…?」

お粥には『肉』の他に数個の黄色い『卵』が入っている

「そういえば、これは食前に飲む物だったわね…
 今更だけど…飲む?」

そういうとあま公は、コップに並々と注がれた『真っ赤な液体』を大神に差し出した

527大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 14:32:59
>>526
「やや、これは美味しいね……。
 『甘城さん』さんさわやか三組さんは料理がジョーズなんだね。
 ボクだったらこうはいかない。」

「はてさて……この不思議な肉は……
 ふむ、キミからのナゾナゾか」

「クジラ……ではないな」 ほえーる!

「ラッコ……ではないな」 ムワァ!パツンパツン!

「となると、スッポンではあるまいか?」 すっぽーん!

「真っ赤だね。トマトジュースかい?アセロラジュースかい?ありがとう」 ごくごくごく

特に疑いなく飲んでみよう。

528甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 15:02:25
>>527
「正解
 それは…さっき池で捕まえて来たスッポンよ」

そのスッポンは、先程あま公が池に行って捕まえて来たスッポンだ
その手には、スッポンに噛みつかれた痕があり、大分苦戦したようだった

「今度は、最近この辺に出没するようになった『ワニガメ』を捕まえて来ようと思うのだけど…
 どう思う?」

>ごくごくごく

疑いなく飲んだその赤い液体は、『鉄とワイン』の味がした
これは『生き血』だ
『スッポンの生き血』は酒と割って飲むものだ

529大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 16:06:04
>>528
「あっあっあっ……ちょっとちょっとちょっと……これは……」

ムラッ!

ズキューーン!!

希望とやる気がムンムンわいてくるじゃあねーかッ!!!

「その手の傷はまさか……ボクのためにか!?
 ああ、キミはなんということを!?」

風邪とスッポンとアルコールの融合カード!
ただでさえ演劇じみた大神さんの態度に磨きがかかったぞ!

「おお、キミの料理と看病ばかりか、その傷の十字架までボクは背負わねばならないのか!」

「よかろう!その悪しき『ワニガメ』とやらの捕獲にボクも協力しようではないか!」

乗り気だ!

530甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 16:32:31
>>529
「…大袈裟」

芝居がかった大仰な大神に
顔色一つ変えず冷静に対応する

大神のスッポン粥を手に取って

「病人は大人しく看病されてろ、ほら」

匙を大神の前に突き出す
「あーん」の形だ

「『ワニガメ』の危険度はスッポンの比じゃない…
 ハントするには相応の準備が必要…
 リスクは高い…けど、味は期待出来る」

531大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 16:58:40
>>530
「あむあむあむ……」
あーん、して食べる。

「……『10秒』だ。」
あむあむしながら、何事かを呟く。

「1日、1回、1個だけ、そして『10秒』。」

「その間だけ、ボクの手品は『魔法』になる。」

「……簡単に言うとボクは1日に10秒だけ『常軌を逸したレベルのヤバいモノ』を作成できる。

例えば『世界一鋭い銛』とか『アフリカゾウが瞬時に倒れる毒』とか。
それらは『固体』に限られるけども、想像できる範囲での『最強』を作れる。
最強の即効性の毒を使ったとしても、10秒で無くなるから、死だけを残して、後は無毒、食べても安心。」

「キミはその『ワニガメ』をどうしたい?
捕獲?殺傷?その他?」
問う。

532甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/06/12(土) 18:03:54
>>531
「それは、この前貴方が漏らした奴の能力?」

>捕獲?殺傷?その他?

「殺すわ」

一片の迷いも無く『殺す』と答えた、甘城天音

「奴らに罪は無い、けど
 放っておけば生態系を荒らす危険な外来種だから

 建前はともかく、単純に食べてみたいから
 外来種を駆除するっていう大義名分で狩る」

そろそろ食べ終えただろうか?
『ビター・スウィート・シンフォニー』の能力で
器に『桃のコンポート』を盛る

「それ食べて、早く寝なさい」

533大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/06/12(土) 18:28:07
>>532
「漏ら……漏らしてないよ!漏らしてないもん!漏らしてないから!」

あーやだやだ、漏らしたヤツって大抵そう言うんですよ。

「む、この桃のお菓子おいしい……スイーツ……」 ぱくぱく

「まぁ、ボクの手が必要なら呼んでほしい」

「今日の看病のお礼くらいはさせてくれたまえ」

「あ、コレ、ボクのLINE_IDね。呼び出したい時の連絡先。」
連絡先を渡しといた。そして、寝た。

534御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 00:49:11

        ――――ドサッ

寮内の一室に荷物を運んでいた。
出入りをスムーズにするため、
ドアストッパーを設置して開けっ放しにしてある。
近くを通れば、その部屋の中に、
『ジャパニーズホラー』じみた女がいるのが見えるだろう。

535飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 08:55:15
>>534

あれ?なんだか見たことあるような…憂さん?
憂さんって寮に住んでるとかは言ってなかった気がするけど…どうしたんだろう?

「こんにちわ、憂さん。
 その…この間(>>421)はくっついちゃってごめんなさい!」
「荷物、どうかしたんですか?手伝いますか?」

536御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 12:41:29
>>535

「あ………………『咲良』………………」

            ボソッ

呼び掛けられて、声のする方を向く。
ダンボールを床に下ろした所だった。
部屋の中には、布を被ったケージも置いてある。

「別に………………いい………………」

「気にしてないから………………」

本音を言うと、あそこまで怖がるとは思わなかった。
だが、ホラーというのは怖がってこそのもの。
あれだけ怖がってもらえれば、作品も本望だろう。

「………………『引っ越してきた』」

円谷世良楽・飯田咲良・空井イエリ・氷山あきは・ツネハラ……。
これまでの調査で、学校や寮内にも、
『スタンド使い』は少なくない事が分かった。
それらを『見張る』には、自分も寮に入居している方が、
何かと都合がいい。
同じ『清月生』としての立場を利用すれば、
近い場所から自然に動向を窺える。
そのため、今まで住んでいた『ワンルームマンション』から、
『清月館』に越してきたのだ。

「『荷物』………………あと『二つ』あるから………………」

「片方………………運んでくれる………………?」

『自室』を出て、寮の入口に視線を移す。

537飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 13:01:35
>>536

「よかったぁ…」

気にしてないという言葉にほっとして、息を吐く。

「『引っ越し』…!
 それなら今度から一緒にごはんとかテレビとか楽しめますね…!」
「にしても、この時期の引っ越しはちょっと珍しいですね。
 あ、でもこの間も一人来たし、意外とあるのかな…?」

この間引っ越して来た赤月さんの部屋はまだ殺風景らしいけど、憂さんの部屋はどうなるんだろう?
荷物がいろいろあるみたいだから殺風景にはならないかな?

「『荷物』ですね、わかりました!
 取りに行ってきます!」

そう言ってから私は寮の入り口まで行って、荷物を持って憂さんのところに戻った。

「持ってきました。
 荷解きとか手伝うことがあれば私と『シスター』がお手伝いしますよ」

『シスター・ゴールデンヘアー』は人並みの力はあるし、力仕事があるなら私より役に立つと思う。どうかな?

538御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 13:33:53
>>537

「――――――………………」

「………………うん」

          コク…………

やや間を置いてから、小さく頷く。
ここに来た『目的』を忘れてはならない。
スタンド使いに近付くのは、あくまでも『手段』だ。
改めて、そう自分に言い聞かせる。
情に流されてしまうようでは、『使命』は果たせない。

      スタ スタ スタ

「他にもいるんだ………………最近来た人………………」

「………………転校生?」

並んで荷物を運びながら、相槌を打つ。
今の時期というのは確かに珍しい。
自分には理由があるが、普通は転入してきたとかだろう。
珍しいといえば珍しいが、別に有り得ない事じゃない。
それが『昨日の相手』だとは思いもしなかった。

「………………ありがとう」

「じゃあ………………『それ』………………」

           スッ

そう言いながら、ダンボールの一つを指差す。

「中に『参考書』とか入ってるから………………」

「………………あっちの『本棚』に並べといて」

ダンボールは開かれており、
中には『心理学』の本がギッシリ詰まっている。
また、『恐怖』に関する書籍も多い。
『恐怖の原因と反応に関する総合的考察』
『最新科学で読み解くホラー』
『古今奇談怪談全集』
『実録心霊スポット行脚』
……そういったタイトルが目立つ。
部屋には机があり、その横に本棚が置かれていた。

539飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 14:00:05
>>538

「そうなんです、私のクラスに『転校生』が来て…!
 その子とこの間いっしょにご飯食べたりしたんですよ。
 今度紹介しますね!」

そういえば…赤月さんも早着替えしてたし、たぶんスタンド使い…なんだよね?
詳しくはわかんないけど、憂さんと同じようにお洋服のスタンドだったなぁ…。
そんなことを考えながら私はお手伝いをした。

「『本棚』ですね、わかりました。
 大学生ってたくさん本を持t…」

「ぴゃう…」

箱の中にある本は先日見た『ホラー映画』を連想させる感じで、私は思わず『シスター』を出してくっついた。
ここ最近は『シスター』に添い寝してもらったり、トイレの前に『シスター』を立たせたりと甘えてばかりだ。だって怖いし。

『シスター』を隣に待機させて、本の表紙を見ないようにしながら、本棚に片づけていく。

「う、憂さんって、『大学二年生』でしたよね。
 どんな勉強されてるんですか?」

この本が求められる勉強ってどんなだろう。
『趣味』じゃなくて『参考書』…だもんね?

540御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 14:21:59
>>539

その転校生がどんな生徒かは知らない。
話を聞く限りでは、咲良と同じ寮生のように思える。
まぁ、何かの足しにはなるだろうか?

「『専攻』は………………『心理学』………………」

恐怖関係の本も多いが、
それと同じくらい心理学関係のものもある。
恐怖関連の書籍については、『個人的な参考書』だった。
夜の街で道行く人間に『恐怖』を与える時、
どうやればより効果的かを研究するための。

「人に特定の『刺激』を与えた時………………
 どういう事が起きるか………………」

「………………そんな感じの研究」

        ――――ハラリ

本を片付けていると、一枚の写真が床に落ちた。
ダンボールの底に埋まっていたようだ。
7〜8歳ほどの少女が、12歳くらいの少年と手を繋いでいる。
背景は何処かの行楽地らしい。
写真に写る少女は、曇り一つない明るい笑顔を見せていた。

541飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 14:39:45
>>540

「『心理学』、勉強されてたんですね。
 ……それで怖い映画とか本とかいろいろあるんですね、納得です!」
「『刺激』…びっくりしたら思わず声が出ちゃうとかそんな感じ…です?」

そうして話しながら片付けをしていたら、写真が落ちたのに気付いた。

…これ、女の子と男の子…?
もしかして、憂さんの昔の写真かな?初恋の相手とかだったりして…!
ちょっと写真のこと、憂さんに聞いてみようっと。
そんなことを考えて、私は手に持った本を本棚に片付けてから憂さんの方に写真を持って近付いた。

「憂さん、片付けてたら写真が…。
 これ、憂さんです?可愛いですね…!」

542御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 18:25:08
>>541

「………………そーいうこと」

        ゴソッ

会話を続けながら、荷解きを行う。
そちらには食器類が入っていた。
皿やカップを出して、食器棚に収めていたが――――。

      ピク…………

「あ………………」

「………………『うん』」

御影憂の素顔を見た人間は多くない。
おそらく、咲良も見た事はなかったはずだ。
しかし、何となく『面影』が残っているようには感じられた。

「これ………………どこだっけ………………」

「………………『星見プレイランド』?」

確か、そんな名前の場所だったような気がする。
この頃は、まだこんな風に笑えた。
懐かしい思い出だ。
そう――――『思い出』。
それは、既に『過去』となっている。

543飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 18:52:13
>>542

「憂さん、やっぱりべっぴんさんなんですねー…!」

引っ越しの荷物に入ってるってことは憂さんだと思って聞いたら当たりだったみたい。
写真をわかりやすいところに置いておく。うん、やっぱり笑顔でかわいい。

「『星見プレイランド』!
 初めて聞きました、楽しそうな場所ですね」
「『星見』ってことはこのあたりの場所なんですか?
 実は私、まだまだ詳しくなくて…」

本棚の前に戻って片付けをしながら話を続ける。
本当は男の子のことも聞きたいけど、それ以上にこの場所が気になった。

544御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 19:14:33
>>543

「見られちゃった………………」

「………………えへ」

照れたように笑う。
芝居――ではなかった。
実際、恥ずかしいものがあるのは確かだ。

「レジャー施設っていうか………………
 体を動かす場所っていうか………………」

「大きな『エアー遊具』があって………………
 飛び跳ねたりして遊んで………………」

古い記憶を辿りながら語る。
だいぶ行ってないが、まだ営業しているのだろうか?
チェックしてないから分からないが、
何となく『そうだといいな』と思った。

「その時は………………
 『従兄弟』と行って………………」

「途中で迷子になって………………
 『呼び出し』してもらったっけ………………」

話している内に記憶が鮮明さを取り戻し、
ぽつりぽつりと言葉が口をついて出た。

545飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 19:50:52
>>544

照れ笑いしてるような気がする憂さんにつられて笑い返しちゃった。

「そうなんですね。
 憂さんってなんだかインドア派なイメージがあったんでちょっと意外かもです!」

私はあんまりそういうレジャー施設みたいなところ行かなかったけど、行ったら楽しかったのかな。
手を動かしながら話を続ける。

「『従兄』のお兄さんからはぐれちゃったんですか…。
 『呼び出し』で合流できたならよかった…」
「『従兄』さんってどんな人なんですか?」

なんとなくだけど、憂さんは凛としてるというか…一人っ子っぽいイメージがあったから聞いてみたくなった。
憂さんと一緒にいたお兄さんはどんな人だったんだろう。

546御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 20:20:40
>>545

昔は明るい太陽の下で動き回るのが好きだった。
今は『光』が嫌いになった。
夜の闇の中が何よりも落ち着く居心地の良い場所だ。

「………………『責任感』が強い人」

「それから………………『優しい』………………」

「『弱いものいじめ』が許せない人だから………………」

自分と同じように、『従兄』も昔と比べると変わった。
ただ、心の根底にあるものは、今でも変わっていないと思う。
『一般人』が『スタンド使い』に傷付けられる事を防ぎたい一心で、
血の滲むような努力で『準備』を整えてきた。

リハビリ中にコンピュータの専門知識と技術を学んで『特許』を取得し、
自力で動けるようになった後は各地を放浪し、
『スタンド』を手に入れるために、『スタンドを与える者』を探し続けた。
だけど、やっと見つけた相手からは、『才能がない』の一言で切り捨てられた。
そして、彼と再会した時、私は『スタンド使い』になっていた。

(――――すまない)

最初に、彼はそう言った。
自分がスタンド使いになって矢面に立つつもりだったから。
最初の予定とは立場が逆になってしまったが、後悔はしていない。

「今日………………一緒に『ご飯』食べる?」

「何か………………作るから………………」

無意識の内に過去に入り込んでいた意識を現実に引き戻し、そう言った。

547飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 20:40:22
>>546

「『責任感が強く』て『優しい』、『弱いものいじめ』が許せない…。
 ……『従兄』さんと憂さんって似てるんですね」

寮に変な人が出た。私のただそれだけの言葉で警察を連れてきてくれた。
お姉ちゃんを探してる。そんなことを言ったらLINEで見つかった?って気にかけてくれた。
私が悪いスタンド使いもいるって知ったとき。私が襲われたら協力してくれるって言ってくれた。

憂さんは本当に『従兄』さんと似てると、そう思った。


話していたら、気付けば本棚に本を詰め終わってた。

「え、いいんですか!」
「私も、その…お手伝いしてもいいですか?
 実は料理、へたっぴで…すこしでも練習したいんです!」

そういえば憂さんって激辛料理が好きって言ってたっけ?
作るのも辛いのが多いのかな?

548御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 21:08:43
>>547

「そう………………かな………………?」

自分では分からない。
自分がそんな人間だと、自信を持って言える気がしない。
今だって、自分を慕ってくれる咲良を騙している。
いっそ全部打ち明けてしまえば。
そうすれば、少しは気持ちが楽になるのかもしれない。

(『情』に流されちゃいけない………………)

感情は歯車に詰まった小石だ。
思考を鈍らせ、判断を狂わせる。
だから、『使命』に不要な感情は捨てなければいけない。
こんな事を思うのは、それが徹底出来ていないからだ。
『昨夜のスタンド使い』を『真っ直ぐすぎる』と称した自分も、
結局の所まだまだ甘い。

「これから………………『買い物』行くけど………………」

          スッ

「………………来る?」

ちょうど食器類の片付けも終わった。
スマホと財布やエコバッグの入った鞄を持って立ち上がる。
残りの整理は帰ってきてからでもいい。

        ザッ

先に立って部屋を出る。
表には、『御影』の表札が出ている。
それを見返してから、正面に向き直った。

「『豆腐』と………………
 『ひき肉』と………………
 『長ネギ』と………………」

その日の夕食は――――『麻婆豆腐』だった。
咲良に配慮して、辛さは『程々』だった。
ただし、自分の皿には『唐辛子』を大量に追加して、
『真っ赤』になっていたが――――。

549飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 21:38:20
>>548

「そうです!
 私にとって憂さんは『従兄』さんみたいに素敵な人です」

『ジャパニーズホラー』な外見は今でもちょっと怖いけど。それでもいい人だと思う。
少なくとも、私にとっては優しくて素敵な人だ。

「あ、はい!
 買い物行きます!」



その後は二人で買い物をして、一緒に『麻婆豆腐』を食べた。
辛かったけど、お母さんのご飯より美味しくて大人のお姉さんなんだって改めて憂さんを尊敬しちゃった。

……テレビとかで見そうなくらい、『真っ赤』な『麻婆豆腐』を食べてる姿はちょっとびっくりしちゃったけど。

今日もそんな、素敵な一日だった。

550御影憂『ナハトワハト』:2021/06/18(金) 18:54:22

    ガチャ…………

夜明け近く、『狩り』を終えて自室に戻ってきた。
その姿を誰かが見ていたかもしれない。
あるいは見なかったかもしれない。

       グラッ
           ――――ドサァッ

いずれにせよ、御影は糸が切れたようにベッドに倒れ込み、
そのまま昼頃まで眠り続けていたという。

551御影憂『ナハトワハト』:2021/06/22(火) 23:56:43

  ガチャ…………

『深夜0時』を回った頃、自室の扉を開けて廊下に出る。
第一は『夜の狩り』を行うためだ。
そして、今日は『別の仕事』もある。

     スタ スタ スタ…………

             行き先は――――『歓楽街』方面。

552赤月『サクソン』:2021/06/24(木) 23:45:06
先日から立て続けにあった『襲撃者』への対応で疲れが溜まっていたせいか
それとも、日毎に蒸し暑くなっていく日本の気候にまだ慣れていないせいか
その日の赤月はいつも以上に寝苦しい夜を過ごしていた・・・・
学生寮の自室のベッドの上で呻き声を上げながら、彼女は一つの夢を見た


夢の中で赤月が目を開くと、そこはかつて過ごしていた『家』の中であった
ふと立ち上がってみると、視線が随分と低く、昔の情景を夢で見ているのだと気づいた
鉄格子が嵌められた窓からは太陽の光が降り注ぎ、今が昼間だと知らせてくれる

ぐぅ、と唐突にお腹が鳴った
夢の中だというのにお腹が空くのか、とそのおかしさに笑いながら、
赤月は今よりもずっと小さな手を伸ばして戸棚を開けた
中には乾いて硬くなったパンがあったので、少しずつ噛んでお腹を誤魔化す事とした

兄が『仕事』に出かけてからもう2週間になる
今までも、『仕事』で長期間家に帰らない事はままある事ではあったが、
ここまで長く帰らないと流石に心配になってくる・・・・

とはいえ、『家』の扉には鍵がかかっているから勝手に出ていく事は出来ない
赤月は『本の部屋』に向かい、暇を潰す事にした

『本の部屋』には兄が仕事に使っているのであろうか、『戦闘』や『兵法』の本がたくさん置かれている
正直、あまり興味が湧く内容ではなかったが、娯楽の乏しいこの『家』で他にやる事もないため、
暇な時はずっとそれらの本を読んでいた

夕方になり、ガチャガチャと扉を開ける音が鳴り始めた
兄が帰ってきた合図だ! 一つ二つと外の鍵が解かれる音が続いたため、嬉しくなって玄関へ駆け出した
やがて、十の鍵全てが解かれ、蝶番を軋ませながら扉がゆっくりと開かれる―――
赤月はその様子を喜びに満ちた顔で見つめ・・・・・そして


兄の存在は『赤月の世界』の『全て』であった
がらんどうの部屋の中に、兄がいる時だけは生きる実感を感じさせられた
だからこそ・・・・『世界』を奪った人間は決して許さない


浅い眠りから目覚めると時刻は午前5時半であった
学校へ向かうには随分と早い時間であったが、寝直す気分でもなかったため起き上がって支度を整える
『アリーナ』の刺客が自分を狙っているという事実は、赤月の精神を確かに疲弊させていた
目の下に隈を作りながら、今日もまた学校へと向かう

553御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 07:57:27

     スゥー………………

談話室のソファーに横になっている。
昨日は『心理学』の講義に出て、
『ホラーモチーフの飲み屋』でバイトして、『ビラ配り』をした。
それが終われば、あとは自由時間。
『ナハトワハト』で不良やチンピラを数人ビビらせて、
寮に帰ってきた。
疲れてソファーに座り込み、そのまま寝入ってしまったのだ。

    「アレ乗りたい…………」

         ボソッ

    「………………来て」

      クルンッ

『寝言』を口走りながら、寝返りを打つ。
一見ソファーから落ちそうに見えるが、
器用にバランスを取っている。
『夢』を見ていた。
楽しかった思い出。
まだ『恐怖』を知らなかった頃の記憶だ。

554赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 16:13:20
>>553

「・・・・・・・・。」

学校から帰ってくると談話室で眠り込む女性の姿を認めた
いつもなら、このまま真っ直ぐに自室に帰る所であったが、
連日、気を張り詰めていた事による疲れのせいか、御影の横の椅子に座ると
そのまますぐに意識を手放してうとうととした眠りに落ちてしまう


   「ZZZ・・・・」
            ガタッ

      「ZZZ・・・・」
               ガタッ!!

器用にバランスを取る御影と違い、こちらは大分危ない姿勢だ
首が船を漕ぐ度に座っていた椅子が大きく動き、足元で大きな音が鳴る

   やがて・・・・・

 「ZZZ・・・・」
      グォ・・・
             ガッシャァァンッ!!

バランスが本格的に崩壊し、
遂には背中から崩れる様に大きく倒れ込んでしまった!

555御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 18:02:52
>>554

眠っていても、大きな物音は耳を通して頭に響く。
近くで寝ている人間を叩き起こすには十分な音量だった。
結果、御影の意識は、
夢の世界から現実世界に引っ張り出される。

    パチ…………

            ノソッ…………

ゆっくりと目を開け、まずは体を起こした。

            ササッ

       ササッ

変な場所で寝ていたせいで髪が乱れている。
両手で前髪を直し、髪の隙間から倒れている相手を見た。
『見た顔』だ。

「………………何してるの?」

        ボソッ

内心の考えを表には出さず、その少女に声を掛けた。

556赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 18:20:58
>>555

御影が髪の隙間から覗き込むように倒れた少女を見つめると、
先日の歓楽街で『見た顔』である事がわかる

「いたたたた・・・・・
 すまない・・・・起こすつもりはなかったんだ」

床にぶつけた背中に手を当てながら、倒れた椅子を支えにして起き上がる
中学生にしては身長が高いが、全体的に疲れたような表情を浮かべており、
目の下には隈が出来ていた

「少し、休むだけのつもりが寝入ってしまった・・・・」

そう呟くと同時に、忙しなく周囲に視線を向ける
まるで、何かを警戒しているようにも見える・・・・

557御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 18:40:23
>>556

何かを警戒している雰囲気。
理由は何となく分かる――というより、自分が理由だろう。
『尾行』は途中で中断したが、
追われる側からしたら精神を削られる事は間違いない。
それも『ナハトワハト』の強さだ。
どんな人間でも、張り詰めた状態が続けば隙が出来る。

「いいよ………………別に………………」

そして、隙を狙えば力で上回る相手も倒せる。
『ビラ』を撒いたのも同じ理由だ。
直接対峙すれば、『一般人』は『スタンド使い』に適わない。
しかし、『間接的な手段』なら、戦う方法は幾らでもある。
そのために『情報』を利用するというのが『一生』の考えだった。

「良かったら………………『うち』来ない………………?」

         スッ

「『お茶』………………淹れるから………………」

ソファーから立ち上がり、片手を上げて自室の方向を指差す。

558赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 19:01:39
>>557

「いいのか・・・・?」

普段であれば、こんな怪しい誘いに乗る事はありえない
普通の家の子でも、まともな危機管理能力があれば
知らない大人について行くなんて事はないだろう・・・・しかし

「では、お言葉に甘えよう」

連日の緊張のせいで危機管理能力がバグったせいか
はたまた、寝起きのせいで状況判断能力が欠けているせいだろうか
御影の誘いに簡単に乗ってしまう

夢遊病の様なふらついた足取りで、赤月は御影の部屋へと向かう

途轍もなく大きな『隙』だ・・・・
恐らく、一般人でも簡単に勝ててしまえるような・・・・

559御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 22:58:15
>>558

「同じ『寮生』だし………………」

(相当参ってるっぽい………………)

「………………『いいかな』って」

相手の反応から、
かなりコンディションは良くない事を理解した。
ともあれ、頷きを返して部屋に向かう。
表の表札から『御影』という名前が分かるだろう。

     ガチャ…………

「………………ここ」

基本的な間取りは赤月の部屋と同じだ。
そこそこ物はあるが、散らかってはいない。
中央に小テーブルが置いてある。

「適当に座ってて………………」

        スッ

「………………『お茶』淹れるね」

そう言って奥に引っ込む。
部屋の隅にはケージが置いてある。
白い布が被せてあった。

560赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 23:27:46
>>559

「ああ・・・・・」

どことなく精彩に欠ける返事をして勧められた通りに適当な床に座った
今一つ焦点の合わない目で部屋の中を見回す
ほとんど物が置かれていない自室と比べると生活感のある部屋だ

「・・・・・いけない
 少し、他人と関わり過ぎている・・・今も『奴ら』に狙われているかもしれないのに」

少しずつ、意識がはっきりとしてきた
先日の『高見盛』とのやり取りで今すぐに『攻撃』を仕掛けられる事はないと判断したが、
『歓楽街の監視者』が今も自分を見ている可能性は捨てきれない
他人を巻き込まないように、人との関わりは避けていたのだが・・・・

「私の詰めの甘さのせいだ
 御影、と言ったかな? あの人に累が及ぶ前に早くこの場を離れないと」

そう言いながら、立ち上がろうとしたところで・・・

    ふらっ・・・

「あっ」

      ガシャッ!

体調が悪い時に急に立ち上がろうとしたせいか立ち眩みを起してしまう
ふらついた足が布が被さるケージに躓く

561御影憂『ナハトワハト』:2021/06/28(月) 00:33:16
>>560

『御影』――それが『監視者』の名前である事を、
赤月は知らない。

      ハラリ…………

躓いた衝撃でケージを覆っていた布が落ちる。
そこから出てきたのは『白い蛇』だった。
『サウザンパインスネーク』と呼ばれる種類だ。
急に大きな音を出されて驚いたらしく、
頭を上げて赤月を見つめている。
そうこうしていると、『飼い主』が帰ってきた。

「あ………………」

     コトッ

カップをテーブルに起き、ケージに歩み寄る。

「いい子いい子………………」

ケージに顔を寄せ、蛇を落ち着かせる。
そうしてから、赤月に手を差し伸べた。
拒否されなければ、ベッドに座らせよう。

「………………無理してない?」

「『頑張りすぎ』………………良くない………………」

具合が悪いのは誰が見ても分かる。
こんな状態では、この間のように襲われた時、
とても対処は出来ないだろう。
だから連れてきた。
御影が属する『一派』としては、利用価値がある人間だ。
簡単に倒れては困る。

「何があったか知らないけど………………」

そして、御影個人としても、何となく放っておけなかった。
危なっかしいし、
どことなく自分と似た部分もあるように感じたからだ。
『追い詰めた責任』も――ないではない。

562赤月『サクソン』:2021/06/28(月) 00:57:48
>>561

部屋に上げ、休息を提供しているこの部屋の主人こそ
自身をここまで追い詰めている『監視者』本人である事を赤月はまだ知らない

「す、すまない・・・・あっ」

視線を下げる赤月に顔を合わせる様に『白蛇』が頭を上げた
爬虫類に対して苦手意識を持つ者は多い
しかし、赤月にとっては全てのものが目新しく・・・・

「綺麗だ・・・・」

「・・・・・はっ、申し訳ない、私の不注意で布を開けてしまった」

思ったまま、率直に感想を述べた
驚いた『白蛇』に何かをしてやろうかとも考えたが、宥め方がわからず
御影が差しだした手に従ってベッドの上に座った

「ありがとう・・・・ でも、このままじゃあ駄目なんだ」

御影の言葉を聞き、数秒ほどの間をあけてぽつりと呟く
視線はなんとなく『白蛇』の方をふらふらとさせていた

「すまない・・・ 何を言っているのかわからないと思うけど
 私は・・・・ 私は何者かに『監視』・・・『観察』されている」

被害妄想ともストーカー被害とも言えるような言葉ではあるが
御影にはわかるだろう・・・・目の前の少女が何に恐怖しているのかを

563御影憂『ナハトワハト』:2021/06/28(月) 09:34:45
>>562

「私は………………『御影憂』………………」

御影憂は『恐怖』を与える事を望み、
獲物を求めて夜の街を徘徊している。
それは自分にとって『食事』と同等の行為であり、
ゆえに止める事が出来ない。
しかし、決して無差別ではなく、
自らに定めた『ルール』が存在する。

「………………『大学部二年生』」

決して危害は加えない事。
人に迷惑を掛けずに生きている者は狙わない事。
その二つの『原則』を以って、
自身が憎む『邪悪なスタンド使い』になる事を、
ギリギリの所で踏み止まっている。

(ダメだ………………)

この少女は『獲物』になるべき人間ではない。
『ルール違反』だ。
このままでは、自分が憎む者達と同じになってしまう。

「これ………………」

       ソッ

持ってきたカップを差し出す。
中身は砂糖とハチミツ入りのホットミルクティーだ。
暑い時期なので、温度はぬるめにしてある。
こういう時は、
いきなり言葉で説得しようとしても上手くいかない。
まずは『感覚』に訴える事だ。

       ガシャッ

ケージを開けて、白蛇を外に出す。
蛇というと危険なイメージが付き纏うが、
それはあくまでも一握り。
全てが有毒であったり攻撃的である訳ではない。

        シュルルルル…………

白蛇は、飼い主の腕の中で緩やかに蠢いている。

564赤月『サクソン』:2021/06/28(月) 20:13:01
>>563

「あ、ああ・・・・『赤月ナカレ』だ・・・
 中等部の・・・2年生という事になるか」

赤月がここまで追い詰められてしまっている事は御影にとっては予想外だったかもしれない
心の中にやましい気持ちがあるからこそ、まったく無関係の出来事を繋げて考えてしまっている・・・
それが赤月の心の中に、存在しない『敵』を作り出してしまっているのだ

だが、双方ともにそんな不運な偶然が重なっているとは思いもしないだろう

「だから、すぐにでもこの部屋を離れ・・・・」

>「これ………………」

>       ソッ

「うっ ありがとう・・・・」

ベッドを離れ、すぐに自室に戻ろうとしたところで、カップが差し出される
お茶を用意してもらったのに、飲みもしないのは礼儀に反すると思ったのだろうか
腰が浮いたところで、また腰を落とし、カップの中の液体に口をつける

心地いい温度の甘ぁいお茶だ
ピリピリとした心が休まり、穏やかな気分にさせられる
そのせいか、すぐに部屋を離れる気分が失せていく

「・・・・随分と人に馴れた蛇なんだな
 何か、特別な訓練でもしているのか?」

565御影憂『ナハトワハト』:2021/06/29(火) 00:40:53
>>564

事実、想定外の事態であった。
本来ならば、そこにいることさえ気付かせずに、
終わるはずだったのだ。
そうならなかったのは、他の二つの要因が関係している。
『サクソン』の能力、『フラジール』の襲撃、『御影』の存在。
これら三つの要素が一つでも欠けていれば、
現在の状況には至らなかっただろう。

「ちょっと違う………………」

        ボソ

「蛇を人間に馴れさせるんじゃなくて………………」

「人間が蛇に合わせる………………」

「何を考えているのか読み取る努力をする事………………」

       ボソ

「………………つまりは『愛情』」

相手の事を知り、相手に近付こうとする。
距離を縮めさせるのではなく、こちらから歩み寄るのだ。
習性や好き嫌いが分かれば、
何となく接し方も分かってくるものだ。

「………………触ってみる?」

       ソッ

カップの中身がなくなった頃合を見計らって、
腕の中の白蛇を差し出す。
蛇というとヌルヌルしたイメージがあるが、
実際の蛇はサラサラした質感を持っている。
そして、動物と触れ合えば、
少しは落ち着くのではないかと考えたのだ。
『アニマルセラピー』という療法もある。
もっとも、普通は『犬』や『猫』だが……。

566赤月『サクソン』:2021/06/29(火) 01:20:32
>>565

「へぇ・・・・ なあ『白蛇』、お前は一体何を考えているんだ?」

お茶を飲み干したタイミングで、誘いの声がかかる
赤月はうん、と小さく頷くと両手を白蛇に差し出した

    シャラ・・・・

白蛇はゆっくりとした動きでこちらに乗り移る
鱗と肌が擦れてサラサラとした触感を感じる

「ふ・・・ふふふ、変な感覚だ・・・・冷たくて、さらさらしていて」

直前のアドバイスを実践するように、蛇がしたい事を考える
どうも、この蛇はそれ程動きたがらないように感じたため、蛇を両手に乗せたままじっとしている
だが、それではどうにも腕が疲れるため、やがて両手を自分の腿の上に置いた

「ふぁ・・・・・ん・・・・・・」

お茶を飲んで身体を温めたせいだろうか、
それとも『アニマルセラピー』が予想以上に効果を上げたせいだろうか
蛇を両手に乗せたまま、赤月の身体はベッドの上にゆっくりと倒れ込む

「・・・・・。」

耳を傾ければ、静かに寝息を立てているのがわかるだろう
どうやら完全に眠ってしまっているようだ
先程とは違い、警戒の解けた面立ちで、深い眠りに落ちている・・・・

567御影憂『ナハトワハト』:2021/06/29(火) 08:43:33
>>566

目の前の少女を見て、『昔の自分』を思い出す。
心に傷を負って長期入院していた頃の事を。
カウンセリングを繰り返したが効果はなく、
アニマルセラピーが行われた事もある。
転機が訪れたのは、ある夜の事だった。
その日は天気が悪く、雨が降り、雷が鳴っていた。
カーテンの隙間から窓ガラスが見え、
ガラスに映る自分の姿が、
一瞬恐ろしい怪物のように思えた。
その時に感じた『恐怖』が、過去の記憶と重なり合い、
自分の中で『何か』が弾けた。

「どーぞ………………」

          シュルルルルル…………

蛇が両手に乗せられると、
サイズに見合った適度な重みが腕に伝わる。
温厚な性質らしく、激しく動き回る事はしていない。
最初は鱗のひんやりした感覚が目立った。
しかし、徐々に鱗の下にある仄かな体温が感じられてきた。
そこにあるのは冷血さではなく、確かな『命の息吹』だ。

「――――――………………」

「ふぅ………………」

寝入ってしまった赤月を見下ろして、小さく息を吐く。
もし自分が本当に『刺客』だったとしたら、
この場で寝首を掻いている所だ。
しかし、そんな事をする必要はない。
直接的な戦闘ではなく、
『情報』を利用して『状況そのもの』を動かす。
それが『一般人』である『リーダー』のやり方であり、
『懐刀』である御影も、それに倣っている。

        ソッ

サウザンパインスネークをケージに戻し、カップを片付ける。
それから机に向かい、ペン立てからボールペンを取った。
一枚のメモ用紙に、以下の内容を書き付ける。

          サラサラサラサラサラ

  疲れた時はまた来ていいよ。
  御影さんの連絡先は→『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
  よかったらお話してね。

         スッ

折り畳んだメモを赤月のポケットに忍ばせ、
夏用のタオルケットを掛ける。
ポケットを探って、
ついでに『情報』を得ようかとも思ったが――――やめた。
『何となく』だ。
そして、借りた本を返すために図書館に向かった。
『小泉八雲著:怪談』だ。

568赤月『サクソン』:2021/06/29(火) 22:56:21
>>567

「う・・・・ん・・・・・・っ」

赤月が目を覚ました時、部屋には誰もいなかった
自分にかけられたタオルケットとポケットの中に入れられた『メモ』の存在から
どうやら、この部屋の主『御影』の世話になったという事を知る

「・・・・・・・しまった」

時計を見るとあれから数時間が経っているようだ
一瞬だけ、『敵』の存在が頭をよぎるが、すぐにその発想を打ち消す
久しぶりに不安に苛まれずに安眠したため、心に物事を考える余裕が生まれていたからだ

「違う・・・・大丈夫、大丈夫だ・・・・
 御影がいなくなったのは外出する用事があったから・・・・『奴ら』に襲われたわけじゃない」


「・・・・そうだ」

深い休息で頭が回るようになったおかげか、一つの考えが頭に浮かんだ
その考えを実行するべく、近くにあったボールペンを『仕込み刀』に変えて、自分の手の甲を切る

痛みはあるが・・・・すぐにその痛みは和らいだ・・・・
『サクソン』の能力が発動しないという事は、
この部屋に『目撃者』がいないという事だ

「クッ・・・・・! こんな簡単な事に気づかなかったなんて!
 ずっと私は・・・・・居もしない『幻影』に苦しめられていたのか・・・・・いや」

「ずっと休息も取らずに余計な気を張っていたのは私の方か・・・・
 ちゃんと休んで、頭が働いていればわかったはずの事だ
 憩わせてもらった御影には・・・・本当に感謝をしないといけないな」

改めて『メモ』を読む
簡潔ながら、こちらへの気遣いを感じさせる文章だ
赤月はそれを丁寧に折りたたむと、大事そうにカバンの中に仕舞った

「ありがとうございました」

この場にいない『部屋の主』に一礼をして
自室へと戻っていった

569一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/30(水) 14:03:15
すっかり『復讐者』たちの溜まり場と化した寮。
そこに一匹の『復讐者』が帰…侵入する。
湖畔の適当な枝を切り落とした物で身体を支える少年。

「少し気怠い…家まで遠いし中で休まないと…」

『フラジール・デイズ』との戦闘で負った軽い怪我とスタンド採血で不調だ。
硝子混じりの砂の掠り傷と『反発』で吹き飛んだ際の打撲。どれも軽微だが積み重なるとキツい。

「あっ、七篠先輩に連絡し忘れた…」

杖をスタンドに支えさせながらフラフラする。
タクシーだけは駄目だ。遊部先輩に渡したタクシー代=今月の食事代で使えない。
アリーナの諸々で手にした『百万』は屋根裏にある。

「庭で座ってスタンドエネルギーを…ハァハァ…」

『チラシ』を手に適当な椅子に座って休む。
チラシに描かれた次なる敵の姿に首を傾げながら。

570ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/30(水) 21:58:52
>>569

少年は寮の庭に備え付けれた椅子……ベンチに座る。


   ガシッ
                  「……ん〜」


するとベンチの下から手が伸びてきて、少年の足を掴んだ。
か細い鳴き声のようなものもかすかに聞こえる気がする。

571一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/30(水) 23:14:55
>>570
「ホームレス…寮に…?」

スタンドで腕を掴み返してベンチの下から引きずり出す。
自然薯のように優しく折れないように(パス精:CCA)

「悪いことしないから出ておいで」

「風歌さんだったら両手を外して泣かせる」

572ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/30(水) 23:28:46
>>571

「……ん」


小さく細い腕がベンチの下から出てくる様子は、
いきなりの事であれば、幽霊か何かかと思ってしまうかもしれない。
だが少年は冷静に、優しく手をベンチの下から引きずり出した。


「うう、眩しいの……
 なんじゃ……? 誰じゃ……?」


出てきたのは、少年よりも幼い金髪の女の子だった。
サイズの合わない大人もののシャツをワンピースのように着ており、
少々薄汚れているが、これはベンチの下にいたからだろう。
ホームレスというほどではない。

573一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/30(水) 23:56:04
>>572
「いや、なんか足を掴まれたから掘り返してみました。
 名前は一抹 貞世。それはそうと汚いです」

スタンドでナイの土埃を落としてあげよう。
『インダルジェンス』の腕は『悪感情』の『鎮静』の効果を常に展開しているので妙な感覚がするかもしれない。

「外国人さんです?」

スタンド使い『通り魔』のチラシを隣に置く。
ウルフカットの白髪である一抹も顔立ちは外国人っぽい。
傍目から見ると外国人同士の交流に見えるだろう。

574ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 00:10:27
>>573

「わしは日差しが熱いのでベンチの下に避難しておった者じゃ。
 名前はない……」


両手で日差しから目を防御しながら、名乗り返す(?)少女。
陸にうち上げられた魚のようだ。


「お? なにか、暑さが気にならなくなってきたような気がするの。
 あ……オバケじゃ」


が、『鎮静』の効果か、少し元気になってきた。
驚きも鎮められたのか、『インダルジェンス』を見て道端に猫がいた時くらいのリアクションをする。
驚きが悪感情かどうかは知らないが……


「外国人? うーん、多分そうなんじゃないかの」


自分の出身をいまいち把握していないのか、小首を傾げながら
ベンチの下からリュックを引きずり出し、水筒を取り出している。

575一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 00:46:30
>>574
「オバケ…ナイちゃんもスタンド使いっぽいですね。
 名前が無いからナイちゃんと呼びます」

「お家も無いとか? 私の家に来ます? 町外れの教会
 の隣に建てられたデカイ家ですよ。
 私を拾ってくれた老夫婦のお家です」

さらっと人を家に勧誘する。
子供同士の会話だからか不健全さもない。
あるのは世知辛さだけだろうか。

「私も人種不明ですし、町の懐の深さに感謝です」
あっ、リュックもある。半分だけホームレスですね」

「そういえば、七篠先輩の部屋の合鍵持ってたんだ。
 無断で冷房を使ってもバレない…」

風歌やナイちゃんのように生きるには図太さが必須。
そして、劣らぬ図々しさを一抹も持ち合わせていた。

576ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 01:04:48
>>575

「別にかまわんが……
 お前さんはここの住民ではないのか」


懐が深い町だが、闇の深そうな住民は多い。
いや、むしろだからこそだろうか。
ホームレスのいない町は、つまりホームレスを追い出すような町なのだ。


「家はあるぞ。わしのではなく死んだ爺の家じゃが……
 レイボウというのは涼しくなるやつじゃな?
 それはついておらんが……
 わしのスタンドはオバケは無いが、氷ならいくらでも出せるぞ。飲むか?」


飲んでいた水筒を振ってカラカラと音を立てさせる少女。
中に氷が入っているらしい。


「合鍵。知っておる。好きに入ってもいいというやつじゃな?
 ここは住みやすそうじゃの。
 やはり爺の家が使えなくなったらここに住むのがいいかもしれん。
 メイドさんもおるしの」

577一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 01:38:28
>>576
「あぁ、そういえば町の住民のつもりでしたが…
 ゴミ袋にねじ込まれていた私を義父母が拾ったのです
 から一応、私も町の住民ですね」

「闇ですか? 『エクリプス』やらスタンド使いの通り魔。それに両親を殺害したい子供とか」

ナイに通り魔の情報が書かれた『チラシ』を見せる。

『○月×日△時頃
    □□□ビル付近で通り魔事件発生
     犯人は身長160cm前後の若い女
       素顔を隠して行動している
       見かけた者は注意されたし』

「ちなみに今さっき実物と戦ってきました。
 人間そっくりの人型ヴィジョンで不審者っぽい格好で
『遊部』なる女性を追いかけて来ました」

「力は弱く動きは人並み。再発現する度に道具を出して
 襲い掛かってきます。珍妙な『演技』をしながら」

一抹の身体には軽い擦り傷や打撲傷が複数ある。
実際に戦って生き残った証拠である。

「そうそう! 涼しくなるやつです!
 七篠先輩って方の部屋ですが、まぁ、平気かな?」

「好き勝手は駄目ですよ。定期的にひっそり入るのです
 というより爺とやらな死体はしっかり埋葬しました?」

ナイちゃんが何処から来たのか不明だが生きてるのか死んでるのか怪しい連中の潜む星見町はホームレスには生きやすいだろう。
そういった者が町を廻しているのだ。逆に逃がしてくれないぐらいだ。

「えっ、メイド? そんなのも? えぇっ…」

578ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 01:58:20
>>577

「全然知らんの……テレビでそんなのやっとらんかったし。
 いや、通り魔とやらはこの間、風歌と百目鬼じゃったか……が、なにか話しておった気がするが……
 そういえばお前さんもさっき風歌の名を出して腕を折るとか言っておったような……
 喧嘩しておるのか?」


風歌鈴音と少女は2度会った事があるが、明確に自己紹介したわけではない。
風歌と百目鬼が互いに呼び合っているのを耳にしただけだ。
なので記憶は曖昧である。


「なんと。襲われたのか。ぶっそうな話じゃの。
 あの……傷口に貼るシールみたいなやつ……いるか?」


絆創膏のことだ。
近年、その効果は疑問視されることもあるらしいが……


「合鍵を持っていたら勝手に入っていいとテレビで見たがの……
 うむ、爺か? ちゃんと庭に埋めておいたぞ。
 苦労したが、死んだことがバレると色々面倒なことになる。それくらいはわしも知っておる。
 それで、ひっそり入るのか?」


テレビで偏った常識を語りながら、リュックを背負う。
リュックから突き出た竹刀からは『こ』『う』『か』『ん』と書かれた布が垂れ下がっていた。

579一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 02:33:12
>>578
「風歌さんは悪事(ワルさ)しますからね。
 定期的に色々折らないと…」

「しっかり埋めたなら大丈夫でしょう。
 日本は屋根さえ有れば生きるに困りません。
 ここが駄目なら教会でも大丈夫です。炊き出しも
 定期的にやるのでナイさんは生きていけますね」

ふと、目にした『交換』の文字に首を傾げる。
それがナイちゃんのスタンド能力なのではないか?

「ナイちゃんナイちゃん。背中の『交換』って何ですか?」

ナチュラルに寮内部へと侵入しようとしながら聞く。
彼女から何か良いものが得られるかもしれない。

580ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 02:48:15
>>579

「風歌のお嬢ちゃんはこの間、ソバを食べさせてくれたんじゃ。
 じゃが悪事(ワルさ)か……やはり怪しいお金なのかの。
 そんな事言っておったような気がする」

「ほう。炊き出しとな。
 今度行ってみようかの」


サイズの合っていないサンダルをカパカパさせながら
少年の後について寮へ向かう女の子。


「うむ。よくぞ聞いてくれた。これは看板? いや、ノレン? じゃ。
 わしは『交換屋』をやっておる。
 さっき氷をいくらでも出せると言ったじゃろう。
 正確には水筒をいくらでも出せる……じゃがな。
 わしの『スタンド』は一度『交換』したものを何度でも出せるんじゃ」

581一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 03:35:44
>>580
「あっ、これは『アリーナ』の連中が欲しがるやつ。
『エクリプス』って組織に捕まりますよ…」

「もしも、ナイちゃんが風邪で寝込んだら危ないので
 寮の合鍵と我が家の合鍵、この2つを絆創膏と
 交換してくださいませんか?」

「咽が渇いたので水筒と氷もください。
 交換素材は抹茶ムースケーキと手作りアイスケーキ。
 私の手作りだから消えようが誰も気にしません」

一抹の図太さが爆発する。『交換』によってナイが日常で
使える物を増やそうとしている。
今年の猛暑を彼女が凌げるように七篠先輩へと作った物も『交換』していく。

「スマホとかは後が怖いから無しにしましょう。
 ナイさんオススメの綺麗な物とかありませんか?
 市場価値が無くても綺麗なら構いませんよ」

一抹は男だが光り物が好きだ。天然石だろうが価値が無かろうと美しいなら好きだ。
偽物の宝石だろうと輝くなら喜ぶ少年である。

「あっ、寮の合鍵と我が家の合鍵は交換で一つ返して
 ください。餅パンケーキとシカゴピザを…」

ナイのことが心配なのか作り置きまで『交換』してくる。
恐ろしいほどの心配性だ!

582ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 03:59:29
>>581

「お、おお……?
 ばんそうこう? あっ、傷口に貼るシールのやつじゃな。
 えーと、水筒……」


急な注文に、わたわたと対応する女の子。
寮の合鍵とは『七篠の部屋の合鍵』だろうか?
いくらでもコピーを作り出せる見知らぬ人物に合鍵を渡されてしまう
まだ見ぬ七篠氏が哀れである。


「ええと? 綺麗なもの、綺麗なもの……ふうむ?
 凄い綺麗なものならあるんじゃが、『解除』したらただの定規に戻ってしまうしの。
 残るものの方がいいじゃろ? うーん
 え? ああ、『交換』が済んだら増やせるから鍵は普通に返してもいいんじゃが、
 別のものと『交換』してくれるならそれは嬉しいが……」


嬉しい悲鳴、というやつか。
怒涛の注文に慌てている。
歩きながらでは受け渡しも難しいし、部屋についてからゆっくりやり取りした方がいいかもしれない。
(もっとも、『所有権』の『交換』であって受け渡しをする必要はないので
 口で言い合うだけでも成立はするのだが)

583一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 09:39:46
>>582
「ナイちゃんと七篠先輩のスタンドは相性が良い。
 だから仲良くなって欲しいです」

「広葉樹とか発現して強いのですから。
 いずれ、私もスタンドが成長して追いつきますが」

このナイちゃんって子のスタンド能力は弁理すぎる。
ある程度は私たちの射程内に納めたい。
それにホームレス生活だって長くは続くまい。

「そういえば、遊部ってスタンド使いには気をつけた方が良いかもしれません。証拠は半分だけですが通り魔スタンドの本体かもしれません」

「『悪感情』の『鎮静』を受けて苦しむ姿など初めて
 見ました」

そうこう喋っていたら七篠先輩の部屋に着いた。
一抹は勝手に入って冷房のスイッチを入れている…

「天然石とか鈍くても光る石は見つかりましたか?」

584七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 11:25:41
 部屋に入るとベッドが一つに勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫。
 壁には手のひら大の付箋があちこちに貼られている。一部の付箋からは『白い花が咲く枝』が生えていてなにやら甘い香りが漂っている。

 エアコンが音を立て、冷気を吐き出しはじめたその部屋に、焦げ茶の髪を背中に流したお姉さん――七篠がいた。

>>583

――あれ、冷房…?
――一抹さんかな、よく涼みに来るもんね。

「お帰りなさい、冷蔵庫に麦茶ありますけど飲みますか…?
 ……あれ? お友達ですか?」

 一抹と、その後ろを歩く子供を見て七篠は目をぱちくりさせている。

585ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 11:50:54
>>583

「そのセンパイとやらもスタンド使いということか。
 そして遊部とやらもスタンド使い……?
 色々おるもんじゃな」


勝手に部屋にお邪魔する子供2人。
冷房を入れたからといってすぐに涼しくはならない。
『交換』で渡された『水筒』の中身は『関 寿々芽』自家製のお茶だ。
味は少し独特だが、さきほど言ったように氷が入っている。
部屋が冷えるまでの間、氷を楽しむことは出来るだろう。


「石な……変わった石は時々、仕入れとして拾うんじゃが、重いからの。
 あんまり持ち歩いてはおらんし……小粒ならいくつかあるが、あんまりピカピカしたのは……
 ああ、石ではないらしいし、光ってもおらんが、綺麗なのはあるの。
 ダイアナちゃんが言うには石じゃあないらしいが」


七篠氏の部屋のテーブルを勝手に使い、リュックから出した石を並べていく。
多くは赤や緑だったり変な模様が入った石で、雲母や翡翠なのかもしれないが、
透き通ってキラキラしているということはない。
ナイが言う、「綺麗なの」はシーグラスだ。
波で洗われた曇りガラスなので、ピカピカはしないが、宝石のようではある。


「それと、さっき言ったように本当はただの定規なんじゃが、コレとか」


こちらは、『小翠 蒼輝』と『交換』した小槌だ。
本体は木製だが、金銀宝石で装飾が施されている、豪華な一品である。
ただしスタンド能力で変身させたもので、解除すると定規になる。

586ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 11:54:10
>>584

「!?」


気づかなかった……入った時は台所とか死角にいたんだろう、多分。
いかにこっそり入ろうと、すでに住民がいるなら無意味である。
そして部屋の主ならば、普通にいて何もおかしくはない。


「おおお、おるぞ。
 いや、合鍵があるならば許可されておるという事じゃからよいのか」

「……お邪魔しておる!」


ちょっと慌てたが、とりあえず挨拶した。

587一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 12:19:59
>>584
「おじゃまします。この子は凄いんですよ!
『交換』したものを無限に出せます!」

「代償として七篠先輩の部屋の鍵が一個増えます」

軽い擦り傷と打撲傷に絆創膏を貼りながら答える。
何やら不気味な『チラシ』も持っている…

「この『チラシ』の通り魔と戦って来ました。
 それでボロボロになってたらナイちゃんと会いまして」

抹茶ムースだの手作りアイスを差し出す。
そして、当然のように部屋の隅っこに座る。

>>585-586
「『シーグラス』とミニアイスケーキを交換で…」

「あっ、彼女の部屋の主です。優しい人ですよ」

と、持ってきた抹茶ムースだの手作りアイスを置きながら隅っこに行く。

588七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 12:33:23
>>585-586

――『お邪魔しておる』…。
――このくらいの子がちょっと変わった口調で話すのってなんだか可愛いよね。

「挨拶できて偉いです。
 えっと、私は『七篠譲葉(ナナシノユズリハ)』と言います、お嬢さんはお名前は?」

 勉強机に石を並べていたのを見て、ちゃぶ台を出しながら話しかける。

――『スタンド』の話してたし、こんな小さいのに『スタンド使い』なのかな?

>>587

「いらっしゃい、たくさん増やせるのはすごいですね。
 じゃあ、この子も『スタンド使い』なんですね」
「……一個増えるくらいならいいかな?
 お嬢さん、他の人にあげたらお姉さんはすこし困っちゃうのでやめてくださいね?」

 そうして話しているうちに一抹のボロボロな様子に気付いたようだった。

「一抹さん、また怪我してるじゃないですか!」

 『リルトランク』で壁の付箋に一枚剥がし、一抹の背中に貼る。
 そしてまだ絆創膏を貼っていない切り傷の近くに巻き付くように『サネカズラ』を生やす。
ttp://www.e-yakusou.com/sou/sou320.htm

「『オジロ』の怪我に使ったのと同じ葉っぱです。
 傷のところに揉んで貼り付ければ多少でもよくなりますよ」
「おやつ、ありがとうございます」

 一抹用と思われるクッションが当然のように準備されている。

589ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 12:51:50
>>587-588

「凄いじゃろう。
 名前はない。一抹ちゃんからはナイと呼ばれておるが」


褒められて得意気だ。


「そうじゃ、さっそく見せてやろう。ぬん」


二人が治療している間に、ちゃぶ台の上の上の石が、特にエフェクトもなく、
瞬時に袋詰めの大量の駄菓子やら、今交換したばかりのアイスケーキや抹茶ケーキやらに変わっていく。
まるでパーティだ。
無限に出せる、と言っても本質的に『交換』なので、石が交換素材になったわけだが……
元が石でも交換後の物に影響は無い。食べる人が気にしなければ。

590一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 13:20:02
>>588
「えへへ、『エクリプス』構成員みたい本体は逃がしちゃいましたが…次は本体を頑張って殺ります!」

外国人のような子供二人、大量のお菓子、『エクリプス』構成員殺害宣言をする子供。
普通なら怪しまれるが星見町は懐が深い。

「たまにはナイちゃんもお部屋に入れてあげてください
『交換』した分だけ彼女のレパートリーは広がります」

七篠先輩の部屋が子供たちとスイーツに占領されていく。
一抹がデザートを持ち込む度に七篠先輩は太っていくのだ…

>>589
「私が『殴打変換型』と呼ぶスタンド能力に似てます
 どんどん食べてくださーい!」

当たり前のようにクッションを手に取り食器を配る。

591七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 13:26:03
>>589

――名前はナイ、ナイちゃん。

「ナイちゃん、可愛いお名前ですね」

 おそらく天丼である勘違いをしたところで七篠は治療を終えたらしく、ちゃぶ台がおやつで埋まっているのを見る。

「わぁ、この駄菓子懐かしいです…!
 えっと、ナイちゃんの『スタンド』は『交換』するとものが増えるんですよね?」

 『リルトランク』で『みかんの実った枝』を手のひら大の付箋に生やして、付箋ごと手に持った。

「『みかんの枝』と、その駄菓子を交換できませんか?
 私の子はいろんな『木の枝』が生やせるんです。
 もし他のがよければこういうのがほしいって言ってくれれば準備できるかも…」

 子供の欲しがりそうなものとして、食べ物が成る枝を作ったが、『みかん』であることにこだわりはなさそうだ。

>>590

「……『エクリプス』?」

 七篠は悪いスタンド使いがいることがあるというのは知っているようだが、
『エクリプス』という単語に覚えがないらしく、首を傾げている。

「正直、一抹さんがよく来てるので子供が一人や二人増えようと気にしないですよ。
 ナイちゃんもこれからぜひ来てください」

 一抹の肥えさせようという作戦(?)に気付かないまま、七篠は一抹の準備した『抹茶ムース』に手を伸ばした。

592ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 13:54:37
>>590-591

「勇ましいんじゃな。わしは喧嘩はしたことないのー。
 スタンドのオバケもおらんし」


『ベター・ビリーブ・イット』にヴィジョンは無い。
『交換』物は交換元の物質と完全に同じなので、スタンド物質でもない。
よってスタンドに干渉できる方法が少ないのだ。
今ちゃぶ台の隅に置いてある小槌は数少ないスタンド物質である。


「ほう。七篠先輩ちゃんも食べ物が出せるんじゃな。よいぞ!
 食べ物も大分充実してきたの。
 欲しい枝か? ……枝……うーむ。カッコいいやつを頼む」


そういう意味では『みかんの木の枝』……貴重だ。
武器になりそうなものがあれば自衛力が上がるかもしれないが、
ナイには戦闘経験が無いこともあり、あまり思いつかないらしい。


「知っておるぞ。『エクリプス』ってあれじゃろう。新幹線のことじゃ」

593一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 21:58:48
>>591
「少し昔に来たスタンド使いの大集団で町に月を堕そうとし、考えうる悪行を成し遂げた連中らしいですよ」

「現代のナチスみたいなもので今も残党が残り、多くの
『アリーナ』所属者が死ぬほど恨んでいます。
 この前の『緒方』さんは特に…」

知らなくてもいい気もするが三回は連中絡みのせいで死んだから教えておこう。
『エクリプス』構成員を名乗っていない不審者スタンドも見つけ次第、『アリーナ』に確保させたい。

「私が関わった事件が成功したら星見町に『悪霊』が
 彷徨って適合した人は暴走スタンド使いに。
 適合しなくても武器を手にした者の殺傷事件が絶えな
 い地獄が誕生してました」

「ついでにスタンド使い7人で挑んでも軽く皆殺しに
 するのが二人。七篠先輩もスタンドに目覚めた以上
 は逃げられませんよ」

>>592
「殺し合いがしたくなくても勝手に来ますからね…
 ナイさんとか歩くドラえもんですよ。
 知ったら捕まえて良いように使いたいと考える連中
 は無限に現れるかと…」

「私も七篠先輩みたいに『慈悲の刃』を…一体型だから
 無理ですね…」

『インダルジェンス』の手の甲から二振りの刃が展開される。流石に『交換』対象とはならないだろう。
その前にナイちゃんには確たるスタンドヴィジョンが存在しない。

「ナイちゃんは世界一硬い樹の枝とか燃えるユーカリの枝とか自衛のために『交換』した方がいいですね」

と、言いつつ学生鞄からリコーダーを取り出す。
先端が斜めに斬られた竹槍コーダーだ。
地味に斬る突くが可能な武器である。

「この竹槍コーダーもオススメです。斬る突く!」

594七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 22:09:30
>>592

「格好いい枝…」

 七篠は片手に『みかんの枝』を持ったまま、もう一枚『手のひら大の付箋』を持ち悩みこんでいる。
 父親はよく家を空け、祖母と二人の時間が多かった七篠には『格好いい』がいまいちわからないようだ。
 そして、なにかを思いついたように『異様に棘が生えた枝』――『スナバコの枝』を生やした。なにやら『木の実』が生えている。

「なんだか、肩とかにトゲトゲがついてたりすると格好いいって聞いたことがある気がするので…。
 こういうのはどうですか?」
「この枝、トゲトゲしてるだけじゃなくて『散弾を発射する枝』なんです。
 強いのは『格好いい』…ですか?」

 『スナバコの枝』は見かけの厳つさに加え、種を時速240kmで周囲に飛ばすことがあるという強さもなかなか魅力的な木だ。
 もちろん、出しっぱなしで破裂してしまったら危険なので交換したものはひとまず七篠によって解除されるだろうが…。
ttps://news.nicovideo.jp/watch/nw5841807
ttps://ryusblog.exblog.jp/17191459/

――ロボットアニメが好きな男の子が『トゲトゲ』と『強いの』を格好いいって言ってた気がするし、ありかな…?

>>593

「『エクリプス』…。
 新幹線じゃなくてそんな怖い人たちだったんですね…」
「『アリーナ』の人たちと今後も関わるようなら知ってた方が良さそう…。
 一抹くん、ありがとうございます」

――とっても怖い人たちがいて、その残党が今もこの街にいるかもしれない。
――また、戦うことになるかもしれない。
――その時のために、すこしでも練習しないと。

「その話を聞いちゃうと…ナイちゃんに強い枝をあげたいですが…」
「『ユーカリ』は摩擦で発火させてるので…。
 ナイちゃんの能力で摩擦させられるなら燃やせるかもしれないですが…」
「『リグナムバイタ』は硬い分、すごく重いですし…」

 そう言いながらナイを七篠は見る。
 『リグナムバイタ』は一抹より年少の少女が持つには重すぎそうに思える。

595ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 22:29:55
>>593-594

「ふーん? 悪い奴らなんじゃな!」


リアクションは軽かった。
実感が無いのかもしれない。
月を堕とすだとか、まさしくテレビの中のフィクションでしか見ないだろう。


「それで悪い奴らをやっつけられるというわけか……
 うむ。カッコいい!
 ではこれと『交換』でどうじゃ!」


とはいえ、悪に対抗する事は乗り気らしい。
それはそれで逆に危ない気もするが。
それとも、いつになく協力的な人間に囲まれてテンションが上がってるだけかもしれない。
無意味に手を振りながら、リュックから取り出した適当なゴミから『交換』で出現したのは、
茶色い塊……『キーウィのぬいぐるみ』だ。よく見ると黄色いクチバシがある。
一抱えもあって無駄にデカい。


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