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映画感想スレ(4)

37シャアダム:2019/03/17(日) 20:10:24 ID:ThfKNmts
◆我らの生涯最良の年(原題:The Best Years of Our Lives)1946年アメリカ

アカデミー賞受賞作品。内容は、太平洋戦争が終わり帰還の途で出会った同郷(ブーンの町)の三人の兵士達。帰ってみるとやや想像していたものと違っていて、両腕を負傷して義手となったホーマーは知り合いやや恋人の哀れみの同情が嫌になって外へ散歩に、元銀行家のアルはもっと喜んでくれると期待してた歓迎が物足りず家族を連れて酒場で飲み歩く、フレッドは妻が実家を出て行って別の家で一人暮らし、その上クラブで夜に働いているのを聞いて、少しショックを受けて夜のクラブに探しに出て行った。
そして三人はホーマーの叔父のブッチの酒場で再び出会い、意気投合して飲み明かす。次の日フレッドは酔いつぶれてアルの娘ペギーに介抱されてアルの家のベットで起きる。それがきっかけで、ペギーとフレッド(概婚者)は淡い恋心を抱くようになる。数日後フレッドは就職活動が上手くいかず、元職場に仕方なく復帰したが、そこへペギーがやってきて、彼女を食事に誘ったのちキスまでしてしまう。娘ペギーは本気で好きになり、上手くいってないフレッドと妻を別れさせようと決意する。それを知ったアルは娘を不幸にしないために、フレッドを呼び出し二度と娘と会わないように話をして了解させる。
また、アルは無事銀行家に復職したものの、復員兵に同情して無担保融資などをして頭取に呼び出される。そして一方、ホーマーは自分の両腕の義手に対する劣等感から怒って問題を起こし、悩んだ末に、婚約者との結婚を諦めようとしていた。偶然立ち寄ったフレッドの職場でも問題を起こして(相手も悪い)、それがきっかけで喧嘩になり、フレッドは客を殴って職場をクビになる。そういった、三者三様の主人公とその家族・知り合いの日常が、悩みや喜びとともに重なり綴られていく群像劇でした。

感想:日本が戦争に負けた直後に作られた戦勝国アメリカの帰還兵の映画を観るのは複雑な気分だが、それを考えずに観れば、素晴らしい映画でした(さすがアカデミー作品賞だけはある)。今の映画のように、感動させるぞ!というわざとらしい演出がなく、全て自然な流れで自然な日常で劇的な事も起こらず、それでいて感動作品に仕上がっているのは見事でした。三時間ほどある作品だが、あっという間に過ぎて時間を感じさせないほどストーリーや構成や演出が素晴らしかった。最初の一時間、家族に会える喜びと期待感をを抱きつつ家に帰るまでをじっくり描いたあと、なんか思っていた帰還の喜びと違っていて、且つ現実の厳しさやそれぞれの家庭の持つ微かな軋みを感じる次の一時間。ラスト一時間は不倫・帰還兵の復職の悩み・戦争による障害者の生活や結婚など問題が顕著化してとくにホーマーとフレッドは幸せになれるのか、このまま惨めな人生を送ってしまうのかって目が離せなかったですね。
戦争は勝った国でも数々の不幸をもたらす(まあ負けた日本の国民に比べたらまだマシかも知れませんが)って事も感じましたね。フレッドは不幸が重なって、最後戦争の想い出の中で、自殺するのかと思いましたよ。あと、ホーマーを観ていると両腕がないのに良く色んな細かいことが出来るなあって、生きるたくましさ、そのための努力の大切さに感心してしまいました。この映画を観て、不満ばっかり言う前に、まだまだ俺は努力が足りないなあって痛感、そういう意味でもこの映画を観れたことに感謝ですね。心の支えになってくれそうなホーマーさんでした。

自然な感動がとても心地がいい映画でしたが、ひとつだけご都合主義的なラストのペギーとフレッドの恋の成り行きが不自然で・・でもまあいいか、気分良くラストを迎えられたんだから(和解のシーンがないのがアレだし、親のアルの目の前なのに・・まあ、アメリカ人は恋に積極的と言うことで、言葉など交わさなくても通じ合ったと言うことかな)。あと、奥さん・婚約者・新婚の妻・娘・少女まで出てくる女性がみんな美人揃いだなあ(監督が美人をそろえたな)w

あとひとつ、しっかり広島原爆や沖縄戦や硫黄島や原子力の怖さやアメリカの戦争・政治批判に言及してるところは好感が持てました。人生山有り谷有り(谷の方がおおいけどねw)。


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