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Key Of The Twilight
793
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2017/05/13(土) 06:49:41
【ポセイドン邸】
誰かに名前を呼ばれているのが分かった。
どこかで聞いた覚えはあるのだが、上手く思い出せない。
ただ、ひどく心地の良い響きのする、優しい声だった。
その声に呼応するように温かい光が差し込めて、そっと意識を掬い上げられる。
それが現実への帰還を意味することは本能で理解していた。
ふと少しだけ、名残惜しいような想いに駆られる。
このまま眠っていれば、ずっとその声を聞いていられるのに。…ずっと名前を呼んで貰えるのに――。
ぼんやりと瞼を開ければ、まず初めにこちらの顔を覗きこむ何者かの姿が目に映った。
(誰…?お嬢?ヨノ姉?)
ピントが乱れて曖昧なシルエットを探るように、その輪郭を捉えるべく目を凝らす。
ぼやけていた線は次第に明確な形となり、そして一つの姿を導きだした。
「………」
そこに居たのは亜麻色の髪を長く伸ばした少女であった。
「リマね…!?うぇっ…ッゴホ…‼」
それがリマだと分かるや、アブセルは咄嗟に上半身を持ち上げる。
距離を取るべく行動に移すが、動揺と喉の奥に残っていた水分とが相まって噎せかえってしまう。
しかも…。
「うわっ、何だこれ!?」
床に手を置いた途端、ぬめりとした異質な感触を拾い、反射的に手を引っ込める。
見れば両手が真っ赤に濡れていた。
これは一体…。
混乱する頭を必死に回し、アブセルは辺りに目を走らせる。
ユニに、ヨノに…その顔触れを見た途端、ぴしゃりと水をかけられたかのような感覚に陥る。一気に目が覚めた。
「ユニ!ヨノ姉!無事!?」
思わず身を乗り出して、声を荒げていた。
ヨノのドレスは真っ赤に染まってはいるものの、見た限り彼女に傷のようなものはなく、どうやらそれは別人の者の血であることが分かる。
アブセルは二人が無事であることに胸を撫で下ろすも、しかし次にはこの異様な状況に意識が移る。
廊下には血の水溜まりが出来上がっており、周囲は夥しいほどの濃い血の臭いで満ちている。
そして傍らに倒れる二人の人物…。
「これ、何…?どう…なってんの?」
心の内の困惑を隠すことなく、アブセルは疑問を口にした。
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