したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

習志野原の掲示板2022-1

244エル・アルコン:2023/01/23(月) 22:56:46
定期券制度というのは交通事業者、雇用者、被雇用者にとっての「三方良し」だったんですよね。交通事業者には最大6ヶ月の前受金が計上でき、それがあって交通事業者は基本キャッシュリッチのポジションになれました。雇用者は精算の手間が省けるし通勤交通費としての税務面での優遇が得られる経費の定額化(非デジタル時代には大きい)もありました。被雇用者は非課税所得扱いとともに休日や途中下車の恩恵があり、「通勤定期の私的利用」は天下御免の「私用」であり、それを咎める人は誰もいなかったわけです。

Covid19による在宅勤務の深度化、それも感染防止の自宅待機の意味合いしかないなんちゃって在宅から、本格的な在宅勤務の体制になってきている会社が増えています。それは通勤交通費の性格を根底から変えてしまうわけで、定期券よりも実費精算が安いのであれば雇用者も定期券現物や定期券相当額で支給する必要は無くなり、近距離移動と同様に実費精算を週次あるいは月次ですることになります。企業が割高な負担をすることはまずあり得ませんし、税務上の問題にもなります。(課税所得になる)

これ、交通事業者にとってはかなり痛い話で、定期券という前受金が消えて都度払い(それでも現金決済あるいはチャージの段階での前受金だが、チャージは別途引当(積立)が必要なのでうま味が薄い)になるという、収入の減少と運転資金の減少というダブルパンチになります。
社会的にも、通勤定期区間での繁華街での消費にまず影響が出ますね。神田や新橋で飲んだくれているお父さんが初乗りを再度払うとなると考えるでしょう。いわんや休日のお買い物に都内に出かける、というインセンティブも消滅しますよね。往復で1000円かかります、ってなるんですから。経済への影響も馬鹿になりません。買い物ならクルマで、という一択でしょう。あるいは平日に帰宅がてらに買い物が出来る店に行くくらいです。

バス業界はそもそも割引率が渋くて定期券購入客が少なかったこともあり、エコファミリーとかで定期券を持っていれば定期外でも100円とか小児50円とか極めて安い価格で自社バスに乗れる、というのをメリットとして打ち出していました。これはもう露骨に「定期券の私的利用」を前提にしていますが、定額での支給でもあり、定期券の私的利用は横領でもなんでもなく、一種の福利厚生のような位置づけで社会的に公認されていました。

それが成立していたのも定期券<個札の合計だったからであり、在宅で定期券>個札の合計となった瞬間にそのスキームは崩壊します。
ちなみに通学定期の場合、夏休みを筆頭に春夏冬の長期休暇があるため、また大学を中心に試験期間が絡むと三学期は定期を買うに及ばないケースも多く、6ヶ月定期を購入しないで長期休暇期間には定期が無い状態で過ごす人も少なくありません。その意味では定期が無くて私的利用をしないというケースの先鞭ですが、事業者も2つの対応として、長期休暇の分が無駄になるという声に応えた学期定期の発売と、逆にメリットを強化して年間定期として発売する(その典型が全線定期化)、という対応に走っています。

通勤の場合は通学のようなメリハリがないだけに定期券としての売り込みが困難です。あるいはPitapaの一部事業者が導入しているような実績精算としての回数割を導入するかといった対応しかありませんが、ロジックの構築と把握が手間ですし、ポストペイになるので資金面でのメリットが逆にデメリットになってしまいます。(未収入金になる)

大都市圏では、というかローカル交通事業者においても定期客の確保は収益の源泉であったのが、音を立てて崩れていくわけです。
交通事業者にとってはそれこそ「どこでもドアが出来ない限り」という感じだった事態が現実のものになったわけで、ポストコロナの公共交通をどうするのかという重いテーマになります。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板