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Key Of The Twilight

477メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/04/19(火) 11:35:31
【飛行艇】

泣き叫ぶDDと、声を荒げるシャム。
そんな二人とは対称的に、沈黙したままなのはフィアだ。

三者三様、吸血鬼達の様子にメイヤはどうしても良いか分からず、無言のまま先の戦闘で負った傷の処置をしていたのだが……

「とりあえず、一旦落ち着いてくれ。

船内はそう広くないから声が響くし、苛々を物に……壁なんかにぶつけられても困る。」

そろそろ我慢の限界だろうか。
言葉通り船内、一同が集まる広間兼食堂は決して広くはない為、声は響き、正直な所騒がしいを通り越して煩い。

ましてや苛々を発散する為に壁に大穴でも開けられてしまえば大変だ。
これ以上続けられると、収集が着かず面倒になるだろう。

DDとシャムを宥める声を掛けながら、これらどうするべきかとメイヤは考える。
するとそこで、椅子に腰掛け俯いたままのフィアが顔を上げ、沈黙を破り口を開いた。

「私はシャムと同意見よ、黙って喰われるつもりなんて無い。

何より、私はまだ死ねない。

レオの敵を討つまでは絶対に死ねないの……」

そう、十字界での争乱、激闘の末に命を落としたレオの敵討ちの為に、フィアはこの人間界へ来たのだ。
ノワールの護衛や異質な存在の調査、そして人間との共闘で日和っていたが、先のオリジンとの戦いで一番の目的、復讐の炎は再び確と燃え上がったのだ。

だが、だからといってオリジンの存在を無視する訳にはいかない。
放っておけば他の長老が、眷族が、そして娘であり姫であるノワールにまで魔の手は伸びるだろう。

「ジーナに頼まれていた異質な存在の調査、一応は終わりね。

異質な存在はオリジンで、かの存在は私達長老に害を成す。

先ずは十字界に戻り、どうするか早急に話し合うべきだわ。」

DDとシャムの二人へ声を掛け、フィアは立ち上がる。
泣き続けるDDと匙を投げたシャム、声を掛けなければ二人はきっとこのままだろう。

「私達もバルクウェイへ、師団の元へ戻りましょうか。」

その様子に合わせ、バッハもまた、イスラとアグルへ声を掛ける
討伐対象であった吸血鬼の長、メルツェルはその命を落とし、奇しくも依頼された任務は達成された。

目的を果たした今、生存者0、廃墟と化したこの街に留まる理由も無い。
幸いにも自分を含めた四人全員無事であり、今すぐにでも出発出来る状態だ。

「吸血鬼の皆様方もこの街を発つようですし……まさか一緒に行動する訳もないでしょう?」

一応は確認の声を掛け、バッハは全員の顔を見回した。


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