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ライトノベル総合

987なつかぜ:2020/02/10(月) 19:53:43 ID:rmiMl0oI
◆それでもデミアンは一人なのか?

WWシリーズの第一巻(森博嗣の新シリーズ)でウォーカロンシリーズの続編。

名前を変えてドイツへ身を隠し名前を変えた前シリーズからの主人公ハギリ博士と情報局員ウグイの借家の元へ古いタイプの情報収集・戦闘用ウォーカロン「デミアン」が訪ねてくる。
彼の目的はマガタ博士(真賀田四季)の元に連れ去られたロボット「ロイディ」を見つけ出し、奪取すること。「この世でまた会いましょう」と言って立ち去った「デミアン」は次々に施設に侵入して騒ぎを起こす。そして舞台はナクチュ特区から日本へ。冷凍保存されたナクチュの王子を奪取するため現れた「デミアン」と日本まで呼ばれ警察と協力する主人公グアト(ハギリ博士)一行は「王子」を巡って「デミアン」と再び対峙する。
「デミアン」とは何者なのか?そして彼の行動理由とは?というSFミステリーでした。

いやあ、意外と難解な小説でした。「赤目姫の潮解」を難易度10とするなら、この小説は難易度4ぐらい(犀川&萌絵シリーズは平均難易度3ぐらい)でした。解りにくいかwつまり、最後まで読んだ後、犀川みたいな逆転の発想みたいな発言に「え?」ってなって、もう一回最初っから読んでストーリーをじっくり確かめました。ややこしくて混乱して頭がモヤモヤしますw
ちなみに「赤目姫の潮解」については今も理解出来てません。

まず、主人公が変わったのかなって読み進めると、ハギリとウグイが名前を変えただけじゃんってニヤ笑い。サリノ(ウォーカロン)もセリンと名前を変えて出てきます。そして、この物語の難易度を上げてるのが新キャラ「デミアン」とドイツ捜査官「ヘルゲン」と館長「ミュラ」の関係。

(これ以上はネタバレを含みますので読んでからお願いします)

その三人の行動だが、まず「デミアン」はロイディを探している。そしてドイツ警察に追われている。その後、グアトの元に「ヘルゲン」が現れる。彼は「デミアン」の事を聞く(わざとらしいw)彼も「また会いましょう」と言って一旦去る(これがヒントだったかw)。
「ヘルゲン」は「デミアン」がロボットなのかウォ-カロンなのか訪ねる(わざとらしいw)。まあ。ここでは腹の探り合いと言うことで、読者を納得させてミスリードさせている。そして、クジ博士とロボットの中に脳移植の違法手術の話。ペイシェンスもロイディに関係しているらしい話(伏線だろうなあ)。
次に「ヘルゲン」によって、「デミアン」が作られたHIX研究所があった場所で現在は大学の博物館に連れてこられる。そこの館長が「ミュラ」。もう「デミアン」達の手の平の上で踊らせられている主人公達wそこで「デミアン」はコバルトジェネレータ搭載実験体ウォーカロンの最後の一体(本当は脳移植実験体の生き残り)と言うことが分かる。そして「ヘルゲン」は「デミアン」と王子の顔が似ていると指摘(グアト達が騙されていく〜)。
つまり、「デミアン」の中に「王子」の脳が移植されていると信じさせたかったし、「王子」を狙うことの正当化と「王子の奪取」はモレル氏の依頼でもあったと言うことか(二回読んでようやく分かるこのややこしさ)。
そして、事件解決後に「ヘルゲン」が恨みを持つものに殺されるし(これは予想しなかったまったくの不慮の出来事なのかな)、蘇生手術も試みないし、「デミアン」に頭部を持ち去られる。これはあの3人の関係の真実がばれると困るからか。で、妹「ミュラ」がまさか「グアト」達が来るとは思わなかったから、必死に「デミアン」が冷酷な死体損壊の犯罪者と主人公達に信じ込ませようとしたり、「デミアン」の中に「ヘルゲン」の脳が入っている事を信じ込ませようとしたけど、グアト(ハギリ博士)は「真実」を見抜いてしまう。

いやあ、ややこしいストーリーでしたが、面白かったです。この世界の人類はいったいどうなるんでしょうね。そこが一番面白い所ですね。




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