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ライトノベル総合(2)

69なると:2023/08/01(火) 12:20:27 ID:CVo7XjhE
◆蒼海館の殺人(アオミカンノサツジン)

前作「紅蓮館の殺人」で犯罪を見事に解いたが、人を死なせてしまって心の傷を負った自称名探偵の高校生「葛城輝義」は実家(祖母の家の)蒼海館に引きこもって学校へ来なくなった。
彼を心配した主人公「田所」とその友達「三谷」は東京から二時間の隣県にある「蒼海館」へ行くことになった。時は十月、季節外れの大型台風の所為で、日帰りができなくなった二人は館主の祖父「惣太郎」が亡くなって49日目の法事が行われていた「蒼海館」に泊めてもらうことになる。
彼ら以外にも、謎の招待状を受け取った三人の部外者が来ていた。そして大型台風の所為ですぐ側の「曲川」が氾濫して、徐々に上がる水位に、下方にあるY村や高台にある「蒼海館」さえも水没の危機に。そんな自然災害に備える中、離れで猟銃自殺した兄「正」のしたいが発見される。果たしてこれは自殺なのか、くせ者揃いの葛城家と招かざる客を相手に「田所」はなんとか塞ぎ込む「名探偵・葛城」の復活を願って奮闘するという推理ミステリー。

久々に結構なボリュームの小説だったので、読むのに時間が掛かった。前作の内容はうろ覚えで詳しいことは忘れていたので、ああそういう内容だったなあって思い出しながら読みました。で、内容だがベテラン推理作家に比べると少々表現が少年にも分かり易い語句でライトノベルよりに感じるかなあ。そして推理も多少強引な部分もあるかなあ。しかめっ面を難しい言葉の「眉根を寄せる」って表現で多用する小説はだいたいそう感じるんだよなあ(自分はね)。
でも、それなりに面白かった。ただ後味は悪いかなあ。犯人はこういう犯罪とトリックを用いて、後の人生の苦しさや生きづらさに釣り合わないだろう、犯罪は天才的かも知れないけど、ある意味バカじゃねーの?って思ったw動機がなんか弱いというか、やっぱ犯人は自分の立てた犯罪が上手くいくことに陶酔するやっぱバカだったのではw

それにしても、犯人も一晩であれこれやらなきゃいけない忙しい犯罪でしたね。そして名探偵の推理はまあまあ素晴らしかったが、氾濫した水で館が水没、流される命の危険が迫ってる中で、普通なら「推理なんかやってるんじゃねえ」って言われるところだよw犯人が誰かは4分の3ぐらい読んだ時点で大体分かったかなあ。家族を個別に呼んで尋問するところは「オリエント殺人事件」っぽいよね。家族や客それぞれに弱みがあって、謎が何重にも重なっているところは、凄い力技だなあってちょっとい感心しました。
主人公の悪戯というか「探偵復活」のための布石の所為で殺人が行われやすくなったのは、どう処罰されてしまうのかは結構ドキドキでした。

続編に期待したいけど、火災・水難でもう都合の良い殺人事件の設定やネタが無いかもって思ってしまった。でも続編に期待します。


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