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映画感想スレ(4)

140シャアダム:2019/09/20(金) 20:47:52 ID:rmiMl0oI
◆7月4日に生まれて(原題:Born on the Fourth of July)1989年アメリカ

ロン・コーヴィックの実体験を基にした小説の映画化。主人公ロン役にはトムクルーズ(当時27歳)。彼は役作りのため一年間車椅子生活を体験した(まあ、24時間365日ずっとでは無いでしょうが)というから驚き!。

内容は、1957年ロン(ロニー)の少年期から始まる。親父が第二次世界大戦でアメリカのため戦った事。ケネディ大統領の演説に感銘を受けたこと(自己犠牲精神や愛国心についての演説)。高校になっては海兵隊リクルーターの力強い勧誘に刺激され、レスリング部で培った不屈の精神など、大事な試合に負けたことによりある種の劣等感もあり、強く格好いい男への憧れから、これからの恋人との青春(大学生活)を故郷に置いて、自分を試すかのように自分の道を探すかのように海兵隊になることを決意。
海兵隊になったあと、ベトナム戦争の最前線で部隊を指揮するまでになったが、誤って女子供しかいない村を襲撃して惨殺死、パニックから部下のウィルソンを敵だと思って殺してしまう。その戦いでロニーも重傷を負い、下半身が麻痺して動かなくなり車椅子生活を強いられることになる。地獄のような闘病生活ののち、故郷へ戻ってきたのだが、戦争に行かなかった人々から奇異の目でみられ、段々居心地が悪くなる。元恋人に会いに行くが、彼女は(ベトナム)戦争反対の学生運動をやっていて、警官隊と衝突する。
そのようなことがあって、ロニーは国のために戦った戦争や自分が信じてきた兵士となって国のために戦う愛国心や自己犠牲精神に疑問を持つ様になる。荒れるロニーは家族に追い出されメキシコの同じ戦争負傷者が集う村へ逃げて、堕落して退廃していく・・・。というベトナム帰りの戦争負傷者のその後を描いたかなり辛いヒューマンストーリーでした。

感想:正直言ってこんなに観るのが辛い映画だとは思いませんでした。特に自分の下半身が不随になって、男としてもダメになったロニーが、家族に「チ●ポー!チン●ー!まともな男になりたい!誰がこんなオレを愛してくれるんだ!・・」ってあたるシーンが辛くて観てられませんでしたわ。その他にも、ニヤニヤして希望を持ちながら(心ではいつか下半身も直るからと自分に言い聞かせて)尿処理のための管から血尿を垂らすのが痛々しくて・・病院は生き地獄だと感じましたわ。
ある意味、女子供の虐殺や仲間殺しの罰と捕らえられるんだけど、生きてもいい事なんて無い希望も光明も見えない人生って自殺したくなるよね・・同情もしらじらしい、そんな気分にさせる映画なのに、さらに落ちぶれって退廃的になり、もうただ何となく生きてるだけってメキシコのシーンが追い打ちを掛けるので途中観るのを何度も挫折しました、自分まで鬱になってしまいそうなのでw
「殺人・戦争ゲームやアニメ」を楽しんでる子供達に観てもらいたいなあ、どう感じるかなあってふと思いました。戦争って負けるとこんなに辛い人生が待ってるし、例え勝っても人を殺したという記憶は自分を責めるものですね。
戦争の負の面に真っ正面から逃げずに映像化した「オリバーストーン」監督(私生活は荒れ荒れだけどw)に凄いなあって思います。そしてこの小説を書いたベトナム戦争に行った元軍人の作者にも。

そして、この映画の真骨頂は「性と酒(メルカリ)」に溺れた人間としてのどん底生活のメキシコで、同じようなどん底野郎と喧嘩して疲れ果てて「これからオレはどうしたら良い?」って聞くところからだと思います。ここから、謎の感動が待ってました!
「戦争反対と叫ぶシーン」や「部下殺しの告白シーン」が、じわっと涙出てくるほど感動しました。いやあ、このための「観るのも辛いどん底人生の2時間」とは言いたくないけど、そういったカタルシスがありました。「あの日息子さんを殺したのは、僕なんです・・」からの「もう・・とりかえしはつきません。私はあなたを許さない」からの「わかるわ、あなたがあの日から味わった苦しみを・・」やべ、思い出したら、再び感動がw
あと、この映画に感銘を受けた人は、ベトナム戦争(第二次インドシナ戦争)やケント州立大事件やソンミ村虐殺・ニクソンやウェストモーランド将軍について調べてみるももいいかと思います。まじ「戦争反対!」ですねw
まあ、差別や犯罪がなくならないように戦争を無くすことは出来ないと思いますが、この主人公のような悲しい人を出さないように、なるべく回避してほしいですね。映画「追憶」でも「共産主義」が嫌われてたように、この頃のアメリカは一種の共産主義(赤)の侵略に怯えていたんですね(今もかも知れませんが)。
「火垂るの墓」みたいに観るのが大変辛い映画ですが、自分は、無かったことにしたい戦争の負の部分に、また見たくない人間の負の部分に、逃げずに正面からぶつかった中々の佳作映画だと思います。


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