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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その1

606白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/08(金) 03:35:56
>>604(中務)
>>605(GM)

『是正』――その言葉を確認するように、中務に頷き、入室する。

そして白町は図書室内を見渡す。
ここで『よからぬこと』が起きているとは、とても思えない光景。
そう思える環境は『図書委員』や教員の不断の努力で築かれ、
そして、今、不届き者によって脆くも破れようとしている。

――――『是正』を、しなくてはならない。それを確認する。

「安心なさい。『約束』は、守るものです。
 ――――お待たせを、いたしましたね。
 『風紀』の白町千律、『是正』に参りました」

                ペコリ …

「お気遣いをどうも。失礼、いたしますね」

        ストン

頭を下げて、椅子に座る。

「さて……委員会やせんせい方を通さず、
 『直接』わたくしを頼ったこと。『弁明』という言い方。
 なにか『やましい』思いが、あるのですね。
 風紀として耳に挟んではおりますが、
 図書室は『巻き込まれた側』でしょうに、
 なんという責任感なのでしょう……素晴らしい」

「ぜひ、お話しください。そうしたらわたくし、心して聞かせていただきます」

607中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/08(金) 10:45:54
>>605-606

(安心するなぁ……)

図書館にはよく来る方だ。
何かと世話になる場所だからこそ、今回の騒動の解決を引き受けたところもある。
この匂いこそは本を愛するものにとっての玉露の香り。
なんともかぐわしい。

「図書室閉鎖されてるとボクも困るので……どうも、演劇部の中務っス」

別に演劇部の部分は要らなかったな、と思った。
白町に引っ張られてしまったのだろう。
彼女は風紀委員なのだからそれを名乗るのは場に合っているのだ。
演劇は関係ない。
中務もまた、椅子に座る。

「弁明ってまたまた……」

「あー……何か落ち度でも?」

608『火はなくとも煙る』:2020/05/08(金) 21:04:42
>>606(白町)

 使命感に駆られながらも、恭しく頭を下げる。

「……『噂通り』ね。だからこそ、貴女を頼ったのだけれど」
「……そして、『図星』。先生方には、頼れない『事情』がある」

 女生徒は、やや緊張した面持ちだ。

 年上の風紀委員である貴女の前では、行儀よくしないといけない、と、気を張っているのか。
 或いは、年下だからといって舐められたくない、と、肩肘を張っているのか。
 いずれにしても、表情は硬い。

「……でも、あまり褒められたものではないんです。
 責任感というよりも、もっと『個人的な』感情だから」

「……それに、どちらかというと。
 私が、貴女たちを『巻き込んでいる』。
 それについては、申し訳ない、と思っているわ」


>>607(中務)

 慣れ親しんだ匂いに、気を解す。
 同学年と思しき『図書委員』の女生徒は、貴女の顔を一瞥した。

「中務さん、って名前だったのね。
 カウンター越しによく顔を見かけてはいたのだけれど」

 中務としても、貸出カウンターにいる彼女を、もしかしたら見かけたことがあるかもしれない。

「『落ち度』……どうかしら。
 私は、『図書委員』の落ち度だとは思っていないわ」

「責任逃れの『言い訳』、というよりも……そうね。『無実の証明』がしたい、というコト」


>両名

「……エヴァレット・ローレンス。二年、図書委員」
「もう知っているかもしれないけれど、一応。『礼儀』は大事よね」

 二人の自己紹介に応じるように、女生徒も名前を明かす。
 『ハードカバーの書籍』を机の片隅にずらすと、エヴァレットは居住まいを正した。

 ちら、と、入り口付近の掛け時計に視線を送る。

 高等部の三人は、今日は六限目の授業を終えての放課となった。
 現在、時刻は『15:47』。
 夕方というには、やや早いだろうか。

「……先ずは『飲酒』騒動について、事実を共有するわね。
 特に、『風紀委員』の白町さんは、詳細までご存知かもしれないけれど……」

 物語を読み聞かせるように、とつり、と、語り始める……。

609『火はなくとも煙る』:2020/05/08(金) 21:09:38

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 およそ、一か月ほど前。

 私立清月学園の高等部に通う一人の男子生徒に、謹慎処分が下された。
 学園の敷地内で、「未成年飲酒を行った」という疑いがあるためだ。


 時間帯は、『金曜日の放課後』。

 『千鳥足』で廊下をふらついていたところを、通りかかった教師に発見されている。
 教師曰く、顔は『赤らんでおり』、『呂律』も回っておらず、相当な『アルコール臭』もしていたが……
 当人は、飲酒の疑いをかけられて、相当に動揺していたという。


 その翌週、やはり『金曜日の放課後』。

 同じような時間帯に、未成年飲酒を行ったと思しき女生徒が現れた。
 彼女の場合は、急激な『体調不良』を訴え、保健室に駆け込んできたとのこと。

 『激しい動悸』や『吐き気』を訴えており、自力で立つことも難しいほど。
 やはり『アルコール臭』がひどく、傍目に見ても、明らかに『泥酔』していたが……
 飲酒の疑いをかけられると、取り乱し、泣きわめいて否定したそうだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…………それから、同じような『騒動』が立て続けに起きたの。
 最初は、その生徒個々人の問題だと思われていたみたい。
 けれども、何度も続いてしまったせいで、学園の偉い人がカンカンに怒ったみたいで……」

「……先生方も、最初の頃は、他の生徒への注意に留めていただけだったんだけど。
 これ以上の再発は防がなきゃいけない、というので、対策のために色々と動いているみたい」


 ……二人は、今週のホームルームが、普段よりも長かったことを思い出した。

 もし、教師の話を真剣に聞いていたのであれば……
 『飲酒』という具体的な単語や、謹慎処分を受けた生徒の話は避けていたものの、
 未成年の犯罪リスクに関する話や、素行についての説教をしていたことも、覚えているだろう。


「……ここまでが、『事実』ね」

「PTAの会報なんかには、しっかり載っているわ。
 騒ぎにならないように、生徒にはあまり知らされていないけれど……
 『風紀委員会』では、既に問題になっているかもしれないし、
 情報通の生徒が近くにいれば、詳しく知っていたかもしれないわね」


「……一息に話してしまったけれど。分かりにくい説明や、不明な部分はあったかしら?」  チラ

 エヴァレットは、『時計』を気にしている……。

610白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/08(金) 23:40:18
>>607(中務)
>>608-609(GM)

「『礼節』と『礼儀』は『社会』を円滑にするのです。
 それを弁えていらっしゃるあなたは『素晴らしい』
 わたくし、そういった『心遣い』が好きです。
 どうか『自罰』し過ぎず……そして包み隠さず話しなさい」

         パサ

緊張する様子と、『申し訳ない』という言葉。
羽織っていたブランケットを膝掛にしつつ、
そのように言葉を返した白町は静かに話を聞く。

「……成る程」

そして一通りを聴き終えると、小さく頷いた。

「『エヴァレット』さん、お話ありがとうございます」

               ペコリ
 
「それにしても、なんて、お話がお上手なのでしょう。
 『噂』はもとより、『先生の話』以上に『要点』が掴めました。
 やっぱり『本』を読んでいると、『語彙』が増すのでしょうね。
 ふふ……わたくし、すっかり聞き入ってしまいました」
 
「もちろん『完璧』ではありません!
 ですがそこは、『是正』すればいいのです」

             ピッ

そして、手を挙げた――――『挙手制』ではないのだが。

「話していただきたいのは『同じような騒動』について、なのですよ。
 それもまた『金曜日の放課後』……あるいは、『16時以降』でしたか?」

611中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/08(金) 23:49:39
>>608-609

「はぁ、なるほどっスね……」

そう呟く。
まぁなんとも不思議な話だ。
何がどうなってそうなったのか気になるところである。
また、弁明という言葉の意味も理解した。

「……」

質問はひとまず白町に任せる。
彼女が時計を見ていたし、自分もそこが気になるところだったからだ。

612『火はなくとも煙る』:2020/05/09(土) 18:42:35
>>610(白町)

「……あまり、褒められたものでは、ないです」

 白町の褒め殺しに、エヴァレットの頬がじわりと赤くなる。
 居心地悪そうに視線を泳がせていたが――――

「……そんなに、分かりやすかったかしら。
 それとも清月の『風紀委員』は、そんなところまで把握しているモノなの?」

 手を挙げて推論を述べた白町に、目を丸くする。

「……ええ、ご名答。いずれも、『金曜日の放課後』に起きている」
「時間については、……そうね。もう少し後で、説明をさせて」


>両名

「……ここからは、虚実の入り混じった『噂』。その境界線がどこにあるのか、私には分からない」

 時刻は、『15:49』。

 分針が進むたび、エヴァレットの表情に焦りが浮かぶ。
 まるで、『時間制限』でも設けられているかのように。

「……けれど、私だけが知っている情報もある。
 そして、私はソレが、『弁明』をするための『鍵』だと思っている」

「……『図書室』が『利用禁止』になったのには、理由があるの」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 『飲酒』騒動には、奇妙な点がいくつかあった。

 その一。

 『飲酒』疑惑の学生たちが摂取したと思しき、『アルコール飲料』の痕跡が見つかっていない。
 校内の『ゴミ箱』や敷地周辺を探しても、空き缶のひとつさえ出てこなかったという。

 このため、彼らに下された処罰は、『退学』や『停学』といった公的な罰則ではなく……
 あくまで素行不良による『謹慎』として、その内容には触れずに留まっている。
 明確な証拠がないため、警察沙汰などにもなっていない。この辺りは、私立校の閉鎖体質だ。

 その二。

 『飲酒』疑惑の学生たちは、いずれも放課後に『図書室』を利用していた。
 うち二人は『図書室』の中、それも自習席で、酩酊状態にまで陥っていたという。

 ……もしも、これが『連続した類似の事件』でなかったならば。
 それは『偶然』だとか『見落とし』といった言葉で、片付けられてしまっただろう。
 しかし、並列に揃えたことで、『共通点』というひとつの繋がりとなってしまった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

613『火はなくとも煙る』:2020/05/09(土) 18:44:19
>両名


「……先生方のうち何名かは、『図書委員会』の怠慢だ、と思っている」


     たかが、学校の委員会。
     そうやって侮って、手を抜いていたのではないか。

     もし、真剣にやっていたのなら。
     図書室内で、生徒が酒を飲んで悪ふざけをしていたのに、気付けたのではないか。
     気付いていれば、未然に防ぐことも出来たのではないか。


「……、的外れだとは言わないわ。でも、よほど自分たちが責任を被るのが、怖いみたいで」

 エヴァレットは、わざとらしく、大きな溜息を吐いた。
 平静を装って見えるが、言葉の端々が震えている。

「……むしろ、『図書室』こそが事件の温床だ、と睨んでいる先生もいるの。
 『利用禁止』になっているのは、そういうコト。
 担当をしていた生徒が、……彼らに、手を貸していたんじゃあないか、って」

「……そして、金曜日は、私が当番だった」

 その瞳には、暗い炎が宿っている。
 雪辱。その感情を薪木として燃える、粘性の炎だ。

「……『イギリス人は日本人と比べて、真面目に仕事をしない』んですって」

「……私は、日本生まれじゃあないし、日本の人々の勤労精神は、心から尊敬している」

「問題を解決するために、疑わしくなってしまう気持ちだって、理解しているつもり」

「…………でも。犯してもいない罪の汚名を被せられるのは。とても、悔しい」

 ふと、エヴァレットが時計を見上げる。
 時刻は、『15:51』。

「…………ごめんなさい。少し、感情が乗ってしまった。
 どうでもいいコトね、少なくとも、今は。
 大事なのは、『16時ちょうど』に何が起きるかと……私が、犯人の目星がついているということ」

「あと少しだけ、説明が続くわ。長くなってしまったけれど、今のうちに確認しておきたいところはある?」

614白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/10(日) 01:54:16
>>611(中務)
>>612-613(GM)

「褒め過ぎてしまいましたか。わたくし自制しますね」

泳ぐ視線に、笑みを僅かに抑え、挙げた手を降ろす。

「わたくし、『完璧』ですので。
 すべての風紀委員がわたくしのようではないのです。
 もちろん、そうなれば、いいのですけど」

それは『良くない』気はするが……
白町にはそれくらいの自負がある、のだろう。

「さて、お話の続き、お聞きしましょう。
 わたくし、褒め過ぎないようにしますが、
 内心は褒めてますので、『機嫌を損ねた』わけではないです」

両の手を膝の上に置いて、
再びエヴァレットの話に聞き入る。
そうして、『確認』を取られたときに改めて口を開いた。

「そのような『濡れ衣』は『是正』すべきですね。
 『文化』の違いは事実としてあっても、
 『人種』の違いだけで物事を決めるのは、 
 わたくし、とても、間違っていると思うのです。
 日本人とて、『さぼり』に走る者も多いですし……」

「『中国人』『インド人』『アメリカ人』『インドネシア人』
 『パキスタン人』『ブラジル人』『バングラデシュ人』
 『ロシア人』『メキシコ人』……勿論『日本人』も『イギリス人』も、
 『人類』は、77億皆等しく、『是正』するべき存在なのです!」

やや熱の入った口調だった。
自覚があるのか、少女は次の句の前に呼吸を挟む。

「『説明』を続けなさい。確認する事は、今は無いです。
 それと……わたくしは、あなたの『感情』、好ましく思っています」

褒め殺しを控えてはいても、白町は付け加えるように、エヴァレットを『肯定』する。

615中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/10(日) 20:46:01
>>613-614

(やっぱりこの人、ヤバいって……)

白町の言葉に絶句していた。
七十七億総是正だ。
褒め殺しするほどの肯定感を持ちながら、同時に全てを是正する感覚を持つ。
彼女の中でどういうバランスが生まれているのかが中務には分からなかった。

「ボクも特には……」

「ていうか、その、もしかして……ここに酔っ払った生徒が来る、とか思ってるっスか……? なんて」

彼女が時計を見ているのを確認してそう呟いた。
いや、まさか。
だってここは立ち入り禁止の場所なのだから。

「ま、まぁ……続けてくださいっス」

犯人に目星がついているらしいのも気になるが、とにかく話の続きを聞こう。

616『火はなくとも煙る』:2020/05/10(日) 23:35:35
>>614(白町)

「ええ、そうね……。ちょっと、心臓によくないから……」
「私も、気分を害した訳ではないわ。気を悪くしないでくださいね」

 褒め殺しにブレーキをかけつつ、貴女は『是正』の信念を高らかに主張した。

 エヴァレットは、そのスケールの大きさに少し身じろいだが……
 『濡れ衣』とはっきりと言い捨てた貴女に、微かな笑みを向ける。

「……ありがとう。他人にそう言ってもらえると、少し……楽になる」
「……ちょっと、『度が過ぎている』とは思うけれど」


>>615(中務)

 白町の主張は、貴女にとっては常識の埒外だった。
 言葉を失いつつも、ひとまずは話の続きを促す。

「……いいえ。私の狙いは、少し違う」

 話の本題を思い出したかのように、真剣な表情でエヴァレットが応じる。

「生徒たちの身に何が起きたのかは、私も分からない。
 けれど、何かが起きたのだとしたら……それは、確かに『図書室』の中だと思うの」


>両名


 そこまで話すと、エヴァレットは大きくひと息をついた。
 表情が曇り、僅かに逡巡する。

 しかし、意を決したように力強い目つきで、二人と視線を交わす。

「…………今から、私の話が少しでも『胡散臭い』だとか、
 『信用に値しない』と思ったら、すぐに『図書室』を出て行ってかまわないわ」

「……そうではなくて、『身の危険』を感じたりだとか……
 『どうしてそんなことに付き合わなくてはいけないんだ』、と理不尽に思ったら、そう教えて」


「――――但し、『16時』よりも、前に。それを過ぎてしまうと、間に合わないかもしれない」


 時刻は、『15:53』。
 彼女の示した『時間制限』まで、あと『7分』。

「…………『金曜日の放課後』。『16時ちょうど』」

 その耳が、再び赤く染まる。
 緊張か、それとも羞恥か。


「この『図書室』には、『幽霊』が出る。私は、それが、悪さをしているんだと……思って、る」

617白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/11(月) 01:26:23
>>615(中務)
>>616(GM)

「わたくし、それくらいで気を悪くはしませんよ。
 むしろそのお気遣い……素晴らしいものです!
 ……おっと。失礼しました、『自制』という『是正』をせねば」

『度が過ぎている』という言葉や中務の反応には、
白町も『無視』を決め込むことは無い。が、響いたかは謎だ。

そうして話を聞き続けていたが――――

「『幽霊』――――――ふふ。……とても、興味深いです」

白町は笑みを絶やさない。
が、嘲る笑みではない。
意図の読めない笑みは、
あるいは『素』の顔なのだろうか。

興味深い――――その言葉は『他意』を帯びていない。

「たしかに『この図書室の中』に『原因』があり、 
 なおかつ、それが『何も見つからない』以上は、
 目に見えないところにこそ答えがあるのでしょう。
 それは『幽霊』を疑う気持ちも、分からなくはないのです。
 ……ですが、それ以外にあり得ないという、程ではない」

「あなたも分かっているはずなのです」

             シュル ・・・

「その上で、恥じてまで可能性を口にした。
 ……何か、あなたなりの『根拠』があるのですね。
 それがとても、興味深いのです。よければその続き、わたくし達に聞かせなさい」

膝掛けにしたブランケットを、片手で僅かに持ち上げながら、促した。

618中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/11(月) 03:19:51
>>616

中務は持ってきていたペットボトルに口をつけて中の水を飲む。
視線は前にいるエヴァレットから外さない。
胸の中の内側が痒い。
なんとはなしに、嫌な予感がしている。

「幽霊っスか」

引っかかる。
あるいはモヤモヤする部分。
この場に酔った人物が来るのでは無いのなら……いや、そもそもアルコール飲料の痕跡がないのなら、なにかカラクリがある。
そのアルコールの出処はどこだ。

「……まぁ、信じない訳じゃないっスけど」

「耳、赤いっすよ」

619『火はなくとも煙る』:2020/05/11(月) 18:49:38
>>617(白町)

「…………」

 貴女の笑みの真意を探るように、エヴァレットの視線が値踏む。

 しかし、ややもせず、息を吐いた。
 どうやら、その表情からは意図は読めなかったらしい。

「『根拠』」

 その言葉の重要性を強調するように、はっきりと呟いた。

「……今、貴女たちに提示できるような『証拠』のようなものは、ないわ」

「というのも、すべて私の『主観』に過ぎないから。
 『16時』まで待ってもらえたなら、向こうから勝手に現れてくれる」

「……そういうコトではなくて。
 私自身が『幽霊の仕業』だと確信した理由について、というコトなら……

 一つ、『他の人にはまったく見えていないようだった』。

 二つ、『それが見えるようになった時期と、飲酒騒動の始まりが重なる』。

 ……こんなところかしら。
 悪霊のいる場所で、不思議と具合が悪くなる、なんて、よく聞く話でしょう?」


>>618(中務)

「……ええ。現実味のない荒唐無稽な話というのは、私も理解している」

 エヴァレットに視線を合わせたまま、ペットボトルに口をつけた。
 まだ冷たさの残る液体が、乾いた喉を滑り落ちる。

 貴女の指摘に促されたかのようにして、エヴァレットは自分の耳を触る。
 冷たい指で、火照りを冷まそうとしているようだ。

「……本当にこっそりお酒を飲んでいた、というオチのほうが、まだ現実味がある」
「私が貴女の立場だったら、疑うもの。鼻で笑われないだけでも、ありがたいわ」



>両名

「……話は、ここまで。
 要は、『飲酒』騒動の真相について、一緒に解き明かしてほしいということ。
 そして、あの『幽霊』が、きっとその真相に深くかかわっているはず。
 そのうえで、『飲酒』騒動がもう起きないように事態を解決出来たら、御の字といったところかしら」

「……今まで私にしか見えていなかった『幽霊』が、二人にも見えるのかは分からないけれど」

「私の叔母は、『霊感』の強い体質だった。
 そして、私も。
 他の家族や親戚には、『見えないもの』が見えたり……
 ちょっと変わった人や、奇妙な体験ばかり引き寄せてしまう」

「……だから、『誰か』を頼ろうとして、貴女たち二人に行きついたのも、偶然じゃないと思ってる」

620『火はなくとも煙る』:2020/05/11(月) 18:55:40
>両名

「……私は、『無実の証明』がしたい。
 謂れのない罪で、もう責められたくない。
 ……けれど、相手が幽霊なら、私一人にはどうにもできない。

 だから、せめて真相を解き明かしたいの。
 原因は何なのか。どうやったら解決できるのか。
 そもそも、本当に幽霊の仕業なのか。

 ……とはいえ、もし私一人で解き明かしたとしても、なんの慰めにもならないわ。

 【エヴァレット・ローレンスは、飲酒騒動とは無関係だった。】

 その真実を共有している、『誰か』が必要。
 口だけの慰めじゃあなくって、それが真実だと知ってくれている、『誰か』。

 そうじゃないと、納得はできない。
 もしかしたら、頭のおかしくなった私が、自分に都合のいい妄想をしているだけかもしれないもの」


   『15:55』。

   彼女の示した時間まで、残り『5分』。
   エヴァレットの口調が、いよいよ捲くし立てるかのように早足になる。


「……もう一度だけ、繰り返すわ。
 私の言っていることが、荒唐無稽なホラ話だと思ったら、席を立って構わない。
 或いは、そんなことに付き合わされたくない、と思ったら、『16時ちょうど』までに『図書室』を出て」


   自ら突き放すような口調だが、その視線に込められた思いは、言葉とは真逆のように思える。


「……それでも、残ってくれるなら。
 私は今度こそ、本当に、貴女たちを巻き込んだことになる。
 『幽霊』になんて、何をされるか、分かったものじゃあないわ。
 その危険を承知で、手を貸してくれるなら……『お礼』なんて、温(ぬる)いコトは言わない」

「……『貸し一』。貴女たちが困っているときに、無条件で手を貸す。それで、どうかしら」

621白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/11(月) 19:59:13
>>618(中務)
>>619-620(GM)

「―――――いいえ」

「提示できる『証拠』は、ありましたね。
 今の話が『根拠』たりえるのです。
 わたくし、その話、信じましょう。
 『わたくしに声を掛けたのは正解です』」

            シュル

「『冤罪』の証明――――
 そして『真相』の究明。
 それすなわち、学園の是正!」

「わたくし、手を尽くさせていただきます。
 それは、是正のためというだけではなく」

膝掛を膝から完全に持ち上げ、
最初そうしていたように『羽織る』。

「『貸し一つ』――――くふ。
 『風紀委員』の『役目』を引き合いに出して、
 無条件に協力させることも、できたでしょう」

             「ククッ」

「そうしなかった――――そこが『素晴らしい』
 わたくし、やはり、あなたのことも……好きなのです」

笑みを一段と深め、うなずく。それから『中務』を見て、彼女の答えを待つ。

622中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/11(月) 22:21:00
>>620-621

「……ボクにも信条ってものがあるので」

そう、言葉を返した。
荒唐無稽と思うかどうかは中務自身が決める。
そしてそうは思わないと決めたのだ。

「貸しは別にいいっスよ。ボクは図書室にお世話になってるので、もう一度使えるようになるのがお礼で」

正直、手を貸してもらうような状態になるかどうかが分からない。
だからそういう貸し借りを作るのはちょっとばかり面倒だ。
なぁなぁにしても仕方ないのだけれど、学生間のことに関してそこまでビジネスライクにもなれない。

「……なんでこっち見てるっスかぁー」

白町がこちらを見ているのに気づいてそう言った。
照れくさいのかなんなのか微妙そうな顔をして眼鏡をいじった。

623『火はなくとも煙る』:2020/05/12(火) 18:35:40
>>621(白町)

 膝掛を肩に羽織る貴女に、エヴァレットが笑いかける。

「……貴女、笑い方がちょっと怖いわ」

 手酷いコメントが飛んできた。
 或いは、信頼の証なのかもしれない。

「……『善意』にどれだけの値札を付けるかで、その人の価値も決まるでしょう」

「……汚名を雪ぐというのは、私にとっては大切なこと。
 そのために危険を冒してくれるなら、当然報いなくてはならないわ」

「『風紀委員』という肩書があったから、貴女を頼ったのは事実だけれど……
 その『役目』や『善意』を盾にして気楽に取り戻せるほど、安っぽい名誉ではないつもり」

「……とはいえ、『貸し一』が限界。学校で、金銭のやり取りもできないものね」


>>622(中務)

「……そう。『無欲』なのね。いえ、『達観』というのかしら?」

 自身の心情に則って返答する。
 『貸し一』にも首を振ると、エヴァレットは感心したように頷いた。

「……分かった。
 それなら、私が勝手に『借り』だと思っているわ。
 貴女は、何とも思わなくていい。それで、納めてもらえるかしら」

「……図書室も、ね。
 早いうちに再開するように、掛け合ってみる。
 ……当然だけれど、これは『貸し一』には含まないわ。」


>両名

 『15:57』。
 いよいよ、『残り3分』を切った。

 学園の是正という大義を掲げながら、エヴァレットを肯定した白町。
 慣れ親しんだ居場所、という一片の恩に報うために応諾した中務。

「……ふたりとも、ありがとう」

 小さな声だったが、その感謝の言葉は、はっきりと貴女の耳に届いた。

 ……コチ、と、軽い音を立てて、掛け時計の分針が揺れる。
 特に行動を起こさなければ、このまま『16時』を迎えることになるだろう。

624白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/13(水) 01:14:12
>>622(中務)

「失礼、わけなく見ていたわけでは無いのです。
 どう返事をするのか、気になっていました。
 事態はわたくしの『想定』を超えておりますし、
 あなたは『風紀委員』でも、生徒会でもない。
 断ったり、謝礼を釣り上げても、不思議はない」

「ですが……その『奉仕精神』ときたら!
 ああ、なんて素晴らしいのでしょう……
 手を組む協力者が、あなたのような方で良かったです」

どうやら、白町側では『組む』準備は万端らしい。
深い笑みを浮かべる表情は、少なくとも今は純粋に笑っている。

>>623(GM)

「ふふ……それは『是正』を、せねばなりませんね」

       グイ

指先で口角を軽く押さえる仕草。
真に受けてはいない、という事かもしれない。

「『貸し一つ』……それだけで『十二分』なのです。
 それを差し出してくれる、そのなんと尊い事でしょう!」

そして、席から立ち上がった。
その見開いたかのような双眸が、図書室全体を見渡す。

それは、この部屋の『窓』の位置を探っていた。
扉以外の出入口であり……『カーテン』を備える。

「…………わたくしに。いえ。わたくし達に、任せなさい!」

感謝の言葉には、よく通る声で、はっきりとそう返した。
中務という『仲間』を、白町は『信頼に値する』と考えていた。

625中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/13(水) 21:23:32
>>623-624

「ここまで話聞いてやめたってのはなしっスよ」

白町に言葉を返す。
その笑みは彼女らしい笑みだと受けとった。
かなり純粋な子なのだろう。

「無欲でも奉仕精神でもなんでもいいっス」

「ボクにはボクの理由ってわけで」

ペットボトルのキャップを閉め、立ち上がって伸びをする。

「そろそろっスね?」

その時を待つ。

626『火はなくとも煙る』:2020/05/13(水) 22:17:06
>>624(白町)

 中務の『奉仕精神』に感じ入りつつも、立ち上がって『図書室』を見渡した。

 私立一貫校である清月学園の『図書室』は、【東西】に広い。
 【南】の壁の両端に入口の扉があり、向かいとなる【北】の壁の中央に貸出カウンターがある。
 壁一面に敷き詰められた本棚以外は、自習用の机が等間隔に並べられている。

 『カーテン』を備えた窓は、すぐ近く。
 【北】の貸出カウンターの左右にあった。日照の悪い、北向きの部屋ということになる。


>>625(中務)

 白町の賛辞を受け流し、ペットボトルのキャップを閉める。
 立ち上がって伸びをした。少し、身体が解れたかもしれない。


>両名


   コチ・・・    コチ・・・   コチ・・・

                         ビィィィン・・・


 『分針』が、ひときわ大きく震える。


       キーン            カーン
              コーン             コーン・・・
  

 『16時ちょうど』。

 放課を知らせる、いつものチャイムが鳴り響く。

627『火はなくとも煙る』:2020/05/13(水) 22:18:08
>>624(白町)


   「…………、見え、ますか」


 エヴァレットの強張った声が耳に届くよりも、一足先に。

 『図書室』を見渡していた貴女は、『ソレ』を視認した。



      『ズ』

                『ズ  ズズ  ・・・ 』


 『図書室』の中央。


 西洋風の顔立ちをした、男性の姿。
 或いは、『絶世の美少年』とも呼ぶべき、黄金比の美貌。

 現代においては、やや時代錯誤的にも思われる、その衣裳。


          『 ド ド ド ド ド  ・・・ 』


 直感する。これは、『幽霊』ではない。『スタンド』、そのヴィジョンだと。


>>625(中務)


   「…………、見え、ますか」


 貴女の正面に座っているエヴァレットの顔から、血の気が失われる。
 恐ろしいものでも目の当たりにした、と言わんばかりの表情の硬直。

 その視線は、貴女の後方。

 横長に広い『図書室』の、ちょうど中央辺りに注がれている……。

628白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/14(木) 15:16:35
>>625(中務)
>>626-627(GM)

部屋の位置関係を。そして中務やエヴァレットを。

「ふふ……『理由』がなんであっても、
 その『結果』の行動が素晴らしい――――」

    スッ
 
              「――――ああっ!」

 
「エヴァレットさん、わたくし、見えます。
 ――――『あれ』が『そう』なのですね!」

巡った視線は、最終的に、『それ』に止まる。
大きな目が、いつも以上に見開かれる。
指をさし、『自分にも見える』事を二人に示す。

「なんて、綺麗なお顔なのでしょう。
 素晴らしい……まるで『絵画』のよう!
 是正すべきところを探すのが、難しいくらいです」

ブランケットの端を持ち上げ、口元を覆いながら褒める。
『アルコール』を散布するような『能力』を警戒する。

「中務さん、そのまま後ろを向きなさい。
 あなたに、見えるかは、分からないのですが」

「わたくしには『見えます』。
 エヴァレットさんと同じものです。
 もし見えないならすぐに逃げなさい」
 
「あれは、『見えない』者には、どうにも出来ないものなのです」

   「ですが『見える』わたくしには、『どうにかできる』でしょう」

『生まれついてのスタンド使い』である『白町千律』は――――動揺しない。

629中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/14(木) 21:56:10
>>626-628

「大丈夫っスよ」

「ボクの予想が正しいなら、後ろの正面に立ってるそいつが何なのか」

「分かっているはずっスから」

白町の言葉に呼応するように肩越しに後ろを確認する。
それと同時、中務の足元にはうずくまるような像。
体を丸めて、そこにいる。

「『エイミー・ワインハウス』」

ペットボトルを手放し、顔を上げさせたスタンドにキャッチさせる。
『エイミー・ワインハウス』にそこにいるだろう存在と自分たちの距離を測る。
接近しているようならこちらも何とかしないといけない。

630『火はなくとも煙る』:2020/05/14(木) 23:14:49
>>628(白町)

「え、えぇ。そう」
「……見えるのね、白町さん」

 まさしく、宗教的な『絵画』のような美しさの男性像を褒め称える。
 ……エヴァレットからは、困惑したような声音が返ってきた。

 ブランケットで口元を覆い、中務にも警告を発し――――、


         『  ニ ィ ・・・  』
                           フッ…

 ……そこで。

 貴女の視界から、『スタンド』のヴィジョンが消える。


           『  ピ タ ・・・ 』


 ……僅かほど遅れて。
 『何か』が、片頬に触れた感触を覚える。

 刺激のした方向へ、反射的に視線を向けると――――、


 『いる』。


 先程まで、視線の先に居たはずの、その『彫像』的な美しさを誇るヴィジョンが。
 貴女の、すぐ隣に。
 その『細腕』を伸ばし、『小枝』のような指先で、貴女の頬に触れている……。


       『   ニ ィ ・・・  』


 ……ひどく、『自己陶酔的』な笑みだ。

631『火はなくとも煙る』:2020/05/14(木) 23:15:35
>>629(中務)

 白町の言葉に応じ、振り向きながら『スタンド』を発現する。

 『エイミー・ワインハウス』。
 貴女が手放したペットボトルを、先ずは難なくキャッチした。


         『  ニ ィ ・・・  』
                           フッ…


 振り返った貴女の視界の端に、男性像らしきヴィジョンが映ったが……

 それも、『一瞬』のこと。
 完全に後ろを振り向く頃には、貴女の視界に『スタンド』のヴィジョンはなかった。

 ……しかし。

 しゃがみ込んだ姿勢から顔を上げていた、『エイミー・ワインハウス』の視覚は。
 それを、しっかりと捉えている。

 貴女自身が振り向くのと前後して、姿を消したはずのヴィジョンが――――


 『いる』。


 今度は、はっきりと視認できる。
 まるで神話の『挿絵』でも見ているかのような、肉体美を兼ね備えた『美少年』が。
 ほんの『一瞬』のうちに。
 貴女と、白町。そのちょうど間に姿を現している。


           『  ピ タ ・・・ 』


 気付けば、その華奢な手が貴女の頬に触れていた。
 目で追うのも困難なほどの所作。コイツ、恐ろしく速い――――!(スA)


       『   ニ ィ ・・・  』


 ……なんとなく、『気障ったらしい』印象を受ける笑みだ。

632『火はなくとも煙る』:2020/05/14(木) 23:20:05
>両名

                フッ…


 『触れられた』。

 それを知覚すると、ほぼ同時に、ヴィジョンが再び視界から消える。


「ふ、二人とも……」


 目の前の出来事に圧倒されていたのか。
 かなり遅れて、エヴァレットの引き攣った声音が耳に届く。


「……無事、よ、ね?」

「…………中務さん、その、ソレ」

「………………、何……?」

 どうやら、中務の足元に出現した人型のヴィジョン――――『エイミー・ワインハウス』について、問うているらしい。

633白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/15(金) 01:54:52
>>629(中務)
>>630-632(GM)

「ああ、『速い』……とても見切れない速力、素晴らしいです。
 触れるだけという事は、『触れて発動する』能力なのですね。
 わたくし、あなたのことを、もっと理解していきたいです。
 良い所をたくさん見つけさせてください。『是正すべきところも』」

「まずは……フフッ。その笑いは『是正』すべきですね」

触られた頬に、指先で触れる。
何か『触れてわかる変化』が無いかを確かめるためだった。
見た目の変化がないかは――――『中務』の顔を見て判断する。

「中務さん、『それ』は、アレより速いですか?
 わたくしの『それ』は、アレに追いつける速度はありません。
 それと……あなたの『それ』について、ぜひ説明してあげてください」

白町の『ハード・タイムス』は、速力にも、膂力にも長けていない。
『エイミー・ワインハウス』はどうだろうか。取り得る戦略は彼我の戦力で決まる。

「エヴァレットさん、わたくしは無事です。
 御心配いただいて、わたくし、嬉しいです。
 そして……もし荒唐無稽に感じても、『信じなさい』」

「今起きていることは、『心霊現象』などではないのです。
 ほぼ間違いなく、『人心』が引き起こす――――『人災』」


                    ―――  シュピン


        わたくしの手
「ゆえに、『ハード・タイムス』で、是正可能なのです」

『ハード・タイムス』を、発現する。
その手で自身の両肩に触れ、一つずつ『刻印』する。

説明は質問を受けた中務に任せ、白町は視界を巡らせ『ヴィジョン』を探す。
『神速で触れてくる』――――そこに『泥酔』の謎があるのは、間違いないだろう。

問題は『発動条件』だ。一度触れられた、現時点でも『酔い』は感じるだろうか――――?

634中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/15(金) 23:44:24
>>630-633

「うわぁ……そういうのは横のお嬢様たちにやって欲しいっスね」

辟易したような顔でそんなことを言う。
消えてしまったから聞こえたかどうかは分からないが。

「これはあれほど早くないっスよ」

『エイミー・ワインハウス』の速度について言及しつつ、エヴァレットの方を向く。
そして、なるべくゆっくりと落ち着かせるように言った。

「えぇっと……これは『エイミー・ワインハウス』っていうっス」

「ワインハウスっスけど、酔いとは関係ないんで、安心していいっスよ」

触れられた頬に触れてみる。
何とも言えない感覚が残っている。

635『火はなくとも煙る』:2020/05/16(土) 00:50:54
>>633(白町)

 先ず、触られた頬に指を伸ばした。
 ……特に、触れて分かるような変化はない。少なくとも、今は。

 次いで、中務の顔に視線を移す。
 こちらも目立った変化はないが……なんとなく『血色』がいいような気がする。

「…………『人災』? あの幽霊が、人の手で作られたモノ、とでも……」

 エヴァレットに心構えを説くも、目の前の光景に、まだ困惑している様子だ。


 そして、『ハード・タイムス』。

                          ―――  シュピン

     ビクッ
         「 !! 白町さん、の、隣にも…… 」


 羽織るようにしていた『膝掛』の上から両肩に触れ、『Φ』を刻印した。


             『 スッ 』
                          「白町さんッ!」

 ……しかし、それより僅かほど先に。
 貴女の隣に、再び『美少年』のヴィジョンが現れる。

 その『細枝』のような手指が、今度は貴女の右手を掴もうとしている……


>>634(中務)

 今は何もない空間にむけて、ぼやいてみる。


        『 ・・・・・・ 』


 答えは返ってこない。
 ただ、あの『熱に浮かされた』ような笑みの残像が、どうも頭に残っている。

 自身の『スタンド』についてエヴァレットに説明しながら、頬に触れる。
 撫でられたような感覚が、まだこびりついている……ということは別にないが、
 そんな気分にはなっているかもしれない。『残穢』のようなものだろう。

「……『エイミー・ワインハウス』……?」

 名を告げたものの、エヴァレットは困惑したままだ。

「……関係ない、のは、いいんだけど……」

「…………あまり、深く聞くべきでは、ないのかしら。
 だって、あの『幽霊』……のような、アレと、似たようなものに感じる、」


             『 スッ 』
                          「白町さんッ!」


 言葉を途中で区切って、エヴァレットが叫んだ。
 反射的に視線を向ければ、白町の隣に、再びあのヴィジョンが佇んでいる――――!

636白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/16(土) 14:55:45
>>634(中務)
>>635(GM)

「エヴァレットさん、わたくしの『これ』は『わたくしのもの』です。
 『わたくしはこれを操れる』のです。中塚さんは『それを操れます』」
 
「『あれを操れる誰か』も、いるのでしょう」

状況が状況――白町の『説明』は、核心にだけ触れるようなものだ。

「中塚さん、お答えありがとうございます。
 『策』を考え、是正していく必要がありますね。
 安易に行くなら、『触れに来る瞬間』を狙う――――」

              「例えば『今』です」

白町は、羽織の裾を掴む。
それに並行し――――両肩のマークから『引っ張る』。
左側からは『パスBB』で、右側からは『パスEB』。
『張力』をどう調整しようが、結果は『繊維が真っすぐになる』だけ。

だが、『不均衡』な力は『片側への強いひっぱり』を生む。
『繊維はそれでも真っすぐになる』……そういう能力だから。

「ああ、『視界』の外から一瞬で、ここまで!
 あなたの動作は、とてつもなく『速い』。
 手の動きだけでなく、恐らく『移動速度』も!
 素晴らしい『スペック』に、わたくし感嘆しています。
 もしくは……それ自体が『能力』なのでしょうか?」

重要なのは、引く力が不均衡な場合、『布は引く勢いで、強い力の側へと動く』。
その『動く力』が人を超えた物であれば……『布に付属する物』も、また動くだろう。
それにより、『ブランケット』で覆った自分自身の体を『左側』へと無理やり動かす。
足で動くのではなく、それをやると『思考』した、その瞬間に『動きを発生させる』。

「では……『反応速度』は、どうでしょう。
 『本体』が人間であれば『反応』は人間並みのはずなのです。
 『あなた自身』の意志で動くならば、話は変わってくるでしょうが」

「――――わたくしの考え、ぜひ、超えてくださいね」

掴む動作を、空振らせたい。
もし最悪、上記の動作が『掴まれてから』になっても、
それはそれで『掴んだものがいきなり動く』ことになる。
あの細い腕を考えれば、十分『意表』を付けるだろう。『中塚が攻撃する隙を生ませる』。

637中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/16(土) 23:12:45
>>635

「安心していいっスよ」

「ボクのはそんなにヤバくないっスから」

頭に残像が残る。
なんとも言えない気持ちを残しながら。
残穢、明らかな違和感。

「んぁ……ストーカーっスかぁ��!」

白町の隣にヴィジョン。
あの速度を考えれば『エイミー・ワインハウス』では間に合わない可能性の方が高いか。
だが、投擲だともっと届かないだろう。
だから中務はそのまま突き進む。

『エイミー・ワインハウス』は相手に向かってタックル気味に攻撃する(パス精CBB)
しゃがんだ状態で発現したはずなので、いちいちしゃがむ必要は無いはずだ。
上半身が動いている以上、下半身は多少は疎かになっていると思いたい。

638『火はなくとも煙る』:2020/05/17(日) 15:42:16
>>636(白町)

         『 ピン ! 』


 両肩に羽織った膝掛の裾を引っ掴み、能力を発動した。

 刻印された2つの『Φ』……『留め針』のような小さなマーク。
 その両端が、不均衡に引っ張られる。


              『 グ  ン ッ ! 』

      ビリッ…
                            『 ピ ト ・・・ 』

 人の腕力を優に超える、布の張力。
 『膝掛』ごと、貴女の身体は左方向に吹っ飛んだ!


       『  ニ ィ  』
                  フッ

                     ガ タ ァァアン !


 布が伸び、わずかに破れたことで、その『猛獣のような力』は減衰する。
 しかし、強制的に体を動かすほどの強い力であることに変わりはない。
 急に真横に吹っ飛ばされ、『自習机』に腰を強く打ち付けてしまった。……鈍い痛みが走る。

 ……だが、見合う『収穫』もあった。

 白町の認識通り、『スタンド』の速度はあくまで行動の速度。
 任意によって操作しているのであれば、反射神経はあくまで発現主の意識に依存する。
 (『星見板』における【スピード】:ttps://wikiwiki.jp/stand0wiki0/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB#m9d76e8e)

 しかし、『美少年』は。
 ノーモーションで突然吹っ飛んだ貴女の『右小指』にも、難なく触れてみせた。

 もし、この『スタンド』の主が任意で操っていたのであれば……
 初めて見るはずの貴女の動きを、『予測』や『警戒』もなしに反応することは可能だったろうか?

       『 ドッ 』
                 『 ドッ ドッ ドッ ドッ ・・・ 』

 ……自分の体の『酔い』を気にかけていた白町(>>633)は、心臓の『動悸』に気づく。


>>637(中務)

 白町の隣に執拗に現れる、『美少年』のヴィジョン。
 その『スタンド』に向けて、貴女は突き進んだ。

 ……しかし、一歩踏み出すよりも早く、『美少年』は姿を消す。


          『 グ ォ ッ ! 』
                          フッ…


 『エイミー・ワインハウス』のタックルも、空振りに終わった。

 ……攻撃を仕掛けた中務は、『美少年』が『躱した』のではなく、『消えた』のだと感じる。

 それも、貴女の『タックル』を回避するために、ではなく。
 『目的』のために出現し、その『目的』を終えたので消えた……そんな感じだ。

 いずれにしても、ほとんど『一瞬』でいなくなってしまった。
 そして、両者のスピードにも圧倒的な差がある。
 攻撃をブチ当てるのには、かなり苦労しそうだ……。

639『火はなくとも煙る』:2020/05/17(日) 18:04:20
>両名

 『ハード・タイムス』の繊維を操る力で、緊急離脱を試みた白町。
 『エイミー・ワインハウス』のヴィジョンで、攻撃を仕掛けた中務。

 しかし、いずれも『気取ったような笑み』を浮かべた『美少年』の犯行を妨げることはできなかった。

 姿を見せてから、白町の手に触れて、再び消えるまで。
 ほとんど『一瞬』とも呼べるほどの、超速の出来事だったといえる。


      「白町さん……!」


 やや遅れて、急に吹っ飛んだ白町を心配してか、エヴァレットが傍に近寄ってくる。


                『  ニ ィ ・・・  』


 しかし、彼女が辿り着くよりも、もっと早く。
 『自習机』と衝突した白町の隣に、『美少年』が佇んでいる――――!

 ……どうやら、『目に見えぬほどの高速で近づいてきた』というよりも、『急に現れた』ような感じだ。

640白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/17(日) 22:51:36
>>637(中務)
>>638-639(GM)

「――――素晴らしい。『超えてきましたね』」

               ニタァ ・・・

吹き飛んだ先で、自習机に手をついて立ち上がる。
真っすぐ立てない可能性が、あったからだ。
自覚する――――『酔っている』。

「わたくしも、もっと『現状理解』を『是正』しないと、
 あなたに応えられません。わたくしなら、出来ますけどね。
 ……・エヴァレットさん、心配はいりません。わたくしに任せなさい」

――――佇む『美少年』。『佇んでいる』……『触れてこない』。

「中務さん。わたくし、ここまでで『気になった』事があるのです!」

白町には、ふと、それが気になった。
『まだ動いて来ない』だけなのだろうか?
今すぐ触ればさらに『酔わせる』事が出来るはずなのに。

「アレの『攻撃』は、とても、ほれぼれするほどに『速い』ですね。
 わたくしの『回避』を上回る速度、しかも『迷い』が無かったです。
 わたくし、感嘆せざるを得ません、素晴らしい『スペック』です!
 ――――それなら、なぜ、その場で『連打』をしないのでしょう?」

「あるいは、なぜ、『全員を攻撃しない』のでしょう。
 わたくしはコレで3回。中務さんは1回、エヴァレットさんは0回です。
 『エヴァレットさんだけ0回』なら、『貶める意図』があるのでしょう。
 『中務さんやわたくしだけ』なら、『一人ずつ戦力を削る』のでしょう。
 あまりに多すぎる『是正の余地』は、『正解は別にある』事を示すのです」

「『消えて現れる』ような行動。攻撃の不可解さ。『認識』を是正すべきは今!」

立ち上がれたら、羽織ったブランケットを『ハード・タイムス』に手渡す。
『謎が解けない限り、美少年の犯行はどうせ防げない』。

「『遠隔自動操縦型』――――中務さんは、出会った事がありますか?」

「もちろん『仮説』ではありますが、 この敵は『操作はされていない』のです。
 『条件を満たした時に、満たした人間だけを攻撃する』――――『ルールで動いている』
 つまり、『ルールさえ把握すれば、発現を誘導する事も出来るかもしれない』のです!」

それは、事件ともつじつまが合う。
『自動操縦型のスタンド』であることはほぼ間違いない。『エヴァレットを襲わない理由』は、何か。

641中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/17(日) 23:56:16
>>638-640

「くぁー!」

鳥のようなよく分からない声を出す。

「自動操縦! あぁ、そういうパターンっスね。なんか、それっぽいっすね」

「急に消えるの、普通に考えたらおかしいっス」

「ただ、なんで白町さんが狙われてるかが問題っスけど!」

白町に向かって言葉を投げる。
条件を見切らねば駄目だ。
攻撃して迎撃しようなどという欲をかくな。

「この場合、エヴァレットさんはしてなくて、ボクらがしてることを当てないといけないっス」

「ボクもワンタッチ……あぁ」

スタンドにペットボトルを白町へと投げさせよう(パス精CBB)

「それ飲んだら酔いはマシになるっすかね」

「接触系っスよね? 触りに来てるんだから?」

642『火はなくとも煙る』:2020/05/18(月) 20:29:12
>>640(白町)


       『 ピ ト ・・・ 』
                       フッ…


 『美少年』は白町の膝小僧を撫でると、やはりすぐに消える。
 あの『自己陶酔的』な笑みが、やけに残像に残る。

 負けず劣らずの笑みを浮かべ、貴女は立ち上がった。


                『 ぐらっ 』
     『 ぐらっ 』


 ……真っすぐに立てない可能性を危惧して、机に手をついた判断は『正しかった』。
 立ち上がった時点では感じていなかったが、今は『ふらつき』を感じる。


         『  ニ ィ  』


 立ち上がって間もなく、再び『美少年』が現れた。
 この『スタンド』、しつこい――――!


      『 ひゅっ 』 
                カロ ン


 と、貴女の足元に、『ペットボトル』が転がった。
 先ほどまで、中務が口をつけていたものだ。中身がまだ残っている……。


>>641(中務)

 白町の推論に納得する。

 せめてもの助けに、『エイミー・ワインハウス』。
 掴んでいた『ペットボトル』を、白町に向けて投げ――――


       『 ひゅっ 』
                カロ ン


 ……わずかに、的が逸れた。

 傍から見れば、『ペットボトル』を問題なく投げたように見えただろう。
 しかし、貴女が想定していた『放物線』よりも、誤差程度に軌道が低かった。

 いつもの『エイミー・ワインハウス』の動作性と比べると、微かに『鈍い』ような気がする。

643『火はなくとも煙る』:2020/05/18(月) 20:30:21
>両名

「……つまり、そうなのね」
「……『アレ』が。『アレ』を動かしている『誰か』が、みんなを酔わせていた」

 白町の推論を掻い摘んで、エヴァレットもようやく現状を理解したらしい。
 とはいえ、その言葉のすべてを理解したワケではなさそうだが……

「!」

 中務が『ペットボトル』を投げたのを見て、エヴァレットが貸出カウンターに戻る。
 そして、自分の『学生鞄』を漁ると、『水筒』を持ち出した。

「……『水分補給』」


   キュ キュ キュ       カ ポ!

                         ジョロロロロロ……


「白町さん、飲んで。顔色がひどいわ」

 エヴァレットは、『緑茶』の入ったカップを差し出している。

「……私がやっていなくて、中務さんが『一回』。白町さんは、……今の『ソレ』を含めると、『四回』」
「その『条件』を満たせば、自動で攻撃されてしまう。そういう『ルール』というコトね」

「……他に、何か手掛かりはあるかしら?
 貴女たちから見て、あの『スタンド』に感じる違和感だったり、共通点のようなモノ……」

644白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/18(月) 21:15:25
>>641(中務)
>>642-643(GM)

「ふ……ふふ、ふふふっ。『触るたびに酔いが進行する』のですね」

ふらつく脚には、確かな『酔い』がある。白町は笑う。
笑い上戸というわけではない……積み重なる『是正』の悦楽にだ。

「くふ……エヴァレットさん、流石です。理解がお早い。そこで是正をひとつ。
 ――アレや、わたくし達のこれらは『スタンド』と総称されます。
 『そばに立つ者』『立ち向かう者』……『大切な合言葉』なのです」

「ぜひ、覚えておきなさい。あなたの心の役にも立つでしょう……!」

手で机を支えにしたまま、やはり攻撃の回避や防御は試みない。
それは無意味であり、より悪い結果を誘発しかねないと、白町は考えているのだ。

「ふふ……『推論』を重ね『仮定』を立て、『是正』によって『正しさ』を目指す!
 互いのスタンドによる『戦闘』 ああ! 時にはそれも『素晴らしい』」

『美少年』は見ない。『笑顔が気になる』。『ペットボトル』を、しっかり見ている。

「いち。『被害者』たちは、スタンド使いではないはずです。
 スタンド戦を試みるのは言うに及ばず、『アレを視認する』ことや、
 反応すること、触れること、言及! このあたりは『違う』のです」

アレが見えたのは、エヴァレットだけだ。
つまり、見えなければならない『行動』はトリガーではない。

「に。『ごく自然に達成できる』かつ『エヴァレットさんは満たさない』条件。
 偶然か、それとも貶めるための故意か。一度も満たしていないのですから」

また、図書室で異常行動をしていればエヴァレットや周囲が気付くだろう。
異常でなくても、特徴的な行動なら気付く。図書室で自然に出来る事が、トリガーだ。

「さん。『条件を満たした者は、泥酔するまで攻撃を受けている』
 わたくし、現時点ではまだ、倒れるほどの泥酔には至っていません。
 つまり『被害者はこれ以上さらに攻撃を受け続けた』のです」

一度ならず、二度、三度と満たす。『攻撃は偏るもの』らしい。

演説のように、通る声で『持論』をさらに展開していく白町。
酔いで呂律が回らない可能性もある。『早口になりすぎない』ように意識をしている。

「エヴァレットさん。わたくしに『干渉』するのを一旦、止めなさい。
 『被害者がした共通の行動』ではなく『されたこと』の線があるのです。
 全員に共通し、『あなたには当てはまらないこと』は、『あなたによる干渉』」

「いいですね? 『名前を呼ぶ』ことも、してはいけないのです」

『あえて』エヴァレットの厚意を拒否する。
そして……中務の水をスタンドで拾い、飲む。

まだまだ『偶然』の可能性も高いが……白町は常に考えている。
『美少年』の出現や攻撃は、エヴァレットが自分を呼ぶタイミングに近い。
彼女に罪を着せるのが狙いだとしたら、攻撃条件としても『お誂え向き』だ。
とはいえ初回出現は違ったし、『中務が呼ばれたが何もなかった(>>632)』事もある。
まだ断定はしないが、ここは『従ってもらう』…………『是正』のためには、必要なこと。

645中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/18(月) 22:54:41
>>642-644

「あー?」

首を傾げる。
おかしい。
自分が投げたのならば分かるが、『エイミー・ワインハウス』の精密性は人間のそれを凌駕する。
だからこれは『酔い』の影響で間違いないだろう。
たった一度でこれだ。
蓄積された白町はかなり危ういところだろう。

「推論、補強するっスよ」

「一、時間でこのスタンドが動いている謎。
 つまりは、16時にある種の鍵がある可能性は否定できないっス」

「二、もしもそれが図書館に関係のあるものだと仮定すると、会話とかがトリガーになり得るっス
 あとはエヴァレットさんとの身体的な違いとかはありそうっスね」

項目三については沈黙だ。
そこに関しては考えがない。

「それと、個人的な感じっスけど」

「あのスタンドの『熱っぽい笑顔』が気になるっス」

「熱を移すのか、それとも君の瞳に乾杯……みたいな文学的な面からのアプローチなのか」

「まぁこの辺はあんまり気にしないでいいところかも知れないっスけど」

646『火はなくとも煙る』:2020/05/19(火) 02:00:08
>>644(白町)

「…………『スタンド』。傍に立つもの」

 緑茶のカップを手にしたまま、エヴァレットは貴女の言葉を繰り返す。


         『 ピ ト ・・・ 』
                      フッ…

 『四度目』。

 触れられた瞬間、これまでとは比べ物にならない『症状』を自覚した。

 足がたたらを踏む。
 呼吸が浅く、速くなる。
 胃の中から、こみ上げてくるものを感じる――――。

 攻撃や回避、激しい運動を避けたのは、正しい判断だったかもしれない。

「―――――、……」

 エヴァレットは、貴女の指示を受けて、頷いて見せる。
 『条件』がある、そして自分自身がその『トリガー』となる可能性もある。
 その説明を受けて、正しく理解したようだ。

 そして、中務の『ペットボトル』……

 『ハード・タイムス』の手で拾おうとすると、かなりの『ふらつき』を覚える。
 揺れる地面の中、ゆっくりと手を伸ばして、どうにか拾うことが出来た。


       キュキュキュ
                 カロ


     ゴク ゴク ゴク ……


 『蓋』を開いて、口を付ける。

 水が口の中を満たし、喉の奥へと落ちていく……止まらない。
 気付かないうちに、かなり喉が渇いていたようだ。
 そのまま、『ペットボトル』を空にしてしまった。

 …………心なしか、『吐き気』が収まったような気がする。

647『火はなくとも煙る』:2020/05/19(火) 02:08:39
>>645(中務)

 『エイミー・ワインハウス』の不具合に首を傾げる。

 今のところは、修正可能なレベルの『違和感』だが……
 白町の様子を伺う限り、あまり楽観はできそうにない。

 そして、自身の推論を並べた。


 『会話のトリガー』。


 貴女は、自分で呟いたその言葉が、妙に引っかかった。

 思い返してみれば。
 例の『美少年』は、いずれも『話している最中』に現れたような気がする。

 エヴァレットは、貴女から受け取った『ペットボトル』を夢中で飲み干したようだ。
 中身は、あっというまに空になってしまったようだが……
 少しだけ、顔色がマシになったようにも見える。

「私との、身体的な違い……」

 西洋人のエヴァレットは、背はかなり高い方だ。
 しかし、それ以外の身体的な特徴は、貴女や白町と変わりないように見える。


>両名

 『美少年』の浮かべている笑顔が気になる。
 二人は、脳裏に浮かんだ残像、その特徴に思いを馳せた。

 少年のヴィジョンは、息を呑むほどに『芸術的』な美しさではあったが……
 しかし、その『笑顔』には本能的な『不快感』のようなモノを感じる。


 『自己陶酔的』で、『気障ったらしい』。

 『熱っぽい』ようで、『鼻につく』ようで、『舞い上がって』いるようで……自分が『美しい』と分かっている。


「……多少の自信は、誰しもが生きていく上では必要だろうけど……
 あれは、それを通り過ぎている。『自惚れ屋』の笑い方、そんな感じね」


 エヴァレットも、二人と同様の感想を抱いたようだ。

648白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/19(火) 02:39:38
>>645(中務)
>>646-647(GM)

「……ゲホッ。けほ……ふぅ、助かりました」

         「『4回目は不味い』」

         「――――『5回』が限度ですね」

保健室に駆け込めるとすれば『4回目』段階か。
あれより一段酷いとなれば、『動けない』もあり得る。

「……『今は出現していない』。
 とどめをさせたにもかかわらず、『ヒット&アウェイ』に徹する。
 筋が通った『自動操縦』のようです。『律儀』で素晴らしい」

独り言のように、白町は話しだす。

「『図書室』――自習室を使っていて、普通に4〜5回は満たす条件。
 なおかつ、自習も本も関係のないわたくしが『4度』も満たした条件。
 ――――『私語雑談』? 図書委員が『図書室でしゃべらない』のは当然」

「とはいえ、今などしゃべってはいますね」

持論は前提でひっくり返っている。

「あの笑み! 美しい笑みでした。根底を揺らぶられるような。
 ですが『あれ自体』は『一般利用客』に見えない以上、攻撃条件ではないはず。
 気になります。無論、自信は『良い』ことです!しかし、気になるのです」

「『自惚れながら、触ってくる』のは『褒められて気をよくした』から?」
 
「しかし利用者が褒めようにも、姿は見えません。
 『自意識過剰』だから自分宛てでない言葉を拾った?
 ふっ……『遺憾』ですが、わたくし自身、試しに口を閉ざしてみます」

それを最後に、一旦、口を閉ざす。
一言もしゃべらなければ、それでも『美少年』はやってくるのだろうか?

649中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/19(火) 18:47:01
>>646-648

「……私語、あながち間違いでもないかも知れないっスけど」

「身体的な違いってほら、体温とかアルコール分解能力とか、まぁ確かめようないっスけど」

背の高さだけで判断してることはないと思いたい。
会話のトリガー、それを真とするならば、話しているか否かよりも内容に問題があるのかもしれないが。

「自動操縦……自分の意思はあるのか無いのか……うーん……」

「……あぁ、自分に酔ってるって感じっスか? あれは?」

白町が静かにする分、こちらが話す。
これで彼女が狙われるのならばより深く考えないといけない。

650『火はなくとも煙る』:2020/05/19(火) 21:26:32
>>648(白町)

 僅かな時間ではあったが、危機感を覚えるほどの『ふらつき』。
 ひと息つきながらも、推論を止めることはない。
 口に出して、整理し続けるが……今度は、『美少年』は現れなかった。


 ……ふと、貴女は自分の推論の中に、奇妙な『予感』を得る。


 着実に、照準が的へと近づいている。
 もう少しで、『射程距離内』に入りそうな――――そんな、確信めいた『予感』だ。

 正鵠を射てはいないものの、大きく外してもいない。
 『偏差』を修正すれば。或いは、修正せずとも。
 ボタンのひとつ掛け違うだけで、あの不快な『笑顔』の意味に届くような。


>>649(中務)

 身を挺するようにして、自らも推論を述べる。
 私語の有無、或いはその内容、外見だけではない体質の差異。
 様々に思考を巡らせるが……今度は、『美少年』は現れなかった。
 しかし、


 『自分に酔っている』。


 貴女は、ふと口にした『表現』が思いのほか、腑に落ちるのを感じた。
 『自己陶酔』。

 白町は、あの『美少年』を『遠隔自動操縦型』と想定していた。
 そして、定められたルールに従って仕事し続ける、機械的な『スタンド』ではなく。
 あの『笑顔』に見て取れるように、意思や感情を持っているタイプの『スタンド』のように思える。

651白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/19(火) 22:47:50
>>649(中務)
>>650(GM)

(ああ!)

白町千律は……喧伝こそしていないが、『ドールハウス』の作成を趣味としている。
配置に是正を繰り返す内、『理想通り』になる『瞬間』がある……(その後、理想は高まる)

(……『見えてきた』のです。『是正』の先……『正しさの白』が!)

その時に近い、感覚を覚えた。『是正』が『一区切り』される時の、そういう感覚だ。

          チョイ チョイ

白町はエヴァレットを指で招く。改めて『お茶』を、無言のまま要求する。

(『褒めない』ことはトリガーではない……エヴァレットさんは『褒めていない』
 『構わない』ことがトリガーなら、図書室の利用者全員が被害者になる)

(『自己陶酔』をする者が、他者を攻撃するとしたら?)

『それではない』 ……だが遠くない答えがあることを、どこか確信しつつある。
それを、『行動』に変えようとしていた。『白町自身の行動に』ではない。

「中務さん、ぜひ試したいことが。
 あなたの策に差し支えがなければ、わたくしを褒めなさい」

「それとエヴァレットさんも。あなたは、自分自身を褒めなさい」

『協力者の行動に』……だ。白町は『個より集を好む』。

能力が明かされていない今……白町は言葉少なに、中務とエヴァレットに要請する。
『4回目』に至るのは、極めて危険だと理解したのだ。まだ安全域の彼女らに『任せる』。

652中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/20(水) 01:13:55
>>650

(ん、む……)

中務千尋は多くの役割を担っている。
脚本家であり、舞台装置担当であり、演者担当である。
多くのものを発想から作り上げる点は共通している。

「……自己陶酔、自分に酔ってるのは間違いじゃないっスかね」

まだ分からない。
小さな声でそう呟いた。

「褒める……あぁ、いいっスよ」

「そーゆーの苦手じゃないっスから」

そう言って、新たな自分の役割をこなす。

「白町さんって素敵な人っスよねぇ」

「是正の精神は山よりも高く美しい」

「模範的で白町さんみたいな人を『風紀委員』って言うんでしょうねぇ」

言われた通り、褒める。

「あと笑うと特徴的で素敵っス」

653『火はなくとも煙る』:2020/05/20(水) 21:31:10
>>651(白町)

 『是正』の臨界点を目指し、二人に指示を飛ばす。
 まだ多少の『ふらつき』は残っているものの、その程度ならば容易い。


「……」 スッ

 エヴァレットは貴女の意図を察して、先ほどの緑茶の入ったカップを差し出した。
 両手で触れると、まだ温かい……。
 芳しい茶葉の匂い。口をつけたなら、また『ひと息』で飲み干してしまいそうだ。

 中務は、貴女の指示に従って、そつなく誉め言葉を並べているが……、
 『美少年』は現れない。他の条件があるのだろうか?


>>652(中務)

 『美少年』の自己陶酔的な笑みは、まさしく『自分に酔っている』。

 自らの口にした表現に、腑に落ちる感覚がした……ような気がしたが、やはり否定した。
 まだ分からない。見落としや、他の可能性があるかもしれない。

 白町の指示に従って、彼女への賛辞を並べてみるが……
 『美少年』は姿を見せない。他にも、策を試してみるべきだろうか?


>両名

 白町から『自分を褒める』ように指示を受けた、エヴァレットは……

「…………えっと、」

 少し、まごついている。

 演劇で舞台に上がることも多いからだろうか、
 すらすらと台詞を並べ立てることが出来た中務と比べて、アドリブは『苦手』のようだ。

「私は……すごいわ。そう、すごい」
「どうすごいのか、と言うと……………………、『礼儀や礼節を弁えていて、心遣いができる』」


       『   ズ    』

                   『   ズ ズ    ズ  ・・・・・・   』


 その瞬間、

          「!!」
                 『  ニ ィ ・・・ 』


 はたして白町の企図した通りか、エヴァレットの傍らに姿を現した。


 『絶世の美少年』。
 『自己陶酔的』な笑みを浮かべている、西洋人風の衣裳。

 その視線は、攻撃対象となったエヴァレットに注がれているようだ。
 若木のように細い腕を伸ばして、指先で触れようとしている。

654白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/20(水) 22:02:22
>>652(中務)
>>653(GM)

「ふふ……ふ、中務さん、褒め上手なのですね。
 言葉一つ一つが、わたくしの心に響いてます。
 好きになって、しまいそう……ああ、『出ましたね』!」

『ハード・タイムス』の手で、出現した『美少年』を殴打する(パス精DCB)

「素晴らしい! 『期待に応えてくれる』…………ククッ!」

スピード差がある。当たる可能性は殆ど無い。が、『当たらないとも限らない』。
『攻撃される』と分かっていても、始めた動作は止められないはずだから。

「これで『発現』は誘導可能!
 戦況は一つ『是正』されたのです」

「『自画自賛』または『エヴァレットさんを褒める』
 それがこの存在の、攻撃条件と考えていいのでしょう」

重要なのは、『いつ・誰の横に出るか』を、誘導出来るという事。
勿論100%ではない……未知の『要因』が無いとは言い切れない。

「断定は、しません。ですが『出るタイミングを決められる』なら十分!」

お茶を飲み干す。『回数2』に下げておけば、『自分』も択に上げられる。

655中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/20(水) 23:37:24
>>653

「……うへぇー」

言っててなんだかむず痒くなってしまった。
なんだろう、不思議な感覚だ。

「出たっスね」

(……エヴァレットさんの発言)

(礼儀、礼節……心遣い)

(私はその方面は触らなかった)

だとすると、トリガーを引けていないのは自分の方だ。
西洋人風のスタンドヴィジョンを視界に捉える。

『エイミー・ワインハウス』を移動させ、エヴァレットを引っ張りたい(パス精CBB)

656『火はなくとも煙る』:2020/05/21(木) 21:43:36
>>654(白町)

 『ハード・タイムス』の拳が、『美少年』へと振るわれ――――


       『 ぶ ン ! 』
                   フッ……


 その『残像』を薙ぐようにして、空を切った。
 やはり、『視認』してからの攻撃で捉えるのは難しそうだ。

 だが、奇妙な『予感』が『確信』へと変わる。


      グ ビ  ィ  イ ―――――ッ!


 エヴァレットから受け取った『緑茶』を飲み干す。

 茶葉から抽出された『カフェイン』! そして『ビタミンC』!
 体内のアセトアルデヒドだかなんだかが分解されていく……ような気がする。
 ふと気づくと、先ほどまでの『ふらつき』を感じない。
 机に手をつかずとも、立っていられそうだ。


>>655(中務)

 自分自身の言葉に形容し難いむず痒さを覚えつつも、『美少年』を視界に捉えた。

 そして、『エイミー・ワインハウス』。
 エヴァレットの元へと向かわせて、腕をつかんで引っ張る。


    『 ピ ト ・・・ 』
                フッ……


                         『 グ イ っ ! 』

            「……あっ!?」

 『美少年』の手際は、目にも止まらぬほどに速い(スA)。
 その指先がエヴァレットの頬に触れ、そしてヴィジョンが消える。
 『エイミー・ワインハウス』がエヴァレットの身体を掴んで体を引っ張ったのは、その後ということになる。

「……び、びっくりした……素早いのね、『エイミー』さん」

 『エイミー・ワインハウス』とて、機敏な『スタンド』と呼べる部類に違いない。
 しかし、スピードは向こうの方が上だ。
 相手を『視認』してから動かすとなると、どうしても『後手』を掴まされてしまう……

657白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/21(木) 22:49:08
>>655(中務)
>>656(GM)

「ふふ…………『是正』の余地は、まだまだあります!」

笑みを浮かべる。酔いが覚めることを知覚していた。

「まず、『誰のそばに出るか』は決められても、
 人の『そば』は、周囲360°あるのです。
 これだけでは、決め打ちで当てることは難しい」

「ですが!」

白町は『いす』を手に取る。
図書室には無数にあるはずだ……動かせる椅子が。
それを、最低で『7個』ほど集めておく。

「アレは、『すぐ触れる位置』に現れますよね?
 少し離れたところに現れ、詰めて来たりはしない。
 いつも手を伸ばせば触れる位置に出るからこそ、
 わたくしたちの行動が『間に合わない』のです!」

「では、触れる位置が、『一箇所』しかなければ。
 そこに現れざるを得ないのでは、ないでしょうか!」

白町がしようとしている事は、その言葉通りだ。
発現が『ルール』なら、『嫌でも現れざるをえない』。
どうにかしてでも、『触れる位置』に出現せざるを得ない。

「例えば。エヴァレットさんの『目の前』以外の『手を伸ばせば届く位置』が、  
 全て物で埋まっていれば? それでもアレは、出ざるを得ないはずなのです」

それを、誘導しようとしている。『触れる位置』を、減らす事によって。

658中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/21(木) 23:33:07
>>656

「んーやっぱり無理っスね」

とはいいつつ、『エイミー・ワインハウス』はエヴァレットの傍だ。
敵が来た時の迎撃のためには傍にいた方がいい。

「おっ、いいっスね。それ」

椅子を集めるのを手伝い、適当なメモ(なければスマホのメモ機能)を使ってエヴァレットにメッセージを送る。

『礼儀、礼節、心遣いを一つずつ使って褒めて下さい』

『礼儀正しくて素敵、礼節をわきまえてて素敵、ぐらいでいいです』

『あれが何をきっかけに出てきているかを絞ります』

『それら全てがきっかけの可能性もありますが』

659『火はなくとも煙る』:2020/05/22(金) 18:00:30
>>657(白町)

 一手ずつ、着実に。『王手』に向けて、駒を詰めていく。

 自習用の『椅子』は木製の簡素なもので、簡単に動かせる。
 意図を察した中務が手伝ったこともあって、すぐに『7個以上』は集まるだろう。


         『  ズ  ズ ・・・ 』


 中務がエヴァレットにスマホの画面を見せると、エヴァレットが何かを読み上げた。
 その傍らには、やはりあの『美少年』が出現している……。


>>658(中務)

 白町が椅子を集めるのを手伝う。
 二人がかりの作業で、彼女が目標としている数はすぐに集められたようだ。

 そして、エヴァレットの傍に『エイミー・ワインハウス』を待機させる。

「…………」

 『自分を守るために戦力を割いてもらっている』と理解したのか、申し訳なさそうに押し黙っている。
 しかし、スマホで作成した文章を読ませると、その表情はすぐに強張った。

「…………つまり、さっきと同じような内容、でいいのよね」
「あの……『スタンド』というのを、私の傍に呼び出すためには」

 文章を読み終えたエヴァレットは、やや躊躇いがちに指示に従う。


「…………ええと……、『私は礼儀正しくて素敵』」


         『 ズ  ズ ・・・ 』


 その傍らには、やはりあの『美少年』が出現している……。

660白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/22(金) 19:59:08
>>658(中務)
>>659(GM)

「お手伝い、ありがとうございます。
 わたくし嬉しいです、中務さん。
 あなたは『協調性』がある……素晴らしい。
 それに……『独力』の方もまた、優れている」

「完全に『言わされた自賛』も、『条件』を満たすのですね」

中務の機転により、『釣る』ための餌は最早溢れ変えるほどだ。
遠隔自動操縦の弱点は、そのような状況でも『やめられない』こと。
スタンドを引いて対策を練るためには、『本体が見ている』必要がある。
逆に言えば……あの『美少年』の本体は、ここを見てはいない。

白町は確信を深め、深まったそれは屈託なき笑みとして顔に浮かぶ。

「中務さん。『挟み撃ち』に、いたしまょう。
 わたくしの『ハード・タイムス』と、
 あなたの『エイミー・ワインハウス』の配置の話です。
 『エヴァレットさんの側』と、『前方・人二人分ほど』に」

「アレは『触りに行く動き』に乗せてわたくし達の行動を躱します。
 実に無駄がなく素晴らしい行動です……そして、厄介でもあります。
 左右から挟んで攻めるのでは、発現タイミングが分かっていたとしても、
 万一の場合『前に進む速度』に対して、空振る可能性があるのです。 
 ですが前後であれば……進行方向からの一撃は、回避不可能でしょう。
 万一目の前に迫る拳に身を引こうとすれば、その場合は後ろからの拳に倒れるのです」      

               ウットリ

「ふふ…………『是正』の余地が、全く無いとは、思いませんがね」

白町はスタンドも用いて、椅子7つを『コ』の字に並べる。
この状況。敵の能力がなければ、間違いなく『賛美』の言葉を吐いていただろう。

661中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/22(金) 20:31:23
>>659
>>660

「どうも……ワンマンでやれない人間は協調性持ってないと演劇出来ないっスからね」

そう呟いて美少年を見やる。
まだ動いてないのは少し疑問だ。
出て直ぐに触れてくるかと思ったが。
少しラグがあるものなのだろうか。

「挟み撃ちっスか」

「じゃあボクは傍の方にするっスかね」

白町の準備を待って、準備が整えばエヴァレットに続きを読んでもらおう。
もし今来るのなら迎撃したい。

(ん……? 会話のトリガーにしても……今までいた生徒がそれを満たしてるってことになるけど)

(該当する生徒、そんなにいたの?)

662『火はなくとも煙る』:2020/05/23(土) 00:02:17
>>660(白町)

 中務の協調性やアドリブ力に感じ入りつつ、挟み撃ちのための策を練る。

 『遠隔自動操縦型』。
 本体の意思に寄らず、『条件』を満たせば出現する。
 そして、その『条件』と思しき手札も揃った。

 『迎え撃つ』には、十分な材料と言えるだろう。
 『ハード・タイムス』の手も借りつつ、椅子を『コ』の事情に並べる。


>>661(中務)

 白町の賛辞に応じつつ、その策に応じる。

 『美少年』はエヴァレットの右手に触れると、あっという間に消えてしまう。
 これまでと同様、現れてから消失までは『一瞬』だ。(※)

 その姿を視界で捉え、認識する分には苦労はないが……
 やはり、『視認』してからの迎撃となると、かなり難しい。

(※『スタンド』が現れてから消えるまでは、これまでの描写通り『一瞬』。
  現れてから消えるまででレスを分けているのは『描写の都合』。あしからず)


>両名

「……準備が整ったら教えて」
「『続き』も、……読み上げるから」

 『スタンド』を警戒してか、エヴァレットは言葉少なに白町に呼びかける。
 能力の影響か、顔は赤く、息も上がっているが……まだ『余裕』はありそうだ。

663白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/23(土) 23:39:14
>>661(中務)

「ふふ……その『謙虚』な態度もまた、素晴らしい」

「そして、そんな謙虚なあなただからこそ、
 わたくし以上に『疑り深く』状況判断が出来るのです!
 ――――中務さん、何か『懸念』は、おありですか?」

白町の問いかけは、心を読んだわけではない。
あくまで『王手』に近付くため、『必要』だった。
自分とは違う視点を持てる、中務への『最終確認』が。

よほどエヴァレットが酒に強いのでなければ、
チャンスは数回だけ。『懸念』は、潰せるなら潰したい物だった。

>>662(GM)

「エヴァレットさん、もう少しだけ待ってください。
 わたくし、『是正』を最後まで重ねたいのです。
 チャンスは『有限』……『一度』で、済むように!」

『ハード・タイムス』に持たせた布は、
あらかじめ肩にかけ、背中側に垂らすよう持ち変える。

「個人的にも、風紀委員としても、
 あなたが『苦しむ』回数は、
 少しでも少ない方がいいのです」

持っている箇所は、『四隅』の一つだ。
四隅には全て、予め『マーク』しておき、
そのうち一つの隅のマークを掴んでいる。

非力を以て『一撃で決める』ための攻撃手段は、既に『是正』済だ。

664『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 00:10:41
【確認事項】

>>663(白町)

>『ハード・タイムス』に持たせた布は、
>あらかじめ肩にかけ、背中側に垂らすよう持ち変える。

この『ハード・タイムス』に持たせている布は、先ほどまで肩にかけていた『膝掛』ということ?

665白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/24(日) 00:33:27
>>664(GM)
この『布』と『膝掛け』は同じものであり、
>>640で渡している『ブランケット』とも同じです。
度重なる表記ブレ、大変失礼いたしました。

666『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 00:54:56
>>665(白町)

把握しました。だいじょうぶです。

667中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/24(日) 01:54:43
>>662-663 (詳細な描写に感謝)

「懸念……」

「なんていうか、この自賛したら来るって、座りが悪いって言うか」

「この条件満たした生徒、そんなにいたんスか?」

なんとなく思っていたことを発する。

「まぁ、とりあえずこっちの処理っスけどね」

美少年を出させよう。
出てきたら蹴ってやる(パス精CBB)

668『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 16:58:46
>>663(白町)

 エヴァレットは、貴女の指示に頷いて返した。

「……この中では、私だけが唯一、対抗策を持たない。
 それに、私から二人に頼んだのだもの。
 『解決』してもらうためなら、これくらいの『リスク』は負わなくちゃ……」

 どうやら、自分に言い聞かせているようだ。

 未知の脅威、『スタンド』。
 自らその対象となることに、少なからず不安を感じていたようだが……
 貴女の言葉の端に感じ取れる『気遣い』に、かなり安堵したようにも見える。


      ――――シュパパパッ


   『Φ』        『Φ』

         『Φ』        『Φ』     ふぁ さ ・ ・ ・


 『ハード・タイムス』が、布の四隅にマークする。
 そのヴィジョンの手で一角を握り、片肩から背中にかけて、背負うように『膝掛』を垂らした。
 今のところ、『下ごしらえ』は順調に進んでいる。

 と、その準備を進めている間に、中務から疑問が飛んできた。
 どうやら、『発現条件』について思うところがあるらしい……。


>>667(中務)

 『金曜日の16時以降』。
 『図書室』内で、『自賛』をした人間の傍らに現れて、『酔わせて』いる。

 …………『何故』?

 貴女は、その『発現条件』への懸念を呟いて、首を傾げた。

 単純に、条件に対して被害者が多すぎると思ったのか。
 それとも、『自賛』⇒『酩酊』、という流れを不自然に感じたのか。

 或いは――――


   本来はあるはずの情報が、『どこか欠けている』、のか。


 まるで、『推理小説』だと思って読み始めた本が、
 犯人の動機やトリックをすっ飛ばして、結末を語り始めたかのように。


「……? 謹慎になった生徒は、『そんなに』はいないわ。4〜5人くらい、かしら」

 その推論を聞いていたエヴァレットが訂正した。

 そういえば、この『飲酒』騒動が起きたのは、『ひと月ほど前(>>609)』からだ。
 そして事件が起きるのは、決まって金曜日の放課後。
 仮に、毎週一人ずつ被害者が出ていたとすると……その程度の人数になるだろう。

「……とはいえ、『図書室』は基本的に『私語厳禁』、だけど……」

669『火はなくとも煙る』:2020/05/24(日) 17:01:05
>両名

「…………その。
 これは、『陰口』のようになってしまうから、
 言うべきかどうか、ずっと迷っていたのだけれど……」

 白町の準備を待つ間。
 エヴァレットが、申し訳なさそうに口を開いた。
 白町の主張する『自賛』のトリガーを踏まぬよう、丁寧に言葉を選んでいる。

「……『飲酒』の疑いをかけられた生徒たち、ね。
 はっきり言って、……あまり『素行の良い』生徒ではなかったみたい」

「……全員、『飲酒』疑惑については否定しているの。
 でも、先生方の多くは、『彼らがウソをついているに違いない』って……
 普段の行いが褒められたものではなかったから、聞く耳を持ってもらえなかった……って」

「……私も、面識があるわけじゃないから。これも、『噂』程度の情報よ」


 その噂を言い換えるなら、こうだ。
  、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
 『私語厳禁の図書室でダベっていても不自然ではない』、そんな生徒たちだった。


 しかし、同時に。

 ただでさえ、『飲酒』の濡れ衣によって傷つけられた、彼らの名誉。
 その傷口に塩を塗り込み、追い討ちをするかのような難癖だ、ともいえる。


 火のない所に煙は立たぬ。


 そんな、教師たちからの謂れのない冤罪に傷ついた、エヴァレットだからこそ。

 必死に罪を否定している生徒たちに、自らも疑いをかけるような真似は、到底出来なかったのだろう。
 或いは、「尋ねられるまでは明かすまい」と、心に秘していたのかもしれない。

「……ごめんなさい。私が、もっと早くに、これを打ち明けていたら」
「もう少し、早く。正解に辿り着けたかもしれない、のに」

 ……とはいえ、自らの都合で、重要な情報をひとつ伏せていたことに変わりはない。
 その自覚もあるのか、エヴァレットはひたに詫びている。

 しかし、これで『被害生徒の共通点』、という情報が明らかになった。

 『情報収集』という名目で、事前に『根掘り葉掘り』聞いていれば、
 他にも明かされていた情報があったのかもしれないが……

 しかし、中務の『直感力』と白町の『策』によって、既に『王手』は目前だ。
 今となっては、些事かもしれない……。

670白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/25(月) 00:14:10
>>667(中務)
>>668-669(GM)

「なるほど――ごもっともです、中務さん!
 やはりあなたの着眼点は素晴らしい……
 図書室は、『話す場ではない』ですものね」

「そして、それを満たす理由もまた、ごもっともです!」

中務の持っていた疑問、そしてエヴァレットの答えはどちらも納得がいく。
火のないところに煙は立たぬ。『火があるところを選んで煙を立てた』。

「エヴァレットさん。気にすることはないのです。
 なにせ誰も倒れていない。倒れるのは『悪徳』のみ。
 誰も悪くはないのです。悪いのは『ここにいない者』のみ」

「素行が悪いからといって、冤罪をかけられていい理由はないのです。
 正しい罪をもって、正しく裁き、正しい形に是正する! そうあるべき!」

位置取りを予定通りに取り、
中務と二人でエヴァレットを挟むようにする。
膝掛けを肩にかけた『ハード・タイムス』は、構える。
その一撃はエヴァレットには当たらないように、
真後ろでなく、ほんの少しだけ横にズレた位置に立つ。

「わたくし、『幕引き』を提案します。
 『ハード・タイムス』の『絶技』の一を以て、
 次の『出現』と同時に確実に仕留めます!」

出現のトリガー、『エヴァレットの自賛』の開始と同時に肩にかけた膝掛けを抜き放つように前に振るう。
つまり、『掴んでいる一隅』以外の『三隅』が、自分の体より前方向に位置するように、振るう(精B)


その状態で『掴んでいる一隅』からは『最低の力』で。
『他の三隅』からは『最大の力(パスBB×3)』で。


「もっとも、これもまだまだ『是正』出来る技では、あるのです」 


膝掛けは、結果的に引きちぎれるだろうが…………『引っ張る』。

その勢いに乗せ、『ハード・タイムス』の身体を前に『突っ込ませる』。
白町自身が最初にそうしたように。あの時の、『三倍』の引っ張りによって。

671『火はなくとも煙る』:2020/05/25(月) 12:58:26
>>670(白町)

【確認事項】

>位置取りを予定通りに取り、
>中務と二人でエヴァレットを挟むようにする。

この『予定通りの位置』というのは、>>660

> あなたの『エイミー・ワインハウス』の配置の話です。
> 『エヴァレットさんの側』と、『前方・人二人分ほど』に」

この位置にスタンドを配置する、という理解でよいか。
それとも、『挟むように』というように、それぞれのスタンドをエヴァレットPCの両隣に配置するということか。

(※尚、現在『エイミー・ワインハウス』は>>661よりエヴァレットPCの隣に位置している。)

>出現のトリガー、『エヴァレットの自賛』の開始と同時に肩にかけた膝掛けを抜き放つように前に振るう。

このレス内に該当の台詞等はないが、エヴァレットの『自賛』を指示した、という理解で進めてよいか。
また、>>657>>660にて『コ』の字状に並べた椅子については、
以降の言及がないが、『コ』の字の中央辺りのスペースにエヴァレットを誘導していた、という理解でよいか。

672白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/25(月) 14:55:46
>>671(回答)
全面的にGMの理解で間違いございません。
『エヴァレット』NPCへの指示は完全に書き忘れのため、
申し訳ございませんが>>670を以下に修正させていただければ幸いです。

-----

>>667(中務)
>>668-669 >>671(GM)

「なるほど――ごもっともです、中務さん!
 やはりあなたの着眼点は素晴らしい……
 図書室は、『話す場ではない』ですものね」

「そして、それを満たす理由もまた、ごもっともです!」

中務の持っていた疑問、そしてエヴァレットの答えはどちらも納得がいく。
火のないところに煙は立たぬ。『火があるところを選んで煙を立てた』。

「エヴァレットさん。気にすることはないのです。
 なにせ誰も倒れていない。倒れるのは『悪徳』のみ。
 誰も悪くはないのです。悪いのは『ここにいない者』のみ」

「素行が悪いからといって、冤罪をかけられていい理由はないのです。
 正しい罪をもって、正しく裁き、正しい形に是正する! そうあるべき!」

中務と二人で『出現位置』を前後に挟む位置を取る。
具体的に言えば、白町本人はエヴァレットの後方。
そして『ハード・タイムス』はエヴァレットの側に立つ。

 中
●☆●  ●:『椅子』。なるべく隙間を開けず配置。
●エ/ハ●  ☆:ここに『美少年』が出現すると『決め打つ』。
●●●   中:中務の立ち位置は、ここが良いと考えている。
     エ/ハ:エヴァレットのすぐ側に『ハード・タイムス』。
         この二人が収まる以上の隙間は、絶対に作らない。

エヴァレットの側には『ハード・タイムス』1人分以上の空間は絶対に作らない。
可能な限り椅子の位置をそのように詰めておく。それが出来てから、始動する。

「わたくし、『幕引き』を提案します。
 『ハード・タイムス』の『絶技』の一を以て、
 次の『出現』と同時に確実に仕留めます!」

「エヴァレットさん、『椅子の陣』の中へどうぞ。
 ちょうどその、『コの字』に収まるように立つのです。
 わたくしの『スタンド』の側に。隙間を空けず。
 そして……ぜひ、始めなさい。最後の『自賛』を!」

出現のトリガー、『エヴァレットの自賛』の開始と同時に肩にかけた膝掛けを目の前の空間へ振るう。
つまり、『掴んでいる一隅』以外の『三隅』が、自分の体より前方向に位置するように、振るう(精B)

その状態で『掴んでいる一隅』からは『最低の力』で。
『他の三隅』からは『最大の力(パスBB×3)』で。


「もっとも、これもまだまだ『是正』出来る技では、あるのです」 


膝掛けは、結果的に引きちぎれるだろうが…………『引っ張る』。

その勢いに乗せ、『ハード・タイムス』の身体をエヴァレットの前の空間に『突っ込ませる』。
白町自身が最初にそうしたように。あの時の、『三倍』の引っ張りによって、タックルを仕掛ける。

673中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/27(水) 11:07:37
>>668
>>672

「まぁ、ボクらも聞いてなかったんで仕方ないし……」

「……ん、む」

そうか、そういうことか。
なんとなく、動線のようなものは見えてくる。
動機と言ってもいい。
そういう人間を狙っている可能性は否定できない。
それをすることによって得られるものがあるのかもしれない。
それは立場によって生まれるもの。

「まぁ、とりあえず処理しちゃうっスよ」

「犯人探しがしたいなら、その後で」

どうせこの場にはいない人間だ。
エヴァレットにスマホの文字を読み上げるように促そう。

「……僕の能力は使い所ないっスかねぇ」

「まぁ、とりあえずはやることを」

白町の指定する場所に待機。
美少年が現れたら殴る(パス精CBB)

674『火はなくとも煙る』:2020/05/27(水) 21:01:28
>>672(白町)>>673(中務)

 白町が先導し、『美少年』を打ち負かすための陣形が整った。

 七つの椅子、その中央にエヴァレット。
 すぐ傍らに、布を構えた『ハード・タイムス』。
 『美少年』の現れるための一か所を空けて、
 その正面には中務と『エイミー・ワインハウス』。

 『神出鬼没』のスタンドだが――――『タネ』が割れてしまえば、攻略は易い。
 『いつ』、『どこに』、現れるのか。その条件さえ、明かされてしまえば。

「…………読むわね」

 エヴァレットの顔に、先ほどまでの不安はない。
 これが『王手』へと繋がるという確信を、二人の言動から得たのかもしれない。


    「……『私は、礼節を弁えていて、素敵』」



       『 ズ  ズズ    ズズズ   ・ ・ ・    ! 』



   バ リ ッ !!

                          グ!  グ!!   グン !!!

675『火はなくとも煙る』:2020/05/27(水) 21:03:02
>>672(白町)>>673(中務)

 ただでさえ『一瞬』で消えてしまう『美少年』のビジョン。
 その姿を視界に捉えてから、『後出し』で攻撃を放ったとしても、当たる前に消えてしまうだろう。
 どれほど素早い『スタンド』だろうと、それを動かすのは人間の意識だ。
 その差異こそ、この『スタンド』――――『アルコホリック・フェイス・ミッション』が遠隔自動操縦型である、という論拠であったように。


 ならば。
  、、、、、、、、、、、
 『攻撃を置いておけばいい』。

 白町千律と中務千尋は、もう知っている。
 この瞬間、ここに来ると 『知っている』!


       ぐ   ぉ ン ―――――――――― !!


 エヴァレットが読み上げるのと同時に、『ハード・タイムス』が仕掛ける。
 その手に掴んだ『膝掛』が、前三方向に『引っ張られる』。


        み  し ッ  ・ ・ ・ !


 ……急に激しく靭帯を引き延ばされ、腕や肩が悲鳴を上げた。
 『膝掛』も、その中央から三方向に引き裂かれた。その攻撃は、


 ――――裏を返せば、それほどの『破壊力』!


       『  ニ ィ   
                   『  ┠゛ コ゛ ォ  ッ  !!! 』

676『火はなくとも煙る』:2020/05/27(水) 21:06:09
>>672(白町)>>673(中務)

 渾身のタックルを見舞われた『美少年』が吹っ飛ぶ!

 その姿は……消えない。
 先ほどまでならば、『一瞬』のうちに接触を済ませ、姿を眩ませていたはずだ。

 『ハード・タイムス』が与えた、その捨て身の攻撃のダメージか。
 或いは、一連の動作が途中で中断されてしまったためか。

 ただそこにいるだけの、ヴィジョンならば――――!


        バ  キ ぃ っ! 
 

 『エイミー・ワインハウス』の振るった拳が、その顔面に突き刺さる。
 今度は過たず、そのヴィジョンを捉えた……『クリーンヒット』、というやつだろう。


     『 ・ ・ ・ オ 』

                 『  オ ロ  ロ 〜〜〜〜 〜 ン ・・・ ! 』


 悲鳴、のようなものを上げて、『美少年』が這いつくばる。
 もはや、あのうすら寒い『笑み』は浮かべていない。
 信じられない扱いを受けた、とでも言わんばかりに、涙目で二人を見上げている。

 恨めしそうな視線を残したまま、『美少年』の身体が薄れていく。
 今までのように『一瞬』で消えるのではなく、存在感が少しずつ希薄になっていくような感じだ。
 『強制解除』、というやつだろう。

 ……ふと、貴女たちは、それまで自分の体の中にあった『不調』や『ふらつき』が、消えていくのを感じた。

 思考はクリアになり、火照りも冷めて、心なしか気分も良い。
 互いを視れば、肌の赤らみも消えている。


「……お、終わったの……?」

 エヴァレットが、おずおずと尋ねている。

677白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/27(水) 23:00:31
>>673(中務)
>>674-676(GM)

『ハード・タイムス』そのものは『非力』なスタンドだ。
だが『白町千律』は『18年』の『経験』により、
最大の破壊力を引き出す術を、痛みと共に学んでいる。

「ああ痛い……それに、『ブランケット』が破れてしまいました。
 特に思い出の品などではないのですが、使い心地がよかった。
 わたくし、とても悲しい……ですがこの損失もまた『素晴らしい』!」

「希望ある未来の『是正』に伴う痛みは、崇高なのです!」

              シュル

笑顔で高らかに宣言する。『勝利』をだ。

引きちぎれた膝掛を手に取って一塊にまとめ、
『ハード・タイムス』を解除する。『終わった』からだ。

「エヴァレットさん、お疲れ様でした。中務さんもご協力感謝します。
 ふふっ。事件の元凶――――『スタンド』は、これで討伐完了です」

            ニコォ ・・・

話しながら、椅子を片付ける。

「あとは『犯人』を、探すのです。
 『ホンモノの霊』でもないのなら、
 これをけしかけた人間が、いるのでしょう。
 それを是正せねば、事件はまた起きるかもしれません!」

「スタンドに与えたダメージが、フィードバックしていれば、話は早いですが」

678中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/28(木) 01:32:26
>>674-677
>>677

「ははっ、ぶち抜いてやったっスねぇ」

今日の自分たちの役割は勝者。
敗者の役割を持ったのは相手の方だ。
『エイミー・ワインハウス』はうやうやしく礼をした。

「そうっスね。まだ、ラジコンを叩いただけっスから」

「操縦してるのを叩かないといけないっス」

「ただ、そこに関しては結構絞れるとは思うっスけど」

『エイミー・ワインハウス』に椅子を持って来させて座ろう。
その位の楽は許されるだろう。

「要は、その不良風のやつらを狙いたい人間だとは思うっスけど。そいつらが落ちるのを見たい、的な?」

「まぁ、あくまで予想っスけどね」

679『火はなくとも煙る』:2020/05/28(木) 20:53:01
>>677(白町)

 『ハード・タイムス』から逆流する、ビリビリとした片腕の痺れ。
 お気に入りの『ブランケット(膝掛)』も、四片に寸断されてしまった。

 ……或いは、これくらいの『苦み』も。
 『勝利の美酒』にとっては、ちょうどいいアクセントかもしれない。

「……それは、『こちらの台詞』ね。お疲れ様、白町さん。
 椅子の片付けくらい、後で私がやっておきます。今は休んでいて」

 ところで、その引きちぎれた『ブランケット(膝掛)』だが……
 等方向に均等に引っ張られたためか、断面にほつれ等はない。

 もしかして、布と繊維の張力を自在に操る『ハード・タイムス』の器用さなら、
 『縫い糸』と『裁縫道具』さえあれば、キレイに直せるのではないだろうか……?


>>678(中務)


      シュ ビ !
                   バッ !


 キレのある一礼!

 『エイミー・ワインハウス』も、本来の調子を取り戻したらしい。
 先ほどまでの微かな『不具合』は一切感じられない。
 優雅に、もしくは淑やかに、椅子に腰かけているのだろう。

「……『ラジコン』。なるほどね。
 電波の届くようなところから動かしていた、と。
 さっき言っていた『遠隔自動操縦』って、そういうことよね?」

 分かりやすい例えに、エヴァレットも得心がいったようだ。


>両名

「……二人とも、改めてお礼を言わせて」

 ひと息ついたところで、エヴァレットが居住まいを正す。

「貴女たちにとっては、自分の『信条』に則った行いだったのだろうけれど」

「……私にとっては、これ以上にない『無実の証明』だった。
 訳も分からないおかしな事件について、疑いをかけられて……
 正体も目的も知らない、『幽霊』のせいにして……
 私の頭がおかしくなったんじゃあない、って、『自分自身に証明できた』」

680『火はなくとも煙る』:2020/05/28(木) 20:53:57
>両名

 もし、この事件に、犯人と呼べる人物がいるのならば。
 真の解決を図るためには、その正体を明かして、公正な罰を受けさせるべきだろう。

 ……しかし、『スタンド』の罪を裁く法はない。
 正義なき力は、ただの暴力だ。

 ――――では、今回の一件は。

 『酔い』を振り撒いていた、傍迷惑なあの『スタンド』を懲らしめたのも、『暴力』なのだろうか?

 それは、二人の『正義感』次第だろう。ただ、


      「……今はもう、『真相』を知っている。 『だから』、迷わない。
       『図書委員』だから怪しい、『イギリス人』だからサボってる……
       そんな噂で肩身の狭い思いをすることなんか、これっぽっちもないんだって」


        「……誰に恥じ入ることもなく、心の底から、そう思えるわ」


               ペコォ――――ッ


          「…………ありがとう……!」


 ……少なくとも。
 貴女たちに救われた『彼女』は、そんなことは微塵も思っていない。

 二人の『スタンド使い』による予想外の介入は、『牽制』にはなっただろう。
 『図書室』は、静謐を取り戻すはずだ。……少なくとも、当面の間は。


       キーン            カーン
              コーン             コーン・・・


 再三、放課のチャイムが鳴る。

 貴女たちは、用が済んだのだから、と『図書室』を後にしてもいい。
 或いは、多少駄弁っていってもいい。
 せっかく図書室に足を運んだのだから、何か『貸出』てもいいのかもしれない。

 ……今は『利用禁止』だが、そのくらいの融通は利くだろう。

681白町 千律『ハード・タイムス』:2020/05/28(木) 23:05:02
>>678(中務)
>>679-680(GM)

「狙いはエヴァレットさんでは無かった……
 確かに言われてみれば、その可能性もありますね。
 中務さん、その発想の転換…………『素晴らしい』」

「今すぐ探したい、ところですが」

下手人を追うにしても、今すぐは厳しいだろう。
タネが割れたとはいえ『侮る』理由はない。
是正を忘れるものはいずれ負ける。
正義の衝突は畢竟、『暴力』と『論理』の衝突。
それらを研ぎ澄ます事が『是正』につながる。

――『白町千律』は、それが可能なら、武力解決を厭わない。

「そうですね。ここは少し休みましょう。 
 わたくしの『ハード・タイムス』は、疲れるのです」

直したばかりの椅子に座り、エヴァレットに笑みかける

「エヴァレットさん。
 わたくし……あなたの『真面目さ』が好きです」

「ですからこそ…………『是正』を、するのです。
 今日あなたはひとつ、『スタンド』について知る事が出来ました。
 ……『スタンドが見える者』は、『己のスタンド』にいつか出会う。
 それがいつになるかは、わたくしにはわかりませんが……覚えておきなさい」

チャイムが鳴り響く中、千切れた布を鞄に収める。
体力が回復したならば…………『次なる是正』へと、動き出そう。

682中務千尋『エイミー・ワインハウス』:2020/05/29(金) 00:22:55
>>679
>>680

「まぁ、エヴァレットさん狙いの可能性もありますけど、不良の方が狙われた数多いっスからね」

足を組み、伸びをする。
まぁ、とりあえずひと仕事は終えたわけだ。

「……この先もこんなこと、あるかもしれないっスよ」

「でもエヴァレットさんなら大丈夫っス」

「また白町さん頼ってもいいんだし」

そう言って立ち上がる。
貸し出しをしたい本があるのだ。
だからそれを済ませてから帰ろう。

「お疲れ様っス」

683『火はなくとも煙る』:2020/05/29(金) 17:18:44
>>681(白町)

 椅子に腰かけると、それまでの疲労がどっと押し寄せてくる。
 エヴァレットは、貴女の忠告に言葉少なに返した。

「……そう。そんな日が、来るのかしらね」

 今回の『是正』は、一先ずの終着点を迎えた。
 風紀委員としての活動記録に、見えない一ページが刻まれたということだ。

 夕日が暮れる頃には、息も整うだろう。貴女は、次の『是正』に受けて足を進める――――。


>>682(中務)

 ひと伸びをして、体を解す。
 貴女の言葉に、エヴァレットは言葉少なに頷いた。

「……そうね。大丈夫、だといいのだけれど」

 『図書の貸出』を申し出ると、エヴァレットは快く応諾した。

 肌になじむ革の表紙の手触り。
 焼けてくすんだ紙の色。
 貸出を待つ間の、時計の針の、刻む音。

 憩いの場でもあった『図書室』、その平穏が帰ってきたことを実感する――――。


>両名


 ―――――『後日』。


 貴女は、たいへんな幸運に見舞われることになる。
 『宝くじ』に当たったのか、『財布』を届けて謝礼をもらったのか。

 いずれにせよ、その『金額』は学生にとっては、ちょっとしたものだった。


【 RESULT! 】

 白町千律『ハード・タイムス』 ⇒ 『20万円』 + 『3万円』 GET!

  ・『遠隔自動操縦型(特定の法則に基づいて動いている)』だと見抜いた(>>640) +1
  ・『発動条件(自賛)』に気づいた(>>648>>651) +1
  ・『攻略法(現れると思しき位置に、先手を打って攻撃を仕掛けておく)』を実践した(>>672) +1

 中務千尋『エイミー・ワインハウス』 ⇒ 『20万円』 + 『2万円』 GET!

  ・キーワード『自分に酔っている』に至った(>>649) +1
  ・『酔い』の解除(『水分補給』など)を行った(>>641) +1

684『火はなくとも煙る』 〜真相〜:2020/05/29(金) 17:21:07

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【スタンド能力の開示】

遠隔自動操縦型。人型。接触発動。

西洋風の顔立ちをした、『絶世の美少年』のヴィジョン。
宗教絵画に描かれるような、神秘的で幻想的な外見。
美しさと若さを兼ね備えており、絶えず自己陶酔的な表情を浮かべている。
所作がいちいち気障ったらしく、なんとなく鼻につく感じもする。

彼は、自分の外見があまりに美しいので、ギリシャ神話に登場する『ナルキッソス(※)』だと思い込んでいる。
すなわち、『自分に酔っている』。そして、同じように『自分に酔っている』と思しき人間を見つけると、

「もしかして水面や鏡に映った自分自身の虚像なのでは?」

と勘違いして、愛撫などを迫ってくる。
彼に勘違いされた状態で愛撫(接触)を受けると、本当に「写し鏡」のように、その『酔い』まで移ってしまう。
その後、自分以外の人間にはあんまり興味がないので、愛撫を終えたらさっさと消える。
『自分に酔っている』、と判断されてしまう基準は――――『自分語り』。

『自分』を『語る』……すなわち、自身に対して肯定的な発言を『口にする』ほど、対象は『自分に酔う』ことになる。

具体的には、「私には〇〇できる」だとか「僕は××だと知ってるよ」だとか「俺は△△な人間だぜ」といった、
自分の能力・性格・知識などについて自信に満ちた言葉、肯定的な自己言及は、すべて『自分語り』と認識されてしまう。

発言者の意図は関係ないので、実際には自信を伴っていない発言や、誰かの質問に答えただけでもアウト。
その機微が分からないのは、彼自身も『酔っている』から、なのかもしれない。

『アルコホリック・フェイス・ミッション』

破壊力:E スピード:A 射程距離:A
持続力:B 精密動作性:B 成長性:E

(※『ナルシスト』の語源となり、水面に映った自分自身に恋をして、口づけしようとして溺れ死んだ美少年。諸説あり。)

----------

【スタンド使い】

酒本樽美(32)

会社員。独身。
外資系保険会社にて、営業職を担当。
その過酷な業務に精神が追い詰められており、今回の『スタンド』の暴走に繋がった。

毎週金曜日、営業先⇒直行直帰⇒宅飲みのスーパーコンボをキメている彼女は、
「明日から休みなので思いっきり酒が飲める」という歓喜のあまりに、
自身の『精神の発露』である『アルコホリック・フェイス・ミッション』を暴発。
その結果、自宅の借家近くに位置していた清月学園の『図書室』で、ヴィジョンが暴走してしまっていた。

彼女当人は、自分の『スタンド』能力に無自覚。
或いは、今回のミッションで暴走中のヴィジョンを打倒されたことで、何かに『気付いた』かもしれない。


――――最近、とある『製薬会社』の治験アルバイトに、会社には内緒で参加していた。

685『火はなくとも煙る』 〜真相〜:2020/05/29(金) 17:22:59
『アルコホリック・フェイス・ミッション』

破壊力:E スピード:A 射程距離:A
持続力:B 精密動作性:B 成長性:E

----------

『自分語り』、すなわち自己への肯定的な言及を対象に発動する。

発現⇒接触⇒消失までは『一瞬』。
ヴィジョンを目視してから『後出し』で攻撃を行っても、よほどの工夫がない限りは、攻撃が間に合わない。
特に、酩酊状態の人間は判断力や反射神経が鈍っているため、徒手空拳の精度も落ちる。

『酔っている』人間からは、後述の深度別症状のほか、実際に『アルコール臭』などもする。
この『スタンド』を打倒した時点で、『酔い』は一気に回復する。

1、基本的な攻略方法

発動条件を理解して逆手に取り、「ヴィジョンが現れる瞬間に合わせてあらかじめ攻撃を置いておく」。
すなわち、相手の動きを先読みして『先手を打っておく』ことで、スピードの不利を打ち消すということ。

(但し、この『先手を打つ』という攻略法に至れば、発動条件は正しく理解していなくても構わない。
 最悪、「喋っている途中に現れたぞ」程度の理解度で、適当に話しながらラッシュ攻撃をしたとしても、
 その会話の中に『自分語り』が含まれていれば、有効な攻撃として扱う。……見栄えはかなり悪いが。)

2、ややメタな攻略方法

本来であれば、ヴィジョンが現れた際の会話の内容から『共通点』を探し出す、というのがGMの想定する解決法。
但し、ヴィジョンが現れた際のレス内の会話と同じ言葉を繰り返して、どの時点で『スタンド』が出現したのかを探ることも出来る。

3、その他の攻略方法

接触発動型のため、『スタンドコーティング』が対策としては有効。
『酔い』を醒ますために有効とされている一般的な手法(水分補給など)での対処も可能。

4、酔いの深度について

『爽快期(深度1)』……心なしかさわやかな気分。他人が見ると、皮膚が少し赤らんでいる。自覚症状はない。
『ほろ酔い期(深度2)』……体温が上がり、肌が汗ばむ。脈が速くなる。自覚症状は「少し動悸を感じる」程度。
『酩酊初期(深度3)』……立っているとふらつく。呂律がちょっと怪しい。はっきりと自覚する。
『酩酊期(深度4)』……まっすぐ歩けない。何度も同じことをしゃべってしまう。吐き気、動悸も激しい。
『泥酔期(深度5)』……まともに立つことも出来ない。言語能力はほぼ機能しない。
『昏睡期(深度MAX)』……揺り動かしても起きず、意識はほとんどない。無理をすれば、生命に関わる。

※『自分語り』に反応しているので、言語能力を失った『泥酔期(深度5)』以降はそもそも発動しない。

参照:ttps://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/kids/library/page02/details.html

686『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 21:14:02

 失敗したからって何なのだ?失敗から学びを得て、また挑戦すればいいじゃないか  

 ――ウォルト・ディズニー

687『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 21:23:34


金一「 ――25歳のブロンドヘアー
ナイスバディなアメリカン教師の衣類をズダズダに切り裂いて
脱衣KO勝利するヒール役を務めてくれって言ったら。
 アルカラ 了承してくれるか?」

金一「ついでに言っておくと今回のルールは所持品の持ち込みは禁止な。
言うて、別に今回は何か道具なくても勝てる可能性は十分高いぞ」

とてもセンスの悪い色柄な派手なスーツにサングラスをした男
貴方と奇妙な縁が出来たアリーナの貴方の専属スポンサーを自称する
銭の亡者が総合グラウンド地下闘技場についての新たな試合を耳にした
貴方(夢見ヶ崎ことアルカラ)に久しく顔を会わせたと思ったら
唐突にそんな寝ぼけてるのかとち狂った事をほざいてきやがった。

意図を聞くのも良いだろう。恒例のように殴り飛ばすのも手かも。


(何時も通りの簡単な外見とプロフィールと能力詳細。
上記の通り、今回は所持品はいらないから記載しなくても結構)

688アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/12(金) 22:09:17
>>687

     ――――ドスゥッ!!

出会い頭に、『金ナントカ』のケツを勢いよく蹴り上げる。
『まえのアリーナ』といい、『たくじしょ』のときといい、
もともとジョーシキのないヤツだったけど、
アタマが『ネツボーソー』して、
とうとうマジにイカれちまったのか??
『アツ』がちかいせいか、さいきん『ナツい』からな〜〜〜。

「ベツにいいけど。ヒマだし」

コイツ、まえからサングラスしてたっけ??
こんなヤツと『おそろい』なのがしぬほどイヤになるぜ!!
どうでもいいけど。

☆★☆外見☆★☆
セミロングの金髪、『アリス』をパンキッシュにアレンジしたファッション、
サングラス、カラフルなネイル、リボンのように巻いたスカーフ。

★☆★簡易プロフ☆★☆
生まれつき目が見えなかったが、最近見えるようになった。
その背景から『アリス』を自称する少女。
好奇心の赴くままに、今日も『ウサギ(興味の対象)』を追い求める。

☆★☆能力詳細★☆★
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/56

689『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 22:25:02
>>688

金一「いや、俺もアルカラが名勝負を血の猟犬(ベリル)としたお蔭で
優秀な若手ランカー発掘したって些か有名になると自負してよ。
 ちょいと良いサングラス買って顔が割れないようにしてみたぜ!(ドヤ顔)」

ついでにサングラスが割れる勢いでケツ+顔をぶん殴ってやるのも良いだろう。
 会話して十数秒で結構ボロボロの様式美となったアリーナのサポーターは
試合について詳しい説明をする。

金一「今回、アルカラの相手は『レーン先生』
ランカーとしての名前とかじゃなくて、マジで塾の講師で。元々アリーナの
選手でもなんでも無かったが、トントン拍子で何故だが知らんが上位ランカーと
此処で対戦して、なんと無傷で勝ったと言うトンでも経歴の持ち主なのよ。
 つっても、その一勝以外でアリーナの戦績は無いんだが。
何でこのアリーナに戻ったのか、とかは本人に聞いてくれ。
 うん? 相手の能力は大まかに言うと……アレは砲台系って言うのが正解か?
謂わば『初見殺し』な。俺からの説明は以上! 
因みにレーン先生はガチの殴り合いは全くした事ねぇのは保証する!
 だから衣服を切り裂いて、中に着てるであろう水着姿にしてやれば
観客の男共の熱狂もピークに達する! 録画映像だって高値で売れるだろう!
だから脱衣koを(俺の記録売買の為 ※無論違法)頑張って狙ってくれよな!」

(※金一をぶちのめす以外で特にする事なければ、すぐ次の描写から
試合シーンに移る)

690アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/12(金) 22:39:26
>>689

    「ふーん」

          「ほうほう」

                 「へー」

テキトーな相槌を打ちながら、一応ハナシだけは聞いてやる。
全く『興味』がない訳でもなかった。
後半の『脱衣うんぬん』は意味不明だが、
久々に『試合』をするのは面白そうだ。

「よし!!いっちょ、やってやるか!!」

「あ、そのまえに――――――」

     ドシュンッ

  バババババババババババババババババババババババ
  バババババババババババババババババババババババ
  バババババババババババババババババババババババ
  バババババババババババババババババババババババ
  バババババババババババババババババババババババ
  ァァァァァァァァァァ――――――ッ!!

『ドクター』を発現し、『レーン先生の服』をズタズタにする前に、
『金一のスーツ』をズタズタに切り裂いておく。
特に意味はないが、ムカつくからやった。
ついでに、もう一発ケツに蹴りを入れてから、
『現場』に移動しよう。

691『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 22:59:48

〜〜〜地図〜〜〜

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□レ□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□柱□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□ア□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。
レ:『レーン先生』 
ア:アルカラ『ドクター・ブラインド』

―――――――――――――――――――――――
貴方は金一を恒例通り叩きのめし『ステージ』に立つ。
 向かい側では、半袖にジーパンと言った軽装で眼鏡をかけた
ブロンドの発育が色々と目立つ女性が観客席に手を振りアピールしている。

ワァァァァァァァアアアアアァァァァ!!!!

『レディィィィィィスゥゥゥゥ &!! ファッキン玉無しガイ共!!!
今宵このアリーナ地下で闘うのは、以前中位ランカーである『深紅の猟犬』こと
ベリル・ストックを打ち倒したぁぁぁああああ!!! 
あるるるぅぅぅぅぅからぁぁぁあああああ!!!
 そして、今日は副実況のゲストとしてべりぃぃぃいいいいるぅぅ!!!
彼女も同伴して頂いてるぜぇぇええええ!! いぇぇぇえええいいい!!』

ベリル『冷静な実況が欲しいと運営側に頼まれたからな。言っておくがちゃんと
試合に今後も参加してアリーナ戦績トップを狙うから安心してくれ。
さて、本日の試合は殺害は勿論ながら禁止。降参にリングアウトによる勝利も含む
気絶させるなり何なり、まぁ何時も通り落ち着いて選手には頑張って欲しい』

向こう側にいる、貴方の対戦相手が観客の声やアナウンスに負けず快活に告げる。

レーン先生「hey! you アルカラねーっ! キョ―はサイコーにスリリング!
エキサイティングなバトルを見せましょーね イエーイ!」

片腕を突き出して笑顔でウインクしながら貴方にそう言った。
どうにも緊張感に欠ける女性だ。

ベリル『さて、ゴングが鳴ってから開始だ。
アルカラ、試合前に観客や対戦相手に言っておきたい事があれば今の内だからな』

(※次レスで試合開始)

692アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/12(金) 23:24:54
>>691

「イィエェェェ〜〜〜スッ!!
 マイ!!ネェェェェェム!!イズッ!!『アルカラ』!!」

       バッ

「エキサイティング・バトル!!エンジョイ・アリーナ!!」

           クルッ
 
「イッツ・ショ〜〜〜タァァァァァイムッ!!」

                ザンッ

適当な単語を並べながらアドリブでポーズを取り、
その場で一回転して床を踏みしめる。
ところで、『試合』の前に、やることが一つある。
そのために、金一のスーツの『きれっぱし』を拾っておいた。

       ――――――ドシュンッ

『メス』の如き『十本の爪』を持つ『盲目の人型スタンド』――
『ドクター・ブラインド』を発現する。
『試合前に出しちゃいけない』とは言われてない。
『爪』で『きれっぱし』に『傷』を付け、『超聴覚』を移植する。
別に攻撃のためじゃなく、『騒音対策』だ。
前に来た時から思ってたけど、ここは『うるさすぎる』。

      ギュッ

『超聴覚』を移植した『きれっぱし』を、本体の手に握っておく。
こうすることで、
ある程度は『騒音』をシャットアウト出来るはずだ。
『アリーナの喧しさ』が、
『超聴覚』に『悪影響』を与える可能性を、今の内に潰しておく。

693『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/12(金) 23:41:06
>>692


          ――カーンッッ!!!

試合のゴングが高らかに鳴り響く! 服の上からでも目立つ双方の谷間を
軽く揺らしつつ、レーン先生は親指をグッドの形で突き出し高らかに宣言する。

レーン先生「うんうんっ!! 気合十分 グッドねー!
――それじゃあ!! MEと授業デース!!!」
     『My Way』!!

そう、告げるとだ。レーン先生の片手に『指揮棒』が発現された。
音楽用と言うよりは、よく授業で黒板等の重要な部分を指す時に
使用する感じの指揮棒と言った感じのヴィジョンだ。

レーン先生「それじゃ行きますよアルカラぁ!!
 ready――――――LESSON!!!」

   タン タンッ トンッ タンッ ターン!

!!? な、何と!? レーン先生が宙を指揮棒で叩くと
『赤く輝く光球』が二つ 『青く輝く光球』が一つ産み出され
最後に二つの白金色に輝く電車のレーンのようなものが発現された!!

レーン先生「IT'S SHOWTIME!!」 ブンッ!! ゴォ―――ォ!!!

そのまま、レーン先生がバットを振るように指揮棒を振りぬくと
赤と青の光球はそのレーンを通過し、互いに混じり合い
バランスボール大の『灰色の光球』になると、超高速(スA)で
何と貴方の元に寸分たがわぬ軌道で突っ込んできた!!



アナウンス『ワ―――オォォォ!! レーえええええぇぇン!!
早速行き成り派手にスタンドを放ってくれるねぇ!!』

ベリル『私は詳しくあの選手の能力を知らんが、凄まじい速さと正確さ!
ただ単純に逃げるのは難しいぞ! アルカラ……っ!』

694アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/13(土) 17:20:41
>>693

「なッ――――」

『かてるカノウセイはジューブンたかい』だとォ〜〜〜??
メチャクチャはやいし、ねらいもセーカクじゃねえかよ……!!
あのボンクラ、またフカシやがったな!!

    「なんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?!?」

金一のアホによると、
『レーン先生』は『初見殺し』だってハナシだ。
言い換えると、『外見から能力が想像しにくい』と予想する。
やられてみて初めて分かる。
『初見殺し』というのは、大体そういうモノだ。
しかし、まずは迫る『光球』をどうにかせねばなるまい。

「『ミス・レーン』!!
 『ファーストアタック』はくれてやるよ!!
 これからのジンセーいっしょうカンシャしながらうけとれ!!
 ついでに『まわらないスシ』と『スイーツバイキング』もおごれ!!
 そのあと『ゆうえんち』にもつれてけ!!」

このスピードでは、見てからの『回避』は不可能に近い。
だからといって、無防備に食らうのは危険だ。
消去法として、『防御』を選択する。

         ババッ

自分と『光球』の間に『ドクター』を割り込ませ、
ガードを試みる。
いくら超高速とはいえ、
『本体が指揮棒を振る』という予備動作が入る以上、
その間に動くコトは十分に可能だ。
正直『得体の知れないモノ』に触れたくはないが、仕方がない。

ただし、タダでは食らわない。
その際に、どの程度の『パワー』があるのか計っておこう。
同時に、『一番近い柱』に走り込み、『追撃』に備える。
もし『飛び道具』がメインなら、
距離を取って延々と撃ってこられるのが一番厄介だ。
遮蔽物に隠れながら接近するという『セオリー』を踏襲する。

格上の相手に無傷で勝利したという『レーン先生』。
よほど『相性』が悪かったのか。
それとも、一度食らえば『ハメられる』ような能力かもしれない。
そういうタイプは、
『一度受ける側に回ると弱くなる』可能性はある。
今は『当たった後』のコトを考え、そのための行動を取る。

(『レッスン』……。まさか『ジュギョーするスタンド』か??
 イズミンの『センセー』みたいに。
 いや、『センセー』は『ジュギョー』しねーけど)

695『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/13(土) 19:16:04
>>694

――ババッ!

『ドクター・ブラインド』を前面に出しての防御! 相手の光球が
超高速で生身の回避が不可能ならば、スタンドで庇うしかないとの判断。

   ――ブブーッ!!

!?

まず、その行動で理解出来た事は二つあった。
貴方(アルカラ)が口上を述べ、スタンドを動かした時。バランスボールサイズの
その光球は貴方とスタンドの前で『一時停止』をした。
更に、理解出来た二つ目。その行動を見届けたと言わんばかりに
灰色の光の球からテレビの番組などでも馴染みある『間違えた音』が発せられた事。

スタンドに光球は直撃……いや、しなかった。接触しても光球でダメージは発生せず
そのまま貴方ごと光球は飲み込む! 視界一面が灰色の光で満ちると共に……。

 ――ドゴォーンッ!

『おぉーーーっとぉぉぉ!! アルカラ、レーンの攻撃が直撃ぃぃ!
そのまま後ろの金網に激突ぅぅぅ!!! このダメージは大きいかー!!?』

光の球に飲み込まれたと認識した瞬間『頭部にかけて拳骨のような痛み(パC)』
そして真後ろにあるフェンスへ吹き飛んだが、その吹き飛んだ衝撃による
身体的なダメージはほぼ無い……背中が金網に強めに当たった痛みがあるが
明確な攻撃と感じたのは頭部のみ。恐らく、あと5発ぐらい同じダメージが蓄積すれば
流石に痛みのショックで気絶するかも知れないと感じられた。
(※地図上の立ち位置に変化は無い)

レーン「oh!! アルカラぁー!! その行動はNO NO! bad ね!
それと、ジャパンの寿司、スイーツ 私も好きですけどyouに奢れませーんっ
因みにランドはジャパンより本場のカリフォルニアが一番っ!
今日のウィンマネー、パピーマミーに久々に会って親コーコーに使うネーッ!」

アンコールねーっ とレーン先生は、指揮棒を再度宙向けて叩く。

     タン タンッ トンッ タンッ ターン!

まただ……『赤色の球二つ』『青色の球一つ』『白銀色の縦線二本の棒』

ベリル『……妙な能力だ。スタンド能力の中では最速と称して良いが
反面、ダメージが余りに低い。どう言う仕組みなんだ……?』

レーン「さぁーアルカラぁー! Good Answer Please!!」

先生が指揮棒を振りぬこうとする……!

696アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/13(土) 22:28:11
>>695

    ザッ

とりあえず立ち上がる。
今の衝撃で若干ズレた『サングラス』を真っ直ぐ掛け直す。
もしキズが付いてたらベンショーさせてやろう。

        「 『Naru-Hodo』 」

なるほど、分かった。
『仕組み』を理解しない限り『これ』を永遠に続けられて終わり。
大体そういうコトだろう。
逆に言えば『レーン』に出来るのは『これしかない』と見ていい。
『ドクター』の射程内に入りさえすれば、『アルカラの勝ち』だ。

「『ミス・レーン』ってさぁ〜〜〜。
 『なぐりあい』はしたコトないんだよねェ〜??」

「わたし、まえココにきたときさぁ〜〜〜。
 ソコにすわってる『ベリル・ストック』と、
 『ガチなぐりあい』したコトあってさァ〜〜〜」

「『おかえし』に、こんどはコッチが『レッスン』してあげるよ」

      「――――『レッスン29』!!
     コレでショシンシャもアンシン!!
  『ダレでもできるハジメテのブンなぐりキホンこうざ』!!」

    ダッ!!

『本体の動き』を妨害したいトコだが『モノ』がない。
今は、とりあえず遮蔽物に入って――――
と言いたい所だが『そのまま直進する』。
要するに『全速力でレーンに向かって突っ込む』というコトだ。
こういう『リスクの高い行動』は、
『最初のウチ』にやっておいた方がイイ。
情報を得たいというのもあるが、
コイツ相手にチマチマ時間を掛けるのは危険だと判断した。

      ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ

おそらく、また『灰色の光弾』が放たれるだろう。
そして、『ソレ』は『一時停止』する。
どれだけスピードがあろうと、
止まっていれば対応するのは容易い。
『一時停止』を見越し、停止した瞬間に『スライディング』して、
『灰色の光弾の下』を潜る。
後ろから『追尾』してくる可能性もあるが、
その時は――――。

697『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/13(土) 22:59:24
>>696

レーン「『My Way』! 『My question』!!
アルカーーーラァー! Show me your full power!!」 ブンッ!!

    ブォ―――――zノッッオォン!!

先程と同じだ。
赤と青の光が、二本の同じ長さの縦線に沿って走るように飛び出すと融合し
バランスボール大の灰色の光球が貴方(アルカラ)へ飛来。
そして、再度肉薄する距離で『一時停止』! すかさずスライディングしつつ
レーン先生へ距離を詰めようとするが……。

レーン「oh……bad answerネー」

 ブブーッッ!  ギュォン゛ッ
     ――ドゴォーンッ!

!! 同じだ……『同じ結果』だ!

スライディングして光の球を通過しても、高速(ス精AA)で
球は貴方を包み込み。そして、再度レーンと反対側
つまり試合開始地点のある金網まで吹き飛ばし、更に頭部に強い痛みが走る。
吹き飛ぶ衝撃によるダメージは軽微だが、頭は先程よりも痛い!!
だが体感で収穫も出来た。この『吹き飛ばし』は指向性に偏った
レーンが攻撃されない為だけの代物だ。相手を再起不能に至らしめるものじゃない。

『うぉおおおお!! レーンのスタンドにアルカラ 回避を試みるが失敗!
上位ランカー、ジャイアントキリング 一戦一勝無敗のレーンを踏破するには
余りにも無謀だったとでもいうのかあああああ!!!!』

ベリル『……やはり、どうも妙なスタンドだ。
指揮棒? 赤い球二つ 青い球一つ……なんだ、何か見覚えがあるような』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※観客席

ヤジ「いやぁ、強いね。流石レーン先生って言うところか。
ただ……能力が解明されたら『俺でも勝てるから』なぁ」

小林「ほぉ? そんな特殊な能力なので」

ヤジ「あぁ」

698アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/13(土) 23:15:27
>>697

「うるせえ」

『レーンびいき』の実況に軽い突っ込みを入れる。
あとでアイツのケツにケリをいれてやる。
まぁ、ソレはどうでもいいとして――。

「ショージキ『まだ』わからん。わからんけど――――」

「オメー、まともにアイテすると『バカ』をみるタイプだろ??」

『まっとうに戦う』のは止めた方が良さそうだ。
とりあえず、まだレーンは『振ってない』。
だから、手近な柱の陰に入って様子を見る。

699『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/13(土) 23:31:35
>>698

レーン「oh? かくれんぼー ですカー?
私も、たまに塾のkidsとしますネーッ!
 けどぉ! 今は『授業』デース!
さぁ、Ready GO――!」

タン タン タンッ トンッ タンッ ターン!

! レーン先生が今度繰り出したのは『赤い球三つ』『青い球一つ』
そして、先程と同様の白金の均等の長さの線が浮かぶ。

レーン「Exciting problem!」 ブゥン  ブォ――ン!

異なる対極な色合いの球が再び融合し合い、バランスボールサイズとなり
貴方目掛け飛来する! 柱の遮蔽など関係ないとばかりに超高速で追尾して!

700アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/14(日) 19:51:11
>>699

質問です

レーンが持っている棒の長さと太さはどれくらい?
出現直後の赤い球、青い球、線は具体的にどういう形に配置されている?
レーンは棒を片手で振っている?
レーンが棒を振る速度は人並み?
灰色の球が一時停止する時間はどれくらい?

701『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/14(日) 22:56:50

>レーンが持っている棒の長さと太さはどれくらい?
oh! 私の『指示棒』は大体120㎝ネー!

>出現直後の赤い球、青い球、線は具体的にどういう形に配置されている?
ソレッ『good question』ネ! 正面から見た限り
『赤い球』『青い球』そして『縦線二本』ネー!

>レーンは棒を片手で振っている? レーンが棒を振る速度は人並み?
野球見たいに両手で振ってるネーッ YESッ 人並みネー!

>灰色の球が一時停止する時間はどれくらい?
one phrase one actionをアルカラがする程度の時間ネーッ

702『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/14(日) 22:59:47
>>レーンは棒を片手で振っている? レーンが棒を振る速度は人並み?

oh sorry! ちょっと誤解ある文章だったのね訂正ネー!

球と棒を出現させたり等の時は片手で振って、射出をする時のみ
野球見たいに両手で振ってるネーッ!

703アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/17(水) 21:48:15
申し訳ありません。
質問を追加させて下さい。

・縦線の長さは大体どれくらい?
・縦線はレーンからアルカラに向かうようにして伸びている?
それとも地面から天井に向かうような形で伸びている?
後者だった場合、棒は浮かんでいる?
・発現から射出までの間、棒に変化はない?
・赤球と青球のサイズは同じ?

704『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/17(水) 22:44:52
>>703
oh〜! それじゃーいっぺんに回答するネー!

赤球、青球、縦線。全部約1m前後の大きさだと考えていいネーッ
YES I a〜〜mッ! 二本の縦線 赤球と青球と同じ位置で
ふわふわ浮かんでるネーッ
 そして再び『good question』ネッ!
私が指示棒(『My Way』)を振った瞬間は縦線二本の棒
『横線の棒』になって赤と青の球を射出してるネーッ!
 射出後は、また再び縦線に戻ってるネー!

705アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/21(日) 22:38:14

・『縦線』が『横線』になるとは、
 『直立していた縦線』が、
 『前方に倒れたような状態』になるという認識で合っている?

・『球』は『直径1m』で、『棒』は『長さ1m』と考えていい?

706『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/21(日) 22:44:59
『縦線』が『横線』になるとは、
 『直立していた縦線』が、
 『前方に倒れたような状態』になるという認識で合っている?

>oh! その着眼点は『NICE』ね!
正確に言えば『11って言う感じの縦線が=って感じになって
そこを通って灰色の球が射出されるネー!

・『球』は『直径1m』で、『棒』は『長さ1m』と考えていい?

大体そんな感じネ! ン〜〜! ただMy Wayの能力的に
球や棒の長さはそこまで難しく考えなくていいネ!

707アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/23(火) 23:40:19
>>699

「ベティちゃん、『かいせつやく』だろ??
 おどろいてばっかりいないで『かいせつ』しろよ。
 『アルカラ……どういうノウリョクのモチヌシなんだ……?』とかあるだろ!!」

『停止時間』は、こちら側が『ワンアクション』を行うか、
あるいは『ワンフレーズ』を発する程度の時間。
その間に『解答』を行う。
おそらく、それが攻略法であろうことは理解できる。
レーンが『授業』と呼ぶ点を踏まえれば、この点は間違いない。
問題は、『何を問われているか』だ。

「チッ、かんがえてもしかたがねえ。
 さいわい、あと『3かい』はチャンスがある。
 ソレをユウコウにつかったほうがよさそうだ」

『赤』・『青』・『数字』・『線』・『指示棒』。
いくつかの想像が浮かぶ。
『ビンゴ』・『静脈と動脈』・『算数セット』・
『床屋の前でグルグルしてるヤツ』・『リトマス試験紙』etc……。
それぞれの『色』を『数字』とし、『縦線』を『イコール』、
『横線』を『プラス』として考えれば、『算数』が怪しいが確証はない。
『青球』の数が現状『固定』で『赤球』だけが増えたのは任意か、
あるいはこちらが姿を隠したからなのかも分からない。

       ビッ

『ドクター』の『指』を『四本立てる』。

708『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/24(水) 00:26:02
>>707

貴方は、迫りくる灰色の球に対し臆する事なくピッ! と『4』本の指を提示する。


  ・・・ブ――――ッ!!   シュンッッ

 ドガァァンッ!

だが……駄目だ! 灰色の球は再度 ×の表記を繰り出すと貴方を包み込み
そして頭部に強い衝撃と痛み。そして体は再度コーナーの元の時点に吹き飛ぶ。

レーン「oh〜〜アル カラーッ。very very very 今のは残念賞ネーッ!」

レーン先生は本当に残念そうに、指示棒を左右に小刻みに振りつつ呟く。

―――――――――――――――――――――――――
※観客席

小林「……あぁ、成程。赤が正で……」

ヤジ「青が対極ってね。本当、小学か幼稚園で習う程度だが
まさか闘技場でこんなもん出るなんて思わないだろう?
 全員ドツボにハマってレーン先生の完勝が出来てしまうって言う寸法な」

―――――――――――――――――――――

レーン「それじゃあ復習ネー!」

タン タンッ トンッ タンッ タンッ  ターン!

『赤球二つ』 『青球二つ』 そして縦線二本が宙に浮かび……。

レーン「shall we〜〜〜〜LESSON!!!」 ブンッッ!

その縦線が横の線へと変わり、赤と青が融合し合い灰色の球となって
アルカラ目掛け一直線に飛来する!(ス精AA)

『おおぉぉっっと〜〜〜!!! レーーーンッッ
ここで駄目おしとばかりにスタンドでの猛襲ぅぅぅ!!
アルカラ、手も足も出せずにこのまま敗北を喫するのかぁ〜〜〜!!?』

ベリル「あいつがそんな簡単に負ける筈がないだろうっ!
アルカラ、そんな能力特化だけの球なんぞに負けるなよ!!」

709アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/24(水) 22:28:57
>>708

「――――――ッ!!」

成す術もなく吹き飛ばされ、
背中から叩き付けられて地面に倒れ込む。
圧倒的な『スピード』と神業的な『精密性』。
余りにも『性能』が違いすぎる。

    「うッ…………」

         ザッ……

            「くッ…………」

                 ズザッ……

気力と体力を振り絞って、
『ドクター・ブラインド』と共に立ち上がる。
敵は未だ無傷であり、こちらのダメージは決して小さくない。
それでも、ここで膝を折る事など出来なかった。
自分自身が背負った『アルカラ』という名前のために。
そして、好敵手であった『鮮血の猟犬』の名に、
泥を塗らぬために。

          「はぁッ…………」

       「はァ――――…………ッ」

   「はァァァ――――――………………ッ」

顔を上げ、凄絶な勢いで迫り来る『灰色球』を見据える。
『灰色』とは『不透明』を象徴する色だ。
この戦いの『決着』も、まだ『ついてはいない』。

      (『ソレ』じゃあない……か……)

    (なら……もう『コレ』しかない……)

           ス ゥ ッ

半身である『ドクター』が『両腕』を持ち上げた。
両手ともに、『人差し指』と『中指』だけが立てられている。
その『形』は――――――『ダブルピース』だ。

710『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/25(木) 21:00:50
>>709(※どうも難し過ぎるのかも知れないんで、ヒントと共にワンチャンス)

 ゴォォ――!!  

貴方のほうへ灰色の球が勢いよく迫る。残る体力は少ない、この一撃が連続で二回受ければ
さっそく意識はどう抗っても無くなる。チャンスは残り二回だ。

ドクター・ブラインドの研ぎ澄まさった感覚のお蔭か知らぬものの、そのモーションは
ゆっくりと遅くなるように感じる。遠くから、アルカラ 負けるなーっと告げるベリルの声も届く。

そう言えば、貴方は以前親交が出来たベリルと雑談でこんな事をした時があった気がした。

『……ん? アルカラ、私が何でそんなに真っ赤な服を良く好んでるかって?』

『しいて言うなら、縁起を担ぐ見たいなもんかな……。
ほら、赤色ってさ。太陽だとか熱い炎だとか【+のイメージ】があるだろ?
風水とかでも、赤は生命力の強さとか表すって言うしな。
 まぁ、私の場合能力的に、真っ赤な嘘とか、そう言った言葉遊びを掛けたりもしてるが……』

そんな、他愛のないやりとり……それと共に現実では灰色の球は。

 ゴォォ――  ピタッッ!!

貴方の前で急停止をした。

(※今のを元に回答をしてみて下さい)

711アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/26(金) 23:00:55
>>710

おい。
おいおいおい。
おいおいおいおいおい。
おいおいおいおいおいおいおい。
おいおいおいおいおいおいおいおいおい。

せっかく『チョーシリアスっぽいフンイキ』かもしだしたのに、
まったくのムダじゃねーの!!
どうしてくれんだよ??
この『なんともいえないビミョーなクウキ』をよォ〜〜〜!?
いっそ、このままムテイコウでくらって、
そのまんまココでねてやろうか??
そんで、レーンのヘアスタイルを、
『アバンギャルド』にするユメでもみてやろう。
いや、むしろ『コレ』がユメなのかもしれないな……。
じゃあ、ぎゃくに『おきるべき』なのか??
『モーニング』はトーストとハムエッグと、
あとコーンスープをたのむ。

もうこうなったらグレてやる!!
これがきっかけで『ヒトのミチ』をふみはずしてやる!!
かつてのトモとのトツゼンのサイカイ……。
しかし、ソレはかなしいタタカイのハジマリだった……。
じかい『アリス・イン・ダークサイド』にごきたいください!!

はぁ〜〜〜そろそろマジメにかんがえるかぁ。
あと『2かい』くらったら『アウト』っぽかったっけ??
なら、あと『1かい』はふっとべるってコトだ。
でもさぁ、うかばねえんだよなぁ〜〜〜。
マジで。
マジのマジのマジで。
マジのマジのマジのマジのマジで。

このキモチをあらわすために、
『あたらしいコトバ』をハツメイしたくなる。
それくらい、なんもおもいつかん。
ベティは『どこかでみおぼえがある』とかいってたけどさぁ、
ゼンゼンねーよ!!
みたコトもきいたコトもたべたコトもないぞ!!
ドコでみたんだ??『オーストラリア』か??
さいきん『コアラ』がみてみたいとおもってる。
『イマのキモチをあらわすコトバ』だけど、
『コアラ』っていうのどう??

そういえばさ、
このまえベティと『ミシュラン1つぼしのレストラン』にいって、
メシおごられてやったんだよな。
『トマトとモッツァレラのカプレーゼ』だっけ??
あれはよかった!!
やっぱりトマトとチーズは、
こんせいきサイコーのタッグだよな〜〜〜。
まぁ、ソレはおいといて。
メシくってるときに、わたしは『あんなコト』や『こんなコト』を、
ベティからききだすコトにセイコウしたのだ。
『めいたんてい』といわれた、
わたしのカレイなるテクニックで!!

レーンの反応を見るに、『指で数を示す』という行動自体は、
『遠くはない』と判断する。
そこから想定できる可能性として最も有り得るのは、
『数字が違った』という可能性だ。
まず、『この路線』を前提として考えることにする。
『残り回数』が少ない以上、
多くの可能性を検討するような時間はないからだ。
少しでも『掠った』なら、それを推し進めていくのが賢明。
しかし、『数』を絞り込むのは難しい。
イチかバチか『適当な数を上げる』という手もなくはないが、
当たる確率が低すぎるし、
それで正解したとしても『邪道』だろう。

『レストランで交わしたベティとのやり取り』を思い出す。
今なぜ『これ』を思い出したかは不明だが、
何となく『引っ掛かり』を感じた。
これを手掛かりにして、『数』の特定を試みる。
とりあえず、『真っ先に思いついた数字』を指定する。
『感覚的な要素』が強いが、他に浮かばない。

       ――――――スッ

『ドクター』の親指と人差し指を合わせる。
『お金』を表す時に使うボディランゲージだ。
これによって表す『意味』は違うが。

ナゼこうおもったかって??
これがセイカイだったらセツメイする。
また『ビミョーなクウキ』になったら、きまずいからな!!

712『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/27(土) 22:22:47
>>711

貴方は『まる』を指で作った。
1 2 3……そんなに秒数が本当に経過してはいないかも知れないが
硬直した灰色の球を目と鼻の先で睨み合う貴方には随分長く感じる緊張の一瞬。


   ――パンパヵパァ――――zノァアンッ  パ―ンッッ!!

!!! ファンファーレの音と共に、灰色の球は弾け、煌びやかな虹色の
閃光が球のあった部分を中心として華のように咲き誇る。
当然ながらアルカラにダメージは存在しない。

レーン「oh アルカァ〜ラ! congratulatio〜〜〜〜〜n!!!
花丸ネ〜イェーイ!!」

『おおぉおおおおおおおおとぉぉぉ!!!!!
アルカラ どうやら能力の解明に至ったらしくレーンの攻撃を切り抜けたぁ!!
このまま逆転劇が繰り広げられるのかぁああああああ!!!!』

ベリル「ふぅ……私に勝ったんだアルカラは、これ位は当然だ」

『hahahaha!! ベリルッ そう言う割には凄い手の平を握りしめてたぜぇーイ!』

ベリル「黙れ」


――――――――――――――――――――――――
※観客席

小林「おっ どうやら能力の解明に至ったようですね?」

ヤジ「理解すればな、だが……このままレーン先生がそのまま
終わるって言う感じにも思えないんだよなぁ」

――――――――――――――――――――――――――

ニコニコ

レーン先生「アルカラ わーたし、とっても教師として嬉しいネーッ!
それじゃあ
――ここから本当の『LESSON』の始まりねーィ」

 ゴゴゴゴゴゴ……。

何やらレーン先生に凄みが出始めた……。

713アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/28(日) 20:54:27
>>712

「ココがドコだかわかってねーようだな」

「ココは『アリーナ』だ。『キョウシツ』じゃあない。
 アンタは『キョウシ』かもしれねーが、
 アタシはアンタの『セイト』じゃあねー」

          ビ シ ィ ッ

「そんなに『ジュギョウ』がやりたけりゃあ、
 『オーストラリア』でやってろよ」

『ドクター』が人差し指を立て、レーンに突きつける。
当たったのはいいが、正直かなり『不公平』な状況だ。
外したらダメージを受け、正解だったらノーダメージ。
つまり、こちらが正解してもレーンは『無傷』のまま。
『じゃあいつ攻撃させてくれるんだ』って話になる。

それとも、『この間』に近付けばいいのか。
正解しながら徐々に距離を詰めていって、
最終的に『射程内』に入ればいいってことなのか。
でも、こっちが近付く分だけレーンは離れるだけでいい。
『飛び道具使い』なら、普通そうする。
だが、考えていても仕方がない。

  ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!

レーンめがけて走る。
それ以外にする事はない。
そして、『この後の展開』も予想出来る。

「――――どうせブッぱなしてくるんだろ。さっさとしろよ」

714『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/28(日) 22:43:33
>>713

レーン先生「わーたしっッ 生粋の生まれも育ちもアメリカンでーすっ!」

プンスカと、オーストラリアについて否定するレーンを他所にアルカラは駆ける。
当たり前だ、貴方にとってレーン先生は明確な『対戦相手』だ。
 そして、余裕なのか。または背水の陣と言うべきか。立ち位置的に後退したり
するのが難しい場所であるのも踏まえ、貴方が迫ってもレーンは移動しない。

〜〜〜地図〜〜〜

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□レ□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□柱□■∴
∴■□□□□□ア□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴


レーン先生「oh youは可愛いAliceっぽいのに、雰囲気はwhiteKnight!!
okぇええええ!! meもheart heatネーーー!!!」

タン タンッ  テンッ  トンッ タンッ タンッ  ターン!

! 『赤色の球が二つ』『青色の球が二つ』 更に、少し空間を空け『赤色の球が三つ』

そして、前者の赤と青が重なり『紫色』へ変化し、そのまま其の融合した紫の球と
赤色の球が横線二本の棒を通過し灰色の球がアルカラ目掛け……。

 ――ゴォッッ!!

レーン先生「Let's show American spirit!!!」

同じ展開。灰色の球が豪速球で貴方へ迫り……そして目前で停止する。

715アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/29(月) 19:56:44
>>714

そういや、レーンはバトルに関しては『ドシロート』だった。
だから距離を取ろうとしないのか。
まぁ、どうでもいいや。
離れる気がないんなら好都合。
このまま真っ直ぐ進めばいいだけだ。

「あぁ、ウッカリまちがえちゃった。ゴメンゴメン」

「――――『ロサンゼルス』だったよな!!」

『ドクター』は射程限界まで先行させ、
自分の『5m』前方を走らせる。
こうするコトによって、
『目的地』到達までの時間を短縮させる狙いだ。
その前に、『コレ』に答えなきゃならないワケだが。

「『ムラサキ』――ココで『ナツのシンショク』トージョーかよ。
 『イロ』をふやして『ゴマカシてる』つもりなんだろうけど、
 もう『タネ』はワレてんだぜ」

「『サイショ』はナンだっけ??
 『アカが2コ』で『アオが1コ』。ソレは『1』だろ。
 『ツギ』が『アカ3コ』と『アオ1コ』か??ソレは『2』」

「ギャラリーのために、アルカラのワンポイントアドバイスだ。
 『ムラサキ』は『チューセーショク』。
 『ダンショク』でも『カンショク』でも『どっちでもない』。
 ようするに『ナニもナシ』ってコト」

「『アカ』と『アオ』。その『あいだ』の『ムラサキ』。
 そして、『こたえ』の『ハイイロ』。
 ソレで『ゼンブ』。もう『ツギのイロ』はない」

「――――そうだろ、『レーン』??」

『赤2』と『青2』で『紫』。
ソコに『赤3』を加えた『灰色』。
なら、『コレ』しかない。

            ビ
            シ
            ィ
            ッ

『ドクター』が右手を掲げ、指を『三本』立てる。

716『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/29(月) 23:33:10
>>715

【 『赤二(+2)』『青二(-2)』 】←紫色
赤三(+3)=3

そう、貴方(アルカラ)は確信をもって答えのサインを駆けつつ示す。

――だが……。

       
         ブーーーーーッ!!

!!?

灰色の球が×印を示し、そして案の定と言うべきか瞬きする間には
其のグレーの光に包まれると共に、頭部への痛み。吹き飛ばされ
コーナ部分まで戻される。

『ohhhhh NOoooooo!!!! アルカラッ、窮地を脱したと思いきや
またもや致命的なダメージぃいいいいい!!! こいつはHeavyだぜ!!』

ベリル「……ッ 恐らく、最初の能力に関しては算数の足し算引き算ってのは
間違いないんだ。そうでなきゃ辻褄があわん」

――――――――――――――――――――――――
※観客席

小林「紫色は、どうやら(a+b)-c=とかの()
とかでは無さそうですね」

ヤジ「もう、そうなると算数の域じゃなくて数学だからな。
赤と青……混ざった色、か。もっと単純に考えて良いのかもな
つまり、あれだ。赤と青が混ざって紫って事だろ?」

―――――――――――――――――――――――――

レーン「ふっふ〜〜〜ん!! わーたしの『授業』は誤魔化しnothing!!
全部に意味を込めての『My Way(私なりのやり方)』ネ!!
仕上げといきまスーか、アルカラ!!」

タン タンッ  テンッ  トンッ タンッ タンッ  ターン!

『青色の球二つ』『青色の球二つ』 更に少し空白を空けての『青色球三つ』……縦線二本。

『青色の球二つ同士が融合して一つの紫の球』になり『青色球三つ』と共に
横の線に変わった線のレールを通過し……灰色の剛速球となりアルカラへ飛来する!!

717アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/30(火) 01:58:44
質問です

・玉を出した時の音に違いがあるか?(色によって違わないか)

718アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/30(火) 10:41:13
>>717

719アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/06/30(火) 18:20:00
>>716

         「プッ…………」

      「フフフフフ………………」

 「ア――――ッハッハッハッハッハァ――――ッ!!」

     「ふぅ――――」

             「――――よいしょっと」

          ド
            サァッ

手足を大きく広げて床に倒れたまま、突如として笑い出す。
ひとしきり笑うと、その場に胡坐をかいて座り込んだ。
曇りのない笑顔を絶やさず、
片手で頬杖を突きながら『灰色球』を見つめる。

「『レーン』さぁ〜〜〜。
 ジツをいうと、ないしんアンタのコトちょっとナメてたんだ。
 でも、わたしがまちがってた。アンタ、ツヨイわ」

「いままで『ハンザイソシキのボウレイ』だの、
 『イカれたサツジンキ』だのと、
 やりあってきたわたしがいうんだから、ジシンもっていいぜ」

「アルカラ、さいきんチョーシのってたかもしれない。
 いろんなトコにクビつっこんできたせいで、
 ちょっぴり『クレオパトラ』になってたっていうか」
 
「いまのイッパツで『めがさめた』。
 『トースト』と『ハムエッグ』と『コーンスープ』がないけど。
 まぁ、ソレはいいや」

「きょうココで『アンタとあえてよかった』っておもうワケ。
 だから、まけても『クイ』はない」

       ――――――グッ!

『アルカラ』が『親指』を立てた。
『サムズアップ』だ。
迫り来る『灰色球』越しに、レーンに笑い掛ける。

720『それじゃあmeと授業デース!』:2020/06/30(火) 22:45:05
>>719

 ゴォォォ  ピタッ。

灰色の球が眼前で急停止する。それに対し破顔しながらのサムズアップしつつの
親指立て……つまり『1』

 ――パンパヵパァ――――zノァアンッ  パ―ンッッ!!

『お   っとぉぉぉおおおお!! アルカラッ
覚悟を決めたジェスチャーと思いきや、レーンの能力をまたまた突破あああ!!
 これはぁあああ!!? もしや、もしかしてぇぇのおぉお!!?
能力の全貌に気づいたとでも言うのかぁyeeeeeeeeee!!』

「……中立故に、私は落ち着いて解説するぞ。レーンの能力では相手を直接
致命傷にさせる事は難しい。だが、積み重ねれば昏倒は可能だろう。
アルカラは既に計四発受けてる。もう残り一発受ければアウト
……だが、レーンの能力は解明されれば。もう、それ以上の事は出来ないだろう。
だから    ――次で決まる」

レーン「……アルカラ、私も教師冥利に尽きるネ。
japan 毎日exciting 生徒達も可愛い 毎日幸せだとme 思います。
けど、私。時々フッと自分が生徒にちゃんと大切な事を教えてあげられてるか
ふと不安 思いまーす。
 ――だから、貴方に私の全部。教えるネ!
meとのlesson(授業)で、全身全霊 私のsoul!!
 last round!!! fight!!!!!」

 タンタンタンタンタンッ  テンッ  トンッ タンッ タンッ  ターン!

! レーンの繰り出した球は……!!
『赤色十個』空白『赤色十個』 それが混ざり『ピンク色の一つの球』となり。
更に『青色一個』空白『青色一個』それが混ざり『紫色の一つの球』となる。
そして、縦線二本だ!!

レーン「アルカラ!! my soul  best answer!!!」 ブンッ!!

横線になった二本の線を通過し、目に慣れ親しんだ巨大な灰色の球が目前へ迫る!!

(※>719で回答出来たので、その後直ぐにレーンに突っ込める状況に至ったと
解釈し、この攻撃『問題』がクリア出来たら射程距離内に入り自動勝利可能と
考えて構わない。出来ない場合は、頭のダメージも相まって気絶して敗北)

――――――――――――――――――――――
※観客席

小林「また、新たに色が出ましたね……」

ヤジ「いや、無理に難しく考えなくていいってジョー
てか、今さっきのわかった?」

小林「まぁ、恐らく」

ヤジ「単純に考えれば直ぐ解ける小学一年レベルだからな。
だから、新しい色も消去法で考えればな。
幾らポンポン球を出しても、答えはすげー単純だぜ」

721アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/01(水) 22:42:18
>>720

    ザリッ…………
              ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ

「おい、レーン。いままで、さんざんコケにしてくれてアリガトよ。
 そのレイに、こんどはアタシがテメーにおしえてやる。
 『ナニ』をおしえるかわかるか??」

軽く頭を掻いて、億劫そうに立ち上がる。
そして、別に走るでもなく悠長に歩き出した。
迫る球体を前にしても、表情は落ち着き払っていた。

「――――――『ハイボク』だ」

『アルカラ』の『人差し指』と『中指』が立っている。
写真を撮る時に、よく見かけるボディランゲージ。
『ピースサイン』。

722『それじゃあmeと授業デース!』:2020/07/01(水) 23:00:11
>>721


 ―パンパヵパァ――――zノァアンッ  パ―ンッッ!!

『う
うおおおおおぉぉ!! アルカラ、落ち着き払いつつ再度能力突破ぁぁああ!!
どうやら、マグレでなく完全に能力を見抜いたようだぜ イエェェ!!』

ベリル「……決着はもう着いたな」

――――――――――――――――
※観客席

小林「なるほど、つまり赤が白で薄まる……『割られている』」

ヤジ「そう言うこった。
レーン先生が勝つほうに二千円賭けてたんだがね」

小林「程ほどにしてくださいよ。まぁ、貰ったお金で何処か
食べにでも後々行きましょう。折半しますから」

――――――――――――――――

レーン「アルカラ……わたし モーレツに感動してるネー

貴方ワー very very 教え甲斐ある生徒だったネー」

そう、レーン先生は感動した様子で2、3度深い微笑を浮かべた後。

レーン「…………けど、わたーしも只じゃ転ばないネー!
日本諺ー! 死中 活みーダスッ rat catをattackー!(※窮鼠猫を噛む)

アルカラーー! これでもワタシ! peach太郎サムライ毎週視聴してるネー!」

うおおおお!!! と、雄叫びを上げつつレーン先生が
手持ちのスタンドの指示棒を上段で構えつつ破れかぶれと言わんばかりに
貴方(アルカラ)目掛け突撃しようと走る!!

――どう考えても素人の構えで、余裕で迎撃出来ると確信を貴方は抱く。

723<削除>:<削除>
<削除>

724アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/02(木) 11:17:16
>>722

「アタシは、いままで『イロんなセカイ』にクビつっこんできた。
 そのなかでも、
 『サイコーにヤバかったケイケン』をおしえてやる」

「『ナイフのスタンドをもったサイコパス』と、
 イノチがけでヤリあったコトがあるぜ。
 『ヒトゴロシ』を『イキガイ』にしてる、
 『コンジョーのくさりきったサイテーのクズヤロー』だ。
 ソイツはな、アタシのユビを『4ほん』きりおとしやがった」

「ソイツを『ブッコロス』ために、
 アタシが『ナニをした』とおもう??
 『トラック』を『バクハ』して、
 ジブンもろともソイツを『マルヤキ』にしてやった」

        ――――――チョンッ

「ソレにくらべりゃ、テメーの『チープなトツゲキ』なんざ、
 『ようちえん』の『おユウギはっぴょうかい』みてーなもんだ」

『避ける必要』など『ない』。
『レーンの額』を『ドクターの人差し指』で『小突く』
(パス精DBB)。
その際に、『レーン』に『超人的聴覚』を『移植』する。

「サービスで『もうイッコ』おしえてやるよ。
 アタシの『ドクター・ブラインド』は、
 『チョージンテキ』に『ミミ』が『イイ』。
 だから、『このバトルがはじまるまえ』から、
 すでに『タイサク』は『カンリョウずみ』だ」

この戦いが始まる直前の時点(>>692)で、
既に『アルカラ』は、『ドクターの聴覚』を、
『スーツのきれっぱし』に『移植』する『対策』を行っていた。
だから、熱気に満ちた『アリーナの大歓声』の中でも、
『耳をやられずに済んだ』のだ。
『だが』――――――。

「 『 テ メ ー 』 は 
  
     ど う な ん だ ァ ァ ァ 〜 〜 〜 ? ? 」

だが――――――『レーン』はどうだ?

 サラウンド
『全周囲』から襲い来る『爆発的な大音響』。
それらが『両方の耳』を通して、
『一瞬の内』に『脳』へ『叩き付けられる』のだ。

                   メガボリューム
『Doctor Blind』――――――『Megavolume(大音量)』。
これを食らえば、もはや『突撃どころではない』。

「 ツ ラ か っ た ら

       『 ミ ミ 』 を ふ さ い で も イ イ ぜ 」

「 こ の て い ど で 

   『 キ ゼ ツ 』 し て も ら っ ち ゃ あ

            こ ま る か ら よ ォ 〜 〜 〜 」

「 『 ミ ミ 』 を ふ さ い だ シ ュ ン カ ン

   『 テ メ ー 』 は ア タ シ の

        『 サ ン ド バ ッ グ 』 に

   な っ ち ま う け ど な ァ 〜 〜 〜 ! ! 」

725アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/02(木) 11:18:46
>>724

いきなり『猛烈な爆音』が響き渡れば、
誰だって反射的に『耳を塞ぐ』。
それは人間なら当然の反応だ。
だが、『レーンのスタンド』である『My Way』は『指示棒』。

『両手で耳を押さえた状態』で『指示棒』が振り下ろせるか?
答えは『ノー』だ。
『指示棒』を振ろうとすれば『爆音』に襲われ、
『爆音』を防ごうとすれば『指示棒』は振れなくなる。

どちらを選ぼうが、『結果』は『同じ』だ。
『唯一の武器』を失った『レーン』は、
『完全なる丸腰状態』に陥ることを余儀なくされる。
『一切の抵抗』を『封殺』され、『当然の帰結』として、
ただ打たれるためだけに存在する『サンドバッグ』と化す。

「 ま だ 『 オ ネ ン ネ 』

              す る ん じ ゃ あ ね ー ぞ 」

「 『 テ メ ー 』 に は

     た ァ 〜 〜 〜 っ ぷ り と

           『 ツ ケ 』 が た ま っ て ん だ 」

「 ア タ シ の 『 ス ト レ ス 』

  っ つ ー 『 ツ ケ 』 が よ ォ ォ ォ 〜 〜 〜 」

さっき『アルカラ』は、『レーンに会えて良かった』と言った。
それは『ウソ』ではない。
だが、『ソレ』と『コレ』とは『話が別』だ。

「 さ ぁ

    『 ア ル カ ラ セ ン セ イ 』 の

                     『 レ ッ ス ン 』 だ 」

「 こ れ か ら

      『 レ ー ン 』 は

           『 ど ん な め に あ う 』 ? ? 」

『聴覚移植』は、『次の行動』のための『布石』に過ぎない。
まだ、『やること』がある。
『それをやる』まで、この試合は『終わらせない』。
『ヒント』は『>>711』だ。
あたったら、あとでジュースおごってやるよ。

726『それじゃあmeと授業デース!』:2020/07/03(金) 22:54:19
>>724-725(もしかしてアバンギャルドヘアーですかぁ〜〜〜!!!?)

>――――――チョンッ

レーン「――what‘s!!!!!!??」hauッッ!!!

『ドクター・ブラインド』の超聴覚の『移植』

これによりレーン先生は貴方の予想通り、指示棒を片手に添えたまま
突如の周囲の観客席の怒号の音の洪水をまともに浴びて白目を剥き硬直する。
隙だらけだ、どうとでも料理は可能だろう。

>こ れ か ら 『 レ ー ン 』 は
>『 ど ん な め に あ う 』 ? ?

レーン「I iii  it cccc can not bbbb be understood……!!!
(り りりりりり理解できませーん……!!!)」

――――――――――――――――
※観客席

金一「うぉっっしゃあああああアルカラーーーー!!!
そのままレーン先生の衣服をバラバラにしてゴールデンタイム
視聴不可能な姿にするんだーーーー!!!」

ヤジ「どわっΣ!!? おっさん、何時から其処に!?
……って言うか、何で短パンにシャツなんだ」

金一「へっ! ちょっとアルカラと綿密な打ち合わせをしてたら
トラブルになってな。うおおおおぉぉ!! 我がDVD販売の為に!
アルカラいけぇえええええ!!!」

小林「……ふぅ」
――――――――――――――――

727アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/04(土) 22:09:43
>>726(Yes!!Yes!!Yes!!)

「 よ く 『 カ ミ は オ ン ナ の イ ノ チ 』

        っ て い う よ な ァ ァ ァ 〜 〜 〜 」

      「 じ ゃ あ さ ァ 〜 〜 〜 」

  シ ャ キ ィ ィ ィ ッ ! !
               
         シ ャ キ ィ ィ ィ ィ ィ ン ッ ! !

『ドクター・ブラインド』が両腕を構えた。
指先に光る『メス』の如き『鋭利な爪』。
『十本の刃』の切っ先が一斉に『レーン』に向けられる。

「 じ ゃ あ

   『 ソ レ 』 が な く な っ ち ま っ た ら

 ど う な る の か な ァ ァ ァ 〜 〜 〜 ? ? 」

   >>711
   >そんで、レーンのヘアスタイルを、
     『アバンギャルド』にするユメでもみてやろう。

今この場において『やることは一つ』。
だが、これは『夢』ではない。
あくまでも『現実』だ。

  ヘ  ア  カ  ッ  テ  ィ  ン  グ
「 『 H a i r C u t t i n g 』 だ ! ! ! 」

   ド ッ 
        シ ュ ゥ――――――――――ッ ! !

         《 『 L(エル) 』 》

       シ ュ ッ
              バ ァ ッ ! !

728アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/04(土) 22:11:29
>>727

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》 《 『 L 』 》

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ
 
バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ

《 『 L(エル) 』 》

     《 『 I(アイ) 』 》

           《 『 G(ジー) 』 》

                  《 『 H(エイチ) 』 》

                        《 『 T(ティー) 』 》

バ ァ ァ ァ ァ――――――――――ッ ! ! ! !

両手を駆使した『爪のラッシュ』で『レーンの髪』を切り刻み、

                   ア バ ン ギ ャ ル ド
まだ誰も見たことがないような『 前衛的なスタイル 』に、

ヘアカット
『改造』する(パス精DBB)。

具体的に言うと、全体に『無数の十円ハゲ』を作りまくって、
『穴ボコだらけ』にする。
フハハハハッ!!!!『ミステリーサークル』だッ!!!!
しばらくのあいだ、
『ボウシなしでソトをあるけないカラダ』にしてやるぜェェェ〜〜〜!!!!
ただいま『サービスきかんちゅう』となっておりますので、
『ヘアカットだい』は『とくべつかかくサンジューマン』でイイぞ!!!!

 キ ン イ チ
『どっかのアホ』がナンかさけんでるけど『ガンムシ』する。
ロクデナシのフトコロあっためてやるギリはねぇ。

729『それじゃあmeと授業デース!』:2020/07/04(土) 22:42:16
>>728-729(これ以降、したい事も無さそうなら次レスで〆ます)


  ヘ  ア  カ  ッ  テ  ィ  ン  グ
「 『 H a i r C u t t i n g 』 だ ! ! ! 」


レーン「I(し)
I n c r e d i b l e〜〜〜〜〜〜NOООО!!!!!

(しんじられな〜〜〜〜〜い嫌ああああああああ!!!!!)」


レーン先生は、闘技場の響き渡る程の大声で悲鳴を上げたものの
アルカラの猛ラッシュカッティングに対し成す術はない。
 前衛的アートは、衆人環視の元 無事行われた。

『うおおおおおおおおおお!!!! けぇえええちゃっっっく!!
勝者は、そう!!! アーーールカラァァァイエェェェ!!!」

ワー!!!    ワー!!!!!

ベリル「……流石だ」 パチパチ……

実況の勝利の宣言、副解説のベリルが控えめに拍手して、本当なら公平さ抜きに
貴方を褒め称えたいのをグッと我慢しつつ一言のみで貴方を評価する。

頭の痛みすら忘れ去られそうな勝利の心地よさと、耳が麻痺しそうな
拍手の嵐に囲まれ、貴方は今宵のアリーナの勝者となった……。


尚、レーンは自分の惨状に。魂を口からはみ出しつつ地面に伸びている。

730アルカラ『ドクター・ブラインド』:2020/07/04(土) 23:31:30
>>729

「 ふ う ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ 〜 〜 〜 〜 〜 ッ 」

          『スッキリした』。

 モ   ヤ   モ   ヤ
『アトアジのワルいモノ』をのこすと、キブンよくないし。
やっぱ、サイゴはこうでなくっちゃな!!

「ヘイヘイッ!!
 ギャラリーのみんなァ〜〜〜??みてるかァ〜〜〜??
 イマそこでノビてるのが、
 『じょういランカー』を『カンプウ』したっていう、
 『ウワサのレーン』だ」

地面に倒れた『レーン』を指差し、会場の全員に語り掛ける。
その『じょういランカー』ってのが、どんなのかはしらんけど。
『じょうい』っていうからには、タブン『つよいヤツ』なんだろう。

「そして『ソレにかった』のが、この『アルカラ』だ!!!!
 そこんトコロをよォ――――――ッ!!!!
 キチッとおぼえてかえってくれよなァ――――――ッ!!!!」

「――――――アイしてるぜ!!!!みんな!!!!」

ブンブンブンブンブンッ!!
                  ブンブンブンブンブンッ!!

『ドクター』と共に大きく両腕を振り、
集まった観客達に『アピール』する。
その最中、一瞬『解説席』の方に視線を向ける。
勝利の余韻の中で、『これでベティにも顔向け出来る』と、
ほんのチョットだけ思った。
あとは、おわってから『あのアホ』がナニをいってくるかだが。
まぁ、『ムシ』するけど。

731『それじゃあmeと授業デース!』:2020/07/05(日) 22:34:14
>>730
    ワーーーーー!!  ワーーーーー!!!
  ピー  ピー!   アルカラァー!!

『OKぇええええ!!! 今宵のアリーナもvery niceなbattleだったぜ!
次回もまたthrillingに!! see you again!!!』

絶賛雨あられの健闘と賞賛の拍手に囲まれて、貴方は勝利者となった。

帰りがてら、通路にあった窓口のような場所から奇妙な視線のみ送られもしたが。

「怪我の感じは、頭部の打撲のみ。大した事ないし痛みだけ鎮静させてやるよし。
んな怪我、寝て半日もべたべた頭を触んなきゃ治まるさ」 パシュッ!

そう、ぶっきらぼうな言葉と共に小さな針のようなものが貴方を突き刺し。一瞬激しい痛みが
頭を過ったものの、直ぐに今まであった頭部の痛みは消え去り。気づけば窓口も無くなっていた。

その後、何時ものスポンサー(金一)か。『もうちょいエロハプニングも見せてくれよぉ〜!』と
文句を垂れていたが、貴方の爽やかな(肉体的)返答により無事沈黙へと返った。

人生はlesson。これから先もアルカラたる貴方には色々な問題があるだろうが……今はそんな事
関係なしに、この夜は貴方を優しい色で照らしている。



アルカラ(夢見ヶ崎)『ドクター・ブラインド』⇒『30万』get!
 頭部にかけ、数日程の打撲もあったが……寝て半日も過ぎれば完治したぞ!

732『それじゃあmeと授業デース!』:2020/07/05(日) 22:58:16
塾講師『レーン先生』

日本に渡来し、色々と観光した際に起きた負傷によってスタンドを発現した。
それを切っ掛けとして、スタンドに所縁深いアリーナにも面識を持ったが
異能関係の事件にも殆ど遭遇せず、自身の生活にも特に変化も起きない。
生徒大好き、授業も大好き。日本の文化も大好きと言う、スタンド使いになっても
生活パターンが全くブレない、ある意味とても強い人である。

『My Way』

破壊力:D(C) スピード:E(A) 射程距離:E(A)
持続力:C 精密動作性:E(A) 成長性:C

(※かっこ内は能力の光球。破壊力は相手が答えを間違った時のダメージ)

『指示棒』の形のヴィジョン。器具型で破壊されてもDFはなく、再発現に掛かる時間は
約一日程。指示棒などで、十数cm伸ばす事も出来るが特に意味は無い。

能力の全貌は『算数の問題を簡略した形で出現させ、それを問題(灰球)として飛来させる』
赤(+) 青(-) 紫(掛け算) ピンク(割り算)と言った具合で
>>693の答えは +2 -1で答えは1
>>699 +3 -1で答えは2
>>714 +2×-2 +3 答えは-1
>>720は既に承知の通り(10÷10)(-1×-1)で1+1=2

余談だが、最初は〇 〇 =と言った具合に指示棒によって発現されると
書こうと思ったが。それだと流石に直ぐ看破されると思い、攻撃(問題提示)の
前は〇 〇 || と言う具合に分かりにくくしたが、それだとチャット内でも
余り反応が芳しくなかった為、難し過ぎると考え途中でヒントも挟めた。

今回は能力特化な為、GМのセンスが問われたもので。色々不備も自覚出来たので
次ミッションでは格闘戦を中心とした対戦をしたいと思う。

733『It's dirty work』:2020/07/07(火) 18:26:35
あらすじ:『才能ある漫画家』から受け取った『原稿』を湖に落としてしまった三刀屋と知覧
このままでは『彼』の漫画が世に広まる未来が消えてしまう!
さらにいえば、この事が公になれば三刀屋は勤めている出版社をクビにされるだろう!
『未来の読者の笑顔』と『保身』のため、彼らは『原稿』の『完全再現』を目指す・・・


駅前にある喫茶チェーン店
昼前という時間帯にも関わらず、客はまばらである
そんな店の一角に深刻な雰囲気をした二人の男がテーブル席で顔を突き合わせていた

三刀屋「いいかな?知覧くん・・・今から30分後に『漫画家の彼』が来る
まずは作戦を立てていこうじゃあないか・・・・知覧くんの『手袋』をどうやって『彼』にはめさせるか」

スーツを着た壮年の男――『三刀屋』の手にはよれよれの『原稿』が握られている
一度湖に落ち・・・・乾かしたものだ、以前は『漫画』が描かれていたが、今は線が滲んで迫力が失われている


「君の『能力』に全てがかかっているよ・・・」

734三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/07(火) 18:33:59
☆外見
紺色のスーツ姿にアンダーリムの眼鏡をかけた壮年の男

☆持ち物
財布、腕時計、新品の原稿用紙、Gペン・インク・トーンなど各種執筆用具を入れたカバン、『よれよれの原稿』

☆スタンド:『ブラック・アンド・ホワイト』
動作を書き込んだコマを設置し、コマ内で記録した動作を必ず行える人型のスタンド
詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1519310970/99-100

735知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/07(火) 22:02:12
>>733-734

-----------------------------------------------------------------
精密動作性を向上させる手袋を着けたスタンド。
この手袋は実体化しており、他の誰かに付け替える事も可能。
何かしらの『技能』を持った存在がこの手袋を着けた場合、
手の甲部分に『職』を象徴するような『ロゴマーク』が浮かび上がり、
その状態の手袋を着けていると、対象の技能を『手』に限り『完全再現』できる。

『モンキー・ビジネス』
破壊力:C スピード:C    射程距離:C(8m)
持続力:C 精密動作性:A(C) 成長性:B
※『手袋無し』の場合、また手以外の部位の精密動作性は『C』

【供】『心音サイフォン』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/349-350

【服装/持ち物/外見】
雑なTシャツ、スマートフォン、釣り竿。
のっぺりとした顔の青年。ニート。
-----------------------------------------------------------------

「『漫画家』の手に『手袋』をハメるって、
 冷静に考えると、ちょっと難しいというか……」

アイスココアを注文し、席に座る。
季節は『夏』。手袋が入用な季節ですらない。

「そもそも、理由もなく『手袋』をハメさせるって、
 その時点でハードルが高いんスよねェェ〜〜〜ッッ」

「ましてや、一番大事な『商売道具』じゃないッスか。
 ――――待てよ、これを逆に『利用』すれば……」

原稿用紙や執筆道具一式は、『三刀屋』が用意している。
件の『漫画家』を騙す道具、それさえ用意できればいい。

「『三刀屋』さん。
 その『漫画家』さんの『趣味』って何かあります?」

「特に、『プラモデル』とか『骨とう品』とか、
 『コレクション』で目がないヤツ!

 漫画家って、モデルガンとか集めてるイメージあるし、
 なんか一つくらい、その手の趣味、あるんじゃないかなー」

736『It's dirty work』:2020/07/07(火) 22:32:17
>>735
三刀屋「確かに・・・僕だって『彼』とは数回会ったことしかないからね
こんな怪しげな『手袋』を嵌めてみろなんて・・・・怪しすぎて普通に頼むだけなら、まぁムリ筋だねぇ」

メロンソーダをズゾゾと啜りながら三刀屋は言う
漫画を描くための基本的な道具は先ほど準備をしたが、
まだ『彼』を騙すための準備は万全ではない

「『趣味』かい? 
直接聞いたことはないけど・・・彼の作風を見る限り『食事シーン』にはかなりのこだわりを感じるね
ほら・・・・ここ 『捕まえたイノシシを捌くシーン』とか描写が細かいよねぇ」

よれた原稿の中から該当するシーンが見せられる
動物が解体されるシーンについては、臓器の配列や筋肉の切れ方まで細かく描写されている
また、解体に使われる道具も・・・・詳しくないとわからないが現実に存在してそうな道具が描かれていた

737知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/07(火) 23:08:57
>>736
「こういう『おこだわり』を感じさせる漫画家って、
 新人とはいえ、『そーさくしせー』にうるさそうだしなぁ。

 バレたら、『三刀屋』さんの『クビ』だけじゃあ済まないかも……」

『イノシシ』の解体を己のバッドエンドに重ね合わせ、
思わず身震いをした。激怒する巨漢が脳裏に浮かんでいる。

「しかし、『サバイバル』が趣味って感じか……。

 なんだろーな、『化石』、『流木』もしっくり来ないな。
 うーん、――――よし、一丁デッカく仕掛けてやるか!」

今から『三十分以内』で用意できる『市販品』、
尚且つ一目で『サバイバル趣味』の人種が興味を惹くモノ……。

「『三刀屋』さん、『ルアー』だ。

 釣具店にある一番高いヤツ!
 ぶっちゃけ種類はなんでもいいぜ、
 とにかくピカピカ光って高そうなヤツだ」

ここから『三十分』で用意できるかは賭けだが、
『モンキー・ビジネス』でハメるなら、一番可能性が高いアイテムだ。

「買ってきてくれないッスか?
 ソイツを使って、『釣り上げる』ッスよ」

738『It's dirty work』:2020/07/07(火) 23:23:23
>>737
「言われてみれば結構ガタイが良かったねぇ、彼
『実体験を基にしている』って言われれば、この描写もしっくりとくるね

ま、まあ、流石にこんな街中で殺生沙汰なんて事には・・・ならないといいなぁ」

三刀屋の体もぶるっと震える
駅前とはいえ『喫茶店』の中に人は少ない、咄嗟に『何か』を向けられたら・・・

「ほうほう・・・・ルアーか、いいねぇ!
確か駅前のデパートの中にそういうのを売ってる店があったからなんとか・・・・ギリギリで間に合いそうだ!
『彼』がここに来るまでには必ず戻る! 君は『彼』を迎える準備を整えていてくれ!」

そういうや否や三刀屋は駆け足で喫茶店を去っていく
『彼』との待ち合わせ時間まで残り『25分』・・・・。

(とくにやる事がなければ時間を飛ばします)

739知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/07(火) 23:32:39
>>738
「うわっ、やっぱりパワー系かぁ。
 やっぱり、出口に近い席にしようかな……」

及び腰になって、思わず席替えを検討したが、
込み入った話をするなら、やはり奥の席がやりやすい。

「スタンド使いってことはなさそうだけど、
 一応、『モンキー・ビジネス』は隠しとくか……」

『モンキー・ビジネス』を発現し、
その射程距離を活かし、カウンターの内側に隠しておく。
実体化した『手袋』だけを、己の膝上に置いておきたい。

後は、『三刀屋』が到着次第、ルアーを受け取り、
漫画家の来訪を待つ。

740『It's dirty work』:2020/07/07(火) 23:50:06
>>739
『モンキー・ビジネス』を発現し、カウンターの内側に隠す
幸い、現時点では店の中にスタンド使いはいないようだ
とくに騒がれることなく、スタンドは隠された


――――25分後

「知覧くん・・・・これで本当に上手くいくかなぁ?」

三刀屋のお使いは無事に終了した
知覧の手元にはリアルな光沢のグラデーションをした『ルアー』がある
三刀屋の話によると1万円くらいする高級ルアーだそうだ
(それ以上のものはデパートには売っていなかった)

二人は億のテーブルで横並びになって『漫画家』の到来を待つ


――――そして

       カランコロン・・

「なあ、『三刀屋さん』、話ってのは何だ?
俺の『漫画』については会議の後に電話で連絡するって話だったが・・・・誰だお前?」

件の『漫画家』が現れた
身長は180cmくらいはあるだろうか、かなり大柄だ
男にしては長めの黒髪を総髪のように後ろに流し、紐でくくっている
だが、目につくポイントはもう一つ・・・・

 ・・・・
『学ラン姿』だ
かなり若く高校生くらいに見える

741知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/08(水) 00:07:22
>>740
「おおー、上出来上出来。

 任せてくださいよ、『三刀屋』さん。
 多分、恐らく、上手く行く、はず」

イマイチ頼りない言動のまま、ルアーを受け取る。

『高級ルアー』ならば、化粧箱にでも入っているだろう。
箱に入れたまま、釣り竿袋のサイドポケットに入れておく。

>       カランコロン・・

  「(うわっ、マジでデカいな。
    最近の高校生、普通にガタイいいもんなぁ)」

  「うおー、この人が例の『漫画家』さん?
   オジサン、高校生だってなら、先に教えてよ。

   初めまして、『知覧吉彦』です。
   いやー、デカいねぇー。なんかスポーツしてるの?」

『三刀屋』とは『親戚』であると暗に告げて、
警戒心を醸し出す『高校生』に対し、呑気な自己紹介をする。
生来ののっぺりとした顔立ちから来る、人畜無害そうな雰囲気によって、
少なくとも『ナメられる』、くらいには警戒心を解いていきたい。

742『It's dirty work』:2020/07/08(水) 00:21:44
>>741
「『知覧吉彦』・・・さん、か」

知らない人物(知覧)の存在に困惑してはいるが、
高校生らしからぬ堂々とした態度でテーブルの対面へと座る

                ・・
「俺の名前は『我孫子サトル』・・・・まだ『漫画家』ではない
それよりもどういう事だ三刀屋さん
出版社の人間ならまだしも、彼は完全に部外者ではないのか?」

静かな口調ではあるが硬い口調からは少しずつ不信感が滲み出る
会社の中の人間ならまだしも、三刀屋の個人的な付き合いでは不信を抱くのも無理はない


三刀屋「あー・・・それはだね、我孫子くん 
君の漫画についてのレビューをアウトソーシングして改善すべきイシューをだね・・・」

  チラ   チラ  


三刀屋の目線が泳ぐ
知覧に向けてアイコンタクトを向けているようだが・・・・

743知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/08(水) 20:58:45
>>742
『ルアー』を使って『手袋』を使わせる。
この『結論』は出ている。後は、どうやって使わせるか。

   「『サトル』君、かぁ。

    ――――君さぁ、『釣り』って興味ある?」

たまたま所持していた『釣り竿』、
『食事シーン』への拘り、特に獲物を『解体』するシーン。
『サトル』は『狩猟』などのサバイバルに興味があると、
そう踏んでの会話を展開していく。

   「『三刀屋』さんと『狩猟』の描写が細かい、
    漫画家がいるって話になってさぁ、

    今度、遠州灘まで『海釣り』に行くんだけど、
    是非、君も一緒にどうかな、と思ってねぇー」

   「ほ、ほら、『取材』も兼ねて、さぁ」

内心では心臓を高鳴らせながら、そう提案をする。
釣りはやっているが、『船』を出すほどの『海釣り』を、
『知覧』はまだ経験していない。向こうの知識が上回れば終わりだ。

   「(こ、ここまで来たら後には引けないぜ……。

     漫画界の未来のために、ニートの尻に火ィつけてやる!)」

744『It's dirty work』:2020/07/08(水) 21:59:20
>>743
サトル「『釣り』・・・・か
確かに『狩り』に関しては昔、じいさんに大分仕込まれたから、それなりだが
『海』についてはまったく門外漢だ・・・・面白ぇ」

三刀屋「そうそうそうそう! そうだよね!
君のおじいさんって確か『猟師』をやってたんだよねぇ!
うんうん、思い出し・・・・・いや、覚えてたよ!もちろんね!
『原稿』も完成してるんだから、この辺で『取材』ってのもありじゃないかな?」

『釣り』の話を持ち出され『サトル』も若干の興味を覚えたようだ
本人も言うとおりに、釣りに関しては素人なのだろうが
若さ・・・そして、作家特有の好奇心がありありと顔にみえる


「そういえば・・・海釣り、とくに船釣りをやる人間ってのは懇意の船宿があるって話を聞くが
知覧さん・・・・あんたがいつも使ってる船宿を教えてもらってもいいか?
いや・・・・・参考までにな」

    ゴゴゴゴゴ・・・・


サトルの手にはポケットから取り出された『スマホ』が握られている
画面に映るのは・・・・・誰もがよく使う『検索サイト』だ
調べようというのだろうか・・・・・今、この場で

745知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/08(水) 22:19:53
>>744
「(よし、いいぜッ 『三刀屋』さん!

  その気にさせてくれェェ〜〜〜〜ッッ)」

まずは『釣り』に興味を持ってもらった。
次の核心に切り出す、とルアー入りの化粧箱を手に取った時。

>「そういえば・・・海釣り、とくに船釣りをやる人間ってのは懇意の船宿があるって話を聞くが
>知覧さん・・・・あんたがいつも使ってる船宿を教えてもらってもいいか?
>いや・・・・・参考までにな」

   「(ク、ォォォ…… し、知ってるわけねェじゃん!

     こっちは湖畔の隅っこで、フナとか釣るしか出来ねェんだって!
     社会に繰り出せないニートが、地元とはいえ『海原』に船を出すわけ―――)」

ズゾゾゾゾゾゾゾォォ――――

粘り気を帯びた緊張の汗を噴き出し、アイスココアを思いっきり飲む。
一気に冷たいドリンクを胃の中に流し込み、乾いた笑いを浮かべる。

   「ハッ、ハッ、ハハッ」

   「『サトル』君、『船宿』は着いてからの『お楽しみ』だよぉー」

   「今はテレビやネットでなんでも下見が出来ちまうけど、
    それって、やっぱり俺はどうかと思うんだよねぇー」

   「生きた情報を『体験』してほしいってのが、
    人生の先輩としての『老婆心』というかさァァ〜〜〜〜ッッ」

アイスココアを口の端から垂らしながら、
テレビやネットで大体済ませてきたニートが、
『サプライズ』という名目を作って、追求から逃れようとする。

746『It's dirty work』:2020/07/08(水) 22:37:37
>>745
三刀屋「ハッ、ハハハ!そ、そうだとも我孫子くん!
実際に現地に着いたからこその『衝撃』を事前情報で薄めてしまうのはよくないとも!
クリエイティブな発想にはいつだって新鮮な驚きが必要だからねぇ!
(知覧くん・・・・このまま上手く誤魔化してくれよぉ・・・!)」

サトル「ふむ。」

カラン、とココアの中の氷が音を立てる
何事かを考えてるかのように動きを止め、そしてスマホの画面を消した

サトル「確かにこういったサプライズは嫌いではない


・・・・・・・・・・店員さん、俺にもアイスコーヒーを頼む

知覧さん、その『海釣り』・・・・俺にも同行させてもらおうか」

急に緊張し始める知覧に若干の不信感を覚えながらも
『サプライズ』という言葉に諸々の違和感を飲み込んだようだ

「いつ・・・・行く? そして何を用意すればいい・・・?」

747知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/08(水) 23:02:50
>>746
>知覧さん、その『海釣り』・・・・俺にも同行させてもらおうか」

「や、やりぃ……!

 ――――や、やりたくなった時が吉日だぜぇー。
 大歓迎だよ! 一緒に楽しもうな!」

つい、口が滑ってしまったのを、慌ててブレーキを掛ける。
日取りを訊かれれば、ああ、とか、ええ、とか言い出して。

「し、潮の都合もあるからさぁ、
 また調べて、『三刀屋』さんから伝えるよ!」

「道具もこっちで用意するから、身一つで着てくれよなー。
 た、例えばさ、こーいう『ルアー』を使って、一本釣りだって出来るぜ!」

ピカピカの『ルアー』を取り出し、『サトル』に見せる。
『海釣り』に興味がある。そして、彼は『道具』にも拘りを持つタイプだ。
よく解らない解体道具を細かく描くような『作風』だからだ。

「折角だし、ちょっと手に取って見なよー。
 ――――と、『ケガ』したらマズいもんな」

そういうと、膝上に置いていた『手袋』を取り出し、

     「これ、使ってくれよ」

返し針のついた『ルアー』に触れるのに、
手指を大事する『漫画家志望』なら、多少は警戒するはず。
よって、『手袋』を使って掌を防護させれば、安心して触れられる。
―――――というストーリーだぜバカヤロー! ここまで仕込みだよ!

ピッカピカのルアーに触れるのにも、高級品じゃね? って頭過ぎるじゃん。
だから『手袋』があれば躊躇なく触れる。古い壺とかといっしょ! ほら、触れ!

748『It's dirty work』:2020/07/08(水) 23:25:59
>>747
サトル「なるほど・・・『海釣り』ではこんな『ルアー』を使うのか
ありがとう・・・・今後の参考にさせてもらうぞ」

「それにしても・・・意外にしっかりした道具を使うのだな
ルアーというのは糸が切れれば海の中に消える『消耗品』だと思っていたが
これは・・・・なかなか凝った造りをしている・・・」

サトルはしげしげと知覧の手元の『ルアー』を見つめる
『興味』は・・・・・・明らかにこの興味深い『釣り具』に向かっているのだ

三刀屋(いいよぉ・・・知覧くん・・・・上手く安孫子君の興味を引いているようだねぇ
これで、作戦通りに『手袋』を使わせる準備が出来たみたいだ・・・・!)


『手袋』をはめさせる仕込みを行う知覧を見つめ、固唾を呑む三刀屋
緊張する展開が続きテーブルの下で『元原稿』を持つ手も震える・・・・そして

サトル「ハハッ・・・準備のいい人だな! ありがとう、使わせてもらう」


サトルの手が・・・・『手袋』に伸び・・・・目論見通りに受け取る・・・・・・・ッ!


―――――――その瞬間。


ウェイトレス「アイスコーヒーお持ちしましたァ!」

先ほど、サトルが頼んだ『アイスコーヒー』を店員が持ってきた

三刀屋「(タ・・・・タイミングが悪い・・・! でも、この瞬間を逃すわけには・・・・!)
あ、あ〜〜〜・・・店員さん、僕が受け取るよ、安孫子くんが頼んだアイスコーヒーだよねぇ?」

     ガタッ
                  スルッ!
                          シュサァッ!
「あっ!」

『タイミング』が悪かった 本当に『タイミングが悪い』
そうとしか言いようがない出来事が起こる!

三刀屋がテーブルの下で汗が出るくらい握りしめていた『元原稿』・・・それが
アイスコーヒーを受け取った拍子に机の上に乗り上がりしゅっと滑るようにサトルの方へと向かう・・・・ッ!
このままではサトルの視界に『よれよれとなってしまった原稿』が飛び込んでしまう・・・・・ッ!

749知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/08(水) 23:38:14
>>748
「(う、うわわわわわわ、チクショー!
  『三刀屋』さん、それは流石に仕舞っといてくれよォォ〜〜〜ッッ)」

マズい、『ドボン原稿』が白日の下に晒されれば、
今までの苦労が水の泡。海釣りどころか、大海原にドボンされる!

瞬間、『知覧』が思い付いたのは、
このまま『アイスコーヒー』を『原稿』へと叩き落し、
全てを『ウェイトレス』のせいにして、逃げ切るという一手だ。

「(だが、だがそれは出来ない……!

  このウェイトレスさんに、
  罪の十字架を背負わせるわけにはいかない――――)」

どう考えても『知覧』と『三刀屋』に非があるため、
そんなのは当たり前の話だが、何故か決意めいて心を固め、

「(『モンキー・ビジネス』ッ!

  行くぜ、インチキを貫き通す……!)」

『カウンター』の裏に隠れている『モンキー・ビジネス』、
ソイツを立ち上がらせ、カウンターに乗ったカップやソーサー、
なんでもいい、腕を振り回し、思いっきり床に叩き落す。


      「うわッ!  『店員』さん!」


指で示し、発生する物音で『店員』と『サトル』の注意を惹き寄せ、
瞬間、テーブル上の『原稿』を思いっきり引っ張り、テーブル下に仕舞う。

750『It's dirty work』:2020/07/08(水) 23:52:58
>>749
三刀屋(ごめんよぉぉ〜〜〜知覧くぅぅん!)

                ツツルツル―――――ッ!!

                            サトル「む・・・・?」

テーブルを滑る『よれよれ原稿』・・・その軌道はサトルの方へと向かう・・・!
サトルはゆっくりと『視線』を原稿の方へと・・・・

      ガッシャァ――ンッ!

               ガシャガシャ!
                    ガッシャ――――ンッ!

「うわあああ!」   「なんだ!?」
       「地震でも起きたのか!?」   「揺れてねーぞ!」

                 「あいや――――――ッ!?ワタシのウェッジウッドが!」

サトル「何だ・・・・・?」

隠れていた『モンキー・ビジネス』が立ち上がり、
カップやソーサー、高そうなティーセットも含めて色んなものを叩き落とす!
突然起きた『騒動』に店内の客たちは一斉に音のした方向へ視線を向けた  ――――無論、『サトル』もだ!

シュバッ!


その瞬間を狙って『原稿』を思い切り引っ張り回収する!
おめでとう!君は見ず知らずの『ウェイトレスさん』に罪を被せずに済んだ!
(一部、店のオーナーの悲壮な叫びは聞こえたが)

751知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/09(木) 00:06:48
>>750
『モンキー・ビジネス』をしゃがませ、
再び周囲の目からスタンドを隠す。

   「あ、ありゃりゃー。不幸な事故だねー」

   「ウェイトレスさん、こっちはいいから、
    ほら、あっち手伝った方が良さそうじゃない?」

大金が転がり込んできたら、この店には週一で通おう。
そう、全く目途の立たない『罪滅ぼし』を心に誓った。

  「さ、さーて、気を取り直して」

  「ルアーて言っても、使い捨てってわけじゃあないんだぜ。
   ――――結果的に『使い捨て』になっちゃう時もあるってだけで、
   むしろ使い込んだ『キズ』が乱反射して、より『魚』の興味を惹いたりさ」

  「(た、頼むゥゥ〜〜〜〜ッッ

    ほら、ハメ、ハメるんだよォォォ〜〜〜〜ッッ!!)」

『ルアー』の話に戻して、なんとしてでも『手袋』をハメさせようと腐心する。

752『It's dirty work』:2020/07/09(木) 00:17:49
>>751
   ワーワー
        キャーキャー

サトル「ふむ・・・カウンターの立て付けが悪かったのかな、何にしても災難な店だ」


サトルの反応を見る限り・・・・『モンキー・ビジネス』に気づいた様子はない
再び、テーブルの上に視線を戻すサトル・・・・・その上にはもう『よれよれ原稿』はない・・・・そして

   きゅっ
            きゅっ

「ほう・・・・確かにこれはなかなか良いもののようだな
『釣り具』には俺も詳しくはないがそれでも細工を見る限り、量産品という感じではない
うむ・・・・・これは参考になるな」

サトルの手にとうとう『手袋』がはまった・・・・!
手袋をはめた手で丁寧に『ルアー』を眺めるサトル
そして・・・・・

           ヒュゴォォォォオオオオ・・・・・!

『手袋の甲』に念願の『ロゴマーク』が浮かび上がる!
『ペン先とコマ枠を組み合わせたような』そのマークは正しく『漫画家』のロゴだろう!

三刀屋「ハ・・・ハハハ・・・・気に入ってくれて嬉しいよ、サトルくん
(やったよぉぉぉぉ〜〜〜〜知覧くぅぅん! これで作戦の『第一段階』はクリアしたよォォォ〜〜〜〜!)」

753知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/09(木) 23:27:08
>>752
「フ、フフフッ、い、いやぁぁ〜〜〜〜ッッ

 こ、これは楽しいフィッシングになりそうだね――――」

『手の甲』に浮かんだロゴマークへ視線を遣り、
冷や汗を掻きながらも、何とか胸を撫で下ろした。

「『サトル』君、そう決まったら話はお終いだ。
 こっちも、未来有る若者を無為に引っ張り回しては
 いられないからさぁ。――――ああ、会計もいいからさ」

君も忙しいだろう、と万年暇人は余裕を見せながら、
『サトル』が手袋を外し、喫茶店から去るのを待つ。

754『It's dirty work』:2020/07/10(金) 14:15:36
>>753
三刀屋「ハ、ハハ、そうだね、次は連載用のネームを考えないといけないからねぇ!」
サトル「何ッ? という事はつまり俺の作品が・・・・!」
三刀屋「ま、まだだよ! まだだけどさぁ! たぶん大丈夫なんじゃないかなぁ?」
サトル「なんだそれは?」

   ワーワー      ワイワイ   ガヤガヤ

いくらかの問答の末、強引な三刀屋の論調が押し勝った
サトルはアイスコーヒーを手早く飲み干し、帰り支度を始める

サトル「じゃあな、知覧さん 今度必ず連れて行ってもらうからな!
    連絡を待っているぞ!」

手袋を外し、サトルは喫茶店から去っていく・・・・・・・そして!


        ゴゴゴゴゴ・・・・・



『漫画家のロゴがついた手袋』がテーブルに残された
大変な苦労をしたがようやく手に入った念願の品である・・・・

三刀屋「ここまでは何とかなったねぇ・・・・知覧くん」

755知覧吉彦『モンキー・ビジネス』:2020/07/10(金) 20:42:50
>>754
「ああ、よろしくなー」

去り行く『サトル』を見送り、
テーブルに置かれた手袋を拾い上げる。

   「ここまで肝っ玉が冷え切ったのは、
    お袋が『ヨットスクール』の話題を出して以来だぜ……」

額の冷や汗をおしぼりで拭き取り、
念願の『手袋』をしげしげと眺め、両手に嵌める。

   「だが、――――上手くやり切ったぁぁ〜〜〜〜ッッ

    ……って、わけじゃあないんだけどさ。
    『三刀屋』さん、最後の押し切りは助かったッ」

肩の荷が下りたように息を漏らしたが、
序盤に過ぎないと思い返せば、やおら立ち上がる。

   「ここは人目に着くから、場所を変えよう。

    ――――隣の『カラオケルーム』に移動しようぜー。
    あそこからワンドリンクフリータイムで、
    好きなだけ『作業』が出来るからさ」

756三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/10(金) 22:51:57
>>755
「知覧くん・・・・ここまできたら後は『やりきる』しかないよ
『彼』のためにも・・・・・『我々』のためにもねぇ」

知覧に促され、『カラオケルーム』へと移動する
茶器や食器を割ってしまった事はまあ・・・・次に来た時に埋め合わせする事にしよう
それくらいの良心は残っている

「さあ、『道具』は用意しているよ・・・後は君の『技』が頼りだね」

757『It's dirty work』:2020/07/10(金) 23:08:45
>>756(三刀屋)

     ゴ    ゴ


       ゴ    「じゃあ」
                              ゴ
                    「やるぜ」         ゴ
                              ゴ

二階の個室に通された『知覧』と『三刀屋』。
マイクとデンモクにも触れず、テレビ音量もミュートにする。
そして、卓上に並べられた『インク壺』に『原稿用紙』、


      ドシュッ!
                 シュバッ!

―――――『Gペン』ッ!
『手袋』をハメた『知覧』はネームを切ることさえなく、
迷いなく『ペン入れ』を施し、瞬く間に『原稿』を仕上げていく。

    「ヤ、ヤッベェぞこれ!」

    「俺の手じゃあないみてぇーだッ!

     手が、勝手にトレースを『補正』してくれるッ
     こりゃあ『コミスタ』なんかより、よっぽど上だぜェェ〜〜〜ッッ」

『モンキー・ビジネス』の持続時間は『2時間』だ。
どんなプロであろうと、『1ページ』の漫画原稿を完成させるのに、
どう見積もっても『1〜2時間』は掛かるのが当たり前だ。

しかし、『我孫子サトル』は『トーン』を使わない作風だ。
極端な話、『Gペン』さえあれば『トレース』は可能。
ましてや、一度はその『技術』によって描いた『漫画』、
『12ページ』の読み切りであれば、ギリギリで仕上げられる――――

      「基本の『絵』だけ、どんどん仕上げさえすればッ
       モノローグや台詞なんかは、後から『写植』すりゃあいいッ!

       スッゲェ、気持ちいいくらいにドンドン描けるぜェェ〜〜〜〜ッッ
       俺、漫画家になれるんじゃないか、ってカンちがいしちゃうってぇー!」

『知覧』は一心不乱に『Gペン』を振るっていく。

         P R R R R R r r r . . .

『三刀屋』のスマートフォンから着信音が鳴る。
『サトル』からだ。ついさっき会ったばかりなのに、電話で呼ばれている。

758三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/10(金) 23:26:52
>>757
>      ドシュッ!
>                 シュバッ!

「す、凄い・・・・やはり僕の見立てに狂いはなかった・・・彼は『天才』だッ!
明らかに『異常』過ぎる・・・・知覧くんのスタンドの持続時間が
『2時間』しかないと聞いたときは不安しかなかったが・・・逆だ、いけるよ、これなら!」

「僕は経験上、何人もの『漫画家』を見てきたが・・・・
『彼の才能』はそれらのいかなるもブッちぎりで超越している・・・・取れるね、天下」

知覧の振るう凄まじいまでの『Gペン捌き』に思わず、スタンディングオベーションで歓声を上げる
不安だらけの心中が眩いばかりの光明に満ち溢れていた!

>         P R R R R R r r r . . .


そんな三刀屋の心に陰りをもたらしたのは電子音、そして表示画面であった

「安孫子くんか・・・・何か・・・嫌な予感がしてきたね」

      ピッ


不安を抱えながら、電話を取る

759『It's dirty work』:2020/07/10(金) 23:36:39
>>758(三刀屋)
『知覧』の手によるものとはいえ、紛れもない『天才』の仕事。
若々しい才能に圧倒され、成功を確信する『三刀屋』の心中を、
じょじょに立ち込める『薄霧』のように、不安が満たしていく。

   P R R R R R r r r . . .

    ピッ
         「ああ、『三刀屋』さん。
          さっきの今でスマンが、ちょっと話があってな」

         「生憎、『手』が離せないんだ。
          大人を顎で使うようで申し訳ないんだけど、
          ちょっと『家』まで来てくれないか……?」

先程と変わらない無骨な話し方だが、
幽かな『焦り』を感じられる。申し訳ないとは、確かに思っているようだ。

『サトル』のアパートはこの近くだ。
高校生だが、『漫画』に本気で打ち込みたいのだと、
両親を説得した上で、一人暮らしをしている。

※この説得には『三刀屋』も駆り出され、一緒に両親の下に同席している。

760三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/10(金) 23:50:35
>>759
「知覧くん・・・すまないけど、少し席を外すよ
ちょぉぉぉ〜〜〜っとばかし、我孫子くんの方がトラブルにあっているみたいだ」

『執筆作業』を続ける知覧に語りかけ、部屋を出る
スマホを耳に当てたまま、サトルとの話を続ける

「わかった 今すぐに行くよ
道すがら、何の用なのか教えてもらってもいいかな?」

アパートの場所は覚えている
道すがら、話を聞き、どんな用件があるのか情報を集める

761『It's dirty work』:2020/07/11(土) 00:09:16
>>760(三刀屋)

   「あらら、なんだろーね?

    画材も揃ってるし、こっちは大丈夫だって。
    変に断って、俺達を探されてもマズいしさー」


     ブシュッ
              バシィッ!

余裕の態度を見せる『知覧』だが、
呑気に話しながらも『ベタ』を塗り上げていく。

>「わかった 今すぐに行くよ
>道すがら、何の用なのか教えてもらってもいいかな?」

カラオケボックスから『アパート』まで、歩いて『4〜5分』だ。
無論、『三刀屋』の腹積もりも、サトルのアパートが近いからこそ、
この近辺を『待ち合わせ』に指定したのもあるのだろう。

     「ああ、『作業中』になるから、
      ちょっと止まったりするかも知れないが」

     「『三刀屋』さん。――――カラスの『雄雌』ってさぁ、
      どう見分けるか解るか? ……『紫外線』なんだってよ。

      カラスは『紫外線』が見えるから、
      雄と雌は、実は別々の色で見えてるんだよ。
      俺達には同じ『真っ黒』に見えるから、全然解らないけどな」

『サトル』は脈絡のない言葉を呟いている。

     「……そうだ。昔、ある本で読んだことがあるんだが、
      『鳩』ってのは、『漫画』が読めるらしいんだ。

      『鳩』はマンガで描いた『鳩』を、
      自分と同族だって、認識できると書いてあった。
      だから、『鳩』は他のマンガ文法も理解できるかって、
      『トゲトゲ』したフキダシを付けたり、効果線を引いたり、
      そーいう驚かすような『演出』があれば、鳩の行動も変わるのかって、
      わざわざ実験した『漫画家』もいたらしいぜ。結果は、どうだったかな……」

『サトル』の言葉は止まらない。
ふと、確信を切り出すように、『サトル』は声を潜めた。

     「なあ、『三刀屋』さん。
      貴方もこの世界は長いだろ、一度聞いてみたかったんだ」

     「――――『トレース』だよ。
      人のマンガを映して、パクって発表するヤツ」

     「そーいうヤツ、貴方はどう思う?」

762三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/11(土) 00:24:01
>>761
「・・・・へぇ、凄いね、うん、まさに動物奇想天外って感じだね
それで・・・・・動物関連おもしろトリビアが言いたくて僕を呼んだわけじゃないだろう?
君はそういう意味のないことはやらない人間だからね」

『カラス』?『鳩』?
サトルの意図が分からず、焦燥感ばかりが膨れ上がる
サトルは動物に関して多くの事を知っている、それはわかっている
だが、意味のない話をする人間ではない・・・何かの前座か?あるいは・・・


>     「――――『トレース』だよ。
>      人のマンガを映して、パクって発表するヤツ」

>     「そーいうヤツ、貴方はどう思う?」

  ぶわっ と冷や汗が止めどもなく出てくる
背筋が一気に冷えた・・・・まさか、気が付いているのか?



いや、そんなはずはない!

「サイテーだと思うよ、僕は
パロディとか二次創作とか、そーいうのなら作品として昇華しているって思うけどさ
人が描いたのをパクるのはダメだよねぇ〜
(あ〜〜〜・・・・言っちゃったああああ! これで後には引けないぞ!)」

「それで・・・・・そろそろ本題に入りなよ
何も剽窃がどうだの、海賊版がどうだの、そういう小賢しい社会問題を語りたくて電話したんじゃないだろ?
君が電話をしてくるって事は・・・・もっと直接的なことなんじゃないかい?」

763『It's dirty work』:2020/07/11(土) 00:39:17
>>762(三刀屋)
>「サイテーだと思うよ、僕は
>パロディとか二次創作とか、そーいうのなら作品として昇華しているって思うけどさ
>人が描いたのをパクるのはダメだよねぇ〜〜〜」

    「そういうと思ったよ」

勿体ぶった質問に付き合った、『サトル』の反応は素っ気なかった。
本題に入ろうとする『三刀屋』の問い掛けにも、しばしの沈黙を保ち。

    「……ああ」

    「単刀直入に言うよ。
     ――――あの『原稿』、返してくれないか?」

      ド
                    ド

            ド

    「世の中には、『カラス』や『鳩』よりも、
     見る目を養えてない連中が多すぎる」

    「だから一度、修正しなくっちゃあならない。
     頼むよ。そう、時間を取らせないからさ」

『サトル』の居る『アパート』が見えた。
二階建ての木造アパート、その『101号室』に住んでいる。
暑いからか、ドアも窓も開けっぱなしだ。開いたドアから『サトル』が見える。

    「今、描いてるからさ――――」

『サトル』は一心不乱に、『原稿用紙』に鉛筆を走らせている。
『ネーム描き』だ。本気で『原稿』の一部を差し替えようとしている。

764三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/11(土) 00:57:50
>>763
「ふぅ〜〜〜・・・・」

ドアの奥、サトルの姿を視認した
もはや、電話を使う必要もないだろう、電話を切り、玄関の前で直接話をする

「理由を聞いてもいいかい?
僕が見る限り、あの作品は『完璧』・・・
技術的には修正する必要がまったくないくらいサイコーな作品だと思ったけど?」

ドアの前に身を置きながら、部屋の中を覗き込む
部屋の中に怪しいものはないだろうか、前来た時と違う点はないだろうか?

「まあ、どっちにしろ今すぐに君に『原稿』を返すことはできない
君も知っているだろ?あーゆー物は社内で大事に保管されてさ、なかなか返却できないんだよねぇ」

「(僕はそれ破っちゃったわけだけどね・・・・・あー・・・・)」

「理由を聞こうか そういうルールを破ってまで『修正』したい理由を」

内心では自分の過去の罪を思い出して、軽い自己嫌悪に襲われつつも
表情は変えず、毅然とした編集者の表情でサトルと応対する

765『It's dirty work』:2020/07/11(土) 01:20:02
>>764(三刀屋)
玄関に立った『三刀屋』。
『六畳間』に台所が付いたワンルームだ。
エアコンも、風呂場もない。部屋の隣に『共同トイレ』がある。
吹き込む風だけを涼として、『サトル』は原稿を描いている。

>「理由を聞いてもいいかい?

    「貴方は、そう思うんだろう。
     俺だって、別に『完璧』を求めちゃあいない。

     だが、『完璧』じゃあ困るんだよ。
     それじゃあダメなのか――――」

部屋の中を覗き込む。
『作業机』と『本棚』、申し訳程度の『卓袱台』と『座布団』だけが置かれた部屋だ。
卓袱台の上には、真新しい付箋の貼られた『単行本』がズッシリと積まれ、
『作業机』には『原稿』を書くのに用いた、様々な『資料』が置かれている。

>「まあ、どっちにしろ今すぐに君に『原稿』を返すことはできない
>君も知っているだろ?あーゆー物は社内で大事に保管されてさ、

    >「なかなか返ky

               「『ウソ』を吐くなァ!」

      ゴォウ!

『サトル』が吼える。
その両目は血走って、一直線に『三刀屋』を睨み付ける。

    「『三刀屋』さん。
     アンタ、『原稿』を持ってたよな?

     ――――『喫茶店』で、確かに持っていたよな?
     今は持ってないな。『鞄』に入れて、何処かに置いたのか?」

『執筆道具』の詰まった『鞄』は、カラオケルームに置いてある。
確かに、『三刀屋』は『原稿用紙』を持つ手を滑らせていたが、
それは『知覧』の機転と店主の『損害』によって、
『サトル』の目には映らなかったはずだ。

    「アンタの持ってる『原稿』を、
     こっちに寄こすだけなんだ」

    「『原稿』を寄こさなきゃあ、
     ――――俺は、俺は……」

『サトル』は作業の手を止め、机上から一枚の紙を取る。

766三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/11(土) 01:37:23
>>765
「ハハハ・・・少し冷静になってくれよ、我孫子くん」
(この反応・・・・さっきの喫茶店の時にもしかしてチラッとみられたのかな
 だとすると・・・・下手にすっとぼけるのは逆に危険か)

突然の剣幕に内心ビビるが、この程度の『逆ギレ』に動じる程『やわ』ではない
過去に経験した『マジでヤベェ漫画家達』とのやりとりを脳裏に思い起こし、勇気を得る


「確かに僕は今日『原稿』を持ってきてしまったよ、コンプライアンス違反を犯してね
こーゆーのがバレると凄く厄介な事になるから黙ってたんだけどねぇ」

ここは認めよう
自分がコンプライアンス違反を犯すような不良編集者である事は彼も知っている
ただし・・・・・

「でもさ、『保管した原稿の持ち出し』程度ならバレなきゃなかった事に出来るけど
『保管した原稿の改竄』は・・・・ちょっとバレずにやるのは『不可能』だよ」

『コンプライアンス』という言葉を盾にして、『原稿』を渡さない理由をでっちあげる
もし天に神がいて、三刀屋の行動を見つめていたとしたら「お前が言うな!」と言うであろう図々しさで


「だから冷静に・・・・・なんだい、その紙は?」

サトルの持つ紙を見つめる

767『It's dirty work』:2020/07/11(土) 23:55:41
>>766(三刀屋)
>「だから冷静に・・・・・なんだい、その紙は?」

   「『三刀屋』さん。理由を説明することは出来ないが、

    この世には『モバイルバッテリー』や、
    『スマートフォン』が急に『燃え上がる』ような、
    不幸な事故ってのが、時たま起こるじゃあないか」

『サトル』が手にした紙は、『漫画原稿』だ。
水没した『原稿』と瓜二つ、描き直したかのように『そっくり』な一枚。
その『枠線』が大きく『歪み』、

      ブワッ
               サァァァ〜〜〜〜ッッ!!!

まるで『ハチドリ』のように小さな『火の鳥』が、
一羽、二羽、――――合わせて『六羽』、原稿用紙から飛び出した。

    「きっと、そういう事故が、
     『三刀屋』さんの『鞄』にも起きると思う。

     ――――『ガソリンスタンド』には、
     まさか『鞄』を置いちゃあいないよね」

思い詰めたように、『サトル』が確認を取る。
飛び出した『スタンド』、『サトル』はその存在を教えぬまま、
『原稿』を焼却しようとしている――――

768三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 00:19:36
>>767
「へえ、まるでコピー機にかけたかのようにそっくりな『原稿』だね?
確かに凄い技術だって関心はするけどさ、そんな芸を見せられて心変わりするつもりは・・・」

>      ブワッ
>               サァァァ〜〜〜〜ッッ!!!


「な、何ィ―――――――ッ!?」

サトルの取った行動に驚愕する
同じような『能力』を持っていた事・・・・それだけではない
サトルが自分の『納得』のためなら『作品』すら焼く男だと気が付いたからだ

                 ・・・・
「それは・・・・・・その『能力』は・・・・『僕と同じ』・・・・!」

「彼を止めろ!『ブラック・アンド・ホワイト』ォォ!」

玄関に一歩踏み込み、そのままの勢いでスタンドだけを前進させる!
そのままの勢いでサトルが手にした『原稿』に手刀の『突き』を入れて破いてやりたい パス精CCB

「(彼の言動が何のブラフでもないなら、『描いた原稿』と同じ物を焼く『能力』か?
 ガソリンスタンドの心配をするところを見ると、宛先の状況は彼自身確認できない、はず
 まずはあの『スタンド』を止めないと!)」

本体は後ろ手で開いた玄関のドアを閉じようとする

769『It's dirty work』:2020/07/12(日) 20:44:03
>>768(三刀屋)

>「彼を止めろ!『ブラック・アンド・ホワイト』ォォ!」

    バシュゥゥ!!!

発現した『ブラック・アンド・ホワイト』。
その手刀が真っすぐ、『サトル』の手に持つ『原稿』へと伸びる。

       シュボッ!

触れた『手刀』が炎上し、右腕全体に燃え広がる。
『熱』も痛みも感じられない。だが、熱の入った『炭』のように、
右腕がボロボロと崩れていくのが解る。

―――――この『原稿』は、スタンド能力の保護下にある。

    「驚いたよ、『三刀屋』さん。
     アンタも『スタンド使い』、だったとは……」

心底の驚愕を、『サトル』は両目を開いて表現していた。
その間、『三刀屋』は後ろ手に玄関の扉を閉める。

    バタムッ
              ブワァァ――――

『火の鳥』は回れ右をし、開けっぱなしの『窓』から逃げようとする。
僅かではあるが、時間を稼げたのは間違いない。

     「俺のスタンドは、『トレース』を燃やす。
      たったそれだけだ。他の何も出来やしない」

     「だが、たったそれだけでいいんだ。
      多くは求めちゃあいない。俺がこの道で生きるには、

      『ニセモノ』は全部燃やし尽くす、灰からは『本物』だけが残る」


      クルッ
                 シュバッ

『サトル』は背を向け、窓から飛び降りる。
ここは『1階』だ。逃げるだけなら容易いだろう。
作業机、漫画、それだけが室内に残る。

770三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 21:08:20
>>769
質問です

・『火の鳥』はまだ室内にいますか?
・サトルが新たに描いた『原稿』は1枚だけですか?
・『火の鳥』の速さは目測でどの程度です?

771『It's dirty work』:2020/07/12(日) 21:51:55
>>770
>・『火の鳥』はまだ室内にいますか?
窓から外に出る直前です。

>・サトルが新たに描いた『原稿』は1枚だけですか?
一枚のみです。

>・『火の鳥』の速さは目測でどの程度です?
『スピード:B』です。

772三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 22:14:09
>>769
「フ・・・フフフ・・・いいねぇ、我孫子くん
その『決断力』、その『爆発力』、やはり君は次代を代表する漫画家になれる!
そして、もう一つ、僕にとってとても素晴らしいGood Newsがあったよ!

我孫子くん・・・・君の『技術力』はまったく同一の『原稿』をもう一つ作る事が出来る程卓越していた!
素晴らしい朗報だ、僕たちの未来を保証してくれるくらいに、ねぇ」

『火の鳥』の速さはかなり素早い・・・
『ブラック・アンド・ホワイト』で叩き落としにしても、必ず『何体か』は取り逃がしてしまうだろう
では・・・・・どうするか?

             ピッ

スマホを起動し、電話をかける
相手は現在も絶賛作業中であろう『知覧』だ

「あ〜〜、知覧くん、時間がないから簡潔に言わせてくれ・・・・我孫子くんは『スタンド使い』だった
そして、理由は詳しく語れないけど君の持っている『元原稿』を狙って『火の鳥のスタンド』を『6体』放った

それで頼みなんだが・・・・君の持っている元原稿と、トレス原稿の該当ページにベタで大きく『×』をつけてくれ!
該当するページは・・・・」


知覧に向けて、サトルが描いた該当ページに×を付けるように依頼する
サトルのスタンドが『自動追尾型』だとすればその条件は『同じ絵』であることの可能性が高い
まずは『同じ絵』をこの世から消す!

×を描くだけなら恐らく後でまた再度描くのも簡単なはず・・・

773『It's dirty work』:2020/07/12(日) 22:45:53
>>772(三刀屋)

    P R R r r . . .

         ピッ

   「で、オニオンリングとハンバーガー、
    オードブルセット盛り合わせで――――」

   「おっ、『三刀屋』さーん。
    こっちはバッチリよォー、2ページ目が仕上がるぜ」

デリバリーを注文していたであろう、
『知覧』が呑気な口振りで電話に出てきた。
あれからの時間を考えると、『2ページ』の完成は上々な進捗だ。

>「あ〜〜、知覧くん、時間がないから簡潔に言わせてくれ・・・・我孫子くんは『スタンド使い』だった
>そして、理由は詳しく語れないけど君の持っている『元原稿』を狙って『火の鳥のスタンド』を『6体』放った」

   「えっ、えええェェ〜〜〜〜〜ッッ!!

    ま、マジかよ。やべぇじぇねェか!!
    何、ここにいるってバレてるのかよ!?」

慌てふためく『知覧』だが、『三刀屋』の指示を聞く。

    「クッソぉー、折角仕上がったばっかりなのに!

     あーもー、おりゃあ!」

『知覧』は覚悟を決めて、大きく『×』を付けたようだ。

    「じゃ、じゃあ先に『3ページ目』を描きゃあいいのか?
     しっかし、なんで自分の描いた『原稿』を狙うんだよ。
     『火の鳥』って、要は『燃やす』ってことだろォォ〜〜〜〜ッッ」

    「なんかマズいモンでも描いてあるのかよぉ?」

       バッ

何かを蹴り上げるような音が聞こえる。
『自転車』のスタンド脚、『サトル』は自転車でスタンドを追うようだ。

774三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 23:01:50
>>773
「なんでせっかく描いた『原稿』を自分から燃やすか気になるかい?
僕にもまぁ〜〜〜〜ったくわからない でもさ、ときどきいるんだよねぇ
・・・・・・・そーいう『情熱』が溢れちゃったヤツがさぁ」

    バッ!

窓から外に出て『火の鳥』、そして『サトル』の様子を見る
『火の鳥』はまだ迷いなく行動しているだろうか?


「他のページも狙われてるかどうかわからないけどさ
とにかく、急いで他のページも仕上げてくれ! 時間内に終わらなかったら・・・・彼にバレるかもしれない!
自分の『原稿』を燃やそうとするクレイジーな男だ・・・・何をされるかわからんぞ」

『火の鳥』の様子が確認出来たら、サトルを走って追う
追いつくことは出来ないかもしれないが、出来るだけ長くサトル達の様子を観察するためだ

775『It's dirty work』:2020/07/12(日) 23:17:47
>>774(三刀屋)

    バッ!

飛び出した『三刀屋』は『サトル』を視線で追う。
『自転車』に乗ったサトルは、既に『10m』は離れている。
『火の鳥』達は依然として飛行を続けている。

>自分の『原稿』を燃やそうとするクレイジーな男だ・・・・何をされるかわからんぞ」

     「ひ、ひぇェ〜〜〜〜ッッ

      なんだってんだ、もー!」

既に『サトル』に走って追い付くことは出来ないだろう。
部屋の中には『作業机』と『漫画』の詰まれた『卓袱台』が置いてある。

776三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 23:23:17
>>775
「ダメだね、『射程距離外』だ・・・彼自身をどうこうするのは難しい
それにしても・・・・『火の鳥』がまだ飛び続けているのが気になるね
『同一の絵』であること以外にも何か・・・・・・見落としているものが・・・?」

部屋の中に戻り、『作業机』と『卓袱台』を見てみる
彼は直前まで何をしていたのだろうか・・・?

777『It's dirty work』:2020/07/12(日) 23:31:07
>>776(三刀屋)
既に追い付くことは難しいだろう。
物理的に『サトル』を止めるのは困難だ。

>『同一の絵』であること以外にも何か・・・・・・見落としているものが・・・?」

コピー機でも使わない限り、『同一の絵』を描くことは出来ない。
事実、『サトル』の原稿は元に比べれば『そっくり』というレベルだった。
単純な『絵』ではない、何か別の『トリガー』があるのは間違いなさそうだ。

まずは『作業机』に目を向ける。
祖父か父親と『狩猟』に行った時の写真が、
イノシシの牙と一緒に飾られている。

机には原稿用紙、Gペン、インク壺が並んでいる。
他にもスクリーントーンのファイル、雲形定規など、
漫画を描くための道具一式が並んでいる。

『卓袱台』に乗っているのは、漫画の単行本だ。
いずれも『サトル』が好きだと言っていた漫画ばかりだ。
どれもページの所々に真新しい『付箋』が貼られている。

778三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/12(日) 23:38:54
>>777
「困ったねぇ・・・困ったねぇ・・・早く彼らを止めないと知覧くんが燃やされてしまう
彼のスタンドが『原稿』を狙うための『条件』を突き止めないと」

サトルが描いた『原稿』のページを思い起こす
どんな場面のページだっただろうか?

「これは・・・我孫子くんが好きな漫画だね
『付箋』が張られてる・・・何かの研究をしていたのかな?」

漫画を手に取り『付箋』のついたページを捲ってみる
彼は直前に何を参考にしていたのだろうか?

779『It's dirty work』:2020/07/13(月) 00:04:17
>>778(三刀屋)
『サトル』の掲げた『原稿』のページを思い起こす。
確か、『2ページ目』だ。

所謂、『終末モノ』と呼ばれる類のマンガだ。
主人公が狩猟をし、肉を食べながら世界を思う。
単純な内容だが、世界情勢の映し方、構図の妙、
狩猟者の独白する台詞、それらがアマチュアとは一線を画していた。

アバンギャルドな構図は、この『2ページ目』からも主張されている。
『三刀屋』は漫画を手に取り、付箋のページをそれぞれ捲っていく。

漫画自体に統一性はなく、ページの内容もバラバラだ。
だが、どれも奇抜なコマ割り、凝った構図、派手な描画、
とどのつまり、漫画家のセンスが炸裂しているページばかりだ。

780三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/13(月) 00:13:45
>>779
「よく読めているね、我孫子くん
漫画の『エッセンス』を捉えるのが上手い・・・勉強はちゃんとしているみたいだ
でも、これはあんまり関係なさそーだね」

付箋の漫画を元の位置に戻す

「さて・・・・あと怪しいのは彼の作業机だけど・・・」

作業机の上の道具を調べてみる
一般的に売られている(三刀屋が知覧に与えたような)道具以外に何かおかしなものはあるだろうか?

「そういえば我孫子くん、おじいさんとよく『山』に入ってたって言ってたね
うん、『経験』が生きてるなぁ」

781『It's dirty work』:2020/07/13(月) 00:37:59
>>780(三刀屋)
付箋の漫画を元の位置に戻す。

>「す、凄い・・・・やはり僕の見立てに狂いはなかった・・・彼は『天才』だッ!

>「僕は経験上、何人もの『漫画家』を見てきたが・・・・
>『彼の才能』はそれらのいかなるもブッちぎりで超越している・・・・取れるね、天下」

>僕が見る限り、あの作品は『完璧』・・・
>技術的には修正する必要がまったくないくらいサイコーな作品だと思ったけど?」

『三刀屋』は『サトル』の才能を信じている。
――――故に、『三刀屋』はそれに気付けなかった。

作業机の道具を見るが、怪しい点は見当たらない。

782三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/13(月) 00:44:37
>>781
質問ですが
『参考にした漫画』と『サトルの原稿』の構図やコマ割に似通った点はありますか?

783『It's dirty work』:2020/07/13(月) 00:49:57
>>782
>『参考にした漫画』と『サトルの原稿』の構図やコマ割に似通った点はありますか?

じっくりと見ないと解らない。

784三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/13(月) 17:47:30
>>781
「・・・・・・・・?」

ほんの少しだけ・・・些細な『違和感』があった
三刀屋は自分自身を『信用』していない・・・故に往々にして他者を『信用』しがちだ
(それは多くの場合自分自身の無責任さからくる『信用』なのだが)

もし・・・・それが根本的に間違えていたとすれば?
この騒動における一番の『悪』とは三刀屋自身だと思っていたが・・・

 ・・・     ・・・        ・・ 
『もしも』・・・・・・『サトル』にも何らかの『瑕疵』があったのだとすれば・・・・?


「まさか、ね? 彼は『完璧』で『最高』で『清廉』な『漫画家』さ
 そんな事はあるはずがない」

疑念を振り払うべく、もう一度『付箋のページ』と『サトルの原稿』の構図を確認していく
『サトルの原稿』はこの場にはないが、あの不思議な『道具屋』で何度も『トレス』している(結局はあきらめたが)
構図については何も見ずとも覚えているはず

785『It's dirty work』:2020/07/14(火) 20:52:56
>>784(三刀屋)
疑念を振り払うべく、
『三刀屋』は付箋の書かれたページを開く。

   パラ

┌──────────────────────────┐
│『三刀屋』が気付けなかったのは、無理もなかった。       .│
│それは決して、無責任な信頼感だけを指した訳ではない。   │
└──────────────────────────┘

           パララ

┌────────────────────────────┐
│作り手の意図的な『剽窃』、または意図せぬ『ネタ被り』を、       .│
│編集者が見付けられず、出版されてしまうケースは珍しくない。   │
│それは新人どころか、ベテランにだって起こり得る。           .│
└────────────────────────────┘

>「出版社の人間ならまだしも、彼は完全に部外者ではないのか?」
>静かな口調ではあるが、硬い口調からは少しずつ不信感が滲み出る。

『三刀屋』の思った通り、『サトル』の才能は完璧だった。
――――『完璧』だった。狩猟と解体で培った『観察眼』は、
線の強弱さえ反映した、完璧な『トレース』を『肉眼』で可能とした。

描画技術だけではない。コマ割りは『ツギハギ』を感じさせず、
異なる漫画の『構図』同士でさえ、淀みなく読ませる『センス』が光る。

『三刀屋』の脳裏に浮かぶ『原稿』の構図と、
『真新しい』付箋の貼られたページの構図は、奇妙なまでに一致する。

これが『剽窃』なのか、意図せぬ『ネタ被り』なのか、
それはまだ、『三刀屋』には解らない。

     ┌───────────────────┐
     │だが、この類稀なる『共通性』を、         .│
     │世間は決して見逃さないだろう――――     │
     └───────────────────┘


.

786三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/14(火) 22:53:18
>>785
    パラ・・


ページを捲るたびに『疑念』が『確信』へと変わってしまう
『疑念』を抱いているうちはガンガンと頭を打ち鳴らすような焦燥感だけがあった
『確信』に変わってからは胃に重いものが詰め込まれるような緊張感がそれに加わった


「参った・・・・ね・・・・・」

前提が変わる 今日の『サトル』の様子を思い返すと一つの筋が通ってしまう
サトルが何故『原稿』を燃やそうとするのか・・・・『理由』がわかってしまう

『初対面の知覧に対する不信感』・・・・当然だ
『原稿』を読む人間が増える程に『この事実』に気づく可能性が高くなる

恐らく、彼は気づいてしまったのだろう・・・いずれ誰かが『この事実』に気づいてしまう、と

>「サイテーだと思うよ、僕は
> パロディとか二次創作とか、そーいうのなら作品として昇華しているって思うけどさ
> 人が描いたのをパクるのはダメだよねぇ〜」

サトルに言ってしまったセリフが想起させられる
『三刀屋』は確かに・・・・『否定』してしまった

  ・・・・・・・・・・・
『 完全に否定してしまった 』のだ

「『罪悪感』・・・・・彼が今動いている理由はそれか?
だとしたら、僕が彼の行動を止める理由はあるのかな・・・?」

サトルを止めなければ、自動的に『原稿』は燃えて無くなるだろう
サトル自身も『この事実を含む原稿』が燃える事で満足する
諸々の罪を『なかったこと』にできるチャンスだ
『原稿を無くした罪』 『原稿を湖に落とした罪』 ――――『剽窃の罪』。
絶好の機会を不意にする理由がどこにある?


「・・・・・・・・・・・あるね
ここで全てが『なかったこと』になると・・・彼は『何も学ばない』
悪い事をして何かを得ようとして、バレそうになったからなかったことにする

それじゃあ・・・・いずれまたどこかで『同じように繰り返してしまう』!
『僕たち』は向かい合わなきゃあいけないみたいだね・・・・・・罪とその結果に」

そうと決めたからには行動を起こさなければならない!


「我孫子くんは言ってたね 『ニセモノ』を全て焼く、と
なら・・・・・『本物』が消えてしまったらどうなる?」

ビリリィィ―――――――ッ!

卓袱台の上に積まれた『参考漫画』たち
それらの『付箋がついたページ』を完膚なきまでに破り捨て、バラバラにする!

787『It's dirty works』:2020/07/14(火) 23:34:09
>>786(三刀屋)
『三刀屋』は『盗作』を真っ向から否定した。
『サトル』の原稿は勿論、『知覧』の原稿も『剽窃』に過ぎない。
双方を『なかったこと』にしてしまえば、それに越したことはない。

   ド

┌────────────────────┐
│しかし、『三刀屋路行』は許さない――――   .│  ド
└────────────────────┘

              ド

    ビリリィィ―――――――ッ!

決意を固めたかのように、『付箋』のページを破り捨てる。
何かが変化した様子はない。――――媒体は『漫画原稿』だ。
これらの参考資料に、スタンド能力は作用していないだろう。

引き千切ったページをバラバラにしようとした時、

    P r r r r . . .

『スマートフォン』が鳴り響く。
『知覧』が電話を掛けてきている。

788三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/14(火) 23:47:24
>>787
    ビリリィィ―――――――ッ!



               シ―――――――ン・・・・

「あ、あれぇ? せっかく気合い入れてかっこつけてみたけど、これも違うのかい?」

意を決して『ページ』を破り捨ててはみたが特に変わった様子はない
このままでは・・・・まずい 何か打開する手段が必要だが・・・

>    P r r r r . . .

「はい!もしもし、三刀屋です!
ごめんよ、知覧君! 『火の鳥』の進行をまだ止められてないんだ!」

知覧からの電話を取るや否や
開口一番に『ヤバイ』事を伝える

789『It's dirty works』:2020/07/15(水) 00:20:54
>>788(三刀屋)
>「はい!もしもし、三刀屋です!
>ごめんよ、知覧君! 『火の鳥』の進行をまだ止められてないんだ!」

    「やっ、やっぱりッ!」

    「もう、ドアの外に『一羽』いるんだよー。
     ドアを開けたり、燃やしたりするパワーはなさそうだが、

    ――――『サトル』君にドアを開けられたら、
    折角描いた『原稿』が台無しだぜェェ〜〜〜〜〜ッッ」

半ば『悲鳴』に近い声色で『知覧』は捲し立てる。
先行して『火の鳥』だけが到着したようだが、
この分だと『サトル』の到着は時間の問題だ。

手元には引き千切った漫画のページがある。
どれも『サトル』の『トレース元』となった漫画ばかりだ。

――――『サトル』の言う『ニセモノ』を追尾し、
『火の鳥』によって『焼却』させるのが『サトル』の狙いだ。

何を基準とした『ニセモノ』なのだろうか。
『知覧』がバツ印を付けても『追尾』が続く以上、
単純な『絵』そのものではないのは間違いない。

>『三刀屋』の脳裏に浮かぶ『原稿』の構図と、
>『真新しい』付箋の貼られたページの構図は、奇妙なまでに一致する。

790三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/15(水) 00:43:50
>>789
「不味いね、もう到着しているのか・・・」

知覧の狂騒から『ヤバイ』状況は伝わってくる
『火の鳥』を避ける方法・・・・『自動追尾』の条件を外す方法を考えなければ


「いいかい、知覧くん
詳しい話は後から伝えるけど、サトルくんは『ニセモノを燃やすスタンド』を使う
だからさ・・・・その原稿を『ニセモノではない新しい何か』にしないといけない」

脳裏に一つの『条件』が思い浮かぶ
奇妙なまでに似通った『構図』・・・ 『構図』? これか?


「『元原稿』と『キミの原稿』・・・・そう『例の2ページ目』だけどさ
『ホワイト(修正液)』を使って『描き直してくれ』 ・・・まったく別の構図、ポージングになるように
なぁに、君なら出来るさ 何せ・・・・我孫子くんの『手』を持っているのだからね」

サトルは・・・『剽窃』をしていたとしてもその技術力は確かだ
その『技術』があればこの程度の『即興』、どうにかしてくれるはず


「僕はぼくでちょっとこっちで頑張ってみるからさ」

     ズギュンッ!


サトルの作業机に座って『ブラック・アンド・ホワイト』を発現する・・・そして

「さぁて、『トレス』なら僕もそれなりに頑張れるからね
一丁、知覧くんを援護する『オトリ』でも作ってやろうじゃないか」

     カキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキ!


『問題の2ページ目』・・・それを
先ほど破り取った『参考文献』を参考にして自分でも似たような原稿を書いていく! パス精CCB

791『It's dirty works』:2020/07/15(水) 22:22:28
>>790(三刀屋)
「つまり、全く『別物』にすりゃあいいんだな。

 よっしゃ、さっさと鳥公を追っ払ってやるかー」

『知覧』は納得し、作業に取り掛かったようだ。
一方、『三刀屋』は破り取ったページを元に、
『オトリ』を作りはじめる。

あくまでも『構図』のみをトレースするのであれば、
『ネーム』程度の書き込みで事足りる。
そう、時間は掛からないだろう。

┌─────────────────────────────────────┐
│貴方は漫画家ではありませんが有効的な『コマ』の使い方を知らなければならない。   ..│
│何せ貴方は編集者、なんですから。                                .│
└─────────────────────────────────────┘

トレースに使用する『コマ割り』をしながら、
ふと、『道具屋』の言葉が脳裏を過ぎていった。
ある意味では、この展開を予言していたのだろうか――――

792三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/15(水) 22:31:25
>>791
「知覧くん、『火の鳥』はまだそこにいるかい?」

『別物』に変えた『原稿』と『トレースの囮』
考えられる妨害策はとりあえず打った・・・・後はこれがどう転ぶか

「それにしても・・・『コマ』の使い方にここまで頭を悩ませる事になるとはねぇ
事実は小説よりも・・・・いや、漫画よりも奇なりって感じだね」

『火の鳥』がこちらにやってくるかもしれない
周囲を警戒しながら、知覧の待つカラオケルームに戻ろうとする

793『It's dirty works』:2020/07/15(水) 23:28:21
>>792(三刀屋)

   シュババッ バッ

       ――――ボォゥ……

しばらくして、『三刀屋』は『構図』を切り終えた。
ふと、触れた『構図』が熱を持っているのが伝わって来る。
『囮』としてスタンド能力の対象になったのは、間違いないだろう。

   「ひ、引いてくぜ――――」

『知覧』がホッとしたかのように声を漏らした。
それを聞いてから、『三刀屋』はカラオケルームへと向かうべく、
来た道を真っすぐ戻っていく。

   バサァ
              バササァ

途中、『火の鳥』が『三刀屋』の頭上を通り過ぎ、
まっすぐに『アパート』へと戻っていくのが見えた。
『サトル』の自室に置きっぱなしの『トレース構図』を
追っていったのは、火を見るよりも明らかだった。

794三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/15(水) 23:37:53
>>793
「安心してくれよ、知覧くん
『火の鳥』は無事に無力化できたようだ、君はこのまま『原稿』を描いてくれ
もっとも・・・・・『必要はなくなった』かもしれないけどね」

無事に『火の鳥』による攻撃を防いだことにほっとしつつも
『電話』を続けながら歩き続ける

「知覧くん、巻き込まれた君にも聞く権利はあると思うから伝える
我孫子くんが何故こんな凶行に及んだか、そのあらましをね

彼は・・・・他人の漫画を参考にしていた、参考にし過ぎていたんだ
彼の部屋を漁ってみたらね、『構図の参考にした漫画』がいくつも出てきた
要するに『今の君と同じことをやっていた』という事だよ

僕は彼の行動の理由は『罪悪感』から来ていると思っている
だからこそ、僕たちは彼と話をしないといけない、そんな気がするんだ」

「巻き込んでしまって悪かったね、知覧くん」

795『It's dirty works』:2020/07/15(水) 23:55:13
>>794(三刀屋)
『三刀屋』は『サトル』がスタンドを使った理由について、
推察を交えながらも、ありのままに『知覧』へと説明した。

   「そ、そうか。……まあ、でもそうだよなー。

    十代にして『天才』なんて、
    なんか『裏』がある方が当たり前だよなー」

     ブツッ

何処か『やっかみ』も混じった感想が返ってきたが、
事態を理解したのか、『知覧』は通話を切った。

そして、小さな『児童公園』に横倒しになった自転車と、
遊具の前で途方に暮れたように立ち尽くす、『サトル』の姿があった。

    「待ってたよ。……『三刀屋』さん。

     ――――『バーニング・エアラインズ』。
     俺のスタンド能力が解ったってことは、
     ……俺のしたことも、解ったってことか……」

『バーニング・エアラインズ』を誘導した以上、
原稿の『トレース』を新たに複製したのは明白だった。
それは即ち、『トレース』の元を発見したということに他ならない。

    「俺は、ずっと『本物』になりたかった。
     ボロいアパートに漫画道具だけ持ち込んで、
     学校に通いながらも、ずっと執筆に熱中していった」

    「本物になりたいから、好きな漫画じゃあなくって、
     センスが光って唯一無二の漫画だけを集めていた」

    「本物になりたいから、わざわざ『狩猟』に同行して、
     狩った獲物を解体して、生命のリアリティを探求しようとした」

    「――――やればやるほど、本物から遠のいていった。
     そりゃあ、そうだよな。鳩やカラスは最初から飛べるのに、

     俺はずっと、鳥のマネをして『両腕』を振り回していただけだった」

   ポタ……

『サトル』は長身を項垂れて、やるせなさを吐露していく。

796三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/16(木) 00:58:15
>>795
「だとしても・・・・彼の『才能』は最高だ
それは『彼の技術』を使った君の方がよくわかっているはずだよ?
だからこそ、彼に直接会って話をしてくるよ」

      ブツッ

「『話をする』・・・・かぁ〜
どうしたもんだろうねぇー・・・ 僕自身、偉そうな事言える立場じゃないんだけどねぇ
ねぇ、その辺どう思う?知覧くん」

「切れてる」


ふと、倒れた自転車が見えた
サトルが乗っていた自転車によく似ている
首を振ると公園で項垂れるサトルの姿があった

「やあ、追いついたよ」

サトルの目の前に立つ 彼の表情は見えない
立ったまま 彼の独白を聞く


>俺はずっと、鳥のマネをして『両腕』を振り回していただけだった

「なるほど、ね
君は・・・・『ニセモノ』でい続ける事に耐えられなくなったのか」


サトルの本心の吐露
そんな彼を『正しい道に導くための言葉』を考え・・・・考えるのをやめた
そんな『おりこうさんの論理』はまったく性に合わない


「『本物は努力なんてしない』『ライオンが強いのはライオンだからだ』
そんなトートロジーめいた言葉はさぁ、僕、嫌いなんだよねぇ」

語り始める 自分自身の性格のように『でたらめででこぼこな言葉』を

「それじゃあさ、『学ぼうとすること』は悪なの?『鍛えること』はニセモノなの?
シーン・・・という擬音を最初に漫画に使い始めたのは、『漫画の神様』だといわれているけどさ、
『それ以降の漫画家』がそれを使う事は『ニセモノ』かい? いいや違う!」

「それらは『普遍化』したんだ!
『優れたもの』を皆が取り入れ、改良し、世の中に広めて、『当たり前のもの』として使うようになった
より面白い漫画を作ろうとした漫画家たちの情熱がその『流れ』を動かした」


「だから・・・・その・・・なんだ・・・・上手くは言えないけどさ
君が漫画を面白くするために、他の漫画を学んだこと自体は・・・・・・悪い事じゃないと思う
だって、君の『才能』はそうやって鍛えられたんだからさ」

797『It's dirty works』:2020/07/17(金) 00:21:43
>>796(三刀屋)
『サトル』の技術に間違いはなかった。
『三刀屋』の表現するところの『完璧』かつ『最高』の才能だ。

だが、それは『アーティスト』として飛翔するための『翼』ではなかった。
優れた『才能』が必ずしも、活躍できる場所が宛がわれるとは限らない。

それを理解した上で、『三刀屋』は半端に寄り添うことを止めた。
耳を傾けていた『サトル』はたどたどしい言葉達を最後まで聞き遂げ、

    「『三刀屋』さんさぁ、何が言いたいか解らないけど、
     ……俺はまだ、『漫画家』を目指していいんだよな」

      バサァ
                  バササァ

夕暮れの空を飛ぶ『火の鳥』達が、『サトル』の下へ集っていく。
スタンド能力を『解除』したのだろう。スタンドは己の傍で解除できる。

    「今回のは、丸パクリになってしまったが、
     俺はまた、描くよ。俺が『才能』に頼らないで、

     『才能』が俺に息づいて、『当たり前』になるまで、
     描いて描いて、……きっとそれが、俺の『オリジナル』になる」

798三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/17(金) 00:41:15
>>797
「うん! やっぱり慣れない事はやるもんじゃあないねぇ
人に何かを『伝える』というのはやっぱり難しい、君たちは当たり前のように使ってる技術だというのにね」

伝えたいことを伝えたいように言葉にする事の難しさ
久々に他人に『本気で』何かを伝えようとしたため、
思ったように言えたか自信はない


「我孫子くん、僕はさ、だからさ、君のその『技術』は本物の才能だと思ってるよ
バラバラの個性を繋ぎ合わせて作品を作ったのに、何の違和感もなく僕たちに『伝える』事が出来た
それは・・・・とても素晴らしい事だと思う

丸パクリはいけないけどさ・・・・そのくらいの欠点なら僕が支えられるよ
『ネタ出し』とか・・・・『超えちゃいけないセーフティラインの見極め』とかね
だからさ、作っていこうじゃないか、僕らで
また初めから・・・・・ね?」

一言一言、言いたい言葉を汲み上げながらサトルに伝えていく
そして、サトルの肩を ぽんっ と叩いた

799『It's dirty works』:2020/07/17(金) 21:20:38
>>798(三刀屋)
『三刀屋』は『サトル』の才能を素直に褒め、
その上で助力を申し出る。肩を叩き、彼への信頼を示すように。

    「ああ、……ありがとうな。『三刀屋』さん。
     また、一から付き合っちゃあくれない、ですか」

ぎこちない敬語を交え、『サトル』は協力を頼みこんだ。
漫画家と編集者。ビジネスである以上、その付き合い方は様々だ。
だが、たった今。二人は互いを認め合っている。

『三刀屋』は『サトル』の危うくも若々しい『才能』を。
『サトル』は己の才能に気付く程に強烈な、『三刀屋』の『執念』を。

    「それだったら、やっぱり『原稿』は描き直させてくれないか?
     トレースしたの俺から言うのはおかしなことだとは思うが、
     あの『漫画』が世に出たら、編集部だって困るはずだ」

    「――――ああ、いや。この件を編集部にしっかりと、
     説明をしなくっちゃあいけないから、虫のいい話だとは思っている」

    「どの道、あの『原稿』は、『破棄』しなくっちゃあならないよな。
     俺の手で、ってよりは、『三刀屋』さんが処分した方がいい」

そしてやはり、『サトル』は『原稿』の描き直しを再度申し出てきた。
『三刀屋』が天才と見込んだ『原稿』ではあるが、まだ『編集部』には提出していない。
コピーもデータ化も為されていない以上、他の編集者が見る余地もなかった。

    「おーい、ここにいたのかよー」

二人を探していたのか、『知覧』がノコノコと現れた。
手には『三刀屋』の鞄。そして、『原稿用の封筒』を持っている。

800三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/17(金) 22:45:26
>>799
「『編集部』には僕の方から説明しておくよ
君はほら、『新作』、書かないといけないだろう?」

『原稿』はまだ編集部に見せてないから・・・やろうと思えば握りつぶせるけど
ここでそんな事しちゃったら流石にダメすぎるなぁ、と思いつつ
サトルの信頼には応えてやらなきゃなぁ、と再度決意する

「(あれぇ? どうやら『いい感じの和解ムード』っぽい感じになってきたね
 この流れなら・・・・言っても怒られないんじゃない?)」

「あー・・・ゴホン、実は僕も君に『告白』しなきゃあならない事があるんだけどね
おっ?ちょうどいいところに来たね おーい!知覧くぅーん!」

「あー・・・まあ今となっては割とどうでもいいことかなぁって思うんだけどね
ちょっと君に謝りたい事があって・・・・こういう事なんだよ」

     バッ

言うや否や、知覧の持つ『封筒』をひったくり『中の原稿』をブチまける
そして、『よれよれになった原稿』を見つめて、言う

「実は僕・・・・君の原稿を湖に落としちゃったんだ、ごめんね」

801『It's dirty works』:2020/07/17(金) 22:56:34
>>800(三刀屋)
>「あー・・・ゴホン、実は僕も君に『告白』しなきゃあならない事があるんだけどね
>おっ?ちょうどいいところに来たね おーい!知覧くぅーん!」

『知覧』が近づいてくる。
手にした『原稿』を見る『サトル』の表情は強張ったが、
何故か『濡れた』後があるのを見つけると、不可解そうに眉を顰める。

    「なんか、心なしか濡れてないか?」

至極当然の疑問を口にする『サトル』だが、
中の原稿をぶちまけられると、その両目が丸くなる。

    「こ、これ……。ビショビショじゃねェか……」

>「実は僕・・・・君の原稿を湖に落としちゃったんだ、ごめんね」

    「そ、そーなんだよー。
     だから、俺のスタンド能力で、
     何とか『描き直そう』と思ってさー」

『知覧』が『三刀屋』の鞄から、
描き終わっていた原稿の一ページ目を取り出す。

    「と、トレースの再トレース!?

     し、しかし、なんだって『湖』に原稿を落とすんだ?
     まっすぐ『編集部』に届けるわけでもなく、――――『三刀屋』さん」

     ギロ・・・

『サトル』の双眸が怪しく光る。
その両目は二人を代わる代わる睨み付けている。

802三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/17(金) 23:13:38
>>801
「ハッハッハハ・・・」

「(あ、あれぇ〜? さっきまで結構いい感じの雰囲気だったのに
 なんだか雲行きが怪しくなってきたなぁ・・・どういう事だい?知覧くん)」

    ヒソヒソヒソヒソ

知覧と目配せをしながら、サトルの顔をちら〜と見る
ヤバイナー コワイナー 

「えー・・・ごほん、『マジでやばい原稿』だなーっと思って・・・・
開放感のあるところで読みたいなーって思っちゃって・・・・
『野外』で読んでました・・・・・ごめん」

「で、でもさぁ!おかげで知覧くんとも出会えたんだよ!
見てくれ!このとてつもなく精確な作画!
彼の能力で描いたものなんだけどさぁ・・・・この『技術』なら
将来、君のアシスタントとしてどうかなぁ!?」

サトルの目が怖い・・・・
言葉の勢いでごまかすためにメチャクチャにまくし立てる

803『It's dirty works』:2020/07/17(金) 23:27:08
>>802(三刀屋)
>「(あ、あれぇ〜〜? さっきまで結構いい感じの雰囲気だったのに
> なんだか雲行きが怪しくなってきたなぁ・・・どういう事だい?知覧くん)」

焦りによってチラつく視線を『知覧』に送るが、
当の本人も同じように冷や汗を掻いている。

トレースした『原稿』を提出したのは確かだが、
それが不当な扱いをされたのは、また別の話なのだろう。

>見てくれ!このとてつもなく精確な作画!
>彼の能力で描いたものなんだけどさぁ・・・・この『技術』なら
>将来、君のアシスタントとしてどうかなぁ!?」

    「『技術』どころか、俺の筆致そのままだな。
     なんだこれ? どーいう能力なんだ……?」

    「その、手袋をハメた方から、
     技術を丸コピするスタンド能力でして……」

    「ほう」

『モンキー・ビジネス』のスタンド能力を聞き付けた『サトル』は、
二人に近づき、その両肩を叩く。
                      . . .
    「将来と言わず、――――『今から』やろうじゃあないか。

     何故か、『原稿』を描く道具も揃ってるみたいだしなぁ。
     その手袋、俺にやったみたいに、『他人』にもハメられるんだろ?」

     ズギャッ
              ブワッサァァ――――

『サトル』は原稿の一枚を拾い、『バーニング・エアラインズ』を発現させる。
炎上した『火の鳥』は地面を滑空し、『知覧』の描いた『トレース』に突撃。
『トレース』は瞬く間に燃やし尽くされる。

    「俺の『パクリ癖』がなくなるまで、『原稿』を描き続ける。
     トレースかどうかは、『バーニング・エアラインズ』が判断する」

    「えぇー、ニートの俺が『労働』なんて……」

    「トレースした『構図』さえ修正できれば、あの原稿を提出できる。
     ――――どうした。『三刀屋』さんにも付き合ってもらうぜ。

     最終的には、アンタの『判断』が必要になるからな」

804三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/07/17(金) 23:48:17
>>803
「フ・・・・フッフフフ! 望むところだよ!
我孫子くんの欠点をしっかりと評価出来るのは僕しかいないからね
3人で最高の『漫画』を作ってやろうじゃあないか!」

聞くも間抜けなミステイクから生まれた今回の騒動だったけど
こんな風に終わりを迎えられるなら『ちょっと頑張ってみた』価値はあったなぁ
無責任でいい加減な僕だけどさ、少しはマシなところもあるみたいだね

心の中に爽やかな風を吹かせながら三刀屋はそう思う
ダメな大人の『汚い仕事ぶり』から生まれた騒動だったが
全力のぶつかり合いの中で、虚飾も汚濁も振り落とされ、『輝けるなにか』だけが残っていた

805『It's dirty works』:2020/07/18(土) 00:25:16
>>804(三刀屋)

    「え、ちょ、俺はそーいうのは」

    「いいから来てもらおうか」

すっかり『サトル』に顎で使われている『知覧』。
三人は連れ立って、ボロアパートへと閉じこもった。

    ・

    ・

    ・


    シュボォォッ!!


   「ダメだ! まだ一コマ、『トレース』してやがる……。
    『知覧』、描き直しだ。14ページ、スクリーントーン用意!」

   「だ、ダメだァ〜〜〜ッッ もう寝かせてくれェー!
    だいじょーぶだって! 1コマくらいパクったって――――」

   「休んでもいいが、絶対に寝るなよ。
    『手袋』さえあれば『三刀屋』さんがサポートできるが、
    『モンキー・ビジネス』を発現し続けてなくっちゃあならないからな」

   「う、うげェェ〜〜〜〜〜ッッ」

    ・

    ・

    ・

三日後、何処に出しても恥ずかしくない形で、
『サトル』の原稿は完成した。

この作品がどう評価されるかは『読者』次第だ。
今、『原稿』を手にした『三刀屋』に、その評判は予想できない。
編集長の肝入りで挑んだ企画がモノの見事に滑ることもあれば、
代原で乗せた読み切りが大反響を巻き起こすこともあるのが、この世界だ。

決して日の目を見ることのない、失敗の連続が生み出した事件。

         works
お互いの『 剽 窃 』によって起こった騒動は、こうして幕を閉じる。

    三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 → 新たな『原稿』を編集部に提出。
         知覧『モンキー・ビジネス』 → 帰ってから泥のように眠った。
我孫子サトル『バーニング・エアラインズ』 → 自らの『才能』と向き合った。


   『It's dirty work "s"』 → そのどちらも『未完結』。

806『It's dirty works』:2020/07/18(土) 00:38:33
『漫画』から発現する『火の鳥』のヴィジョン。
おおよそ5〜6羽ほどの『群れ』で発現される。

『トレース』を『焼却』する能力。
発現した『漫画』と同じ『構図』を『第六感』で探知し、
『火の鳥』は『トレース』を追って飛翔する。

『トレース』を『3m以内』に収めた時点で、
『火の鳥』は激しく炎上し、『トレース』目掛けて突っ込み、
着弾した『原稿』は跡形もなく『焼却』されるだろう。

あくまでも『構図』自体を対象とするため、
コマ同士を切り合わせた『コラージュ』や、
下書きだけであっても、『追尾』の対象となる。

本体は『トレース』の才能に長けており、
無意識ながらも『構図』を真似ていることに気付いていた。
強烈な『自罰感情』を源にしたスタンド能力。

『バーニング・エアラインズ』
破壊力:E スピード:B 射程距離:A
持続力:C 精密動作性:C 成長性:A

807『星見町の終わらない夏』 〜ウインターじいさん編〜:2021/10/10(日) 19:47:55

―――『商店街』の片隅にある古ぼけた『おもちゃ屋』。

『昭和の時代』からありそうなその佇まい。
余計なお世話だが商売として成り立っているのだろうか。
店前には1mほどの『サンタ人形』がおいてあり、
外からでも『クリスマスの玩具』が置いてある事が分かる。
これは『三刀屋』達の働きのおかげか、
あるいは『ウインターじいさん』というくらいだから元からこうなのか。

そう、『三刀屋』は『百目鬼』を誘い、
『巨大クリスマスツリー』を出してもらいにおもちゃ屋の『店主』、
『ウインターじいさん』に会いに来たのだった。

 ………

             ガラァ――――ッ

『三刀屋』と『百目鬼』が店に入ると、レジに一人の老人の姿が見える。
サンタの恰好をし、ふわふわの『白い髭』を蓄えた老人。

「フォッフォッフォ、君が『三刀屋さん』かねェ?
 ようこそ、ようこそ! ワシが『ウインターじいさん』じゃあ!」

『ウインターじいさん』というより『サンタじいさん』と行った方がふさわしいか―――?
そしてレジの左隣には、しかめ面をして腕組みをするもう『一人の老人』が存在する………。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
※フィールドワークミッション『終わらない夏休み』絡みの単発イベントです。
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/445-449n
基本は『会話』となるため、参加者のレスを待たない形で進めます。
究極的には片方が『黙ったまま』でもイベントが終わる可能性がある事をご承知ください。

808百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/10(日) 20:21:13
>807

「こりゃあ『天然記念物』だね。
 懐かしいというか何というか……」

店の概観を見て、そんな感想を抱いた。
自分の幼少期には、まだ多かったが、
今の世の中で、こんな店が残っているとは驚きだ。
ともかく、三刀屋と共に『入店』した。

「――どうも、こんにちは」

(おやおや、また偉いのが出てきたもんだ)

「アタシは『百目鬼』で、こっちが『三刀屋』だよ」

(このじいさんに町を歩いてもらっても良さそうだねぇ)

現れた『ウインターじいさん』を前にして、
さすがに驚きを感じるが、表には出さない。
普段通りに挨拶し、会釈を送る。
まさしく『サンタ』のような風貌は、
『クリスマスの雰囲気作り』にも利用できそうだ。
だが、おそらくは店の仕事があるだろうし、無理は言えない。
客観的には、忙しそうには見えないが。

「ここで『クリスマスツリー』を管理しているって話を、
 耳にしたんだけどねえ」

先だって口を開いてから、三刀屋に視線を向ける。

809三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/10(日) 20:39:36
>>807-808

「こんにちわ。急な申し出にも関わらずご丁寧な対応をいただきありがとうございます」

趣のある店構えを見回し、この店の歴史に思いを馳せる
店前にどんっと置かれた『サンタ人形』に『クリスマス玩具』・・・・
『クリスマスツリー』が預けられたのはただの『お役目』というだけではなく、
店を持つ本人の趣味嗜好も関係しているのだろう・・・・

「僕がご連絡を入れました『三刀屋路行』です
 本日は『クリスマスツリー』の使用許可を願いたく参りましたが・・・・
 ところで、そちらにいらっしゃるお方は?」

『ウィンターじいさん』に挨拶を行った後、首をレジ横のご老人へと向ける

810『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/10(日) 21:35:15
>>808-809(百目鬼&三刀屋)

「フォッフォッフォッ。
 確かにワシが『クリスマス好き』な関係で、『クリスマスツリー』の管理もしておる。

 そして、最近、流行ってきてるじゃろう? 『クリスマス』。
 君達に言われずとも出そうと思って、
 つい先日の『商店街の会合』でもアピールしていたんじゃよ」

思わぬところに野生の味方がいたものだ。
『夏の魔物』が居れば、『冬好き』『クリスマス好き』もまた居る。
たとえば個人で『イルミネーション』を飾るような家も結構ある。
今更だが、そういう『冬好き』達を探して、
そこを着火点にするという方法もあったのかもしれない。

「フォッフォッフォッ じゃがのう………コイツが猛烈に反対しておっての。
 あ、コイツは何を隠そう、向かいの『定食屋』のジジイじゃ」

『ウィンターじいさん』が説明がてら老人を紹介する。
『定食屋の老人』は軽口を叩く『ウィンターじいさん』を睨んでいる。

「………こんなまだ暑い盛りによォ、
 『クリスマス』なんて、ちィと早すぎるんじゃあねェかァ?
 若い衆が何を考えているかは知らねェが―――」

『定食屋の老人』はそう言うと、今度は『三刀屋』と『百目鬼』を睨む。
確かに彼からしてみれば、二人は『若い衆』といえるか―――

「オレァ、反対だねッ! 『夏が好き』って事もあるし、
 コイツの『冬キチガイ』ぷりも前々から気に入らねェからなァ―――」

どうやらこの『定食屋の老人』が障害となっているようだ。

811三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/10(日) 22:12:56
>>810

「なるほど、『ウィンター』さんにとって今のこの『ブーム』は絶好の機会ですね
 僕もこの町の学生さん達と話す機会があったのですが、『クリスマスブーム』が確かに来ているみたいです
 せっかくの機会なので僕の会社でもクリスマスフェアをやっている所ですよ」

スマホの画面を見せて自社で行っているキャンペーンの画像を見せる
各漫画の『クリスマス回』が無料公開されている画面だ

「まあまあ、夏が好きというのもわかりますよ
 僕だって夏の暑い盛りには海で磯遊びをしますしねぇ」

嘘である
三刀屋は暑いのも寒いのも嫌いなので、真夏はたいてい空調の利いた室内にいる

「でもですねぇ、夏なのに冬っぽい事をするのもなかなか面白くはないですか?
 ほら、冬場なのにアイスを食べたりするようなもので・・・・」

「っと、話が逸れてしまいましたね
 それで『クリスマスツリー』を使わせていただく事は・・・・?」

812百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/10(日) 22:13:27
>>810

「こんにちは。さっき名乗ったから、
 自己紹介は省略させてもらうよ」

理由はどうあれ、『若い』と言われる事に悪い気はしない。

(おっと、今はそんな事を考えてる場合じゃあないか)

『冬キチガイ』というのは言い得て妙だ。
もし『冬の魔物』なんていうのがいたとしたら、
相当な『危険人物』になっていただろう。
『夏キチガイ』でなくて良かったという所か。

「まぁ、確かに『時期』には早いね。それは認めるよ」

「ただ――世の中で『クリスマス』が流行ってるんなら、
 それを取り入れる事は、
 商店街の『利益』に繋がらないものかねえ」

まず切り出すとしたら、この辺りだろう。
だが、自分が見る限り、この『定食屋のジジイ』は、
『計算』よりも『感情』で動くタイプに思える。
流行に流されず、気骨がありそうな所は尊敬に値するが、
今回ばかりは厄介だ。

(しかし、なんでこう『ジジイばっかり』に縁があるのかねぇ)

813『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/10(日) 22:47:51
>>811-812(三刀屋&百目鬼)
「『クリスマスツリー』は管理こそワシがやっておるが、
 『商店街』のものである事には間違いない。
 ワシもそうじゃが、そこのジジイも『商店街』ではそれなりの立場におるからの。
 コイツが拒否している以上、出すのは難しいのォ」

『三刀屋』の話に『ウィンターじいさん』は残念そうにそう答える。

「『利益』―――

            『利益』ねェ。

 ………

 そうなんだよなァ、オレも『商売人』だし『商店街』の一員だ。
 まァ、儲かるってンなら、『ツリー』くらい寛大な心で
  目を瞑ってやってもいいんだが………」

『定食屋の老人』は『利益』という言葉に強く反応する。
文字通り現金な話だが、『金銭』は『感情』に大きく影響を与えるものだ。
『定食屋の老人』の『冬嫌い』は強い信念というものではなく、
単純に『ウィンターじいさん』あたりへのやっかみなのかもしれない。
だが、途中で口ごもってしまったのはどういうわけか―――

「フォッ フォッ フォッ。
 コイツ、親の代からずゥっと同じ『定食メニュー』出してるもんだから、
 『クリスマス』だとか『冬』の『メニューの発案』なんて出来ないんじゃよ。
 ただし『市販の料理本』なんかに載っているメニューなんかはイヤだと来た。
 どうせやるなら『唯一のもの』をなんて一丁前に考えておるみたいなんじゃ。

 さっきは恰好よさげなタンカを切っておったが、
 つまるところ、この『ブーム』に乗れないってのが一番の反対理由ってことじゃの」

『ウィンターじいさん』が笑いながらそう告げる。
『定食屋の老人』は舌打ちをするが、反論はしない。
おそらく説得の過程ですでにこの話は出ていたのだろう。

『冬やクリスマスのメニュー』………
別にプロのレシピじゃなくても『料理上手』の
発案したものでもいけるのかもしれないが、
『三刀屋』や『百目鬼』にその知識があるのかどうか―――

「あ、後はついでじゃ。

 『商店街』の中には他にも、どうやって『クリスマス』に便乗すればいいか悩んでいる連中がおる。
 店内で扱う商品や飾りが余っておったり、何かアイディアがあれば
 分けてもらえれば、そういった連中に貸してやったり、教えてやったりも出来るんじゃが―――」

814百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/10(日) 23:11:31
>>813

「ははぁ、なるほど」

(詰まる所は『先立つ物』か)

いかにも筋金入りの頑固者という風情が漂っていたが、
思っていたよりも反応があったようだ。
意地を張るだけでは世の中は渡っていけない。
『定食屋の老人』も、その辺りは理解しているという事だろう。

(何だろうねぇ。嬉しいやら悲しいやら)

説得に骨を折る必要がないのは良かった。
だが、目の前の現実と向き合う老人の姿には、
何処となく物悲しさを覚えた。
もっとも、現実と向き合わなければならないのは、
こちらとしても同じ事だ。

「つまりは、『そこでしか味わえない冬らしい料理』を、
 どうにか捻り出せばいいって訳だ」

「参考までに聞きたいんだけど、
 アンタの『定食屋』は何ていう名前なんだい?」

『定食屋の老人』に尋ねながら、三刀屋に視線を向ける。

「『飾り』に関しては、学生達が色々やってるようだから、
 その辺りからでも調達できないかねえ」

815三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/11(月) 00:00:41
>>813-814

「なるほどねぇ・・・・」

店を営む者にとっては切実な願いだ
それだけにブームに乗れる者と乗れない者、商店街の中で格差が生まれてしまう

(商店街の分断はちょっと嫌な感じだからねぇ・・・・)

「うーん・・・・僕は自炊なんてほとんど出来ないし、料理については門外漢ですけど
『うなぎ』・・・・・なんてものはどうでしょうか?」

「『うなぎ』はこの町の名物ですし、
 定食屋を営んでいる方には釈迦に説法かとも思いますが、
 うなぎは夏の食べ物・・・・だと皆には思われていますが、実際の旬は『初冬』・・・・冬の食べ物です」

「その辺を町の人達にアピールすれば、『冬』らしい感じになりませんかねぇ?
『クリスマス』とはちょっと違いますけど、それも商店街の人情ある愛嬌って事で」

「他の方々に対しては・・・・どうしましょうか?」

816『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/11(月) 00:10:48
>>814(百目鬼)
「『さま食堂』ってンだよ。サマーってのが夏だろ?
 だからオレは『夏好き』で、この『冬キチ』と
 相性が悪いじゃあないかと思ってンだがね」

『定食屋の老人』がシシシと笑う。

「繁盛しそうな『献立』を考えてくれりゃあ、オレは文句ねェよ。
 『献立』つってもこう見えて『50年』ずっとメシ作ってきたんだ。
 そんなに細かくなくても『こういう感じのモン』って、
 アイディア言ってくれりゃあ後はサッと作ってやらあ」

『頭がコッチコチじゃから流行りそうなメニューなんて考えられんのじゃよ』
などと『ウィンターじいさん』が混ぜっ返す。

>>815(三刀屋)
そんな中、『三刀屋』が『うなぎ』を提案するが………

「フォッフォッフォ。うなぎは旬はともかく、
 やはり『夏』のイメージが強すぎないかの?
『クリスマス』ぽくないし………『冬』をアピールしてる間に
 『ブーム』が終わってしまいそうじゃ」

なぜか『ウィンターじいさん』の方から駄目だしを食らってしまった。

とりあえず『クリスマスツリー』のために「『冬のメニュー』が必須。
その他の物品などは、あれば結果的に『商店街』の
クリスマス化が強まる形となるというところか。

今すぐ解決できるのならそれでもいいが、
一度持ち帰って『知り合いたち』と相談してもいいのかもしれない。

817三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/11(月) 00:32:55
>>816

「うーん・・・・イメージが重要なら『ラッコ』をモチーフに使ってみるのはどうでしょう?
 ご存じでしょうか?今起きている『クリスマスブーム』
 その大本の一つはSNSでバズったこの画像にあるという事を」

三人に『Electric Canary Garden』公式アカウントの『ラッコ画像』を見せる

「『ラッコ』をイメージした見た目の料理を作ればSNS映えも狙えますし、
 折角のこの機会に乗らない手はないですよ」

「例えば、普通のハンバーグ定食の上に飾りの貝・・・この辺だと『あさり』が名物でしたよね
 それを乗せて、ニンジンとブロッコリー、それにポテトサラダを使って赤緑白でクリスマスカラーを作ってみるとか」

「メインはハンバーグ定食なのでさま食堂さんにとってもそれ程手間にはならないでしょうし
 ハッピーセットみたいに袋詰めしたおもちゃを配ったりすると
 お子様にも、子供にニンジンを食べさせたいお母さまにも喜ばれるんじゃあないでしょうか?」

「あるいは、おもちゃを配るというのは商店街の皆さんが公平にやれるキャンペーンかもしれませんねぇ
 『ウィンター』さんの店ならそういうアイテムがたくさんあるんじゃないですか?
 それを提携店に融通して配ってもらうとか・・・・」

818『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/11(月) 00:57:22
>>817(三刀屋)
「フォッフォッフォ、孫から聞いたのォ。
 『ラジオ』とか『いんたーねっと』で流行っているとか」

『クリスマスラッコブーム』について『ウィンターじいさん』は知っているようだ。

「『オモチャを配る』、なるほどのォ。
 ただ、どうせ配るんなら『サンタ』が配った方がよさそうじゃな。
 ワシが『サンタ』になって配ってもいいんじゃが………ウチの孫にバレちゃうからのォ。
 『サンタ』信じとるからの、ウチの孫」

『サンタ』を信じる頃合いの純真な孫が居るのだろう。
まあ、この祖父がいれば信じているのはむしろ当然か―――

 ………

「なるほどォ、『ハンバーグ』で『ラッコ』、ソイツが砕く『貝』を乗せるって寸法か。
 さすが若ェヤツのアイデアは一味ちがうね」

『さま食堂の老人』は早速、『三刀屋』のアイディアをメモし始める。
とりあえず一案………『老人』はもう少しアイディアが欲しそうな顔をしている。
確かにタマは多い方がいいか―――

819百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/11(月) 00:58:43
>>816-817

三刀屋のスマホを見て、『ラッコの画像』を確認する。
その存在は、どこだかで聞いた覚えがあった。
典型的な『便乗商法』ではあるものの、
だからこそ売れるかもしれない。

「『さま食堂』――――『名は体を表す』とは良く言ったもんだよ」

「『夏』と『冬』じゃあ、確かに『水』と『油』だね」

そうは言うが、ここまでのやり取りを見ている限り、
そこまで険悪という訳でもなさそうだ。
良きライバルといった所だろうか。
張り合いのある相手がいるのはいい事だ。

「『冬らしい献立』だと、ちょっと範囲が広すぎて難しいねぇ」

「『クリスマス』に絞ると……見た目だけでもいいなら、
 『クリスマスツリー』の形に盛り付けるとかさ」

真っ当な『冬らしさ』を出すには邪道な気もするが、
三刀屋の言うように、そういうのも一つの手段だろう。

「それを『冬らしい食材』でやれば、
 説得力が増すかもしれないよ」

820『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/11(月) 01:10:00
>>819(百目鬼)

「フォッフォッフォ。今来てるのは『クリスマスブーム』らしいから
 確かに、『クリスマス中心』のメニューがいいのかものう」

『ウィンターじいさん』が『百目鬼』に賛同する。

「形くらいは盛り付けられるが、『冬らしい食材』ねェ。
 ウチのメニューは年中一緒だからなァ」

料理人ならばその食材くらい自分でアイディアを出してほしいものだが、
『さま食堂の老人』は全てこちらにお任せにするつもりらしい。
二人で話し合って煮詰めてもいいし、
誰か、『料理が得意そうな』知り合いがいればそこに聞くのもいいか―――

821百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/11(月) 01:13:34
>>819

「いや……今『ブロッコリー』って言ったね」

「ブロッコリーを『クリスマスツリー』に見立てるってのはどうだい?
 多分、見た目のクリスマスらしさはあるんじゃないかねぇ」

「ブロッコリーを積み上げてツリーらしい形にしてさ。
 そこに飾り付けをする。
 要するにサラダの一種だよ」

「星型に切った野菜だとかチーズだとかベーコンだとか何でもいい。
 色んな色を取り入れて、出来るだけ派手にするんだ」

「ま――これだと『単品メニュー』になっちまうか」

822百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/11(月) 08:41:26
>>821

「あとは、適当なドレッシングを細く引いて、
 電飾の代わりにしてもいいね。
 マヨネーズでもケチャップでも、
 見栄えが良ければどんなものだっていいんだ。
 細かい部分は作る側に任せるよ」

823三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/11(月) 08:56:10
>>818-822

「おじいさん、おじいさん、お孫さんの事ならきっと大丈夫ですよ
 最近の子供は賢いですからねぇ、『サンタ』の事を信じていても、
 そうじゃない『商業用サンタ』がいるって事も受け入れてますよ」

クリスマスシーズンになれば街中にサンタ衣装の客引きが多く出回る
サンタを信じている子供達も、それら全てが本物だと信じているわけではないだろう

「なるほど、『クリスマスツリー』をイメージしたサラダ盛りですねぇ
 山盛りにしたサラダを皆でシェア出来る形式にしたら
 見た目が派手で映えそうですし、皆で盛り上がりますねぇ」

「ちょっとした一工夫で出来るものとしては『七面鳥』を意識してみるのはどうでしょう?
 普通の鳥の照り焼きやチキンステーキでも、添え物のポテトサラダを二段に積み重ねて雪だるまみたいにしたり、
 あとはクリスマスカラーのリボンやヒイラギの小枝を飾り物に使えば、
 意外とクリスマスっぽい感じになりますしねぇ」

824『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/11(月) 20:32:10
>>821-822(百目鬼&三刀屋)

「『ブロッコリー』を『クリスマスツリー』、
 ドレッシングが『電飾』―――
 なるほどねェ……ヤングな発想だな! それはよォ。

 あとは『七面鳥』ってのもシャレてるねェ―――
  色んな食材で『クリスマス』を再現してくってわけか。

   おお、段々、上手くいきそうな気がしてきたぞッ!」

『さま食堂の老人』の目が輝いてきた。
二人のアイディアはなかなか好評なようで、
この分だと意外とスムーズに『許可』が得られそうだ。

「まァ、『ニセモノのサンタ』………
 君がいう『商業用サンタ』が居るというのは
 さすがの孫も理解しているようじゃがの。
 それはそれとして『ホンモノのサンタ』がいると信じているようじゃ。
 まァ、ワシの孫じゃし、血筋と環境のタマモノかの」

 『ウィンターじいさん』はそういうとフォッフォッフォと笑う。

「そういえば、『クリスマスツリー』を飾るとして、いつがいいとかあるのかの?
 ワシはずっと出しておいてもいいんじゃが、
 メンテナンスもあるし、一番、効果的な時に出したいって意見も多いんじゃよ」

825三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/11(月) 20:43:38
>>824

「いいですねぇ!その調子ですよ!」

『さま食堂』の主人の語気をみる限り、どうやらなかなかに『その気』になってきているようだ
ご老人とはいえとても頭の柔らかい方で良かった、と三刀屋は思う

「ハハハ、『ホンモノのサンタ』ですか
 いや〜、僕も会えるものなら会ってみたいですねぇ・・・・でも」

ふと『ラジオ局の怪電波』を思い出す
ラジオ番組をジャックした『彼』なら・・・・あるいは・・・・・

「案外、会えるかもしれませんよ?本物に」

「・・・・っと、そうそう、『クリスマスツリー』を飾る日程ですね
 そうですね・・・・どうも『〇〇日(Xデーの日)』にイベント事が集中しているみたいですからねぇ
 その日の1週間前から当日にかけて飾るというのはいかがでしょうか?」

826『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/11(月) 23:48:42
>>825(三刀屋)
「『ホンモノ』に会えたらワシも嬉しいのォ〜〜〜。
 この恰好を見ればわかるとおり、『ファン』じゃからのォ〜〜」

『ウィンターじいさん』がまたもや笑う。
『さま食堂の老人』も熱心にメモをしている。

「〇〇日といえばもうすぐじゃのッ。コイツも納得してくれたようじゃし、
 じゃあ早速、『商店街』の他のヤツらにも掛け合ってこようかのッ!」

どうやら『巨大クリスマスツリーの設置』は上手くいくようだ。
『さま食堂』の新たなメニューや『商店街』の他の面子への融通などは、
後でこの『ウィンターじいさん』に伝えてもいいだろう―――

827三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/12(火) 00:13:24
>>826

「ハハハ、『ウィンター』さんも是非この日は外を出歩いてみてください
 もしかしたら・・・・何かが起こるかもしれませんよ」

スタンド使いがこれだけの人数動いているのだ
『サンタ』に限らず、何か面白い事が起きる可能性は高いだろう

「では、『ウィンター』さん、『さま食堂』さん
 真夏のクリスマスフェアを皆で盛り上げていきましょう」

『巨大クリスマスツリー』に関してはこれでなんとかなりそうだ
後の事は若い子達に任せて、見物に回るのも悪くはないだろう
そう思いながら、三刀屋はこの場を収めて帰路につこうとする

828『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/12(火) 00:43:54
>>827(三刀屋)
「フォッフォッフォ。何やら楽しみじゃのォ〜〜〜。
………ところで、さすがに『あだ名』ばかりで、
     名をなのらないのも失礼じゃな」

『ウィンターじいさん』はそう言うと、

「ワシの名は、『かつま たじみ』。
 漢字はホレ、そこに書いてあるじゃろ」

手近にあった帳簿のようなものを見せて、名乗って来る。
漢字で書けば、『勝間 多治三』という名のようだ。

 ………

つまりは『勝』が英語で『ウィン』、『たじみ』の『た』と合わせて『ウィンター』、
そしてうしろの『治三』で、『じいさん』という事か?
『ウィンターじいさん』―――思った以上に下らない『あだ名』だったようだ。

しかし、こんな名前を持っていれば『冬を愛してしまうのは必然』かもしれない。
『冬を愛するもの』と腹を割って話をし、その協力が得られれば『夏の魔物』を倒す一助になる。
………本人にその自覚はないのかもしれないが。

『百目鬼』の準備が整えば、『三刀屋』はここから出ていくだろう。

829百目鬼小百合『ライトパス』:2021/10/12(火) 23:51:20
>>823-828

「これにて一件落着。話が早くて助かったよ。
 商店街の利益が上がれば、地域の活性化にも繋がる。
 願わくば、町全体の景気が良くなる事を期待したい所だねぇ」

「準備の邪魔しちゃ悪いし、アタシらは引き上げるとするか。
 『クリスマスツリー』を出してくれる事に感謝するよ」

ここでするべき事は終わった。
二人の老人に礼を言って、踵を返す。
帰る途中、おもちゃ屋から十分に遠ざかったタイミングで、
三刀屋の肩を軽く叩く。

「アンタに言ってなかったね。実は――――」

自分は直接参加していないが、
知人の『小石川』が行おうとしている行動を伝えておく。
既に全容は決定しているらしいので、
三刀屋に協力を求める訳ではない。
だが、知らないよりは知っていた方がいいだろう。

830三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/10/13(水) 00:23:13
>>828

「え? 『WIN』と『た』だから『ウィンター』・・・・・?
 っぷ! ははははははは! お爺さんそれ凄く受けますねぇ!
 鉄板ネタで使えますよ! それ!」

思いの外大爆笑する三刀屋
そう・・・・彼もまた『昭和』の生まれであり・・・・『ウィンターじいさん』に近いセンスなのだ

>>829

「へぇ・・・『小石川さん』という方が動いているのですね
 流石に・・・今から参加するには遅すぎますけど・・・・成功を祈っていますよ」

言外に『自分は参加しない』というニュアンスを滲ませる
緊急事態とはいえ、『アロマ』を無許可でばら撒く作戦は法的にちょっと・・・な部分もある
それなりに社会的地位もある大人としては、そこまでのリスクを取るわけにはいかない、という打算もある

831『星見町の終わらない夏』 〜ウィンターじいさん編〜:2021/10/13(水) 02:16:31
>>829-830(百目鬼&三刀屋)

『百目鬼』と『三刀屋』は、自分たちの目標が
存外早く達成された事に安堵しながら『おもちゃ屋』を後にする。
それぞれの立場からそれぞれやれる事をやる。
その集合体がきっと、『クリスマス』を呼び寄せ、『夏の魔物』を倒すのだ―――


 ……… ……… ………


「………そういや、ウチの孫、まだ、『多三子ちゃん』とつきあっているのか?」

 二人が帰った後、『さま食堂の老人』、『佐間』が、
 『ウィンターじいさん』こと『勝間』に問いかける。

「………うんにゃ、孫がつきあうのは毎年『クリスマス』の時だけじゃからの………。
 『クリスマスの時に恋人がいるのって、いかにもクリスマスっぽいでしょ!』という理屈らしい。
 『クリスマス』の時だけ、付き合って別れて、をここ数年ずっと繰り返しているようじゃ。
 それに振り回される『応太くん』も可哀相じゃのォ〜〜〜」

「へえェェえ……… ろくでもねえ冬の『織姫と彦星』って感じだなァ。
 そんなのにつきあう『応太』も人がいいっていうか、情けねェっていうか」

「うちの孫はワシが名付け、ワシが育てた『冬のサラブレット』じゃからの。
 本当はサンタにちなんで『三多子』にしようと思ったんじゃが、さすがに、嫁に叱られての。
 逆さにして『多三子』という事でなんとか納得してもらったのじゃ。」

「別に『三番目の子』でもなんでもない一人っ子だってのに、それじゃあ歪むわなァ」

「近頃は『冬の女王』なんて名乗って、関わっている『文化祭』に
 密かに『冬』を忍ばせているとかなんとか。
 ワシはとんでもない『クリスマスモンスター』を生んでしまったのかもしれん。
 よくよく考えると、これは恐ろしい事じゃあ………」

「………まァ、今の『クリスマスムード』にはあってんじゃねえのかい?」

                                  ………

    ―――そんな二人の会話はしばらく続いた―――

832『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/06(土) 23:16:53
自分の命に付いた値段を考えない日はなかった。

それは仕事で、仕事だから、いつまでも頑張れて、
どこまでも我慢できるはずだと、そう信じていた。

そうして行くところまで行ってしまった自分のことを、
決して後悔してはいない。今を以ってなお、そう言い切れる。
 
ただ、それでも。

行き着いた先で、辿り着いた先で、ふと振り返ってしまった時の事を思い出すと、
腹の底になにか昏い気持ちが淀むのも確かだった。

あの夜の、まるで冴えない暗く青い月のような。
差し掛かった十字路で投げ掛けられた、群青色の声のような。

今でも思い出せる。
あの時の自分は、それがどんなに不吉な誘いだったのか気付けなかったけれど。
だからこそ、救いの言葉に似たそれを、信じてしまったのだと思う。
 
 
奴は短く挨拶を済ませて、慇懃に腰を折りやがった。
 
たっぷりと抑揚をつけて、淀みなく台詞を読み上げやがった。
 
互いの損得を、嘘偽りなく数字を交えて唱えやがった。
 
薄く笑って、その言葉を口にしやがった。
 
 
「おいで。助けてあげよう」
 
 
そう言って背後に佇む『それ』に、目を合わせやがった。

833『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/06(土) 23:17:55
 
【『平石基』】

【君に】

【頼みがある。時間がない】
 

土曜日の日中、『平石』の持つスマートフォンへ一通の『ショートメール』が入る。
発信元の電話番号は通知されているが差出人に心当たりはなく、
悪戯と切って捨ててもおかしくない文面だった。
 
  
【『スタンド使い』と見込んで、頼みがある】
 
【『10万円』】

【俺に出せる精一杯だ。使える『リソース』に限りがある】

【やる気が無いなら、それでいい。返信だけでも寄越してくれ。
 すぐにでも、他を当たらないとならない】

【倒してほしい奴がいる。取り戻してほしい物がある】
 
 
矢継ぎ早に送られる一方的なメッセージは、勿論信頼に足るものではない。
それでも、着信は続く。
 
 
【君のことを知るのに、良くない手段にも頼った】

【それが気になるなら、俺を殴りに来るだけでもいい】
 

『平石』の名と、その身に宿す『能力』について、知る者がどれだけいるだろう。
無下にすることでなんらかの『不利益』を蒙るかも知れない、と予感させるには十分な物言いだ。
 

【戦える『スタンド使い』を探してる】
 
 
細切れのメッセージから差出人の心情まで汲み取ることは難しい。
『平石』の性格と、スケジュールと、気の向きと……様々な要因で、どんな対応もあり得るだろう。
 
 
【俺は『更山 好晴』】
 
【弟の仇を、討てる『スタンド使い』を探してる】
 
 
(※『平石』はスタンド能力、容姿、所持品、現在地の開示をお願いします。)

834平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/07(日) 20:58:40
>>833
見知らぬ相手、意味不明なメッセージ、無視するべきか…

>【戦える『スタンド使い』を探してる】
 
>【俺は『更山 好晴』】
 
>【弟の仇を、討てる『スタンド使い』を探してる】

フリック入力。

【やってみよう】
【どこに行けばいい?】




体の所々が歯車で構成される人型のヴィジョン。
手から『歯車』を生み出す。
『歯車』を機械に差し込むと、機械は『歯車』という異物に反応する。

『キック・イン・ザ・ドア』
破壊力:B スピード:B  射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C 成長性:D

能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/90


平石基:
身長189cm。スーツに革のトレンチコート着用。履物は同じく革製の登山ブーツ。
所持品は『スマートフォン』『財布(免許証と保険証とポイントカードが2枚と、1542円)』『煙草とライター』。
現在地は自宅(住宅地の隅っこにある安アパート)。

835『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/09(火) 23:29:24
>>834
 
【話が早くて助かる】
 
続く着信。
間隔は短く、確認したそばから次のメッセージが表示される。

【地図情報を送るから、それを頼りに来てくれりゃいい】
 
併せて送られるURLの先を見れば、そこには町内のとある建物が示されていた。

『城址学区』の北部に位置するその建物に、平石は心当たりがあるだろうか。
特徴的なクリーム色の外壁をした、八階建のその建物に。
 
【『受付』で、『更山』の名前を出して貰えばすぐだ】
 
『アポロン・クリニックセンター』。
町内屈指の総合病院で、メッセージの主が待っている。

836平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/09(火) 23:43:40
>>835
地図を確認してから、フリック入力。

【総合病院。わかった】
【読みかたはサラヤマさんでいいか。間違ってたら悪い】

アポロン・クリニックセンター。世話になったことはない。
以前ケガをしたときは、近所の適当な…ナントカ医院で湿布をもらっただけだ。
ほかで医療機関に用があるというのも、せいぜい歯医者くらい。

「……まあ」

仕事が続いていれば『健康診断』くらい行く機会はあったかもしれない。
今までなかったことを考えても仕方がないし、『治療』とは真逆の目的のためなら、猶更だ。

「行くか。おっと」

その前に、と買い物袋の中身を冷蔵庫に放り込み、コートを脱ぐ間もなくドアを開けて、出かけるとしよう。
行先はもちろん、『アポロン・クリニックセンター』。

(移動手段は『原付』としたいがよろしいでしょうか?)

837『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/10(水) 00:17:28
>>836

>【読みかたはサラヤマさんでいいか。間違ってたら悪い】

【ああ、そう。『サラヤマ』だ】
 
【自分の名前って、相手も読めるモンだと思っちまうから、参るよな】
 
【面会が20時まで……いや、土曜は18時までだったか。
 それまでには、頼むぜ】
 
現在時刻は13時を少し回ったところで、
どんなに寄り道をしたところで面会時間には十分間に合うだろう。
 
心当たりのない病院だったところで既に地図は手中にあり、
ましてや地域でもそれなりに存在感のある『総合病院』だ。
近くまで行けば『案内板』の類いも出ている。
 
『原付』での移動であればそれほどの時間をかけることもなく、指定の場所へ着くはずだ。

道中で特別の用事がなければ、程なくして『アポロン・クリニックセンター』へと到着することになる。

838平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/10(水) 00:37:16
>>837
「…」

ビィー(走行音

「……」

   カッチ カッチ  ブルルン(ウィンカー、一速のまま右折

「………」

 キ    カチャ(停車。

キーを抜き、周りと地図とを確認。天をあおぐ。

「……来た事あるな」

『ナントカ医院』じゃなかった。あれっ……? 「こんなデカい病院だったっけ」

ついでに頭の検査もしてもらったほうがいいのか、一瞬本気で考えた。
すぐに切り替えて、用事を済ませよう、と思った。
『受付』に出向き、『更山』の名前。これは覚えている。当然だ。

――とにかく、『受付』。

「すみません」「平石と申しますが」
「えー、『更山』さん…先生?…、『更山』という方にお会いしたいのですが…」

若干、ぎこちない感じになっている。

839『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/10(水) 01:03:51
>>838
 
慣れた調子で原付を駆り、トラブルなく目的地へと到着する『平石』。
オートバイ用の駐車場へ原付を停めると、見覚えのある『正面玄関』をくぐり『受付』へと向かう。
 

>「すみません」「平石と申しますが」
>「えー、『更山』さん…先生?…、『更山』という方にお会いしたいのですが…」
 
ぎこちないながらも端的に要件を伝える平石に対し、 
 

「『更山』……?」
 
 「あっ……ああ!」
 

受付の若い女性スタッフはやや怪訝そうな表情を見せつつ、
次の瞬間には合点が行ったように声を上げる。
 
「『平石様』ですね。うかがっております。
 右手奥のエレベータから『4階』まで──」
 
受付の女性が左手の指を揃えて指し示す先に、『エレベーターホール』があり、
大きく各階の案内図が掲示されている。
 
それに拠れば、『4階』に位置するのは『整形外科』。
 

「『403号室』の『病室』で、『更山様』がお待ちです」

840平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/10(水) 01:17:03
>>839
「4階、『403号室』ですね。わかりました。ありがとう」

復唱・確認。
了承と、お礼はスムーズに言えただろう。
まだまだ『社会復帰』は余裕というわけだ…

「(病院。陰気なイメージがあるが、あれは昔の映画とかの印象が強いのかな)」
「(全然明るいっていうか。映画より記憶かな。小さい頃は、薄暗ーくてイヤな場所だった)」

今時の小さな子供は、少なくとも薄暗いというマイナスイメージからは解放されているのかもしれない。
そういうのはうらやましい気がする。時代の進歩というやつだ。
そういえば最近は、歯医者に行っても大して痛いわけじゃないしな。科学の勝利だ。

「(おっと…独り言になってないよな。何か程よく静かだからか、色々思いつくな)」

エレベーターを待って、乗って、4階のボタンを押そう。
もちろん自分以外の人、とくに患者や医療関係者を最優先だ。
まあ、待ち人はいるが、ここは病院。健康な自分は一番あとだ。

841『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/10(水) 01:51:39
>>840
 
平石の言葉に、受付スタッフは小さくお辞儀で返す。
淀みのないお礼、違和感のないやり取りであったと、平石は確信する。
 
大規模な増築工事を経て建設された『新病棟』は、
平石の印象通りに明るく、清潔で、怪我や病を連想させることのない内装仕上げであった。
 
大規模な総合病院という性質上、
病室のドアを一枚隔てた先にはどれだけの重症患者がいるとも知れない建物ではあるのだが。
 
あるいはそれを、時代の進歩と呼ぶのかも知れない。
誰が傷付き病んでいるか知るとも知れない、そんな時代かも知れない。
 
 
平石が思いを巡らせる内にエレベーターは『4階』へと到着する。
エレベーターから出れば、向かって左が『401号室』。正面に『402号室』。

すぐ右手に、『403号室』の扉が見える。
 
幸いというのか、エレベーターホールから特に近いその病室に向かうのに、
他の患者や見舞客、病院スタッフとの接触はなさそうだ。
周囲へ気を遣いつつも、数歩で『403号室』の扉の前へたどり着ける。
 
 
と、『平石』がエレベーターを降りたそのタイミングで。
  
 
「やあ──はじめまして」
 
 
『403号室』の扉の、その内側から、声が響いた。

ハイトーンな、ともすれば女性のそれとも聴こえかねない調子だが、
一方で無理矢理に裏声を作っているかのような硬質な声音。
 
 
「『平石サン』──だろ」

842平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/10(水) 02:08:15
>>841
「…――はじめまして。ああ、『平石基(ヒライシ ハジメ)』だ」

正直なところ、面食らった。わかるものだろうか。
顔も見ず、どころか、病室にいて、エレベーターから出てくるのが誰なのかを――

一歩ずつ、部屋に近づこう。

「あなたは『更山』さん、で間違いないかな。だったら部屋を間違えずに済んだってことだ」
「いや、誰かが『同性』の他人を呼んだのを、自分のことと勘違いして返事をしていたら恥ずかしいなと思ってね」

部屋の扉の前に立つ最後の一歩。
別に止められる理由は無いだろうが、一応。

「入ってもいいか?」

承諾は得ようと思った。OKなら、扉を開けて入室しよう。

843『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/10(水) 02:22:43
>>842

「ん?ああ……」
 
「あれで『ハジメ』と読むんだな。
 いや、俺も漢字が苦手ってコトは無いと思うんだが、人名となるとどうもね」
 
平石の言葉に対し、扉の向こうからはピントのズレた答えが返ってくる。
心中の驚きはもっともだ。
扉越しに相手を認識できるというのは、明らかに常識では有り得ない。
 
「ただ、そう──俺が『更山』で間違いないよ。
 恥をかくのは俺だけでいいんだ。君は何も間違っていない」
 

>「入ってもいいか?」


「どうぞ。
 それに、ようこそ、だ」

844『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/10(水) 02:36:49
>>842
 
平石が扉を開けたそこは、4人の入院患者を収容できる病室だった。
部屋の四隅にそれぞれ簡素なベッドと、仕切りとなるカーテンが配置されている。
 
しかしその4つのベッドに患者の姿は見当たらず、病室の中央には、
 
 
「こんにちは」
 
 
スチール製の椅子を、背もたれを入り口側に向けるように置き、
 
 
「改めて、俺が、『更山』だ」
 
 
椅子に腰掛け、その背もたれに体重を預けるように前傾になり、
 
 
「こんな……自分で言うのもおかしいが、『こんな誘い』に応じてくれて、
 君には本当に感謝してるんだ」
 
だらりと下げた両腕の先に『スマートフォン』を一台ずつ握り、
  
 
「『事情』があって、ここから一歩だって動くことのできないこの俺の代わりに」
  
 
室内にも関わらず、薄いオレンジ色のサングラスで顔を隠し、
 
 

「俺の『弟』の仇を討ってくれるんじゃないかっていう君に」
 
 
 
病室にも関わらず、『入院着』ではなく緩く胸元の開いた臙脂色のシャツに身を包んだ、
 
 
「俺は本当に、感謝しているんだ」
 
 
一人の、白い肌をした男が待ち構えていた。

845平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/10(水) 21:16:58
>>844
「こんにちは」

病室の真ん中。そこに座る男の風体。
最初は謎のメールの送り主で、ここの医療関係者かと思って、病室にいるなら患者のほうかと思い直したところなのに。
見て頭に浮かぶのは、結局、初めのイメージとあてはまる単語だ。

「ああ、こちらこそ、興味深いメールをありがとう。思った通り」
「怪しげなやつだな、『更山』さん」

できるだけ冗談めかして本心から声をかけながら、一歩入室。
扉は――閉めるべきだろうか。まあ、閉めるべきだ。
それに今、こちらから言うべきことはもう言った。
『用事があるのは彼の方だ』。

「(オレは『好奇心』で、やってみようと思いついただけだからな)」

服装や姿かたちではない、『動けない事情』と、『弟の仇討ち』。
『スタンド使い』が絡んでいるのは承知しているから、
『彼が何か話したり、促したりしないかぎり』、こちらからこれ以上話したり、動いたりすることもない。
立ったまま、一服しながら窓の外に目線を向けるように、そんなふうに『更山』を眺めていよう。

846『臨時商用特殊車輌運用会議』:2021/11/12(金) 20:59:30
>>845
 
>「こんにちは」
 
>「ああ、こちらこそ、興味深いメールをありがとう。思った通り」
>「怪しげなやつだな、『更山』さん」
 

「そう言ってもらえて、嬉しいぜ」

挨拶と、軽口に載せた本音を口にしながら『403号室』へ入り込む『平石』。
後ろ手に扉を閉めるその様子を、目の前の男はその言葉通り一歩たりとも動くことなく、
ただ見ていた。
 
「『怪しい』と──『興味を持って』もらわないとならなかったンだ。
 だってそうだろ?本来『10万』ぽっちで頼めるようなことじゃあない」
 
目の前の男は脱力したように椅子にもたれながら、口元に笑みを浮かべつつそう語る。
 
「『家族』の『カタキウチ』をお願いする金額じゃあ、ないもんな」
 
ヒヒヒ、と小さく上げるその声には僅かに自嘲の色が混じっているが、
それに平石が気付くかは当人次第と言ったところだろう。
  
 
「まあ、話は実際単純なンだ。
 ああ、立ち話もナンだし、その辺のベッドにでも腰掛けてくれよ。
 どうせ誰も使っちゃいないンだ」」
 
顔は平石の方へ向けたままその両手の指だけが忙しなく動き、
両手にそれぞれ握られた『スマートフォン』のディスプレイを撫でている。
 
「それでさ。ある『スタンド使い』をとっちめて、
 『弟』の『遺体』を──もう『遺骨』かな──を、取り返してきてくれよ」
 
「居場所も、どんなヤツかも分かってる。
 俺だって、できる限りのバックアップはする」
 
「君が『戦える』『スタンド使い』だって言うンなら、
 そう難しいコトじゃあないハズなンだ」 
  
恐らくはこれが『本題』で『核心』なのだろう。
それでも男はこれまでとまるで変わらぬ調子で、煙を吐き出すようにそう言ってみせた。 
 
「頼まれちゃ、くれないモンかね」

847平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/11/12(金) 23:56:12
>>846
一通り、『更山』の言葉を聞き終える。
煙草を取り出そうとして、やめた。病院の、しかも病室だからだ。喫煙室で吸うべきだ。
少なくともここじゃない。

「意外なことを言うんだな、更山さん」

だから深く息を吸って、それから長く息を吐いて、それから、
できるだけ落ち着いて、そう見えるように、何でもないことのように、思ったことを言う。

「頼まれるつもりでここにきた。オレはあなたに『面接』されるつもりだった。
 『弟さんのかたき討ち』なんて大事なことを頼むのに、オレが相応しいのかどうか、ってことをだ。
 まあ、だから、立ったままでいいよ。立つのは慣れてるし、何より好きだからね」

彼が動かない(動けない?)なら、ベッドに座ると、真正面で向かい合ってお話ができない。
それは大事なことだ、と平石基は考える。

「確かに、相手の居場所が分かっているのはたいへん結構なことだ、と思う。そのうえで、『難しいことじゃない』かどうか、だ。
 それはあなたが判断するべきことだと思うから、言っておく」

   ズ

『キック・イン・ザ・ドア』を、傍らに。はた目に見ても屈強な、『歯車』の意匠の人型スタンドだ。
できるだけカッコつけたしぐさにならないよう(平石なりに)気をつけて、その掌を示し、500円玉大の『歯車』を一枚、発現してみせる。

「名は『キック・イン・ザ・ドア』。『歯車を差し込んだ機械を、停止させる能力』だ」
「予め知ってくれていたら、余計なことだったかな。でも直接見てもらうのも大事だと思って。『面接』気分だから」

戦闘経験だとか、何人殺しただとか、そんなことも言うべきだろうか。あるいはすでに知っているだろうか。
いや、「(まあ、別に関係ないといえば無いよな。カーチェイスだのゾンビだの、あってもなくても、出来るやつは出来るから)」考えなくてもいい…。
金の話は実際興味もないし、突っ込んで話すことも無い。十万円。大きいが、貯金はまだあるわけだし。

「あなたの眼鏡にかなうなら、ぜひやらせてもらいたい、と思っている」

848『臨時商用特殊車輌運用会議』:2022/05/23(月) 22:00:59
>>847
 
>「意外なことを言うんだな、更山さん」

その言葉を聞いて、初めて『更山』は明確に動揺を示す。
勿論サングラスに覆われてその表情こそ隠されてはいるが、
それでも醸し出す雰囲気が大きく揺らいだことを、平石は感じ取れるだろう。

「意外、なのは俺の方だぜ、『平石サン』」

その言葉に嘘はないのだろう。『意外』というフレーズに相応しい狼狽具合だ。

「俺には支払える報酬が、『リソース』が……『10万円』ぽっちしかない。
 その上使える『時間』も『伝手』も殆どない。
 いいか?俺はそもそも、『選り好み』できるような『立場』じゃあない」

いっそ開き直ったように立て続けに言葉を吐き出す『更山』。
その台詞からは既に動揺は感じられず、代わりに僅かな自嘲の響きがあった。
 
「だから『ダメモト』って奴のつもりだったんだ。
 端金で俺の『お願い事』を聞いてくれる相手が、
 『スタンド使い』で──『戦えるスタンド使い』、で」

言いながら、その輪郭に重なるように姿を見せる『力のビジョン』。
全身が酷くひび割れた、恐らくは『飛行機』の意匠をイメージしたであろう人型の『像』。

「そんな君が『家族のかたき討ち』を『大事なこと』だと言ってくれたのが、すごく意外だ。
 俺は癇癪を起こして八つ当たりをしようとしているっていうのに、それを、そんな風に」

発現された『更山』の『スタンド』は、『更山』自身の顔面に手を伸ばし、
震える指でその両目を覆う『サングラス』を摘み上げる。

「そんな風に、言ってくれたことがとても嬉しい。
 君を見るのに眼鏡はナシだ。是非ともこちらから、よろしくお願いしたい」

レンズ越しでないそのグリーンの瞳を『平石』へ向け、どこか泣き出しそうな声でそう告げた。
同時に右手に持つ『スマートフォン』を僅かに持ち上げ、『平石』へと向ける。

「俺の『イルーシヴ・エデン』は動けない。
 もし本当に頼まれてくれるなら、この『スマートフォン』を受け取っちゃあ、くれないモンかね」
 
機械越しの握手が、恐らくこの場で契約の意味を持つのであろう。
そういう意思の宿った、言葉であった。

849平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2022/05/23(月) 22:15:17
>>848

「あぁ」

『事情』がある。誰にでも、ある。
自分のことや、他人のこと――家族、恋人、友だち、個人で、仕事で、その他諸々。
そういう、いろんなことに関わる『事情』がある。
大体のことは、普通に片付く。
諍いがあったり、愛しんだり、事務的だったり、情熱的だったりするんだろう。
そうした普通の手続きがあって、それで普通に終わっていく。大抵、そうだ。

 『スタンド使い』が『戦う』ことは、そうではない。

だから来た。そう、平石基はここでは言えない。
平石基にとって、その理由とこの感情は、完全に個人的だ。勝手だ。自分の都合だ。
他人の事情によってしか、今はまだ、理由をつけられないからだ。
だからこそ、とても大事なことだ。戦う理由と、その事情は、平石基にとって最も尊重するべきことだ。
それは、オレのものじゃ無い。

「大事なことだよ。お互いに」

少し本心が漏れる。口数が多い方でも無いつもりだが、余計なことは言い忘れない。
自嘲に見えぬよう気を付けて、笑い顔を向け、『更山』の目と、『イルーシヴ・エデン』を順に見て、

「だから、うん。頼まれた。じゃあ、借りるぞ」

『スマートフォン』を受け取ろう。

850『臨時商用特殊車輌運用会議』:2022/05/23(月) 23:21:05
>>849
 
「ヒヒ……」
 
『スマートフォン』を受け取る『平石』を見て、
どこか諦めたような寂しげな笑みを零す『更山』。

「契約成立だな。改めて宜しく、お願いするぜ。平石サン。
 その『スマートフォン』にはちょうど今回の『ターゲット』の、
 『公式サイト』の――」

 
『更山』が言うが早いか、『スマートフォン』の『スピーカー』から大音量で流れる『それ』は、

 
 ♪♪♪〜♪#〜♪♪♪

       ♪〜〜♪♪〜♪〜♭
     ♪♪#〜♪♪♭♪〜〜〜♪#♪〜〜〜♪♪


           ♪♪♪〜〜♪♭♪〜♪♪#♪〜〜〜♪♪♭♪♪


 ♪♪〜〜♪♪#♪♪〜〜♪♭♪♪


             ♪#♪♪〜〜♪♪〜〜〜♪♭♪


チープな音源でありながら、何かを鼓舞するような力強い曲調で流れる『それ』は、
 
「『社歌』のページを開いてたトコだ。
 つまり平石サンに相手して欲しいのは、 ある『企業』」
 
「────『スカイ・スパイス・スター』と名乗ってる。

 具体的には、そこの『取締役』を一人とっちめて、
 俺の『弟』の『遺骨』を取り戻してほしい」

言いながら一度顔を伏せ、体を震わせ、堪えきれない様子で笑い声を漏らす。

「フザけた会社だろ……今ドキ、モバイルサイトに『社歌』なんか載せるかね。
 舐めてんだよ、完璧に。なあ、平石サン」

「『協力者』がいるんだ。
 『標的』の居場所も、奴が一人でいるタイミングも、分かってる。
 マップはその『スマートフォン』に入ってるし、
 常に『スピーカーホン』で通話を繋いでおいてくれれば、こっちからもバックアップできる」

言いながら更山は左手のスマートホンのディスプレイを素早く撫でる。
殆ど同じタイミングで、平石の手の中のスマートホンが震え出す。
眼の前の更山からの『着信』だ。
 
「その『スマホ』は特別製だ。きっと平石サンの助けになる。
 俺はこう見えて結構、機械に強いお兄ちゃんなんだぜ。

 それを踏まえてここまででなンか……聞きたいことはあるかい」

851平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2022/05/23(月) 23:49:48
>>850
着信。通話状態。音量設定、胸ポケットに入れて、声が問題なく聞こえる程度。
マップはどれか、探して、開く。位置確認だ。スマートフォンは、触ってれば分かるように出来ている。
分からなければ訊く。
『協力者』や『タイミング』についても、『バックアップ』に含まれるという意味だろう――必要なことを。

「……分かった。更山さん。通話は繋いでおくよ。独り言が多いかもしれないが、気にしないでくれるとありがたい」
「『スカイ・スパイス・スター』か」

反復。聞き覚えのある社名だろうか。
つまり、その会社が、かたき討ちの、

その『取締役』が、仇なのか?と訊こうとしてしまって、開きかけた唇を少し舐める。
『バックアップ』。『居場所とタイミング』。『相手』。『目的』。『スタンド使いを呼んだ意味』。
十分だ。それ以上の『事情』は彼のものであってオレのじゃない。
笑っちまうほどの事は、なにも面白い事だけじゃない。

「確かに、今どき『社歌』は古くさいな」

だから軽口にした。

「それと、その『取締役』とやらの能力なんかは、分かっているのか?」

軽口だけだともったいないから、気になることも訊いておくことにした。

852『臨時商用特殊車輌運用会議』:2022/05/29(日) 10:40:36
>>851
 
受け取った『スマートフォン』の設定を手早く済ませる。
初めて触れる機種の上、見慣れない『インターフェース』ではあったが、
画面に並ぶアイコン等は既知のものと大差なく、直感的に操作が可能だ。
 
『マップ』のアイコンをタップすると見慣れた地域の地図が開いた。
『星見駅』の周辺を示す地図の、駅からさほど遠くない地点に『ピン』が打たれている。

「もし『イヤホン』の類いを……有線でも、無線でも、持ってるンなら、
 勿論繋いでくれてもイイんだぜ。
 いや、『俺の』を貸すのはお互いな、アレだろ?
 『新品』を用意できなかったのは、俺の手落ちッてトコではあるが」

「独り言だって、好きにしてくれて構わないんだぜ。
 俺は今回の件で平石サンの何を知ったところで決して口外しない……し、
 できない、からな」
 
「証明できるわけじゃあ、ないけれど」
 
平石の連絡先やそもそも『スタンド使い』であることを知った経緯など、
あまりに不可解な点の多いこの男の手を、それでも平石は取った形だ。
決してそれが信用に基づくものではないとしても。
 
「そう。『株式会社スカイ・スパイス・スター』。
 県内で何店舗か店を出してる『カレー屋』だよ。聞いたことあるか?
 時々駅前に『キッチンカー』を出して、『移動販売』みたいなマネもしてるらしい」
 
「フザけた歌を作るワリに、古い会社ッてワケでもない。
 ここ最近になって、SNSやらで宣伝するようになって多少伸びてるようだけどよ、
 『法人』としてはまったく、大した規模じゃあない」
 
平石がグルメ情報に詳しければ、ひょっとすると名前くらいは知っているかもしれないし、
実際に店舗に足を運んだこともあるかもしれない。
ただ、『街の誰もが知っている』という規模の人気店ということもなかった。

「この『株式会社』が俺の八つ当たりの相手だ。
 そこの取締役の──『瀬輿 星那(セゴシ セナ)』ッてのが、
 今日、これから、本社の事務所で一人になる。
 マップに印のある通り……ここしかないッてタイミングだ」

そこまで立て続けに口にして、白い肌をしたその男は一度言葉を切った。
 
  
「『車』の。 
 『自動車』の『スタンド』を使うと聞いている。
 詳しい『能力』までは分からない──アイツは、結局『それ』を使ったことがないそうだから」
 

「『株式会社スカイ・スパイス・スター』は、
 俺の死んだ弟の『スタンド』を使うと、聞いている」

853平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2022/05/29(日) 12:55:52
>>852
「イヤホンか…便利かもしれないな」

だが持っていない。無線のやつは、ハンズフリー通話ができる。それは知っている。
病院を出るときにでも、コンビニで探そう。(だいたい病院にはコンビニがあると思うが、許可をいただけるなら、調達しておきたい)
それに、何を知られたところで、だ。そんな大した秘密は無い。
しいて言えば『スタンド使い』ってことだが、それは既知だ。

「『キッチンカー』の『カレー屋』……」
「ああ。見たことがあるな。買ったことはないが」

『スカイ・スパイス・スター』で試しに検索してみると、確かにSNSは確認できた。
更新は止まっている。味や店そのものの評価なんかも、皆無だ。
なるほど、『大した規模じゃない』ことが分かった。

「本社の事務所」

「『車』のスタンド能力。…(縁があるな。車)」

つぶやくように復唱。『弟のスタンド』には反応しない。覚えておくだけだ。
それは、何度も繰り返すが平石基にとっては関係が無い。
『弟』と、その『スタンド』まで奪われて、八つ当たりだと自嘲しながら言う彼が、
無作為とはいえ平石基に声をかけ、面白そうだとその手を取ったこのオレが、
目の前に座る怪しい男に、更山好晴と名乗る彼に何か言うべきことがあるならば、
それは好意ではなく憐みでもなく、愚痴でもなく軽口でもなく、まして感謝や虚勢では無く、

「分かった。お互い、大して知った仲じゃないが」 「手は抜かないよ」

ただの事実であるべきだ。


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