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エレン「この長い髪を切る頃には」2

1進撃の名無し:2014/07/25(金) 18:53:56 ID:Yeod/N2g0
*続編です。ミカサ「この長い髪を切る頃には」→エレン「この長い髪を切る頃には」の続き。もう1回エレン視点で書いていきます。

*現パロです。現在、エレンの髪がちょっとずつのびています。(ミカサよりちょい長め。小さいしっぽ有り)

*舞台は日本ですがキャラの名前は基本、カタカナのまま進めます。漢字の時もあるけど、細かいことは気にしない。

*実在の人物とかは名前やグループ名等をもじっています。時事ネタも有り。懐かしいネタもちらほら。

*原作のキャラ設定は結構、崩壊。パラレル物苦手な方はご注意。

*原作のキャラ性格も結構、崩壊。原作と比べて「誰だてめえ」と思った方はそっと閉じ推奨。

*レスに対するお返事レスは返せない事が多いかも。体力温存の為。無視している訳じゃないんで、OK?

*感想は毎回有難い。でも自分の妄想話を書くのはNG。読んでいる人が混乱するから。本編と混ぜるな危険。

*雑談は雑談スレでお願いします。雑談嫌いな読者の方もいらっしゃるからね。

*現在、ジャン→ミカサ、ジャン(?)→サシャ、オルオ→ペトラ→リヴァイ←ニファ リヴァイ→ハンジ←モブリット ライナー→クリスタ←アルミン←アニ(?)←ベルトルト イアンリコあたりもちらほら。というか、そのつもりで書いています。

*安価時以外のアイデア・オリジナルの設定等の提案は禁止させて頂きます。(エレン「この長い髪を切る頃には」の時にトラブルが発生した為です)

*その代わり、安価出した時は出来る限り(多少無茶振りでも)採用する方針でやっていますので、宜しくお願いします。

*モブキャラも多数出演。オリキャラ苦手な方もご注意。キャラ濃い目。

*そんな訳で、現在設定しているオリキャラをざっとご紹介。


マーガレット(2年生♀)→大道具リーダー。漫画描ける。腐ってる女子。皆のお姉さん的ポジ。

スカーレット(2年生♀)→大道具。立体造形専門。ロボットもいける。たまに腹黒。

ガーネット(2年生♀)→大道具兼衣装。コスプレ好き。ちょっと大人しめのオタク。

アーロン(2年生♂)→役者。元野球部。高校から演劇始める。

エーレン(2年生♂)→役者。元サッカー部。高校から演劇を始める。

カジカジ(1年生♂)→役者。外見はエレンに似ています。明るい男子。愛称は「カジ」。

キーヤン(1年生♂)→役者。ジャンよりイケメン。歌上手い。

マリーナ(1年生♀)→役者。少年の声が出せる。ナレーションうまい。ほんわか系女子。


*原作のモブの名前が判明すれば……途中加入もあるかもです。

*外伝のキュクロとシャルルも出ています。二人は野球部投手とマネージャー。

*先生方の年齢設定が原作より(恐らく)若干高め設定になっています。

*リヴァイ先生(38歳)というおっさん設定に耐えられない方は御免なさい。

*加えてリヴァイ先生の潔癖症が病気レベル扱い(笑)になっているので、御免なさい。

*リヴァイ先生の性癖(?)も大分、斜めってる設定になっています。ご了承下さい。

*エルヴィン先生(43歳)も相当なオタク設定になっています。リヴァイより更に斜め方向に変態です。本当に御免なさい。

*ハンジ先生(36歳)が昔は美人だったよ設定です。ややモテキャラですが、リヴァイに比べれば蟻の触覚程度です。

*リヴァイ先生がモテ過ぎ設定です。気持ち悪いくらいモテキャラです。愛され過ぎて御免なさい。



*ラスト100レスは完成する迄、レス自重お願いします。レス足りないと書き手としてプレッシャー過ぎる。

*そんな訳で、現パロ(エレン視点編)を始めます。OK?

121進撃の名無し:2014/07/30(水) 09:54:28 ID:OG5QGHz.0
ハンジ『ど、どうしたいんだろう……?』

リヴァイ『おい……(イラッ)』

ハンジ『いや、待って! もともと、その辺の話はエルヴィンと話して自己分析してからリヴァイと話すつもりだったのよ! 心の準備もない状態で聞かれても困るよ!!』

リヴァイ『お前は本当に面倒臭い奴だな。そんなもん、俺に直接聞けばいいだろ』

ハンジ『じゃあ、聞いていい? リヴァイは、私と、どうしたいの……?』

リヴァイ『ハンジが話してくれたら答える』

ハンジ『それってずるくない?! 人には聞いておいて、答えないってずるくない?!』

リヴァイ『うるさい。いいから答えろ。ハンジが先だ。レディーファーストってやつだろ』

それ、使い方間違ってますよリヴァイ先生。

いや、分かってて言ってるんだろうけどな。多分。

ハンジ『うー……もう、しょうがないなあ。分かった。じゃあ、話す。話すけど……』

リヴァイ『ん?』

ハンジ『わ、笑わないで、聞いてね? 一応、前置きしておくけど』

リヴァイ『ああ。分かった』

ハンジ先生はそこで、区切って手で自分の胸を押さえてから言った。

ハンジ『提案したい事があるの』

リヴァイ『ああ。どんな提案だ?』

ハンジ『私達、試しに一緒に、暮らしてみない?』

おおおおおおお?! いきなり同棲の申し出だあああああ!!!

ハンジ先生、やるな! これは教室の中もざわめいてきたぜ!!

122進撃の名無し:2014/07/30(水) 10:22:34 ID:OG5QGHz.0
リヴァイ『それは「同棲」の提案だと受け取っていいのか?』

ハンジ『そうだね。リヴァイと一緒に暮らしてみたい。そういう感情が、今、私の中に「ある」んだけど』

リヴァイ『……けど?』

ハンジ『なんかこんな事を言っちゃうと、アレなんだけどさ。これって、よくよく考えたら、私、まるでリヴァイの体目当てに一緒に暮らしたいって言ってるようなもんだよね。あんたと一緒に入る風呂が癖になっちゃってさ。もう、他の男じゃダメになっちゃったみたいだし』

なんかそういう言い方すると途端にエロくなるのが不思議だな。

リヴァイ『ああ? (不機嫌)それの何が悪いんだ?』

ハンジ『ええ?』

リヴァイ『だから、それの何が「悪い」んだ? 別に俺はそれでも一向に構わんが』

ハンジ『じゃあ、同棲してくれるの?』

リヴァイ『いや、同棲の話じゃなくて「体目当て」でも別に構わないって言ったんだが』

ハンジ『あんた、どこまでマゾなのよ?! やっぱりサドに見せかけたドМだよね?!』

リヴァイ『そんなもん、どっちでもいい。話を逸らすな。つまり、ハンジから見て俺と同棲したいという感情があって、その理由は俺じゃないとハンジに与えてやれない事なんだろ?』

ハンジ『まあ、そういう事になっちゃいますね』

リヴァイ『なら、話は早い。………断る』

ハンジ『ええええちょっと、持ち上げといて、落とすって?! アレ?! あんた、やっぱりドSだった?!』

リヴァイ『SとかМとかの話は、今はどうでもいい。それより、同棲の件は承諾出来ない』

ハンジ『えええ……断られると軽く凹むんだけど。じゃあ、今まで通りの形態なら付き合ってくれるの?』

リヴァイ『そうじゃない。そういう話じゃない』

ハンジ『ん? つまりどういう事……?』

次の瞬間、一瞬、間があって、リヴァイ先生が唾を1回飲み込んだのが分かった。

皆もなんとなく予感している。これは、きっと、来るぞ。

リヴァイ『そういう話なら………ハンジ。結婚するぞ』

ハンジ『へ………?』

リヴァイ『だから、そういう話なら「同棲」よりも俺は「結婚」の形の方がいいと言っている』

ハンジ『え………えええええええ?!』

リヴァイ『何をそう驚いている。何かまずい事、言ったか?』

ハンジ『いやいやいやちょっと待ってよ?! 何で同棲を提案して断られて「結婚」の話になるの?! 訳が分からないよ?!』

リヴァイ『訳が分からんのはお前の方だろ。ハンジ。どうして「一緒に暮らしたい」っていう感情があるのに、同棲なんてかったるい事を言い出す。同棲する意味なんてあるのか?』

ハンジ『いや、あるでしょ?! こう、段階的なものっていうか、その、物事には順序みたいなものが……』

リヴァイ『それはお互いの事をまだ良く知らない男女の為にあるようなもんだろ。俺達の場合は必要ない』

ハンジ『え? そ、そうなのかな? いや、でも、いくら付き合い長いからって、それとこれとは別なんじゃ……』

リヴァイ『別じゃない。必要性がないならする必要はない。結婚の形の方が収まりついていいし、それに俺にとっても都合がいいんだ』

ハンジ『え? リヴァイの方にメリットあるの?』

リヴァイ『大いにある。だから俺は結婚の方がいい。同棲は、却下だ』

ハンジ『えええええ……ちょっと待ってよ?! それは私の方が承諾出来ないよ!』

リヴァイ『何故だ。何が不満なんだ』

ハンジ『だって、仕事続けたいし……』

リヴァイ『俺は別に辞めろとは言わん。むしろ続けた方がいいと思っているが?』

ハンジ『家庭に入らなくてもいいの?』

リヴァイ『俺が一度でもそういう部分をハンジに求めた事あったか? 今まで全部、俺が代わりにやっていたのに』

ハンジ『そういえばそうでしたね?! でもほら……結婚しちゃったら、リヴァイのファンの子達、泣いちゃうよ? また私、恨まれちゃうし、今度こそ、暗殺され兼ねないよ?』

リヴァイ『その点については、とっておきの秘策がある』

ハンジ『秘策……?』

リヴァイ『結婚を機に、俺の方が教職を辞めればいい。俺が代わりに家庭に入ってやろうじゃないか』

と、リヴァイ先生が爆弾発言したもんだから、他のクラスとか、いろんなところから絶叫が聞こえ出した。

いやあああああ?! とか嘘おおおおお?! とかいろいろ。

123進撃の名無し:2014/07/30(水) 10:39:21 ID:OG5QGHz.0
ハンジ『は……? あんた、何言ってるの? 正気なの?』

リヴァイ『俺はいたって真面目だが?』

ハンジ『いや、熱でもあるんじゃないの? あんた、教職捨てるって……馬鹿じゃないの?!』

リヴァイ『そうか? 別に自分ではそうは思わんが。むしろワクワクしているぞ。これでようやく専業主婦…いや、主夫か。俺の夢が一個叶う訳だからな』

ハンジ『そんな話は初めて聞いたんですけどおおおおおお?!』

リヴァイ『今、言ったからな。そもそも俺はもともと、なりたくて教職についた訳じゃない。ある意味ではエルヴィンに嵌められてうっかり教員になっちまったようなもんだ。だから、教職に未練がある訳じゃないんだよ』

ハンジ『で、でも……リヴァイを慕う生徒達がどんだけいると思っているの? あんた、生徒を見捨てる気なの?』

リヴァイ『それについては申し訳ないとは思っているが、背に腹は代えられん。ハンジと結婚出来るんだったら、俺は教職を捨てる覚悟はある』

おおおお。なんと男らしい発言なんだ。

その瞬間、ハンジ先生がうるっときちゃって。でも、寸前で堪えて、

ハンジ『だ、ダメに決まってるでしょ! そんなの、余計に生徒達に恨まれちゃう……!』

リヴァイ『ハンジ。何もかもがうまくいく選択なんて、元々無理な話だろうが。何かを捨てなければ、得られるものは何もない』

ハンジ『そうだけど! 私だって一応、教員なんだから! 生徒達に恨まれるのは辛いんだよ?! 今までどんだけ地味で地味で地味な嫌がらせとか嫌味とか言われてきたか!!』

リヴァイ『それは陰でやられてきたんだな。どうしてそれを今まで言わなかった』

ハンジ『あんたに言ったら、余計にこじれるでしょうが! あんたの人気、加熱し過ぎて本当にいろいろヤバかったんだからね!』

と、ハンジ先生が言った直後、リヴァイ先生が立ち上がって、ハンジ先生の席の隣に移動して、正面から抱きしめた。

ヒューヒューの声が教室であがる。向こうには聞こえてないだろうけど。

リヴァイ『今まで我慢させてすまなかった。ハンジ、本当にすまなかった……』

ハンジ『や、やめてよ……優しくしないでよ。涙が出てくるじゃない』

リヴァイ『元々、泣き虫の癖に何言ってるんだ。泣け』

ハンジ『もうーいろいろぐちゃぐちゃなんですけどおおおお?!』

と、ハンジ先生がリヴァイ先生の胸の中でわんわん泣いている。

それを愛おしそうに見つめるリヴァイ先生の姿が、すげえ格好良かった。

124進撃の名無し:2014/07/30(水) 11:01:14 ID:OG5QGHz.0
ハンジ『えっぐ……えっぐ…やっぱり、ダメだよ。リヴァイ』

リヴァイ『何が』

ハンジ『あんたが教職辞めたら、ダメだよ。そんな事しちゃったら、宝の持ち腐れじゃないの』

リヴァイ『その宝を独占する権利をやるっつっているのに。お前も素直じゃねえな』

ハンジ『だって、そんな事したら、私、多分、リヴァイ観察日記つけちゃうよ? イグアナ観察記録みたいにして、飼っちゃうよ? それでもいいの?』

リヴァイ『ははっ……そいつは面白いな。ハンジらしくていいんじゃないか?』

ハンジ『誘惑しないでよおおおお! 今、本気でそれをやりたい自分と理性との葛藤が始まろうとしてやばいんですけどおおおお?!』

リヴァイ『まあ、その辺はハンジに任せる。そろそろいいか? 結婚、承諾してくれるか?』

ハンジ『待ってよ! まだ承諾してない! 1ミリもOK出してないよ!』

リヴァイ『まだ抵抗するのか。しぶとい奴だな。お前も……』

ハンジ『いや、だって……その、よく考えよう。リヴァイ。冷静になって考えよう』

リヴァイ『何をだ』

ハンジ『この結婚のメリットについてだよ。私にはメリットしかない状態だけど、リヴァイの方のメリットって、何かあるの?』

リヴァイ『あー……』

と、リヴァイ先生は少し考えて、

リヴァイ『俺はひとつだけ、約束して貰えればそれでいい』

ハンジ『約束?』

リヴァイ『ああ。それさえ反故されなければ、俺はハンジと一緒に結婚生活はやっていけると思っているんだが』

ハンジ『それって、何?』

リヴァイ『俺と毎日、一緒に風呂に入って、俺にハンジの体を全部、洗わせる事だ。今度はもう、本当の意味で「全部」だ』

ハンジ『!!!!!!』

その直後、ハンジ先生が目を白黒させて口をパクパクした。

ハンジ『毎日なんて絶対無理いいいいいい!!! いやあああああ!!!!』

リヴァイ『あ、毎日はさすがにふっかけ過ぎか。悪い。定期的、でいい。とにかく今までのサイクルより少し多めに一緒に風呂につきあってくれるなら、俺はそれだけで満足だ』

ハンジ『いや、それも何か、その……やっぱり私の方のメリットじゃない? あんたどんだけ謙虚なのよ』

リヴァイ『そうか?』

ハンジ『うん……その、あの……それだけのメリットで、結婚って、やっぱり変っていうか』

リヴァイ『ふん……じゃあもっと納得する材料を提供すればいいのか?』

ハンジ『出来ればそうして欲しいけど……』

リヴァイ『分かった。後で文句言うなよ』

と、言って、リヴァイ先生が、動いた。

一同「「「「「「?!」」」」」

リヴァイ先生がハンジ先生の唇に、キスした。それもう、電光石火の勢いで。

ハンジ『?!』

うわ……しかも、その、アレだ。ガチで本気の方の、キスだ。

ハンジ『ん……んー……ん……あっ……ん……』

ハンジ先生、ヤヴァイ!! 声、超色っぽい!!!

おっぱじめたあああああ!!! 教育上、よろしくない展開きたあああああ!!!!

125進撃の名無し:2014/07/30(水) 11:18:16 ID:OG5QGHz.0
ハンジ『はっ……あっ……ああっ………ちょ……あっ……』

うわ……すげえ。見入っちまう。いや、これ、本当、誰か止めなくていいのかよ。

リヴァイ先生、完全に男のスイッチ入ってやがる。いいのかなコレ。

そしたら、天の神様がそれを察したのか、チャイムが鳴った。

昼休み終了の合図だった。

リヴァイ『ああ、次の授業か。今日はここまでしか出来なかったか』

ハンジ(ぼーっ……)

リヴァイ『という訳で、これが俺にとっての結婚する最大のメリットだ。理解出来たか?』

ハンジ(こくり)

リヴァイ『納得したか? だったら、返事を今、くれ』

ハンジ『…………はい』

リヴァイ『結婚、してくれるんだな?』

ハンジ『……はい。結婚します』

リヴァイ『良かった。籍はいつ入れる?』

ハンジ『リヴァイに任せる……(ぼーっ)』

リヴァイ『なら……面倒臭いからもう、俺の誕生日あたりでいいか? 12月25日で』

ハンジ『うん……(ぼーっ)』

リヴァイ『結婚式とか、詳しい事はまた後で決めるぞ。じゃあな。俺は授業の準備に戻る』

ハンジ『うん……いってらっしゃい……(ぼーっ)』

そして、ハンジ先生を置いてリヴァイ先生が先に進路指導室を出て行った。

凄かった。2人の愛の進路相談。一気に結婚まで持っていきやがった。

何だコレ。すげえニヤニヤしてくるんだけど。

ハンジ『……………は! 私は、今、何を………』

あ、ハンジ先生が我に返った。今更だけど。

ハンジ『うわあああああ勢いで結婚承諾しちゃったよおおおおおおどおおしよおおおおおお?!』

ハンジ『しかもあの、リヴァイとだよ?! キスされて、押し倒されて、承諾しちゃったよおおおおお?!』

ハンジ『何コレ?! 何コレ?! 何でこんな事になっちゃったの?! おかしくない? 何かおかしくない?!』

ハンジ『もう、私の馬鹿ああああああ?!』

と、今頃悶絶してゴロゴロして、困惑するハンジ先生が超可愛かった。

126進撃の名無し:2014/07/30(水) 11:50:08 ID:OG5QGHz.0
という訳でお昼のテレビ放送はそこで打ち切られて、皆、その後にすげえざわめき始めた。

ミカサ「け、結婚するって、今、言った……」

エレン「ああ。言ったな」

ミカサ「しかも、クリスマス。12月25日に籍を入れるって……」

エレン「ああ。その日はリヴァイ先生の誕生日だから丁度いいじゃねえか」

ミカサ「じゃあ、結婚式もその日にするのかしら?」

エレン「かもしれねえな。あ、でもそうなると、クリスマスパーティーどころじゃねえよな。オレ達、リヴァイ先生に世話になったんだし、2人をお祝いしてあげないと」

ミカサ「そ、そうね……そうなる」

エレン「何してやろうかな。やべえ! 次の授業どころじゃねえなコレ!」

教室の中も相当ざわめいていた。女子の一部はがっくり葬式のようになっているし、隣のクラスまでざわめいている。

その直後、もう1回、テレビ放送が来た。

あ、リヴァイ先生が一人で映っている。何だろ。何か挨拶するのかな。

リヴァイ『あー……授業始まる前に、すまん。ちょっとお知らせだ。12月25日、学校の体育館を借りて、俺とハンジの結婚式をあげてくれるっていう話がついたようだから、その日に結婚式の披露宴を行う。来たい奴は来てもいい。だが、生徒は全員、制服で来い。時間は追って知らせる。以上だ』

と、追加情報がきて、教室は更に轟いた。

もうこれ、学校をあげてのお祭り騒ぎじゃねえか?!

アルミン「凄かったねえ。公私混同もいいところだね! でも良かったよ。ちゃんとくっついて」

エレン「だな。今頃、エルヴィン先生とピクシス先生、祝杯あげているんじゃねえかな」

ミカサ「次の授業の準備、出来ない……」

エレン「はは! ちょっと遅れてくるかもな。次の授業はなんだっけ?」

ええっと、今日は10月7日。火曜日だから…。

古典か。キッツ先生か。だったらそろそろ教室にやってくるかな。

あ、やっぱり来た。キッツ先生も微妙な顔している。さっきの騒動、知っているんだろうな。

でも淡々と授業を始めた。そうだよな。授業しない訳にはいかないしな。

そんな訳で、いろいろざわざわしながらオレ達は授業を受けた。

リヴァイ先生とハンジ先生の恋の行方は強引に決着ついたけど、なんか2人らしいゴールの仕方のような気もするから、まあいいか。

オレは古典の授業を受けながら、どんな風に2人を祝ってやろうかなって考えていたのだった。

127進撃の名無し:2014/07/30(水) 11:51:35 ID:OG5QGHz.0
という訳で、やっとリヴァイ先生とハンジ先生が結婚する事になりました。
一気に書いて疲れたので小休止。また後で続きを書きます。ではノシ

128進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:24:30 ID:W6APi.n20







その日の放課後。オレとミカサはもう一度、進路相談室に足を運んだ。

今の時期はテスト前だから部活の方も顔は出さなくてもいい。

テスト一週間前になると、部活動は完全に停止する。隠れてやると罰則がある。

だからその日はのんびりと、もう一度進路相談室に足を踏み入れたんだけど。

またまた先客が居た。リヴァイ先生とハンジ先生が言い争っていたのだ。

ハンジ「ひどいよおお……昼休みの様子が中継で生徒に筒抜けだったなんて、私、知らなかったよおおおお」

リヴァイ「ああ? んなもん、エルヴィンとピクシス先生なら絶対にやるに決まっているだろうが。生徒全員が証人だからな。前言撤回は絶対させねえぞ」

あ、やっぱりリヴァイ先生、中継されている事、気づいてあえてやったんだ。

すげえ信頼関係(ある意味で)だな。ハンジ先生、可哀想だけど。

こっちはすげえ面白かったんで口がにやけてしまう。

ハンジ「うわああああん! 嵌められたよおおお! こんな筈じゃなかったよおおおお!」

リヴァイ「うるさい。いい加減に諦めろ。もう、決まった事だ。それより細かい事をこれから決めていくぞ」

ハンジ「ううう………ぐすんぐすん」

ハンジ先生が真っ赤になって涙目なんだけど、超可愛い。

これ絶対、リヴァイ先生、わざとやっているな。苛めて楽しんでいるようにしか見えない。

エレン「あの、オレ達、四者面談用の資料を閲覧したいんですけど、奥の席、使っていいですか?」

リヴァイ「ああ。構わん。少々うるさいかもしれんが、それでも良いなら」

エレン「いえ。2人は2人で今後の相談、頑張って下さい」

という訳でオレとミカサは大学の資料とかいろいろ眺めながら、リヴァイ先生とハンジ先生の会話を背景に聞くのだった。

ハンジ「うううう………しかももう、結婚式の日取りまで決めちゃって。12月って早すぎない? しかも学校の体育館を借りるって。いつの間に打ち合わせていたの?」

リヴァイ「その辺の事はエルヴィンとピクシス先生が全て前もって根回ししておいてくれたそうだ。準備万端で待っていたそうだぞ」

ハンジ「もう、なんか完全に、ベルトコンベヤーに乗せられた荷物のような気持ちなんだけど」

リヴァイ「いいじゃないか。面倒がなくて」

ハンジ「そうだけどさー。うーん。なんかこう、理不尽な気持ちが拭えない……(がくり)」

リヴァイ「どうしてそこまで嫌がるんだ。やっぱり結婚に抵抗があるのか?」

ハンジ「いや、その……そういう訳じゃないんだけど」

リヴァイ「ん?」

ハンジ「なんかこう、今、地に足がついてない感じでね。心拍数がずっと、フル活動していて。心臓持たないっていうか、壊れそうになっているというか。この状態、いつまで続くのかなって思って……」

リヴァイ「ああ、そんな事か。だったらハンジ、オレの脈拍、測ってみろ」

ハンジ「え? 何で?」

リヴァイ「俺の方が、多分、ハンジより脈拍早いと思うぞ」

ハンジ先生がどうやら脈を測り始めたようだ。

129進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:26:31 ID:OG5QGHz.0
ハンジ「………本当だ。私より、早いかも」

リヴァイ「だろ? だったら、問題ないだろ。俺もこういう事は初めてなんだ。緊張くらいはする」

ハンジ「そうなんだ………」

リヴァイ「浮かれているのは俺の方だと思う。その………強引な手を使って悪かったとは思うが、早くハンジを自分の物にしたくて堪らなかったんだ」

うははははは! すげえ会話だなコレ。いいのかな? 聞いちゃって。

ミカサもちょっと照れている。だよなあ。甘すぎる会話だもんな。

ハンジ「そ、そうだったの?」

リヴァイ「ああ。でないと、またいつ、別の男がハンジにちょっかい出してくるか分からんだろ。今度こそは「俺の女に手出すんじゃねえ!」って、代わりに言ってやりたいって思ったんだ」

ハンジ「え?」

リヴァイ「俺がもし、お前の彼氏だったなら、モブリット先生に告白された時点で、俺が代わりに話をつけにいっても良かった。あの時はそうする権利がなかった訳だから「俺にどうして欲しいんだ」って、つい怒鳴っちまった。すまなかった」

ハンジ「そ、そうだったんだ……」

まるで答え合わせのような会話が続いてハンジ先生の声が潤んでいた。

ハンジ「あんた、そこまで私の事、考えてくれていたんだ。ごめん……全然、気づかなくて」

リヴァイ「いや、俺の方こそ悪かったな。ただの愚痴に本気になって言い返すなんて、らしくなかった」

ハンジ「ううん。あの時、甘えた私も悪いのよ。これって、私の悪いところだよね」

リヴァイ「いいや? 俺はハンジに甘えられるのは嫌いじゃない」

ハンジ「え……?」

リヴァイ「嬉しかったよ。頼ってくれたのは。なのに素直にそれを表に出せなかっただけだ。俺もあんまり自分の感情を表に出すのがうまくない。そのせいで誤解も多々起きる。そんな時、何度、お前に助けられたか分からない。だからハンジが傍に居てくれないと困るんだ」

ハンジ「ええ? あ、もしかして、私、リヴァイの通訳的存在なの?」

リヴァイ「そうとも言うな」

ハンジ「うははは! そりゃ責任重大だね! じゃあもう、しょうがないか!」

と、やっと気持ちが落ち着いたのかハンジ先生が一度、手を叩いた。

ハンジ「それだけ必要とされているなら、肌を脱ぐしかないね! 分かった! 結婚を前向きに考えてみるよ。とりあえず、何から始めたらいいのかな?」

リヴァイ「そうだな。まずは、住居についてどうするか、だな」

ハンジ「あーそっか。今住んでいるところって、基本、独身の教員用だから、結婚した人は大抵出ていくよね。部屋の大きさが1人か2人用ってところだし」

リヴァイ「暫くは俺の方がハンジの部屋に通ってもいいが、ずっとそうする訳にもいかないよな。新居を考えるか?」

ハンジ「いいの? 探すの大変じゃない? 忙しいのに」

リヴァイ「その辺はエルヴィンに丸投げすれば喜んで探してくれるんじゃないのか?」

ハンジ「あは! それもそうだね。じゃあエルヴィンにも協力して貰おうか♪」

130進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:28:23 ID:OG5QGHz.0
リヴァイ「学校からあまり遠くなり過ぎなくて……ハンジの荷物が多いから、収納が多い部屋がいいよな。4LDKくらいのマンションで考えておくか?」

ハンジ「いや、4LDKは大きすぎない? 3LDKでもよくない?」

リヴァイ「3も4も対して変わらんだろう。それにどうせ荷物増える癖に。初めから部屋数の多いところを押さえた方がいいんじゃないのか?」

ハンジ「いや、私の場合、あればあるだけ荷物ぶっこむだけだから。制限があった方がかえって助かるかなーて」

リヴァイ「ほう? だったら容量越えたら遠慮なくガンガン捨てるぞ? いいんだな? 後悔するなよ?」

ハンジ「うぐ! そう言われるとプレッシャーになるけど、4LDKになると家賃跳ね上がるからね。うん、そこで妥協しよう」

リヴァイ「は? 家賃を気にして遠慮する必要はない。金は使うべき時に使わなくてどうするんだ」

ハンジ「いや、だって! 悪いよ!! そこはほら、将来の為にも節約した方が」

リヴァイ「そこは節約するべきところじゃない。それに4LDKの方が後々の為にもいいだろ」

ハンジ「うーん。確かにそうだけどさ。本当にいいの?」

リヴァイ「金の事なら心配するな。大丈夫だ。こう見えても俺はそれなりにため込んでいる」

ハンジ「………いくらほど?」

リヴァイ「…………8000万くらい」

ハンジ「は、8000万?! ちょっと待って! 何をどうやりくりしたら教職だけでそれだけため込めるの?!」

リヴァイ「教員になる前に別の仕事もいろいろやっていたんだよ。土方仕事とか。宅配とか。主に肉体労働だな。若い頃、エルヴィンに無理やり大学行かされた時に、あいつに大学資金を全面的に肩代わりして貰ったから、それを返済する為に働いていたんだ。まあ、あいつはびた一文もこっちの金を受け取っていないんだが」

ハンジ「えええ……それは初耳だよ。あんた、エルヴィンに大学行かされたって、本当にそういう意味だったんだ。エルヴィン、まるであしながおじさんじゃない」

リヴァイ「あいつが勝手にやったんだよ。こっちの承諾も無しに。泥酔している時に、契約書を書かせるわ、大学先まで勝手に決めるわ……本当に、あいつ、何であそこまで俺にしてくれたのか……」

ハンジ「あーあれじゃない? 完全にパトロン感覚だったんじゃない? リヴァイがもし女の子だったらエルヴィンに召し抱えられていたかもしれないね」

リヴァイ「想像させるな……本当にやりそうで怖い(ガクブル)」

おおお。なんか裏話も飛び出して面白いな。

大学の資料見ているけど、リヴァイ先生とハンジ先生の会話が面白すぎて集中出来ねえな。

ハンジ「あははは……エルヴィン、リヴァイの事、大好きだもんね。案外、結婚してない理由ってそこだったのかな」

リヴァイ「おい。目を逸らしていた事を突き付けるな。俺も薄々、そんな気配は感じる事があったんだが、見ないようにしていたんだぞ」

ハンジ「本当に?! 襲われそうになった事あったの?!」

リヴァイ「いや、それはさすがにないが……なんていうか、たまに熱っぽい視線を感じる時はあった。そういう空気特有のな。まあ、俺は当然逃げたけど」

ハンジ「うはwwwww危ないwwwリヴァイ、同性からもモテるのって大変だよねwww」

リヴァイ「笑いごとか! あーもう、今はエルヴィンの事は横に置いておく。何の話をしていたんだったか」

ハンジ「家賃の件だよ。新居の大きさとか。あ、大きさもだけど、駐車場とかの事も考えないと。車2台とめられるところじゃないとダメだよね」

リヴァイ「ああ。まあ、車はそうなるな。うーん………そうなると、マンションよりも一戸建てを借りた方がかえって探しやすいかもしれないな」

ハンジ「あ、じゃあ学校からの距離は妥協する? ちょっと遠くなってもいいから郊外探す?」

リヴァイ「そっちでも別に構わんぞ。通勤に1時間以内なら何とかなるだろ」

ハンジ「おおお。プレッシャーだね。今までは片道5分で行き来出来たのが、1時間になるって思うと……」

リヴァイ「叩き起こしてやるぞ。毎朝な(どや顔)」

ハンジ「いやースパルタ教師きたああああ! ううう。やっぱり近くてマンションの方がいいかもー」

リヴァイ「まあ、両方見比べて決めてもいいだろ。その辺はエルヴィンの方が詳しいんじゃないか」

ハンジ「そうだねー。じゃあこの件は後回しにするとして……」

リヴァイ「ん? どうした。急に赤くなって」

131進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:30:47 ID:OG5QGHz.0
ハンジ「いや、その……一緒に暮らす様になったら、一緒に寝るんだよね?」

リヴァイ「そうだな」

ハンジ「その、私、寝相、めちゃくちゃ悪いの、知っているよね?」

リヴァイ「ああ。そうだな」

ハンジ「リヴァイ、ベッドから落っこちないかなーと思って、痛い痛い痛い! 耳ひっぱらないでええぎゃあああ!」

リヴァイ「余計な心配は無用だ。大きいベッドを買いなおせばいいだろ(手離す)」

ハンジ「え? ベッド買いなおすんだ? ダブルで?」

リヴァイ「キングだ(どや顔)」

ハンジ「どこのラブホテル仕様ですか?! いや、その、そこまですると、お金飛んでいくから、さ」

リヴァイ「何でさっきからそう、ケチケチしているんだ。金なら出すって言っているだろうが!」

ハンジ「だあああってええええ! あ、分かった! 和室で寝よう! 和風の生活も良くない? ね? (てへぺろ)」

リヴァイ「まあ、和室でも構わんが………体位が制限されるな(ボソリ)」

ハンジ「ん? 何か今、言った?」

リヴァイ「いや、何でもない。んんー……そうだな。分かった。寝室は和室でも構わんが、もし不都合が出てきたらベッドの生活に変えてもいいよな?」

ハンジ「多分、大丈夫じゃない? ほら、日本は畳の生活の方がいいって。きっと」

リヴァイ「今までがベッドだったから、すぐには慣れないかもしれないな。まあいいか。それでも」

ハンジ「後は何か決めておく事ってあったっけ?」

リヴァイ「家電とかはそれぞれの物を持ち寄ればいいし、特に新しく買う物はないよな」

ハンジ「あ、でも、私が使っている方はもうほとんどボロボロだし、これを機会に処分したいかも。リヴァイの使っている方に統一しようよ」

リヴァイ「まあ、そうだな。お前の部屋の掃除をすると、掃除道具も摩耗していたからな。そろそろ限界ではあったな」

ハンジ「冷蔵庫も洗濯機もギリギリだったよね。いやーその辺、ケチ臭くてごめんね!」

リヴァイ「お前の金の使い方は殆ど、飼っていた生物の餌代とかだったんだろ。足りない分は自分の金でこっそり補填して賄っていたんだし」

ハンジ「まあねー自分の事よりあの子らの方が可愛いからさーついつい、自分の事は後回しにしちゃうんだよねー」

リヴァイ「もう今度からそんな事はしなくていいからな。ハンジの分は、俺がまとめてやるから」

ハンジ「ありがとう。うん。素直に嬉しいよ」

おおお。なんか甘い空気が漂っている気がする。

リヴァイ「………ハンジ」

ハンジ「(ドキッ)な、なに?」

リヴァイ「お前、本当に、イッた経験、ないのか?」

ハンジ「ちょっとおおおおいきなり何言い出すの?! エレン達、そこにいるのに。その話はやめようよ!!」

リヴァイ「エレン、耳栓しておけ」

エレン「らじゃーです(*嘘)」

ハンジ「思いっきり聞く気満々じゃないの! ちょっと、エレンもニヤニヤしないで!」

エレン「え? 何ですか? 聞こえませーん(*嘘)」

リヴァイ「ほら、聞こえないって言っているんだからいいだろ。その件について、確認したいんだ」

ミカサ(ドキドキ)

ミカサまで真っ赤になっている。

ミカサ、結構エッチだからな。そういう話は耳ダンボしちゃうんだろう。

オレとミカサは耳栓したふりをして話を聞いている。

132進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:32:44 ID:OG5QGHz.0
ハンジ「あーうん。その、はい。すみません……ごめんなさい」

リヴァイ「何を謝る必要がある。それはハンジの責任じゃない」

ハンジ「でも……やっぱり変じゃない? 私、36歳にもなって、そういう経験ないんだよ?」

リヴァイ「それは運がなかっただけだろ。もしくは、過去の男達の責任でもある。こういう話を聞いてもいいのか判断に迷うが……お前、今まで、何人の男と付き合ってきた」

ハンジ「…………それはエッチした人数で計算?」

リヴァイ「ああ。まあ、成り行きでやっちまった数も含めていい」

ハンジ「んー………5、6人ってところかな。多分、そのくらい」

リヴァイ「意外と少なかったな。そんなもんか」

ハンジ「うーん。私、そもそもそこまでエッチに執着なかったからね。ただ、傾向としては年下ばっかりで、年上とつきあった経験はないよ」

リヴァイ「あーなるほど。合点がいった」

ハンジ「え? 何が?」

リヴァイ「お前、まだスローセックスやったことないだろ」

ハンジ「え? 何それ。そんなのあるの?」

リヴァイ「あるんだよ。セックスにもいろいろ種類がある。パートナーが年下ばかりだったのなら、そいつら、余裕がなくてガツガツしたセックスを要求する奴らばっかりだったんじゃないか?」

ハンジ「何で分かるの?! まるで見てきたように言うね!」

リヴァイ「まあ、その辺はなんだ。若い頃はそんなもんだからな。俺も初めはそうだったし、数をこなしてから気づいた事だからな。女には、大まかに分けて2種類のタイプがいるって事を」

ハンジ「何それ? 何か面白そうな話だね。聞かせて(わくわく)」

リヴァイ「分かった。これはあくまで俺の自論になるが……」

と、前置きした上でリヴァイ先生の話が始まった。

リヴァイ「女には身体がすぐに濡れるタイプ、つまり短距離走者のようなタイプと、体が濡れるまでに時間がかかるマラソンランナーのようなタイプと2種類に分かれるんだ」

ハンジ「へー……それって比率的にはどんな感じ?」

と、すっかり生物の先生の顔になってハンジ先生が聞き入っている。

リヴァイ「俺の感覚だと、5割くらいがスローで、3割がクイック……まあ、これは俺が勝手に言っているだけの言葉なんだが、そんな感じだ。残り2割は、どっちもいける万能型の女だな」

ハンジ「えええ? じゃあもしかして、私、セックスのやり方が自分に合ってなかった可能性がある訳?」

リヴァイ「あくまで可能性の話だけどな。あと、初めてセックスした相手とのトラウマを抱えて、それ以後のセックスがうまく出来なくなるケースもある。お前、最初の時はうまくちゃんとやれたのか?」

ハンジ「………………痛いって感覚はなかったよ? ただ、その、アレ? こんなもんなの? みたいな拍子抜け感はあったね」

と、汗を浮かべてハンジ先生が言う。アレ? 何か様子が変だな。

嘘ついている様子ではないけど、それが全部ではないような。違和感があった。

リヴァイ先生はそれに気づいた様子はないけど。

リヴァイ「だとしたら、初めてのセックスでトラウマを抱えた訳じゃないんだな」

ハンジ「うん。初めての人にはとても優しくして貰えたよ。無理、言ったのに、ちゃんとしてくれたんだ」

リヴァイ「ん? 無理言った? まさかお前、自分から誘ったのか……? (イラッ)」

ハンジ「え……あ、いや……あははははは! む、昔の事だからもういいじゃない! ほら、リヴァイだって10代の頃、やりまくっていたんでしょ? 時効だよねえ?」

リヴァイ「………その口ぶりだと、初めては10代の頃にやったんだな」

ハンジ「な、何故分かったし……(遠い目)」

リヴァイ「相手は俺の知っている奴じゃねえよな? <●><●>(*疑惑の目)」

ハンジ「え? え? 何でそういう発想になるの?」

リヴァイ「何故、すぐ否定しない。お前、まさか………まさか………」

該当する人物がいるのか、リヴァイ先生がどんどん機嫌悪くなってきた。

誰だろ? リヴァイ先生には思い当たる人物がいるようだけど。

133進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:34:52 ID:W6APi.n20
コンコン♪

エルヴィン「やあご両人。そろそろ新居のお話は煮詰まったかな? 私がいろいろ世話してあげよう(スタンバイ☆)」

と、まるで待ってました! と言わんばかりにエルヴィン先生が進路指導室にやってきた。

エルヴィン「おや? また喧嘩かい? 今度は何をやらかしたのかな?」

険悪な空気を察してそう言うと、

リヴァイ「単刀直入に聞こう。エルヴィン。お前、ハンジと昔、ヤッた事あるか?」

エルヴィン「……………(微汗)」

リヴァイ「答えろ。誤魔化したら容赦しないぞ」

エルヴィン「はー………バレちゃったか」

観念したようにエルヴィン先生は白状した。

エルヴィン「うん。もう20年前になるかな。1度だけしてあげた事、あるよ」

と、とんでもない爆弾発言が飛び出てオレとミカサは2人で「「ええええ」」って顔になった。

どどどどういう事なんだそれって?!

エルヴィン「今から20年前。私はまだ23歳だった。教職になりたての22歳の時、初めて受け持ったクラスの子が、ハンジだったんだよ」

ハンジ「私、実は講談高校出身なんだよね。エルヴィンとはその頃からの付き合いなんだ」

ええええええ?! それも初耳だぞ!?

エルヴィン「うん。で、翌年の、ハンジが16歳になった時だったかな。クラスの女子にいろいろ馬鹿にされて、やけくそになっていてね。「処女捨てたいから協力してお願いエルヴィン!!!」ってだだこねて。私も正直、困ったなあと思ったんだけど。教員としてはやってはイケナイ事だし。でも、どうもハンジは何か、特別な理由があるような気がしてね。ごめん。あの頃は私も若かったし、協力してあげたんだよ」

リヴァイ「……………」

エルヴィン「その頃からハンジはずっと「青春とは何ぞや」みたいな事を言っていてね。クラスの女子に「初恋もまだなの?」とか「処女ださい」みたいな事を言われてキレてしまったようでね。泣きながら訴えて来て。悔しいって。だから、ついつい、私もそんなハンジが可愛く見えて、………すみません。手出しました」

アウトだろ。いや、もう完全にアウトだろ。

20年前の事だから時効になるのかな。若気の至りで済ませていい問題じゃねえ気がするけど。

リヴァイ先生、頭抱えている。そりゃそうだよな。

リヴァイ「エルヴィン、よくまあ、事が発覚しなかったな。お前、教師生命、なくなるところだっただろ」

エルヴィン「その頃は今ほど、いろいろうるさい時代じゃなかったからね。勿論、バレたら懲戒免職だけど。でもその頃私も、自分の職業について揺れていた時期でね。親が教員だったから、そのまま習う様に教員に一応、なってみたけれど、実際やってみたら「うーん?」っていう違和感があって。だからバレたらバレた時でいいやって、思ったんだ。若いって怖いねえ」

リヴァイ「まあ、そういう気持ちは分からんでもないが。いや、でも……ハンジ、なんでよりによってエルヴィンを選んだ」

気分はすっかりorzだよな。リヴァイ先生。

ハンジ「んーエルヴィンなら、いいか♪ って思っちゃって。ごめん。あの頃の私、アホだったからさ。勢いだけは凄くて、好奇心が止まらないアホの子だったからさ。本当、ごめん」

と、ハンジ先生が手を合わせて謝り続けている。

リヴァイ先生、複雑な心境だろうなあ。

134進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:36:41 ID:OG5QGHz.0
ハンジ「でもその時、エルヴィンが言ってくれたんだ。今回のセックスが気持ちいいものではなかったのなら、そこに「トキメキ」がないからだよって」

リヴァイ「え?」

ハンジ「だから、『ハンジがハンジらしく生きられる人にいつか出会えれば、必ず本当の、気持ちいいセックスは出来るから。今日の事は、誰にも言わないで秘密にしておこうね』って」

なるほど。ハンジ先生の「トキメキ」を追う旅はそこから始まったのか。

ハンジ「エルヴィンの言葉を信じて20年経って、やっと言っている意味が分かった気がするよ。時間かかり過ぎてごめんねーあははは……」

と、頭を掻いているハンジ先生だった。

エルヴィン「いやいや。それでも運命の人に出会えたのだから結果オーライじゃないか。そうだろう? リヴァイ」

リヴァイ「……………はあ。もう、俺には何も言えん」

と、すっかりしょげてしまったリヴァイ先生だった。

リヴァイ「エルヴィン、お前、ハンジの事、可愛いって言ったよな。だったら、俺に遠慮しているとか、ねえよな?」

エルヴィン「ん? どうしてそう思う?」

リヴァイ「いや、俺よりも先にハンジと出会っていたのも初耳だったし、お前、何でずっと独身を貫いているんだ?」

エルヴィン「え? 聞きたいの? 聞かない方がいいと思うよ?」

リヴァイ「もうこの際だから全部教えてくれ。驚かねえから」

エルヴィン「分かった。その言葉、絶対撤回しちゃダメだよ?」

と、意地悪い顔になってエルヴィン先生が言った。

エルヴィン「確かにハンジの事は可愛いと思っているよ。大人として成熟した後のハンジに再会してからも、ずっとそう思っていた。でも、ハンジよりも可愛い子を後から見つけちゃったからね」

リヴァイ「え?」

エルヴィン「お前だよ。リヴァイ。私はハンジよりも、リヴァイの方に心惹かれた。君がもし女の子だったら、拉致監禁してでも嫁にしたいと思うくらいには一目惚れだったんだよ」

うぎゃあああああ?! とんでもない発言がきたああああ?!

さらりと怖い事言っているぞ。ヤバイヤバイ。エルヴィン先生、ガチでヤバい先生だった!!

135進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:38:07 ID:OG5QGHz.0
リヴァイ「あー……(ガラガラ声)」

エルヴィン「というより、もしリヴァイがそっちでもOKな人種だったら、私は正気では居られなかっただろうね。いやはや、道を危うく踏み外すところだったよ」

ハンジ「あーだから、エルヴィンはリヴァイに甘いんだね。納得したよ」

リヴァイ「いや、納得しないでくれ。ハンジ。ちょっと頭が痛くなってきた……(げっそり)」

リヴァイ先生がフラフラしていた。無理ねえな。これは。

リヴァイ「つまり、エルヴィンは「バイ」なのか?」

エルヴィン「そういう事になっちゃうのかな? うん。知らない方が良かったでしょ?」

リヴァイ「そうだな。今、俺は自分の選択を物凄く後悔している……(げっそり)」

エルヴィン「だから言ったのに。でも、私の新しい本命は別にあるよ」

リヴァイ「え?」

エルヴィン「早く2人の「娘」を産んでくれ。特にリヴァイに似た娘だと尚良い。その子を私の嫁として貰えないかな?」

リヴァイ「は……? (石化)」

ハンジ「えええ……そんな博打みたいな事、言わないでよー。性別だけは完全に「運」の世界じゃない」

エルヴィン「いやいや。私は博打に強い方だよ。大丈夫。君たちの間には「娘」が産まれると思っているから」

ハンジ「気が早すぎるよエルヴィンー……あれ? リヴァイ? 何か動かなくなったね?」

リヴァイ「………は! しまった。一瞬、気失っていた」

ハンジ「あはは! 器用だね!」

リヴァイ「笑いごとか!!!!! そうか。だからか。だから今までずっと、俺とハンジをくっつけるように仕向けていたのか」

エルヴィン「イエス。だから本当はもう少し早くくっついて欲しかったんだけどね。年齢的な問題もあるから」

リヴァイ「というより、完全な犯罪じゃねえかああ!!!!!」

あ、リヴァイ先生が絶叫した。

珍しい。ここまで大絶叫するリヴァイ先生、初めて見たかも。

リヴァイ「年の差いくつだと思ってやがる。今、お前の年、43歳だろ? 16年後で計算しても、59歳だろ? もうそれは孫と祖父の関係に近いんだぞ?! 正気の沙汰じゃねえだろ!」

エルヴィン「んー……でも、しょうがないんじゃない? 法律的にはセーフだろ?」

リヴァイ「倫理的な面から見たら完全にアウトだろうが!!!!」

エルヴィン「そんな事を言われても……せめてあと5年早く君達が結婚を決意してくれていればねえ?」

リヴァイ「いや、それでも十分犯罪臭がする。お前、ロリコンの気もあるのか」

エルヴィン「教え子に手出せた時点で、自分が鬼畜だって事は自覚しているよ(笑)」

リヴァイ「………もう嫌だ。この世界は残酷だ……(顔覆っている)」

ハンジ「まあまあ、リヴァイ。もうなるようにしかならないよ。諦めよう。ね?」

リヴァイ「お前らどっちも大嫌いだ!!!」

と、リヴァイ先生が拗ねだしてしまった。気持ち分かるわ……。

136進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:40:17 ID:OG5QGHz.0
エルヴィン「困ったね。リヴァイが拗ねてしまった。どうしよう? ハンジ」

ハンジ「んー……リヴァイが拗ねた時は、とりあえず紅茶出すしかないんじゃない?」

エルヴィン「それもそうだね。紅茶でも飲ませて落ち着かせよう。入れてくるね」

と、言ってエルヴィン先生が紅茶を入れに行った。

リヴァイ先生がぐったりしていて、可哀想だった。

あまりにも衝撃的な情報が立て続けに入ってきて脳内で処理しきれていない状態だな。

リヴァイ「なんかもう、何もかもが嫌になった。もう、俺はやっぱり独身でいた方が良かったのか…?」

ハンジ「ええ? 今更それは言いっこなしだよ。リヴァイ。もう決めた事でしょ? 前言撤回はしないって、自分で言ったんじゃないの」

リヴァイ「それはそうだが……まさかここでこんな大どんでん返しが待っているとは思ってもみなかったんだ。子供、早めに作ろうと思っていたのに……(ブツブツ)」

ハンジ「あ、そうだったの? うーん。でも今すぐじゃなくても良くない? エルヴィンの件、納得出来ないうちは作らない方がいいと思うよ? エルヴィンの性格は知っているでしょ? 娘産まれちゃったら、本気で嫁にしようと画策してくると思うよ?」

リヴァイ「絶対、あいつには娘は渡さん……(ゴゴゴ)」

ハンジ「うーん。どっちに似ても嫁にしそうだから、難しいよね。多分、私に似ても嫁として貰いたいと思っているだろうし」

リヴァイ「息子が産まれたとしても危険だぞ。どう考えても。あいつとは縁切りした方がいいんじゃねえか?」

ハンジ「そんな不義理は出来ないよ! 私、エルヴィンにどんだけ世話になったか分からないよ! リヴァイだってそうじゃない!」

リヴァイ「それとこれとは別問題だ。あの野郎……本気で一度、締めた方がいい気がしてきたぞ(ゴゴゴ)」

エルヴィン「まあまあリヴァイ。紅茶でも飲んで落ち着いて」

と、紅茶を差し出してエルヴィン先生が差し出す。

とりあえず、それは頂くようだが……

俺はこの時、嫌な予感しかしなかった。なんていうか、リヴァイ先生が「神谷」に見えてしまって。

案の定、リヴァイ先生はフラフラしちゃって、眠ってしまった。

盛られたな。爆睡している。

もう、笑ってはいけないアレの中で最大の笑いだった。

今回ばかりは「アウト」だった。ミカサも「アウト」だったみたいで、笑い出した。

ミカサ「絶対、くると思った……盛られるって、思ったのに」

エレン「予想できたのに、出来たのに! ダメだった……!」

と、オレ達が声を殺して笑っていたその時、ハンジ先生がしみじみと言った。

137進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:42:06 ID:OG5QGHz.0
ハンジ「あー寝かせちゃったんだ。まあ、それが一番いい手かもね」

エルヴィン「だろう? 今回、いろいろあり過ぎたからね。寝るのが一番のストレス解消法だよ。リヴァイに一番今、必要な事だ」

ハンジ「うん。そうだね。とりあえず、リヴァイは私が抱えて連れ帰るから。後の事は宜しくね。エルヴィン」

エルヴィン「了解した。じゃあね。ハンジ」

と、いう訳でやっと騒動が終わって、オレとミカサはやっと大学資料に目を戻した。

エルヴィン「おやおや。エレン。勉強熱心だね。ミカサも。今度の四者面談に向けての予習かな?」

エレン「あ、はい。今、何もとっかかりがない状態なんで、とりあえず、資料だけでも目通しておこうかと」

エルヴィン「ふむ。今はまだ、何も見えてない状態なのかな?」

と、エルヴィン先生が進路指導の先生の顔になってこっちに来てくれた。

向かい合って座って、話し合う。

エレン「そうなんですよね。エルド先輩には「語学系」とかどうだ? と言われた事もあるんですけど。オレ、そういうの向いているんですかね?」

エルヴィン「語学系ね。確かに語学が強いといろんな仕事が出来るけど、私が見る限り、エレンはもう少し違う職種でもいいと思っているよ」

エレン「え? エルヴィン先生から見たら、オレに向いている職業、分かるんですか?」

エルヴィン「あくまで私の「主観」になるけど……エレンの場合は「人の命を助ける仕事」に関する物がいいんじゃないかと思っているよ」

エレン「え? 医者とかですか? オレの親父は確かに医者ですけど、頭足りないから無理ですよ」

エルヴィン「そうか。なるほど……通りで。いや、血筋って奴か。確かに学力が伴えば、医者という選択肢もあっただろうね。でも私は、それよりももっと「危険」が伴う仕事でもいけると思うよ」

エレン「危険……ですか」

ピンと来ない。どんな仕事だろ?

エルヴィン「例えばそうだね。『消防士』とか『レスキュー隊』とか、あとは『自衛隊員』とかかな。君の緊急時の咄嗟の判断能力は、リヴァイからも少し話を聞いているし、舞台での本番の適応力。そして、マーガレットの家の事もマーガレット本人から聞いたよ。お母さん、助けてあげたんだってね?」

エレン「あ、まあ……成り行きというか、ついつい」

エルヴィン「うん。そういう緊急時の咄嗟の判断能力は君の「武器」になるんじゃないかな。加えて君は人の「命」に対してとても敏感に感じ取って、それを助けようとする気質がある。自分を犠牲にしてでも、人の命を助けたいと思った事とかないかな?」

ドキッ。昔の事を言われているようで、焦った。

あの、9歳の時の事件だ。でもエルヴィン先生、その事を知らない筈だよな。

エレン「……ない訳ではないです」

エルヴィン「だとしたら、それに「体力」さえ伴えば、割とその辺の職業が向いているように思えるよ。あくまで私の主観だけどね。参考になったかな?」

エレン「はい。とても。分かりました。その話を、親父にもしてみます」

エルヴィン「うん。四者面談、楽しみにしているよ」

と、言ってエルヴィン先生が先に退出していった。

ミカサ「凄い。さすがエルヴィン先生。すらすらと、導いてくれた。しまった。私も聞いておけば……」

エレン「まあ、それは今度の四者面談で話聞けるからいいんじゃねえか?」

ミカサ「そうね。そうする」

と、言って適当なところで切り上げて、オレ達は進路指導室を出る事にした。

そして職員室に鍵を返して、教室に戻ると、アルミンとアニが待っていてくれた。

こっちは中間テストに向けて勉強中だった。さすがだな。

アルミン「あ、終わった? じゃあそろそろ帰ろうか」

アニ「帰ろう」

エレン「おう。帰ろうぜ♪」

という訳で、いつもの日常に戻って、オレ達は帰る事にした。

中間テストの後は四者面談がある。その後は、きっと結婚式が待っている。

文化祭は終わったけど、オレの高校生活はまだまだ慌ただしい毎日が続きそうだった。

138進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:45:22 ID:OG5QGHz.0
エルヴィンのファンの方、本当に申し訳ありませんでした(土下座)
エルヴィンが相当の斜め方向の変態になってしまって、書いていて楽しかったですが、
ドン引きされそうで怖いです。本当にごめんなさい。

とりあえず、ここまで。続きはまた今度で。ノシ

139進撃の名無し:2014/07/30(水) 22:50:52 ID:fdH4phvI0
もうすぐ誓約書についてのはなしでてくるかな?
もう本当ミカサ抱きしめてペロペロしたい。ちょっとくらいならいいよね

140進撃の名無し:2014/07/30(水) 23:26:26 ID:AYVCKSFY0
エルヴィンファンだけど面白く読んでたよ
あの人は常に斜め上を行くから…
平和な世界では何があっても不思議じゃない…かも
それより8000万もあるならマンションでも家でも買えばいいのにー
億ションもローン査定クリアするだろうし
あ、教職は転勤族だから賃貸のが良いのかな?

141進撃の名無し:2014/07/31(木) 02:27:14 ID:2GnQ2kgk0
>>140
転勤族なのは公立です。私立だとクビにならない限りは、
結構長く在籍する事は可能らしいです。実際、何十年もいる先生いたので。

あとリヴァイの方が子供の養育費とかも考えている(筈)なので、
賃貸優先で話していますが、安い中古物件とかあればそっちでも良いとか思ってます。
ただリヴァイの性格だと、新築を現金一括でドーン!
とか払いそうなイメージもあります。豪快なイメージ。ローンとか面倒臭がりそうな。
ハンジさんはそんなリヴァイを見てアプアプする感じです。

ま、エルヴィンのプランと相談しながらきっと決める事でしょうw

142進撃の名無し:2014/07/31(木) 02:30:06 ID:2GnQ2kgk0
>>139
ミカサをペロペロする前に、リヴァイ先生の特別授業を挟む予定です。
保健体育も彼の担当だから。もう少しお待ち下さい(笑)。

143進撃の名無し:2014/07/31(木) 07:20:26 ID:/wYRTh4.0
リヴァイ先生、行動はともかく、ちゃんとハンジ先生に好きだと言葉で伝えてたっけ?
つか、単なるエロ親父に見えてきた(笑)

144進撃の名無し:2014/07/31(木) 15:53:47 ID:2GnQ2kgk0
>>143
鋭い(笑)まだちゃんと好きって言ってないですよー。
あと元々相当なエロ親父ですのでそれで合ってます。

145進撃の名無し:2014/07/31(木) 16:32:41 ID:2GnQ2kgk0









その日の夜、オレは親父とリビングで少し話をする事にした。

四者面談についてと、今日、エルヴィン先生と話した事を親父にも話してみたのだ。

すると、親父は「ううーん」とちょっとだけ顔を顰めて、

グリシャ「そうか……進路指導の先生がそんな事を……」

エレン「ああ。まあ、職業の種類はあくまで「例え」として出してくれたんだけど、オレは「人の命を助ける仕事」に関する仕事に向いているかもしれないって。頭が良かったら、医者の適性もあるみたいな事も言われたんだ」

グリシャ「それは親としては嬉しい言葉だけど、そうか……消防士やレスキュー隊、自衛隊員ねえ……」

エレン「親父はどう思う? オレ、そういうの向いてそうだと思う?」

グリシャ「私としては、語学留学をさせる方が余程心臓にいいんだけどねえ」

と、困った顔をしていた。

グリシャ「命の危険のある仕事について欲しくない気持ちはあるよ。もしも自分より早くエレンが死んでしまったら、親としてこんなに悲しい事はない」

エレン「死ぬこと前提で話さないでくれよ。そう簡単にはくたばらねえって」

グリシャ「エレン。人は簡単に死ぬよ」

エレン「!」

グリシャ「私は常に人の「死」を見てきたからね。死ぬ時は、呆気なく死ぬ。それが人間なんだ」

エレン「…………」

グリシャ「ただ、生き方は自分で決める物だ。父さんがどんなに反対したって、エレン自身がどうしてもその道に進みたいと言うなら止める事は出来ない。親としては見守るしかないね」

エレン「……そっか」

グリシャ「でも、選択肢のひとつとして考えておくことはいいことだと思うよ。時間はまだある。じっくり考えなさい」

エレン「分かった。ありがとう。父さん」

と、言って今日のところはそこまでにして進路相談を終えた。

オレとしては、エルド先輩に進路を勧められた時の感触より、エルヴィン先生の話の方がしっくりくる感覚があったので、どちらかと言えばそっちの方に興味が沸いてきている。

ただ、一つだけ懸念しているのは、エルヴィン先生が付け加えた言葉。

そう、「体力」の問題だった。

オレの体力は多分、並み程度だ。ミカサとかリヴァイ先生に比べれば大分劣るだろう。

そういった激務の職業に耐えられるかと言えば、正直今のままでは自信がなかった。

エレン「体、もうちょっと本格的に鍛えようかな」

どういう道を進むにしろ、体を鍛えておくのは男として必要な事な気がした。

だから、オレは思い切ってミカサに相談する事にしたんだ。

ミカサは自分の部屋で筋トレをしていた。毎日の日課だ。

筋トレが終わってから風呂に入るんだが、その前に、オレはミカサに声をかけた。

146進撃の名無し:2014/07/31(木) 16:34:21 ID:2GnQ2kgk0
ミカサ「? どうしたの? エレン」

エレン「ミカサ。オレ、ミカサのトレーニングに付き合ってもいいか?」

ミカサ「え? ランニングは一緒にやっているのに? それ以外もやるの?」

エレン「ああ。もうちょっと、本格的に体を絞りたいんだ。協力してくれねえか?」

ミカサ「うん」

という訳で、オレもミカサの部屋で腹筋や腕立て等をしながら、進路の話をしてみる事にした。

エレン「ミカサは何か、めぼしい進路、見つかったか?」

ミカサ「いいえ……全然……さっぱり」

エレン「そっか。ミカサは成績もいいし体力もあるし、大抵の仕事をこなせそうだけどな」

ミカサ「でも……自分のやれる事と「やりたい事」は別だと思う」

エレン「ああ、それもそうか。やりたい事、何かないのか?」

ミカサ「…………………」

あれ? 長い沈黙だな。

ミカサ「ひとつだけ、ある」

エレン「お? なんだよ」

ミカサ「いつか、子供が欲しい」

エレン(ぶふー!)

思わず吹いて、腕立てをやめて潰れてしまった。

エレン「お、おまえなあ……」

ミカサ「だ、だって……それくらいしか思いつかない。正直言えば、お嫁さんになれればそれでいいとさえ思っている」

エレン「そ、そうか。じゃあオレ、責任重大だな」

ミカサ「え……」

エレン「だって、ちゃんとした職業につかないと、ダメだろ? 子供育てられないだろ?」

ミカサ「………」

エレン「ん?」

ミカサ「それって、プロポーズとして受け取って、いいの?」

エレン「!」

あ、やっべ! オレ、先走り過ぎた!!!!!

エレン「あ、その、ミカサの旦那になるとすれば、その必要があるだろって話で、ええと、ごめん。ちょっとフライング過ぎた」

ミカサ「ううん。嬉しい……」

ほやっと笑ってくれた。うわあああん。可愛い。

もうこの状態、何回繰り返せばいいんだ。いい加減、手出したい。

でも、まだ親父に例の誓約書の件、確認してねえんだよな。

エレン「ミカサ。あの、例の誓約書の件、どうする?」

ミカサ「出来れば確認したいけれど。その前に、エレンとも確認したい」

エレン「ああ、多分、思っているのは同じ事だよな」

ミカサ「うん。あの誓約書の「穴」について」

エレン「誓約書の内容は「オレ」の方からの接触はダメで「ミカサ」からの接触については特に明記がなかった」

ミカサ「うん。多分、私はそこに何か「別の意味」が隠されているような気がする」

エレン「うーん。本当にそういう「エッチ」な事をさせたくないなら、確かに「両方」を規制するよなあ」

親父はどういうつもりであの誓約書を作ったんだろう?

エレン「親父に今、確認してみるか? 早い方がいいよな?」

ミカサ「うっ……でも、もうひとつの可能性もある」

エレン「え? もうひとつの可能性?」

ミカサ「ただの明記ミス。こちらから指摘して「あ、忘れていた。ごめんごめん。じゃあミカサからもダメにしよう」とおじさんに言われてしまったら、穴がなくなってしまう」

ズーン……

さすがミカサだ。よくぞそこに気づいた。

あっぶねー! 危うくその手にひっかかるところだった!

ここは慎重に行動を起こさないと。うん。誰かに相談するべきだな。

147進撃の名無し:2014/07/31(木) 16:45:34 ID:2GnQ2kgk0
エレン「だ、誰に相談するべきかなコレ」

ミカサ「エルヴィン先生だと思う。エルヴィン先生ならきっと、客観的にこの誓約書の意図を読み取れるような気がする」

エレン「ああ、かもしれないな。こういう知略でエルヴィン先生に勝てる人はそうはいねえ」

親父も相当の曲者だけど、エルヴィン先生だって負けやしねえ。

エレン「よし。そうと決まれば、今度エルヴィン先生に時間つくって貰って相談してみようぜ」

ミカサ「うん。そうしよう。是非そうしよう」

と、その時、タイマーが鳴った。

ミカサ「お風呂の時間になったので入ってくる」

エレン「おう。いってらっしゃい」

と、規則正しく生活するミカサを見送って、オレはその場にごろんと横になった。

ミカサの部屋、ミカサの匂いがしていい気分になれるんだよな。

エレン「……………」

いかんいかん。邪な事を考えるところだった。自分の部屋に戻ろう。

そんな感じで、とりあえずの方針を固めて、その日の夜は終えたのだった。





次の日、オレ達は早速エルヴィン先生を捕まえて放課後、ちょっと時間をとってもらって進路指導室で話す事にした。

例の誓約書のコピーを見せてみる。すると、エルヴィン先生は「これは…」とちょっと驚いた顔を見せた。

エルヴィン「ふむ。では今日は2人の「愛の」進路相談という事で、私が話を受けていいんだね? (ニヤリ)」

エルヴィン先生が昨日より嬉しい顔で答えてくれた。

本当に人の恋愛事、大好き過ぎるよな。この先生。

エルヴィン「そうだね。ちょっと待って。ピクシス先生も同席させていいかな?」

エレン「え? ああ、まあいいですけど」

ミカサ「あ、そう言えば賭け事の精算、まだしていなかった(汗)」

エレン「あー……じゃあついでに全部話すか。説明するのにも必要だしな」

ミカサ「いいの?」

エレン「しょうがねえだろ。いいよ。こっちにも味方欲しいしな」

連絡を受けてから5分もしないうちにピクシス先生が進路指導室にやってきた。

くるの超はええ。本当、機動力有り過ぎる。

ピクシス「悩める生徒の為に参上したぞ。して、状況は?」

エルヴィン「まずはこちらの誓約書をご覧ください。ピクシス先生」

と、誓約書のコピーを見せると、同じように驚いていた。

148進撃の名無し:2014/07/31(木) 17:01:30 ID:2GnQ2kgk0
ピクシス「ほほう。なるほど。これは……」

エルヴィン「まずは2人が付き合うまでの経緯と、今の状況を詳しく説明してくれるかな?」

エレン「あ、はい……」

という訳でオレとミカサは一緒に今までの経緯を大体説明する事にした。

まる、今年の3月に親父が再婚した事。その関係で連れ子同士も一緒に同じ家に暮らす事になった事。

一緒に暮らしていくうちにだんだん、オレの方からミカサに惹かれて、夏に自分から告白して、お互いの気持ちを確認した事。

でも、その際にうっかり親父にその事が即座にバレて、誓約書を交わす事になった。

その流れを大体把握して貰ったのち、エルヴィン先生達は「なるほどね」と笑ったのだった。

エルヴィン「エレンのお父さんはなかなかの策士だね。これは、いやはや」

ピクシス「ふふふ……いいのう。愛の試練というやつじゃのう」

と、ニタニタし始めたのだった。

エレン「愛の試練……ですか」

ピクシス「じゃのう。して、律儀にこれを守っておるのか? お主?」

エレン「うぐっ……その、微妙に破っている事もありますが、でも、本格的な手はまだ、出してないです」

ピクシス「ほうほう。しかしそろそろ、辛かろう。我慢にも限界があるというもんじゃ」

エレン「おっしゃる通りで……」

エルヴィン「エレンとミカサはつまりこの誓約書の「穴」についてどう捉えたらいいのか、迷っているんだね?」

ミカサ「はい。わざとなのか、それともただの明記ミスなのか。判断がつかなくて」

エルヴィン「エレンのお父さんはお医者様なんだろう? 明記ミスは、まずないね。そんな初歩的なミスはあり得ない」

エレン「だとしたら、やっぱり裏の意図が?」

エルヴィン「うん。まあ、恐らく、こうかな? という意味は分かるけど、それは私が指摘していい問題なのか、ちょっと判断がつかないね。もしかしたら、自分達で気づいて欲しいのかもしれないし」

エレン「オレ達自身で、ですか」

エルヴィン「そうそう。お父さんからの「謎かけ」みたいなものだね。それを自分達で解く事が出来れば、もう少し先に進ませてあげてもいいかなって思っているかもしれない」

エレン「ううーん……」

頭悪いオレにとっては、こういうの苦手なんだよなあ。

149進撃の名無し:2014/07/31(木) 17:11:16 ID:2GnQ2kgk0
エルヴィン「どうする? カンニングしたいなら教えてもいいけど。ただ、もしそれが間違っていた場合の補償はしないよ」

エレン「あ、それもそうか」

そうだよな。エルヴィン先生の「答え」が必ずしも当たっているとは限らない。

ここはオレ達自身で答えを見つけるしかないのかもしれない。

エレン「分かりました。それが分かっただけでも十分です。相談にのってくれてありがとうございました」

ミカサ「ありがとうございました」

ピクシス「ふふ……まあ、どうしようもない時はここの部屋を使えばよかろう。なあ、エルヴィン」

エルヴィン「ここのソファ、倒せば簡易ベッドになるからね。必要になったらいつでも言ってね」

エレン「あ、ありがとうございます……(照れる)」

本当、この人達、教員としてダメ過ぎる先生だろ。いや、有難いけど。

ミカサ「ち、近いうちに借りるかも……」

エレン「ミカサ! 馬鹿! 言うなって!」

そんな事言ったら、絶対RECされちゃうぞ!

ほら案の定、先生2人、ニタニタ笑っているし。全く…。

エルヴィン「また困ったことがあったらいつでもおいで。愛の進路相談の方が楽しいしね」

ピクシス「じゃの。人の恋路の行方ほど、酒の摘まみに適したものはないからの!」

ノリが良すぎる…。

という訳で、とりあえず気持ちが落ち着いたので進路指導室を退席する事にしたのだった。

150進撃の名無し:2014/07/31(木) 17:27:37 ID:2GnQ2kgk0








そして、教室に戻る途中、オレ達は売店の前あたりで騒ぎを見かけた。

なんだ? 女子の団体が異様に集まっているな。リヴァイ先生でもいるのかな。

そう思って、視線を巡らせると……

エレン「!」

囲まれていたのはペトラ先輩だった。一人だけで、女子の集団に囲まれている。

何か異様な空気だった。何か起きたんだろうか?

心配になったオレとミカサは顔を合せて、そっと様子を覗き込んだ。

すると、何やら言い争う声が聞こえてきたのだ。

ペトラ「絶対、嫌。何で署名なんかしないといけないのよ」

3年女子1「あんたのせいで、リヴァイ先生がやめるって言い出したんでしょうが! せめて署名運動くらい、協力しなさいよ!!!」

ペトラ「はあ? 何言いがかりつけてんのよ。リヴァイ先生が教職やめるのは私のせいじゃないでしょ」

3年女子2「あんたのせいのようなもんじゃない! あの時、ペトラがハンジ先生をぶったりしなければ、あのまま2人はこじれて別れていたかもしんないじゃん! あんた、リヴァイ先生のこと、好きなんじゃなかったの?! なんで矛盾した行動したのよ!!」

ペトラ「……………」

ペトラ先輩は答えない。っていうか、なんなんだこの空気。

女子って怖い。集団で一人を追い詰めるって、やっていい事じゃねえだろ。

151進撃の名無し:2014/07/31(木) 17:49:27 ID:2GnQ2kgk0
3年女子2「放っておけば良かったじゃん! その方が都合いいじゃない! なんであんな真似したのよ! リヴァイ先生の方が教師やめるなんて、私達、思ってもみなかったのに……」

3年女子3「ペトラのせいだ……リヴァイ先生、やめて欲しくないよ……」

3年女子4「私達に謝りなさいよ! 勝手な事したのはあんたでしょ!!」

おいおい。なんか話がおかしな方向に転がってるぞ。まずくないか。これ。

ミカサも戸惑っている。どうしたらいいだろう。これ。

ペトラ「絶対、謝らない。私は確かに、悪い事をしたとは思ってるけど。謝るとすればハンジ先生よ。あんた達に謝る義理はないわ」

3年女子2「なんですって……」

ペトラ「ハンジ先生を辱めた事は本当に悪かったと思ってる。でも、あの時はアレしか方法が思い浮かばなかった。賭けだったの。あの一発で、目を覚まさせる事が出来なければ、きっと今頃……」

3年女子2「一体何の話をしているのよ。賭けとか。意味分かんないわよ!!」

3年女子3「あんたのせいでどんだけの女子が落ち込んでいると思っているのよ! 泣かせているのはあんたのせいよ!」

ペトラ「泣きたいのはこっちの方よ!!!!!」

と、その時、全身全霊を込めてペトラ先輩が言い返した。

ペトラ「そりゃ私だって、本当はリヴァイ先生に教職をやめて欲しくないわよ!! でも、それは先生自身が決めた事で、生徒の私らが口出す事じゃない。先生自身が悩んで決めた結論なんだから、私達はそれを受け入れるしかないでしょ。自分勝手なエゴばっかり押し付けて、少しはリヴァイ先生の気持ちを考えなさいよ!!!!」

3年女子2「じ、自分勝手って……自分勝手なのはペトラの方でしょうが!!」

ペトラ「ええそうね! 私も自分勝手だわ! そんな事は重々承知しているわよ!! でもね、私は1年の頃、オルオと一緒に大道具で裏方をやっていた。その時、照明の事故が起きて、危うく2人とも死にかけたのよ。それをリヴァイ先生は身を犠牲にして助けてくれたの。命がけだよ?! 間一髪、スライディングして、2人を抱えて、助けてくれたの。私はあの時から、リヴァイ先生に一生、味方するって決めたの!!! あんたらの薄っぺらいファン心理なんかとか比べられるもんじゃないのよ!!!」

3年女子2「う、薄っぺらい……ですって……(ゴゴゴ)」

ペトラ「ええ、薄っぺらいわ!! この期に及んで、何でリヴァイ先生が教師を辞めるのか、その意味も理解出来ないようなあんたたちには決して分からないでしょうけどね!!!」

3年女子2「言わせておけば……! (手を構える)」

まずい! 本格的にまずい事になって来た!!

誰か止めないと。暴力事件になる!!!

と、そう思った直後……


ガシッ!!!


女子の間に立った、女子が居た。

ニファ先輩だった。

3年女子2「に、ニファ……」

ニファ「もう、やめようよ。ペトラをぶっても、意味ないでしょ」

3年女子2「で、でも……(涙目)」

ニファ「私は、ペトラの気持ちも分かるし、皆の気持ちも分かるの。だから、ちょっと聞いて欲しいんだけど」

と、言ってニファ先輩がペトラ先輩を庇った。

152進撃の名無し:2014/07/31(木) 18:11:01 ID:2GnQ2kgk0
ニファ「あのね。ミスコンの時、ハンジ先生とリヴァイ先生がこじれた後、リヴァイ先生、どんな状態になったか、知ってる?」

3年女子2「え…?」

ニファ「実際、それを見たのはミスコンに選ばれた女子だけだから、皆には分からないだろうけど、リヴァイ先生、完全に呆然自失だったの」

と、言ってニファ先輩が辛そうに目を落とした。

ニファ「真っ先に、私とペトラが駆け寄ったわ。でも、ペトラの声も私の声も、全く聞こえていない状態だった。ミスコンの女王に選ばれたあの綺麗な女の子、ミカサさんもいろいろ声をかけていたけど、ダメだった。エルヴィン先生が声をかけて、ようやく我に返ったみたいだったけど、あの時のリヴァイ先生、本当に死人のような顔をしていたんだよ」

3年女子2「……………」

ニファ「私もペトラも、あの状態のリヴァイ先生を見て悟ったの。リヴァイ先生、本当にハンジ先生の事、好きなんだって。多分、相当根深いところに、ハンジ先生の存在が「いる」んだって。多分、リヴァイ先生にとっては、なくてはならない存在だって。無くしたら、生きていけないくらいに大事な人なんだよ。ハンジ先生は」

3年女子2「…………」

ニファ「リヴァイ先生、好きになっちゃう子が多いのもしょうがないよ。でも、リヴァイ先生はあくまで「先生」だからね。アイドルじゃないんだし。生徒の私達がどんなに叫んでも、その愛が本当の意味で届く事はないよ。ロリコンじゃないみたいだし、リヴァイ先生がハンジ先生を選んだ以上、そこから先の事は、リヴァイ先生の自由だと思うよ」

3年女子2「で、でも……」

ニファ「署名運動自体を反対する訳じゃないよ? その活動をすればリヴァイ先生も気が変わるかもしれない。でも、何でリヴァイ先生が自分から「辞める」って言い出したのか。その意味は、やっぱり冷静に考えた方がいいと思うよ」

3年女子2「…………」

ニファ「ペトラも、ちょっと言い過ぎ。薄っぺらいとか、勝手に言っちゃダメだよ。人の想いは、他人に測られるものじゃないんだから」

ペトラ「………ごめん」

3年女子2「…………」

ニファ「いろんな事がいっぺんに起き過ぎて頭、疲れているのは分かるけどね。受験勉強の疲れもあるんでしょ? 皆も、ちょっと一回、落ち着こうか。署名運動も、一回休止した方がいいと思うよ?」

3年女子2「そうだね。ニファの言う通りだわ。ごめん……」

ニファ「ほら、あんまりここにたむろっていると、他の人に迷惑だから。解散しよ? ね?」

と、言って、皆ゾロゾロ何処かに行ってしまった。

ニファ先輩とペトラ先輩だけがそこに残って、2人はまだ話を続けるようだ。

153進撃の名無し:2014/07/31(木) 18:26:19 ID:2GnQ2kgk0
ペトラ「ニファ、ごめん……本当に、ありがとう」

ニファ「いいよ。あの時のリヴァイ先生の顔、知っているの、3年だと私とペトラだけだもんね」

ペトラ「うん……」

ニファ「リヴァイ先生に、二度とあの時のような顔、させたくなかったんだよね? だから、賭けに出たんだよね?」

ペトラ「うん………」

ニファ「ペトラは賭けに勝った。だから、もう、これ以上、意地張らなくていいと思うよ」

ペトラ「うん……うん……」

その直後、ペトラ先輩はニファ先輩の目の前でわんわん泣きじゃくった。

辛かったんだろうな。相当。今までずっと、意地張っていたんだ。

そうだよな。片思い歴、長いんだよ。ペトラ先輩。

高校生活のほとんどを、リヴァイ先生を想って過ごしてきたんだから。

ペトラ先輩のした事は決して褒められるような事じゃない。

きっと、あの光景を見て、ペトラ先輩にドン引きした人も多いと思う。

でも、それでも、自分の事を殴り棄てて、ペトラ先輩は賭けに出たんだ。

リヴァイ先生の幸せを願って。

ペトラ「ニファ、ありがとう…本当に、ありがとう……ごめん。本当に、ごめん……」

ニファ「……私も、一緒に泣いてもいい?」

ペトラ「うん…泣こう! もう、いいよね?」

ニファ先輩も一緒に泣いている。わんわん泣いている訳じゃないけど。

それは一筋の、小さな涙だった。

154進撃の名無し:2014/07/31(木) 18:46:42 ID:2GnQ2kgk0
と、その時、一番ここに来て欲しくない人物がこっちにやってきてしまった。

リヴァイ先生だ。

リヴァイ「何か、騒ぎが起きていると聞いてこっちに来たんだが……もう収まったのか?」

ペトラ「!」

ニファ「!」

リヴァイ「どうしたんだ? 2人とも。何かあったのか?」

ペトラ「い、いえ……何でもないです。ね? ニファ?」

ニファ「ええ。ちょっと、2人で内緒話をしていただけですよ」

リヴァイ「? 内緒話で泣くほどの事があるのか?」

リヴァイ先生!! 今は深く突っ込まないであげてくれ!!!

リヴァイ「ああ、そうだ。ペトラ。今、時間あるか?」

ペトラ「あ、はい。大丈夫です」

リヴァイ「少し、話をしてもいいか?」

ペトラ「2人きりで、ですか?」

リヴァイ「その方がいいとは思うが、時間がないならここでもいい」

ペトラ「………ここで聞きます」

リヴァイ「分かった。…………すまなかったな」

ペトラ「………ハンジ先生の件ですよね」

リヴァイ「ああ。ペトラにぶたれた事を、ハンジが気に病んでいた。ペトラにぶたれたおかげでようやく、全ての「謎」が解けたと。その為のスイッチボタンを押してくれたのは、ペトラだったと。そう言っていたんだ」

ペトラ「そうですか……」

リヴァイ「俺もあの時はすまなかった。生徒を放置して先に帰るなんて、やっていい事じゃなかった」

ペトラ「仕方がないですよ。あの時は」

155進撃の名無し:2014/07/31(木) 19:08:28 ID:2GnQ2kgk0
リヴァイ「いや……すぐカッカして行動を起こすのは俺の悪い癖だ。冷静な自分で居られないのは大人に成りきれていない証拠だ。中途半端な大人ですまない」

ペトラ先輩は首を左右に振っていた。愛おしそうに笑っている。

リヴァイ「リヴァイ先生が短気なところもあるのは、皆知っているから大丈夫ですよ」

リヴァイ「……面目ねえな。本当に」

と、リヴァイ先生が苦笑する。そして、

ペトラ「あの、リヴァイ先生」

リヴァイ「ん?」

ペトラ「教職を辞められるのはいつ頃になられるんですか? 2学期までになるんですかね?」

リヴァイ「いや、その事について何だが……」

と、リヴァイ先生が更に顔を歪めている。

リヴァイ「その……すまん。辞めると言ったのに、なかなか学校側が受理をしてくれない事態になっていてな。校長先生に「ふざけんなこの野郎。代わりの教員、いねえのに何、寝ぼけた事言ってるんだ? 絶対受理しません(黒笑)」と、言い切られてしまって、どうにもこうにも動けない状態になっている」

と、うっかり裏話を聞いてしまって、オレ達は驚いた。

ペトラ「え? 学校側が受理しないって、そんな事、あるんですか?」

リヴァイ「いや、俺も今回のケースは初めての事だから、良く分からんが、俺は3学期までは続けて、3月末で辞めるつもりで交渉したんだが「辞める時は1年から半年前の間で前もって打診するのが常識だろうが!」と怒られてしまった。教員になる前に働いてきた職場ではそんな事は一度もなかったから、どうしたもんかと頭を痛めている」

へえええそうなんだ! 初めて知ったぜ!

仕事って、いきなり辞めるとか出来ないんだ。へーへー。

勉強になったぜ! 覚えておこうっと。

ペトラ「では、続けられるんですか……?」

リヴァイ「うーん……それも難しい問題なんだ。例の、その……ペトラは知っているのか? 俺のファンクラブについては」

ペトラ「はい」

リヴァイ「その件や、ハンジに対する風当たりの問題が解決しない事には、俺が教師を続ける意味がないんだ。八方塞がりとはこの事だな」

と、リヴァイ先生が本気で悩んでいた。

156進撃の名無し:2014/07/31(木) 19:22:59 ID:2GnQ2kgk0
リヴァイ「せめてあと1年続けて、来年辞めるか……だな。そうすればさすがに生徒達も諦めてくれるだろう」

ペトラ「じゃあ、まだ猶予期間はある訳ですね。卒業式は一緒に過ごせるんですね」

リヴァイ「ああ。まあ、ペトラ達の代はきっちり見送るつもりではいたよ。そこは安心していい」

そう、言い切った瞬間、ペトラ先輩がまた泣き出してしまった。

リヴァイ「お、おい……どうした? ペトラ?」

ペトラ「良かった……卒業式、一緒に出られるんですね? 本当に良かった…」

リヴァイ「あ、当たり前だろ。俺の性格、知ってるだろ。キリの悪いところで辞めるのは性に合わないんだよ」

ペトラ「はい……!」

と、泣き笑いでペトラ先輩が答えたのがとても印象的だった。

良かった。ペトラ先輩、少し落ち着いたみたいだ。

ミカサ「あの………」

と、その時、傍観者に徹していたミカサが声をかけた。

リヴァイ「ああ、ミカサもいたのか」

ミカサ「こっそり居ました。その、どうしても辞めないといけないんですか? リヴァイ先生」

リヴァイ「辞めた方が、解決すると思ったんだが」

ミカサ「いえ……その……私の経験上、それはかえってまずいのでは、と思ったんですが」

リヴァイ「え? それはどういう意味だ?」

ミカサ「…………女の執念を舐めてはいけません」

と、ミカサがまるでホラー映画のような顔つきになって言った。

157進撃の名無し:2014/07/31(木) 19:32:35 ID:2GnQ2kgk0
ミカサ「確かにリヴァイ先生が教師を辞めてしまえば、表面上はハンジ先生の嫌がらせは少なくなるかもしれません。しかし、リヴァイ先生の見えない部分で、必ず精神攻撃はこっそりしてきます」

リヴァイ「何……?」

ミカサ「結婚したら、尚更酷い陰湿な精神攻撃をしてくる可能性もあります。私は、リヴァイ先生自身が目を光らせて、生徒達を見張っている方がまだマシだと思うんですが」

リヴァイ「な、そ、そういうものなのか?」

ミカサ「(こくり)………女って、怖いんですよ? ククク………」

やめてえええ! 夏の怪談みたいに話すのはやめてくれえええ!!!

本気でガクブルしながらそれを聞いていたら、

リヴァイ「そ、そうか……そういう可能性もあったのか。すまん。俺もちょっと浅はかだったな」

ミカサ「よおおおく考えた上で、決断された方が良いかと。ククク……」

だから、ミカサ! 脅し過ぎる!!

でも、その言葉はリヴァイ先生に響いたみたいで「分かった」と答えてくれた。

リヴァイ「貴重な意見をありがとう。エルヴィンにも話してもう少し、煮詰めてから今後の事を考えてみる」

ミカサ「その方が宜しいかと……(ニヤリ)」

リヴァイ「ああ。そうする。じゃあな」

と、言ってリヴァイ先生は職員室に帰って行った。

ペトラ「み、ミカサ……ありがとう」

ミカサ「いえいえ。私は女性の味方なので。リヴァイ先生が辞める方が個人的には嬉しいですが、ハンジ先生が可哀想な目に遭うのは、ちょっと」

ペトラ「うん。そうだよね。女って、怖いもんね」

ニファ「うん。怖い怖い」

女同士で「怖い」言い合う姿って、奇妙だな。

自覚しているからこそって事なのかな。不思議だな。

158進撃の名無し:2014/07/31(木) 19:45:07 ID:2GnQ2kgk0
そんなこんなで、ひと騒動は何とか収まったけど、正直、心臓に悪かった。

女のああいうの、生で見たの初めての経験だったからな。

教室に戻りながらオレはミカサに言った。

エレン「とりあえず、良かったよな。リヴァイ先生の件、保留になりそうだな」

ミカサ「うん。一番いいのは、リヴァイ先生が必要以上に女子生徒に優しくしない事だと思うけど」

エレン「自覚ねえんだろ? 難しくねえか? それは」

ミカサ「これからは、自覚するべき。嫁を一番優先するべき」

と、ミカサは「むふーっ」と言い切っている。

ミカサ「もしくは、もっとリヴァイ先生のダメで悪い部分も生徒に見せるべき。皆、美化し過ぎているので、イメージダウンをさせるべき」

エレン「あーそれはオレも思ったんだけど、エルヴィン先生が「諸刃の刃」って言ってたしなあ」

ミカサ「でも、それはエルヴィン先生の判断であって、リヴァイ先生自身の判断ではないので、リヴァイ先生にその件を話してみても良いのでは?」

エレン「…………」

そっか。それもそうだよな。

肝心な事を忘れていたぜ。ちょっとオレも慎重になり過ぎていたかな。

エレン「そうだな。ミカサの言う通りかもしれねえ」

と、オレは納得して、今度その機会があればリヴァイ先生に話してみようと思った。

そう思いながら、2人で教室に戻るのだった。

159進撃の名無し:2014/07/31(木) 19:50:11 ID:2GnQ2kgk0
リヴァイ先生が辞めるに辞められない状況に。
社会人の常識、足りてないリヴァイ先生ですみません。
(でも実際、職種によってはすぐには辞められないんですよ)

という訳で、波乱の修羅場編はお終い。
続きはまた。ノシ

160進撃の名無し:2014/07/31(木) 20:16:55 ID:albK3mqw0
ニファ△

ミカアニ至高だけどミカペトニファの美少女3人もなかなか…フヒヒ
ん?ミカクリサシャもいいし、ミカアニユミのクール組み合わせも良い
ああ、とにかくミカサが可愛いのか

161進撃の名無し:2014/07/31(木) 20:39:33 ID:c9c8rUKA0
俺のミカサは本当にかわいいな

162進撃の名無し:2014/08/01(金) 06:13:11 ID:aWt04tI20
ニファとミカサ、すごくいいわー
オルペトも期待
>>1のオルオ、格好良くて好きだ

163進撃の名無し:2014/08/01(金) 09:18:38 ID:oClsVUdU0








10月9日。この日は雨だったので体育は中止になり保健体育の方の授業になった。

男子は当然、リヴァイ先生の授業だったんだが、リヴァイ先生の授業は割とサクサク進んで、予定よりも早く終わってしまい、10分くらい時間が余ってしまった。

リヴァイ「あー…時間が余ってしまったな。早めに切り上げるか」

と、リヴァイ先生の場合は先の方の授業をやる、という事は殆どない。

時間が余った場合は残りの時間をオレ達生徒にくれるんだ。そして自分は寝る。

だからこの日もそうなるだろうと思っていたのに。

アルミン「あの、リヴァイ先生」

リヴァイ「何だ。何か分からない部分があったのか? 珍しいな」

アルミンが疑問を挙手して問う事は滅多にない。授業中の「確認」の質問は良くやるけど。

それだけ理解力が速いからだ。でもその時のアルミンはニヤニヤしていて、

アルミン「教科書には載っていない、授業、やって貰えませんかね?」

とか言い出したから、皆、一斉に「ヒューヒュー」言い出した。

リヴァイ「あー……つまりアレだ。そういう下世話な話が聞きたいのか?」

アルミン「はい。その通りです。お願いします(頭下げる)」

アルミンの勇者っぷりに男子から拍手喝采が起きた。

リヴァイ「何が聞きたい。言っておくが、俺も教えられる部分は限られるぞ」

アルミン「教えて貰える部分だけで十分です。是非」

リヴァイ「しょうがねえ奴らだな。全く……」

と、苦笑するリヴァイ先生だった。

リヴァイ「この年齢の男子が考える事なんざ、ひとつしかねえが………何から聞きたい?」

アルミン「リヴァイ先生自身の武勇伝を是非」

リヴァイ「………どれくらい、ヤッたかって事か?」

アルミン「加えて、そのテクニックの伝授も是非」

リヴァイ「んー……」

と、リヴァイ先生は少し考えてから言った。

164進撃の名無し:2014/08/01(金) 09:20:05 ID:oClsVUdU0
リヴァイ「人数だけで言えばもう、覚えてねえな。ただ、10代の頃はかなりの数をこなした。20代の頃は仕事が忙しくなってしまってその数は減ったが、それでも月1くらいでは必ずやっていたかな」

おおおおお……

どよめいた。すげえ。リヴァイ武勇伝だ。

アルミン「彼女とつきあった数も相当ですか?」

リヴァイ「うーん……俺の場合、彼女と呼んでいいのか微妙なラインの女もひっきりなしに誘いかけてきたからな」

と、全人類の男が嫉妬する台詞を言い放ったので、男子が全員動揺した。

ジャン「くっ……なんて羨ましい!」

ジャンの目が赤くなった。しょうがねえだろ。リヴァイ先生モテるんだし。

リヴァイ「ただまあ、半年以上続いた数だけで言ったら、片手に数えるほどしかいない。他の女は、俺の体目当てで誘ってきただけだったのかもしれん」

アルミン「やっぱり、体が凄いとモテますか?」

リヴァイ「そういうもんじゃねえのか? 身体は鍛えないと女にはモテないだろ」

おおおおおお……

やっぱりそこでもどよめいた。いや、いちいち反応し過ぎだとは思うけど。

ジャン「はい! モテる秘訣を教えて下さい!!」

リヴァイ「は? 無茶言うな。俺もモテようと思ってこうなった訳じゃねえよ」

ジャン「で、でも……なんかコツみたいなのはないんですか?」

リヴァイ「コツって言われてもな……」

リヴァイ先生の場合はモテようとしてモテている訳じゃねえからすげよな。

いつの間にか女性が寄ってくるんだ。吸い寄せるフェロモンが出ているのかもしれない。

リヴァイ「…………コツかどうかは分からんが、女が喜ぶ事はしてやった方がいいと思うぞ」

ジャン「と、いうと?」

リヴァイ「一番効果的なのは、頭、ポンポンか。後は、手を握ってやったり。それくらいでいいんじゃないか?」

ジャン「は、ハードル高いっすね……(ズーン)」

リヴァイ「いや、そのくらいの事も出来ねえならモテたいとか言うな。基本じゃねえか」

ライナー「つまり、基本が大事であると」

リヴァイ「何でもそうだろ? 基本をおざなりにしては何も出来ん」

そういえばミカサも頭ポンポンとかすりすり好きだよな。

犬みたいにしてやると途端に大人しくなるし。

リヴァイ「あとはまあ、荷物を代わりに持って行ってやったり。体の変化に気づいてやったりか。調子が悪そうだったら無理はさせないし、機嫌がいい時は調子を合わせてやるといい。それから……」

おや? なんかだんだん饒舌になって来たな。

アルミンがメモ取り出した。勉強熱心だな、おい。

165進撃の名無し:2014/08/01(金) 09:21:20 ID:oClsVUdU0
リヴァイ「髪型とかも気にかけてやった方が喜ぶな。機嫌が悪い時はなんか甘い物を食わせろ。腹いっぱいにさせたらとりあえず落ち着くからな。それから……」

どんどん項目が増えていく。あれ? 意外とリヴァイ先生って、その辺のテクニック、意識してやっているのか?

リヴァイ「理不尽な事を言い出す時は流されろ。抵抗してもどうにもならん。ただ、あんまり我儘を言い過ぎる女は付き合うな。疲れるからな。後々しんどいぞ。適度な我儘は可愛いが、度が過ぎると可愛くねえ。それと……」

熱心だな。なんかリヴァイ先生の女性遍歴が垣間見えてきた気がする。

リヴァイ「相手の趣味にある程度、合わせてやった方がいいか。ケーキバイキングは基本らしい。絶対1度は連れて行きたいが、なかなか言い出せないデート先らしいぞ。ついていくのに勇気がいるかもしれないが、そういう「試練」とも思えるデート場所にも付き合ってやった方がいいな」

おおおお。そうなのか。

女の好みのデート先に合わせるか。オレの場合は山登り決定だな。

リヴァイ「昔、そういう意味でわざと「子供向け少女アニメ」の映画館デートに連れて行かれた事もあったな。内容がさっぱり分からんまま観終わったが、相手の女は「本当に一緒に観てくれるとは思わなかったwww」と爆笑していたが、その後はずっと機嫌が良かった。たまにそういう理不尽な要求をしてくる女もいるが、まあ、そこはつきあってやれ」

面倒見が良すぎる。すげえ。俺には真似出来ねえな。

リヴァイ「あと、女は基本的に冷え性の奴が多いから、外でのデートの時は、上着をこっちでもう1枚くらい用意してデートした方がいいぞ。冬とか、くそ寒い時期にミニスカートはいてハイヒールはいてくる女もいる。たまに「アホなのか?」と思う薄着の女もいたが、風邪ひかせたら可哀想だからな。コートをもう1枚くらい持って行った方がいい。……あ、学生には車がないから難しいか。大学に入ってから注意しろ」

と、先の事まで心配してくれるリヴァイ先生だった。

リヴァイ「ただ、女にも千差万別で、この方法を使えば必ず相手が喜ぶとも限らない。その辺りは「勘」の世界になってくるから、とりあえず会話して、相手の性格を掴む事をまず重要視した方がいいと思うぞ」

アルミン「まずはデータを収集して、分析するんですね」

リヴァイ「その通りだ。別に女に限った話じゃねえけどな。お前らの事も、俺はそれなりに観察して分析して、出来る限りうまく教えられるように心掛けてはいる」

おおお。夏合宿の野球と料理の事を思い出すぜ。

リヴァイ「正直言えば手間のかかる手法だが、俺自身、考え抜いた末の方法だ。うまくいく場合もあるし、失敗する事もある。ただ、どちらにせよ、その時に得た経験は次に活かせる。それを繰り返していけば限りなく、正解に近い「悔いのない選択」が出来るんじゃねえかと思っているが」

アルミン「なるほど。そうやって、ハンジ先生の事も、選んだわけですね」

リヴァイ(ぶふーっ!)

いきなり話題を転換したものだから、リヴァイ先生がうっかり吹いた。

ヒューヒューの嵐だった。さすがにちょっと照れている。

リヴァイ「アルミン……お前なあ……」

アルミン「いやあ、本命はそっちが聞きたくて。釣りました」

リヴァイ「ああ、そうだったのか。いや、その……なんだ。改めて問われると照れるな」

と、リヴァイ先生がガチで照れていた。ぷぷー!

ニヤニヤが止まらねえぜ。暫くはこのネタで遊べるな!

リヴァイ「まあ、そうだな。ハンジの事は、その………なんだ」

急に歯切れが悪くなった。すげえ。落差がすげえ。

リヴァイ「その………何から話せばいいんだ。分からん」

アルミン「ハンジ先生のどこが好きなんですか?」

リヴァイ「どこって…………その………」

おおおお。貴重な反応だぜ! 面白い!

リヴァイ「……………俺が出来ない事や、持ってない部分を持っているところ、かな」

アルミン「というと?」

リヴァイ「俺は口が悪い方だからな。昔はよくトラブルを起こす……今でもたまにやらかすが、とにかく問題の多い教師としてよく保護者に怒られたんだよ。そういう時に、ハンジが間に立ってくれることが多くてな。あいつがいなかったら、教師生活はこんなに長くは続けようとは思わなかったと思うんだ」

と、リヴァイ先生はしみじみ言う。

166進撃の名無し:2014/08/01(金) 09:23:44 ID:oClsVUdU0
リヴァイ「あとは、事務処理や手続きなどの処理能力の速さは職員の中でもベスト3に入る。女性の中ではトップだろうな。仕事早いんだよ。あいつ。家事仕事はてんでダメだけど。学校の仕事は俺の倍以上、早く出来るんだ」

アルミン「へーそうなんですね」

リヴァイ「ああ。後はそうだな。その……しょっちゅう笑顔でいるところもだな」

エレン「笑顔?」

ちょっと意外だった。へー。

リヴァイ「ああ。あいつ、喜怒哀楽が激しいからな。基本的に笑っている事が多い。ムードメイカー的存在なんだ。ハンジがいると、職員室が明るくなる。そういう部分も、多分、好きなんだと思うが」

と、心底、恥ずかしそうに答えている様子がすげえ面白かった。

誰かこっそりスマホで録音してねえかな。今の言葉、ハンジ先生にこっそり聞かせてやりてえよ。

リヴァイ「後はその…………まあ、触り心地がいいところも、好きだな。ついつい、触ってしまいたくなってしまって、その…」

おおっと、これ以上言わせたらいろんな意味でヤバいんじゃないか?

リヴァイ「………もうやめるぞ。この辺でいいよな? もう10分経ったよな?」

アルミン「まだあと5分ありますよ?」

リヴァイ「もう後は自習にしておけ! 俺は寝る!」

と、言って顔を伏せて逃げるリヴァイ先生に皆「えー」の声をあげた。

アルミン「まだまだ聞きたい事、沢山あったのにね」

ジャン「だな。エロい話も聞いてみたかったのに」

リヴァイ「……………」

マルコ「ははっ……まあそこは、ね。聞かせられない部分なんじゃない? ハンジ先生との、そういう話は」

リヴァイ(びくん)

あ、なんか反応したぞ? リヴァイ先生。

アルミン「だろうね。あれだけ劇的にくっついたんだし。きっと毎日、やってるんだろうね。いいなあ」

リヴァイ「…………やってる訳、ねえだろ」

アルミン「え?」

リヴァイ「教職舐めるなよ? 忙しさ、半端ねえんだぞ。特にこの時期の、筆記学科の担当教員の忙しさを。生徒の問題作りの為に睡眠時間削って活動しているんだぞ。そんな最中、手なんか出せるか!」

と、理不尽に怒っている。

ジャン「え……じゃあ、結婚の約束はしたけど、してないんですか?」

リヴァイ「ああ。だからあんまり煽るな。こっちもいろいろストレス溜まっている最中なんだよ」

ああああその気持ち、すげええ分かる。

こう、我慢せざる負えない状況で、煽られると、ムラムラ止めるのきついよなあ。

お預け期間中って事なんだろうな。可哀想に。

167進撃の名無し:2014/08/01(金) 09:25:44 ID:oClsVUdU0
リヴァイ「まあいい。ストレスついでに、セックスの話もついでにしてやろう。そういう下世話な話も聞きたいんだろ?」

一同「「「イエス!!」」」

リヴァイ「やれやれ。何から聞きたい? 女をイカせるテクニックでも話せばいいのか?」

アルミン「是非」

リヴァイ「ふん……100人女がいれば、全員やり方が違うとしか言えないからな。ただ、傾向を導き出して対策を練る事は出来なくはない」

おおお。なんか急に授業っぽくなった。

黒板使って説明してくれるんだ。すげえ。

リヴァイ「俺の勧める方法の一つが、『女の肌は服を着せたまま1時間は触れ』だな」

アルミン「1時間もですか?」

リヴァイ「も、じゃない。最低1時間だ。いけるんだったら、2時間でも3時間でもいい。服の上からゆっくり触ってやれ。いきなり脱がすなよ。そっちの方がウケがいい」

ジャン「すげえ耐久レースじゃないですか」

リヴァイ「何言ってる。この程度は準備運動にもならん。途中で嫌がるような女の場合は別だが、この方法は10人中7人はまず嫌がらないぞ」

アルミン「は、7割は嫌がらないって事ですか?」

リヴァイ「あくまで俺の主観だがな。せっかちな女は別にして、大体の女は「ムード」を重視する。これは女の体の緊張を解す効果もあるが、血液の流れを良くする効果もあるし、女を「半覚醒」状態に持っていくのに一番効果的な方法だと俺は思っている」

アルミン「半覚醒……うたた寝状態って事ですか」

リヴァイ「そうだ。まずそこにもっていかない事には先に進めない。眠りそうで眠らない状態まで持っていって、初めて仕掛ける準備が整う。やり過ぎて爆睡する女もたまにいるが、その時は寝かせてやれ。そっちの方がいい」

アルミン「ええええ……それ、お預けじゃないですか」

リヴァイ「1回や2回は失敗しろ。何事も経験だ。勿論、このやり方を嫌がる女もいるからな。その違いは、濡れやすさで判断するしかない」

ジャン「濡れやすさ……(ごくり)」

一気に生々しい話になって来た。皆、真剣に聞いているな。

リヴァイ「ちょっと触っただけですぐ濡れる女と、そうじゃない女がいるって話だ。その辺の違いを区別するには経験が必要だ。感覚的な物だから口じゃうまく説明出来ない。だからとりあえず、ゆっくり仕掛けてみて最初は様子を見る事を勧める」

おおおおお。何か凄く為になったな。

リヴァイ「焦るなよ。焦ったら負けだと思え。若いうちはガンガンやりたくなる気持ちは俺も分かるが、女の体は男が思っている以上に傷つきやすい。やり過ぎて、病院に通う羽目になった女子生徒も多数知っている。勿論、中絶も含めてだ。やりたいだけなら、せめて年上の経験の豊富な女を選べ。同年代でやる場合は、特に経験値ねえんだから、女の方に出来るだけ合わせてやれよ」

アルミン「は、はい……」

リヴァイ「……とまあ、こんな話はテストには絶対出ないから覚える必要もねえけどな。後、絶対外には漏らすなよ。特に他の先生達には内緒だ。また俺が怒られてしまう」

ぷぷっと笑いが起きた。リヴァイ先生、結構他の先生から怒られているんだな。

168進撃の名無し:2014/08/01(金) 09:30:01 ID:oClsVUdU0
リヴァイ「他に聞きたい事はあるか? なければもう授業をお仕舞にするが」

アルミン「最後にひとつだけ」

リヴァイ「何だ」

アルミン「その………リヴァイ先生って、結構ムッツリだったんですか?」

リヴァイ「ああ? 別に隠していたつもりはないが、俺の本性はただのエロ親父だぞ。38歳にもなるおっさん捕まえて何言ってやがる」

アルミン「いえ……なんかかえってほっとしました。女子の間では、神格化されているし、そういうリヴァイ先生の部分を今まで知らなかったので」

リヴァイ「女子の前で猥談はさすがにやらねえが、そういうのが好きな女子には多少リップサービスしてやる事もあるぞ? 少女漫画のヒーローじゃあるまいし。あんまり美化され過ぎるのも困るんだが」

と、本当に困った顔をしていたリヴァイ先生だった。

そしてチャイムが鳴った。授業終了の合図とともに教室を出ていくリヴァイ先生を見送って、オレはアルミンに言った。

エレン「アルミン、お前は本当に勇者だな……」

アルミン「いや、まあ、僕もまさかここまで本格的に答えてくれるとは思ってなかったけどね。為にはなったよね」

エレン「ああ。為になり過ぎる程なったぜ。授業より真剣に聞いちまった」

アルミン「授業の内容忘れてしまいそうな勢いだったよ。またリヴァイ先生の特別授業、やってくれないかな。すっごい聞きたい……」

エレン「その気持ち分かるぜ。リヴァイ先生の過去も含めていろいろ聞きてえよな」

と、いろいろアルミンと一緒に話したら女子が教室に戻って来た。

今、女子の顔を見るのがちょっと照れくさい。

さっきの生々しい話の直後だから特にそう思ってしまう、オレとアルミンだった。

アニ「ねえ、黒板の文字、何?」

アルミン「え?」

アニ「何で『女の肌は服を着せたまま1時間は触れ』なんて書いてあるの?」

うあああああ?! リヴァイ先生、黒板消し忘れてる!!

いつものリヴァイ先生なら絶対やらないミスだ! やっぱり調子おかしいんだ!!

アニ「一体、何の授業していたのさ。……不潔」

アルミン「ご、誤解だよ!! その、そういうのじゃないから!」

アニ「じゃあどういうの? 何をお勉強していたの? ん?」

アルミン「ええっと、エレン! ほら、アレだよね?」

エレン「おう! アレだよ! その! アレ!」

アレって何だよ?! 無茶ブリすんなよ!!!

アニ「へーアレで通じる程、隠したい授業だったんだあ」

アルミン「いや、その……」

アニ「ふーん……やっぱり、いやらしい男だねえ。あんた達は。ククク……」

アニ、ノリノリで弄ってるだけなのかな。顔は笑ってるぞ。

そしてアニは黒板の文字をさっさと消してしまったのだった。

169進撃の名無し:2014/08/01(金) 09:44:44 ID:oClsVUdU0
リヴァイ先生の特別授業編でした。
とりあえず、ここまで。一旦区切ります。続きはまたノシ

170進撃の名無し:2014/08/01(金) 12:40:39 ID:aWt04tI20
エロ親父キターー!!
アルミンはホントいい性格してるなw
特別授業は1年男子にか
ハンジ先生に手取り足取りかと思ってドキドキしたわ(笑)

171進撃の名無し:2014/08/01(金) 14:17:07 ID:oClsVUdU0
>>170
エレン視点だとリヴァイ×ハンジのエロシーンの様子を実際に見せるのは難しいですね。
番外編で読みたい方がいれば、リヴァイかハンジの視点でエロシーン書いてもいいんですが。
需要有るのかな?

まあ、保健体育の特別授業でハンジ先生無理やり連れて来てモデルにするという手も……。
ハンジに殴られるので没ですね。すみません(笑)。

172進撃の名無し:2014/08/01(金) 14:18:30 ID:oClsVUdU0





そんなこんなであっという間に中間テストが終わり、四者面談の期間に突入した。

第一回目の進路相談になるわけだが、放課後、1人ずつ時間をとって教室で話し合う事になる。

オレは18日(土)の放課後になった。10分程度話し合うので、そう長い時間話す訳じゃないけど、濃厚な時間を過ごす事になる。

順番は名前順だ。だからアニとアルミンの方が先に相談を受ける事になる。

同じ日に進路相談を受ける予定だったので、オレとアルミンとアニは放課後、廊下で待っていた。今日は7人やる予定なので、クリスタ、コニー、サシャも進路相談のメンバーで放課後、残っている。

オレは廊下で椅子に座って待っていたんだけど、アルミンが相談を終えるなり、物凄く落ち込んだ顔で教室から出て来たのでびっくりした。

どうしたんだ? すっかりしょげているぞ?

アルミン「はー……」

その場でしゃがみこんで自己嫌悪に陥っている。何かあったんかな?

エレン「どうしたんだ? アルミン」

アルミン「あー……ごめん。後で話す。エレン、次だから。教室に入りなよ」

エレン「あ、ああ……」

何か言われたんかな。怖いな。

そして親父と一緒に教室に入ると、教室にはキース先生、エルヴィン先生が待っていた。

キース「どうぞ。お席に」

グリシャ「お世話になります(ぺこり)」

一礼して、向かい合って話し合う事になった。まず何から話すんだろう。

キース「まずはエレン君の学校内の成績と活動内容について説明させて頂きます」

キース先生の評価はまあまあ良かった。学業も中の上。部活動も積極的に参加しているしクラスでの友人との仲も良好。たまに一部の生徒と喧嘩をする事もあるが、それを除けば概ね問題ないという判断だった。

グリシャ「また喧嘩しているのか? 中学生じゃないんだぞ?」

エレン「うっ……向こうがたまにふっかけてくるんだよ」

キース「まあ、子供のじゃれあいみたいなものですよ。隣の席の男子生徒とはよく口論をしているようですが、問題になる程ではありません」

グリシャ「ならいいですが……」

ううう。まさかそんなところまで親父に報告されるとは思わなかったぜ。

キース「進路については、今のところどう考えておられますか?」

グリシャ「出来るだけ息子の希望に沿う形にはしたいと思っています。学費などの面は問題ありませんので、海外も含めて視野に入れています」

キース「それは頼もしい言葉ですね。エレン、良かったな」

エレン「はい……」

確かに頼もしい親父だとは思う。

173進撃の名無し:2014/08/01(金) 14:20:16 ID:oClsVUdU0
キース「大学進学を考えられるのであれば、この辺の文系の大学などがお勧めですが…」

と、一応、オレの成績に合わせたお勧めの大学をいくつか教えてくれた。

キース「ただ、既に職種を考えておられるなら、それに合わせた大学を早めに選ばれた方がいいでしょう。何か、具体的に希望する職種などはありますか?」

エレン「あの、エルヴィン先生に勧められた職種でいくつか気になった物があるんですけど…」

と、一応エルヴィン先生の名前を出して、エルヴィン先生に目で合図すると「うん」と頷かれた。

エルヴィン「いいよ。言ってごらん」

エレン「はい。その……体力の面でまだ不安はあるんですが、それさえ克服出来れば『消防士』や『レスキュー隊』『自衛隊員』等の特殊な仕事が向いているかもしれないという話だったので、その辺を視野に入れてみたいと思うんですが」

キース「意外な進路だな。その手の仕事は過酷だぞ。精神的にも肉体的にもかなりハードな職種になるが……警察官等ではダメなのか?」

エレン「えっと、エルヴィン先生は『人の命を助ける仕事』でかつ、多少危険を伴う物でも大丈夫なのでは、という話だったので……」

キース「ふむ……」

と、キース先生は考え込んだ。

キース「人の命を助ける仕事で言えば、一番は「医者」だと思うが、お父さんの跡を継ぎたいという気持ちはないのか?」

エレン「頭足りないから無理ですよ。オレの成績じゃ医者なんて無理です……」

キース「いや、初めから諦める必要はないぞ。私は今のエレン程度の成績から、後半、急激に伸びて医者になった生徒を何人か知っている」

エレン「え……? 本当ですか? それは」

キース「ああ。勉学は、一度伸び始めるとぐんぐん伸びるぞ。何より君の場合は、お父さんという強い味方がいる。医者も十分、進路のひとつとして考えていいと思うぞ」

エレン「医者ですか……」

意外な答えだった。無理だと思っていたのに、背中を押されるなんて思わなかった。

エルヴィン「私も、エレンには医者の適性もあると思っている。むしろ危険度の度合いで言えば、医者の方が過酷かもしれないね。その辺は、お父さんの方がよくご存じだとは思いますが」

グリシャ「ええ。正直言えば、医者なんて、死に急ぎ野郎がなる職種だと思っていますよ」

エレン「お、親父……」

グリシャ「自分がいつ、病にかかるか分からない場所に常にいる訳だからね。精神的にも肉体的にも過酷だよ。でも、私はこの仕事を誇りに思っている」

と、親父がとても男らしい顔つきになった。

グリシャ「選択肢はそのあたりになりそうですかね。どの職種を選ぶにしろ、大学進学はまず間違いない感じですね」

キース「そうですね。特に医学系でいかれるのであれば、早めに大学を絞った方がいいかもしれませんが、その辺は後半の成績次第になるでしょう」

グリシャ「分かりました。ありがとうございます」

エルヴィン「まだ時間はありますので、次回の四者面談の時に詳しい話を進めていきましょう。では今日はこの辺で」

グリシャ「はい。今日は本当にありがとうございました(ぺこり)」

と、簡単な進路相談になったけど、ここでオレに新しい選択肢が増えてしまった。

まさか『医者』も視野に入れて話す事になるなんて思ってもみなかった。

そして教室を出て、落ち込んでいるアルミンに声をかけた。さっきの事が気になったからな。

親父は忙しいから「先に帰らせてもらうね」と言って帰って行ったけど。

エレン「アルミン。もう終わったぞ。さっきの話、聞かせてくれ」

アルミン「ううう……あのね。実は……」

と、アルミンは項垂れてしまって、

アルミン「エルヴィン先生にずばっとはっきり、「アルミンは医者には向いていない」って言われちゃったんだ」

と驚く回答がきたのだ。

174進撃の名無し:2014/08/01(金) 14:22:51 ID:oClsVUdU0
エレン「えええ? 何でだ? 成績いいのにダメなのか?」

アルミン「成績は十分すぎる程、足りているけど問題はそこじゃないんだって」

と、ますます落ちこんでいった。

アルミン「マーガレット先輩の家でアシスタントした時の事、覚えている?」

エレン「ああ。覚えているぞ」

アルミン「その時の事、エルヴィン先生もマーガレット先輩本人から話を聞いたらしくてね。その時の、エレンの様子を聞いたって言ってて。その時エレンの行動の方が、医者として適正がある証拠なんだって。あの時、僕は何も行動を起こさなかったし、加えて先に帰ったでしょ? それは自分が可愛い証拠じゃないのかって。人の事より自分を優先する性格の人間が、医者としてやっていくのは難しいんじゃないかって言われたんだ」

エレン「ええええ……でも、それはアルミンの「立場」ってものがあるだろ。オレは別にちょっとくらい休んだって問題ないし、特待生と普通の生徒を同じように考える方がおかしくないか?」

アルミン「僕もそう思ったんだけど、そういう問題じゃないらしいんだ。エルヴィン先生曰く、僕が医者を希望する理由そのものが間違っているって。おじいちゃんの件、話してみたんだけど。それは僕自身が気に病む必要性はない事なんだって」

エレン「んん? ちょっと意味分かんねえんだけど。もうちょっと詳しく言ってくれよ」

アルミン「うーん……あのね。僕はおじいちゃんが「僕」の為にガンの治療を受けずに死んじゃったって「思い込んでいる」可能性があるって言われてね」

と、アルミンは目を閉じながら言った。

アルミン「エルヴィン先生曰く、それは違うんじゃないかって。おじいちゃんは「僕」の為じゃなくて「自分」の為にあえてガンの治療を受けずに死んだのかもしれないって。そう言ったんだ」

エレン「自分の為に……」

アルミン「ガンの治療はね。お金もかかるけど、それ以上に「苦痛」を伴うんだって。だから、ガンになってもあえて治療を受けずにそのまま死ぬ事を選ぶガン患者だっているんだって話だよ。つまり「死」に対する選択を、苦痛の中で延命するより、自然に任せて「安らか」に死ぬ事を選んだんじゃないかって。勿論、本当の意味で安らかに死ねた訳じゃないんだろうけど。でも、どっちの道を選ぶにしろ、苦痛を伴うのであれば、その期間が「短い」方をおじいちゃんはあえて選んだのかもしれないよって、そう言ってくれたんだ」

すげえ。エルヴィン先生。たったそれだけの情報でそこまで読み取る事が出来るのか。

エルヴィン先生の観察力と洞察力の凄さを改めて感じてしまった。

アルミン「だから、僕はおじいちゃんの死に対して気に病む必要はない。むしろそのせいで、僕自身の人生の選択の「足枷」になっているのなら、それはおじいちゃんの望む事ではないんじゃないかって、あくまでエルヴィン先生の主観の話だけど、そう言ったんだよ」

エレン「そうだったのか……」

アルミン「あくまでそれはエルヴィン先生の話だし、本当は違うかもしれないよ。でも、今となっては真実は分からないんだ。おじいちゃんがどういうつもりで死んでいったかなんて、もう聞けないし。僕はおじいちゃんの異変に気付けなかった自分に対する、贖罪のつもりで医者になろうとしていただけだったのかもしれない……」

エレン「ううーん……」

それの何が問題なのかイマイチ分からねえけど。

175進撃の名無し:2014/08/01(金) 14:24:40 ID:oClsVUdU0
でもエルヴィン先生は「向いてない」ってはっきり言ったって事は、やっぱりそうなんだろうな。

エレン「だったら、他に何が向いているって言われたんだ?」

アルミン「僕の場合は『弁護士』の方がまだ適性があると言われたよ。僕、ほら、ずる賢いところあるじゃない? あと口も悪いし。自分が可愛いし。姑息で陰湿だし。悪い事ばっかり考えるし」

エレン「おいおい、それはいい過ぎだぞ。自分で自分を追い詰め過ぎるなよ」

アルミン「うん。でも、事実だからしょうがないよ。でもそういう「自分を守ろうとする」感情っていうのは、誰にでもあって、弁護士の場合はそれの究極の職業とも言われたんだ」

エレン「自分を守る……」

アルミン「そう。そういう感情が分かる人間でないと、人の弁護も出来ないとエルヴィン先生は言っていたよ。確かに僕は口だけは自信があるから、そっちの方が向いているのかもしれないけど……」

と言って、アルミンはやっと両目を静かに開けた。

アルミン「正直言えば、凹んだよ。まさかこんな風に自分の希望を真っ向から否定されるとは思わなかったし。キース先生は「言い過ぎなのでは?」と言っていたけど。エルヴィン先生、全然平気な顔をしていたよ。「これでもオブラートに包んで話していますよ」だって。エルヴィン先生、普段と全く変わらない表情だったのが、逆にちょっと怖かったよ」

エレン「そうなんだ」

アルミン「うん。エルヴィン先生って、その辺の感情の「機微」みたいなのを余り気にしない性格なのかもしれないけど。なんていうのかな……マッドな印象を受けたよ。相手がどれだけ傷つこうが自分には関係ない。みたいな。だからこそ、人の適性を客観的に見つめる事が出来るのかもしれない」

そういう風に分析できるアルミンの方がすげえよ。

普通だったら「エルヴィン先生むかつくー!」で終わるんじゃねえか?

アルミン「そういう訳だから、ちょっと、今、頭の中、ふらふらしていてね。うん。進路についてはもう少し時間をおいてから改めて考えてみるよ」

エレン「おう。そうした方がいいな。エルヴィン先生が反対したって、本当に医者になりたかったら、医者になればいいじゃねえか。オレ、アルミンの方が医者になった方がいいとずっと思っていたんだし」

アルミン「僕はエレンの方が医者になった方がいいと思うけどね。適正あるって言われたんでしょ?」

エレン「頭が足りればの話だよ。オレ自身は『消防士』『レスキュー隊』『自衛隊員』のうちのどれかでもいいかなって思ってるしな」

アルミン「その辺も適正あるって言われたんだ。すごいね。幅が広いや」

エレン「んー『人の命を助ける仕事』についた方がいいみたいな事を言われたんだよ。多少危険でも、やっていけるんじゃないかって。まあ、オレ、自分の母親を目の前で亡くしているからな。やっぱり、人が死ぬところはもう見たくねえんだよ」

アルミン「そっか……」

エレン「でもぼんやりでも道が見えて来て良かったと思うぜ。後は時間をかけて絞っていくだけだ。勉強もして、体力もつけねえとな」

と言ってオレは立ち上がった。

エレン「そういえばアニはなんて言われたんだろうな? ちょっと聞いてみるか?」

アルミン「うん。聞いてみようか」

アニもアニで「うーん」と悩んでいる様子だった。

176進撃の名無し:2014/08/01(金) 14:27:11 ID:oClsVUdU0
エレン「よお! アニはどうだった?」

アニ「うーん……」

エレン「悩んでいるみてえだな。職種、決まらなかったのか?」

アニ「いや、そういう訳じゃないんだけど、ちょっと意外な進路を勧められたからさ」

アルミン「アニは何が向いているって言われたの?」

アニ「看護師」

アルミン「看護師?! ヤバい! 似合いすぎるよ!!」

エレン「ああ。似合うぜ! 注射器持ってるアニ、似合いすぎるぞ!!」

アニ「変な意味で想像しないでよ。そういうコスプレ的な意味じゃないんだから」

アルミン「ああ、ごめんごめん。でも何で?」

アニ「うーん。まず、体力が人よりある事と、意外とその「優しい」気質を持っている事。人の事を割とよく観察している事。必要以上に人と関わらないようにしている事。集団行動より、1人での行動に耐えられる事。所謂、自分の判断で動くって事だね。他には……安定した収入、かな」

アルミン「へーなるほど。それだけ言われれば確かに合ってる気がするよ」

アニ「でも私、看護師なんて考えた事もなかったから、びっくりしてね。ぼんやりと洋服関係の仕事でもしようかなって思っていたくらいだから、斜めからの提案で面喰っているんだ」

エレン「オレも似たようなもんだぞ。頭足りれば医者いけるって言われたんだし」

アニ「ああ、そうなんだ。じゃあもしかしたらいつか、一緒に働く事になるかもね」

アルミン「羨ましいな〜エレン〜」

エレン「え? いや、そりゃあそうなったら楽しいかもしれんが、まだ分からんだろうが」

アニ「アルミンはなんて言われたの?」

アルミン「僕の場合は適正で言えば『弁護士』あたりかなって。ただ、医者にもまだ未練があるから、もうちょっと考えてみる」

アニ「そうなんだ。アルミンの場合はどっちでもいけそうだね」

アルミン「うーん。どうなるか分かんないけどね。あくまでエルヴィン先生の判断だし」

アニ「でもエルヴィン先生ってそういうの、凄く客観的に人を見るから、結構当たってる気がするよ」

エレン「まあな。そういう意味じゃ進路指導の先生としては合ってるよな」

アニ「うん。そう思うよ」

ガララ……

あ、クリスタが出て来た。あんまり顔色良くねえな。

177進撃の名無し:2014/08/01(金) 14:28:56 ID:oClsVUdU0
クリスタ「ううーん………」

エレン「どうだった?」

クリスタ「あのね。私、自分の進路を真っ向から否定されちゃった……」

アルミン「クリスタも? 何て言ったの?」

クリスタ「看護系かな。そういう人を助ける仕事をしてみたいと思っていたんだけど、向いていないって」

エレン「アニと逆なのか。何でだ?」

クリスタ「その………イイ人だって思われたくてやるんだったら、やめた方がいいって」

エレン「イイ人? ん? イマイチ意味が分からんな」

アルミン「見栄の為にやるんだったらやめろって話?」

クリスタ「うーん。私自身はそうは思ってないんだけどね。ただ、ちょっと私は『人に対する過剰なサービス精神』のようなものがあるって言われてね。やるんだったら『芸能関係』の方が向いているかもしれないって言われちゃった」

アルミン「芸能?! それって、女優とかアイドルとかモデルとか?」

クリスタ「まあ、そうなるのかな? 確かにモデルは1度だけやった事あるけど、私、演劇部に所属している訳でもないし、いいのかなあ?」

アルミン「全然問題ないよ!!! なんなら今からでも演劇部に移籍したら……」

クリスタ「いや、それは無理だよ。私、野球部マネージャーを本格的にやり始めているし。今は弓道部よりそっちの方がメインになっているんだ」

アルミン「そうなんだ……(シュン)」

クリスタ「確かにミスコンの時も、いろいろ考えすぎて失敗しちゃったしね。男子にウケる事ばっかり考えて、自分の意志がなくなっていたのは本当だし。でも、エルヴィン先生はその考え方を否定はしなかったの。むしろ、そういう『サービス精神』を利用した職業を目指した方がいいかもしれないって言われてしまって……加えて私は『マニュアルがないと不安になるんだろう?』と言われたし、女優も視野に入れていいって言われたんだよね」

エレン「へーそうなんだ。そういうもんなのか」

意外な進路だな。クリスタは「女優」に向いているのかもしれないのか。

エレン「劇部の様子、見学してみるか? 別に部活動はしなくてもいいからさ。空気に触れるだけでも大分違うんじゃないか?」

クリスタ「うーん。そうだね。それも有りかもしれない。今度、見学してみるよ。皆の練習風景を見せてね」

アルミン「大歓迎だよ!!!」

あ、今度はコニーが出て来たぞ。あいつ、なんて言われたんだろ。

コニー「あああああ……くそおおおおお」

コニーも何か言われたっぽいな。

178進撃の名無し:2014/08/01(金) 14:53:05 ID:oClsVUdU0
コニー「野球選手一本じゃダメなのかよーうーん」

エレン「コニーも進路を否定されたのか」

コニー「否定じゃねえけどさー。野球一本に絞ってプロ野球選手になりたいって言ったら「怪我したらのたれ死ぬけどいいの?」ってずばっと言われた」

エレン「まあ、怪我したらプロ続けるの難しくはなるよな。それで引退する選手だっているんだし」

コニー「そおだけどさあああ。それ言い出したら、プロの道、いけなくねえ? 保証なんて何もない世界だけど、でもそれでも好きだから野球するんじゃねえか。他の道なんて考えた事もねえよおお」

と、コニーが頭を悩ませている。

コニー「オレ馬鹿だからさ。野球以外の事、ほとんど何もしてねえんだよ。勉強だってギリギリだし。自慢出来るのは体力ある事くらいだぞ?」

エレン「いいじゃねえか。体力ねえと出来ねえ仕事は沢山あるぞ」

コニー「そおかあ? 例えば何だよ」

エレン「オレが勧められた『消防士』とか『レスキュー隊』とか『自衛隊員』だよ。この辺は体力の方が必須だからな。コニーもいけるんじゃねえの?」

コニー「ああ、そういう意味かーいや、でもなああ。野球選手になりたいんだよ。オレは!」

アルミン「じゃあエルヴィン先生は野球選手以外だったら、何が良さそうって言ったの?」

コニー「ううーん。野球以外だったら『保育士』とか? 男だけど。オレ、下に妹と弟いるからさ。子供の面倒を見るのは得意なんだよ。子供と遊ぶのは好きだしな。後は『宅配業者』とかだな。単純な肉体労働系もいけそうだって言われた。引っ越し屋とかだと、頭使うから向いてないみたいだけど。そんな感じだな」

アニ「保育士、いいんじゃないの? 私、合ってると思うけど」

コニー「ええええ? そうかあ? いや、でもなあ。うーん」

と、コニーも頭を悩ませている。

コニー「野球選手以外の道はまだ見たくねえっていうか、夢はまだ持っていたいというか。来年の甲子園出場が、オレの将来を決めると言うか。せめてベスト8までは残りたいというか……」

エレン「まあそんなに思いつめるなよ。野球選手でいきたいなら、今はその夢を追いかけていればいいじゃねえか」

コニー「だよな! よし、そうしよう! エルヴィン先生には悪いけど、今はまだ諦めねえぞ!」

と、いう訳で次はサシャが出て来たぞ。

179進撃の名無し:2014/08/01(金) 14:55:16 ID:oClsVUdU0
サシャ「むふー」

サシャは機嫌が良かった。希望が通ったのかな?

サシャ「エルヴィン先生はいい先生ですね! とてもいい話を聞けました!」

エレン「サシャはなんて言われたんだ?」

サシャ「ええっと、ですね。私の場合はあまり学業に力を入れる必要はないと言われました。それよりも、今持っている「スキル」をこのまま高めてそれを利用した仕事に就いた方がいいとも言われました。私、いろいろバイト経験があるので、社会に出る時にそれが有利になるし、父の仕事なども手伝っているので、経験は十分だと言われました。なので、今やっているフォトショ関係の仕事、漫画家さんのアシスタント等ですね。そういった「芸術」関係の仕事が向いているかもしれないと言われました」

アルミン「意外だね。インドア関係でいいんだ」

サシャ「そうですね。肉体労働も嫌いではないんですが。私の場合、マイペースにやれる仕事の方がいいみたいです。人と深く関わってする仕事より、個人の能力を生かした方がいいだろうって言われました」

エレン「そういうもんなのか。良かったなサシャ」

サシャ「はい! 学業に力入れなくていいって言われた事で、父がびっくりしていましたが、何となく察してくれました! これで「勉強しろ!」と必要以上に言われなくて済みます。むふふふ」

先生としてそれ言っちゃうのってどうなんだと思わなくもないが、サシャの場合は確かに違う能力を伸ばした方がいいのかもしれないな。

そんな訳で初日の四者面談は1時間過ぎた程度で全員分が終わった。

他のメンバーはまた後日だな。ミカサは最後の方になる筈だ。

今日の結果をミカサに話しながら家に帰ると、ミカサは「すごい」と驚いていた。

ミカサ「エルヴィン先生はやはり凄い。人の事を良く見ている」

エレン「やっぱり先生になるだけあるな。皆、いろいろ悩んでいたけど、アニとかは思ってもみなかった方向を提示されたんだぜ? オレもある意味そうだけど。それって、やっぱりエルヴィン先生じゃねえと出来ねえよな」

ミカサ「うん。私はなんて言われるんだろう。ドキドキする」

エレン「ミカサの場合はいろいろ選択肢を提示してくれるかもしれないな。頑張れ」

ミカサ「うん。頑張る」

と、ミカサがちょっと赤くなった。可愛い。

…………。えええい! 家の前(玄関前)だけど、まあいいや!

180進撃の名無し:2014/08/01(金) 14:57:00 ID:oClsVUdU0


チュ……


ミカサ「!」

エレン「悪い。今、したくなった」

ミカサ「んもう……(照れてる)」

エレン「だって、ミカサが可愛いのが悪い……」


ゾク……


あれ? なんか急に寒気が……


グリシャ「エレン? ルールは破っちゃダメだよ?」

エレン「?!」

後ろを振り向いたら、何故か親父とおばさんが並んでこっちを見上げていた。

え? え? 親父、先に帰っていたんじゃなかったのかよ?!

ミカサの母「今日は帰りを迎えに来て貰ったの〜学校帰りにね。そのまま買い物もしてきたのよ」

グリシャ「ああ。今、帰って来たところだ。偶然だね。車の音、聞こえなかったのかな?」

エレン「うぐぐぐぐ」

すいません。見過ごしていました。それだけミカサの方に集中していたんで。

グリシャ「晩飯のおかず、1個減らすよ。今日だけは多めに見るけど、次はないよ」

エレン「は、はい……(シュン)」

という訳で、やっぱり親父に怒られたりしながらその日は終わったのだった。

181進撃の名無し:2014/08/01(金) 15:35:13 ID:oClsVUdU0









10月20日。四者面談2日目。

ジャンが面談を受けた後、物凄く唸っていた。

エレン「大丈夫か? お前もなんかエルヴィン先生に進路否定されたのか?」

ジャン「いや、否定はされていないんだが……」

ジャンは廊下の椅子に座って腕を組んで悩んでいた。

ジャン「公務員を希望するのは構わないけど、一口に公務員と言っても幅が広すぎるからもう少し絞った方がいいって言われた」

エレン「そうなのか。公務員ってそんなにいろいろあるんだ」

ジャン「あーなんか、土木、水産、地域観光、あとなんだっけ。所謂、部署が物凄く幅広いから、勤務先次第では自分が全くやった事のないジャンルの仕事とかバンバン回される可能性も高いから、そういうのに耐えられる? って聞かれてな。オレはすぐに「出来ます」って言い返せなかったから、目指すんだったら、警察とかの方がまだいいかもしれないって言われたな」

エレン「ははは! 斎藤役で警察官やった甲斐があったな。縁があるんじゃねえの?」

ジャン「うーん。斎藤役をやってる時、物凄くしっくりきたからな。案外、合ってるのかもしれないが……」

と、ジャンがぐだぐだ言っている。

ジャン「でも警察官も結構激務って聞くよな。出来れば土日は休める仕事の方がいいけどな」

エレン「んーでも、ジャンの場合は一番は「安定した収入」なんだろ? それだったら、警察官でも良くねえか?」

ジャン「うーん。まあ、悪くはないんだろうけどな。ただ警察に入るなら、格闘……柔道か剣道か空手か。習った方がいいとも言われたな。実践で使うだろうし」

エレン「習えばいいじゃねえか。そういうのは大学入ってからでも習えるだろ」

ジャン「そうだな。一応、大学には入ってみようかとは思う。キャリア組目指す訳じゃないけど、演劇部の事をしながら習い事はちょっと無理だしな」

エレン「ジャンの場合は公務員無理だったら、大手の企業とか、中小企業のサラリーマンでも別にいいんだろ?」

ジャン「まあ、出来れば潰れない会社に入りたいけどな。どうしようもない時はそうなるだろうな」

という訳で、2日目の四者面談はそんな感じで終わった。

10月21日。四者面談3日目。

ハンナも唸っていた。どうやら進路を否定されたようだ。

ハンナ「ううーん。お嫁さんになりたいとか言ったら「離婚されたらどうするの?」って返されてしまった」

ああ、所謂永久就職希望か。女の子らしいな。

オレは別にそれでも構わないと思うけど。ハンナって彼氏いたっけな?

10月22日。四者面談4日目。

ヒッチが浮かれていた。サシャみたいにいい事でも言われたかな。

ヒッチ「水商売でいいです♪ って言ったら、親泣いたけど、エルヴィン先生は「いいんじゃない?」って言ってくれて助かったわー。止められるかと思ったけど、案外いい先生だね!」

マジか。それでいいのかヒッチ。夜の花道いくのかあいつ。

ヒッチ「まあ、親がどうしてもダメっていう場合は「花魁」目指すけどね。そっちにも興味あるんだ〜♪」

もうあいつの天職な気がしてきた。まあ、いいか。

ベルトルトが赤面していた。何だろ? 変な反応だな。

ベルトルト「まさか僕が『秘書』とか『マネージャー』とか向いていると言われるとは思わなかったな……」

おお、そうなのか。あ、でもそれっぽい感じはするな。

ライナー「いいんじゃないか? ユミルとコンビ組んだ時もサポート役がうまかったと、ユミル自身が言っていたぞ」

ベルトルト「そ、そうなのかな」

ライナー「ああ。たまにドジだが、悪くない。ってユミルが言っていた。お前は影に徹する仕事がいいのかもしれんぞ」

なるほど。目立つのが苦手なベルトルトらしいな。

182進撃の名無し:2014/08/01(金) 15:56:27 ID:oClsVUdU0
10月23日四者面談5日目。

マルコが唸っていた。エルヴィン先生、とことん唸らせるなあ。

マルコ「まさか『心理カウンセラー』とか『精神科医』とか『スポーツ監督』とかその辺を勧められるとは思わなかったなあ」

ジャン「えらくジャンルが離れているな。なんか共通するところあるのか? それは」

マルコ「ああ、えっとね。僕は所謂、「相談役」に向いているって事らしいよ。女房役っていうのかな。まあ、捕手やっていたし、元々そういう気質なんだろうけど、表にガンガン出るタイプじゃないけど、陰で他人に知恵を授けたり、後押ししたり、後は采配したり? そんな感じの事が得意みたいだから、それを活かせる仕事はどうだ? って言われたね」

ジャン「悪くねえんじゃねえか? オレもよくマルコには相談ごとするしな。アドバイスは的確だし」

マルコ「うーん。でも、僕は建築関係の仕事をしようかなって思っていたんだよね」

ジャン「だったら、建築関係のアドバイザーとかはどうだ? くっつけちまえば」

マルコ「! そんな業種、あるのかな?」

ジャン「設計の段階で相談していろいろ決めるだろ。住宅の設計士にでもなれば?」

マルコ「ジャン! 頭いいね! それいいかもしれない!」

と、マルコも進路の先が見えたようだ。

マルロ「………政治家か」

ヒッチ「?! えらくでかい夢を言い出したね。え? それを勧められたの?」

マルロ「政治に関する仕事、がいいかもしれないと言われた。一番いいのは政治家だろうが、しかし公務員を目指していたんだが、まさかそっちを勧められるとは思わなかった」

ヒッチ「超ウケるwwwwwいいんじゃない? 夢はでっかくいこうよwwww」

マルロ「笑われてもな……いや、本当にどうするべきだ。これは」

マルロ、大きい男だな。頑張れ。

ミーナ「うううん。普通のOL希望だったのに、飲食店を勧められてしまった。個人で経営する方がいいかもって。組織に属するよりそっちの方がいいかもって言われた」

ハンナ「そうなんだ。でも、いいんじゃない? カフェ経営とか。似合いそうだよ」

ミーナ「確かにコーヒーとか紅茶は好きだし、甘い物も大好きだけどーOLも捨てがたいのよね」

ハンナ「職場恋愛とか?」

ミーナ「う……バレたか」

こっちの2人は結婚の方を重要視しているようだな。

183進撃の名無し:2014/08/01(金) 16:25:28 ID:oClsVUdU0
そしていよいよミカサだ。何言われたんだろうな。

ミカサ「……………」

あれ? 浮かない顔だな。ダメだしされたのかな。

ミカサ「ううーん」

エレン「何言われたんだ?」

ミカサ「旦那になる男と同じ職業がいいかもしれないって言われた」

エレン「ええええ? なんだそれ?」

ミカサ「えっと、私の場合、職種に拘る性格ではないので、愛する人と一緒に生活出来さえすればいいから、本当に何でもいいそう。で、あれば、結婚相手と似たような職業、もしくはいっそ同じ仕事に就いていいんじゃないかって言われた」

エレン「えええええ……それって、オレ次第って事か?」

ミカサ「そうなってしまう。エレン、ごめんなさい」

エレン「いや、いいけどさ。いいのか、本当にそれで」

ミカサ「部活動を決めた時もそうだったので、概ね問題ないかと」

エレン「あ、そう言えばそうだったな。いや、でも、1個くらい適性の職業なかったのかよ」

ミカサ「あえて言うなら『農家の嫁』と言われてしまった。農業が向いているそう」

エレン「そうか。農業か……」

ミカサは確かに作物育てるの好きだもんな。

ミカサ「エレンは今のところ『医者』か『消防士』か『レスキュー隊』か『自衛隊員』くらいを見ているのよね」

エレン「ああ、医者はまあ、成績次第だけどな。多分、相当頑張らないと難しいとは思うけど」

ミカサ「私は本当に、自分のやりたい事が特に「ない」状態なので、エレンと同じ仕事を選択してはダメだろうか?」

エレン「うーん……本当にそれでいいのかなー」

責任重大だな。オレ、ミカサの人生も抱える事になるのか。

いや、でも、そうだよな。ずっと一緒に生きていくつもりなら、それくらい抱えなくてどうする。

エレン「本当に、それで後悔しないな? ミカサ」

ミカサ「うん。後悔しない」

エレン「分かった。だったらオレも覚悟を決める。出来るだけ早いうちに進路を絞るから。それまで待っててくれ」

ミカサ「うん」

ミカサが小さく微笑んだ。嬉しいのか。こんな程度の事で。

なんか幸せだった。ミカサの反応が。こんな事でも。

手、繋ぎたくなった。急に。

だから、手をすっと、握ったら、ミカサがびっくりした。

ミカサ「エレン?」

エレン「いや、なんとなく。手、触りたくなった」

ミカサ「うん……」

ユミル「廊下で急にイチャイチャするのやめてくんねえ?」

エレン「うわああびっくりした! ユミルか。もう終わったのか?」

ユミル「あーまあ、一応な」

ミカサ「ユミルはなんて言われたの?」

ユミル「あーうー」

何だ。歯切れが悪いな。

184進撃の名無し:2014/08/01(金) 16:35:36 ID:oClsVUdU0
ユミル「エルヴィン先生、あの人馬鹿なんじゃねえかなって思うんだけど」

エレン「え? 何言われたんだよ」

ユミル「………女社長になったらどうだって言われた」

ミカサ「お、大きい……!」

ユミル「でかすぎるだろ!!! どう考えても! 現実的じゃねえし。アホだろ。あの先生」

エレン「いやいや、案外そうでもないかもしれないぜ? ユミル、社長になったらいいじゃねえか」

ユミル「だから、「何の」社長だよ!! 社長って一口に言っても、いろんな企業があるだろうが! 私は「それ」を聞きたかったのに「それは何でもいいと思うよ。ピンときた物を取り組めば」とか何とか。分かりにくくてしょうがねえ!」

と、頭を抱えていた。

ユミル「私はそんなでかい夢なんてねえんだよ! とりあえず、生きていけさえすればそれでいい! その為なら、多少犯罪ギリギリの事でもやってやんよ!!! アウトでもバレなきゃいいと思ってる! とにかく金を稼ぎたい!! その手段を聞きたかったのに、あの先生はもうおおおお!」

うーん。これだけ意欲的なら「社長」に相応しいと思うんだが気のせいか?

ミカサ「では、ユミルが好きな事をすればいいのでは?」

ユミル「好きな事?」

ミカサ「そう。ユミル自身が興味を持つ事をすればいい。何か、ないだろうか?」

ユミル「私が興味あるのはクリスタに関する事が殆どだからな……」

ミカサ「では、クリスタを綺麗にする為に化粧品の会社を立ち上げるとかはどうだろう?」

ユミル「………あーそういう事ね。なるほど。それだったら、悪くないかもな」

と、ちょっと落ち着いたようだ。

ユミル「女性に関する会社とかいいかもしれないな。ありがとう。ミカサ。ちょっと取っ掛かりが見えたよ」

と、手を振って去って行った。

ユミル、本気で会社立ち上げる気かな。いやでも、案外やり手だから本当になっちまうかもしれない。

185進撃の名無し:2014/08/01(金) 16:56:43 ID:oClsVUdU0
最後はライナーだった。ライナーもまた唸っていたな。

ライナー「いろいろ多すぎて困ったな。適正が有り過ぎるそうだ」

エレン「有り過ぎるって、どれくらい?」

ライナー「まず体力のいる仕事だと『警備員』『警察官』『自衛隊員』『スポーツ選手』『消防士』等だな。ただ『教師』『塾の講師』等の子供と関わる仕事も大丈夫らしい。後は『農業』『漁業』等の体力勝負で地域に根づく仕事も大丈夫らしいが……これだけあると、何を選べばいいのか分からなくなってしまった」

才能が有り過ぎるのも問題だな。

ライナー、オールラウンダータイプだからかえって選ぶのが困るんだよな。

ライナー「じっくり考えるしかないか。選択肢の幅が多い方が悩む事になるが仕方がない」

と言ってライナーも去って行った。

そんな感じで第一回目の進路相談はそれぞれいろんな思いを抱え、無事に終わったのだった。

そして翌週の月曜日。10月27日の体育の日。

その日は天気も良好で、外でテニスの授業をやっていた。

一応、硬式テニスだ。テニヌを思い出しちまうけど。笑ってはいけない。

その日は皆、リヴァイ先生の様子がおかしい事に気づいた。

妙に肌艶が良かった。というか、機嫌が良すぎて気持ち悪い。

常に口元が上がっているし、なんていうか、たまに思い出し笑いをしている。

エレン「……………」

あー。なんとなく、皆も気づいている。

昨日は第4日曜日だった。確か体操部の活動も月1でお休みの日だ。

中間テストも進路相談も終わったし、ちょっと一息お休みが取れたんだろう。

多分、アレは、やったな。ハンジ先生と。

エレン「あの、リヴァイ先生。今日はご機嫌ですね」

一応、カマをかけてみると、

リヴァイ「ああ。そうだな。すまん。ついつい。にやけてしまってな」

エレン「イイ事でもあったんですか?」

リヴァイ「最高の夜だったよ。昨日は久々に、楽しめた」

と、言い切ったので確信した。やったんだな。遂にやったんだな!

エレン「あー………それはおめでとうございます」

思わず言っちまった。なんか、つい。

リヴァイ「ありがとう。………ふふっ」

やっぱりリヴァイ先生、浮かれている。超浮かれている。

186進撃の名無し:2014/08/01(金) 17:22:50 ID:oClsVUdU0
リヴァイ「ハンジがあんなに可愛い女だとは知らなかったな。もっと早く手を出しておけば良かった」

惚気きた!! 授業中だって事、完全に忘れているぜ! リヴァイ先生!!!

エレン「なんか今までと随分変わりましたね。リヴァイ先生」

リヴァイ「自分でもそう思っている。こんな風に浮かれる自分は初めての経験だ」

エレン「ちなみに、どんな感じで迎えたんですか?」

参考までに聞いておこう。ミカサとの、予習の為に!

リヴァイ「スイートホテル、一泊だけ宿泊してきた。エルヴィンとピクシス先生からの宿泊券のプレゼントを貰ったからな。早速使わせて貰ったよ。そういう豪華な場所で夜を過ごすのは初めてだったらしく、慌てふためくハンジの顔は面白くてな。ついつい、いろいろ苛めてしまったよ」

ドSだ! 今、はっきりとドSの顔をした!

大人の夜だな。すげえ。オレには真似出来ないけど。

リヴァイ「あいつの反応がいちいち新鮮だった。こっちがいろいろ教えてやったらその都度「こんなの知らないよ!」とか「ちょっと待って!」の連続でな。いやはや、追い詰めるのが楽しくてしょうがなかった」

エロ! なんかもう、調教しているようにしか聞こえない。

皆、こっそり会話聞いているみたいで、ぶふっ! と吹いていた。

エレン「まるで調教しているようにしか聞こえないんですが」

リヴァイ「調教? いや、そんな生易しい言葉じゃ足りないな。これからゆっくり10年分のツケを支払わせる。あいつの過去の男達を全て忘れさせてやるくらいに、俺のやり方を仕込むつもりでいる」

うわあああ。ちょっと怖いくらいリヴァイ先生、変態発言しているぞ。

鳥肌が立ってしまった。ここまで凄いといっそ潔いけどな。

とまあ、リヴァイ先生はすげえ浮かれていたけど。

10月29日。生物の授業の時のハンジ先生はリヴァイ先生のような感じではなく……

ハンジ(ぼーっ)

エレン「ハンジ先生?」

ハンジ「はいはい?! 何かな?」

エレン「教科書逆さまに持ってますよ?」

ハンジ「うわああああ!? ごめんねええ?! ぼーっとしてた!」

と、調子が狂っているようだ。

授業はちゃんとやってくれるけど、ちょっとした「間」が出来ると「ぼーっ」としてしまうようで、困っている。

187進撃の名無し:2014/08/01(金) 17:43:10 ID:oClsVUdU0
そしてたまに赤くなって、息をついて、思い出しては顔を隠して忙しい。

授業が終わった後、オレはハンジ先生に声をかけた。

エレン「だ、大丈夫ですか?」

ハンジ「うん。今のところは大丈夫。大丈夫だけど……」

エレン「けど?」

ハンジ「いつまでこの状態が続くのかなあ? もう、地に足がつかないような「ふわふわ」な感じがあの日以来、ずっと続いているんだよね。ねえ、これが「トキメキ」ってやつなのだとしたら、君達、よほど心臓が強いんだね……」

エレン「まあ、そうですね。でもオレ達も、そんなもんですよ? ハンジ先生」

ミカサ「確かに。しょっちゅう、ふわふわします……ので」

ハンジ「そうなんだー凄いねえ。君たちの方が若いのに。こういうの、先に経験していたんだね。予想以上に、とんでもない経験だよー」

と、うるうるするハンジ先生だった。

ハンジ「リヴァイとの初エッチ、6時間もかけられるとは思わなかったよー。今まで経験したものが全部、馬鹿みたいに思えるよー」

エレン「ろ、6時間って?!」

長げえええ! え、そんなに時間かかるもんなのか?! 1〜2時間くらいのイメージだったんだけど

ハンジ「うん。全部でそれくらい。勿論、途中で休憩込みだけど。いろいろ凄かったんだよ……」

ミカサ「本当、エロ親父……やっぱり変態教師だったか」

まあ、ミカサは最初からそう言っていたな。当たっていたんだな。アレ。

ハンジ先生は顔を隠して俯いてしまった。

ハンジ「恥ずかしいよーいつまでこんな状態続くのかなー怖いよー」

と、その時、昼休みになってリヴァイ先生が生物室に来た。

リヴァイ「ハンジ。一緒に昼飯食うぞ」

ハンジ「はいいいいいい! (ドキーン☆)」

リヴァイ「何、そんなにおっかなびっくりしてやがる。そんなに俺が怖いのか? (ニヤリ)」

ハンジ「滅相もございません! いや、本当、大丈夫だから! その……ああああああ!?」

無理やり引っ張られて生物室の外に連れて行かれた。

どうやら2人は一緒にお昼を食べるらしいが…。

まさかとは思うけど、リヴァイ先生、昼休みとかも学校でやったりしてねえよな?

一瞬、そう思ったけど。あえて突っ込むことは止めておいた。……当たっていたら怖いからだ。

そんな感じで、10月は文化祭やら中間テストやら、進路相談やらでバタバタして終わっていった。

11月になると少し生活も落ち着いてきたので、そろそろミカサに打診してみる。

エレン「ミカサ」

ミカサ「何?」

エレン「そろそろ、オレ達、初デート、しないか?」

ミカサ「する!」

即答するミカサにオレは微笑んだ。ま、オレ達はオレ達のペースでいかないとな。

そんな風に思いながら、お互いにニヤッと笑ったのだった。

188進撃の名無し:2014/08/01(金) 17:46:29 ID:oClsVUdU0
という訳で、リヴァイ×ハンジは無事にゴールしました。
今日はここまでにします。次回はエレンとミカサの山登りデートだ!

189進撃の名無し:2014/08/01(金) 20:34:31 ID:/t7hU82A0
ミカサくそかわいい、いや本当。旦那次第とか最高だよあんた!

190進撃の名無し:2014/08/02(土) 02:48:31 ID:qHfx80Dw0
おお初デートくるー!
デートは当日より当日を待つ楽しみもすごくワクワクするよね
デートを夢見る乙女なミカサ
何を着ようとか、アニやクリスタに相談したら可愛い

リヴァイはうかれてるんだろうけどちょっとキモイwww

191進撃の名無し:2014/08/02(土) 09:27:35 ID:qFTl47gc0
山登りデートやった!
突然の雨とかラッキースケベが待ってるんだろうなw

エロはともかく、リヴァイ先生視点の番外編は見たい
エレンじゃないが、ニヤニヤしそう
…すいません、エロもお願いしまつ

192進撃の名無し:2014/08/02(土) 10:32:11 ID:8SmJZqTg0
リヴァハン長かったからそろそろエレミカがみたい

193進撃の名無し:2014/08/02(土) 14:04:48 ID:jl/nRLqY0
>>192
お待たせしてすみません。デート編でがっつりいきますよ(笑)

194進撃の名無し:2014/08/02(土) 14:16:22 ID:jl/nRLqY0








11月2日。日曜日。その日は晴天だった。

気候も真夏のような暑さはなく、だんだん涼しくなってくるこの季節。

紅葉も色づいてきて、山登りには最適な季節になった。

オレとミカサは初めてのデートに「山登り」を選択した。

女の趣味にある程度合わせた方がいいという、リヴァイ先生の特別授業を参考にする事にしたのだ。

山登りをするのは初めての経験、という訳でもないが、相当久しぶりだった。

確か、小学五年生の頃、「少年自然の家」とかいうイベントがあって、皆で山登りした以来じゃねえかな。

なので山登りに必要な物とかはミカサと一緒に話し合って装備を大体決めた。

今回登る山は初心者向きのもので、駅から1時間半くらいで着く近場の山を選んだ。

朝の6時には家を出発して、8時頃にその山のスタート地点に着くと、そこには結構、いろんな人達が集まっていた。

エレン「おおおお……やっぱり行楽シーズンなだけあって、結構、人がいるな」

若いカップルだけでなく、熟年の夫婦や家族連れなどもいた。

皆、似たような格好でわいわい言いながら山に登ろうとしている。

今日は山登りが目的なので、オレの服装もそれに合わせた長袖長ズボン。あと帽子をかぶっている。

勿論、ミカサも似たような格好だ。白い長そでのTシャツにジーンズ姿だけど、ミカサは足なげえから、すげえ似合っている。

195進撃の名無し:2014/08/02(土) 14:48:02 ID:jl/nRLqY0
ミカサ「まずは参拝コースを歩いてみよう。エレン」

エレン「おう!」

神宮参道を歩くのんびり参拝コース。というものがあって、今回はまずそれをなぞってみる事にした。

銅鳥居をスタートして、神宮奉幣殿までの石段の参道をのんびり歩いて登るコースとあったので、初心者には向いているだろう。

参道の周辺には沢山の坊舎跡や名所が見られるとも案内にあったので、楽しみだ。

歩いてすぐ、財蔵坊と呼ばれる民俗文化財を見る事が出来た。内部を見れるのは土日だけとあったが、時間が午前10時からとあったので、中を見る事は出来なかったが、山伏が生活した当時のままの姿を残しているその建物を見て、ミカサは「おおお」と感嘆の声をあげていた。

ミカサ「すごい。古い建物がそのまま残っている」

エレン「歴史を感じるよなー」

と、まるで修学旅行に来た時のようなノリで感心しながら歩いていく。

次は庭園を見た。旧亀石坊庭園と呼ばれるそこを見たり、山道の歴史館みたいなところも有ったけど、博物館関連はやっぱりまだ開いてなかった。来るのが早すぎたみたいだ。

そして最後は神宮奉幣殿にたどり着いた。この山の中心的な建物で、朱塗りの柱が目を引く大きな建物だった。

国の指定重要文化財なんだそうだ。結構、格好いい。

やっぱりこういうところに来たからには拝まないとな。

御賽銭入れて、手を合わせてみる。何を報告するかな。

んー。進路を早めに決めたいので、どの職業が一番いいか教えて下さい!

………なんてな。まあ、他力本願な願掛けをしてみる。

いや、本気で言ってる訳じゃねえよ? こう、ヒントくれ! くらいのノリだ。

ミカサ「よし! エレン、ここから本番」

エレン「だな」

次はここから山頂まで登っていくコースだ。時間にして大体、75〜90分くらい歩くコースになるらしい。

神宮奉幣殿から中岳に向けて出発する。下宮を通過して、杉木立の中、石段を登っていく。

エレン「ほ! ほ! ほ!」

ミカサ「エレン、飛ばし過ぎると後で疲れる」

エレン「わり! テンション上がってきたからさ!」

と、石段をぴょんぴょん飛びながら先を行く。空気がうめえな。自然の中はやっぱりいいな!

そして20分くらい登ると、一の岳展望台が見えた。ここで小休止出来るみたいだ。

エレン「どうする? 一回休憩するか?」

ミカサ「うん。ちょっと水を飲もう」

という訳で小休止。慌てる必要はないからな。ゆっくり行くぜ。

ミカサ「ふう……(お茶飲んでいる)」

リラックスモードのミカサが超可愛い。こう、ほっとするよな。

ミカサ「な、なに…? (ドキッ)」

エレン「いや、可愛いなーと思って見てた」

ミカサ「んもう……(照れる)」

あーもう、いいな! こういうの! デート最高!!

196進撃の名無し:2014/08/02(土) 15:08:56 ID:jl/nRLqY0
展望台からの景色も最高だった。晴れて良かったぜ。

自然の中にいると、気持ちも落ち着いてくる。こう、すかっとする感じだ。

展望台にはオレ達以外の人も小休止しているので、あまり露骨なイチャイチャは出来ないが、山頂についたらミカサと少しくらい、エッチな事もしていいよな? ダメかな?

とか思いながら景色を眺めていたら、ミカサもこっちを見て、

ミカサ「エレン、そろそろ行こう」

エレン「おう!」

5分くらい休憩して再開。杉木立の中をまたずんずん登っていく。

あ、途中でベンチもあった。やっぱり休憩所は適度に備えられているようだ。

でもオレ達はベンチはスルーして(というか先客がいたので)先に進んだ。

鎖を使って登る箇所があった。ミカサを先に行かせて、お尻を持ち上げてやる。

ミカサ「ひゃん! んもう、エレン……!」

エレン「いや、落ちない様にと思ってな」

ミカサ「いきなり触られるとびっくりする……」

エレン「悪い悪い(ニタニタ)」

ミカサ「んもう……(赤面)」

とまあ、そういう事もやりながら、先に進む。

中津宮を通過した。大体目安通りに登れているかな。45分くらいでここまで来た。

今度は下りの道だ。こけないように注意しながら先を行く。

再び石段の道が開けてきた。よいしょ。どんどん登っていくぞ。

産霊(ムスビ)神社に到着した。ここまでで75分。大体予定通りだ。

水場があったので、そこで水も頂く事にした。冷たい水が超気持ちいい!

先を行くと、上宮が見えてきたぞ! あともうちょっとだ!

上宮中岳山頂に着いた。ここまでで90分くらいだ。

山頂の広場に着いた。やったー! 予定通り着いたぞー!

ミカサ「着いた……」

エレン「おう! 着いたな! 到着だ!」

ミカサ「結構、意外と人がいる」

エレン「みたいだな。この山、結構人気あるんじゃねえの?」

ミカサ「かもしれない。初心者向きの山登りに案内されているだけはある」

エレン「記念写真撮ろうぜ! ほら、ミカサ! よってよって!」

と、言ってオレ達は広場で(ガラケーだけど)記念撮影した。

エレン「今、何時だ?11:00くらいか。9:30分くらいから出発したからそんなもんか」

ミカサ「少し早いけど、お昼にする?」

エレン「そうだな! 昼飯食おうぜ♪」

お楽しみの昼飯時間だ! やっほーい!

197進撃の名無し:2014/08/02(土) 15:16:39 ID:jl/nRLqY0
ミカサ「おにぎりとか、卵焼きとか、ハンバーグとか、お煮しめとか」

エレン「基本の弁当きたー! ありがとうな! ミカサ!」

ミカサ「では、手を拭いて……(おしぼり持参)」

エレン「(吹き拭き)いっただきまーす!」

ミカサ「頂きます」

もぐもぐもぐもぐ。うめええええ! 超うめええええ!

なんだこれ?! いつもにも増して飯が超うめええええ!

やっぱり自然の中で食ってるせいかな。空気もうまいし、運動した後だし。

余計にそう感じて、ミカサも頷いている。

ミカサ「ね? 贅沢なデートになった」

エレン「ああ! ミカサの言ってる意味が分かったぜ! こりゃ贅沢だな!」

飯がうまく食えるっていうのは、最高だよな! 本当に!

持参した水とかお茶も適度に飲みながら、オレは腹いっぱい飯をかきこんじまった。

エレン「美味かった! 超美味かった! これは本当に、いいデートだな!」

ミカサ「うん。私もお弁当を作った甲斐があった」

エレン「ありがとうな。いつも、本当にありがてえよ。ミカサ」

ミカサ「うん……どういたしまして」

うるうるしているミカサが超可愛い。

ああもう、周りに人いなければ、ここで押し倒してキスしてハグして一気にやっちまうぞ! 外だけど!!

でも自重する。例の誓約書の件、まだ解決していないからな。

198進撃の名無し:2014/08/02(土) 15:30:34 ID:jl/nRLqY0
エレン「そうだ。ミカサ、例の誓約書の件なんだけどさ」

ミカサ「うん」

エレン「エルヴィン先生曰く「親父の謎かけ」って言っていたけど、どう思う?」

ミカサ「んー……」

エレン「オレ、そういうのあんまり得意じゃねえからさ。ミカサの考えを先に聞きたいんだ」

ミカサ「文章を、そのままあえて、捉えるとすれば、だけど」

と、前置きをして言った。

ミカサ「エレンからの接触はダメで、私からの接触がOKだと仮定すれば、もしかしたら、やっていい事を制限しているのかもしれない」

エレン「やっていい事を制限?」

ミカサ「うーん。例えば、エレンのアレを、私の口でその……するのまではOKとか?」

ぶふううううううう!

危うくお茶零しかけた。ミカサ! オブラートに包み切れてねえぞ!

真っ赤になってオレは答えた。

エレン「いや、まあ、確かにそれは文面上は違反じゃねえけどさ。そんな事されたら、オレ、理性吹っ飛ぶぞ? 無理だぞ? 一気に最後までやっちまうぞ?」

ミカサ「やっぱり無理?」

エレン「多分、無理だと思うぜ。いや、ミカサがどうしてもやりたいって言うなら、我慢してやらなくもねえけど」

ミカサ「じゃあしよう(キリッ)」

エレン「即答かよ! え? 何、ミカサ、抵抗ねえの? そういうの?」

ミカサ「むしろしたくて堪らない(キリッ)」

エレン「そうなのか……いや、意外だったな。なんかそういうのって、あんまり女の方からしたがらねえイメージがあったからさ」

ミカサ「そうなの?」

エレン「んーそういうエロ本ばっか見てきたせいかな。嫌々やらされている奴とかの方が多いもんな」

まあ、その嫌そうな顔がかえってそそるという事情もあるんだろうけどな。

ミカサ「エロ本? (ぴくっ)エレン、エロ本を所持しているの?」

エレン「うぐっ……!」

しまった! 墓穴掘った!! 言うんじゃなかった!

ミカサ「エレン、どんなエロ本を見ているの? どういうのが趣味なの? (ゴゴゴ)」

エレン「お、怒るなよ!! アルミンから貰った奴とかだよ!! 中古本だから! アルミンが置く場所困るからって、引き取っただけだけだから!」

199進撃の名無し:2014/08/02(土) 15:40:03 ID:jl/nRLqY0
ミカサ「本当に? 本当にそうなの? <●><●>」

いかん! また例の目つきになってオレに迫ってくる! 話逸らさないと。

ええっと、リヴァイ先生の特別授業だと『機嫌悪い時は甘いもの』食わせろだったな。

あ、チロルチョコが確かあった筈! よし、ミカサの口に押し込もう!

ぐい!

咄嗟にポケットのチロルチョコを取り出して封をあけてミカサの口の中に押し込んだ。

ミカサ「!」

エレン「イライラしたらダメだろ? チョコでも食って機嫌なおせ」

ミカサ(もぐもぐ)

あ、ちょっと顔色が良くなった。すげえ! さすがリヴァイ先生だ!

特別授業を前もって聞いていて正解だったぜ!

ミカサ(ごっくん)

ミカサ「…………誤魔化されたような気がする」

エレン「あんまり気にするな! とにかく、その……オレとしては、そりゃあやって貰えたら嬉しい限りだけど、そこまでで自重出来るかが、自信はねえかな」

ミカサ「そう……(シュン)」

エレン「なんていうか、こういうのって「ここまで」って決めてやろうとしても、そこまでで済まない気がするんだよ。そういうスイッチが入ってしまうと、オレ、どんどん調子に乗っちまうからさ」

ミカサ「それは私も同じかもしれない」

エレン「だろ? だから、多分、それは違うような気もするんだ。答えが微妙に違うような……」

ミカサ「では、誓約書を交わした「理由」から推理してみよう」

と、ミカサが言い出した。

200進撃の名無し:2014/08/02(土) 15:58:22 ID:jl/nRLqY0
ミカサ「おじさんは恐らく「私とエレンの間にうっかり子供を作らせない為」にこの誓約書を誓わせたと思う」

エレン「そうだな。そこを一番、親父は心配していたからな」

ミカサ「でも、今の避妊具は性能がいいと言われているので、よほどのドジをしない限りは、ちゃんと使いさえすれば妊娠はしないと思う」

エレン「だよなあ。不良品を使わない限りは多分、大丈夫だと思うんだけどなあ」

ミカサ「私もそう思う。それこそ、何万分の1の確率の話だけで、こんな誓約書を作らないと思う」

エレン「つまり、妊娠の問題だけじゃねえって事なのかな」

ミカサ「恐らくそうだと思う。そもそも妊娠させない為なら、枷は私にも及ぶ筈」

エレン「そうだよなあ。意味ないんだよな。オレだけだと」

あー分からん。親父は一体、何が言いたいんだろう?

ミカサ「エレンからの接触はダメで、私からの接触はOKだと考えるとすれば、それはまるで私の方が主導権を握るような話のように思える」

エレン「あ、まあ……そうなるな。ん? 主導権……」

主導権。なんか、その言葉を聞いた瞬間、ちょっと思い出した。

リヴァイ先生の特別授業だ。

リヴァイ『焦るなよ。焦ったら負けだと思え。若いうちはガンガンやりたくなる気持ちは俺も分かるが、女の体は男が思っている以上に傷つきやすい。やり過ぎて、病院に通う羽目になった女子生徒も多数知っている。勿論、中絶も含めてだ。やりたいだけなら、せめて年上の経験の豊富な女を選べ。同年代でやる場合は、特に経験値ねえんだから、女の方に出来るだけ合わせてやれよ』

これって、つまり。まさか。そういう意味だったのか?

ミカサ「エレン……? どうしたの?」

エレン「あ、いや……もしかして、だけどさ」

オレの中で仮説が組立て上がっていく。間違っているかもしれないけど、今はこれしか思い浮かばない。

エレン「親父、もしかして、セックスの主導権をミカサに握らせたかったんじゃねえのかな」

ミカサ「え……?」

エレン「今、ミカサが言った通りの意味かもしれねえ。多分、きっとそうなんじゃねえかな」

201進撃の名無し:2014/08/02(土) 16:11:56 ID:jl/nRLqY0
思い出せ。何故親父があれだけキレたのかを。

あの時の状況を。墓の前での出来事を。

エレン「親父はもしかして、オレの方が強引に、ミカサにキスするところばっかり見ているから、ミカサの方の気持ちを心配しているのかもしれねえ」

ミカサ「え? え? どういう事?」

エレン「つまり、ミカサがオレに「流されて」付き合っているんじゃねえかって、心配しているんだよ。きっと」

ミカサ「ええええええ!? (ガーン)」

ミカサが凄い顔になった。凄くショックを受けているようだ。

ミカサ「そ、そんな事ないのに。私は、エレンが大好きなのに……(涙目)」

エレン「いや、でも、誤解している可能性は十分にあるぞ。親父、オレの方からキスするところばっかり見ているような気がするし、オレの方から告白したって言ったし、ミカサの気持ちがどの程度なのか、測っていたんじゃねえかな」

ミカサ「だとすれば、つまりセックスのサイクルを決める決定権を私に委ねている…と?」

エレン「かもしれない。いや、本当にそうなのかは、まだ分かんねえけど。でも、そう考えれば誓約書の意味が通じる気がするんだ」

オレの方から接触してはいけない。

でも、ミカサからならの接触はOKだと仮定すれば。

その意味は、それ以外にあり得ない気がする。

ミカサ「では、もしかしたら、「危険日」を避けてやれば、セックスをしてもいいっていう意味なのかしら」

エレン「え?」

ミカサ「そう考えれば辻褄が合う気がする。もしもエレンに主導権を渡せば、私はそういう時でも、求められたらきっと、うっかり応えてしまう。でも、エレンの側からは女の生理のサイクルは分からない。そこをコントロール出来るのは、女の私しかいない」

エレン「つまり、妊娠しづらい時期であれば、所謂「安全日」って呼ばれる期間であれば……」

ミカサ「や、やってもいい……?」

お互いに、その答えにたどり着いて、手を握り合った。

エレン「多分、それだ!!! 親父はそれに気づかせる為に、謎かけみたいな事をしたのか!!」

ミカサ「エレン、家に帰ったらおじさんと答え合わせしよう!」

エレン「ああ、そうだな! あーなるほどな! 何か分かった気がするぜ!!」

202進撃の名無し:2014/08/02(土) 16:29:06 ID:jl/nRLqY0
回りくどい方法で縛った理由も分かった気がする。

つまり、オレの方が我慢している状態で、ミカサの方が我慢出来なくなった時に、その意味が伝わる様に。

ようやくオレ達の「枷」が1個外れるように、誓約書をかわさせたんだ。きっと。

エレン「くっそおおおお親父めええええ!」

なんかこう、踊らされたような気持ちもなくもないが。親父らしいやり口だと思った。

親父には一生敵わない気がする。こういうところ、本当すげえよ。

ミカサ「では私は明日から基礎体温計で基礎体温を測らないといけない」

エレン「ん? なんだそれ」

ミカサ「そういう道具がある。女のリズムを測る道具。ちょっと面倒臭いけれど、それがあれば、妊娠しやすい時期としづらい時期を大体把握する事が出来る」

エレン「そうなのか」

ミカサ「ただ、データを採る為には一月から二月程度の情報が必要なので、すぐには結果が出ない。生理のリズムだけで計算する事も出来なくはないけど、正確な情報が知りたいのであれば、やはり基礎体温は調べるべき」

エレン「おう。なんかその辺はミカサに任せるぞ」

ミカサ「うん。任せて欲しい。早ければ、12月以降にはリズムが掴めると思う」

エレン「じゃあ、来年になれば、オレ達、出来るのかもしれないのか」

ミカサ「かもしれない。勿論、おじさんに確認した上での話だけど」

よしゃああああああ! これで一歩前進だ!!!!

暗闇が晴れてきたような気がした。ああもう、早くうちに帰って親父に直接確認してえええ!!

203進撃の名無し:2014/08/02(土) 17:18:55 ID:jl/nRLqY0
ミカサ「でも、今日は確かおじさん、お仕事……」

エレン「あ、そうだった。なんか出張行ってるって言ってたな」

親父は医者だから、医学関係の発表会とか研究会とかの出張で全国あちこち出かける時もある。

今日と明日は家にいないんだ。だからすぐには確認出来ない。

電話で言うのもアレだしな。仕事邪魔する訳にはいかないし。待つか。

エレン「あーもう、うずうずするけどしょうがねえか」

ミカサ「うん。しょうがない」

エレン「まあでも、こういうの、わくわくして待っている時間っていうのも大事だよな」

きっと。階段を登っていくように。一個ずつ。

問題をクリアしていく事が、きっと大事なんだと思うんだ。

ミカサ「うん。焦る必要はない。私はずっと、エレンの隣にいる」

エレン「………」

やべえ。うるっとくるだろうが! そんな事言われたら!

あーもう。これから先、どうしようかな。

エッチの件はまあ、1歩前進したとはいえ、まだ進路の事、決めてねえし。

ミカサはオレと同じ道を行くと言っている。

だったら、オレ自身がミカサにどうなって欲しいのか。考えないと。

消防士は……もし万が一、ミカサが火傷したら嫌だから没だな。

自衛隊員は……似合いそうだな。隊服。でも確か、自衛隊員って全国を回るんだよな。

勤務先次第では遠距離恋愛になっちまう可能性もあるよな。それはちょっときついかもしれない。

レスキュー隊……悪くはねえと思う。そういうの、オレ、向いてるらしいし。

最後に医者。

エレン「……………」

204進撃の名無し:2014/08/02(土) 17:20:30 ID:jl/nRLqY0
イメージした瞬間、びびっときてしまった。

白衣を着て、聴診器持って、診察するミカサを想像して、正直、きた。

萌えてしまった。レスキュー隊も悪くはねえんだけど。

女医っていう響きに、オレの心は躍ってしまって、その……。

馬鹿だと思うけど、正直言って、アホだとは思うけど。

進路の中で一番、ミカサになって欲しい職業は「女医」だった。

エレン「……………」

こういう決め方って、本当は良くねえかもしれない。

だけど、男って、案外単純に出来ている生物で。

エレン「ミカサ、あのさ……」

ミカサ「何?」

エレン「オレ、もしかしたら、無理かもしれないけどさ……」

無謀かもしれない。やめとけって止める理性の声も聞こえるけど。

オレの本能は「女医」を選んだ。ああ貶すがいい。むしろ本望だ。

女医の姿になったミカサを、オレは見てみたい。

だから。

エレン「医者の道、チャレンジしてみてえかも……」

ミカサ「医者? おじさんの跡を継ぐの?」

エレン「出来るんだったらな。ミカサも、一緒に医者の道、進んでみるか?」

ミカサ「エレンがその道を進むのであれば、私は何処でもついていく」

微笑んだ、ミカサの顔がとても綺麗で。

オレも一緒に微笑んだ。

エレン「正直、無理かもしれないけどな。でも、オレ、やるだけ、やってみるよ」

ミカサ「うん。一緒に頑張ろう。エレン」

と、言ってオレ達はじっと見つめ合った。

熱っぽい視線を交わして、唇が近づく。その刹那……

205進撃の名無し:2014/08/02(土) 17:29:21 ID:jl/nRLqY0
ハンナ「すごくきれいな場所だねー来てみて良かったね。フランツ」

フランツ「ああ。綺麗だね……ハンナ」

見知った声が聞こえてびっくりした。そっちの方を振り向くと、

うおおおお何だ?! フランツとハンナも山登りデートしに来たのか。

え? でも、フランツって野球部じゃねえ? いいのかサボって。練習大丈夫なのか?

ハンナ「うん。たまには気分転換した方がいいよ。思いつめると良くないって」

フランツ「ありがとう……ハンナ」

ハンナ「いいよ。で、話したい事って、何?」

フランツ「………」

何だ。顔が赤いぞ。まさか……

フランツ「あの……ハンナ。単刀直入に、言うけど」

ハンナ「うん」

フランツ「つきあって、くれないかな。僕と」

ハンナ「え?」

フランツ「だから、その……おつきあいして下さい!」

ハンナ「いいの? でも、野球部、大変だって…」

フランツ「ハンナの応援があれば頑張れる気がするんだ。だから……」

ハンナ「本当に、私でイイの?」

フランツ「ハンナじゃないと、ダメなんだ!」

ハンナ「フランツ! (がばっ!)」

おおおっと?! 山の山頂で告白かよ! 何で遭遇しちまったオレ?!

ミカサ「おおお……ここはデートスポットでもあると書いてあっただけはある」

エレン「そうなのか?」

ミカサ「うん……でもまさかこんなところで2人に遭遇するとは思わなかった」

エレン「オレもだよ。いつの間にあいつら、そういう事になっていたんだ?」

ミカサ「委員会、ではないだろうか。2人は同じ委員に所属していた気がする」

エレン「そうだったっけ? まあ、接点があるならそうなったのも頷けるか」

2人はくっついたばかりで人目も憚らずイチャイチャし始めた。

おおおおおい。ちゅっちゅすんなー。周り見ろー。

人の事は言えないけど。アレだ。人がおっぱじめると、何かアレだな。

自分の事は棚に上げたくなるのが不思議だよな。

206進撃の名無し:2014/08/02(土) 17:40:38 ID:jl/nRLqY0
まあいいや。あっちの馬鹿夫婦は放置しよう。今は自分の事を優先だ。

エレン「そろそろ、下るか? 天気、夕方から崩れるかもって予報で言ってたし。長居はしない方がいいだろ」

ミカサ「うん。そろそろ下ろう」

という訳で、フランツとハンナには声をあえてかけず、オレ達は先に山を下る事にした。

同じ道を下るだけだから道に迷う事はなかったけど、急に雲の様子が怪しくなってきた。

エレン「やべ……予報より早く雨、きそうだな」

ミカサ「少し急ぐ?」

エレン「だな」

という訳で、ちょっと早歩きで下っていると、


ザーザーザー


あともうちょっとってところで雨が降り出してしまった。

エレン「あーもう、運がない」

ミカサ「エレン。展望台で雨宿りしよう」

エレン「そうだなー」

軽く濡れた服をタオルで拭いて雨宿りする。

人の気配はなかった。恐らく、他の人は山頂か別の場所で雨宿りをしているんだろう。

エレン「…………」

雨で少し体が濡れたせいか少し寒そうだ。

ミカサが一回だけ小さなくしゃみをした。

エレン「大丈夫か?」

ミカサ「大丈夫。ちょっと寒いけど」

エレン「………」

ごくり。生唾を飲み込んだ。

人が来たらまずいけど。でも、ミカサの手が少し冷たかったから。

だから。

オレはミカサを自分の方に引き寄せて、服の上から、ミカサの体にそっと触れた。

207進撃の名無し:2014/08/02(土) 17:56:28 ID:jl/nRLqY0
ミカサ「え、エレン……(びくん)」

エレン「寒くないか? 少し、体冷えてるぞ」

ミカサ「これくらい平気……(ぽやーん)」

ミカサがうっとりしているのが分かる。

雨は、通り雨なのかどうか分からないけど、まだ降り続けている。

小雨になるまではここで休憩するしかない。

その時、オレはまた、リヴァイ先生の特別授業を思い出した。


『女の肌は服を着せたまま1時間は触れ』


それを思い出した瞬間、オレの中で、せき止めていた何かが外れた音がした。

雨が止むまででいい。ミカサの体を温めてあげる為に。

自分に言い訳しながら、これは、そういう意味じゃないって、言い聞かせながら。

自分に嘘をつきながら、オレはゆっくりと、ミカサの体に触れた。

ミカサ「エレン? その……」

エレン「寒くねえように、触るだけだ。大丈夫」

ミカサ「うん……」

嘘だけどな。でも、その嘘にミカサも気づいている。

服の上から、触るだけだ。ゆっくりと、ただ、それだけ。

エレン「擦るだけだ。こうすれば、寒くねえだろ」

ミカサ「う、うん……あっ……」

ビクン……

跳ねる身体が感じている事を表す。ミカサ、やっぱり相当敏感なんだな。

腰の周りと、脇腹の辺りを中心に手を動かして、優しく撫でるだけなのに。

太ももとかも、服の上から触ってみる。少しだけ湿っているのは、通り雨に濡れたからだ。

だけど、その湿り気が余計に興奮を呼んで、オレは、太ももの内側にも指を入れた。

ミカサ「あ……ああ……」

2人の荷物はとっくに床に置いている。

触るだけなのに。ミカサの顔がどんどん、赤くなっていく。染まっていく。

ヤバい。楽しい。すげえ楽しい。

でも我慢だ。服の上から触るだけだ。それ以上の事は、しない。

208進撃の名無し:2014/08/02(土) 18:05:20 ID:jl/nRLqY0
本番は1時間以上もこれ、やるんだよな。すげえ耐久レースな気がするけど。

辛いけど、それをやりたくなる気持ちも分かる。触るだけで十分、ミカサ、感じてくれているんだ。

ミカサ「ああっ……エレン……ん……」

両目を閉じてくたっと力が抜けていくミカサにオレはキスをしてしまった。

あれ? ちょっと待って。ええっと。

いかん。キスはするつもりなかったのに。あれ? 体が勝手に。

ミカサ「ん……は……はああっ……」

まずい。ミカサの感じ方がどんどん、本格的になってきている気がする。

舌を絡ませると、唾液が零れた。人の気配は、まだない。

雨の音を聞きながら、オレ達は展望台の中で、静かな行為に耽っていった。

誰も来ない。雨降ってるせいかな。でも、人が来ても良さそうなのに。

来るかもしれない。見られるかもしれない。その予感があるのに。

ゾクゾクした。その背徳感が余計に、背中から、押してくる気がして。

いかん。ダメだ。これ以上、触ったら。

でも、ミカサの汗の匂いとか。運動したての、匂いが鼻腔をくすぐって、捉えて離さない。

ミカサから発するフェロモンみたいなものにまとわりついて、オレはどんどん、自分の手を動かしていった。

ミカサ「あああっ……ん……」

声、出さない様に必死にかみ殺しているのが、かえってそそる。

手をミカサの背中の方に回して、オレは尻の方にも手をのばした。

服はまだ脱がせてないんだけどな。服の上からでも、感じ過ぎだろ。ミカサ。

209進撃の名無し:2014/08/02(土) 18:40:44 ID:jl/nRLqY0
ミカサの両腕がオレの背中に回ってきた。ぐっと、離さないと言わんばかりに。

固定されてしまった。オレも抜け出せない。唇が、ミカサの鎖骨に当たる。

汗が溜まっていたから吸い上げた。ちゅるっと、舌を使って舐めてみる。

塩味が少しだけした。でも、美味しいって思っちまう。

脇腹とか、擦っていたら、ブラジャーらしき感触が分かった。

外したい。ホックどこだ。服の上からでも外せないかな。

あった。これだな。あ、なんかもう、大分、緩んでいる。これは、いけるか?

ふわっと。した感じがあった。あ、今、拍子でうっかり外れたみたいだ。

ミカサが大きく息を吸い込んだ。胸の感触がより鮮明に分かった。

白いTシャツだから、下着が透けて見える。エロい。もう、ダメだ。

手をシャツの中に入れる。胸に直接触れてみる。ミカサは全然抵抗しない。

以前、「抵抗しちゃったら怪我させるかもしれない」とか言っていたのが嘘のようだ。

あれは杞憂だったんだな。今のミカサは、オレに全てを委ねている。

胸の突起を探した。あった。そこに微かに触れると、ミカサの体が大きく跳ねた。

ミカサ「あああっ……」

両足が、もじもじし始めたのが分かった。でも、足は閉じたままだ。

まだ開けなくていい。オレは完全にミカサに覆い被さって、両目を閉じた。

雨音は、まだ止まない。人の気配も来ない。誰も止めに来ない。

ドキドキする。誰かにバレるかもしれねえってのに。オレは。

中指の腹の部分で、胸の突起に、そっと触れてみたんだ。

ミカサ「はああ……ああっ」

ミカサの声がだんだん大きくなってきた。これ以上、喘がせるとまずい。

だからつい、またキスをして、声を出させないようにして、胸を触った。

何だよこれ。まずいって。こんなの、楽し過ぎるだろ。

痙攣しているのが分かる。ビクビク震えている。もっと、もっと触りたい。

210進撃の名無し:2014/08/02(土) 18:54:03 ID:jl/nRLqY0
胸の突起を抓ってみた。軽く、だけど。

すると、ミカサがもっと力が抜けたのが分かった。

ふにゃふにゃになっていくのが分かる。

ミカサ「え、エレン……あっ……ダメ……なんか、くる……」

エレン「え?」

ミカサ「それ以上、したら、私……ああ……あああああっ!!!」

一度、大きくバウンドしたのが分かった。え? まさか、まさか?!

ミカサがぐったりして気を失った。え? 本当に? 今の刺激で、イったのか?!

早くねえか? え? 予想していたより早い展開で、オレは困惑した。

でも一応確認して見たくて、ミカサの下着をちょいと確認させて貰う。

エレン「!」

すげえ、濡れていた。なんていうか、指にまとわりつくくらいに。糸がひいてやばい。

えっと、これって、もしかして、アレなのか。

ミカサは、リヴァイ先生の言っていた2種類のタイプの女の「クイック」側の女だっていう事で間違いないのかな。

つまり、普通の女より濡れやすい体質って事でいいのかな。

いや、そうだよな。きっとそうだ。多分、そうだ。

これだけの短い時間でイク感覚を味わったんだから、きっとそうだよな。

ミカサが起きない。気を失って、動けないでいる。

オレの息子も準備万端過ぎて困り果てているけど。

雨はまだ止まない。今、ここに避妊具がある訳じゃないし、これ以上は今日は勿論、無理だけど。

しょうがねえ。眠ってるミカサをオカズに全部一気に出してしまおう。

エレン「っていうか、オレ、ダメだろ」

親父に確認してから手出すつもりだったのに、結局、約束、破っちまったな…。

いや、まあ、今日の事は黙っていればバレないとは思うけど。

自己嫌悪に陥る。いかん。早いところ、親父に確認しないと、取り返しのつかない事をやらかしそうな気がする。

自分の息子の方の処理を済ませると、ようやく雨音が止んできた。

人の気配が復活してきた。危なかった。ミカサが速くイッたおかげで助かったけど。

もっと盛り上がっていたら登山客にモロバレしていたところだった。

211進撃の名無し:2014/08/02(土) 19:05:14 ID:jl/nRLqY0
ミカサ「は…!」

短い時間、気を失っていたミカサが目を覚ました。

ミカサ「わ、私は何を……(赤面)」

エレン「ごめん、ミカサ……」

ミカサ「エレン……」

エレン「こんなに一杯触るつもりはなかったんだけど、やってるうちに、加減が効かなくなってきて、つい」

ミカサ「ううん。大丈夫…それは大丈夫だけど……(赤面)」

ミカサはもじもじしながら言った。

ミカサ「下着、濡れてしまったので、着替えていいだろうか。着替えは持って来ているので」

エレン「あ、あああ……もちろんだ」

オレはミカサを見ないようにして、外の奴らに見せない様に大きなタオルを壁にしてやった。

そして下着を取り換えたミカサは言った。

ミカサ「どんどん酷くなっている……」

エレン「え?」

ミカサ「私、濡れるのが早いみたいで、すぐこうなるの。ごめんなさい……」

エレン「あ、いや…別に謝る事じゃねえよ。っていうか、立てるか?」

ミカサ「ふ、ふらふらする……」

エレン「少し休んでいくか。ごめんな。ついつい」

ミカサ「大丈夫。大丈夫……(赤面)」

212進撃の名無し:2014/08/02(土) 19:11:23 ID:jl/nRLqY0
と、言ってミカサは少し俯いて、

ミカサ「今日の事は、おじさんには内緒にしよう」

エレン「そうだな。内緒にしねえといけねえな」

罪悪感はあるけど。でも、やっちまったもんは仕方がねえか。

ミカサ「出来るだけ早いうちに誓約書の件を確認しよう。でないと、私もいろいろ辛い……」

と、ちょっとだけ涙ぐむミカサに、オレはよしよしと頭を撫でてやった。

そんな訳で、オレ達の初デートはその、うっかり、一歩進んでしまったけど。

オレ達にとって、そろそろ限界が近づいているのもひしひしと感じてしまった。

もう、いい加減に一つになりたいと、体が訴えているんだ。

親父が心配するのも分かるけど。でも、だからといってこのままでイイ訳がない。

そんな複雑な思いを抱えながら、オレ達はゆっくりと下山した。

苦い思いを抱えながらだけど、でも。

オレとミカサはお互いに手をしっかり握り合い、その手を離す事は決してなかったのだった。

213進撃の名無し:2014/08/02(土) 19:15:12 ID:jl/nRLqY0
リヴァイ×ハンジとは全く逆の状態に陥っているエレン×ミカサでした。

エレンが遂に約束破り始めちゃったよ。バレたらやばいよ!?
というところで続きます。ではまたノシ

214進撃の名無し:2014/08/02(土) 20:30:35 ID:xZSE/pr20
濡れやすいミカサとか可愛すぎる
いかせまくって焦らしたいわ…

215進撃の名無し:2014/08/02(土) 22:12:25 ID:qFTl47gc0
むふー!とか、んもう!とか、
ミカサの反応可愛いわー

しかしエレミカ進展早ぇな!
最近の高校生はこんな感じなのか

216進撃の名無し:2014/08/03(日) 01:24:23 ID:6ZK.Jc620





ミカサが白衣を着ていた。ちょっと大人っぽい。

ミカサ『はい、エレン君。調子はどうですかー?』

おおお。なんか凄く子供目線で話しかけて来た。ん?

つーか、オレ、子供の姿になっている?! え? 小さくなってるぞ?!

あ、これ、夢か! 身体は子供、頭脳は大人のアレの状態になっているようだ。

エレン『はーい! 元気です!』

ミカサ『うん。じゃあ、お口開けてね』

おおおお。なんかこういうの、久々だな。あーん。

腹とか触診されてこそばゆかった。ミカサ、小児科の女医になっているのか。

いいなあ。いいなあ。似合ってる。すげえ可愛い。

デレデレしていたら、今度は別のオレが出て来た。

エレン2『ミカサ先生ー! 抱っこー!』

ミカサ『えええ?』

エレン3『オレもオレもー!』

ミカサ『んもうーわんぱくねえ』

と、言って、オレと同じ顔した小さなオレが集団にミカサ先生にタックルかまして押し倒した。

皆、好き勝手にミカサの上に乗って、キャッキャ言って遊んでいる。

あーもう。オレ、ちょっと自重しろよ。気持ち分かるけどさ。

ミカサ『あん! もう、そこは、触っちゃダメよ。あん!』

と、時々甘い声をあげてくねくねしている。

ああああ! もう一人の小さいオレ達がおっぱい揉みまくってるぞ! けしからん!

217進撃の名無し:2014/08/03(日) 01:31:18 ID:6ZK.Jc620
エレン2『えへへ〜おっぱいもみもみ〜』

エレン3『おっぱい、大きいね〜ミカサ先生!』

ミカサ『こら! もう、そんなに触っちゃダメだって言ってるでしょ? あん……ああっ』

おいおい。ちょっと待て。何か、え?

こらあああ! 子供の悪戯の度合いを越えて来てるぞ!

もう一人のオレ達がどんどん増えて来て、ミカサの上に乗りかかって好き勝手に触り始めているんだ。

エレン『おい、やめろよ! ミカサ……先生、嫌がってるだろうが!』

エレン2『嫌がってないよ。気持ちいいよね? ミカサ先生』

ミカサ『い、嫌がってるのになあ…もう…(赤面)』

いや、嫌がっているように見えないのは分かるけど。こっちも照れるけど。

待て待て待て。こら、白衣脱がすな! もう一人のオレ達!!

エレン3『おっぱい吸っていい?』

エレン4『おっぱいすいたーい!』

エレン5『オレ、太もも枕にするー!』

好き勝手にやり過ぎだああああ!

あ、でも、ミカサは全然抵抗してねえ。むしろ赤くなって照れる一方だ。

ミカサ『やん……もう……ああっ……こら、んん……あああん』

服脱がされて、乳首吸われても抵抗しねえ。なんだこの夢。本当にけしからん。

218進撃の名無し:2014/08/03(日) 01:41:32 ID:6ZK.Jc620
小さなオレ達に両方のおっぱい吸われても、太もも枕にされても全然嫌がってねえ。

むしろどんどん、喘いで気持ち良くなっているミカサに、オレも、その、見入ってしまって。

エレン6『なんか、変なおもちゃ見つけたー(ブーン)』

エレン『?!』

それは大人のおもちゃだああああああ!!!

ダメだダメだ!! それだけはダメだああ!

エレン6『これ、どうやって使うんかな? えい! (ぐいっ)』

と、言って振動している大人のおもちゃをミカサの股につきつけて、遊び出す小さなオレ。

ミカサ『いやああああん……ダメっ……それは、ダメ……あああっ!』

子供の無邪気な悪戯で済むレベルじゃねえから!!!!

オレはおもちゃを奪ってやろうとしたんだけど、抵抗されちまった。

エレン6『なんだよーこれ、オレのだからな! 勝手にとるなよ!!』

エレン『馬鹿! そんなおもちゃで遊ぶな!』

エレン6『そんなのオレの勝手だろー?! お前、これ使いたいならちゃんとそう言えよー!』

エレン『そういうんじゃねえし!!!』

エレン2『あ、パンツ濡れてる。おもらししているみたいだー』

エレン3『脱がせてやろうぜー』

うわあああああ!! ちょっと、お前ら、暴走すんなあああ!

どっちを止めればいいか分からなくなり、混乱していると、

エレン6『よいしょ(ブーン)』

小さなオレがおもちゃを股に直接当てて振動させ始めたもんだから、ミカサがどんどん、喘いじまって。

ミカサ『やあ…だめ……そこは、らめえええええええ!!!!』





エレン「うあああああああああああああああああ?!」






目が覚めて絶叫した。朝、だった。

エレン「はあはあはあ……」

夢で良かった。つか、何なんだ今の夢は。

いやらしい夢の中でも、特にエロかった。いやもう、本当に。

エレン「いい夢なのか悪い夢なのか判断つかねえ」

小児科女医のミカサは可愛かったけどな。でも、アレはエロ過ぎた。

ミカサは小児科だけはいかないように説得しよう。エロガキにまとわりつかれたら、あいつ、本当に抵抗出来ない気がする。

219進撃の名無し:2014/08/03(日) 01:48:26 ID:6ZK.Jc620
とりあえず顔洗おう。今日は午後から演劇部の部活動の予定が入ってるしな。

時間は……ああ、もう午前11時か。結構寝倒していたんだな。

昼飯食って、準備して学校に行くと、いつものメンバーが大体音楽室に揃っていた。

あれ? でも、珍しくペトラ先輩が音楽室に来ている。

なんかすげえ落ち込んでいるな。体育座りで隅っこにいるけど。

エレン「ペトラ先輩、どうしたんですか?」

ペトラ「!」

ジャン「馬鹿! そっとしとけ!!」

エレン「え?」

ペトラ「うああああああ! (*壁を額にエンドレス殴打)」

エレン「?!」

なんだ?! 急に暴れ出したぞ?!

壊れたおもちゃみたいな動きしているな。

アルミン「あーあ。折角、一回収まったのに。今、ノゲノラのステフ状態なのに」

エレン「は? なんだそれ」

アルミン「ええっとね。詳しい事情は、エルド先輩から聞いて」

と、視線を動かすと、ちゃかりエルド先輩も遊びに来ていた。

220進撃の名無し:2014/08/03(日) 02:01:43 ID:6ZK.Jc620
エルド「や! 久しぶり。すまんね。最近、こっち来れなくて」

エレン「いや、もう受験生なんだから仕方ないですけど。ペトラ先輩どうしちゃったんですか?」

エルド「あー……新しい恋の兆しに混乱している真っ最中……とでも言えばいいかな」

エレン「誰かに告白でもされたんですか?」

エルド「そんな生易しいものじゃないよ。………オルオとうっかりベロチューやっちゃったんだって」

エレン「え?」

ミカサ「え?」

さすがのミカサも一緒に驚いてしまった。

エレン「何がどうなってそうなったんですか? え? キスしちゃったんですか?」

エルド「ああ、まあ……事故チューに近いんだろうけどな。なんか、雰囲気に流されちゃったんだって」

ミカサ「雰囲気に流された程度で、ベロチューは普通しないのでは?」

エルド「まあ、そうなんだけどな。そこはほら、ペトラは「事故チュー」に処理したいみたいだからそう言ってみただけだ」

エレン「えええ……」

一体、何がどうなっているんだ?

ペトラ先輩はある程度、額を壁にぶつけた後、また体育座りをして落ち込んだ。

ペトラ「違うの。オルオとキスしたのは、そういうつもりじゃなくて、その……あいつが急に優しくしてきたもんだから、つい、その、なんか嬉しかっただけで、そういうつもりは全くなくて、っていうか、何であの時、私、抵抗しなかったの? オルオを受け入れちゃったの? オルオの事は嫌いじゃないけど、リヴァイ先生の件が終わった直後にこれって、おかしくない? 私、尻軽過ぎない? っていうか、私の想いってそんなに簡単に変わるようなものだったの? 私、ずっとずっとリヴァイ先生の事が好きだったのに、何でオルオとキスしちゃったの? うわああああああああ?!」

ダメだアレ。なんかもう、完全に壊れているぞ。


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