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エレン「この長い髪を切る頃には」2

899進撃の名無し:2014/09/04(木) 22:08:09 ID:RZG0mcR20









リヴァイ「あー3学期は定番のマラソンの授業になる。冬は走るのが定番だ」

と、2限目の体育でリヴァイ先生が新しい授業内容を発表した。

リヴァイ「男子は毎年20キロ、女子は10キロ走る。2月9日はマラソン大会を行うからそれに向けて少しずつ練習を始めていく。いきなり20キロ走ると普段、走っていない奴が肉離れを起こす可能性もあるので、徐々に走る距離を増やしていく方針にする。今日は軽く5キロ走って貰ってそのタイムを測っていく形にする」

という説明があった後、グラウンドをぐるぐる走る練習が始まった。

今回は男女混合の練習になった。珍しい。

普段は男女別れて体育の授業を行うんだが、マラソン大会だけは別のようだ。

女子はまず3キロ走らされるようだ。グラウンドの外周トラック1周で大体1キロなので、女子は3周、男子は5周走る。

皆、今日は最初のマラソンの授業なのでのんびり走っている。

徐々に体を慣らしていくのが目的なので本気で走っている奴はいない。

と、思った其の時、

コニー「あれ? 皆、おせーな! スピード出さねえの?」

と、先頭を走っていたコニーが後ろの方を気にした。

ジャン「しょっぱなからスピードは出さねえよ。今日は軽いランニングだろ」

コニー「えええ? のんびり走り過ぎじゃねえか?」

と、コニーは普段、野球部で走らされているからか息を全く切らしていない。

ジャン「コニー達は普段から走ってるからだろ。まあ、オレ達演劇部も走るのは走るけど」

エレン「オレ達の場合はタイムはあんまり気にして走らないからな」

ジャン「ああ。それより走りながら早口言葉を言ったり、軽い羞恥プレイをやらされるからな」

エレン「そうそう。劇の台詞をいいながら走ったりな」

コニー「あはは! それはそれでもおもしれーな!」

と、コニーがこっちを気にしながら走っていると、

リヴァイ「ビリだった奴には罰ゲームが待ってるぞ。トップには褒美をくれてやる」

と、タイムを測っていたリヴァイ先生がいきなり言い出したので男子全員「げ?!」って顔をした。

エレン「マジっすか?!」

ジャン「やべえ! 罰ゲームは受けたくねえな!」

コニー「オレはむしろトップを狙うぜ!」

と、コニーは先に行ってしまった。そういう事ならオレも負けていられない。

ミカサ「また物で釣って……いやらしい男」

と、其の時、ミカサが後ろから追いついてきた。

エレン「リヴァイ先生がいやらしいのは今に始まった事じゃねえだろ?」

ミカサ「そうだけど………何だか癪に障る」

と、言いつつミカサと同じ速度で走っていると、

アニ「女子は貰えないのかな」

と、現金なアニが話題に食いついた。

900進撃の名無し:2014/09/04(木) 22:27:45 ID:RZG0mcR20
エレン「男子だけじゃねえの? 女子はリコ先生が担当しているし」

アニ「そう。残念……」

と、ちょっぴり残念そうにするアニだった。

アルミン「ううう……罰ゲームは嫌だなあ」

1周遅れで追いついたアルミンが愚痴っていた。

アルミン、足が遅いもんな。クラスでも後ろから数えた方が早い。

エレン「アルミン! 頑張れ!」

後ろから追いついたオレはアルミンの背中に声をかけた。

アルミン「エレンに追いつかれた?! やばい!」

1周遅れに気づいたアルミンがスピードを上げたけど。やっぱり足が遅い。

ミカサ「アルミン。気持ちだけ焦ってもダメ。手足をゆっくり大きく振って」

アルミン「こう?」

ミカサ「そうそう。同じペースを続ける方が大事。焦ってはいけない」

アルミン「分かった。こうだね」

と、アルミンのペースが徐々にアップしていった。おお。流石ミカサだな。

エレン「長距離走は焦ったらダメだもんな。ペース崩れると戻すのに時間かかるし」

ミカサ「そうそう。罰ゲームが嫌ならこのペースでいけばきっと大丈夫」

エレン「ああ。アルミンより遅い奴、1人いるもんな」

ダズって言ったかな。あいつ、運動神経良くねえみたいだしな。

そんな感じでその日は軽い距離を休憩を挟んで何度か走った。

5キロ×3回走ったから、合計では15キロ走ったけど、間に5分休憩を挟んでいるから問題ねえな。

本番はぶっ続けで走る訳だからこれよりもっとしんどい筈だ。

20キロならハーフマラソンみたいなもんだからな。普段から時々走る癖をつけていて良かった。

普段から走っていない奴らは少々しんどそうな顔をしていたからだ。

リヴァイ「ふむ。トップはコニーだったな。よし、褒美をやろう」

と言いながらリヴァイ先生は怪しげな封筒をコニーに手渡したのだった。

コニー「中身何かな〜おおお! バイキングのチケットっすか!」

リヴァイ「タダ券だ。肉を食って筋肉をたんまりつけるといい」

コニー「あざーっす!!!」

サシャ「う……いいなあ」

リコ「女子も実は用意しているぞ。こっちはケーキバイキングの方だが」

ざわ……

女子の方が「何で走り終わってからそれ言うんですかああ!」と抗議の声をあげた。

リコ「ん? 私はリヴァイ先生程、優しい教師ではないからな。ククク……マラソンの授業の初回特典だ。以後はご褒美つかないからな」

えええええ……

「真面目に走れば良かったー」という声が聞こえた。

901進撃の名無し:2014/09/04(木) 22:46:34 ID:RZG0mcR20
リコ「女子はミカサだな。おめでとう。ケーキバイキングに行ってくるといい」

ミカサ「ありがとうございます」

ミカサがチケットを受け取って戻って来た。

リヴァイ「さて。罰ゲームはダズだな。お前には追加メニューだ。これをやろう」

と言って何だか怪しげな……リストバンドかな? を渡されたようだ。

リヴァイ「1キロの重りをつけたリストバンドだ。次の体育の授業の時もこれを手首につけて走って貰うぞ」

ダズ「ええええ……まるでDBの修行みたいじゃないですか」

リヴァイ「まあその通りだな。ちなみにこの「重り」は次回の「ビリ」にリレーしてく形にする。順位を上げたら重りから解放されるから頑張れ」

ダズ「とほほ……」

なるほど。そうやって運動が苦手な奴に無理やり「モチベーション」を与える訳だな。

リヴァイ「走るのは足の力より「腕の振り」の方が重要だからな。腕の振り方が雑になればなるほどリズムよく走れなくなる。だから家でも腕をしっかり上下に振る練習をしておけ」

ダズ「分かりました……」

リヴァイ「今日の授業は以上だ。次回も同じペースでやっていく予定だ。レベルを上げるのはもう少し先になるから安心しろ」

と言ってその日の授業は終わったのだった。

ミカサ「ケーキバイキングのペアチケットを貰ってしまった」

エレン「今度はミカサが貰ったのか。良かったな」

ミカサ「エレン、ケーキ好き?」

エレン「おう! 甘いもんは好きだぞ」

ミカサ「恥ずかしいとかは思わない?」

エレン「んにゃ全然。ミカサと一緒に行けるなら何処でもついていくさ」

ミカサ「………そう(ポッ)」

お? ミカサが赤くなった。よしよし。

いいデートの機会に恵まれてラッキーだな。

コニーの方もペアチケットなのかな? コニーは誰と行くのかな。

コニー「ペアチケットだな。誰誘おうかな〜」

サシャ<●><●>

コニー「サシャ?! 目が怖ええよ! 一緒に行きたいのか?」

サシャ「バイキングなら何処でも誰とでも一緒に行きますよ(じゅるり)」

コニー「そっかーこれ、ペアチケットだから、まあいいか。サシャ一緒に行くか?」

サシャ「行きましょう! 是非!」

食欲の方はもう回復したみたいだな。良かった。サシャはやっぱりこうでないとな。

あ、でも、ジャンがすげえ微妙な顔しているな。今度は別の男と一緒に行くのかって顔している。

902進撃の名無し:2014/09/04(木) 23:02:38 ID:RZG0mcR20
コニー「あーでも、待てよ。これ、期限が来週までだな。来週は修学旅行あるし、行けるのは11日〜13日の間になっちまうな。だったら野球部の練習と被るからいけねえや」

サシャ「え? そうなんですか? 1回くらいさぼっちゃえばいいんじゃないんですか?」

コニー「いやー空気読めねえ奴になりたくねえからやめとくわ。こういうの、バレたら後が怖いし。サシャに譲るよ」

と、サシャはそのペアチケットをコニーから譲り受けてしまった。

サシャ「えええ? 本当にいいんですか?」

コニー「しょうがねえよ。まあ、修学旅行でもたんまり飯を食う気でいるし、いいよ。サシャが一緒に行きたいと思う奴と行って来れば?」

と、本当にコニーにチケットを譲り受けてサシャは「ありがとうございます!!!」とお礼を言っていた。

サシャ「えへへへ〜明日はオフなので早速行ってきましょうかね〜」

ジャン「………………」

サシャ「だ、誰と一緒に行きましょうかね〜」

ジャン「………………………………」

ああもう! ジャン、自分から行けよ!! 明日は暇だって!

今、演劇部は繁忙期じゃねえから、スケジュールの調整は出来るだろ!!

イライラするな! もう! ジャン、ヘタレ返上しろよ!!!

サシャ「………………………」

サシャもサシャで誘えないのかよ!!! ああもう。

目線が合っても、お互いに話を切り出せないみたいだ。

サシャ「明日、誰か暇な人、いますかね〜?」

独り言みたいにして言っている。ジャン、チャンスだぞ!!

903進撃の名無し:2014/09/04(木) 23:52:10 ID:RZG0mcR20
中途半端ですが、ここまで。
もう眠いので限界です。次回またノシ

904進撃の名無し:2014/09/05(金) 10:48:17 ID:u77iekT.0
ジャン「……………」

ミカサ「サシャ、そのチケットのバイキング、場所は同じホテルだろうか?」

サシャ「あ、待って下さい。ああ……この間のホテルとは別のところみたいですが、そっちのチケットと同じホテルのようですね」

ミカサ「だったら一緒に行く? 同じホテルであるならその方がいいと思う」

サシャ「そうですね。だったらこの間と同じようにして行きますか?」

エレン「そうだな。ジャン、明日暇か?」

ジャン「ああ、まあ……明日は暇だけど」

やれやれ。結局またオレ達が助け船を出す事になった。

オレ、ピクシス先生がリヴァイ先生とハンジ先生を見守ってイライラしていた当時の気持ちを今、理解した。

ピクシス先生、本当に忍耐強く見守っていたんだな。その忍耐力に敬意を覚えるぜ。

そんな訳で2回目のグループデートだ。今回はオレとミカサはケーキオンリーになるけど。

11日の夜、以前のようにまた駅で待ち合わせしてホテルのバイキングへ一緒に行く事になった。

今回はアルミン達は尾行しないらしい。前回の拗れかかったアレを反省したそうだ。

まあオレも今のジャンには尾行は必要ないと思ってるしな。

今回のバイキングは普通のバイキングとケーキバイキングが合体しているので、ケーキオンリーのオレ達はケーキのみ食べる事になる。

今日のミカサは体調も普通なのでゆっくり食べられる。

小さくカットされたケーキを皿に盛って食べる。チーズケーキとかショートケーキとか。

サシャ「えへへ〜修学旅行では抹茶系の甘味を征服したいですね」

と、サシャはサシャで小皿をつつきながら話した。

ジャン「そうなのか?」

サシャ「京都と言えば抹茶系です! もう凄いんですよ! どこのお店にもすぐ行けるように頭の中に店のリストをインプット済ですから! 通りかかった店、全部征服したいくらいですよ!」

ミカサ「和風スイーツの聖地とも言えるかもしれない」

サシャ「そうなんですよおお! 超楽しみですううう!」

と、テンションがあがりまくっているサシャだった。

そんなサシャの様子を、以前より柔らかい視線で見守っているジャンだった。

前は「げんなり」していたのにな。もう慣れたのかな。そんな感じだ。

905進撃の名無し:2014/09/05(金) 11:12:40 ID:u77iekT.0
サシャ「抹茶大福……抹茶ぜんざい……抹茶ロールケーキ……ぐふふふ」

ミカサ「みたらし団子も美味しそうだった」

サシャ「ですよねえ! マップルの案内に沢山書いてありましたよね!」

ミカサも甘味所を既にチェック済みのようだ。可愛いなあ。

何だろ。女子がスイーツで盛り上がっている様子って可愛いよな。

そういう「可愛い私」を演じているアレじゃないから余計にな。

サシャは「ガチ」でスイーツが好きだしミカサも好きだし。

サシャ「あーでも、一個だけ修学旅行では懸念があるんですよねー」

ミカサ「何?」

サシャ「例のコニーの元彼女の件ですよー。はあ。考えると憂鬱になりますー」

と、サシャが珍しく愚痴を零し出した。

サシャ「私、コニーとは本当に「友達」と思っているんですけどねえ。元彼女さん、コニーとは小学校から同じだったそうですし、私はコニーとは中学からですが、歴史で言えばコニーは元彼女との縁の方が長いんですよ」

エレン「へーそうだったのか」

サシャ「はい。だからコニー、本当は相当落ち込んでいると思うんですよ。表面上は元気にしていますけど。もし、私のせいで誤解が生じてそうなったのだとしたら、本当に辛いです………」

と、サシャが箸を1回止めて愚痴った。

ジャン「その、ヒッチの言っていた「腹いせ」で「元彼女」を奪った説っていうのは、可能性あるんかな」

エレン「ううーん。どうなんだろうな? ヒッチは裏付け捜査するなら協力してやらなくもないとか言っていたけど」

ミカサ「でも、それがもし「本当」にそうだった場合、コニーはどうなるだろうか?」

ジャン「…………真っ先にぶん殴りに行きそうで怖いな」

エレン「オレでも殴りそうだ。でも問題起こしたら甲子園に行けなくなるだろ」

ジャン「野球部はそういう「不祥事」を起こしたら致命的だからな…………まさか」

エレン「ん?」

ジャン「相手の本当の狙いって「そこ」じゃねえのか?」

エレン「え? つまりどういう事だよ」

ジャン「だから、元彼女を奪って「嫌がらせ」する事も目的だったのかもしれんが、そこからコニーを「挑発」して自分を殴らせるのが「最終的な目的」だとしたら、やばいぞ」

サシャ「え………それって、もしかして講談高校の出場そのものを潰す作戦って事ですか?!」

ジャン「いや、分かんねえけどな。確証のある話じゃねえし。でも、コニーには「真実」に近づけない方がいい気がする」

エレン「修学旅行先でうっかりコニーの「耳」に情報を入れないように注意してやった方がいいかもしれんな」

ジャン「ああ。ちょっとこれは裏付け捜査、した方がいいかもしれん。ヒッチに電話してみるか」

と、其の時、ジャンがヒッチにコンタクトを取った瞬間、サシャはぴくっと微妙な顔になった。

おおおーい。ジャン。それは「今」やらなくてもいいんじゃねえか?

とも思ったが止める事はやめておいた。

サシャは微妙な顔をしているが「嫉妬」は恋の起爆剤だしな。

ミカサもそれを察知して「やっぱり」という顔をしている。

ジャン「ヒッチか? 今、いいか? いや………コニーの元彼女の件何だけどさ。ちょっと心配になる事が出て来たから、裏付け捜査をやっぱりこっそりやって欲しいんだよ。ヒッチなら出来るよな? ああ。コニーには悟られないように頼む。ああ。お前の言う通りだよ。オレ達も「それ」を心配してんだ。もしそれが「真実」だとしたら、コニーがぶちキレかねないからな。頼むぞ。ええ? 今度デート?! それは却下だ! あー……分かった。貢げってか。そっちならいいけど。分かった。頼んだぞ」

と、言って電話を切った。

おいおい。今「貢げ」って言葉が聞こえたぞ。

906進撃の名無し:2014/09/05(金) 11:31:29 ID:u77iekT.0
ジャン「やれやれ。服買って♪とか言われちまったな」

サシャ「!」

おおおお? サシャの全身が毛が逆立っているような感じだ。

でも、言い出せないんだな。微妙な顔で堪えている。

サシャ。そこは「貢がないで」って素直に言った方がジャンが喜ぶんだけどな。

ジャン「まあいいか。適当に買ってやれば。コニーの件は修学旅行中、全員で注意深くしておこうぜ。うっかり小学館の生徒と接触して、コニーがもし「万が一」暴れたら、問題になるからな」

サシャ「そ、そうですね。コニーの為にも、そうしましょう」

と、サシャは自分の気持ちを押し殺したようだ。

ミカサ「男の嫉妬はとても怖い」

と、其の時、ミカサがぼそりと言った。

エレン「ん? どういう意味だ?」

ミカサ「恐らくその相手の男は「コニー」の「才能」にとても嫉妬しているんだと思う。野球部として活躍しているコニーを何としてもで「引きずり降ろしたい」と思っているのかもしれない」

エレン「そうだな。そうなんだろうな。きっと」

ミカサ「私も中学時代、自分の「学力」を男子に嫉妬されて絡まれて大変だった事もある」

ジャン「え? 何でだよ。頭いい女はいいじゃねえか」

エレン「オレもそう思うけどな。嫉妬されたのか」

ミカサ「(こくり)男より頭がいいのが許せない。みたいな感じで言いがかりをつけられたり……」

サシャ「それは大変でしたねー」

ミカサ「男の人は女の人より嫉妬深いような気がする。特に「才能」に関しての「嫉妬」は女のソレとは比較にならない」

ジャン「気持ちは分からなくもねえけど」

エレン「まあ、なあ」

と、男同士で微妙な顔をするオレ達だった。

ミカサ「女の場合は「幸せ」そうだと嫉妬する。いい男と付き合っている女は嫉妬されたり。でも女同士は「頭の良さ」や「運動神経」等の嫉妬はあまりきかない。そういうのは男の人の方が「嫉妬」するんだと思う」

エレン「まあその通りだろうな。オレもそういう「部分」がねえ訳じゃねえし」

ジャン「ああ。そうだな。そういう意味じゃ、コニーは嫉妬されて当然の立場だ。甲子園に出場するわ、彼女とはラブラブ。遠距離恋愛っぽくても続いているって、順風満帆過ぎるもんな」

ミカサ「うん。だからと言って、それを他人が壊していい理由にはならない。コニーには絶対、暴れさせないようにしないと」

エレン「そうだな。野球部員が問題を起こしたら今までの努力が全部無駄になっちまう」

ジャン「ああ。絶対、皆でコニーを守ってやろうぜ」

と、其の時の4人のメンバーは飯とケーキを食べながら誓い合ったのだった。

907進撃の名無し:2014/09/05(金) 12:28:49 ID:u77iekT.0






13日。ヒッチから早速、裏付け捜査の結果が出たらしくその報告がきた。

昼休み。オレとミカサとアニとアルミンとジャンとサシャはヒッチの報告を聞いて青ざめる羽目になる。

ヒッチ「ビンゴだったよ。小学館の生徒の伝手を頼って情報を集めたら……コニーの元彼女の今の彼氏、あんまり評判のいい男じゃなかった」

ジャン「って事はやっぱり……」

ヒッチ「その元彼女が好きで奪ったとかの話じゃないっぽいね。しかもその男、どうも「誰か」に頼まれて元彼女に手出したみたいな話だったよ」

エレン「それって、奪った男が犯人じゃねえって事か?」

ヒッチ「巧妙だね。主犯格は別にいる。でも、そこまでは私も特定出来なかった。容疑者としてあげられるのは小学館高校の野球部全員だろうけど。あそこも野球には結構力を入れている学校だし。人数が多すぎて絞り込みは出来なかった」

ヒッチの情報網の凄さに感服した。たった2日程度でそこまで調べ上げたのか。

アニ「………許せない」

男関係では純粋なアニが怒りに燃えていた。

アニ「手出してきた男も、コニー恨んでいる男も許せない。そいつらが茶々入れなければコニーは今も幸せだった筈じゃないの」

ヒッチ「付き合い始めて9か月目に入るあたりだったんでしょ? 3の倍数は気をつけないと。別れやすいっていうしね」

ミカサ「そうなの?」

ヒッチ「最初の3週間。そして3か月。6か月。9か月。1年過ぎたら3年目が危ないってよく聞くね」

ミカサ「肝に銘じておく(キリッ)」

オレ達の場合は2月頃を特に気をつけないといけないな。丁度半年になるしな。

ヒッチ「そういう訳だから、私ももうちょっと調査を続けるけど。でもコニーにとってはあまり「いい情報」じゃなかったから、気をつけておいてね。もしコニーの耳に入ったら、多分、修羅場が勃発するよ」

ジャン「ああ。分かってる。ありがとうな。ヒッチ」

ヒッチ「ま、こういうのは得意中の得意だからね〜ところでジャン。服買ってくれる約束、いつ果たしてくれる?」

ジャン「修学旅行が終わってからでいいだろ」

ヒッチ「修学旅行中でもいいんだけどな〜」

ジャン「分かった。だったらテキトーなのを見つけてテキトーにやる。サイズはMでいいよな」

ジャン「Lでもいいよ。私、ゆったり系の服が好きだしね」

アニ「え? 何でジャンがヒッチの服を買う約束してるの?」

ジャン「コニーの裏付け捜査の件のお礼だよ。オレがヒッチに裏付け捜査を頼んだからな」

アニ「…………やっぱりジャンって最低」

ジャン「何でだよ?!」

アニ「別に」

アニがやっぱりジャンのいい加減なところにキレている。

908進撃の名無し:2014/09/05(金) 12:43:35 ID:u77iekT.0
サシャはジャンとヒッチのやり取りを微妙な表情で見守っている。

アルミンも同じ顔だ。アルミンは「ううーん」と唸って、

アルミン「ジャン、フラフラするのは止めようよ」

ジャン「はあ? オレ、フラフラしてねえよ」

アルミン「いや………まあ、いいや。うん」

アルミンはそれ以上言えないようだ。オレもあえてツッコミは入れない。

サシャは俯いて何も言えないようだ。こういうところ、やっぱりサシャは「臆病」なのかな。

サシャは「そういうのは止めて下さい」って言えない性格のようだ。

ヒッチ「あ、そうそう。私達の班も午前中、やっぱり別のところを回る事になったよ。コースを変更したんだ」

ジャン「映画村で1日遊ぶんじゃなかったのか?」

ヒッチ「ええっと、調べなおしたら清水寺に「縁結び」の神社があるって分かったから、それを知ったライナーが「予定変更するぞ」と言い出したwwww」

ミカサ「ああ。そう言えばそのようにマップルにも載っていた。見過ごしていたの?」

ヒッチ「みたいだね。そっちも清水寺には行くんでしょ? 午前中、よろしくね」

と、ウインクひとつ残してヒッチは去って行った。

エレン「清水寺の縁結びの件はオレ、知らなかったけど。まあいいか」

アニ「むしろグッジョブじゃない?」

ミカサ「グッジョブ。エレン」

エレン「適当に「名所」をあげただけだったんだが。かえって良かったな」

ミカサと縁結びの願掛けしに行こうかな。むふふ。

ジャン「…………」

サシャ「…………」

ジャンとサシャは互いに見合って何も言わない。

ああもう、こっちのカップルはリヴァイ先生とハンジ先生よりイライラするな!

どっちも先になかなか仕掛けない。平行線のまま行く気なのか?

909進撃の名無し:2014/09/05(金) 18:20:11 ID:u77iekT.0
アルミン「縁結びの神社か……僕もお参りしようかな」

アニ「アルミンも彼女欲しいの?」

アルミン「そりゃあこれだけ周りでわいわいやられるとね……」

アニ「ふーん」

アルミン「アニもお参りする?」

アニ「一応ね。金の稼げる安定した仕事を持つ男が見つかりますようにって願掛けしてくる」

アニはそこだけは絶対に譲らないらしい。

アルミンが将来「弁護士」になれれば十分「その相手」として相応しいと思うんだけどな。

アルミン「ははは……アニはその辺抜け目がないね」

アニ「お金の苦労をして育った訳だしね。うちのクソ親父のせいで自己破産寸前までいって大変だった時期もあるんだ。だから持ち直した時は本当に「死ぬかと思った」し、お金で苦労するのは二度と御免だと思ったの」

アルミン「そうだったんだ………」

アニ「博打は身を滅ぼすよ。だから賭け事をする男だけは絶対、ダメだね。私の場合は。それ以外は、多少不細工だろうが、体が細かろうがデブだろうが大目に見るよ。男は見た目じゃない。絶対「中身」だと思ってる」

アルミン「もしかして、アニのお父さん、結構イケメンだったりする?」

アニ「いや、その辺は普通だと思うけど。割と女にはモテるタイプかも。だから女関係でも面倒臭い事が多々あって……本当、ダメ親父だから困ったもんだよ」

アニの「浮気性の男が嫌い」な理由はやっぱり親父さんが関係しているようだ。

アニ「だから私は絶対、親父みたいな男とは結婚しない。いい男が見つからない場合は独身でもしょうがないとすら思ってる」

ミカサ「アニ、それは幾らなんでも大げさ……」

アニ「結婚して不幸にだけはなりたくないんだよ。リヴァイ先生とハンジ先生は幸せな結婚が出来たからいいけど。リヴァイ先生のアレも、今は収まっているから許してやれるんだろうけど。もし復活したら本当にあそこ手術して大学の研究用に保管してやってもいいと思うよ」

エレン「アニ、折角削った「本当の台詞」をここで言うなよ」

実はあの時の「台詞」には「あんたのあそこを大学の研究用に保管させてやろうか?」っていう言葉が入っていたそうだ。

それは流石に「あんまりだ」という事で舞台上ではカットになったけどな。

いや本当。そこをちょんぎる想像は男としては最もしたくない想像のひとつだからやめて欲しい。

910進撃の名無し:2014/09/05(金) 18:40:11 ID:u77iekT.0
アニ「ああ。ごめん。でも女から見たらそれくらいの事、してやりたいくらい浮気は許せないもんなんだよ」

サシャ「激しいですね〜」

アニ「サシャだって浮気は許せないんじゃないの?」

サシャ「わ、私ですか? ど、どうでしょうかねえ〜?」

と、曖昧に誤魔化すサシャだった。

サシャ「私はその辺の事は良く分かりません。恋愛をした事がないので……」

また誤魔化し笑いだ。ジャンが半眼でそれを見つめている。

サシャはまだ「認める」気はさらさらないらしい。

この辺の攻防に決着がつかない事にはジャンも一歩踏み出せないよな。

サシャ「でもそうですね。いつか……いつか将来は、彼氏が欲しいなあって気持ちがない訳ではないですよ」

ジャン「!」

サシャ「誰かと一緒に暮らしてみたい気持ちはあります。デートだって、してみたいですし。彼氏の奢りで」

ミカサ「そうね。以前、サシャは言っていた。「一緒に居て楽しい」「飽きない」「料理上手」な相手が見つかるといい」

サシャ「よく覚えていましたね!? 言った自分が忘れていましたよ! それを話したのは確か研修旅行の時でしたっけ?」

ミカサ「そう。研修旅行のお風呂でいろいろ理想を語り合った」

ミカサ達のお風呂の様子を盗み聞きしたのも今ではいい思い出だな。

アニ「そういう意味じゃ、サシャはコニーが割と理想の相手じゃないの?」

サシャ「ええ? そうですかね? ううーん」

サシャは首を傾げている。

サシャ「確かに一緒に居て楽しい相手ではあるんですが………コニーは本当にそういう意味でドキドキした事がないんですよね」

アニ「分かんないよ? 今はそうでも。ハンジ先生みたいに気が変わるかも?」

サシャ「や、やめて下さいよ変に煽るのは! あの劇はあくまで「ハンジ先生」がそうだったって話で、私にそのまま当てはまる訳ないじゃないですか!」

アニ「ハンジ先生もずっとそうやって抵抗していたのにねえ」

と、アニはジャンの事が気に食わないせいなのか、コニー推しになったようだ。

911進撃の名無し:2014/09/05(金) 19:15:59 ID:u77iekT.0
と、其の時、昼休みが終わるチャイムが鳴った。

話はここまでだ。それぞれ自分の席に戻った訳だけど………。

サシャ「ドキドキしたのは、コニーじゃないんですけどね」

と、独り言のような言葉が後ろから聞こえて「ん?」となった。

振り向くと、目が合ってしまった。サシャは慌てて「な、なんですか?」と誤魔化し笑いを浮かべた。

オレは「何でもねえよ」とあえて突っ込まないで前を向いた。

今の台詞を分析するなら「コニー以外の誰か」には「ドキドキ」した経験があるという事になる。

やれやれ。それを「恋」っていうんだけどな。土俵際に追いやられている癖にまだ粘るのか。

隣のジャンは今のサシャの声、聞こえていたのかな。

微妙な顔で前を見ている。こっちと目が合って「何だよ」と言われた。

エレン「いや、まだまだ前途多難だなって思ってな」

ジャン「ん? 別に。全然。この程度の障害は「障害」のうちに入らねえよ」

エレン「へー前向きだな。お前。以前と比べて変わったな」

ジャン「ミカサで耐性ついたからな。サシャが「彼氏」を「欲しい」と思っていると聞けただけでも上出来だ」

と、ニヤリと気持ち悪い笑みをこっそり浮かべているジャンだった。











そして14日。修学旅行当日になった。あっという間に当日が訪れた。

バスの中でクラスの人数を確認するキース先生だったが……

キース「あーまたコニーが来ていないのか?」

コニー「オレ、もう来てますよ?」

キース「何?! いつも遅刻魔のお前がこういう時は真面目だな!」

コニー「当然っす! 修学旅行は気合入っているんで!」

キース「では誰が遅刻しているんだ? 1人まだ来ていないぞ?」

912進撃の名無し:2014/09/05(金) 23:39:18 ID:u77iekT.0
遅れているのはなんとジャンだった。その直後、滑り込みセーフで駆けつける。

ジャン「遅れてすんません!!!!!」

汗だくで走って何とかバスに間に合った。1分遅刻だ。

キース「あーまあ、1分程度だから良しとする。急いで席につけ!!」

今回のバスの席順は出来る限り班のメンバーが近くなるように決まっていた。

オレ達は1班だから右側の前列に固まっていた。2班の余りの奴と隣同士で座る。

ジャンの隣はヒッチだった。ヒッチは「何で遅れてくるのよwww」と笑っていたが。

ジャン「すまん………昨日の仕事がちょっとな」

ヒッチ「ああ。漫画家のアシスタントしていたんだっけ?」

ジャン「そうだ。緊急でちょっと、夜呼び出されてな。昨日は1時間しか寝てねえ」

ヒッチ「えええええ……過酷だね。何で修学旅行の前日に呼び出されているのよ。断れば良かったのに」

ジャン「そういう訳にもいかねえよ。金を貰っている身分だし。あとヒッチにも奢る約束しているしな」

ヒッチ「おお? これは期待していていいのかな?」

ジャン「猫の全身ツナギでいいか? 寝間着とかで使うようなアレで」

ヒッチ「ちょっとwwwキャラものかよwwwウケるwwww別にいいけどさあ」

とか何とか楽しそうに話しているのが後ろの方で聞こえる。

オレはミカサと、その後ろにアニとアルミン、その後ろにはサシャとコニーが並んで座っていて、その後ろにジャンとヒッチが座っているんだが。

バスが動き出してからコニーが身を乗り出して後ろに話しかけていた。

コニー「なあなあ。アシスタントって、そんなに忙しいのか?」

ジャン「いや、昨日は特別だ。オレ、作画の手伝いしているから。頁が急遽、増量したから来てくれって頼まれたんだよ」

サシャ「では明日から先生、忙しいんでしょうか?」

ジャン「恐らくな。でもオレも今日から修学旅行だし。流石に修学旅行をサボる訳にはいかんだろ。だから昨日の夜の時点で出来る範囲だけでアシしてきたんだよ」

サシャ「私には声がかからなかったんですが……」

ジャン「電話入ったのが10時過ぎていたからな。女の子をそんな時間に出歩かせたくなかったんだろ。多分」

サシャ「ううう……呼んで貰えたら私も行ったんですけどねえ」

ジャン「いや、そこは流石に気遣うだろ。オレは男だからこういう時も動けるけど。女は夜出歩くもんじゃねえよ」

サシャ「男女不平等ですー(ズーン)」

コニー「いやーでも、気持ちは分かる。うちの野球部も女子マネージャーは8時までには絶対家に帰すからな。部員は9時まで練習やっているけど。女子は危ねえよ。夜は遅くならん方がいいって」

ヒッチ「ん〜でも待って。深夜って確か、18歳未満は働いたらダメなんじゃなかったけ?」

ジャン「法律上はそうなるな。だから深夜に呼びだされる時はオフレコだ。経理上は時間帯を変えて記録するんだよ」

本当はやってはいけない事だけどな。真似しちゃダメだぞ。

ヒッチ「ええ……それって不当なやり方じゃない? 深夜に働けばもっと稼げるのに。ジャン、要領悪すぎない? 残業手当がついてないようなもんだよ?」

ジャン「あーその辺は頭では分かってはいるんだが、オレ、今のアルバイト、気に入っているから別にいい」

と、ジャンが言っている。

ジャン「今の仕事、クビにならん限りは続ける予定だし、18歳になったらちゃんと深夜手当の経理にしてくれる約束だしな。大学に行っても今のアルバイトは続ける。地元の大学を受けるつもりだしな」

ヒッチ「ジモティーになるんだ。へー。私、てっきり県外に出るかと思ってた」

ジャン「自宅から通える大学に行くつもりだよ。ヒッチは高校卒業したらすぐ働く予定だったっけ?」

ヒッチ「ん〜そのつもりだったんだけど、親が「学力ある癖に何でわざわざ水商売になるの?!」ってキレかかっているから、どうしたもんかと。とりあえず、女子大に行って箔をつけておくのも悪くないかなあって、気持ちが揺れているんだよね」

913進撃の名無し:2014/09/06(土) 01:38:03 ID:ONBOCIvY0
コニー「女子大に行ける学力あるなら行った方がよくねえか?」

サシャ「私もそう思いますー」

ヒッチ「そう? やっぱりそうかな〜? まあ女子大生やりながらバイトで水商売もやれなくはないし、そっちでもいいかなって気もしているけどね」

ジャン「そっちの方がいいんじゃねえか? だったら来年は大学進学組になるのか」

ヒッチ「ん〜まあ、多分そうなるかな? とりあえず、栄養学を学べる女子大にでもいこうかと思うよ。私、料理好きだし。栄養士の資格でも一応、取っておこうかな」

ジャン「そのままそっちの方面で仕事に就いてもいけそうな気がするけどな。ヒッチは要領いいだろ」

ヒッチ「いや〜でも金の稼ぎがね〜水商売に比べたら稼げないからね〜私、金使い荒いし」

と、ヒッチはまだまだ進路がフラフラしているようだ。

ヒッチ「コニーとサシャは就職組だっけ?」

サシャ「そうですね。そっちを希望しています」

コニー「オレもそっちだな。ドラフト会議に呼ばれるのが夢だけど」

ヒッチ「じゃあこうやって話せるのも1年のうちだけかもしれないね」

サシャ「え? クラス別れても遊べばいいじゃないですか」

ヒッチ「うーん。どうだろ? クラス別れたら授業の進度も変わってくるし。遊ぶ時間がなくなるかもしれないよ」

ジャン「大学進学組と就職組では時間割が変わってくる。オレも受験体制に入ったら流石にバイトの頻度は一時的に落とすよ」

サシャ「あ………そうなんですか」

ジャン「当たり前だろ。3年になったら進路決まるまではお休みさせて貰うつもりだ。先生にはもうその話は先に通してあるしな。だからこそ、今のうちは無茶な呼び出しにも対応しているんだよ」

と、ジャンは計算高く考えているようだ。

サシャ「そ、そうだったんですか………」

サシャの声が急に萎んでいくのが分かった。

サシャ、その気持ちの正体にそろそろ気づいてもいいんじゃねえか?

914進撃の名無し:2014/09/06(土) 01:51:27 ID:ONBOCIvY0
別れが近づいている事にサシャもようやく気付いたようだ。

ジャンはジャンの人生があるし、サシャにはサシャの人生がある。

曖昧な関係のままでいたら、いつかは離れ離れになる。

オレとミカサみたいにお互いの気持ちを「確認」しねえと。2人の未来はねえぞ。

ジャン「あー眠い。今頃になって眠くなってきた。バスの移動中、眠ってもいいかな」

ヒッチ「待ってよ。移動って言っても30分もないよ? 寝るんだったら新幹線の中で寝なよ」

ジャン「あー30分もあるなら十分だ。寝かせてくれ……」

ヒッチ「マジかwwwウケるwwwwジャンが芸能人みたいになってるwww」

ジャン「ZZZZ………」

ヒッチ「本当に寝入ったね。こりゃ起こすの可哀想だね(小声)」

サシャ「ですね……(小声)」

と言って後は後ろの席が静かになったけど………。

ヒッチの隣で眠れるのか。それを考えた時、オレはちょっと思った。

あいつ、サシャの事は好きなんだろうけど。

ヒッチはヒッチで結構、気に入っているんじゃねえのかな。

ミカサ「…………ジャン、やっぱりまたフラフラしているように思うのだけど(小声)」

エレン「ううーん。ヒッチの事は「嫌いじゃない」んだろうけどな(小声)」

ミカサ「あれさえなければ、いいのに(小声)」

エレン「それは言うな。しょうがねえよ。ジャンだからな(小声)」

ミカサ「はー(小声)」

と、ミカサが呆れている。無理もねえけど。

今頃、ジャンは夢の中だろう。30分でも眠れるあいつの器用なところはすげえけど。

そんな訳で駅に移動して新幹線で移動だ。

915進撃の名無し:2014/09/06(土) 17:29:03 ID:ONBOCIvY0
その移動途中で、他の学校の生徒達とも遭遇した。

再春館高校とかベネッセ高校の制服も見かけた。他県の高校も今の時期に修学旅行をやるみたいだ。

そして小学館高校の制服もあった。青学ランに青いセーラー服だ。ラインが赤色でリボンが黄色の可愛い制服だ。

列車の席のレーンは別だったけど。一瞬だけ小学館の生徒とすれ違ってコニーが微妙な表情になったのを見かけてオレ達は警戒を強めた。

新幹線の中で何かあるって事はないだろうが、それでも警戒するに越したことはない。

ジャンはバスの中で寝て、新幹線の中でもやっぱり寝ていた。

座ったまま眠れる特技を身につけたようだ。すげえな。いびき掻いて寝てやがる。

今回はサシャが隣に座った。疲れているジャンを横目で見ながら心配そうに見つめている。

コニー「新幹線の中でトランプでもやろうかと思ったけど、ジャン寝てるしなあ」

ライナー「ん? ではこっちの班と合同でやるか?」

コニー「ジャン起きねえかな?」

ユミル「静かにやればいいんじゃねえか?」

コニー「いやー無理だろ。オレ、絶対叫んだりはしゃいだりする自信しかねえ」

エレン「だったらトランプは諦めようぜ」

コニー「でも折角の移動なのになあ。ジャン、勿体ねえな」

ミカサ「起きたら起きた時でいいのでは?」

アニ「しっかり寝ているし、多少騒いでも起きない気がするけど」

コニー「かなあ? じゃあちょっとだけ遊ぶか?」

という訳で、出来るだけ静かに気を遣いながら2班と合同でババ抜きや切札をしたりした。

一応、ジャンに気を遣いながら皆で遊んだ。

今回はマルコだけ欠席だけどな。マルコはマルコで3班の連中と仲良くやっているようだ。マルコは人当たりがいいから割と誰とでも打ち解けられる。何より彼女が出来たばっかりだしな。嬉しそうに談笑しているようだ。

ミカサ「あう………」

ミカサがババを引いたようだ。ミカサは運が絡むゲームはあまり得意じゃねえんだよな。

切り札とか頭を使うのは得意だけどな。運ゲーになると途端に弱くなる。

そんな感じで皆と遊んでいたらあっという間に駅に着いた。

ジャンを起こしてやると、やっと頭が動き出したのか目が開いた。

ジャン「あー良く寝た。京都に着いたのか」

コニー「ジャン、全然起きなかったなー。オレ達、結構トランプで遊んでたんだけどな」

エレン「だな。たまにはしゃいでいたけど、起きなかったな」

ジャン「そうだったのか? 全然気づかなかったぜ」

サシャ「勿体ないですねー。皆と遊んで楽しかったのに」

ジャン「あーまあ、それはもうしょうがねえよ。夜は逆に目覚めていそうだからその時に遊ばせてくれ」

という訳で宿に移動だ。古風ではあるが大きな旅館に皆で移動したら……。

コニー「…………」

コニーが真っ先に微妙な顔になった。オレも同じ顔になってしまった。

まさか、旅館の宿泊先も小学館高校と被るとは思わなかった。

916進撃の名無し:2014/09/06(土) 19:20:54 ID:ONBOCIvY0
オレ達講談高校は3階で、小学館高校は2階のフロアを独占しているようだ。

つまり下の階に降りる時はどうしても、小学館の生徒達とすれ違う可能性がある訳だ。

部屋は301号室だった。女子は302号室だ。和風の大部屋で男女に別れて寝泊まりする予定だが。

荷物を旅館に置いてからオレはコニーに聞こえないように他のメンバーに言った。

エレン「コニーを絶対、この旅館に泊まっている間は1人にするなよ。誰かが1人、傍についていてやれ」

サシャ「了解です!」

ジャン「ああ。勿論だ」

アニ「うん。下手な接触をさせないように注意するよ」

ミカサ「了解した」

アルミン「怪しい人物を見つけたら皆にも情報を回すね」

と、他のメンバーでコニーを守る約束をした。

被るのは恐らくこの「京都」の日程だけだと思うしな。

ここさえ乗り切ればきっと大丈夫だ。そう思ってオレ達は一致団結した。

昼食を取って午後は集団でコース見学だ。

定番の金閣寺からスタートだ。観光客のピークは秋頃になるらしいが、冬は修学旅行生が訪れる事が多いそうだから、それなりに人は多かった。

コニーが小学館の女子生徒の制服を見かける度に微妙な顔になっているのが分かる。

やっぱりまだ「完全」には吹っ切れてはいないんだろうな。

小学生の頃から縁のあった女の子とやっと付き合って、9か月で別れるなんて誰も予想してなかったしな。

皆でぞろぞろ金閣寺の中を歩いて移動する。案内の方の説明を聞きながら見学をする。

案内人『正式な寺号は「鹿苑寺(ろくおんじ)と言います。もとは公家の西園寺家の山荘。室町幕府3代将軍・足利義満が譲り受け、さらに手を加えて豪勢で個性的な山荘に造り上げました……』

という案内人の説明を聞きながら金閣寺を皆で見学していく。

そして案内が終わるとそこでクラスごとの記念撮影会になった。

卒業アルバムの記念用に撮影するそうだ。全員が集まってカメラマンに向かって笑顔を向ける。

背の小さい奴は前列だ。ライナーやベルトルトは後ろの方で立っている。

オレはさり気なくミカサの隣をキープして写真に写った。ジャンはオレの後ろの列に立った。その隣にはサシャがいる。サシャはちょっとびっくりしていたが、ジャンが「こっち来いよ」と呼んでいたので素直に従ったようだ。

917進撃の名無し:2014/09/06(土) 20:00:14 ID:ONBOCIvY0
そして「龍安寺」「仁和寺」も問題なく見学をこなして夜の7時には宿に戻る事になった。

結構、あちこち歩き回った気がする。個人的には「仁和寺」が一番格好良かったな。

寺の雰囲気とかが重厚感があって良かった。すげえ落ち着く寺だったんだよな。

夜の7時半には夕食を取って、夜の8時から入浴開始だった。

夕食は京都らしい献立が出た。湯葉とか豆腐とか。天ぷらとか。上品なおかずが出て来たんだ。

小鉢に分けられた料理が沢山出て来て、すごく「まめまめしい」料理だと思った。

味は薄味だったけど、上品な味わいだと思った。本当はもうちょっと量を食べたいくらいだった。

料理を残さず全部食べると風呂の準備に入った。

オレ達は班ごとに時間帯が決まっているので早めに行動を起こす。

1班と2班と3班が合同で同じ時間帯に入る。後半は4班と5班が入る。

入浴時間は1時間ずつだ。オレ達の班は8時から9時までに入らないといけない。残りの班は9時から10時までだ。

夜の11時には消灯だ。朝は7時が起床予定時刻となっている。

風呂の中でコニーが疲れた表情を見せていた。やっぱり精神的に辛かったんだろうな。

コニー「……………」

いつもはこういう時は真っ先に「元気」で周りに話しかけるコニーが黙り込んでいる。

その空気を察して皆もあまり口を開かない。でもそんな重い空気を打ち破る奴がいた。

ナック「なあジャン、お前たちの班は明日どこから見て回るんだ?」

3班のメンバーのナックだ。こいつはたまにジャンとしゃべっているので、仲は悪くないんだろうな。

ジャン「ああ……清水寺からだな。その後は二条城に行って、午後から映画村の予定だけど」

ナック「やっぱり皆、清水寺には行くんだな。うちの班も行く事になったぜ」

ジャン「結局3班とも清水寺は被ったのか」

ナック「午後は嵐山方面に行くけどな。パワースポットを拝みに行く事になった」

ジャン「へーパワースポットがあるのか」

ナック「野宮神社ってところもにも縁結びのご利益があるらしいぜ? 清水寺だけじゃねえみたいだ。あと嵐山方面にはスイーツ関連の店も結構あるみたいだし、皆で食べ歩く予定だな」

エレン「へー嵐山方面にはそういう店があるのか」

ナック「嵐山だけじゃねえけどな。京都にはあちこち和風の甘味所があるから、女子は今からウキウキしているんじゃねえかな」

アルミン「僕も個人的にはウキウキしているけどね」

エレン「アルミン、甘いの好きだもんな」

アルミン「まあね」

と、明日の事で話しているけど、コニーは憂鬱な顔でいる。

もしも元彼女と今も縁が続いていたら途中でこっそり抜け出して、彼女と一緒に甘い物とか食べられたんだろうけどな。

そういう行動を取ったとしても、オレ達はコニーを責めなかったと思う。

というか、多分、今回の修学旅行で似たような事をする奴はちらほらいるんじゃねえかな。多分。

918進撃の名無し:2014/09/06(土) 20:19:42 ID:ONBOCIvY0
エレン「オレ達の班は二条城の周辺で昼飯を食うつもりでいるけどな」

ナック「だったら京都駅周辺まで降りた方がいろいろ店も多いぜ? 土産も買えるし、昼はそっちで食べた方がいいと思うけど」

エレン「そうなのか。分かった。じゃあ女子とも話してみる」

と、そんな感じで適当に話しながら風呂に入っていたら………

小学館高校の生徒と思われる奴らが入って来た。

その気配を感じてすぐコニーは風呂から上がった。あんまり顔を合わせたくないみたいだな。

同じ野球部の奴らみたいだ。丸坊主の奴らが団体で入って来たので気配を感じてコニーは先に上がって行った。

その視線の交錯の中、1人だけ異様に鋭い視線でコニーを見つめている男がいた。

ジャン「あいつ……どこかで見覚えがあるな」

エレン「ああ。はっきりとは思い出せないが」

ジャン「決勝大会に出ていた奴かな。ううーん。記憶が曖昧なのがなあ」

エレン「アルミンだったら覚えているかな」

アルミン「え? 何の話?」

エレン「いや、今風呂に入って来た坊主の団体だけど、多分小学館高校の生徒だと思うんだが、あいつら、決勝大会に出てた奴らだったかなって」

アルミン「あーどうだろう? 僕も流石にそこまでは覚えてないよ」

エレン「そっか……」

アルミン「でも、コニーが先に出て行ったって事はそういう事なんじゃないのかな?」

ジャン「かもな」

と、微妙な気持ちになりながらオレ達もコニーより少し遅れて風呂から上がる事にした。

そして男子の部屋に戻り、風呂から全員上がると、早速皆で適当な男子会が始まってしまった。

まずつるし上げられたのは……オレだった。

サムエル「さてと、エレン。暴露して貰おうか」

エレン「な、何をだよ……」

サムエル「惚けるなよ。彼女持ちは全員、いろいろ吐かせるからなこの野郎!!!」

トーマス「ご指南、お願いします」

トム「お願いします」

ミリウス「お願いします」

ライナー「よろしく頼むぞ」

ベルトルト「実はちょっと聞きたいかも……」

ライナーとベルトルトもかよ! つか、男子の殆どがニヤニヤしやがって!!!

919進撃の名無し:2014/09/06(土) 20:54:33 ID:ONBOCIvY0
エレン「えっと……何を聞きたいんだよ」

まずいな、この空気。要らん事まで根掘り葉掘り問い詰められそうだ。

サムエル「まずはアレだな。もうヤッたのか、まだなのか。そこんところを確認したい」

エレン「ぶふー!」

いきなりそこからかよ!!! 

アルミン「もう付き合い始めて5か月目あたりだよね。そろそろ手出したんじゃない?」

アルミンまでゲスい顔して聞いてくる。全く悪ノリしやがって…。

エレン「ノーコメントだ。その件に関しては人に話したくねえ」

サムエル「って事は、ヤッたんだな。その顔はヤッたな?」

エレン「や………やってねえよ」

嘘をつく事にした。なんかこういうのって人に話していい事じゃねえと思うし。

ナック「即答じゃなかったな。これはヤッてるな。もうヤッたに違いねえ」

エレン「や……やってねえって言っているだろ?!」

サムエル「嘘だな。絶対、嘘だ。エレンは嘘をつく時に、鼻がひくつく癖がある」

エレン「?!」

え? マジか?! 思わず鼻を隠すと……。

アルミン「んな癖がある訳ないでしょ。エレン。墓穴掘ったね?」

エレン「のsdjsんdg;sg………!!!」

しまった!!!! 嵌められた!!! これでバレちまった!!!

オレは慌てて布団の中に隠れて逃げた。すると、サムエルとナックが2人がかりで布団を剥がそうとしてきやがった。

サムエル「え〜れ〜ん〜? ヤッたんだろ? 童貞卒業おめでとう。その戦果の程を聞かせて貰おうか?」

ナック「どうだったんだ? ん? 参考までに聞かせて貰おうか? ああ?」

エレン「いやだー! 絶対、話したくねええええええ!!!」

ジャン「あーもう、その辺でやめておけよ。2人とも」

と、其の時、意外にもジャンの奴が止めに入ってくれた。

ジャン「エレンとミカサの場合、ヤッてねえ方がおかしいだろ。あんだけ毎日、人目も憚らずイチャイチャしているんだし」

ナック「いいのか? ジャン」

ジャン「オレはもうミカサにフラれたしな。いいんだよ。それより今は別の女の事の方が大事だから」

ナック「今は………もしかして、サシャの事か?」

ジャン「ああ。もうバレているのか。そうだけど?」

ナック「マジか……お前、タフだな。失恋したばっかりなのにもう次の女にいけるのか」

ジャン「むしろ失恋したからこそ、次に行けるんだよ。新しい恋のおかげで失恋の傷は完全に癒えたからな」

と、ジャンは嬉しそうに笑っている。

ジャン「オレの経験上、失恋に一番効く薬は「次の恋」だと思う。実際に経験してみて分かったが、失恋は決してオレにとっては「無駄」じゃなかった。ミカサにフラれた経験があるからこそ、次の恋に立ち向かう勇気が持てたと思っているんだよ」

ナック「な、なんかジャンが急に大人っぽい顔つきになりやがった」

サムエル「ああ……何か先を越された気分だな」

ジャン「人の事をどういういう前にお前ら自身はどうなんだ? 好きな女、いねえの?」

サムエル「うぐ!?」

ナック「いや、まあ……気になる程度の女はいない訳じゃねえけど」

ジャン「ほほう? だったらここで吐いて貰おうか? 2人とも!」

と、今度はジャンがナックとサムエルを捕まえに行った。オレも加勢する。

920進撃の名無し:2014/09/06(土) 21:39:55 ID:ONBOCIvY0
ナック「ぎゃあああ!!! エレンまで加勢しやがって!!!」

エレン「さっきのお返しだ。さあさあ、吐いちまえよ。2人とも!!」

ミリウス「オレは知ってるけどね。2人の好きな女」

ナック「やめろおおおお!!!!」

サムエル「話すな!!! 馬鹿!!! ミリウス!! やめてくれ!!!」

とかいろいろ騒いでいたら、キース先生が不意打ちで部屋に訪れた。

キース「消灯10分前だ! 寝る準備をしてさっさと寝ろ!!! 騒がしいぞ!!」

エレン「すんませーん」

キース「くれぐれも消灯時間は守る様に。夜中に女子を部屋にこっそり連れ込んだら……明日の自由時間はないと思え」

と、一応、念押しして去って行った。

怖い怖い。確かに連れ込んだら罰則ものだけどな。

オレは便所に行く事にした。寝る前に一応な。

皆には「便所に行く」と言っておいて部屋を出た。

そして便所の付近でミカサが待っていた。

ミカサもミカサで顔が赤い。あーなんかコレ、吐かされたっぽいなあ。

ミカサ「エレン、御免なさい」

エレン「ん?」

ミカサ「ミーナに捕まった……エレンとヤッた事を成り行きで吐かされてしまった」

エレン「悪い。オレもサムエル達に捕まった。その、成り行きでバレたけど」

ミカサ「そうだったの? だったらお互い様なのね」

エレン「すまん………」

ミカサ「ううん。だったらいい。もう隠す必要はない」

エレン「………………ミカサ」

もう隠さなくていいのか。だったらいいのかな。

今、ここでキスしたいな。

吸い寄せられるように、顔を近づけると………

小学館高校男子1「あーしっかしあの女、大した事なかったなあ」

と、男子の声が聞こえて来た。

小学館高校男子2「ああ、ヒロとかいう女だろ? 期待していたより下手クソだったんだろ」

小学館高校男子1「まあな。あの講談高校の野球部のコニーとかいう奴の彼女だっていうから、手出したけどさ。コニーって野郎も大した趣味じゃねえな。あんな「普通」の女を彼女にしていたとは。あいつ、あれだけ甲子園で活躍するような男だぜ? もっと上の女を狙える筈なのに。勿体ねえよな」

小学館高校男子2「なんか噂では結構、モテる奴らしいよな。あれだけ打てるバッターだし、将来も有望株なんだろ?」

小学館高校男子1「ああ。オレだったらあの女程度に収まらないな。コニーの立場なら。まあ、オレも野球部の奴らに頼まれたから手出してみたけど……最近、ちょっと重いしさ。適当なところで手切ろうかなって思ってるんだよな」

小学館高校男子2「その方がいいかもしれねえな。重い女はあんまり深入りしねえ方がいいぞ」

小学館高校男子1「だよな。まあ、1か月程度遊んだら、バイバイしていい程度の女かな。個人的な感想を言えば」

と、イケメン風の男2人組が男児便所に近づきながらそういう話をしていた。

元旦ですれ違った時のあいつに間違いねえ。あの元彼女の隣にいた男だ。

ミカサの目が鋭くなっていた。オレは慌ててミカサを押さえた。

ここで問題を起こしたらまずい。

騒ぎを起こしてコニーに気づかれたらもっとまずい。

オレ達は奴ら2人には気づかれないようにそっと移動して、非常階段の方へ逃げた。

そしてあいつらが便所から出て廊下を歩いて去っていくところを見届けてから言った。

ミカサ「本当に碌な男じゃなかった」

エレン「ヒッチの情報が正しかったみてえだな」

ミカサ「許せない。なんとしででも天誅を……」

エレン「待て。この問題はコニーの問題だし、オレ達が首を突っ込んでいいのか……」

ミカサ「間接的でもいい。嫌がらせをしてやりたい」

エレン「オレもそれは同意だが、でもどうやって……」

921進撃の名無し:2014/09/06(土) 22:35:07 ID:ONBOCIvY0
ミカサ「皆で明日、考えよう。あいつらに復讐するプランを練るといい」

エレン「まあ、そういう話を考えさせたらアルミンとかいろいろ考えてくれそうだけど」

でもいいのかな。コニーのデリケートな問題だしな。

オレ達が勝手に首を突っ込んでいいのか。迷う。

オレ個人としてはそりゃあ、嫌がらせを仕返ししたい気持ちはあるけど。

でももしそのせいで、コニーに事がバレたらと思うとなあ。

オレはミカサに「ちゅ」という軽いキスだけして、その日は言った。

エレン「あんまり軽はずみな行動はしちゃダメだぞ。カッカする気持ちは分かるけどな。ちょっと一晩、置いてから考えようぜ」

ミカサ「う………うん」

という訳でミカサの頭をナデナデして気を鎮めてやった。

そして部屋に戻って寝る。修学旅行1日目に早速気になる事件が起きたけど。

とりあえずは棚上げして、オレは両目を閉じて眠る事にしたのだった。






修学旅行2日目。15日の自由行動では早速清水寺に向かう事になった。

皆、考える事は殆ど同じだったみたいで、5班中、4班がまずこの「清水寺」を選んだようだ。

「縁結び」目当てにこっちに来たようだ。皆、思い思いに願掛けをしている。

オレは当然、ミカサとずっと一緒に居られますように。って願った。

願わくば、リヴァイ先生とハンジ先生のように「結婚」って形で結ばれたい。

今はまだそこまでは出来る関係じゃねえけど。順調に交際を続けていけたらいつかは。

そう願いながら願掛けをしてきたんだけど。

ジャン「…………」

サシャ「…………」

ああああもう! こっちのカップルはまた睨み合ってやがる! 面倒くせえ!!

いつまで平行線でいる気だよ。つば競り合いじゃねえんだから。

サシャ「し、仕事運を高められるように祈願しましょうかね」

ジャン「ああ。オレは成績が上げられるように祈願しようかな」

おいいいいいい?! 何やってんだ?! お互いに嘘ついてどうすんだよ?!

イライラするぜ……ピクシス先生じゃねえけどさ。胃の滾りがこう……。

アルミン「あははは……エレン、ピクシス先生と同じ拳の振り方しているよ?」

エレン「すまん。ついつい。あいつら見ていると、ピクシス先生みたくなっちまう」

アルミン「気持ちは分からなくないけどね。でもよく見て? こっそり恋愛のお守り買ってるよ? お互いにバレないように」

エレン「本当だ……アホだなあいつら」

アルミン「だねえ。エレン達はもう買ったの?」

エレン「ああ。ミカサと御揃いで買ったぞ」

ミカサ「その辺は抜かりない(キリッ)」

アルミン「そうなんだ。僕も一応買ったけど。僕もいつか良縁に恵まれるといいなあ」

其の時、オレはふと気になってアルミンに聞いた。

エレン「アルミンは、アニと付き合いたいとは思わねえのか?」

アルミン「え? 何でそこでアニの名前が出るの?」

エレン「いやー結構、普段から仲良くしているだろ? アニとは」

アルミン「うーん。話は合うけどね。でも、アニの方がそういう意味で僕の事を見てないと思うよ?」

と、しれっと質問をかわすアルミンだった。

この返答例はリヴァイ先生も同じような事をやっていたよなあ。

922進撃の名無し:2014/09/07(日) 11:08:33 ID:skZJD6Kg0
アルミン「それにアニは好みの女の子じゃないし……それはアニも同じだと思うよ」

と、コニーの傍についているアニを横目に言うアルミンだった。

ミカサ「アルミンはクリスタの事をまだ諦めてないの?」

アルミン「うぐ………! そこに触れられるとは思わなかったな」

ミカサ「クリスタの事は諦めた方がいいと思う。その………」

アルミン「いや、その件については僕も薄々察しているので言わなくてもいいよ。ミカサ」

ミカサ「そう……」

アルミン「うん。見ていれば分かるよ。今もほら、ユミルと一緒にニコニコしているじゃないか」

ユミル達も清水寺に当然、来ている。

傍目には女子同士のじゃれあいに見えるだろうけど。

手の繋ぎ方が「恋人同士のアレ」だから、見る人が見れば分かると思う。

アルミン「僕のクリスタへの思いは、淡い恋だったのかな」

エレン「ん?」

アルミン「いや、残念な思いは当然あるんだけど。ジャンがミカサにフラれた時のようなしんどさはなかったんだ。諦めがつくっていうか……その程度の物だったのかなって、自分ではそう思っているよ」

エレン「そうか」

アルミン「うん。楽しかったけどね。だからクリスタの件はもういいんだ。それより今は新しい恋を探してみたいよ」

エレン「そっか」

そういう意味なら今はそっとしておこう。

コニーは恋愛祈願のお守りをアニと一緒に買っていた。

コニーは「新しい彼女が出来ますように!」と叫んでいる。

アニ「そうだよ。その意気だよ。コニー。あんたいい男なんだからすぐ新しい彼女出来るって」

コニー「おう! 今度こそ、彼女をもっと大事にするぜ!」

と言い合っている。

少しずつだけどコニーの表情に明るさが見えて来た気がする。

時間が解決するのを待つしかねえもんな。多分、こういうのは。

小学館高校男子1「講談高校の生徒だよね? ちょっといいかな?」

エレン「?!」

と、其の時、見覚えのある声が遠くから聞こえた。

クリスタをナンパしている男がいる。小学館高校の例のあいつだ。

ユミル「ああ?! ナンパならよそでやりな! クリスタはあんた程度の男が声をかけていい女じゃねえんだけど?!」

小学館高校男子1「いやいや、声かけているのは金髪の子じゃないよ。あんたの方だよ? 君、可愛いね。オレ、君みたいに気強そうなのがタイプなんだけど?」

ユミル「はあ?! 何寝言言ってるんだ?! 馬鹿じゃねえの?!」

小学館高校男子1「全然、本気。ねえ、今日はそっちも自由行動なんだろ? ちょっと抜け出して……」

その様子を見ていたクリスタが間に入った。

クリスタ「他校の女子をナンパするなんて最低。やめて下さい!」

小学館高校男子1「ああ? あんたみたいにガキ臭いのは好みじゃねえよ。やっぱりこう、すらっとした大人の女っぽい女の方が色気があっていいよな」

と、ユミルの髪を勝手に触ろうとしたから、クリスタがキレた。

金蹴りかまそうと膝蹴りをしようとしたけど、華麗にかわして「おっと」と逃げた。

小学館高校男子1「メルアドと番号だけでも渡しておくよ。じゃ、また後で」

と言ってその男は無理やりユミルに紙切れを渡して去って行った。

ユミルが鳥肌立っているようだ。その様子を見ていたオレ達は「大丈夫か?」と声をかけた。

ユミル「大丈夫じゃねえよ!!! なんなんだあいつ!!! 気持ち悪い!!!」

コニー「………………」

コニーの目の色がまずい。今の現場はコニーも目撃していた。

923進撃の名無し:2014/09/07(日) 12:35:57 ID:skZJD6Kg0
コニー「あいつ、ヒロの今の彼氏だよな。なんでヒロをほっぽいてナンパなんかしてやがるんだ……?」

ユミル「え? どういう事だ? コニー」

コニー「あいつ、オレの元彼女の今の彼氏なんだよ。何でユミルなんかに声かけて……」

クリスタ「ちょっと、コニー。ユミルなんかに、っていうのは失礼だよね」

コニー「だって、ユミルはブスだろ。あいつ、ブス専だったのか?」

と、言うとユミルがコニーにげんこつをかました。

コニー「いってー!?」

ユミル「私はブスな方だという自覚はあるが、お前に言われるとムカつく」

クリスタ「ユミルはブスじゃないよ! 美人だよ! 現に今、ナンパされたじゃない!!」

ユミル「いや、私もまさか人生初のナンパが、コニーの元彼女の今の彼氏からくらうとは思わなかったが……何か妙だな。一体、どういう事なんだ?」

コニー「オレにも良く分からねえよ。もしかして、ヒロは悪い男に引っかかっただけなのかな……」

しまったな。コニーには奴を近づけたくなかったのに。

まさか向こうから接触してくるとは思わなかった。どうするべきかな。これは。

事情を大体知っているオレ達の班は目線だけで会話した。

アルミンが左右に首を振った。知られてしまった以上は隠せないと判断した様だ。

アルミン「コニー。落ち着いて聞いて欲しい」

と、アルミンが代表してコニーに事情を話した。

アルミン「ヒッチに協力して調べて貰ったんだけど……コニーの元彼女さんの今の彼氏さんは、あまり評判のいい男じゃないみたいだよ」

コニー「そ、そうなのか?」

コニーがヒッチの方を向いて問い合わせる。するとヒッチが頷いて答えた。

ヒッチ「まあね。割とイケメンだし? あと結構ナンパな男で、今みたいに「大人っぽい女」が好みで良く自分から声かけるような男らしいよ」

コニー「待ってくれ。だとしたら、ヒロは真逆じゃねえか。あいつ、オレと身長も変わらないし、顔だって童顔で……」

ヒッチ「まあ、その通りだね。つまり「好み」だから手出した訳じゃないって事だよ」

コニー「…………」

ヒッチ「コニー。私の個人的な意見になるけどさ。寄りを戻したい気持ちがまだあるなら、私はイケると思うよ」

コニー「!」

ヒッチ「まあ1回裏切った女を許容出来るか否かはコニー次第だけどね」

コニー「ヒロは悪い男に引っかかっただけの可能性があるのか」

ヒッチ「そうだね。見てたでしょ? あいつ、碌な男じゃないよ。私が言うのもアレだけど」

コニー「…………………」

コニーは複雑そうに両目を伏せた。

924進撃の名無し:2014/09/07(日) 12:47:42 ID:skZJD6Kg0
コニー「でも、ヒロ自身の気持ちがもう、オレにはないんだぜ? 寄り戻すっつっても、どうやって……」

ミカサ「元彼女さんの目を覚まさせた方がいいと思う」

其の時、怒りに燃えたミカサが一歩前に出た。

ミカサ「ユミル。ユミルを餌にして、浮気現場を元彼女さんに目撃させたらどうだろうか?」

ユミル「ははーん。一芝居打つわけだな? なるほど」

クリスタ「だ、ダメだよ!! それでもしもの事が合ったらユミルが危険だよ!!!」

ユミル「私は別に一芝居をうっても構わんが……コニー次第だな。どうする?」

コニーは迷っているようだ。

真実を元彼女さんに伝えるべきなのか否か。

もしかしたら今も、元彼女さんは今の彼氏さんを信じ切っている可能性もある。

今が「幸せ」なのだとしたら、それをぶち壊していいのか。迷っているようだ。

コニー「やめておくよ。もうあいつとは関わらない方がいいと思う。あいつが悪い男に騙されているんだとしても、オレが口出す事じゃねえし」

ジャン「そうだな。オレもその方がいいと思う。というか、元彼女側にも自業自得の部分もあるしな」

ミカサ「でも……!」

ジャン「ミカサ。コニーがその気ねえんなら、オレ達は口出せねえよ」

ミカサ「ううう……」

アニ「後ろから殴りつけたい気分だけど」

ミカサ「同じく。タワーブリッジをかけてやりたい気分だけど」

ミカサまで筋肉マンの技を言うようになっちまったな。

気持ちは分からんでもないけどな。でも、コニーがそう言う以上、オレ達は何も出来ない。

サシャ「……………」

サシャは何も言えないようだった。複雑な顔で黙り込んでいる。

ライナー「ふむ。何だかややこしい事態になっているようだな」

ベルトルト「コニー、大丈夫?」

マルロ「面倒臭い事には関わらない方がいいぞ」

ダズ「うーん……」

と、ライナー達も反応に困っているようだ。

925進撃の名無し:2014/09/07(日) 13:37:33 ID:skZJD6Kg0
コニー「ああ。皆、空気悪くしてすまねえ。もうオレの事は放っておいていいからさ。もう考えないようにするし。いいんだ」

と、言ってコニーは無理やり自分の顔に笑顔を貼りつけたのだった。

そして午後からはライナー達の班とは分かれて、オレ達は二条城の方へ移動して、お昼は駅周辺で外食をした。

お土産も一緒についでに買った。ロッカーに預けて、次は映画村に移動したんだけど。

映画村でライナー達と合流したのはいいんだけど。

ちょっと油断した隙に、オレ達はコニーの姿を見失ってしまったんだ。

エレン「しまった! コニーは何処だ?!」

ジャン「え? あれ……あああああ?! あいつ、どこ行った?!」

サシャ「さ、さっきまで一緒に居たのに……?!」

ミカサ「衣装チェンジしている間に、何処かへ行ってしまったのだろうか?」

そうなんだ。団体で衣装チェンジしている待ち時間にコニーの姿が消えたんだ。

どうしよう。あいつを今、1人にしたらやばい気がする。携帯で連絡を入れてもコニーが出ない。

サシャ「もしかして、元彼女さんと連絡とったんじゃないんですかね」

ユミル「え?」

サシャ「コニーの性格を考えたら、無関係のユミルを巻き込みたくなかったのでは?」

アルミン「だったら、1人で話をつけに行ったって事?」

サシャ「あり得ますよ! 元彼女さんに信じて貰えるか分かりませんが、コニーならきっとそうします!」

ジャン「なんてこった…………修羅場が勃発するに決まっているのに」

エレン「急いでコニーを探すぞ! 絶対、あいつに間違いを犯させるな!」

オレ達全員、ライナーの班にも協力して貰って、映画村の中を走り回った。

オレは忍者の恰好をしていたから走り易くて助かった。ミカサもオレと御揃いの格好になったから、走り易くて助かった。

困ったのはサシャとかアニとかクリスタだった。町娘の恰好だったり、お姫様の恰好になっていたから、移動が大変だったんだ。

それでもオレ達はコニーを探しまくった。今のあいつを独りにしちゃいけねえ!!!

そして野生の嗅覚をもつサシャが一番早くコニーの姿を見つけた。

コニーは案の定、元彼女と今の彼氏と、3人で対峙して話し合っていたようだった。

コニーが叫んでいる。目の色が変わった。やばい。まずい!!!!

コニーが今の彼氏を殴りかかろうとした瞬間、サシャがコニーの足にスライディングをかまして、ジャンが上から覆い被さった。

オレとミカサも遅れてコニーに突撃して、ユミルやクリスタ、ライナー、ベルトルトも一斉にコニーの暴挙を止めた。

サシャ「早まったらダメです!!! コニー!!! 甲子園に出られなくなってもいいんですか?!」

コニー「!」

ジャン「そうだぞコニー! ここで暴力事件を起こしてみろ! 予選大会の出場の権利も剥奪されるだろ!! 不祥事は厳禁なんだからな!!!」

サシャとジャンの叫びがコニーの心に届いたのか、コニーは力を無くして項垂れた。

ヒロ「人の男を殴ろうとするなんて最低………もう連絡しないでって言ったのに」

エレン「!」

騙されているんだとしても、今の発言は許せなかった。

コニーがどれだけ心配しているのか、人の気もしらねえで…。

相手の男は困惑しているようだった。事態を把握出来ずに、そしてユミルと目が合って「げっ」って顔をしていた。

そこでユミルが言ったんだ。すげえ人の悪い笑みを浮かべて。

ユミル「あれれ〜? そこに居るのはさっき私にナンパしてきた男じゃないですか? 人にメルアドと電話番号を渡してきた癖に、彼女いたんだ〜? 最低な男だねえ♪」

ヒロ「え………?」

ユミル「証拠ならここにあるぜ〜? ほら? この紙切れのアドレス、あんたの番号で間違いないんだろ〜?」

と言ってわざと元彼女さんの方に確認をするユミルだった。

ヒロ「ど、どういう事なの………?」

小学館高校男子1「いや、その………それは、その……」

ヒロ「私の事、騙していたの?!」

小学館高校男子1「…………すまん。頼まれていたんだよ。ヒロに手出してくれって」

ヒロ「はあ?! 何それ?! 意味分かんない! 一体誰が……!」

ヒッチ「小学館高校の野球部員だね? 捕手の男でしょ?」

と、其の時、ヒッチがズバリ言った。

926進撃の名無し:2014/09/07(日) 13:56:24 ID:skZJD6Kg0
ヒッチ「去年の県大会決勝で、コニーが盗塁決めた時に捕手をやっていた男が犯人だよね? こっちはもう裏取ってるし。白を切っても無駄だよ? ふふん♪」

ヒッチが絶好調で脅している。こういう事にかけてはヒッチは一級品の腕を持っているようだ。

小学館高校男子1「ちっ………バレていたのか」

ヒロ「そんな……」

小学館高校男子1「そうだよ! オレは野球部員のそいつとダチだから、頼まれてコニーの彼女に手出したんだよ。逆恨みにも程があるとは思ったけどな。コニーさえ潰せば、次の大会ではきっと勝てるってあいつ、言い出して。もしコニーを精神的に潰すのに成功したら金出してやるって言ってきたから、つい……」

ヒロ「…………」

元彼女さんが顔面蒼白になっている。無理もねえけど。

コニーの目の中の「怒り」はまだ消えていなかった。当然だ。

オレだって本当はこの「クソ野郎」を殴ってやりたかった。

でもそんな事をしたらオレ達も「演劇部」に迷惑がかかるからな。

寸前で怒りを噛み殺した。全員、背負う物があるから。下手な真似は出来なかったんだ。

小学館高校男子1「バレちまったならもうしょうがねえか。ヒロ。もう別れようぜ」

ヒロ「え………」

小学館高校男子1「オレ、別にお前の事が好きで手出した訳じゃねえんだよ。というか、オレの好みの女じゃねえし。そっちの背の高い女の方が断然いいし」

ユミル「こっちからお断りだ。死ね。クソ野郎」

小学館高校男子1「やべえ。そういうの遠慮なく言える女、オレ、本当に好きなんだよね」

ユミル「変態かよ。近づくな。気色悪い」

小学館高校男子1「まあまあ、そう言わず」

クリスタがキレていた。それを後ろからダズが引き留めている。

誰かあいつを殴ってくれ。本当に。一発だけでイイから!!

そう考えていたら、サシャがゆらりと立ち上がって、その男の方へ近づいて、一発はり倒したんだ。

それはもう凄い破裂音だった。往復ビンタが炸裂して、男は地面に座り込む。

サシャ「ぬしゃなんばいよっとか………」

小学館高校男子1「は?」

サシャ「ふざくっともたいがいにせえよ!!!! あたは人の心ばなんとおもっとっとか!!!!」

な、何を言っているんだ? サシャ?

方言かな? 九州弁を更に崩した言い方で叫んでいるようだ。

サシャ「こぎゃん男は、ハンジ先生じゃなかばってん、手術した方がよか!!! 引っこ抜いて反省させないかん!!」

ジャン「サシャ!!! おさえろ!!! やり過ぎると退学になるぞ!!!」

サシャ「くやしかあああああ!!!!」

サシャを後ろから羽交い絞めして、暴れるサシャを必死に抑えるジャンだった。

その騒動に気づいて映画村のスタッフの人達が集まって来た。

流石にそこで男の方も反省して「すんません」と一応、形だけで謝った。

小学館高校男子1「いやいや、大丈夫ですよ。大した事ないんで。気にしないで下さい」

と、今起きた事件については不問にするようだ。

小学館高校男子1「女にぶたれるのは別に構わんよ。いい女なら猶更な。ま、男に殴られたらやり返すけど。今日のところは退散するし、もうヒロには手出さないし。これきりって事で」

ユミル「地獄に落ちて死ね」

小学館高校男子1「まあ、そう言わずに。じゃあオレはこの辺で」

と言ってその最低最悪の男は去って行った。

取り残された元彼女さんは呆然自失の状態で座り込んでいた。

927進撃の名無し:2014/09/07(日) 14:29:06 ID:skZJD6Kg0
誰も声をかけられない。コニーがようやく立ち上がって、元彼女さんに手を差し伸べた。

コニー「ヒロ………大丈夫か?」

ヒロ「ご、ごめんなさい……私、酷い事を………」

コニー「騙されたんだろ。だったらしょうがねえよ」

ヒロ「あの、コニー……私……その……」

コニー「…………ごめん」

でもその時、コニーは言ったんだ。

コニー「寄りを戻したい気持ちはあったけどさ。もう無理だ。オレ達も別れよう」

ヒロ「…………………」

コニー「っていうか、今回の件でオレ、痛感した。甲子園行きたいような男が彼女を作っちゃダメだって」

ヒロ「でも、今回の事は……私が悪いんだし」

コニー「彼女にかける時間も全て練習に費やすよ。オレ、本気でプロ野球選手になりてえんだ。だからもう、こういう「恋愛事」とかで頭悩ませたりしちゃいけねえって思った」

ヒロ「……………」

コニー「ヒロはヒロで新しい男、見つけろ。今度はちゃんと騙されないように気をつけろよ」

そう優しく諭してコニーは元彼女さんと今度こそ、本当の別れを果たしたのだった。

ヒッチ「………いいんだ? コニー。寄り戻せたんじゃないの?」

コニー「かもな。でもいいよ。今はそれより小学館高校との因縁を解決させる方が先だ」

コニーの目は本気だった。

コニー「今年も絶対、連覇してやる。見てろよ。甲子園出場を決めて今年こそ優勝してやるかな」

と、決意を新たにしたようだ。そして、コニーはサシャの方を見て言った。

コニー「サシャ。オレの代わりに怒ってくれてありがとう。すげえスッとした。でももう2度とああいう事、するなよ。もしサシャが退学になったら、オレ、罪悪感で死にそうになるからな」

サシャ「退学したって良いですよ。私は別に部活動に入っている訳でもないですし。誰にも迷惑はかけませんから」

ジャン「だとしても、コニーの言う通りだろ。相手の男が女に甘い奴だったから良かったものの……」

と、ジャンも宥めている。

コニー「そうだよ。サシャがいなくなったら、オレ、寂しいしな」

サシャ「う………」

そうきっぱり言われてようやく反省するサシャだった。

そして何とかひと騒動に決着がついて、皆が安心した其の時………。

コニーが意外な事を言ったんだ。

928進撃の名無し:2014/09/07(日) 14:30:44 ID:skZJD6Kg0
コニー「ジャン……サシャを止めてくれてありがとうな」

ジャン「あ、ああ……まあ、あの場面じゃ止めるのが普通だろ」

コニー「そうだけどな。でも、皆にも助けられた。本当に感謝するぜ」

ジャン「その恩は甲子園に行く事で返せよ。オレ、期待しているからな」

コニー「ああ。分かってる。…………ジャン」

ジャン「ん?」

コニー「オレ、サシャの事、好きかもしんねえ」

ジャン「!?」

彼女を作らない宣言をしたばっかりなのに。えええええ?!

その様子をこっそり見守っていたオレとミカサとアルミンとアニが仰天していた。

ジャン「…………」

コニー「でも、今回の事があったから、別に告白するとかそういうのは考えてねえけど」

ジャン「けど……何だよ?」

コニー「もし、高校卒業しても、サシャがフリーのままだったら……その時は告白する」

ジャン「!」

コニー「ジャン、お前もサシャの事、好きなんだろ? だったら今のうちに先に告白しろよ。オレは野球の事を優先するからさ」

ジャン「えっと……その……」

コニー「ジャンがヘタレのまんまだったら、オレ、本気でサシャにアプローチするからな。じゃ、そういう事で」

と言ってコニーはジャンの傍から離れて行った。

でもジャンは立ち尽くして何も言えないようだった。

アルミン「トライアングラー勃発だね。ジャン」

アニ「もう、猶予は残されてないよ? つまりジャンがいかないなら、コニーが行くって事だよね?」

エレン「宣言されちまったな。オレの時よりコニーの方が男気あっていいじゃねえか」

ミカサ「コニーは男らしい。確かに。ジャン、どうするの?」

と、皆で囲んでやると、ジャンは真っ赤になった。

ジャン「ど、どうするって言われても………」

アニ「修学旅行中に告白した方が良くない? この際だし」

アルミン「言えてる。グズグズしている場合じゃないような気がするなあ?」

ニヤニヤニヤニヤ。四人で一斉にニヤニヤすると、ジャンは顔を隠して逃げ出した。

エレン「あ……逃げちまった。またヘタレだなあ」

ミカサ「そろそろ年貢の納め時だと思うのに」

アルミン「だねえ。どうなるんだろうねえ?」

アニ「ククク………」

サシャは今、ユミルとクリスタの方に混ざって甘味所で御団子を食べて休憩している。

そのサシャの方を見ると「?」という顔をしていたのだった。

929進撃の名無し:2014/09/07(日) 15:06:16 ID:skZJD6Kg0







そんな訳で映画村で皆で楽しく写真撮影をしたり遊んだりしたらあっという間に2日目の日程が終わり、3日目に突入した。

3日目は殆ど移動日なので特にする事もない。京都の旅館をチェックアウトした後はバスに乗って高速を使って長野へ移動する。

昼飯はバスの中で弁当を食べる。サシャはお土産を待ちきれなくて先に開けて自分で食べたりしていた。

予定では夕方の5時ごろに長野のホテルに到着する予定だ。

長野では部屋の取り方がツインなので、男子は2人組を組んで宿泊する。

オレは当然、アルミンとペアを組んだ。ミカサはアニと組んでいる。

ジャンはマルコと、ライナーはベルトルトと、コニーはフランツと組んでいた。

そして意外だったのがサシャだ。サシャはなんとヒッチとペアを組んでいたのだ。

ユミルはクリスタと組んだからサシャが余るのは仕方がないが、それにしても異色のコンビのような気がする。

ペアが余った奴はシングルの部屋で寝泊まりするというちょっと寂しい状態だが仕方がない。

ただ、このツインの宿泊には「穴」がある。

そう。ペアをこっそり入れ換えれば男女での宿泊も可能という点だ。

キース先生の点呼の後にこっそり入れ替わってしまえばバレない筈なので、皆、それ画策しているらしいが。

ミカサも当然、その事を打診してきたので、オレ達はホテルに到着してからアルミンとアニに相談した。

アルミン「あーつまり、僕とミカサが入れ替わって実際は泊まる訳だね?」

ミカサ「お願いしたい。アルミン。アニ。2人にしか頼めない」

アニ「いや、まあ別にいいけど………アルミンはいいの?」

アルミン「まあ僕も別にいいよ? うん。エレンとミカサの仲は既に知っているし、こういう場合は当然一緒に居たいだろうし」

アニ「そう………」

アニがちょっとだけ照れていた。ふふふ。

という訳でホテルの「部屋交換作戦」は、段取りをつけておいた。

ミカサは自分の事だけでなく、アニの反応を見てニヤニヤしている。

ミカサ「やっぱりあの反応、怪しい」

エレン「オレも思った。アニの奴、満更じゃねえのかもしれねえな?」

ミカサ「2人には悪いけど。私は私でイチャイチャしたいので一石二鳥」

エレン「だよな」

と、2人でこそこそニヤニヤして夕食へ向かう。

ホテルの食事だ。京都の時とはまた違った食事の内容だった。

京都は和風中心だったけど。長野は洋食中心だった。

930進撃の名無し:2014/09/07(日) 15:31:07 ID:skZJD6Kg0
夕食を食ったら部屋に戻って8時からの入浴を済ませる。

風呂上がりのミカサと遭遇してオレの心臓は急に高鳴りが激しくなった。

おっと。まだ一緒は居られないんだった。消灯時間が過ぎてからだったな。

アルミンと部屋に戻る。部屋の番号は501号室だった。

501〜510号室までが男子が使用して、511〜517号室までが女子の部屋だ。

ミカサとアニは511号室だ。間違えないようにしないとな。

アルミン「ええっと……今回、入れ替わり作戦を執行するペアは結構いるみたいだね」

エレン「だろうなあ」

アルミン「頭の中を整理しておいた方がいいかもしれないね。ちょっとメモしておこうか」

と言ってアルミンはノートを取り出した。

アルミン「まずは現在の皆の大体の部屋割りを書きだすよ」

【男子の部屋割り】

501号室…エレン・アルミン

502号室…ジャン・マルコ

503号室…ライナー・ベルトルト

504号室…コニー・フランツ

505号室…サムエル・ナック

506号室…ミリウス・トーマス

507号室…マルロ・ダズ

【女子の部屋割り】

511号室…ミカサ・アニ

512号室…ユミル・クリスタ

513号室…サシャ・ヒッチ

514号室…ミーナ・ハンナ


アルミン「でも実際はこうなる予定らしいんだよね」

と言ってアルミンは修正を加えたバージョンの部屋割りを書き込んだ。

【男子の部屋割り】

501号室…エレン・ミカサ

502号室…マルコ・ミーナ

503号室…ライナー・ベルトルト

504号室…フランツ・ハンナ

505号室…サムエル・ナック

506号室…ミリウス・トーマス

507号室…マルロ・ダズ

【女子の部屋割り】

511号室…アルミン・アニ

512号室…ユミル・クリスタ

513号室…サシャ・ヒッチ

514号室…ジャン・コニー


アルミン「こうやってみると、うちのクラスは随分性に乱れているようにも思えるね」

エレン「それは言うなよ。いや、うちのクラスはカップルが多いとは思うが」

アルミン「しかもジャンとコニーの隣の部屋にサシャとヒッチがいるからね。もしかしたらヒッチがコニーと入れ替わって仕掛けるかもしれないし?」

エレン「もしそうなったらジャンの童貞がやばいんじゃねえか?」

アルミン「奪われそうで怖いねー。まあその辺は流石に交替はしないとは思うけど」

エレン「だといいけどな」

と、一抹の不安を感じながら話していると……

931進撃の名無し:2014/09/07(日) 16:07:58 ID:skZJD6Kg0
ジャンがオレ達の部屋に逃げ込んできた。何だ?

ジャン「ぜーはーぜーはー」

息切らしてやがるな。何だ? 何だ?

ジャン「すまん。少しここで匿ってくれ」

アルミン「誰から?」

ジャン「ヒッチだよ!! あいつ、本気でオレを襲ってこようとしてきやがったから逃げて来た!!!」

アルミン「あちゃー遂にロックオンが本格的になって来たんだ?」

ジャン「何度言っても「無理だ!!!」って断っているんだけどな! 「お願いだから一発やらせて♪」って、男の台詞じゃねえか! あいつ、頭おかしいんじゃねえか?!」

ジャンが真っ赤になって胸を上下させている。

エレン「でも満更でもないんだろ? ヒッチの事は嫌いじゃねえんだろ?」

ジャン「そりゃ、嫌いかと言われれば嘘になるが……だからと言ってエッチが出来る相手じゃねえよ! オレ、流石にそこまで最低な男にはなりたくねえよ」

と、相変わらず女運の悪い(?)ジャンが困惑していたようだった。

エレン「ううーん。でもお前、今夜は514号室で寝る予定なんだろ? ヒッチの部屋の隣だぞ」

ジャン「あ………そう言えばそうだったな。まずいな。それ……」

と、今頃になって現実を見つめたジャンだった。

ジャン「あーどうすっかな。今更マルコに「やっぱり無理」とは言えねえし。すまん。アルミン、知恵を貸してくれ」

アルミン「ううーん。エレンとミカサと総とっかえするとか?」

エレン「ん? だったらオレ達が514号室で寝るのか?」

アルミン「ジャンとコニーが501号室で寝たら流石にヒッチも気づかないんじゃない?」

ジャン「エレン、頼んでもいいか?」

エレン「まあ、別にいいけど。その場合はコニーの了承も必要じゃねえか?」

ジャン「分かった。コニーに確認してみる。電話してみるわ」

という訳でその場で話をつけると、コニーはすぐ「OK」を出してくれたそうだ。

ジャン「OKだって。エレン。すまねえが、総とっかえ頼むわ」

エレン「分かった。オレとミカサは514号室に今夜泊まる事にする」

という訳でミカサにも連絡を入れて入れ換えの段取りを決め直した。


【男子の部屋割り】

501号室…ジャン・コニー

502号室…マルコ・ミーナ

503号室…ライナー・ベルトルト

504号室…フランツ・ハンナ

505号室…サムエル・ナック

506号室…ミリウス・トーマス

507号室…マルロ・ダズ

【女子の部屋割り】

511号室…アルミン・アニ

512号室…ユミル・クリスタ

513号室…サシャ・ヒッチ

514号室…エレン・ミカサ


ややこしいけどつまりこれが実際の部屋割りだな。

バレないように気をつけないといけないな。キース先生が見回りに来た「後」に交換しねえといけない。

ジャン「じゃあそういう事でいいか? オレはギリギリまでここに居て、キース先生の点検が終わり次第、こっちの部屋に戻ればいいよな」

アルミン「そうなるね。ちょっと忙しくなるけど、僕達も部屋の交換をするつもりだし」

そんなこんなでいろいろ打ち合わせして、ジャンには1回部屋に戻って貰った。

そしてキース先生の「点検」が終わり、消灯時間が訪れた直後、オレ達は行動を起こした。

時間差で移動する。2人一気に移動すると怪しまれるからだ。

932進撃の名無し:2014/09/07(日) 16:30:14 ID:skZJD6Kg0
部屋の交換が済んだ後は内側から鍵をかける。

やっと2人きりの時間だ。ミカサとのラブラブな時間が過ごせる。

今日は「危険日」だから挿入はやっちゃいけないけど。

ゴムつけてやればいいんじゃねえかって意見もあるだろうけど。

ゴムも100%避妊出来る訳じゃねえからな。そういう時期は流石に避けるべきだろう。

だからオレはミカサと一緒に布団の中でじっくりイチャイチャを堪能しようと思っていたんだが……。

ミカサとベッドインしていた最中、ドアをドンドン叩く音が聞こえた。うるせえ!

仕方がないから開けてやると、外に居たのはヒッチだった。

ヒッチ「あれ? 何でこっちの部屋にエレンがいるの? もしかしてミカサもいる?」

エレン「すまねえけど、部屋をシャッフルさせて貰った。あいつが今、何処の部屋で寝ているかは言えねえな」

ヒッチ「ええええ……マジでか。逃げられたかー」

ミカサ「ヒッチ。ジャンはヒッチとはそういう関係にはなりたくないそうだから、無理強いはしてはいけない」

ヒッチ「ん〜そうなんだろうけどね。私もまだ諦めがつかないんだよねー」

と、ヒッチがちょっと色っぽい顔になって言った。

ヒッチ「多分、私、ジャンが好きだと思うんだよね。ワクワクするっていうのかな? ジャンを追いかけるの、だんだん楽しくなっちゃって。2番目でもいいからさ。付き合ってくれないかなって、思い始めている自分がいるんだよね」

エレン「そうだとしても、その戦法で迫るのは逆効果じゃねえか?」

ヒッチ「あはは……そっかーやっぱりそうみたいだね。分かった。今夜は諦めて引くとするか。お2人も頑張ってね♪」

と言ってヒッチが去って行った。やれやれ…。

これで諦めてくれるならいいんだが。そう思いながらミカサとベッドインし直すと……

携帯電話が鳴った。誰だよ?! 今度は誰が邪魔してきた?!

電話の相手はジャンだった。あいつ、文句言い出してきた。

ジャン『ヒッチに部屋がバレたぞ!! 何で部屋から出た! 顔出したらバレるに決まってるだろうが!』

エレン「あードアをずっとドンドン叩いてきたからしょうがねえだろ。うるさいとキース先生が点検に来ると思ったし」

ジャン『そうかよ……あああ待てヒッチ! こら! ああ……離れろ馬鹿!!!』

プープープー

携帯が切れた。何か向こうは向こうで騒がしそうだな。

ジャンの童貞が今夜、あぶねえかもしれないが、知らん。

自業自得だしな。ヒッチを「無意識」に堕としたジャンが悪い。

オレ達は出来る限りの事はしてやったんだし。部屋の交換がバレたんだったらもう諦めた方がいいかもな。

そんな感じでジャンの事は放置してミカサとキスしようとしたら……

933進撃の名無し:2014/09/07(日) 16:47:13 ID:skZJD6Kg0
今度はミカサの携帯が鳴った。イライラしながら電話に出る。

ミカサ「はい……サシャ?」

サシャから電話がかかってきたそうだ。どういう事だ?

ミカサ「えええ……分かった。ちょっと待って」

ミカサは一度口を離すと、

ミカサ「コニーがサシャの部屋に来ているそう。流石に男女一緒に寝泊まりするのはアレだから、私と一緒に寝て欲しいと言ってきている」

エレン「ええええええ……」

なんじゃそりゃああ? えー何でそうなるんだよ?!

ミカサ「どうしよう? もし一緒の部屋で一晩を過ごしたら間違いが起きないとも限らない」

エレン「ううーん。待ってくれ。ちょっと頭を整理する」

この場合、今、501号室にジャンとヒッチがいて、513号室にサシャとコニーがいるんだよな?

シャッフルし過ぎて頭が混乱しそうになる。とりあえずどうするべきかな。

ミカサ「サシャと一緒に居てあげるべきだろうか……?」

エレン「ううーん。サシャはコニーとは流石に一緒の部屋では寝られないんだよな」

ミカサ「みたい。コニーも寝る場所が無くなって困っているそう」

エレン「だよなあ。あ……そうだ」

確か、女子は1人余っている子がいたような。女子は15人だから奇数だ。

だからその子と交渉して、オレとミカサがシングルで寝ればいいんだ。

エレン「1人余ってる女子いたよな。その子の部屋とオレ達を交換したらいいんじゃねえか?」

ミカサ「つまり、その女子とサシャが同じ部屋で寝るの? それは難しいと思う」

エレン「ダメかな?」

ミカサ「普段、あまり関わりのない子と一緒に寝るのは流石にちょっと……」

エレン「そうか」

ミカサ「サシャが人見知りしない性格ならともかく。ああ見えてサシャは人に慣れるのに時間がかかる方だから無理だと思う」

エレン「あーじゃあもう、しょうがねえか。ミカサとサシャで同じ部屋で寝るしかねえか」

ミカサ「みたいね。ここは折れるしかないかもしれない」

エレン「しょうがねえな。コニーをこっちに呼ぶか」

という訳で何でか良く分からんが成り行きでオレはコニーと同室になる事になっちまった。

コニー「悪い……なんかヒッチがジャンのところに押しかけて来たからさー流石に空気読んだ方がいいかなって」

エレン「ジャンはサシャの事が好きなんだけどな」

コニー「それも知っているけど……とりあえず放置してきた。オレ、関係ねえし?」

エレン「まあ、そらそうだけど」

やれやれ。ミカサとのラブラブな時間をお預けされちまったな。

コニー「悪いな。ミカサとの時間を邪魔しちまって」

エレン「まあ、もう諦める。サシャも流石にコニーと同室は無理だって言ったんだろ?」

コニー「いやーまあ、そうだな。うん。いくら友達同士でもそこは線引きしねえとな」

と、コニーは照れている。

934進撃の名無し:2014/09/08(月) 01:37:05 ID:SCUi3c.60
そんな訳で、その日はとんだ騒動に巻き込まれて部屋をシャッフルしまくった。

翌日の朝。部屋から出ると、ジャンが何故か513号室から出て来た。

サシャに怒られている。アレ? あいつ、501号室でヒッチと寝たんじゃなかったのか?

ジャン「誤解だサシャ!! オレも何でこっちで寝ているのか分かんねえんだよ!」

サシャ「ミカサは何処ですか?! ミカサは一体どこに……」

ジャン「知らねえよ! ミカサと一緒に寝たのか?!」

と廊下でわいわいやっている。

ミカサがヒッチと一緒にこっちにやってきた。

ヒッチ「おはよー。ジャン。サプライズ、びっくりした?」

ジャン「は?」

ミカサ「御免なさい。実はあの後、ジャンと私はこっそり、ジャンが寝ている隙にジャンをヒッチと一緒に部屋に運んで、部屋を交替した……ので」

ええええマジか? もしかして打ち合わせしていたのかな?

何というからくりだ。びっくりだぜ。

サシャ「酷いですよおおお! ミカサ、騙しましたね?!」

ミカサ「御免なさい。荒療治をした方がいいかと思って」

ヒッチ「うふふふ………既成事実は作れた?」

ジャン「んな訳ねえだろ! 今の今まで爆睡しただけだ!! 起きたら隣のベッドにサシャいるし、心臓止まるかと思ったぞ!」

ヒッチ「やばいwwwwジャンの顔が面白すぎるwwww」

ジャン「ドッキリ仕掛けるのも相手を選べよ!!! 冗談にしては笑えないだろうが!!!」

と、真っ赤になって反論している。

エレン「あーミカサ。その打ち合わせはいつの時点でかわしたんだ?」

ミカサ「私がサシャの部屋に移動した後、ヒッチからこっそりメールが来た。ジャンを眠らせたから、協力してくれって」

エレン「じゃあ最初から狙っていた訳じゃねえんだな?」

ミカサ「私も後から協力しただけ。本当ならエレンと一緒に一晩過ごしたかったけど。そういう話なら協力しようと思った」

エレン「やれやれ……」

ヒッチの策略にまんまと乗せられた訳だな。オレ達も。

ヒッチ「ふふふ〜ジャン〜? 今回だけのサービスだよ♪ 2度目はないからね?」

ジャン「は?」

ヒッチ「いつまでも逃げられると思ったら大間違いだよ? 私が本気出したら、ジャンの童貞なんてさくっと奪えちゃうからね? ふふふ♪」

ジャンがドン引きしていた。ヒッチが完全に野生の雌豹の顔に変わった。

その瞬間、サシャの方も目を鋭くした。細めてヒッチを見つめている。

サシャ「……………」

ヒッチ「だからこの旅行中に自分の気持ちをちゃんと整理してよね。私もいつまでも待ってる女じゃないんだから。じゃあねー」

と言ってヒッチが先に去って行った。

ジャンはサシャの方を見て、サシャは目を逸らしてしまう。

935進撃の名無し:2014/09/08(月) 01:59:11 ID:SCUi3c.60
ジャン「サシャ……あの……その……」

サシャ「言い訳なんてする必要はないですよ」

ジャン「え?」

サシャ「何でヒッチとくっつかないんですか? あれだけ愛されているのだから、ヒッチとくっついたらいいじゃないですか」

えええええ?! サシャ、何言ってるんだお前?!

ツンデレにも程があるだろ?! ミカサもびっくりしているぞ?!

ジャン「オレはヒッチの事は別に、そういうんじゃねえよ」

サシャ「でも満更じゃないんですよね? でないと一緒の部屋で過ごしたりしないですよね?」

ジャン「それはあいつが無理やりオレを追いかけてくるからだろうが!!」

サシャ「そうですか? 本当にそうですか? ジャンの方にも油断があるんじゃないんですか?」

いかん。だんだん険悪な空気になってきた。まずいぞこれ。

ジャン「オレがいつ油断したっていうんだよ!!!」

サシャ「ヒッチに洋服を買ってあげる約束をしたじゃないですか! それが油断じゃないなら何なんですか!!」

ジャン「はあ?! 何でその話がいきなり……」

サシャ「ヒッチがジャンの懐の中に入ろうとしているのは見え見えじゃないですか! 本当にその気がないんだったら、服なんか買ってあげてはダメですよ!!!」

ジャン「!」

その瞬間、ジャンの顔色が変わった。

あ……何か、やばい。これは、まずい。

キレているアレじゃないけど。その……多分、今、男のアレというか。

ええっと、なんていえばいいかな。「スイッチ」みたいなもんかな。

ジャンの顔が急に変わって、サシャの方に一歩、近づいていって。

壁ドンがきた。

少女漫画でやる定番のアレだ!!

生で目撃するのは2度目になるが、こっちのそれは、本物の「壁ドン」だ!

ジャン「サシャ……こっちを見ろ。オレの顔を見て、言えよ」

サシャ「あ…………」

ジャン「それってつまり、お前、ヒッチとオレの関係を「嫉妬」しているって受け取っていいんだよな?」

サシャ「いや……違います! そんなんじゃ、そんなんじゃありませんよ……!」

ジャン「じゃあ何で今、涙目になってんだ? サシャ……」

うわあああ!! 顔が近い! 近い!

朝っぱらから少女漫画の王道ぶっぱなすなああああ!!!

オレも少女漫画にそう詳しい訳じゃねえけど! 部室に転がっていた少女漫画に壁ドンが載っていた程度にしか知らんけど!

サシャ「あ……そ、それは……」

ミカサ「ジャン。朝なので。朝食を食べにいかないと」

そこで冷静にミカサがツッコミを入れたのでジャンも一応離れたけど。

ジャン「………………サシャ。後でな」

どうやら逃すつもりはないようだ。ジャンの目が男のそれに変わっていた。

発情しかけたジャンの恐ろしさにサシャがへたり込んだようだ。

936進撃の名無し:2014/09/08(月) 02:19:37 ID:SCUi3c.60
サシャ「うううう………」

涙目になってへたり込んだサシャにミカサが手を伸ばす。

ミカサ「サシャ……」

サシャ「何ででしょうか? 私、何でこんな風になっちゃったんでしょうか?」

ミカサ「…………」

サシャ「ミカサもこんな風になった事、あるんですか?」

ミカサ「ある。去年の夏に、私も同じようにドロドロした感情に悩まされた」

サシャ「だったら、それは相手の事を「好き」って事なんでしょうか?」

ミカサ「普通はその感情を「嫉妬」と呼ぶ。それは相手を独占したい証拠」

サシャ「じゃあ私は、やっぱり、ジャンの事が好きなんでしょうか……?」

ミカサ「私から見たら、そうとしか思えない。サシャはジャンの事が好きなんだと思う」

ミカサがそう指摘してやると、サシャはその場でわんわん泣き出してしまった。

サシャ「嫌です! 何でよりによってジャンを? あんなに女にフラフラする男、嫌ですー!」

まあ、気持ちは分からなくもない。ジャンの過去が過去なだけにな。

サシャ「ジャンと一緒に居ても楽しくはないし、むしろイライラしたり、ムカムカする事も多いんですよ?! 私の理想とかけ離れているのに、何でこんな事になったんでしょうか……?」

ミカサ「理想と違う人を好きになる事もあるのでは?」

サシャ「ミカサもそうだったんですか?」

ミカサ「うーん? 私も場合もそうだったかもしれない」

エレン「え?」

ミカサ「短気な人は苦手だと思っていた。だけど好きになった人は短気な人だった。そういう事もあると思う」

OH……そうだったのか。何だか申し訳ねえな。

ミカサ「ジャンは確かに「今」はフラフラしているけど。でもきっと、恋人が出来たら変われると思う。リヴァイ先生のように」

エレン「そうだな。オレ、ジャンはきっとリヴァイ先生と同じように一途に一人の女を愛せる男だと思うぜ」

リヴァイ先生自身、本気の恋に出会って初めてフラフラするのをやめた訳だしな。

サシャ「そんなの、分からないじゃないですか! ジャンのフラフラする癖が抜けなかったら、もし恋人になっても苦労するだけじゃないですか!」

ミカサ「その時はジャンの男性器を握り潰すか切断してやればいい」

OH……やめてくれ。ハンジ先生のアレを皆、真似するんじゃねえよ。

思わず股間を防御したくなるような心地になってしまったが、サシャは首を左右に振った。

サシャ「そんなところ、触りたくもないですー! そういう事、したくないんですー!」

ミカサ「そうなの?」

サシャ「そういうのは、恥ずかしいです! 手を繋ぐのだってドキドキするのに、そんなの……そんなの……」

うわ……サシャが真っ赤になって顔を伏せている。両手で顔を隠している。

やべえ。これは可愛い。そういう「行為」に対してそこまで恥じらいがあるんだ。

これはジャンが見たらもう、完全に「オオカミ」に覚醒するぞ。

ミカサはそこまで恥じらわない方だから余計に新鮮に感じてしまった。

937進撃の名無し:2014/09/08(月) 02:49:17 ID:SCUi3c.60
サシャ「そ、想像したら、ダメなんです。体が震えるし、自分が自分じゃないみたいで、頭が熱くなって……こんなの、私が求めている「恋愛」じゃないんです! 私が求めていたのはもっとこう「のんびり」と「ほっと」するような、ほのぼのとした幸せで良かったんです! こんなに激しい感情、嫌なんです! 私は……私は……」

ミカサがそこでサシャを正面から抱きしめてやった。

恋愛の「先輩」として、ミカサがサシャの感情を受け止めてやったんだ。

ミカサ「サシャ。それはもう、ジャンに「惚れている」段階だと思う。もう逃げられない。サシャはジャンに「捕まって」しまったのだと思う」

サシャ「ううううう…………やっぱりそうなんですかあ?」

ミカサ「認めた方がいい。ジャンと一緒にいる時間が増えたせいでそうなってしまったんだと思う」

サシャ「ですかねえ……漫画のアシスタントで一生懸命に頑張っているジャンを見ていたら、自然とそうなってしまったみたいですー……」

エレン「ああ。あいつ、頑張り屋だもんな。根は真面目だし」

勿論、目的があればの話ではあるんだが。

学校の部活の事も「内申点」が目当てだし、仕事も「金」が目当てだとは思うが。

それでも、ちゃんと「目的」がある場合、ジャンは真面目にやる。そういう男だ。

サシャ「はいー。私、バイト先でいろいろ苦労してきたんですよ。こう見えても、男関係のトラブルも多々ありました。仕事を真面目にしない男に絡まれたり。足を引っ張られたり……ジャンはそういうのが一切なくて、一緒に仕事やっていて「やりやすい」って感じてしまって……」

ミカサ「うん」

サシャ「自分の体調が多少悪くても、先生がピンチの時は必ず駆けつけるし、細かい気配りも出来るし、几帳面だし、私がミスしても「しょうがねえな」って言いながらもフォローしてくれたり……」

ミカサ「うん……」

サシャ「演劇部の部長さんの時の顔もそうでした。ジャン、意外と面倒見いいんですよね。周りをよく見ていますし、決して周りに無理はさせないし、自分じゃ「部長は向いてない」といいつつ結局はリーダーやっていますしね」

エレン「だよな」

サシャ「何で女関係だけ、フラフラするんですかああ! アレさえなければ、私だって……私だって………」

サシャがわんわん泣きじゃくった。その様子に遅れて気づいたアニとアルミンが廊下に出て来た。

アニ「な……なんでサシャが泣いているの???」

アルミン「まさか、またジャンが何かやらかして……」

エレン「いや、そういうのじゃねえよ」

ミカサ「今、サシャはやっとジャンへの気持ちを自分で認めた」

アニ「え?! そうなの?」

サシャ「もう捕獲されてしまいましたあああ………あああああ」

と、泣きじゃくってしまうサシャにアニも「よしよし」としてやった。

938進撃の名無し:2014/09/08(月) 03:16:49 ID:SCUi3c.60
アニ「そっか……もう白旗あげた訳だね。だったらジャンを堕とすしかないね」

サシャ「ううう……でも、今のジャンはヒッチにもフラフラしているんですよお?」

アニ「そんなの、サシャがちょっと本気出せば大丈夫。ヒッチなんか寄せ付けない魅力がサシャにはあるよ」

アルミン「そうだね。ジャンもサシャの事が好きなんだから。後はちゃんとお互いに確認し合えば大丈夫だよ」

サシャ「うううう………」

其の時、部屋に籠っていたコニーが顔を出した。

コニー「なんか、サシャ、泣いているのか? 大丈夫か?」

サシャ「コニー………」

コニー「泣き声が聞こえてきたから流石にちょっと気になって……大丈夫か?」

サシャ「もう大丈夫です。いや、大丈夫ではないですけど、大丈夫です」

コニー「どっちだよ? まあいいけどさ。あんまり思いつめるなよ? 皆だっているしさ。大丈夫だって」

サシャ「はい………」

そんな訳で、サシャがようやく土俵際から足を出して負けを認めたおかげで、次のステージに行けると思った。

身支度をして朝飯を食べる為に下の階に降りると、ヒッチとジャンが先に席について待っていた。

その横にはライナー達の班も居て、ジャンはライナー達の班と混ざって先に朝飯を食べていたようだった。

サシャはまだビクビクしている。ジャンとは目を合わせられずに距離を取っているようだ。

ジャンの方はじっとサシャを見ているけどな。その視線は凄く熱っぽい気がするけど。

大丈夫かな。今のあいつ。サシャに対して「ムラムラ」し過ぎてねえといいけど。

スキー研修1日目は朝食をとった後に午前9時からスタートとなった。

インストラクターの男性と女性がそれぞれコーチについてレクチャーしてくれる。

一通りの滑り方を習った後は各自で練習だ。

オレとミカサはスキーは初めての経験だったが、割とすぐ慣れて、すいすい滑る事が出来た。

特にミカサの上達は早かった。インストラクターの先生が驚くくらい上達していった。

オレの方も慣れるのは早かったけど、たまに転んだ。まあそこはご愛嬌って事で許してくれ。

エレン「うわ! ミカサどいてくれ! ぎゃあああ!」

うっかり転んでミカサの上に突っ込んでしまった。

ミカサ「んもー」

と、ミカサをクッションにしてしまった。大丈夫かな?

エレン「大丈夫か? 怪我してないか?」

ミカサ「大丈夫。それより、その……あの……」

エレン「ん?」

ミカサ「皆に、見られている……ので」

エレン「あ、悪い悪い」

リア充死ね! の視線が突き刺さっていた。自重しよう。

939進撃の名無し:2014/09/08(月) 04:14:43 ID:SCUi3c.60
コニーとかはスノボの方にも興味があるようで、そっちのレクチャーも受けてそっちで滑っていた。

スノボの方も希望者はレクチャーを受けられる。どうせだから両方習っておこうかな。

オレとミカサはスノボの方のレクチャーも受けて、そっちの練習もしてみた。

するとミカサはスキーより更に見事な滑りを見せた。

ミカサ「スノボの方が滑りやすい。楽しいかも」

エレン「そうなんだ。へー」

ミカサ「エレンはどっちが好き?」

エレン「オレもスノボの方が楽しいかもな!」

と言いながら一緒にスノボですいすい滑ってみた。やっべー楽しい!

そんな訳で午前中、3時間くらい雪の上で遊んでいたらあっという間に昼になった。

体動かしたから腹減ったぜ! ロッジに戻って昼飯を食う事にした。

ロッジの中で焼き肉を食う事にした。焼肉を見ると研修旅行での事を思い出すな。

サシャ「焼肉奉行は私に任せて貰います(キリッ)」

と、何故かサシャがやる気満々で仕切りだした。

どうやらレア、ミディアム、ウェルダン、全部の焼き方を網羅するみたいだ。

微妙な時間の秒数を体で測って次々と肉を「3つ」に分けていく。

サシャ「3種類の焼き方、全部いけますので。好きなのをどうぞ」

エレン「おおおおいいのか? サシャ」

サシャ「はい! 私は全部の焼き方が好きなので、全部マスターしました!」

ジャン「何気にすげえな。サシャは……」

サシャ「焼肉大好きですからね! さあさあどうぞ!」

と言いながらサシャの焼き方で肉を頂く。うめー!

サシャ「ではそろそろ、良い肉を出しましょうかね。うへへ」

エレン「え? 何だよ。最初からいい肉出してなかったのか?」

サシャ「ふふふ……皆さんに出したのは「安い方」のお肉です。美味な方は後から焼くのが玄人のやり方なんですよ。皆さんは既に先に腹に肉を入れているので、まだ食べてない私が優先して残り物を頂きます」

エレン「ずる賢い奴だなー」

アルミン「まあまあ。いいじゃない。焼いてくれた人にねぎらう意味でも」

アニ「だね。いい肉はサシャに譲ってもいいよ」

サシャ「あざーっすwwww」

と言いながら後から焼いた肉はサシャが主に食べてしまう事になった。

本当に焼肉が大好きなんだな。遅れてむしゃむしゃ食ってる。

その様子をジャンはじっと見ていて、肉汁が頬から零れた其の時、サシャに「零れてる」と注意した。

そしてさっと、店のナフキンを使ってサシャの頬を勝手に拭いた。

その直後、真っ赤になってガタガタと動揺を示したサシャがすげえ可愛いかった。

サシャ「い、いきなり何するんですかああああ!」

ジャン「ああ? きたねえから拭いてやっただけだが?」

サシャ「そんなの頼んでないですから! もうやめて下さいよ!!」

ジャン「ああ。悪い。気に障ったか。でも口の周りくらいは拭いた方がいいかと思ったんだよ」

サシャ「〜〜〜〜!!!」

うおおおお……ジャンもやるようになったな。サシャ相手にどんどん攻めている。

そして会計を済ませて再びスキー研修に戻った訳だけど。

940進撃の名無し:2014/09/08(月) 04:36:16 ID:SCUi3c.60
サシャはジャンと距離を取っていた。好きなのに逆の行動を取っているようだ。

コニーの後ろに逃げるようにしている。コニーもコニーで困っているようだな。

コニー「おい、サシャ。隠れている場合じゃねえだろ?」

サシャ「で、でも………」

コニー「もうジャンの事、好きなら好きって言ってしまえばいいじゃん。ジャンもサシャの事、好きみてえだし?」

サシャ「やめて下さい!!! その、はっきりジャンにそう言われた訳ではないですよ?」

コニー「でもなあ………」

コニーはちょっと照れている。コニー自身も心境の変化が出て来たからサシャとの接触は複雑なんだろうな。

そしてその隙に今度はヒッチがジャンに絡んできた。その様子にサシャがびくっと反応するけど。

でも、様子が違った。以前と比べてジャンはヒッチとちゃんと距離と取って話している。一歩、引いたんだ。

その距離感にヒッチも「あれ?」って顔をしているし、サシャも驚いていた。

そして適当なところで話を切り上げてしまった後は「サシャ! こっちにこい!」と呼びつけていた。

サシャ「うううう………」

ジャン「来ねえならこっちから行くけど?」

サシャ「行きますー!」

と、サシャがジャンに呼び出されていた。

取り残されたヒッチは少し顔色が変わっていた。何だろうな。

苦痛を堪えている顔だった。ヒッチ、あいつもしかして、本気で……。

アニ「今頃、自分の本当の気持ちに気づいたの? ヒッチ」

ヒッチ「アニ……?」

アニ「堕ちない男だから楽しいって感情だから近づいたんじゃなかったの?」

ヒッチ「………………………」

ヒッチの表情が以前とは違った。やっぱりそうなんだ。

あいつ、自分でも気づかないうちに、だんだん、ジャンに嵌っていたんだな。

ヒッチ「最初はそうだったんだけどね。うん……ちょっとやばいかも。この感覚は」

アニ「…………」

ヒッチ「こういうの、初めての経験なんだよね。絶対、堕ちそうにない男に気持ちが向くのって。痛いんだけど。苦しいけど。でも、何でか良く分かんないけど。サシャと一緒にいるジャンの事も好きでいる自分もいるのよ」

アニ「そうなんだ」

ヒッチ「うん。これって不毛な恋愛だよねえ? でも止められない。本当、私、何であの馬面とキスしちゃったんだろ?」

と、苦笑を浮かべて一人で何処かに消えていくヒッチだった。

941進撃の名無し:2014/09/08(月) 04:48:55 ID:SCUi3c.60
そして午後のスキー研修中、アルミンがアニからレクチャーを受けていた。

アルミンは「あわわわ」と言いながら何度もへたり込んで失敗してなかなか滑れないようだった。

ライナーやベルトルトはすいすい滑っている。

ジャンもマルコも運動神経は悪い方じゃないからコツを覚えたら後はどんどん滑っていたけど。

アルミンと、あとはダズもか。男子では2名だけがまだコツを掴めなくてうまく滑れないようだった。

アニ「むー何が原因なんだろうね? 教え方が悪いのかな?」

アルミン「いや、アニの教え方はうまいと思うよ。僕の運動神経が悪いだけだよ」

アニ「うーん。もういっそ、上級者コースに行って荒療治した方がいいのかな?」

アルミン「骨折しちゃうから無理だよ! 流石に修学旅行先で怪我はしたくないよ?!」

アニ「それもそうだけど。でも、いいの? 滑れないとつまんないでしょ?」

アルミン「ううーん。そりゃあつまらないけど。でもしょうがないよ」

と言いながらアルミンは諦めたようだ。

女子の方はクリスタが何度も転んでいた。クリスタもあんまり運動神経がいい方じゃねえのかな?

ユミルはもうすいすい滑っている。あいつも運動神経いい方だからな。

うまく滑れない者同士、ベンチに座って休憩する事にしたようだ。

クリスタ「はううう……水泳の授業の時を思い出すなあ」

アルミン「ああ。あの時もクリスタ、コツをつかむまでうまくいかなかったね?」

クリスタ「なんか、体の使い方が悪いみたいなんだよね。無意識に。何が原因か良く分かんない」

アルミン「クリスタは馬には乗れるんだよね」

クリスタ「うん! 乗馬は好きだよ! 馬に乗る時は、馬と一体化する気持ちで乗っているしね」

アルミン「だったら、スキーの板とも一体化する気持ちで滑ったらどうかな?」

クリスタ「え? どういう事?」

アルミン「いや、あくまで感覚的な物だけど。道具をあまり意識しないで滑ってみるとか?」

クリスタ「ううーん。難しいね。でもそうだね。ちょっと試しにやってみるね!」

という訳でクリスタは練習を再開して、そして何と、それ以後、うまく滑れるようになったみてえだ。

へー。こういう事もあるんだな。感覚の意識を切り替えるだけでこうも違うのか。

そのクリスタのはしゃぎぶりにアルミンも嬉しそうにしていた。

アニがその様子を見て「まだ吹っ切れてないんじゃないの?」と言い出した。

アルミン「な、なんの事……?」

アニ「クリスタの事だよ。あんたもあんたでヘタレだね。告白しないつもりなの?」

942進撃の名無し:2014/09/08(月) 11:33:47 ID:SCUi3c.60
アルミン「告白しても無駄だよ。クリスタはユミルと付き合っているみたいだし。女同士で付き合っているって事は、男にはあまり興味がないって事だろ?」

アニ「そういう意味じゃなくて……ジャンみたいに、ちゃんと「けじめ」をつけなくていいのかい? って意味だよ」

アルミン「いいよ。相手の迷惑になるだけだしね」

アニ「でも、そんな状態じゃ「次の恋」には行けないんじゃないの?」

アルミン「………………それでもいいのかもしれない」

えええ? いいのかよ。アルミン!

アルミン「片思いでも、報われない想いでも、それを否定されない方が楽なのかもしれない。ジャンがミカサにフラれるところを見て、僕もぞっとしたんだよ。現実を直視する勇気を持つのは凄く大変だなって思った」

アニ「でもジャンは、アレがあったからこそ、今はサシャを追いかけているんだよ? もう「過去」の物としてちゃんと受け入れているのに」

アルミン「そうだね。ジャンはそういう意味では精神的にタフな男なんだと思うよ。自分ではそう思ってないみたいだけど。よく皆から「ヘタレ」って言われているけど。本当のヘタレは僕みたいな臆病者の事を言うんだよ」

と、アルミンが自虐的になっていた。

アニ「やれやれ………」

其の時、アニが呆れた声を漏らしてアルミンの隣に座った。

アニ「気持ちは分からなくはないんだけどね。ジャンをけしかけた私が言うのもアレだけど。曖昧なままの方がいいって思う気持ちは分からなくはないけど」

アルミン「そうなんだ」

アニ「うん………周りを見ていると「凄いなあ」って思うよ。特にエレンとか。あいつ、手出してくる奴を「殺す」って本気で言ったからね」

うわあああその件は蒸し返さないでくれえええ恥ずかしい!!!

アルミン「え? どういう事?」

その件はまだアルミンにちゃんと話してないんだよな。

折を見て話さないといけないとは思っていたんだけど。

アニ「エレンが一度、腹痛いって便所に籠った事あったでしょ? 練習中に。その直前に、マルコとジャンと私でエレンと話していて。其の時に「浮気」について話していてね。マルコがエレンに指摘して、エレン、自分の本当の気持ちに気づいたみたいでさ。ねえ? エレン」

呼び出されてしまったので、渋々アニとアルミンのところに近づくオレとミカサだった。

エレン「悪い。その件についてはいずれアルミンにも話すつもりだったんだけど」

タイミングを逃して今の今まで話す機会を逸していた。

アニ「そうだったんだ。あの時はアルミンとミカサ、2人で話し込んでいたしね」

アルミン「うん……つまりどういう事?」

アニ「もしもミカサが浮気したら、最初は「自分の甲斐性の無さ」が原因だから自分の反省が先だって言ってたんだけど。マルコに「それはどうなの?」みたいな事を言われて、考え直したら、やっぱり「ミカサに手出してくるような奴は殺したい」って気持ちに気づいたんだよね」

エレン「……………すまん」

アルミン「なるほど……」

アルミンがびっくりしているな。当然だな。

アニ「でも私あの時、凄いと思ったよ。エレンの「凶暴」なところはゾッともしたけど。それだけ「好き」って気持ちがあるのは、怖い反面、嬉しいとも思える。ミカサは愛されているんだなって思ったら、ちょっと羨ましいなあってすら思ったよ」

ミカサ「そうだったの?」

アニ「うん。あんたたち、凄く羨ましいカップルなんだよ? 私だけじゃないと思うけどね。こう思うのは」

アルミン「僕も同意かな。なんかもう、切っても切れない感じだよね」

そう言われると途端に照れくさくなるな。

943進撃の名無し:2014/09/08(月) 11:53:15 ID:SCUi3c.60
エレン「アルミン……その件でオレ、アルミンに頼みたいって思ってたんだ」

アルミン「ん?」

エレン「オレ、カッとなると本気で人を殺しかねないくらい馬鹿な奴だからさ。もしそういう時が「本当」に来たら……オレをどんな手を使ってでもいいから「止めて」くんねえかな」

アルミン「うん。勿論止めるよ。僕はエレンを犯罪者にしたくないからね」

エレン「…………いいのか?」

アルミン「止めるに決まってるでしょ。え? 何で止めないと思うの?」

エレン「…………そうか」

あっさり同意してくれるアルミンに感謝した。

オレ、周りに恵まれているな。本当に。

過去の話をここでするべきか迷ったが、今ここにはミカサもアニもいる。

詳しい事はまたアルミンと2人きりになった時に話そう。

でもとりあえず、「約束」はしてくれたから安心した。流石アルミンだ。

アルミン「うん。エレンはカッとなると暴走する癖があるからね。もう付き合い長いんだし。分かってるよ。その辺の事は」

エレン「そうか」

アルミン「だって僕をいじめっ子から助けてくれた時も過剰防衛仕掛けたでしょ? あの時も相手の男の子、殺しかねないくらい反撃したしねえ」

アニ「え? 何その話。どういう事?」

アルミン「僕は昔、苛められていたんだ。子供の頃は。それをエレンが助けてくれてね。自分も凹られながら。身体張って助けてくれたんだ。その時からだよ。僕がエレンと友達になったのは」

と、遠い目をしてアルミンが語り出した。

アルミン「もう10年近く前になるっけ? 小学校にあがる前くらいだったよね」

エレン「ああ。多分その前後かな? オレははっきり覚えてねえけど」

アルミン「僕は覚えているよ。うん。小学校にあがる前くらいだったかな? エレンは6歳になったばかりだったと思う」

エレン「そうだったか? うーん。まあ確かその辺だったような気もするが」

ミカサ「その頃からエレンは勇敢な男の子だったのね」

エレン「いやー無謀だったと思うけどな。5対1で喧嘩して凹られたりしていたからな。ガキの頃だけど」

6歳くらいの時の記憶だけど、自分より年上の男の子と喧嘩したりしていたな。

アルミン「うん。でもそこで僕はエレンに救われて……それからだよね。エレンと僕の付き合いが始まったのは」

エレン「そう言えばそうだな。思えば長い歴史だよなー」

と、何故か昔話に花を咲かせる事になってしまった。

アルミン「うん。だから大丈夫だよ。エレンが暴走しそうになったら僕の出番だと思ってる。だから安心して欲しい」

エレン「そっか………ありがとうな。アルミン」

アルミン「いいって。僕も普段からエレンにはいつも勇気を貰っているから。エレンがいるだけで心強いって思う事も多いんだ」

ミカサ「その気持ちは良く分かる」

エレン「え? そうなのか?」

アニ「あーそうかもね。確かにエレンは何か不思議な魅力があるのかも」

エレン「えええ? み、皆で急にオレを持ち上げるなよ!」

照れくさくて反論すると、皆にクスクス笑われてしまった。

944進撃の名無し:2014/09/08(月) 12:10:11 ID:SCUi3c.60
アニ「話が脱線したけど……アルミンはクリスタには結局、告白しないの?」

アルミン「何でその話題に戻るの?! 女の子って本当、話題を山手線みたいに戻すよね?!」

アニ「だって私、女だし? ふふふ……アルミンも正式にフラれた方が今後の為にはいいかと思うけど?」

アルミン「気持ちは分からなくはないとか言ってた癖に……」

アニ「フラれたら、慰めてあげてもいいんだけど?」

アルミン「え?」

アニ「私で良ければだけどね? ま、よしよしくらいはしてあげるからさ」

アルミン「……………」

アルミンが複雑な表情に変わったみたいだな。

アルミン「それって、アニの胸の中で泣いてもいいって事?」

アニ「?! 何ふざけたこと言ってるの? そんなんじゃないよ! (プイッ)」

アルミン「いや、ごめん。調子に乗りました! えっと、膝枕をお願いします」

アニ「リヴァイ先生じゃないんだから!!! 調子に乗り過ぎ! やっぱりやめた!」

アルミン「ええ……そんなあ……」

と、こっちはこっちで仲がいい。

あーもう。こっちもくっついてしまえばいいのにな。勿体ねえ。

ミカサがクスクス笑っている。オレと同じ事を考えているようだ。

そんな感じでスキーやスノボをしながらわいわい雑談もしつつ楽しく過ごしていたらあっという間に時間が過ぎた。

全員の点呼を済ませてホテルに戻ろうとしたんだけど……

キース「おい。サシャ・ブラウスとジャン・キルシュタインの姿が見えないが、あの2人は何処に行ったんだ?」

エレン「え?」

キース「時間内にロッジに戻れと言ってあった筈なのに。誰か2人の行方を知らないか?」

ざわざわざわ………

皆、行方を知らないようだ。嫌な予感がする。

キース「まさか、コースを外れて遭難しているのか?」

キース先生が携帯で連絡を取ろうとしたが、繋がらないようだった。

キース「まずいな。仕方がない。班ごとに固まって2人を捜索するぞ。捜索隊を展開して2人を見つけるぞ」

スキー場のスタッフも勿論含めて緊急の捜索が始まった。

時刻は夜の6時だ。この時間帯は流石に空が薄暗くなっている。

だから懐中電灯を持参しての捜索になった。あいつら、どこに迷子になってるんだよ。

945進撃の名無し:2014/09/08(月) 12:30:39 ID:SCUi3c.60
アルミン「まさかの遭難イベントが来るとは……ゲームとかじゃよくある事だけど」

アニ「ううーん。参ったね。雪が吹雪いていないだけマシだけど」

アルミン「吹雪いていたらもっとヤバかったね。なんかそういうシチュエーションってよく聞くけど、本当にそうなると胸が痛いよね」

アニ「エレンが夏に島流しに遭った時もそう思ったね」

エレン「面目ねえ……」

今度はジャンの番なのか。なんかそう思うと、前回のオレのアレも申し訳ない気持ちになった。

と、いろいろ考えて捜索をしていたら、結構あっさりあいつらが見つかった。

サシャをおんぶしてジャンが歩いている。スキー板を脇に抱えながらだからのろいけど。

ジャン「すまん……サシャが捻挫した」

エレン「えええええ?!」

ジャン「こいつ、調子に乗ってどんどん先に進んで滑っていたからさ。転んで右足を捻挫したんだよ。だからここまで背負って運んできた」

あちゃー。なるほど。そういう事だったのか。

アルミン「小屋に籠って2人でやらしー事でもしているかと思った」

サシャ「何馬鹿な事を言っているんですか?! ヤッてませんよ?!」

アニ「顔赤いよ? サシャ?」

サシャ「いやあああああ!? (顔隠し)」

ジャン「……………ホテルに帰ったらテーピングするぞ。幸いだったな。大した怪我じゃなくて」

サシャ「ううう………すみません」

と、ジャンに背負われたサシャが真っ赤になっている。

もうこれ、完全に堕ちているようにしか見えないんだがな。

そしてその日の夜の部屋割りは………ええっと、今夜はどうなるんだっけ?

アルミン「あー何か昨日はシャッフルし過ぎてわけわかめだったらしいね? エレンは」

エレン「総とっかえの後に結局、ミカサはヒッチと寝た訳だからな。今夜こそはミカサと一緒の部屋で寝たいんだが……」

アルミン「今夜は総とっかえしなくてもいいんじゃないかな? ミカサをこっちに呼べばいいと思うよ」

エレン「そうだな。そう何度もジャンに気遣う必要はねえよな」

という訳で17日の夜はミカサに501号室に来て貰う事になった。

ジャンは今夜、こっちに来ないので騒動も落ち着いたのかな? 多分。

ミカサとゆっくり夜を過ごせる。その事に感謝しながら、ミカサとの夜を楽しんでいたら……

946進撃の名無し:2014/09/08(月) 13:36:37 ID:SCUi3c.60
隣の部屋から「女の声」が聞こえた。ええっと。おい。ちょっと待て。

隣はマルコとミーナだったよな? ええっと。声、殺してねえな。あいつら。

ミカサが真っ赤になって困っている。先を越された気持ちで一杯だけど。

ミカサ「今の声……多分、イッた時の声よね?」

エレン「だろうな。あいつら………ヤるならヤるでもうちょっと工夫しろよ」

いや、オレもあんまり人の事は言えないんだが。

何か先にやられてしまうとちょっとだけげんなりする自分がいる。

まあいいや。気持ちを切り替えよう。修学旅行中にイチャコラするカップルはオレ達だけじゃねえしな。

ミカサにキスの雨を降らせて集中していく。今日はスキーやスノボで体を動かしたからちょっとだけ疲れてはいるんだが。

疲れている時ほどムラムラするのは何故だろうな? 男にはそういう時がたまにある。

矛盾していると自分でも思うんだけどな。体の疲労感と比例してムラムラが高まる時があるんだ。

クリスマス公演の時みたいに疲れ切っている時はダメだけど。

程よい疲労感っていうのかな。軽く運動した後の方が乗り気になれるという事はある。

だからオレはベッドの中でミカサにキスをした。胸の突起を指で軽く触って、優しく優しく愛撫を仕掛ける。

ミカサ「ん………」

ミカサは胸を触ってやるとすぐ「溶ける」からな。

表情が緩んでいくのを見るとキスをしたくなる気持ちが止まらなくなる。

胸の弾力を楽しみながらオレはキスの位置を少し下げて顎や首筋に移動した。

ミカサ「あ………ん………」

今日のミカサは危険日だから、挿入するところまではやらないつもりだけど。

色っぽい声が聞こえてくるとだんだんその事を忘れそうになる自分がいた。

ダメだぞ。自重しろよ。今日はミカサを弄るだけだからな。

そう、自分に言い聞かせながらオレは少しずつミカサの服を剥いでいった。

前ボタンを外して手を胸の中へ滑り込ませる。直接肌に触れるとその温かさにびっくりした。

え? 熱でもあるんかな? ちょっといつもより熱くねえか?

エレン「ミカサ。熱あるのか? いつもより熱ある気がするんだが?」

ミカサ「え? そうなの? そんな感じではないけど」

エレン「んー気になるから一応、測っておくか」

という訳で体温計を使って熱を測ってみると……

エレン「あー37.3度か。微妙に熱いな。自覚なかったのか?」

ミカサ「みたい……喉も咳もなかったので、風邪ではないと思う。多分、旅行のせいでテンションがあがっているだけでは?」

エレン「子供みてえだな」

ミカサ「だって……」

ミカサが赤くなってもじもじする。

947進撃の名無し:2014/09/08(月) 13:38:11 ID:SCUi3c.60
ミカサ「え、エレンと、その……イチャイチャ出来るかもと思うと、ついつい」

エレン「ぶふー」

ミカサがもじもじし始めた。そんなに楽しみだったのか。

ミカサ「風邪ではないと思うので、続けて欲しい」

エレン「いいのか?」

ミカサ「うん。体もきつい訳ではないし、単純にテンションが上がっているだけだと思う」

エレン「んーそうか。じゃあ続けてもいいかな?」

という訳でベッドインしなおしてオレはミカサとの長い長いキスを楽しんだ。

やべえ。危険日のミカサはテンション上がり過ぎだろ。顔の艶とかも普段よりいい。

可愛らしさが増すのは自然の摂理なんだろうけどさ。

まさか熱までちょっと上がってくるなんて思いもしなかった。

だから、オレもだんだん調子に乗ってしまって……。

頭の中の理性の鎖が緩んでいくのを感じていた。

服を脱がせた後はミカサの胸に食いついた。乳首に吸い付いて、下から掬い上げるような舌の動きを続ける。

ミカサ「ん……ん……あ…はあ……」

おっと。隣の間違いをミカサにさせる訳にもいかねえな。

脱がせた服を使ってミカサの口を塞いだ。縛ってすまん。声漏れ防止だ。

ミカサ「ふぐ………」

こうするしかねえもんな。本当は声聞きたいけどな。

もしキース先生が声漏れに気づいて点検にきたら………

ん? 待て。そうだよな。さっき声漏れしたから、キース先生、点検に来てもおかしくねえよな。

そう気づいてオレは一気に現実に戻された。そして慌ててミカサに服を着せる。

ミカサ「え? もうやめるの?」

エレン「いや、さっき隣で声漏れしただろ? キース先生、点検に来るかもしれんぞ」

ミカサ「あ! そ、それもそうね……」

エレン「1回元に戻っておこう。万が一バレたらまずいからな」

という訳で名残惜しいけど今日はここまでにしてアルミンに戻ってきて貰った。

オレの勘は当たった。ミーナの声漏れのせいでキース先生も流石に気づいたようで、念の為に2回目の点検に来たんだ。

間一髪だった。間に合った。オレの部屋はアルミンが戻ってきてくれたおかげで事なきを得たけど。

他のペアはどうだろうな? 最中に夢中になっていたら、間に合わずにキース先生に見つかった可能性もあるけど。

948進撃の名無し:2014/09/08(月) 13:57:57 ID:SCUi3c.60
そんな訳で18日はペア交換がバレた組は反省させられていた。

スキーは中止になってロッジで待機になったそうだ。

とばっちりを食らったジャンとマルコはシュンとしていた。

サシャは捻挫中なので今日はどのみち、スキーは出来なかったけどさ。

コニーが一番がっかりしていたようだ。協力者も連帯責任らしい。

オレは咄嗟に判断してバレたかったから良かったけどな。あー良かった。

エレン「マルコ、お前ら、もうちょっと自重しろよ」

マルコ「うう……面目ない」

ミーナ「御免なさい。その、初めてだったから」

と、出来立てカップルは赤面して皆に野次られていた。

マルコ「まさかあんなに大きな声が漏れるとは思わなくて……その、本当にごめん」

コニー「まあでも、童貞卒業おめでとうって事だよな? 良かったな。マルコ」

マルコ「うううう……まさかすぐにバレる事になるとは思わなかった(顔隠し)」

という訳でこっちのカップルも無事に通過点を通り越したようだ。

フランツ「まあまあ。昨日は1日滑ったし、今日はロッジでのんびりするのも悪くないよ」

ハンナ「そうだよ。ゆっくり皆でおしゃべりしていればいいじゃない」

と、謹慎処分中なのに呑気な馬鹿夫婦だった。

エレン「ま、それでいいならいいんじゃねえか? オレ達は最後のスキーを楽しむけどな」

コニー「くそー! 裏切者!」

エレン「咄嗟にすぐ「やべえ」って気づいたからな。オレ達も間一髪だったし」

と言いながらオレ達はその日の最後のスキーを十分に楽しんだ。

アルミンは2日目になるとちょっとだけ滑れるようになってアニが小さな拍手をしていた。

アニ「やれば出来るじゃないの。あと1日練習出来たらもっと滑れたかもね」

アルミン「かな?」

アニ「あんたの場合、基本的な筋力が足りてないだけかもね? 運動神経そのものは普通にあるんじゃないのかな」

アルミン「そうなのかな?」

アニ「うん。クリスタは筋力は足りていて使い方を間違えるタイプみたいだけど。アルミンの場合は筋トレしたら結果が違ってくるかもよ?」

アルミン「だといいんだけどねえ」

と言いながらアルミンもアニとちょっとだけ仲が良くなっていたようだ。

そして長野の最後の夜。この日は流石に部屋交換はせずにアルミンとの夜を優先した。

2人きりの今なら、話せるかもしれない。そう思ってオレは思い切ってその日の夜に「オレの過去」についてアルミンに話す決意をしたんだ。

アルミンは初めは驚いてオレの話を聞いてくれたけど、次第に「なるほど」と納得して普通の顔に戻った。

アルミン「そういう事か。なるほど。エレンは一度、そういう「修羅場」を潜り抜けた経験があったんだね」

エレン「………すまん」

アルミン「謝る事じゃないよ。だからたまに変に「大人ぶっている」時があったんだね。無意識の内に、そういう「凶暴な自分」を抑え込んでいた訳だ」

エレン「気づいていたのか?」

アルミン「気づかない訳ないだろ? 僕との付き合い、長いんだから。エレンがたまに「ん?」と思うような事を言う事があるなっていうのは薄々気づいていたよ」

エレン「そうだったのか……」

アルミンの観察力はやっぱりすげえな。

949進撃の名無し:2014/09/08(月) 13:59:24 ID:SCUi3c.60
>>948
訂正

とばっちりを食らったジャンとコニーはシュンとしていた。


とばっちりはジャンとコニーですね。間違えました。

950進撃の名無し:2014/09/08(月) 14:41:55 ID:SCUi3c.60
アルミン「だから「止めて欲しい」って言い出したんだね。分かった。言葉の重みが予想より重くて正直びっくりしたけど。そういう事なら僕も腹をくくるよ」

エレン「すまねえ」

アルミン「いいって。そもそも、ジャンみたいにミカサに横恋慕しようとする奴の方が人道的に間違っているんだから。エレンがイライラするのも当然だよ?」

エレン「今のジャンはもう、その気はねえけどな」

アルミン「まあね。でも、別の男がミカサを狙わないとも限らないからね。分かった。エレンの気持ちは理解出来たから。「ヤバい」と思った時はどんな手を使っても止めるからね」

エレン「頼む……」

アルミン「うん。こういうのって持ちつ持たれつっていうでしょ? コニーの件もそうだし。やっぱりそういうのって助け合ってこそじゃないのかな?」

と、アルミンは笑ってオレの事を受け入れてくれた。

良かった。ドン引きされなくて。アルミンはオレにとっての最高の「親友」だ。

そして長野の夜を無事に過ごして、バスと新幹線を乗り継いでオレ達の修学旅行はあっという間に終わったのだった。

5泊6日って長いかなって思っていたけど意外と短く感じた。

もっと贅沢を言うならあと2〜3日は旅行してもいいかなって気分だった。

特に京都とか、駆け足の見学だったしな。もう1回、個人的に他の寺も見てみたいと思ったくらいだった。

そして19日の夕方というか、夜に近いくらいの時間に家に帰り着いて、荷物を自分の部屋に置いた。

着替えとかを洗濯籠に放り込んで、お土産とかをおばさんに渡して、一先ず自分の部屋であぐらをかいて。

旅行中の事を思い出したり。ニヤニヤしたり。

ふーと一息ついていたら、ミカサがオレの部屋にやってきた。

着替えてこっちに来てくれた。ん? どうしたんだろうな?

ミカサ「エレン。そう言えば、忘れていたのだけど」

エレン「ん?」

ミカサ「エルヴィン先生から借りていた「風と共に去りぬ」のディスク、まだ返していなかったように思う」

エレン「ああああ! しまった! 借りっぱなしだったなそう言えば!」

実は文化祭の後、エルヴィン先生に風と共に去りぬの話を振ったら「持ってるよ?」って話だったから、もうエルヴィン先生に借りたんだよな。

そして2人で続きを見て「いい映画だなー」と感動したんだよ。

んで、クリスマス公演の件でバタバタしているうちに、返却するのを忘れていたんだ。完全に。

だからテレビの周辺を整理していたら、もっと忘れていた事を思い出した。

エレン「あああああ?!」

ミカサ「どうしたの?」

エレン「オレ、アルミンにも借りっぱなしだった物があった!」

ミカサ「アルミン? どれ?」

エレン「ガキの頃の演劇の録画だよ。前に言っただろ? オレ、王子様を演じたって」

ミカサ「そうだった。録画があるの?」

ミカサが身を乗り出してこっちに近寄って来たんで、オレも頷いた。

951進撃の名無し:2014/09/08(月) 14:45:33 ID:SCUi3c.60
エレン「アルミンの亡くなったおじいちゃんが昔、撮っててくれていたんだ。仮面の王女の時の参考になるように見直したんだけど、借りたまま返すのすっかり忘れていたぜ」

と、そのディスクを漁っていたら、ミカサが「見たい」と言い出した。

エレン「え? 見るのか?」

ミカサ「小さい頃のエレンを見てみたい(わくわく)」

エレン「まー別にいいけどさー」

と、いう訳でミカサとは初めてそのディスクを鑑賞する事になった。

うはー。小さいオレが王子様やってるぜ! アルミン、相変わらず可愛いなあ。

と、ついついデレデレしてみていると………

あれ? ミカサの様子がおかしいな? 顔が固まっている。

そして突然泣き出して、ボロボロに泣き出して、え? 何で泣くんだよ?!

エレン「どうしたミカサ?! な、何で泣いて……」

その直後、ミカサは一度部屋を出て何かを持ってきた。

その「物」というのは、「マフラー」と「手袋」だった。

エレン「………え?」



ドクン………



見覚えがあった。大分、汚れているけど。血の跡らしきものもあるけど。

そのデザインは、オレの母さんが昔、作ってくれた物と酷似している。

ミカサ「エレン、これ、見覚えある?」

エレン「ああ……あるけど。え? 何でミカサがそれを持っているんだ?」

ミカサ「エレンがくれた。私にくれたの」

エレン「……………え?」



ドクン………



心臓が、また、跳ねた。

今、ミカサは何を言って……・

ミカサ「小さい頃のエレンの映像を見て確信した。あの時、私と母を救ってくれた少年は「エレン」よね?」

エレン「え? え? え?」

ミカサ「雪の降っていた真冬、私の命を助けてくれたあの少年は、エレンよね?!」

エレン「………………」

待ってくれ。まさか。まさか………

952進撃の名無し:2014/09/08(月) 14:46:55 ID:SCUi3c.60
ミカサ「車を奪って、襲われた男達をひき殺した。私もあの時、加勢してあいつらを殺してやった。あの時のエレンの指示がなかったら、私はここに生きていない!」

エレン「じゃあ、本当に………?」

あの時の、あの女の子は、ミカサなのか?

本当に、本当に、そうなのか?

するとミカサはひとつ強く頷いて、泣きじゃくったんだ。

ミカサ「エレンで間違いない! このマフラーと手袋がその証拠! 見覚えがあるのよね? エレンのくれたマフラーと手袋で間違いないのであれば……!」

その瞬間、オレ、もうなんか、頭の中が訳わかんなくなっちまって。

雷に打たれるような感覚、なんてもんじゃねえ。

頭の中、真っ白で、やばい。

震えて、何も言えなくて。涙が、自然と溢れてきて……。

弱弱しく、ミカサを抱き留める事しか出来なかったんだ。

ミカサ「こんなに、こんなに近くにいたなんて……!」

エレン「ああ……オレも気づかなかった。まさか、こんなに近くに……」

リヴァイ先生とハンジ先生の劇のアレの比じゃねえよな。コレ。

お互いに気づかないまま、恋愛していたそれの比じゃねえよ。コレ。

オレ達の方が酷いじゃねえか! こんなに、近くに、近くに、居たのに…。

その直後、オレ達は自然と見つめ合って、もう、何も考えられなくなった。

キスして、キスして、ミカサがオレの上に覆い被さってきて。

頭の中が焼けつくような感覚を味わいながら、オレは服を脱いで、ミカサも脱がせて。

理性が吹っ飛ぶって、こういう事を言うんだな。前戯も碌に出来ないような、激しい繋がりを求めてしまったのに。

ミカサも全く嫌がらないでオレを受け入れてくれた。きっと、痛かっただろうに。

身体を解しきれていない段階で挿入をやっちまって。

というか、もっと大事な事を、オレはこの時、忘れてしまって。

気がついたら、その………。

オレは「避妊具」を使わないまま、ミカサの中に「出して」いたんだ。

我に返って青ざめた。

オレ、何をした。

何をしでかした。

やるべき事、ちゃんとやらずに、やってしまった。

っていうか。

何だ。コレ。

ゴムが「ある」状態でのセックスと、「無し」の状態でやるのじゃ、雲泥の差があった。

まるで今までのセックスが遊びのような。疑似的というか。

「本物」のセックスの気持ち良さを知ってしまって、オレは頭の中がおかしくなりそうだった。

そうか。

リヴァイ先生が「懸念」していた事って、もしかして……。

953進撃の名無し:2014/09/08(月) 14:48:26 ID:SCUi3c.60



ミカサ「ううん……」



ミカサがまだ眠っている。横で幸せそうに眠っている。

そんなミカサを見ていたら急に罪悪感が芽生えてきた。

危険日は避けたとはいえ、その可能性がない訳じゃない。

何よりあくまであれは「予測」であって、100%回避出来る訳じゃねえんだ。

学生の内は中出しだけは絶対やっちゃいけないって思っていたのに。

オレはやらかしてしまった。本当に、クズ野郎だ……。

そしてオレはこの時、決意した。

ミカサには詰られるかもしれない。反対されるかもしれない。だけど。





エレン「オレ………ミカサと離れて暮らさないとまずいかもしれない」





そう、呟いて、其の時のオレは自分の顔を覆う事しか出来なかったのだ。










ミカサ「この長い髪を切る頃には」2へ続く。

954進撃の名無し:2014/09/08(月) 14:50:40 ID:SCUi3c.60
…………という訳で、遂にやっちまったエレンでした。
この後はミカサ視点に戻って過去回想と話の続きになる予定です。

エレンパートが長くなってしまってすみません。
ミカサパートではリヴァイ先生とハンジ先生の方はある程度省略でもいいかな?

とりあえず、続きが気になるところですがこのスレではここまでです。
残りは雑談にでも使用して下さい。ではまた次のスレでお会いしましょう。ノシ

955進撃の名無し:2014/09/09(火) 23:32:14 ID:HrZZQkC60
すごくよかった
次も頑張って

956進撃の権兵衛:2014/09/09(火) 23:52:26 ID:gWEaptxc0
いつも楽しみにしてます!

次も応援してます

957進撃の名無し:2014/09/10(水) 00:14:49 ID:Jb5ucPzI0
>>955
>>956
こちらこそいつもありがとうございます。
このシリーズも大分長くなってきたので、追いかけるのが大変かと思いますが、
ミカサのパートでまた一回、時間軸が回想するので、
復習も兼ねて次のスレは読んでやって下さい。


そして最近になってリヴァイ×ハンジの他の方の作品を読みふけり、
自分のリヴァイ像が世間とは違い過ぎて吹いたこの頃です。
ついでに言うならハンジもだけど。毛色違い過ぎて自分でびっくりした。
何か急に申し訳ない気持ちになった。本当、すみません。

でもリヴァイなら女三桁抱いていても何も疑問に思わない自分がいる(キリッ)
…………いや、捏造し過ぎて本当に申し訳ない。
ついでに言うなら潔癖症を病気レベルにしてすみません。
なんかいろいろ今頃になって謝りたい気持ちになりましたorz

958進撃の名無し:2014/09/10(水) 14:16:19 ID:x6xPWCo.0
確かにリヴァイはぶっ飛んでるがwハンジは割とリアルな三十路女子なんじゃないかな

ミカサ視点も楽しみだ
さらにエレン愛が濃く、リヴァイへの対応が厳しくなるんだろうww

959進撃の名無し:2014/09/10(水) 16:11:26 ID:Jb5ucPzI0
>>958
プレイボーイリヴァイを書き尽くしたので、次は逆に童貞リヴァイ(三十路)と処女ハンジ(20代後半)ヴァージョンもいいなと思い始めた今日この頃です。
現パロじゃなくて、進撃の原作基準で1本、いつか書けたらいいかな。

エレン愛については、アヌビス神化コスプレの時がいろいろやばかったとは思います。
ミカサ視点だと恐らくとんでもなくキラキラして見えた筈なので…。

960進撃の名無し:2014/09/14(日) 00:02:17 ID:oNJRtnoc0
ミカサ「この長い髪を切る頃には」2

はまだ?

961進撃の名無し:2014/09/14(日) 02:28:08 ID:pNhjTYuI0
>>960
もうちょっと準備に時間がかかると思います。
話が長くなってきたので、自分でも頭の中で復習しながら書き進めます。
もうちょっとお待ち下さい。

962進撃の名無し:2014/09/16(火) 01:23:30 ID:lKgQbpZ20
ミカサ「この長い髪を切る頃には」2
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1410796922/

次のスレ、立てました。
本格的な再開まではもうちょい時間かかりますが、
先にスレだけ立てました。リンクしておきます。


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